JP2003198086A - 回路基板及び積層回路基板並びにそれらの製造方法 - Google Patents

回路基板及び積層回路基板並びにそれらの製造方法

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Satoru Nakao
知 中尾
Reiji Higuchi
令史 樋口
Shoji Ito
彰二 伊藤
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Fujikura Ltd
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Fujikura Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 絶縁性基板の表裏両面に導電回路を設け、該
に絶縁性基板に設けた貫通孔を介して導電ペーストによ
り導電回路を接続してなる回路基板であって、熱膨張等
による応力が加わっても基板と導電ペーストとの剥離や
導電回路の破断を起こさない回路基板を提供する。 【解決手段】 絶縁性基板に設けた貫通孔の内壁面を微
細な凹凸面を有する粗面とし、絶縁性基板と導電ペース
トとの接合を強固なものとすると共に、発生する熱歪み
を分散させるようにする。粗面化には高濃度アルカリ液
によるエッチングが利用できる。この回路基板を多数枚
積層すれば、実装密度が高く品質の安定した信頼性の高
い多層積層基板が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子部品を実装す
る回路基板またはパッケージ基板に関し、特に表面実装
密度を向上させるため2層以上の導電回路を有する回路
基板の構造およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、電子機器の軽薄短小化、半導
体チップや部品の小型化および端子の狭ピッチ化に連動
して、プリント回路基板にも実装面積の縮小や配線の精
細化が進んでいる。同時に情報関連機器では信号周波数
の広帯域化に対応して、部品間を連結する配線の短距離
化が求められており、高密度、高性能を達成するための
回路基板の多層化は必要不可欠の技術となっている。こ
の多層回路基板では、従来の平面回路にはなかった層間
を電気的に接続する回路形成がキーテクノロジーとなっ
てきている。多層回路基板の第一ステップである両面配
線基板は、絶縁基材に貫通孔をあけ、孔の壁面に沿って
導体をめっきして表裏の配線を接続している。例えば、
ビルドアップ多層基板においても回路層間の絶縁層の一
部をレーザ等で除去し、めっきで接続する方法を用いて
いる(福田著:「はじめてのエレクトロニクス実装技
術」工業調査会 p.7参照)。めっきを用いた回路配
線の接続は、微細な回路を低く安定した接続抵抗で連結
できる利点を持つが、工程が複雑で工数も多いためコス
トが高くなり、多層基板の用途を制限する要因となって
いた。
【0003】近年、めっきに変わる安価な層間接続方法
として導電ペースト(導電性樹脂)を用いた多層基板が
実用化され、多層基板の用途も急速に拡大し始めた(例
えば、白石ら:松下テクニカルジャーナル、Vol.45,N
o.4、p.401 (1999)あるいは福岡ら:電子材料、Vo
l.34,No.16、p.95 (1995)参照)。この技術では、
絶縁樹脂板を出発材料としてレーザを用いて貫通孔(ビ
アホール)を開口した後、印刷法によって導電ペースト
を貫通孔内に充填し、表裏接続回路としている。所望の
箇所に導電ペーストによる接続部が設けられた絶縁基材
を、銅箔で挟んで圧着することをくり返し、多層接続導
電回路を構成している。また、これ以外にも絶縁層とし
て感光性樹脂を用いて露光・現像を行うことにより貫通
孔を形成したり、ケミカルエッチング(町田:表面実装
技術 Vol.17 No.1 p.31(1997))あるいはドライ
エッチングによって樹脂を除去する方法も提案されてい
る。導電ペーストを用いた多層回路基板の製造方法は、
