JP2003192949A - 水性インク及びそれを用いたインクジェット画像形成方法 - Google Patents

水性インク及びそれを用いたインクジェット画像形成方法

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JP2003192949A
JP2003192949A JP2001393954A JP2001393954A JP2003192949A JP 2003192949 A JP2003192949 A JP 2003192949A JP 2001393954 A JP2001393954 A JP 2001393954A JP 2001393954 A JP2001393954 A JP 2001393954A JP 2003192949 A JP2003192949 A JP 2003192949A
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colored fine
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JP2001393954A
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English (en)
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Hiroaki Ando
浩明 安藤
Hidetaka Ninomiya
英隆 二宮
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、定着性(耐擦過性)、色再
現性に優れた、かつ印字環境の変化に対する安定性が良
好な水性インク及びそれを用いたインクジェット画像形
成方法を提供することにある。 【解決手段】 着色微粒子を含有する分散液を有し、1
0℃で7日間停滞した前後での該着色微粒子の体積換算
平均粒子径の変動率1が下記式(A)で表され、かつ6
0℃で7日間停滞した前後での該着色微粒子の体積換算
平均粒子径の変動率2が下記式(B)で表されることを
特徴とする水性インク。 式(A):0.7≦変動率1(10℃で停滞後の体積換
算平均粒子径/停滞前の体積換算平均粒子径)≦1.
3、式(B):0.7≦変動率2(60℃で停滞後の体
積換算平均粒子径/停滞前の体積換算平均粒子径)≦
1.8

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水性インクに関
し、詳しくは、定着性(耐擦過性)、色再現性に優れ、
かつ印字環境の変化に対する安定性が良好な水性インク
およびそれを用いたインクジェット画像形成方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】近年、プリンタ、印刷機、マーカー、筆
記具等に用いられる記録材料、インキング材料にも脱溶
剤化、水性化が求められてきている。特にインクジェッ
ト記録に用いられる水性の記録材料としては水溶性染料
の水溶液を主体としたもの、顔料の微分散体を主体とし
たものが広く用いられている。
【0003】水溶性染料を用いた水性インクとしては主
として酸性染料、直接染料、一部の食品用染料等に分類
される水溶性染料の水溶液に、保湿剤としてグリコール
類、アルカノールアミン類、表面張力の調整のための界
面活性剤、更に必要に応じて増粘剤等を添加したものが
用いられている。これら水溶性染料を用いた水性インク
は、筆先、あるいはプリンターでの目詰まりに対する高
い信頼性から、最も一般的に用いられているが、記録紙
上でにじみやすく、使用用途の限定、記録品位の低下を
余儀なくされている。即ち、記録紙に単に浸透し、乾燥
固着しているだけの水溶性染料は「染着」しているとは
いい難く、耐光堅牢度は非常に低い。
【0004】又、水溶性染料を用いた水性インクの耐水
性、耐光堅牢性が低いという問題を解決するために油溶
性染料ないし疎水性染料により水分散性樹脂を着色する
提案がインクジェット記録用インクとしてなされてい
る。例えば、特開昭55−139471号、特開昭58
−45272号、特開平3−250069号、特開平8
−253720号、特開平8−92513号、特開平8
−183920号、特開2001−11347号等には
油溶性染料によって染色された乳化重合粒子または分散
した重合粒子を用いたインクジェット用インクが提案さ
れている。
【0005】又、油溶性染料ないし疎水性染料により水
分散性樹脂を着色するのみでなく、色材及びこれを被覆
した樹脂からなる着色微粒子、又、色材と樹脂からなる
色材粒子を更に皮膜形成性樹脂で被覆した着色微粒子を
用いる試みもなされている。
【0006】このような着色微粒子を用いた水性インク
においては、粒子表面や粒子外に染料が存在すると耐光
性向上等の効果が減じられることや、インクジェット用
インクに必要な分散安定性、吐出安定性等の諸性能を高
めることが難しいという問題点がある。
【0007】一方、顔料の微分散体を主体とした顔料イ
ンクにおいては、所望の濃度が得られない、又、ブロン
ジング等の色再現性の問題が起こりやすくなる等の問題
を軽減するため、更には耐光性向上、分散安定性、吐出
安定性等を向上させる目的で、皮膜形成性樹脂により顔
料の表面を被覆する試みがなされている。例えば、特開
平8−269374号、特開平9−151342号、特
開平10−88045号、特開平10−292143等
には顔料を樹脂で被覆した例が記載されている。
【0008】一方、本発明者らは、上記に記載の各色材
からなる水性インクを用いた画像形成における印字品質
について検討を進めた結果、例えば、水性インクが長期
間高温で保存された際に、水性インクあるいはそれを構
成する色材粒子の分散安定性が低いと、その形成された
画像品質が大きく変動することが明らかとなり、特に印
字画質の定着性(耐擦過性)あるいは色再現性が大きく
劣化することが判明した。
【0009】しかしながら、これらの着色微粒子や顔料
等の色材微小粒子を被覆した着色微粒子は、従来の顔料
を用いた水性インクの種々の問題点を克服し、高い記録
品位を実現する可能性を秘めたものではあるが、使用す
る際の印字環境(例えば、室内温度)等に対する依存性
が大きく、結果として、形成された印字画像の定着性、
色再現性が充分なレベルの品質でなく、そのバラツキも
大きいのが現状であり、早急な対策が要望されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、定着
性(耐擦過性)、色再現性に優れた、かつ印字環境の変
化に対する安定性が良好な水性インクおよびそれを用い
たインクジェット画像形成方法を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、以
下の構成により達成された。
【0012】1.色材を含有した樹脂からなる着色微粒
子、色材を被覆した樹脂からなる着色微粒子及び色材を
含有した樹脂の表面を更に樹脂で被覆した着色微粒子か
ら選ばれる少なくとも1種の着色微粒子を含有する分散
液を有し、10℃で7日間停滞した前後での該着色微粒
子の体積換算平均粒子径の変動率1が前記式(A)で表
され、かつ60℃で7日間停滞した前後での該着色微粒
子の体積換算平均粒子径の変動率2が前記式(B)で表
されることを特徴とする水性インク。
【0013】2.前記変動率1に対する前記変動率2の
比(変動率2/変動率1)が、前記式(1)で表される
ことを特徴とする前記1項記載の水性インク。
【0014】3.色材を含有した樹脂からなる着色微粒
子、色材を被覆した樹脂からなる着色微粒子及び色材を
含有した樹脂の表面を更に樹脂で被覆した着色微粒子か
ら選ばれる少なくとも1種の着色微粒子を含有する分散
液を有し、10℃で7日間停滞した前後での粘度の変動
率3が前記式(C)で表され、かつ60℃で7日間停滞
した前後での粘度の変動率4が前記式(D)で表される
ことを特徴とする水性インク。
【0015】4.前記変動率3に対する前記変動率4の
比(変動率4/変動率3)が、前記式(2)で表される
ことを特徴とする前記3項記載の水性インク。
【0016】5.前記着色微粒子が、コアシェル構造を
有していることを特徴とする前記1〜4項のいずれか1
項に記載の水性インク。
【0017】6.前記色材が、有機溶剤に1質量%以上
の溶解度を有する染料であることを特徴とする前記1〜
5項のいずれか1項に記載の水性インク。
【0018】7.前記有機溶剤が、酢酸エチルまたは2
