JP2003200260A - 中空体と管体とのろう付方法及び熱交換器の製造方法 - Google Patents

中空体と管体とのろう付方法及び熱交換器の製造方法

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JP2003200260A
JP2003200260A JP2001398090A JP2001398090A JP2003200260A JP 2003200260 A JP2003200260 A JP 2003200260A JP 2001398090 A JP2001398090 A JP 2001398090A JP 2001398090 A JP2001398090 A JP 2001398090A JP 2003200260 A JP2003200260 A JP 2003200260A
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brazing material
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heat exchange
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Hiroyuki Kawabata
博之 川畑
Masahiro Omori
将弘 大森
Koji Ashida
浩司 芦田
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Showa Denko KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱交換チューブの管端の開口がろう材で塞が
れる不具合を防止することのできる熱交換器の製造方法
を提供すること。 【解決手段】 熱交換チューブ20の外周面にはろう材層
40が積層されている。ろう材層40をチューブ20の管端側
から剥がすとともに、該チューブ20の端部をヘッダー10
の挿入孔12内に挿入する。さらに、ろう材層40の剥がし
部41をヘッダー10の外周面とチューブ20の外周面との間
のすみ部7内に又はその近傍に存在させる。この状態
で、ろう材層40を加熱溶融することにより、チューブ20
の端部をヘッダー10に接合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば、熱交換
器のヘッダーとして用いられる中空体と、熱交換器の熱
交換チューブとして用いられる管体とのろう付方法、中
空体と管体とのろう付継手及びその製造方法、並びに熱
交換器及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、自動車のラジエータ、クーラの
コンデンサ又はエバポレータ等には、アルミニウム又は
その合金製熱交換器が使用されている。この熱交換器
は、熱交換チューブとフィンとが交互に積層された状態
で互いにろう付接合された構造になっている。熱交換チ
ューブは、その中空部内に作動流体が流通されるもので
あり、その管端に作動流体が流入され又は排出される開
口を有している。
【0003】この熱交換器において、熱交換チューブ
は、一般に外周面にろう材層がクラッドされたブレージ
ング材から製作されている。あるいは、フィンが、片面
又は両面にろう材層がクラッドされたブレージング材か
ら製作されている。
【0004】更に近年、熱交換器の軽量化やコストダウ
ンを図るために、熱交換チューブやフィンをブレージン
グ材から製作しないで、両者をろう付接合する方法が提
案されている。例えば、特許第3212927号公報に
は、熱交換チューブとフィンとをろう付接合するための
ろう材として、所定のろう材成分を含有した粉末ろう材
を用いることが開示されている。また、特開平1−20
2393号公報や特開平2−299775号公報では、
かかるろう材として、ろう材箔を用いることが開示され
ている。
【0005】ところで、このような熱交換器において、
熱交換チューブの端部は、筒状ヘッダーにろう付接合さ
れている。このろう付は次のように行われている。すな
わち、ヘッダーの外周面に形成された挿入孔内に熱交換
チューブの端部を挿入し、この挿入状態で、ろう材を加
熱溶融することにより、熱交換チューブの端部をヘッダ
ーに接合している。熱交換チューブをヘッダーに接合す
るためのろう材は、熱交換チューブの外周面に層として
積層されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このろ
う付方法において、熱交換チューブの外周面にはろう材
層が積層されているため、この熱交換チューブの端部を
ヘッダーの挿入孔内に挿入すると、ろう材層もこれと一
緒に挿入孔内に挿入されることとなる。この挿入状態
で、ろう材層を加熱溶融すると、挿入孔内に挿入された
ろう材層のろう材が溶融して熱交換チューブの管端側に
向かって流れてしまい、この流れたろう材によって熱交
換チューブの管端の開口の一部又は全部が塞がれるとい
う現象が生じることがある。このようになると、得られ
る熱交換器の熱交換効率が低下するという問題が発生す
る。
【0007】また、熱交換チューブの端部をヘッダーの
挿入孔内に挿入した状態において、熱交換チューブの端
部の外周面と挿入孔の周面との間には、適度の寸法の隙
間を設けておく必要がある。この隙間が小さすぎると、
熱交換チューブの端部の挿入操作が困難になるという問
題が生じる。一方、隙間が大きすぎると、熱交換チュー
ブの端部の挿入操作は容易になる反面、隙間をろう材で
塞ぐことができなくなり、作動流体が漏出するという問
題が生じる。
【0008】この発明は、上述した技術背景に鑑みてな
されたもので、その目的は、熱交換チューブ等の管体の
管端開口がろう材で塞がれる不具合を防止することがで
き、且つヘッダー等の中空体の挿入孔の周面と該挿入孔
内に挿入される管体の端部の外周面との間に隙間を設け
た場合であっても、この隙間をろう材で確実に塞ぐこと
のできる、中空体と管体とのろう付方法、中空体と管体
とのろう付継手及びその製造方法、並びに熱交換器及び
その製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、第1発明は、中空部内に流体が流通される金属製中
空体と、中空部内に同流体が流通される金属製管体とを
準備し、前記中空体の外周面には、前記管体の端部が挿
入される挿入孔が形成されており、前記管体の少なくと
も端部の外周面には、ろう材層が積層されており、前記
管体の端部を前記挿入孔内に挿入した状態で、前記ろう
材層を溶融することにより、該ろう材層のろう材成分で
前記管体の端部を前記中空体に接合する、中空体と管体
とのろう付方法であって、前記ろう材層を前記管体の管
端側から剥がすとともに、該管体の端部を前記挿入孔内
に挿入し、且つ前記ろう材層の剥がし部を前記中空体の
外周面と前記管体の外周面との間のすみ部内に又はその
近傍に存在させた状態で、前記ろう材層を溶融すること
を特徴としている(請求項1)。
【0010】この第1発明では、ろう材層を管体の管端
側から剥がすことにより、管体の端部を挿入孔内に挿入
しても、ろう材層は挿入孔内に挿入されなくなる。この
挿入状態で、ろう材層を溶融することにより、該ろう材
層のろう材が管体の管端側に向かって流れなくなり、も
って管体の管端開口がろう材で塞がれる不具合が防止さ
れる。また、このろう材層の剥がし部を所定のすみ部内
に又はその近傍に存在させることにより、挿入孔の周面
と管体の端部の外周面との間の隙間を塞ぐためのろう材
の量が剥がし部の分だけ増加し、このため、隙間を設け
た場合であっても、当該隙間を確実に塞ぐことができる
ようになるし、流体の漏出をも防止することができる。
【0011】また、ろう材層はろう材箔からなることが
望ましい。これによれば、ろう材層の剥がし操作の途中
でろう材層の剥がし部がちぎれる不具合を防止し得て、
ろう材層の剥がし操作を容易に行えるようになる。
【0012】また、ろう材層は、管体の端部を挿入孔内
に挿入する前に予め剥がしておいても良いし、挿入する
と同時に剥がしても良い。
【0013】なお、この明細書では、「ろう材箔」の語
