JP4288327B2 - 硫酸基転移酵素、そのポリペプチド及びそれをコードするdna - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、グリコサミノグリカン硫酸基転移酵素(グリコサミノグリカンスルホトランスフェラーゼ)、そのポリペプチド、それをコードする塩基配列を有する核酸、上記酵素又はポリペプチドを含むグリコサミノグリカンの合成のための酵素剤、及びかかる酵素剤を用いたグリコサミノグリカンの製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
本明細書中、糖及び糖残基は特に明記しない限り、光学異性体はイズロン酸を除き全てD体を示す。またD-グルコサミン(N置換体を含む意味で使用することもある)を「GlcN」と、N-アセチル-D-グルコサミンを「GlcNAc」と、D-グルクロン酸を「GlcA」と、L-イズロン酸を「IdoA」と、ヘキスロン酸とはGlcA、IdoAを含む、炭素数6のウロン酸を意味し、「HexA」と略記することもある。
【0003】
ヘパリン及びヘパラン硫酸は、HexA残基(GlcA残基又はIdoA残基)とGlcNAc残基の二糖(4GlcAβ1/IdoAα1→4GlcNAcα1)の繰り返し構造を基本骨格(かかる基本骨格を以下「ヘパリン骨格」とも記載する)とし、そのHexA残基の2位ヒドロキシル基及びGlcN残基の2位アミノ基、3位ヒドロキシル基、及び6位ヒドロキシル基のいずれか1以上が硫酸化されたグリコサミノグリカンの一種である。
【0004】
これまで、「ヘパリン」又は「ヘパラン硫酸」の硫酸基は、下記式2中、R、R、R、又はRで示される位置の1以上に結合していることが知られている。しかし、R、R、R、及びRの全てが硫酸基(SO3 -)であるグリコサミノグリカンとその製造方法は知られていなかった。
【0005】
【化4】
Figure 0004288327
【0006】
一方、ヘパリン骨格を有するグリコサミノグリカンは様々な生理活性を有することが一般に知られている。例えばヘパリンは血液に対し抗凝固活性を示すことが古くから知られており(非特許文献1)、また各種成長因子と親和性を有していて成長因子の安定化又は活性化に働くことが知られている(非特許文献2)。ヘパラン硫酸も各種成長因子との親和性を有しており成長因子を安定化又は活性化させて創傷治癒の促進に働くこと(非特許文献3)等が知られている。またヘパリンの構成糖であるGlcNの6位に結合した硫酸基のみを特異的に脱硫酸化することで得られる6-O-脱硫酸化ヘパリンは、血液に対する抗凝固活性は失っているが創傷治癒を促進する働きを有していることが知られており(特許文献1)、また過ヨウ素酸酸化還元処理とHexAの2位の特異的な脱硫酸化とを組み合わせて得られる過ヨウ素酸酸化還元2-O-脱硫酸化ヘパリン(主にヘパリン骨格を維持している)は各種成長因子の安定化及び神経成長の促進に働くことが知られている(特許文献2)。
これらの事実から、ヘパリン骨格を有するグリコサミノグリカンは様々な生理活性を有すると考えられ、ヘパリンの誘導体は極めて多くの可能性を有していると考えられている。
【0007】
一方、グリコサミノグリカン硫酸基転移酵素の遺伝子がクローニングされ、該酵素を大量に得ることにより、硫酸基受容体となるグリコサミノグリカンに対する該酵素の基質特異性についての情報を得ることが可能となり、グリコサミノグリカンの構造と機能の関係を研究する上で有用なアプローチが提供されると考えられる。グリコサミノグリカンの生合成、その中でもヘパリン/ヘパラン硫酸の生合成には多くの硫酸化のプロセスがあることが知られており(非特許文献4)、この硫酸化には様々なグリコサミノグリカン硫酸基転移酵素が関与しているものと考えられる。ヘパリン/ヘパラン硫酸に硫酸基を転移するグリコサミノグリカン硫酸基転移酵素としては、ヘパラン硫酸N-脱アセチル/N-硫酸基転移酵素(以下「NDST」と略記することもある)、ヘパラン硫酸2-O-硫酸基転移酵素(以下「HS2ST」と略記することもある)、ヘパラン硫酸3-O-硫酸基転移酵素(以下「HS3OST」と略記することもある)及びヘパラン硫酸6-O-硫酸基転移酵素(以下「HS6ST」と略記することもある)等が種々の生物、特にヒトから単離されており、それらのcDNAのクローニングがされている。
【0008】
ヒトのHS3OSTのcDNAは、非特許文献5において開示されており、当該文献に記載されているcDNAはGenbankに受け入れ番号AF019386として登録されている。
【0009】
【特許文献1】
国際公開WO00/06608号パンフレット
【特許文献2】
特開平11−310602号公報
【非特許文献1】
Thronb. Res., 75(1994), pp.1-32
【非特許文献2】
Glycobiology, 4(1994), p.451
【非特許文献3】
J. Phthol., 183(1997), pp.251-252
【非特許文献4】
グリコテクノロジー▲5▼、57(1994)、講談社サイエンティフィク発行
【非特許文献5】
J. Biol. Chem. 272(1997), pp.28008-28019
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ヘパリン骨格を有するグリコサミノグリカンに硫酸基を転移することができる酵素は、ヘパリンやヘパラン硫酸の酵素合成に使用することができる可能性が高く極めて有用であるが、そのような酵素は基質特異性が高く、様々な種類のヘパリンやヘパラン硫酸を工業的に合成するためには様々な種類の酵素を使用して効率的に合成を行う必要がある。しかし、ヘパリン骨格に硫酸基を転移する酵素のバリエーションは、まだ十分であるとはいえない。
したがって、酵素を利用することにより新たな構造を有するグリコサミノグリカンを製造することが可能となれば、かかるグリコサミノグリカンが有する生理活性を探索することが可能となる。
すなわち、本発明は新規な硫酸基転移酵素を提供するとともに、そのポリペプチドのアミノ酸配列をコードするcDNAをクローニングすることにより、当該酵素を簡便な方法により大量に入手する手段を提供し、それにより酵素化学的に合成することができるグリコサミノグリカンのバリエーションを増すと共に、ヘパリン骨格を有するグリコサミノグリカンの構造−機能の関係の解明に寄与することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、ヘパラン硫酸を硫酸化するグリコサミノグリカン硫酸基転移酵素をコードする塩基配列を有するDNAを鋭意検索し、該酵素のポリペプチドをコードする塩基配列を有する新規なDNAを発見し、該DNAを発現させることにより該グリコサミノグリカン硫酸基転移酵素が得られること、及びかかる該グリコサミノグリカン硫酸基転移酵素を利用することにより新たな構造を有するグリコサミノグリカンが製造されることを確認して本発明を完成させた。
