JP2003192791A - 金属元素を含有する有機ポリマー球状粒子及びその製造方法 - Google Patents

金属元素を含有する有機ポリマー球状粒子及びその製造方法

Info

Publication number
JP2003192791A
JP2003192791A JP2001394604A JP2001394604A JP2003192791A JP 2003192791 A JP2003192791 A JP 2003192791A JP 2001394604 A JP2001394604 A JP 2001394604A JP 2001394604 A JP2001394604 A JP 2001394604A JP 2003192791 A JP2003192791 A JP 2003192791A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
metal
group
metal element
organic polymer
spherical particles
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001394604A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3936982B2 (ja
Inventor
Takehide Misawa
毅秀 三澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Soken Kagaku KK
Soken Chemical and Engineering Co Ltd
Original Assignee
Soken Kagaku KK
Soken Chemical and Engineering Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Soken Kagaku KK, Soken Chemical and Engineering Co Ltd filed Critical Soken Kagaku KK
Priority to JP2001394604A priority Critical patent/JP3936982B2/ja
Publication of JP2003192791A publication Critical patent/JP2003192791A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3936982B2 publication Critical patent/JP3936982B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Silicon Polymers (AREA)
  • Polymerisation Methods In General (AREA)
  • Graft Or Block Polymers (AREA)
  • Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】有機ポリマーの球状粒子内に、金属元素が安定
に、均質に含有(又は内包)する有機ポリマーの球状粒
子及びその球状粒子を、通常の乳化重合又は懸濁重合に
よって簡便で、高効率に調製できる製造方法を提供する
ことである。 【解決手段】金属シラン縮合体が、アルコキシシラン類
及び/又はアシロキシシラン類のシラン化合物と、M
(OR)n式[式中、Mは元素周期表の第2族〜第15
族に属する金属元素及び遷移金属元素類から選ばれる少
なくとも1種の金属元素を示し、Rが水素原子又は炭素
数が1〜5のアルキル基、アミノアルキル基、アルケニ
ル基、アルコキシアルキル基の何れかを示し、n=2〜
4の整数を示す。]で表わされる金属元素のオキシ化合
物との脱水型又は脱アルコール型の反応性有機ラジカル
を有する金属シラン縮合物を介して金属元素が、有機ポ
リマー球状粒子内に化学的に結合して含有(又は内包)
されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属元素を含有
(又は内包)する有機ポリマー球状粒子に関し、より詳
細には、有機ポリマーの球状粒子内に化学的に結合した
金属元素を含有する有機ポリマーの球状粒子に関する。
また、その金属元素を含有する有機ポリマーの球状粒子
を、通常の乳化重合又は懸濁重合によって簡便で、高効
率に調製できる製造方法にも関する。
【0002】
【従来の技術】従来から金属元素の金属粉体、また、そ
の金属酸化物微粉体(又は微粒子)を含有させた樹脂微
細粒子が、例えば、その金属酸化物磁性粉として含む電
子写真用トナー、酸化物顔料粉として含む各種の着色粒
子及びチタン等の酸化物粉体を含有する高屈折率樹脂粒
子として知られている。例えば、特開昭54−8473
1号、特開昭59−224102号公報には、鉄,コバ
ルト,ニッケル,三二酸化鉄,四三酸化鉄,酸化鉄マン
ガン,酸化鉄ニッケル,フェライト等の金属元素の磁性
体微粒子を内包する平均粒子径0.1〜100μmの略
球状の磁性トナー粒子が記載されている。このような親
水性金属元素粒子を樹脂粒子内に内包させるために、元
来親水性であるこれらの粒子を親油化させるために、シ
ランカップリング剤で表面処理させた後、水相とスチレ
ン,アクリル酸アルキル,メタアクリル酸アルキル等の
ビニルモノマーの水性分散媒に分散させ懸濁重合させ
て、金属元素の磁性体微粒子を内包させた磁性トナー樹
脂粒子が記載されている。しかしながら、このような磁
性体微粒子の表面は、シランカップリング剤のシラン化
合物で被覆されて親油化されたとしても、このような鉄
等の金属元素の複合酸化物粉体なる表面処理は、シラン
化合物によって単に物理的に被覆されているに過ぎない
といえる。
【0003】また、特開平9−169951号公報に
は、プラスチックス、金属等の各種の表面を改質させる
コーテイング組成物として、反応性ラジカルを有するシ
ラン化合物と各種の金属錯体化合物、又は金属アルコキ
シドを含有するコーテイング組成物が記載されている。
しかしながら、これらの金属元素の化合物は、シラン化
合物の三次元網目構造の塗膜を形成させる硬化触媒とし
て使用されている。従って、シラン化合物とこれらの金
属錯体化合物、金属アルコキシド等の金属元素の化合物
間には、特に化学的な結合が形成されていないといえ
る。
【0004】また、特開平8−211649号公報に
は、バインダー樹脂中に、磁性粉等の粒子の表面に化学
的に結合するアルキル基及びアルコキシ基を有するシラ
ン化合物が存在する電子写真用トナーが記載され、その
製造方法として、水不溶性のモノマー中に磁性粉を分散
するモノマー分散体に、反応性ラジカルのアルキル基及
びアルコキシ基を有するシラン化合物を添加したモノマ
ー分散体を、水性媒体中で、所定の粒径のモノマー液滴
を懸濁重合させて、磁性粉を内包するスチレン−アクリ