は、厚さが0.2mm以下のろう材箔のみならず、ろう
材フィルム及びろう材シートを含む意味で用いられてい
る。また、ろう材層は、450℃以上の溶融点をもつ金
属をろう材成分とするものであっても良いし、450℃
より低い溶融点をもつ金属をろう材成分とするものであ
っても良い。また、流体は、熱交換器における作動流体
をはじめ、他の液体(例:水)や気体(例:空気)であ
っても良い。
【0014】この第1発明において、前記中空体と前記
管体は、ともにアルミニウム又はその合金製のものであ
り、前記ろう材層は、Siを4〜15重量%及びZnを
1〜10重量%含有したアルミニウム合金をろう材成分
とするものであることが望ましい(請求項2)。
【0015】この場合では、ろう材層のろう材成分にお
いて、Siはろう材成分としてのアルミニウム合金の融
点を低下させてろう付を可能にする効果を奏するが、S
iの含有率が4重量%未満では、融点の低下の効果に乏
しく、一方、15重量%超では、ろう材層がろう材箔等
からなる場合においてその成形が困難になる。特に望ま
しいSiの含有率の下限値は6重量%であり、特に望ま
しいSiの上限値は13重量%である。
【0016】また、ろう材層のろう材成分において、Z
nは管体の表面に拡散し管体の表面電位を卑にして孔食
を防止する効果を奏するが、Znの含有率が1重量%未
満では、その効果に乏しく、一方、10重量%超では、
その効果が飽和して向上しなくなる上、局部的にZnが
集中し腐食が促進されてしまう。特に望ましいZnの含
有率の下限値は1.5重量%であり、特に望ましいZn
の含有率の上限値は6重量%である。
【0017】この第1発明において、前記ろう材層の厚
さが5〜100μmの範囲内に設定されていることが望
ましい(請求項3)。
【0018】この場合において、ろう材層の厚さが5μ
m未満では、挿入孔の周面と管体の端部の外周面との間
の隙間を塞ぐためのろう材の量が不足する虞があり、隙
間を塞ぐことが困難になる。一方、ろう材層の厚さが1
00μm超では、得られるろう付継手の重量が増大する
し、コストが高く付いてしまう。特に望ましいろう材層
の厚さの下限値は10μmであり、特に望ましいろう材
層の厚さの上限値は70μmである。
【0019】この第1発明において、前記ろう材層が前
記管体の端部の外周面に積層された状態において、前記
管体の端部の外周面の全周長さに対する、前記ろう材層
の、管体の端部の外周方向に沿う長さの合計長さの占め
る割合が、20%以上に設定されていることが望ましい
(請求項4)。
【0020】この場合において、かかる割合が20%未
満では、挿入孔の周面と管体の端部の外周面との間の隙
間を塞ぐためのろう材の量が不足する虞があり、隙間を
塞ぐことが困難になる。特に望ましい割合の下限値は4
0%である。特に望ましい割合の上限値は100%であ
る。
【0021】この第1発明において、前記ろう材層を前
記管体の管端側から前記挿入孔の周縁部で削って剥がし
ながら、前記管体の端部を前記挿入孔内に挿入すること
が望ましい(請求項5)。
【0022】この場合には、管体の端部の挿入孔内への
挿入作業とろう材層の剥がし作業とが同時に行われるよ
うになり、作業能率が向上する。また、ろう材層を剥が
すための工具を別途用いる必要がなくなる。
【0023】この第1発明において、前記ろう材層の剥
離強さが、0.01〜500N/25mmの範囲内に設
定されていることが望ましい(請求項6)。
【0024】この場合において、ろう材層の剥離強さが
0.01N/25mmでは、ろう付作業時や組付作業時
等にろう材層が不本意に剥がれる虞があり、一方、50
0N/25mm超では、ろう材層を剥がし難くなる。特
に望ましいろう材層の剥離強さの下限値は0.1N/2
5mmであり、更に望ましくは1N/25mmである。
一方、特に望ましいろう材層の剥離強さの上限値は10
0N/25mmであり、更に望ましくは60N/25m
mである。
【0025】この第1発明において、前記ろう材層は、
ろう材箔からなり、且つ接着剤により接着されて積層さ
れていることが望ましい(請求項7)。
【0026】この場合では、ろう材層を確実に剥がすこ
とができる。接着剤としては、様々な種類の接着剤を使
用することができ、その種類に限定されるものではない
が、ホットメルト系接着剤やエポキシ系接着剤を好適に
使用することができる。
【0027】この第1発明において、前記ろう材層は、
ろう材箔からなり、且つ機械的かしめにより止着されて
積層されていることが望ましい(請求項8)。
【0028】この場合では、ろう材層を確実に剥がすこ
とができる。
【0029】上記目的を達成するため、第2発明は、中
空部内に流体が流通される金属製中空体と、中空部内に
同流体が流通される金属製管体とを備え、前記中空体の
外周面には、前記管体の端部が挿入される挿入孔が形成
されており、前記管体の少なくとも端部の外周面には、
ろう材層が積層されており、前記管体の端部が前記挿入
孔内に挿入された状態で、前記ろう材層のろう材成分で
前記管体の端部が前記中空体に接合されている、中空体
と管体とのろう付継手の製造方法であって、請求項1〜
8のいずれか1項記載のろう付方法により、前記ろう付
継手を製造することを特徴としている(請求項9)。
【0030】この第2発明では、請求項1〜8のいずれ
か1項記載のろう付方法により、ろう付継手を製造する
ことから、管体の管端開口がろう材で殆ど塞がれていな
い又は全く塞がれていないろう付継手、換言すると管体
の管端の開口が十分に開いているろう付継手が得られ
る。また、このろう付継手を製造する際には、挿入孔の
周面と管体の端部の外周面との間に隙間を設けた場合で
あっても、この隙間をろう材で確実に塞ぐことができる
から、管体の端部の挿入孔内への挿入操作を容易に行う
ことができる。
【0031】上記目的を達成するため、第3発明は、中
空部内に流体が流通される金属製中空体と、中空部内に
同流体が流通される金属製管体とを備え、前記中空体の
外周面には、前記管体の端部が挿入される挿入孔が形成
されており、前記管体の少なくとも端部の外周面には、
ろう材層が積層されており、前記管体の端部が前記挿入
孔内に挿入された状態で、前記ろう材層のろう材成分で
前記管体の端部が前記中空体に接合されている、中空体
と管体とのろう付継手であって、前記管体の端部を前記
中空体に接合したろう材は、前記中空体の外周面と前記
管体の外周面との間のすみ部内に存在している一方、前
記中空体の内周面と前記管体の外周面との間のすみ部内
には存在していないことを特徴としている(請求項1
0)。
【0032】この第3発明では、管体の端部を中空体に
接合したろう材は、中空体の外周面と管体の外周面との
間のすみ部内に存在しているので、管体の端部が中空体
にしっかりと接合されている。一方、このろう材は、中
空体の内周面と管体の外周面との間のすみ部内には存在
していないので、管体の管端開口がろう材で塞がれる不
具合は防止されている。このため、管体の管端開口がろ
う材で殆ど塞がれていない又は全く塞がれていないろう
付継手、換言すると管体の管端開口が十分に開いている
ろう付継手が得られる。
【0033】また、この第3発明において、管体の端部
を中空体に接合したろう材は、管体の端部が挿入孔内へ
挿入される前に又は同時に、ろう材層の、管体の管端側
から剥がされた剥がし部のろう材を含有していることが
望ましい。この場合には、挿入孔の周面と管体の端部の
外周面との間の隙間を塞ぐためのろう材量が増加し、こ
のため、ろう付継手を製造する際に、かかる隙間を設け
た場合であっても、この隙間をろう材で確実に塞ぐこと
ができる。
【0034】この第3発明において、前記中空体と前記
管体は、ともにアルミニウム又はその合金製のものであ
り、前記ろう材層は、Siを4〜15重量%及びZnを
1〜10重量%含有したアルミニウム合金をろう材成分
とするものであることが望ましい(請求項11)。その
理由は上述したとおりである。また、特に望ましいSi
の含有率の下限値及び上限値は、上述した値と同じであ
り、特に望ましいZnの含有率の下限値及び上限値につ
いても上述した値と同じである。
【0035】この第3発明において、前記ろう材層の厚
さが5〜100μmの範囲内に設定されていることが望
