JP2003103757A - 可撓性刷版装着方法および装着装置 - Google Patents

可撓性刷版装着方法および装着装置

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JP2003103757A
JP2003103757A JP2001300879A JP2001300879A JP2003103757A JP 2003103757 A JP2003103757 A JP 2003103757A JP 2001300879 A JP2001300879 A JP 2001300879A JP 2001300879 A JP2001300879 A JP 2001300879A JP 2003103757 A JP2003103757 A JP 2003103757A
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Mutsumi Namihana
睦 浪華
Kiyosuke Kasai
清資 笠井
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 可撓性刷版を確実・容易に版胴に装着でき刷
版の伸びを100μm以下とする刷版装着方法を提供す
る。 【解決手段】 版先クランプ機構12の位置決めピン1
4に刷版70の版先の切欠を当接固定し押圧する刷版押
圧機構17と、版尻固定機構13と、版胴に巻回固定さ
れる版下シート27とを備え、版下シート27はその初
期弾性率が350kgf/mm2(350×9.8×1
6Pa)以上の支持体の少なくとも片面に凹凸形状を
有する版下シートであって、該凹凸形状が、粒径1〜1
00μmの粒子と結着樹脂からなる凹凸面とその上に設
けられたオーバーコート層からなっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、印刷装置の版胴に
刷版を装着するためのもので、特にデジタル製版された
可撓性刷版を装着するための刷版装着方法及び刷版装着
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】平板印刷用印刷機においては、印刷版を
版胴に巻装固定し、この状態で印刷を行うのが一般的で
ある。しかし、安価でかつ取り扱いが容易な少なくとも
裏面が金属以外の材料からなる平版印刷版(本明細書に
おいて、可撓性の刷版と呼ぶ)は、寸度安定性に難点が
あり、例えば、刷版装着時の刷版の取り扱いや、印刷中
のゴム胴との摩擦力により歪みを生じ、印刷寸法を及び
紙に対する印刷位置精度を損ねてしまうという問題があ
った。
【0003】従って、上記のような可撓性の刷版は、従
来、印刷物の見当精度をあまり必要としない少ない枚数
を印刷する簡便用に限られており、多色で精巧な高級印
刷や大型印刷機を用いた本格的な印刷には用いられてい
なかった。
【0004】ここで、前述の、刷版装着時の取り扱いで
可撓性の刷版に発生する歪みについて詳細に述べる。図
19及び20に、代表的な刷版装着装置60を示す。図
20は、図19におけるX矢視図、図19は、図20に
おけるYーY断面図である。
【0005】図19に示すように、印刷機の版胴61
は、円柱の一部分を当該円柱の軸方向に切り取り、その
切り口である略平らな面(以下、平面部61aとよぶ)
に溝部65を設けたような形状を有している。そして溝
部65内には、刷版70の先端である版先を挟持する版
先クランプ機構62と、刷版70の後端である版尻を挟
持する版尻クランプ機構63とが設けられている。各ク
ランプ機構62,63は、その上面が平面部61aと略
同一平面を形成する下歯62b,63bと、前記下歯に
回動可能に支持され、下歯上面との間で版先を挟持可能
な上歯62a,63aとを備えている。さらに、溝部6
5底面上で版先クランプ機構62および版尻クランプ機
構63を前後、左右、斜めに位置調整可能な、図示しな
い位置調整機構を備えている。
【0006】版胴61の平面部61aと曲面部61bと
の間には頂部61cが形成されている。図示しないが、
版胴によっては、平面部の代わりにクランプ機構の下歯
上面等が、曲面部との間に頂部を形成するものもある。
通常、平面部61aと曲面部61bとが交差する部分は
丸められて、半径5〜30mmの曲面になっているが、
このような部分も本明細書においては頂部と呼ぶことに
する。
【0007】そして図20に示すように、版先クランプ
機構の下歯62b上面には、版胴61の軸方向に間隔を
隔てた2箇所に、位置決めピン64が突設されている。
版先クランプ機構の上歯62aの、前記位置決めピン6
4に対応する箇所には、切欠66が形成されている。ま
た、図中2点鎖線で示される刷版70の版先70aに
も、位置決めピン64に対応する箇所に切欠71が形成
されている。
【0008】例えば前述した刷版装着装置60により、
可撓性の刷版70を版胴61に装着する場合、オペレー
タが版尻70bを把持しながら、版先クランプ機構の上
歯62aと下歯62bとの間に刷版の版先70aを押し
込み、2箇所の位置決めピン64に当該版先を当接させ
た際に、版先70aが変形し、その変形した状態で版先
70aが固定されてしまうことがある。すなわち、菊半
裁判以上の刷版を装着可能な版胴においては、版胴61
における2箇所の位置決めピン64の間隔がかなり広く
なり、刷版装着時に、オペレータが可撓性の刷版70を
少しでも押しすぎると、2箇所の位置決めピン64の間
から版先70aが押し込み方向に突出するように、刷版
70が変形してしまうのである。しかし、このような変
形を避けようとして刷版70の押し込みが不十分になる
と、刷版を正確に位置決めすることができない。
【0009】また、図19に示すように、版胴61の平
面部61aと曲面部61bとの間に形成される頂部61
cの近傍においては、可撓性の刷版70が版胴61の外
周面になじみにくく、刷版70が版胴外周面から浮いて
しまう傾向がある。このような刷版70の浮きを防止す
るために、オペレータは、版先を版先クランプ機構62
に挟持された刷版の版尻を強く引張りながら、版胴を回
転させて刷版70を巻装する。しかしこのときに、可撓
性刷版70の版尻の引張られた箇所が伸びてしまう。
【0010】前記の様に版尻を引っ張りながら刷版を巻
装した後に、版尻クランプ機構の上歯と下歯の間に刷版
の版尻を押し込み、上歯を回動させ版尻を固定し、図示
しない張力付加機構により版尻クランプ機構を刷版に張
力が付加される方向に移動させることにより、刷版を版
胴の周面に密着させ、版装着が完了する。従来の一般的
な版装着装置において、このような刷版を版胴の周面に
密着させるための張力付加機構は、アルミ等の金属支持
体刷版に合わせて設計されているので、可撓性の刷版の
場合、必要以上に伸びてしまう。また、張力付加機構
を、可撓性の刷版に合わせて低い張力が付加されるよう
に設計した場合、張力が足りず、版胴に刷版を密着させ
ることができない。もし、刷版が浮かないように装着で
きたとしても、このような低い張力では、印刷時のゴム
胴との摩擦力により刷版がずれてしまう。
【0011】ところで、近年、平版印刷方法において、
最近のデジタル描画技術の向上と、プロセスの効率化の
要求から、刷版上に、直接デジタル画像情報を描画する
システムが数多く提案されている。これは、CTP(C
omputer−to−plate)、あるいはDDP
P(Digital Direct Printing
Plate)と呼ばれる技術である。上記の技術は、
従来のコンベンショナル製版方法(刷版にリスフィルム
を重ねて密着露光)に比較して、刷版に対する画像の位
置精度が良好で、多色印刷において見当精度が良好であ
るという長所を有している。当然ながら、可撓性の刷版
を用いたデジタル製版システム提案もされており、安価
なことから、これを用いた多色印刷へのニーズは存在す
る。しかしながら、可撓性の刷版は、前記のような問題
を有するため、デジタル製版の画像の位置精度が良好で
あるという長所を生かせず、多色印刷において、金属支
持体刷版並の見当精度は実現できていない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、デジ
タル製版された可撓性の刷版を歪んでしまうことなくか
つ容易に装着することができ、既設の印刷機等に若干の
改良を加えることでも実施可能で、金属支持体刷版並の
寸度安定性と多色刷りにおける見当精度を得ることがで
きる可撓性の刷版装着方法、及び、刷版装着装置を提供
することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本願の請求項1記載の可撓性刷版の装着方法の発明
は、版先に3カ所以上の切欠きを有する可撓性刷版を版
胴に装着する可撓性刷版装着方法において、前記刷版の
版先を前記版胴に固定する上歯と下歯を有する版先クラ
ンプ機構と、前記刷版の切欠きに対向して前記版先クラ
ンプ機構に設けられた少なくとも3本の位置決めピン
と、からなる版先位置決め機構と、前記刷版を前記版胴
に押圧する刷版押圧機構と、前記版胴の版尻を前記版胴
に固定する版尻固定機構と、前記版胴に巻回固定されて
なる版ずれ防止機能を有する版下シートとを備えた刷版
装着装置を用い、前記刷版の版先を、前記版先クランプ
機構の上歯と下歯の間に押し込み、少なくとも3本の前
記位置決めピンに前記版先の切欠きの内周面を当接させ
て位置決めを行うと共に固定し、前記刷版押圧機構が前
記版胴の頂部を含む外周面に前記刷版を押圧手段により
くまなく押しつけながら、前記版尻を解放状態で前記版
胴を回転させて前記刷版を該版胴に巻装してゆき、巻装
終了後、前記版尻固定機構により前記刷版の版尻を前記
版胴の半径方向に押圧固定することにより、前記刷版装
着時の版胴回転方向の最大印刷長における前記刷版の伸
びを100μm以下とし、さらに前記版ずれ防止機能を
有する版下シートが、初期弾性率が350kgf/mm
2(350×9.8×106Pa)以上の支持体の少なく
とも片面に凹凸形状を有する版下シートであって、該凹
凸形状が、粒径1〜100μmの粒子と結着樹脂からな
る凹凸面とその上に設けられたオーバーコート層からな
ることを特徴とする。請求項2記載の発明は、版先に少
なくとも3個の固着穴が穿設されている可撓性刷版を版
胴に装着する可撓性刷版装着方法において、前記刷版の
版先を前記版胴に固定する上歯と下歯を有する版先クラ
ンプ機構と、前記版先クランプ機構に設けられた位置決
めピンと、位置決めピンに取り付けられ自身に刷版固着
用の少なくとも3個の固着ピンを有する前記刷版より高
剛性のピン当接部材と、からなる版先位置決め機構と、
前記刷版を前記版胴に押圧する刷版押圧機構と、前記刷
版の版尻を前記版胴に固定する版尻固定機構と、前記版
胴に巻回固定されてなる版ずれ防止機能を有する版下シ
ートと、を備えた刷版装着装置を用い、前記刷版の前記
固着穴を、前記版先クランプ機構の上歯と下歯の間の前
記ピン当接部材の固着ピンに差し込むことにより位置決
めを行うとともに固定し、前記刷版押圧機構が前記版胴
の頂部を含む外周面に前記刷版を前記押圧手段によりく
まなく押しつけながら、前記版尻を解放状態で前記版胴
を回転させて前記刷版を版胴に巻装してゆき、巻装終了
後、前記版尻固定機構により前記刷版の版尻を前記版胴
の半径方向に押圧固定することにより、前記刷版装着時
の版胴回転方向の最大印刷長における前記刷版の伸びを
100μm以下とし、さらに前記版ずれ防止機能を有す
る版下シートが、初期弾性率が350kgf/mm
2(350×9.8×106Pa)以上の支持体の少なく
とも片面に凹凸形状を有する版下シートであって、該凹
凸形状が、粒径1〜100μmの粒子と結着樹脂からな
る凹凸面とその上に設けられたオーバーコート層からな
ることを特徴とする。請求項3記載の発明は、版先に少
なくとも3個の固着穴が穿設されている可撓性刷版を版
胴に装着する可撓性刷版装着方法において、前記刷版の
版先を前記版胴に固定する上歯と下歯を有する版先クラ
ンプ機構と、前記版先クランプ機構に設けられた位置決
めピンと、からなる版先位置決め固定機構と、前記刷版
を前記版胴に押圧する刷版押圧機構と、前記刷版の版尻
を前記版胴に固定する版尻固定機構と、前記版胴に巻回
固定されてなる版ずれ防止機能を有する版下シートと、
自身に刷版固着用の少なくとも3個の固着ピンを有する
前記刷版より高剛性のピン当接部材と、を備えた可撓性
刷版装着装置を用い、まず、前記ピン当接部材の固着ピ
ンを前記刷版の固着穴に差し込み固定し、次に、当該ピ
ン当接部材の先端を前記版先クランプ機構の上歯と下歯
の間の前記位置決めピンに固定することにより前記刷版
を前記版胴上に位置決め固定をし、前記刷版押圧機構が
前記版胴の頂部を含む外周面に前記刷版を前記押圧手段
によりくまなく押しつけながら、前記版尻を解放状態で
前記版胴を回転させて前記刷版を版胴に巻装してゆき、
巻装終了後、前記版尻固定機構により前記刷版の版尻を
前記版胴の半径方向に押圧固定することにより、前記刷
版装着時の版胴回転方向の最大印刷長における前記可撓
性刷版の伸びを100μm以下とし、さらに前記版ずれ
防止機能を有する版下シートが、初期弾性率が350k
gf/mm2(350×9.8×106Pa)以上の支持
体の少なくとも片面に凹凸形状を有する版下シートであ
って、該凹凸形状が、粒径1〜100μmの粒子と結着
樹脂からなる凹凸面とその上に設けられたオーバーコー
ト層からなることを特徴とする。請求項4記載の発明
は、請求項1〜3のいづれか1項記載の刷版装着方法に
おいて、前記支持体の凹凸形状の中心線平均粗さRaが
2〜20μmであることを特徴とする。請求項5記載の
発明は、請求項1〜4のいずれか1項記載の可撓性刷版
装着方法において、前記刷版を保持するガイド部材を有
し、前記ガイド部材は、前記版胴に装着前及び装着中の
刷版を保持することを特徴とする。請求項6記載の発明
は、請求項1〜5のいずれか1項記載の可撓性刷版装着
方法において、前記刷版の装着時に前記版胴を回転させ
る手段と、前記版胴の回転位置を検出する手段と、前記
回転位置を検出する手段からの信号により所定の位置
で、前記版胴を回転させる手段の回転、停止を制御する
手段と、前記押圧手段を前記版胴に対して接離させる駆
動手段と、前記回転位置を検出する手段からの信号によ
り所定の位置で、前記駆動手段を制御する制御手段とを
備えていることを特徴とする。請求項7記載の発明は、
版先に3カ所以上の切欠きを有する可撓性刷版を版胴に
装着する可撓性刷版装着装置であって、前記刷版の版先
を前記版胴に固定する上歯と下歯を有する版先クランプ
機構と、前記刷版の切欠きに対向して前記版先クランプ
機構に設けられた少なくとも3本の位置決めピンと、か
らなる版先位置決め機構と、前記刷版を前記版胴に押圧
する刷版押圧機構と、前記版胴の版尻を前記版胴に固定
する版尻固定機構と、前記版胴に巻回固定されてなる版
ずれ防止機能を有する版下シートとを備えた刷版装着装
置において、前記版ずれ防止機能を有する版下シート
が、初期弾性率が350kgf/mm2(350×9.
