JP2009162297A - オイル供給部材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】オイル供給面に接触するオイル被供給物に該オイル供給面からオイルを移行させるオイル保持層2を有するオイル供給部材1であって、オイル保持層2は、表面に多数の孔を有し、開放孔以外の表面が平滑であり、両表面に緻密な層がなく、非直線性の連続孔を有する多孔質構造を持つ多孔質樹脂膜を含み、多孔質樹脂膜は、特定の数式で示される弾性率Sが、500〜5000MPaの範囲であることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
オイル保持層は、表面に多数の孔を有し、開放孔以外の表面が平滑であり、両表面に緻密な層がなく、非直線性の連続孔を有する多孔質構造を持つ多孔質樹脂膜を含み、
多孔質樹脂膜は、下記数式(1)で示される弾性率Sが、500〜5000MPaの範囲であることを特徴とするオイル供給部材である。
1)多孔質樹脂膜は、
空孔率が15〜80%であり、膜厚が5〜300μmであり、表面の平均孔径が0.01〜5μmで最大孔径が10μm以下であり、中央部の平均孔径が0.01〜5μmであること。
2)多孔質樹脂膜が、240℃以上のガラス転移温度を有すること。
3)多孔質樹脂膜が、多孔質ポリイミド膜であること。
4)多孔質樹脂膜が、
テトラカルボン酸成分と芳香族ジアミン成分とを重合して得られたポリイミド前駆体溶液をフィルム状に流延した後、流延物表面を溶媒置換速度調整層で覆い、複層化されたポリイミド前駆体流延物を、溶媒置換速度調整層を介して凝固溶媒と接触させることでポリイミド前駆体の析出、多孔質化を行い、多孔質化されたポリイミド前駆体フィルムを、熱イミド化処理或いは化学イミド化処理を施されることにより得られた多孔質ポリイミド膜であること。
5)多孔質樹脂膜が、
(i)ビフェニルテトラカルボン酸成分及びピロメリット酸成分から選ばれる成分を含むテトラカルボン酸成分と、
ジアミン成分とから得られる芳香族ポリイミドからなる多孔質ポリイミド膜であるか、
(ii)テトラカルボン酸成分と、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル及びパラフェニレンジアミンとから選ばれる芳香族ジアミンを含む芳香族ジアミン化合物とから得られる芳香族ポリイミドからなる多孔質ポリイミド膜であるか、
或いは、
(iii)ビフェニルテトラカルボン酸成分及びピロメリット酸成分から選ばれる成分を含むテトラカルボン酸成分と、
4,4’−ジアミノジフェニルエーテル及びパラフェニレンジアミンとから選ばれる芳香族ジアミンを含む芳香族ジアミン化合物とから得られる芳香族ポリイミドからなる多孔質ポリイミド膜であること。
さらに本発明のオイル供給部材は、ガラス転移温度が高いオイル保持層を用いることにより、高温下で荷重がかかる状態で使用することが出来るオイル供給部材を提供することができる。
また本発明のオイル供給部材は、オイル保持層として溶媒置換速度調整層を介して凝固、イミド化して得られるガラス転移温度が高く、かつ弾性率に優れるポリイミド多孔質膜を用いることにより、耐用性、耐熱性、磨耗が生じにくく、高温下で荷重のかかった状態で、オイルの制御された均一な塗布が長期間必要な部位に好適に用いることができる。
1)オイル被塗布物とオイル保持層とが直接接触しても良く、又はオイル被塗布物とオイル保持層との間に表面層などを介しても良い。
図1には、ロール状のオイル供給部材であり、オイル供給部材1は、外側よりオイル保持層2、回転軸4の順に構成されている。
図2には、ロール状のオイル供給部材であり、オイル供給部材1は、外側よりオイル保持層2、多孔質材などのオイル供給層3、回転軸4の順に構成されている。
図3には、ロール状のオイル供給部材であり、オイル供給部材11は、外側より表面層5、オイル保持層2、多孔質材などのオイル供給層3、回転軸4の順に構成されている。
図4には、シート状のオイル供給部材であり、オイル供給部材21は、シート状のオイル保持層22、シート状の多孔質材などのオイル供給層23の順に構成されている。
該多孔質樹脂膜は、
下記数式(1)で示される弾性率Sが、500〜5000の範囲、好ましくは1000〜5000の範囲、さらに好ましくは1200〜4000の範囲であり、前記の下限値より低くなると荷重のかかる状態で磨耗、変形しやすいことから好ましくなく、前記の上限値より高くなるとオイル被塗布材を傷つけるなどして好ましくない。
1)表面に多数の孔を有し、開放孔以外の表面が平滑であり、両表面に緻密な層がなく、非直線性の連続孔を有する多孔質構造を持つ多孔質樹脂膜であることが、長時間、均一なオイルの塗布のために好ましい。
2)多孔質樹脂膜のガラス転移温度が240℃以上、好ましくは250℃以上、より好ましくは255℃以上、さらに好ましくは260℃以上、特に好ましくは265℃以上であることが、高温時の荷重がかかる状態での耐磨耗、耐変形性のために好ましい。