ましい(請求項12)。その理由は上述したとおりであ
る。また、特に望ましいろう材層の厚さの下限値及び上
限値は、上述した値と同じである。
【0036】この第3発明において、前記ろう材層が前
記管体の端部の外周面に積層された状態において、前記
管体の端部の外周面の全周長さに対する、前記ろう材層
の、管体の端部の外周方向に沿う長さの合計長さの占め
る割合が、20%以上に設定されていることが望ましい
(請求項13)。その理由は上述したとおりである。ま
た、特に望ましい割合の下限値は、上述した値と同じで
ある。
【0037】この第3発明において、前記ろう材層の剥
離強さが、0.01〜500N/25mmの範囲内に設
定されていることが望ましい(請求項14)。その理由
は上述したとおりである。また、特に望ましいろう材層
の剥離強さの下限値及び上限値は、上述した値と同じで
ある。
【0038】この第3発明において、前記ろう材層は、
ろう材箔からなり、且つ接着剤により接着されて積層さ
れていることが望ましい(請求項15)。その理由は上
述したとおりである。
【0039】この第3発明において、前記ろう材層は、
ろう材箔からなり、且つ機械的かしめにより止着されて
積層されていることが望ましい(請求項16)。その理
由は上述したとおりである。
【0040】上記目的を達成するため、第4発明は、中
空部内に作動流体が流通される筒状の金属製ヘッダー
と、中空部内に同作動流体が流通される金属製熱交換チ
ューブとを準備し、前記ヘッダーの外周面には、前記熱
交換チューブの端部が挿入される挿入孔が形成されてお
り、前記熱交換チューブの少なくとも端部の外周面に
は、ろう材層が積層されており、前記熱交換チューブの
端部を前記挿入孔内に挿入した状態で、前記ろう材層を
溶融することにより、該ろう材層のろう材成分で前記熱
交換チューブの端部を前記ヘッダーに接合する熱交換器
の製造方法であって、前記ろう材層を前記熱交換チュー
ブの管端側から剥がすとともに、該熱交換チューブの端
部を前記挿入孔内に挿入し、且つ前記ろう材層の剥がし
部を前記ヘッダーの外周面と前記熱交換チューブの外周
面との間のすみ部内に又はその近傍に存在させた状態
で、前記ろう材層を溶融することを特徴としている(請
求項17)。
【0041】この第4発明において、前記ヘッダーと前
記熱交換チューブは、ともにアルミニウム又はその合金
製のものであり、前記ろう材層は、Siを4〜15重量
%及びZnを1〜10重量%含有したアルミニウム合金
をろう材成分とするものであることが望ましい(請求項
18)。
【0042】この第4発明において、前記ろう材層の厚
さが5〜100μmの範囲内に設定されていることが望
ましい(請求項19)。
【0043】この第4発明において、前記ろう材層が前
記熱交換チューブの端部の外周面に積層された状態にお
いて、前記熱交換チューブの端部の外周面の全周長さに
対する、前記ろう材層の、熱交換チューブの端部の外周
方向に沿う長さの合計長さの占める割合が、20%以上
に設定されていることが望ましい(請求項20)。
【0044】この第4発明において、前記ろう材層を前
記熱交換チューブの管端側から前記挿入孔の周縁部で削
って剥がしながら、前記熱交換チューブの端部を前記挿
入孔内に挿入することが望ましい(請求項21)。
【0045】この第4発明において、前記ろう材層の剥
離強さが、0.01〜500N/25mmの範囲内に設
定されていることが望ましい(請求項22)。
【0046】この第4発明において、前記ろう材層は、
ろう材箔からなり、且つ接着剤により接着されて積層さ
れていることが望ましい(請求項23)。
【0047】この第4発明において、前記ろう材層は、
ろう材箔からなり、且つ機械的かしめにより止着されて
積層されていることが望ましい(請求項24)。
【0048】以上の第4発明の作用は、上述した第1発
明において「管体」を「熱交換チューブ」に、「中空
体」を「ヘッダー」に、「中空体と管体とのろう付方
法」を「熱交換器の製造方法」に読み替えた場合と同じ
であり、重複する記載を省略する。
【0049】上記目的を達成するため、第5発明は、中
空部内に作動流体が流通される筒状の金属製ヘッダー
と、中空部内に同作動流体が流通される金属製熱交換チ
ューブとを備え、前記ヘッダーの外周面には、前記熱交
換チューブの端部が挿入される挿入孔が形成されてお
り、前記熱交換チューブの少なくとも端部の外周面に
は、ろう材層が積層されており、前記熱交換チューブの
端部が前記挿入孔内に挿入された状態で、前記ろう材層
のろう材成分で前記熱交換チューブの端部が前記中空体
に接合されている熱交換器であって、前記熱交換チュー
ブの端部を前記ヘッダーに接合したろう材は、前記ヘッ
ダーの外周面と前記熱交換チューブの外周面との間のす
み部内に存在している一方、前記ヘッダーの内周面と前
記熱交換チューブの外周面との間のすみ部内には存在し
ていないことを特徴としている(請求項25)。
【0050】この第5発明において、前記ヘッダーと前
記熱交換チューブは、ともにアルミニウム又はその合金
製のものであり、前記ろう材層は、Siを4〜15重量
%及びZnを1〜10重量%含有したアルミニウム合金
をろう材成分とするものであることが望ましい(請求項
26)。
【0051】この第5発明において、前記ろう材層の厚
さが5〜100μmの範囲内に設定されていることが望
ましい(請求項27)。
【0052】この第5発明において、前記ろう材層が前
記熱交換チューブの端部の外周面に積層された状態にお
いて、前記熱交換チューブの端部の外周面の全周長さに
対する、前記ろう材層の、熱交換チューブの端部の外周
方向に沿う長さの合計長さの占める割合が、20%以上
に設定されていることが望ましい(請求項28)。
【0053】この第5発明において、前記ろう材層の剥
離強さが、0.01〜500N/25mmの範囲内に設
定されていることが望ましい(請求項29)。
【0054】この第5発明において、前記ろう材層は、
ろう材箔からなり、且つ接着剤により接着されて積層さ
れていることが望ましい(請求項30)。
【0055】この第5発明において、前記ろう材層は、
ろう材箔からなり、且つ機械的かしめにより止着されて
積層されていることが望ましい(請求項31)。
【0056】以上の第5発明の作用は、上述した第3発
明において「管体」を「熱交換チューブ」に、「中空
体」を「ヘッダー」に、「中空体と管体とのろう付継
手」を「熱交換器」に読み替えた場合と同じであり、重
複する記載を省略する。
【0057】
【発明の実施の形態】次に、この発明の実施形態を図面
を参照して説明する。
【0058】図1は、この発明の実施形態に係るろう付
方法により製造された熱交換器(1)を示している。こ
の熱交換器(1)は、自動車用のラジエータ、クーラー
のコンデンサ又はエバポレータ等に用いられるアルミニ
ウム又はその合金製のもので、いわゆるマルチフロータ
イプのものである。
【0059】この熱交換器(1)は、互いに略平行に配
置された一対の筒状のヘッダー(10)(10)と、該両ヘ
ッダー(10)(10)間に所定間隔おきに並列状に配置さ
れ且つ各端部が対応するヘッダー(10)に連通接続され
た複数本の熱交換チューブ(20)…と、該複数本の熱交
換チューブ(20)の各間及び最外側の熱交換チューブ
(20)の外側に配置されたコルゲート状のフィン(30)
…とを、主要な構成部材として備えている。
【0060】図1において、(3)は、ヘッダー(10)
の端部に装着されたヘッダーキャップである。(2)は
サイドプレートであり、最外側のフィン(20)の更に外
側に配置されている。(4)は、作動流体(熱媒体)を
熱交換チューブ(20)群に沿って蛇行状に流通させるた
めの板状仕切り部材である。(5)(5)はヘッダー
(10)に設けられた作動流体入口及び出口用ユニオンで
ある。
【0061】この実施形態では、「ヘッダー(10)」が
「中空体」に対応し、「熱交換チューブ(20)」が「管
体」に対応し、「熱交換器(1)」が「ろう付継手」に
対応している。
【0062】熱交換チューブ(20)は、アルミニウム又
はその合金の中空押出形材から製作された所定長さを有
する扁平状のものであって、図2及び図3に示すよう