8×106Pa)以上の支持体の少なくとも片面に凹凸
形状を有する版下シートであって、該凹凸形状が、粒径
1〜100μmの粒子と結着樹脂からなる凹凸面とその
上に設けられたオーバーコート層からなることを特徴と
する。請求項8記載の発明は、版先に少なくとも3個の
固着穴が穿設されている可撓性刷版を版胴に装着する可
撓性刷版装着装置であって、前記刷版の版先を前記版胴
に固定する上歯と下歯を有する版先クランプ機構と、前
記版先クランプ機構に設けられた位置決めピンと、位置
決めピンに取り付けられ自身に刷版固着用の少なくとも
3個の固着ピンを有する前記刷版より高剛性のピン当接
部材と、からなる版先位置決め機構と、前記刷版を前記
版胴に押圧する刷版押圧機構と、前記刷版の版尻を前記
版胴に固定する版尻固定機構と、前記版胴に巻回固定さ
れてなる版ずれ防止機能を有する版下シートと、を備え
た刷版装着装置において、前記版ずれ防止機能を有する
版下シートが、初期弾性率が350kgf/mm2(3
50×9.8×106Pa)以上の支持体の少なくとも
片面に凹凸形状を有する版下シートであって、該凹凸形
状が、粒径1〜100μmの粒子と結着樹脂からなる凹
凸面とその上に設けられたオーバーコート層からなるこ
とを特徴とする。請求項9記載の発明は、版先に少なく
とも3個の固着穴が穿設されている可撓性刷版を版胴に
装着する可撓性刷版装着装置であって、前記刷版の版先
を前記版胴に固定する上歯と下歯を有する版先クランプ
機構と、前記版先クランプ機構に設けられた位置決めピ
ンと、からなる版先位置決め固定機構と、前記刷版を前
記版胴に押圧する刷版押圧機構と、前記刷版の版尻を前
記版胴に固定する版尻固定機構と、前記版胴に巻回固定
されてなる版ずれ防止機能を有する版下シートと、自身
に刷版固着用の少なくとも3個の固着ピンを有する前記
刷版より高剛性のピン当接部材と、を備えた可撓性刷版
装着装置において、前記版ずれ防止機能を有する版下シ
ートが、初期弾性率が350kgf/mm2(350×
9.8×106Pa)以上の支持体の少なくとも片面に
凹凸形状を有する版下シートであって、該凹凸形状が、
粒径1〜100μmの粒子と結着樹脂からなる凹凸面と
その上に設けられたオーバーコート層からなることを特
徴とする。請求項10記載の発明は、請求項7〜9のい
づれか1項記載の可撓性刷版装着装置において、前記支
持体の凹凸形状の中心線平均粗さRaが2〜20μmで
あることを特徴とする。請求項11記載の発明は、請求
項7〜10のいずれか1項記載の可撓性刷版装着装置に
おいて、前記刷版を保持するガイド部材を有し、前記ガ
イド部材は、前記版胴に装着前及び装着中の刷版を保持
することを特徴とする。請求項12記載の発明は、請求
項7〜11のいずれか1項記載の可撓性刷版装着装置に
おいて、前記刷版の装着時に前記版胴を回転させる手段
と、前記版胴の回転位置を検出する手段と、前記回転位
置を検出する手段からの信号により所定の位置で、前記
版胴を回転させる手段の回転、停止を制御する手段と、
前記押圧手段を前記版胴に対して接離させる駆動手段
と、記回転位置を検出する手段からの信号により所定の
位置で、前記駆動手段を制御する制御手段とを備えてい
ることを特徴とする。
【0014】ここで、刷版装着時の版胴回転方向の最大
印刷長とは、紙面に印刷可能な最大長さのことで、印刷
機の仕様書、取扱説明書等に具体的な数値が記載されて
いるが、一般的には、版先の頂部近傍から版尻の頂部近
傍にわたる版胴の直径円周上の領域の長さと見なすこと
ができる。押圧手段としては、ローラ状の押圧部材を駆
動手段によって版胴に接離可能としたもの等を採用でき
る。また、パッド状、ブラシ状等、平面状の押圧部材を
駆動手段によって版胴に接離可能とした平面押圧手段を
用いても良い。位置決めピンとしては、版先クランプ機
構の下歯の上面に上歯に向けて突設したものや、上歯の
下面に下歯に向けて突設したものや、版胴に一体的に設
けたもの等を採用できる。版尻固定機構としては、上歯
と下歯を有する版尻クランプ機構を採用できる。また、
板バネ状部材による版尻押さえ機構、両面粘着テープ、
スプレー糊、等による版胴面又は版尻クランプ部材への
接着等の手段を用いても良い。
【0015】前記請求項1および7の構成によれば、可
撓性の刷版が、3本以上の位置決めピンに当接されて位
置決めがなされるので、版胴における位置決めピンの間
隔が狭くなり、位置決めピンの間から版先が突出するよ
うに刷版が変形することはない。また、刷版を版胴に巻
装する際に押圧手段が、頂部を含む外周面にくまなく押
しつけ、刷版が版胴外周面に密着するので、刷版の版尻
を引っ張りながら巻装する必要はなく、刷版に積極的に
張力を付加しないので、刷版はほとんど伸びることはな
く、巻装時における押圧手段の抵抗による伸び等を考慮
しても、最大印刷長における刷版の伸びは100μm以
内に抑えることが可能となる。さらに、前記版胴に巻回
固定された版ずれ防止機能を有する版下シートが、巻回
した刷版を強固に支持するので、通常、刷版の張力がゼ
ロないし小さい場合に、印刷中にゴム胴との摩擦力によ
り刷版がずれてしまうことを防止できる。したがって、
刷版装着および印刷における刷版の寸度安定性は著しく
向上し、金属支持体刷版並の多色刷り見当精度を得るこ
とができる。さらに、可撓性刷版の版胴への装着性が著
しく向上し、オペレータの負担が軽減される。
【0016】もとより、従来の版装着方法で、本発明の
要件である、可撓性刷版装着時の版胴回転方向の最大印
刷長における刷版の伸びを100μm以下に抑えること
は不可能であった。というのは、第1に、前述のよう
に、刷版の浮きを防止するために、刷版の版尻を強く引
っ張りながら版胴を回転させて巻装する際に、容易に1
00μm以上伸びてしまうこと、第2に、前述の張力付
加機構は、アルミ等の金属支持体刷版に合わせて設計さ
れているので、可撓性の刷版の場合、容易に100μm
以上伸びてしまうからである。また、張力付加機構を、
可撓性の刷版に合わせて伸びが100μm以下になるよ
うな低い張力が付加されるように設計した場合、張力が
足りずに版胴に刷版を密着させることができない。も
し、刷版が浮かないように装着できたとしても、このよ
うな低い張力では、印刷時のゴム胴との摩擦力により刷
版がずれてしまう。
【0017】なお、刷版装着時の版胴回転方向の最大印
刷長における刷版の伸びが100μm以下というのは、
可撓性刷版であれば、その材質、サイズ(長さ、幅、厚
み)を問わず達成可能である。これは前述のように、刷
版に積極的に張力を付加しない装着方法だからである。
【0018】そして、版ずれ防止機能を有する版下シー
トは、初期弾性率が350kgf/mm2(350×
9.8×106Pa)以上の支持体の少なくとも片面
に、粒径1〜100μmの粒子と結着樹脂とからなる凹
凸面と、その上に設けられたオーバーコート層を有する
ことにより、繰り返し使用においても、粒子の脱落が防
止でき、版ずれを有効に防止することができる。
【0019】前記請求項2、3および8、9記載の構成
によれば、刷版の版先が、少なくとも3個の固着ピンを
有する高剛性のピン当接部材によって保護され、版先の
変形が防止される。したがって、位置決めピンの数を増
やさなくてもよく、既設の印刷装置や製版装置にも比較
的容易に適用することができる。刷版より高剛性のピン
当接部材の材質としては、金属等を選択することができ
るが、特に限定されない。
【0020】前記請求項4および10記載の構成によれ
ば、前記版下材料が、前記支持体の凹凸形状の中心線平
均粗さRaが2〜20μmであることから、版胴上での
位置ずれをより一層確実に防止することができ、さらに
好ましい。
【0021】前記請求項5および11記載の構成によれ
ば、刷版をガイド手段にセットすることで、可撓性刷版
のこしが弱いことによって生じる刷版のたれ下がりを防
止できる。したがって、刷版を手で保持する必要がなく
なり、刷版装着作業が簡略化される。また、これにより
版尻を引張ることが必要なくなるので、刷版の伸びを抑
えるのに効果的である。
【0022】前記請求項6および12記載の構成によれ
ば、オペレータは、刷版の装着時に必要とされる版胴の
回転・停止、及び押圧手段の版胴への接離を行わなくて
よい。したがって、オペレータの負担が一層軽減される
とともに、刷版を迅速に版胴に装着することが可能とな
る。
【0023】なお、特開平10−24555号公報に
は、3個以上の基準ピンによる、可撓性刷版の版先を位
置決めおよび固定する方法および装置が開示されている
が、この固定方法および装置は、上歯上面に基準ピンを
設け、この基準ピンが刷版の基準穴と嵌合し、刷版の位
置決めおよび固定する機構である。本発明において基準
ピンは、版先クランプ機構の上歯と下歯の間に存在し、
刷版又はピン当接部材の当接に用いられるもので、版先
の固定は、版先クランプ機構を用いるものである。 以
上のように同公報は、本発明と装置構成および基準ピン
の機能が異なり、さらに、同公報には、押圧手段によっ
て刷版を、版胴外周面にくまなく押しつけながら巻装す
るという本発明の技術思想が開示されていない。
【0024】また、登録実用新案第3014242号公
報には、可撓性の刷版を版胴に押しつける版押さえロー
ラを備えた刷版装着装置が開示されているが、同公報に
は、版先の変形を抑制するために、版先を3本以上の位
置決めピンに当接させる、又は刷版より高剛性のピン当
接部材に刷版の版先を固着し、当該ピン当接部材を位置
決めピンに当接させるという技術的思想が開示されてい
ない。なお、ここで開示されている刷版装着装置の版尻
クランプ機構は、版を挟持したのち、当該版尻を引っ張
る構成となっており、本発明の刷版に積極的に張力を付
加しないという技術的思想が開示されていない。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を、図面
に基づいて詳細に説明する。なお、既に説明した部材等
については、図中に同一符号または相当符号を付すこと
により、説明を簡略化或いは省略する。図1は、本発明
の第1実施形態を示す図であって、多色印刷(4色印
刷)用の印刷装置50内における1つの版胴11に、可
撓性の(ポリエステル製の)刷版70を装着するための
刷版装着装置10を示す図である。図2は、図1におけ
るX矢視図であって、本実施形態における版胴11を示
す図である。
【0026】図1に示すように、刷版装着装置10は、
版先クランプ機構12および版尻クランプ機構13を有
する版胴11と、版胴11の外周面に接離可能な押さえ
ローラ17およびゴム胴25と、刷版70の版先を版先
クランプ機構12に案内するガイド手段20とを備えて
いる。ここで版胴11は、図示しない制御手段によっ
て、回転・停止される。また、その制御手段は、版胴の
回転位置を検知する手段を備えている。
【0027】ガイド手段20は、板状部材21に突設さ
れた適宜の数(ここでは2個)の支持部材22の先端
に、ガイドローラ23を設けることで構成されている。
ここでは板状部材21として、印刷装置50の側面を覆
うカバーが使用されている。ゴム胴25は、版胴11に
接離可能とされており、刷版70を版胴11に巻装する
際に、当該ゴム胴と版胴の間で刷版70を挟圧すること
もできる。版胴11とゴム胴25の接触点の、刷版70
が挿入される側(図中左側)には、断面略L字状のハン
ドカバー26が配設されており、オペレータが誤って、
ゴム胴25と版胴11の間に指を挟んでしまうことを防
いでいる。
【0028】押さえローラ17は、図4に示すように、
シリンダ18等の適宜の駆動手段に組み付けられてお
り、図示しない制御手段により版胴11の外周面に接離
可能とされている。ここで押さえローラ17は、可撓性
の刷版に傷をつけること等がないよう、ゴム等の弾性を
有する材質からなっていることが好ましい。
【0029】そして、図2に示すように、版先クランプ
機構の下歯12b上面には、版胴11の軸方向に所定の
間隔を隔てて、3本以上(ここでは7本)の位置決めピ
ン14が突設されている。ここで位置決めピン14のう
ち、図中右側の1本の位置決めピンのみが断面円形状で
あって、他の位置決めピンは、当該位置決めピンの版胴
軸方向の幅が、前記断面円形状の位置決めピンの版胴軸
方向の幅よりも狭くなるように、円形の両側を版胴軸方
向に直交する方向に切り取ったような断面形状に形成さ
れている。また、位置決めピン14の位置に対応する、
上歯12aの適宜箇所、および刷版の版先70aの適宜
箇所には、切欠16,71がそれぞれ形成されている。
【0030】版胴11には、図3に示すように、版ずれ
防止機能を有する版下シートが巻装固定されている。以
下、前記版下シートの製造方法について詳しく説明す
る。版下シートの支持体は、350kgf/mm2(3
50×9.8×106Pa)以上の初期弾性率を有する
シート状のものであればよく、例えば金属板、樹脂シー
ト、金属−樹脂複合シート等が用いられ、好ましくはア
ルミニウム板、亜鉛板、チタン板、ステンレス等の金属
板、銅−アルミニウム板、銅−ステンレス板、クロム−
銅板等のパイメタル板、クロム−銅−アルミニウム、ク
ロム−鉛−鉄板、クロム−銅−ステンレス板等のトライ
メタル板、PETシート、PEシート、PPシート、ポ
リエステルシート、ポリイミドシート、ポリアミドシー
ト、アクリル樹脂シート等の樹脂シート、アルミニウム
−PETシート、アルミニウム−PEシート、アルミニ
ウム−ポリエステルシート、チタン−PETシート、チ
