JP3729590B2 - アルミニウム合金製熱交換器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明に係るアルミニウム合金製熱交換器は、例えば自動車用空気調和装置に組み込むコンデンサとして利用する。
【0002】
【従来の技術】
自動車用空気調和装置には、蒸気圧縮式冷凍機を組み込んでいる。蒸気圧縮式冷凍機は、図示しないコンプレッサから吐出された高温・高圧の冷媒を、図2に示す様なコンデンサ1を通過させる事により凝縮・液化する。例えば特開平5−228620号公報に記載されている様なコンデンサ1は、それぞれがアルミニウム合金製の部材を組み合わせると共に、これら各部材同士を互いにろう付けする事により構成している。両端を塞がれた円管状で互いに間隔をあけて配置された1対のヘッダ2a、2bの内側面(互いに対向する側面)同士の間には、複数本の扁平伝熱管3、3を掛け渡す様にして設けている。これら複数本の扁平伝熱管3、3は、互いに間隔をあけて配置され、一端部を一方のヘッダ2a内に、他端部を他方のヘッダ2b内に、それぞれ連通させている。尚、これら各扁平伝熱管3、3の両端部で上記各ヘッダ2a、2bを貫通した部分は、気密・液密にろう付けしている。更に、隣り合う扁平伝熱管3、3同士の間には、帯状のアルミニウム合金製薄板を波形に形成して成る、コルゲート型のアウターフィン4、4を挟持して、上記各扁平伝熱管3、3と共にコア部5を構成している。
【0003】
上述の様に構成されるコンデンサ1により、コンプレッサから吐出された高温・高圧の冷媒を凝縮液化するには、この冷媒を、一方のヘッダ2aの一部に設けた送り込み口(図示省略)からこの一方のヘッダ2a内に送り込む。この一方のヘッダ2a内に送り込まれた高温・高圧の冷媒は、一方のヘッダ2aから他方のヘッダ2bに向け上記複数の扁平伝熱管3、3内を流れる。そして、この冷媒は、複数の扁平伝熱管3、3を通じて上記両ヘッダ2a、2b同士の間を往復しながら(各ヘッダ2a、2b内を複数の室に仕切る場合)、上記コア部5の表裏方向に流れる空気との間で熱交換を行ない、凝縮・液化する。
【0004】
上述の様に構成され作用するコンデンサ1に於いて、コスト低減を目的として、図3に示す様な扁平伝熱管3を、一部で使用している。この扁平伝熱管3は、1枚のアルミニウム合金板の中間部を断面U字形に折り返して成る折り返し部6と、互いに平行でそれぞれの幅方向一端縁をこの折り返し部6の両端縁に連続させた1対の平板部7、7とを備える。そして、これら両平板部7、7の他端縁部同士を互いに近づき合う方向に曲げると共に重ね合わせ、この重ね合わせ部を互いにろう付け接合する事により接合部8としている。又、上記各扁平伝熱管3、3の内側には、インナーフィン9を設けている。このインナーフィン9は、上記各扁平伝熱管3、3内を流れる冷媒と各扁平伝熱管3、3との熱交換効率を向上させると共に、これら各扁平伝熱管3、3の耐圧性向上を図るものである。従って、このインナーフィン9と各扁平伝熱管3、3の内周面との当接部は、互いにろう付けしている。
【0005】
上述の様なコンデンサ1は、構成各部材を図2に示す様に組み合わせた状態で、隣り合って互いに接触している部材同士をろう付けして、上記構成各部材を一体的に結合する。即ち、上記各ヘッダ2a、2bの内側面に形成したスリット状の通孔の内周縁と上記各扁平伝熱管3、3の両端部外周面との間、これら各扁平伝熱管3、3の外周面と上記各アウターフィン4、4との当接部、これら各扁平伝熱管3、3の内周面と上記各インナーフィン9との当接部を、それぞれろう付けにより結合固定する。この様なろう付け作業を効率良く行なう為に従来から、互いに当接する部材の一方又は双方を、比較的液相線温度が高いアルミニウム合金製の芯材の片面或は両面に、比較的液相線温度が低いアルミニウム合金製のろう材を積層した、所謂クラッド材により構成する事が、広く行なわれている。
【0006】