に、長さ方向に貫通した複数個(同図では3個)の中空
部(21)を有している。さらに、隣接する中空部(21)
(21)間には、長さ方向に延びた仕切り壁部(22)が配
置されている。この熱交換チューブ(20)の中空部(2
1)内には作動流体が流通される。
【0063】ヘッダー(10)は、アルミニウム又はその
合金製の筒状のもので、その中空部(11)内に前記作動
流体が流通されるものである。このヘッダー(10)の外
周面には、各熱交換チューブ(20)の端部が挿入される
複数個の挿入孔(12)が、ヘッダー(10)の中空部(1
1)に連通した状態で、打抜き加工等の切削加工により
長さ方向に所定間隔おきに形成されている。
【0064】フィン(30)、サイドプレート(2)、ヘ
ッダーキャップ(3)等の他の主要構成部材も、アルミ
ニウム又はその合金製のものである。
【0065】次に、この熱交換器(1)の製造方法につ
いて説明する。
【0066】図2及び図3に示すように、熱交換チュー
ブ(20)の外周面における周方向の一部には、ろう材成
分を含有したろう材層(40)が該熱交換チューブ(20)
の全長に亘って積層されている。詳述すると、このろう
材層(40)は、熱交換チューブ(20)の外周面における
合計2個の平坦状の面部に、該熱交換チューブ(20)の
全長に亘って長さ方向に沿って、接着剤により接着され
て剥離可能に積層されている。接着剤層は図示していな
い。この実施形態では、ろう材層(40)は、アルミニウ
ム又はその合金をろう材成分とする所定幅を有するテー
プ状のろう材箔からなる。この実施形態では、ろう材箔
の溶融点は、熱交換チューブ(20)及びヘッダー(10)
のそれよりも低く設定されている。
【0067】なお、この発明では、ろう材層(40)は、
熱交換チューブ(20)の少なくとも端部の外周面に積層
されていれば良い。特にこの発明では、ろう材層(40)
は、図4及び図5に示すように、熱交換チューブ(20)
の、少なくとも、挿入孔(12)内に挿入される端部(20
a)の外周面と、当該端部(20a)に長さ方向中間部側に
て隣接する、当該部位(20a)近傍の部位(20b)の外周
面とに、連続して積層されていることが望ましい。
【0068】このろう材層(40)は、Siを4〜15重
量%及びZnを1〜10重量%含有したアルミニウム合
金をろう材成分とするものであることが望ましい。詳述
すると、このろう材層(40)は、Siを4〜15重量
%、Znを1〜10重量%含有し、残りがAlと不可避
不純物からなるアルミニウム合金をろう材成分とするも
のであることが特に望ましい。更に望ましいSiの含有
率の下限値及び下限値は、それぞれ6重量%及び13重
量%であり、更に望ましいZnの含有率の下限値及び上
限値は、それぞれ1.5重量%及び6重量%である。
【0069】また、ろう材層(40)の厚さは5〜100
μmの範囲内に設定されていることが望ましい。その理
由は次のとおりである。ろう材層(40)の厚さが5μm
未満では、挿入孔(12)内に熱交換チューブ(20)の端
部を挿入した状態において、挿入孔(12)の周面と熱交
換チューブ(20)の端部の外周面との間に生じた隙間
(図5参照、G)を塞ぐためのろう材の量が不足する虞
があり、かかる隙間(G)を塞ぐことが困難になる。一
方、ろう材層(40)の厚さが100μm超では、得られ
る熱交換器(1)の重量が増大するし、製造コストが高
く付くからである。特に望ましいろう材層(40)の厚さ
の下限値及び上限値は、それぞれ10μm及び70μm
である。
【0070】ここで、各熱交換チューブ(20)におい
て、図3に示すように、熱交換チューブ(20)の端部の
外周面の全周長さをLとし、上下2個のろう材層(40)
(40)の、熱交換チューブ(20)の端部の外周方向に沿
う長さをそれぞれW1及びW2とする。また、両ろう材層
(40)(40)の、熱交換チューブ(20)の端部の外周方
向に沿う長さの合計長さをW(即ち、W=W1+W2)と
し、Lに対してWが占める割合をR(即ち、R=W/L
=(W1+W2)/L)とすると、この割合Rは20%以
上に設定されていることが望ましい(但し、R≦100
%)。この割合Rが20%未満では、隙間(G)を塞ぐ
ためのろう材の量が不足する虞があるからである。特に
望ましい割合Rの下限値は40%である。特に望ましい
割合Rの上限値は100%である。
【0071】また、ろう材層(40)の剥離強さは、0.
01〜500N/25mmの範囲内に設定されているこ
とが望ましい。その理由は次のとおりである。ろう材層
(40)の剥離強さが0.01N/25mmでは、ろう付
作業時や組付作業時等にろう材層(40)が不本意に剥が
れる虞があり、一方、500N/25mm超では、ろう
材層(40)を剥がし難くなる。特に望ましいろう材層
(40)の剥離強さの下限値は0.1N/25mmであ
り、更に望ましくは1N/25mmである。一方、特に
望ましいろう材層(40)の剥離強さの上限値は100N
/25mmであり、更に望ましくは60N/25mmで
ある。
【0072】また、ろう材層(40)は、熱交換チューブ
(20)の外周面に接着剤により接着して積層するか、あ
るいは機械的かしめにより止着して積層することが望ま
しい。こうすることにより、ろう材層(40)を確実に剥
がせることができるようになるし、ろう材層(40)を簡
単な作業で積層できるようになる。
【0073】以上の構成を有する複数本の熱交換チュー
ブ(20)と、外周面に所定個数の挿入孔(12)が形成さ
れたヘッダー(10)とを準備する。
【0074】そして、熱交換チューブ(20)とフィン
(30)とを交互に積層する。次いで又はこれと同時に、
図5に示すように、ろう材層(40)を熱交換チューブ
(20)の管端側から剥がして舌状の剥がし部(41)を形
成するとともに、熱交換チューブ(20)の端部をヘッダ
ー(10)の挿入孔(12)内に挿入し、且つろう材層(4
0)の剥がし部(41)をヘッダー(10)の外周面と熱交
換チューブ(20)の外周面との間のすみ部(7)の近傍
に存在させた状態に配置する。
【0075】この場合において、ろう材層(40)は、熱
交換チューブ(20)の端部を挿入孔(12)内に挿入する
前に予め剥がしておいても良いし、挿入すると同時に剥
がしても良い。特に、ろう材層(40)を挿入孔(12)の
周縁部で削って剥がしながら、熱交換チューブ(20)の
端部を挿入孔(12)内に挿入することが望ましい。この
場合には、熱交換チューブ(20)の端部の挿入孔(12)
内への挿入作業とろう材層(40)の剥がし作業とを同時
に行うことができ、これらの作業を能率良く行うことが
できる。しかも、ろう材層(40)を剥がすための工具を
別途用いる必要がないという利点がある。さらにこの場
合には、熱交換チューブ(20)の端部の挿入孔(12)内
への挿入操作に伴い、ろう材層(40)の剥がし部(41)
は、専ら、自動的にすみ部(7)内に又はその近傍に配
置されるものとなり、このため、剥がし部(41)を必ず
しもすみ部(7)内に又はその近傍にわざわざ配置させ
る作業を行う必要がないという利点がある。
【0076】この実施形態では、図5に示しように、挿
入孔(12)の周面とヘッダー(10)の外周面との間の角
部(13)で削って剥がしながら、熱交換チューブ(20)
の端部を挿入孔(12)内に挿入している。なお、図7に
示すように、挿入孔(12)の周面とヘッダー(10)の内
周面との間の角部(14)が、挿入孔(12)の内側に向か
って突出した形状に形成されている場合などにおいて
は、ろう材層(40)をこの角部(14)で削って剥がしな
がら、熱交換チューブ(20)の端部を挿入孔(12)内に
挿入しても良い。
【0077】図5では、ろう材層(40)は、熱交換チュ
ーブ(20)の、挿入孔(12)内に挿入された端部(20
a)の外周面において剥がれた状態になっている。さら
に、このろう材層(40)の剥がし部(41)は、ちぎり取
られておらず、すなわち熱交換チューブ(20)の端部
(20a)に長さ方向中間部側にて隣接する、前記端部(2
0a)近傍の部位(20b)の外周面に積層されたろう材層
(40)に一体に連結されている。そして、この剥がし部
(41)がヘッダー(10)の外周面に掛けられて、該剥が
