JP4574701B2 - 生分解性樹脂組成物とそれを用いた樹脂筐体 - Google Patents

生分解性樹脂組成物とそれを用いた樹脂筐体 Download PDF

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Description

本発明は、生分解性樹脂組成物とそれを用いた樹脂筐体に関する。
樹脂製品は土中に埋めても分解せず、燃焼時には高熱やダイオキシン等の有毒物質を発生することから、地球環境保全、環境汚染の防止の観点から大きな問題となっている。近年、この打開策として生分解性樹脂が注目され、これまでフィルム、植栽ポット、釣り糸、魚網等の農林水産用資材、保水シート、植物ネット等の土木工事用資材、土、食品等が付着してリサイクルが難しい包装・容器分野等の主として使い捨て用品に対して実用化が進められてきた。
最近では、ノートパソコン、携帯電話等の電子機器の筐体に対してもポリ乳酸を主成分とした生分解性樹脂を使用することが検討されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2001−244645号公報
ポリ乳酸系樹脂の射出成形等により、ノートパソコン、携帯電話等の電子機器用筐体を形成するためには、筐体に必要な強度および耐熱性を確保する必要がある。そのためには、ポリ乳酸の結晶化を進めて強度および耐熱性を高める必要がある。
射出成形においてポリ乳酸の結晶化を促進するには金型温度を高く設定しなければならず、通常は成形時の金型温度を80〜110℃にする必要がある。しかし、ポリ乳酸の結晶化度は最大でも30〜40%であり、そのガラス転移温度は約60℃である。そのため金型温度が80〜110℃の場合、ポリ乳酸の非晶部分が軟化して剛性を失うため、成形品の離型時に変形、離型不良が発生する問題がある。
そこで、本発明は、射出成形により成形品を形成しても、強度および耐熱性が低下しない生分解性樹脂組成物およびそれを用いた樹脂筐体を提供するものである。
本発明は、ポリ乳酸と、タンニンとを含むことを特徴とする生分解性樹脂組成物を提供する。
本発明は、上記生分解性樹脂組成物から形成されていることを特徴とする樹脂筐体を提供する。
本発明は、上記構成を有することにより、射出成形により成形品を形成しても、強度および耐熱性が低下しないポリ乳酸を含む生分解性樹脂組成物およびそれを用いた樹脂筐体を提供することができる。
本発明者らは上記の課題を解決するために鋭意研究を行った結果、ポリ乳酸を主成分として含んだ樹脂の非晶部分の耐熱性を改善するために、ポリ乳酸のガラス転移温度より高いガラス転移温度を有する非晶性樹脂をポリ乳酸に混合することに解決の第1のポイントがあることを見出し、また、タンニンをポリ乳酸に混合することに解決の第2のポイントがあることを見出し、本発明を完成するに至った。以下、本発明の実施の形態を説明する。
(実施形態1)
本発明の生分解性樹脂組成物の一例は、ポリ乳酸と、ポリ乳酸のガラス転移温度より高いガラス転移温度を有する非晶性樹脂とを含む生分解性樹脂組成物である。
また、本発明の樹脂筐体の一例は、上記生分解性樹脂組成物から形成されている樹脂筐体である。
ポリ乳酸は、生分解性を有する樹脂であり、このポリ乳酸を含む樹脂を用いて成形体を作製することにより、この成形体に生分解性を付与することができる。これにより、この成形体は、そのまま地中に埋没しても地中に存在する微生物によってその大分部分が自然に分解される。また、この成形体は、燃焼してもダイオキシン等の有害物質の発生が少ないのに加え、二酸化炭素の排出量も少ないため、環境負荷が小さく、対環境性に非常に優れている。
以上の効果を実現するために、上記ポリ乳酸は、生分解性樹脂組成物の全重量に対して50重量%以上含まれていることが好ましい。
上記ポリ乳酸の分子量や分子量分布は、実質的に成形加工が可能であれば特に限定されるものではないが、重量平均分子量としては、好ましくは1万以上、より好ましくは4万以上、特に好ましくは8万以上である。
また、上記生分解性樹脂組成物は、ポリ乳酸のガラス転移温度より高いガラス転移温度を有する非晶性樹脂を含んでいるため、射出成形の際にポリ乳酸のガラス転移温度(約60℃)より高い金型温度に設定しても、樹脂の軟化を抑えることができ、離型時に成形品の変形、離型不良が発生することを低減できる。また、ポリ乳酸に加える樹脂として、非晶性樹脂を用いることにより、上記非晶性樹脂がポリ乳酸の非晶部分へ分散して海島構造をとるため、ポリ乳酸の非晶部分の強度を高めることができる。これにより、成形品の強度と耐熱性を高めることができる。