例えば、図2〜4に示す様に、アルミニウム合金製熱交換器であるコンデンサ1を造る場合に従来から、上記各ヘッダ2a、2bを構成する板材として、芯材の片面にろう材を積層した、所謂片面クラッド材を使用し、ろう材を外周面に位置させる状態で、上記各ヘッダ2a、2bを構成している。又、上記各扁平伝熱管3、3を構成する板材として片面クラッド材を使用し、芯材10を内周面側に、ろう材11を外周面に、それぞれ位置させる状態で、上記各扁平伝熱管3、3を構成していた。又、上記インナーフィン9を構成する板材として、芯材12の両面にろう材13、13を積層した、所謂両面クラッド材を使用していた。更に、上記各アウターフィン4、4を構成する板材として、芯材のみでろう材を設けていないベア材を使用している。これら各部材2a、2b、3、9、4を、それぞれ上述の様な板材により造り、これら構成各部材を図2〜4に示す様に組み合わせた状態で加熱すれば、隣り合う部材同士の間に存在するろう材を溶融させて、上記構成各部材同士を一体的に結合できる。この場合に於いて、上記各扁平伝熱管3、3の接合部8をろう付けする為のろう材は、これら各扁平伝熱管3、3の外周面に存在するろう材11、或は上記各ヘッダ2a、2bを構成する板材の外周面に形成したろう材を使用する。
【0007】
尚、従来から一般的には、上記各芯材10、12としてJIS 3003材(0.6重量%以下のSiと、0.7重量%以下のFeと、0.05〜0.20重量%のCuと、1.0〜1.5重量%のMnと、0.10%以下のZnと、個々が0.05重量%以下で合計が0.15重量%以下の不可避不純物とを含み、残部をAlとしたアルミニウム合金)を、上記各ろう材11、13としてJIS 4343材(6.8〜8.2重量%のSiと、0.8重量%以下のFeと、0.25重量%以下のCuと、0.10重量%以下のMnと、0.20%以下のZnと、個々が0.05重量%以下で合計が0.15重量%以下の不可避不純物とを含み、残部をAlとしたアルミニウム合金)を、それぞれ使用していた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述の様な従来のアルミニウム合金製熱交換器の場合には、信頼性を確保しつつ、低廉化を図る事が難しい。この理由に就いて、以下に述べる。
図2に示す様な全体構造を有し、図3に示す様な扁平伝熱管3、3を組み込んだアルミニウム合金製熱交換器の低廉化を図る為には、上記各扁平伝熱管3、3を構成する板材として両面クラッド材を使用し、その代わりに、インナーフィンとしてベア材を使用する事が考えられる。この様な構成を採用した場合には、上記各扁平伝熱管3、3の内周面とインナーフィン9との当接部をろう付けする為のろう材は、これら各扁平伝熱管3、3の内周面に被覆したろう材層から供給する。
【0009】
加熱ろう付け時には、上記各扁平伝熱管3、3の内周面に被覆したろう材が、これら各扁平伝熱管3、3の内周面とインナーフィン9との当接部に、毛細管現象により集まってフィレットを造り、これら各扁平伝熱管3、3の内周面とインナーフィン9とをろう付けする。一方、上記各扁平伝熱管3、3の内周面の一部で、これら各扁平伝熱管3、3を構成する板材の幅方向両端縁同士を接合している接合部8の近傍に存在するV溝状の隙間16内にも、上記各扁平伝熱管3、3の内周面に被覆したろう材が溶けた状態で集まる。上記隙間16内に溶融した状態で集まったろう材が、そのままこの隙間16内で固まれば、特に問題を生じないが、場合によっては、この隙間16内に集まった溶融ろう材が、この隙間16内から上記各扁平伝熱管3、3の内周面とインナーフィン9との当接部に流失する場合がある。
【0010】
即ち、溶融して流動性を持ったろう材は、毛細管現象基づいて大きな吸引力が働く部分に引かれて、当該部分に集中する傾向になる。従って、上記各扁平伝熱管3、3の内周面とインナーフィン9との当接部に働く吸引力が大きいと、上記隙間16内に一度集まった溶融ろう材が、上記当接部に向けて流失する可能性がある。そして、この様に隙間16内に存在していたろう材が流失し、この隙間16内に存在するろう材が減少すると、この隙間16内に、各ヘッダパイプ2a、2bを構成する板材に積層したろう材が流れ込む。
【0011】