タン−PEシート等の金属−樹脂複合シートで、より好
ましくはアルミニウム板、ステンレス等の金属板、PE
Tシート、PEシート等の樹脂シート、アルミニウム−
PETシート、アルミニウム−ポリエステルシート等の
金属−樹脂複合シートが挙げられる。支持体の厚さは5
0〜250μm程度が適当である。初期弾性率の測定
は、JIS K7127に従って行うことができる。
【0031】本発明の版下シート表面に凹凸面を形成す
るのに用いる粒子は、粒径1〜100μmの粒子であ
る。好ましくは平均粒径1〜80μmであり、より好ま
しくは平均粒径1〜50μmである。本発明の粒子の素
材は特に限定されず、無機材料、有機材料、有機無機複
合材料等よりなる粒子である。平版印刷版の支持体の裏
面より硬度の大きな粒子が好ましく用いられる。
【0032】無機粒子としては、例えば金属粉体、金属
酸化物、金属窒化物、金属水酸化物、金属硫化物、金属
炭化物及びこれらの複合金属化合物等が挙げられ、好ま
しくはガラス、SiO2、TiO2、ZnO、Fe23
ZrO2、SnO2等の酸化物及びZnS、CuS等の硫
化物である。
【0033】有機粒子としては、例えば合成樹脂粒子、
天然高分子粒子等が挙げられ、好ましくはアクリル樹
脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンオキ
サイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリエチレンイミ
ン、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリウレア、ポリエ
ステル、ポリアミド、ポリイミド、カルボキシメチルセ
ルロース、ゼラチン、デンプン、キチン、キトサン等で
あり、より好ましくはアクリル樹脂、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリスチレン等の合成樹脂粒子である。
【0034】有機無機複合粒子としては、例えば、上記
の無機粒子及び有機粒子を形成する材料の少なくとも2
種以上の複合物等が挙げられ、好ましくは、ガラス、S
iO 2、TiO2、ZnO、Fe23、ZrO2、SnO2
等の酸化物及び/又はZnS、CuS等の硫化物とアク
リル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレ
ンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリエチレ
ンイミン、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリウレア、
ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、カルボキシメ
チルセルロース、ゼラチン、デンプン、キチン、キトサ
ン等の複合物等であり、より好ましくは、SiO2、T
iO2、ZnO、Fe23、ZrO2、SnO2等の酸化
物と水素結合性の官能基を有するアクリル樹脂、ポリエ
チレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリエ
チレンイミン、ポリウレタン、ポリウレア、ポリエステ
ル、ポリアミド、ポリイミド、カルボキシメチルセルロ
ース、ゼラチン、デンプン、キチン、キトサン等の複合
物等である。
【0035】本発明では、このような凹凸面を形成する
粒子を分散、結着する結着樹脂として、一般的に用いら
れる有機樹脂(親油性樹脂、水溶性樹脂等)、有機樹脂
エマルジョン、無機樹脂、有機無機ハイブリッド樹脂
等、天然、半合成、合成樹脂の全てが利用でき、必要に
応じて硬化して用いることができる。
【0036】親油性有機樹脂としては、アクリル樹脂
(ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸メチル、ポ
リメタクリル酸エチル、各種アルキル、アラルキルまた
はアリールアクリレート共重合体、各種アルキル、アラ
ルキルまたはアリールメタクリレート共重合体等)、ア
ルキッド樹脂(メラミン樹脂、フェノール樹脂等)、ポ
リスチレン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、エポキシ樹脂、
ポリアルキレン樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン
等)、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げら
れる。
【0037】水溶性有機樹脂としては、セルロース、セ
ルロース誘導体(セルロースエステル類;硝酸セルロー
ス、硫酸セルロース、酢酸セルロース、プロピオン酸セ
ルロース、コハク酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸
コハク酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、酢酸フタル
酸セルロース等、セルロースエーテル類;メチルセルロ
ース、エチルセルロース、シアノエチルセルロース、カ
ルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロー
ス、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルヒドロキシ
エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロー
ス、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース
等)、デンプン、デンプン誘導体(酸化デンプン、エス
テル化デンプン類;硝酸、硫酸、リン酸、酢酸、プロピ
オン酸、酪酸、コハク酸等のエステル化体、エーテル化
デンプン類;メチル化、エチル化、シアノエチル化、ヒ
ドロキシアルキル化、カルボキシメチル化等のエーテル
化体)、アルギン酸、ペクチン、カラギーナン、タマリ
ンドガム、天然ガム類(アラビアガム、グアーガム、ロ
ーカストビーンガム、トラガカントガム、キサンタンガ
ム等)、プルラン、デキストラン、カゼイン、ゼラチ
ン、キチン、キトサン、ポリビニルアルコール、ポリア
ルキレングリコール〔ポリエチレングリコール、ポリプ
ロピレングリコール、(エチレン/プロピレングリコー
ル)共重合体等〕、アリルアルコール共重合体、アクリ
ル酸共重合体、メタクリル酸共重合体、ポリアミノ酸、
ポリアミド(アクリルアミドもしくはメタクリルアミド
のN−置換体の重合体又は共重合体〔N−置換基とし
て、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、
ブチル、フェニル、モノメチロール、2−ヒドロキシエ
チル、3−ヒドロキシプロピル、1,1−ビス(ヒドロ
キシメチル)エチル、2,3,4,5,6−ペンタヒド
ロキシペンチル基等〕等)、ポリアミン(ポリエチレン
イミン、ポリアリルアミン、ポリビニルアミン等)、ポ
リウレア(尿素樹脂等)等が挙げられる。
【0038】有機樹脂エマルジョンとしては、アクリル
樹脂(ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸メチ
ル、ポリメタクリル酸エチル、各種アルキル、アラルキ
ルまたはアリールアクリレート共重合体、各種アルキ
ル、アラルキルまたはアリールメタクリレート共重合体
等)エマルジョン、アルキッド樹脂(メラミン樹脂、フ
ェノール樹脂等)エマルジョン、スチレン樹脂エマルジ
ョン、酢酸ビニル樹脂エマルジョン、エポキシ樹脂エマ
ルジョン、アルキレン樹脂(ポリエチレン、ポリプロピ
レン等)エマルジョン、エステル樹脂エマルジョン、ウ
レタン樹脂エマルジョン等が挙げられる。
【0039】無機樹脂としては、金属原子が酸素原子ま
たは窒素原子を介して繋がった結合含有の樹脂(以下、
金属含有樹脂とも称する)が挙げられる。金属含有樹脂
は、「酸素原子(窒素原子)−金属原子−酸素原子(窒
素原子)」から成る結合を主として含有するポリマーを
示す。
【0040】金属含有樹脂の中で、酸素原子−金属原子
−酸素原子の結合を有する樹脂は、下記一般式(I)で
示される金属化合物の加水分解重縮合によって得られる
ポリマーであることが好ましい。ここで、加水分解重縮
合とは、反応性基が酸性ないし塩基性条件下で加水分
解、縮合を繰り返し、重合していく反応である。
【0041】一般式(I) (R0)nM(Y)x-n 〔一般式(I)中、R0は水素原子、炭化水素基または
ヘテロ環基を表し、Yは反応性基を表し、Mは3〜6価
の金属を表し、xは金属Mの価数を表し、nは0、1、
2、3又は4を表す。但しx−nは2以上である。〕
【0042】次に、一般式(I)で示される金属化合物
について詳しく説明する。一般式(I)中のR0は、好
ましくは、炭素数1〜12の置換されてもよい直鎖状も
しくは分岐状のアルキル基{例えば、メチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、
ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシ
ル基等;これらの基に置換され得る基としては、ハロゲ
ン原子(塩素原子、フッ素原子、臭素原子)、ヒドロキ
シ基、チオール基、カルボキシ基、スルホ基、シアノ
基、エポキシ基、−OR′基(R′は炭化水素基、例え
ば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキ
シル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、プロペニ
ル基、ブテニル基、ヘキセニル基、オクテニル基、2−
ヒドロキシエチル基、3−クロロプロピル基、2−シア
ノエチル基、N,N−ジメチルアミノエチル基、2−ブ
ロモエチル基、2−(2−メトキシエチル)オキシエチ
ル基、2−メトキシカルボニルエチル基、3−カルボキ
シプロピル基、ベンジル基等を示す)、−OCOR′
基、−COOR′基、−COR′基、−N(R″)
(R″)(R″は、水素原子又は前記R′と同一の内容
を表し、各々同じでも異なってもよい)、−NHCON
HR′基、−NHCOOR′基、−Si(R′)3基、
−CONHR″基、−NHCOR′基等が挙げられる。
これらの置換基はアルキル基中に複数置換されてもよ
い)}、
【0043】炭素数2〜12の置換されてもよい直鎖状
又は分岐状のアルケニル基(例えば、ビニル基、プロペ
ニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、オ
クテニル基、デセニル基、ドデセニル基等、これらの基
に置換され得る基としては、前記アルキル基に置換され
得る基と同一の内容のものが挙げられ、また複数置換さ
れていてもよい)、炭素数7〜14の置換されてもよい
アラルキル基(例えば、ベンジル基、フェネチル基、3
−フェニルプロピル基、ナフチルメチル基、2−ナフチ
ルエチル基等;これらの基に置換され得る基としては、
前記アルキル基に置換され得る基と同一の内容のものが
挙げられ、また複数置換されてもよい)、炭素数5〜1
0の置換されてもよい脂環式基(例えば、シクロペンチ
ル基、シクロヘキシル基、2−シクロヘキシルエチル
基、2−シクロペンチルエチル基、ノルボニル基、アダ
マンチル基等、これらの基に置換され得る基としては、
前記アルキル基の置換基と同一の内容のものが挙げら
れ、また複数置換されてもよい)、炭素数6〜12の置
換されてもよいアリール基(例えばフェニル基、ナフチ
ル基で、置換基としては前記アルキル基に置換され得る
基と同一の内容のものが挙げられ、また複数置換されて
もよい)、
【0044】又は、窒素原子、酸素原子及びイオウ原子
から選ばれる少なくとも1種の原子を合有する縮環して
もよいヘテロ環基(例えばヘテロ環としては、ピラン
環、フラン環、チオフェン環、モルホリン環、ピロール
環、チアゾール環、オキサゾール環、ピリジン環、ピペ
リジン環、ピロリドン環、ベンゾチアゾール環、ベンゾ
オキサゾール環、キノリン環、テトラヒドロフラン環等
で、置換基を含有してもよい。置換基としては、前記ア
ルキル基中の置換基と同一の内容のものが挙げられ、又
複数置換されてもよい)を表す。
【0045】反応性基Yは、好ましくは、ヒドロキシ
基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子又
はヨウ素原子を表す)、−OR1基、−OCOR2基、−
CH(COR3)(COR4)基、−CH(COR3
(COOR4)基又は−N(R5)(R6)基を表す。
【0046】−OR1基において、R1は炭素数1〜10
の置換されてもよい脂肪族基(例えば、メチル基、エチ
ル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル
基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、プ
ロペニル基、ブテニル基、ヘプテニル基、ヘキセニル
基、オクテニル基、デセニル基、2−ヒドロキシエチル
基、2−ヒドロキシプロピル基、2−メトキシエチル
基、2−(メトキシエチルオキシ)エチル基、2−
(N,N−ジエチルアミノ)エチル基、2−メトキシプ
ロピル基、2−シアノエチル基、3−メチルオキシプロ
ピル基、2−クロロエチル基、シクロヘキシル基、シク
