JP2003199575A - 新規n−アセチルグルコサミン転移酵素及びそれをコードする核酸 - Google Patents
新規n−アセチルグルコサミン転移酵素及びそれをコードする核酸Info
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Abstract
β-1,6結合で転移する活性を有する酵素及びそれをコー
ドする核酸を提供すること。 【解決手段】 ヒト由来の特定のアミノ酸配列又は該ア
ミノ配列において1若しくは複数のアミノ酸が置換し若
しくは欠失し、若しくは該アミノ配列に1若しくは複数
のアミノ酸が挿入され若しくは付加されたアミノ配列を
有し、ガラクトースにN−アセチルグルコサミンをβ-1,
6結合で転移する活性を有するタンパク質及びこのタン
パク質をコードする核酸を提供した。
Description
−アセチルグルコサミンをβ-1,6結合で転移する活性を
有する新規な酵素及びそれをコードする核酸、並びに酵
素活性を測定するための核酸に関する。
サミンβ1−3ガラクトースβ1−4N−アセチルグル
コサミン−R(以下、Galβ1−4GlcNAcβ1−3Galβ
1−4Glc(Nac)−R:所謂ポリラクトサミン構造)の還
元末端のガラクトースにN-アセチルグルコサミンをβ1
−6で転移する酵素として、ヒトでは一種類(IGnT)(B
ierhuizen MF, Maemura K, Kudo S, Fukuda M. Glycobi
ology. 1995 5, 417-25.)、マウスでは二種類(IGnTAお
よびIgnTB)(Chen GY, Kurosawa N, Muramatsu T.Glyco
biology. 2000 10, 1001-11.)が知られていた。このポ
リラクトサミン構造の糖鎖は、糖脂質(例えば、Galβ
1−4GlcNAcβ1−3Galβ1−4GlcNAcβ1−3Galβ
1−4Glcβ1−1セラミド:Lacto-N-nor-hexaosylcer
amide)やタンパク質のアスパラギン酸のアミノ基に結
合している糖鎖(N-結合型糖鎖)などに存在することが
知られている。さらに、IGnTにより分岐している糖鎖構
造が知られている(例えば:Galβ1−4GlcNAcβ1−
3(Galβ1−4GlcNAcβ1−6)Galβ1−4GlcNAcβ
1−3Galβ1−4Glcβ1−1セラミド:Lacto-N-iso-
octaosylceramide)など(FEIZI,T., Childs, A.R., Wa
tanabe, K and Hakomori,S. J.Exp.Med. 1979, 149, 9
75-980)がある。また、Ii血液型が知られている。この
i(small i)血液型の抗原は、血球上のポリラクトサミ
ンであり、I血液型の抗原は、血球上のポリラクトサミ
ンにβ1−6結合でGlcNAcが分岐した構造である。すな
わち、IGnTのような酵素によってI抗原が産生されてい
ると考えられ、I合成酵素の絶対的または相対的欠損に
よりi(small i)血液型になると考えられる。最近、既知
の酵素のIGnTの一塩基変異、または遺伝子の欠損によっ
て起こることが報告された(Molecular basis of the a
dult I phenotype and the gene responsible for the
exoression of the human blood group I antigen. Blo
od. 2001 98(13), 3840-3845, Yu LC, Twu YC, Chang C
Y, Lin M。しかし、赤血球上のI抗原を合成する酵素に
ついては、完全には同定されていない。すなわち、Ii血
液型を決定する遺伝子である可能性があるガラクトース
にβ-1,6結合でN-アセチルグルコサミンを転移する遺
伝子および酵素を同定する必要がある。さらに、i(smal
l i)血液型のヒトでは、先天性白内障の発症率が非常に
高く、I合成酵素の欠損と先天性白内障の関連性が指摘
されている。
セチルグルコサミンをβ-1,6結合で転移する活性を有
する酵素を単離し、その遺伝子の構造を明らかにするこ
とにより、該酵素の遺伝子工学的な生産や、該遺伝子に
基づく血液型等の診断が可能になる。既に1種類の酵素
(IGnT)が同定されている。しかしながら、同じ転移活
性を有する酵素が別にあるか、血液型を決定している遺
伝子・酵素であるのか、今だ不明な点が多い。
N−アセチルグルコサミンをβ-1,6結合で転移する活性
を有する酵素及びそれをコードする核酸を提供すること
である。また、本発明の目的は、該核酸を宿主細胞内で
発現する組換えベクター及び該核酸が導入され、前記核
酸および酵素タンパク質を発現する細胞を提供すること
である。また、発現該酵素タンパク質は、抗体作製用に
利用でき、該酵素タンパク質の産生方法を提供するもの
である。さらに、発現該酵素タンパク質および該酵素タ
ンパク質に対する抗体を用いたい免疫組織染色およびRI
AやEIAなどの免疫測定法に利用できる。さらに、本発明
