JP2003191268A - ポリケトン成形体の製造方法 - Google Patents

ポリケトン成形体の製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 繰り返し単位の90モル%以上が下記の
構造式(1)で示され、極限粘度が0.1〜20dl/
gであるポリケトンに、混合物の全量に対して0.1〜
80重量%の、ポリケトンを可塑化する液体及び/又は
気体を混合し、温度(ポリケトンの融点−100)℃〜
(ポリケトンの融点−10)℃、圧力0.1〜30MP
aにて成形する工程を含むポリケトン成形体の製造方
法。 【化1】 【効果】 成形時にポリケトンが熱変性を起こすことが
ない、効率的、経済的なポリケトン成形体の製造方法が
提供できた。また、本発明の方法で得られる成形体は実
用上十分な強度および外観を持つ成形体であり、衣料用
途、ゴムや樹脂・セメント・光ファイバー等の補強材
料、電子材料、電池材料、土木資材、医療用資材、生活
資材、漁獲資材、包装資材等の幅広い分野に有用であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリケトン成形体
の工業的かつ効率的な製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一酸化炭素とエチレン性不飽和化合物と
の共重合体、特に一酸化炭素とエチレン性不飽和化合物
が実質的に交互に連結した構造のポリケトンは、機械的
性質および熱的性質に優れ、耐摩耗性、耐薬品性、及
び、ガスバリア性も高く、さまざまな用途に有用な材料
である。かかるポリケトンの成形法としては各種のもの
が知られており、例えば、特開平2−112413号公
報、特表平4−505344号公報、特開平4−228
613号公報、特表平7−508317号公報、特表平
8−507328号公報、米国特許第5955019号
明細書、国際公開99/18143号パンフレット等で
はポリケトンを溶剤に溶解させた後、非溶剤中に押し出
して繊維、フィルム等の成形体を得る方法(湿式成形)
が開示されている。
【0003】また、特開平1−124617号公報、米
国特許第4892697号明細書、Polym.Pre
pr.(Am.Chem.Soc.,Div.Poly
m.Chem.)36、1、291−292、Pro
g.Polym.Sci.,Vol.22,8,154
7−1605(1997)等ではポリケトンをその融点
以上の温度で溶融させ、金型から押し出す、または圧縮
成形することにより繊維、フィルム等の成形体を得る方
法(溶融成形)が開示されている。しかしながら湿式成
形では最終用途に有用な特性を有するポリケトン成形体
を提供することが可能であるものの、使用する溶剤の経
済性および毒性の問題、さらには溶剤の回収等に過大な
装置を必要とするという問題点がある。また、溶融成形
では温度をポリケトンの融点以上に高くすると架橋によ
り変性が生じ、最終用途に適切な成形体を得ることが出
来ないという問題点がある。
【0004】また、特開平1−146951号公報には
ポリケトンを有機または無機の溶媒と混合することによ
って、ポリケトンの融点が降下して可塑化することが開
示されている。しかし該文献には示差走査熱量計により
測定された融点が記載されているのみで、ポリケトンの
成形法およびそれから得られるポリケトン成形体につい
ては全く記載されていない。また、特開2001−30
283号公報にはポリケトンの射出成形において、二酸
化炭素をポリケトンに溶解させて成形する方法が開示さ
れている。しかし、そこでは成形時にポリマーの融点以
上に成形機の温度を上げて成形する方法が開示されてい
るのみであり、融点以上の温度で成形することによるポ
リマーの熱変性等の問題に対する解決法にはならない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、成形時にポ
リケトンが熱変性を起こすことなく、効率的、経済的な
ポリケトンの成形法を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく、成形時にポリケトンが熱変性を起こすこ
となく、効率的、経済的なポリケトン成形体の製造方法
について鋭意研究を重ねた結果、成形の過程で、ポリケ
トンに一定の割合で特定の化合物を混合した後、その化
合物をポリケトンから徐々に除去しながら成形すること
により、ポリケトンが熱変性することなく、ポリケトン
の融点以下の温度で成形し得ることを見い出し本発明を
完成するに至った。
【0007】すなわち本発明は、繰り返し単位の90モ
ル%以上が下記の構造式(1)で示され、極限粘度が
0.1〜20dl/gであるポリケトンに、混合物の全
量に対して0.1〜80重量%の、ポリケトンを可塑化
する液体及び/又は気体を混合し、温度(ポリケトンの
融点−100)℃〜(ポリケトンの融点−10)℃、圧
力0.1〜30MPaにて成形する工程を含むことを特
徴とするポリケトン成形体の製造方法である。
【化2】
【0008】以下、本発明について具体的に説明する。
本発明において使用されるポリケトンは、繰り返し単位
の90モル%以上が上記の構造式(1)で示される構造
を持つ。10モル%未満の範囲で上記の構造式(1)以