安価である反面、導電ペースト部分の電気抵抗が高く、
銅箔を使用した導電回路との接触抵抗が安定しない等の
いくつかの欠点もあるが、それらも徐々に克服されつつ
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、基板と
して使用する絶縁性の樹脂材料と貫通孔内に充填される
導電ペーストとの間に熱膨張差または吸湿膨張差が存在
するため、基板周囲の環境や素子の発熱に起因する温度
上昇・降下に伴って両者の境界面に歪みが発生して、導
電ペーストが剥離したり、貫通孔上下の回路に歪みを与
えて導電回路が切断されるなどの不良が発生するという
問題点があった。図20に従来の回路基板100の貫通
孔5部近傍の断面模式図を示す。絶縁性樹脂基板1の表
裏に形成された導電回路2および3を貫通孔5に充填さ
れた導電ペースト4で接続している。図21は温度また
は湿度が変化したとき、それぞれの材料の膨張率差に従
って貫通孔5が変形した様子を模式的に示している。図
21中の矢印Fは、絶縁性樹脂基板1の表面に垂直な方
向の膨張の程度を示している。絶縁性樹脂基板1および
導電ペースト4の境界面近傍Mには、膨張率の差によっ
て発生した歪が集中し、絶縁性樹脂基板1と導電ペース
ト4との界面5aが剥離したり、境界面上の導電回路2
a,3aが破断したりする事故が発生するという問題が
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の問題を解決するた
め本発明の回路基板は、ポリイミド系樹脂フィルム基板
に貫通孔を有し、該貫通孔内に導電ペーストが充填され
ており、該導電ペーストと前記ポリイミド系樹脂フィル
ム基板の表面に形成された導電回路とを電気的に接続し
た回路基板であって、該貫通孔の内面側壁が凹凸状の粗
面になっている回路基板とした。このような貫通孔内面
を粗らした構造の回路基板とすれば、貫通孔内面と導電
ペーストとの接着面積が増大するので接着力を高めるこ
とができるのに加え、異なる材料の膨張率の差による歪
みを分散させて隣接する導電回路の変形や破断を防ぐこ
とができるようになる。
【0006】本発明の回路基板では、前記導電回路を前
記ポリイミド系樹脂フィルム基板の両面に形成し、前記
導電ペーストを介して前記ポリイミド系樹脂フィルム基
板の両面に形成された導電回路を電気的に接続した回路
基板とすることができる。いわゆる両面導電回路基板と
すれば、実装密度を高めることができるからである。
【0007】また、前記導電回路として銅箔あるいは銅
のスパッタ膜を使用することができる。さらに、前記導
電ペーストとして、銀粒子もしくは銅粒子またはそれら
の混合粒子をエポキシ樹脂中に分散させたものを使用す
ることができる。これらの材料は回路基板製造用の材料
として重用され、低抵抗で安定した使い易い材料だから
である。
【0008】本発明の積層回路基板は、上述の貫通孔内
面を粗らした構造の回路基板を、少なくとも2枚以上の
複数枚積層して接合した積層回路基板とした。個々の回
路基板の貫通孔内面と導電ペーストとの接着面積が増大
するので、異なる材料の膨張率の差による歪みを分散さ
せて隣接する導電回路の変形や破断を防ぐことができる
ようになる。このような積層回路基板とすることによ
り、回路基板の実装密度を飛躍的に高めることが可能と
なる。
【0009】このように優れた回路基板の製造方法とし
て、本発明では少なくとも一方の面に導電体膜を具備し
たポリイミド系樹脂フィルム基板に貫通孔を形成し、該
ポリイミド系樹脂フィルム基板を強アルカリ性のエッチ
ャント中に浸漬し、前記貫通孔の内面側壁を凹凸状の粗
面に浸食させた後、前記貫通孔内に導電ペーストを充填
して、導電ペーストと導電体膜とを電気的に接続する方
法を採用した。この方法によれば、ポリイミド系樹脂フ
ィルム基板の貫通孔内面と導電ペーストとの接着面積が
増大するので、異なる材料の膨張率の差による歪みを分
散されて、導電回路の変形や破断のない回路基板を簡単
な方法で安価に製造することが可能となる。