の目的は、上記本発明の核酸を測定するための測定用核
酸を提供することである。
酵素は、未だ不明な点が多いため、その部分アミノ酸配
列を知ることもできない。一般に、細胞に微量しか含ま
れていないタンパク質を単離精製することは容易ではな
く、現在に至るまで単離されていない酵素を細胞から単
離することは容易でないことが予想される。本願発明者
は、目的とする酵素と比較的類似した作用を有する種々
の酵素遺伝子の塩基配列間に、もしも相同性の高い領域
が存在していれば、目的とする酵素の遺伝子もその相同
配列を有しているかもしれないと考えた。そして、公知
のβ1,6−N−アセチルグルコサミン転移酵素遺伝子
等の塩基配列を検索した結果、相同な領域が見つかっ
た。そこで、バイオインフォマティクスの技術を用いて
遺伝子領域を予測し、PCRを用いて該酵素の遺伝子のク
ローニングに成功し、その塩基配列及び推定アミノ酸配
列を決定することができ、本発明に至った。
又は3に示されるアミノ酸配列又は該アミノ配列におい
て1若しくは複数のアミノ酸が置換し若しくは欠失し、
若しくは該アミノ配列に1若しくは複数のアミノ酸が挿
入され若しくは付加されたアミノ配列を有し、ガラクト
ースにN−アセチルグルコサミンをβ-1,6結合で転移す
る活性を有するタンパク質を提供する。また、本発明
は、該タンパク質をコードする核酸を提供する。さら
に、本発明は、該核酸を含み、宿主細胞中で該核酸を発
現することができる組換えベクターを提供する。さら
に、本発明は、該組換えベクターにより形質転換され、
前記核酸を発現する細胞を提供する。さらに、本発明
は、核酸と特異的にハイブリダイズする、該核酸の測定
用核酸を提供する。
によりクローニングされた、本発明のタンパク質をコー
ドする核酸は、配列表の配列番号2又は配列番号4に示
される塩基配列を有し、それがコードする推定アミノ酸
配列が、該塩基配列の下に記載されている。配列番号1
および3には、該アミノ酸配列のみを取り出して示す。
(「IGnT2」および「IGnT3」と命名)は、次の性質を有
する酵素である。なお、各性質及びその測定方法は下記
実施例において詳述されている。 作用: ガラクトースにN−アセチルグルコサミンをβ-
1,6結合で転移する。触媒する反応を反応式で記載する
と、1.UDP-N-アセチルグルコサミン + ガラクトシ
ルβ1−4N-アセチルグルコサミニルβ1−3ガラクト
シルβ1−4N-アセチルグルコサミニル-R → UDP +
ガラクトシルβ1−4N-アセチルグルコサミニルβ1
−3(N−アセチルグルコサミニルβ1−6)ガラクト
シルβ1−4N-アセチルグルコサミニル-R(Galβ1−
4GlcNAcβ1−3Galβ1−4Glcβ1-R + UDP-GlcN
Ac → Galβ1−4GlcNAcβ1−3(GlcNAcβ1−
6)Galβ1−4Glcβ1-R + UDP)。2.UDP-N-アセ
チルグルコサミン + N-アセチルグルコサミニルβ1
−3ガラクトシルβ1−4N-アセチルグルコサミニル-R
→ UDP + N-アセチルグルコサミニルβ1−3(N−
アセチルグルコサミニルβ1−6)ガラクトシルβ1−
4N-アセチルグルコサミニル-R(GlcNAcβ1−3Galβ
1−4Glcβ1-R + UDP-GlcNAc → GlcNAcβ1−
3(GlcNAcβ1−6)Galβ1−4Glcβ1-R + UD
P)。などの反応を触媒する。
するタンパク質において、そのアミノ酸配列のうち、1
若しくは複数のアミノ酸が置換し若しくは欠失し、若し
くは該アミノ配列に1若しくは複数のアミノ酸が挿入さ
れ若しくは付加された場合であっても、該生理活性が維
持されることがあることは周知である。従って、配列番
号1又は3に示されるアミノ配列において1若しくは複
数のアミノ酸が置換し若しくは欠失し、若しくは該アミ
ノ配列に1若しくは複数のアミノ酸が挿入され若しくは
付加されたアミノ配列を有し、ポリラクトサミンのガラ
クトースにN−アセチルグルコサミンをβ-1,6結合で転
移する活性を有するタンパク質(以下、便宜的に「修飾
タンパク質」)も本発明の範囲に含まれる。このような
修飾タンパク質のアミノ酸配列は、配列番号1又は3に
示されるアミノ酸配列と70%以上、好ましくは90%
以上、さらに好ましくは95%以上の相同性を有するこ
とが好ましい。なお、アミノ酸配列の相同性は、FASTA
のような周知のコンピューターソフトを用いて容易に算
出することができ、このようなソフトはインターネット
によっても利用に供されている。さらに、該修飾タンパ
ク質としては、配列番号1又は3に示されるアミノ酸配
列又は該配列において1若しくは数個のアミノ酸が置換
し若しくは欠失し、若しくは該アミノ配列に1若しくは
数個のアミノ酸が挿入され若しくは付加されたアミノ配
列を有するものが特に好ましい。
されるアミノ酸配列をコードする核酸及び上記修飾タン
パク質のアミノ酸配列をコードする核酸も提供する。核
酸としてはDNAが好ましい。なお、周知の通り、コド
ンには縮重があり、1つのアミノ酸をコードする塩基配