外の繰り返し単位、例えば下記の構造式(2)に示した
もの等を含有していても良い。
【化3】
【0009】構造式(2)において、Rはエチレン以外
の炭素数が1〜30の有機基であり、例えばプロピレ
ン、ブチレン、1−フェニルエチレン等の炭化水素化合
物が例示される。これらの水素原子の一部または全部
が、ハロゲン基、エステル基、アミド基、水酸基、エー
テル基で置換されていてもよい。もちろん、Rは2種以
上であってもよく、例えばプロピレンと1−フェニルエ
チレンが混在していてもよい。上記構造式(1)の繰り
返し単位が90モル%未満のポリケトンでは、最終用途
に有用な特性を有するポリケトン成形体が得られない。
高温での安定性が優れるという観点で繰り返し単位の9
7モル%以上が上記構造式(1)で示されるポリケトン
であることが好ましく、最も好ましくは100モル%で
ある。
【0010】本発明におけるポリケトンの重合度として
は、本発明の実施例に記載した方法で測定される極限粘
度が0.1〜20dl/gであることが必要である。極
限粘度が0.1未満では分子量が低すぎて成形体の強度
が不足し、一方、極限粘度が20を超えるとポリマーの
重合に時間、コストがかかり実用的でない。このため、
本発明に用いるポリケトンの極限粘度としては0.1〜
20dl/gであることが必要であり、好ましくは0.
5〜10dl/g、特に好ましくは1〜8dl/gであ
ることが望ましい。また、本発明に用いられるポリケト
ンの形状は、可塑化の効率の観点から粒子状が好まし
く、より好ましくはその平均粒径が0.1mm以下、特
に好ましくは0.01mm以下の粒子状であることが望
ましい。
【0011】本発明においてポリケトンを可塑化する液
体及び/又は気体(これを今後、可塑剤と呼ぶ)として
は各種のものを用いることができるが、ポリケトンの融
点を少なくとも10℃以上降下させる物質である。ポリ
ケトンの融点を10℃未満しか降下させない物質では、
融点より10℃以下の温度で成形することが出来ないた
めに本発明による成形が不可能である。このようなポリ
ケトンに混合される可塑剤としては、有機化合物、無機
化合物、高分子化合物等様々な物質が挙げられるが、好
ましくは極性化合物である。可塑剤はより好ましくはア
ルコール類、ケトン類、二酸化炭素、水であり、特に好
ましくは水である。水が特に好ましい理由は、安価であ
ることと毒性がないこと、非可燃性であることなどが挙
げられる。
【0012】また、ポリケトンに混合される可塑剤の量
としては、可塑剤の種類によって好適な範囲が異なるた
め一概に規定することはできないが、ポリケトンと可塑
剤との混合物の全量に対する可塑剤の割合が0.1〜8
0重量%であることが必要である。可塑剤が0.1重量
%未満しか混合されない場合には可塑化効果が不十分で
ある。可塑剤を80重量%より多く混合した場合には可
塑化効果は得られるものの実際には可塑化に関与しない
過剰分の可塑剤が生じ、これら過剰の可塑剤は成形体中
に空隙として残り成型体の品位の低下をきたす。例えば
可塑剤として水を用いた場合、混合される水の量として
は混合物全体に対して1〜75重量%が好ましく、30
〜70重量%が特に好ましい。
【0013】可塑剤は1種類の化合物を単独で用いても
良いし、また、2種類以上を混合して用いても良い。ま
た、ポリケトンと可塑剤の混合物中には、必要に応じ
て、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑材、染
料、顔料、架橋材、帯電防止剤、他の高分子材料、無機
強化材などを添加混合することができる。ポリケトンと
可塑剤を混合する際には、できるだけ酸素が混入しない
ようにすることが好ましい。具体的には、ポリケトン粒
子中や粒子間に含まれる空気を除去してから可塑剤と混
合することや、窒素やアルゴン等の不活性ガスに置換し
てから可塑剤と混合することが好ましい。また可塑剤に
ついても、ポリケトンと混合する前に可塑剤に含有され
る酸素を除去することが好ましい。これは、成形時にポ
リケトンが熱劣化することを防ぐためである。
【0014】上記の条件で混合されたポリケトンと可塑
剤の混合物は、用途、目的に応じて金型成形、押し出し
成形、圧縮成形等の加工成形に供される。成形時の温度
は、(ポリケトンの融点−100)℃〜(ポリケトンの
融点−10)℃であることが必要である。成形時の温度
が(ポリケトンの融点−10)℃を越えるとポリケトン
の熱変性が起こってしまう。また、成形時の温度を(ポ
リケトンの融点−100)℃より低くするためには多量
の可塑剤を混合する必要があり、実用的でない。好まし
くは(ポリケトンの融点−50)℃〜(ポリケトンの融
点−20)℃である
【0015】例えばポリケトンとして下記構造式(3)
で示されるエチレンと一酸化炭素の完全交互共重合体
(融点255℃)を用い、可塑剤として水を用いた場
合、成形温度は190℃〜240℃が好ましい。
【化4】
【0016】また、ポリケトンとして下記構造式(4)
で示されるエチレンとプロピレンと一酸化炭素の三元交
互共重合体(エチレンとプロピレンのモル比=94:
6、融点225℃)を用い、可塑剤として水を用いた場
合は、成形温度は180℃〜210℃が好ましい。
【化5】
【0017】ポリケトンと可塑剤の混合物の成形時の圧
力は0.1〜30MPaであることが必要である。0.