【0012】
すなわち本発明は以下の通りである。
(1) 配列番号2記載のアミノ酸配列におけるアミノ酸番号37〜346を含むポリペプチド、又は該ポリペプチドのアミノ酸配列において1又は複数のアミノ酸の置換、欠失、挿入若しくは転移を有するアミノ酸配列を含むとともに硫酸基供与体から硫酸基受容体であるグリコサミノグリカンに対して硫酸基を転移する活性を有する硫酸基転移酵素のポリペプチド。
(2) ポリペプチドが配列番号2記載のアミノ酸配列からなることを特徴とする(1)記載のポリペプチド。
(3) ポリペプチドが配列番号2記載のアミノ酸配列におけるアミノ酸番号37〜346からなることを特徴とする(1)記載のポリペプチド。
(4) グリコサミノグリカンがヘパリン又はヘパラン硫酸であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか記載のポリペプチド。
(5) (1)〜(4)のいずれか記載のポリペプチドを含むとともに、硫酸基供与体から硫酸基受容体であるグリコサミノグリカンに対して硫酸基を転移する活性を有する硫酸基転移酵素。
(6) (1)〜(4)のいずれか記載のポリペプチド若しくは(5)記載の硫酸基転移酵素をコードする核酸。
(7) 配列番号1記載の塩基配列からなることを特徴とする核酸。
(8) 「(6)又は(7)記載の核酸又はその塩基配列に相補的な塩基配列からなる核酸」にストリンジェントな条件下においてハイブリダイズすることを特徴とする核酸。
(9) (6)〜(8)のいずれか記載の核酸を含むことを特徴とする発現ベクター。
(10) (9)記載の発現ベクターを含むことが宿主細胞に移入されていることを特徴とする組換体。
(11) 宿主細胞が真核細胞であることを特徴とする(10)記載の組換体。(12) (10)又は(11)記載の組換体を生育させ、得られた生育物から(1)〜(4)のいずれか記載のポリペプチド又は(5)記載の硫酸基転移酵素を採取することを特徴とするポリペプチド又は硫酸基転移酵素の製造方法。
(13) (1)〜(4)のいずれか記載のポリペプチド又は(5)記載の硫酸基転移酵素を含むことを特徴とする、下記式1記載の構造を含むグリコサミノグリカンの合成のための酵素剤。
【化5】
Figure 0004288327
(14) グリコサミノグリカンに、(13)記載の酵素剤を作用させて、硫酸基供与体から硫酸基受容体に硫酸基を転移することを特徴とする下記式1記載の構造を含むグリコサミノグリカンの製造方法。
【化6】
Figure 0004288327
(15) (1)〜(4)記載のいずれか記載のポリペプチド又は(5)記載の硫酸基転移酵素の、下記式1記載の構造を含むグリコサミノグリカンの合成のための使用。
【化7】
Figure 0004288327
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を説明する。
(1)本発明酵素/本発明ポリペプチド
本発明酵素は配列番号2記載のアミノ酸配列のうち少なくともアミノ酸番号37〜346からなるアミノ酸配列を含むポリペプチドを有するとともに、硫酸基供与体から硫酸基受容体であるグリコサミノグリカンに対して硫酸基を転移する活性を有するグリコサミノグリカン硫酸基転移酵素(SFT-1)である。
【0014】
本発明酵素におけるポリペプチド(以下「本発明ポリペプチド」とも記載する)は、例えば配列番号2記載のアミノ酸配列のアミノ酸番号1〜346からなるポリペプチド又は配列番号2記載のアミノ酸配列のうちアミノ酸番号37〜346からなるアミノ酸配列からなるポリペプチドが挙げられる。このようなポリペプチドはほ乳類由来であることが好ましく、特にヒト由来であることが好ましい。かかるポリペプチドは、特に配列番号2記載のアミノ酸配列のうち予測される膜貫通領域(配列番号2記載のアミノ酸番号1〜36からなる領域)を除いたアミノ酸番号37〜346からなるアミノ酸配列からなるポリペプチドが、いわゆる可溶化形態となり調製及び利用が容易となるため好ましい。
【0015】
一般に、酵素タンパク質のアミノ酸配列のうち、1又は複数(通常は2以上34以下)の構成アミノ酸が置換、欠失、挿入、及び/又は転位しても酵素活性が維持されることが知られ、同一酵素のバリアントであるということができる。本発明ポリペプチドにおいても配列番号2記載のアミノ酸配列において1又は複数(2以上34以下)の構成アミノ酸の置換、欠失、挿入、及び/又は転位等の部分的な変異が起こっていても後述の硫酸基を転移する活性を保持している限りにおいて、本発明ポリペプチドと実質的に同一の物質であるということができる(このような配列番号2記載のアミノ酸配列からなるポリペプチドに部分的な変異を有するポリペプチドを便宜的に「修飾ポリペプチド」と記載する)。このような修飾ポリペプチドのアミノ酸配列は、配列番号2に示されるアミノ酸配列と90%以上、好ましくは95%以上、さらに97%以上の相同性を有することを好ましい。アミノ酸配列の相同性は、FASTAのような周知のコンピュータソフトウェアを用いて容易に算出することができる(このようなソフトウェアはインターネットによっても利用に供されている)。
【0016】
なお、上記本発明ポリペプチドは、そのアミノ酸配列が上記した通りのものであり、上記した酵素活性を有するものであればポリペプチドに糖鎖が結合していても良い。すなわち本発明ポリペプチドは糖タンパク質の形態も当然に包含する。
【0017】
本発明酵素の反応における硫酸基供与体としては、硫酸基受容体であるグリコサミノグリカンに対して硫酸基を転移することが可能な物質であれば特に限定はされないが、一般的に生体内で硫酸基供与体として働いていることが知られている3'−ホスホアデノシン5'−ホスホ硫酸(活性硫酸:以下「PAPS」とも略記する)が本発明酵素の生体内における硫酸基供与体である可能性が高いため好ましい例として挙げられる。
【0018】
本発明酵素の硫酸基受容体としてのグリコサミノグリカンは、たとえばヒアルロン酸、コンドロイチン、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、ケラタン硫酸、ヘパラン硫酸、ヘパリンなどが例示されるが、特にヘパラン硫酸及びヘパリンなどのいわゆる「ヘパリン骨格」を有するグリコサミノグリカンが好ましく、特にヘパラン硫酸が好ましい。なお、本発明酵素は後述の実施例からも明かであるが、サメ軟骨由来のコンドロイチン硫酸、牛気管由来のコンドロイチン硫酸を脱硫酸化して得たコンドロイチン、ブタ皮由来のデルマタン硫酸、及びニワトリ鶏冠由来のデルマタン硫酸から硫酸基を除去した脱硫酸化デルマタン硫酸に硫酸基を転移する活性を実質的に有しない。
