JP5167930B2 - 熱交換器 - Google Patents

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Description

本発明は、熱交換器に関し、空気と冷媒との間で熱交換して空気を冷却する車両空調用蒸発器に適用して有効である。
近年、熱交換器は小型化・軽量化・低コスト化を達成するために、従来の積層型熱交換器からチューブ板厚の薄肉化が可能なヘッダタンク別体化が進んでいる。また、熱交換器のチューブにおいては、扁平押出チューブが採用されてきたが、近年のさらなる軽量化・低コスト化のために、扁平管状に折り曲げられた金属板の幅方向両端部を互いにろう接することによって形成する板チューブの需要が高まっている。板チューブを採用することで、チューブ板厚のさらなる薄肉化が可能となる。板チューブの製造方法としては、例えば、チューブの外殻を構成する筒状部材と、チューブ内の内柱部を構成するインナーフィンとを各々の板材より加工・成形した後、一体ろう付けする方法がある。
ところで、近年の熱交換器では、ヘッダタンクにチューブが挿入されているが、ヘッダタンクの穴部とチューブの挿入部位の寸法は、チューブの変形防止やコア組み時のチューブ挿入圧の観点より隙間バメ設計となっている。しかしながら、チューブと穴部との間にクリアランスが発生するため、チューブとヘッダタンクとの根付け部(接合部)のろう付け性が低下するという問題があった。
これに対し、穴部におけるチューブの平板部の幅方向中央部近傍に対応する部位に突起部を設け、穴部とチューブとを突起部を介して接触させることで、チューブの根付け部周りのろう付け性を向上させた熱交換器が、特許文献1にて知られている(以下、従来例という)。
特開2001−263860号公報
ところで、従来の押出チューブタイプであれば、チューブとヘッダタンクとの根付け部のみをろう付けすればよかったが、板チューブではさらに、筒状部材とインナーフィンとをろう付けしなければならない。
筒状部材とインナーフィンは各々成形され、組み付けられた後、バラツキを吸収するために矯正加工が施される。この際に、筒状部材の平板部にスプリングバックが生じ、筒状部材とインナーフィンとの間に微小なクリアランス(数十μm)が発生する。この状態でチューブをヘッダタンクに挿入すると、従来例では突起部以外は隙間バメ設計となるため、空気流れ方向両端部近傍ではクリアランスが空いたままとなり、ろう付け起点とならない。
これに対し、チューブとアウターフィンとを交互に積層しコア部を組み立てた後に、アウターフィンにより筒状部材を外側から押さえることで、クリアランスを低減させることが可能である。しかしながら、板チューブは金属板を扁平形状に加工しているため、平板部の空気流れ方向両端部、すなわち加工が施されている部位は加工硬化しており、アウターフィンの押さえ力ではクリアランスを低減することができない。このため、扁平チューブが略瓢箪形状となる。この状態のチューブをフラット化するには、さらにアウターフィンによる圧縮荷重をかければよいが、現在の薄板からなるアウターフィンでは、クリアランスをなくす前にアウターフィンが座屈してしまう。
したがって、チューブの加工部、すなわち平板部の空気流れ方向両端部近傍は、ヘッダタンクとの接合部およびインナーフィンとの接合部の両方にクリアランスが発生し、ろう付け起点がないため、ろう付け性が悪いという問題がある。
本発明は、上記点に鑑み、チューブおよびヘッダタンクが別体として構成されているとともに、チューブの内部にインナーフィンが挿入されている熱交換器において、チューブとヘッダタンクとのろう付け性、およびチューブとインナーフィンとのろう付け性をともに向上させることを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、内部を第1流体が流通し、長手方向と直交する断面が外部を流通する第2流体の流れ方向に沿って扁平な形状を有するように、2つの平板部(31、32)が互いに対向配置されているチューブ(13)と、チューブ(13)の長手方向両端部に配設され、チューブ(13)が接合されるとともに、チューブ(13)と連通するヘッダタンク(12)と、チューブ(13)の内部に設けられ、第1流体との伝熱面積を増大させるインナーフィン(4)とを備え、インナーフィン(4)は、頂部(44)を有する波形状に形成されており、