−ブタノンであることを特徴とする前記6項に記載の水
性インク。
【0019】8.前記樹脂の少なくとも一つが、ポリビ
ニルブチラールであることを特徴とする前記1〜7項の
いずれか1項に記載の水性インク。
【0020】9.前記着色微粒子の体積換算平均粒子径
が、100nm以下であることを特徴とする前記1〜8
項のいずれか1項に記載の水性インク。
【0021】10.インクジェット用水性インクである
ことを特徴とする前記1〜9項のいずれか1項に記載の
水性インク。
【0022】11.デジタル信号に基づき、インクジェ
ットヘッドより前記10項に記載の水性インクを液滴と
して吐出させ、インク記録媒体に印字することを特徴と
するインクジェット画像形成方法。
【0023】本発明者らは、印字する環境変化に対する
水性インクの印字画像の定着性、色再現性の安定性に関
し鋭意検討を行った結果、10℃と60℃で停滞した時
の水性インクの体積換算平均粒子径の変動率を特定の関
係とすること、あるいは10℃と60℃で停滞した時の
水性インクの各粘度変動率を特定の関係とすることによ
り、達成できることを見いだし本発明に至った次第であ
る。
【0024】水性インクの特性として、本発明で規定す
る体積換算平均粒子径変動率あるいは粘度変動率とする
ことによる効果に関しては、未だ明確にはなっていない
が、以下のように推測している。
【0025】一般に、記録媒体上では、水分の蒸発ある
いは記録媒体中への浸透等に伴う水溶性有機溶媒濃度の
実質的な上昇により、ポリマーの実質ガラス転移温度は
低下する。そのため、色材分散液中では、10℃や60
℃で起きる現象が、記録媒体上での乾燥過程あるいは乾
燥後では、より低温領域で起きる。また、乾燥過程ある
いは乾燥後の色材粒子の凝集などの挙動は、乾燥条件に
も大きく依存するため、紙などの記録媒体上での色材粒
子の挙動に対し、一律の条件での評価尺度を設けるのは
極めて困難であると言える。そこで、本発明者らは、種
々検討を加えた結果、5〜40℃の通常使用される温度
範囲における記録媒体上での色材粒子の挙動を、10℃
あるいは60℃で保存した際のインク溶液の挙動で、代
表評価することができることを見いだしたものである。
【0026】本発明においては、各特性値(平均粒子径
あるいは粘度)の変動率の比は、10℃と60℃の変動
率の比がともに1.0に近い場合には、当然の結果とし
て1.0に近くなるが、一方、変動率が各々の温度で
1.0から離れている場合でも、その変動率が近けれ
ば、同じくその比は1.0に近似した値となる。変動率
が1.0から乖離することは安定性の観点から必ずしも
好ましくはないが、その比が1.0に近い特性にあれ
ば、得られる印刷物の画質の環境依存性は小さくなる。
【0027】そのため、その他の画質改良手段、例え
ば、プリンターの駆動ソフトあるいは印字後の後処理
(例えば、加熱、加圧処理)等を、一律の条件で施すこ
とができる。
【0028】以下、本発明の詳細について説明する。請
求項1に係る発明では、水性インクが、色材を含有した
樹脂からなる着色微粒子、色材を被覆した樹脂からなる
着色微粒子及び色材を含有した樹脂の表面を更に樹脂で
被覆した着色微粒子から選ばれる少なくとも1種の着色
微粒子を含有する分散液を有し、10℃で7日間停滞し
た前後での該着色微粒子の体積換算平均粒子径の変動率
1が下記式(A)で表され、かつ60℃で7日間停滞し
た前後での該着色微粒子の体積換算平均粒子径の変動率
2が下記式(B)で表されることを特徴とする。
【0029】式(A) 0.7≦変動率1(10℃で停滞後の体積換算平均粒子
径/停滞前の体積換算平均粒子径)≦1.3 式(B) 0.7≦変動率2(60℃で停滞後の体積換算平均粒子
径/停滞前の体積換算平均粒子径)≦1.8 上記式(A)で表される変動率1は、好ましくは0.8
0〜1.20である。
【0030】上記式(B)で表される変動率2は、好ま
しくは0.80〜1.50である。また、請求項2に係
る発明では、水性インクが前記変動率1に対する前記変
動率2の比(変動率2/変動率1)が、0.8〜1.6
であることが特徴であり、好ましくは0.90〜1.4
0である。
【0031】本発明の水性インクの特性を、上記式
(A)及び式(B)で規定する各温度における停滞前後
での体積換算平均粒子径の変動率とすることにより、印
字環境として温度雰囲気等が変動しても、定着性(耐擦
過性)、色再現性に優れた印字画像を安定して得ること
ができる。
【0032】本発明に係る着色微粒子の体積換算平均粒
子径の測定は、例えば、光散乱法、電気泳動法、レーザ
ードップラー法等を用いた市販の粒径測定機器により求
めることができ、具体的粒径測定装置としては、例え
ば、島津製作所製のレーザー回折式粒径測定装置SLA
D1100、粒径測定機(HORIBA LA−92
0)、マルバーン社製ゼータサイザー1000等を挙げ
ることができ、本発明でいう体積換算平均粒子径は、2
次粒子径として表す。
【0033】水性インクの特性として、上記請求項1又
は2で規定する条件とするには、その方法に特に制限は
ないが、好ましくは、後述するコアシェル構造からなる
着色微粒子を用いること、有機溶剤に1質量%以上の溶
解度を有する染料を用いること、特定の有機溶剤を用い
ること、特定の樹脂を用いることや界面活性剤の種類あ
るいは添加量を適宜調整したり、上記各手段を組み合わ
せることにより達成することができる。
【0034】請求項3に係る発明では、水性インクが、
色材を含有した樹脂からなる着色微粒子、色材を被覆し
た樹脂からなる着色微粒子及び色材を含有した樹脂の表
面を更に樹脂で被覆した着色微粒子から選ばれる少なく
とも1種の着色微粒子を含有する分散液を有し、10℃
で7日間停滞した前後での粘度の変動率3が下記式
(C)で表され、かつ60℃で7日間停滞した前後での
粘度の変動率4が下記式(D)で表されることが特徴で
ある。
【0035】式(C) 0.9≦変動率3(10℃で停滞後の水性インク粘度/
停滞前の水性インク粘度)≦1.2(ただし、粘度は1
0℃で測定した値である。) 式(D) 0.9≦変動率4(60℃で停滞後の水性インク粘度/
停滞前の水性インク粘度)≦1.2(ただし、粘度は6
0℃で測定した値である。) 上記式(C)で表される変動率3は、好ましくは0.9
0〜1.15である。
【0036】上記式(D)で表される変動率4は、好ま
しくは0.90〜1.15である。また、請求項4に係
る発明では、水性インクが前記変動率3に対する前記変
動率4の比(変動率4/変動率3)が、0.9〜1.3
であることが特徴であり、好ましくは0.90〜1.1
5である。
【0037】本発明の水性インクの特性を、各温度にお
いて上記式(C)及び式(D)で規定する停滞前後での
分散液粘度変動率とすることにより、印字環境(印字温
度)が変動しても、定着性(耐擦過性)、色再現性に優
れた印字画像を安定して得ることができる。
【0038】本発明でいう粘度(液体粘性率)は、JI
S Z 8809に規定されている粘度計校正用標準液
で検定されたものであれば特に制限はなく、回転式、振
動式や細管式の粘度計を用いることができる。粘度計と
しては、Saybolt粘度計、Redwood粘度計
等で測定でき、例えば、トキメック社製、円錐平板型E
型粘度計、東機産業社製のE Type Viscom
eter(回転粘度計)、東京計器社製のB型粘度計B
L、山一電機社製のFVM−80A、Nametore
工業社製のViscoliner、山一電気社製のVI
SCO MATE MODEL VM−1A等を挙げる
ことができる。
【0039】水性インクの特性として、上記請求項3又
は4で規定する条件とするには、その方法に特に制限は
ないが、好ましくは、後述するコアシェル構造からなる
着色微粒子を用いること、有機溶剤に1質量%以上の溶
解度を有する染料を用いること、特定の有機溶剤を用い
ること、特定の樹脂を用いること、高分子化合物の添加
量等を適宜調整したり、上記各手段を組み合わせること
により達成することができる。
【0040】次いで、本発明に係る着色微粒子の詳細に
ついて説明する。本発明においては、水性インクで用い
る分散液が、色材を含有した樹脂からなる着色微粒子、
色材を被覆した樹脂からなる着色微粒子及び色材を含有
した樹脂の表面を更に樹脂で被覆した着色微粒子から選
ばれる少なくとも1種の着色微粒子を含有することが特
徴であり、請求項6に係る発明では、色材が、有機溶剤
に1質量%以上の溶解度を有する染料であることが特徴
である。
【0041】以下、色材として染料を用いた着色微粒子