【0010】あるいは本発明のもう一つの回路基板の製
造方法としては、一方の面に導電体膜を具備したポリイ
ミド系樹脂フィルム基板を使用して、この基板に貫通孔
を形成した後、該ポリイミド系樹脂フィルム基板を強ア
ルカリ性のエッチャント中に浸漬し、前記貫通孔の内面
側壁を凹凸状の粗面に浸食させた後、前記貫通孔内に導
電ペーストを充填して、導電ペーストと導電体膜とを電
気的に接続し、次いで該ポリイミド系樹脂フィルム基板
の他方の表面に前記導電ペーストを介して電気的に接続
した導電体を形成する回路基板の製造方法を採用した。
この方法によれば、ポリイミド系樹脂フィルム基板の片
面ごとに導電体を形成することができ、必要とする導電
回路に応じて導電体の形成工程を分割することができる
ので、生産能率を向上させることができる利点を有す
る。
【0011】また、本発明の積層回路基板の製造方法
は、上記の製造方法で得られた回路基板を、少なくとも
2枚以上積層して接合する、積層回路基板の製造方法を
採用した。この方法によれば、実装密度の高い多層に積
層した積層回路基板を簡単に得ることが可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下図面を使用して本発明をさら
に詳細に説明する。なお、以下の図においては構造を分
かり易く説明するため、縮尺は必ずしも正確ではない。 (第1の実施形態)図1は、本発明の回路基板の貫通孔
部分の一例を示す断面図である。図1に示すように、本
発明の回路基板10では、絶縁性樹脂基板1に設けた貫
通孔5の内壁5aが、規則的に数ミクロンの凹凸6を有
する粗面をなしている。貫通孔5の内壁5aを観察する
と図2のようになる。図2は貫通孔5の内壁5aを斜め
上方から電子顕微鏡で観察(加速電圧:3.0kV、倍
率:3000倍)した顕微鏡写真である。図2において
中央部の横縞を呈している部分が貫通孔の内壁面であ
る。そしてこの貫通孔5の内に導電ペースト4が充填さ
れている。従って絶縁性樹脂基板1と導電ペースト4と
の接触面積は大きく、強い接着力で接合されている。
【0013】図3は、表面に導電回路2,3を形成した
上記の回路基板10が、温度上昇した場合の変形状態を
模式的に示したものである。上述の通り本発明の回路基
板の場合には、絶縁性樹脂基板1と導電ペースト4とが
強力に接合されているので、接合面5aで絶縁性樹脂基
板11と導電ペースト4とが剥離したり、貫通孔5近傍
で導電回路2,3に亀裂が発生したり破断することはな
い。
【0014】本発明で使用する基材には、ポリイミド系
樹脂フィルムを使用する。ポリイミド系樹脂フィルムと
は、カプトンアピカル、ユーピレックス(いずれも商品
名)等に代表される非熱可塑性ポリイミド樹脂フィルム
材に加え、ビスマレイド樹脂やポリアミドイミド樹脂の
ような熱硬化型材料、またオーラム(商品名)等の熱可
塑性ポリイミド並びにこれらを組み合わせて積層した複
合材料を含むものである。絶縁性樹脂フィルムは電気絶
縁性に優れ、強度、特に曲げ強度に優れ、金属導電体と
の接合も容易だからである。ポリイミド系樹脂フィルム
の厚さは5〜50μm程度あればよい。また、導電ペー
ストは通用使用されている導電ペーストがすべて使用で
き、一例を挙げれば、直径1〜5μm程度の銀粒子もし
くは銅粒子またはそれらの混合粒子を、エポキシ樹脂を
主成分とする樹脂中に分散させ、適当な粘度に調整した
ものを貫通孔内に充填し、紫外線や赤外線を照射または
加熱処理することにより硬化させたものである。さら
に、導電回路としては銅や銀あるいは金といった導電性
の金属からなるものが使用できるが、中でも銅は比抵抗
ρがρ=1.55μΩ・cmと低く、安価であるので導
電材料として好んで用いられる。導電回路としての銅膜
の厚さは10〜90μm程度あればよい。また、導電回
路としての銅膜の形態は電解箔、蒸着膜、スパッタ膜の
他、導電ペーストを用いて印刷法により形成したもの等
が使用できる。導電回路としては、銅や銀のような良導
電体の他に、抵抗回路や誘電回路のような機能性回路も