チューブ(13)は、一枚の板状部材を曲げ加工することにより2つの平板部(31、32)を有する扁平な筒状の断面形状に形成されており、チューブ(13)における第2流体の流れ方向両端部は、曲げ加工が施された加工部となっており、穴部(5)における2つの平板部(31、32)のうち少なくとも一方の平板部(31)に対向する対向面(51、52)には、挿入部位(130)側に突出する突起部(50)が設けられており、突起部(50)は、対向面(51、52)における第2流体の流れ方向両端部近傍に設けられており、
少なくとも一方の平板部(31)の第2流体の流れ方向の長さをTL(単位:mm)とし、少なくとも一方の平板部(31)における第2流体の流れ方向の一方の端部と、一方の端部に近い側の突起部(50)における第2流体の流れ方向中央部との間の第2流体の流れ方向の距離をx(単位:mm)としたとき、x/TLが、0.05より大きく0.32より小さくなっており、
突起部(50)を形成した後、穴部(5)に挿入部位(130)を挿入し、穴部(5)と挿入部位(130)における第2流体の流れ方向両端部に位置する加工部とを突起部(50)を介して接触させることにより、インナーフィン(4)の頂部(44)とチューブ(13)の内壁面とを接触させることを特徴としている。
これにより、一枚の板状部材の曲げ加工により扁平な筒状の断面形状に形成されたチューブ(13)を有する熱交換器においても、チューブ(13)の加工部、すなわち平板部(31、32)の第2流体の流れ方向の端部近傍において、チューブ(13)とヘッダタンク(12)の穴部(5)とを突起部(50)を介して接触させることができるので、チューブ(13)とヘッダタンク(12)とのろう付け性を向上させることが可能となる。
また、突起部(50)により、平板部(31、32)の第2流体の流れ方向の端部近傍、すなわち加工硬化している部位をチューブ(13)の外側から押さえることができるので、波形状のインナーフィン(4)の頂部(44)とチューブ(13)の内壁面とを接触させてチューブ(13)とインナーフィン(4)との間に発生したクリアランスをなくすことができる。これにより、チューブ(13)とインナーフィン(4)とのろう付け性を向上させることが可能となる。
さらに、請求項1に記載の発明では、長さTLと距離xとの比x/TLを、0.05より大きく0.32より小さくすることにより、後述の図3に例示するように、チューブ(13)とヘッダタンク(12)間、およびチューブ(13)とインナーフィン(4)間のろう付け性をより効果的に向上させることが可能となる。
さらに、請求項に記載の発明のように、請求項1に記載の熱交換器において、x/TLを0.15より大きく0.25より小さくすることで、チューブ(13)とヘッダタンク(12)間、およびチューブ(13)とインナーフィン(4)間のろう付け性をより向上させることが可能となる。
また、請求項に記載の発明では、請求項1または2に記載の熱交換器において、少なくとも一方の平板部(31)の第2流体の流れ方向の長さをTL(単位:mm)とし、1つの対向面(51)に設けられた突起部(50)の第2流体の流れ方向の長さの合計をΣA(単位:mm)としたとき、ΣA/TLが0.05より大きく0.3より小さいことを特徴としている。
これによれば、後述の図4に例示するように、チューブ(13)の挿入部位(130)をヘッダタンク(12)の穴部(5)に挿入する圧力を大幅に増大させることなく、チューブ(13)とヘッダタンク(12)間、およびチューブ(13)とインナーフィン(4)間のろう付け性を向上させることが可能となる。
さらに、請求項に記載の発明のように、請求項3に記載の熱交換器において、ΣA/TLを0.1より大きく0.3より小さくすることで、チューブ(13)の挿入部位(130)をヘッダタンク(12)の穴部(5)に挿入する圧力を大幅に増大させることなく、チューブ(13)とヘッダタンク(12)間、およびチューブ(13)とインナーフィン(4)間のろう付け性をより向上させることが可能となる。
また、請求項に記載の発明では、請求項1ないし4のいずれか1つに記載の熱交換器において、チューブ(13)における2つの平板部(31、32)の配置方向の長さをTH(単位:mm)とし、穴部(5)における2つの平板部(31、32)のうち一方の平板部(31)に対向する対向面(51)に設けられた突起部(50)から、穴部(5)における他方の平板部(32)に対向する対向面(52)におろした垂線の長さをH2(単位:mm)としたとき、TH−H2(単位:μm)が0以上であることを特徴としている。
これによれば、後述の図5に例示するように、チューブ(13)とヘッダタンク(12)間、およびチューブ(13)とインナーフィン(4)間のろう付け性を向上させることが可能となる。