列が複数存在するアミノ酸もあるが、上記アミノ酸配列
をコードする塩基配列であれば、いずれの塩基配列を有
するものも本願発明の範囲に含まれる。なお、下記実施
例において実際にクローニングされたcDNAの塩基配
列が配列番号2および配列番号4に示されている。配列
番号2又は配列番号4に示す塩基配列を有する核酸とス
トリンジェントな条件下(すなわち、5 xDenhardt's rea
gent, 6 x SSC,0.5% SDS又は0.1% SDSといった一般的な
ハイブリダイゼーション溶液を用いて50〜65℃で反
応を行なう)において、ハイブリダイズし、かつ、上記
修飾タンパク質をコードする核酸も本発明の範囲内に入
る。
る方法により調製することもできるし、また、本発明に
よりその塩基配列が明らかにされたので、下記実施例で
用いているヒト奇形癌細胞PA-1(American Type Cultur
e collection 以下ATCC)を材料として用い、常法であ
るRT-PCR法を行うことにより容易に調製することができ
る。また、上記本発明のタンパク質は、例えば下記実施
例に詳述するように、上記本発明の核酸を発現ベクター
に組み込み、宿主細胞中で発現させ、精製することによ
り容易に調製することができる。
ーニング部位に挿入することにより、宿主細胞中で上記
核酸を発現させることができる組換えベクターを得るこ
とができる。発現ベクターとしては、種々の宿主細胞用
の種々のプラスミドベクター及びウイルスベクターが周
知であり、市販もされている。本発明では、このような
市販の発現ベクターを好ましく用いることができる。ま
た、このような組換えベクターで宿主細胞を形質転換又
は形質導入する方法も周知である。本発明はまた、該核
酸が形質転換、形質導入又はトランスフェクション等に
より宿主細胞に導入され、該核酸を発現する細胞を提供
する。宿主細胞に外来遺伝子を導入する方法自体は周知
であり、上記組換えベクターを用いること等により容易
に行うことができる。宿主細胞としては、特に限定され
ず、哺乳動物細胞、昆虫細胞、酵母、細菌等を用いるこ
とができる。なお、組換えベクターの構築及びそれを用
いて本発明の核酸を宿主細胞に導入する方法の具体例が
下記実施例に詳述されている。
酸配列が上記した通りのものであり、上記した酵素活性
を有するものであれば、タンパク質に糖鎖が結合してい
てもよい。すなわち、本発明の「タンパク質」は「糖タ
ンパク質」をも包含する。
Aの塩基配列が明らかになったので、該酵素のmRNA
又はcDNAと特異的にハイブリダイズする、前記本発
明の測定用核酸(以下、単に「測定用核酸」)が本発明
により提供された。ここで、「特異的」とは、検査対象
となる細胞中に存在する他の核酸とハイブリダイズせ
ず、上記本発明の核酸とのみハイブリダイズするという
意味である。測定用核酸は、上記本発明の核酸、とりわ
け配列番号2又は4に示される塩基配列を有する核酸中
の部分領域と相同的な配列を有することが一般的に好ま
しいが、1〜2塩基程度の不一致があっても差し支えな
いことが多い。測定用核酸は、プローブ又は核酸増幅法
におけるプライマーとして用いることができる。特異性
を確保するために、測定用核酸の塩基数は15塩基以
上、さらに好ましくは18塩基以上である。サイズは、
プローブとして用いる場合には、15塩基以上、さらに
好ましくは20塩基以上、コード領域の全長(1206
塩基または1209塩基)以下が好ましく、プライマー
として用いる場合には、15塩基以上、さらに好ましく
は18塩基以上、50塩基以下が好ましい。被検核酸の
部分領域と相補的な配列を有する核酸をPCRのような
遺伝子増幅法のプライマー、又はプローブとして用いて
被検核酸を測定する方法自体は周知であり、下記実施例
には、ヒト細胞中の本発明の酵素のmRNAをノーザン
ブロット及びインサイチューハイブリダイゼーションに
より測定した方法が具体的に詳述されている。なお、本
明細書において、「測定」には、検出、定量、半定量の
いずれもが包含される。
野において周知であり、そのための試薬キット及び装置
も市販されているので容易に行うことができる。上記し
た本発明の測定用核酸の一対をプライマーとして用い、
被検核酸を鋳型として用いて核酸増幅法を行うと、被検
核酸が増幅されるのに対し、検体中に被検核酸が含まれ
ない場合には増幅が起きないので、増幅産物を検出する
ことにより検体中に被検核酸が存在するか否かを知るこ
とができる。増幅産物の検出は、増幅後の反応溶液を電
気泳動し、バンドをエチジウムブロミド等で染色する方
法や、電気泳動後の増幅産物をナイロン膜等の固相に不
動化し、被検核酸と特異的にハイブリダイズする標識プ
ローブとハイブリダイズさせ、洗浄後、該標識を検出す
ることにより行うことができる。また、クエンチャー蛍
光色素とレポーター蛍光色素を用いたいわゆるリアルタ
イム検出PCRを行うことにより、検体中の被検核酸の
量を定量することも可能である。なお、リアルタイム検
出PCR用のキットも市販されているので、容易に行う
ことができる。さらに、電気泳動バンドの強度に基づい