【0019】
このような本発明酵素の硫酸基転移活性は例えば、放射能(35S、3H(トリチウム)等)や蛍光物質等の標識物質(基質に立体障害などを起こさないことから放射能が好ましい)で標識したPAPSを用い、グリコサミノグリカンを硫酸基受容体として使用して緩衝液中で20〜40℃条件下で酵素反応を行って確認することが可能である。すなわち、かかる反応後に受容体が標識物質で標識されるか否かを、例えば反応後の反応溶液をゲル濾過又は高速液体クロマトグラフィー(以下「HPLC」とも略記する)などの分離手段と、標識物質を検出する手段(標識物質として放射能を用いる場合にはシンチレーションカウンター又はオートラジオグラフィーなどの放射能検出手段、標識物質として蛍光物質を用いる場合には螢光検出器による検出)とを組み合わせることで、容易に確認することが可能である。
【0020】
このような本発明酵素は、グリコサミノグリカン、特にヘパリン及びヘパラン硫酸に特異的に硫酸基を転移する活性を有しているため、後述の本発明酵素剤として使用することが可能である。
なお、本発明酵素は、後述の「本発明酵素等製造方法」によって生産することが可能である。
【0021】
(2)本発明核酸、本発明発現ベクター、及び本発明組換体
本発明核酸は、本発明酵素又は本発明ポリペプチドをコードする核酸である。
【0022】
本発明核酸は、本発明酵素又は本発明ポリペプチドをコードする限りにおいて、デオキシリボ核酸(DNA)ともリボ核酸(RNA)とも限定はされず、また1本鎖であろうと2本鎖であろうと限定はされない。しかし、上記本発明酵素及び本発明ポリペプチドがヒト由来のアミノ酸配列であるため、ヒトをはじめとする多くの生物においてポリペプチドをコードする働きを有しているDNAであることが好ましい。
【0023】
本発明における「コードする核酸」とは、一般的にはタンパク質(ポリペプチド)合成における転写の際に、mRNA合成の鋳型となる鋳型鎖の塩基配列に相補的な塩基配列からなる核酸、及び該鋳型鎖の塩基配列からなる核酸のいずれも指称する。
【0024】
このような一本鎖の核酸の塩基配列としては例えば配列番号1記載の塩基配列若しくは配列番号1記載の塩基配列中、塩基番号109〜1041からなる塩基配列(アミノ酸番号37〜346のコード領域に対応している塩基配列)、又はこれらの塩基配列に相補的な塩基配列を示し、このような塩基配列からなる核酸は本発明核酸に包含される。
【0025】
さらに、核酸は一定条件下でそれに相補的な塩基配列を有する核酸とハイブリダイズすることが知られているが、本発明核酸においても配列番号1記載の塩基配列若しくは配列番号1記載の塩基配列中、塩基番号109〜1041からなる塩基配列、又はこれらの塩基配列に相補的な塩基配列からなるヌクレオチド鎖にストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸も包含される。
【0026】
ここでストリンジェントな条件下とは、50%ホルムアミド、5×SSPE(塩化ナトリウム/リン酸ナトリウム/EDTA(エチレンジアミン四酢酸)緩衝液)、5×デンハルト溶液(Denhardt's solution)、0.5% SDS(ドデシル硫酸ナトリウム)、変性サケ精子DNA100μg/ml存在下、42℃の条件下及びこれと実質的に同一の条件下などが例示される。すなわちストリンジェントな条件とは、上述した条件の他に、通常の遺伝子のハイブリダイゼーションに用いられる条件も含まれ、ノザンブロット、サザンブロット、ハイブリダイゼーションを用いたスクリーニング等に使用される条件であれば、ここにいう「ストリンジェントな条件下」に包含される。
【0027】
本発明核酸の好ましい具体的態様の一つである、配列番号1記載の塩基配列中、塩基番号109〜1041からなる塩基配列からなるDNAは、後述の実施例に記載された方法によって調製することも可能であり、また本発明によりその塩基配列のすべてが明らかとされたため、例えばヒト由来のcDNAライブラリーを鋳型として用いて5'プライマー(配列番号3)及び3'プライマー(配列番号4)を用いて常法によりポリメラーゼチェイン反応(以下「PCR」とも略記する)を行うことで調製することができる。また同様に5'プライマーとして配列番号5記載のプライマーを用い、3'プライマーとして配列番号4記載のプライマーを用いてPCRを行うことで、配列番号1記載の塩基配列からなるDNAを調製することも可能である。
【0028】
本発明発現ベクターは上述の本発明核酸を含むことを特徴としており、通常はDNAである本発明核酸と、本発明核酸が導入される自体公知の基本ベクター(プラスミド、ファージ、ウイルス等)からなり、宿主細胞中で本発明酵素又は本発明ポリペプチドを発現しうるように構築されている。
【0029】
上記本発明発現ベクターとして利用する基本ベクターは使用する宿主細胞に合わせて当業者であれば適宜選択することができ、選択した基本ベクターに上記本発明核酸を常法により連結して本発明発現ベクターを構築することができる。
【0030】
また、本発明発現ベクターを発現させて本発明酵素や本発明ポリペプチドを得る際に、その分泌、単離、精製、分析が容易となるように、本発明酵素や本発明ポリペプチドを識別ペプチドとの融合タンパク質として発現しうるよう構築していてもよい。
【0031】
この場合においては、本発明酵素及び本発明ポリペプチドと識別ペプチドとの配置は、識別ペプチドが本発明酵素及び本発明ポリペプチドのC末端側に結合していても或いはN末端側に結合していても良い。また、このような結合は、何ら生理活性を有しないアミノ酸配列(2〜10個程度のアミノ酸からなるペプチド)からなるスペーサーを介してなされていても、本発明酵素及び本発明ポリペプチドが硫酸基供与体から硫酸基受容体であるグリコサミノグリカンに対して硫酸基を転移する活性を有する限りにおいて制限はされない。
【0032】