ロペンチル基、シクロオクチル基、クロロシクロヘキシ
ル基、メトキシシクロヘキシル基、ベンジル基、フェネ
チル基、ジメトキシベンジル基、メチルベンジル基、ブ
ロモベンジル基等が挙げられる)を表す。
【0047】−OCOR2基において、好ましくはR
2は、R1と同一の内容を表し、好ましくは脂肪族基又は
炭素数6〜12の置換されてもよい芳香族基(芳香族基
としては、前記R0中のアリール基で例示したと同様の
ものが挙げられる)を表す。
【0048】−CH(COR3)(COR4)基及び−C
H(COR3)(COOR4)基において、R3は炭素数
1〜4のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プ
ロピル基、ブチル基等)又はアリール基(例えば、フェ
ニル基、トリル基、キシリル基等)を表し、R4は炭素
数1〜6のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、
プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等)、
炭素数7〜12のアラルキル基(例えば、ベンジル基、
フェネチル基、フェニルプロピル基、メチルベンジル
基、メトキシベンジル基、カルボキシベンジル基、クロ
ロベンジル基等)又はアリール基(例えば、フェニル
基、トリル基、キシリル基、メシチル基、メトキシフェ
ニル基、クロロフェニル基、カルボキシフェニル基、ジ
エトキシフェニル基等)を表す。
【0049】また−N(R5)(R6)基において、R5
及びR6は、互いに同じでも異なってもよく、各々、好
ましくは水素原子又は炭素数1〜10の置換されてもよ
い脂肪族基(例えば、前記の−OR1基のR1と同様の内
容のものが挙げられる)を表す。より好ましくは、R5
とR6の炭素数の総和が12ヶ以内である。
【0050】金属Mは、好ましくは、遷移金属、希土類
金属、周期表III〜V族の金属が挙げられる。より好ま
しくはAl、Si、Sn、Ge、Ti、Zr等が挙げら
れ、更に好ましくは、Al、Si、Ti、Zr等が挙げ
られる。特にSiが好ましい。
【0051】一般式(I)で示される金属化合物の具体
例としては、以下のものが挙げられるが、これに限定さ
れるものではない。
【0052】メチルトリクロルシラン、メチルトリブロ
ムシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエト
キシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、メチル
トリt−ブトキシシラン、エチルトリクロルシラン、エ
チルトリブロムシラン、エチルトリメトキシシラン、エ
チルトリエトキシシラン、エチルトリイソプロポキシシ
ラン、エチルトリt−ブトキシシラン、n−プロピルト
リクロルシラン、n−プロピルトリブロムシラン、n−
プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキ
シシラン、n−プロピルトリイソプロポキシシラン、n
−プロピルトリt−ブトキシシラン、n−ヘキシルトリ
クロルシラン、n−ヘキシルトリブロムシラン、n−ヘ
キシルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシ
シラン、n−へキシルトリイソプロポキシシラン、n−
ヘキシルトリt−ブトキシシラン、n−デシルトリクロ
ルシラン、n−デシルトリブロムシラン、n−デシルト
リメトキシシラン、n−デシルトリエトキシシラン、n
−デシルトリイソプロポキシシラン、n−デシルトリt
−ブトキシシラン、n−オクタデシルトリクロルシラ
ン、n−オクタデシルトリブロムシラン、n−オクタデ
シルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリエトキ
シシラン、n−オクタデシルトリイソプロポキシシラ
ン、n−オクタデシルトリt−ブトキシシラン、フェニ
ルトリクロルシラン、フェニルトリブロムシラン、フェ
ニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラ
ン、フェニルトリイソプロポキシシラン、フェニルトリ
t−ブトキシシラン、
【0053】テトラクロルシラン、テトラブロムシラ
ン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テ
トライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、ジ
メトキシジエトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、
ジメチルジブロムシラン、ジメチルジメトキシシラン、
ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジクロルシラ
ン、ジフェニルジブロムシラン、ジフェニルジメトキシ
シラン、ジフェニルジエトキシシラン、フェニルメチル
ジクロルシラン、フェニルメチルジブロムシラン、フェ
ニルメチルジメトキシシラン、フェニルメチルジエトキ
シシラン、トリエトキシヒドロシラン、トリブロムヒド
ロシラン、トリメトキシヒドロシラン、イソプロポキシ
ヒドロシラン、トリt−ブトキシヒドロシラン、ビニル
トリクロルシラン、ビニルトリブロムシラン、ビニルト
リメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニル
トリイソプロポキシシラン、ビニルトリt−ブトキシシ
ラン、トリフルオロプロピルトリクロルシラン、トリフ
ルオロプロピルトリブロムシラン、トリフルオロプロピ
ルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリエト
キシシラン、トリフルオロプロピルトリイソプロポキシ
シラン、トリフルオロプロピルトリt−ブトキシシラ
ン、
【0054】γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキ
シシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシ
シラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ
−グリシドキシプロピルトリイソプロポキシシラン、γ
−グリシドキシプロピルトリt−ブトキシシラン、γ−
メタアクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ
−メタアクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、
γ−メタアクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ
−メタアクリロキシプロピルトリイソプロポキシシラ
ン、γ−メタアクリロキシプロピルトリt−ブトキシシ
ラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ
−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノ
プロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリ
エトキシシラン、γ−アミノプロピルトリイソプロポキ
シシラン、γ−アミノプロピルトリt−ブトキシシラ
ン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、
γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−
メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプ
トプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピ
ルトリイソプロポキシシラン、γ−メルカプトプロピル
トリt−ブトキシンラン、β−(3,4−エポキシシク
ロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4
−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラ
ン、
【0055】Ti(OR)4(Rはメチル基、エチル基、
プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等)、
TiCl4、Zn(OR)2、Zn(CH3COCHCOC
3) 2、Sn(OR)4、Sn(CH3COCHCOCH3)
4、Sn(OCOR)4、SnCl4、Zr(OR)4、Zr
(CH3COCHCOCH3)4、Al(OR)3。上記金属
化合物は、単独乃至組み合わせて金属含有樹脂の製造に
用いられる。
【0056】窒素原子−金属原子−窒素原子の結合を有
する金属含有樹脂は、例えばポリシラザンが挙げられ
る。
【0057】本発明では更に、結着樹脂として、上記金
属含有樹脂と、該樹脂と水素結合を形成し得る基を含有
する有機ポリマーとの複合体を用いることが好ましい。
金属含有樹脂と有機ポリマーとの複合体とは、ゾル状物
質及びゲル状物質を含む意味に用いる。
【0058】上記有機ポリマーは、金属含有樹脂と水素
結合を形成し得る基(以下、特定の結合基ともいう)を
含有する。特定の結合基としては、好ましくは、アミド
結合(カルボン酸アミド結合及びスルホンアミド結合を
含む)、ウレタン結合及びウレイド結合から選ばれる少
なくとも一種の結合及び水酸基を挙げることができる。
【0059】有機ポリマーは、繰り返し単位成分とし
て、本発明の特定の結合基をポリマーの主鎖及び/又は
側鎖に含有するものが挙げられる。好ましくは、繰り返
し単位成分として、−N(R11)CO−、−N(R11
SO2−、−NHCONH−及び−NHCOO−から選
ばれる少なくとも1種の結合がポリマーの主鎖及び/又
は側鎖に存在する成分、及び/又は−OH基を含有する
成分が挙げられる。上記アミド結合中のR11は、水素原
子又は有機残基を表し、有機残基としては、一般式
(I)中のR0における炭化水素基及びヘテロ環基と同
一の内容のものが挙げられる。
【0060】ポリマー主鎖に本発明の特定の結合基を含
有するポリマーとしては、−N(R 11)CO−結合また
は−N(R11)SO2−結合を有するアミド樹脂、−N
HCONH−結合を有するウレイド樹脂、−NHCOO
−結合を含有するウレタン樹脂が挙げられる。
【0061】アミド樹脂製造に供されるジアミン類とジ
カルボン酸類又はジスルホン酸類、ウレイド樹脂に用い
られるジイソシアナート類、ウレタン樹脂に用いられる
ジオール類としては、例えば高分子学会編「高分子デー
タハンドブック−基礎編−」第I章(株)培風舘刊(1
986年)、山下晋三、金子東助編「架橋剤ハンドブッ
ク」大成社刊(1981年)等に記載されている化合物
を用いることができる。
【0062】また、他のアミド結合を有するポリマーと
して、下記一般式(II)で示される繰り返し単位含有の
ポリマー、ポリアルキレンイミンのN−アシル化体また
はポリビニルピロリドンとその誘導体が挙げられる。
【0063】
【化1】
【0064】式(II)中、Z1は−CO−、−SO2−又
は−CS−を表す。R20は式(I)中のR0と同一の内
容のものを表す。r1は水素原子又は炭素数1〜6のア
ルキル基(例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブ
チル基、ペンチル基、ヘキシル基等)を表す。r1は同
じでも異なってもよい。pは2又は3の整数を表す。
【0065】一般式(II)で示される繰り返し単位を含有
するポリマーのうち、Z1が−CO−結合を表し、pが
2を表すポリマーは、置換基を有していてもよいオキサ
ゾリンを触媒の存在下で開環重合することにより得られ
る。触媒としては、例えば、硫酸ジメチル、p−トルエ
ンスルホン酸アルキルエステルなどの硫酸エステルやス
ルホン酸エステル;ヨウ化アルキル(例えばヨウ化メチ
ル)などのハロゲン化アルキル;フリーデルクラフツ触
媒のうち金属フッ素化物;硫酸、ヨウ化水素、p−トル
エンスルホン酸などの酸や、これらの酸とオキサゾリン
との塩であるオキサゾリニウム塩などが使用できる。な
お、このポリマーは単独重合体であってもよく、共重合
体であってもよい。また、他のポリマーにこのポリマー
がグラフトした共重合体であってもよい。
【0066】オキサゾリンの具体例としては、例えば、
2−オキサゾリン、2−メチル−2−オキサゾリン、2
−エチル−2−オキサゾリン、2−プロピル−2−オキ
サゾリン、2−イソプロピル−2−オキサゾリン、2−
ブチル−2−オキサゾリン、2−ジクロロメチル−2−
オキサゾリン、2−トリクロロメチル−2−オキサゾリ
ン、2−ペンタフルオロエチル−2−オキサゾリン、2
−フェニル−2−オキサゾリン、2−メトキシカルボニ
ルエチル−2−オキサゾリン、2−(4−メチルフェニ
ル)−2−オキサゾリン、2−(4−クロロフェニル)
−2−オキサゾリンなどが挙げられる。好ましいオキサ
ゾリンには、2−オキサゾリン、2−メチル−2−オキ
サゾリン、2−エチル−2−オキサゾリンなどが含まれ
る。このようなオキサゾリンのポリマーは一種又は二種
以上使用できる。
【0067】一般式(II)で示される繰り返し単位を有す