て被検核酸を半定量することも可能である。なお、被検
核酸は、mRNAでも、mRNAから逆転写したcDN
Aであってもよい。被検核酸としてmRNAを増幅する
場合には、上記一対のプライマーを用いたNASBA法(3SR
法、TMA法)を採用することもできる。NASBA法自体は周
知であり、そのためのキットも市販されているので、上
記一対のプライマーを用いて容易に実施することができ
る。
標識、放射標識、ビオチン標識等の標識を付した標識プ
ローブを用いることができる。被検核酸又はその増幅物
を固相化し、標識プローブとハイブリダイズさせ、洗浄
後、固相に結合された標識を測定することにより、検体
中に被検核酸が存在するか否かを調べることができる。
あるいは、測定用核酸を固相化し、被検核酸をハイブリ
ダイズさせ、固相に結合した被検核酸を標識プローブ等
で検出することも可能である。このような場合、固相に
結合した測定用核酸もプローブと呼ばれる。
有する糖タンパク質、オリゴ糖、糖脂質又は多糖等に作
用させることにより、N−アセチルグルコサミンがβ-1,
6結合される。従って、本発明の酵素は、糖タンパク質
の糖鎖の修飾、糖脂質の糖鎖の修飾や、糖類の合成に用
いることができる。さらに、この酵素を免疫原として動
物に投与することにより、該酵素に対する抗体を作製す
ることができ、該抗体を用いて免疫測定法により該酵素
を測定することが可能になる。従って、本発明の酵素及
びこれをコードする核酸は、このような免疫原の作製に
有用である。
説明する。もっとも、本発明は下記実施例に限定される
ものではない。
IGnT3の塩基配列決定 既存のβ1,6−N−アセチルグルコサミン転移酵素遺
伝子を用いて、遺伝子データベースから類似遺伝子の検
索を行った。用いた配列はβ1,6−N−アセチルグル
コサミン転移酵素遺伝子の配列番号(Gene Bank):M9
7347, NM004751, NM001490, NM001491である。また検
索は、Blast[Altschul et al., J. Mol.Biol. 215, 403
-410(1990)]等のプログラムを利用した。
ンのGene Bank Accetion No.AL139039およびNo.AL35877
7が見出された。さらに、この二つの配列を網羅した第
六染色体のGene Bank accetion No. NT_007291が見出
された。この部分配列は、既知のIGnTと相同性が高く、
ゲノム上で既知のIGnTの第一エクソンを挟むように存在
していた。この新規の2つの配列について遺伝子領域解
析ソフトのGeneScan、HMMgene等を用いて翻訳領域を解
析した。その結果、新規の2つの配列は、別々な第一エ
クソンであり、この独立した第一エクソンは既知のIGnT
のエクソン2、エクソン3を共用している可能性が認め
られた。そこで、ここの第一エクソンと第三エクソンに
プラマーを設計して、トランスクリプトとして存在する
か調べた。また、既知のIGnTを「IGnT1」とし、新規の
2つを「IGnT2」と「IGnT3」と命名した。
CCより入手)より、総RNAを抽出し、常法に従ってcDNA
を合成した。このcDNAを鋳型として使用した。用いた
プライマーは、IGnT1はフォワードプライマー(5'−tga
ggcatgcctttatcaatgcgttacc-3'),リバースプライマー
(5'−tgaatagctcaaaaatacctgctgggttgt-3':全て共
通)、IGnT2はフォワードプライー(5'-tgaatgatgggctc
ttggaagcactgtc-3')、IGnT3はフォワードプライー(5'-
gtgaaaataatgaacttttggaggtactgctt-3')を用いてPCR(9
5℃30秒、60℃30秒、72℃2分を32サイクル)を行なっ
た。
た。このPCR増幅産物の配列を調べた。このPCR溶液をQI
Aquick PCR Purification kit(キアゲン)にてPCR増幅産
物を精製した。この精製PCR産物を鋳型としてシークエ
ンスを調べた。シークエンスの結果、IGnT2とIGnT3の配
列(配列番号2、4)が得られた。また、IGnT1とIGnT3
に関しては、pCRIIベクター(インビトロジェン社)に
一般的なTAクローニング法により、サブクローニングし
た。
の組込み IGnT2およびIGnT3の発現系を作成するため、まずIGnT2
およびIGnT3をインビトロジェン社のGatewayシステムの
pDONR201に組込み、さらにインビトロジェン社のBac-to
-BacシステムによるBacmidを作製した。さらに、陽性対
照対照としてIGnT1も同様に以下に詳細を述べる。
み エントリークローンの作成 pCRIIにサブクローニングしたIGnT1およびIGnT3を鋳型
にした。IGnT2はMarathon cDNAを鋳型として、IGnT1に
対するプライマーF1(5'-ggggacaagtttgtacaaaaaagcag
gcttcCTAAATATCTCAGACCCTTTGAGGCTGACT-3'),プライマ