非晶性樹脂とは、分子鎖が互いに規則正しく配列して周期性のある高次構造を有する結晶部分の割合が、結晶性樹脂に比べて少ない樹脂をいう。
ポリ乳酸のガラス転移温度より高いガラス転移温度を有する非晶性樹脂の具体例としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ABS樹脂、AS樹脂、ASA樹脂、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリアリレート、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、熱可塑性ポリイミド、スチレン系エラストマ、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリエーテルエーテルケトン等が挙げられる。
上記生分解性樹脂組成物には、さらにシリコーン系難燃剤、有機金属塩系難燃剤、有機リン系難燃剤、金属酸化物系難燃剤、金属水酸化物系難燃剤等を添加することが好ましい。これにより、難燃性が向上して延焼が抑制できるとともに、生分解性樹脂組成物の流動性が向上するため、より優れた成形性を確保することができる。
上記シリコーン系難燃剤としては、例えば、アルキルシロキサン、アルキルフェニルシロキサン等を用いるこができる。より具体的には、信越シリコーン社の“X40−9805”(商品名)、ダウコーニング・シリコーン社の“MB50−315”(商品名)等を使用できる。
上記有機金属塩系難燃剤としては、例えば、トリクロロベンゼンスルフォン酸カリウム、パーフルオロブタンスルフォン酸カリウム、ジフェニルスルフォン−3−スルフォン酸カリウム等の有機スルフォン酸金属塩、芳香族スルフォンイミド金属塩、あるいはスチレン系重合体、ポリフェニレンエーテル等の芳香族基含有重合体の芳香環に、スルフォン酸金属塩、硫酸金属塩、リン酸金属塩、ホウ酸金属塩が結合したポリスチレンスルフォン酸アルカリ金属塩等を使用できる。
上記有機リン系難燃剤としては、例えば、ホスフィン、ホスフィンオキシド、ビホスフィン、ホスホニウム塩、ホスフィン酸塩、リン酸エステル、亜リン酸エステル等を用いることができる。より具体的には、トリフェニルフォスフェート、メチルネオペンチルフォスファイト、ペンタエリスリトールジエチルジフォスファイト、メチルネオペンチルフォスフォネート、フェニルネオペンチルフォスフェート、ペンタエリスリトールジフェニルジフォスフェート、ジシクロペンチルハイポジフォスフェート、ジネオペンチルハイポフォスファイト、フェニルピロカテコールフォスファイト、エチルピロカテコールフォスフェート、ジピロカテコールハイポジフォスフェート等を使用できる。
上記金属酸化物系難燃剤としては、例えば酸化マグネシウム等が使用でき、上記金属水酸化物系難燃剤としては、例えば水酸化マグネシウム等が使用できる。
上記生分解性樹脂組成物には、さらに改質剤として乳酸系ポリエステルを添加することが好ましい。これにより、耐衝撃性が向上するのみならず、難燃化効果も向上する。この乳酸系ポリエステルとしては、乳酸とジカルボン酸とジオールとを共重合したポリマーが使用できる。このジカルボン酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸等を挙げることができる。また、ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等を挙げることができる。より具体的には、大日本インキ社の“EXP−PD−150”(商品名)を好適に用いることができる。さらに、他の改質剤としては、セバシン酸1,3−ブタンジオール等を使用できる。
上記生分解性樹脂組成物には、さらに充填剤として、タルク、マイカ、モンモリロナイト、カオリン等を添加することが好ましい。これらが結晶核となることにより、ポリ乳酸の結晶化が促進され、成形体の衝撃強度および耐熱性が向上する。また、成形体の剛性も大きくできる。
上記生分解性樹脂組成物には、さらに充填剤として、麻繊維、キチン・キトサン、椰子殻繊維、ケナフ、これらから誘導された短繊維(長さ10mm以下)、これらから誘導された粉体等を添加することが好ましい。これにより、成形体の剛性および耐熱性を向上できる。また、これらは天然素材であり、成形体の生分解性を低下させない。
上記生分解性樹脂組成物には、さらに充填剤として、ガラス繊維、カーボン繊維、ガラスフレーク、ガラスビーズ等を添加することが好ましい。これにより、成形体の剛性を大きくできる。
