JP2003191327A - 抗菌性シュリンクフィルム - Google Patents
抗菌性シュリンクフィルムInfo
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- JP2003191327A JP2003191327A JP2001402992A JP2001402992A JP2003191327A JP 2003191327 A JP2003191327 A JP 2003191327A JP 2001402992 A JP2001402992 A JP 2001402992A JP 2001402992 A JP2001402992 A JP 2001402992A JP 2003191327 A JP2003191327 A JP 2003191327A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 抗菌性シュリンクフィルムは優れた抗菌活性
と長期間の抗菌活性の持続性が良好なものが求められて
いる。 【解決手段】 本発明の抗菌性シュリンクフィルムは少
量の銀クロロ錯塩を含有する熱可塑性樹脂からなるシュ
リンクフィルムである。銀クロロ錯塩からなる抗菌剤と
熱可塑性樹脂からなる抗菌性シュリンクフィルムは銀ク
ロロ錯塩を少量添加した効果として、優れた抗菌活性が
得られ長期間の抗菌活性の持続性が顕著であり、抗菌性
シュリンクフィルムは包装資材、抗菌性容器の保護等数
多くの用途に有効である。
と長期間の抗菌活性の持続性が良好なものが求められて
いる。 【解決手段】 本発明の抗菌性シュリンクフィルムは少
量の銀クロロ錯塩を含有する熱可塑性樹脂からなるシュ
リンクフィルムである。銀クロロ錯塩からなる抗菌剤と
熱可塑性樹脂からなる抗菌性シュリンクフィルムは銀ク
ロロ錯塩を少量添加した効果として、優れた抗菌活性が
得られ長期間の抗菌活性の持続性が顕著であり、抗菌性
シュリンクフィルムは包装資材、抗菌性容器の保護等数
多くの用途に有効である。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱可塑性シュリンク
フィルムに関するものであり、更に詳しくは、本発明は
銀クロロ錯塩を含む熱可塑性シュリンクフィルムに関す
る。 【0002】 【従来の技術】熱収縮性プラスチックフィルムを素材ベ
ースとして形成されるシュリンクフィルムは、例えば、
包装用資材、瓶、プラスチックボトル、容器、筒状物質
(パイプ、棒など)の被覆用、または結束用として、特
に瓶等の肩部、胴部、キャップシールなどの一部又は全
部を被覆し、製品の保護、結束や商品価値の向上を目的
として用いられる他に、プラスチック容器の収縮ラベ
ル、ガラス容器の破損飛散防止のための包装材料、箱
類、棒、ノート等のような包装材料などに被包装物に密
着させて包装する分野等に広く使用されており、収縮
性、簡易性を利用した用途展開が期待されている。 【0003】従来上記用途には、ポリ塩化ビニル、ポリ
スチレン、ポリエステル、などの熱収縮性フィルムを用
い、これをあらかじめチューブ状にして前期容器類にか
ぶせたり、パレット状に重ねた荷物上からフィルムをか
ぶせて熱収縮させていた。 【0004】特に食品包装容器等に使用されるシュリン
クフィルムには内容物保護の点で70〜100℃の温度
でシュリンク包装が可能な低温シュリンク特性が要求さ
れるものなどが発表されている。 【0005】ごく一部にフィルム上部に抗菌剤入りイン
クで印刷されているなどのフィルムは公開されている
が、上記フィルムはそれ自体抗菌性の持続性に乏しく、
そのため包装物内の物品に手でふれることにより、接触
部のバクテリアの増殖により、菌の他部への伝播があ
り、ほとんど抗菌効果の配慮がなされていないのが現状
である。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】従来抗菌性シュリンク
フィルムにする場合に製品を選択的に抗菌処理をするた
めに印刷で抗菌皮膜を施す場合や、予め透明インキ層に
抗菌剤を配合した抗菌性シュリンクフィルムなどが提案
されているが、印刷で抗菌皮膜を施す場合、印刷で広範
囲に抗菌皮膜をつくることは難しく、印刷のみで製品表
面に抗菌処理を施すことは不可能であり、又印刷面の上
に透明インキ層を配し、透明インキ層に抗菌剤を配合し
たインキを使用する場合には擦過防止のために透明イン
キ層を厚くしなければならないなどの支障がある。しか
し表面又は表面近くにのみ抗菌剤を配する方法には抗菌
効果の長期持続性に問題があり、長期間の使用で抗菌効
果の低下が見られたり、こすれ等により抗菌剤の脱落で
抗菌効果の低下が見られたりする場合がある。そこで銀
系抗菌剤をあらかじめ樹脂に練り込む方法が考えられる
が、多くの場合、銀系抗菌剤は銀錯塩をアルミノ珪酸塩
やリン酸ジルコニウムに担持させて抗菌性無機材料の粉
末として使用する場合が殆どである。このように担持さ
れた銀系の抗菌性無機材料の粉末は樹脂に練り込んだ場
合に、担持体から銀の移動が抑制され、そのために効果
を高め、また持続するためには銀系の抗菌性無機材料を
多く添加する必要が生じる等の欠点がある。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意検討を
かさねた結果、熱可塑性シュリンクフィルムに銀クロロ
錯塩を含有させてなる、長期間効果を持続する抗菌性熱
可塑性シュリンクフィルムを発明するに至った。 【0008】 【発明の実施の形態】以下本発明について詳しく説明す
る。本発明の抗菌性シュリンクフィルムは銀クロロ錯塩
と熱可塑性樹脂からなるシュリンクフィルムである。 【0009】本発明における銀クロロ錯塩を含む抗菌剤
