JP2003192893A - ポリイミド樹脂組成物、ポリイミドフィルム、ポリイミド管状物及び電子写真用管状物 - Google Patents
ポリイミド樹脂組成物、ポリイミドフィルム、ポリイミド管状物及び電子写真用管状物Info
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- JP2003192893A JP2003192893A JP2001392493A JP2001392493A JP2003192893A JP 2003192893 A JP2003192893 A JP 2003192893A JP 2001392493 A JP2001392493 A JP 2001392493A JP 2001392493 A JP2001392493 A JP 2001392493A JP 2003192893 A JP2003192893 A JP 2003192893A
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- Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)
- Fixing For Electrophotography (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 常温常湿から高温高湿において安定な様々な
中抵抗値を容易に調整でき、サンプル間、場所、添加量
変化、電圧変化、環境変化による抵抗値の変動が少な
く、有色または黒色のポリイミド樹脂組成物、ポリイミ
ド樹脂組成物、ポリイミドフィルム、ポリイミド管状物
及び電子写真用管状物を得る。 【解決手段】 ポリイミド樹脂100重量部に対し、黒
色導電性物質被覆無機物を0.1〜200重量部含有
し、体積抵抗値が1×106〜1×1015Ω・cmの範
囲内にあることを特徴とする。
中抵抗値を容易に調整でき、サンプル間、場所、添加量
変化、電圧変化、環境変化による抵抗値の変動が少な
く、有色または黒色のポリイミド樹脂組成物、ポリイミ
ド樹脂組成物、ポリイミドフィルム、ポリイミド管状物
及び電子写真用管状物を得る。 【解決手段】 ポリイミド樹脂100重量部に対し、黒
色導電性物質被覆無機物を0.1〜200重量部含有
し、体積抵抗値が1×106〜1×1015Ω・cmの範
囲内にあることを特徴とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリイミドが本来
有する優れた機械特性、耐熱性等の特性を兼ね備えた、
中間抵抗値を有するポリイミド樹脂組成物、ポリイミド
フィルム及びポリイミドフィルム状管状物に関する。ま
たこれらを用いた転写ベルト、中間転写ベルト、転写定
着ベルトおよび定着ベルト等の電子写真用管状物に関す
る。
有する優れた機械特性、耐熱性等の特性を兼ね備えた、
中間抵抗値を有するポリイミド樹脂組成物、ポリイミド
フィルム及びポリイミドフィルム状管状物に関する。ま
たこれらを用いた転写ベルト、中間転写ベルト、転写定
着ベルトおよび定着ベルト等の電子写真用管状物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ポリイミド樹脂は、その優れた耐熱性、
耐薬品性、電気絶縁性などの特性を活かし、フィルム、
チューブ、ベルト、成形体などの形状で幅広く利用され
ている。例えば、フィルム状としてFPCやTABのベ
ース基材あるいは電線などの絶縁被膜、また、チュー
ブ、ベルト形状として複写機等のOA機器のパーツ、成
形体として複写機の分離爪やベアリング等、様々な用途
に用いられている。また、近年は半導体周辺でもその特
性を活かして接着剤などとしても様々な用途にも用いら
れつつある。
耐薬品性、電気絶縁性などの特性を活かし、フィルム、
チューブ、ベルト、成形体などの形状で幅広く利用され
ている。例えば、フィルム状としてFPCやTABのベ
ース基材あるいは電線などの絶縁被膜、また、チュー
ブ、ベルト形状として複写機等のOA機器のパーツ、成
形体として複写機の分離爪やベアリング等、様々な用途
に用いられている。また、近年は半導体周辺でもその特
性を活かして接着剤などとしても様々な用途にも用いら
れつつある。
【0003】しかしながら、ポリイミド樹脂は絶縁性が
高すぎるために、FPCや半導体周辺の製造においては
搬送や巻き取りで樹脂が帯電したり、近年の高密度回路
においては静電気により配線間で絶縁破壊したりすると
いった問題が顕在化している。その一方で、導通が起こ
らない程度に抵抗は高く、優れた絶縁性を保たなければ
ならない。この場合求められる抵抗値は1010〜1015
Ω・cm、さらに好ましくは1010〜1013Ω・cmで
ある。
高すぎるために、FPCや半導体周辺の製造においては
搬送や巻き取りで樹脂が帯電したり、近年の高密度回路
においては静電気により配線間で絶縁破壊したりすると
いった問題が顕在化している。その一方で、導通が起こ
らない程度に抵抗は高く、優れた絶縁性を保たなければ
ならない。この場合求められる抵抗値は1010〜1015
Ω・cm、さらに好ましくは1010〜1013Ω・cmで
ある。
【0004】また、プリンター等の電子写真用途におけ
る転写ベルト・中間転写ベルト・定着ベルト等において
は、中間抵抗値を有することがトナーの転写、定着のた
めの機能として重要な品質課題となる事が良く知られて
いる。この場合求められる抵抗値は106〜1013Ω・
cmである。このように様々な分野において絶縁性を保
持でき、中程度の抵抗値(106〜1015Ω・cm)に
制御することが強く求められている。また、プリンター
は光学機器を含み、光学処理及び光学色補整をする部分
に使用される部品は光を反射しないように有色、特に黒
色であることが望まれる。
る転写ベルト・中間転写ベルト・定着ベルト等において
は、中間抵抗値を有することがトナーの転写、定着のた
めの機能として重要な品質課題となる事が良く知られて
いる。この場合求められる抵抗値は106〜1013Ω・
cmである。このように様々な分野において絶縁性を保
持でき、中程度の抵抗値(106〜1015Ω・cm)に
制御することが強く求められている。また、プリンター
は光学機器を含み、光学処理及び光学色補整をする部分
に使用される部品は光を反射しないように有色、特に黒
色であることが望まれる。
【0005】このような要求に鑑み、ポリイミド樹脂に
対し各種の導電性物質を添加して抵抗値を下げる試みが
様々なされている。例えば特開平2−110138号公
報では、芳香族ポリイミド母体と微分割電気伝導性粒子
材料とを含み、該粒子材料が均一に分散し、全体の10
〜45重量%存在する製品が示されている。また特開昭
63−311263号公報においては、カーボンブラッ
クを5〜20wt%含有し、表面抵抗(Ω/□)が10
7≦Rs≦1015の範囲にある芳香族ポリアミドフィル
ム又は芳香族ポリイミドフィルムからなる事を特徴とす
る電子写真記録装置用中間転写体が示されている。ま
た、特許第2783537号公報では、芳香族ポリイミ
ドと導電性を有する無機フィラーとを含有する組成物か
らなるフィルムであって、体積抵抗値が10-2〜1012
Ω・cm、全光線透過率が20%以上であることを特徴
とする透明導電性フィルムが示されている。
対し各種の導電性物質を添加して抵抗値を下げる試みが
様々なされている。例えば特開平2−110138号公
報では、芳香族ポリイミド母体と微分割電気伝導性粒子
材料とを含み、該粒子材料が均一に分散し、全体の10
〜45重量%存在する製品が示されている。また特開昭
63−311263号公報においては、カーボンブラッ
クを5〜20wt%含有し、表面抵抗(Ω/□)が10
7≦Rs≦1015の範囲にある芳香族ポリアミドフィル
ム又は芳香族ポリイミドフィルムからなる事を特徴とす
る電子写真記録装置用中間転写体が示されている。ま
た、特許第2783537号公報では、芳香族ポリイミ
ドと導電性を有する無機フィラーとを含有する組成物か
らなるフィルムであって、体積抵抗値が10-2〜1012
Ω・cm、全光線透過率が20%以上であることを特徴
とする透明導電性フィルムが示されている。
【0006】しかし上記のように、ポリイミドにカーボ
ンブラック、グラファイト、金属粒子、酸化インジウム
等の導電性充填剤を混合する方法は機械特性に劣ったも
のが得られることが多く、また、これらの方法で用いら
れている充填剤は、その抵抗率が非常に低い(1.0×
103Ω・cm以下)ため半導電性領域での抵抗制御は
非常に困難であり、特に一定範囲の抵抗値のものを再現
性良く得たり、面内ばらつきを小さくすることが困難で
あった。また更にはその抵抗率の測定電圧依存性、添加
部数依存性が大きいものしか得られなかった。
ンブラック、グラファイト、金属粒子、酸化インジウム
等の導電性充填剤を混合する方法は機械特性に劣ったも
のが得られることが多く、また、これらの方法で用いら
れている充填剤は、その抵抗率が非常に低い(1.0×
103Ω・cm以下)ため半導電性領域での抵抗制御は
非常に困難であり、特に一定範囲の抵抗値のものを再現
性良く得たり、面内ばらつきを小さくすることが困難で
あった。また更にはその抵抗率の測定電圧依存性、添加
部数依存性が大きいものしか得られなかった。
【0007】またさらに、こういった方法の欠点を改善
すべく、ポリアニリンとポリイミドのポリマーブレンド
により導電性を付与する方法が特開平8−259810
号公報、特開平8−259709号公報に開示されてい
る。しかしポリアニリンはイオン導電性を含むためその
抵抗値の環境依存性が大きく、さらに工業的な生産性は
確立されておらず、ポリマーブレンドとして使用するに
は非常に高価であるという問題点を有している。
すべく、ポリアニリンとポリイミドのポリマーブレンド
により導電性を付与する方法が特開平8−259810
号公報、特開平8−259709号公報に開示されてい
る。しかしポリアニリンはイオン導電性を含むためその
抵抗値の環境依存性が大きく、さらに工業的な生産性は
確立されておらず、ポリマーブレンドとして使用するに
は非常に高価であるという問題点を有している。
【0008】また、特開平4−133077号公報にお
いては、主導電性フィラーとして平均粒径1〜50μm
で体積抵抗値率が103〜109Ω・cmの大粒径高抵抗
粒子と、補助導電フィラーとして平均粒径0.1μmよ
り小さく体積抵抗値率が10 2Ω・cm以下の小粒径抵
抗粒子とが分散されてなり、体積抵抗率が105〜10 9
Ω・cmの範囲にあることを特徴とする半導電性樹脂複
合材料が示されている。
いては、主導電性フィラーとして平均粒径1〜50μm
で体積抵抗値率が103〜109Ω・cmの大粒径高抵抗
粒子と、補助導電フィラーとして平均粒径0.1μmよ
り小さく体積抵抗値率が10 2Ω・cm以下の小粒径抵
抗粒子とが分散されてなり、体積抵抗率が105〜10 9
Ω・cmの範囲にあることを特徴とする半導電性樹脂複
合材料が示されている。
【0009】しかし上記のように、大粒径高抵抗粒子を
添加すると、フィルム、チューブ等の厚みが100μm
の薄い成形物を得る場合、絶縁破壊や抵抗値の電圧依存
性が大きくなるために好ましくない。
添加すると、フィルム、チューブ等の厚みが100μm
の薄い成形物を得る場合、絶縁破壊や抵抗値の電圧依存
性が大きくなるために好ましくない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】このように種々の試み
にも関わらず、依然としてポリイミドの抵抗値を中間的
な値に安定して制御し、高絶縁性を保持することは非常
に困難な課題である。
にも関わらず、依然としてポリイミドの抵抗値を中間的
な値に安定して制御し、高絶縁性を保持することは非常
に困難な課題である。
【0011】特にカーボンブラックを添加してポリイミ
ドの抵抗を制御する場合、ポリイミドの成型特有の次の
ような課題がある。ポリイミドの成型は押出法、カレン
ダ成型といった熱溶融による単純な成型ではなく、前駆
体のポリアミド酸溶液を加熱し、溶媒乾燥とイミド化反
応を伴う非常に複雑なものである。この乾燥及び反応
中、材料のモルフォロジー、極性、溶解性は大幅に変化
する。特に、ケミカルキュアでは変化はさらに劇的であ
る。カーボンブラックは元来凝集し易い材料である。抵
抗制御のために添加されたカーボンブラックは乾燥及び
反応過程で凝集を起こし、わずかな成型条件の変化で大
幅な抵抗変化が生じ、成型条件の設定は非常に注意を要
するものであった。また、ポリイミド樹脂、中でも全芳
香族のポリイミド樹脂は体積抵抗値が1016Ω・cmと
非常に高く、ポリアミドやポリ塩化ビニルのような体積
抵抗値が低い樹脂に比べて、導電性フィラーを大量に添
加する必要があり、大量であるがために、混錬・分散不
足による体積抵抗値のばらつきが大きかった。
ドの抵抗を制御する場合、ポリイミドの成型特有の次の
ような課題がある。ポリイミドの成型は押出法、カレン
ダ成型といった熱溶融による単純な成型ではなく、前駆
体のポリアミド酸溶液を加熱し、溶媒乾燥とイミド化反
応を伴う非常に複雑なものである。この乾燥及び反応
中、材料のモルフォロジー、極性、溶解性は大幅に変化
する。特に、ケミカルキュアでは変化はさらに劇的であ
る。カーボンブラックは元来凝集し易い材料である。抵
抗制御のために添加されたカーボンブラックは乾燥及び
反応過程で凝集を起こし、わずかな成型条件の変化で大
幅な抵抗変化が生じ、成型条件の設定は非常に注意を要
するものであった。また、ポリイミド樹脂、中でも全芳
香族のポリイミド樹脂は体積抵抗値が1016Ω・cmと
非常に高く、ポリアミドやポリ塩化ビニルのような体積
抵抗値が低い樹脂に比べて、導電性フィラーを大量に添
加する必要があり、大量であるがために、混錬・分散不
足による体積抵抗値のばらつきが大きかった。
【0012】また、カーボンブラックや導電性粒子を添
加して抵抗を制御する場合、これらの材料は抵抗値が低
いため、添加量のわずかな違いや分散状態の違いによっ
て抵抗値が大幅に変化したり、全く同じ配合であっても
サンプル間で抵抗値が異なったりするという問題があっ
た。さらに、ベルトのように成型体の厚みが薄いと、部
分的なばらつきが大きくなり、顕著な絶縁信頼性の低下
につながるため、抵抗制御はより困難なものとなった。
加して抵抗を制御する場合、これらの材料は抵抗値が低
いため、添加量のわずかな違いや分散状態の違いによっ
て抵抗値が大幅に変化したり、全く同じ配合であっても
サンプル間で抵抗値が異なったりするという問題があっ
た。さらに、ベルトのように成型体の厚みが薄いと、部
分的なばらつきが大きくなり、顕著な絶縁信頼性の低下
につながるため、抵抗制御はより困難なものとなった。
【0013】また、転写ベルトや中間転写ベルトに用い
る抵抗値が制御されたベルトは、あらゆる環境下で抵抗
値は一定であることが好ましい。具体的には常温常湿時
と高温高湿時の抵抗値の比が100倍以下、さらには3
0倍以下であることが好ましい。しかし、特に、カーボ
ンブラックや導電性粒子等の導電材を添加した樹脂材料
では、高温高湿下では、導電材と樹脂の界面に水が浸透
し、電気抵抗が大幅に低下する。またベース樹脂が吸湿
膨張すると、添加剤の分散状態が変化し、抵抗値が大幅
に変動する。
る抵抗値が制御されたベルトは、あらゆる環境下で抵抗
値は一定であることが好ましい。具体的には常温常湿時
と高温高湿時の抵抗値の比が100倍以下、さらには3
0倍以下であることが好ましい。しかし、特に、カーボ
ンブラックや導電性粒子等の導電材を添加した樹脂材料