また、上記充填剤は、ポリ乳酸や脂肪酸等でコーティング等の表面処理がされていてもよいし、シランカップリング剤等で表面処理がされていてもよい。
上記生分解性樹脂組成物には、必要に応じて他の添加剤を含ませることができる。例えば、樹脂の加水分解を抑制可能な物質として、カルボジイミド化合物、イソシアネート化合物、オキサゾリン系化合物等を添加することができる。また、乳酸系以外のポリエステルやポリエーテル等の可塑剤を必要に応じて添加して使用することもできる。さらに、耐候性改良剤、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、結晶核剤、滑剤、離型剤、着色剤、相溶化剤などを配合することも可能である。これらの混練により、耐熱性、曲げ強度、衝撃強度、難燃性等も改善されるため、さらにノートパソコン、携帯電話等を代表とする電子機器用筐体等の成形体への適用が促進される。
次に、上記本発明を実施例に基づき具体的に説明する。
(実施例1)
<生分解性樹脂組成物(成形材料)の調製>
ポリ乳酸(商品名:レイシアH−100J、三井化学製)と、非晶性樹脂であるポリスチレン(商品名:スタイロンH8652、旭化成製)とからなる樹脂に、ガラス繊維(充填剤)と、改質剤と、シリコーン系難燃剤とを混練機(商品名:TEX30α、日本製鋼所製)を用いて混練して、生分解性樹脂組成物からなる成形材料を調製した。
上記ポリ乳酸とポリスチレンとの配合比は、ポリ乳酸:ポリスチレン=70:30(重量%)とした。
上記ガラス繊維としては、平均繊維長さ3mmのガラス繊維(商品名:CS03JAFT592、旭ファイバーグラス製)を用いた。上記改質剤としては、乳酸:コハク酸:プロピレングリコール=50:30:20(重量%)の共重合体(乳酸系ポリエステル、重量平均分子量:50000)とセバシン酸1,3−ブタンジオールとの重量比1対1の混合物を用いた。上記シリコーン系難燃剤としては、ポリカーボネートとポリジメチルシロキサンからなる難燃剤(商品名:MB50−315、ダウコーニング・シリコーン製)を用いた。
また、上記成形材料における樹脂、ガラス繊維、改質剤、シリコーン系難燃剤の配合比は、80:10:5:5(=樹脂:ガラス繊維:改質剤:シリコーン系難燃剤、重量%)とした。
また、上記混練機のシリンダ温度は220℃、スクリュー回転数は150rpmとした。
上記成形材料の改質剤を除く組成を表1に示した。なお、表1ではポリスチレンをPSと表示した。
<高温剛性の測定>
上述のようにして得られた成形材料から、射出成形(シリンダ温度:190℃、金型温度:80℃)により、試験片(60mm×180mm×0.8mm)を作成し、高温剛性を測定した。具体的には、図2に示す両持ちばりで、試験片の左右17mmを固定し、70℃雰囲気で30分間放置した際の自重による中央部pの変位量を測定した。その結果を表2に示した。
<アイゾット衝撃強度の測定>
上述のようにして得られた成形材料から、射出成形(シリンダ温度:190℃、金型温度:80℃)により、JIS Z 2204 2号A試験片(12mm×64mm×3.2mm、ノッチ2.54mm)を作成し、アイゾット衝撃強度を測定した。具体的には、アイゾット衝撃試験機(商品名:B−121202403、東洋精機製)を使用し、JIS 7110に準拠して、アイゾット衝撃試験を行った。その結果を表2に示した。
<難燃性の評価>
上述のようにして得られた成形材料から、射出成形(シリンダ温度:190℃、金型温度:80℃)により、燃焼試験用試験片(125mm×13mm×1mm)を作成し、燃焼試験を行った。具体的には、UL94垂直燃焼試験法に準拠した方法により、UL燃焼テストチャンバー(商品名:HVUL、東洋精機製)で約2.5cmのバーナー炎を上記試験片に接触させて燃焼試験を行い、難燃性を評価した。その結果を表2に示した。
UL94垂直燃焼試験法は、難燃性が高い順から5VA、5VB、V−0、V−1、V−2、HBの6段階で評価される。
<成形性の評価>
上述のようにして得られた成形材料から、射出成形(シリンダ温度:190℃、金型温度:80℃)により、図1に示すノートパソコン用筐体(265mm×175mm×0.8mm)を作成し、筐体のそりの大きさを測定することにより、成形性の良否を評価した。その結果を表2に示した。
そりの大きさは、筐体全体について24点の変位量を測定して、その最大値を採用した。
(実施例2)
シリコーン系難燃剤を含まず、成形材料における樹脂、ガラス繊維、改質剤の配合比を85:10:5(=樹脂:ガラス繊維:改質剤、重量%)とした以外は、実施例1と同様にして成形材料を調製した。その成形材料の主な組成を表1に示した。また、実施例1と同様にして高温剛性の測定、アイゾット衝撃強度の測定、難燃性の評価および成形性の評価を行い、その結果を表2に示した。
