JP2003192819A - スチレン系樹脂発泡体の製造方法 - Google Patents

スチレン系樹脂発泡体の製造方法

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JP2003192819A JP2001393126A JP2001393126A JP2003192819A JP 2003192819 A JP2003192819 A JP 2003192819A JP 2001393126 A JP2001393126 A JP 2001393126A JP 2001393126 A JP2001393126 A JP 2001393126A JP 2003192819 A JP2003192819 A JP 2003192819A
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伸一 阿南
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スチレン系樹脂を押出発泡させるに際し、ジ
メチルエーテルを発泡剤として使用して、スチレン系樹
脂を高い倍率に均一微細に発泡させる方法を提供しよう
とする。 【解決手段】 スチレン系樹脂として比較的低い重合度
のものを用い、気泡調整剤としてポリ四弗化エチレン樹
脂の微粉末を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、スチレン系樹脂発泡
体の製造方法に関するものである。とくに、この発明
は、高倍率に均一に発泡して微細な気泡を持った寸法安
定性のよい発泡体を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】スチレン系樹脂は色々な発泡剤を用いて
発泡させることができ、得られた発泡体は比較的強靭で
あって、一般の使用に適した物性を持っているので、色
々な方面に広く利用されている。
【0003】スチレン系樹脂からなる発泡体を作るに
は、押出発泡法が広く用いられている。押出発泡法と
は、樹脂を押出機に入れ、押出機内で樹脂を溶融して発
泡剤を含んだ樹脂の溶融物を作り、これを押出機から押
し出すと同時に発泡させて、発泡体を得る方法である。
【0004】スチレン系樹脂を押出発泡させるには、発
泡剤として色々なものを用いることができる。その発泡
剤は大別すると次の3種類に分けられる。第1は、樹脂
の軟化点以上の温度に加熱されると、分解してガスを発
生する固体化合物であって、例を挙げるとアゾジカルボ
ンアミド、ジヒドロソペンタメチレンテトラミン、重炭
酸ナトリウム等である。第2は、加圧下において樹脂中
に含ませて大気中に押し出すと気化する液体であって、
例を挙げれば、プロパン、ブタン、ベンゼン、塩化メチ
ル、トリクロロトリフルオロエタン、アセトン、エーテ
ル等である。第3は、加圧下に樹脂に溶解される不活性
な気体であって、例を挙げると二酸化炭素、窒素等であ
る。
【0005】これらの発泡剤はそれぞれ利点と欠点とを
持っている。すなわち、第1の分解性固体化合物は、樹
脂へ添加する量を調節し易いという利点を持っている反
面、発泡させることのできる倍率が低く、また分解した
あとの残査が樹脂中に残るので発泡体を汚染する、とい
う欠点を持っている。第2の気化性液体は、樹脂に含浸
させ易く比較的発泡させ易い利点を持っているが、発泡
剤が環境に対して悪影響をおよぼしたり、発泡剤が樹脂
中に残留して徐々に揮散するために、発泡体の寸法安定
性を悪くする、という欠点を持っている、第3の不活性
ガスは、環境を汚染せず、また寸法安定性の良い発泡体
を与えるという利点を持っているが、発泡倍率が低いと
いう欠点を持っている。
【0006】また、発泡剤は併用される気泡調整剤と協
同して、それぞれ特有の気泡状態を出現させる。すなわ
ち、発泡剤と気泡調整剤とは、具体的に何を用いるかに
よって発泡体中に生成される気泡の分布や大きさなどを
変える。例えば、発泡剤如何によって、気泡分布が均一
になったり、不均一になったりするし、また気泡の大き
さが粗大になったり、微小になったりするし、さらに気
泡が独立性であったり開放性であったりする。発泡剤が