る他のポリマーについても、オキサゾリンの代わりにチ
アゾリン、4,5−ジヒドロ−1,3−オキサジン又は
4,5−ジヒドロ−1,3−チアジンを用いて同様に得
ることができる。
【0068】ポリアルキレンイミンのN−アシル化体と
しては、カルボン酸ハライド類との高分子反応で得られ
る−N(CO−R20)−を含むカルボン酸アミド体、又
はスルホニルハライド類との高分子反応で得られる−N
(SO2−R20)−を含むスルホンアミド体(ここで、
20は上記式(II)におけるR20と同義である)が挙げら
れる。
【0069】また、ポリマーの側鎖に特定の結合基を含
有するポリマーとしては、少なくとも該特定の結合基か
ら選ばれた結合基の少なくとも1種を含有する成分を主
成分として含有するものが挙げられる。このような成分
としては、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミ
ド、クロトンアミド、ビニル酢酸アミドあるいは以下の
化合物が挙げられる。但し、これらに限定されるもので
はない。
【0070】
【化2】
【0071】
【化3】
【0072】一方、水酸基含有の有機ポリマーとして
は、天然水溶性高分子、半合成水溶性高分子、合成高分
子のいずれでもよく、具体的には小竹無二雄監修「大有
機化学19、天然高分子化合物I」朝倉書店刊(196
0年)、経営開発センター出版部編「水溶性高分子・水
分散型樹脂総合技術資料集」経営開発センター出版部刊
(1981年)、長友新治「新・水溶性ポリマーの応用
と市場」(株)シーエムシー刊(1988年)、「機能
性セルロースの開発」(株)シーエムシー刊(1985
年)等に記載のものが挙げられる。
【0073】例えば、天然及び半合成の高分子として
は、セルロース、セルロース誘導体(セルロースエステ
ル類;硝酸セルロース、硫酸セルロース、酢酸セルロー
ス、プロピオン酸セルロース、コハク酸セルロース、酪
酸セルロース、酢酸コハク酸セルロース、酢酸酪酸セル
ロース、酢酸フタル酸セルロース等、セルロースエーテ
ル類;メチルセルロース、エチルセルロース、シアノエ
チルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロ
キシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロー
ス、エチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプ
ロピルメチルセルロース、カルボキシメチルヒドロキシ
エチルセルロース等)、デンプン、デンプン誘導体(酸
化デンプン、エステル化デンプン類;硝酸、硫酸、リン
酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、コハク酸等のエステル
化体、エーテル化デンプン類;メチル化、エチル化、シ
アノエチル化、ヒドロキシアルキル化、カルボキシメチ
ル化等の誘導体)、アルギン酸、ペクチン、カラギーナ
ン、タマリンドガム、天然ガム類(アラビアガム、グア
ーガム、ローカストビーンガム、トラガカントガム、キ
サンタンガム等)、プルラン、デキストラン、カゼイ
ン、ゼラチン、キチン、キトサン等が挙げられる。
【0074】合成高分子としては、例えばポリビニルア
ルコール、ポリアルキレングリコール(ポリエチレング
リコール、ポリプロピレングリコール、(エチレングリ
コール/プロピレングリコール)共重合体等)、アリル
アルコール共重合体、水酸基を少なくとも1種含有のア
クリル酸エステルあるいはメタクリル酸エステルの重合
体もしくは共重合体(エステル置換基として、例えば2
−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、
2,3−ジヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシ−2
−ヒドロキシメチル−2−メチルプロピル基、3−ヒド
ロキシ−2,2−ジ(ヒドロキシメチル)プロピル基、
ポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基、
等)、アクリルアミド又はメタクリルアミドのN−置換
体の重合体もしくは共重合体(N−置換基として、例え
ば、モノメチロール基、2−ヒドロキシエチル基、3−
ヒドロキシプロピル基、1,1−ビス(ヒドロキシメチ
ル)エチル基、2,3,4,5,6−ペンタヒドロキシ
ペンチル基、等)等が挙げられる。但し、合成高分子と
しては、繰り返し単位の側鎖置換基中に少なくとも1個
の水酸基を含有するものであれば、特に限定されるもの
ではない。
【0075】本発明に供される有機ポリマーの重量平均
分子量は、好ましくは103〜106、より好ましくは5
×103〜4×105である。
【0076】本発明の金属含有樹脂と有機ポリマーとの
複合体において、金属含有樹脂と有機ポリマーの割合は
広い範囲で選択できるが、金属含有樹脂/有機ポリマー
の質量比で10/90〜90/10、より好ましくは2
0/80〜80/20である。
【0077】上記複合体を含有する結着樹脂は、例え
ば、前記金属化合物の加水分解重縮合により生成した金
属含有樹脂の場合、そのヒドロキシル基と、有機ポリマ
ー中の前記特定の結合基とが水素結合作用により均一な
有機、無機ハイブリッドを形成し、相分離することなく
ミクロ的に均質となる。金属含有樹脂に炭化水素基が存
在する場合にはその炭化水素基に起因して、有機ポリマ
ーとの親和性がさらに向上するものと推定される。上記
複合体は、有機無機の両特性を有するため、無機系およ
び有機系粒子のいずれに対しても強い相互作用を有し、
結着樹脂が粒子に強く吸着する。また、この複合体は成
膜性に優れている。
【0078】金属含有樹脂と有機ポリマーとの複合体
は、前記金属化合物を加水分解重縮合し、有機ポリマー
と混合することにより製造するか、または有機ポリマー
の存在下、前記金属化合物を加水分解重縮合することに
より製造される。好ましくは、有機ポリマーの存在下、
前記金属化合物をゾル−ゲル法により加水分解重縮合す
ることにより有機・無機ポリマー複合体を得ることがで
きる。生成した有機・無機ポリマー複合体において、有
機ポリマーは、金属化合物の加水分解重縮合により生成
したゲルのマトリックス(すなわち無機金属酸化物の三
次元微細ネットワーク構造体)中に均一に分散してい
る。
【0079】上記好ましい方法としてのゾル−ゲル法
は、従来公知のゾル−ゲル法を用いて行なうことができ
る。具体的には、「ゾル−ゲル法による薄膜コーティン
グ技術」(株)技術情報協会(刊)(1995年)、作
花済夫「ゾル−ゲル法の科学」(株)アグネ承風社
(刊)(1988年)、平島碩「最新ゾル−ゲル法によ
る機能性薄膜作成技術」総合技術センター(刊)(19
92年)等の成書に詳細に記載の方法に従って実施でき
る。
【0080】凹凸面を形成するために用いる溶媒は水、
有機溶媒等から適宜選択される。有機溶媒としては、ア
ルコール類(メタノール、エタノール、プロピルアルコ
ール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プ
ロピレングリコール、ジプロピレングリコール、エチレ
ングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコー
ルモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチル
エーテル等)、エーテル類(テトラヒドロフラン、エチ
レングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコー
ルジメチルエーテル、テトラヒドロピラン、等)、ケト
ン類(アセトン、メチルエチルケトン、アセチルアセト
ン等)、エステル類(酢酸メチル、エチレングリコール
モノメチルモノアセテート等)、アミド類(ホルムアミ
ド、N−メチルホルムアミド、ピロリドン、N−メチル
ピロリドン等)等が挙げられる。溶媒は1種あるいは2
種以上を併用してもよい。
【0081】更に上記複合体を用いる場合には、一般式
(I)で示される前記の金属化合物の加水分解及び重縮
合反応を促進するために、酸性触媒又は塩基性触媒を併
用することが好ましい。触媒は、酸または塩基性化合物
をそのままか、あるいは水またはアルコールなどの溶媒
に溶解させた状態のもの(以下、それぞれ酸性触媒、塩
基性触媒という)を用いる。そのときの濃度については
特に限定しないが、濃度が濃い場合は加水分解及び重縮
合速度が速くなる傾向がある。但し、濃度の濃い塩基性
触媒を用いると、ゾル溶液中で沈殿物が生成する場合が
あるため、塩基性触媒の濃度は1N(mol/L)(水溶液
での濃度換算)以下が望ましい。
【0082】酸性触媒または塩基性触媒の種類は特に限
定されないが、濃度の濃い触媒を用いる必要がある場合
には、焼結後に触媒結晶粒中にほとんど残留しないよう
な元素から構成される触媒がよい。具体的には、酸性触
媒としては、塩酸などのハロゲン化水素、硝酸、硫酸、
亜硫酸、硫化水素、過塩素酸、過酸化水素、炭酸、蟻酸
や酢酸などのカルボン酸、構造式RCOOHのRを他元
素または置換基によって置換した置換カルボン酸、ベン
ゼンスルホン酸などのスルホン酸など、塩基性触媒とし
ては、アンモニア水などのアンモニア性塩基、エチルア
ミンやアニリンなどのアミン類などが挙げられる。
【0083】結着樹脂は、粒子100重量部に対して、
一般に8〜50重量部、好ましくは10〜30重量部の
割合で用いられる。この範囲において、本発明の効果が
有効に発現する。
【0084】また、架橋剤を添加してもよい。架橋剤と
しては、通常架橋剤として用いられる化合物を挙げるこ
とができる。具体的には、山下晋三、金子東助編「架橋
剤ハンドブック」大成社刊(1981年)、高分子学会
編「高分子データハンドブック、基礎編」培風舘(19
86年)等に記載されている化合物を用いることができ
る。
【0085】例えば、塩化アンモニウム、金属イオン、
有機過酸化物、ポリイソシアナート系化合物(例えばト
ルイレンジイソシアナート、ジフェニルメタンジイソシ
アナート、トリフェニルメタントリイソシアナート、ポ
リメチレンフェニルイソシアナート、ヘキサメチレンジ
イソシアナート、イソホロンジイソシアナート、高分子
ポリイソシアナート等)、ポリオール系化合物(例え
ば、1,4−ブタンジオール、ポリオキシプロピレング
リコール、ポリオキシエチレングリコール、1,1,1
−トリメチロールプロパン等)、ポリアミン系化合物
(例えば、エチレンジアミン、γ−ヒドロキシプロピル
化エチレンジアミン、フェニレンジアミン、ヘキサメチ
レンジアミン、N−アミノエチルピペラジン、変性脂肪
族ポリアミン類等)、ポリエポキシ基含有化合物及びエ
ポキシ樹脂(例えば、垣内弘編著「新エポキシ樹脂」昭
晃堂1985年刊)、橋本邦之編著「エポキシ樹脂」日
刊工業新聞社(1969年刊)等に記載された化合物
類)、メラミン樹脂(例えば、三輪一郎、松永英夫編著
「ユリア・メラミン樹脂」日刊工業新聞社(1969年
刊)等に記載された化合物類)、ポリ(メタ)クリレー
ト系化合物(例えば、大河原信、三枝武夫、東村敏延編
「オリゴマー」講談社(1976年刊)、大森英三「機
能性アクリル系樹脂」テクノシステム(1985年刊)
等に記載された化合物類)が挙げられる。
【0086】版下シートの支持体表面に凹凸面を形成す
るには、粒子を結着樹脂に分散させた分散物を塗布、乾
燥させる方法、結着樹脂膜を表面に形成した後、粒子を
機械的圧力で結着樹脂膜中に押し込む方法等が挙げられ
る。
【0087】本発明のオーバーコート層は成膜性樹脂か
らなり、上記凹凸面を形成する結着樹脂に関して記載し
たものと同様のものが用いられる。好ましくは、凹凸面
との密着性が良好なように、親水性結着樹脂を含む凹凸
面には親水性オーバーコート層、疎水性結着樹脂を含む
凹凸面には疎水性オーバーコート層が用いられる。
【0088】本発明のオーバーコート層は、上記成膜性
樹脂及び溶媒を含む塗布液を上記凹凸面上に、従来公知
の塗布方法を用いて塗布、乾燥し、成膜することにより
得ることができる。溶媒としては、前記の溶媒を適宜使
用することができる。塗布方法としては、コータ塗布
(エアドクター、ブレード、ロッド、スクイズ、グラビ
ア等)、スプレー塗布(エアスプレイ、静電スプレイ
等)等が挙げられる。
【0089】本発明の版下シートの凹凸形状を有する表
面は、その中心線平均粗さRaが好ましくは2〜20μ
m、より好ましくは2〜15μm、更に好ましくは2〜
10μmである。
【0090】本発明の版下シートを版胴に固定するに
は、従来公知の方法が用いられる。例えば、版下シート
の支持体の裏面に、スプレー糊、両面テープ等の接着剤
若しくは粘着剤を付与する方法、あるいは、版下シート
の先端及び後端を版胴に設けた爪部によって係止する方
法等が挙げられる。また、これらを組み合わせた方法を
用いることもできる。
【0091】平版印刷用印刷機による印刷時、平版印刷
版は版胴上に本発明の版下シートを介して装着される。
この際、版下シート表面の凹凸が平版印刷版の裏面に圧
接されることにより、凸部が平版印刷版の裏面に食い込
むように作用する。これにより版下シートは、ブランケ
ット胴及び圧胴による印圧を調整するとともに、加圧に
伴う平版印刷版の版胴上における位置ずれを防止するこ
とができる。
【0092】このような版胴11に刷版70を装着する