し部(41)の遊端部(先端部)がヘッダー(10)の外周
面に当接している。
【0078】次いで、サイドプレート(2)やヘッダー
キャップ(3)等の他の構成部材を所定位置に配置して
仮組する。こうして仮組されて得られた構造物を組立体
という。次いで、この組立体にフラックスを塗布する。
また、必要に応じて組立体をバンドによってバンディン
グする。そして、この組立体を真空加熱炉や雰囲気加熱
炉等の任意の加熱炉内に入れ、これを真空雰囲気や不活
性ガス雰囲気中で所定の接合条件にて加熱することによ
ってろう材層(40)を溶融し、これにより、互いに当接
する部材同士を一括して接合一体化し、もって所望する
熱交換器(1)が製造される。接合条件としては、特に
限定されるものではなく、公知の接合条件を適用すれば
良い。
【0079】こうして製造された熱交換器(1)におい
て、図6に示すように、熱交換チューブ(20)の端部
は、ヘッダー(10)の挿入孔(12)内に挿入された状態
で、ヘッダー(10)にろう材層(40)のろう材成分で接
合されている。また、フィン(30)についても熱交換チ
ューブ(20)の外周面にろう材層のろう材成分で接合さ
れている。
【0080】熱交換チューブ(20)の端部をヘッダー
(10)に接合したろう材(42)には、ろう材層(40)の
剥がし部(41)のろう材が加えられてから、この剥がし
部(41)のろう材分だけろう材量が増加しており、この
ため、ヘッダー(10)の外周面と熱交換チューブ(20)
の外周面との間のすみ部(7)内にろう材(42)がフィ
レットとして熱交換チューブ(20)の全周に亘って存在
している。そして、このろう材(42)によって隙間
(G)が完全に塞がれている。このため、この間隙
(G)から作動流体が外部へ漏出する不具合は発生しな
い。一方、このろう材(42)は、ヘッダー(10)の内周
面と熱交換チューブ(20)の外周面との間のすみ部
(8)内には存在していない。このため、熱交換チュー
ブ(20)の管端の開口(21a)がろう材で塞がれておら
ず、換言すると熱交換チューブ(20)の管端の開口(21
a)は十分に開いた状態になっている。したがって、こ
の熱交換器(1)は優れた熱交換効率を発揮し得るもの
となっている。
【0081】以上で、この発明の実施形態を説明した
が、この発明は上記実施形態に限定されるものではな
く、様々に設定変更可能である。
【0082】例えば、図8に示すように、ろう材層(4
0)の剥がし部(41)は、断面V字状やS字状等の様々
な折曲形状に折り曲げられた状態で、ヘッダー(10)の
外周面と熱交換チューブ(20)の外周面との間のすみ部
(7)内に存在していても良い。
【0083】また、図9に示すように、ろう材層(40)
は、熱交換チューブ(20)の外周面における、該熱交換
チューブ(20)の幅方向両側部の面部に、積層されてい
ても良い。
【0084】また、ろう材層は、ろう材成分の他にフラ
ックスを含有したものであっても良い。あるいは、ろう
材層の表面にフラックスが付着されていても良いし、又
はスラックス層を介してろう材層が積層されていても良
い。また、ヘッダーの外周面にろう材層が別途積層され
ていても良い。
【0085】もとより、この発明に係るろう付方法は、
熱交換器を製造する際に適用することに限定されるもの
ではなく、例えば、マニホールド等の中空体に連絡管等
の管体の端部を接続する際に適用しても良い。また、こ
の発明に係るろう付継手は、熱交換器に限定されるもの
ではないことは言うもでもない。
【0086】
【実施例】次に、この発明の具体的実施例を示す。
【0087】<実施例1>アルミニウム合金(材質:A
A1100)の中空押出形材から製作された扁平状の熱
交換チューブ(20)を準備した。この熱交換チューブ
(20)の幅は20mmである。
【0088】口径の異なる3種類の挿入孔(12)が外周
面に形成されたアルミニウム合金(材質:AA300
3)製の筒状ヘッダー(10)を準備した。各挿入孔(1
2)の口径は、熱交換チューブ(20)の端部を挿入孔(1
2)の中心部に位置させて該挿入孔(12)内に挿入した
とき、挿入孔(12)の周面と熱交換チューブ(20)の端
部の外周面との間に生じる隙間(G)の寸法d(図5参
照)が、それぞれ0.02、0.05、0.10mmに
なるように設定されている。
【0089】ろう材層(40)として、圧延により成形さ
れたテープ状のろう材箔を準備した。このろう材箔の幅
は8mm、厚さが25μmである。このろう材箔は、S
iを8重量%、Znを2重量%含有し、残りがAlと不
可避不純物からなるアルミニウム合金からなる。
【0090】次いで、熱交換チューブ(20)の外周面の
各平坦状面部に、それぞれホットメルト系接着剤を30
μmの厚さで塗布したのち、この塗布部分にろう材箔を
熱交換チューブ(20)の全長に亘って長さ方向に沿って
接着して積層し、これにより、ろう材箔からなるろう材
層(40)を形成した。このときのろう材層(40)の剥離
強さは20N/25mmであった。また、熱交換チュー
ブ(20)の端部の外周面の全周長さLに対する、ろう材
層(40)の、熱交換チューブ(20)の端部の外周方向に
沿う長さの合計長さWの占める割合Rは、40%であっ
た。なお、ろう材層(40)の剥離強さは、JIS K6
854に準拠して測定した。
【0091】次いで、熱交換チューブ(20)とアルミニ
ウム合金(材質:AA3203)製のコルゲート状フィ
ン(30)とを交互に積層させるとともに、熱交換チュー
ブ(20)の端部をヘッダー(10)の挿入孔(12)内に挿
入した。このとき、隙間(G)の寸法dが0.02及び
0.05mmに設定された挿入孔(12)においては、熱
交換チューブ(20)の端部の外径がこれら挿入孔(12)
の口径よりも大きくなっているために、熱交換チューブ
(20)の端部をその外周面にろう材層(40)が積層され
た状態のままでは挿入することができない。したがっ
て、これらの挿入孔(12)においては、ろう材層(40)
を熱交換チューブ(20)の管端側から挿入孔(12)の周
面とヘッダー(10)の外周面との間の角部(13)で削っ
て剥がしながら、熱交換チューブ(20)の端部を挿入孔
(12)内に挿入した。この挿入操作に伴い、剥がし部
(41)は、ヘッダー(10)の外周面と熱交換チューブ
(20)の外周面との間のすみ部(7)内に配置された。
一方、隙間(G)の寸法dが0.10mmに設定された
挿入孔(12)においては、熱交換チューブ(20)の端部
の外径が挿入孔(12)の口径よりも小さいために、熱交
換チューブ(20)の端部をその外周面にろう材層(40)
が積層された状態のままで挿入可能であった。そこで、
この挿入孔(12)においては、該挿入孔(12)内に熱交
換チューブ(20)の端部を挿入する前に、予めろう材層
(40)を熱交換チューブ(20)の管端側から所定の工具
を用いて剥がしておいてから、当該熱交換チューブ(2
0)の端部を挿入孔(12)内に挿入した。次いで、この
剥がし部(41)をすみ部(7)内に手で配置した。
【0092】次いで、こうして組み立てられた組立体に
フラックスを塗布し、これを雰囲気加熱炉内に入れて、
不活性ガス雰囲気中で600℃×10minの条件にて
加熱してろう材層(40)を溶融することにより、熱交換
チューブ(20)の端部をヘッダー(10)にろう材層(4
0)のろう材成分で接合するとともに、熱交換チューブ
(20)とフィン(30)とをろう材層(40)のろう材成分
で互いに接合一体化し、もって熱交換器(1)を得た。
【0093】<実施例2>上記実施例1と同様の熱交換
チューブ(20)、ろう材箔、ヘッダー(10)及びフィン
(30)を準備した。
【0094】次いで、熱交換チューブ(20)の外周面の
各平坦状面部に、エポキシ系接着剤を30μmの厚さで
塗布したのち、この塗布部分にろう材箔を熱交換チュー
ブ(20)の全長に亘って長さ方向に沿って接着して積層
し、これにより、ろう材箔からなるろう材層(40)を形
成した。このときのろう材層(40)の剥離強さは60N
/25mmであった。他の条件は上記実施例1と同じで
ある。そして、上記実施例1と同様に熱交換器を製造し
た。
【0095】<比較例1>上記実施例1と同様の熱交換
チューブ(20)、ろう材箔、ヘッダー(10)及びフィン