(実施例3)
ガラス繊維およびシリコーン系難燃剤を含まず、成形材料における樹脂、改質剤の配合比を95:5(=樹脂:改質剤、重量%)とした以外は、実施例1と同様にして成形材料を調製した。その成形材料の主な組成を表1に示した。また、実施例1と同様にして高温剛性の測定、アイゾット衝撃強度の測定、難燃性の評価および成形性の評価を行い、その結果を表2に示した。
(実施例4)
ポリスチレンに代えて、非晶性樹脂であるABS樹脂(商品名:スタイラック121、旭化成製)を用い、混練機のシリンダ温度を240℃とした以外は、実施例1と同様にして成形材料を調製した。その成形材料の主な組成を表1に示した。また、射出成形のシンリンダ温度を220℃とした以外は、実施例1と同様にして高温剛性の測定、アイゾット衝撃強度の測定、難燃性の評価および成形性の評価を行い、その結果を表2に示した。なお、表1ではABS樹脂をABSと表示した。
(実施例5)
シリコーン系難燃剤を含まず、成形材料における樹脂、ガラス繊維、改質剤の配合比を85:10:5(=樹脂:ガラス繊維:改質剤、重量%)とした以外は、実施例4と同様にして成形材料を調製した。その成形材料の主な組成を表1に示した。また、実施例1と同様にして高温剛性の測定、アイゾット衝撃強度の測定、難燃性の評価および成形性の評価を行い、その結果を表2に示した。
(実施例6)
ガラス繊維およびシリコーン系難燃剤を含まず、成形材料における樹脂、改質剤の配合比を95:5(=樹脂:改質剤、重量%)とした以外は、実施例4と同様にして成形材料を調製した。その成形材料の主な組成を表1に示した。また、実施例1と同様にして高温剛性の測定、アイゾット衝撃強度の測定、難燃性の評価および成形性の評価を行い、その結果を表2に示した。
(実施例7)
ポリスチレンに代えて、非晶性樹脂であるポリカーボネート(商品名:タフロンA1900、出光石油化学製)を用い、混練機のシリンダ温度を260℃とした以外は、実施例1と同様にして成形材料を調製した。その成形材料の主な組成を表1に示した。また、射出成形のシンリンダ温度を240℃とした以外は、実施例1と同様にして高温剛性の測定、アイゾット衝撃強度の測定、難燃性の評価および成形性の評価を行い、その結果を表2に示した。なお、表1ではポリカーボネートをPCと表示した。
(実施例8)
シリコーン系難燃剤を含まず、成形材料における樹脂、ガラス繊維、改質剤の配合比を85:10:5(=樹脂:ガラス繊維:改質剤、重量%)とした以外は、実施例7と同様にして成形材料を調製した。その成形材料の主な組成を表1に示した。また、実施例1と同様にして高温剛性の測定、アイゾット衝撃強度の測定、難燃性の評価および成形性の評価を行い、その結果を表2に示した。
(実施例9)
ガラス繊維およびシリコーン系難燃剤を含まず、成形材料における樹脂、改質剤の配合比を95:5(=樹脂:改質剤、重量%)とした以外は、実施例7と同様にして成形材料を調製した。その成形材料の主な組成を表1に示した。また、実施例1と同様にして高温剛性の測定、アイゾット衝撃強度の測定、難燃性の評価および成形性の評価を行い、その結果を表2に示した。
(比較例1)
ポリスチレンを含まないポリ乳酸のみからなる樹脂を用いた以外は、実施例3と同様にして成形材料を調製した。その成形材料の主な組成を表1に示した。また、実施例1と同様にして高温剛性の測定、アイゾット衝撃強度の測定、難燃性の評価および成形性の評価を行い、その結果を表2に示した。
(比較例2)
ポリスチレンに代えて、結晶性樹脂であるポリエチレンテレフタレート(商品名:W3030、帝人製)を用い、混練機のシリンダ温度を250℃とした以外は、実施例1と同様にして成形材料を調製した。その成形材料の主な組成を表1に示した。また、射出成形のシンリンダ温度を240℃、金型温度を100℃とした以外は、実施例1と同様にして高温剛性の測定、アイゾット衝撃強度の測定、難燃性の評価および成形性の評価を行い、その結果を表2に示した。なお、表1ではポリエチレンテレフタレートをPETと表示した。
Figure 0004574701
Figure 0004574701
表1および表2から明らかなように、実施例1〜9の成形品は、比較例1および比較例2に比べて高温剛性およびアイゾット衝撃強度が大きく、また成形性にも優れていることが分かる。これにより、射出成形により成形品を形成しても、強度および耐熱性が低下しない生分解性樹脂およびそれを用いた樹脂筐体を提供することができる。