具現するこのような気泡状態は、予測することが困難で
あり、実験して見なければ分からないのが現状である。
【0007】この発明者は、上記第2の気化性液体に属
する発泡剤の中でエーテルがスチレン系樹脂との馴染み
がよく、しかも炭素、水素、酸素の3元素からなるもの
であるため、環境を汚染しない点で、発泡剤としてすぐ
れていることに着目した。そして種々実験の結果、エー
テルの中でもジメチルエーテルが発泡後にスチレン系樹
脂から直ちに揮散するため、寸法安定性のよい発泡体を
与えることに気付いた。
【0008】先行技術を調べると、特開昭60−145
835号公報は、スチレン系樹脂に発泡剤としてエーテ
ルを用い、気泡調整剤としてタルクを添加して押出発泡
を行い、積層体を得る方法を記載している。また、特表
平7−507087号公報は、スチレン系樹脂、具体的
にはメルトフローインデックスが4.5のスチレン系樹
脂を用い、これに気泡寸法制御剤としてジクミルとタル
クとを加えて押出発泡を行い、高い耐圧縮性の発泡体を
得る方法を記載している。
【0009】しかし、これら公報が教える方法によって
は、微細な気泡を持って均一に発泡したスチレン系樹脂
発泡体を得ることが困難である。すなわち、特開昭60
−145835号公報では、第2頁左下欄10−12行
に記載しているように、平均気泡径が0.5mm以上の
粗大な気泡を持つ発泡体が得られている。また、特表平
7−507087号公報は、どのような気泡の発泡体を
得たかについて記載していない。そこでこの発明者はこ
れを追試しようとしたが、この公報の実施例ではジクミ
ルという実体不明の気泡寸法制御剤を使用しているの
で、追試することができない。従って、この公報が均一
微細に発泡した発泡体を得る方法を教えているとは云え
ない。
【0010】ジメチルエーテルは、沸点が−24.9℃
であるから常温常圧の下では気体であるが、僅かな圧力
を加えると直ちに液化するので、通常は液体として取り
扱われる。ジメチルエーテルは、一般に発泡剤として使
用されているブタン(沸点−0.5℃)に比べると、沸
点が低いので発泡力が強く、従って樹脂の発泡を制御す
ることが困難である。現に、特開平11−158315
号公報は、スチレン系樹脂を押出発泡させる際の発泡剤
として、エーテルを単独あるいはエーテルの割合が過多
である場合は好ましくない、と記載している。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】この発明者は、スチレ
ン系樹脂を押出発泡させるに際し、ジメチルエーテルを
発泡剤として使用して、スチレン系樹脂を高い発泡倍率
に均一微細に発泡させる方法を確立しようとした。
【0012】
【課題解決のための手段】この発明者は、スチレン系樹
脂を押出発泡させるに際し、発泡剤としてジメチルエー
テルを用いた場合、スチレン系樹脂として比較的重合度
の低いものを用い、気泡調整剤としてポリ四弗化エチレ
ン樹脂の微粉末を用いると、スチレン系樹脂を均一にし
かも微細な気泡状態に発泡させ得ることを見出した。こ
の発明は、このような知見に基づいて完成されたもので
ある。
【0013】ここで、比較的重合度の低いスチレン系樹
脂とは、JIS K 7210が規定する方法に従って
メルトマスフローレートを測定した場合、メルトマスフ
ローレートの値が4.6〜10の範囲内にあるものを指
している。また、均一微細な気泡状態とは、気泡の大き
さがすべて0.5mm以下となっていて、しかも何れの
気泡も一様な大きさに揃っている状態を指している。
【0014】この発明は、JIS K 7210が規定
する方法に従って測定したメルトマスフローレートが
4.6〜10の範囲内にあるスチレン系樹脂をポリ四弗
化エチレン樹脂の微粉末とともに押出機に入れ、樹脂を
溶融してこれにジメチルエーテルを圧入し、混練したの
ちこれを押出機から押し出して発泡させることを特徴と
する、スチレン系樹脂発泡体の製造方法を提供するもの
である。
【0015】この発明において、メルトマスフローレー
ト(以下、これをMFRという)が4.6〜10のスチ
レン系樹脂を選んだ理由は、以下に述べる実験事実に基
づいている。すなわち、スチレン系樹脂のMFRが4.