(30)を準備した。隙間(G)の寸法dが0.10mm
に設定されたヘッダー(10)の挿入孔(12)において
は、ろう材層(40)を剥がさないでそのまま熱交換チュ
ーブ(20)の端部を挿入孔(12)内に挿入した。一方、
隙間(G)の寸法dが0.02及び0.05mmに設定
された挿入孔(12)内には、熱交換チューブ(20)の端
部を挿入しなかった。他の条件は上記実施例1と同じで
ある。そして、上記実施例1と同様に熱交換器を製造し
た。
【0096】<比較例2>上記実施例1と同様の熱交換
チューブ(20)、ろう材箔、ヘッダー(10)及びフィン
(30)を準備した。このろう材箔の幅は3mmである。
また、ろう材層(40)の剥離強さは60N/25mmで
あり、割合Rは15%であった。他の条件は上記実施例
1と同じである。そして、上記実施例1と同様に熱交換
器を製造した。
【0097】<比較例3>上記実施例1と同様の熱交換
チューブ(20)、ろう材箔、ヘッダー(10)及びフィン
(30)を準備した。このろう材箔の幅は3mmである。
また、ろう材層(40)の剥離強さは60N/25mmで
あり、割合Rは15%であった。
【0098】また、隙間(G)の寸法dが0.10mm
に設定されたヘッダー(10)の挿入孔(12)において
は、ろう材層(40)を剥がさないでそのまま熱交換チュ
ーブ(20)の端部を挿入孔(12)内に挿入した。一方、
隙間(G)の寸法dが0.02及び0.05mmに設定
された挿入孔(12)には、熱交換チューブ(20)の端部
を挿入しなかった。他の条件は上記実施例1と同じであ
る。そして、上記実施例1と同様に熱交換器を製造し
た。
【0099】<比較例4>アルミニウム合金(材質:A
A1100)製の心材の片面の全面に、ろう材層を圧延
によってクラッドしてクラッド板材を準備した。ろう材
層は、Siを8重量%、Znを2重量%含有し、残りが
Alと不可避不純物からなるアルミニウム合金をろう材
成分をするものである。このろう材層は、500N/m
mを超える剥離強さで心材の片面に積層されている。こ
のろう材層の厚さは20μmである。次いで、このクラ
ッド板材をろう材層が外側となるようにロールフォーミ
ングで扁平筒状に成形して、熱交換チューブを製作し
た。この熱交換チューブの幅は20mmである。また、
割合Rは100%である。
【0100】口径の異なる3種類の挿入孔が外周面に形
成されたアルミニウム合金(材質:実施例1と同じ)製
の筒状ヘッダーを準備した。各挿入孔の口径は、熱交換
チューブの端部の心材部分だけを挿入孔の中心部に位置
させて該挿入孔内に挿入したとき、挿入孔の周面と熱交
換チューブの端部の心材部分の外周面との間に生じる隙
間の寸法dが、それぞれ0.02、0.05、0.10
mmになるように設定されている。
【0101】次いで、熱交換チューブとアルミニウム合
金(材質:実施例1と同じ)製のコルゲート状フィンと
を交互に積層させた。次いで、熱交換チューブ端部をヘ
ッダーの挿入孔内に挿入することを試みた。すると、隙
間の寸法dが0.02mmに設定された挿入孔において
は、熱交換チューブの端部の外径がこの挿入孔の口径よ
りも大きいけれども、ろう材層が500N/mmを超え
ている剥離強さで積層されているために、ろう材層を剥
がすことができず、熱交換チューブの端部を挿入するこ
とができなかった。一方、隙間の寸法dが0.05及び
0.10mmに設定された挿入孔においては、熱交換チ
ューブの端部の外径がこれら挿入孔の口径よりも小さ
く、熱交換チューブの端部をその外周面にろう材層が積
層された状態のままで挿入孔内に挿入した。次いで、上
記実施例1と同様に熱交換器を製造した。
【0102】<比較例5>上記実施例1と同様の熱交換
チューブ、ヘッダー、フィンを準備した。
【0103】一方、Siを8重量%、Znを2重量%含
有し、残りがAlと不可避不純物からなるアルミニウム
合金からなる微粉末ろう材を準備した。そして、この微
粉末ろう材とアクリル系接着剤とを重量比で約1:1の
割合で混合した。次いで、この混合物を熱交換チューブ
の外周面の各平坦状面部にそれぞれ50μmの厚さで熱
交換チューブの全長に亘って長さ方向に塗布し、これに
より、微粉末ろう材と接着剤との混合物からなるろう材
層を形成した。各ろう材層の幅は8mmであり、割合R
は40%であった。このろう材層の剥離強さについて
は、当該ろう材層が微粉末ろう材と接着剤との混合物で
形成されたものであることから、測定することができな
かった。
【0104】次いで、熱交換チューブとアルミニウム合
金(材質:実施例1と同じ)製のコルゲート状フィンと
を交互に積層させた。次いで、熱交換チューブ端部をヘ
ッダーの挿入孔内に挿入した。このとき、隙間の寸法d
が0.02及び0.05mmに設定された挿入孔におい
ては、ろう材層が微粉末ろう材と接着剤との混合物で形
成されたものであるために、熱交換チューブの端部の挿
入孔内への挿入の際に、ろう材層を挿入孔の周縁部で完
全に剥がすことができず、熱交換チューブの端部がその
外周面にろう材層の一部が積層された状態のままで挿入
孔内に挿入された。一方、隙間の寸法dが0.10mm
に設定された挿入孔においては、熱交換器チューブの端
部をその外周面にろう材層が積層された状態のままで挿
入孔内に挿入した。次いで、上記実施例1と同様に熱交
換器を製造した。
【0105】[評価結果]以上で得られた各熱交換器を
それぞれ目視にて観察して、熱交換チューブの挿入形態
(評価項目A)、隙間のろう付状態(評価項目B)、ろ
う材による熱交換チューブの管端開口の閉塞の有無(評
価項目C)について調べた。その結果を表1に示す。
【0106】
【表1】
【0107】同表の評価項目及びその結果は次のとおり
である。
【0108】<<評価項目A>> ◎…ろう材層を剥がしながら熱交換チューブを挿入する
ことができた。 ○…ろう材層を予め剥がしておいてから熱交換チューブ
を挿入した。 △…ろう材層の一部が積層された状態で熱交換チューブ
を挿入した。 ★…ろう材層を剥がさないで熱交換チューブを挿入し
た。 ×…熱交換チューブを挿入することができなかった。
【0109】<<評価項目B>> ○…隙間を完全に塞ぐことができた。 ×…隙間に未閉塞部が残存して隙間を塞ぐことができな
かった。
【0110】<<評価項目C>> ○…熱交換チューブの管端開口が塞がれていなかった。 ×…熱交換チューブの管端開口が塞がれていた。
【0111】同表から明らかなように、実施例1及び2
では、熱交換チューブの管端開口が塞がれていない熱交
換器を得ることができた。しかも、熱交換チューブの挿
入操作を行い易くするために隙間を設けた場合でも、ろ
う付時に当該隙間をろう材で完全に塞ぐことができるこ
とを確認し得た。
【0112】
【発明の効果】上述の次第で、第1発明によれば、ろう
材層を管体の管端側から剥がすとともに、該管体の端部
を挿入孔内に挿入し、且つろう材層の剥がし部を中空体
の外周面と管体の外周面との間のすみ部内に又はその近
傍に存在させた状態で、ろう材層を溶融するものである
から、管体の管端開口がろう材で塞がれる不具合を防止
することができる。しかも、管体の挿入操作を行い易く
するために、中空体の挿入孔の周面と管体の端部の外周
面との間に隙間を設けた場合であっても、この隙間をろ
う材で確実に塞ぐことができ、このため、流体の漏出を
防止することができる。
【0113】第2発明によれば、第1発明に係るろう付
方法によってろう付継手を製造するものであるから、管
体の管端開口がろう材で殆ど塞がれていない又は全く塞
がれていないろう付継手を得ることができる。
【0114】第3発明によれば、管体の端部を中空体に
接合したろう材は、中空体の外周面と管体の外周面との
間のすみ部内に存在している一方、中空体の内周面と管
体の外周面との間のすみ部内には存在していないから、
管体の管端開口がろう材で殆ど塞がれていない又は全く
塞がれていないろう付継手を提供することができる。
【0115】第4発明によれば、ろう材層を熱交換チュ
ーブの管端側から剥がすとともに、該熱交換チューブの
端部を挿入孔内に挿入し、且つろう材層の剥がし部をヘ
ッダーの外周面と熱交換チューブの外周面との間のすみ
部内に又はその近傍に存在させた状態で、ろう材層を溶