使用できる。例えばフィラーとしてニッケルやカーボン
など他の導電体やこれらの混合物を使用したり、樹脂に
もフェノール系、アクリル系などを選択することもでき
る。導電ペーストのフィラーの種類、フィラー径、樹脂
の種類は上記以外のものを用いても、程度の差は見られ
るが本発明の効果を得ることはできる。
【0015】次に、本発明の回路基板の特徴であるポリ
イミド系樹脂フィルム基板に設けた貫通孔内壁の粗面に
ついて説明する。この粗面は0.5〜3μm間隔で規則
的に出現する深さ0.1〜2μm程度の凹凸からなって
いる。この粗面はポリイミド系樹脂フィルムを高濃度の
アルカリ溶液中に浸漬して得られるものである。製法に
ついては後に詳説する。
【0016】次に、本発明の回路基板の製造方法を図面
を用いて説明する。図4〜図7は、本発明の回路基板の
製造方法の一例を示す断面工程図である。図4(a)に
示すように、出発材料としてポリイミド系樹脂フィルム
11を準備する。ポリイミド系樹脂フィルム11の両面
には保護膜としてポリエチレンテレフタレート(PET)
フィルム21,22をあらかじめ貼っておき、PETフ
ィルム21,22を介して導電回路を接続するための貫
通孔15を、CO2 レーザまたはNd−YAGレーザ等
を用いて開口する。孔径が0.1mm以上の場合はドリ
ルによる機械加工も可能である。また、感光性レジスト
を用いてマスクを形成し、ケミカルエッチングまたはド
ライエッチング加工により開口することもできる(図4
(b)参照)。貫通孔15を開口したポリイミド系樹脂
フィルム11を、約60〜80℃に加熱した濃度10〜
40%で有機溶媒や有機アミンを加えた高濃度の水酸化
カリウム(KOH)水溶液に浸漬し、貫通孔壁面15a
を侵食させる。熱い強アルカリ液により、ポリイミド系
樹脂フィルム壁面は、ポリイミドの層状分子構造を反映
してパイ生地の破断面に似た凹凸16を有する粗面とな
る(図4(c)参照)。液温やアルカリ濃度を調整する
ことで、エッチングの進行速度や仕上がり粗さを調節す
ることができる。貫通孔15を開口するのに、KOHを
含有するエッチャントを用いることにより、孔あけと粗
面化を同時に行って、プロセスの単純化をはかることも
可能である。水酸化カリウム(KOH)に替えて水酸化
ナトリウム(NaOH)を用いても同様の作用が得られ
る。
【0017】次に、図5(a)に示すように、貫通孔1
5内に導電ペースト24をポリイミド系樹脂フィルム1
1の表面から印刷法により充填する。貫通孔のアスペク
ト比が大きく、所望の樹脂を用いて空孔の発生無く充填
することが難しい場合は真空印刷機を使用する。導電ペ
ースト24を充填した後、貫通孔15を開口する前に貼
ったPETフィルム21,22を剥がすことにより、導
電ペースト24はポリイミド系樹脂フィルム11面より
突出した部分24aを有する状態となる(図5(b)参
照)。
【0018】次に、図6(a)に示すように、ポリイミ
ド系樹脂フィルム11の両面に接着剤または接着フィル
ムを着け、接着層27を介して銅箔28’,29’を圧
着接合する。銅箔以外にも良好な導電性を持ちエッチン
グによる回路加工が可能な材料なら回路導体として使用
できる。勿論、回路導体の形成は、ポリイミド系樹脂フ
ィルム11の片面のみであっても良い。このとき導電ペ
ーストの突出部24aは、銅箔28’,29’と緊密に
接合する。なお、接着層27を付与した導電ペースト2
4付きのポリイミド系樹脂フィルム11は、後述する多
層回路基板に使用する積層基材32となる。
【0019】次に、図6(b)に示すように、ポリイミ
ド系樹脂フィルム11に接着した銅箔28’,29’に
レジスト30を塗布または貼付し、所望の回路パターン
を露光・現像した後、エッチングをおこなって、図6
(c)に示すような導体回路28,29を有する一層の
回路基板33が完成する。
【0020】次に、図7(a)に示すように、上記のよ
うにして得られた積層基材32と回路基板33とを積層
して圧着すると、図7(b)に示すような3層の導電回