ル系樹脂トナーを調製させることが記載されている。し
かるに、このように調製したとしても、この公報に開示
されている実施例からすると、シラン化合物のカップリ
ングでは、磁性粉のマグネタイト(すなわち、鉄の複合
酸化物である)の表面にシラン化合物が化学的に結合す
ることが極めて困難といえる。
【0005】更にはまた、特開昭61−291650号
公報には、20μm以下で、屈折率が1.6以上のTi
,ZrO,NbO,In,SnO,C
eO ,W等をシランカップリング剤や、チタン
カップリング剤で表面処理された無機微細粒子を10〜
60重量%分散させたアクリル系、スチレン系の高屈折
率樹脂組成物が記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上のような状況にあ
って、上述する公報例の提案は、元来親水性である金属
元素の酸化物である磁性粉体を、水不溶性のモノマー分
散体として懸濁又は乳化重合下に、その金属元素の酸化
物を内包させる樹脂粒子の調製方法である。また、これ
らの提案では、その磁性粉体の表面をシラン化合物で被
覆処理又はカップリングさせて親油化させて、モノマー
中への分散を安定にさせる目的下に重合させて磁性粉体
を樹脂粒子に内包させようとするものである。
【0007】しかしながら、既に上述した如く、これら
の磁性粉体の金属酸化物では、シラン化合物を化学的に
結合させるには充分でなく、従って、モノマー中へその
金属酸化物粒子を、より高濃度で、より安定に、しか
も、均質に分散させるには、未だ十分満足されるもので
ない。また、樹脂粒子内に所定量の金属元素を内包させ
て、例えば、その樹脂粒子の屈折率を自在に調整させ、
且つ高屈折率粒子を調製させるには、未だ十分満足され
るものではない。
【0008】そこで、本発明の目的は、金属元素を重合
性モノマー中に均一に、安定に分散させて、そのモノマ
ーの重合体粒子内に金属元素の所定量を均質に含有(又
は内包)する有機ポリマー球状粒子及び簡便に、しか
も、高効率で調製できるその製造方法を提供することに
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上述した課
題に鑑みて、鋭意検討した結果、水不溶性の重合性モノ
マーの水性媒体中に金属元素を有する化合物を均質に分
散させることに着目し、予め金属元素の微細水酸化物と
シランカップリング剤との脱水型の金属シラン縮合物を
調製して、これを水不溶性の重合性モノマー水性媒体中
に、分散混合させて、次いで乳化重合させたところ、そ
の重合体粒子である有機ポリマー球状粒子中に金属元素
が、化学的に結合されて均質に内包させられることを見
出して、本発明を完成させるに至った。
【0010】本発明によれば、金属元素を、反応性有機
ラジカルを有する金属シラン縮合体として含有させ、そ
の反応性有機ラジカルを介して、重合性モノマーが重合
体粒子として有機ポリマー球状粒子の形成時にモノマー
に結合して、有機ポリマー球状粒子中に金属元素を含有
(又は内包)していることを特徴とする金属元素含有の
有機ポリマー球状粒子を提供する。すなわち、この金属
シラン縮合体は、アルコキシシラン類及び/又はアシロ
キシシラン類のシラン化合物と下記(1)式で表わされ
る金属元素のオキシ化合物との脱水型又は脱アルコール
型の縮合物であって、その縮合物に、シラン化合物から
導入される反応性有機ラジカルを介して有機ポリマー球
状粒子に結合しているものである。 M(OR)n ・・・・・・・・・・・・・(1) 式中、Mは元素周期表の第2族〜第15族に属する金属
元素及び遷移金属元素類から選ばれる少なくとも1種の
金属元素を示し、Rが水素原子又は炭素数が1〜5のア
ルキル基、アミノアルキル基、アルケニル基、アルコキ
シアルキル基の何れかを示し、n=2〜4の整数を示
す。
【0011】また、本発明によれば、このような金属元
素含有の有機ポリマー球状粒子を調製するにおいて、水
/重合性モノマー分散媒体中に、均一に分散する金属元
素が金属シラン縮合体として含有する混合溶液を用いて
重合させて、重合体粒子中に金属シラン縮合体を介し
て、金属元素を結合(内包)させることを特徴とする金
属元素含有の有機ポリマー球状粒子の製造方法を提供す
る。すなわち、攪拌下に、アルコキシシラン類及び/又
はアシロキシシラン類の所定量のシラン化合物と、下記
(1)式で表わされる所定量の金属元素のオキシ化合物
と、界面活性剤及び重合性モノマーとを含有させた均質
混合溶液を調製する。 M(OR)n ・・・・・・・・・・・・・(1) 式中、Mは元素周期表の第2族〜第15族に属する金属
元素及び遷移金属元素類から選ばれる少なくとも1種の
金属元素を示し、Rが水素原子又は炭素数が1〜5のア
ルキル基、アミノアルキル基、アルケニル基、アルコキ
シアルキル基の何れかを示し、n=2〜4の整数を示
す。
【0012】次いで、この均質混合溶液に、所定量の水
と更に同様の重合性モノマーとを添加させて、生成させ
た反応性有機ラジカルを有する脱水型又は脱アルコール
型の金属シラン縮合体を含有する水/重合性モノマー混
合溶液とする。次いで、この混合溶液を乳化重合又は懸
濁重合させて、重合性モノマーが球状重合体を形成させ
ながら、同時に金属元素のシラン縮合体に係わる反応性
有機ラジカルと重合性モノマーと間での反応を介させ
て、金属元素含有(又は内包)の有機ポリマー球状粒子
を調製させるものである。
【0013】<作用>以上のようにして調製される金属
元素のオキシ化合物とシラン化合物との金属シラン縮合
物には、シラン化合物から導入される反応性有機ラジカ
ルを有して、重合性モノマー水性媒体中に、均質に混合
された混合溶液としてその金属元素が安定に、均質に含
有される。従って、本発明によるこの均質混合溶液を用
いて、通常の乳化重合又は懸濁重合させて得られる有機
ポリマー球状粒子中には、所定の金属元素が、金属シラ
ン縮合体を介して、均質に内包され、しかも、その金属
元素の内包量を適宜に調整させることができる。
【0014】また、得られる金属元素含有(又は内包)
する有機ポリマー球状粒子は、その金属元素種に係わっ
て、また、その内包量に係わって、有機ポリマー球状粒
子には、例えば、屈折率等の諸特性を安定した物性とし
て賦与させることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に、本発明による金属元素含
有の有機ポリマー球状粒子及びその製造方法の実施の形
態について説明する。
【0016】本発明によれば、既に上述した如く、金属
元素を、反応性有機ラジカルを有する金属シラン縮合体
として、重合性モノマーの水性分散媒体中に混合溶液と
して、安定に、均質に含有させ、これを通常の乳化重合
又は懸濁重合法で、重合体粒子である有機ポリマー球状
粒子中に、含有(又は内包)されることを特徴とするも
のである。
【0017】すなわち、本発明における金属シラン縮合
体は、既に上述した如く、アルコキシシラン類及び/又