は、防黴剤としての作用も備えている。該銀クロロ錯塩
は、構造式「AgCl4]3−」で表される錯イオン構
造を備えた塩であればよく、特に限定されるものではな
い。また、銀クロロ錯塩における対イオン(陽イオン)
は、特に限定されるものではない。 【0010】上記抗菌剤は、銀クロロ錯塩を安定化させ
るための塩化物イオンを供給する塩化物をさらに含んで
いる。該塩化物としては、具体例として、リチウムイオ
ン、ナトリウムイオン、カリウムイオン等のアルカリ金
属イオンを対イオンとして含む塩化物(アルカリ金属の
塩化物);マグネシウムイオン、カルシウムイオン等の
アルカリ土類金属イオンを対イオンとして含む塩化物;
ポリ塩化アルミニウム。塩化アンモニウム;塩化トリオ
クチルメチルアンモニウム、炭素数12〜18の長鎖ア
ルキル基を1つまたは2つ有する脂肪族4級アンモニウ
ムクロリド、テトラメチルアンモニウムクロリド、テト
ラエチルアンモニウムクロリド等の脂肪族4級アンモニ
ウム塩類;塩化コリン;エチレンジアミン塩酸塩、ヘキ
サメチレンジアミン塩酸塩、ヘキサメチレントリアミン
塩酸塩等のポリアミン塩酸塩類;メチルアミン塩酸塩、
エチルアミン塩酸塩等の1級アミン塩酸塩類;トチメチ
ルアミン塩酸塩、トリエチルアミン塩酸塩等の3級アミ
ン塩酸塩類;ピリジン塩酸塩、アニリン塩酸塩等の芳香
族アミン塩酸塩類;塩化トリメチルベンジルアンモニウ
ム、塩化トリエチルベンジルアンモニウム、塩化トリブ
チルベンジルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、塩
化ベンゼトニウム、塩化イミダゾリニウム、塩化N−ラ
ウリルピリジウム等の芳香族4級アンモニウム塩類;等
が挙げられる。 【0011】なお、上記抗菌在中に含まれる塩化物イオ
ン量を所定範囲内の量とすることにより、銀クロロ錯塩
と塩化物との割合として、銀クロロ錯塩が不安定化して
塩化銀を生じることなく、かてう、抗菌剤が抗菌性を発
揮できる所定の範囲であれば特に限定されないが、重量
比で、1:130より銀クロロ錯塩の占める割合が高く
なる範囲が好ましい。上記範囲内より銀クロロ錯塩の占
める割合が低くなると、抗菌剤の添加量を多くする必要
があり、塩化物その他の成分の濃度を実用性をを有する
範囲内に希釈する必要がある関係上、結果的に銀クロロ
錯塩の濃度が極めて低くなるように希釈しなければなら
なくなるため好ましくない。より具体的には、銀クロロ
錯塩と塩化物との割合は、抗菌剤が抗菌性を発揮するこ
とができる所定の範囲内であればよく、特に限定される
ものではないが、重量比で1:3〜1:107の範囲内
であることがより好適であり、1:100〜1:106
の範囲内であることが最適である。なお、抗菌剤は、亜
塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸ナトリウム等の酸化剤
を、ペルオキソ炭酸塩、ペルオキソ硼酸塩などをさらに
含んでいてもよい。 【0012】尚上記範囲内により銀クロロ錯塩の占める
割合が高くなると、銀クロロ錯塩が不安定化するおそれ
がある。 【0013】における抗菌剤の含有量は、例えば、該抗
菌剤の種類、発泡剤との組合せ、用途等に応じて、最適
な抗菌性を発揮することができる範囲内であればよく、
特に限定されるものではないが、10−5重量%〜30
重量%の範囲内が好適であり、10−4重量%〜10重
量%の範囲内が最適である。抗菌性熱可塑性シュリンク
フィルムの加工温度は殆どが150℃以上であり、当該
用に用いられる抗菌剤は上記加工温度において安定でな
ければならず、単に抗菌活性を有するだけでは充分でな
い。 【0014】本発明における熱可塑性樹脂としては、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチル
ペンテン、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エ
チレン−プロピレン共重合体等のポリオレフィン、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコー
ル共重合体、塩化ビニリデン系重合体、ポリカプロラク
タム(6−ナイロン)、ポリラウリロラクタム(12−
ナイロン)、ポリヘキサメチレンアジバミド(6,6ナ
イロン)等のポリアミド、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,
6−ナフタレート等のポリエステル、ポリスチレン、ハ
イインパクトポリスチレン、スチレン−ブタジエン共重
合体、スチレン−ブチルアクリレート共重合体、スチレ
ン−ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、飽和型ス
チレン系エラストマー等のポリスチレン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリウレタン、AS樹脂、POM、変性PPO、P
PS、PEEK、PEI、PI、フッ素樹脂、ポリ乳酸
系ポリマー等が挙げられる。 【0015】上記熱可塑性樹脂の共重合成分としては、
エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテン、1−
ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、
1−オクテン等のオレフィン系単量体、スチレン、α−
メチルスチレン等の芳香族置換ビニル系単量体、メチル
アクリレート、メチルメタクリエート、エチルアクリレ
ート、ブチルアクリレート等のアクリル系単量体、メチ
ルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニ
ルエーテル等のビニルエーテル系単量体、塩化ビニル、
弗化ビニル等のハロゲン化ビニル系単量体、塩かビニリ
デン、弗化ビニリデン等のハロゲン化ビニリデン系単量
体、アクリロニトリル系単量体、マレイミド、N−メチ
ルマレイミド、マレイン酸ジメチル等のマレイン酸誘導
体系単量体を例示することができる。共重合成分を含む
場合の共重合体としてはランダム共重合体又は相互共重
合体のいずれでも良いが、加工性延伸性の点から交互共
重合性が高いことが好ましい。 【0016】本発明に用いる熱可塑性樹脂に他の熱可塑
性樹脂がブレンドして使用される場合がある。ブレンド
される熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン等のポリオレ
フィン類、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレン
テレフタレート、等のポリエステル類、ポリカプロラク
タム(6−ナイロン)、ポリラウリルラクタム(12−
ナイロン)、ポリヘキサメチレンアジパミド(6,6−
ナイロン)等のポリアミド類、ポリスチレン、ポリ塩化
ビニル、ポリメチルメタクリレート、ウレタン、AS樹
脂、POM、変性PPO、PPS、PI、PEEK、P
EI、フッ素系樹脂、石油樹脂、水添石油樹脂、テルペ
ン樹脂等があげられる。またブレンドする樹脂添加量と
しては、通常50重量%以下とすることが好ましい。 【0017】本発明の添加する熱可塑性樹脂のガラス転
移点(Tg)はDSC測定では20〜120℃、好まし
くは30〜100℃である。ガラス転移点がこの温度範
囲の熱可塑性樹脂を使用すると低温シュリンク性に優れ
ているばかりでなく、自然収縮性が少なく好ましい。 【0018】また本発明の熱可塑性樹脂は、必要に応じ
て各種の添加剤を添加することが可能である。本発明の
熱可塑性樹脂に添加する添加剤の種類としては、可塑
剤、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、着色剤、滑
剤、耐電防止剤、防曇剤、充填剤等をあげることができ
る。 【0019】可塑剤としては、フタル酸ジメチル、フタ
ル酸ジエチル、フタル酸ジオクチル、グリセリン、グリ
セリンエステル、ワックス、流動パラフィン、リン酸エ
ステル等、酸化防止剤としては、2,5−t−ブチルハ
イドロキノン、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾー
ル、4,4’−チオビス−(6−t−ブチルフェノー
ル)、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−
t−ブチルフェノール)、オクタデシル−3−(3’,
5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)ブ
ロピオネート、4,4’−チオビス−(6−t−ブチル
フェノール)等、熱安定剤としては、高級脂肪酸塩、単
独又は高級脂肪酸のカルシウム塩及び亜鉛塩であり、具
体的にはらうりん酸塩、ミリスチン酸塩、パルミチン酸
塩、ステアリン酸塩、イソステアリン酸塩、オレイン酸
塩、リシノール酸塩、2−エチル−ヘキシル酸塩、イソ
デカン酸塩、ネオデカン酸塩等、さらに安息香酸カルシ
ウム等、紫外線吸収剤としては、エチレン−2−シアノ
−3,3’−ジフェニルアクリレート、2−(2’−ヒ
ドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾリトリアゾー
ル、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’
−メチルフェニル)5−クロロベンゾトリアゾール、2
−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’
−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等、着色
剤としては、カーボンブラック、フタロシアニン、キナ
クリドン、インドリン、アゾ系顔料、ベンガラ等、滑剤
としては、エチレンビスステロアミド、ブチルステアレ
ート、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス等の
脂肪酸炭化水素系滑剤、高級脂肪酸滑剤、脂肪酸アミド
系滑剤、脂肪酸エステル滑剤、帯電防止剤としては、ペ
ンタエリスリットモノステアレート、ソルビタンモノパ
ルミテート、硫酸化ポリオレフィン類、ポリエチレンオ
キシド、カーボワックス等、防曇剤としては、グリセリ
ン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオ
キシエチレン脂肪酸アルコールエーテル、ポリオキシエ
チレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン
ソルビタン脂肪酸エステル等、充填剤としては、二酸化
チタン、微粒子シリカ、カオリン、炭酸カルシウム、マ
イカ、タルク、ワラストナイト、繊維状チタン酸カリウ
ム等があげられる。 【0020】本発明のシュリンクフィルムは、銀クロロ
錯塩と上記熱可塑性樹脂及び添加剤をヘンシェルミキサ
ー、スーパーミキサー、タンブラー等で溶融混練する前
に適度に分散混合した後、短軸又は二軸混練機で溶融混
合し、ペレット化したものをフィルム化する。フィルム
化の具体的な製法としては、Tダイ押出成形機などによ
り得られたシートまたはフィルムをテンター加工機によ