では、高温高湿下では、導電材と樹脂の界面に水が浸透
し、電気抵抗が大幅に低下する。またベース樹脂が吸湿
膨張すると、添加剤の分散状態が変化し、抵抗値が大幅
に変動する。
【0014】転写ベルトや中間転写ベルトに用いる場
合、画像の種類や環境に応じて、電圧や電流を制御する
必要がある。電圧に応じて抵抗値に変動があっては制御
が難しくなり、抵抗値の電圧依存性は小さいほど好まし
い。100Vと1000Vの抵抗値の比が100倍以
下、さらに好ましくは30倍以下である。
合、画像の種類や環境に応じて、電圧や電流を制御する
必要がある。電圧に応じて抵抗値に変動があっては制御
が難しくなり、抵抗値の電圧依存性は小さいほど好まし
い。100Vと1000Vの抵抗値の比が100倍以
下、さらに好ましくは30倍以下である。
【0015】さらに、転写ベルトや中間転写ベルト等は
光学処理部付近に用いられるために、有色、特に黒色で
あることが望まれる。しかし、カーボン添加系ベルトは
前述の通り抵抗値の制御が難しく、添加量の最適化も難
しい。
光学処理部付近に用いられるために、有色、特に黒色で
あることが望まれる。しかし、カーボン添加系ベルトは
前述の通り抵抗値の制御が難しく、添加量の最適化も難
しい。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な課題を解決すべく種々の導電材の効果を比較検討した
結果、黒色導電性物質で被覆された無機物を特定量だけ
ポリイミド系樹脂中に分散・混合することで、中抵抗値
を有し、高温高湿時での抵抗値と絶縁性の変動が少な
く、抵抗値の電圧依存性が少なく、サンプル間のばらつ
きが小さく、光学処理及び光学色補整部に使用できる有
色もしくは黒色系にすることが可能なポリイミド樹脂組
成物を得る方法を見出し、本発明を完成するに至った。
な課題を解決すべく種々の導電材の効果を比較検討した
結果、黒色導電性物質で被覆された無機物を特定量だけ
ポリイミド系樹脂中に分散・混合することで、中抵抗値
を有し、高温高湿時での抵抗値と絶縁性の変動が少な
く、抵抗値の電圧依存性が少なく、サンプル間のばらつ
きが小さく、光学処理及び光学色補整部に使用できる有
色もしくは黒色系にすることが可能なポリイミド樹脂組
成物を得る方法を見出し、本発明を完成するに至った。
【0017】すなわち本発明の第一は、ポリイミド樹脂
100重量部に対し、黒色導電性物質で被覆された無機
物(黒色導電性物質被覆無機物)を0.1〜200重量
部含有し、体積抵抗値が1×106〜1×1015Ω・c
mの範囲内にあることを特徴とするポリイミド樹脂組成
物を内容とする。
100重量部に対し、黒色導電性物質で被覆された無機
物(黒色導電性物質被覆無機物)を0.1〜200重量
部含有し、体積抵抗値が1×106〜1×1015Ω・c
mの範囲内にあることを特徴とするポリイミド樹脂組成
物を内容とする。
【0018】前記黒色導電性物質被覆無機物の好ましい
体積抵抗値は1×103〜1×101 2Ω・cmであり、
さらに好ましくは1×104〜1×1011Ω・cmであ
る。
体積抵抗値は1×103〜1×101 2Ω・cmであり、
さらに好ましくは1×104〜1×1011Ω・cmであ
る。
【0019】一つの実施態様において、前記無機物は、
硫酸バリウム、炭酸カルシウム、シリカ、ガラス、アル
ミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、ホウ酸アルミニウム、炭
化ケイ素、窒化ケイ素、チタン酸金属塩、チタン酸アル
ミン酸塩、塩基性硫酸マグネシウム、ケイ酸カルシウ
ム、マグネシア、硫酸カルシウム、リン酸カルシウムナ
トリウム、ホウ酸マグネシウム、二ホウ化チタン、ウォ
ラストナイト、クリソタイル、マイカ、タルク、粘土鉱
物、ケイ酸塩およびカオリンからなる群より選択される
少なくとも1種の無機物であり、好ましくは、シリカ、
硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、酸化チタン、チタ
ン酸金属塩、チタン酸アルミン酸塩、ケイ酸カルシウ
ム、ケイ酸塩およびマイカからなる群より選択される少
なくとも1種の無機物である。
硫酸バリウム、炭酸カルシウム、シリカ、ガラス、アル
ミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、ホウ酸アルミニウム、炭
化ケイ素、窒化ケイ素、チタン酸金属塩、チタン酸アル
ミン酸塩、塩基性硫酸マグネシウム、ケイ酸カルシウ
ム、マグネシア、硫酸カルシウム、リン酸カルシウムナ
トリウム、ホウ酸マグネシウム、二ホウ化チタン、ウォ
ラストナイト、クリソタイル、マイカ、タルク、粘土鉱
物、ケイ酸塩およびカオリンからなる群より選択される
少なくとも1種の無機物であり、好ましくは、シリカ、
硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、酸化チタン、チタ
ン酸金属塩、チタン酸アルミン酸塩、ケイ酸カルシウ
ム、ケイ酸塩およびマイカからなる群より選択される少
なくとも1種の無機物である。
【0020】また、前期無機物の好ましい特性として
は、屈折率が2.0以下、遊離金属成分が100ppm
以下、粒径が3μm以下、形状が針状または鱗片状であ
る、が挙げられる。
は、屈折率が2.0以下、遊離金属成分が100ppm
以下、粒径が3μm以下、形状が針状または鱗片状であ
る、が挙げられる。
【0021】また、前記黒色導電性物質は、好ましく
は、黒鉛、炭素、チタンブラックからなる群より選択さ
れる少なくとも1種の導電性物質である。
は、黒鉛、炭素、チタンブラックからなる群より選択さ
れる少なくとも1種の導電性物質である。
【0022】また、本発明の樹脂組成物の一つは、前記
黒色導電性物質被覆無機物の他に、ポリイミド樹脂10
0重量部に対し、0.01〜40重量部の導電性物質を
含み得る。
黒色導電性物質被覆無機物の他に、ポリイミド樹脂10
0重量部に対し、0.01〜40重量部の導電性物質を
含み得る。
【0023】また、ポリイミド樹脂は、反応硬化型直鎖
状ポリイミド樹脂が好ましい。
状ポリイミド樹脂が好ましい。
【0024】さらに、また、イミド化促進剤として酸無
水物および/または三級アミンを添加後、加熱焼成して
得られるポリイミド樹脂組成物が好ましい。
水物および/または三級アミンを添加後、加熱焼成して
得られるポリイミド樹脂組成物が好ましい。
【0025】また、前記組成物が成形されてなるポリイ
ミド管状物の常温常湿時の抵抗値R nと高温高湿の体積
抵抗値Rhの比(Rn/Rh)が0.03〜30の範囲内
にあるとよい。
ミド管状物の常温常湿時の抵抗値R nと高温高湿の体積
抵抗値Rhの比(Rn/Rh)が0.03〜30の範囲内
にあるとよい。
【0026】さらに、本発明の第二は、前記ポリイミド
樹脂組成物からなるポリイミドフィルムおよびポリイミ
ド管状物を提供する。
樹脂組成物からなるポリイミドフィルムおよびポリイミ
ド管状物を提供する。
【0027】本発明のポリイミド管状物における実施態
様の一つとして、電子写真装置の転写ベルト、中間転写
ベルト、転写定着ベルトまたは定着ベルトのいずれかに
使用される電子写真用管状物が挙げられる。
様の一つとして、電子写真装置の転写ベルト、中間転写
ベルト、転写定着ベルトまたは定着ベルトのいずれかに
使用される電子写真用管状物が挙げられる。
【0028】
【発明の実施の形態】本発明におけるポリイミド樹脂と
は、その構造中にイミド結合を有する樹脂全般を差し、
ポリエーテルイミド、ポリエステルイミド、ポリアミド
イミドなどの一般名称で呼ばれる樹脂はもちろん、他樹
脂との共重合系やブレンド物も含むものである。特には
黒色導電性物質で被覆された無機物(以下黒色導電性物
質被覆無機物とする。)と強く結合することができる反
応硬化型の直鎖状ポリイミド樹脂が好ましい。ここで、
反応硬化型の直鎖状ポリイミド樹脂とは、前駆体である
直鎖状ポリアミド酸を経由し、アミド酸部位が脱水閉環
することで得られるポリイミド樹脂のことをさし、ピロ
メリット酸二無水物と4,4′−ジアミノジフェニルエ
ーテルとの反応で得られる直鎖状のポリアミド酸を、加
熱、触媒添加等することで得られるポリイミド樹脂が代
表例として挙げられる。直鎖状のポリアミド酸は、カル
ボン酸基やアミノ基等の官能基を有し、これら官能基は
黒色導電性物質被覆無機物と強く相互作用し、黒色導電
性物質被覆無機物と強固な結合を形成することができる
ため、反応硬化型のポリイミド樹脂が好ましく用いられ
る。
は、その構造中にイミド結合を有する樹脂全般を差し、
ポリエーテルイミド、ポリエステルイミド、ポリアミド
イミドなどの一般名称で呼ばれる樹脂はもちろん、他樹
脂との共重合系やブレンド物も含むものである。特には
黒色導電性物質で被覆された無機物(以下黒色導電性物
質被覆無機物とする。)と強く結合することができる反
応硬化型の直鎖状ポリイミド樹脂が好ましい。ここで、
反応硬化型の直鎖状ポリイミド樹脂とは、前駆体である
直鎖状ポリアミド酸を経由し、アミド酸部位が脱水閉環
することで得られるポリイミド樹脂のことをさし、ピロ
メリット酸二無水物と4,4′−ジアミノジフェニルエ
ーテルとの反応で得られる直鎖状のポリアミド酸を、加
熱、触媒添加等することで得られるポリイミド樹脂が代
表例として挙げられる。直鎖状のポリアミド酸は、カル
ボン酸基やアミノ基等の官能基を有し、これら官能基は
黒色導電性物質被覆無機物と強く相互作用し、黒色導電
性物質被覆無機物と強固な結合を形成することができる
ため、反応硬化型のポリイミド樹脂が好ましく用いられ
る。
【0029】一般的ポリイミドとして、ジアミン化合物
とテトラカルボン酸二無水物をモノマーとして用いるの
が通常である。ジアミン化合物としては、例として
とテトラカルボン酸二無水物をモノマーとして用いるの
が通常である。ジアミン化合物としては、例として
【0030】
【化1】
(式中、Xは同一または異なって、ハロゲン、−C
H3、−OCH3、−O(CH 2)nCH3、−(CH2)n
CH3、−CF3、−OCF3からなる群から選ばれる少
なくとも一種の基を表す。また、Aは同一または異なっ
て、O、S、C=O、(CH2)n、SO2、N=Nから
なる群から選ばれる少なくとも一種の基を表す。nは1
以上の整数。)に示す種々のモノマーを用いる事ができ
る。またテトラカルボン酸二無水物としては
H3、−OCH3、−O(CH 2)nCH3、−(CH2)n
CH3、−CF3、−OCF3からなる群から選ばれる少
なくとも一種の基を表す。また、Aは同一または異なっ
て、O、S、C=O、(CH2)n、SO2、N=Nから
なる群から選ばれる少なくとも一種の基を表す。nは1
以上の整数。)に示す種々のモノマーを用いる事ができ
る。またテトラカルボン酸二無水物としては
【0031】
【化2】
(式中、nは1以上の整数。)に示す種々のモノマーを
用いる事ができる。これらの組み合わせにより様々な特
徴を出す事が可能であり、用途や加工法などの状況に応
じて選択することができる。
用いる事ができる。これらの組み合わせにより様々な特
徴を出す事が可能であり、用途や加工法などの状況に応
じて選択することができる。
【0032】例えば屈曲鎖を多く(好ましくは2つ以
上)含む、および/またはアミノ基をメタ位に有する芳
香族ジアミンを用い、2環以上のテトラカルボン酸二無
水物を用いる事で、熱可塑性のポリイミドとすることが
でき、加熱溶融成型が可能な樹脂組成物を提供可能であ
る。例えば、2、2´−ビス(4−アミノフェノキシフ
ェニル)プロパンと、オキシジフタル酸二無水物の組み
合わせや、ビス(2−(4−アミノフェノキシ)エトキ
シ)エタンと3,3´,4,4´ベンゾフェノンテトラ
カルボン酸二無水物の組み合わせ等を例示することがで
きる。
上)含む、および/またはアミノ基をメタ位に有する芳
香族ジアミンを用い、2環以上のテトラカルボン酸二無
水物を用いる事で、熱可塑性のポリイミドとすることが
でき、加熱溶融成型が可能な樹脂組成物を提供可能であ
る。例えば、2、2´−ビス(4−アミノフェノキシフ
ェニル)プロパンと、オキシジフタル酸二無水物の組み
合わせや、ビス(2−(4−アミノフェノキシ)エトキ
シ)エタンと3,3´,4,4´ベンゾフェノンテトラ
カルボン酸二無水物の組み合わせ等を例示することがで
きる。
【0033】また、ポリイミドはイミド基の存在により
通常高吸水率であるが、特定のモノマーの組み合わせに
より比較的低吸水率の樹脂組成物とすることもできる。
例として、テトラカルボン酸二無水物として2つ以上の
エステル結合で複数のベンゼン核が結合された構造を持
つものを使用するポリイミドが挙げられる。具体的に
は、
通常高吸水率であるが、特定のモノマーの組み合わせに
より比較的低吸水率の樹脂組成物とすることもできる。
例として、テトラカルボン酸二無水物として2つ以上の
エステル結合で複数のベンゼン核が結合された構造を持
つものを使用するポリイミドが挙げられる。具体的に
は、
【0034】
【化3】
(式中、nは1以上の整数。)
【0035】
【化4】
【0036】
【化5】
に示されるような酸二無水物が挙げられる。この場合用
いられるジアミン化合物としては、イミド基含有率を下
げるために比較的長鎖のモノマーを用いることが好まし
い。例えば、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベ
ンゼンやその結合位置異性体、2,2´−ビス(4−ア
ミノフェノキシフェニル)プロパン等を挙げることがで
きる。ただし、酸二無水物についてもジアミンについて
も、長鎖でかつ屈曲鎖を多数有する構造は、同時に前述
の熱可塑性発現の条件でもあり、十分な耐熱性を要求す
る場合には不適当である。この場合は長鎖でありかつ直
線的構造を全体的または部分的に有するモノマーが適当
である。例えばテトラカルボン酸二無水物としては、
いられるジアミン化合物としては、イミド基含有率を下
げるために比較的長鎖のモノマーを用いることが好まし
い。例えば、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベ
ンゼンやその結合位置異性体、2,2´−ビス(4−ア
ミノフェノキシフェニル)プロパン等を挙げることがで
きる。ただし、酸二無水物についてもジアミンについて
も、長鎖でかつ屈曲鎖を多数有する構造は、同時に前述
の熱可塑性発現の条件でもあり、十分な耐熱性を要求す
る場合には不適当である。この場合は長鎖でありかつ直
線的構造を全体的または部分的に有するモノマーが適当
である。例えばテトラカルボン酸二無水物としては、
【0037】
【化6】
で示す構造のモノマー(TMHQ)が例として挙げられ
る。このモノマーは、屈曲鎖を含むものの全体としては
概ね直線的なコンフォメーションを取りうる構造であ
り、その結合数の多さのわりには比較的剛直なポリイミ
ドを形成することを見出している。この原料を用いれば
線膨張係数15ppm以下、吸水率1.5%以下、吸湿
膨張係数10ppm以下の加熱や吸湿による寸法変化が
少ないポリイミド樹脂を容易に得ることができる。また
ジアミンとしても例えばビフェニル構造やナフタレン構
造をエーテル結合でつなぐような構造が、長鎖でありな
がら比較的剛直な構造として選択できる。例えば4,4
´−ビスアミノフェノキシビフェニルなどである。これ
ら酸二無水物とジアミンの組み合わせにより、比較的低
吸水率であり、かつ顕著な熱軟化性を有さないポリイミ
ドを得ることができる。またこれらモノマーのみでなく
汎用のピロメリット酸二無水物、ベンゾフェノンテトラ
カルボン酸二無水物、パラフェニレンジアミン、4,4