6より低いと、スチレン系樹脂の溶融粘度が高くなり過
ぎて、発泡倍率を大きくすることができなくなり、また
押し出された発泡体が押出方向に沿って延びる縞を持つ
ようになって、良好な発泡体を得ることができないから
である。また、スチレン系樹脂のMFRが10より高い
と、溶融されたスチレン系樹脂が発泡体に適した粘弾性
を持つに至らず、従って高い発泡倍率に発泡させること
ができなくなるからであり、また気泡が粗くなって、外
観の良い発泡体を得ることができなくなるからである。
【0016】この発明が上述のように比較的分子量の小
さいスチレン系樹脂を選んで用いることは、これまで押
出発泡で一般に広く行われて来たことではない。なぜな
らば、これまでは発泡体として機械的強度の高いものを
得ようとして来たからである。機械的強度の高い発泡体
を得るためには、比較的分子量の大きいスチレン系樹脂
を使用しなければならないからである。従って、この発
明においてMFRが4.6〜10の比較的低い分子量の
スチレン系樹脂を選択したことは、従来技術から乖離し
ている。
【0017】この発明で用いるスチレン系樹脂は、MF
Rの値が4.6〜10の範囲内にあるものでなければな
らないが、その中では4.8〜9.5の範囲内にあるこ
とが好ましく、また5.0〜9.0の範囲内にあること
がさらに好ましい。
【0018】この発明で用いることのできるスチレン系
樹脂は、スチレンの単独重合体と共重合体とを含んでい
る。共重合体としては、スチレンと、メチルスチレン、
クロロスチレン、メチルメタクリレート、ブタジエン、
又はアクリロニトリルとの共重合体等を用いることがで
きる。共重合体は、スチレンが過半量を占めるものであ
る。
【0019】この発明では、スチレン系樹脂を押出発泡
させるにあたり、気泡調整剤としてポリ四弗化エチレン
樹脂を用いる。ポリ四弗化エチレン樹脂は、これを微粉
末として用いる。その粒径は光透過法による50重量%
平均粒径で1〜50μm、更には2〜40μm、特に3
〜30μmとすることが好ましい。またポリ四弗化エチ
レン樹脂は、特定の溶融粘度を持つことが好ましい。例
えば、ポリ四弗化エチレン樹脂を340℃に加熱して溶
融し、内径が2.1mmで長さが80mmの孔から、2
0kg/cm2 の圧力の下に押し出したとき、10分間
に1.0g以上流出するような粘度を持ったものを用い
ることが好ましい。
【0020】上述したような粘度を持った微粉末状のポ
リ四弗化エチレン樹脂は、市販されている。例えば、旭
硝子社からアフロンL150J、アフロンL169J、
アフロンL170J、アフロンL172J、アフロンL
173Jなどとして販売され、また三井・デュポンフロ
ロケミカル社からTLP10F−1、MP1100、M
P1300などとして販売されている。この発明では、
これら市販されているものをそのまま用いることができ
る。
【0021】スチレン系樹脂に添加するポリ四弗化エチ
レン樹脂の量は、スチレン系樹脂の組成、発泡させよう
とする倍率、使用する押出機、押出機の先端に付設する
金型によって異なる。総じて云えば、スチレン系樹脂1
00重量部に対して添加するポリ四弗化エチレン樹脂
は、0.05〜2重量部とするのが適当であり、その中
でも0.1〜1.5重量部とすることが好ましく、とり
わけ0.15〜1.0重量部とすることが好ましい。
【0022】この発明では、ポリ四弗化エチレン樹脂
が、スチレン系樹脂中に生成する気泡を均一微細にす
る。その上に、ポリ四弗化エチレン樹脂は、スチレン系
樹脂に対する発泡効率が他の気泡調整剤に比べて優れて
いる。このため、同じ発泡倍率の発泡体を得ようとする
場合に、ポリ四弗化エチレン樹脂を使用すると、他の気
泡調整剤を使用するのに比べて、少量の発泡剤を使用す
るだけで足りる。また、ポリ四弗化エチレン樹脂は、エ
ーテルのように可塑効果が高い発泡剤を使用するとき
に、その可塑効果を抑えることができる。とくに、上述
の流動特性を持ったポリ四弗化エチレン樹脂を用いる
と、溶融したスチレン系樹脂内で極めて均一に分散する
性質を持つため、気泡調整剤として一層有効に働く。
【0023】この発明では、押出機として単軸押出機、