3)空孔率が好ましくは15〜80%、さらに好ましくは20〜70%、特に好ましくは30〜60%であること。
4)膜厚が好ましくは5〜300μm、さらに好ましくは15〜150μm、特に好ましくは20〜100μmであること。
5)表面の平均孔径が好ましくは0.01〜5μm、さらに好ましくは0.01〜3μm、特に好ましくは0.02〜2μmであること。
6)最大孔径が好ましくは10μm以下、さらに好ましくは0.1〜5μm、特に好ましくは0.1〜3μmであること。
7)中央部の平均孔径が好ましくは0.01〜5μm、さらに好ましくは0.01〜3μm、特に好ましくは0.01〜1μmであること。
8)少なくとも片側の表面の空孔面積Afと全表面積Aaから、Af/Aaで計算される空孔面積率Aが、0.01〜0.95の範囲、好ましくは0.05〜0.90の範囲、より好ましくは0.10〜0.80の範囲、さらに好ましくは0.20〜0.70の範囲、特に好ましくは0.30〜0.60の範囲であることがオイル塗布量を制御して塗布するためと、磨耗、変形しにくくなることから好ましい。この範囲から小さいとオイルの塗布が少なくなったり、出来なくなることから好ましくなく、一方、この範囲より大きいとオイルが出すぎたり、磨耗、変形が生じやすくなり好ましくない。両表面とも同じ程度の空孔面積率でも良いが、片側の表面の空孔面積率が、他方の表面の空孔面積率より小さくても良い。なお、両側の空孔面積率が異なる場合、オイル被塗布物側が、空孔面積率の小さい方となるように用いることが、オイル塗布量の制御の面から好ましいことが多いが、必要となる塗布量によっては、空孔面積率の大きい側の表面がオイル被塗布物側に用いられてもよい。
(i)上記数式(1)で示される弾性率Sが、500〜5000の範囲である熱可塑性樹脂或いは熱硬化性樹脂などの樹脂、
(ii)ガラス転移温度が240℃以上の熱可塑性樹脂或いは熱硬化性樹脂などの樹脂、
或いは
(iii)上記数式(1)で示される弾性率Sが、500〜5000の範囲であり、かつガラス転移温度が240℃以上の熱可塑性樹脂或いは熱硬化性樹脂などの樹脂などを挙げることができる。
オイル保持層に用いる多孔質樹脂膜は、熱可塑性樹脂或いは熱硬化性樹脂などの樹脂で一部が架橋されている樹脂、又は熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂とを含む樹脂を挙げることが出来る。
多孔質樹脂膜として多孔質ポリイミド膜、例えば、ポリアミック酸などのポリイミド前駆体溶液又はポリイミド溶液を凝固溶媒に浸漬して凝固させる方法など、公知の方法で製造することが出来る。
1)テトラカルボン酸成分と芳香族ジアミン成分とを溶液中で重合してポリアミック酸などのポリイミド前駆体溶液を製造し、
2)ポリイミド前駆体溶液を支持体上にフィルム状に流延した後、流延物表面を溶媒置換速度調整層で覆い、複層化されたポリイミド前駆体流延物は、溶媒置換速度調整層を介して凝固溶媒と接触させて、ポリイミド前駆体の析出、多孔質化を行い、多孔質化されたポリイミド前駆体フィルムを製造し、
3)多孔質化されたポリイミド前駆体フィルムをさらに熱イミド化処理或いは化学イミド化処理を行いイミド化して、多孔質ポリイミド膜を得ることができる。
表面に多数の孔を有し、開放孔以外の表面が平滑であり、両表面に緻密な層がなく、両表面間に非直線性の連続孔を有する多孔質構造を持つ多孔質ポリイミドであり、さらに任意の表面から細孔が通路状に他の表面まで連続したいわゆる開放孔であり、膜中に独立した密閉セルが殆どなく又は全くなく、隣接する細孔間が壁状構造になっているものである。このような構造を有していることから、本発明のオイル保持層に好適に用いることが出来る。
細孔が膜内から延びて表面に達して形成した開放孔以外の部分が平滑面であり、オイル被塗布物に直接接触する場合には、オイル被塗布物との接触界面が平滑面により面接触になるために、耐久性に優れる。
1)1,4−ジアミノベンゼン、1,3−ジアミノベンゼン、2,4−ジアミノトルエン、2,6−ジアミノトルエンなどのベンゼン核1つのジアミン、
2)4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジカルボキシ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ビス(4−アミノフェニル)スルフィド、4,4’−ジアミノベンズアニリド、3,3’−ジクロロベンジジン、3,3’−ジメチルベンジジン、2,2’−ジメチルベンジジン、3,3’−ジメトキシベンジジン、2,2’−ジメトキシベンジジン、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジクロロベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2−ビス(3−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホキシド、3,4’−ジアミノジフェニルスルホキシド、4,4’−ジアミノジフェニルスルホキシドなどのベンゼン核2つのジアミン、