ーF2(5'-ggggacaagtttgtacaaaaaagcaggcttcTGCACATCTTT
TATCAATGGAAAAACA-3')、IGnT2に対するプライマーF1
(5'-ggggacaagtttgtacaaaaaagcaggcttcCTGAGGGCAGCTCT
GTCCAATGCTTCA-3'),プライマーF2(5'-ggggacaagtttgt
acaaaaaagcaggcttcTGTCATCAGATTTTTGAGGGGAAAG-3')、I
GnT3に対するプライマーF1(5'-ggggacaagtttgtacaaaaa
agcaggcttcCTGAACAGTTCCAGTGAAAGGTATTTTAG-3'),プラ
イマーF2(5'-ggggacaagtttgtacaaaaaagcaggcttcTGTAAT
CACGCCTTAGAGAAAATGCCA-3')と共通のプライマーR(5'-
ggggaccactttgtacaagaaagctgggtctcaAAAATACCAGCTGGGTT
GTATCGCAG-3')を用いて、PCR(98℃10秒、55℃30秒、7
2℃1分を30サイクル)により再度DNA断片を得た。Micro
Spin S-400 HR(アマシャムファルマシアバイオテク)
にてDNA断片を精製し、精製後BP クロナーゼ 反応によ
ってpDONR201へ組込み、「エントリークローン」を作成
した。反応は目的とするDNA断片1μl、pDONR2011μl
(150ng)、反応緩衝液2μl、BP クロナーゼ mix 2μ
l、TE溶液4μlを25℃で1時間インキュベートして行っ
た。プロテイナーゼKを1μl加えて37℃10分おき反応を
終了させた。
トセル(大腸菌DH5α)50μlと混合し、ヒートショッ
ク法の後、カナマイシンを含むLBプレートにまいた。翌
日コロニーをとり、直接PCRで目的DNAを確認し、ベクタ
ー(pDONR−IGnT1-F1、pDONR-IGnT1-F2、pDONR-IGnT2-F
1、pDONR-IGnT2-F2、pDONR-IGnT3-F1、pDONR-IGnT3-F
2)を抽出・精製した。
ージが大腸菌から切り出される際の組換部位であるattL
を持つもので、LRクロナーゼ(ラムダファージの組換酵
素Int、IHF、Xisを混合したもの)とデステイネーショ
ンベクターと混合することで、挿入部位がデステイネー
ションベクターに移り、発現クローンが作成される。具
体的工程は以下のとおりである。
1μl(100ng)、LR反応緩衝液2μl、TE4μl、LR クロ
ナーゼmix 2μlを25℃で1時間反応させ、プロテイナー
ゼ Kを1μl加えて37℃10分インキュベートして反応を終
了させた(この組換え反応でpFBIH-IGnT1-F1、pFBIH-
IGnT1-F2、pFBIH-IGnT2-F1、pFBIH-IGnT2-F2、pFBIH
-IGnT3-F1、pFBIH-IGnT3-F2、が生成される)。pFBIH
は、pFastBac1にIgκシグナル配列(MHFQVQIFSFLLISA
SVIMSRG)とHisタグ(His 6個)のシーケンスを加えたも
ので、OT5(5'-gatcatgcattttcaagtgcagattttcagcttcc
tgctaatcagtgcctcagtcataatgtcacgtggacatcaccatcaccat
cac-3')を鋳型に、プライマーOT20 (5'-cgggatccat g
cattttcaa gtgcag-3')と、OT22 (5'-ggaattcgtgatggtg
atggtgatg-3')を用いてPCRを行い、得られたDNA断片を
Bam H1 とEco R1 で挿入した。さらに、Gateway配列を
挿入するため、Gateway Vector Conversion System(イ
ンビトロジェン社)を用いてConversion cassetteを入
れた。Igκシグナル配列は発現タンパク質を分泌型にす
るため、Hisタグは精製のため挿入した。
ントセル(大腸菌DH5α)50μlと混合し、ヒートショ
ック法の後、アンピシリンを含むLBプレートにまいた。
翌日コロニーをとり、直接PCRで目的DNAを確認し、ベク
ター(pFBIH-IGnT1-F1、pFBIH-IGnT1-F2、pFBIH-IGnT2-
F1、pFBIH-IGnT2-F2、pFBIH-IGnT3-F1、pFBIH-IGnT3-F
2、:同様の工程をする場合、pFBIH-IGnTsとする)を抽
出・精製した。
を行った。即ちpFBIFはHisタグに変えて、精製用にFLA
Gペプチド(DYKDDDDK)を入れたもので、OT3(5'-gatca
tgcattttcaagtgcagattttcagcttcctgctaatcagtgcctcagtc
ataatgtcacgtggagattacaaggacgacgatgacaag-3')を鋳型
とし、プライマーOT20(上記と配列同じ)と、OT21
(5'-ggaat tcttgt catcg tcgtc cttg-3')によって得
られたDNA断片を上記と同様にBam H1 とEco R1 で挿入