り、あるいは、チューブラー延伸加工機などにより、一
軸または二軸延伸加工することにより得られる。 【0021】本発明の抗菌性熱可塑性シュリンクフィル
ムは、本発明に用いられる熱可塑性樹脂のフィルムを必
要に応じて積層して用いる場合がある。多層フィルム
は、共押出法、ドライラミネーション法、ワイドイーチ
ラミネーション法、押出ラミネーション法等公知の各種
張り合わせ方法等により製造される。 【0022】本発明にかかるフィルムの厚みは10μm
以上150μm以下さらに好ましくは20μm以上13
0μm以下である。一般に本発明のフィルムをシュリン
ク包装等に使用する場合には、通常40〜130℃の雰
囲気温度の加熱炉を通過させるか、同上温度の熱風をあ
ててシュリンクさせる。 【0023】 【実施例】次に実施例をあげて本発明を説明するが、本
発明は以下の例のみに限定されるものではない。 【0024】[実施例1]ポリ塩化ビニル(平均重合度
800)100重量部、可塑剤8重量部、錫系安定剤5
重量部にアルゲセルPK(銀クロロ錯塩 横沢金属工業
(株)製)3重量部を加えスーパーミキサーで混合後、
フィルム状に溶融押出し、幅方向に2.5倍延伸して厚
さ39μmの抗菌性シュリンクフィルムを得た。 【0025】[実施例2]エチレンと1−ヘキセンとか
らなるランダム共重合体100重量部、石油樹脂10重
量部にアルゲセルPK(銀クロロ錯塩 横沢金属工業
(株)製)3重量部を加え、タンブラーで混合後二軸押
出機で溶融混練してペレット化した後、Tダイ押出機で
押し出し延伸して厚さ66μmの抗菌性シュリンクフィ
ルムを得た。 【0026】[実施例3]プロピレン−エチレンランダ
ム共重合体[エチレン含量5.0%、MFR=2.0g
/10分]70重量部、エチレン−テトラシクロドデセ
ン共重合体[MFR20g/10分 Tg70℃]30
重量部にアルゲセルPK(銀クロロ錯塩横沢金属工業
(株)製)5重量部を加え、タンブラーで混合後、二軸
混練機で混練してペレット化した後押し出し機にかけ、
延伸機で延伸して厚さ54μmの抗菌性シュリンクフィ
ルムを得た。 【0027】[実施例4]ステンレス製オートクレーブ
を用いて直接エステル化法でテレフタール酸、エチレン
グリコール、ネオペンチルグリコールで重縮合したポリ
エステル100重量部と、アルゲセルPK(銀クロロ錯
塩 横沢金属工業(株)製)5重量部をヘンシェルミキ
サーで混合後、300℃で溶融押出し後二軸延伸し、6
9μmの抗菌性シュリンクフィルムを得た。 【0028】[比較例1]実施例1の中でアルゲセルP
K(銀クロロ錯塩 横沢金属工業(株)製)を銀含有リ
ン酸ジルコニウムに換えた他は全て実施例1と同様にし
て抗菌性シュリンクフィルムを得た。 【0029】[比較例2]実施例2の中でアルゲセルP
K(銀クロロ錯塩 横沢金属工業(株)製)を銀含有リ
ン酸ジルコニウムに換えた他は全て実施例2と同様にし
て抗菌性シュリンクフィルムを得た。 【0030】[比較例3]実施例3の中でアルゲセルP
K(銀クロロ錯塩 横沢金属工業(株)製)を銀含有リ
ン酸ジルコニウムに換えた他は全て実施例3と同様にし
て抗菌性シュリンクフィルムを得た。 【0031】[比較例4]実施例4の中でアルゲセルP
K(銀クロロ錯塩 横沢金属工業(株)製)を銀含有ゼ
オライトに換えた他は全て実施例4と同様にして抗菌性
シュリンクフィルムを得た。 【0032】[抗菌性の評価] 評価1 Staphylococcus aureus(メチシ
リン抵抗性黄色ブドウ球菌)の培養液を標準寒天培地上
に塗布し、その上に実施例1〜4、比較例1〜4で得た
成形体を2cm×2cmに切った試料を平らに置き、更
に該成形体上にも培養液をふりかけた。38℃、24時
間培養後、試料周辺のハロー形成を観察し、抗菌性を評
価した。ハロー幅4mm以上を○、ハロー幅0〜2mm
を△、ハロー幅0mmを×で評価した。 【0033】評価2 Staphylococcus aureusをEsc
herichia coli(病原性大腸菌 o157
株)に換えた他は評価1と同様にして評価した。 【0034】評価3 Staphylococcus aureusをSal
monella enteritidis(サルモネラ
菌)に換えた他は評価1と同様にして評価した。評価結
果を表1,2に示す。 【0035】 【0036】 【0037】表1,2で0,1,3,4,はサンシャイ
ンウエザーメーターで0週間、1週間、3週間、4週間
経過後を示す。従って評価1〜3の○、△、×はそれぞ
れの週間経過後の評価である。 【0038】 【発明の効果】本発明の抗菌性熱可塑性シュリンクフィ
ルムは少量の銀クロロ錯塩含有の抗菌剤を添加すること
によって優れた抗菌活性が得られ、長期間の抗菌活性の
持続性が良好であり、このシュリンクフィルムは包装資
材、プラスチック容器の収縮ラベル、パイプのカバーな
ど数多くの用途に最適である。
フィルムに関するものであり、更に詳しくは、本発明は
銀クロロ錯塩を含む熱可塑性シュリンクフィルムに関す
る。 【0002】 【従来の技術】熱収縮性プラスチックフィルムを素材ベ
ースとして形成されるシュリンクフィルムは、例えば、
包装用資材、瓶、プラスチックボトル、容器、筒状物質
(パイプ、棒など)の被覆用、または結束用として、特
に瓶等の肩部、胴部、キャップシールなどの一部又は全
部を被覆し、製品の保護、結束や商品価値の向上を目的
として用いられる他に、プラスチック容器の収縮ラベ
ル、ガラス容器の破損飛散防止のための包装材料、箱
類、棒、ノート等のような包装材料などに被包装物に密
着させて包装する分野等に広く使用されており、収縮
性、簡易性を利用した用途展開が期待されている。 【0003】従来上記用途には、ポリ塩化ビニル、ポリ