にあたって、オペレータは先ず、刷版70をガイド手段
20にセットし、版先クランプ機構の上歯12aと下歯
12bの間の隙間に版先70aを差し込むように刷版7
0を押し込み、図2に示した位置決めピン14に版先7
0aの切欠71の内周面を当接させ、版先70aの位置
決めを行う。その状態で上歯12aを閉じ、版先70a
を固定する。
【0093】次に図1の状態において、図示しない制御
手段により版胴11を反時計回りの方向に回転し、刷版
70を版胴11に巻き付けていく。版胴11を回転して
いき、制御手段が、押さえローラ17が版胴の平面部1
1aに当接可能な版胴の回転位置を検知した時点で、当
該制御手段は版胴11の回転を停止する。
【0094】そして図5に示すように、押さえローラ1
7を版胴の平面部11aに当接させ、刷版70を版胴1
1の外周面に押しつける。そして再び、図示しない制御
手段により版胴11を反時計回りの方向に回転する。こ
うすることで、押さえローラ17により、刷版70を版
胴の頂部11cの前後で版胴外周面に押しつけることが
できる。このとき、シリンダ18によって版胴外周面に
向かって付勢されている押さえローラ17は、版胴外周
面の形状にあわせて進退移動する。
【0095】版胴11を回転していき、そして、図6に
示すように、版尻クランプ機構13の近傍まで刷版が巻
回された時点で、図示しない制御手段は版胴11の回転
を停止する。
【0096】この時点でオペレータは、図7に示すよう
に、刷版の版尻近傍を湾曲させて、版尻70bを版尻ク
ランプ機構の上歯13aと下歯13bの間の隙間に差し
込む。このとき版尻70bは、版胴11の平面部11a
および下歯13b上面から浮き上がっている。そして再
び、図示しない制御手段により版胴11を反時計回りの
方向に回転する。こうすることで、押さえローラ17に
より、刷版を版胴の頂部の前後で版胴外周面に押しつけ
ることができるとともに、図8に示すように、版尻を平
面部11aおよび下歯13b上面に密着させることがで
きる。最後に、版尻クランプ機構の上歯13aを閉じて
版尻を固定した後、図示しない制御手段により押さえロ
ーラ17を刷版70から退避させることで、可撓性の刷
版の版胴11への装着が完了する。
【0097】以上のような構成の刷版装着装置10にお
いては、可撓性の刷版70の版先70aが、版先クラン
プ機構の下歯12bに突設された7本の位置決めピン1
4に当接されて位置決めがなされる。したがって、版胴
における各位置決めピンの間隔は従来のものに比べて狭
くなっており、菊半裁判等の大判の刷版であっても、位
置決めピン14の間から版先70aが突出するように、
刷版が変形してしまうことはない。
【0098】そして刷版装着装置10においては、押さ
えローラ17が、刷版を版胴外周面の頂部(版先クラン
プ機構12側の頂部、および版尻クランプ機構13側の
頂部)11cの前後を含む当該外周面に押しつけるの
で、版胴11に巻装された刷版70が版胴外周面から浮
いていることはない。したがって、刷版70の浮きをな
くすために、オペレータが版尻70bを強く引張らなく
てよいので、可撓性刷版の版尻70bに、伸び等の変形
が生じることはない。また、可撓性刷版装着におけるオ
ペレータの負担が軽減される。
【0099】本実施形態においては、版尻70bを版尻
クランプ機構13に固定する際に、オペレータが刷版の
版尻近傍を湾曲させて、版尻70bを版尻クランプ機構
の上歯13aと下歯13bの間に差し込むので、版尻ク
ランプ機構13を、上歯13aを大きく開くことができ
る構造にしなくてよい。したがって、構造を簡素化でき
る。
【0100】また、ガイド手段20の板状部材21とし
て、印刷装置50のカバーを用いているので、装置のコ
ストダウンおよび小型化が可能である。そして、7本の
位置決めピン14のうち、1本の位置決めピンの版胴軸
方向の幅が、他の位置決めピンの版胴軸方向の幅より広
く設定されている。したがって、位置決めピン14に刷
版の切欠71内周面を容易に当接させることができる。
また、版胴軸方向の幅を広く設定された1本の位置決め
ピンによって、刷版70を正確に位置決めすることがで
きる。
【0101】また、版胴11が、制御手段によって自動
的に回転され、所定位置で回転を停止され、押さえロー
ラ17も制御手段によって所定位置で自動的に版胴11
に接離するので、オペレータの負担が一層軽減される。
そして、版胴11には、版ずれ防止機能を有する版下シ
ートが巻装固定されている。この際、各版下シートは初
期弾性率が350kgf/mm2(350×9.8×1
6Pa)以上の支持体の少なくとも片面に凹凸形状を
有する版下シートであって、該凹凸形状が、粒径1〜1
00μmの粒子と結着樹脂からなる凹凸面とその上に設
けられたオーバーコート層からなるため、刷版の裏面に
圧接されることにより、版下の支持体の表面の凹凸面を
刷版の裏面に食い込ませる。したがって、刷版70が版
胴外周面に接触した後の当該刷版の変形やずれを確実に
防止できる。なお、本実施形態においては、押さえロー
ラ17を版胴11に対して接離するとき等に版胴11の
回転を停止させているが、図示しない制御手段の設定を
変えて、版胴11を停止させずに押さえローラ17を版
胴11に接離させてもよい。
【0102】次に、図9および図10に基づいて本発明
の第2実施形態を説明する。本実施形態の刷版装着装置
においては、版胴として、図19および図20に示した
従来の版胴61を使用する。そして版胴61には、前述
した第1実施形態において用いた、少なくとも片面を粗
面に形成した版下材料27(図3参照)を、その粗面が
表面側となるように巻装固定する。そして本実施形態
は、版胴を除いて第1実施形態の刷版装着装置10(図
1参照)と同様の構成を備えている。
【0103】図9に、本実施形態において使用する、可
撓性の刷版80と、刷版80の版先に固着されるピン当
接部材30とを示す。刷版80の版先には、図20に示
した2箇所の位置決めピン64に対応する箇所に、その
周縁が略U字状の切欠81が形成されている。また版先
には、刷版80の幅方向(図9では左右方向)に適宜の
間隔を隔てて、少なくとも3個(ここでは7個)の固着
孔82が穿設されている。ピン当接部材30は、金属等
の高剛性の材質からなる、刷版80の幅以上の長さの帯
状の基板31を備えている。基板31には、図20に示
した2箇所の位置決めピン64に対応する箇所に、円形
状の嵌挿孔33が設けられている。また基板31には、
当該基板の長手方向に適宜の間隔を隔てて、少なくとも
3個(ここでは7本)の固着ピン32が突設されてい
る。
【0104】図10(A)に、刷版80の版先に図9に示
したピン当接部材30を固着した際の、刷版の切欠81
近傍の拡大図を示す。また、図10(B)に、図10(A)に
おけるY−Y断面図を示す。図10(A)に示すように、
刷版80の固着孔82にピン当接部材30の固着ピン3
2を挿着することで、刷版80にピン当接部材30が固
定される。このとき、ピン当接部材の円形状嵌挿孔33
の周縁の一部が、刷版80の切欠81の略U字状周縁の
湾曲部と一致するように設定されている。
【0105】刷版80を図20に示した版胴61に装着
する際には、ピン当接部材30に刷版80の版先を固着
してから、当該版先を版先クランプ機構62に固定して
もよいし、ピン当接部材30の嵌挿孔33に版先クラン
プ機構62の位置決めピン64を嵌挿した状態で、ピン
当接部材30に刷版80の版先を固着してもよい。図1
0(B)に1点鎖線で示すように、ピン当接部材の嵌挿孔
33に版胴の位置決めピン64を嵌挿した際には、刷版
の切欠81内周面は、ピン当接部材の嵌挿孔33の内周
面とともに位置決めピン64に当接する。刷版80を版
胴61に巻装する作業は、第1実施形態のときと同様に
行われる。
【0106】以上のような構成の刷版装着装置において
は、可撓性の刷版80の版先を、版先クランプ機構で位
置決めして固定する際に、当該版先が高剛性のピン当接
部材30によって保護され、当該版先の変形が防止され
る。したがって、ピン当接部材30を用いることで、位
置決めピンの数を増やさなくても刷版の変形を防止でき
るようになり、既設の印刷装置の版胴61を使用するこ
とも可能となる。本実施形態を既設の設備を用いて実施
すれば、設備コストを大幅に抑制できる。
【0107】次に、図11および図12に基づいて、本
発明の第3実施形態を説明する。本実施形態は、前述し
た第2実施形態におけるピン当接部材30に変更を加え
たもので、他の構成は第2実施形態と同様である。
【0108】図11に、本実施形態において使用する、
可撓性の刷版80と、刷版80の版先に固着されるピン
当接部材40とを示す。ピン当接部材40は、金属等の
高剛性の材質からなる、刷版80の幅以上の長さの基板
41を備えている。基板41には、図20に示した版胴
61の2箇所の位置決めピン64に対応する箇所に、そ
の周縁が略U字状である切欠43が設けられている。ま
た基板41には、当該基板の長手方向に適宜の間隔を隔
てて、少なくとも3本(ここでは7本)の固着ピン42
が突設されている。
【0109】図12に、刷版80の版先にピン当接部材
40を固着した際の、刷版の切欠81近傍の拡大図を示
す。同図に示すように、刷版80の固着孔82にピン当
接部材40の固着ピン42を挿着することで、刷版80
にピン当接部材40が固着される。このとき、ピン当接
部材40の切欠43の周縁が、刷版80の切欠81の周
縁と一致するように設定されている。
【0110】以上のような構成の版胴装着装置によれ
ば、ピン当接部材40を刷版80の版先に固着してか
ら、当該版先を版先クランプ機構に固定する際に、ピン
当接部材40を版先クランプ機構の上歯と下歯の間に差
し込んで、ピン当接部材40および刷版80版先の位置
決めを行うことができるので、版先の位置決め及び固定
作業が一層簡略化される。
【0111】図13に、本発明の第4実施形態を示す。
本実施形態の刷版装着装置90においては、版胴91
の、版尻クランプ機構93における上歯93aを、下歯
93b上面から大きく引き離すことができる、すなわち
下歯93b上面を覆わない状態にできるようになってい
る。ここでは、上歯93a下面と下歯93b上面とのな
す角が、図13における状態で版尻と上歯93aのクラ
ンプ面とが接触しない角度以上になるまで上歯93aを
回動できるようになっている。
【0112】刷版装着の際には、第1実施形態と同様な
手順によって、版先を版先クランプ機構92によって固
定し、版胴91外周面に刷版を巻回していく。そして、
図13に示すように、版尻クランプ機構93の近傍まで
刷版が巻回された時点で、版尻クランプ機構93の上歯
93aを大きく開いて、上歯93aが下歯93b上面を
覆わない状態にする。
【0113】そして図13に示すように、押さえローラ
17を版胴91の曲面部に当接させて刷版を版胴外周面
に押しつけつつ、版胴91を反時計回りの方向に回転す
る。こうすることで、押さえローラ17により、刷版を
版胴の頂部91cの前後で版胴外周面に押しつけること
ができるとともに、版尻70bを版胴の平面部91aお
よび下歯93b上面に密着させることができる。最後
に、版尻クランプ機構の上歯93aを閉じて版尻70b
を固定した後、押さえローラ17を刷版から退避させる
ことで、可撓性の刷版の版胴91への装着が完了する。
【0114】以上のような構成の刷版装着装置90にお
いては、刷版の版尻70bを湾曲させて版尻クランプ機
構93の上歯93aと下歯93bの間に差し込まなくて
よいので、刷版装着作業が一層簡略化されており、自動
化にも適している。
【0115】図14に、本発明の第5実施形態を示す。
本実施形態の刷版装着装置100においては、版胴10
1の少なくとも頂部の前後で刷版70を版胴外周面に押
しつける押圧手段として、平面押圧手段が用いられてい
る。ここで平面押圧手段は、一平面を形成するように先
端を略揃えたブラシ117を、エアシリンダ18によっ
て駆動して版胴101に接離できるように構成されてい
る。ブラシとしては、ナイロン、ポリプロピレン、塩化
ビニル、PBT、アラミド等の化学合成繊維、植物繊維
(パーム)、又は動物繊維(豚毛、馬毛、山羊毛等)か
らなるものを採用できる。
【0116】刷版70を版胴101に巻装する作業は、
第1実施形態のときと同様に行われる。しかし本実施形
態においては、平面押圧手段によって、広い領域にわた
って刷版70を版胴101外周面に押しつけることがで
きるので、刷版70を巻回していく過程において版胴1
01を停止するタイミングの精度は低くてもよい。
【0117】以上のような構成の刷版装着装置100に
おいては、平面押圧手段によって、、広い領域にわたっ
て刷版70を版胴101外周面に押しつけることができ
るので、版胴101外周面からの刷版の浮きを、確実か
つ容易に防止できる。例えば、版胴を手動によって回転
・停止しながら刷版の装着を行うこともできる。なお、
本実施形態においては、ブラシの先端が一平面を形成す
るように構成したが、刷版を版胴外周面に確実に押しつ
けられれば、複数の平面を形成するようにブラシの先端
を揃えてもよく、例えば断面視においてブラシ先端面が
V字状等になるようにブラシの先端を揃えてもよい。
【0118】また本実施形態においては、ブラシを用い
て平面押圧手段を構成したが、ブラシの代わりに、スポ
ンジ(ウレタンスポンジ、セルローススポンジ等)やフ
ェルト等からなるパッドを用いてもよい。スポンジ、フ
ェルトやゴム等の心材をモルトン(布)で被覆した構成
