JP2003192915A - 抗菌性樹脂組成物及びその組成物からなる抗菌性成形体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 抗菌性樹脂組成物及びその成形物は優れた抗
菌活性と長期間の抗菌活性の持続性が良好なものが求め
られている。 【解決手段】 本発明の抗菌性樹脂組成物及びその組成
物からなる成形体は少量の銀クロロ錯塩を含有する熱可
塑性樹脂からなる熱可塑性成形体である。銀クロロ錯塩
からなる抗菌剤と熱可塑性樹脂からなる抗菌樹脂組成物
及び成形体は銀クロロ錯塩を少量添加した効果として、
優れた抗菌活性が得られ長期間の抗菌活性の持続性が顕
著であり、この抗菌性樹脂組成物及びその組成物からな
る成形体は抗菌性容器、抗菌性収納箱等数多くの用途に
有効である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は銀クロロ錯塩を含む
熱可塑性樹脂からなる抗菌性樹脂組成物及びこの樹脂組
成物からなる抗菌性成形体に関するものであり、これら
は優れた抗菌性と成形特性を有し、特に抗菌性容器、抗
菌性ポット、抗菌性収納箱等に最適である。

【０００２】

【従来の技術】熱可塑性樹脂は優れた成形性、機械特性
を有しており、電子部品、医療用機器、医薬品、生鮮食
料品、加工食品、冷凍食品等の収納容器、家電用、建材
等の工業用として幅広い分野に利用されている。

【０００３】従来上記用途には、ポリ塩化ビニル、ポリ
スチレン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン等の熱可塑性樹脂を用いている。

【０００４】しかし温度、湿度、酸素、赤外線等環境雰
囲気の影響、細菌やカビ等の微生物の影響によるもの等
から保護する解決策として、成形体外部に抗菌剤入りイ
ンクで印刷されたり、成形体外部に抗菌性フィルムをラ
ミネートされる、また、無機系または有機系の抗菌剤を
充填した抗菌性を有する製品が考案されている。抗菌剤
の中で天然物としてはキチンキトサン、ワサビ抽出物、
カラシ抽出物、ヒノキチオール、カテキン類等、銀含有
ゼオライト、銀含有リン酸ジルコニウム等の無機系抗菌
剤を添加した熱可塑性フィルムが挙げられる。

【０００５】例えば特公昭６３−５４０１３，特開平３
−１６１４０９には抗菌性ゼオライトを配合している例
が、特開平３−８３９０５，特開平３−８３９０６には
銀含有リン酸塩等の抗菌剤が開示されている。

【０００６】しかし、上記抗菌剤入りの抗菌性熱可塑性
成形体は抗菌性の持続性が不足していたり、長期に抗菌
性を持続させるために抗菌剤を多く添加しなければなら
ず、そのため透明性が減少したり、着色に問題があるな
どの点があり、実用性には不十分であった。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】従来抗菌性成形体にす
る場合に製品を選択的に抗菌処理をするために印刷で抗
菌皮膜を施す場合や、予め抗菌剤を配合した抗菌性フィ
ルム等を成形体外部に貼り付ける製品が提案されている
が、印刷で抗菌皮膜を施す場合、印刷で広範囲に抗菌皮
膜をつくることは難しく、印刷のみで製品表面に抗菌処
理を施すことは不可能であり、又抗菌性フィルムを成形
体外部に貼り付ける場合にもフィルムの印刷面の上に透
明インキ層を配し、透明インキ層に抗菌剤を配合したイ
ンキを使用する場合には擦過防止のために透明インキ層
を厚くしなければならないなどの支障がある。しかし表
面又は表面近くにのみ抗菌剤を配する方法には抗菌効果
の長期持続性に問題があり、長期間の使用で抗菌効果の
低下が見られたり、こすれ等により抗菌剤の脱落で抗菌
効果の低下が見られたりする場合がある。そこで銀系抗
菌剤をあらかじめ樹脂に練り込む方法が考えられるが、
多くの場合、銀系抗菌剤は銀錯塩をアルミノ珪酸塩やリ
ン酸ジルコニウムに担持させて抗菌性無機材料の粉末と
して使用する場合が殆どである。このように担持された
銀系の抗菌性無機材料の粉末は樹脂に練り込んだ場合
に、担持体から銀の移動が抑制され、そのために効果を
高め、また持続するためには銀系の抗菌性無機材料を多
く添加する必要が生じる等の欠点がある。