この様にして各ヘッダパイプ2a、2bを構成する板材から上記隙間16内に流れ込んだ溶融状態のろう材は、上記各扁平伝熱管3、3の長さ方向に流れ、その際に、これら各扁平伝熱管3、3を構成する板材のうちの芯材10の一部を持ち去る。即ち、これら各扁平伝熱管3、3を構成する板材のうちの芯材10の一部で、ろう材と接触する部分には、ろう付けの為の加熱時に、このろう材中に含まれるSiが入り込んで合金を造り、液相線温度が芯材本来の液相線温度よりも低下している。この状態で上記隙間16内に流れ込んだ溶融状態のろう材が上記各扁平伝熱管3、3内を、これら各扁平伝熱管3、3の長さ方向に流れると、上記芯材10のうちで液相線温度が低下した部分も持ち去ってしまう。上記隙間16部分に存在する芯材及びろう材が持ち去られた分、新たなろう材がこの隙間16部分に充填されれば良いが、部分的にろう材の充填が不十分になる場所が発生し、当該部分で上記各扁平伝熱管3、3の肉厚が薄くなる、所謂食われを生じる場合がある。この様な食われが発生すると、当該部分の耐圧性、耐久性(腐食に基づく孔のあきにくさ)が低下する為、好ましくない。
本発明は、この様な事情に鑑みて、低廉化を目的にインナーフィンをベア材により造った場合でも、上記各扁平伝熱管3、3の内面に食われが発生する事のない構造を実現すべく、発明したものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明のアルミニウム合金製熱交換器は、アルミニウム合金製で互いに間隔をあけて配置された1対のヘッダと、互いに間隔をあけて配置され、一端部を上記1対のヘッダのうちの一方のヘッダに、他端部を上記1対のヘッダのうちの他方のヘッダに、それぞれ連通させた、アルミニウム合金製の複数本の扁平伝熱管と、隣り合う扁平伝熱管同士の間に挟持された複数のアルミニウム合金製のアウターフィンと、各扁平伝熱管の内側に設けられたアルミニウム合金製のインナーフィンとを備える。そして、上記各扁平伝熱管は、それぞれ1枚のアルミニウム合金板の中間部を断面U字形に折り返して成る折り返し部と、互いに平行でそれぞれの幅方向一端縁をこの折り返し部の両端縁に連続させた1対の平板部と、これら両平板部の他端縁部同士を重ね合わせて互いにろう付け接合した接合部とを備えたものである。
【0013】
特に、本発明のアルミニウム合金製熱交換器に於いては、上記各ヘッダを構成する第一の板材として、比較的液相線温度が高いアルミニウム合金製の芯材の片面で上記ヘッダの外周面となる側に、比較的液相線温度が低いアルミニウム合金製の第一のろう材を積層した片面クラッド材を使用する。又、上記各扁平伝熱管を構成する第二の板材として、芯材の片面でこれら各扁平伝熱管の外周面となる側に第二のろう材を、同じくこれら各扁平伝熱管の内周面となる側に第三のろう材を、それぞれ積層した両面クラッド材を使用する。更に、上記アウターフィン及びインナーフィンを構成する第三、第四の板材は、芯材のみでろう材を設けていないベア材である。そして、上記第三のろう材として、上記第一のろう材よりも液相線温度が高いものを使用する。
【0014】
【作用】
上述の様に構成する本発明のアルミニウム合金製熱交換器の場合には、各扁平伝熱管の内周面となる側に積層した第三のろう材の液相線温度を、ヘッダの外周面に積層した第一のろう材の液相線温度よりも高くしている為、1対のヘッダと複数本の扁平伝熱管の両端部とのろう付けを可能にする程度にまで温度上昇させた状態でも、上記第三のろう材の流動性を低く抑える事ができる。言い換えれば、上記各ヘッダと上記各扁平伝熱管とのろう付けをする為に、アルミニウム合金製熱交換器の構成各部材の温度を上昇させた状態でも、上記各扁平伝熱管の接合部、並びにこれら各扁平伝熱管の内周面とインナーフィンとの当接部に存在する第三のろう材の粘度を高いままに維持できる。従って、上記接合部の近傍の隙間に存在する第三のろう材がこの隙間内にそのまま保持されて、上記各扁平伝熱管の内周面とインナーフィンとの当接部に流れにくい。上記第三のろう材の粘度が十分に低下するまで温度が上昇した状態では、上記第一のろう材は上記各扁平伝熱管の端部外周面と、上記各ヘッダに形成した通孔の内周縁との間の隙間に行き渡り、この隙間内にしっかりと保持された状態となる。この状態では、上記各扁平伝熱管の両端開口部近傍には、上記第一のろう材は殆ど存在しない状態となる。