はアシロキシシラン類のシラン化合物と、下記(1)式
で表わされる金属元素のオキシ化合物との脱水型の金属
シラン縮合物又は脱アルコール型の金属シラン縮合物で
ある。しかも、このような縮合物とすることで、この縮
合物には、シラン化合物から反応性有機ラジカルが導入
されることを特徴とする。 M(OR)n ・・・・・・・・・・・・・(1) 式中、Mは元素周期表の第2族〜第15族に属する金属
元素及び遷移金属元素類から選ばれる少なくとも1種の
金属元素を示し、Rが水素原子又は炭素数が1〜5のア
ルキル基、アミノアルキル基、アルケニル基、アルコキ
シアルキル基の何れかを示し、n=2〜4の整数を示
す。
【0018】そこで、本発明において、シラン化合物か
ら導入される反応性有機ラジカルとして、例えば、ビニ
ル基、エポキシ基、アクリロイル基、メタクリロイル
基、アミノ基等を挙げることができる。すなわち、その
シリコーン化合物(又はシラン化合物)としては、例え
ば、アルコキシシラン、アシロキシシラン、シランカッ
プリング剤、シリル化剤等のシラン化合物を挙げること
ができる。例えば、アルコキシシランとしては、Si
(OMe)4 ,MeSi(OMe)3 ,MeSi(OM
e),MeSi(OMe) ,CSi(OM
e)3 ,n−C37Si(OMe)3 ,n−C613Si
(OMe)3 ,n−C1021Si(OMe)3 ,CH=C
HSi(OMe)3 ,C65Si(OMe)3 ,(C65)
Si(OMe);特に、通常に知られているシランカ
ップリング剤として、NHCHCHNHCH
CHMeSi(OMe)3 ,NHCHCH
HCHCHCHSiMe(OMe),HSCH
CHCHSi(OMe)3 ,C NHCH
CHSi(OMe)3 ,CH=(CH)CCO
OCHCHCHSi(OMe)3 ;また、Si(O
Et)4 ,MeSi(OEt)3 ,MeSi(OE
t),MeSiOEt等が挙げられ、また、アシロ
キシシランとしては、MeSi(OCOCH),C
Si(OMe)3 ,CH=CHSi(OCOCH)
等が挙げられ、更には、シリル化剤としては、Me
SiCl,(MeSi)NH,(MeSiN
H)C=O,CH3CONHSiMe等を挙げる
ことができる。
【0019】また、シランカップリング剤について更に
説明すれば、通常、Rn−Si(OR4−nとして
表される式中において、Rはアルキル基、アミノアルキ
ル基、アルケニル基で、Rは、アルキル基またはアル
コキシアルキル基であり、nは1〜3の整数である。本
発明において、特に、メチルトリメトキシシラン、ビニ
ルトリメトキシシラン、また、R、Rが共にアルキル
基のテトラエチルシリケート、テトライソプロピルシリ
ケート、テトラブチルシリケート等であるものが好適に
使用される。
【0020】また、上記(1)式で表わされる金属元素
のオキシ化合物としては、その金属水酸化物、その金属
アルコキシド等が挙げられる。そこで、本発明におい
て、その金属水酸化物としては、例えば、Be(OH)
,Mg(OH),Ca(OH),Zn(O
H),Al(OH),Au(OH),Ti(O
H),Zr(OH),V(OH),V(O
H),Cr(OH),Cr(OH) ,MnO(O
H),Mn(OH),Fe(OH),Ga(O
H),Tl(OH),Th(OH),Ce
(OH)等が挙げられる。本発明において、これらの
水酸化物の微粉末又はこれらの水分散性ゾルが用いら
れ、その平均粒子径は、好ましくは0.01〜10μ
m、より好ましくは、0.05〜5μm、更に好ましく
は0.1〜2μmの金属水酸化物が適宜好適に用いられ
る。
【0021】また、金属アルコキシドとしては、例え
ば、アルミニウムエトキシド,アルミニウムトリエトキ
シド,イソブチルアルミニウムメトキシド,イソブチル
アルミニウムエトキシド,アルミニウムイソプロポキシ
ド,イソブチルアルミニウムイソプロポキシド,アルミ
ニウムブトキシド,アルミニウムt−ブトキサイド;ス
ズt−ブトキサイド;アルミニウムトリ−n−プロポキ
シド,アルミニウムトリ−n−ブトキシド;テトラエト
キシチタン,テトラ−n−プロポキシチタン,テトラ−
n−ブトキシチタン,テトラ−i−プロポキシチタン,
チタンメトキサイド,チタンエトキサイド,チタン−n
−プロポキサイド,チタンイソプロポキサイド,チタン
−n−ブトキサイド,チタンイソブトキサイド;ジルコ
ニウムエトキサイド,ジルコニウム−n−プロポキサイ
ド,ジルコニウムイソプロポキサイド,ジルコニウム−
n−ブトキサイド,エトキサイドテトラ−n−プロポキ
シジルコニウム等が挙げられる。
【0022】また、本発明によるこのような金属シラン
縮合体を用いることで、有機ポリマー球状粒子100重
量部当り、所望する金属元素を0.01〜30重量部数
の範囲で、金属元素を化学的に結合して効果的に含有
(又は内包)する金属元素含有の有機ポリマー球状粒子
が適宜提供できる。
【0023】また、このように金属元素を内包させるこ
とで、本発明において、有機ポリマーの球状粒子に賦与
される諸物性の一つとして、例えば、その屈折率を1.
48以上で、好ましくは、略1.6を超え、略1.9以
下の屈折率を有する有機ポリマー球状粒子を適宜提供で
きる。
【0024】本発明においては、このような金属元素含
有する有機ポリマー球状粒子のポリマー質として、特に
限定されるものではないが、好ましくは、例えば、アク
リル系、スチレン系、アクリル−スチレン系、フッ素含
有アクリル系、フッ素含有アクリル−スチレン系等を適
宜好適に用いることができる。
【0025】そこで、本発明におけるアクリル系モノマ
ーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエス
テル類、(メタ)アクリル酸アニールエステル類、(メ
タ)アクリル酸アルコキシアルキル類、多価アクリル酸
エステル類、脂環式アルコールのメタクリル酸エステル
類、エポキシ基含有ビニル単量体、不飽和カルボン酸又
はその部分エステル化合物及びその無水物、アミド基含
有ビニル単量体、有機ケイ素基含有ビニル化合物単量体
等が挙げられる。本発明においては、原料として比較的
に低廉で、しかも、モノマー種が多く、強度等の特性を
所望する値にコントロールし易い等の観点から、好まし
くは、(メタ)アクリル酸アルキルエステル類の単独又
は(メタ)アクリル酸アルキルエステル類を主成分にし
て、他のアクリル系モノマー類の少なくとも1種を適宜
好適に組合わせて使用することができる。また、(メ
タ)アクリル酸アルキルエステル類に他のモノマー類を
組合わせて使用する場合、その配合割合は、香料担持体
の用途、発現させる特性にもよるが、(メタ)アクリル
酸アルキルエステル類の100重量部に対して、他のア
クリル系モノマー類の少なくとも1種を10〜100重
量部の範囲で適宜用いることができる。
【0026】これらのアクリル系モノマーとしては、例
えば、(メタ)アクリル酸メチル,(メタ)アクリル酸
エチル,(メタ)アクリル酸プロピル,(メタ)アクリ