路を有する多層回路基板20が得られる。このようにし
て一層の回路基板を必要な枚数だけ重ねて圧着すること
で、任意の層数を有する多層回路基板を得ることができ
る。
【0021】(第2の実施形態)次に、第2の実施形態
として、前記実施形態において出発材料としてポリイミ
ド系樹脂フィルム11の両面に、図8(a)に示すよう
にポリイミド系接着層23があらかじめ形成されている
複合材料を用いて製造する方法を例示する。ポリイミド
系接着層23の厚さは、0.5〜5μm程度である。図
中21,22は保護膜としてのPETフィルムである。
図8から図10は、第2の実施形態に係わる回路基板の
製造工程を示す、断面工程図である。各の加工方法は第
1の実施形態の場合と同様であるので、詳しい説明は省
略する。図8(a)から図8(c)は、ポリイミド系樹
脂フィルム11に貫通孔15を形成して、内面を浸食す
る工程である。第2の実施形態では、ポリイミド系接着
層23も同時に開孔される。
【0022】図9(a)及び図9(b)は、貫通孔15
に導電ペースト24を充填後、PETフィルム21,2
2を剥がした状態を示している。接着層23が残留して
おり、あらためて接着剤を塗布することなく熱圧着のみ
で銅箔28,29を接着できる。また、PETフィルム
などをマスキング層として導電性ペーストを突出させる
こと無く、銅箔と接合することができる。
【0023】図10(a)から図10(c)は、この接
着層23を利用して銅箔28’,29’を接着した後、
銅箔をエッチングして導電回路28,29を形成する工
程である。このような方法によって得られた一層の回路
基板17は、接着層23が残留している。このようにし
て得られた一層の回路基板を必要な枚数だけ重ねて圧着
することでも、任意の層数を有する多層回路基板を得る
ことができる。
【0024】次に、上記のような方法で得られた回路基
板の例を4例示す。 (第3の実施形態)図11は、ポリイミド系樹脂フィル
ム31の片面に導電回路38が設けられている例であ
る。この実施形態では、導電ペースト34の上下面は露
出している。ポリイミド系樹脂フィルム31に設けられ
た貫通孔の内壁35aは凹凸のある粗面をなしており、
導電ペースト34と強固に嵌合して接合している。 (第4の実施形態)図12は、ポリイミド系樹脂フィル
ム31の片面に導電回路38が設けられていて、導電ペ
ースト34の片面のみが露出している例である。。貫通
孔の内壁35aと導電ペースト34の接合状態は、第3
の実施形態の場合と同様である。
【0025】(第5の実施形態)図13は、ポリイミド
系樹脂フィルム31の両面に導電回路38,39が設け
られている例である。この実施形態では、導電ペースト
34の上下面は露出している。貫通孔の内壁35aと導
電ペースト34の接合状態は、第3の実施形態の場合と
同様である。 (第6の実施形態)図14は、ポリイミド系樹脂フィル
ム31の両面に導電回路38,39が設けられていて、
導電ペースト34の片面が露出している例である。。貫
通孔の内壁35aと導電ペースト34の接合状態は、第
3の実施形態の場合と同様である。
【0026】上記のような各種タイプの回路基板単体を
多数枚積層して接合することにより、図15から図18
に示すように、多様な形態の多層回路基板が得られる。 (第7の実施形態)図15は、図11で得られた回路基
板12に導電回路38のパターンを形成し、銅箔36と
共に接着層23を介して2枚接合して多層回路基板41
とした例である。3層の導電回路が得られ、実装密度を
高めることができる。 (第8の実施形態)図16は、図12で得られた回路基
板13に導電回路38のパターンを形成し、銅箔36と
共に接着層23を介して2枚接合して多層回路基板42
とした例である。第7の実施形態と異なる点は、導電ペ
ースト34a,34bが導電回路のパターンによって分
割されている点である。やはり3層の導電回路が得ら
れ、実装密度を高めることができる。
【0027】(第9の実施形態)図17は、図12で得
られた回路基板13を2枚と図13で得られた回路基板