´−ジアミノジフェニルエーテル等を適宜共重合する事
により、任意の特性のポリイミドを設計可能である。
る。このモノマーは、屈曲鎖を含むものの全体としては
概ね直線的なコンフォメーションを取りうる構造であ
り、その結合数の多さのわりには比較的剛直なポリイミ
ドを形成することを見出している。この原料を用いれば
線膨張係数15ppm以下、吸水率1.5%以下、吸湿
膨張係数10ppm以下の加熱や吸湿による寸法変化が
少ないポリイミド樹脂を容易に得ることができる。また
ジアミンとしても例えばビフェニル構造やナフタレン構
造をエーテル結合でつなぐような構造が、長鎖でありな
がら比較的剛直な構造として選択できる。例えば4,4
´−ビスアミノフェノキシビフェニルなどである。これ
ら酸二無水物とジアミンの組み合わせにより、比較的低
吸水率であり、かつ顕著な熱軟化性を有さないポリイミ
ドを得ることができる。またこれらモノマーのみでなく
汎用のピロメリット酸二無水物、ベンゾフェノンテトラ
カルボン酸二無水物、パラフェニレンジアミン、4,4
´−ジアミノジフェニルエーテル等を適宜共重合する事
により、任意の特性のポリイミドを設計可能である。
【0038】また、ポリイミドの線膨張係数は銅といっ
た金属に比べて線膨張係数が大きい。しかし、モノマー
の種類や組成比が同じでも、モノマーの組み合わせを制
御(シーケンスコントロール)することにより比較的小
さな線膨張係数を有する樹脂組成物とすることができ
る。例えば、4,4´−ジアミノジフェニルエーテル、
パラフェニレンジアミン、ピロメリット酸二無水物をラ
ンダム共重合する場合に比べて、4,4´−ジアミノジ
フェニルエーテルとピロメリット酸二無水物を予め反応
させておき、その後パラフェニレンジアミンを添加する
手順を取ると低線膨張係数のポリイミドを得ることがで
きる。
た金属に比べて線膨張係数が大きい。しかし、モノマー
の種類や組成比が同じでも、モノマーの組み合わせを制
御(シーケンスコントロール)することにより比較的小
さな線膨張係数を有する樹脂組成物とすることができ
る。例えば、4,4´−ジアミノジフェニルエーテル、
パラフェニレンジアミン、ピロメリット酸二無水物をラ
ンダム共重合する場合に比べて、4,4´−ジアミノジ
フェニルエーテルとピロメリット酸二無水物を予め反応
させておき、その後パラフェニレンジアミンを添加する
手順を取ると低線膨張係数のポリイミドを得ることがで
きる。
【0039】本発明はポリイミド樹脂に、黒色導電性物
質被覆無機物を配合するため、ポリイミドに対しては、
ポリイミド単体で用いる場合に比較してより高い靭性が
求められる。ポリイミド自身の靭性が十分でないと、無
機物の配合により必然的に靭性が低下するため、実用に
供する事ができなくなる場合がある。その点で最も好ま
しいのは、ピロメリット酸二無水物と4,4´−ジアミ
ノジフェニルエーテルからなるポリイミドである。本構
造は、十分な耐熱性と高い靭性を兼ね備え、なおかつ広
い範囲の加工条件でその特性を維持できるバランスの取
れた構造である。
質被覆無機物を配合するため、ポリイミドに対しては、
ポリイミド単体で用いる場合に比較してより高い靭性が
求められる。ポリイミド自身の靭性が十分でないと、無
機物の配合により必然的に靭性が低下するため、実用に
供する事ができなくなる場合がある。その点で最も好ま
しいのは、ピロメリット酸二無水物と4,4´−ジアミ
ノジフェニルエーテルからなるポリイミドである。本構
造は、十分な耐熱性と高い靭性を兼ね備え、なおかつ広
い範囲の加工条件でその特性を維持できるバランスの取
れた構造である。
【0040】上記ポリイミド樹脂に対して配合される黒
色導電性物質被覆無機物としては、体積抵抗値が1×1
03〜1×1012Ω・cmの黒色導電性物質被覆無機
物、好ましくは、体積抵抗値が1×104〜1×1011
Ω・cmの黒色導電性物質被覆無機物が良い。さらに、
この黒色導電性物質被覆無機物は黒色導電性物質で被覆
されているため、被覆する導電性物質の種類、量、形成
方法によって様々な抵抗の材料を調整することが出来
る。例えば、チタン酸カリウム、酸化錫、酸化亜鉛等と
いった材料は、特定の抵抗値しか有しておらず、これら
を用いて様々な抵抗への制御をする場合、異なる抵抗値
を有する2種以上のフィラーを混合する等の方法をとる
必要があったり、配合部数を変更する必要があり、各フ
ィラーに応じた分散性の制御や配合調整に大変な労力を
要したり、配合量の変更により機械特性が異なったりす
る。しかし、導電性物質で被覆された材料を用いれば、
各種抵抗を有する材料を単一材料で容易に作成すること
ができたり、機械特性や分散性を変えることなく導電性
を制御できたりするため、配合量が全く同じでも異なる
抵抗値を有するポリイミド樹脂を作成することができ、
機械特性や分散性は全く同じで体積抵抗値のみが異なる
材料を容易に得ることができる。また、黒色導電性物質
被覆無機物の機械特性、分散性といった基本特性は同一
であるため、種類変更による洗浄作業や切り替え作業も
非常に容易になる。これら物質は、カーボンブラック、
黒鉛、金属といった導電性の材料よりも抵抗が高く、狙
いの体積抵抗値に近いために、添加部数に対する抵抗の
変動が少なくてすむ。またカーボンブラックや金属より
もポリイミドに抵抗値が近いため、複合材料中に電圧の
局所的な偏りが発生することを抑えることが出来、抵抗
値の電圧依存性を少なくできるために好ましい。
色導電性物質被覆無機物としては、体積抵抗値が1×1
03〜1×1012Ω・cmの黒色導電性物質被覆無機
物、好ましくは、体積抵抗値が1×104〜1×1011
Ω・cmの黒色導電性物質被覆無機物が良い。さらに、
この黒色導電性物質被覆無機物は黒色導電性物質で被覆
されているため、被覆する導電性物質の種類、量、形成
方法によって様々な抵抗の材料を調整することが出来
る。例えば、チタン酸カリウム、酸化錫、酸化亜鉛等と
いった材料は、特定の抵抗値しか有しておらず、これら
を用いて様々な抵抗への制御をする場合、異なる抵抗値
を有する2種以上のフィラーを混合する等の方法をとる
必要があったり、配合部数を変更する必要があり、各フ
ィラーに応じた分散性の制御や配合調整に大変な労力を
要したり、配合量の変更により機械特性が異なったりす
る。しかし、導電性物質で被覆された材料を用いれば、
各種抵抗を有する材料を単一材料で容易に作成すること
ができたり、機械特性や分散性を変えることなく導電性
を制御できたりするため、配合量が全く同じでも異なる
抵抗値を有するポリイミド樹脂を作成することができ、
機械特性や分散性は全く同じで体積抵抗値のみが異なる
材料を容易に得ることができる。また、黒色導電性物質
被覆無機物の機械特性、分散性といった基本特性は同一
であるため、種類変更による洗浄作業や切り替え作業も
非常に容易になる。これら物質は、カーボンブラック、
黒鉛、金属といった導電性の材料よりも抵抗が高く、狙
いの体積抵抗値に近いために、添加部数に対する抵抗の
変動が少なくてすむ。またカーボンブラックや金属より
もポリイミドに抵抗値が近いため、複合材料中に電圧の
局所的な偏りが発生することを抑えることが出来、抵抗
値の電圧依存性を少なくできるために好ましい。
【0041】本発明に用いられる無機物(基体粒子)と
しては、金属、金属酸化物、金属炭化物、金属窒化物と
いったセラミック材料や金属塩といったものが挙げられ
る。例えば、亜鉛、酸化亜鉛、アルミニウム、アルミ
ナ、水酸化アルミニウム、カルシウム、炭酸カルシウ
ム、銀、酸化クロム、ケイ素、シリカ、ガラス、酸化チ
タン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、鉄、酸化鉄、
銅、酸化銅、炭酸バリウム、水酸化バリウム、炭酸バリ
ウム、マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭化タング
ステン、炭化チタン、窒化アルミニウム、窒化ゲルマニ
ウム、窒化タンタル、窒化チタン、窒化ホウ素、ホウ酸
アルミニウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、チタン酸金属
塩、チタン酸アルミン酸塩、塩基性硫酸マグネシウム、
ケイ酸カルシウム、マグネシア、硫酸カルシウム、リン
酸カルシウムナトリウム、ホウ酸マグネシウム、二ホウ
化チタン、ウォラストナイト、クリソタイル、マイカ、
タルク、粘土鉱物、ケイ酸塩およびカオリンが挙げられ
る。
しては、金属、金属酸化物、金属炭化物、金属窒化物と
いったセラミック材料や金属塩といったものが挙げられ
る。例えば、亜鉛、酸化亜鉛、アルミニウム、アルミ
ナ、水酸化アルミニウム、カルシウム、炭酸カルシウ
ム、銀、酸化クロム、ケイ素、シリカ、ガラス、酸化チ
タン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、鉄、酸化鉄、
銅、酸化銅、炭酸バリウム、水酸化バリウム、炭酸バリ
ウム、マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭化タング
ステン、炭化チタン、窒化アルミニウム、窒化ゲルマニ
ウム、窒化タンタル、窒化チタン、窒化ホウ素、ホウ酸
アルミニウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、チタン酸金属
塩、チタン酸アルミン酸塩、塩基性硫酸マグネシウム、
ケイ酸カルシウム、マグネシア、硫酸カルシウム、リン
酸カルシウムナトリウム、ホウ酸マグネシウム、二ホウ
化チタン、ウォラストナイト、クリソタイル、マイカ、
タルク、粘土鉱物、ケイ酸塩およびカオリンが挙げられ
る。
【0042】本発明に用いられる無機物(基体粒子)の
屈折率は小さいことが好ましい。屈折率としては2.0
以下、好ましくは1.8以下、さらに好ましくは1.7
以下である。これら範囲内では、無機物が無色に近づ
き、黒色導電性物質で被覆した際に、着色しやすいため
に好ましい。さらに他の着色剤を添加することによって
任意の色調が得ることが出来るために好ましい。例え
ば、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、ケイ酸塩、ケ
イ酸カルシウム、マイカは屈折率が小さいので好まし
い。またシリカ、ガラス、アルミナ、ウォラストナイ
ト、炭酸カルシウム、タルク、カオリンも比較的屈折率
が低く、着色しやすいために好ましい。
屈折率は小さいことが好ましい。屈折率としては2.0
以下、好ましくは1.8以下、さらに好ましくは1.7
以下である。これら範囲内では、無機物が無色に近づ
き、黒色導電性物質で被覆した際に、着色しやすいため
に好ましい。さらに他の着色剤を添加することによって
任意の色調が得ることが出来るために好ましい。例え
ば、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、ケイ酸塩、ケ
イ酸カルシウム、マイカは屈折率が小さいので好まし
い。またシリカ、ガラス、アルミナ、ウォラストナイ
ト、炭酸カルシウム、タルク、カオリンも比較的屈折率
が低く、着色しやすいために好ましい。
【0043】その他の好ましい無機物(基体粒子)とし
て、酸化チタン、チタン酸金属塩、チタン酸アルミン酸
塩が挙げられる。
て、酸化チタン、チタン酸金属塩、チタン酸アルミン酸
塩が挙げられる。
【0044】本発明に用いられる無機物(基体粒子)の
遊離金属成分は少ないほど好ましい。遊離金属成分とし
ては100ppm以下、好ましくは80ppm以下、さ
らに好ましくは50ppm以下である。これら範囲内で
は、遊離金属成分が少ないために、黒色導電性物質を配
合した樹脂の抵抗値の湿度依存性が小さくなるために好
ましい。また、絶縁破壊電圧も大きくなるために好まし
い。なお、遊離金属成分の含有量は、イオン溶出量で評
価される。
遊離金属成分は少ないほど好ましい。遊離金属成分とし
ては100ppm以下、好ましくは80ppm以下、さ
らに好ましくは50ppm以下である。これら範囲内で
は、遊離金属成分が少ないために、黒色導電性物質を配
合した樹脂の抵抗値の湿度依存性が小さくなるために好
ましい。また、絶縁破壊電圧も大きくなるために好まし
い。なお、遊離金属成分の含有量は、イオン溶出量で評
価される。
【0045】本発明に用いる無機物の形状としては、粒
状、針状、鱗片状等があり、いずれの構造であっても中
抵抗領域に制御することができる。中でも針状や鱗片状
のものは、互いに接触しやすく配合量が少なくても中抵
抗領域への抵抗制御が可能となるために好ましい。また
機械強度増加や線膨張係数、吸湿膨張係数低減の効果が
高く、引き裂き等による断裂や張力による寸法変化を防
ぎ、高耐久かつ高寸法安定性で長期の搬送特性にすぐれ
たベルトを得ることができる。また、高い平面平滑性を
有するベルトを得ることができる。粒状、針状、鱗片状
のいかなる形状であれ、粒径は3μm以下、好ましくは
2μm以下、さらに好ましくは1μm以下である。ここ
で言う粒径とは、粒状の場合においては平均粒径のこと
を指し、針状、鱗片状の場合においてはそれぞれ短軸
径、厚みのことを指す。100μm以下といった厚みが
薄い成形体においては、3μmよりも大きい材料の場
合、分散不良による局部的な凝集によって絶縁破壊が起
こるために好ましくない。一方3μm以下であれば、多
少の凝集であっても絶縁性が悪化しないために好まし
い。粒状の場合、粒径は3μm以下、好ましくは1μm
以下のものが良い。径がこの範囲を外れると抵抗値と機
械的強度のバランスがとりにくくなる。針状の場合、短
軸径は3μm以下、好ましくは1μm以下、さらに好ま
しくは0.5μm以下、且つ長軸径は50μm以下、好
ましくは10μm以下、更には1μm以下のものを用い
るのが好ましい。短軸径と長軸径がこの範囲を外れると
抵抗値と機械的強度のバランスがとりにくくなる。鱗片
状の場合、厚みは3μm以下、好ましくは2μm以下、
さらに好ましくは1μm以下、特に好ましくは0.5μ
m以下、且つ長さは50μm以下、好ましくは10μm
以下、更には1μm以下のものを用いるのが好ましい。
厚みと長さがこの範囲を外れると絶縁性、抵抗値、機械
的強度のバランスがとりにくくなる。
状、針状、鱗片状等があり、いずれの構造であっても中
抵抗領域に制御することができる。中でも針状や鱗片状
のものは、互いに接触しやすく配合量が少なくても中抵
抗領域への抵抗制御が可能となるために好ましい。また
機械強度増加や線膨張係数、吸湿膨張係数低減の効果が
高く、引き裂き等による断裂や張力による寸法変化を防
ぎ、高耐久かつ高寸法安定性で長期の搬送特性にすぐれ
たベルトを得ることができる。また、高い平面平滑性を
有するベルトを得ることができる。粒状、針状、鱗片状
のいかなる形状であれ、粒径は3μm以下、好ましくは
2μm以下、さらに好ましくは1μm以下である。ここ
で言う粒径とは、粒状の場合においては平均粒径のこと
を指し、針状、鱗片状の場合においてはそれぞれ短軸
径、厚みのことを指す。100μm以下といった厚みが
薄い成形体においては、3μmよりも大きい材料の場
合、分散不良による局部的な凝集によって絶縁破壊が起
こるために好ましくない。一方3μm以下であれば、多
少の凝集であっても絶縁性が悪化しないために好まし
い。粒状の場合、粒径は3μm以下、好ましくは1μm
以下のものが良い。径がこの範囲を外れると抵抗値と機
械的強度のバランスがとりにくくなる。針状の場合、短
軸径は3μm以下、好ましくは1μm以下、さらに好ま
しくは0.5μm以下、且つ長軸径は50μm以下、好
ましくは10μm以下、更には1μm以下のものを用い