【０００８】本発明は上記の従来の問題点を解決したう
えで、安定した抗菌効果を有する抗菌性熱可塑性樹脂組
成物及び当該組成物からなる抗菌性成形体を提供する。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意検討を
かさねた結果、銀クロロ錯塩を熱可塑性樹脂に含有さ
せ、抗菌性熱可塑性樹脂組成物及び抗菌性熱可塑性樹脂
組成物からなる、長期間効果が持続する抗菌性成形体を
発明するに至った。本発明によれば、以下の成形体が提
供される。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下本発明について詳しく説明す
る。本発明の抗菌性樹脂組成物及び当該組成物からなる
抗菌性成形体は銀クロロ錯塩を含む熱可塑性樹脂からな
る抗菌性樹脂組成物及び抗菌性成形体である。

【００１１】本発明における銀クロロ錯塩を含む抗菌剤
は防黴剤としての作用も備えている。該銀クロロ錯塩
は、構造式「ＡｇＣｌ^４］^３−」で表される錯イオン構
造を備えた塩であればよく、特に限定されるものではな
い。また、銀クロロ錯塩における対イオン（陽イオン）
は、特に限定されるものではない。

【００１２】上記抗菌剤は、銀クロロ錯塩を安定化させ
るための塩化物イオンを供給する塩化物をさらに含んで
いる。該塩化物としては、具体例として、リチウムイオ
ン、ナトリウムイオン、カリウムイオン等のアルカリ金
属イオンを対イオンとして含む塩化物（アルカリ金属の
塩化物）；マグネシウムイオン、カルシウムイオン等の
アルカリ土類金属イオンを対イオンとして含む塩化物；
ポリ塩化アルミニウム。塩化アンモニウム；塩化トリオ
クチルメチルアンモニウム、炭素数１２〜１８の長鎖ア
ルキル基を１つまたは２つ有する脂肪族４級アンモニウ
ムクロリド、テトラメチルアンモニウムクロリド、テト
ラエチルアンモニウムクロリド等の脂肪族４級アンモニ
ウム塩類；塩化コリン；エチレンジアミン塩酸塩、ヘキ
サメチレンジアミン塩酸塩、ヘキサメチレントリアミン
塩酸塩等のポリアミン塩酸塩類；メチルアミン塩酸塩、
エチルアミン塩酸塩等の１級アミン塩酸塩類；トチメチ
ルアミン塩酸塩、トリエチルアミン塩酸塩等の３級アミ
ン塩酸塩類；ピリジン塩酸塩、アニリン塩酸塩等の芳香
族アミン塩酸塩類；塩化トリメチルベンジルアンモニウ
ム、塩化トリエチルベンジルアンモニウム、塩化トリブ
チルベンジルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、塩
化ベンゼトニウム、塩化イミダゾリニウム、塩化Ｎ−ラ
ウリルピリジウム等の芳香族４級アンモニウム塩類；等
が挙げられる。

【００１３】なお、上記抗菌在中に含まれる塩化物イオ
ン量を所定範囲内の量とすることにより、銀クロロ錯塩
と塩化物との割合として、銀クロロ錯塩が不安定化して
塩化銀を生じることなく、かつ、抗菌剤が抗菌性を発揮
できる所定の範囲であれば特に限定されないが、重量比
で、１：１３０より銀クロロ錯塩の占める割合が高くな
る範囲が好ましい。上記範囲内より銀クロロ錯塩の占め
る割合が低くなると、抗菌剤の添加量を多くする必要が
あり、塩化物その他の成分の濃度を実用性をを有する範
囲内に希釈する必要がある関係上、結果的に銀クロロ錯
塩の濃度が極めて低くなるように希釈しなければならな
くなるため好ましくない。より具体的には、銀クロロ錯
塩と塩化物との割合は、抗菌剤が抗菌性を発揮すること
ができる所定の範囲内であればよく、特に限定されるも
のではないが、重量比で１：３〜１：１０７の範囲内で
あることがより好適であり、１：１００〜１：１０６の
範囲内であることが最適である。なお、抗菌剤は、亜塩
素酸ナトリウム、次亜塩素酸ナトリウム等の酸化剤を、
ペルオキソ炭酸塩、ペルオキソ硼酸塩などをさらに含ん
でいてもよい。

【００１４】尚上記範囲内により銀クロロ錯塩の占める
割合が高くなると、銀クロロ錯塩が不安定化するおそれ
がある。

【００１５】抗菌性樹脂組成物及びその組成物からなる
フィルムにおける抗菌剤の含有量は、例えば、該抗菌剤
の種類、用途等に応じて、最適な抗菌性を発揮すること
ができる範囲内であればよく、特に限定されるものでは
ないが、１０−５重量％〜３０重量％の範囲内が好適で
あり、１０−４重量％〜１０重量％の範囲内が最適であ
る。