について説明する。本発明に係る着色微粒子は、各種の
方法で調製することができる。例えば、モノマー中に油
溶性染料を溶解させ、水中で乳化後、重合によりポリマ
ー中に染料を封入する方法、ポリマーと染料を有機溶剤
中に溶解し、水中で乳化した後有機溶剤を除去する方
法、染料溶液に多孔質のポリマー微粒子を添加し、染料
を微粒子に吸着、含浸させる方法等が挙げられ、更に、
それらの着色微粒子をポリマーで被覆するシェル化法も
用いることができる。
【0042】ポリマーシェルを設ける方法としては、コ
アの水系サスペンションに水溶性のポリマー分散剤を添
加し吸着させる方法、モノマーを徐々に滴下し、重合と
同時にコア表面に沈着させる方法、あるいは、有機溶剤
に溶解したポリマーを徐々に滴下し、析出と同時にコア
表面に吸着させる方法などがある。更に一段階でコアシ
ェル形成する方法も考えられる。例えば、コアとなるポ
リマーと染料をシェルとなるポリマーと共に加熱、溶解
した後、水中で懸濁して重合する方法や、その液を活性
剤ミセルを含有する水中に徐々に滴下しながら乳化重合
していく方法などがある。あるいは、重合後にコアとな
りうるモノマーとシェルとなりうるモノマーに染料を溶
解または分散し、懸濁重合あるいは乳化重合する方法が
ある。
【0043】本発明に係る着色微粒子は、シェル化した
ものでなくても、シェル化したものでも、特に制限はな
いが、発明の効果から考えて、請求項5に係る発明であ
る着色微粒子がコアシェル構造を有していることが好ま
しい。その場合、シェルに用いられるポリマー量が、総
ポリマー量の5質量%以上95質量%以下であることが
好ましい。5質量%より少ないとシェルの厚みが不十分
で、染料を多く含有するコアの一部が粒子表面に現れ易
くなる。また、シェルのポリマーが多すぎると、コアの
染料保護機能の低下を起こし易い。さらに好ましくは1
0質量%以上90質量%以下である。
【0044】染料は、総ポリマー量に対して20質量%
以上1000質量%以下であることが好ましい。染料が
ポリマーに比して少なすぎると、吐出後の画像濃度が上
がらず、また、染料の比率が高いとポリマーの保護能が
十分に得られない。
【0045】(コアシェル化の評価)本発明において
は、実際にコアシェル化されているかの評価が重要であ
る。本発明においては、個々の粒子径が150nm以下
と非常に微小であるため、分析方法は分解能の観点から
限られる。このような目的に沿う分析方法としては、透
過型電子顕微鏡(TEM)や飛行時間型二次イオン質量
分析装置(TOF−SIMS)などが適用できる。TE
Mによりコアシェル化した着色微粒子を観察する場合、
カーボン支持膜上に分散液を塗布、乾燥させ観察するこ
とができる。TEMの観察像は、通常モノクロであるた
め、コアシェル化されているかどうかを評価するため
に、着色微粒子を染色する必要がある。コアだけの着色
微粒子を染色しそのTEM観察を行い、シェルを設けた
ものと比較する。さらに、シェルを設けた微粒子と設け
ていない微粒子を混合し、染色し、染色度合いの異なる
微粒子の割合がシェルの有無に一致しているかの確認を
行う。TOF−SIMSでは、粒子表面にシェルを設け
ることで表面近傍の染料がコアだけの時よりも減少して
いることを確認する。染料にコアシェルのポリマーに含
有されていない元素がある場合、その元素をプローブと
して色材含有量の少ないシェルが設けられたかを確認す
ることができる。そのような元素がない場合、適当な染
色剤を用いてシェル中の染料含有量がシェルを設けてい
ないものと比較することができる。コアシェル粒子をエ
ポキシ樹脂内に包埋し、ミクロトームで超薄切片を作
製、染色を行うことでコアシェル化はより明瞭に観察で
きる。ポリマーや、染料にプローブとなりうる元素があ
る場合、TEMによってコアシェルの組成、染料のコア
とシェルへの分布量を見積もることもできる。
【0046】必要な粒子径を得るには、構成条件の最適
化と、適当な乳化法の選定が重要である。構成条件は用
いる染料、ポリマーによって異なるが、水中のサスペン
ションであるので、コアポリマーよりシェルポリマーの
方が一般的に親水性が高いことが必要である。また、シ
ェルポリマーに含有される染料は、コアポリマー中より
少ないことが好ましく、染料もシェルポリマーよりも親
水性の低いことが必要である。親水性や疎水性は、例え
ば、溶解性パラメータ(SP)を用いて見積もることが
できる。溶解性パラメータは、その値や、測定、計算法
がPOLYMER HANDBOOK 第4版(JOH
N WILEY & SONS,INC.)675ペー
ジからの記載が参考になる。
【0047】また、着色微粒子に用いられるポリマー
は、その数平均分子量が500〜100000、特に1
000〜30000であることが、印字後の塗膜強度、
その耐久性及びサスペンションの形成性の点から好まし
い。
【0048】該ポリマーのTgは、各種用いることが可
能であるが、用いるポリマーのうち、少なくとも1種以
上はTgが10℃以上であるものを用いる方が好まし
い。
【0049】本発明において、一般に知られているすべ
てのポリマーを使用可能であるが、特に好ましいポリマ
ーは、主な官能基としてアセタール基を含有するポリマ
ー、炭酸エステル基を含有するポリマー、水酸基を含有
するポリマー、および、エステル基を有するポリマーで
あり、特に最表部のシェル部分を構成するポリマーは、
水酸基を有していることが好ましい。上記のポリマー
は、置換基を有していてもよく、その置換基は直鎖状、
分岐、あるいは環状構造をとっていてもよい。また、上
記の官能基を有するポリマーは、各種のものが市販され
ているが、常法によって合成することもできる。また、
これらの共重合体は、例えば1つのポリマー分子中にエ
ポキシ基を導入しておき、後に他のポリマーと縮重合さ
せたり、光や放射線を用いてグラフト重合を行っても得
られる。
【0050】主な官能基としてアセタールを含有するポ
リマーとして好ましくは、請求項8に係る発明であるポ
リビニルブチラール樹脂を挙げらることができる。例え
ば、電気化学工業株式会社製の#2000−L、#30
00−1、#3000−2、#3000−4、#300
0−K、#4000−1、#4000−2、#5000
−A、#6000−C、#6000−EP、あるいは積
水化学工業製のBL−1、BL−1H、BL−2、BL
−2H、BL−5、BL−10、BL−S、BL−S
H、BX−10、BX−L、BM−1、BM−2、BM
−5、BM−S、BM−SH、BH−3、BH−6、B
H−S、BX−1、BX−3、BX−5、KS−10、
KS−1、KS−3、KS−5などがある。
【0051】ポリビニルブチラール樹脂は、PVA(ポ
リビニルアルコール)の誘導体として得られるが、もと
のPVAの水酸基のアセタール化は最大でも80mol
%程度であり、通常は50mol%から、80mol%
程度である。なお、ここで言うアセタールは狭義の1,
1−ジエトキシエタン基を指すのではなく、オルトアル
デヒドとの化合物一般を指す。水酸基については、特に
規定はないが、最表部のシェル部分を構成するポリマー
では、水酸基を含有モノマーを5〜50mol%である
ことが好ましく、さらに好ましくは10〜30mol%
である。また、アセチル基の含有率に特に規定はない
が、10mol%以下であることが好ましい。主な官能
基としてアセタールを含有するポリマーとは、ポリマー
中に含まれる酸素原子のうち、少なくとも30mol%
以上がアセタール基を形成していることをいう。
【0052】他に主な官能基としてアセタールを含有す
るポリマーとして、三菱エンジニアリングプラスチック
ス株式会社製のユピタールシリーズなども使用可能であ
る。
【0053】主な官能基として炭酸エステルを含有する
ポリマーとしては、ポリカーボネート樹脂が挙げられ
る。たとえば、三菱エンジニアリングプラスチックス株
式会社製のユーピロンシリーズ、ノバレックスシリーズ
がある。ユーピロンシリーズはビスフェノールAを原料
として作られており、測定法によってその値は異なるが
各種の分子量のものを用いることができる。ノバレック
スシリーズでは分子量が2〜3万、ガラス転移点150
℃付近のものを用いることができるが、これらに限るも
のではない。
【0054】主な官能基として炭酸エステル基を含有す
るポリマーとは、ポリマー中に含まれる酸素原子のう
ち、少なくとも30mol%以上が炭酸エステル基の形
成に寄与していることをいう。
【0055】主な官能基として水酸基を含有するポリマ
ーとしては、たとえば、PVAがあげられる。PVAの
有機溶剤への溶解度は小さいものが多いが、けん化価の