融するものであるから、熱交換チューブの管端開口がろ
う材で塞がれる不具合を防止することができる。しか
も、熱交換チューブの挿入操作を行い易くするために、
ヘッダーの挿入孔の周面と熱交換チューブの端部の外周
面との間に隙間を設けた場合であっても、この隙間をろ
う材で確実に塞ぐことができ、このため、作動流体の漏
出を防止することができる。
【0116】第5発明によれば、熱交換チューブの端部
をヘッダーに接合したろう材は、ヘッダーの外周面と熱
交換チューブの外周面の間のすみ部内に存在している一
方、ヘッダーの内周面と熱交換チューブの外周面との間
のすみ部内には存在していないので、熱交換チューブの
管端開口がろう材で殆ど塞がれていない又は全く塞がれ
ていない熱交換器、換言すると優れた熱交換効率を有す
る熱交換器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態に係る熱交換器の正面図で
ある。
【図2】同熱交換器を分解して示す要部斜視図である。
【図3】図2中のIII−III線断面図である。
【図4】同熱交換器において熱交換チューブの端部を挿
入孔内に挿入する途中の状態を示す断面図である。
【図5】同熱交換器において熱交換チューブの端部を挿
入孔内に挿入した後の状態を示す断面図である。
【図6】ろう付後の図5に対応する断面図である。
【図7】挿入孔の変形例を示す、図4に対応する図であ
る。
【図8】同熱交換器において熱交換チューブの端部を挿
入孔内に挿入した後の他の状態を示す断面図である。
【図9】熱交換チューブの変形例を示す、図3に対応す
る図である。
【符号の説明】
1…熱交換器(ろう付継手) 10…ヘッダー(中空体) 11…中空部 12…挿入孔 20…熱交換チューブ(管体) 21…中空部 21a…開口 30…フィン 40…ろう材層 41…剥がし部 G…隙間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F28F 9/02 F28F 9/02 D 9/18 9/18 21/08 21/08 A // C22C 21/00 C22C 21/00 D B23K 101:14 B23K 101:14 (72)発明者 芦田 浩司 栃木県小山市犬塚1丁目480番地 昭和電 工株式会社小山事業所内 Fターム(参考) 3L065 CA18

Claims (31)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中空部(11)内に流体が流通される金属
    製中空体(10)と、中空部(21)内に同流体が流通され
    る金属製管体(20)とを準備し、 前記中空体(10)の外周面には、前記管体(20)の端部
    が挿入される挿入孔(12)が形成されており、 前記管体(20)の少なくとも端部の外周面には、ろう材
    層(40)が積層されており、 前記管体(20)の端部を前記挿入孔(12)内に挿入した
    状態で、前記ろう材層(40)を溶融することにより、該
    ろう材層(40)のろう材成分で前記管体(20)の端部を
    前記中空体(10)に接合する、中空体と管体とのろう付
    方法であって、 前記ろう材層(40)を前記管体(20)の管端側から剥が
    すとともに、該管体(20)の端部を前記挿入孔(12)内
    に挿入し、且つ前記ろう材層(40)の剥がし部(41)を
    前記中空体(10)の外周面と前記管体(20)の外周面と
    の間のすみ部(7)内に又はその近傍に存在させた状態
    で、前記ろう材層(40)を溶融することを特徴とする、
    中空体と管体とのろう付方法。
  2. 【請求項2】 前記中空体(10)と前記管体(20)は、
    ともにアルミニウム又はその合金製のものであり、 前記ろう材層(40)は、Siを4〜15重量%及びZn
    を1〜10重量%含有したアルミニウム合金をろう材成
    分とするものである請求項1記載の中空体と管体とのろ
    う付方法。
  3. 【請求項3】 前記ろう材層(40)の厚さが5〜100
    μmの範囲内に設定されている請求項1又は2記載の中
    空体と管体とのろう付方法。
  4. 【請求項4】 前記ろう材層(40)が前記管体(20)の
    端部の外周面に積層された状態において、前記管体(2
    0)の端部の外周面の全周長さ(L)に対する、前記ろ
    う材層(40)の、管体の端部の外周方向に沿う長さ(W
    1、W2)の合計長さ(W)の占める割合(R)が、20
    %以上に設定されている請求項1〜3のいずれか1項記
    載の中空体と管体とのろう付方法。
  5. 【請求項5】 前記ろう材層(40)を前記管体(20)の
    管端側から前記挿入孔(12)の周縁部で削って剥がしな
    がら、前記管体(20)の端部を前記挿入孔(12)内に挿
    入する請求項1〜4のいずれか1項記載の中空体と管体
    とのろう付方法。
  6. 【請求項6】 前記ろう材層(40)の剥離強さが、0.
    01〜500N/25mmの範囲内に設定されている請
    求項1〜5のいずれか1項記載の中空体と管体とのろう
    付方法。
  7. 【請求項7】 前記ろう材層(40)は、ろう材箔からな
    り、且つ接着剤により接着されて積層されている請求項
    1〜6のいずれか1項記載の中空体と管体とのろう付方
    法。
  8. 【請求項8】 前記ろう材層(40)は、ろう材箔からな
    り、且つ機械的かしめにより止着されて積層されている
    請求項1〜6のいずれか1項記載の中空体と管体とのろ
    う付方法。
  9. 【請求項9】 中空部(11)内に流体が流通される金属
    製中空体(10)と、中空部(21)内に同流体が流通され
    る金属製管体(20)とを備え、 前記中空体(10)の外周面には、前記管体(20)の端部
    が挿入される挿入孔(12)が形成されており、 前記管体(20)の少なくとも端部の外周面には、ろう材
    層(40)が積層されており、 前記管体(20)の端部が前記挿入孔(12)内に挿入され
    た状態で、前記ろう材層(40)のろう材成分で前記管体
    (20)の端部が前記中空体(10)に接合されている、中
    空体と管体とのろう付継手の製造方法であって、 請求項1〜8のいずれか1項記載のろう付方法により、
    前記ろう付継手を製造することを特徴とする、管体と中
    空体とのろう付継手の製造方法。
  10. 【請求項10】 中空部(11)内に流体が流通される金
    属製中空体(10)と、中空部(21)内に同流体が流通さ
    れる金属製管体(20)とを備え、 前記中空体(10)の外周面には、前記管体(20)の端部
    が挿入される挿入孔(12)が形成されており、 前記管体(20)の少なくとも端部の外周面には、ろう材
    層(40)が積層されており、 前記管体(20)の端部が前記挿入孔(12)内に挿入され
    た状態で、前記ろう材層(40)のろう材成分で前記管体
    (20)の端部が前記中空体(10)に接合されている、中
    空体と管体とのろう付継手であって、 前記管体(20)の端部を前記中空体(10)に接合したろ
    う材(42)は、前記中空体(10)の外周面と前記管体
    (20)の外周面との間のすみ部(7)内に存在している
    一方、前記中空体(10)の内周面と前記管体(20)の外
    周面との間のすみ部(8)内には存在していないことを
    特徴とする、中空体と管体とのろう付継手。
  11. 【請求項11】 前記中空体(10)と前記管体(20)
    は、ともにアルミニウム又はその合金製のものであり、 前記ろう材層(40)は、Siを4〜15重量%及びZn
    を1〜10重量%含有したアルミニウム合金をろう材成
    分とするものである請求項10記載の中空体と管体との
    ろう付継手。
  12. 【請求項12】 前記ろう材層(40)の厚さが5〜10
    0μmの範囲内に設定されている請求項10又は11記
    載の中空体と管体とのろう付継手。