さらに、請求項に記載の発明のように、請求項5に記載の熱交換器において、TH−H2を20μmより大きくすることで、チューブ(13)とヘッダタンク(12)間、およびチューブ(13)とインナーフィン(4)間のろう付け性をより向上させることが可能となる。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について図1〜図5に基づいて説明する。本実施形態は、本発明に係る熱交換器を、車両用空調装置の蒸発器に適用したものである。
図1は、本第1実施形態に係る蒸発器を示す斜視図である。図1に示すように、本実施形態の蒸発器は、空気流れ方向に直列に配置された2つの蒸発器1、2から構成されている。ここで、2つの蒸発器1、2のうち、空気流れ下流側に配置されるものを第1蒸発器1といい、空気流れ上流側に配置されるものを第2蒸発器2という。
第1蒸発器1および第2蒸発器2の基本的構成は同一なので、以下、第1蒸発器1の構成についてのみ説明する。
第1蒸発器1は、コア部11と、このコア部11の上下両側に位置するヘッダタンク12とを備えている。ここで、コア部11は、それぞれ上下方向に延びる複数のチューブ13と、この複数のチューブ13相互間に接合されるアウターフィン(図示せず)との積層構造からなる。チューブ13は冷媒通路を構成するもので、断面形状が空気流れ方向に沿って扁平な扁平チューブよりなる。アウターフィンは薄板材を波状に曲げ成形したコルゲートフィンであり、チューブ13の平坦な外面側に接合され空気側伝熱面積を拡大する。なお、冷媒が本発明の第1流体に相当し、空気が第2流体に相当している。
チューブ13とアウターフィンはコア部11の左右方向に交互に積層配置され、このチューブ積層方向の両端部にはコア部11を補強するサイドプレート14が配置されている。このサイドプレート14は、チューブ積層方向の最も外側に位置するアウターフィンに接合される。
第1蒸発器1の上下両側のヘッダタンク12はコア部11のチューブ13の上下両端部、すなわちチューブ長手方向両端部が挿入され、接合される穴部(図2参照)を有し、チューブ13の長手方向両端部がヘッダタンク12の内部空間に連通するようになっている。これにより、上下両側のヘッダタンク12は、熱交換コア部11の複数のチューブ13へ冷媒流れを分配したり、複数のチューブ13からの冷媒流れを集合する役割を果たす。
図2は、本第1実施形態におけるヘッダタンク12とチューブ13との接合部を示す拡大断面図である。なお、図2は、チューブ13をヘッダタンク12に挿入後で、かつろう付け前の状態を示している。図2に示すように、本実施形態のチューブ13は、チューブ13の外殻を構成し、冷媒流れ方向、すなわちチューブ長手方向に直交する断面が扁平形状に形成された筒状部材3と、筒状部材3内に設けられ、冷媒との伝熱面積を増大させるインナーフィン4とから構成されている。筒状部材3とインナーフィン4は、それぞれ異なる板状部材で構成されている。
本実施形態の筒状部材3は、短径方向(すなわちチューブ積層方向)において並行に対向する第1平板部31および第2平板部32と、長径方向(すなわち空気流れ方向)の一端側において外側に突出し円弧状に形成された円弧状湾曲部33と、長径方向の他端側において第1、第2平板部31、32をカシメ接合するカシメ部34から構成されている。円弧状湾曲部33は、第1、第2平板部31、32と一体に繋がって屈曲しており、第1、第2平板部31、32を接続している。本実施形態では、第1平板部31および第2平板部32の空気流れ方向の長さは等しくなっている。また、第1平板部31および第2平板部32は、互いに平行に配置されている。
そして、インナーフィン4のうち円弧状湾曲部33側には、筒状部材3の円弧状湾曲部33と接触する接触端部41が設けられている。また、インナーフィン4のうちカシメ部34側には、筒状部材3の第1、第2平板部31、32と平行な平板状に形成された第3平板部42が設けられている。この第3平板部42は、筒状部材3の第1、第2平板部31、32で挟まれた状態で、第1平板部31により、第2平板部32と共に巻きカシメされている。
ここで、巻きカシメとは、第1、第2平板部31、32のうち一方側の平板部(本実施形態では第1平板部31)を他方側の平板部(本実施形態では第2平板部32)に巻き付けるように一方側の平板部を塑性変形させて両平板部31、32を機械的に固定するものである。