識別ペプチドは、例えばシグナルペプチド(多くのタンパク質のN末端に存在し、タンパク質の選別のために細胞内で機能している15〜30アミノ酸残基からなるペプチド:例えばOmpA、OmpT、Dsb等)、プロテインキナーゼA、プロテインA(黄色ブドウ球菌細胞壁の構成成分で分子量約42,000のタンパク質)、グルタチオンS転移酵素、Hisタグ(ヒスチジン残基を6〜10個並べて配した配列)、mycタグ(cMycタンパク質由来の13アミノ酸配列)、FLAGペプチド(8アミノ酸配列からなる分析用マーカー)、T7タグ(gene10タンパク質の最初の11アミノ酸配列)、Sタグ(膵臓RNaseA由来の15アミノ酸配列)、HSVタグ、pelB(大腸菌外膜タンパク質pelBの22アミノ酸配列)、HAタグ(ヘマグルチニン由来の10アミノ酸配列)、Trxタグ(チオレドキシン配列)、CBPタグ(カルモジュリン結合ペプチド)、CBDタグ(セルロース結合ドメイン)、CBRタグ(コラーゲン結合ドメイン)、β-lac/blu(βラクタマーゼ)、β-gal(βガラクトシダーゼ)、luc(ルシフェラーゼ)、HP-Thio(His-patchチオレドキシン)、HSP(熱ショックペプチド)、Lnγ(ラミニンγペプチド)、Fn(フィブロネクチン部分ペプチド)、GFP(緑色蛍光ペプチド)、YFP(黄色蛍光ペプチド)、CFP(シアン蛍光ペプチド)、BFP(青色蛍光ペプチド)、DsRed、DsRed2(赤色蛍光ペプチド)、MBP(マルトース結合ペプチド)、LacZ(ラクトースオペレーター)、IgG(免疫グロブリンG)、アビジン、プロテインGからなる群から選択されるいずれかのペプチドを指称し、何れの識別ペプチドであっても使用することが可能である。その中でも特にシグナルペプチド、プロテインキナーゼA、プロテインA、グルタチオンS転移酵素、Hisタグ、mycタグ、FLAGペプチド、T7タグ、Sタグ、HSVタグ、pelB又はHAタグが、遺伝子工学的手法による本発明酵素及び本発明ポリペプチドの発現、分泌、単離、精製、分析がより容易となることから好ましい。
【0033】
本発明発現ベクターを移入すべき宿主細胞としては原核細胞(例えば大腸菌など)であっても真核細胞(例えば酵母、昆虫細胞、ほ乳類細胞など)であっても使用することは可能である。特に原核細胞を宿主細胞として使用した場合には、本発明核酸が発現すると糖鎖の付加などがなされないため、糖鎖の付加されていない本発明ポリペプチドを得ることができる。しかし、本発明酵素又は本発明ポリペプチドは真核生物において通常に発現している酵素又はポリペプチドであるため、宿主細胞としては真核細胞が好ましく、好適には昆虫細胞(本発明酵素又は本発明ポリペプチドの大量合成の面で優れる)又はほ乳類動物細胞(本発明酵素本来の発現がなされている細胞である面で優れる)が例示される。
【0034】
本発明組換体は、このような宿主細胞に、それに適合した基本ベクターを使用して構築した本発明ベクターを常法により導入した細胞である。
【0035】
(3)本発明酵素等製造方法
本発明酵素等製造方法は、本発明組換体を生育させ、得られた生育物から本発明ポリペプチド又は本発明酵素を採取することを特徴とする本発明ポリペプチド又は本発明酵素の製造方法である。
【0036】
本発明組換体を生育させる方法は、組換体に用いた宿主細胞に適した方法を当業者であれば適宜選択して行うことができる。ここで生育とは、組換体を生体外の例えば培養装置又は培養器具などを用いて培養させることの他に、宿主細胞を生体に投与し、その生体内で増殖させることも含む概念である。
【0037】
本発明酵素等製造方法における生育物とは、細胞を生体外で培養して得られた培地、培養された組換体そのものの他、生体内で組換体を育成させた際に得られる生体の排泄物、分泌物、体液、組織なども含まれる。
【0038】
生育物からの本発明ポリペプチド/本発明酵素の採取は例えばゲル濾過やHPLCなどの分子量の相違による分離手段、本発明ポリペプチド/本発明酵素の示す酵素反応における硫酸基供与体(PAPSなど)を固相化したアフィニティーカラムなどの分離手段の他、本発明ポリペプチド/本発明酵素を識別ペプチドとの融合タンパク質として発現した場合においては、識別ペプチドを特異的に吸着する手段により本発明ポリペプチド/本発明酵素を分離することが可能である。例えば識別ペプチドとしてFLAGペプチドを用いた場合には、抗FLAG抗体を固相化したアフィニティーカラムを用いることで、容易に本発明ポリペプチド/本発明酵素をFLAGペプチドとの融合タンパク質として得ることが可能である。
【0039】
(4)本発明酵素剤
本発明酵素剤は「本発明酵素又は本発明ポリペプチドを含むことを特徴とする、下記式1記載の構造を含むグリコサミノグリカンの合成のための酵素剤」である。
【0040】
【化8】
Figure 0004288327
【0041】
上記本発明酵素剤における「本発明ポリペプチド」及び「本発明酵素」は、それぞれ「硫酸基供与体から硫酸基受容体であるグリコサミノグリカンに硫酸基を転移して、上記式1記載の構造を含むグリコサミノグリカンを生成する活性(硫酸基転移酵素活性)を有する酵素のポリペプチド」及び該ポリペプチドを含む「酵素」であり、本発明酵素剤の活性成分として含まれる。
また、本発明酵素剤による酵素反応における「硫酸基供与体」としては、「硫酸基受容体であるグリコサミノグリカンに対して硫酸基を転移することが可能な物質」であれば特に限定はされないが、一般的に生体内で本発明酵素の硫酸基供与体として働いていることが知られているPAPSが好ましい。
【0042】
なお、「本発明酵素剤」は、活性成分の他に、例えば本発明酵素又は本発明ポリペプチドを保持する担体(セルロースゲル、アガロースゲル、シリカゲル、ガラスビーズ等)やこれらを安定化したり、製剤化するための安定化剤、賦形剤や、他のポリペプチド(例えば遺伝子工学的に「本発明ポリペプチド」を合成する場合に「本発明ポリペプチド」との融合タンパク質を形成するための識別ペプチド等)或いは糖鎖(例えば遺伝子工学的に「本発明酵素」又は「本発明ポリペプチド」を合成する場合に宿主として真核生物由来の細胞を用いると、本発明ポリペプチドに糖鎖が付加されることがある)を含んでいても、本発明ポリペプチド又は本発明酵素が有する硫酸基転移酵素活性を妨げない限りにおいて支障はない。
【0043】
このような本発明酵素剤は、グリコサミノグリカンに、「硫酸基供与体」から硫酸基を転移して下記式1記載の構造を含むグリコサミノグリカンの製造方法(本発明糖鎖製造方法)に使用することができる。
【0044】
【化9】
Figure 0004288327
【0045】
(5)本発明糖鎖製造方法
本発明糖鎖製造方法によって得られるグリコサミノグリカンは、「基本骨格中に前記式1で示される二糖を含むことを特徴とする、グリコサミノグリカン」である。
【0046】
前記式1は、より具体的には下記式3及び4記載の二糖であり、何れかの二糖が「本発明糖鎖製造方法による生産物」一分子につき1以上、好ましくは3以上、最も好ましくは5以上含まれている。
【0047】
【化10】
Figure 0004288327
【0048】
【化11】
Figure 0004288327
【0049】