スチレン、ポリエステル、などの熱収縮性フィルムを用
い、これをあらかじめチューブ状にして前期容器類にか
ぶせたり、パレット状に重ねた荷物上からフィルムをか
ぶせて熱収縮させていた。 【0004】特に食品包装容器等に使用されるシュリン
クフィルムには内容物保護の点で70〜100℃の温度
でシュリンク包装が可能な低温シュリンク特性が要求さ
れるものなどが発表されている。 【0005】ごく一部にフィルム上部に抗菌剤入りイン
クで印刷されているなどのフィルムは公開されている
が、上記フィルムはそれ自体抗菌性の持続性に乏しく、
そのため包装物内の物品に手でふれることにより、接触
部のバクテリアの増殖により、菌の他部への伝播があ
り、ほとんど抗菌効果の配慮がなされていないのが現状
である。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】従来抗菌性シュリンク
フィルムにする場合に製品を選択的に抗菌処理をするた
めに印刷で抗菌皮膜を施す場合や、予め透明インキ層に
抗菌剤を配合した抗菌性シュリンクフィルムなどが提案
されているが、印刷で抗菌皮膜を施す場合、印刷で広範
囲に抗菌皮膜をつくることは難しく、印刷のみで製品表
面に抗菌処理を施すことは不可能であり、又印刷面の上
に透明インキ層を配し、透明インキ層に抗菌剤を配合し
たインキを使用する場合には擦過防止のために透明イン
キ層を厚くしなければならないなどの支障がある。しか
し表面又は表面近くにのみ抗菌剤を配する方法には抗菌
効果の長期持続性に問題があり、長期間の使用で抗菌効
果の低下が見られたり、こすれ等により抗菌剤の脱落で
抗菌効果の低下が見られたりする場合がある。そこで銀
系抗菌剤をあらかじめ樹脂に練り込む方法が考えられる
が、多くの場合、銀系抗菌剤は銀錯塩をアルミノ珪酸塩
やリン酸ジルコニウムに担持させて抗菌性無機材料の粉
末として使用する場合が殆どである。このように担持さ
れた銀系の抗菌性無機材料の粉末は樹脂に練り込んだ場
合に、担持体から銀の移動が抑制され、そのために効果
を高め、また持続するためには銀系の抗菌性無機材料を
多く添加する必要が生じる等の欠点がある。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意検討を
かさねた結果、熱可塑性シュリンクフィルムに銀クロロ
錯塩を含有させてなる、長期間効果を持続する抗菌性熱
可塑性シュリンクフィルムを発明するに至った。 【0008】 【発明の実施の形態】以下本発明について詳しく説明す
る。本発明の抗菌性シュリンクフィルムは銀クロロ錯塩
と熱可塑性樹脂からなるシュリンクフィルムである。 【0009】本発明における銀クロロ錯塩を含む抗菌剤
は、防黴剤としての作用も備えている。該銀クロロ錯塩
は、構造式「AgCl4]3−」で表される錯イオン構
造を備えた塩であればよく、特に限定されるものではな
い。また、銀クロロ錯塩における対イオン(陽イオン)
は、特に限定されるものではない。 【0010】上記抗菌剤は、銀クロロ錯塩を安定化させ
るための塩化物イオンを供給する塩化物をさらに含んで
いる。該塩化物としては、具体例として、リチウムイオ
ン、ナトリウムイオン、カリウムイオン等のアルカリ金
属イオンを対イオンとして含む塩化物(アルカリ金属の
塩化物);マグネシウムイオン、カルシウムイオン等の
アルカリ土類金属イオンを対イオンとして含む塩化物;
ポリ塩化アルミニウム。塩化アンモニウム;塩化トリオ
クチルメチルアンモニウム、炭素数12〜18の長鎖ア
ルキル基を1つまたは2つ有する脂肪族4級アンモニウ
ムクロリド、テトラメチルアンモニウムクロリド、テト
ラエチルアンモニウムクロリド等の脂肪族4級アンモニ
ウム塩類;塩化コリン;エチレンジアミン塩酸塩、ヘキ
サメチレンジアミン塩酸塩、ヘキサメチレントリアミン
塩酸塩等のポリアミン塩酸塩類;メチルアミン塩酸塩、
エチルアミン塩酸塩等の1級アミン塩酸塩類;トチメチ
ルアミン塩酸塩、トリエチルアミン塩酸塩等の3級アミ
ン塩酸塩類;ピリジン塩酸塩、アニリン塩酸塩等の芳香
族アミン塩酸塩類;塩化トリメチルベンジルアンモニウ
ム、塩化トリエチルベンジルアンモニウム、塩化トリブ
チルベンジルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、塩
化ベンゼトニウム、塩化イミダゾリニウム、塩化N−ラ
ウリルピリジウム等の芳香族4級アンモニウム塩類;等
が挙げられる。 【0011】なお、上記抗菌在中に含まれる塩化物イオ
ン量を所定範囲内の量とすることにより、銀クロロ錯塩
と塩化物との割合として、銀クロロ錯塩が不安定化して
塩化銀を生じることなく、かてう、抗菌剤が抗菌性を発
揮できる所定の範囲であれば特に限定されないが、重量
比で、1:130より銀クロロ錯塩の占める割合が高く
なる範囲が好ましい。上記範囲内より銀クロロ錯塩の占
める割合が低くなると、抗菌剤の添加量を多くする必要
があり、塩化物その他の成分の濃度を実用性をを有する
範囲内に希釈する必要がある関係上、結果的に銀クロロ
錯塩の濃度が極めて低くなるように希釈しなければなら
なくなるため好ましくない。より具体的には、銀クロロ
錯塩と塩化物との割合は、抗菌剤が抗菌性を発揮するこ
とができる所定の範囲内であればよく、特に限定される
ものではないが、重量比で1:3〜1:107の範囲内
であることがより好適であり、1:100〜1:106
の範囲内であることが最適である。なお、抗菌剤は、亜
塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸ナトリウム等の酸化剤
を、ペルオキソ炭酸塩、ペルオキソ硼酸塩などをさらに