また、インナーフィン4の両端部、すなわち接触端部41および第3平板部42を除く部位は、冷媒流れ方向と略平行な平面部43と、隣接する平面部43間を繋ぐ円弧状の頂部44とを有するように波形状に形成されている。そして、頂部44が筒状部材3の第1、第2平板部31、32と接するように形成されている。
また、ヘッダタンク12には、チューブ13の長手方向端部(以下、挿入部位130ともいう)を挿入するための穴部5が形成されている。穴部5は、チューブ13の筒状部材3に対応する形状に形成されているとともに、筒状部材3との間に所定のクリアランスができるような大きさに形成されている。ここで、穴部5の外縁部における筒状部材3の第1平板部31に対向する面を第1対向面51といい、第2平板部32に対向する面を第2対向面52という。また、第1対向面51および第2対向面52は、互いに平行になっている。
穴部5の第1、第2対向面51、52には、チューブ13の挿入部位130側、すなわち穴部5の内方側に突出する突起部50がそれぞれ設けられている。そして、穴部5に挿入部位130を挿入した際に、穴部5と挿入部位130とが突起部50を介して接触するようになっている。
突起部50は、第1、第2対向面51、52の空気流れ方向両端部近傍、すなわちチューブ13の第1、第2平板部31、32における空気流れ方向の両端部近傍に対応する部位にそれぞれ設けられている。したがって、突起部50は、第1対向面51の空気流れ方向両端部近傍に1つずつ設けられているとともに、第2対向面52の空気流れ方向両端部近傍に1つずつ設けられている。なお、第1、第2平板部31、32の空気流れ方向端部とは、板状部材から筒状部材3を形成する際に、曲げ加工が施された部位(以下、加工部ともいう)である。
本実施形態のように、突起部50を、穴部5の第1、第2対向面51、52における空気流れ方向両端部近傍に設けることで、筒状部材3の加工部、すなわち第1、第2平板部31、32の空気流れ方向の端部近傍において、チューブ13と穴部5とを突起部50を介して接触させることができる。これにより、チューブ13とヘッダタンク12とのろう付け性を向上させることが可能となる。
また、突起部50により、第1、第2平板部31、32の空気流れ方向の端部近傍、すなわち加工硬化している部位をチューブ13の外側から押さえることができるので、チューブ13とインナーフィン4との間に発生したクリアランスをなくすことができる。これにより、チューブ13とインナーフィン4とのろう付け性を向上させることが可能となる。
そこで、本発明者は、上記構成になる本実施形態の蒸発器について、突起部50の最適仕様の検討を行った。
図3は、突起部50の空気流れ方向の長さ(以下、突起部50の幅という)Aが1mmの場合における、突起部位置x/TLとろう付け起点形成率との関係を実験により求めた結果を示す図である。
ここで、突起部位置とは、突起部50の第1、第2平板部31、32に対する空気流れ方向の相対位置をいう。そして、チューブ13の第1、第2平板部31、32の空気流れ方向の長さをTL(単位:mm)とし、第1、第2平板部31における空気流れ方向の一方の端部と、当該一方の端部に近い側の突起部50における空気流れ方向中央部との間の空気流れ方向の距離をx(単位:mm)としたとき、突起部位置は、x/TLとなる。なお、本実施形態では、1つの穴部5に形成される4つの突起部50の突起部位置x/TLは、全て等しくなっている。
また、ろう付け起点形成率(単位:%)とは、コア部11を構成する全チューブ13のうち、ヘッダタンク12との根付部にろう付け起点が形成された、すなわちヘッダタンク12との根付部がろう付けされたチューブ13の割合をいう。例えば、コア部11を構成するチューブ13が70本で、ヘッダタンク12との根付部にろう付け起点が形成されたチューブ13が56本である場合、ろう付け起点形成率は80%となる。
図3から明らかなように、突起部50の幅Aが1mmの場合、突起部位置x/TLを0.05より大きく0.32より小さくすることにより、ろう付け起点形成率が80%以上となり、突起部位置x/TLを0.15より大きく0.25より小さくすることにより、ろう付け起点形成率が100%となる。
図4は、突起部位置x/TLが0.2の場合における、干渉寸法ΣA/TLとろう付け起点形成率との関係、および干渉寸法ΣA/TLとチューブ挿入圧力比との関係を実験により求めた結果を示す図である。なお、図4中の破線は、従来例、すなわち第1、第2対向面51、52におけるチューブ13の空気流れ方向略中央部に対向する部位にのみ、突起部50を設けた蒸発器の場合を示している。