し、Gateway配列を挿入するため、Gateway Vector Conv
ersion System(インビトロジェン社)を用いてConvers
ion cassetteを入れた。
いて上記pFBIH- IGnTs又はpFBIF-IGnTsとBacmidとの
間で組換えをさせ、昆虫細胞中で増殖可能なBacmidにIG
nTsにその他の配列を挿入した。このシステムはTn7の組
換部位を利用して、Bacmidを含む大腸菌(DH10BAC)に
目的遺伝子を挿入させたpFastBac(pFBIH-IGnTsまたはp
FBIF-IGnTs)を導入するだけで、ヘルパープラスミドか
ら産生される組換タンパク質によって目的とする遺伝子
がBacmidへとりこまれるというものである。またBacmid
にはlacZ遺伝子が含まれており、古典的な青(挿入な
し)−白コロニー(挿入あり)による選択が可能であ
る。
はpFBIF-IGnTs)をコンピテントセル(大腸菌DH10BA
C)50μlと混合し、ヒートショック法の後、カナマイシ
ン、ゲンタマイシン、テトラサイクリン、Bluo-gal、及
びIPTGを含むLBプレートにまき、翌日白い単独コロニー
をさらに培養し、Bacmidを回収した。
ていることを確認した後、このBacmidを昆虫細胞Sf21
(インビトロジェン社より市販)に導入した。即ち35mm
のシャーレにSf21 細胞9x105 細胞/2ml (抗生物質を
含むSf-900SFM(インビトロジェン社)を加え、27℃で1
時間培養して細胞を接着した。(SolutionA)精製した
Bacmid DNA 5 μlに抗生物質を含まないSf-900SFM(イ
ンビトロジェン社)100μl加えた。(Solution B)Cel
lFECTIN Reagent(インビトロジェン社) 6μlに抗生物
質を含まないSf-900SFM(インビトロジェン社)100μl
加えた。その後、Solution AおよびSolution Bを丁寧に
混合して15〜45分間、室温でインキュベートした。細胞
が接着したことを確認して、培養液を吸引して抗生物質
を含まないSf-900SFM(インビトロジェン社)2mlを加え
た。Solution AとSolution Bを混合して作製した溶液(l
ipid-DNA complexes)に抗生物質を含まないSf900II 800
μlを加えて丁寧に混和した。細胞から培養液を吸引
し、希釈したlipid-DNA complexes溶液を細胞に加え、2
7℃で5時間インキュベーションした。その後、トランス
フェクション混合物を除き、抗生物質を含むSf-900SFM
(インビトロジェン社)培養液2mlを加えて27℃で72
時間インキュベーションした。トランスフェクションか
ら72時間後にピペッティングにより細胞を剥がし、細
胞と培養液を回収した。これを3000rpm, 10分間遠心
し、上清を別のチューブに保存した(この上清が一次ウ
イルス液となる)。
0ml Sf-900SFM(インビトロジェン社)(抗生物質入り)
を入れて、27℃で1時間インキュベートした。細胞が接
着したら一次ウイルスを800μlを添加して、27℃で48
〜72時間培養した。培養終了後にピペッティングにより
細胞を剥がし、細胞と培養液を回収した。これを3000rp
m, 10分間遠心し、上清を別のチューブに保存する(こ
の上清を二次ウイルス液とした)。
7 細胞/20ml Sf-900SFM(インビトロジェン社)(抗生
物質入り)を入れて、27℃で1時間インキュベートし
た。細胞が接着したらニ次ウイルス液1000μlを添加し
て、27℃で72〜96時間培養した。培養後にピペッティン
グにより細胞を剥がし、細胞と培養液を回収した。これ
を3000rpm, 10分間遠心し、上清を別のチューブに保存
した(この上清を三次ウイルス液とした)。
細胞6x105細胞/ml濃度で100mlを入れ、三次ウイル
ス液を1ml添加して27℃で約96時間培養した。培
養後に、細胞及び培養液を回収した。これを3000rpm, 1
0分間遠心し、上清を別のチューブに保存した(この上
清を四次ウイルス液とした)。
(ソニケーション緩衝液:20mM HEPESpH7.5、2 % Trito
n X-100)細胞粗抽出液 をH2Oで20倍にし、常法によりS
DS-PAGEによる電気泳動についてウエスタンブロッテイ
ングを行い、目的とするIGnT1,IGnT2, IGnT3(3種類
同時に示す場合IGnTs)のタンパク質の発現を確認し
た。抗体は、ヒスチジンタグのついたIGnTsにはモノク
ローナル抗体6−His(MMS-156P、COVANCE社)、FLAG配
列のついたIGnTsには抗FLAG M2-ペルオキシダーゼ(A-8
592、SIGMA社)を用いた。
バンドが検出された。
05 %)、NaCl (150 mM)、CaCl2 (2mM)、抗M1レジン(Si
gma 社)(50 μl)を混合し、4℃で一夜攪拌した。翌日
遠心して(3000rpm 5分4℃)ペレットを回収し、2 mMの
CaCl2・TBSを900μl加えて再度遠心分離(2000rpm 5分