含んでいてもよい。 【0012】尚上記範囲内により銀クロロ錯塩の占める
割合が高くなると、銀クロロ錯塩が不安定化するおそれ
がある。 【0013】における抗菌剤の含有量は、例えば、該抗
菌剤の種類、発泡剤との組合せ、用途等に応じて、最適
な抗菌性を発揮することができる範囲内であればよく、
特に限定されるものではないが、10−5重量%〜30
重量%の範囲内が好適であり、10−4重量%〜10重
量%の範囲内が最適である。抗菌性熱可塑性シュリンク
フィルムの加工温度は殆どが150℃以上であり、当該
用に用いられる抗菌剤は上記加工温度において安定でな
ければならず、単に抗菌活性を有するだけでは充分でな
い。 【0014】本発明における熱可塑性樹脂としては、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチル
ペンテン、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エ
チレン−プロピレン共重合体等のポリオレフィン、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコー
ル共重合体、塩化ビニリデン系重合体、ポリカプロラク
タム(6−ナイロン)、ポリラウリロラクタム(12−
ナイロン)、ポリヘキサメチレンアジバミド(6,6ナ
イロン)等のポリアミド、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,
6−ナフタレート等のポリエステル、ポリスチレン、ハ
イインパクトポリスチレン、スチレン−ブタジエン共重
合体、スチレン−ブチルアクリレート共重合体、スチレ
ン−ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、飽和型ス
チレン系エラストマー等のポリスチレン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリウレタン、AS樹脂、POM、変性PPO、P
PS、PEEK、PEI、PI、フッ素樹脂、ポリ乳酸
系ポリマー等が挙げられる。 【0015】上記熱可塑性樹脂の共重合成分としては、
エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテン、1−
ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、
1−オクテン等のオレフィン系単量体、スチレン、α−
メチルスチレン等の芳香族置換ビニル系単量体、メチル
アクリレート、メチルメタクリエート、エチルアクリレ
ート、ブチルアクリレート等のアクリル系単量体、メチ
ルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニ
ルエーテル等のビニルエーテル系単量体、塩化ビニル、
弗化ビニル等のハロゲン化ビニル系単量体、塩かビニリ
デン、弗化ビニリデン等のハロゲン化ビニリデン系単量
体、アクリロニトリル系単量体、マレイミド、N−メチ
ルマレイミド、マレイン酸ジメチル等のマレイン酸誘導
体系単量体を例示することができる。共重合成分を含む
場合の共重合体としてはランダム共重合体又は相互共重
合体のいずれでも良いが、加工性延伸性の点から交互共
重合性が高いことが好ましい。 【0016】本発明に用いる熱可塑性樹脂に他の熱可塑
性樹脂がブレンドして使用される場合がある。ブレンド
される熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン等のポリオレ
フィン類、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレン
テレフタレート、等のポリエステル類、ポリカプロラク
タム(6−ナイロン)、ポリラウリルラクタム(12−
ナイロン)、ポリヘキサメチレンアジパミド(6,6−
ナイロン)等のポリアミド類、ポリスチレン、ポリ塩化
ビニル、ポリメチルメタクリレート、ウレタン、AS樹
脂、POM、変性PPO、PPS、PI、PEEK、P
EI、フッ素系樹脂、石油樹脂、水添石油樹脂、テルペ
ン樹脂等があげられる。またブレンドする樹脂添加量と
しては、通常50重量%以下とすることが好ましい。 【0017】本発明の添加する熱可塑性樹脂のガラス転
移点(Tg)はDSC測定では20〜120℃、好まし
くは30〜100℃である。ガラス転移点がこの温度範
囲の熱可塑性樹脂を使用すると低温シュリンク性に優れ
ているばかりでなく、自然収縮性が少なく好ましい。 【0018】また本発明の熱可塑性樹脂は、必要に応じ
て各種の添加剤を添加することが可能である。本発明の
熱可塑性樹脂に添加する添加剤の種類としては、可塑
剤、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、着色剤、滑
剤、耐電防止剤、防曇剤、充填剤等をあげることができ
る。 【0019】可塑剤としては、フタル酸ジメチル、フタ
ル酸ジエチル、フタル酸ジオクチル、グリセリン、グリ
セリンエステル、ワックス、流動パラフィン、リン酸エ
ステル等、酸化防止剤としては、2,5−t−ブチルハ
イドロキノン、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾー
ル、4,4’−チオビス−(6−t−ブチルフェノー
ル)、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−
t−ブチルフェノール)、オクタデシル−3−(3’,
5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)ブ