小さいPVAであれば、有機溶剤への溶解度は上昇す
る。水溶性が高いPVAは水相中に添加しておき有機溶
剤除去後に、ポリマーのサスペンションに吸着させるよ
うにして使用することもできる。
【0056】PVAとしては市販のものを用いることが
でき、たとえば、クラレのポバールPVA−102、P
VA−117、PVA−CSA、PVA−617、PV
A−505などのほか、特殊銘柄のサイズ剤用PVA、
熱溶融成形用PVA、その他機能性ポリマーとして、K
L−506、C−118、R−1130、M−205、
MP−203、HL−12E、SK−5102、などを
用いることができる。けん化度は50mol%以上のも
のが一般的であるが、LM−10HDのように40mo
l%程度であっても、これを用いることは可能である。
このようなPVA以外でも主な官能基として水酸基を有
するものが使用可能であるが、ポリマー中に含まれる酸
素原子のうち少なくとも20mol%以上が水酸基を形
成しているものが使用可能である。
【0057】主な官能基としてエステル基を含有するポ
リマーとしては、たとえばメタクリル樹脂が挙げられ
る。旭化成製デルペットシリーズの560F、60N、
80N、LP−1、SR8500、SR6500などを
用いることができる。主な官能基としてエステル基を含
有するポリマーとは、ポリマー中に含まれる酸素原子の
うち、少なくとも30mol%以上がエステル基を形成
していることをいう。
【0058】これらのポリマーをそれぞれ1種ないし2
種以上を混合して用いてもよい。また、これらのポリマ
ーが質量比で50%以上含まれていれば、他のポリマー
や無機物のフィラーが含有されていてもよい。
【0059】これらのポリマーの共重合体を用いること
も好ましいが、たとえば水酸基を含有するポリマーと、
各種のポリマーを共重合させる方法として、水酸基をグ
リシジルメタクリレートのようなエポキシ基を有するモ
ノマーと反応させ、その後、懸濁重合でメタクリル酸エ
ステルモノマーと共重合させ、得ることができる。
【0060】本発明の水性インクにおいては、着色微粒
子に用いられるポリマーは、該インク中に0.5〜50
質量%配合されることが好ましく、0.5〜30質量%
配合されることが更に好ましい。上記ポリマーの配合量
が0.5質量%に満たないと、色材の保護能が十分でな
く、50質量%を超えると、サスペンションのインクと
しての保存安定性が低下したり、ノズル先端部でのイン
ク蒸発に伴うインクの増粘やサスペンションの凝集が起
こることによってプリンタヘッドの目詰りが起こる場合
があるので、上記範囲内とすることが好ましい。
【0061】一方、染料は、染料インク中に1〜30質
量%配合されることが好ましく、1.5〜25質量%配
合されることが更に好ましい。上記染料の配合量が1質
量%に満たないと印字濃度が不十分であり、30質量%
を超えるとサスペンションの経時安定性が低下し、凝集
等による粒径増大の傾向があるので、上記範囲内とする
ことが好ましい。
【0062】本発明の水性インクは、水を媒体とし、上
記色材を封入したポリマーのサスペンションからなり、
該サスペンションには、従来公知の各種添加剤、例えば
多価アルコール類のような湿潤剤、分散剤、シリコーン
系等の消泡剤、クロロメチルフェノール系等の防黴剤及
び/又はEDTA等のキレート剤、又、亜硫酸塩等の酸
素吸収剤等が含有されていてもよい。
【0063】ここで、上記湿潤剤としては、例えばエチ
レングリコール、プロピレングリコール、ジエチレング
リコール、トリエチレングリコール、テトラエチレング
リコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、ジエ
チレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコ
ールモノn−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ
メチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテ
ル、エチレングリコールモノブチルエーテル、メチルカ
ルビトール、エチルカルビトール、ブチルカルビトー
ル、エチルカルビトールアセテート、ジエチルカルビト
ール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ト
リエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレン
グリコールモノメチルエーテル等の多価アルコール及び
そのエーテル、アセテート類、N−メチル−2−ピロリ
ドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、トリエタノ
ールアミン、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド等の
含窒素化合物類、ジメチルサルフォキサイドの一種又は
二種以上を使用することができる。これらの湿潤剤の配
合量に特に制限はないが、上記インク中に好ましくは
0.1〜50質量%配合することができ、更に好ましく
は0.1〜30質量%配合することができる。
【0064】また、上記分散剤としては、特に制限され
るものではないが、そのHLB値が8〜18であること
が、分散剤としての効果が発現し、サスペンションの粒
子径の増大抑制効果がある点から好ましい。
【0065】分散剤として市販品も使用することができ
る。そのような市販品としては、例えば花王(株)製の
分散剤デモールSNB,MS,N,SSL,ST,P
(商品名)が挙げられる。
【0066】分散剤の配合量に特に制限はないが、本発
明の水性インク中に、0.01〜10質量%配合される
ことが好ましい。該化合物の配合量が0.01質量%に
満たないとサスペンションの小粒径化が困難であり、1
0質量%を超えるとサスペンションの粒径が増大したり
サスペンション安定性が低下し、ゲル化するおそれがあ
るので、上記範囲内とすることが好ましい。
【0067】また、上記消泡剤としては、特に制限な
く、市販品を使用することができる。そのような市販品
としては、例えば信越シリコーン社製のKF96、6
6、69、KS68、604、607A、602、60
3、KM73、73A、73E、72、72A、72
C、72F、82F、70、71、75、80、83
A、85、89、90、68−1F、68−2F(商品
名)等が挙げられる。これら化合物の配合量に特に制限
はないが、本発明の着色微粒子含有水性インク中に、
0.001〜2質量%配合されることが好ましい。該化
合物の配合量が0.001質量%に満たないとインク調
製時に泡が発生し易く、又、インク内での小泡の除去が
難しく、2質量%を超えると泡の発生は抑えられるもの
の、印字の際、インク内でハジキが発生し印字品質の低
下が起こる場合があるので、上記範囲内とすることが好
ましい。
【0068】次に、本発明の水性インクの製造方法につ
いて説明する。本発明の水性インクは、各種の乳化法で
製造することができる。
【0069】請求項9に係る発明では、着色微粒子の体
積換算平均粒子径が、100nm以下であることが特徴
であり、好ましくは10〜100nm、さらに好ましく
は20〜90nmである。本発明において、上記で規定
する平均粒子径を達成する方法として、特に制限はない
が、例えば前記に記載の分散剤の種類や使用量、あるい
は以下に示す各乳化方法を適宜選択、あるいは組み合わ
せることにより達成することができる。
【0070】乳化法としては、各種の方法を用いること
ができる。それらの例は、例えば、「機能性乳化剤・乳
化技術の進歩と応用展開 シー エム シー」の86ペ
ージの記載にまとめられている。本発明においては、特
に、超音波、高速回転せん断、高圧による乳化分散装置
を使用することが好ましい。
【0071】超音波による乳化分散では、いわゆるバッ
チ式と連続式の2通りが使用可能である。バッチ式は、
比較的少量のサンプル作製に適し、連続式は大量のサン
プル作製に適する。連続式では、たとえば、UH−60
0SR(株式会社エスエムテー製)のような装置を用い
ることが可能である。このような連続式の場合、超音波
の照射時間は、分散室容積/流速×循環回数で求めるこ
とができる。超音波照射装置が複数ある場合は、それぞ
れの照射時間の合計としてもとめられる。超音波の照射
時間は実際上に3秒以上必要であり、それ以内で乳化が
完了するのであれば、超音波乳化分散装置を必要としな
い。また、10000秒以上必要であると、工程の負荷