「本発明糖鎖製造方法による生産物」は、グリコサミノグリカン、好ましくはヘパリン又はヘパラン硫酸に前記「本発明酵素剤」を触媒として作用させて生産される。したがって、その重量平均分子量は原料として使用したグリコサミノグリカン、ヘパリン及びヘパラン硫酸に近い重量平均分子量である。たとえばヘパリン又はヘパラン硫酸に本発明製造方法に用いた場合、ゲル濾過によって測定した「本発明糖鎖製造方法による生産物」の重量平均分子量は、3000乃至30000Da、好ましくは4000乃至27000Da、最も好ましくは5000乃至25000Daである。
【0050】
【実施例】
以下に、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。
1.遺伝子データベースの検索と本発明核酸の塩基配列決定
既知のヒト由来のヘパラン硫酸3-O-スルホトランスフェラーゼ(HS3OST)遺伝子を用いて、遺伝子データベースから類似遺伝子の検索をおこなった。用いた配列はHS3OST遺伝子の配列番号:AF019386である。なお、検索は、Blast[Altschul et al., J. Mol. Biol., 215, 402-410(1990)]を用いた。
【0051】
その結果、ゲノム配列GeneBank Accession No.AL355498の中に類似した配列が見いだされ、HS3OST遺伝子に相同性を有する新規遺伝子が同定された。遺伝子解析プログラム(GENSCAN: Stanford University製)によってこの新規遺伝子は2つのエクソンによってコードされていることが予測された。
【0052】
(1)本発明ポリペプチドのコード領域の確認
Human Kidney Marathon-Ready cDNA(CLONTECH社製)を用い、付属のAP1プライマーと(cDNA断片の両側にAP1、AP2のアダプターがついている)、第2エクソンの5'末端付近の配列部分に設定したプライマー(GP-226:配列番号6)でPCR(94℃5秒、68℃4分を35サイクル)をおこなった。さらにMarathon cDNA付属のAP2プライマーと配列部分に設定したプライマー(GP-224:配列番号7)でnested PCR(94℃5秒、68℃4分を40サイクル)をおこなった。その結果得られたPCR産物をアガロースゲル電気泳動に供し、約450bのバンドをGel Extraction Kit(QIAGEN社製)を用いて回収した。得られたDNA断片の塩基配列を常法により解析した結果、第1エクソンの配列(N-末端の36アミノ酸がコードされていた)に続き第2エクソンの配列が確認された。これは遺伝子解析プログラムによって予測されたものと同じであった。従って、本発明ポリペプチドのコード領域は第1エクソンと第2エクソンを結合した配列番号1に示す配列であることが確認された。
【0053】
(2)第2エクソンのクローニング
上記の結果から第1エクソンにコードされているのはN-末端の36アミノ酸だけである。第2エクソンが本発明ポリペプチドの大部分をコードしており、活性領域を含む酵素の主要部分は第2エクソン中に含まれていることが予測された(第2エクソンにコードされた本発明ポリペプチドを便宜的にSFT-1と記載する)。そこで遺伝子DNAを鋳型として第2エクソン部分のクローニングをおこなった。
【0054】
Human Genomic DNA(CLONTECH社製)を鋳型として第2エクソンを含む領域のPCR(94℃15秒、50℃30秒、68℃1分を35サイクル)をおこなった。使用したプライマーは第2エクソンの上流部分(SFTex2F:配列番号8)と停止コドンの下流部分(SFTex2R:配列番号9)のゲノム配列に設定した。得られた約1kbの断片を常法により精製し、塩基配列を解析した結果、第2エクソンの配列を得られていることが確認された。
【0055】
2.SFT-1遺伝子の発現ベクターへの組込み
遺伝子の発現系を作製するため、まず上記で得られた第2エクソンのDNAをインビトロジェン社製のGatewayシステムの発現ベクターpDONR201に組込み、さらにインビトロジェン社製のBac-to-BacシステムによるBacmidを作製した。以下詳細に説明する。
【0056】
(1)新規硫酸基転移酵素のエントリークローンの作製
上記で第2エクソンを増幅して得られたPCR産物を鋳型として、再度PCR(94℃15秒、68℃3分を30サイクル)をおこないGatewayシステム用のDNA断片を得た。使用したプライマーは第2エクソンの5'末端近くの配列と停止コドン付近の配列にGatewayシステム用の配列を付加した5'プライマー(SFTgateF2:配列番号10)および3'プライマー(SFTgateRstop:配列番号11)である。常法により精製したDNA断片を用い、BPクロナーゼ反応によってpDONR201へ組み込み、エントリークローンを作製した。反応は目的とするDAN断片1μl、pDONR201を1μl(150ng)、反応緩衝液2μl、トリス-エチレンジアミン四酢酸(EDTA)緩衝液(以下「TE」とも略記する) 4μl、BPクロナーゼミックス2μlを25℃で1時間インキュベートして行った。プロテイナーゼKを1μl加えて37℃で10分保って反応を停止させた。
【0057】
その後上記反応液5μlをコンピテントセル(大腸菌DH5α)100μlと混合し、ヒートショック法による形質転換の後、カナマイシンを含むLBプレートにまいた。翌日コロニーをとり、カナマイシンを含むLB培地3mlで培養した後、QIAprep Spin Miniprep Kit(キアゲン社製)によりプラスミドを抽出精製した。得られたプラスミドの一部を使って常法により塩基配列を測定し、目的とするDNAが組み込まれていることを確認した。
【0058】
(2)発現クローンの作製
上記エントリークローンは挿入部位の両側にλファージが大腸菌から切り出される際の組換部位であるattLを持つもので、LRクロナーゼ(λファージの組換酵素Int、IHF、Xisを混合したもの)とデステイネーションベクターとを混合することで、挿入部位がデステイネーションベクターに移り、発現クローンが作製される。具体的工程は以下の通りである。
【0059】
まずエントリークローン1μl、pFBIFを0.5μl(75ng)、LR反応緩衝液2μl、TE 4.5μl、LRクロナーゼミックス2μlを25℃で1時間反応させ、プロテイナーゼKを1μl加えて37℃で10分間インキュベートして反応を終了させた(この組換反応でpFBIF-SFT-1が精製される)。pFBIFはpFastBac1にIgκシグナル配列(配列番号12)及びFLAGペプチド(配列番号13)を挿入したもので、OT3(配列番号14)を鋳型とし、プライマーOT20(配列番号15)とOT21(配列番号16)によって得られたDNA断片を上記と同様にBamHIとEcoRI部位に挿入し、Gateway配列を挿入するため、Gateway Vector Conversion System(インビトロジェン社製)を用いてConversion cassetteを挿入した。Igκシグナル配列は発現タンパク質を分泌型にするため、FLAGタグは生成を容易とするために挿入した。