3)1,3−ビス(3−アミノフェニル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェニル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェニル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェニル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)−4−トリフルオロメチルベンゼン、3,3’−ジアミノ−4−(4−フェニル)フェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジ(4−フェニルフェノキシ)ベンゾフェノン、1,3−ビス(3−アミノフェニルスルフィド)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェニルスルフィド)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェニルスルフィド)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェニルスルホン)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェニルスルホン)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェニルスルホン)ベンゼン、1,3−ビス〔2−(4−アミノフェニル)イソプロピル〕ベンゼン、1,4−ビス〔2−(3−アミノフェニル)イソプロピル〕ベンゼン、1,4−ビス〔2−(4−アミノフェニル)イソプロピル〕ベンゼンなどのベンゼン核3つのジアミン、
4)3,3’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、3,3’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、ビス〔3−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔3−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔3−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔3−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、ビス〔3−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、2,2−ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔3−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス〔3−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンなどのベンゼン核4つのジアミン、
などを挙げることができる。これらは単独でも、2種以上を混合して用いることもできる。用いるジアミンは、所望の特性などに応じて適宜選択することができる。
特に、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル及びパラフェニレンジアミン、1,3−ビス(3−アミノフェニル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェニル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェニル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェニル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼンとから選ばれる芳香族ジアミンを含む芳香族ジアミン化合物が好ましい。
(i)ビフェニルテトラカルボン酸成分及びピロメリット酸成分から選ばれる成分を含むテトラカルボン酸成分と、
ジアミン成分とから得られる芳香族ポリイミドからなる多孔質ポリイミド膜、
(ii)
テトラカルボン酸成分と、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル及びパラフェニレンジアミンとから選ばれる芳香族ジアミンを含む芳香族ジアミン化合物とから得られる芳香族ポリイミドからなる多孔質ポリイミド膜、
或いは、
(iii)