が大きく、実際上は乳化剤の再選択などにより乳化分散
時間を短くする必要がある。そのため10000秒以上
は必要でない。さらに好ましくは、10秒以上、200
0秒以内である。
【0072】高速回転せん断による乳化分散装置として
は、「機能性乳化剤・乳化技術の進歩と応用展開 シー
エム シー」の255〜256ページに記載されてい
るような、ディスパーミキサーや、251ページに記載
されているようなホモミキサー、256ページに記載さ
れているようなウルトラミキサーなどが使用できる。こ
れらの型式は、乳化分散時の液粘度によって使い分ける
ことができる。これらの高速回転せん断による乳化分散
機では、攪拌翼の回転数が重要である。ステーターとの
クリアランスは通常0.5mm程度で、極端に狭くはで
きないので、せん断力は主として攪拌翼の周速に依存す
る。周速が5m/sec以上150m/sec以内であ
れば本発明の乳化・分散に使用できる。周速が遅い場
合、乳化時間を延ばしても小粒径化が達成できない場合
が多く、150m/secにするにはモーターの性能を
極端に上げる必要があるからである。さらに好ましく
は、20〜100m/secである。
【0073】高圧による乳化分散では、LAB2000
(エスエムテー社製)などが使用できるが、その乳化・
分散能力は、試料にかけられる圧力に依存する。圧力
は、10MPa以上500MPa以下が好ましい。ま
た、必要に応じて数回にわたり乳化・分散を行い、目的
の粒径を得ることができる。圧力が低すぎる場合、何度
乳化分散を行っても目的の粒径は達成できない場合が多
く、また、圧力を500MPaにするためには、装置に
大きな負荷がかかり実用的ではない。さらに好ましく
は、50MPa以上200MPa以下である。
【0074】これらの乳化・分散装置は単独で用いても
よいが、必要に応じて組み合わせて使用することが可能
である。コロイドミルや、フロージェットミキサなども
単独では本発明の目的を達成できないが、上述した装置
との組み合わせにより、単時間で乳化・分散を可能にす
るなど本発明の効果を高めることが可能である。
【0075】また、本発明のインクは、上記の装置を用
いるほか、いわゆる転相乳化によっても製造することが
できる。
【0076】ここで、転相乳化は、上記ポリマーを、上
記染料と共にエステル、ケトンなどの有機溶剤に溶解さ
せ、必要に応じて中和剤を加えて該ポリマー中のカルボ
キシル基をイオン化し、次いで水相を加えた後、上記有
機溶剤を留去して水系に転相することからなる。
【0077】転相が完了した後、系を減圧下に加熱する
ことにより、上記エステル、ケトン系溶剤を除去すると
共に、所定量の水を除去して、所望の濃度を有する本発
明の着色微粒子含有水性インクが得られる。
【0078】本発明で用いることのできる染料として、
特に制限はなく、油性染料、分散染料、直接染料、酸性
染料及び塩基性染料等の例を挙げることができるが、本
発明においては、油性染料を用いることが好ましい。
【0079】色相としてはイエロー、マゼンタ、シア
ン、ブラック、ブルー、グリーン、レッドが好ましく用
いられ、特に好ましくは、イエロー、マゼンタ、シア
ン、ブラックの各染料である。油溶性染料の中には、水
溶性染料を長鎖の塩基と造塩することにより油溶性を示
す染料も含まれる。油性染料としては、以下に限定され
るものではないが、特に好ましい具体例としては、例え
ば、 オリエント化学工業株式会社製 Valifast Y
ellow 4120、Valifast Yello
w 3150、Valifast Yellow 31
08、Valifast Yellow 2310N、
Valifast Yellow 1101、Vali
fast Red 3320、Valifast Re
d 3304、Valifast Red 1306、
Valifast Blue 2610、Valifa
st Blue 2606、Valifast Blu
e 1603、Oil Yellow GG−S、Oi
lYellow 3G、Oil Yellow 12
9、Oil Yellow107、Oil Yello
w 105、Oil Scarlet 308、Oil
Red RR、Oil Red OG、Oil Re
d 5B、OilPink 312、Oil Blue
BOS、Oil Blue 613、Oil Blu
e 2N、Oil Black BY、Oil Bla
ck BS、Oil Black 860、Oil B
lack 5970、Oil Black 5906、
Oil Black 5905、 日本化薬株式会社製 Kayaset Yellow
SF−G、Kayaset Yellow K−CL、
Kayaset Yellow GN、Kayaset
Yellow A−G、Kayaset Yello
w 2G、Kayaset Red SF−4G、Ka
yaset Red K−BL、Kayaset Re
d A−BR、KayasetMagenta312、
Kayaset Blue K−FL、 有本化学工業株式会社製 FS Yellow 101
5、FS Magenta 1404、FS Cyan
1522、FS Blue 1504、C.I.So
lvent Yellow 88、Solvent Y
ellow 83、Solvent Yellow 8
2、Solvent Yellow 79、Solve
nt Yellow 56、Solvent Yell
ow 29、Solvent Yellow 19、S
olvent Yellow 16、Solvent
Yellow 14、Solvent Yellow
04、Solvent Yellow 03、Solv
ent Yellow 02、Solvent Yel
low 01、C.I.Solvent Red84:
1、C.I.Solvent Red 84、C.I.
SolventRed 218、C.I.Solven
t Red 132、C.I.Solvent Red
73、C.I.Solvent Red 72、C.
I.Solvent Red 51、C.I.Solv
ent Red 43、C.I.Solvent Re
d 27、C.I.Solvent Red 24、S
olvent Red 18、Solvent Red
01、SolventBlue 70、Solven
t Blue 67、Solvent Blue44、
Solvent Blue 40、Solvent B
lue 35、Solvent Blue 11、 S
olvent Blue 02、Solvent Bl
ue 01、Solvent Black 43、C.
I.Solvent Black 70、C.I.So
lvent Black 34、C.I.Solven
t Black 29、C.I.Solvent Bl
ack 27、C.I.Solvent Black
22、C.I.Solvent Black 7、C.
I.Solvent Black 3、C.I.Sol
vent Violet 3、C.I. Solven
t Green3及び7等が挙げられる。
【0080】また、特開平9−277693号、同10
−20559号、同10−30061号に示されるよう
な、金属錯体色素も好ましく用いられ、好ましい構造と
しては下記一般式(1)で表されるものである。
【0081】 一般式(1) M(Dye)l(A)m 式中、Mは金属イオンを表し、Dyeは金属と配位結合
可能な色素を表す。Aは色素以外の配位子を表し、lは
1ないし3、mは0、1、2、3を表す。mが0のとき
lは2または3を表し、その場合Dyeは同種でも異な
っていてもよい。Mで表される金属イオンとしては、例
えばAl、Co、Cr、Cu、Fe、Mn、Mo、N
i、Sn、Ti、Pt、Pd、Zr及びZnのイオンが
挙げられる。色調、各種耐久性からNi、Cu、Cr、
Co、Zn、Feのイオンが特に好ましい。更に好まし
くはNiイオンである。
【0082】Dyeで表される金属と配位結合可能な色
素としては種々の色素構造が考えられるが、共役メチン
色素、アゾメチン色素、アゾ色素骨格に配位基を有する
ものが好ましい。
【0083】分散染料としては、以下に限定されるもの
ではないが、特に好ましい具体例としては、C.I.デ
ィスパーズイエロー5、42、54、64、79、8
2、83、93、99、100、119、122、12
4、126、160、184:1、186、198、1
99、204、224及び237;C.I.ディスパー
ズオレンジ13、29、31:1、33、49、54、
55、66、73、118、119及び163;C.