【００１６】抗菌性樹脂組成物及びその組成物からなる
成形体の加工温度は殆どが２００℃以上であり、当該用
に用いられる抗菌剤は上記加工温度において安定でなけ
ればならず、単に抗菌活性を有するだけでは充分ではな
い。

【００１７】本発明における熱可塑性樹脂としては、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチル
ペンテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−
メタクリル酸メチル共重合体等のポリオレフィン、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコー
ル共重合体、塩化ビニリデン系重合体、ポリカプロラク
タム（６−ナイロン）、ポリラウリロラクタム（１２−
ナイロン）、ポリヘキサメチレンアジバミド（６，６ナ
イロン）等のポリアミド、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン−２，
６−ナフタレート等のポリエステル、ポリスチレン、ハ
イインパクトポリスチレン、スチレン−ブタジエン共重
合体、スチレン−ブチルアクリレート共重合体、スチレ
ン−ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、飽和型ス
チレン系エラストマー等のポリスチレン、ポリカーボネ
ート、ポリメタクリル酸メチル、ポリ塩化ビニル、ポリ
ウレタン、ＡＳ樹脂、ＰＯＭ、変性ＰＰＯ、ＰＰＳ、Ｐ
ＥＥＫ、ＰＥＩ、ＰＩ、フッ素系樹脂、ポリ乳酸系ポリ
マー等が挙げられる。

【００１８】上記熱可塑性樹脂の共重合成分としては、
エチレン、プロピレン、１−ブテン、イソブテン、１−
ペンテン、４−メチル−１−ペンテン、１−ヘキセン、
１−オクテン等のオレフィン系単量体、環状オレフィ
ン、スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族置換ビニ
ル系単量体、メチルアクリレート、メチルメタクリエー
ト、エチルアクリレート、ブチルアクリレート等のアク
リル系単量体、メチルビニルエーテル、エチルビニルエ
ーテル、ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル系単
量体、塩化ビニル、弗化ビニル等のハロゲン化ビニル系
単量体、塩化ビニリデン、弗化ビニリデン等のハロゲン
化ビニリデン系単量体、アクリロニトリル系単量体、マ
レイミド、Ｎ−メチルマレイミド、マレイン酸ジメチル
等のマレイン酸誘導体系単量体を例示することができ
る。共重合成分を含む場合の共重合体としてはランダム
共重合体又は相互共重合体のいずれでも良いが、加工性
延伸性の点から交互共重合性が高いことが好ましい。

【００１９】本発明に用いる熱可塑性樹脂に他の熱可塑
性樹脂がブレンドして使用される場合がある。ブレンド
される熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン等のポリオレ
フィン類、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレン
テレフタレート、等のポリエステル類、ポリカプロラク
タム（６−ナイロン）、ポリラウリルラクタム（１２−
ナイロン）、ポリヘキサメチレンアジパミド（６，６−
ナイロン）等のポリアミド類、ポリスチレン、ポリ塩化
ビニル、ポリメチルメタクリレート、ウレタン、ＡＳ樹
脂、ＰＯＭ、変成ＰＰＯ、ＰＰＳ、ＰＩ、ＰＥＥＫ、Ｐ
ＥＩ、フッ素系樹脂、石油樹脂、水添石油樹脂、テルペ
ン樹脂等があげられる。またブレンドする樹脂添加量と
しては、通常５０重量％以下とすることが好ましい。ま
た本発明の熱可塑性樹脂は、必要に応じて各種の添加剤
を添加することが可能である。本発明の熱可塑性樹脂に
添加する添加剤の種類としては、可塑剤、酸化防止剤、
熱安定剤、紫外線吸収剤、着色剤、滑剤、耐電防止剤、
防曇剤、充填剤等をあげることができる。