14を1枚とに導電回路38のパターンを形成し、銅箔
36と共に接着層23を介して3枚接合して多層回路基
板43とした例である。4層の導電回路が得られ、実装
密度をさらに高めることができる。 (第10の実施形態)図18は、図13で得られた回路
基板14を1枚と 図14で得られた回路基板18を2
枚とに導電回路38のパターンを形成し、接着層23を
介して3枚接合して多層回路基板44とした例である。
第9の実施形態と異なる点は、導電回路各層のパターン
形状である。このように導電回路パターンの形状は、必
要により任意の形状に形成することができる。
【0028】(第11の実施形態)最後に本発明の回路
基板を5枚積層して接合した、6層の導電回路を有する
多層回路基板40の例を、図19に示す。図19に示す
ように、積層する際の導電回路パターンの形状や導電ペ
ーストで接合する導電回路パターンの位置は、必要によ
り任意に設定することができる。このような多層回路基
板とすれば複雑な導電回路を多層に配置することができ
るので、実装密度を飛躍的に高めることが可能となる。
しかも、ポリイミド系樹脂フィルムと導電ペーストとが
強固に接合しているので、多層接合にしても、ポリイミ
ド系樹脂フィルムと導電ペーストとの接合面の剥離や、
導電回路パターンの破断は起こらず、安定した性能を維
持することができる。
【0029】
【作用】本発明の回路基板は、ポリイミド系樹脂フィル
ム基板に貫通孔を有し、該貫通孔内に導電ペーストが充
填されており、該導電ペーストと前記ポリイミド系樹脂
フィルム基板の表面に形成された導電回路とを電気的に
接続した回路基板であって、該貫通孔の内面側壁を凹凸
状にした回路基板とすることにより、貫通孔内面と導電
ペーストとの接着面積を増大させて接着力を高めたもの
である。その結果、異なる材料の熱膨張差による歪みを
分散させて隣接する導電回路の変形や破断を防ぐことが
できるようにしたものである。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、ポリイミド系樹脂フィ
ルム基板と導電ペーストとの接合力を高めることがで
き、膨張率の差による歪みも低減され、熱衝撃や機械的
なストレスに対する抵抗力があり、導電回路の破断事故
もなくなり、製品としての信頼性を高めることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の回路基板の貫通孔部の一例を示す断
面図である。
【図2】 本発明の回路基板の貫通孔の内壁の電子顕微
鏡写真である。
【図3】 図1に示した回路基板が熱変形した状態を説
明する模式図である。
【図4】 本発明の回路基板の製造方法の一例を示す断
面工程図である。
【図5】 図4に続く断面工程図である。
【図6】 図5に続く断面工程図である。
【図7】 図6に続く断面工程図である。
【図8】 本発明の回路基板の製造方法の他の例を示す
断面工程図である。
【図9】 図8に続く断面工程図である
【図10】 図9に続く断面工程図である。
【図11】 本発明の回路基板の一例を示す断面図であ
る。
【図12】 本発明の回路基板の他の例を示す断面図で
ある。
【図13】 本発明の回路基板の別の例を示す断面図で
ある。
【図14】 本発明の回路基板のさらに別の一例を示す
断面図である。
【図15】 本発明の多層回路基板の一例を示す断面図
である。
【図16】 本発明の多層回路基板の他の例を示す断面
図である。
【図17】 本発明の多層回路基板の別の例を示す断面
図である。
【図18】 本発明の多層回路基板のさらに別の一例を
示す断面図である。
【図19】 本発明の多層回路基板の一例を示す断面図
である。
【図20】 従来の回路基板の貫通孔部の一例を示す断
面図である。
【図21】 図20に示した回路基板が熱変形した状態
を説明する模式図である。
【符号の説明】
1・・・・・・絶縁性樹脂基板、2,3・・・・・・導電回路、4,
24,34・・・・・・導電ペースト、5,15,25・・・・・・