るのが好ましい。短軸径と長軸径がこの範囲を外れると
抵抗値と機械的強度のバランスがとりにくくなる。鱗片
状の場合、厚みは3μm以下、好ましくは2μm以下、
さらに好ましくは1μm以下、特に好ましくは0.5μ
m以下、且つ長さは50μm以下、好ましくは10μm
以下、更には1μm以下のものを用いるのが好ましい。
厚みと長さがこの範囲を外れると絶縁性、抵抗値、機械
的強度のバランスがとりにくくなる。
【0046】特に、針状無機物としてはホウ酸アルミニ
ウムウィスカー、炭化ケイ素ウィスカー、窒化ケイ素ウ
ィスカー、チタン酸カリウムウィスカー、チタン酸金属
塩ウィスカー、チタン酸アルミン酸塩ウィスカー、塩基
性硫酸マグネシウムウィスカー、ケイ酸カルシウムウィ
スカー、酸化亜鉛ウィスカー、マグネシアウィスカー、
硫酸カルシウムウィスカー、リン酸カルシウムナトリウ
ムウィスカー、ホウ酸マグネシウムウィスカー、二ホウ
化チタンウィスカー、アルミナウィスカー、クリソタイ
ルウィスカー、ワラストナイトウィスカー、ガラス繊
維、チラノ繊維、炭化ケイ素繊維、ジルコニア繊維、ア
ルミナ繊維、炭素繊維等を使用したものがよい。また、
鱗片状無機物としてはマイカ、タルク、粘土鉱物、ケイ
酸塩、カオリン等使用したものがよい。着色したい際に
はホウ酸アルミニウム、マイカ、タルク、粘土鉱物を使
用するとよい。
ウムウィスカー、炭化ケイ素ウィスカー、窒化ケイ素ウ
ィスカー、チタン酸カリウムウィスカー、チタン酸金属
塩ウィスカー、チタン酸アルミン酸塩ウィスカー、塩基
性硫酸マグネシウムウィスカー、ケイ酸カルシウムウィ
スカー、酸化亜鉛ウィスカー、マグネシアウィスカー、
硫酸カルシウムウィスカー、リン酸カルシウムナトリウ
ムウィスカー、ホウ酸マグネシウムウィスカー、二ホウ
化チタンウィスカー、アルミナウィスカー、クリソタイ
ルウィスカー、ワラストナイトウィスカー、ガラス繊
維、チラノ繊維、炭化ケイ素繊維、ジルコニア繊維、ア
ルミナ繊維、炭素繊維等を使用したものがよい。また、
鱗片状無機物としてはマイカ、タルク、粘土鉱物、ケイ
酸塩、カオリン等使用したものがよい。着色したい際に
はホウ酸アルミニウム、マイカ、タルク、粘土鉱物を使
用するとよい。
【0047】ホウ酸アルミニウムは、比重が小さいため
に、添加量が少なくても、効果的に抵抗を下げることが
出来るために好ましい。また、チタン酸アルカリ金属よ
りも耐酸性に優れ、導電性物質を被覆する際に、酸によ
り金属成分が溶出せず、折損、微細化、多孔質化せず、
少量の導電性物質での被覆が可能となるので好ましい。
また、式KXAlYTi8-XO16(0.8≦X≦2.5)
で示される組成を有するチタン酸アルミン酸カリウム繊
維、式A1 VA2 WM1 XM2 YTi8-ZO16(式中、A1はアル
カリ金属より選ばれる少なくとも一種を、A2はBa
を、M1はMg、Co、Ni、Zn、Cu及びMnより
選ばれる少なくとも一種を、M2はAl、Sc、Cr、
Fe及びGaより選ばれる少なくとも一種を、それぞれ
示す。V、W、X、Y及びZは、0.5≦2X+Y≦
2.5、2X+Y=V+2W、Z=X+Yを、満足する
実数である。但し、W及びXが共に0であり、A1がK
であり且つM2がAlである場合を除く。)で示される
組成を有するチタン酸塩も遊離金属成分が少なく、耐薬
品性、耐熱性にも優れるために好ましい。
に、添加量が少なくても、効果的に抵抗を下げることが
出来るために好ましい。また、チタン酸アルカリ金属よ
りも耐酸性に優れ、導電性物質を被覆する際に、酸によ
り金属成分が溶出せず、折損、微細化、多孔質化せず、
少量の導電性物質での被覆が可能となるので好ましい。
また、式KXAlYTi8-XO16(0.8≦X≦2.5)
で示される組成を有するチタン酸アルミン酸カリウム繊
維、式A1 VA2 WM1 XM2 YTi8-ZO16(式中、A1はアル
カリ金属より選ばれる少なくとも一種を、A2はBa
を、M1はMg、Co、Ni、Zn、Cu及びMnより
選ばれる少なくとも一種を、M2はAl、Sc、Cr、
Fe及びGaより選ばれる少なくとも一種を、それぞれ
示す。V、W、X、Y及びZは、0.5≦2X+Y≦
2.5、2X+Y=V+2W、Z=X+Yを、満足する
実数である。但し、W及びXが共に0であり、A1がK
であり且つM2がAlである場合を除く。)で示される
組成を有するチタン酸塩も遊離金属成分が少なく、耐薬
品性、耐熱性にも優れるために好ましい。
【0048】本発明に用いる無機物は、内部に気孔を有
していてもよい。気孔の存在量としては10〜70体積
%の範囲にあるのがよい。気孔を有するために、かさ比
重が小さくなり、少量の添加で抵抗を下げることができ
るために好ましい。
していてもよい。気孔の存在量としては10〜70体積
%の範囲にあるのがよい。気孔を有するために、かさ比
重が小さくなり、少量の添加で抵抗を下げることができ
るために好ましい。
【0049】本発明に用いられる黒色導電性物質として
は、黒鉛、炭素、チタンブラックといったものが挙げら
れる。特に、黒鉛、炭素は、形成方法−例えば、被覆
量、焼成条件−を変更することで低抵抗値から高抵抗値
まで幅広く制御できるために好ましい。
は、黒鉛、炭素、チタンブラックといったものが挙げら
れる。特に、黒鉛、炭素は、形成方法−例えば、被覆
量、焼成条件−を変更することで低抵抗値から高抵抗値
まで幅広く制御できるために好ましい。
【0050】上記の無機物(基体粒子)に黒色導電性物
質を被覆する方法を以下に説明する。
質を被覆する方法を以下に説明する。
【0051】黒色導電性物質を被覆する製造方法は、無
機物を、炭化水素雰囲気又は炭化水素と還元性ガス及び
/又は不活性ガスとの混合ガス雰囲気中で加熱焼成する
ことにより、無機物の表面にカーボン導電層を形成する
ことを特徴としている。
機物を、炭化水素雰囲気又は炭化水素と還元性ガス及び
/又は不活性ガスとの混合ガス雰囲気中で加熱焼成する
ことにより、無機物の表面にカーボン導電層を形成する
ことを特徴としている。
【0052】この製造方法において使用される炭化水素
としては、脂肪族炭化水素及び芳香族炭化水素のいずれ
も使用することができる。脂肪族炭化水素としては、炭
素数1〜20の飽和炭化水素、エチレン系炭化水素、ア
セチレン系炭化水素等を挙げられる。また芳香族炭化水
素としては、例えばベンゼン、トルエン、キシレン等と
その同族体、ナフタレン、アントラセンなどの多核芳香
族炭化水素及び上記各種炭化水素のハロゲン化物等を挙
げられる。これらの炭化水素類は、一種単独で、又は二
種以上混合して使用することができる。
としては、脂肪族炭化水素及び芳香族炭化水素のいずれ
も使用することができる。脂肪族炭化水素としては、炭
素数1〜20の飽和炭化水素、エチレン系炭化水素、ア
セチレン系炭化水素等を挙げられる。また芳香族炭化水
素としては、例えばベンゼン、トルエン、キシレン等と
その同族体、ナフタレン、アントラセンなどの多核芳香
族炭化水素及び上記各種炭化水素のハロゲン化物等を挙
げられる。これらの炭化水素類は、一種単独で、又は二
種以上混合して使用することができる。
【0053】この製造方法においては、上記炭化水素の
雰囲気、あるいは上記炭化水素と還元ガス及び/又は不
活性ガスとの混合ガス雰囲気中で加熱焼成が行われる。
還元ガスとしては、例えば水素ガス、一酸化水素ガス、
アンモニアガスなどが挙げられる。また不活性ガスとす
れば、例えば窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス、
キセノンガス、炭酸ガスなどが挙げられる。この製造方
法においては、これらの還元性ガス及び不活性ガスを一
種単独で使用してもよいし、二種以上混合して使用して
もよい。
雰囲気、あるいは上記炭化水素と還元ガス及び/又は不
活性ガスとの混合ガス雰囲気中で加熱焼成が行われる。
還元ガスとしては、例えば水素ガス、一酸化水素ガス、
アンモニアガスなどが挙げられる。また不活性ガスとす
れば、例えば窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス、
キセノンガス、炭酸ガスなどが挙げられる。この製造方
法においては、これらの還元性ガス及び不活性ガスを一
種単独で使用してもよいし、二種以上混合して使用して
もよい。
【0054】炭化水素に還元性ガスを混合して用いる場
合には、還元性ガスと炭化水素の混合比率は、通常9
0:10〜10:90の範囲が好ましく、カーボン析出
量を考慮すれば50:50程度が好ましい。
合には、還元性ガスと炭化水素の混合比率は、通常9
0:10〜10:90の範囲が好ましく、カーボン析出
量を考慮すれば50:50程度が好ましい。
【0055】加熱焼成の温度としては、使用する炭化水
素の分解、すなわちカーボン析出の温度以上で、130
0℃以下の範囲内の温度が好ましい。加熱焼成の温度が
低すぎると、カーボン導電層を無機物表面に形成するこ
とができず、また加熱焼成温度が高すぎると、芯材とし
ての無機物の形状が崩壊するおそれがある。
素の分解、すなわちカーボン析出の温度以上で、130
0℃以下の範囲内の温度が好ましい。加熱焼成の温度が
低すぎると、カーボン導電層を無機物表面に形成するこ
とができず、また加熱焼成温度が高すぎると、芯材とし
ての無機物の形状が崩壊するおそれがある。
【0056】炭化水素の分解温度は、使用する炭化水素
により異なり、例えばメタンの場合のカーボンの析出温
度範囲は約900〜950℃であり、n−プロパンの場
合は約950〜1000℃である。ベンゼンの場合は温
度が低く、約750〜800℃でカーボンが析出する。
により異なり、例えばメタンの場合のカーボンの析出温
度範囲は約900〜950℃であり、n−プロパンの場
合は約950〜1000℃である。ベンゼンの場合は温
度が低く、約750〜800℃でカーボンが析出する。
【0057】析出するカーボン導電層の導電性の点から
はできるだけ高い温度、例えば1150〜1300℃で
処理することが望ましい。なお、加熱焼成の雰囲気にお
いては、必ずしも還元ガスを必要とせず、例えば窒素ガ
スなどの不活性ガスの気流下に約500〜1000℃で
炭化水素を導入し炭化水素を分解することにより、カー
ボン層を析出させることもできる。
はできるだけ高い温度、例えば1150〜1300℃で
処理することが望ましい。なお、加熱焼成の雰囲気にお
いては、必ずしも還元ガスを必要とせず、例えば窒素ガ
スなどの不活性ガスの気流下に約500〜1000℃で
炭化水素を導入し炭化水素を分解することにより、カー
ボン層を析出させることもできる。
【0058】この製造方法において、無機物の表面にカ
ーボン導電層を析出した後は、室温までその温度を降下
させるが、未だ高温状態にある際に酸素又は空気が混入
すると、無機物の表面に付着したカーボン導電層の劣
化、燃焼を生じる虞があるのでこの温度降下の際も、不
活性ガス、水素ガス又は炭化水素ガスあるいはこれらの
混合ガスを流しながら温度を降下させることが好まし
い。
ーボン導電層を析出した後は、室温までその温度を降下
させるが、未だ高温状態にある際に酸素又は空気が混入
すると、無機物の表面に付着したカーボン導電層の劣
化、燃焼を生じる虞があるのでこの温度降下の際も、不
活性ガス、水素ガス又は炭化水素ガスあるいはこれらの
混合ガスを流しながら温度を降下させることが好まし
い。
【0059】この製造方法において、炭化水素雰囲気ま
たは混合ガス雰囲気中での加熱焼成は、例えば、トンネ
ルキルン、電気炉、ロータリーキルン又は流動焼成法等
を用いて行える。
たは混合ガス雰囲気中での加熱焼成は、例えば、トンネ
ルキルン、電気炉、ロータリーキルン又は流動焼成法等
を用いて行える。
【0060】これら黒色導電性物質被覆無機物の配合比
率は次のようになる。粒状の場合、配合量はポリイミド
樹脂100重量部に対し0.1〜200重量部、好まし
く5〜180重量部、さらに好ましくは20〜150重
量部である。針状や鱗片状の黒色導電性物質被覆無機物
の場合、配合量はポリイミド樹脂100重量部に対し
0.1〜150重量部であり、好ましく5〜100重量
部、さらに好ましくは10〜80重量部である。それぞ
れの物質は最低1種ずつ用いるが、それぞれ2種以上の
物質を用いることも可能である。
率は次のようになる。粒状の場合、配合量はポリイミド
樹脂100重量部に対し0.1〜200重量部、好まし
く5〜180重量部、さらに好ましくは20〜150重
量部である。針状や鱗片状の黒色導電性物質被覆無機物
の場合、配合量はポリイミド樹脂100重量部に対し
0.1〜150重量部であり、好ましく5〜100重量
部、さらに好ましくは10〜80重量部である。それぞ
れの物質は最低1種ずつ用いるが、それぞれ2種以上の
物質を用いることも可能である。
【0061】上記範囲内に調整すると、例えば5重量部
の配合量のばらつきがあったとしても抵抗値の変化は3
倍以下に抑えることができ、大幅な抵抗の変化を起こす
ことなく中抵抗領域に制御することができる。また、カ
ーボンブラックや黒鉛といった有色導電材を添加するこ
とでさらに濃い色にすることができる。また、より有色
化するためには黒色導電性物質被覆無機物の配合量を6
0重量部以下にするのが好ましい。また、黒色導電性物
質被覆無機物は表面が有機物や水酸基を多く含むため、
分散性に優れ、ポリイミドと強固な結合を有するため、
引っ張り伸びは35%、引き裂き伝播強度は250g/
mm以上で、フィラー未添加品に対して50%以上の保
持率を有するポリイミド樹脂組成物が得やすい。針状の
黒色導電性物質被覆無機物を持ちいれば、引っ張り伸び
は60%以上、引き裂き伝播強度は600g/mm以上
で、フィラー未添加品に対して引っ張り伸びでは80%
以上、引き裂き伝播強度では120%以上の保持率を達
成することも可能である。黒色導電性物質被覆無機物を
添加していても吸水率を5%以下に保つことができ、吸
水率増加量はポリイミド元来の吸水率の2倍以下に抑え
ることができる。また他の導電材と複合すると、黒色導
電性物質被覆無機物の添加量が多いために、他の導電材
の分散を助け、より均一な分散状態を実現することがで
きる。これら配合量よりも少ないと目的の中抵抗領域に
抵抗を下げることができない。またこれら配合量よりも
多いと機械特性が悪化し、もろい材料となるので好まし
くない。
の配合量のばらつきがあったとしても抵抗値の変化は3
倍以下に抑えることができ、大幅な抵抗の変化を起こす
ことなく中抵抗領域に制御することができる。また、カ
ーボンブラックや黒鉛といった有色導電材を添加するこ
とでさらに濃い色にすることができる。また、より有色
化するためには黒色導電性物質被覆無機物の配合量を6
0重量部以下にするのが好ましい。また、黒色導電性物
質被覆無機物は表面が有機物や水酸基を多く含むため、
分散性に優れ、ポリイミドと強固な結合を有するため、
引っ張り伸びは35%、引き裂き伝播強度は250g/
mm以上で、フィラー未添加品に対して50%以上の保
持率を有するポリイミド樹脂組成物が得やすい。針状の
黒色導電性物質被覆無機物を持ちいれば、引っ張り伸び
は60%以上、引き裂き伝播強度は600g/mm以上
で、フィラー未添加品に対して引っ張り伸びでは80%
以上、引き裂き伝播強度では120%以上の保持率を達
成することも可能である。黒色導電性物質被覆無機物を
添加していても吸水率を5%以下に保つことができ、吸
水率増加量はポリイミド元来の吸水率の2倍以下に抑え
ることができる。また他の導電材と複合すると、黒色導
電性物質被覆無機物の添加量が多いために、他の導電材
の分散を助け、より均一な分散状態を実現することがで
きる。これら配合量よりも少ないと目的の中抵抗領域に