のパッドを用いることもできる。
【0119】次に、図15および図16に基づいて、本
発明の第6実施形態を説明する。図15に、本実施形態
における版胴111の部分拡大図を示す。版胴111に
設けられた溝部115内には、版先クランプ機構112
と版尻クランプ機構113とが設けられている。版先ク
ランプ機構112の下歯112bには、版胴111の軸
方向に所定の間隔を隔てて平面視矩形状の切欠が設けら
れており、その切欠内に、版胴111に一体的に設けら
れたピンブロック119が配置されている。そして、ピ
ンブロック119上に位置決めピン114が突設されて
いる。図15におけるY−Y断面図である図16に示す
ように、ピンブロック119の一方の側面は、溝部11
5の側面に密着している。
【0120】以上のような構成の刷版装着装置において
は、位置決めピン114がピンブロックを介して版胴1
11に一体的に設けられている。したがって、より正確
な版先部の位置決めが可能である。
【0121】次に、図17および図18に基づいて、本
発明の第7実施形態を説明する。図17に、本実施形態
における版胴121の部分拡大図を示す。版胴111に
設けられた溝部115内には、版先クランプ機構122
と版尻クランプ機構123とが設けられている。各クラ
ンプ機構122,123は、板状の上歯122a,12
3aを備えている。本実施形態においては上歯122
a,123aが溝部125内で固定されている。そし
て、版先クランプ機構122の上歯122aの下面に
は、版胴の軸方向に所定の間隔を隔てて位置決めピン1
24が突設されている。
【0122】図18に、図17におけるY−Y断面図を
示す。溝部125の底面上に配置された下歯122bの
上部には、上歯122aから垂下する位置決めピン12
4に対応する箇所で径を小さくした軸状のカム部材13
0が設けられている。そして、カム部材130と上歯1
22aとの間に、板ばね131が配設されている。カム
部材130を回転することで、上歯122aと板ばね1
31の間を開閉でき、刷版70の版先を挟持できる。す
なわち、本実施形態においては、板ばね131が、上歯
122aとの間で版先を挟持する下歯として実質的に機
能している。
【0123】以上のような構成の刷版装着装置において
は、位置決めピン124が下歯122b側に向かって延
びるように上歯122aに設けられており、上歯122
aが可動ではない。したがって、押さえローラを上歯1
22aの極く近傍まで接近させることができ、より確実
に刷版70を版胴121に密着させることができる。
【0124】なお、本発明は前述した実施形態に限定さ
れるものではなく、適宜な変形・改良等が可能である。
【0125】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明するが、勿論本
発明はこれだけに限定されるものではない。
【0126】本発明の優位性を立証するために実際に印
刷して評価した。具体的条件及び結果を以下に詳述す
る。 <平版印刷用版下シートの作成>アクリルエマルジョン
AE322(JSR(株)製)20gを水50gに攪拌
しながら加え、更に、平均粒径30μmのガラス粒子G
B731(東芝ガラス(株)製)を加え、ガラスビーズ
とともに、ペイントシェーカー(東洋精機(株)製)に
入れ、10分間拡散した後、ガラスビーズを濾別し、分
散物を得た。この分散物を厚さ150μmのポリエチレ
ンテレフタレート(PET)からなる支持体の表面に、
ワイヤーバーにて5g/m2になるように塗布し、10
0℃で3分乾燥し、支持体上に凹凸面を形成した。ポリ
ビニルアルコールPVA405(クラレ(株)製)5g
を水50gに攪拌しながら加え、そのまま30分間攪拌
し、この溶液にテトラメトキシシラン(信越化学(株)
製)3gを加えて、30分間攪拌後、濃塩酸1mlを加
えて、2時間攪拌して得られたオーバーコート層塗布液
を上記凹凸面上にワイヤーバーにて1g/m2になるよ
うに塗布し、110℃で3分間乾燥して平版印刷用版下
シートを得た(実施例1)。
【0127】<比較用平版印刷用版下シート1の作成>
実施例1と同様にして、ポリエチレンテレフタレート支
持体上に凹凸面形成しただけの版下シートを作成した
(比較例1)。
【0128】印刷評価には三菱重工業製DAIYA−1
F2 2色オフセット枚葉輪転印刷機を使用した。
【0129】評価項目本発明の優位性を立証するための
指標として、刷版装着時先端位置精度、刷版装着時最大
版伸び量、印刷時版ずれ量、粒子剥がれの4項目につい
て評価した。
【0130】評価方法は、1色目版胴に装着位置精度が
良好で印刷による版ずれが生じないアルミ支持体刷版
を、2色目版胴に可撓性刷版を以下の各方法で装着し、
2色印刷をおこない、このとき1色目の印刷位置を基準
とし、2色目の印刷位置とのずれ量を測定する方法によ
った。以下に印刷評価方法を詳細に説明する。
【0131】刷版の準備 可撓性刷版としてポリエチレンテレフタレート(PE
T)を支持体とする厚み200μmの三菱製紙製 SD
P−FHN175を使用した。アルミ支持体刷版として
厚み300μmの富士写真フイルム製 LP−NS2を
使用した。露光はオプトロニクス社製 XLP4000
プレートセッターを使用した。上記2種の版材に同一の
評価画像をそれぞれの標準露光条件で露光した。評価画
像として上記印刷機の最大印刷長における最先端と最後
端に相当する版上の位置に測定点としてレジスターマー
クを付した。露光後それぞれの純正システムにより現像
処理をおこない評価用の刷版を得た。従って、得られた
可撓性刷版とアルミ支持体刷版に形成された画像の寸度
はほぼ同一である。
【0132】刷版の装着 印刷機の1色目版胴にアルミ支持体刷版を装着した。測
定の基準となる刷版として、装着時の微小な伸び及び印
刷時の微小な版ずれをもキャンセルするために、以下の
方法により装着した。先ず、版下シートとして片面に3
M社スプレー糊55を撒布した厚さ100μmのポリエ
チレンテレフタレート(PET)フィルムを撒布面を版
胴側にして巻装固定する。次に裏面に3M社製スプレー
糊55を撒布したアルミ支持体刷版を従来技術の態様に
より装着する。このとき版尻固定後の張力付加は版尻近
傍の弛みがとれる程度の最小限にとどめ、さらに版先ク
ランプに弛みが残っている場合は版先クランプの微動機
能を用い弛みを除去する。
【0133】印刷機の2色目版胴に、得られた版下シー
トを用い、実施形態1の態様で可撓性刷版を装着した。
なお版下シートは裏面に3M社スプレー糊55を撒布
し、撒布面を版胴側にして巻装固定した。
【0134】刷版装着時先端位置精度及び刷版装着時最
大版伸び量の評価方法 先ず、印刷前に印刷機の天地(回転方向)見当調整機能
を用い1色目版胴と2色目版胴の回転方向の位相を若干
ずらしておく、これにより印刷物上で1色目と2色目の
レジスターマークが重ならずに後述する測定が容易にな
る。そして1回目の印刷をおこない、刷り出し1枚目の
印刷物をサンプリングする。
【0135】次に、2色目のみ刷版を交換し2回目の印
刷をおこなう。1回目の印刷と同様に刷り出し1枚目の
印刷物をサンプリングする。なお、交換した刷版の品種
及び画像は1回目の印刷で用いたものと同じものであ
る。3回目以降の印刷は2回目の印刷と同様におこな
い、本実施例においては1回目の印刷を含めて計10回
の印刷をおこない、10枚の印刷物をサンプリングし
た。
【0136】サンプリングした10枚の印刷物の全てに
ついて、印刷物上の先後端の各測定点における1色目と
2色目のレジスターマークの天地方向のずれ量を実測す
る。
【0137】実測した先端部ずれ量(10データ)の最
大値と最小値の差をもって、刷版装着時先端位置精度と
する。
【0138】実測したと後端部のずれ量と先端部のずれ
量の差を求める。そして10枚の印刷物中の最大値を刷
版装着時最大版伸び量とする。
【0139】 なお、刷版装着時先端位置精度と刷版装
着時最大版伸び量の算出に刷り出し1枚目の印刷物を用
いたのは、刷り出し1枚目であれば印刷による版ずれの
影響はほぼ無視できるので、その印刷画像は刷版装着位
置を反映しているとみなせるからである。
【0140】印刷時版ずれ量の評価方法 印刷前までの手順は上記刷版装着時先端位置精度及び刷
版装着時最大版伸び量の測定と同様におこなった。20
00枚の印刷をおこない、1枚目と2000枚目の印刷
物をサンプリングする。次に、サンプリングした1枚目
と2000枚目の印刷物上の後端部測定点における1色
目と2色目のレジスターマークの天地方向のずれ量を実
測する。そして、2000枚目と1枚目の天地方向のず
れ量の差を、印刷における版ずれ量とした。
【0141】粒子剥がれの評価方法 1版で2000枚印刷(1回目)を行い、版を取り替
え、同じ版下を用いて10回印刷を繰り返した後、版下
シート表面の粒子の剥がれ具合を光学顕微鏡にて観察
し、目視判定を行うことで評価した。
【0142】本発明の優位性を立証する為の比較例とし
て、さらに、 <比較例2>従来技術の態様によるもの。 <比較例3>実施形態1の態様による装着方法で、版下
シートのみ一般的な版下材である厚さ200μmの表面
のフラットなPETフィルムによるもの。
【0143】実施例1及び比較例1〜3の評価結果を表
1に示す。
【0144】
【表1】
【0145】実施例1の態様で装着することにより、刷
版装着時先端位置精度は50μm以下であり、刷版装着
時最大版伸び量も100μm未満であり、刷版装着時の
位置精度は良好な結果を得た。
【0146】さらに、実施例1の版下シートを用いるこ
とで、版ずれ及び粒子剥がれを起こすことなく良好な印
刷ができることがわかる。これに対して、比較例1に示
すようにオーバーコート層がないと、粒子と結着樹脂と
の相互作用が十分でなく、繰り返し使用により粒子の剥
離が発生し、それに伴い平版印刷版の固定が難しくな
り、版ずれが発生する。
【0147】また、比較例2のように従来技術の態様で
装着すると、刷版装着時先端位置精度は50μmを大き
く超え、かつ、刷版装着時最大版伸び量も100μmを
超えるので、良好な刷版装着位置精度は得られず、さら
に印刷時の版ずれが生じた。
【0148】また、比較例3のように実施形態1の態様
による装着方法で、版下シートのみ一般的な版下材であ
る表面のフラットなPETフィルム場合、良好な刷版装
着位置精度が得られたが、印刷時の版ずれが生じた。
【0149】<実施例2〜22>実施例1と同様にし
て、オーバーコート層の樹脂のみを以下の表2に示す材
料に変更した版下シートを作成し、評価を行った。
【0150】
【表2】
【0151】種々のオーバーコート層を用いた実施例2
〜22で得られた版下シートも、実施例1と同様に、刷
版装着時の位置精度は良好な結果が得られ、効果的に粒
子の脱着を防止でき、繰り返し使用においても版ずれを
有効に防止することができた。
【0152】<実施例23〜33>実施例1と同様にし
て、凹凸面の材料のみを以下の表3に示す材料に変更し
た版下シートを作成し、評価を行った。
【0153】
【表3】
【0154】種々の凹凸面を用いた実施例23〜33の
版下シートにおいても、実施例1と同様に、刷版装着時
の位置精度は良好な結果が得られ、効果的に粒子の脱着
を防止でき、繰り返し使用においても版ずれも有効に防
止することができた。
【0155】以上の結果から、版先に3カ所以上の切欠
きを有する可撓性刷版を、版胴に装着する刷版装着方法
において、前記刷版の版先を前記版胴に固定する上歯と
下歯を有する版先クランプ機構と、前記刷版の切欠きに
対向して前記版先クランプ機構に設けられた少なくとも
3本の位置決めピンと、からなる版先位置決め機構と、
前記刷版を前記版胴に押圧する刷版押圧機構と、前記版
胴の版尻を前記版胴に固定する版尻固定機構と、前記版
胴に巻回固定されてなる版ずれ防止機能を有する版下シ
ートとを備えた刷版装着装置を用い、前記刷版の版先
を、前記版先クランプ機構の上歯と下歯の間に押し込
み、少なくとも3本の前記位置決めピンに前記版先の切
欠きの内周面を当接させて位置決めを行うと共に固定
し、前記刷版押圧機構が前記版胴の頂部を含む外周面に
前記刷版を押圧手段によりくまなく押しつけながら、前
記版尻を解放状態で前記版胴を回転させて前記刷版を該
版胴に巻装してゆき、巻装終了後、前記版尻固定機構に
より前記刷版の版尻を前記版胴の半径方向に押圧固定す
ることにより、前記刷版装着時の版胴回転方向の最大印
刷長における前記刷版の伸びを100μm以下とするこ
とを特徴とし、さらに前記版ずれ防止機能を有する版下
シートは、初期弾性率が350kgf/mm2以上の支
持体の少なくとも片面に凹凸形状を有する版下シート
で、前記凹凸形状が、粒径1〜100μmの粒子と結着
樹脂からなる凹凸面とその上に設けられたオーバーコー
ト層からなることを特徴とする、可撓性刷版の装着方法
は、刷版装着位置精度が良好で、かつ、印刷時の版ずれ
と、版下シートの粒子剥がれとを防止できることがわか
る。
【0156】第2〜第8実施形態の態様により上記と同
様の印刷評価をおこない上記と同様の結果が得られた。
以上により本発明の優位性が確認できた。
【0157】
【発明の効果】以上説明したように、特にデジタル製版
された可撓性刷版の本発明による装着方法及び装置によ
れば、版装着における寸度安定性は著しく向上し、印刷
時の版ずれが抑制でき、金属支持体刷版並の多色刷り見
当精度を得ることができる。また、繰り返し使用におい
ても、版下シートの粒子の脱落が防止できる。さらに、