【００２０】可塑剤としては、フタル酸ジメチル、フタ
ル酸ジエチル、フタル酸ジオクチル、グリセリン、グリ
セリンエステル、ワックス、流動パラフィン、リン酸エ
ステル等、酸化防止剤としては、２，５−ｔ−ブチルハ
イドロキノン、２，６−ジ−ｔ−ブチル−ｐ−クレゾー
ル、４，４’−チオビス−（６−ｔ−ブチルフェノー
ル）、２，２’−メチレン−ビス−（４−メチル−６−
ｔ−ブチルフェノール）、オクタデシル−３−（３’，
５’−ジ−ｔ−ブチル−４’−ヒドロキシフェニル）ブ
ロピオネート、４，４’−チオビス−（６−ｔ−ブチル
フェノール）等、熱安定剤としては、高級脂肪酸塩、単
独又は高級脂肪酸のカルシウム塩及び亜鉛塩であり、具
体的にはらうりん酸塩、ミリスチン酸塩、パルミチン酸
塩、ステアリン酸塩、イソステアリン酸塩、オレイン酸
塩、リシノール酸塩、２−エチル−ヘキシル酸塩、イソ
デカン酸塩、ネオデカン酸塩等、さらに安息香酸カルシ
ウム等、紫外線吸収剤としては、エチレン−２−シアノ
−３，３’−ジフェニルアクリレート、２−（２’−ヒ
ドロキシ−５’−メチルフェニル）ベンゾリトリアゾー
ル、２−（２’−ヒドロキシ−３’−ｔ−ブチル−５’
−メチルフェニル）５−クロロベンゾトリアゾール、２
−ヒドロキシ−４−メトキシベンゾフェノン、２，２’
−ジヒドロキシ−４−メトキシベンゾフェノン等、着色
剤としては、カーボンブラック、フタロシアニン、キナ
クリドン、インドリン、アゾ系顔料、ベンガラ等、滑剤
としては、エチレンビスステロアミド、ブチルステアレ
ート、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス等の
脂肪酸炭化水素系滑剤、高級脂肪酸滑剤、脂肪酸アミド
系滑剤、脂肪酸エステル滑剤、帯電防止剤としては、ペ
ンタエリスリットモノステアレート、ソルビタンモノパ
ルミテート、硫酸化ポリオレフィン類、ポリエチレンオ
キシド、カーボワックス等、防曇剤としては、グリセリ
ン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオ
キシエチレン脂肪酸アルコールエーテル、ポリオキシエ
チレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン
ソルビタン脂肪酸エステル等、充填剤としては、二酸化
チタン、微粒子シリカ、カオリン、炭酸カルシウム、マ
イカ、タルク、ワラストナイト、繊維状チタン酸カリウ
ム等があげられる。

【００２１】本発明の抗菌性樹脂組成物及びその組成物
からなる抗菌性成形体は、銀クロロ錯塩と上記熱可塑性
樹脂及び添加剤をヘンシェルミキサー、スーパーミキサ
ー、タンブラー等で溶融混練する前に適度に分散混合し
た後、単軸又は二軸混練機で溶融混合し、ペレット化し
たものを射出成形機又は押出機、プレス機で成形体にす
る。本発明の抗菌性樹脂組成物は成形性の良好な、抗菌
性が長期間持続性のある成形体が得られる。

【００２２】

【実施例】次に、実施例をあげて本発明を説明するが、
本発明は以下の例のみに限定されるものではない。

【００２３】［実施例１］ポリプロピレン（住友ノーブ
レン Ｈ５０１ 住友化学工業（株）製）１００重量部
にアルゲセルＰＫ（銀クロロ錯塩 横沢金属工業（株）
製）３重量部を加え、タンブラーで混合後、二軸混練機
で混練しペレット化した後、射出成形機で射出成形し
て、厚さ３．０ｍｍの抗菌パネルを得た。

【００２４】［実施例２］エチレン酢酸ビニルコポリマ
ー（エバフレックスＥＶＡ Ｐ３３０７ 三井・デュポ
ンポリケミカル（株）製）１００重量部にアルゲセルＰ
Ｋ（銀クロロ錯塩横沢金属工業（株）製）５重量部を加
え、タンブラーで混合後、二軸押出機で混練しペレット
化した後、射出成形機で射出成形して厚さ３．０ｍｍの
抗菌性パネルを得た。

【００２５】［実施例３］ポリスチレン（日本ポリスチ
Ｈ６４０Ｎ 日本ポリスチレン（株）製）１００重量
部にアルゲセルＰＫ（銀クロロ錯塩 横沢金属工業
（株）製）５重量部を加え、タンブラーで混合後、二軸
押出機で混練し、ペレット化した後、射出成形機で射出
成形して、厚さ３．０ｍｍの抗菌性パネルを得た。