抵抗を下げることができない。またこれら配合量よりも
多いと機械特性が悪化し、もろい材料となるので好まし
くない。
【0062】これらをもちいて適切に配合を行うことで
安定して体積抵抗値1×106〜1×1015Ω・cm、
表面抵抗値が106〜1015Ω/□の中間的抵抗値を実
現することができる。また、常温常湿時の抵抗値Rnと
高温高湿の体積抵抗値Rhの比(Rn/Rh)が0.0
3〜30、さらに好ましくは0.1〜10の範囲内に制
御でき、環境安定性の優れた材料を調整することができ
る。また、100V印加時の体積抵抗値R100Vと100
0V印加時の体積抵抗値R1000Vの比(R100V/
R1000V)が0.03〜30の範囲内に制御でき、電圧
依存性の少ない材料を調整することができる。また前記
添加部数範囲内において黒色導電性物質被覆無機物の添
加部数が5部変化しても体積抵抗の変動が3倍以下であ
り、添加部数依存性の少ない材料を調整することができ
る。また、サンプル間の抵抗値のバラツキを3倍以下に
抑えることができ、サンプル間バラツキの小さい材料を
調整することができる。
安定して体積抵抗値1×106〜1×1015Ω・cm、
表面抵抗値が106〜1015Ω/□の中間的抵抗値を実
現することができる。また、常温常湿時の抵抗値Rnと
高温高湿の体積抵抗値Rhの比(Rn/Rh)が0.0
3〜30、さらに好ましくは0.1〜10の範囲内に制
御でき、環境安定性の優れた材料を調整することができ
る。また、100V印加時の体積抵抗値R100Vと100
0V印加時の体積抵抗値R1000Vの比(R100V/
R1000V)が0.03〜30の範囲内に制御でき、電圧
依存性の少ない材料を調整することができる。また前記
添加部数範囲内において黒色導電性物質被覆無機物の添
加部数が5部変化しても体積抵抗の変動が3倍以下であ
り、添加部数依存性の少ない材料を調整することができ
る。また、サンプル間の抵抗値のバラツキを3倍以下に
抑えることができ、サンプル間バラツキの小さい材料を
調整することができる。
【0063】また、ポリイミド樹脂組成物を体積抵抗値
を106〜1013Ω・cmの中抵抗領域に制御すること
は、従来の方法では困難であったが、本発明によれば容
易に得られ、これらは、電子写真装置の転写ベルト、中
間転写ベルト、転写定着ベルトおよび定着ベルトの構成
部材として有用なフィルム及び管状物を与える。
を106〜1013Ω・cmの中抵抗領域に制御すること
は、従来の方法では困難であったが、本発明によれば容
易に得られ、これらは、電子写真装置の転写ベルト、中
間転写ベルト、転写定着ベルトおよび定着ベルトの構成
部材として有用なフィルム及び管状物を与える。
【0064】黒色導電性物質被覆無機物を添加すること
で、中抵抗値と高絶縁性を有し、抵抗値の電圧依存性が
少なく、高温高湿時での抵抗値と絶縁性の変動が少な
く、機械強度および寸法安定性にすぐれたベルトが得ら
れるのは以下の理由からである。また、黒色導電性物質
被覆無機物の配合量は通常の着色、抵抗制御、強度改善
のために添加する量と比較すると非常に多く、多量の添
加にもかかわらず、機械特性や絶縁性が悪化しないのは
次のような理由からである。
で、中抵抗値と高絶縁性を有し、抵抗値の電圧依存性が
少なく、高温高湿時での抵抗値と絶縁性の変動が少な
く、機械強度および寸法安定性にすぐれたベルトが得ら
れるのは以下の理由からである。また、黒色導電性物質
被覆無機物の配合量は通常の着色、抵抗制御、強度改善
のために添加する量と比較すると非常に多く、多量の添
加にもかかわらず、機械特性や絶縁性が悪化しないのは
次のような理由からである。
【0065】黒色導電性物質被覆無機物は単体で1×1
03〜1×1012Ω・cmの抵抗を有し、カーボンブラ
ックや導電性金属や金属セラミックス(1×10-5〜1
×103Ω・cm)とは異なり、抵抗値がポリイミド
(1×1016Ω・cm)に近い。そのため、黒色導電性
物質被覆無機物添加系は、カーボンブラックに見られる
ようなパーコレーションによる急激な抵抗の低下は見ら
れず、抵抗は添加量に対してなだらかに変化する。カー
ボンブラックでは、中抵抗領域に制御するために、樹脂
100重量部に対して10〜20重量部程度を添加する
が、このような添加部数に対して、添加部数が5重量部
程度変化すると、抵抗はたちまち10〜100倍以上低
下する。一方、黒色導電性物質被覆無機物を添加した系
では、中抵抗領域に抵抗を制御した添加部数に対して添
加量が5重量部程度変化したとしても抵抗値は3倍も変
化しない。また脱泡や分散過程でフィラーに凝集や偏り
が生じても抵抗の大幅な変化は見られない。こういった
ことから中抵抗に制御された黒色導電性物質被覆無機物
は添加量のばらつきによる抵抗の変化が少ない材料と言
える。
03〜1×1012Ω・cmの抵抗を有し、カーボンブラ
ックや導電性金属や金属セラミックス(1×10-5〜1
×103Ω・cm)とは異なり、抵抗値がポリイミド
(1×1016Ω・cm)に近い。そのため、黒色導電性
物質被覆無機物添加系は、カーボンブラックに見られる
ようなパーコレーションによる急激な抵抗の低下は見ら
れず、抵抗は添加量に対してなだらかに変化する。カー
ボンブラックでは、中抵抗領域に制御するために、樹脂
100重量部に対して10〜20重量部程度を添加する
が、このような添加部数に対して、添加部数が5重量部
程度変化すると、抵抗はたちまち10〜100倍以上低
下する。一方、黒色導電性物質被覆無機物を添加した系
では、中抵抗領域に抵抗を制御した添加部数に対して添
加量が5重量部程度変化したとしても抵抗値は3倍も変
化しない。また脱泡や分散過程でフィラーに凝集や偏り
が生じても抵抗の大幅な変化は見られない。こういった
ことから中抵抗に制御された黒色導電性物質被覆無機物
は添加量のばらつきによる抵抗の変化が少ない材料と言
える。
【0066】黒色導電性物質被覆無機物自体が中抵抗で
あることは、絶縁性の改善や抵抗値の電圧依存性の低減
にも大きな役割を果たすと考えられる。ポリイミドと導
電材からなるフィルムの抵抗を測定するために、フィル
ムに電圧を印加すると、電圧はポリイミドと導電材に分
圧される。電圧は導電材よりも高抵抗であるポリイミド
の部分にかかると考えられる。特に、導電材としてカー
ボンブラックや金属系材料のような低抵抗材料と黒色導
電性物質被覆無機物のような中抵抗材料を添加した場合
を比べると、ポリイミドにかかる電圧は中抵抗材料を添
加したときのほうが小さいと考えられる。その結果、ポ
リイミドにかかる電圧が小さくなるために、ポリイミド
における絶縁破壊が低減されるものと考える。
あることは、絶縁性の改善や抵抗値の電圧依存性の低減
にも大きな役割を果たすと考えられる。ポリイミドと導
電材からなるフィルムの抵抗を測定するために、フィル
ムに電圧を印加すると、電圧はポリイミドと導電材に分
圧される。電圧は導電材よりも高抵抗であるポリイミド
の部分にかかると考えられる。特に、導電材としてカー
ボンブラックや金属系材料のような低抵抗材料と黒色導
電性物質被覆無機物のような中抵抗材料を添加した場合
を比べると、ポリイミドにかかる電圧は中抵抗材料を添
加したときのほうが小さいと考えられる。その結果、ポ
リイミドにかかる電圧が小さくなるために、ポリイミド
における絶縁破壊が低減されるものと考える。
【0067】一般に樹脂に高電圧(例えば厚み100μ
mに対して1kV以上の電圧を印加)を印加した場合、
樹脂は絶縁破壊に近づき、抵抗値の電圧依存性は急激に
悪化する。つまり、破壊直前には大電流が流れる。この
ことから抵抗値の電圧依存性は、樹脂に高電圧がかかる
ことで樹脂が破壊に近づくために生じる現象と考えられ
る。しかし、黒色導電性物質被覆無機物のような中抵抗
材料を添加した系では、カーボンブラックのような低抵
抗材料を添加した場合に比べて、樹脂であるポリイミド
部分に局所的に高電圧がかかることを防ぐことができ、
抵抗値の電圧依存性を改善できると考える。
mに対して1kV以上の電圧を印加)を印加した場合、
樹脂は絶縁破壊に近づき、抵抗値の電圧依存性は急激に
悪化する。つまり、破壊直前には大電流が流れる。この
ことから抵抗値の電圧依存性は、樹脂に高電圧がかかる
ことで樹脂が破壊に近づくために生じる現象と考えられ
る。しかし、黒色導電性物質被覆無機物のような中抵抗
材料を添加した系では、カーボンブラックのような低抵
抗材料を添加した場合に比べて、樹脂であるポリイミド
部分に局所的に高電圧がかかることを防ぐことができ、
抵抗値の電圧依存性を改善できると考える。
【0068】黒色導電性物質被覆無機物は、表面に部分
的に水酸基や活性な酸素を有する場合があるために、表
面処理をおこなわずともイミド化の際に樹脂と強い相互
作用を起こし、強固な複合材料となる。このために、強
い引き裂き伝播強度と伸びをもつ材料となり、通常着
色、抵抗制御、機械特性改善に添加する添加量(通常3
0重量部ぐらいまで)に比べて多く添加しても、十分な
機械特性、絶縁耐性を保持することができる。またこれ
ら強固な複合材料は次の理由から高温高湿時の抵抗値低
下と絶縁性悪化を防ぐことができる。吸湿時の電気特性
悪化の原因は、吸湿で樹脂とフィラーの界面に水からな
るスキン層が形成され、電気の流れやすい流路が形成さ
れるためだと考えられ、一般にこれらを改善するために
はフィラーやカーボンの表面処理がおこなわれる。しか
し、黒色導電性物質被覆無機物とポリイミド特に反応硬
化型の直鎖状ポリイミドからなる材料は強固な複合材料
であるため、このようなスキン層が形成されず、抵抗値
と絶縁性の大幅な変化は生じない。
的に水酸基や活性な酸素を有する場合があるために、表
面処理をおこなわずともイミド化の際に樹脂と強い相互
作用を起こし、強固な複合材料となる。このために、強
い引き裂き伝播強度と伸びをもつ材料となり、通常着
色、抵抗制御、機械特性改善に添加する添加量(通常3
0重量部ぐらいまで)に比べて多く添加しても、十分な
機械特性、絶縁耐性を保持することができる。またこれ
ら強固な複合材料は次の理由から高温高湿時の抵抗値低
下と絶縁性悪化を防ぐことができる。吸湿時の電気特性
悪化の原因は、吸湿で樹脂とフィラーの界面に水からな
るスキン層が形成され、電気の流れやすい流路が形成さ
れるためだと考えられ、一般にこれらを改善するために
はフィラーやカーボンの表面処理がおこなわれる。しか
し、黒色導電性物質被覆無機物とポリイミド特に反応硬
化型の直鎖状ポリイミドからなる材料は強固な複合材料
であるため、このようなスキン層が形成されず、抵抗値
と絶縁性の大幅な変化は生じない。
【0069】黒色導電性物質被覆無機物とポリイミドの
強固な結合を作るためには、表面処理をおこなってもよ
い。表面処理剤としては、カップリング剤を用いること
ができるシラン系カップリング剤、チタン系カップリン
グ剤、アルミニウム系カップリング剤、アミノ酸系カッ
プリング剤等を用いることができる。樹脂は反応硬化型
の直鎖状ポリイミド樹脂の場合には、表面処理をするこ
とで結合はより強固なものとなるが、処理をおこなわず
とも十分な強度を得ることができる。
強固な結合を作るためには、表面処理をおこなってもよ
い。表面処理剤としては、カップリング剤を用いること
ができるシラン系カップリング剤、チタン系カップリン
グ剤、アルミニウム系カップリング剤、アミノ酸系カッ
プリング剤等を用いることができる。樹脂は反応硬化型
の直鎖状ポリイミド樹脂の場合には、表面処理をするこ
とで結合はより強固なものとなるが、処理をおこなわず
とも十分な強度を得ることができる。
【0070】ポリアミド酸と黒色導電性物質被覆無機物
を混合する場合、主に次のような二つの方法がある。一
つ目は、ポリアミド酸重合溶媒に予め黒色導電性物質被
覆無機物を添加して黒色導電性物質被覆無機物の分散溶
液を調整し、その後ポリアミド酸の原料であるジアミン
と酸二無水物を添加してポリアミド酸を重合する方法が
ある。別の方法としては、予め重合して得たポリアミド
酸と黒色導電性物質被覆無機物の分散溶液を混合する方
法がある。このようなどちらの方法を用いるにしても黒
色導電性物質被覆無機物の分散溶液を調整する必要があ
る。黒色導電性物質被覆無機物は比重が樹脂より大き
く、非常に重く、溶媒に黒色導電性物質被覆無機物を添
加するとたちまち沈降してしまう。その結果、アミド酸
と混合すると、黒色導電性物質被覆無機物の凝集物がで
き、表面に凹凸ができたり、局所的に抵抗が異なったり
する部分ができる。
を混合する場合、主に次のような二つの方法がある。一
つ目は、ポリアミド酸重合溶媒に予め黒色導電性物質被
覆無機物を添加して黒色導電性物質被覆無機物の分散溶
液を調整し、その後ポリアミド酸の原料であるジアミン
と酸二無水物を添加してポリアミド酸を重合する方法が
ある。別の方法としては、予め重合して得たポリアミド
酸と黒色導電性物質被覆無機物の分散溶液を混合する方
法がある。このようなどちらの方法を用いるにしても黒
色導電性物質被覆無機物の分散溶液を調整する必要があ
る。黒色導電性物質被覆無機物は比重が樹脂より大き
く、非常に重く、溶媒に黒色導電性物質被覆無機物を添
加するとたちまち沈降してしまう。その結果、アミド酸
と混合すると、黒色導電性物質被覆無機物の凝集物がで
き、表面に凹凸ができたり、局所的に抵抗が異なったり
する部分ができる。
【0071】そのため、黒色導電性物質被覆無機物の分
散溶液を作成するのに際し、分散材を配合すると良い。
分散材としては、金属塩や界面活性剤といったものが挙
げられる。特に金属塩が好ましく、Li塩、Na塩、K
塩、Rb塩、Cs塩、Be塩、Mg塩、Ca塩、Sr
塩、Ba塩からなる群より選択される1種類または2種
類以上の組み合わせが良く、 Li塩、Na塩、K塩が
好ましい。Li塩では格子エネルギーが1100以下の
Li塩が好ましく、具体的には LiF、LiCl、L
iBr、LiI、LiSCN、LiCF3SO3といった
ものが挙げられる。Na塩では格子エネルギーが800
以下のNa塩が好ましく、具体的にはNaF、 NaC
l、 NaBr、 NaI、 NaSCN、 NaCF3S
O3といったものが挙げられる。K塩では格子エネルギ
ーが800以下のK塩が好ましく、具体的にはKF、
KCl、 KBr、 KI、 KSCN、 KCF3SO3と
いったものが挙げられる。これらの金属塩は、常温でイ
オンが解離しやすく、黒色導電性物質被覆無機物と相互
作用が強くなるために好ましい。ただし、格子エネルギ
ーが小さすぎると、添加量の影響が大きくなりすぎるの
で格子エネルギーが大きいものが好ましい。これら金属
塩は有機物を含まないために、成形中の高温乾燥でも樹
脂が焼け付くようなことはない。分散材の配合量はポリ
イミド樹脂100重量部に対して1重量部以下の所定の
量を配合すれば良く、0.01〜0.1重量部以下でも
十分効果はある。一般に電線被覆の用途では、金属塩が
添加されると絶縁性が悪化し、誘電率が4以上の材料に
添加した場合にはイオン伝導性が高まり特に好ましくな
いが、ポリイミドと黒色導電性物質被覆無機物の組み合
わせにおいては、ポリイミドが絶縁性に優れ、誘電率が
4以下であるため、上記示した配合の範囲では特に絶縁
性や抵抗の電圧依存性は悪化することはない。
散溶液を作成するのに際し、分散材を配合すると良い。
分散材としては、金属塩や界面活性剤といったものが挙
げられる。特に金属塩が好ましく、Li塩、Na塩、K
塩、Rb塩、Cs塩、Be塩、Mg塩、Ca塩、Sr
塩、Ba塩からなる群より選択される1種類または2種
類以上の組み合わせが良く、 Li塩、Na塩、K塩が
好ましい。Li塩では格子エネルギーが1100以下の
Li塩が好ましく、具体的には LiF、LiCl、L