【0060】
その後上記反応液5μlをコンピテントセル(大腸菌DH5α)50μlと混合し、ヒートショック法による形質転換の後、アンピシリンを含むLBプレートにまいた。翌日コロニーをとり、アンピシリンを含むLB培地5mlで培養した後、QIAprep Spin Miniprep Kit(キアゲン社製)によりプラスミド(pFBIF-SFT-1)を抽出精製した。得られたプラスミドの一部を使って常法により塩基配列を測定し、目的とするDNAが組み込まれていることを確認した。
【0061】
(3)Bac-to-BacシステムによるBacmidの作製
続いてBac-to-Bacシステム(インビトロジェン社製)を用いて上記pFBIF-SFT-1とpFastBacとの間で組換を行い、昆虫細胞中で増殖可能なBacmidにSFT-1の配列を挿入した。このシステムはTn7の組換部位を利用して、Bacmidを含む大腸菌(E. coli DH10BAC)に目的遺伝子を挿入させたpFastBacを導入するだけで、ヘルパープラスミドから産生される組換タンパク質によって目的とする遺伝子がBacmidへ取り込まれるシステムである。またBacmidにはlacZ遺伝子が含まれており、古典的なコロニーの色(青(挿入なし)−白(挿入あり))による選択が可能である。
【0062】
すなわち、上記精製ベクター(pFBIF-SFT-1)をコンピテントセル(大腸菌DH10BAC)50μlと混合し、ヒートショック法による形質転換の後、カナマイシン、ゲンタマイシン、テトラサイクリン、5-ブロモインドリルβ-D-ガラクトピラノシド(Bluo-gal)、及びイソプロピルβ-D-チオガラクトピラノシド(IPTG)を含むLBプレートにまき翌日白い単独コロニーをさらに培養し、Bacmidを回収した。
【0063】
3.Bacmidの昆虫細胞への導入とSFT-1の回収
上記白いコロニーから得られたBacmidを昆虫細胞Sf21(インビトロジェン社製)に導入した。すなわち35mmのシャーレにSf21細胞が9×105個/2mlの抗生物質を含むSf-900IISFM(インビトロジェン社製)となるように添加し、27℃で1時間培養して細胞を接着させた。溶液Aとして精製したBacmid DNA5μlに抗生物質を含まないSf-900IISFMを100μl加えた。溶液BとしてCellFECTIN溶液(インビトロジェン社製)6μlに抗生物質を含まないSf-900IISFM 100μlを加えた。その後、溶液A及び溶液Bを丁寧に混合して15〜45分間、室温でインキュベートした。細胞が接着したことを確認して、培養液を吸引して抗生物質を含まないSf-900IISFMを2ml添加した。溶液Aと溶液Bとを混合して作製した溶液(lipid-DNA complexes)に抗生物質を含まないSf900IISFM 800μlを加えて丁寧に混和した。細胞から培養液を吸引し、希釈したlipid-DNA complexes溶液を細胞に加え、27℃で5時間インキュベーションした。その後、トランスフェクション混合物を除き、抗生物質を含むSf-900IISFM培養液2mlを加えて72時間後にピペッティングにより細胞を剥がし、細胞と培養液を回収した。これを1,200×gで10分間遠心処理し、上清を別のチューブに保存した(これを一次ウイルス液とした)。
【0064】
T75培養フラスコにSf21細胞6×106個/15ml Sf-900IISFM(インビトロジェン社製)(抗生物質を含む)を入れ、一次ウイルス液を1ml添加し、27℃で96時間培養した。培養後、ピペッティングにより細胞を剥がし、細胞と培養液を回収した。これを1,200×gで10分間遠心処理し、上清をチューブに保存した(これを二次ウイルス液とした)。
【0065】
さらに、T75培養フラスコにSf21細胞6×106個/15ml Sf-900IISFM(インビトロジェン社製)(抗生物質を含む)を入れ、二次ウイルス液を1ml添加し、27℃で72時間培養した。培養後、ピペッティングにより細胞を剥がし、細胞と培養液を回収した。これを1,200×gで10分間遠心処理し、上清をチューブに保存した(これを三次ウイルス液とした)。
【0066】
加えて、100ml用スピナーフラスコにSf21細胞6×105個/ml濃度で100mlを入れ、三次ウイルス液を1ml添加して27℃で約96時間培養した。培養後に、細胞及び培養液を回収した。これを1,200×gで10分間遠心処理し、上清を回収した。
【0067】
この培養上清10mlにアジ化ナトリウム、塩化ナトリウムおよび塩化カルシウムを加え、終濃度をアジ化ナトリウムを0.05%、塩化ナトリウムを150mmol/l、塩化カルシウムを2mmol/lとした。抗FLAG抗体ゲル(Anti-Flag M1 monoclonal antibody Agarose Affinity Gel, SIGMA社製)50μlを加えて12時間静かに撹拌した。遠心分離(1,000×g、3分、4℃)して上清を除去した後、1mmol/lの塩化カルシウムを含むトリス緩衝生理的食塩水(TBS)で3回洗浄した。これを遠心分離(1,000×g、3分、4℃)して余分な洗浄液を除きSFT-1-FLAG融合タンパク質を得、活性測定用の本発明酵素剤とした。
【0068】
4.SFT-1-FLAGの確認と酵素活性の測定
(1)SFT-1の確認
上記で精製した融合タンパク質(SFT-1-FLAG)を結合したゲル5μlを使い、ペルオキシダーゼ標識抗FLAG抗体(Anti-FLAG M2 Peroxydase, SIGMA社製)を用いて常法に従ってウエスタンブロッティングをおこなった(図1)。その結果、培養上清中に発現しているFLAGタンパク質と新規硫酸基転移酵素との融合タンパク質が回収精製されていることが確認された。
【0069】
(2)本発明酵素剤のヘパラン硫酸およびヘパリンへの硫酸転移活性測定