ル酸イソプロピル,(メタ)アクリル酸ブチル,(メ
タ)アクリル酸イソブチル,(メタ)アクリル酸ペンチ
ル,(メタ)アクリル酸ヘキシル,(メタ)アクリル酸
2−エチルヘキシル,(メタ)アクリル酸オクチル,
(メタ)アクリル酸ラウリル,(メタ)アクリル酸ノニ
ル,(メタ)アクリル酸デシル,(メタ)アクリル酸ド
デシル,(メタ)アクリル酸フェニル,(メタ)アクリ
ル酸メトキシエチル,(メタ)アクリル酸エトキシエチ
ル,(メタ)アクリル酸プロポキシエチル,(メタ)ア
クリル酸ブトキシエチル,(メタ)アクリル酸エトキシ
プロピル等のアクリル酸アルキルエステル;ジエチルア
ミノエチル(メタ)アクリレート等のジアルキルアミノ
アルキル(メタ)アクリレート;(メタ)アクリルアミ
ド,N-メチロール(メタ)アクリルアミド及びジアセト
ンアクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド類;グリ
シジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有(メ
タ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸シクロヘ
キシル等の脂環式アルコールのアクリル酸エステル;エ
チレングリコールのジ(メタ)アクリル酸エステル,ジ
エチルグリコールのジ(メタ)アクリル酸エステル,ト
リエチレングリコールのジ(メタ)アクリル酸エステ
ル,ポリエチレングリコールのジ(メタ)アクリル酸エ
ステル,ジプロピレングリコールのジ(メタ)アクリル
酸エステル,トリプロピレングリコールのジ(メタ)ア
クリル酸エステル等の(ポリ)アルキレングリコールの
ジ(メタ)アクリル酸エステル類等を挙げることができ
る。
【0027】また、フッ素置換アクリル系モノマーとし
ては、例えば、(メタ)アクリル酸トリフルオロメチル
メチル,(メタ)アクリル酸−2−トリフルオロメチル
エチル,(メタ)アクリル酸−2−パ−フルオロメチル
エチル,(メタ)アクリル酸−2−パ−フルオロエチル
−2−パ−フルオロブチルエチル,(メタ)アクリル酸
−2−パ−フルオロエチル,(メタ)アクリル酸パ−フ
ルオロメチル,(メタ)アクリル酸ジパ−フルオロメチ
ルメチル等のフッ素置換(メタ)アクリル酸系モノマー
等を挙げることができる。
【0028】また、スチレン系モノマーとしては、例え
ば、スチレン,メチルスチレン,ジメチルスチレン,ト
リメチルスチレン,エチルスチレン,ジエチルスチレ
ン,トリエチルスチレン,プロピルスチレン,ブチルス
チレン,ヘキシルスチレン,ヘプチルスチレン及びオク
チルスチレン等のアルキルスチレン;フロロスチレン,
クロルスチレン,ブロモスチレン,ジブロモスチレン,
クロルメチルスチレン等のハロゲン化スチレン;ニトロ
スチレン,アセチルスチレン,メトキシスチレン、α−
メチルスチレン,ビニルトルエン等を挙げることができ
る。
【0029】また、その他の重合性モノマーとして、例
えば、パーフロオロエチレン,パーフロオロプロピレ
ン、フッ化ビニリデン等のフッ素含有ビニルモノマー;
ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン
等のケイ素含有ビニル系モノマー;酢酸ビニル,プロピ
オン酸ビニル,n−酪酸ビニル,イソ酪酸ビニル,ピバ
リン酸ビニル,カプロン酸ビニル,パーサティック酸ビ
ニル,ラウリル酸ビニル,ステアリン酸ビニル,安息香
酸ビニル,p−t−ブチル安息香酸ビニル、サリチル酸
ビニル等のビニルエステル類;塩化ビニリデン、クロロ
ヘキサンカルボン酸ビニル、(メタ)アクリル酸−2−
クロロエチル、メタクリル酸−2−クロロエチル等が挙
げられる。このような他のモノマーを併用させて有機ポ
リマー粒子を製造する場合に、アクリル系モノマー10
0重量部当りに対して、これらその他のモノマーを、ア
クリル系重合体の特性を損なわない限りにおいて、通
常、100重量部以下で、好ましくは、0.1〜50重
量部の範囲で適宜使用することができる。
【0030】また、必要に応じて、官能基を有するモノ
マーとして、例えば、アクリル酸、メタアクリル酸、テ
トラヒドロフタル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロ
トン酸、イソクロトン酸、ノルボルネンジカルボン酸、
ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−5,6−ジ
カルボン酸等の不飽和カルボン酸が挙げられ、また、こ
れらの誘導体として、無水マレイン酸、無水イタコン
酸、無水シトラコン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ビ
シクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−5,6−ジカ
ルボン酸無水物、また、例えば、(メタ)アクリル酸ア
ミノエチル、(メタ)アクリル酸プロピルアミノエチ
ル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メ
タ)アクリル酸アミノプロピル、(メタ)アクリル酸フ
ェニルアミノエチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシ
ルアミノエチルなどの(メタ)アクリル酸のアルキルエ
ステル系誘導体類、N−ビニルジエチルアミン、N−ア
セチルビニルアミンなどのビニルアミン系誘導体類、ア
リルアミン、メタクリルアミン、N−メチルアクリルア
ミンなどのアリルアミン系誘導体、N,N−ジメチルア
クリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリ
ルアミド、アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド
などのアクリルアミド系誘導体、p−アミノスチレンな
どのアミノスチレン類、6−アミノヘキシルコハク酸イ
ミド、2−アミノエチルコハク酸イミド等のアミノ基含
有エチレン性不飽和結合を有するモノマーが適宜好適に
使用することができる。
【0031】また、本発明において、乳化重合又は懸濁
重合下にこのような金属元素含有の有機ポリマー球状粒
子を調製するに、必ずしも架橋構造を形成させる必要が
ないが、粒子の形成強度からして、好ましくは、架橋構
造を適宜導入させることができる。このような架橋構造
を形成させるに、2官能性以上の多官能性モノマーを適
宜好適に使用することができる。その多官能性モノマー
として、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリ
レート,トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト,テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト,ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート,ポ
リプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート,ネオ
ペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート,トリメチ
ロールプロパントリ(メタ)アクリレート,ペンタエリ
スリトールトリ(メタ)アクリレート,1,1,1−トリス
ヒドロキシメチルエタンジアクリレート,1,1,1−トリ
スヒドロキシメチルエタントリアクリレート,1,1,1−
トリスヒドロキシメチルプロパントリアクリレート,N
−メチロールアクリルアマイド等を挙げることができ
る。また、このような多官能性モノマーは、既に上述し
た重合性モノマー100重量部に対して、通常、0.5
〜50重量部、好ましくは、1〜15重量部で適宜好適
に使用される。
【0032】また、本発明によれば、このような金属元
素含有の有機ポリマー球状粒子を調製させるにおいて、
既に上述した如く、水/重合性モノマー分散媒体中に、
均一に分散する金属元素が金属シラン縮合体として含有
する混合溶液を用いて重合させることで、重合体粒子で
ある有機ポリマー球状粒子中に金属シラン縮合体を介し
て、金属元素を結合させて含有(又は内包)させること
ができる。
【0033】まず、攪拌下に、アルコキシシラン類及び
/又はアシロキシシラン類の所定量のシラン化合物と、
下記(1)式で表わされる金属元素のオキシ化合物の所
定量と、界面活性剤及び既に上述した重合性モノマーの
所定量とを含有させて、均質な混合溶液を調製させる。 M(OR)n ・・・・・・・・・・・・・(1) 式中、Mは元素周期表の第2族〜第15族に属する金属
元素及び遷移金属元素類から選ばれる少なくとも1種の
金属元素を示し、Rが水素原子又は炭素数が、1〜5の
アルキル基,アミノアルキル基,アルケニル基,アルコ
キシアルキル基の何れかを示し、n=2〜4の整数を示
す。
【0034】次いで、この均質混合溶液に、所定量の水
と更に上記で使用した同様の重合性モノマーとを添加さ
せて加温反応させることで、脱水型の金属シラン縮合体
又は脱アルコール型の金属シラン縮合体を適宜生成させ
る。これによって、この金属シラン縮合体を含有する水
/重合性モノマー混合溶液が調製される。ここで、生成
した金属シラン縮合体には、添加したシラン化合物から
反応性有機ラジカルが導入されている。次いで、この反
応性有機ラジカルを有する金属シラン縮合体と重合性モ
ノマーとが均一に混合されている混合溶液を用いること
で、通常の乳化重合又は懸濁重合させて、重合性モノマ
ーが球状重合体を形成させながら、同時に金属元素のシ
ラン縮合体に係わる反応性有機ラジカルと重合性モノマ
ーとの反応が、略同時に進捗させられる。これによっ
て、本発明では、得られる有機ポリマー球状粒子中に
は、所望する金属元素が化学的に結合されて内包されて
いる。なお、本発明においては、必要において、ソープ
フリ乳化重合も好適に調製され、特に、乳化重合又は懸
濁重合に限定されるものではない。
【0035】ここで、乳化重合又は懸濁重合において
は、その乳化剤として、ドデシルベンゼンスルホン酸ナ
トリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩,ポリエチ
レングリコールノニルフェニルエーテル等のポリエチレ
ングリコールアルキルエーテル,ビニル基、アクリロイ
ル基、アリル基等の反応性基を有する反応性乳化剤,ポ
リビニルアルコール,ポリアクリル酸塩等の水溶性高分
子化合物を挙げることができる。例えば、乳化重合にお
いて、これらの乳化剤は、アクリル系モノマー等の重合
性モノマー100重量部に対して、通常、0.01〜6
0重量部で、好ましくは0.1〜20重量部の範囲で適
宜添加することができる。また、その添加量において、
下限値方向の添加量では、得られるポリマー球状粒子の
粒子径が大き目の傾向に調製され、一方、上限値方向の
添加量では、その粒子径が小さ目の傾向に調製され、本
発明においても、金属元素含有の有機ポリマー球状粒子
の平均粒子径は、適宜0.01〜100μm範囲に調製
することができる。
【0036】これらの方法で製造される本発明による金
属元素含有の有機ポリマー球状粒子の平均粒子径は、通
常、体積基準で表わして0.01〜100μmの粒子
で、好ましくは、0.08〜50μmの粒子で、更に好
ましくは、0.1〜20μmの粒子を適宜好適に調製す
ることができる。また、特に、所望する粒子径及びその
均斉度を求める場合には、通常、乳化重合法にあって
は、乳化剤の種類及びその添加量等に影響され、分散安
定剤として界面活性剤等を用いずに水系の反応媒体中
に、溶解したモノマーを、水溶性開始剤により攪拌混合
下に重合させることから、一般的に、その粒子径は、溶
解度の高いモノマーにおいて、生成する粒子径が小さく
なり、溶解度の低いモノマーにおいて、その粒子径が大
きくなる傾向にある。本発明においては、好ましくは、
懸濁重合法において、油溶性重合開始剤を溶解する反応
モノマーに、乳化剤を溶解する水性媒体を所定の攪拌速
度・加温下に介在させて所望する粒子径を有する本発明
による金属元素含有の重合体樹脂粒子の分散液(エマル
ジョン)を適宜容易に調製することができる。
【0037】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明は、これらの実施例にいささかも限定されるもので
はない。
【0038】(実施例)金属元素として、それぞれチタ
ニウム(又はチタン)、ジルコニウム(又はジルコン)
及び錫である反応性有機ラジカルを含有する金属シラン
縮合体を含有するモノマー混合溶液を調製し、次いで、
この混合溶液を用いて乳化重合又は懸濁重合させて、チ
タニウム、ジルコニウム及び錫の金属元素が均質に内包
された有機ポリマーの球状微細粒子及びその製造方法に
ついて説明する。
【0039】実施例1 金属元素としてチタンの金属シラン縮合体を含む水相モ
ノマー分散体を調製した。温度計、撹拌装置を備えた容
量300mlの四つ口丸底フラスコに、テトラ−n−プ
ロポキシチタンニウムの5重量部、シランカップリング
剤のγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランの
5重量部、イソプロパノール10重量部、メチルメタク
リレート(MMA)30重量部を添加して30分間攪拌
混合した。次いで、水道水1重量部、MMAの65重量
部を添加して、脱アルコール型の反応性ラジカルを有す
るチタン・シラン縮合体を含有する含水MMA混合溶液
−1を調製した。次いで、金属元素としてジルコンの金
属シラン縮合体を含む水相モノマー分散体を調製した。
テトラ−n−プロポキシチタニウムの代わりにテトラ−
n−プロポキシジルコニウムに替えた以外は、チタン・
シラン縮合体を含有する含水MMA混合溶液−1を調製