4℃)し、ペレットを50μl の1 mM CaCl2・TBSに浮遊
させ活性測定のサンプル(IGnTs酵素液)とした。
索 IGnT2およびIGnT3は、β1,6−N−アセチルグルコサミ
ニル転移酵素である既知IGnT1と相同性が高く、IGnT1と
それぞれ73.4%、74.1%であった。そこで、第一に供与体
基質(donor substrate)としてUDP-GlcNAcを用いて検
討した。
質を調べた。下記反応液の「受容体基質」には、Galβ
1−4GlcNAcβ1−3Galβ1−4Glc(LNnT:CALBIOCH
EM)、GlcNAcβ1−3Galβ1−4Glc(agalacto-LNn
T)、Galβ1−4GlcNAcβ1−3Galβ1−4GlcNAc
(2L1:生化学工業)、Galβ1−4GlcNAcβ1−3Gal
β1−4GlcNAcβ1−3Galβ1−4GlcNAc(3L1:生
化学工業)、GlcNAcβ1−3Galβ1−4GlcNAcβ1−
3Galβ1−4GlcNAc(agalacto-3L1)を2−アミノベ
ンズアミド(2AB)化したものを用いてそれぞれが受容
体として機能するかどうかを調べた。2AB標識糖鎖は、
HPLCを用いて蛍光検出器で検出した。
質(10 nmol)、カコジル酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)
(50mM) 、EDTA(35 mM) 、UDP-GlcNAC (10mM) 、Triton
-X100(0.5%)、牛血清アルブミン(2mg/ml)から成り、
これにIGnTs酵素液を2.5 μl加えて、さらにH2Oを加え
て全量10μlとした。
反応終了後、97℃5分間過熱して軽く遠心後上清を取
得した。この反応溶液50μlをHPLCにて分析した。HPL
Cの分析条件は、カラムはTSKgel ODS-80Ts QAカラム(4.
6x250 mm; Tosoh)、溶媒(移動相)は7%メタノール
を含む20mM酢酸アンモニウム緩衝液(pH4.0)、ま
たは受容体基質として3L1の場合のみ5%メタノールを
含む20mM酢酸アンモニウム緩衝液(pH4.0)、流速
は1ml/min、励起波長:330nm、蛍光測定波長:420nmで
行なった。
は、受容基質LNnT(溶出時間18.6分)を用いた場
合、生成物は17分にピークが認められた。すなわち、
この17分の生成物は、LNnTにβ1−6結合でN-アセチ
ルグルコサミンが結合したGalβ1−4GlcNAcβ1−3
(GlcNAcβ1−6)Galβ1−4Glcである。IGnT2およ
びIGnT3に関しても全く同様の結果が得られた。すなわ
ち、IGnT2およびIGnT3は、ポリラクトサミン構造(Gal
β1−4GlcNAcβ1−3Galβ1−4GlcNAcのような構
造で基本的には「Galβ1−4GlcNAc」の繰り返し構造
をポリラクトサミン構造とする)の還元末端ではないガ
ラクトースにβ1−6結合でN-アセチルグルコサミンを
転移する酵素であることを確認した。そこで、他の基質
についても検討した。その結果を以下の表1にまとめ
た。agalacto-LNnTを基質とした場合の生成物はGlcNAc
β1−3(GlcNAcβ1−6)Galβ1−4Glcである。2L
1を基質としたときは、生成物はGalβ1−4GlcNAcβ1
−3(GlcNAcβ1−6)Galβ1−4GlcNAcである。ag
alacto-3L1を基質としたときは、生成物はGlcNAcβ1−
3Galβ1−4GlcNAcβ1−3(GlcNAcβ1−6)Galβ
1−4GlcNAcおよびGlcNAcβ1−3(GlcNAcβ1−
6)Galβ1−4GlcNAcβ1−3(GlcNAcβ1−6)Gal
β1−4GlcNAcである。3L1を基質としたときは、生
成物はGalβ1−4GlcNAcβ1−3(GlcNAcβ1−6)G
alβ1−4GlcNAcβ1−3(GlcNAcβ1−6)Galβ1
−4GlcNAc、Galβ1−4GlcNAcβ1−3Galβ1−4G
lcNAcβ1−3(GlcNAcβ1−6)Galβ1−4GlcNAc
およびGalβ1−4GlcNAcβ1−3(GlcNAcβ1−6)G
alβ1−4GlcNAcβ1−3Galβ1−4GlcNAcである。
製した。このcDNAを用いてPCRにより発現を確認した。
使用したプライマーは、IGnT3はBFF1(5'-caagggactctgc
taacttcgtcc-3')、GP-60(5'-ggaatcctgttgagtgtcaccca
g-3')である。使用した酵素はAdvantage cDNA polymer
ase(クロンテック社)を使用した。反応は、94℃30秒、6
8℃120秒、72℃30秒を30サイクルで行い、2% アガロー
スゲル電気泳動で確認した。予想PCR増幅産物は、115塩
基であり、このサイズの増幅産物が認められた場合を
“+”とし、増幅産物が認められない場合“−”で示し
た。増幅産物はシングルバンドとして認められ、それ以
外は増幅産物が認められなかった。また、幾つかの増幅