可撓性刷版の版胴への装着性が著しく向上し、オペレー
タの負担が軽減できる。加えて既設の印刷機等に若干の
改造を加えることでも実施可能で設備コストを節約でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す図である。
【図2】図1におけるX矢視図である。
【図3】第1実施形態における版胴に巻装された版下材
料を示す図である。
【図4】第1実施形態における押さえローラを示す図で
ある。
【図5】第1実施形態による刷版の装着を示す図であ
る。
【図6】第1実施形態による刷版の装着を示す図であ
る。
【図7】第1実施形態による刷版の装着を示す図であ
る。
【図8】第1実施形態による刷版の装着を示す図であ
る。
【図9】本発明の第2実施形態における刷版およびピン
当接部材材を示す図である。
【図10】図9におけるピン当接部材を刷版に固着した
様子を示す図である。
【図11】本発明の第3実施形態における刷版およびピ
ン当接部材材を示す図である。
【図12】図11におけるピン当接部材を刷版に固着し
た様子を示す図である。
【図13】本発明の第4実施形態を示す図である。
【図14】本発明の第5実施形態を示す図である。
【図15】本発明の第6実施形態における版胴の部分拡
大図である。
【図16】図15におけるY−Y断面図である。
【図17】本発明の第7実施形態における版胴の部分拡
大図である。
【図18】図17におけるY−Y断面図である。
【図19】従来の刷版装着装置を示す図である。
【図20】図19におけるX矢視図である。
【符号の説明】
10,90,100 刷版装着装置 11,91,101,111,121 版胴 11c,91c,101c 頂部 12,92,102 版先クランプ機構 13,93,103 版尻クランプ機構 12a,13a,92a,93a,112a,113
a,122a,123a 上歯 12b,13b,92b,93b,112b,113
b,122b 下歯 14,114,124 位置決めピン 17 押さえローラ(押圧手段) 20 ガイド手段 25 ゴム胴 27 版下材料 30,40 ピン当接部材 70,80 可撓性の刷版(可撓性の刷版) 117 ブラシ(平面押圧部材)

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 版先に3カ所以上の切欠きを有する可撓
    性刷版を版胴に装着する可撓性刷版装着方法において、 前記刷版の版先を前記版胴に固定する上歯と下歯を有す
    る版先クランプ機構と、前記刷版の切欠きに対向して前
    記版先クランプ機構に設けられた少なくとも3本の位置
    決めピンと、からなる版先位置決め機構と、 前記刷版を前記版胴に押圧する刷版押圧機構と、 前記版胴の版尻を前記版胴に固定する版尻固定機構と、 前記版胴に巻回固定されてなる版ずれ防止機能を有する
    版下シートとを備えた刷版装着装置を用い、 前記刷版の版先を、前記版先クランプ機構の上歯と下歯
    の間に押し込み、少なくとも3本の前記位置決めピンに
    前記版先の切欠きの内周面を当接させて位置決めを行う
    と共に固定し、 前記刷版押圧機構が前記版胴の頂部を含む外周面に前記
    刷版を押圧手段によりくまなく押しつけながら、前記版
    尻を解放状態で前記版胴を回転させて前記刷版を該版胴
    に巻装してゆき、 巻装終了後、前記版尻固定機構により前記刷版の版尻を
    前記版胴の半径方向に押圧固定することにより、 前記刷版装着時の版胴回転方向の最大印刷長における前
    記刷版の伸びを100μm以下とし、 さらに前記版ずれ防止機能を有する版下シートは、初期
    弾性率が350kgf/mm2(350×9.8×106
    Pa)以上の支持体の少なくとも片面に凹凸形状を有す
    る版下シートであって、該凹凸形状が、粒径1〜100
    μmの粒子と結着樹脂からなる凹凸面とその上に設けら
    れたオーバーコート層からなることを特徴とする可撓性
    刷版刷版装着方法。
  2. 【請求項2】 版先に少なくとも3個の固着穴が穿設さ
    れている可撓性刷版を版胴に装着する可撓性刷版装着方
    法において、 前記刷版の版先を前記版胴に固定する上歯と下歯を有す
    る版先クランプ機構と、前記版先クランプ機構に設けら
    れた位置決めピンと、位置決めピンに取り付けられ自身
    に刷版固着用の少なくとも3個の固着ピンを有する前記
    刷版より高剛性のピン当接部材と、からなる版先位置決
    め機構と、 前記刷版を前記版胴に押圧する刷版押圧機構と、 前記刷版の版尻を前記版胴に固定する版尻固定機構と、 前記版胴に巻回固定されてなる版ずれ防止機能を有する
    版下シートと、を備えた刷版装着装置を用い、 前記刷版の前記固着穴を、前記版先クランプ機構の上歯
    と下歯の間の前記ピン当接部材の固着ピンに差し込むこ
    とにより位置決めを行うとともに固定し、 前記刷版押圧機構が前記版胴の頂部を含む外周面に前記
    刷版を前記押圧手段によりくまなく押しつけながら、前
    記版尻を解放状態で前記版胴を回転させて前記刷版を版
    胴に巻装してゆき、 巻装終了後、前記版尻固定機構により前記刷版の版尻を
    前記版胴の半径方向に押圧固定することにより、 前記刷版装着時の版胴回転方向の最大印刷長における前
    記刷版の伸びを100μm以下とし、 さらに前記版ずれ防止機能を有する版下シートは、初期
    弾性率が350kgf/mm2(350×9.8×106
    Pa)以上の支持体の少なくとも片面に凹凸形状を有す
    る版下シートであって、該凹凸形状が、粒径1〜100
    μmの粒子と結着樹脂からなる凹凸面とその上に設けら
    れたオーバーコート層からなることを特徴とする可撓性
    刷版装着方法。
  3. 【請求項3】 版先に少なくとも3個の固着穴が穿設さ
    れている可撓性刷版を版胴に装着する可撓性刷版装着方
    法において、 前記刷版の版先を前記版胴に固定する上歯と下歯を有す
    る版先クランプ機構と、前記版先クランプ機構に設けら
    れた位置決めピンと、からなる版先位置決め固定機構
    と、 前記刷版を前記版胴に押圧する刷版押圧機構と、 前記刷版の版尻を前記版胴に固定する版尻固定機構と、 前記版胴に巻回固定されてなる版ずれ防止機能を有する
    版下シートと、自身に刷版固着用の少なくとも3個の固
    着ピンを有する前記刷版より高剛性のピン当接部材と、
    を備えた可撓性刷版装着装置を用い、 まず、前記ピン当接部材の固着ピンを前記刷版の固着穴
    に差し込み固定し、次に、当該ピン当接部材の先端を前
    記版先クランプ機構の上歯と下歯の間の前記位置決めピ
    ンに固定することにより前記刷版を前記版胴上に位置決
    め固定をし、 前記刷版押圧機構が前記版胴の頂部を含む外周面に前記
    刷版を前記押圧手段によりくまなく押しつけながら、前
    記版尻を解放状態で前記版胴を回転させて前記刷版を版
    胴に巻装してゆき、 巻装終了後、前記版尻固定機構により前記刷版の版尻を
    前記版胴の半径方向に押圧固定することにより、 前記刷版装着時の版胴回転方向の最大印刷長における前
    記可撓性刷版の伸びを100μm以下とし、 さらに前記版ずれ防止機能を有する版下シートは、初期
    弾性率が350kgf/mm2(350×9.8×106
    Pa)以上の支持体の少なくとも片面に凹凸形状を有す
    る版下シートであって、該凹凸形状が、粒径1〜100
    μmの粒子と結着樹脂からなる凹凸面とその上に設けら
    れたオーバーコート層からなることを特徴とする特徴と
    する可撓性刷版装着方法。
  4. 【請求項4】 前記支持体の凹凸形状の中心線平均粗さ
    Raが2〜20μmであることを特徴とする請求項1〜
    3のいづれか1項記載の刷版装着方法。
  5. 【請求項5】 前記刷版を保持するガイド部材を有し、
    前記ガイド部材は、前記版胴に装着前及び装着中の刷版
    を保持することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1
    項記載の刷版装着方法。
  6. 【請求項6】 前記刷版の装着時に前記版胴を回転させ
    る手段と、 前記版胴の回転位置を検出する手段と、 前記回転位置を検出する手段からの信号により所定の位
    置で、前記版胴を回転させる手段の回転、停止を制御す
    る手段と、 前記押圧手段を前記版胴に対して接離させる駆動手段
    と、 前記回転位置を検出する手段からの信号により所定の位
    置で、前記駆動手段を制御する制御手段とを備えている
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の可
    撓性刷版装着方法。
  7. 【請求項7】 版先に3カ所以上の切欠きを有する可撓
    性刷版を版胴に装着する可撓性刷版装着装置であって、 前記刷版の版先を前記版胴に固定する上歯と下歯を有す
    る版先クランプ機構と、前記刷版の切欠きに対向して前
    記版先クランプ機構に設けられた少なくとも3本の位置
    決めピンと、からなる版先位置決め機構と、 前記刷版を前記版胴に押圧する刷版押圧機構と、 前記版胴の版尻を前記版胴に固定する版尻固定機構と、 前記版胴に巻回固定されてなる版ずれ防止機能を有する
    版下シートとを備えた刷版装着装置において、 前記版ずれ防止機能を有する版下シートは、初期弾性率
    が350kgf/mm 2(350×9.8×106Pa)
    以上の支持体の少なくとも片面に凹凸形状を有する版下
    シートであって、該凹凸形状が、粒径1〜100μmの
    粒子と結着樹脂からなる凹凸面とその上に設けられたオ
    ーバーコート層からなることを特徴とする可撓性刷版装
    着装置。
  8. 【請求項8】 版先に少なくとも3個の固着穴が穿設さ
    れている可撓性刷版を版胴に装着する可撓性刷版装着装
    置であって、 前記刷版の版先を前記版胴に固定する上歯と下歯を有す
    る版先クランプ機構と、前記版先クランプ機構に設けら
    れた位置決めピンと、位置決めピンに取り付けられ自身
    に刷版固着用の少なくとも3個の固着ピンを有する前記
    刷版より高剛性のピン当接部材と、からなる版先位置決
    め機構と、 前記刷版を前記版胴に押圧する刷版押圧機構と、 前記刷版の版尻を前記版胴に固定する版尻固定機構と、 前記版胴に巻回固定されてなる版ずれ防止機能を有する
    版下シートと、を備えた刷版装着装置において、 前記版ずれ防止機能を有する版下シートは、初期弾性率
    が350kgf/mm 2(350×9.8×106Pa)
    以上の支持体の少なくとも片面に凹凸形状を有する版下
    シートであって、該凹凸形状が、粒径1〜100μmの
    粒子と結着樹脂からなる凹凸面とその上に設けられたオ
    ーバーコート層からなることを特徴とする可撓性刷版装
    着装置。
  9. 【請求項9】 版先に少なくとも3個の固着穴が穿設さ
    れている可撓性刷版を版胴に装着する可撓性刷版装着装
    置であって、 前記刷版の版先を前記版胴に固定する上歯と下歯を有す
    る版先クランプ機構と、前記版先クランプ機構に設けら
    れた位置決めピンと、からなる版先位置決め固定機構
    と、 前記刷版を前記版胴に押圧する刷版押圧機構と、 前記刷版の版尻を前記版胴に固定する版尻固定機構と、 前記版胴に巻回固定されてなる版ずれ防止機能を有する
    版下シートと、自身に刷版固着用の少なくとも3個の固
    着ピンを有する前記刷版より高剛性のピン当接部材と、
    を備えた可撓性刷版装着装置において、 前記版ずれ防止機能を有する版下シートは、初期弾性率
    が350kgf/mm 2(350×9.8×106Pa)
    以上の支持体の少なくとも片面に凹凸形状を有する版下
    シートであって、該凹凸形状が、粒径1〜100μmの
    粒子と結着樹脂からなる凹凸面とその上に設けられたオ
    ーバーコート層からなることを特徴とする可撓性刷版装
    着装置。
  10. 【請求項10】 前記支持体の凹凸形状の中心線平均粗
    さRaが2〜20μmであることを特徴とする請求項7
    〜9のいづれか1項記載の可撓性刷版装着装置。
  11. 【請求項11】 前記刷版を保持するガイド部材を有
    し、前記ガイド部材は、前記版胴に装着前及び装着中の
    刷版を保持することを特徴とする請求項7〜10のいず
    れか1項記載の可撓性刷版装着装置。
  12. 【請求項12】 前記刷版の装着時に前記版胴を回転さ
    せる手段と、 前記版胴の回転位置を検出する手段と、 前記回転位置を検出する手段からの信号により所定の位
    置で、前記版胴を回転させる手段の回転、停止を制御す
    る手段と、 前記押圧手段を前記版胴に対して接離させる駆動手段
    と、 前記回転位置を検出する手段からの信号により所定の位
    置で、前記駆動手段を制御する制御手段とを備えている
    ことを特徴とする請求項7〜11のいずれか1項記載の
    可撓性刷版装着装置。
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