すると同様にして、脱アルコール型の反応性ラジカルを
有するジルコン・シラン縮合体を含有する含水MMA混
合溶液−2を調製した。
【0040】実施例2 <乳化重合によるチタン元素内包のPMMA微細粒子の
調製>温度計、窒素導入管、撹拌装置を備えた容量10
00mlの四つ口丸底フラスコに、乳化剤であるドデシ
ルスルホン酸ナトリウムの1.5重量部、水道水240
重量部を添加し、80℃に昇温させた。次いで、過硫酸
カリウムの0.55重量部を添加した。次いで、76〜
78℃、攪拌下に、含水MMA混合溶液−1の100重
量部と乳化剤ドデシルスルホン酸ナトリウムの1.5重
量部との混合溶液をゆっくり徐注させた後、この温度下
で40分間反応させ、次いで90℃で1時間反応させ
て、本発明によるチタン・シラン縮合体を内包したPM
MA微細粒子を分散する重合体を調製した。得られた金
属元素を内包するPMMA微細粒子の平均粒子径は、8
0nmで、真球状の粒子であった。また、その可視光の
透過率が98%の透明粒子で、且つその屈折率は1.8
1であった。
【0041】実施例3 <懸濁重合によるチタン元素内包のPMMA微細粒子の
調製>温度計、窒素導入管、撹拌装置を備えた容量10
00mlの四つ口丸底フラスコに、含水MMA混合溶液
−1の100重量部を添加し、アゾ系開始剤のAIBN
の1.5重量部を溶解させ、更に乳化剤であるポリビニ
ールアルコールの5%水溶液60重量部、重合禁止剤の
亜硝酸ナトリウム0.1重量部、水300重量部を添加
し、強攪拌下で10分間混合した。次いで、75℃×2
時間反応させ、更に90℃×3時間反応させて、発明に
よるチタン・シラン縮合体を内包したPMMA微細粒子
を分散する重合体を調製した。得られた金属元素を内包
するPMMA微細粒子の平均粒子径は、2μmで、真球
状の粒子であった。また、半透明の粒子で、且つその屈
折率は1.82であった。
【0042】実施例4 <乳化重合によるジルコニウム元素内包のPMMA微細
粒子の調製>温度計、窒素導入管、撹拌装置を備えた容
量1000mlの四つ口丸底フラスコに、乳化剤である
ドデシルスルホン酸ナトリウム1.5重量部、水道水2
40重量部を添加し、80℃に昇温させた。次いで、過
硫酸カリウムの0.55重量部を添加した。次いで、7
6〜78℃、攪拌下に、含水MMA混合溶液−2の10
0重量部と乳化剤ドデシルスルホン酸ナトリウム1.5
重量部との混合溶液をゆっくり徐注させた後、この温度
下で40分間反応させ、次いで90℃×1時間反応させ
て、本発明によるジルコニウム・シラン縮合体を内包し
たPMMA微細粒子を分散する重合体を調製した。得ら
れた金属元素を内包するPMMA微細粒子の平均粒子径
は、80nmで、真球状の粒子であった。また、その可
視光の透過率が96%の透明粒子で、且つその屈折率は
1.76であった。
【0043】実施例5 金属元素としてジルコニウムの水性水酸化物ゾルを用い
て、金属元素としてジルコニウムの金属シラン縮合体を
含む水相モノマー分散体を調製した。温度計、撹拌装置
を備えた容量300mlの四つ口丸底フラスコに、ジル
コニウムの水性水酸化物ゾル5重量部、シランカップリ
ング剤のγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ン5重量部、イソプロパノール10重量部、メチルメタ
クリレート(MMA)30重量部を添加して30分間攪
拌混合した。次いで、水道水1重量部、MMAの65重
量部を添加して、脱水型の反応性ラジカルを有するジル
コニウム・シラン縮合体を含有する含水MMA混合溶液
−3を調製した。次いで、金属元素として錫の水性水酸
化物ゾルを用いて、金属元素として錫の金属シラン縮合
体を含む水相モノマー分散体を調製した。テトラn−プ
ロポキシチタニウムの代わりにテトラn−プロポキシジ
ルコニウムに替えた以外のジルコン・シラン縮合体を含
有する含水MMA混合溶液−1を調製すると同様にし
て、脱アルコール型の反応性ラジカルを有する錫・シラ
ン縮合体を含有する含水MMA混合溶液−4を調製し
た。
【0044】実施例6 ドデシルスルホン酸ナトリウムの1.5重量部、水道水
240重量部を添加し、80℃に昇温させた。次いで、
過硫酸カリウムの0.55重量部を添加した。次いで、
76〜78℃、攪拌下に、含水MMA混合溶液−3の1
00重量部と乳化剤ドデシルスルホン酸ナトリウムの
1.5重量部との混合溶液をゆっくり徐注させた後、こ
の温度下で40分間反応させ、次いで90℃で1時間反
応させて、本発明によるジルコニウム・シラン縮合体を
内包したPMMA微細粒子を分散する重合体を調製し
た。得られたジルコニウム元素を内包するPMMA微細
粒子の平均粒子径は、80nmで、真球状の粒子であっ
た。また、その可視光の透過率が97%の透明粒子で、
且つその屈折率は1.76であった。
【0045】実施例7 次いで、含水MMA混合溶液−3を含水MMA混合溶液
−4に替えた以外は、実施例6と同様にして、錫元素を
内包するPMMA微細粒子を得、その平均粒子径は、8
0nmで、真球状の粒子であった。
【0046】
【発明の効果】以上から、本発明による金属元素のオキ
シ化合物とシラン化合物との金属シラン縮合体により、
金属元素を重合性モノマー中に均一に、安定に分散さ
れ、しかもこの縮合体には、反応性有機ラジカルが導入
されているので、そのモノマーの重合体粒子内に、化学
的に結合する金属元素の所定量を均質に含有(又は内
包)する有機ポリマー球状粒子を提供できる。
【0047】また、本発明による金属元素のオキシ化合
物とシラン化合物との反応性有機ラジカルを有する金属
シラン縮合物が、重合性モノマー水性媒体中に、均質に
混合された混合溶液としてその金属元素が均質に、安定
に含有されているこの均質混合溶液を用いることで、通
常の乳化重合又は懸濁重合で、有機ポリマー球状粒子中
に、所定の金属元素が、均質に内包され、しかも、その
金属元素の内包量を適宜に調整できる簡便で、高効率で
製造できる製造方法を提供できる。
【0048】また、得られる金属元素含有(又は内包)
する有機ポリマー球状粒子は、その金属元素種に係わっ
て、また、その内包量に係わって、諸特性を安定に賦与
される有機ポリマー球状粒子を提供できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J011 PA83 PA99 PC02 PC06 PC07 4J026 AB44 AB46 BA05 BA06 BA08 BA10 BA11 BA19 BA20 BA25 BA27 BA28 BA29 BA30 BA32 BA34 BA38 BA39 BA43 BA50 BB01 BB02 DB03 DB04 DB10 GA01 GA06 4J030 CC01 CC04 CC10 CC16 CC21 CC23 CC24 CC29 CC30 CD11 CE02 4J035 CA112 CA132 CA142 CA182 CA192 HA05 HB01 LA08