ここで、干渉寸法とは、第1、第2平板部31、32の空気流れ方向の長さに対する突起部50の空気流れ方向の長さの割合をいう。そして、1つの突起部50の幅をA(単位:mm)とし、1つの対向面51に形成される2つの突起部50の幅の合計をΣA(単位:mm)としたとき、干渉寸法は、ΣA/TLとなる。なお、本実施形態では、1つの穴部5に形成される4つの突起部50の幅Aは、全て等しくなっている。
また、挿入圧力とは、穴部5にチューブ13の挿入部位130を挿入する際に加える圧力であり、挿入圧力比とは、従来例の挿入圧力を100%としたものである。
図4から明らかなように、従来例では、ろう付け起点形成率を80%以上にするためには、干渉寸法ΣA/TLを0.4以上にする必要があった。これに対し、本実施形態では、突起部位置x/TLが0.2の場合、干渉寸法ΣA/TLを0.05より大きくすることにより、ろう付け起点形成率が80%以上となる。そして、干渉寸法ΣA/TLを0.1より大きくすることにより、ろう付け起点形成率が100%となる。したがって、従来例と比較して、干渉寸法ΣA/TLを著しく大きくすることなく、ろう付け性を向上させることができる。このとき、干渉寸法ΣA/TLを0.3より小さくすることにより、挿入圧力を従来例と比較して2割程度の増加に抑えることができる。
図5は、突起部高さ(TH−H2)とろう付け起点形成率との関係を実験により求めた結果を示す図である。
ここで、突起部高さとは、第1対向面51に設けられた1つの突起部50(以下、第1突起部501という)のチューブ積層方向の長さと、第2対向面52に設けられた1つの突起部(以下、第2突起部502)のチューブ積層方向の長さとの合計をいう。そして、チューブ13のチューブ積層方向(すなわち第1、第2平板部31、32の配置方向)の長さをTH(単位:mm)とし、穴部5の第1、第2対向面51、52間の距離をH1(単位:mm)とし、第1突起部501から第2対向面52におろした垂線の長さ、すなわち第1突起部501と第2突起部502との間のチューブ積層方向の距離をH2(単位:mm)としたとき、突起部高さは、TH−H2(単位:μm)となる。なお、TH、H1、H2は、H2≦TH<H1の関係を満たしている。
図5から明らかなように、突起部高さ(TH−H2)を0より大きくすることにより、ろう付け起点形成率が80%以上となり、突起部高さ(TH−H2)を20μmより大きくすることにより、ろう付け起点形成率が100%となる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について図6に基づいて説明する。図6は、本第2実施形態におけるヘッダタンク12とチューブ13との接合部を示す拡大断面図である。なお、図6は、チューブ13をヘッダタンク12に挿入後で、かつろう付け前の状態を示している。
図6に示すように、穴部5の第1、第2対向面51、52におけるチューブ13の空気流れ方向の略中央部に対向する部位には、チューブ13側に突出する中央突起部50aがそれぞれ設けられている。したがって、穴部5の第1、第2対向面51、52には、それぞれ、2つの突起部50と中央突起部50aの合計3つの突起部が設けられている。本実施形態では、中央突起部50aの高さ、すなわちチューブ積層方向の長さは、突起部50の高さと略同等になっている。また、中央突起部50aの幅は、突起部50の幅と略同等になっている。
これによれば、チューブ13の空気流れ方向の略中央部にもろう付け起点を形成することができるので、ろう付け性をより向上させることが可能となる。
(他の実施形態)
なお、上記各実施形態では、筒状部材3とインナーフィン4は、それぞれ異なる板状部材で構成した例について説明したが、これに限らず、例えば図7に示すように、筒状部材3とインナーフィン4を、一枚の板状部材から形成してもよい。
また、上記各実施形態では、突起部50を、第1対向面51および第2対向面52の両方に設けた例について説明したが、これに限らず、第1、第2対向面51、52のうちいずれか一方にのみ設けてもよい。
また、上記第2実施形態では、中央突起部50aを、第1、第2対向面におけるチューブ13の空気流れ方向の略中央部に対向する部位に設けた例について説明したが、これに限らず、第1、第2平板部31、32の空気流れ方向の略中央部に対向する部位に設けてもよい。