また、難燃剤を添加した実施例1、実施例4および実施例7では、全て難燃性がUL94でV−2を達成できた。また、ガラス繊維を添加した実施例1、実施例2、実施例4、実施例5、実施例7および実施例8では、全てアイゾット衝撃強度も大幅に向上できた。
なお、比較例1の成形性は、そりが10mm以上となり、ねじれが発生した。比較例2においても、結晶化により、そりが大きくなり、比較例1と同様にねじれが発生した。
(実施形態2)
次に、本発明の他の実施形態を説明する。
本発明の生分解性樹脂組成物の他の一例は、ポリ乳酸と、タンニンとを含む生分解性樹脂組成物である。
また、本発明の樹脂筐体の他の一例は、上記生分解性樹脂組成物から形成されている樹脂筐体である。
ポリ乳酸としては、実施形態1で説明したものと同様のものを使用でき、それにより実施形態1と同様の作用効果を奏することができる。以上の効果を実現するために、上記ポリ乳酸は、生分解性樹脂組成物の全重量に対して50重量%以上含まれていることが好ましいことは、実施形態1と同様である。
また、上記生分解性樹脂組成物は、タンニンを含んでいるため、射出成形の際にポリ乳酸のガラス転移温度(約60℃)より高い金型温度に設定しても、樹脂の軟化を抑えることができ、離型時に成形品の変形、離型不良が発生することを低減できる。また、難燃剤を添加しなくても難燃性を向上できる。
タンニンは、タンニン酸類、カテキン類、ロイコアントシアン類、クロロゲン酸類を包括する多価フェノールと呼ばれ、広く自然界の植物に含まれる。タンニンは大別すると加水分解型と縮合型の2種類に分けられるが、いずれも天然化合物であるため構造の異なる化合物が多数存在する。加水分解型には、例えば、チャイナタンニン、エラグタンニン、カフェ酸やキナ酸等のデプシドからなるクロロゲン酸等があり、このうちチャイナタンニンは没食子酸およびその誘導体がエステル結合したものである。一方、縮合型には、例えば、ケプラコタンニン、ワットルタンニン、ガンビルタンニン、カッチタンニン、フラバタンニン等があり、さらにカテキン類、ロイコアントシアン類、ロイコアントシアニジン類などがある。
本実施形態では、上記いずれのタンニンでも使用できる。また、タンニン酸はタンニンとも呼ばれており本発明では特に区別はしない。タンニンは広く自然界の植物に含まれる化合物であるため、部分的に化学構造が異なる可能性がある。本発明ではこのような部分的に化学構造が異なるタンニンとカテキン等を含めて多価フェノールとする。化学構造が異なる多価フェノールとして、それぞれカテキン、ケブロタンニン、およびトルコタンニン等がある。なお、染料固定効果や皮の鞣し効果を持つ多価フェノールを「合成タンニン」または「シンタン」と呼んでいるが、本発明ではこれらの多価フェノールも使用することができる場合がある。本実施形態では、これらのタンニンの1種または2種以上を複数混合して用いることもできる。また、タンニンやこれらの脱水縮重合タンニン、ポリエチレングリコールまたはポリビニルアルコールと共重合された共重合タンニンを混合して用いることもできる。
上記生分解性樹脂組成物には、さらにリン酸エステルを添加することが好ましい。これにより、樹脂の難燃性をさらに向上できる。これは、リン酸エステルを添加することで、各種タンニンはリン酸エステルと一緒になり、ポリ乳酸のポリマー間にネットワーク的な結合をなし、その結果ポリマー分子の動きを少なくして樹脂の燃焼を抑制することができるものと考えられる。タンニンとリン酸エステルの混合比は、重量比でタンニン:リン酸エステル=1:0.1〜1:10が好ましい。
リン酸エステルは大別して脂肪族系と芳香族系とがある。脂肪族系としては、例えば、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート等がある。また、芳香族系の中には数多くの化合物が存在し、リン酸が1分子のもの、2分子のもの、3分子のものなど非常に多岐にわたって存在する。化学構造においてリン酸エステル化合物であれば、わずかな分子構造の違い、例えばメチル基とエチル基の違い、あるいはベンゼン環の側鎖として化学修飾等の有無の違いがあっても、樹脂の難燃性が左右されることはない。本実施形態では、これらのリン酸エステルを複数混合して用いるもできる。
また、上記生分解性樹脂組成物には、さらにポリカプロラクトン、ポリヒドロキシブチレート、ポリブチレンサクシネート、およびこれらの誘導体から選ばれる少なくとも1種類の生分解性樹脂を添加することが好ましい。これにより、成形収縮が安定し、耐衝撃性が向上する。