この結果、上記各ヘッダから上記隙間内に溶融状態の第一のろう材が流れ込む事がなくなり、溶融ろう材の流れにより上記各扁平伝熱管の一部に、食われと呼ばれる損傷が発生する事がなくなる。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の形態の第1例を示している。尚、本発明の特徴は、低廉化を図る為に構成各部材を構成する板材へのろう材の積層状態を工夫し、且つ、扁平伝熱管を構成する板材の一部に、食われと呼ばれる損傷が発生しにくくする構造にある。その他の部分の構造及び作用は、前述の図2〜4に示した従来構造と同様であるから、同等部分に関する重複する説明は省略若しくは簡略にし、以下、本発明の特徴部分を中心に説明する。
【0016】
各ヘッダ2a、2b(図2)を構成する第一の板材は、JIS 3003材の様に比較的液相線温度が高いアルミニウム合金製の芯材の片面で上記各ヘッダ2a、2bの外周面となる側に、JIS 4043材(4.5〜6.0重量%のSiと、0.8重量%以下のFeと、0.30重量%以下のCuと、0.05重量%以下のMnと、0.05重量%以下のMgと、0.10%以下のZnと、0.20重量%以下のTiと、個々が0.05重量%以下で合計が0.15重量%以下の不可避不純物とを含み、残部をAlとしたアルミニウム合金)、JIS 4343材、JIS4045材(9.0〜11.0重量%のSiと、0.8重量%以下のFeと、0.30重量%以下のCuと、0.05重量%以下のMnと、0.05重量%以下のMgと、0.10%以下のZnと、0.20重量%以下のTiと、個々が0.05重量%以下で合計が0.15重量%以下の不可避不純物とを含み、残部をAlとしたアルミニウム合金)等、比較的液相線温度が低いアルミニウム合金製の第一のろう材を積層した片面クラッド材を使用する。尚、上記第一のろう材として、上記3種類の材料のうちの何れの材料を使用するかは、次述する第二、第三のろう材との関係で選択する。
【0017】
又、各扁平伝熱管3を構成する第二の板材として、JIS 3003材の様に比較的液相線温度の高いアルミニウム合金製の芯材10の片面でこれら各扁平伝熱管3の外周面となる側に第二のろう材14を、同じくこれら各扁平伝熱管3の内周面となる側に第三のろう材15を、それぞれ積層した両面クラッド材を使用する。これら第二、第三のろう材14、15も、上述した第一のろう材と同様に、例えばJIS 4043材、JIS 4343材、JIS 4045材等の中から選択する。更に、上記各扁平伝熱管3同士の間に挟持するアウターフィン4、4を構成する第三の板材、並びに上記各扁平伝熱管3内に配置するインナーフィン9を構成する第四の板材は、JIS 3003等の様に比較的液相線温度の高いアルミニウム合金製の芯材のみで、ろう材を設けていないベア材である。
【0018】
そして、本発明のアルミニウム合金製熱交換器の場合には、上記第二の板材を構成し、上記各扁平伝熱管3の内周面に位置する第三のろう材15として、上記第一の板材を構成し、前記各ヘッダ2a、2bの外周面に位置する第一のろう材よりも液相線温度が高いものを使用する。尚、上記第二の板材を構成し、上記各扁平伝熱管3の外周面に位置する第二のろう材14の材質は、特に問わない。即ち、この第二のろう材14の材質は、上記第一のろう材と同じでも、或は上記第三のろう材15と同じでも良い。更には、これら第一、第三のろう材の何れとも異なるアルミニウム合金でも良い。この為に、上記第一〜第三のろう材の組み合わせとして、例えば次表に示す様なものが考えられる。尚、この表中の4桁の数字は、何れも前述したJISの符号である。
【0019】
【表1】
【0020】