二軸押出機のような多軸押出機の何れをも使用すること
ができる。また、2台又は3台の押出機を組み合わせて
多段押出機として使用することができる。多段押出機で
は第1段の押出機の先端付近で発泡剤を圧入する。押出
機はスチレン系樹脂を溶融し、これにポリ四弗化エチレ
ン樹脂をよく混練できるものでなければならない。
【0024】この発明では、押出機内にあるスチレン系
樹脂とポリ四弗化エチレン樹脂との混合物内にジメチル
エーテルを圧入する。圧入するジメチルエーテルの重量
は、得ようとする発泡体の発泡倍率によって異なるが、
普通スチレン系樹脂100重量部に対し0.5〜15重
量部の範囲内とする。そのうちでは、1〜10重量部と
するのが好ましく、さらに1.5〜8重量部とすること
が好ましい。
【0025】この発明では、発泡剤としてジメチルエー
テル単独ではなくて、他の発泡剤を併用することもでき
る。他の発泡剤としては、プロパン、n−ブタン、i−
ブタン、n−ペンタン、i−ペンタン、ヘキサンのよう
な飽和脂肪族炭化水素や、ベンゼン、キシレン、トルエ
ンのような芳香族炭化水素や、二酸化炭素、窒素のよう
な不活性な気体を用いることができる。これら他の発泡
剤は、ジメチルエーテルよりも少量であって、発泡体の
品質を低下させない程度にとどめる必要がある。
【0026】この発明では、押出機内で溶融したスチレ
ン系樹脂に、発泡剤としてジメチルエーテルを圧入する
とき、溶融した樹脂をジメチルエーテルの臨界温度と臨
界圧力以上に保つことが好ましい。ジメチルエーテルの
臨界温度と圧力は、それぞれ126.9℃と5.27M
Paである。従って、押出機内の溶融スチレン系樹脂
は、127℃以上であって且つ5.3MPa以上とする
ことが好ましい。
【0027】そのうちでも、127℃より5℃ないし2
5℃だけ高い温度、すなわち132℃〜152℃の温度
とし、且つ5.3MPaよりも1MPaだけ高い圧力、
すなわち6.3MPa以上の圧力の下にあるスチレン系
の溶融樹脂にジメチルエーテルを圧入することが好まし
い。このような温度圧力の下ではジメチルエーテルが臨
界温度及び臨界圧力以上の温度と圧力の下に置かれるの
で、スチレン系樹脂中に均一に分散することになる。従
って、高い倍率に均一に発泡した発泡体を得ることがで
きる。
【0028】また、溶融ポリスチレン系樹脂が金型に導
入される前の押出機先端での樹脂の温度を131.9℃
〜151.9℃とし、且つ金型に導入される前の押出機
先端での樹脂の圧力を6.3MPa以上とすることによ
って、金型内においても溶融樹脂中の発泡剤を超臨界状
態に保てるので、押出発泡成形を安定させることが出来
る。その結果として気泡が均一で発泡倍率の高い発泡体
を安定して製造することが出来る。
【0029】好ましい樹脂の温度範囲は132.9℃〜
146.9℃、更に好ましくは133.9℃〜141.
9℃である。一方、好ましい樹脂の圧力は7.27MP
a以上、特に好ましくは8.27MPa以上である。
【0030】金型の温度、流路にもよるが、樹脂の温度
が131.9℃より低いと金型の先端まで溶融樹脂中の
ジメチルエーテルを超臨界状態に保てなくなり、発泡が
不安定になる。一方、樹脂の温度が151.9℃より高
くなるとポリスチレン系樹脂の溶融張力が低くなり、金
型内で内部発泡が生じ、外観の悪い発泡体となる。そし
て、樹脂圧力が6.3MPaより低いと、ジメチルエー
テルを超臨界状態に保てなくなり、金型内で内部発泡が
生じ、外観の悪い発泡体となる。
【0031】また、上述の温度と圧力の下にスチレン系
樹脂を押出機から押し出すと、高い倍率に発泡した発泡
体を安定して得ることができる。
【0032】この発明では、得ようとする発泡体の断面
形状に合わせて、適当な開口を持った金型を押出機の先
端に付設して押出発泡を行う。その金型は、サーキュラ
金型、フラット金型、異形金型、ノズル金型、Tダイ等
とすることができる。板状の発泡体を得るには、サーキ
ュラ金型を使用し、サーキュラ金型から樹脂を管状とし
て大気中に押し出し、得られた管状発泡体を一対のロー
ル間に挟んで扁平にし、内面を融着させて板とすること
が好ましい。
【0033】この発明では、発泡体の用途に応じて、適