また、上記生分解性樹脂組成物には、実施形態1で説明したポリ乳酸のガラス転移温度より高いガラス転移温度を有する非晶性樹脂をさらに含むことが好ましい。実施形態1と同様の効果をさらに奏することができるからである。
上記生分解性樹脂組成物には、実施形態1と同様に、さらにシリコーン系難燃剤、有機金属塩系難燃剤、有機リン系難燃剤、金属酸化物系難燃剤、金属水酸化物系難燃剤等を添加することができる。
上記生分解性樹脂組成物には、さらに改質剤として乳酸系ポリエステルを添加することが好ましい。これにより、耐衝撃性が向上するのみならず、難燃化効果も向上する。乳酸系ポリエステルとしては、実施形態1で説明したものと同様のものが使用できる。
上記生分解性樹脂組成物には、実施形態1と同様に、さらに充填剤として、タルク、マイカ、モンモリロナイト、カオリン等、または、麻繊維、キチン・キトサン、椰子殻繊維、ケナフ、これらから誘導された短繊維(長さ10mm以下)、これらから誘導された粉体等、または、ガラス繊維、カーボン繊維、ガラスフレーク、ガラスビーズ等を添加することが好ましい。
また、上記充填剤は、ポリ乳酸や脂肪酸等でコーティング等の表面処理がされていてもよいし、シランカップリング剤等で表面処理がされていてもよいのは、実施形態1と同様である。さらに、上記生分解性樹脂組成物には、必要に応じて他の添加剤を含ませることができるのは、実施形態1と同様である。
次に、上記本発明を実施例に基づき具体的に説明する。
(実施例10)
<生分解性樹脂組成物(成形材料)の調製>
ポリ乳酸(商品名:レイシアH−100J、三井化学製)と、チャイナタンニン(小宗化学製)と、リン酸エステルである[2,2’−メチレンビス−(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト(商品名:MARKHP−10、アデカアーガス製)からなる樹脂に、ガラス繊維(充填剤)と、改質剤とを混練機(商品名:TEX30α、日本製鋼所製)を用いて混練して、生分解性樹脂組成物からなる成形材料を調製した。
上記ポリ乳酸とチャイナタンニンとリン酸エステルとの配合比は、ポリ乳酸:チャイナタンニン:リン酸エステル=100:0.5:1.0(重量比)とした。
上記ガラス繊維としては、平均繊維長さ3mmのガラス繊維(商品名:CS03JAFT592、旭ファイバーグラス製)を用いた。上記改質剤としては、乳酸:コハク酸:プロピレングリコール=50:30:20(重量%)の共重合体(乳酸系ポリエステル、重量平均分子量:50000)とセバシン酸1,3−ブタンジオールとの重量比1対1の混合物を用いた。
また、上記成形材料における樹脂、ガラス繊維、改質剤の配合比は、85:10:5(=樹脂:ガラス繊維:改質剤、重量%)とした。
また、上記混練機のシリンダ温度は190℃、スクリュー回転数は150rpmとした。
上記成形材料の組成を表3に示した。
<高温剛性の測定>
上述のようにして得られた成形材料から、射出成形(シリンダ温度:190℃、金型温度:40℃)により、試験片(60mm×180mm×0.8mm)を作成し、実施例1と同様にして高温剛性を測定した。その結果を表4に示した。
<アイゾット衝撃強度の測定>
上述のようにして得られた成形材料から、射出成形(シリンダ温度:190℃、金型温度:40℃)により、JIS Z 2204 2号A試験片(12mm×64mm×3.2mm、ノッチ2.54mm)を作成し、実施例1と同様にしてアイゾット衝撃強度を測定した。その結果を表4に示した。
<難燃性の評価>
上述のようにして得られた成形材料から、射出成形(シリンダ温度:190℃、金型温度:40℃)により、燃焼試験用試験片(125mm×13mm×1mm)を作成し、実施例1と同様にして燃焼試験を行った。その結果を表4に示した。
<成形性の評価>
上述のようにして得られた成形材料から、射出成形(シリンダ温度:190℃、金型温度:40℃)により、図1に示すノートパソコン用筐体(265mm×175mm×0.8mm)を作成し、実施例1と同様にして成形性の良否を評価した。その結果を表4に示した。
(実施例11)
ガラス繊維を含まず、成形材料における樹脂、改質剤の配合比を95:5(=樹脂:改質剤、重量%)とした以外は、実施例10と同様にして成形材料を調製した。その成形材料の組成を表3に示した。また、実施例10と同様にして高温剛性の測定、アイゾット衝撃強度の測定、難燃性の評価および成形性の評価を行い、その結果を表4に示した。
(実施例12)