上述の様に本発明のアルミニウム合金製熱交換器の場合には、上記第二の板材を構成し、上記各扁平伝熱管3の内周面となる側に積層した第三のろう材15中のSiの含有量を少なくし、この第三のろう材15の液相線温度を、前記第一の板材を構成し、前記各ヘッダ2a、2bの外周面に積層した、上記第一のろう材15に比べてSiの含有量が多い、第一のろう材の液相線温度よりも高くしている。この為、上記1対のヘッダ2a、2bと複数本の扁平伝熱管3の両端部とのろう付けを可能にする程度にまで温度上昇させた状態でも、上記第三のろう材15の流動性を低く抑える事ができる。言い換えれば、上記各ヘッダ2a、2bと上記各扁平伝熱管3とのろう付けをする為に、アルミニウム合金製熱交換器の構成各部材の温度を上昇させた状態でも、上記各扁平伝熱管3の接合部8、並びにこれら各扁平伝熱管3の内周面とインナーフィン9との当接部に存在する第三のろう材15の粘度を高いままに維持できる。従って、上記接合部8の近傍に存在するV溝状の隙間16内に毛細管現象により溜った第三のろう材15が、この隙間16内にそのまま保持されて、上記各扁平伝熱管3の内周面とインナーフィン9との当接部に流れにくい。
【0021】
加熱炉内でアルミニウム合金製熱交換器の構成部材の温度が更に上昇すると、上記第三のろう材15の粘度が十分に低下する。但し、この様に第三のろう材15の粘度が十分に低下するまで温度が上昇した状態では、上記第一のろう材は上記各扁平伝熱管3の端部外周面と、上記各ヘッダ2a、2bに形成した通孔の内周縁との間の隙間に行き渡り、この隙間内にしっかりと保持された状態となる。この状態では、上記各扁平伝熱管3の両端開口部近傍には、上記第一のろう材は殆ど存在しない状態となる。又、仮に存在しても、上記各扁平伝熱管3の端部外周面と上記各ヘッダ2a、2bに形成した通孔の内周縁との間の隙間に、毛細管現象によりしっかりと保持された状態となる。この結果、上記各ヘッダ2a、2bから、上記接合部8に隣接した隙間16内に溶融状態の第一のろう材が流れ込む事がなくなり、溶融ろう材の流れにより上記各扁平伝熱管3の一部に、食われと呼ばれる損傷が発生する事がなくなる。
【0022】
【発明の効果】
本発明は、以上に述べた通り構成され作用するので、伝熱管の一部に損傷を生じる事なく低廉化を図る事ができ、安価でしかも優れた信頼性及び耐久性を有するアルミニウム合金製熱交換器を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の1例を示す、図2の拡大A−A断面に相当する図。
【図2】本発明の対象となる熱交換器の1例を示す略斜視図。
【図3】従来構造を示す、図2の拡大A−A断面図。
【図4】図3のB部拡大断面図。
【符号の説明】
1 コンデンサ
2a、2b ヘッダ
3 扁平伝熱管
4 アウターフィン
5 コア部
6 折り返し部
7 平板部
8 接合部
9 インナーフィン
10 芯材
11 ろう材
12 芯材
13 ろう材
14 第二のろう材
15 第三のろう材
16 隙間
Claims (1)
- アルミニウム合金製で互いに間隔をあけて配置された1対のヘッダと、互いに間隔をあけて配置され、一端部を上記1対のヘッダのうちの一方のヘッダに、他端部を上記1対のヘッダのうちの他方のヘッダに、それぞれ連通させた、アルミニウム合金製の複数本の扁平伝熱管と、隣り合う扁平伝熱管同士の間に挟持された複数のアルミニウム合金製のアウターフィンと、各扁平伝熱管の内側に設けられたアルミニウム合金製のインナーフィンとを備え、上記各扁平伝熱管は、それぞれ1枚のアルミニウム合金板の中間部を断面U字形に折り返して成る折り返し部と、互いに平行でそれぞれの幅方向一端縁をこの折り返し部の両端縁に連続させた1対の平板部と、これら両平板部の他端縁部同士を重ね合わせて互いにろう付け接合した接合部とを備えたものであるアルミニウム合金製熱交換器に於いて、上記各ヘッダを構成する第一の板材は、比較的液相線温度が高いアルミニウム合金製の芯材の片面で上記ヘッダの外周面となる側に、比較的液相線温度が低いアルミニウム合金製の第一のろう材を積層した片面クラッド材であり、上記各扁平伝熱管を構成する第二の板材は、芯材の片面でこれら各扁平伝熱管の外周面となる側に第二のろう材を、同じくこれら各扁平伝熱管の内周面となる側に第三のろう材を、それぞれ積層した両面クラッド材であり、上記アウターフィン及びインナーフィンを構成する第三、第四の板材は、芯材のみでろう材を設けていないベア材であり、上記第三のろう材として、上記第一、第二のろう材よりも液相線温度が高いものを使用した事を特徴とするアルミニウム合金製熱交換器。
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