75μg/mlのプロタミン塩酸を含む50mmol/lのイミダゾール塩酸緩衝液(pH6.8)に、培養上清から精製した融合タンパク質(SFT-1-FLAG)を添加し、硫酸供与体として[35S]-PAPS(5x105 cpm, NEN社製)、硫酸受容体としてヘパラン硫酸(ウシ腎臓由来:生化学工業株式会社製)及びヘパリン(ブタ腸由来:SIGMA社製)(ヘキソサミン量に換算して500μmol/l)を添加して、全量を50μlとなるように蒸留水で調整した。この反応液を37℃で20分反応させ、その後、100℃で3分加熱して酵素を失活させて反応を停止した。1.3%酢酸カリウムと0.5mmol/l EDTAを含むエタノールを130μl加えて撹拌した後、遠心分離して得られた沈殿を蒸留水50μlに溶解した。再度エタノール沈殿を行い、水50μlに溶解した後、ポアサイズ0.22μmのマイクロフィルター(ミリポア社製)で濾過した後、HPLCで分離した。カラムはG2500PW(東ソー株式会社製)を使用し、移動相は0.2mol/lの塩化ナトリウム、流速0.6ml/分、カラム温度35℃で分離を行った。カラムからの溶出液を0.3ml毎の画分として回収し、各画分の放射能をシンチレーションカウンターにより計数した(図2)。その結果、溶出時間約12分の位置に放射能のピークが検出された。この溶出時間は硫酸受容体であるヘパラン硫酸またはヘパリンの溶出時間と一致することから、これら2種類の受容体に対して硫酸基を転移する活性を示すことが確認された。
【0070】
また、コンドロイチン硫酸D(サメ軟骨由来:生化学工業株式会社製)、コンドロイチン(牛気管由来コンドロイチン硫酸をJ. Am. Chem. Soc. 79, 152-153(1957)記載の方法に従って完全脱硫酸化して調製した)、デルマタン硫酸(ブタ皮由来:生化学工業株式会社製)、及び脱硫酸化デルマタン硫酸(ニワトリ鶏冠由来デルマタン硫酸をJ. Am. Chem. Soc. 79, 152-153(1957)記載の方法に従って完全脱硫酸化して調製した)を硫酸受容体とし、上記活性測定法と同じ条件で硫酸転移活性を測定した結果、これら受容体に対して硫酸基転移酵素活性は観察されなかった(図3)。したがってSFT-1はヘパラン硫酸およびヘパリンに対して特異的活性を持つことが示唆された。
【0071】
5.本発明酵素剤によるヘパリンの修飾
本発明酵素剤を用いてヘパリンの硫酸化反応を行なった。反応溶液は50mMイミダゾール塩酸緩衝液(pH6.8)150μl中に、プロタミン塩酸 11μg、ヘパリン(シグマ社製)0.3mg、[35S]-PAPS(2.3×107 dpm:パーキンエルマー社製)および本発明酵素剤1(20μl)を含む。37℃で3時間インキュベートした後、70%エタノール沈殿を2回行なってヘパリンを回収した。室温に放置してエタノールを蒸発させ、ヘパリン分解酵素反応用緩衝液30μl(20mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH7.0:2mM酢酸カルシウムを含む))に溶解した後、ヘパリン分解酵素(ヘパリナーゼ150mU(生化学工業株式会社製)、ヘパリチナーゼI 90mU(生化学工業株式会社製)及びヘパリチナーゼII 60mU(生化学工業株式会社製):これらの酵素はヘパリン骨格中のGlcNとウロン酸(HexA)とのβ1,4グリコシド結合部分(GlcNβ1,4HexA)を加水分解して、不飽和ウロン酸(ΔHexA)とGlcNが1,4グリコシド結合した不飽和二糖(ΔHexA1,4GlcN)を生ずる)を加えて37℃で2時間インキュベートした。その後、100℃で1分間加熱して反応を停止し、ポアサイズ0.22μmのフィルター(ミリポア社製)でろ過した後、HPLCで分離した。使用したカラムはCarboPac PA1(4×250mm:ダイオネクス社製)、CarboPac PA1ガードカラム(ダイオネクス社製)、流速 0.8ml/min、カラム温度40℃の条件下で、0-5-8-15-20-28-40分の溶出時間に対して1-6-19-38-70-76-76%の3mol/lリチウム塩酸で濃度勾配により溶出した。溶出液を0.2mlずつ分取し、そのうち10μlをシンチレーションカウンターで分析して放射能の溶出位置を確認した(図4)。その結果、保持時間30分に強い放射能を有するピークが現れた。
【0072】
そこで保持時間30分に現れたピークを回収し、セルロファインG25sfカラム(1×24cm:生化学工業株式会社販売)で脱塩した。脱塩した試料を凍結乾燥器で0.1mlに濃縮して「濃縮試料」とした。「濃縮試料」の2μlをΔ4,5-グルクロン酸-2-スルファターゼ(不飽和ウロン酸残基の2位硫酸エステルを特異的に加水分解して脱硫酸化する酵素:Eur. J. Biochem, 145(1984), 607-615の方法に従って精製した)で消化した。反応溶液は20mmol/l酢酸ナトリウム緩衝液(pH6.5:0.15%ウシ血清アルブミン、ヘパリン二脱硫酸化酵素4.1mUを含む)5mlを使用した。37℃で2時間反応させた後、100℃で1分間加熱して反応を停止した。蒸留水18μlを加えてポアサイズ0.22μmのフィルター(ミリポア社製)でろ過し、上記と同じ条件でHPLCで分離した(図5)。その結果、ヘパリン二脱硫酸化酵素で消化していない対照では、保持時間約30.5分にピークが認められた(図5A)が、Δ4,5-グルクロン酸-2-スルファターゼで処理した濃縮試料で、ピークの保持時間が約22分に移動していた(図5B)。すなわち、不飽和ウロン酸の2位硫酸基を特異的に脱硫酸化する酵素で処理してピークの移動が観察されたことから、濃縮試料に含まれる不飽和二糖には下記式5のΔHexA(2S)構造が含まれることが確認された。
【0073】
【化12】
Figure 0004288327
【0074】
次に、上記「濃縮試料」のうち2μlを70mM酢酸水銀(pH5.0)2μlと混合して室温で10分間放置することにより不飽和ウロン酸を除去し(この反応により不飽和二糖中の不飽和ウロン酸のみが特異的に分解される:Biochem. J., 245(1987), 795-804)、1mol/l炭酸ナトリウム緩衝液(pH9.0)2μl及び0.5mol/lテトラヒドロほう酸ナトリウム(0.1mol/l水酸化ナトリウム溶液)2μlを加え、50℃で30分インキュベートして還元反応を行なった後、上記と同じ条件でHPLCで分離を行なった(図6)。不飽和ウロン酸を分解した後の「濃縮試料」の溶出パターン(図6A)と、[3H]テトラヒドロほう酸ナトリウムによる還元反応でラベルした標準品(GlcN(NS,3S):14分近辺のピーク1、GlcN(NS,3S,6S):22〜23分近辺のピーク2)の溶出パターン(図6B)とを対比すると、試料の保持時間はGlcN(NS,3S,6S)のもの(ピーク2)と一致していた。このことから、不飽和ウロン酸を分解した後の「濃縮試料」は2位アミノ基、3位ヒドロキシル基、及び6位ヒドロキシル基が硫酸化されているGlcNであることが明かとなった。
【0075】
図5及び図6の結果から、濃縮試料に含まれていた不飽和二糖は下記式6に示す不飽和二糖(ΔHexA(2S)- GlcN(NS,3S,6S))であったことが確認され、ヘパリン分解酵素で分解をする前のグリコサミノグリカンには、上記式1で示される構造が含まれていたことが示された。