I.ディスパーズレッド54、60、72、73、8
6、88、91、92、93、111、126、12
7、134、135、143、145、152、15
3、154、159、164、167:1、177、1
81、204、206、207、221、239、24
0、258、277、278、283、311、32
3、343、348、356及び362;C.I.ディ
スパーズバイオレット33;C.I.ディスパーズブル
ー56、60、73、87、113、128、143、
148、154、158、165、165:1、16
5:2、176、183、185、197、198、2
01、214、224、225、257、266、26
7、287、354、358、365及び368;並び
にC.I.ディスパーズグリーン6:1及び9等が挙げ
られる。
【0084】請求項10に係る発明では、本発明の水性
インクが、インクジェット用水性インクであることが特
徴であり、以下インクジェット用水性インクに係る上記
で説明した以外の構成について説明する。
【0085】本発明の水性インクのpHは、7.0以上
であることが好ましく、より好ましくは8.0〜10.
0である。本発明の水性インクに使用される水性媒体で
用いられるpH調整剤としては、例えば、モノエタノー
ルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン
等の各種有機アミン、水酸化ナトリウム、水酸化リチウ
ム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸物等の無機
アルカリ剤、有機酸や、鉱酸が挙げられる。
【0086】また、本発明においては、染料インクの多
価金属イオン含有量が、5ppm以下であることが好ま
しく、より好ましくは0.1〜3ppm、特に好ましく
は0.1〜1ppmである。染料インク中の多価金属イ
オンの含有量を、上記で規定した量とすることにより、
本発明に係る着色微粒子の高い分散安定性を有する染料
インクを得ることができる。
【0087】本発明でいう多価金属イオンとは、例え
ば、Fe3+、Sr2+、Mg2+、Ca2+、Zn2+、Z
2+、Ni2+、Al3+などを挙げることができ、それら
は硫酸塩、塩化物、硝酸塩、酢酸塩等として含有されて
いる。
【0088】本発明で用いることのできるインク溶剤
は、特に制限はないが、水溶性の有機溶媒が好ましく、
具体的にはアルコール類(例えば、メタノール、エタノ
ール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、
イソブタノール、セカンダリーブタノール、ターシャリ
ーブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘ
キサノール、ベンジルアルコール等)、多価アルコール
類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、
ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキ
サンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサ
ントリオール、チオジグリコール等)、多価アルコール
エーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエ
ーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチ
レングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコー
ルモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノメ
チルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチ
レングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコー
ルモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチ
ルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルア
セテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテ
ル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリ
エチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレン
グリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコール
モノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールジメ
チルエーテル等)、アミン類(例えば、エタノールアミ
ン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−
メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールア
ミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジ
アミン、ジエチレンジアミン、トリエチレンテトラミ
ン、テトラエチレンペンタミン、ポリエチレンイミン、
ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルプロ
ピレンジアミン等)、アミド類(例えば、ホルムアミ
ド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチル
アセトアミド等)、複素環類(例えば、2−ピロリド
ン、N−メチル−2−ピロリドン、N−シクロヘキシル
−2−ピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメ
チル−2−イミダゾリジノン等)、スルホキシド類(例
えば、ジメチルスルホキシド等)、スルホン類(例え
ば、スルホラン等)、スルホン酸塩類(例えば1−ブタ
ンスルホン酸ナトリウム塩等)、尿素、アセトニトリ
ル、アセトン等が挙げられる。
【0089】本発明の水性インクにおいて、各種の界面
活性剤を用いることができる。本発明で用いることので
きる各界面活性剤として、特に制限はないが、例えば、
ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンス
ルホン酸塩類、脂肪酸塩類等のアニオン性界面活性剤、
ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエ
チレンアルキルアリルエーテル類、アセチレングリコー
ル類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロ
ックコポリマー類等のノニオン性界面活性剤、アルキル
アミン塩類、第四級アンモニウム塩類等のカチオン性界
面活性剤が挙げられる。特にアニオン性界面活性剤およ
びノニオン性界面活性剤を好ましく用いることができ
る。
【0090】また、本発明においては、高分子界面活性
剤も用いることができ、例えば、スチレン−アクリル酸
−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−ア
クリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸−アクリル酸
アルキルエステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重
合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸アルキルエ
ステル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、ス
チレン−マレイン酸ハーフエステル共重合体、ビニルナ
フタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マ
レイン酸共重合体等を挙げることができる。
【0091】本発明においては、染料インクが水溶性高
分子または水不溶性高分子分散液を含有することができ
る。
【0092】水溶性高分子としての好ましい例としては
天然高分子が挙げられ、その具体例としては、にかわ、
ゼラチン、ガゼイン、若しくはアルブミンなどのたんぱ
く質類、アラビアゴム、若しくはトラガントゴムなどの
天然ゴム類、サボニンなどのグルコシド類、アルギン酸
及びアルギン酸プロピレングリコールエステル、アルギ
ン酸トリエタノールアミン、若しくはアルギン酸アンモ
ニウムなどのアルギン酸誘導体、メチルセルロース、カ
ルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロー
ス、若しくはエチルヒドロキシルセルロースなどのセル
ロース誘導体が挙げられる。
【0093】更に、水溶性高分子の好ましい例として合
成高分子が挙げられ、ポリビニルアルコール類、ポリビ
ニルピロリドン類、ポリアクリル酸、アクリル酸−アク
リルニトリル共重合体、アクリル酸カリウム−アクリル
ニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共
重合体、若しくはアクリル酸−アクリル酸エステル共重