ポリ乳酸(商品名:レイシアH−100J、三井化学製)と、チャイナタンニン(小宗化学製)と、リン酸エステルである[2,2’−メチレンビス−(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト(商品名:MARKHP−10、アデカアーガス製)からなる樹脂に、さらに生分解性樹脂であるポリブチレンサクシネート(商品名:ビオノーレ1020、昭和高分子製)を加えた以外は、実施例10と同様にして成形材料を調製した。上記ポリ乳酸とポリブチレンサクシネートとチャイナタンニンとリン酸エステルとの配合比は、ポリ乳酸:ポリブチレンサクシネート:チャイナタンニン:リン酸エステル=80:20:0.5:1.0(重量比)とした。その成形材料の組成を表3に示した。
また、射出成形のシンリンダ温度を220℃とした以外は、実施例10と同様にして高温剛性の測定、アイゾット衝撃強度の測定、難燃性の評価および成形性の評価を行い、その結果を表4に示した。なお、表4ではポリブチレンサクシネートをPBSと表示した。
(実施例13)
ガラス繊維を含まず、成形材料における樹脂、改質剤の配合比を95:5(=樹脂:改質剤、重量%)とした以外は、実施例12と同様にして成形材料を調製した。その成形材料の組成を表3に示した。また、実施例12と同様にして高温剛性の測定、アイゾット衝撃強度の測定、難燃性の評価および成形性の評価を行い、その結果を表4に示した。
(実施例14)
ポリ乳酸(商品名:レイシアH−100J、三井化学製)と、チャイナタンニン(小宗化学製)と、リン酸エステルである[2,2’−メチレンビス−(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト(商品名:MARKHP−10、アデカアーガス製)からなる樹脂に、さらに非晶性樹脂であるポリカーボネート(商品名:タフロンA1900、出光石油化学製)を加え、混練機のシリンダ温度を260℃とした以外は、実施例10と同様にして成形材料を調製した。上記ポリ乳酸とポリカーボネートとチャイナタンニンとリン酸エステルとの配合比は、ポリ乳酸:ポリカーボネート:チャイナタンニン:リン酸エステル=80:20:0.5:1.0(重量比)とした。その成形材料の組成を表3に示した。
また、射出成形のシンリンダ温度を240℃、金型温度を80℃とした以外は、実施例10と同様にして高温剛性の測定、アイゾット衝撃強度の測定、難燃性の評価および成形性の評価を行い、その結果を表4に示した。なお、表4ではポリカーボネートをPCと表示した。
(実施例15)
ガラス繊維を含まず、成形材料における樹脂、改質剤の配合比を95:5(=樹脂:改質剤、重量%)とした以外は、実施例14と同様にして成形材料を調製した。その成形材料の組成を表3に示した。また、実施例14と同様にして高温剛性の測定、アイゾット衝撃強度の測定、難燃性の評価および成形性の評価を行い、その結果を表4に示した。
(実施例16)
ガラス繊維および改質剤を含まない以外は、実施例10と同様にして成形材料を調製した。その成形材料の組成を表3に示した。また、実施例10と同様にして高温剛性の測定、アイゾット衝撃強度の測定、難燃性の評価および成形性の評価を行い、その結果を表4に示した。
(実施例17)
リン酸エステル、ガラス繊維および改質剤を含まない以外は、実施例10と同様にして成形材料を調製した。その成形材料の組成を表3に示した。また、実施例10と同様にして高温剛性の測定、アイゾット衝撃強度の測定、難燃性の評価および成形性の評価を行い、その結果を表4に示した。
(比較例3)
タンニンを含まないポリ乳酸のみからなる樹脂を用いた以外は、実施例17と同様にして成形材料を調製した。その成形材料の組成を表3に示した。また、実施例17と同様にして高温剛性の測定、アイゾット衝撃強度の測定、難燃性の評価および成形性の評価を行い、その結果を表4に示した。
なお、比較例3は、実施形態1の比較例1と同内容である。
Figure 0004574701
Figure 0004574701
表3および表4から明らかなように、実施例10〜17の成形品は、比較例3に比べて高温剛性が大きく、また成形性にも優れていることが分かる。これにより、射出成形により成形品を形成しても、強度および耐熱性が低下しない生分解性樹脂およびそれを用いた樹脂筐体を提供することができる。
また、タンニンとリン酸エステルとを添加した実施例10〜16では、全て難燃性がUL94でV−2を達成できた。また、ガラス繊維を添加した実施例10、実施例12、および実施例14では、全てアイゾット衝撃強度も大幅に向上できた。