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重合体粒子を形成する有機ポリマー中に金
    属シラン縮合体として結合する金属元素を含有(又は内
    包)する有機ポリマー球状粒子において、前記金属シラ
    ン縮合体は、アルコキシシラン類及び/又はアシロキシ
    シラン類のシラン化合物と下記(1)式、 M(OR)n ・・・・・・・・・・・・・(1) [式中、Mは元素周期表の第2族〜第15族に属する金
    属元素及び遷移金属元素類から選ばれる少なくとも1種
    の金属元素を示し、Rが水素原子又は炭素数が1〜5の
    アルキル基、アミノアルキル基、アルケニル基、アルコ
    キシアルキル基の何れかを示し、n=2〜4の整数を示
    す。]で表わされる前記金属元素のオキシ化合物との脱
    水型又は脱アルコール型縮合物であって、且つ前記金属
    シラン縮合体に係わる反応性有機ラジカルを介して前記
    有機ポリマーに結合していることを特徴とする金属元素
    含有の有機ポリマー球状粒子。
  2. 【請求項2】前記反応性有機ラジカルが、ビニル基、エ
    ポキシ基、アクリロイル基、メタクリロイル基、アミノ
    基から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする
    請求項1に記載の金属元素含有の有機ポリマー球状粒
    子。
  3. 【請求項3】前記有機ポリマー球状粒子のポリマー質
    が、アクリル系、スチレン系、アクリル−スチレン系、
    フッ素含有アクリル系、フッ素含有アクリル−スチレン
    系の何れかであることを特徴とする請求項1又は2に記
    載の金属元素含有の有機ポリマー球状粒子。
  4. 【請求項4】前記有機ポリマー球状粒子100重量部当
    り、前記金属元素が0.1〜30重量部数の範囲で含有
    していることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載
    の金属元素含有の有機ポリマー球状粒子。
  5. 【請求項5】屈折率が1.48以上であることを特徴と
    する請求項1〜4の何れかに記載する金属元素含有の有
    機ポリマー球状粒子。
  6. 【請求項6】前記金属元素含有の有機ポリマー球状粒子
    の平均粒子径が、0.01〜100μmの範囲にあるこ
    とを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の有機ポリ
    マー球状粒子。
  7. 【請求項7】金属元素が、金属シラン縮合体として球状
    重合体粒子中に結合している有機ポリマー球状粒子の製
    造方法において、 攪拌下に、アルコキシシラン類及び/又はアシロキシシ
    ラン類の所定量のシラン化合物と、下記(1)式、 M(OR)n ・・・・・・・・・・・・・(1) [式中、Mは元素周期表の第2族〜第15族に属する金
    属元素及び遷移金属元素類から選ばれる少なくとも1種
    の金属元素を示し、Rが水素原子又は炭素数が1〜5の
    アルキル基、アミノアルキル基、アルケニル基、アルコ
    キシアルキル基の何れかを示し、n=2〜4の整数を示
    す。]で表わされる所定量の前記金属元素のオキシ化合
    物と、界面活性剤及び重合性モノマーとを含有する均質
    混合溶液を調製させ、 前記均質混合溶液に、所定量の水と更に前記重合性モノ
    マーとを添加させ、生成させた反応性有機ラジカルを有
    する脱水型又は脱アルコール型の前記金属シラン縮合体
    を含有する水/重合性モノマー混合溶液を調製させ、 次いで、前記混合溶液を乳化重合又は懸濁重合させて、
    前記反応性有機ラジカルを介して、前記金属元素シラン
    縮合体が前記重合性モノマーに結合しながら球状重合体
    を調製させることを特徴とする金属元素含有の有機ポリ
    マー球状粒子の製造方法。
  8. 【請求項8】前記有機ポリマー粒子のポリマー質が、ア
    クリル系、スチレン系、アクリル−スチレン系、フッ素
    含有アクリル系、フッ素含有アクリル−スチレン系の何
    れかである請求項7に記載する金属元素含有の有機ポリ
    マー球状粒子の製造方法。
JP2001394604A 2001-12-26 2001-12-26 金属元素を含有する有機ポリマー球状粒子及びその製造方法 Expired - Fee Related JP3936982B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001394604A JP3936982B2 (ja) 2001-12-26 2001-12-26 金属元素を含有する有機ポリマー球状粒子及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001394604A JP3936982B2 (ja) 2001-12-26 2001-12-26 金属元素を含有する有機ポリマー球状粒子及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003192791A true JP2003192791A (ja) 2003-07-09
JP3936982B2 JP3936982B2 (ja) 2007-06-27