【0076】
【化13】
Figure 0004288327
【0077】
上記と同様の硫酸化反応条件によって本発明酵素剤でヘパラン硫酸(シグマ社製)を硫酸化し、上記同様にヘパリン分解酵素で消化した試料をHPLCで分離したところ、ヘパリンに比べて生成量は少ないが、保持時間約30.5分にピークが検出された(図7矢印で示したピーク)。これはヘパリンで確認されたΔHexA(2S)- GlcN(NS,3S,6S)と同じ保持時間であることから、ヘパラン硫酸を硫酸基受容体にした場合にも上記式1で示される構造を含むグリコサミノグリカンが生成していたことが明かとなった。
【発明の効果】
本発明により、ヘパラン硫酸に硫酸基を選択的に転移する新規なヘパラン硫酸硫酸基転移酵素のポリペプチドをコードする塩基配列を有する核酸が得られる。また更に該核酸から発現されるポリペプチドが得られる。
【0078】
本発明により、新規なヘパラン硫酸硫酸基転移酵素のポリペプチドをコードする塩基配列を有する核酸が得られたので、該酵素を工業的に使用可能な程度まで大量生産できることが期待される。また、該酵素の有する酵素活性により、新たな構造を有するグリコサミノグリカンが提供される。
【配列表】
Figure 0004288327
Figure 0004288327
Figure 0004288327
Figure 0004288327
Figure 0004288327
Figure 0004288327
Figure 0004288327
Figure 0004288327
Figure 0004288327
Figure 0004288327
Figure 0004288327
Figure 0004288327
【0079】
【図面の簡単な説明】
【図1】 精製したSFT-1-FLAGをウエスタンブロッティングにより解析した図である。
【図2】 ヘパラン硫酸及びヘパリンに対する硫酸基転移活性を示す図である。丸はヘパラン硫酸に対する硫酸基転移活性を示し、四角はヘパリンに対する硫酸基転移活性を示す。
【図3】 コンドロイチン硫酸D、コンドロイチン、デルマタン硫酸、及びデルマタンへの硫酸基転移活性を示す図である。白丸はコンドロイチン硫酸D、黒四角はコンドロイチン、黒丸はデルマタン硫酸を、白四角はデルマタンに対する硫酸基転移活性を示す。
【図4】 ヘパリンに対して、本発明酵素剤により、放射能で標識した硫酸基を転移して得られたグリコサミノグリカンを、ヘパリン分解酵素で分解して得た分解物を高速液体クロマトグラフィーで分画した際の、各画分における放射能分布を示す図。縦軸は35Sの放射能(dpm×10-3)を示し、横軸は保持時間(分)を示す。
【図5】 「濃縮試料」をヘパリン二脱硫酸化酵素で消化した産物を再度、高速液体クロマトグラフィーで分画した際の、各画分における放射能分布を示す図である(B)。Aはヘパリンに脱硫酸化酵素で処理していない対照を示す。縦軸は35Sの放射能(dpm×10-3)を示し、横軸は保持時間(分)を示す。
【図6】 「濃縮試料」の不飽和ウロン酸のみを特異的に分解した試料を、高速液体クロマトグラフィーで分画した際の、各画分における放射能分布を示す図である(A)。Bは放射能で標識した標準品を同様に高速液体クロマトグラフィーで分画した際の、各画分における放射能分布を示す図である。縦軸は35S又は3Hの放射能(dpm×10-3)を示し、横軸は保持時間(分)を示す。
【図7】 本発明酵素剤1で「放射能で標識した硫酸基」を転移したヘパラン硫酸を分解して得られる不飽和二糖を、高速液体クロマトグラフィーで分画した際の、各画分における放射能分布を示す図である。縦軸は35Sの放射能(dpm×10-3)を示し、横軸は保持時間(分)を示す。

Claims (9)

  1. 下記(1)に記載のポリペプチド又は下記(2)に記載の硫酸基転移酵素を含むことを特徴とする、下記式1記載の構造を含むグリコサミノグリカンの合成のための酵素剤;
    (1)配列番号2記載のアミノ酸配列におけるアミノ酸番号37〜346を含むポリペプチド、又は該ポリペプチドのアミノ酸配列において1又は複数のアミノ酸の置換、欠失、挿入若しくは転移を有するアミノ酸配列を含むとともに硫酸基供与体から硫酸基受容体であるグリコサミノグリカンに対して硫酸基を転移する活性を有する硫酸基転移酵素のポリペプチド、
    (2)上記(1)記載のポリペプチドを含むとともに、硫酸基供与体から硫酸基受容体であるグリコサミノグリカンに対して硫酸基を転移する活性を有する硫酸基転移酵素。
    Figure 0004288327
  2. ポリペプチドが配列番号2記載のアミノ酸配列からなることを特徴とする請求項1記載の酵素剤。
  3. ポリペプチドが配列番号2記載のアミノ酸配列におけるアミノ酸番号37〜346からなることを特徴とする請求項1記載の酵素剤。
  4. グリコサミノグリカンがヘパリン又はヘパラン硫酸であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の酵素剤。
  5. グリコサミノグリカンに、請求項1〜4のいずれかに記載の酵素剤を作用させて、硫酸基供与体から硫酸基受容体に硫酸基を転移することを特徴とする下記式1記載の構造を含むグリコサミノグリカンの製造方法。
    Figure 0004288327
  6. 下記(1)に記載のポリペプチド又は下記(2)に記載の硫酸基転移酵素の、下記式1記載の構造を含むグリコサミノグリカンの合成のための使用;
    (1)配列番号2記載のアミノ酸配列におけるアミノ酸番号37〜346を含むポリペプチド、又は該ポリペプチドのアミノ酸配列において1又は複数のアミノ酸の置換、欠失、挿入若しくは転移を有するアミノ酸配列を含むとともに硫酸基供与体から硫酸基受容体であるグリコサミノグリカンに対して硫酸基を転移する活性を有する硫酸基転移酵素のポリペプチド、
    (2)上記(1)記載のポリペプチドを含むとともに、硫酸基供与体から硫酸基受容体であるグリコサミノグリカンに対して硫酸基を転移する活性を有する硫酸基転移酵素。
    Figure 0004288327
  7. ポリペプチドが配列番号2記載のアミノ酸配列からなることを特徴とする請求項6記載の使用。
  8. ポリペプチドが配列番号2記載のアミノ酸配列におけるアミノ酸番号37〜346からなることを特徴とする請求項6記載の使用。
  9. グリコサミノグリカンがヘパリン又はヘパラン硫酸であることを特徴とする請求項6〜8のいずれか一項記載の使用。
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