1MPa未満の圧力であると成形時にポリケトンと可塑
剤の混合物が所望の温度に達せず、成形は不可能であ
る。また、成形時の圧力が30MPaを超えると、成形
のための設備が必要以上に重厚となり、また、安全性の
面から工業的に成形することが出来ない。このため、本
発明における成形時の圧力は0.1〜30MPaである
ことが必要であり、好ましくは0.5〜20MPa、特
に好ましくは1〜10MPaである。
【0018】ポリケトンに混合された可塑剤は、可塑化
成形時及び/又は成形後に除去されるが、その際、5M
Pa/秒を超えない圧力降下速度でポリケトンから除去
しながら成形することが好ましい。混合した可塑剤をポ
リケトンから除去せずに成形を行った場合、可塑剤は圧
力を開放した瞬間にポリケトンを発泡させることがあ
る。この発泡は成形体の外観を著しく害するばかりか、
場合によっては成形そのものが不可能となってしまう。
また、可塑剤が5MPa/秒より大きい圧力降下速度で
ポリケトンから除去された場合には、成形体内部に空孔
が形成されて成形体の強度が低下したり、成形体の外観
を著しく害することがある。可塑剤の除去方法として
は、例えば公知のベント付き金型成形機を用いる、金型
内に押し出した後に金型内の圧力を降下させる、液状媒
体中に押し出して冷却する等の手段があるが、これに限
定されるものではない。
【0019】以上のような方法で製造された成形体は溶
融成形法や湿式成形法で得られる製品と同等の優れた機
械的特性、熱的特性を有する。本発明において、成形体
とは繊維、フィルム、棒、ブロック、球、筒、鍋状物、
布、織編物、シート、多層積層物等のポリケトンからな
る人工物を意味する。例えば、繊維やフィルムとして用
いる場合、その機械的特性としては、強度が好ましくは
0.05GPa以上、より好ましくは0.2GPa以
上、特に好ましくは0.5GPa以上であることが望ま
しく、熱的特性としては、融点が220℃以上、より好
ましくは240℃以上、特に好ましくは260℃以上で
あることが望ましい。このような繊維、フィルム等の成
形体は、衣料用途、ゴムや樹脂・セメント・光ファイバ
ー等の補強材料、電子材料、電池材料、土木資材、医療
用資材、生活資材、漁獲資材、包装資材等の幅広い用途
に適用することが出来る。
【0020】
【実施例】以下、本発明を下記の実施例などにより具体
的に説明するが、それらは本発明の範囲を限定するもの
ではない。本発明に用いられる各測定値の測定方法は次
の通りである。 (1)極限粘度 極限粘度[η]は次の定義式に基づいて求められる値で
ある。 [η]=lim(T−t)/(t・C) (dl/g) C→0 定義式の中のt及びTは、純度98%以上のヘキサフル
オロイソプロパノール及びヘキサフルオロイソプロパノ
ールに溶解したポリケトンの希釈溶液の25℃での粘度
管の流過時間、Cは上記溶液100ml中のグラム単位
による溶質重量値である。
【0021】(2)融点 パーキンエルマー社製示差熱測定装置Pyris1を用
いて下記条件下で測定を行う。 サンプル重量 : 1mg 測定温度 : 30℃→300℃ 昇温速度 : 20℃/分 雰囲気 : 窒素、流量=200ml/分 得られる吸発熱曲線において100〜300度の範囲に
観測される最大の吸熱ピークのピークトップ温度を融点
とする。 (3)強度 JIS−L−1013に基づいて測定する。
【0022】
【実施例1】純水の入った分液ロートを取り付けた10
0mlの三角フラスコ中に、平均粒径0.05mm、極
限粘度5.8dl/gで実質的に繰り返し単位の100
モル%が前記構造式(1)で示されるポリケトン(融点