第1実施形態に係る蒸発器を示す斜視図である。 第1実施形態におけるヘッダタンク12とチューブ13との接合部を示す拡大断面図である。 突起部位置x/TLとろう付け起点形成率との関係を実験により求めた結果を示す図である。 干渉寸法ΣA/TLとろう付け起点形成率との関係、および干渉寸法ΣA/TLとチューブ挿入圧力比との関係を実験により求めた結果を示す図である。 突起部高さ(TH−H2)とろう付け起点形成率との関係を実験により求めた結果を示す図である。 第2実施形態におけるヘッダタンク12とチューブ13との接合部を示す拡大断面図である。 他の実施形態におけるチューブ13を示す拡大断面図である。
符号の説明
4 インナーフィン
5 穴部
12 ヘッダタンク
13 チューブ
31、32 平板部
50 突起部
51、52 対向面
130 挿入部位

Claims (6)

  1. 内部を第1流体が流通し、長手方向と直交する断面が外部を流通する第2流体の流れ方向に沿って扁平な形状を有するように、2つの平板部(31、32)が互いに対向配置されているチューブ(13)と、
    前記チューブ(13)の長手方向両端部に配設され、前記チューブ(13)が接合されるとともに、前記チューブ(13)と連通するヘッダタンク(12)と、
    前記チューブ(13)の内部に設けられ、前記第1流体との伝熱面積を増大させるインナーフィン(4)とを備え、
    前記インナーフィン(4)は、頂部(44)を有する波形状に形成されており、
    前記ヘッダタンク(12)の穴部(5)に、前記チューブ(13)の長手方向両端部の挿入部位(130)を挿入した後、前記穴部(5)および前記挿入部位(130)の部位で前記ヘッダタンク(12)と前記チューブ(13)とをろう付け接合する熱交換器であって、
    前記チューブ(13)は、一枚の板状部材を曲げ加工することにより前記2つの平板部(31、32)を有する扁平な筒状の断面形状に形成されており、
    前記チューブ(13)における前記第2流体の流れ方向両端部は、前記曲げ加工が施された加工部となっており、
    前記穴部(5)における前記2つの平板部(31、32)のうち少なくとも一方の平板部(31)に対向する対向面(51、52)には、前記挿入部位(130)側に突出する突起部(50)が設けられており、
    前記突起部(50)は、前記対向面(51、52)における前記第2流体の流れ方向両端部近傍に設けられており、
    前記少なくとも一方の平板部(31)の前記第2流体の流れ方向の長さをTL(単位:mm)とし、
    前記少なくとも一方の平板部(31)における前記第2流体の流れ方向の一方の端部と、前記一方の端部に近い側の前記突起部(50)における前記第2流体の流れ方向中央部との間の前記第2流体の流れ方向の距離をx(単位:mm)としたとき、
    x/TLが、0.05より大きく0.32より小さくなっており、
    前記突起部(50)を形成した後、前記穴部(5)に前記挿入部位(130)を挿入し、前記穴部(5)と前記挿入部位(130)における前記第2流体の流れ方向両端部に位置する前記加工部とを前記突起部(50)を介して接触させることにより、前記インナーフィン(4)の前記頂部(44)と前記チューブ(13)の内壁面とを接触させることを特徴とする熱交換器。
  2. 前記x/TLが、0.15より大きく0.25より小さいことを特徴とする請求項1に記載の熱交換器。
  3. 前記少なくとも一方の平板部(31)の前記第2流体の流れ方向の長さをTL(単位:mm)とし、1つの前記対向面(51)に設けられた前記突起部(50)の前記第2流体の流れ方向の長さの合計をΣA(単位:mm)としたとき、
    ΣA/TLが、0.05より大きく0.3より小さいことを特徴とする請求項1または2に記載の熱交換器。
  4. 前記ΣA/TLが、0.1より大きく0.3より小さいことを特徴とする請求項に記載の熱交換器。
  5. 前記チューブ(13)における前記2つの平板部(31、32)の配置方向の長さをTH(単位:mm)とし、
    前記穴部(5)における前記2つの平板部(31、32)のうち一方の平板部(31)に対向する対向面(51)に設けられた前記突起部(50)から、前記穴部(5)における他方の平板部(32)に対向する対向面(52)におろした垂線の長さをH2(単位:mm)としたとき、
    TH−H2(単位:μm)が0以上であることを特徴とする請求項1ないしのいずれか1つに記載の熱交換器。
  6. 前記TH−H2(単位:μm)が20より大きいことを特徴とする請求項に記載の熱交換器。
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