産物については、制限酵素処理を行ない、IGnT3遺伝子
由来の増幅産物であることを確認している。結果は以下
の表2に示した。
(クロンテック社)を用いて発現を確認した。使用したプ
ライマーは、IGnT3は、No.2863(5'-atagttcagcatctgaaa
gga-3')、No.2846(5'-tgcatttggcatagagccagg-3')で
ある。使用した酵素はLA Taq(TakaRa)を使用した。反応
は、94℃30秒、58℃30秒、72℃60秒を30サイクルで行
い、1% アガロースゲル電気泳動で確認した。予想PCR
増幅産物は、346塩基であり、このサイズの増幅産物が
認められた場合を“+”とし、増幅産物が認められない
場合“−”で示した。結果は以下の表3に示した。増幅
産物はシングルバンドとして認められ、それ以外は増幅
産物が認められなかった。この条件で発現している組織
は、骨髄、結腸、心臓、であった。
び3の発現量の違い) ヒト正常組織での発現について各組織のMarathon cDNA
(クロンテック社)を用いて発現を確認した。使用したプ
ライマーは、IGnT1は、IGnT-1F1: 5'-gatctggctgtaata
tcggcac-3'、IGnT-1R1: 5'-aagacttctcatggatcattag-
3'、 IGnT2は、IGnT-2F1: 5'-caacctagtggtaagtgaaga
g-3'、IGnT-2R1: 5'-tagcttcatcaagggtagttttc-3'、IG
nT3は、IGnT-3F1: 5'-cagaccaaagtgagagagggac-3'、IG
nT-3R1:5'-ggacacttcgcaaaggtgatgg-3'である。使用し
た酵素はLA Taq(TakaRa)を使用した。反応は、94℃30
秒、58℃30秒、72℃60秒を35サイクルで行い、1.5%
アガロースゲル電気泳動で確認した。予想PCR増幅産物
は、約450塩基であり、このサイズの増幅産物が認め
られたバンドの濃さでを“+++”、“++”、“+”
の三段階とし、増幅産物が認められない場合“−”で示
した。結果は以下の表4に示した。予想される大きさの
増幅産物が認められた。特に大きな差が認められた部分
は、IGnT1およびIGnT2に比較してIGnt3は、骨髄および
心臓で強く発現していた。このことから、I血液型抗原
の合成には、IGnT3の関与が示唆される。
Claims (14)
- 【請求項1】 配列表の配列番号1又は3に示されるア
ミノ酸配列又は該アミノ配列において1若しくは複数の
アミノ酸が置換し若しくは欠失し、若しくは該アミノ配
列に1若しくは複数のアミノ酸が挿入され若しくは付加
されたアミノ配列を有し、ガラクトースにN−アセチル
グルコサミンをβ-1,6結合で転移する活性を有するタン
パク質。 - 【請求項2】 前記タンパク質は、配列番号1又は配列
番号3に示されるアミノ酸配列と70%以上の相同性を
有する請求項1記載のタンパク質。 - 【請求項3】 前記タンパク質は、配列番号1又は配列
番号3に示されるアミノ酸配列と90%以上の相同性を
有する請求項1記載のタンパク質。 - 【請求項4】 前記タンパク質は、配列番号1又は3に
示されるアミノ酸配列又は該配列において1若しくは数
個のアミノ酸が置換し若しくは欠失し、若しくは該アミ
ノ配列に1若しくは数個のアミノ酸が挿入され若しくは
付加されたアミノ配列を有する請求項1記載のタンパク
質。 - 【請求項5】 前記タンパク質は、配列番号1又は配列
番号3に示されるアミノ酸配列を有する請求項4記載の
タンパク質。 - 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれか1項に記載
のタンパク質をコードする核酸。 - 【請求項7】 配列番号2又は4に示される塩基配列を
有する核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイ
ズする、請求項1記載のタンパク質をコードする核酸。 - 【請求項8】 配列表の配列番号2に示される塩基配列
の1nt〜1203ntまで又は配列表の配列番号4に示される
塩基配列の1nt〜1206ntの塩基配列を有する請求項6記
載の核酸。 - 【請求項9】 請求項6ないし8のいずれか1項に記載
の核酸を含み、宿主細胞中で該核酸を発現することがで
きる組換えベクター。 - 【請求項10】 請求項6ないし8のいずれか1項に記
載の核酸が導入され、該核酸を発現する細胞。 - 【請求項11】 請求項6ないし8のいずれか1項に記
載の核酸と特異的にハイブリダイズする、該核酸の測定
用核酸。 - 【請求項12】 請求項8記載の核酸中の部分領域と相
補的な配列を有する請求項11記載の測定用核酸。 - 【請求項13】 プローブ又はプライマーである請求項
11又は12記載の測定用核酸。 - 【請求項14】 塩基数が15塩基以上である請求項1
3記載の測定用核酸。
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