【００２６】［実施例４］ポリブチレンテレフタレート
（ノバドゥール ５０１０Ｒ５ 三菱エンジニアリング
プラスチックス（株）製）１００重量部にアルゲセルＰ
Ｋ（銀クロロ錯塩横沢金属工業（株）製）５重量部を加
えタンブラーで混合後、二軸混練機で混練しペレット化
した後、射出成形機で射出成形して、厚さ３．０ｍｍの
抗菌パネルを得た。

【００２７】［比較例１］実施例１の中でアルゲセルＰ
Ｋ（銀クロロ錯塩 横沢金属工業（株）製）を銀含有リ
ン酸ジルコニウムに換えた他はすべて実施例１と同様に
して、抗菌性パネルを得た。

【００２８】［比較例２］実施例２の中でアルゲセルＰ
Ｋ（銀クロロ錯塩 横沢金属工業（株）製）を銀含有リ
ン酸ジルコニウムに換えた他はすべて実施例２と同様に
して、抗菌パネルを得た。

【００２９】［比較例３］実施例３の中でアルゲセルＰ
Ｋ（銀クロロ錯塩 横沢金属工業（株）製）を銀含有リ
ン酸ジルコニウムに換えた他はすべて実施例３と同様に
して、抗菌パネルを得た。

【００３０】［比較例４］実施例４の中でアルゲセルＰ
Ｋ（銀クロロ錯塩 横沢金属工業（株）製）を銀含有ゼ
オライトに換えた他はすべて実施例４と同様にして、抗
菌パネルを得た。実施例、比較例共全て成形体がパネル
であるが、これは抗菌評価のために便宜上抗菌樹脂パネ
ルを得ることとした。

【００３１】［抗菌性の評価］ 評価１ Ｓｔａｐｈｙｌｏｃｏｃｃｕｓ ａｕｒｅｕｓ（メチシ
リン抵抗性黄色ブドウ球菌）の培養液を標準寒天培地上
に塗布し、その上に実施例１〜４、比較例１〜４で得た
成形体を２ｃｍ×２ｃｍに切った試料を平らに置き、更
に該成形体上にも培養液をふりかけた。３８℃、２４時
間培養後、試料周辺のハロー形成を観察し、抗菌性を評
価した。ハロー幅４ｍｍ以上を○、ハロー幅０〜２ｍｍ
を△、ハロー幅０ｍｍを×で評価した。

【００３２】評価２ Ｓｔａｐｈｙｌｏｃｏｃｃｕｓ ａｕｒｅｕｓをＥｓｃ
ｈｅｒｉｃｈｉａ ｃｏｌｉ（病原性大腸菌 Ｏ１５７
株）に換えた他は評価１と同様にして評価した。

【００３３】評価３ Ｓｔａｐｈｙｌｏｃｏｃｃｕｓ ａｕｒｅｕｓをＳａｌ
ｍｏｎｅｌｌａ ｅｎｔｅｒｉｔｉｄｉｓ（サルモネラ
菌）に換えた他は評価１と同様にして評価した。評価結
果を表１，２に示す。

【００３４】

【００３５】

【００３６】表１，２で０，１，３，４，はサンシャイ
ンウエザーメーターで０週間、１週間、３週間、４週間
経過後を示す。従って評価１〜３の○、△、×はそれぞ
れの週間経過後の評価である。

【００３７】

【発明の効果】本発明の抗菌性樹脂組成物及びその組成
物からなる成形体は少量の銀クロロ錯塩含有の抗菌剤を
添加することによって、優れた抗菌活性が得られ、長期
間の抗菌活性の持続性が特に良好であり、当該抗菌性及
びその組成物からなる抗菌性成形体は抗菌性容器、抗菌
性収納箱等広い成形体分野に最適である。

フロントページの続き Ｆターム(参考） 3E086 AD02 AD04 BA15 BA35 BB90 CA01 CA27 CA28 CA31 4F071 AA12X AA15 AA15X AA20 AA20X AA21 AA22 AA22X AA24 AA25 AA26 AA28X AA29X AA33X AA34X AA40 AA43 AA50 AA51 AA53 AA54 AA62 AC18 AE22 AF52 AF55 4J002 BB031 BB061 BB071 BB121 BB151 BB171 BB221 BC031 BC051 BD101 BG061 BN151 CB001 CF051 CF071 CF081 CG001 CH071 CH091 CL011 CN011 EZ006 FD181

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 銀クロロ錯塩を含む熱可塑性からなるこ
   とを特徴とする抗菌性樹脂組成物
2. 【請求項２】 請求項１記載の抗菌性樹脂組成物からな
   る抗菌性成形体