iBr、LiI、LiSCN、LiCF3SO3といった
ものが挙げられる。Na塩では格子エネルギーが800
以下のNa塩が好ましく、具体的にはNaF、 NaC
l、 NaBr、 NaI、 NaSCN、 NaCF3S
O3といったものが挙げられる。K塩では格子エネルギ
ーが800以下のK塩が好ましく、具体的にはKF、
KCl、 KBr、 KI、 KSCN、 KCF3SO3と
いったものが挙げられる。これらの金属塩は、常温でイ
オンが解離しやすく、黒色導電性物質被覆無機物と相互
作用が強くなるために好ましい。ただし、格子エネルギ
ーが小さすぎると、添加量の影響が大きくなりすぎるの
で格子エネルギーが大きいものが好ましい。これら金属
塩は有機物を含まないために、成形中の高温乾燥でも樹
脂が焼け付くようなことはない。分散材の配合量はポリ
イミド樹脂100重量部に対して1重量部以下の所定の
量を配合すれば良く、0.01〜0.1重量部以下でも
十分効果はある。一般に電線被覆の用途では、金属塩が
添加されると絶縁性が悪化し、誘電率が4以上の材料に
添加した場合にはイオン伝導性が高まり特に好ましくな
いが、ポリイミドと黒色導電性物質被覆無機物の組み合
わせにおいては、ポリイミドが絶縁性に優れ、誘電率が
4以下であるため、上記示した配合の範囲では特に絶縁
性や抵抗の電圧依存性は悪化することはない。
【0072】上記ポリイミド樹脂に対して、前記の黒色
導電性物質被覆無機物の他に、導電性物質を添加しても
よい。他の導電性物質としては、カーボンブラック、グ
ラファイト、金属粉末、金属酸化物粉末、導電処理され
た金属酸化物、帯電防止剤等が挙げられる。
導電性物質被覆無機物の他に、導電性物質を添加しても
よい。他の導電性物質としては、カーボンブラック、グ
ラファイト、金属粉末、金属酸化物粉末、導電処理され
た金属酸化物、帯電防止剤等が挙げられる。
【0073】上記ポリイミド樹脂に対して配合されるカ
ーボンブラックとしては、導電性を有するものであれば
種々の既存のカーボンブラックを用いることができ、フ
ァーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラ
ック、チャンネルブラック等がある。中でも、ファーネ
スブラックの1種であるが、特に比表面積が大きくケッ
チェンブラックと呼ばれるカーボンブラックを用いた場
合、カーボンブラックの配合量が少なくても効果が高
く、なおかつ他のカーボンブラックを使用した場合に比
較して電圧依存性(電圧が変わると抵抗値が変わり、オ
ームの法則に則った挙動をしめさない性質)が少ない事
を見出しており、ケッチェンブラックを用いることが特
に好ましい。
ーボンブラックとしては、導電性を有するものであれば
種々の既存のカーボンブラックを用いることができ、フ
ァーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラ
ック、チャンネルブラック等がある。中でも、ファーネ
スブラックの1種であるが、特に比表面積が大きくケッ
チェンブラックと呼ばれるカーボンブラックを用いた場
合、カーボンブラックの配合量が少なくても効果が高
く、なおかつ他のカーボンブラックを使用した場合に比
較して電圧依存性(電圧が変わると抵抗値が変わり、オ
ームの法則に則った挙動をしめさない性質)が少ない事
を見出しており、ケッチェンブラックを用いることが特
に好ましい。
【0074】上記ポリイミド樹脂に対して配合される金
属粉末としては、銅、鉄、アルミニウム、SUS等の粉
末が挙げられ、金属酸化物粉末としては導電性半導体セ
ラミックスが挙げられ、導電処理された金属酸化物とし
ては、酸化チタン、チタン酸カリウム、硫酸バリウム、
マイカ等を導電化処理した物が挙げられる。
属粉末としては、銅、鉄、アルミニウム、SUS等の粉
末が挙げられ、金属酸化物粉末としては導電性半導体セ
ラミックスが挙げられ、導電処理された金属酸化物とし
ては、酸化チタン、チタン酸カリウム、硫酸バリウム、
マイカ等を導電化処理した物が挙げられる。
【0075】これらの配合比率としては、ポリイミド樹
脂100重量部に対し、40重量部以下の所定の量を添
加するのが良く、好ましくは10重量部以下、さらに好
ましくは4重量部以下の量を添加するのが良い。それぞ
れの物質は最低1種ずつ用いるが、それぞれ2種以上の
物質を用いることも可能である。配合量が増えると、抵
抗の電圧依存性や絶縁性が悪化するため好ましくない。
また、配合量が少なすぎるとこれらの導電性物質を用い
た効果が発揮されにくくなるので、0.01重量部以
上、好ましくは0.1重量部以上、より好ましくは1重
量部以上、さらに好ましくは5重量部以上を配合する方
が良い。
脂100重量部に対し、40重量部以下の所定の量を添
加するのが良く、好ましくは10重量部以下、さらに好
ましくは4重量部以下の量を添加するのが良い。それぞ
れの物質は最低1種ずつ用いるが、それぞれ2種以上の
物質を用いることも可能である。配合量が増えると、抵
抗の電圧依存性や絶縁性が悪化するため好ましくない。
また、配合量が少なすぎるとこれらの導電性物質を用い
た効果が発揮されにくくなるので、0.01重量部以
上、好ましくは0.1重量部以上、より好ましくは1重
量部以上、さらに好ましくは5重量部以上を配合する方
が良い。
【0076】また、これら配合系にさらに他の非導電性
の無機粉体を加えることも可能である。非導電性フィラ
ーとしては例えばアルミナ、シリカ等の小径粒状物質、
雲母、粘土鉱物等の板状・鱗片状物質、チタン酸バリウ
ム、チタン酸カリウム等の短繊維状もしくはウィスカー
状物質など多様な物が用いられる。非導電性フィラー
は、例えば弾性率等の他特性コントロールのために添加
する場合もあるし、また、非導電性の粉体が適度に導電
性粉体の分散を補助し、導電体の凝集等を防止して安定
した抵抗値を実現できる場合がある。
の無機粉体を加えることも可能である。非導電性フィラ
ーとしては例えばアルミナ、シリカ等の小径粒状物質、
雲母、粘土鉱物等の板状・鱗片状物質、チタン酸バリウ
ム、チタン酸カリウム等の短繊維状もしくはウィスカー
状物質など多様な物が用いられる。非導電性フィラー
は、例えば弾性率等の他特性コントロールのために添加
する場合もあるし、また、非導電性の粉体が適度に導電
性粉体の分散を補助し、導電体の凝集等を防止して安定
した抵抗値を実現できる場合がある。
【0077】これらもちいて適切に配合を行うことで安
定して1×106〜1×1015Ω・cmの中間的体積抵
抗値を実現することができる。また、常温常湿時の抵抗
値R nと高温高湿の体積抵抗値Rhの比(Rn/Rh)が
0.03〜30、さらに好ましくは0.1〜10の範囲
内に制御でき、環境安定性の優れた材料を調整すること
ができる。また、100V印加時の体積抵抗値R100Vと
1000V印加時の体積抵抗値R1000Vの比(R100V/
R1000V)が0.03〜30の範囲内に制御でき、電圧
依存性の少ない材料を調整することができる。また前記
添加部数範囲内において黒色導電性物質被覆無機物の添
加部数が5部変化しても体積抵抗の変動が3倍以下であ
り、添加部数依存性の少ない材料を調整することができ
る。また、サンプル間の抵抗値のバラツキを3倍以下に
抑えることができ、サンプル間バラツキの小さい材料を
調整することができる。
定して1×106〜1×1015Ω・cmの中間的体積抵
抗値を実現することができる。また、常温常湿時の抵抗
値R nと高温高湿の体積抵抗値Rhの比(Rn/Rh)が
0.03〜30、さらに好ましくは0.1〜10の範囲
内に制御でき、環境安定性の優れた材料を調整すること
ができる。また、100V印加時の体積抵抗値R100Vと
1000V印加時の体積抵抗値R1000Vの比(R100V/
R1000V)が0.03〜30の範囲内に制御でき、電圧
依存性の少ない材料を調整することができる。また前記
添加部数範囲内において黒色導電性物質被覆無機物の添
加部数が5部変化しても体積抵抗の変動が3倍以下であ
り、添加部数依存性の少ない材料を調整することができ
る。また、サンプル間の抵抗値のバラツキを3倍以下に
抑えることができ、サンプル間バラツキの小さい材料を
調整することができる。
【0078】上記のような組成のポリイミドは様々な形
状で用いうるが、絶縁性を保持しながら抵抗値が一定レ
ベルであることが特に難しくなるのは、厚みが薄いもの
の場合であり、その意味で、フィルム状、シート状、ベ
ルト状、チューブ状等の広義でのフィルム状形態におい
て、特に厚みが150μm以下の形態においては上記配
合は特に有効となるのである。
状で用いうるが、絶縁性を保持しながら抵抗値が一定レ
ベルであることが特に難しくなるのは、厚みが薄いもの
の場合であり、その意味で、フィルム状、シート状、ベ
ルト状、チューブ状等の広義でのフィルム状形態におい
て、特に厚みが150μm以下の形態においては上記配
合は特に有効となるのである。
【0079】添加する黒色導電性物質被覆無機物や他の
導電材をポリイミド樹脂に分散させるための方法として
は、種々の方法がとりうる。
導電材をポリイミド樹脂に分散させるための方法として
は、種々の方法がとりうる。
【0080】ポリイミド樹脂が溶剤可溶性の場合、溶剤
に溶解したポリイミド樹脂中に該粉体類または粉体類を
溶媒に予備分散したものを加え、攪拌翼での混合や3本
ロールなどの混練り機によって分散を進める方法がとり
うる。また、逆に予め粉体類を溶媒に予備分散した物に
対し、溶剤可溶性のポリイミドの粉体またはペレット等
を加えて良く混合するという方法も可能である。予備分
散の方法としては、粉体類を溶剤に加えて超音波分散機
によって十分に分散を進めておくといった方法が有効で
ある。特に針状粉体は過剰な剪断力を受けると形状が破
壊される可能性があるため、3本ロールを使用しない方
法のほうが好ましい。
に溶解したポリイミド樹脂中に該粉体類または粉体類を
溶媒に予備分散したものを加え、攪拌翼での混合や3本
ロールなどの混練り機によって分散を進める方法がとり
うる。また、逆に予め粉体類を溶媒に予備分散した物に
対し、溶剤可溶性のポリイミドの粉体またはペレット等
を加えて良く混合するという方法も可能である。予備分
散の方法としては、粉体類を溶剤に加えて超音波分散機
によって十分に分散を進めておくといった方法が有効で
ある。特に針状粉体は過剰な剪断力を受けると形状が破
壊される可能性があるため、3本ロールを使用しない方
法のほうが好ましい。
【0081】ポリイミド樹脂が溶剤不溶性の場合、ポリ
イミドの前駆体であるポリアミド酸の溶液に対し、上記
の予備分散液を加えて、同様の方法で混合・混練り等を
行う方法も可能である。
イミドの前駆体であるポリアミド酸の溶液に対し、上記
の予備分散液を加えて、同様の方法で混合・混練り等を
行う方法も可能である。
【0082】この際、固形粉体の分散性を補助するため
の分散剤を併用することも、ポリイミドの特性劣化を顕
著に起こさない範囲で可能である。予備分散溶液に分散
材として金属塩を添加した場合には、分散状態が非常に
均一なため、手による攪拌でも十分均一な分散状態を実
現することができる。また、予備分散液の方に、ポリア
ミド酸溶液を少量ずつ攪拌しながら添加していく方が、
上記の逆手順よりもより分散性は向上する。
の分散剤を併用することも、ポリイミドの特性劣化を顕
著に起こさない範囲で可能である。予備分散溶液に分散
材として金属塩を添加した場合には、分散状態が非常に
均一なため、手による攪拌でも十分均一な分散状態を実
現することができる。また、予備分散液の方に、ポリア
ミド酸溶液を少量ずつ攪拌しながら添加していく方が、
上記の逆手順よりもより分散性は向上する。
【0083】また、特に良好な分散性が得られる別の方
法として、溶剤中に先に粉体類を加えて、超音波分散機
等により十分に分散させておき、これにポリイミド(ポ
リアミド酸)の原料であるジアミン化合物と酸二無水物
化合物を加え重合反応を行うという方法がある。この方
法によれば超音波分散などによりミクロなレベルでの分
散が良好に保たれるのと同時に、初期の固形粉体分散後
から重合中にかけて常に攪拌がなされるために、マクロ
なレベルの分散性も非常に良好である。
法として、溶剤中に先に粉体類を加えて、超音波分散機
等により十分に分散させておき、これにポリイミド(ポ
リアミド酸)の原料であるジアミン化合物と酸二無水物
化合物を加え重合反応を行うという方法がある。この方
法によれば超音波分散などによりミクロなレベルでの分
散が良好に保たれるのと同時に、初期の固形粉体分散後
から重合中にかけて常に攪拌がなされるために、マクロ
なレベルの分散性も非常に良好である。
【0084】溶液がポリイミド溶液の場合、これを任意
の形状に加工した後、加熱や場合によっては減圧を併用
することにより溶剤を揮発せしめ、ポリイミド成形体を
得ることができる。溶液がポリアミド酸溶液である場合
も、ポリイミド溶液の場合と同様の工程によりポリイミ
ド成形体を得ることができる。この場合、加熱に先立
ち、イミド化の促進のため、脱水剤として無水酢酸など
の酸無水物や触媒として三級アミンを単独または併用し
て用いる事ができる。ただし酸無水物はイミド化反応の
促進だけでなく、ポリアミド酸の分子鎖主鎖の切断も引
き起こしえるため、ポリイミドの機械的特性のために
は、酸無水物と三級アミンの併用または三級アミンのみ
の添加がより好ましく、熱のみのイミド化に比べて高い
引き裂き伝播強度の物が得られる。具体的には、引き裂
き伝播強度が250g/mm以上、より好ましくは、5
00g/mm以上の物が得られる。また触媒添加は、加
熱時間を減らすことができ、黒色導電性物質被覆無機物
が熱劣化することを抑えることができるために非常に好
ましい。特に、黒色導電性物質被覆無機物は、導電性被
膜が長時間の加熱によって導電性の変化を引き起こすた
めに、触媒添加による加熱時間の短縮は非常に大切であ
る。また、加熱時間が短いために、樹脂の熱劣化や樹脂
と黒色導電性物質被覆無機物の反応による劣化を抑える
ことができるために好ましい。また、触媒添加による製
法では、樹脂の面内配向が進み、黒色導電性物質被覆無
機物も平面状に配向しやすくなる。その結果、厚みが1
00μm以下といった薄い成形物の場合、厚み方向に配
向する無機物が減り、電気絶縁性を改善でき、またフィ
ラーの吸湿による厚み方向の電気特性劣化部分を減らす
ことができ、抵抗の湿度依存性を減らすことができるた
めに好ましい。
の形状に加工した後、加熱や場合によっては減圧を併用
することにより溶剤を揮発せしめ、ポリイミド成形体を
得ることができる。溶液がポリアミド酸溶液である場合
も、ポリイミド溶液の場合と同様の工程によりポリイミ
ド成形体を得ることができる。この場合、加熱に先立
ち、イミド化の促進のため、脱水剤として無水酢酸など
の酸無水物や触媒として三級アミンを単独または併用し
て用いる事ができる。ただし酸無水物はイミド化反応の
促進だけでなく、ポリアミド酸の分子鎖主鎖の切断も引
き起こしえるため、ポリイミドの機械的特性のために
は、酸無水物と三級アミンの併用または三級アミンのみ
の添加がより好ましく、熱のみのイミド化に比べて高い
引き裂き伝播強度の物が得られる。具体的には、引き裂
き伝播強度が250g/mm以上、より好ましくは、5
00g/mm以上の物が得られる。また触媒添加は、加
熱時間を減らすことができ、黒色導電性物質被覆無機物
が熱劣化することを抑えることができるために非常に好
ましい。特に、黒色導電性物質被覆無機物は、導電性被
膜が長時間の加熱によって導電性の変化を引き起こすた
めに、触媒添加による加熱時間の短縮は非常に大切であ
る。また、加熱時間が短いために、樹脂の熱劣化や樹脂