ロピオネート、4,4’−チオビス−(6−t−ブチル
フェノール)等、熱安定剤としては、高級脂肪酸塩、単
独又は高級脂肪酸のカルシウム塩及び亜鉛塩であり、具
体的にはらうりん酸塩、ミリスチン酸塩、パルミチン酸
塩、ステアリン酸塩、イソステアリン酸塩、オレイン酸
塩、リシノール酸塩、2−エチル−ヘキシル酸塩、イソ
デカン酸塩、ネオデカン酸塩等、さらに安息香酸カルシ
ウム等、紫外線吸収剤としては、エチレン−2−シアノ
−3,3’−ジフェニルアクリレート、2−(2’−ヒ
ドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾリトリアゾー
ル、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’
−メチルフェニル)5−クロロベンゾトリアゾール、2
−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’
−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等、着色
剤としては、カーボンブラック、フタロシアニン、キナ
クリドン、インドリン、アゾ系顔料、ベンガラ等、滑剤
としては、エチレンビスステロアミド、ブチルステアレ
ート、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス等の
脂肪酸炭化水素系滑剤、高級脂肪酸滑剤、脂肪酸アミド
系滑剤、脂肪酸エステル滑剤、帯電防止剤としては、ペ
ンタエリスリットモノステアレート、ソルビタンモノパ
ルミテート、硫酸化ポリオレフィン類、ポリエチレンオ
キシド、カーボワックス等、防曇剤としては、グリセリ
ン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオ
キシエチレン脂肪酸アルコールエーテル、ポリオキシエ
チレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン
ソルビタン脂肪酸エステル等、充填剤としては、二酸化
チタン、微粒子シリカ、カオリン、炭酸カルシウム、マ
イカ、タルク、ワラストナイト、繊維状チタン酸カリウ
ム等があげられる。 【0020】本発明のシュリンクフィルムは、銀クロロ
錯塩と上記熱可塑性樹脂及び添加剤をヘンシェルミキサ
ー、スーパーミキサー、タンブラー等で溶融混練する前
に適度に分散混合した後、短軸又は二軸混練機で溶融混
合し、ペレット化したものをフィルム化する。フィルム
化の具体的な製法としては、Tダイ押出成形機などによ
り得られたシートまたはフィルムをテンター加工機によ
り、あるいは、チューブラー延伸加工機などにより、一
軸または二軸延伸加工することにより得られる。 【0021】本発明の抗菌性熱可塑性シュリンクフィル
ムは、本発明に用いられる熱可塑性樹脂のフィルムを必
要に応じて積層して用いる場合がある。多層フィルム
は、共押出法、ドライラミネーション法、ワイドイーチ
ラミネーション法、押出ラミネーション法等公知の各種
張り合わせ方法等により製造される。 【0022】本発明にかかるフィルムの厚みは10μm
以上150μm以下さらに好ましくは20μm以上13
0μm以下である。一般に本発明のフィルムをシュリン
ク包装等に使用する場合には、通常40〜130℃の雰
囲気温度の加熱炉を通過させるか、同上温度の熱風をあ
ててシュリンクさせる。 【0023】 【実施例】次に実施例をあげて本発明を説明するが、本
発明は以下の例のみに限定されるものではない。 【0024】[実施例1]ポリ塩化ビニル(平均重合度
800)100重量部、可塑剤8重量部、錫系安定剤5
重量部にアルゲセルPK(銀クロロ錯塩 横沢金属工業
(株)製)3重量部を加えスーパーミキサーで混合後、
フィルム状に溶融押出し、幅方向に2.5倍延伸して厚
さ39μmの抗菌性シュリンクフィルムを得た。 【0025】[実施例2]エチレンと1−ヘキセンとか
らなるランダム共重合体100重量部、石油樹脂10重
量部にアルゲセルPK(銀クロロ錯塩 横沢金属工業
(株)製)3重量部を加え、タンブラーで混合後二軸押
出機で溶融混練してペレット化した後、Tダイ押出機で
押し出し延伸して厚さ66μmの抗菌性シュリンクフィ
ルムを得た。 【0026】[実施例3]プロピレン−エチレンランダ
ム共重合体[エチレン含量5.0%、MFR=2.0g
/10分]70重量部、エチレン−テトラシクロドデセ
ン共重合体[MFR20g/10分 Tg70℃]30
重量部にアルゲセルPK(銀クロロ錯塩横沢金属工業
(株)製)5重量部を加え、タンブラーで混合後、二軸
混練機で混練してペレット化した後押し出し機にかけ、
延伸機で延伸して厚さ54μmの抗菌性シュリンクフィ
ルムを得た。 【0027】[実施例4]ステンレス製オートクレーブ
を用いて直接エステル化法でテレフタール酸、エチレン
グリコール、ネオペンチルグリコールで重縮合したポリ
エステル100重量部と、アルゲセルPK(銀クロロ錯
塩 横沢金属工業(株)製)5重量部をヘンシェルミキ
サーで混合後、300℃で溶融押出し後二軸延伸し、6
9μmの抗菌性シュリンクフィルムを得た。 【0028】[比較例1]実施例1の中でアルゲセルP
K(銀クロロ錯塩 横沢金属工業(株)製)を銀含有リ
ン酸ジルコニウムに換えた他は全て実施例1と同様にし
て抗菌性シュリンクフィルムを得た。 【0029】[比較例2]実施例2の中でアルゲセルP
K(銀クロロ錯塩 横沢金属工業(株)製)を銀含有リ
ン酸ジルコニウムに換えた他は全て実施例2と同様にし
て抗菌性シュリンクフィルムを得た。 【0030】[比較例3]実施例3の中でアルゲセルP