合体などのアクリル系樹脂、スチレン−アクリル酸共重
合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メ
タクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−
α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、若しくはス
チレン−α−メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸
エステル共重合体などのスチレンアクリル酸樹脂、スチ
レン−マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸
共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビ
ニルナフタレン−マレイン酸共重合体、及び酢酸ビニル
−エチレン共重合体、酢酸ビニル−脂肪酸ビニルエチレ
ン共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合
体、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、酢酸ビニル−ア
クリル酸共重合体などの酢酸ビニル系共重合体及びそれ
らの塩が挙げられる。これらの中で、特に好ましい例と
しては、ポリビニルピロリドン類が挙げられる。
【0094】水溶性高分子の分子量は、1,000以上
200,000以下が好ましい。更には、3,000以
上20,000以下がより好ましい。1,000未満で
は着色微粒子の成長及び凝集を抑制する効果が少なくな
り、200,000を越えると粘度上昇、溶解不良等の
問題が発生し易くなる。
【0095】水溶性高分子の添加量は、染料に対して1
0質量%以上1,000質量%以下が好ましい。更に
は、50質量%以上200質量%以下がより好ましい。
10質量%未満では着色微粒子の成長及び凝集を抑制す
る効果が少なくなり、1000質量%を越えると粘度上
昇、溶解不良等の問題が発生し易くなる。
【0096】また、本発明で用いることのできる水不溶
性高分子分散液(以下、ラテックスともいう)として、
特に制限はないが、例えば、スチレン−ブタジエン共重
合体、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン共
重合体、アクリル酸エステル共重合体、ポリウレタン、
シリコン−アクリル共重合体およびアクリル変性フッ素
授脂等のラテックスが挙げられる。ラテックスは、乳化
剤を用いてポリマー粒子を分散させたものであっても、
また乳化剤を用いないで分散させたものであってもよ
い。乳化剤としては界面活性剤が多く用いられるが、ス
ルホン酸基、カルボン酸基等の水に可溶な基を有するポ
リマー(例えば、可溶化基がグラフト結合しているポリ
マー、可溶化基を持つ単量体と不溶性の部分を持つ単量
体とから得られるポリマー)を用いることも好ましい。
【0097】また本発明の水性インクでは、ソープフリ
ーラテックスを用いることが特に好ましい。ソープフリ
ーラテックスとは、乳化剤を使用していないラテック
ス、およびスルホン酸基、カルボン酸基等の水に可溶な
基を有するポリマー(例えば、可溶化基がグラフト結合
しているポリマー、可溶化基を持つ単量体と不溶性の部
分を持つ単量体とから得られるポリマー)を乳化剤とし
て用いたラテックスのことを指す。
【0098】近年ラテックスのポリマー粒子として、粒
子全体が均一であるポリマー粒子を分散したラテックス
以外に、粒子の中心部と外縁部で組成を異にしたコア・
シェルタイプのポリマー粒子を分散したラテックスも存
在するが、このタイプのラテックスも好ましく用いるこ
とができる。
【0099】本発明の水性インクにおいて、ラテックス
中のポリマー粒子の平均粒径は10nm以上、300n
m以下であり、10nm以上、100nm以下であるこ
とがより好ましい。ラテックスの平均粒径が300nm
を越えると、画像の光沢感の劣化が起こり、10nm未
満であると耐水性、耐擦過性が不十分となる。ラテック
ス中のポリマー粒子の平均粒子径は、光散乱法、電気泳
動法、レーザードップラー法を用いた市販の粒径測定機
器により求めることができる。
【0100】本発明の水性インクにおいて、ラテックス
は固形分添加量としてインクの全質量に対して0.1質
量%以上、20質量%以下となるように添加されるが、
ラテックスの固形分添加量を0.5質量%以上、10%
質量%以下とすることが特に好ましい。ラテックスの固
形分添加量が0.1質量%未満では、耐水性に関して十
分な効果を発揮させることが難しく、また20質量%を
越えると、経時でインク粘度の上昇が起こったり、着色
微粒子の分散粒径の増大が起こりやすくなる等インク保
存性の点で問題が生じることが多い。
【0101】本発明の水性インクでは、上記説明した以
外に、必要に応じて、出射安定性、プリントヘッドやイ
ンクカートリッジ適合性、保存安定性、画像保存性、そ
の他の諸性能向上の目的に応じて、公知の各種添加剤、
例えば、粘度調整剤、比抵抗調整剤、皮膜形成剤、紫外
線吸収剤、酸化防止剤、退色防止剤、防ばい剤、防錆剤
等を適宜選択して用いることができ、例えば、流動パラ
フィン、ジオクチルフタレート、トリクレジルホスフェ
ート、シリコンオイル等の油滴微粒子、特開昭57−7
4193号、同57−87988号及び同62−261
476号に記載の紫外線吸収剤、特開昭57−7419
2号、同57−87989号、同60−72785号、
同61−146591号、特開平1−95091号及び
同3−13376号等に記載されている退色防止剤、特
開昭59−42993号、同59−52689号、同6
2−280069号、同61−242871号および特
開平4−219266号等に記載されている蛍光増白剤
等を挙げることができる。
【0102】本発明のインクジェット画像形成方法で用
いることのできるインクジェットヘッドとしては、オン
デマンド方式でもコンティニュアス方式でも構わない。
また、吐出方式としては、電気−機械変換方式(例え
ば、シングルキャビティー型、ダブルキャビティー型、
ベンダー型、ピストン型、シェアーモード型、シェアー
ドウォール型等)、電気−熱変換方式(例えば、サーマ
ルインクジェット型、バブルジェット(R)型等)、静
電吸引方式(例えば、電界制御型、スリットジェット型
等)及び放電方式(例えば、スパークジェット型等)な
どを具体的な例として挙げることができるが、いずれの
吐出方式を用いても構わない。
【0103】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらに限定されない。
【0104】実施例1 《着色微粒子分散液の調製》 〔着色微粒子分散液1の調製〕50gのポリビニルブチ
ラール(積水化学製BL−S、平均重合度350、Tg
61℃)、50gのシアン染料(C.I.Solven
t Blue 70)、400gの酢酸エチルをセパラ
ブルフラスコに入れ、攪拌して上記ポリビニルブチラー
ル及びシアン染料を完全溶解させた。次いで、ラウリル
硫酸ナトリウム5gを含む水溶液800gを滴下し、攪
拌した後、超音波分散機(UH−150型、株式会社エ
スエムテー製)を用いて、10分間乳化した。その後、
減圧下で酢酸エチルを除去し、シアン染料を含浸したコ
ア型着色微粒子分散液を得た。
【0105】次いで、シェル形成工程として、上記分散
液の入ったフラスコ内を窒素ガスで置換した後、この分
散液に1.5gの過硫酸カリウムを加えて溶解し、ヒー
ターを付して80℃に加温した後、更に20gのスチレ
ン及び10gの2−ヒドロキシエチルメタクリレートの
混合液を滴下しながら4時間反応させてシェルを形成
し、シアンのコアシェル型である着色微粒子分散液1を
調製した。
【0106】〔着色微粒子分散液2の調製〕上記着色微
粒子分散液1の調製において、シェル形成工程である過
硫酸カリウム、スチレン、2−ヒドロキシエチルメタク
リレートの添加を行わなかった以外は同様にして、シア
ンのコア型の着色微粒子分散液2を調製した。
【0107】〔着色微粒子分散液3の調製〕上記着色微
粒子分散液1の調製において、シアン染料(C.I.S
olvent Blue 70)の使用量を20gに変
更した以外は同様にして、シアンのコアシェル型である
着色微粒子分散液3を調製した。
【0108】〔着色微粒子分散液4の調製〕上記着色微
粒子分散液2の調製において、シアン染料(C.I.S
olvent Blue 70)の使用量を20gに変
更した以外は同様にして、シアンのコア型の着色微粒子
分散液4を調製した。
【0109】〔着色微粒子分散液5の調製〕上記着色微
粒子分散液1の調製において、シアン染料に代えてマゼ
ンタ染料1を40gを用いた以外は同様にして、マゼン
タのコアシェル型である着色微粒子分散液5を得た。
【0110】〔着色微粒子分散液6の調製〕上記着色微
粒子分散液5の調製において、シェル形成工程である過
硫酸カリウム、スチレン、2−ヒドロキシエチルメタク
リレートの添加を行わなかった以外は同様にして、マゼ
ンタのコア型の着色微粒子分散液6を調製した。
【0111】〔着色微粒子分散液7の調製〕上記着色微
粒子分散液1の調製において、シアン染料に代えてマゼ
ンタ染料2を40gを用いた以外は同様にして、マゼン
タのコアシェル型である着色微粒子分散液7を得た。
【0112】〔着色微粒子分散液8の調製〕上記着色微
粒子分散液7の調製において、シェル形成工程である過