当な帯電防止剤、顔料、紫外線防止剤、熱劣化防止剤、
難燃剤等を加えることができる。
【0034】
【発明の効果】この発明方法によれば、4.6〜10の
MFRを持ったスチレン系樹脂を選択して用い、これに
市販されているポリ四弗化エチレン樹脂の微粉末を加
え、これを押出機に入れて樹脂を溶融し、これに発泡剤
としてジメチルエーテルを圧入し、混練して押し出すこ
とにより、容易に均一微細にしかも高倍率に発泡した寸
法安定性のよい発泡体を得ることができる。その上に、
この方法では、環境を汚染するようなものを発生しない
ので現在の要請に適している。この発明は、このような
利益を与えるものである。
【0035】以下に実施例と比較例とを挙げて、この発
明方法のすぐれている所以を明らかにする。
【0036】実施例、比較例では得られた発泡体中の平
均気泡径、残ガス量及び表面硬度を測定したが、その測
定方法は次のとおりである。
【0037】平均気泡径 ASTM D−2842−69に準拠して測定した。そ
の際の顕微鏡写真撮影は走査型電子顕微鏡S−3000
N(日立製作所社製)で撮影し、平均気泡径は、切断面
の一直線(60mm)上にかかる気泡数から平均弦長を
測定し、気泡は次式により算出した。 平均弦長=60/(気泡数×撮影倍数)、気泡径=平均
弦長/0.616 得られた3方向(MD,TD,VD)の気泡径の相加平
均から平均気泡径を算出した。平均気泡径評価は0.5
mm未満の場合、気泡が微細な発泡体とした。
【0038】残ガス量 ポリスチレン系樹脂発泡体約30mgを加熱炉にセット
し、測定によって得られたクロマトグラフ曲線から残ガ
ス量を測定した。 測定装置:ガスクロマトグラフ GC−14B、熱分解
炉PYR−1A(島津製作所社製) カラム:ポラパックQ(80/100)Ф3mm×1.
5m 検出器:TCD 測定条件:カラム温度(100℃)、注入温度(120
℃)、検出温度(120℃)、キャリアガス(ヘリウ
ム)、ヘリウム流量(1ml/min)、加熱炉温度
(150℃)
【0039】表面硬度 アスカーゴム・プラスチック硬度計 CS型(高分子計
器社製)(スプリング式硬さ試験機)により表面硬度を
測定した。測定値が大きいほど表面が硬い。
【0040】
【実施例1】MFR5.0のポリスチレン系樹脂100
重量部とポリ四弗化エチレン樹脂(平均粒径13μm)
0.5重量部を口径50mmの単軸押出機と口径65m
mの単軸押出機からなるタンデム式押出機のホッパーに
供給した。また一段目押出機の途中からジメチルエーテ
ルを5重量%の割合で圧入した。その際、一段目押出機
のジメチルエーテル注入部分の温度は210℃、注入圧
力は15MPaとした。また一段目押出機先端の樹脂温
度は205℃、樹脂圧力は14MPa以上とした。ポリ
四弗化エチレン樹脂及びジメチルエーテルが一段目及び
二段目押出機内で溶融混合された後、二段目押出機の先
端に取り付けられた金型(口径70mmのサーキュラ金
型)から発泡体を大気中に管状に押し出すとともに、押
し出しされた管状発泡体の表面に圧縮空気(ゲージ圧
0.1MPa)を吹き付けるとともに、金型から遠ざか
るにつれ狭まっている偏向版(最大開き間隔300m
m、最小開き間隔30mm)で板状に形を整えつつ、ロ
ール間に通して管状発泡体の内面を融着させつつ引き取
って、ポリスチレン系樹脂板状発泡体を製造した。その
際の押出機先端の樹脂圧力は12MPa、樹脂温度は1
38℃であった。得られた板状発泡体は、厚み5mm
(最小厚み4.75mm、最大厚み5.25mm)、発
泡倍率が20倍、平均気泡径が0.40mmで均一な気
泡及び美麗な外観を有するとともに、融着面は強く融着
していた。この板状発泡体の2週間後の残ジメチルエー
テル量は0.74重量%で、表面硬度は72と機械的強
度にも優れた板状発泡体であった。
【0041】
【実施例2】ポリスチレン系樹脂のMFRが7.0、樹
脂温度を134℃とした以外は実施例1と同様にしてポ
リスチレン系樹脂板状発泡体を製造した。得られた板状
発泡体は、厚み5mm(最小厚み4.7mm、最大厚み
5.3mm)、発泡倍率が20倍、平均気泡径が0.3
7mmで均一な気泡及び美麗な外観を有するとともに、