と黒色導電性物質被覆無機物の反応による劣化を抑える
ことができるために好ましい。また、触媒添加による製
法では、樹脂の面内配向が進み、黒色導電性物質被覆無
機物も平面状に配向しやすくなる。その結果、厚みが1
00μm以下といった薄い成形物の場合、厚み方向に配
向する無機物が減り、電気絶縁性を改善でき、またフィ
ラーの吸湿による厚み方向の電気特性劣化部分を減らす
ことができ、抵抗の湿度依存性を減らすことができるた
めに好ましい。
【0085】フィルムおよび管状物への具体的成形法の
例として下記のような方法が挙げられる。
例として下記のような方法が挙げられる。
【0086】上記各無機成分を分散させた樹脂溶液をエ
ンドレスベルト上に、Tダイ、コンマコーター、ドクタ
ーブレードなどを用いる事で厚み制御をした上で塗布す
る。樹脂溶液を熱風などによって自己支持性を有するま
で加熱乾燥し、そののちエンドレスベルトより引き剥が
す。引き剥がした半乾燥のフィルムの幅両端をピンやク
リップによって固定し、幅方向の長さを規制しながら順
次高温の加熱炉内を通すことによって、フィルム状成形
物を得ることができる。または金属などの連続したシー
ト状の支持体上に同様の方法で塗布し、これを加熱炉内
へ通過せしめることによってシート状に固定されたフィ
ルムまたはシート形状のポリイミド成形体を得、そのの
ち支持体シートより引き剥がすかまたは支持体シートを
エッチングなどの手段により除去する方法も取りうる。
このようにして得たフィルムまたはシート状の成形体を
所定長さと幅に切り、ベルトまたはチューブ状につなぎ
合わせてベルトまたはチューブを得る方法が最も容易で
ある。つなぎ合わせには接着剤や接着テープ等を用いる
ことができるが、この方法は不可避的につなぎ目で段差
や切れ目が存在するため、用途によっては不都合が生じ
る場合がある。
ンドレスベルト上に、Tダイ、コンマコーター、ドクタ
ーブレードなどを用いる事で厚み制御をした上で塗布す
る。樹脂溶液を熱風などによって自己支持性を有するま
で加熱乾燥し、そののちエンドレスベルトより引き剥が
す。引き剥がした半乾燥のフィルムの幅両端をピンやク
リップによって固定し、幅方向の長さを規制しながら順
次高温の加熱炉内を通すことによって、フィルム状成形
物を得ることができる。または金属などの連続したシー
ト状の支持体上に同様の方法で塗布し、これを加熱炉内
へ通過せしめることによってシート状に固定されたフィ
ルムまたはシート形状のポリイミド成形体を得、そのの
ち支持体シートより引き剥がすかまたは支持体シートを
エッチングなどの手段により除去する方法も取りうる。
このようにして得たフィルムまたはシート状の成形体を
所定長さと幅に切り、ベルトまたはチューブ状につなぎ
合わせてベルトまたはチューブを得る方法が最も容易で
ある。つなぎ合わせには接着剤や接着テープ等を用いる
ことができるが、この方法は不可避的につなぎ目で段差
や切れ目が存在するため、用途によっては不都合が生じ
る場合がある。
【0087】管状物を得る方法としては、円筒状金型の
内面または外面に樹脂溶液を塗布し、加熱乾燥あるいは
減圧乾燥などにより溶媒を揮発させ、これをこのまま最
終焼成温度まで加熱するか、あるいは一旦引き剥がし
て、最終的に内径を規定するための別金型の外周にはめ
込み、最終焼成温度まで加熱するといった方法がとりう
る。円筒状金型への樹脂溶液の塗布にあたっては、樹脂
溶液の垂れによる厚みばらつきを緩和するため、金型を
回転させることも有効である。最終焼成温度はポリイミ
ドの構造や添加するカーボンの耐熱性により適宜選択す
る事が必要であるが、非熱可塑ポリイミドでポリアミド
酸状態から加熱・焼成する場合は概ね350℃〜450
℃の間、熱可塑ポリイミドの場合はポリイミドのガラス
転位点温度に対し−20℃〜+100℃の間が好適な範
囲である。
内面または外面に樹脂溶液を塗布し、加熱乾燥あるいは
減圧乾燥などにより溶媒を揮発させ、これをこのまま最
終焼成温度まで加熱するか、あるいは一旦引き剥がし
て、最終的に内径を規定するための別金型の外周にはめ
込み、最終焼成温度まで加熱するといった方法がとりう
る。円筒状金型への樹脂溶液の塗布にあたっては、樹脂
溶液の垂れによる厚みばらつきを緩和するため、金型を
回転させることも有効である。最終焼成温度はポリイミ
ドの構造や添加するカーボンの耐熱性により適宜選択す
る事が必要であるが、非熱可塑ポリイミドでポリアミド
酸状態から加熱・焼成する場合は概ね350℃〜450
℃の間、熱可塑ポリイミドの場合はポリイミドのガラス
転位点温度に対し−20℃〜+100℃の間が好適な範
囲である。
【0088】トナーの離型性や転写性およびトナーのク
リーニング性を改善するためには、ポリイミド管状物の
表面には導電性制御されたフッ素樹脂最外層を形成する
とよい。フッ素樹脂としては、PTFE、PFAといっ
たものが挙げられ、導電性制御用の添加剤としては、ポ
リイミドの導電性制御用添加剤にあげたもの等が使用さ
れうる。最外層の形成方法は、塗布やフィルムの貼り合
わせ等が考えられるが、これら材料をディスパージョン
としてスプレー塗布する方法が一般的である。
リーニング性を改善するためには、ポリイミド管状物の
表面には導電性制御されたフッ素樹脂最外層を形成する
とよい。フッ素樹脂としては、PTFE、PFAといっ
たものが挙げられ、導電性制御用の添加剤としては、ポ
リイミドの導電性制御用添加剤にあげたもの等が使用さ
れうる。最外層の形成方法は、塗布やフィルムの貼り合
わせ等が考えられるが、これら材料をディスパージョン
としてスプレー塗布する方法が一般的である。
【0089】以上、本発明に係わる実施態様を説明した
が、本発明は上述の形態に限定されるものではない。
が、本発明は上述の形態に限定されるものではない。
【0090】
【実施例】以下、実施例により、本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれら実施例によって限定されるもの
ではない。
するが、本発明はこれら実施例によって限定されるもの
ではない。
【0091】(物性評価方法)次に、樹脂組成物の物性
評価方法について説明する。なお、物性は樹脂組成物か
らなる管状物を成形し、フィルム状のサンプルを切り出
して行った。
評価方法について説明する。なお、物性は樹脂組成物か
らなる管状物を成形し、フィルム状のサンプルを切り出
して行った。
【0092】フィルム状サンプルと黒色導電性物質被覆
無機物の厚み方向の体積抵抗値測定は、次のように実施
した。 ひとサンプルから10cm×10cmを4枚切
り取り、温度23℃、湿度55%Rhの環境(NN)下
および温度30℃、湿度80%Rhの環境(HH)24
時間放置し、該環境下にて、アドバンテスト(株)製デ
ジタル超高抵抗/微小電流計R8340と三菱化学
(株)製HRプローブを用い100Vにおける体積抵抗
値と表面抵抗を測定した。
無機物の厚み方向の体積抵抗値測定は、次のように実施
した。 ひとサンプルから10cm×10cmを4枚切
り取り、温度23℃、湿度55%Rhの環境(NN)下
および温度30℃、湿度80%Rhの環境(HH)24
時間放置し、該環境下にて、アドバンテスト(株)製デ
ジタル超高抵抗/微小電流計R8340と三菱化学
(株)製HRプローブを用い100Vにおける体積抵抗
値と表面抵抗を測定した。
【0093】フィルム厚み方向の絶縁性測定は、次のよ
うに実施した。 このフィルムを温度23℃、湿度55
%Rhの環境(NN)下に24時間放置し、直ちに取り
出しNN環境下にて、安田精機製作所製のYSS式耐電
破壊試験機における絶縁性を測定した。取り出しから測
定までの時間は3分以内である。
うに実施した。 このフィルムを温度23℃、湿度55
%Rhの環境(NN)下に24時間放置し、直ちに取り
出しNN環境下にて、安田精機製作所製のYSS式耐電
破壊試験機における絶縁性を測定した。取り出しから測
定までの時間は3分以内である。
【0094】フィルム状サンプルの引張弾性率、引張伸
びの測定は、ASTM D882に準拠して実施した。
フィルム状サンプルの引裂伝播強度測定は、ASTM
D1938に準拠して実施した。
びの測定は、ASTM D882に準拠して実施した。
フィルム状サンプルの引裂伝播強度測定は、ASTM
D1938に準拠して実施した。
【0095】次に、実施例と比較例について説明する。
【0096】(実施例1)芳香族ジアミンとして4,
4′−ジアミノジフェニルエーテルを、芳香族テトラカ
ルボン酸二無水物としてピロメリット酸二無水物を用い
て得られたポリアミド酸のDMF溶液(固形分濃度1
8.5%、溶液粘度3,000poise)を75g準
備した。一方、DMF21gに炭素被覆チタン酸カリウ
ムウィスカー(デントールBK400HR:Lot.9
C00:大塚化学(株)製:比重3.15g/cm3、
体積抵抗値5×105〜5×106Ω・cm、イオン溶出
量500〜10000ppm、短軸0.3〜0.6μ
m、長軸10〜20μm)7.7gを分散させた液を調
整した。
4′−ジアミノジフェニルエーテルを、芳香族テトラカ
ルボン酸二無水物としてピロメリット酸二無水物を用い
て得られたポリアミド酸のDMF溶液(固形分濃度1
8.5%、溶液粘度3,000poise)を75g準
備した。一方、DMF21gに炭素被覆チタン酸カリウ
ムウィスカー(デントールBK400HR:Lot.9
C00:大塚化学(株)製:比重3.15g/cm3、
体積抵抗値5×105〜5×106Ω・cm、イオン溶出
量500〜10000ppm、短軸0.3〜0.6μ
m、長軸10〜20μm)7.7gを分散させた液を調
整した。
【0097】これらポリアミド酸溶液と炭素被覆チタン
酸カリウムウィスカーの分散液を添加し混練した。得ら
れたドープを管状フィルム状にキャストする前に、無水
酢酸/イソキノリン/DMFを9.03g/11.4g
/15.6gからなる溶液を添加混合し、次いで筒状S
USにキャストし、140℃/240秒、275℃/4
0秒、400℃/93秒熱処理して約50μmの草色の
ポリイミド管状物を得た。本管状物中のフィラー量はポ
リイミド固形分100重量部に対して55重量部であ
る。特性値を表1に示す。
酸カリウムウィスカーの分散液を添加し混練した。得ら
れたドープを管状フィルム状にキャストする前に、無水
酢酸/イソキノリン/DMFを9.03g/11.4g
/15.6gからなる溶液を添加混合し、次いで筒状S
USにキャストし、140℃/240秒、275℃/4
0秒、400℃/93秒熱処理して約50μmの草色の
ポリイミド管状物を得た。本管状物中のフィラー量はポ
リイミド固形分100重量部に対して55重量部であ
る。特性値を表1に示す。
【0098】このようにして重合したポリイミドフィル
ム単体の線膨張係数21ppm、吸湿膨張係数16pp
m、引張弾性率2.9GPa、伸び70%、引き裂き伝
播強度450g/mm、吸水率2.5%であった。
ム単体の線膨張係数21ppm、吸湿膨張係数16pp
m、引張弾性率2.9GPa、伸び70%、引き裂き伝
播強度450g/mm、吸水率2.5%であった。
【0099】(実施例2)DMF21gに炭素被覆チタ
ン酸カリウムウィスカーの代わりに炭素被覆ホウ酸アル
ミニウムウィスカー(四国化成工業(株)製ホウ酸アル
ミニウムウィスカー(アルボレックスY)をデントール
BK400HRと同様の条件にて炭素被覆処理した材
料:比重3.0g/cm3、体積抵抗値5×105〜5×
106Ω・cm、イオン溶出量<50ppm、短軸0.
5〜1.0μm、長軸10〜30μm、屈折率1.60
〜1.62)7.7gを分散させた液を調整した以外
は、実施例1と同様にしてポリイミド管状物を得た。本
管状物中のフィラー量はポリイミド固形分100重量部
に対して55部である。特性値を表1に示す。
ン酸カリウムウィスカーの代わりに炭素被覆ホウ酸アル
ミニウムウィスカー(四国化成工業(株)製ホウ酸アル
ミニウムウィスカー(アルボレックスY)をデントール
BK400HRと同様の条件にて炭素被覆処理した材
料:比重3.0g/cm3、体積抵抗値5×105〜5×
106Ω・cm、イオン溶出量<50ppm、短軸0.
5〜1.0μm、長軸10〜30μm、屈折率1.60
〜1.62)7.7gを分散させた液を調整した以外
は、実施例1と同様にしてポリイミド管状物を得た。本
管状物中のフィラー量はポリイミド固形分100重量部
に対して55部である。特性値を表1に示す。
【0100】(実施例3)DMF21gに炭素被覆チタ
ン酸カリウムウィスカー7.7g、カーボンブラック
(#MA220:三菱化学(株))0.55gを分散さ
せた液を調整した以外は、実施例1と同様にしてポリイ
ミド管状物を得た。本管状物中のフィラー量はポリイミ
ド固形分100重量部に対して59部である。特性値を
表1に示す。
ン酸カリウムウィスカー7.7g、カーボンブラック
(#MA220:三菱化学(株))0.55gを分散さ
せた液を調整した以外は、実施例1と同様にしてポリイ
ミド管状物を得た。本管状物中のフィラー量はポリイミ
ド固形分100重量部に対して59部である。特性値を
表1に示す。
【0101】(実施例4)DMF21gに炭素被覆ホウ
酸アルミニウムウィスカー7.7g、カーボンブラック
(#3030B:三菱化学(株))0.55gを分散さ
せた液を調整した以外は、実施例1と同様にしてポリイ
ミド管状物を得た。本管状物中のフィラー量はポリイミ
ド固形分100重量部に対して59部である。特性値を
表1に示す。
酸アルミニウムウィスカー7.7g、カーボンブラック
(#3030B:三菱化学(株))0.55gを分散さ
せた液を調整した以外は、実施例1と同様にしてポリイ
ミド管状物を得た。本管状物中のフィラー量はポリイミ
ド固形分100重量部に対して59部である。特性値を
表1に示す。
【0102】(実施例5)ポリアミド酸のDMF溶液を
芳香族ジアミンとして4,4′−ジアミノジフェニルエ
ーテル3当量をDMFに溶解し、次にPMDA4当量を
加え、さらに、パラフェニレンジアミン1当量を加えて
重合したポリアミド酸のDMF溶液(固形分濃度18.
5%、溶液粘度3,000poise)に変更した以外
は実施例2と同様にしてポリイミド管状物を得た。特性
値を表1に示す。
芳香族ジアミンとして4,4′−ジアミノジフェニルエ
ーテル3当量をDMFに溶解し、次にPMDA4当量を
加え、さらに、パラフェニレンジアミン1当量を加えて
重合したポリアミド酸のDMF溶液(固形分濃度18.
5%、溶液粘度3,000poise)に変更した以外
は実施例2と同様にしてポリイミド管状物を得た。特性
値を表1に示す。
【0103】このようにして重合したポリイミドフィル
ム単体の線膨張係数8ppm、吸湿膨張係数9ppm、
引張弾性率4GPa、伸び70%、引き裂き伝播強度4
50g/mm、吸水率は2.1%であった。
ム単体の線膨張係数8ppm、吸湿膨張係数9ppm、
引張弾性率4GPa、伸び70%、引き裂き伝播強度4
50g/mm、吸水率は2.1%であった。
【0104】(実施例6)ポリアミド酸のDMF溶液を
芳香族ジアミンとして4,4′−ジアミノジフェニルエ
ーテル3当量をDMFに溶解し、次にPMDA4当量を
加え、さらに、パラフェニレンジアミン1当量を加えて
重合したポリアミド酸のDMF溶液(固形分濃度18.
5%、溶液粘度3,000poise)に変更した以外
は実施例2と同様にしてポリイミド管状物を得た。特性
値を表1に示す。
芳香族ジアミンとして4,4′−ジアミノジフェニルエ
ーテル3当量をDMFに溶解し、次にPMDA4当量を
加え、さらに、パラフェニレンジアミン1当量を加えて
重合したポリアミド酸のDMF溶液(固形分濃度18.