K(銀クロロ錯塩 横沢金属工業(株)製)を銀含有リ
ン酸ジルコニウムに換えた他は全て実施例3と同様にし
て抗菌性シュリンクフィルムを得た。 【0031】[比較例4]実施例4の中でアルゲセルP
K(銀クロロ錯塩 横沢金属工業(株)製)を銀含有ゼ
オライトに換えた他は全て実施例4と同様にして抗菌性
シュリンクフィルムを得た。 【0032】[抗菌性の評価] 評価1 Staphylococcus aureus(メチシ
リン抵抗性黄色ブドウ球菌)の培養液を標準寒天培地上
に塗布し、その上に実施例1〜4、比較例1〜4で得た
成形体を2cm×2cmに切った試料を平らに置き、更
に該成形体上にも培養液をふりかけた。38℃、24時
間培養後、試料周辺のハロー形成を観察し、抗菌性を評
価した。ハロー幅4mm以上を○、ハロー幅0〜2mm
を△、ハロー幅0mmを×で評価した。 【0033】評価2 Staphylococcus aureusをEsc
herichia coli(病原性大腸菌 o157
株)に換えた他は評価1と同様にして評価した。 【0034】評価3 Staphylococcus aureusをSal
monella enteritidis(サルモネラ
菌)に換えた他は評価1と同様にして評価した。評価結
果を表1,2に示す。 【0035】 【0036】 【0037】表1,2で0,1,3,4,はサンシャイ
ンウエザーメーターで0週間、1週間、3週間、4週間
経過後を示す。従って評価1〜3の○、△、×はそれぞ
れの週間経過後の評価である。 【0038】 【発明の効果】本発明の抗菌性熱可塑性シュリンクフィ
ルムは少量の銀クロロ錯塩含有の抗菌剤を添加すること
によって優れた抗菌活性が得られ、長期間の抗菌活性の
持続性が良好であり、このシュリンクフィルムは包装資
材、プラスチック容器の収縮ラベル、パイプのカバーな
ど数多くの用途に最適である。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
C08L 101/00 C08L 101/00
// B29K 101:12 B29K 101:12
105:02 105:02
B29L 7:00 B29L 7:00
Fターム(参考) 3E067 AA11 BA17C BB14C BB22C
CA30 EA29 EE04 FB06 FC01
FC02
4F210 AE01 AG01 RA03 RC02 RG02
RG04 RG43
4H011 AA02 BA04 BB18 BC19 DA07
DF03 DH02 DH04 DH05 DH06
4J002 AA011 BB031 BB061 BB071
BB121 BB161 BC031 BC041
BC051 BD031 BD121 BG101
BN151 CB001 CF061 CF071
CF081 CF181 CH071 CK021
CL031 CL061 CM041 CN011
DD046 DE296 FD186
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 銀クロロ錯塩を含む熱可塑性シュリンク
フィルム
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001402992A JP2003191327A (ja) | 2001-12-26 | 2001-12-26 | 抗菌性シュリンクフィルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001402992A JP2003191327A (ja) | 2001-12-26 | 2001-12-26 | 抗菌性シュリンクフィルム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003191327A true JP2003191327A (ja) | 2003-07-08 |
Family
ID=27605791
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001402992A Pending JP2003191327A (ja) | 2001-12-26 | 2001-12-26 | 抗菌性シュリンクフィルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003191327A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013227076A (ja) * | 2012-03-30 | 2013-11-07 | Mitsui Chemicals Tohcello Inc | 食品鮮度保持用発泡ネット及び発泡シート |
CN110372969A (zh) * | 2019-07-19 | 2019-10-25 | 湖南博隽生物医药有限公司 | 一种药用包装材料及其制备方法 |
-
2001
- 2001-12-26 JP JP2001402992A patent/JP2003191327A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013227076A (ja) * | 2012-03-30 | 2013-11-07 | Mitsui Chemicals Tohcello Inc | 食品鮮度保持用発泡ネット及び発泡シート |
CN110372969A (zh) * | 2019-07-19 | 2019-10-25 | 湖南博隽生物医药有限公司 | 一种药用包装材料及其制备方法 |
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