貫通孔、6,16・・・・・・凹凸、10,12,13,1
4,17,18,33・・・・・・回路基板、11,31・・・・
・・ポリイミド系樹脂フィルム、20・・・・・・多層回路基
板、21,22・・・・・・PETフィルム、23,27・・・・
・・接着層、28,29,38,39・・・・・・導体回路、2
8’,29’,36・・・・・・銅箔、30・・・・・・レジスト、
32・・・・・・積層基板、 40,41,42,43,44・
・・・・・多層積層基板、
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 彰二 千葉県佐倉市六崎1440番地 株式会社フジ クラ佐倉事業所内 Fターム(参考) 5E317 AA24 BB03 BB12 BB14 BB15 BB19 CC22 CC25 GG03 GG05 GG11 5E343 AA07 AA18 AA33 BB24 BB25 BB44 BB58 BB67 BB72 DD01 EE22 FF01 GG04 GG20 5E346 AA06 AA24 AA25 AA32 AA43 CC10 CC32 CC37 CC39 DD02 DD12 DD13 DD17 DD32 EE01 EE13 EE32 EE42 FF18 GG06 GG08 GG15 GG19 HH07 HH25 HH33 HH40

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリイミド系樹脂フィルム基板に貫通孔
    を有し、該貫通孔内に導電ペーストが充填されており、
    該導電ペーストと前記ポリイミド系樹脂フィルム基板の
    表面に形成された導電回路とを電気的に接続してなる回
    路基板であって、該貫通孔の内面側壁が凹凸状の粗面を
    なしていることを特徴とする回路基板。
  2. 【請求項2】 前記導電回路が前記ポリイミド系樹脂フ
    ィルム基板の両面に形成されており、前記導電ペースト
    を介して前記ポリイミド系樹脂フィルム基板の両面に形
    成された導電回路を電気的に接続してなることを特徴と
    する請求項1に記載の回路基板。
  3. 【請求項3】 前記導電ペーストが、銀粒子もしくは銅
    粒子またはそれらの混合粒子をエポキシ樹脂中に分散さ
    せたものであることを特徴とする請求項1又は請求項2
    に記載の回路基板。
  4. 【請求項4】 請求項1から請求項3のいずれか1項に
    記載の回路基板を、少なくとも2枚以上の積層してなる
    ことを特徴とする積層回路基板。
  5. 【請求項5】 少なくとも一方の面に導電体膜を具備し
    たポリイミド系樹脂フィルム基板に貫通孔を形成し、該
    ポリイミド系樹脂フィルム基板を強アルカリ性のエッチ
    ャント中に浸漬し、前記貫通孔の内面側壁を凹凸状に浸
    食させた後、前記貫通孔内に導電ペーストを充填して、
    導電ペーストと導電体膜とを電気的に接続することを特
    徴とする回路基板の製造方法。
  6. 【請求項6】 一方の面に導電体膜を具備したポリイミ
    ド系樹脂フィルム基板に貫通孔を形成し、該ポリイミド
    系樹脂フィルム基板を強アルカリ性のエッチャント中に
    浸漬し、前記貫通孔の内面側壁を凹凸状に浸食させた
    後、前記貫通孔内に導電ペーストを充填して、導電ペー
    ストと導電体膜とを電気的に接続し、次いで該ポリイミ
    ド系樹脂フィルム基板の他方の表面に前記導電ペースト
    を介して電気的に接続した導電体を形成することを特徴
    とする回路基板の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項5又は請求項6に記載の製造方法
    により得られた回路基板を、少なくとも2枚以上積層し
    て接合することを特徴とする積層回路基板の製造方法。
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