また、非晶性樹脂としてポリカーボネートを添加した実施例14と実施例15は、比較例3に比べて高温剛性およびアイゾット衝撃強度が大きく、また成形性にも優れていることが分かる。
以上のまとめとして、本発明の構成およびそのバリエーションを以下に付記として列挙する。
(付記1) ポリ乳酸と、前記ポリ乳酸のガラス転移温度より高いガラス転移温度を有する非晶性樹脂とを含むことを特徴とする生分解性樹脂組成物。
(付記2) ポリ乳酸と、タンニンとを含むことを特徴とする生分解性樹脂組成物。
(付記3) リン酸エステルをさらに含む付記2に記載の生分解性樹脂組成物。
(付記4) ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシブチレート、ポリブチレンサクシネート、およびこれらの誘導体から選ばれる少なくとも1種類の生分解性樹脂をさらに含む付記2または3に記載の生分解性樹脂組成物。
(付記5) 前記ポリ乳酸のガラス転移温度より高いガラス転移温度を有する非晶性樹脂をさらに含む付記2〜4のいずれかに記載の生分解性樹脂組成物。
(付記6) 前記非晶性樹脂が、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ABS樹脂、AS樹脂、ASA樹脂、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリアリレート、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、熱可塑性ポリイミド、スチレン系エラストマ、エチレン酢酸ビニル共重合体、およびポリエーテルエーテルケトンから選ばれる少なくとも1種類の樹脂である付記1または5に記載の生分解性樹脂組成物。
(付記7) シリコーン系難燃剤、有機金属塩系難燃剤、有機リン系難燃剤、金属酸化物系難燃剤、および金属水酸化物系難燃剤から選ばれる少なくとも1種類の難燃剤をさらに含む付記1〜6のいずれかに記載の生分解性樹脂組成物。
(付記8) 乳酸系ポリエステルをさらに含む付記1〜7のいずれかに記載の生分解性樹脂組成物。
(付記9) タルク、マイカ、モンモリロナイト、およびカオリンから選ばれる少なくとも1種類をさらに含む付記1〜8のいずれかに記載の生分解性樹脂組成物。
(付記10)
麻繊維、キチン・キトサン、椰子殻繊維、ケナフ、これらから誘導された短繊維、およびこれらから誘導された粉体から選ばれる少なくとも1種類をさらに含む付記1〜9のいずれかに記載の生分解性樹脂組成物。
(付記11) ガラス繊維、カーボン繊維、ガラスフレーク、およびガラスビーズから選ばれる少なくとも1種類をさらに含む付記1〜10のいずれかに記載の生分解性樹脂組成物。
(付記12) 付記1〜11のいずれかに記載の生分解性樹脂組成物から形成されていることを特徴とする樹脂筐体。
以上のように本発明によれば、ノートパソコン、携帯電話等を代表とする電子機器用筐体として、ポリ乳酸をベースとした生分解性樹脂を用いた樹脂筐体を提供することができる。
本発明に係る樹脂筐体の一例であるノートパソコン用筐体(LCDフロントカバー)の正面図である。 高温剛性の測定方法を模式的に示す平面図Aと側面図Bである。
符号の説明
p 中央部

Claims (4)

  1. ポリ乳酸と、タンニンと、前記ポリ乳酸のガラス転移温度より高いガラス転移温度を有する非晶性樹脂とを含む生分解性樹脂組成物から形成されていることを特徴とする電子機器用樹脂筐体
  2. 前記生分解性樹脂組成物が、リン酸エステルをさらに含む請求項1に記載の電子機器用樹脂筐体
  3. 前記生分解性樹脂組成物が、ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシブチレート、ポリブチレンサクシネート、およびこれらの誘導体から選ばれる少なくとも1種類の生分解性樹脂をさらに含む請求項1または2に記載の電子機器用樹脂筐体
  4. ポリ乳酸と、タンニンと、前記ポリ乳酸のガラス転移温度より高いガラス転移温度を有する非晶性樹脂とを含む生分解性樹脂組成物から形成されている電子機器用樹脂筐体であって、
    前記生分解性樹脂組成物は、前記生分解性樹脂組成物から、シリンダ温度190℃、金型温度40℃で射出成形により、60mm×180mm×0.8mmの試験片を作製し、両持ちばりで、前記試験片の左右17mmを固定し、70℃雰囲気で30分間放置した際の自重による前記試験片の中央部の変位量が、1.2mm以下となる特性を有することを特徴とする電子機器用樹脂筐体
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