Family

ID=27601300

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001394604A Expired - Fee Related JP3936982B2 (ja) 2001-12-26 2001-12-26 金属元素を含有する有機ポリマー球状粒子及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3936982B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004027033A (ja) * 2002-06-26 2004-01-29 Toppan Printing Co Ltd ラジカル重合性組成物およびイオン伝導体
JP2006265352A (ja) * 2005-03-23 2006-10-05 Sekisui Plastics Co Ltd 複合重合体粒子及びその製造方法
JP2006299096A (ja) * 2005-04-20 2006-11-02 Soken Chem & Eng Co Ltd 高屈折率賦与材のエマルジョン型有機樹脂組成物及びその用途
JP2007126491A (ja) * 2005-11-01 2007-05-24 Soken Chem & Eng Co Ltd 反応性有機−無機ハイブリット成分含有の重合性有機モノマー液状組成物、その製造方法及びその用途
JP2008297517A (ja) * 2007-06-04 2008-12-11 Dic Corp 有機−無機ハイブリッド樹脂水性分散体、硬化性樹脂組成物、塗料および塗装物
JP2009249479A (ja) * 2008-04-04 2009-10-29 Dic Corp 有機−無機ハイブリッド樹脂水性分散体、硬化性樹脂組成物、塗料および塗装物

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004027033A (ja) * 2002-06-26 2004-01-29 Toppan Printing Co Ltd ラジカル重合性組成物およびイオン伝導体
JP2006265352A (ja) * 2005-03-23 2006-10-05 Sekisui Plastics Co Ltd 複合重合体粒子及びその製造方法
JP4658653B2 (ja) * 2005-03-23 2011-03-23 積水化成品工業株式会社 複合重合体粒子及びその製造方法
JP2006299096A (ja) * 2005-04-20 2006-11-02 Soken Chem & Eng Co Ltd 高屈折率賦与材のエマルジョン型有機樹脂組成物及びその用途
JP2007126491A (ja) * 2005-11-01 2007-05-24 Soken Chem & Eng Co Ltd 反応性有機−無機ハイブリット成分含有の重合性有機モノマー液状組成物、その製造方法及びその用途
JP2008297517A (ja) * 2007-06-04 2008-12-11 Dic Corp 有機−無機ハイブリッド樹脂水性分散体、硬化性樹脂組成物、塗料および塗装物
JP2009249479A (ja) * 2008-04-04 2009-10-29 Dic Corp 有機−無機ハイブリッド樹脂水性分散体、硬化性樹脂組成物、塗料および塗装物

Also Published As

Publication number Publication date
JP3936982B2 (ja) 2007-06-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4627009B2 (ja) エマルションの製造方法
US9243130B2 (en) Inorganic nanoparticles and polymer composite produced therefrom
JP2011206762A (ja) 粒子の疎水化処理方法
WO2008026774A1 (en) Nano-oxide particles and production process thereof
JP2006193700A (ja) 有機無機ハイブリッド粒子
JP2003192791A (ja) 金属元素を含有する有機ポリマー球状粒子及びその製造方法
JP3425720B2 (ja) 化粧料用粒子およびその製造方法
KR100657414B1 (ko) 대전특성이 균일한 중합토너
CN106632875A (zh) 一种无机纳米粒子改性含氟丙烯酸酯疏水乳液及其制备方法
JP3946587B2 (ja) 樹脂粒子の製造方法
JP3806417B2 (ja) 水性コーティング組成物及び被膜の耐溶剤性を向上させる方法
JPH09118726A (ja) 樹脂粒子およびその製造方法
JP6597291B2 (ja) 構造色を呈する有彩色部材
JP2005281339A (ja) 樹脂粒子分散体、その製造方法、およびその用途
JP2006316239A (ja) ポリマ微粒子、ポリマ微粒子分散液およびその製造方法
JP2012057177A (ja) 光拡散媒体用有機粒子
JP2007126491A (ja) 反応性有機−無機ハイブリット成分含有の重合性有機モノマー液状組成物、その製造方法及びその用途
JP3149487B2 (ja) メタアクリル系樹脂粒子の製造方法
JP3507505B2 (ja) 結合剤樹脂、その製造方法およびそれを含有する組成物
JP2006299096A (ja) 高屈折率賦与材のエマルジョン型有機樹脂組成物及びその用途
JPH08176461A (ja) 単分散性微粒子及びその製造方法
US6767974B1 (en) Process forming particles with functional groups
JP2005179661A (ja) 有機無機ハイブリッド粒子及びそれから得られる無機粒子及び有機無機ハイブリッド粒子の製造方法
JP2003252916A (ja) 複合粒子およびその製造方法
JP7245691B2 (ja) 樹脂粒子及び樹脂粒子の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040812

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20051012

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20051115

A521 Written amendment

Effective date: 20060111

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A02 Decision of refusal

Effective date: 20061024

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061220

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Effective date: 20070109

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070206

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070214

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100406

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 4

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110406

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120406

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees