JP2003192641A - リボイラ設備および易重合性物質を含む液の加熱方法 - Google Patents

リボイラ設備および易重合性物質を含む液の加熱方法

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JP2003192641A
JP2003192641A JP2001391895A JP2001391895A JP2003192641A JP 2003192641 A JP2003192641 A JP 2003192641A JP 2001391895 A JP2001391895 A JP 2001391895A JP 2001391895 A JP2001391895 A JP 2001391895A JP 2003192641 A JP2003192641 A JP 2003192641A
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Michiyuki Kono
通幸 河野
Yasuhiro Kamine
靖弘 加峯
Yoshiyuki Taniguchi
芳行 谷口
Toshihiro Sato
俊裕 佐藤
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 易重合性物質を含む液から発生する重合物ま
たは析出物等の固形物が、リボイラ内部のチューブへ付
着することによる詰まりを防止するリボイラ設備と、こ
の詰まりを防止するようにした易重合性物質を含む液の
加熱方法を提供する。 【解決手段】 蒸留塔2から受け入れた液体混合物を3
内で加熱した後、再び蒸留塔2へ戻す循環式のリボイラ
設備において、このリボイラ2の入口側に、液体混合物
をリボイラ2へ強制的に送り込むポンプ4を設けて強制
循環式のリボイラ設備1とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、(メタ)アクリル
酸や(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクロレイ
ン等の易重合性物質、及びこれら易重合性物質を含む液
の製造、精製及び取り扱いにおいて使用されるリボイラ
設備と、リボイラ内のチューブやリボイラ周辺の蒸留
塔、タンク等といった設備内部での詰まりを防止するよ
うにした易重合性物質を含む液の加熱方法に関する。
【0002】
【従来の技術】(メタ)アクリル酸や(メタ)アクリル
酸エステル、(メタ)アクロレインといった易重合性物
質、及びこれら易重合性物質の製品を合成、精製、取り
扱いをするにおいては、必ずといって良いほど蒸留プロ
セスが必要となり、それに付随するリボイラ設備も必要
となる場合が多い。そして、設置されるリボイラとして
は、多管式のものが主流である。図5に示されるよう
に、リボイラ設備51は、蒸留塔52から受け入れた易
重合性物質を含む液を加熱するリボイラ53と、蒸留塔
52から易重合性物質を含む液を受け入れる受け入れ接
続管55と、リボイラ内で加熱した易重合性物質を含む
加熱流体(液体および/または気体)を再び蒸留塔へ戻
す戻し接続管56とからなる循環式のフローを有するも
のが多い。すなわち、このようなリボイラ設備において
は、易重合性物質を含む液は蒸留塔の底部からリボイラ
の底部に向けてサーモサイフォンの原理(自己循環方
式)で流れ、リボイラの頂部より蒸留塔の下部付近へ戻
ることで循環系を形成する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このリ
ボイラにおいて問題となるのは、易重合性物質を含む液
から発生する重合物または析出物等の固形物が、リボイ
ラ内部のチューブへ付着することによるチューブの閉塞
である。すなわち、易重合性物質を含む液に易重合性物
質が含まれている場合、(メタ)アクリル酸や(メタ)
アクリル酸エステル、及び(メタ)アクロレイン等の易
重合性物質は非常に重合しやすく、その製造工程、精製
及び取り扱いの際には重合物が発生し、リボイラを初め
とする機器やラインなどの設備内部を詰まらせ、場合に
よっては該機器や工程の停止を余儀なくされることがあ
る。そして、この際、特に詰まりを発生し易いのは、易
重合性物質を含む液を流通させるリボイラ内部に装填さ
れたチューブ部分である。また、これら問題の原因とし
ては、重合物の発生や固形物が析出してリボイラのチュ
ーブに付着することが中心ではあるが、その他でも前工
程から由来する固形成分が蒸留による濃縮により固形分
を溶解する溶媒が不足することで析出する場合や、重合
防止に使用する重合防止剤が析出する場合がある。
【0004】このように、これら固形分の発生及び析出
が要因となり、その周辺の工程においても重合物等の発
生を顕著にさせ、結果として、トラブルで設備が使用不
可能となったり、或いはその設備内部での重合物が起因
となり工程異常が発生したりすることも少なくは無かっ
た。
【0005】そこで、その対策として、(メタ)アクリ
ル酸や(メタ)アクリル酸エステル、及び(メタ)アク
ロレイン等の易重合性物質の製造の際には、ハイドロキ
ノン、フェノチアジン等の重合防止剤を添加すること、
さらには重合物、析出物等の固形分の機器への付着を防
止するために機器内部の表面処理を施すこと、液滞在や
滞留を防止すること、酸素含有ガスを供給すること、な
どの種々の手段が講じられているが、このような手段に
おいても、未だ重合物、析出物等の固形分の発生や付着
を完全に防止することは達成されていない。
【0006】本発明の目的は、(メタ)アクリル酸や
(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクロレイン等
の易重合性物質、及びこれら易重合性物質を含む液の製
造、精製及び取り扱いのための設備において、リボイラ
内のチューブ、及びリボイラ周辺の蒸留塔やタンク、ラ
イン等の設備内部での易重合性物質の重合等による詰ま
りを防止するリボイラ設備と、この詰まりを防止するよ
うにした易重合性物質を含む液の加熱方法を提供するこ
とにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
上述の課題を解決するために様々な検討及び評価を行っ
た結果、易重合性物質を含む液より詰まりの原因となる
固形分が発生して設備内部に付着してしまう前に、この
易重合性物質を含む液の流速を高めて再び蒸留塔へ戻し
てしまう強制的な流れを作ることにより、固形物が設備
内部で付着し詰まりを生じさせてしまうことが防止され
ることを見出した。
【0008】すなわち、本発明のリボイラ設備は、易重
合性物質を含む液をリボイラ内で加熱するリボイラ設
備、例えば、蒸留塔から受け入れた易重合性物質を含む
液を加熱するリボイラと、蒸留塔から易重合性物質を含
む液を受け入れる受け入れ接続管と、リボイラ内で加熱
した易重合性物質を含む加熱流体(液体および/または
気体)を再び蒸留塔へ戻す戻し接続管とからなる循環式
のリボイラ設備において、このリボイラの入口側に、易
重合性物質を含む液をリボイラへ強制的に送り込むポン
プを設けてなるものである。これにより、ポンプの送圧
力によって易重合性物質を含む液に強制的な流れが作ら
れ、易重合性物質を含む液をリボイラ内や他の設備内部
に必要以上留まらせないようにすることが出来る。した
がって、発生した重合物や析出物等の固形分は、強制的
な流れによってリボイラを初めとする設備内部へ付着す
る猶予を与えられずに循環され、詰まりを防止すること
が出来る。しかも、強制的な流れによって重合物や析出
物等の固形分の発生が抑制されるとともに、例え設備内
部に付着した固形分であっても、強制的な流れの送圧力
によって設備内部から固形分を引き剥がしてしまうもの
となる。
【0009】また、他の発明は、上述のリボイラ設備の
発明に加えて更に、ポンプの入口側に、ストレーナを設
けてなるものである。これにより、強制的な流れによっ
て循環する易重合性物質を含む液中に含まれる重合物や
析出物等の固形分をストレーナによって取り除き、易重
合性物質を含む液の循環が円滑に行われるようにすると
ともに、リボイラを初めとする設備内部での詰まりを一
層防止することが出来る。
【0010】また、本発明の易重合性物質を含む液の加
熱方法は、易重合性物質を含む液をリボイラ内で加熱す
る際に、リボイラの入口側に設けられたポンプによって
強制的に易重合性物質を含む液をリボイラ内のチューブ
に流す方法である。これにより、ポンプの送圧力によっ
て易重合性物質を含む液に強制的な流れが作られ、易重
合性物質を含む液をリボイラ内や他の設備内部に必要以
上留まらせないようにすることが出来る。したがって、
発生した重合物や析出物等の固形分は、強制的な流れに
よってリボイラを初めとする設備内部へ付着する猶予を
与えられずに循環され、詰まりを防止することが出来
る。しかも、強制的な流れによって重合物や析出物等の
固形分の発生が抑制されるとともに、例え設備内部に固
形分が付着したとしても、強制的な流れの送圧力によっ
て設備内部から固形分を引き剥がしてしまうことが出来
る。
【0011】この際、易重合性物質を含む液に含む易重
合性物質とは、重合し易い物質であれば特に限定はされ
ないが、例えば、重合性ビニル化合物を挙げることがで
きる。重合性ビニル化合物には(メタ)アクリル酸、
(メタ)アクリル酸メチル、ヒドロキシエチル(メタ)
アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー
ト、ターシャリーブチル(メタ)アクリレート、ノルマ
ルブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)ア
クリレート、エチル(メタ)アクリレート等の(メタ)
アクリレート、エチルアクリレート又はその混合物を挙
げることが出来る。また、(メタ)アクロレイン、及び
その化合物又はその混合物も挙げることが出来る。さら
に、分子構造上に官能基として、(メタ)アクリル酸、
又は(メタ)アクリル酸エステルを1〜3個付加させた
多官能モノマー、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレ
ート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル
(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレー
ト等の脂環・芳香環・複素環及びビニル基含有エステル
類、或いはエチレングリコールジ(メタ)アクリレート
等のジ及びトリメタクリル酸エステル類、ジメチルアミ
ノエチル(メタ)アクリレート等のジアルキルアミノエ
チルエステル類、またはその混合物を挙げることが出来
る。
【0012】そして、本発明における易重合性物質を含
む液とは、上記の易重合性物質と易重合性物質の合成ま
たは生成時の副生物との混合物である。また第三成分溶
媒として水、トルエン、ヘキサン等の上記の易重合性物
質に対して非反応性の溶媒が混合した液である場合もあ
る。
【0013】また、本発明においては、易重合性物質を
含む液が、易重合性物質を5容量%以上含んでいたとし
ても、重合物や析出物等の固形分の発生や付着を効果的
に抑制することが出来る。したがって、易重合性物質を
含む液が易重合性物質を5容量%以上含むことによって
高まるリボイラを初めとする機器やラインなどの設備内
部を詰まりの恐れを抑制し、易重合性物質を含む液の一
層効果的な詰まりのない製造、精製及び取り扱いを行う
ことが出来る。
【0014】さらに、本発明者らは鋭意検討し、本設備
を適用する際の基準の検討を行った結果、取り扱われる
易重合性物質を含む液の速度を規定することにより、本
発明がより一層効果的に成されることを見出した。すな
わち、上述した易重合性物質を含む液の製造、精製及び
取り扱いにおいて、リボイラ内のチューブに流れる易重
合性物質を含む液の流速が1〜3m/sとなる範囲で行
うことにより、発生した重合物や析出物等の固形分の設
備内部への付着を防いで効率良く押し流すようにし、ま
た、設備内部に付着した重合物や析出物等の固形分を効
果的に剥がすようにすることが出来ることとなるもので
ある。なお、流速が1m/s以下であると、発生した重
合物や析出物等の固形分に設備内部へ付着する猶予を与
えてしまうこととなり好ましくない場合がある。また、
流速が3m/s以下であると、リボイラ内で易重合性物
質を含む液を十分に加熱することが出来ない場合があ
る。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明のリボイラ設備に係
る実施の形態について、図面に基づき説明する。 (第一の実施の形態)図1は、本発明の第一の実施の形
態に係るリボイラ設備の構成を示す概略図である。図1
に示すように、この実施の形態のリボイラ設備1は、蒸
留塔2に併設された、リボイラ3と、ポンプ4とを具備
して概略構成されるものである。蒸留塔2は、図示しな
いが、塔底から塔頂に向かって内部に多数のトレイ(棚
段)を有し、各トレイで順次気液混合を行わせること
で、塔頂側に沸点の低い成分を、また、塔底側に沸点の
高い成分を集めるようにした連続多段式構造となってい
る。
【0016】リボイラ3は、自然受け入れ接続管5a、
ポンプ4、強制受け入れ接続管5bを介して、蒸留塔2
の底部と接続され、蒸留塔2から易重合性物質を含む液
をリボイラ3内へ受け入れている。リボイラ3の頂部
は、リボイラ3から蒸留塔2へ易重合性物質を含む加熱
流体(液体および/または気体)を戻す戻し接続管6を
介して蒸留塔2の下部付近と接続されている。そして、
リボイラ3は、受け入れ接続管5を通じて蒸留塔2の底
部より抜き出した易重合性物質を含む液を加熱し、戻し
接続管6を通じて蒸留塔2の下部付近に戻す。つまり、
リボイラ3は、易重合性物質を含む液を加熱して循環さ
せるものである。なお、受け入れ接続管5は、強制受け
入れ接続管5b側がリボイラ3行きと抜出口(図示せ
ず)行きとに途中で分枝しており、分岐した抜出管7よ
り易重合性物質を含む液の一部を缶出液として連続的に
反応系外に抜き出すことができるようになっている。
【0017】また、リボイラ3は、図2及び図3に示す
ように、筒状をした本体胴11の底部にポンプ4から送
り込まれた易重合性物質を含む液の受け入れ口13を、
また、頂部に蒸留塔2への易重合性物質を含む液の戻し
口14をそれぞれ有し、さらに、下方側壁付近部に熱媒
体供給口15を、また、上方側壁付近部に熱媒体排出口
16をそれぞれ有している。また、リボイラ3の本体胴
11内には、複数のチューブ12・・12が上下方向に
配列され、その上方及び下方において上側管板18及び
下側管板17によって本体胴11に連結固定された構造
を有している。そして、下側管板17によって受け入れ
口13から導入された易重合性物質を含む液が、また、
上側管板18によってチューブ12を通過した易重合性
物質を含む液が、共に熱媒体供給口15供給された熱媒
体としての蒸気とは触れない構造となっている。したが
って、易重合性物質を含む液の循環路と熱媒体としての
蒸気の循環路とは、上側管板18及び下側管板17によ
って完全に隔離された構造となっている。
【0018】なお、本発明で使用する設備は、易重合性
物質を含む液を取り扱っているリボイラの設備であれば
特に限定されないが、先に述べた易重合性物質を含む液
中の易重合性物質の濃度及び流速を考慮し採用すべきで
ある。まず、易重合性物質の濃度であるが、そのものの
重合性や温度依存性もあり全般的な規定はまず不可能で
あるが、様々な実施例を基に検討した結果としては、易
重合成物質の濃度が5容量%以上であればこの発明の方
法を適用すべきであるとの判断に至った。
【0019】また、リボイラ内のチューブに流れる易重
合性物質を含む液の流速においては、1〜3m/sの範
囲であることが好ましく、それに適用する様にリボイラ
入口側にポンプ4を設置する必要がある。選定するポン
プについては流量に左右される。すなわち、流量が少な
ければ遠心式のポンプを利用するのが好ましいが、多く
なれば大容量式の斜流ポンプを利用することが好まし
い。但し、この斜流ポンプを利用する際にはポンプ出側
の圧力損失が少ないことが必須であり、これら状況も考
慮しポンプを選定する必要がある。
【0020】以上のような構成において、(メタ)アク
リル酸や(メタ)アクリル酸エステル、及び(メタ)ア
クロレイン等の製造及び精製を行った結果、重合物や析
出物等の固形物の発生は殆ど無く、固形物がリボイラチ
ューブ等の設備内部に付着して詰まりを発生させてしま
うことは無くなった。
【0021】また、重合防止剤やその他固形分の析出及
び付着対策についても検討を行ったが、重合の様に化学
的反応を伴わないため、リボイラ内のチューブに流れる
易重合性物質を含む液体の流速をアップさせることでそ
の問題も解決出来ることも確認出来た。
【0022】(第二の実施の形態)続いて、本発明の第
二の実施の形態について図4に基づいて説明する。図4
は、本発明の第二の実施の形態に係るリボイラ設備の構
成を示す概略図である。なお、本実施の形態では、基本
的なリボイラ設備の構造は上述の第一の実施の形態と同
じであるので、図中の符号は第一の実施の形態における
説明において用いた図1での符号と同じ符合を用いるこ
ととし、さらに、必要以外その説明は省略することとし
た。
【0023】図4に示すように、この実施の形態のリボ
イラ設備21は、蒸留塔2に併設された、リボイラ3
と、ポンプ4と、ストレーナ8とを具備して概略構成さ
れるものである。リボイラ3は、自然受け入れ第一接続
管5−1a、ストレーナ8、自然受け入れ第二接続管5
−2a、ポンプ4、強制受け入れ接続管5bを介して、
蒸留塔2の底部と接続され、蒸留塔2から易重合性物質
を含む液をリボイラ3内へ受け入れている。ストレーナ
8は、ポンプ4の入口側に取り付けられた固形物等のゴ
ミ取り器であり、図示しないが、接続管の途中に凹状の
窪み部を設け、その窪み部の中に易重合性物質を含む液
の通過が可能な網等のろ過器具を配置しておくものであ
る。また、このストレーナ8は、並列で2基取り付けら
れ、それぞれのストレーナ8に対して設けられた一組の
バルブ9−1a,9−2aまたは9−1b,9−2bの
各操作により、何れか一方のストレーナを切替使用し
て、工程を途中で停止させることなく連続して行うよう
になっている。なお、受け入れ接続管5は、第一の実施
の形態と同様に、強制受け入れ接続管5b側がリボイラ
3行きと抜出口(図示せず)行きとに途中で分枝してお
り、分岐した抜出管7より易重合性物質を含む易重合性
物質を含む液の一部を缶出液として連続的に反応系外に
抜き出すことができるようになっている。
【0024】以上のように、ポンプの導入により自然循
環方式よりも流量を確保できるようになったことで、ポ
ンプ入口側へストレーナの設置も可能となり、易重合性
物質を含む液の製造又は精製中に発生してしまった重合
物や析出物等の固形物を確実に捕獲して、固形物がリボ
イラチューブ等の設備内部に付着して詰まりを発生させ
てしまうことを一層確実に無くすとともに、易重合性物
質を含む液の純度を高めることが出来るものとなる。ま
た、リボイラのラインに酸素含有ガスを供給すれば、更
なる効果が期待される。
【0025】
【実施例】引き続き、実施例について以下のとおり本発
明を説明する。本実施例は、上述の第一の実施の形態に
係るリボイラ設備を用い、連続的に蒸留塔にアクリル
酸、及びアクリル酸エステルを含む液を供給し、塔上部
からアクリル酸エステル、塔下部からアクリル酸をそれ
ぞれ取り出すようにしたものである。使用するポンプに
ついては全体流量が少なかったことから遠心式ポンプを
使用し、ポンプによるリボイラ内のチューブに流れる易
重合性物質を含む液の流速においては、2.5m/sを
目標として設定した。その結果、易重合性物質を含む液
からの重合物や析出物等の固形物の発生はほぼ皆無とな
り、洗浄等の措置無しで連続して1年以上の運転するこ
とが出来た。ちなみに、上述の第一の実施の形態に係る
リボイラ設備を用いる前は、運転後すぐにリボイラのチ
ューブ上部にて重合物が発生し、その周辺に析出物が付
着して、2〜3週間も経てば運転続行不可能となり、固
形物の洗浄及び除去作業を要していた。なお、この時点
でのリボイラのチューブ内の流速はおよそ0.5m/s
であった。
【0026】
【発明の効果】以上のように本発明リボイラ設備は、リ
ボイラの入口側に、易重合性物質を含む液をリボイラへ
強制的に送り込むポンプを設けることで、易重合性物質
を含む液の流速を高めて強制的な流れを作ることが出
来、固形物が設備内部で付着し詰まりを生じさせてしま
うことを防止することが出来る。特に、本発明は、易重
合性物質を含む液として、例えば、(メタ)アクリル酸
や(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクロレイン
等の易重合性物質及びこれら易重合性物質を含むものの
製造、精製及び取り扱いのための設備として、使用され
るリボイラのチューブ等設備内部での重合を防止するこ