  13. 【請求項13】 前記ろう材層(40)が前記管体(20)
    の端部の外周面に積層された状態において、前記管体
    (20)の端部の外周面の全周長さ(L)に対する、前記
    ろう材層(40)の、管体の端部の外周方向に沿う長さ
    (W1、W2)の合計長さ(W)の占める割合(R)が、
    20%以上に設定されている請求項10〜12のいずれ
    か1項記載の中空体と管体とのろう付継手。
  14. 【請求項14】 前記ろう材層(40)の剥離強さが、
    0.01〜500N/25mmの範囲内に設定されてい
    る請求項10〜13のいずれか1項記載の中空体と管体
    とのろう付継手。
  15. 【請求項15】 前記ろう材層(40)は、ろう材箔から
    なり、且つ接着剤により接着されて積層されている請求
    項10〜14のいずれか1項記載の中空体と管体とのろ
    う付継手。
  16. 【請求項16】 前記ろう材層(40)は、ろう材箔から
    なり、且つ機械的かしめにより止着されて積層されてい
    る請求項10〜14のいずれか1項記載の中空体と管体
    とのろう付継手。
  17. 【請求項17】 中空部(11)内に作動流体が流通され
    る筒状の金属製ヘッダー(10)と、中空部(21)内に同
    作動流体が流通される金属製熱交換チューブ(20)とを
    準備し、 前記ヘッダー(10)の外周面には、前記熱交換チューブ
    (20)の端部が挿入される挿入孔(12)が形成されてお
    り、 前記熱交換チューブ(20)の少なくとも端部の外周面に
    は、ろう材層(40)が積層されており、 前記熱交換チューブ(20)の端部を前記挿入孔(12)内
    に挿入した状態で、前記ろう材層(40)を溶融すること
    により、該ろう材層(40)のろう材成分で前記熱交換チ
    ューブ(20)の端部を前記ヘッダー(10)に接合する熱
    交換器の製造方法であって、 前記ろう材層(40)を前記熱交換チューブ(20)の管端
    側から剥がすとともに、該熱交換チューブ(20)の端部
    を前記挿入孔(12)内に挿入し、且つ前記ろう材層(4
    0)の剥がし部(41)を前記ヘッダー(10)の外周面と
    前記熱交換チューブ(20)の外周面との間のすみ部
    (7)内に又はその近傍に存在させた状態で、前記ろう
    材層(40)を溶融することを特徴とする熱交換器の製造
    方法。
  18. 【請求項18】 前記ヘッダー(10)と前記熱交換チュ
    ーブ(20)は、ともにアルミニウム又はその合金製のも
    のであり、 前記ろう材層(40)は、Siを4〜15重量%及びZn
    を1〜10重量%含有したアルミニウム合金をろう材成
    分とするものである請求項17記載の熱交換器の製造方
    法。
  19. 【請求項19】 前記ろう材層(40)の厚さが5〜10
    0μmの範囲内に設定されている請求項17又は18記
    載の熱交換器の製造方法。
  20. 【請求項20】 前記ろう材層(40)が前記熱交換チュ
    ーブ(20)の端部の外周面に積層された状態において、
    前記熱交換チューブ(20)の端部の外周面の全周長さ
    (L)に対する、前記ろう材層(40)の、熱交換チュー
    ブの端部の外周方向に沿う長さ(W1、W2)の合計長さ
    (W)の占める割合(R)が、20%以上に設定されて
    いる請求項17〜19のいずれか1項記載の熱交換器の
    製造方法。
  21. 【請求項21】 前記ろう材層(40)を前記熱交換チュ
    ーブ(20)の管端側から前記挿入孔(12)の周縁部で削
    って剥がしながら、前記熱交換チューブ(20)の端部を
    前記挿入孔(12)内に挿入する請求項17〜20のいず
    れか1項記載の熱交換器の製造方法。
  22. 【請求項22】 前記ろう材層(40)の剥離強さが、
    0.01〜500N/25mmの範囲内に設定されてい
    る請求項17〜21のいずれか1項記載の熱交換器の製
    造方法。
  23. 【請求項23】 前記ろう材層(40)は、ろう材箔から
    なり、且つ接着剤により接着されて積層されている請求
    項17〜22のいずれか1項記載の熱交換器の製造方
    法。
  24. 【請求項24】 前記ろう材層(40)は、ろう材箔から
    なり、且つ機械的かしめにより止着されて積層されてい
    る請求項17〜22のいずれか1項記載の熱交換器の製
    造方法。
  25. 【請求項25】 中空部(11)内に作動流体が流通され
    る筒状の金属製ヘッダー(10)と、中空部(21)内に同
    作動流体が流通される金属製熱交換チューブ(20)とを
    備え、 前記ヘッダー(10)の外周面には、前記熱交換チューブ
    (20)の端部が挿入される挿入孔(12)が形成されてお
    り、 前記熱交換チューブ(20)の少なくとも端部の外周面に
    は、ろう材層(40)が積層されており、 前記熱交換チューブ(20)の端部が前記挿入孔(12)内
    に挿入された状態で、前記ろう材層(40)のろう材成分
    で前記熱交換チューブ(20)の端部が前記中空体(10)
    に接合されている熱交換器であって、 前記熱交換チューブ(20)の端部を前記ヘッダー(10)
    に接合したろう材(42)は、前記ヘッダー(10)の外周
    面と前記熱交換チューブ(20)の外周面との間のすみ部
    (7)内に存在している一方、前記ヘッダー(10)の内
    周面と前記熱交換チューブ(20)の外周面との間のすみ
    部(8)内には存在していないことを特徴とする熱交換
    器。
  26. 【請求項26】 前記ヘッダー(10)と前記熱交換チュ
    ーブ(20)は、ともにアルミニウム又はその合金製のも
    のであり、 前記ろう材層(40)は、Siを4〜15重量%及びZn
    を1〜10重量%含有したアルミニウム合金をろう材成
    分とするものである請求項25記載の熱交換器。
  27. 【請求項27】 前記ろう材層(40)の厚さが5〜10
    0μmの範囲内に設定されている請求項25又は26記
    載の熱交換器。
  28. 【請求項28】 前記ろう材層(40)が前記熱交換チュ
    ーブ(20)の端部の外周面に積層された状態において、
    前記熱交換チューブ(20)の端部の外周面の全周長さ
    (L)に対する、前記ろう材層(40)の、熱交換チュー
    ブの端部の外周方向に沿う長さ(W1、W2)の合計長さ
    (W)の占める割合(R)が、20%以上に設定されて
    いる請求項25〜27のいずれか1項記載の熱交換器。
  29. 【請求項29】 前記ろう材層(40)の剥離強さが、
    0.01〜500N/25mmの範囲内に設定されてい
    る請求項25〜28のいずれか1項記載の熱交換器。
  30. 【請求項30】 前記ろう材層(40)は、ろう材箔から
    なり、且つ接着剤により接着されて積層されている請求
    項25〜29のいずれか1項記載の熱交換器。
  31. 【請求項31】 前記ろう材層(40)は、ろう材箔から
    なり、且つ機械的かしめにより止着されて積層されてい
    る請求項25〜29のいずれか1項記載の熱交換器。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005075925A1 (ja) * 2004-02-04 2005-08-18 Hidaka Seiki Kabushiki Kaisha 熱交換器の製造方法
JP2010501825A (ja) * 2006-08-28 2010-01-21 ヴァレオ システム テルミク フラットチューブの鑞接方法
JP2010156525A (ja) * 2009-01-05 2010-07-15 Mitsubishi Electric Corp 熱交換器、その製造方法及びこの熱交換器を備えた空気調和機

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