5%、溶液粘度3,000poise)に変更した以外
は実施例2と同様にしてポリイミド管状物を得た。特性
値を表1に示す。
【0105】(実施例7)ポリアミド酸のDMF溶液を
芳香族ジアミンとして4,4′−ジアミノジフェニルエ
ーテル5当量、パラフェニレンジアミン5当量をDMF
に溶解し、次にTMHQ5当量加えさらにPMDA5当
量を加えて重合したポリアミド酸のDMF溶液(固形分
濃度18.5%、溶液粘度3,000poise)に変
更した以外は実施例1と同様にしてポリイミド管状物を
得た。特性値を表1に示す。
芳香族ジアミンとして4,4′−ジアミノジフェニルエ
ーテル5当量、パラフェニレンジアミン5当量をDMF
に溶解し、次にTMHQ5当量加えさらにPMDA5当
量を加えて重合したポリアミド酸のDMF溶液(固形分
濃度18.5%、溶液粘度3,000poise)に変
更した以外は実施例1と同様にしてポリイミド管状物を
得た。特性値を表1に示す。
【0106】このようにして重合したポリイミドフィル
ム単体の線膨張係数9ppm、吸湿膨張係数5ppm、
引張弾性率6GPa、伸び40%、引き裂き伝播強度4
50g/mm、吸水率1.2%であった。
ム単体の線膨張係数9ppm、吸湿膨張係数5ppm、
引張弾性率6GPa、伸び40%、引き裂き伝播強度4
50g/mm、吸水率1.2%であった。
【0107】(実施例8)ポリアミド酸のDMF溶液を
芳香族ジアミンとして4,4′−ジアミノジフェニルエ
ーテル5当量、パラフェニレンジアミン5当量をDMF
に溶解し、次にTMHQ5当量加えさらにPMDA5当
量を加えて重合したポリアミド酸のDMF溶液(固形分
濃度18.5%、溶液粘度3,000poise)に変
更した以外は実施例2と同様にしてポリイミド管状物を
得た。特性値を表1に示す。
芳香族ジアミンとして4,4′−ジアミノジフェニルエ
ーテル5当量、パラフェニレンジアミン5当量をDMF
に溶解し、次にTMHQ5当量加えさらにPMDA5当
量を加えて重合したポリアミド酸のDMF溶液(固形分
濃度18.5%、溶液粘度3,000poise)に変
更した以外は実施例2と同様にしてポリイミド管状物を
得た。特性値を表1に示す。
【0108】以上のようにして得られた実施例1〜8の
ポリイミド樹脂のNNとHHの体積抵抗値は1×108
〜1×1010Ω・cmで中抵抗領域に調整されており、
絶縁性も10kV/mm以上と優れていた。またフィラ
ーの添加部数の差(5部)による体積抵抗値の比は3倍
以下であり、体積抵抗値の添加部数依存性は小さかっ
た。またNNとHHの体積抵抗値の比は30倍以下であ
り、体積抵抗値の環境依存性は小さかった。また、10
0Vと1000Vで測定した体積抵抗値の比は30倍以
下であり、体積抵抗値の電圧依存性は小さかった。また
上記と同様の操作で作製した5点のサンプルについて、
500Vにおける体積抵抗値測定を行った結果、最大値
と最小値の差は3倍以下であり、サンプル間のばらつき
も非常に小さかった。同一サンプル内のばらつきも3倍
以下であり、非常に小さかった。
ポリイミド樹脂のNNとHHの体積抵抗値は1×108
〜1×1010Ω・cmで中抵抗領域に調整されており、
絶縁性も10kV/mm以上と優れていた。またフィラ
ーの添加部数の差(5部)による体積抵抗値の比は3倍
以下であり、体積抵抗値の添加部数依存性は小さかっ
た。またNNとHHの体積抵抗値の比は30倍以下であ
り、体積抵抗値の環境依存性は小さかった。また、10
0Vと1000Vで測定した体積抵抗値の比は30倍以
下であり、体積抵抗値の電圧依存性は小さかった。また
上記と同様の操作で作製した5点のサンプルについて、
500Vにおける体積抵抗値測定を行った結果、最大値
と最小値の差は3倍以下であり、サンプル間のばらつき
も非常に小さかった。同一サンプル内のばらつきも3倍
以下であり、非常に小さかった。
【0109】フィルムの引張弾性率はフィラー未添加品
に比べて優れており、伸びは50%以上、引裂伝播強度
は75%以上を保持していた。線膨張係数、吸湿膨張係
数もフィラー未添加品よりも数ppm低下していた。
に比べて優れており、伸びは50%以上、引裂伝播強度
は75%以上を保持していた。線膨張係数、吸湿膨張係
数もフィラー未添加品よりも数ppm低下していた。
【0110】炭素被覆ホウ酸アルミニウム配合品の方が
炭素被覆チタン酸カリウム配合品よりも抵抗の環境依存
性が小さく、絶縁性にも優れていた。ホウ酸アルミニウ
ムの方がチタン酸カリウムよりも遊離金属成分が少ない
ためだと考えられる。
炭素被覆チタン酸カリウム配合品よりも抵抗の環境依存
性が小さく、絶縁性にも優れていた。ホウ酸アルミニウ
ムの方がチタン酸カリウムよりも遊離金属成分が少ない
ためだと考えられる。
【0111】実施例1〜4、実施例5〜6、実施例7〜
8の順に引張弾性率は増加していた。これは、ベース樹
脂の引張弾性率がこの順に高くなっているためである。
8の順に引張弾性率は増加していた。これは、ベース樹
脂の引張弾性率がこの順に高くなっているためである。
【0112】(比較例1)DMF21gに酸化チタン−
酸化錫被覆フィラー(石原産業(株):FT−300
0:<1.0E+2Ω・cm)8.34gを分散させた
液を調整した以外は、実施例1と同様にしてポリイミド
管状物を得た。本管状物中のフィラー量はポリイミド固
形分100重量部に対して70部である。特性値を表1
に示す。
酸化錫被覆フィラー(石原産業(株):FT−300
0:<1.0E+2Ω・cm)8.34gを分散させた
液を調整した以外は、実施例1と同様にしてポリイミド
管状物を得た。本管状物中のフィラー量はポリイミド固
形分100重量部に対して70部である。特性値を表1
に示す。
【0113】(比較例2)DMF21gにカーボンブラ
ック(#3030B:三菱化学(株):<1.0E+1
Ω・cm)4.17gを分散させた液を調整した以外
は、実施例1と同様にしてポリイミド管状物を得た。本
管状物中のフィラー量はポリイミド固形分100重量部
に対して30部である。特性値を表1に示す。
ック(#3030B:三菱化学(株):<1.0E+1
Ω・cm)4.17gを分散させた液を調整した以外
は、実施例1と同様にしてポリイミド管状物を得た。本
管状物中のフィラー量はポリイミド固形分100重量部
に対して30部である。特性値を表1に示す。
【0114】以上のようにして得られた比較例1〜2の
ポリイミド樹脂におけるNNの体積抵抗値は狙い通りの
中抵抗領域に調整されていたが、HHでは非常に抵抗値
が低かった。またフィラーの添加部数の差(5部)によ
る体積抵抗値の比は3倍以上あり、体積抵抗値の添加部
数依存性は大きかった。またNNとHHの体積抵抗値の
比は1000倍以上であり、体積抵抗値の環境依存性は
非常に大きかった。また、100Vと1000Vで測定
した体積抵抗値の比は100倍以上あり、体積抵抗値の
電圧依存性は大きかった。また上記と同様の操作で作製
した5点のサンプルについて、500Vにおける体積抵
抗値測定を行った結果、最大値と最小値の差は3倍以上
あり、サンプル間のばらつきも非常に大きかった。同一
サンプル内のばらつきも3倍以上あり、非常に大きかっ
た。
ポリイミド樹脂におけるNNの体積抵抗値は狙い通りの
中抵抗領域に調整されていたが、HHでは非常に抵抗値
が低かった。またフィラーの添加部数の差(5部)によ
る体積抵抗値の比は3倍以上あり、体積抵抗値の添加部
数依存性は大きかった。またNNとHHの体積抵抗値の
比は1000倍以上であり、体積抵抗値の環境依存性は
非常に大きかった。また、100Vと1000Vで測定
した体積抵抗値の比は100倍以上あり、体積抵抗値の
電圧依存性は大きかった。また上記と同様の操作で作製
した5点のサンプルについて、500Vにおける体積抵
抗値測定を行った結果、最大値と最小値の差は3倍以上
あり、サンプル間のばらつきも非常に大きかった。同一
サンプル内のばらつきも3倍以上あり、非常に大きかっ
た。
【0115】
【表1】
【0116】
【発明の効果】常温常湿から高温高湿において安定な中
抵抗値を有し、サンプル間、添加量変化、電圧変化、環
境変化による抵抗値の変動が少なく、機械特性に優れ、
搬送による帯電防止性や電子写真機での転写性・定着性
に優れ、光学系機器に隣接しても画像形成に悪影響を及
ぼさない有色もしくは黒色のポリイミド樹脂を得る事が
できる。
抵抗値を有し、サンプル間、添加量変化、電圧変化、環
境変化による抵抗値の変動が少なく、機械特性に優れ、
搬送による帯電防止性や電子写真機での転写性・定着性
に優れ、光学系機器に隣接しても画像形成に悪影響を及
ぼさない有色もしくは黒色のポリイミド樹脂を得る事が
できる。
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(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
G03G 15/00 550 G03G 15/00 550 4J043
15/16 15/16
15/20 102 15/20 102
Fターム(参考) 2H033 AA13 BA11 BA12 BE09
2H071 BA42 DA09 DA12
2H200 FA18 JB07 JB45 JB46 JB47
JC04 JC15 JC16 JC17 LC04
MA02 MA12 MA13 MA17 MA20
MB02 MB04 MC15
4F071 AA60 AB00 AB03 AB06 AB18
AB20 AB21 AB24 AB25 AB26
AB27 AB28 AB30 AE15 AF37Y
AF45 AF57 AH16 BC01 BC05
4J002 CM041 DA027 DA037 DA076
DA077 DA086 DA087 DA097
DA116 DB016 DC007 DE076
DE106 DE116 DE136 DE137
DE146 DE186 DE187 DE236
DF016 DG046 DG047 DH046
DJ006 DJ016 DJ036 DJ046
DJ056 DJ057 DK006 DL006
DM007 FA016 FA046 FA066
FA076 FB076 FD010 FD116
FD117 GM01 GQ00 GQ02
4J043 PA19 QB26 QB31 RA35 SA06
SA42 SA51 SA54 SA72 SB01
SB02 TA22 TB01 TB02 UA121
UA122 UA131 UA132 UA141
UA142 UA151 UA152 UA261
UA672 UB011 UB012 UB022
UB031 UB061 UB062 UB122
UB131 UB132 UB141 UB151
UB152 UB161 UB162 UB261
UB281 UB301 UB302 VA041
YA08 ZA12 ZA31 ZA35 ZB49
Claims (17)
- 【請求項1】 ポリイミド樹脂100重量部に対し、黒
色導電性物質で被覆された無機物(黒色導電性物質被覆
無機物)を0.1〜200重量部含有し、体積抵抗値が
1×106〜1×1015Ω・cmの範囲内にあることを
特徴とするポリイミド樹脂組成物。 - 【請求項2】 前記黒色導電性物質被覆無機物の体積抵
抗値が1×103〜1×1012Ω・cmであることを特
徴とする請求項1に記載のポリイミド樹脂組成物。 - 【請求項3】 前記黒色導電性物質被覆無機物の体積抵
抗値が1×104〜1×1011Ω・cmであることを特
徴とする請求項1に記載のポリイミド樹脂組成物。 - 【請求項4】 前記無機物が硫酸バリウム、炭酸カルシ
ウム、シリカ、ガラス、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタ
ン、ホウ酸アルミニウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、チ
タン酸金属塩、チタン酸アルミン酸塩、塩基性硫酸マグ
ネシウム、ケイ酸カルシウム、マグネシア、硫酸カルシ
ウム、リン酸カルシウムナトリウム、ホウ酸マグネシウ
ム、二ホウ化チタン、ウォラストナイト、クリソタイ
ル、マイカ、タルク、粘土鉱物、ケイ酸塩およびカオリ
ンからなる群より選択される少なくとも1種の無機物で
あることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の
ポリイミド樹脂組成物。 - 【請求項5】 前記無機物がシリカ、硫酸バリウム、ホ
ウ酸アルミニウム、酸化チタン、チタン酸金属塩、チタ
ン酸アルミン酸塩、ケイ酸カルシウム、ケイ酸塩および
マイカからなる群より選択される少なくとも1種の無機
物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記
載のポリイミド樹脂組成物。 - 【請求項6】 前記無機物の屈折率が2.0以下である
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のポリ
イミド樹脂組成物。 - 【請求項7】 前記無機物の遊離金属成分が100pp
m以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか
に記載のポリイミド樹脂組成物。 - 【請求項8】 前記無機物の粒径が3μm以下であるこ
とを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のポリイ
ミド樹脂組成物。 - 【請求項9】 前記無機物が針状または鱗片状であるこ
とを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のポリイ
ミド樹脂組成物。 - 【請求項10】 前記黒色導電性物質が黒鉛、炭素、チ
タンブラックからなる群より選択される少なくとも1種
の導電性物質であることを特徴とする請求項1〜9のい
ずれかに記載のポリイミド樹脂組成物。 - 【請求項11】 前記組成物が、前記黒色導電性物質被
覆無機物の他に、ポリイミド樹脂100重量部に対し、
0.01〜40重量部の導電性物質を含むことを特徴と
する請求項1〜10のいずれかに記載のポリイミド樹脂
組成物。 - 【請求項12】 前記ポリイミド樹脂が反応硬化型直鎖
状ポリイミド樹脂であることを特徴とする請求項1〜1
1に記載のポリイミド樹脂組成物。 - 【請求項13】 イミド化促進剤として酸無水物および
/または三級アミンを添加後、加熱焼成して得られるこ
とを特徴とする請求項1〜12に記載のポリイミド樹脂
組成物。 - 【請求項14】 前記組成物が成形されてなるポリイミ
ド管状物の常温常湿時の抵抗値Rnと高温高湿の体積抵
抗値Rhの比(Rn/Rh)が0.03〜30の範囲内に
あることを特徴とする請求項1〜13に記載のポリイミ
ド樹脂組成物。 - 【請求項15】 請求項1〜14のいずれかに記載のポ
リイミド樹脂組成物からなるポリイミドフィルム。 - 【請求項16】 請求項1〜14のいずれかに記載のポ
リイミド樹脂組成物からなるポリイミド管状物。 - 【請求項17】 請求項16に記載のポリイミド管状物
であって、電子写真装置の転写ベルト、中間転写ベル
ト、転写定着ベルトまたは定着ベルトのいずれかに使用
される電子写真用管状物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001392493A JP2003192893A (ja) | 2001-12-25 | 2001-12-25 | ポリイミド樹脂組成物、ポリイミドフィルム、ポリイミド管状物及び電子写真用管状物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001392493A JP2003192893A (ja) | 2001-12-25 | 2001-12-25 | ポリイミド樹脂組成物、ポリイミドフィルム、ポリイミド管状物及び電子写真用管状物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003192893A true JP2003192893A (ja) | 2003-07-09 |
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ID=27599793
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---|---|---|---|
JP2001392493A Pending JP2003192893A (ja) | 2001-12-25 | 2001-12-25 | ポリイミド樹脂組成物、ポリイミドフィルム、ポリイミド管状物及び電子写真用管状物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003192893A (ja) |
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JP2006265418A (ja) * | 2005-03-24 | 2006-10-05 | Fuji Xerox Co Ltd | 樹脂製無端ベルト及びその製造方法、並びに画像形成装置 |
JP2009162297A (ja) * | 2008-01-07 | 2009-07-23 | Ube Ind Ltd | オイル供給部材 |
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US20130196134A1 (en) * | 2009-08-03 | 2013-08-01 | E I Du Pont De Nemours And Company | Matte finish polyimide films and methods relating thereto |
KR101425370B1 (ko) * | 2013-04-10 | 2014-08-06 | (주)상아프론테크 | 도전성 수지 조성물 및 이를 이용한 전사 벨트 |
TWI457408B (zh) * | 2010-03-30 | 2014-10-21 | Du Pont | 黑色聚醯亞胺薄膜及含彼之銅箔層合板 |
US9926415B2 (en) | 2010-08-05 | 2018-03-27 | E I Du Pont De Nemours And Company | Matte finish polyimide films and methods relating thereto |
US10336045B2 (en) | 2009-08-03 | 2019-07-02 | E I Du Pont De Nemours And Company | Matte finish polyimide films and methods relating thereto |
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