硫酸カリウム、スチレン、2−ヒドロキシエチルメタク
リレートの添加を行わなかった以外は同様にして、マゼ
ンタのコア型の着色微粒子分散液8を調製した。
【0113】
【化1】
【0114】《水性インクの調製》上記調製した各着色
微粒子分散液を用いて、下記に記載の方法に従い水性イ
ンク1〜8を調製した。
【0115】 着色微粒子分散液 表1に記載の染料濃度となる量 エチレングリコール 15質量% グリセリン 15質量% サーフィノール465(日信化学工業社) 0.1質量% 純水を添加して100質量に仕上げた。
【0116】次いで、各インクを0.8μmのメンブレ
ンフィルターによって濾過してゴミ及び粗大粒子を除去
し、インクジェット用の水性インク1〜8を調製した。
【0117】〔各水性インクの特性評価〕 (10℃及び60℃停滞における体積換算平均粒子径の
測定)上記調製した各水性インクを、液温25℃の状態
で体積換算平均粒子径の測定をした後、容量が100m
lのガラス製サンプル瓶に詰めて密閉した後、10℃及
び60℃に設定した恒温槽中で7日間保存した後、25
℃に調温した後、同様に各水性インク中の着色微粒子の
体積換算平均粒子径を測定した。なお、体積換算平均粒
子径の測定は、大塚電子社製のレーザー粒径解析システ
ムを用いて行った。
【0118】(10℃及び60℃停滞における粘度の測
定)上記調製した各水性インクを、液温10℃及び60
℃の状態で粘度の測定をした後、容量が100mlのガ
ラス製サンプル瓶に詰めて密閉した後、10℃及び60
℃に設定した恒温槽中で7日間保存した後、それぞれ1
0℃及び60℃で、同様に各水性インクの粘度を測定し
た。なお、粘度は、粘度計(ビスコメイトVM−1AL
山一電気(株)製)を用いて測定した。
【0119】以上により得られた結果を表1に示す。
【0120】
【表1】
【0121】《画像の出力》上記調製した各水性インク
を、インクジェットカートリッジに収納した後、それぞ
れプリンター、水性インクカートリッジ及び記録媒体
を、5℃と40℃の環境下で3時間放置した後、画像出
力を行った。なおプリンターとしては、カラーインクジ
ェットプリンターPM800C(セイコーエプソン製)
を使用し、記録媒体としてはコニカインクジェットペー
パーPhotolike QP(コニカ社製)を用い
た。また、出力画像としては、出力濃度を0%から10
0%の間を16段階に分割したウェッジ画像(各濃度に
ついて3cm×3cmのパッチ状に出力)を出力した。
【0122】《出力画像の評価》以上のようにして出力
した画像について、下記の方法に従って耐擦過性及び色
再現性の評価を行った。
【0123】(定着性:耐擦過性の評価)上記形成した
各出力画像の出力濃度100%のパッチ部について、画
像が表面になるように平面性が保たれた定盤に張り付
け、消毒用ガーゼを付けた板(3cm角)に19.6N
の荷重をかけた器具を画像表面に押しあて、100往復
画像表面を擦った。擦る前と擦った後での画像の光学反
射濃度を3点で測定し平均値を求めた。擦る前の光学反
射濃度1及び擦った後での光学反射濃度2とした時、各
反射濃度より下記に従って画像残存率(%)を求め、こ
れを耐擦過性評価の尺度とした。
【0124】画像残存率(%)=光学反射濃度1/光学
反射濃度2×100 (色再現性の評価)上記形成したマゼンタ及びシアン画
像について、彩度C*を測定した。マゼンタ、シアンの
各彩度C*の測定は、光源D65を配備したミノルタC
R3000を用い、下地に白紙を置いて測定し、マゼン
タ、シアンの各彩度C*に関しては、CIELabのL*
**色空間図から下式により求めた。
【0125】彩度C*=〔(a*2+(b*21/2 なお、式中、a*、b*はおのおのa*座標、b*座標の値
を表し、C*値が大きいほど、彩度が高く色再現性に優
れていることを表す。
【0126】以上により得られた結果を表2に示す。
【0127】
【表2】
【0128】表1、2より明らかなように、本発明の式
(A)及び(B)で規定する体積換算粒子径の変動率、
あるいは式(C)及び(D)で規定する粘度の変動率を
有する着色微粒子分散液からなる水性インクは、比較例
に対し、通常使用される温度の上、下限(5℃、40
℃)のいずれの条件においても耐擦過性、色再現性に優
れた特性を有していることが分かる。
【0129】
【発明の効果】本発明により、定着性(耐擦過性)、色
再現性に優れた、かつ印字環境の変化に対する安定性が
良好な水性インクおよびそれを用いたインクジェット画
像形成方法を提供することができた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C056 EA13 FA03 FA04 FA05 FA07 FC02 2H086 BA52 BA56 BA59 BA60 BA61 4J039 AD07 BD04 BE01 BE02 CA06 EA29 EA43 EA44 GA24

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 色材を含有した樹脂からなる着色微粒
    子、色材を被覆した樹脂からなる着色微粒子及び色材を
    含有した樹脂の表面を更に樹脂で被覆した着色微粒子か
    ら選ばれる少なくとも1種の着色微粒子を含有する分散
    液を有し、10℃で7日間停滞した前後での該着色微粒
    子の体積換算平均粒子径の変動率1が下記式(A)で表
    され、かつ60℃で7日間停滞した前後での該着色微粒
    子の体積換算平均粒子径の変動率2が下記式(B)で表
    されることを特徴とする水性インク。 式(A)0.7≦変動率1(10℃で停滞後の体積換算
    平均粒子径/停滞前の体積換算平均粒子径)≦1.3 式(B) 0.7≦変動率2(60℃で停滞後の体積換算平均粒子
    径/停滞前の体積換算平均粒子径)≦1.8
  2. 【請求項2】 前記変動率1に対する前記変動率2の比
    (変動率2/変動率1)が、下記式(1)で表されるこ
    とを特徴とする請求項1記載の水性インク。 式(1) 0.8≦変動率2/変動率1≦1.6
  3. 【請求項3】 色材を含有した樹脂からなる着色微粒
    子、色材を被覆した樹脂からなる着色微粒子及び色材を
    含有した樹脂の表面を更に樹脂で被覆した着色微粒子か
    ら選ばれる少なくとも1種の着色微粒子を含有する分散
    液を有し、10℃で7日間停滞した前後での粘度の変動
    率3が下記式(C)で表され、かつ60℃で7日間停滞
    した前後での粘度の変動率4が下記式(D)で表される
    ことを特徴とする水性インク。 式(C) 0.9≦変動率3(10℃で停滞後の水性インク粘度/
    停滞前の水性インク粘度)≦1.2(ただし、粘度は1
    0℃で測定した値である。) 式(D) 0.9≦変動率4(60℃で停滞後の水性インク粘度/
    停滞前の水性インク粘度)≦1.2(ただし、粘度は6
    0℃で測定した値である。)
  4. 【請求項4】 前記変動率3に対する前記変動率4の比
    (変動率4/変動率3)が、下記式(2)で表されるこ
    とを特徴とする請求項3記載の水性インク。 式(2) 0.9≦変動率4/変動率3≦1.3
  5. 【請求項5】 前記着色微粒子が、コアシェル構造を有
    していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項
    に記載の水性インク。
  6. 【請求項6】 前記色材が、有機溶剤に1質量%以上の
    溶解度を有する染料であることを特徴とする請求項1〜
    5のいずれか1項に記載の水性インク。
  7. 【請求項7】 前記有機溶剤が、酢酸エチルまたは2−
    ブタノンであることを特徴とする請求項6に記載の水性
    インク。
  8. 【請求項8】 前記樹脂の少なくとも一つが、ポリビニ
    ルブチラールであることを特徴とする請求項1〜7のい
    ずれか1項に記載の水性インク。
  9. 【請求項9】 前記着色微粒子の体積換算平均粒子径
    が、100nm以下であることを特徴とする請求項1〜
    8のいずれか1項に記載の水性インク。
  10. 【請求項10】 インクジェット用水性インクであるこ
    とを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の水
    性インク。
  11. 【請求項11】 デジタル信号に基づき、インクジェッ
    トヘッドより請求項10に記載の水性インクを液滴とし
    て吐出させ、インク記録媒体に印字することを特徴とす
    るインクジェット画像形成方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009001821A (ja) * 2008-08-25 2009-01-08 Fujitsu Ltd 生分解性樹脂組成物とそれを用いた樹脂筐体

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009001821A (ja) * 2008-08-25 2009-01-08 Fujitsu Ltd 生分解性樹脂組成物とそれを用いた樹脂筐体
JP4574701B2 (ja) * 2008-08-25 2010-11-04 富士通株式会社 生分解性樹脂組成物とそれを用いた樹脂筐体

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