とが出来る、非常に有用なものである。しかも、ポンプ
の入口側にストレーナを設けることで、易重合性物質を
含む液の循環が円滑に行われるようにするとともに、リ
ボイラを初めとする設備内部での詰まりを一層効果的に
防止することも出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第一の実施の形態に係るリボイラ設
備の構成を示す概略図である。
【図2】 リボイラの構造を説明する縦断面図である。
【図3】 図2に示すリボイラの構造を部分的に説明す
る部分拡大縦断面図である。
【図4】 本発明の第二の実施の形態に係るリボイラ設
備の構成を示す概略図である。
【図5】 従来のリボイラ設備の構成を示す概略図であ
る。
【符号の説明】
1,21 リボイラ設備 2 蒸留塔 3 リボイラ 4 ポンプ 8a,8b ストレーナ 12 チューブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 谷口 芳行 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイヨ ン株式会社大竹事業所内 (72)発明者 佐藤 俊裕 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイヨ ン株式会社大竹事業所内 Fターム(参考) 4D076 AA07 AA16 AA24 BB05 DA04 DA25 EA16Z EA20Z FA02 FA12 JA02 4H006 AA02 AD11 BD82 KE00

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 易重合性物質を含む液をリボイラ内で加
    熱するリボイラ設備において、 上記リボイラの入口側に、易重合性物質を含む液をリボ
    イラへ強制的に送り込むポンプを設けてなることを特徴
    とするリボイラ設備。
  2. 【請求項2】 前記ポンプの入口側に、ストレーナを設
    けてなることを特徴とする請求項1に記載のリボイラ設
    備。
  3. 【請求項3】 易重合性物質を含む液をリボイラ内で加
    熱する際に、リボイラの入口側に設けられたポンプによ
    って強制的に易重合性物質を含む液をリボイラ内のチュ
    ーブに流すことを特徴とする易重合性物質を含む液の加
    熱方法。
  4. 【請求項4】 前記易重合性物質を含む液は、易重合性
    物質を5容量%以上含んでいることを特徴とする請求項
    3に記載の易重合性物質を含む液の加熱方法。
  5. 【請求項5】 前記易重合性物質は、(メタ)アクリル
    酸、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクロレイ
    ンから選ばれる少なくとも1種類以上であることを特徴
    とする請求項3または請求項4に記載の易重合性物質を
    含む液の加熱方法。
  6. 【請求項6】 リボイラ内のチューブに流れる易重合性
    物質を含む液の流速が1〜3m/sの範囲であることを
    特徴とする請求項3ないし5いずれか一項に記載の易重
    合性物質を含む液の加熱方法。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011036762A (ja) * 2009-08-07 2011-02-24 Mitsubishi Rayon Co Ltd 晶析方法
CN102371076A (zh) * 2010-08-20 2012-03-14 王仲明 一种内置大管式再沸器
WO2017111277A1 (ko) * 2015-12-22 2017-06-29 주식회사 엘지화학 (메트)아크릴산의 연속 회수 방법
JP2019501907A (ja) * 2015-12-15 2019-01-24 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピアBasf Se エチレン性不飽和カルボン酸のtert−ブチルエステルの製造

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