ビフェニルテトラカルボン酸成分及びピロメリット酸成分から選ばれる成分を含むテトラカルボン酸成分と、
4,4’−ジアミノジフェニルエーテル及びパラフェニレンジアミンとから選ばれる芳香族ジアミンを含む芳香族ジアミン化合物とから得られる芳香族ポリイミドからなる多孔質ポリイミド膜を用いることにより、蒸気数式(1)で示される弾性率Sが高く、耐熱性に優れるポリイミド多孔質膜がえられるために好ましい。
テトラカルボン酸成分とジアミン成分とを、有機溶媒中、約100℃以下、さらに80℃以下、さらに0〜60℃の温度で、特に20〜60℃の温度で、約0.2〜60時間反応させてポリアミック酸の溶液を製造し、このポリアミック酸溶液をドープ液として使用し、
1)そのドープ液より流延物を形成し、必要に応じて流延物の表面を気体や蒸気と接触させ、その流延物を直接凝固溶媒と接触させて、ポリイミド前駆体の析出、多孔質化を行い、多孔質化されたポリイミド前駆体フィルムを製造し、多孔質化されたポリイミド前駆体フィルムをさらに熱イミド化処理或いは化学イミド化処理を行いイミド化して、多孔質ポリイミドを製造する方法、
或いは、
2)そのドープ液より流延物を形成し、その流延物表面を溶媒置換速度調整層で覆い、複層化されたポリイミド前駆体流延物は、溶媒置換速度調整層を介して凝固溶媒と接触させて、ポリイミド前駆体の析出、多孔質化を行い、多孔質化されたポリイミド前駆体フィルムを製造し、多孔質化されたポリイミド前駆体フィルムをさらに熱イミド化処理或いは化学イミド化処理を行いイミド化して、多孔質ポリイミドを製造する方法、
などを挙げることが出来る。
テトラカルボン酸成分とジアミン成分とを、有機溶媒中で反応させてポリイミド溶液を製造し、このポリイミド溶液をドープ液として使用し、
1)そのドープ液より流延物を形成し、必要に応じて流延物の表面を気体や蒸気と接触させ、その流延物を直接凝固溶媒と接触させて、ポリイミドの析出、多孔質化を行い、多孔質化されたポリイミドフィルムを製造し、必要に応じて多孔質化されたポリイミドフィルムをさらに加熱して、多孔質ポリイミドを製造する方法、
或いは、
2)そのドープ液より流延物を形成し、その流延物表面を溶媒置換速度調整層で覆い、複層化されたポリイミド流延物は、溶媒置換速度調整層を介して凝固溶媒と接触させて、ポリイミドの析出、多孔質化を行い、多孔質化されたポリイミドフィルムを製造し、必要に応じて多孔質化されたポリイミドフィルムをさらに加熱して、多孔質ポリイミドを製造する方法、
などを挙げることが出来る。
ポリイミド前駆体を、テトラカルボン酸成分と芳香族ジアミン成分とを重合して得て、そのポリイミド前駆体溶液をフィルム状に流延した後、流延物表面を溶媒置換速度調整層で覆い、得られた複層化されたポリイミド前駆体流延物を、溶媒置換速度調整層を介して凝固溶媒と接触させることでポリイミド前駆体の析出、多孔質化を行い、多孔質化されたポリイミド前駆体フィルムを、熱イミド化処理或いは化学イミド化処理を施されて得られる多孔質ポリイミド膜を用いることにより、表面に多数の孔を有し、開放孔以外の表面が平滑であり、両表面に緻密な層がなく、非直線性の連続孔を有する多孔質構造を持つ多孔質樹脂膜を容易に製造することが出来る。
空孔率、膜厚、表面の平均孔径、最大孔径、中央部の平均孔径などを適宜選択することができる。
1)表面の平均孔径:多孔質フィルム表面の走査型電子顕微鏡写真より、200点以上の開孔部について孔面積を測定し、該孔面積の平均値から式(1)に従って孔形状が真円であるとした際の平均直径を計算より求めた。式(1)のSaは孔面積の平均値を意味する。
3)中央部の平均孔径: ASTM・E−1294,ASTM・F−136,ASTM・F−778に準拠して、多孔質材料自動細孔測定システムPMIパームポロメーター CF−200AE(Porous Materials,Inc.製)を用いて得られる平均細孔流量径を平均孔径とする。
4)空孔率:所定の大きさに切取った多孔質フィルムの膜厚及び質量を測定し、目付質量から空孔率を次の式(2)によって求める。式(2)のSは多孔質フィルムの面積、dは膜厚、wは測定した質量、Dはポリイミドの密度を意味し、ポリイミドの密度は1.34g/cm3とする。
6)多孔質樹脂膜の引張初期弾性率の評価法:温度23℃、相対湿度50%の環境下でASTM・D−882に準拠する引張試験を行い、20点以上の平均値を算出する。
テトラカルボン酸成分として3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸ニ無水物(s−BPDA)を、ジアミン成分として4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(以下、DADEを略す)を用い、s−BPDAに対するDADEのモル比が0.995で且つ該モノマ−成分の合計質量が10質量%になるようにNMPに溶解し、温度40℃、15時間重合を行ってポリイミド前駆体を得た。ポリイミド前駆体溶液の溶液粘度は580ポイズであった。
得られた多孔質ポリイミド膜の表面及び断面の走査型電子顕微鏡(SEM)によるSEM写真(図示していない)は、下記に示す図5及び図6と同様の構造であった。
多孔質ポリイミド膜は、厚みが50μm、表面の平均孔径は平均0.3μm、表面の最大孔径は2μm以下であり、中央部の平均孔径は平均0.20μmであり、空孔率は60%であった。
この多孔質ポリイミド膜の引張初期弾性率Smは1200MPaであり、弾性率Sは、数式(1)を用いて算出した。多孔質ポリイミド膜のガラス転移温度は280℃である。
得られた多孔質ポリイミド膜にシリコーンオイル(信越シリコーン社製、KF−9651000CS)を含浸させ、多孔質ポリイミド膜からなるオイル保持層を作成した。
4mmφ、長さが30cmのステンレス円筒の両端に回転軸が配置されたステンレス軸棒にオイル供給層としてアラミド不織布(日本バイリーン社製 XL−1030 厚み400μm)を2周巻きつけ、シリコーンオイルを含浸させた。これに前述のオイル保持層をオイル保持層の端部を2mm重ねて、その部分を接着剤で接着することで、ステンレス棒の外周にオイル供給層がありその外周にポリイミド多孔質膜からなるオイル保持層を配置した外径6mmφのオイル供給部材を作製した。オイル供給部材を50μm厚みのポリイミドフィルム(商品名:ユーピレックス−S、宇部興産社製)上で、温度160℃、速度0.3m/秒で、100gfの荷重をかけて、回転させた。その後、走査型電子顕微鏡でオイル供給部材のポリイミド多孔質膜の表面を観察したが、特にオイル供給部材の表面のポリイミド多孔質膜の表面構造に変化は認められなかった。
多孔質テトラフルオロエチレン膜(住友電工社製、商品名ポアフロン・品番:FP−100−100−100)をオイル保持層に用いた以外は、実施例1と同様にオイル供給部材を作成した。実施例1と同様の試験を行い、実施例1と同様の多孔質膜の表面観察を行ったところ、オイル供給部材の多孔質テトラフルオロエチレン膜の表面の孔がつぶれているのが観察できた。
2,22:オイル保持層、
3,23:オイル供給層、
4:回転軸、
5:表面層。
Claims (8)
- オイル保持層の多孔質樹脂膜は、ガラス転移温度が240℃以上であることを特徴とする請求項1に記載のオイル供給部材。
- 多孔質樹脂膜は、
空孔率が15〜80%であり、膜厚が5〜300μmであり、表面の平均孔径が0.01〜5μmで最大孔径が10μm以下であり、中央部の平均孔径が0.01〜5μmであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のオイル供給部材。 - 多孔質樹脂膜が、多孔質ポリイミド膜であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のオイル供給部材。
- 多孔質樹脂膜が、
ポリイミド前駆体を、テトラカルボン酸成分と芳香族ジアミン成分とを重合して得て、そのポリイミド前駆体溶液をフィルム状に流延した後、流延物表面を溶媒置換速度調整層で覆い、得られた複層化されたポリイミド前駆体流延物を、溶媒置換速度調整層を介して凝固溶媒と接触させることでポリイミド前駆体の析出、多孔質化を行い、多孔質化されたポリイミド前駆体フィルムを、熱イミド化処理或いは化学イミド化処理を施されて得られる多孔質ポリイミド膜であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のオイル供給部材。 - 多孔質樹脂膜が、
ビフェニルテトラカルボン酸成分及びピロメリット酸成分から選ばれる成分を含むテトラカルボン酸成分と、
ジアミン成分とから得られる芳香族ポリイミドからなる多孔質ポリイミド膜であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のオイル供給部材。 - 多孔質樹脂膜が、
テトラカルボン酸成分と、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル及びパラフェニレンジアミンとから選ばれる芳香族ジアミンを含む芳香族ジアミン化合物とから得られる芳香族ポリイミドからなる多孔質ポリイミド膜であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のオイル供給部材。 - 多孔質樹脂膜が、
ビフェニルテトラカルボン酸成分及びピロメリット酸成分から選ばれる成分を含むテトラカルボン酸成分と、
4,4’−ジアミノジフェニルエーテル及びパラフェニレンジアミンとから選ばれる芳香族ジアミンを含む芳香族ジアミン化合物とから得られる芳香族ポリイミドからなる多孔質ポリイミド膜であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のオイル供給部材。
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