融着面は強く融着していた。この板状発泡体の2週間後
の残ジメチルエーテル量は0.81重量%で、表面硬度
は73と機械的強度にも優れた板状発泡体であった。
【0042】
【比較例1】発泡剤をブタンとした以外は実施例1と同
様にして板状発泡体を製造しようとしたが、二段目押出
機先端の樹脂圧力が18MPaまで上昇し、金型内でフ
ラクチャーが生じたため、良好な発泡体が得られなかっ
た。
【0043】
【比較例2】発泡剤としてブタンを使用し、二段目押出
機のシリンダー温度を上げ、二段目押出機先端の樹脂温
度を145℃、樹脂圧力を12MPaとした以外は実施
例1と同様にして板状発泡体を製造しようとしたが、発
泡体表面の流れ方向に平行な縞立ちが生じ、幅方向の厚
みにバラツキが大きく、外観の悪い板状発泡体しか得ら
れなかった。得られた板状発泡体は、厚み5mm(最小
厚み4.5mm、最大厚み5.5mm)、発泡倍率が1
6倍であったが、発泡体表面の流れ方向に平行な縞立ち
が生じ、平均気泡径が0.52mmと気泡が粗かった。
得られた発泡体の2週間後の残ブタン量は2.5重量%
で表面硬度は66であった。
【0044】
【比較例3】ポリスチレン系樹脂としてMFRが3.7
のものを使用した以外は実施例1と同様にして板状発泡
体を製造しようとしたが、二段目押出機先端の樹脂圧力
が17MPaまで上昇した。得られた発泡体は厚みが
5.0mm(最小厚み4.5mm、最大厚み5.5m
m)で発泡倍率は16倍と実施例1に比べ、20%発泡
倍率の低いものであった。また得られた発泡体は流れ方
向に平行な縞立ちが生じ、幅方向の厚みにバラツキが大
きいものだった。
【0045】
【比較例4】ポリスチレン系樹脂としてMFRが11.
8のものを使用した以外は実施例1と同様にして板状発
泡体を製造しようとした(但し、二段目押出機先端の樹
脂温度は138℃で樹脂圧力は8MPaだった)が、発
泡体の表面に流れ方向に平行な縞立ちが生じ、幅方向の
厚みにバラツキが大きく、外観の悪い発泡体しか得られ
なかった。また得られた発泡体の発泡倍率も10倍と低
かった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F074 AA32 AA39 AE06 BA75 CA22 CC22X 4F207 AA13 AA17 AB02 AG20 KA01 KA11 KF04

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 JIS K 7210が規定する方法に
    よって測定したメルトマスフローレートが4.6〜10
    の範囲内にあるスチレン系樹脂に、ポリ四弗化エチレン
    樹脂の微粉末を加えてこれを押出機に入れ、樹脂を溶融
    してこれに発泡剤としてジメチルエーテルを圧入し、混
    練したのち、これを押出機から押し出して発泡させるこ
    とを特徴とする、スチレン系樹脂発泡体の製造方法。
  2. 【請求項2】 JIS K 7210が規定する方法に
    よって測定したメルトマスフローレートが4.6〜10
    の範囲内にあるスチレン系樹脂に、ポリ四弗化エチレン
    樹脂の微粉末を加えてこれを押出機に入れ、押出機内で
    スチレン系樹脂を127℃以上の温度と5.3MPa以
    上の圧力の下に溶融し、これに発泡剤としてジメチルエ
    ーテルを圧入し、混練したのち、これを押出機から押し
    出して発泡させることを特徴とする、スチレン系樹脂発
    泡体の製造方法。
  3. 【請求項3】 ポリ四弗化エチレン樹脂をスチレン系樹
    脂100重量部に対し0.05〜2重量部加えることを
    特徴とする、請求項1及び2に記載のスチレン系樹脂発
    泡体の製造方法。
  4. 【請求項4】 ジメチルエーテルをスチレン系樹脂10
    0重量部に対し、0.5〜15重量部圧入することを特
    徴とする、請求項1−3の何れか1つの項に記載のスチ
    レン系樹脂発泡体の製造方法。
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