257℃)の粉末20gを入れ、減圧度=0.001M
Paで10分間脱気を行った。次に、分液ロート中の水
を40g滴下し、その後空気が入らないように攪拌する
ことにより、ポリケトンと水を混合した(全混合物中の
水の重量=66.7重量%)。
【0023】混合物を、図1に示す厚さ1mmのテフロ
ン(登録商標)シートの型に挟み、圧縮成形機(DAC
−37(商品名)、松田製作所社製)でプレート温度2
00℃、圧力3.0MPaにて10分間加熱圧縮し、圧
縮後に60秒間かけて水蒸気を脱気してフィルムを得
た。フィルムの厚さは0.1mmであり、無色透明の均
質なフィルムであった。このフィルムの強度は0.11
GPa、融点は250℃と実用上十分な特性を有してい
た。図1は、圧縮成形に用いた型の概要を表す図であ
り、図中1は、PTFE製シート、2はPTFE製型
枠、3は脱気口、4はポリマー投入部分であり、4にポ
リマー及び可塑剤を流し込み、1と2を張り合わせて密
閉させて加熱、1の平面と垂直方向に加圧した後に、3
より可塑剤を脱気する。実施例1の成形条件及び成形体
の特性を、以下の実施例2〜5及び比較例1〜3の成形
条件及び成形体の特性と併せて表1にまとめて示す。
【0024】
【実施例2】実施例1において、ポリケトンを平均粒径
0.1mm、極限粘度1.3dl/gで前記構造式
(4)で示されるポリケトン(融点225℃)の粉末2
0gを用い、成形温度を190℃とする以外は同様にし
て圧縮成形を行い、フィルムを得た。フィルムの厚さは
0.1mmであり、無色透明の均質なフィルムであっ
た。このフィルムの強度は0.09GPa、融点は22
2℃と実用上十分な特性を有していた。
【0025】
【実施例3】実施例1において、ポリケトンと混合する
水の量を2.0g(全混合物中の水の重量=9.1重量
%)、プレート温度を240℃、圧力を5.0MPaと
する以外は同様にして圧縮成形を行い、フィルムを得
た。フィルムの厚さは0.1mmであり、無色透明の均
質なフィルムであった。このフィルムの強度は0.10
GPa、融点は250℃と実用上十分な特性を有してい
た。
【実施例4】実施例1で得られたポリケトンフィルムを
厚さ0.1mm、幅1mm、長さ70mmの短冊状に切
り取り、260℃で6倍延伸することにより繊維状成形
体を得た。この繊維の強度は0.47GPa、融点は2
60℃と優れた特性を有していた。
【0026】
【比較例1】実施例1で使用したものと同じポリケトン
を、水と混合しないこと以外は実施例1と同様の方法で
200℃、圧力3.0MPaで圧縮成形した。このとき
得られた成形体は、ポリケトンの粒子が密着して形状を
保っているのみであり、フィルム化はしなかった。この
フィルム状成形体の強度は0.002GPaと全く不十
分なものであり、融点は成形前と全く変化せず257℃
であった。
【比較例2】実施例2で使用したものと同じポリケトン
を、水と混合しないこと以外は実施例2と同様の方法で
190℃、圧力3.0MPaで圧縮成形した。このとき
得られた成形体は、ポリケトンの粒子が密着して形状を
保っているのみであり、フィルム化はしなかった。この
フィルム状成形体の強度は0.001GPaと全く不十
分なものであり、融点は成形前と全く同じ225℃であ
った。
【0027】
【実施例5】実施例2で用いたポリケトンと水の混合物
を二軸押出機(PCM−30(商品名)、池貝製作所社
製)により、フィード部80℃、コンプレッション部1
80℃、メータリング部190℃、圧力10.1MPa
にて加熱混合した。引き続き加熱混合出口に設置したベ
ント部で圧力が0.5MPaになるまで水を除去した後
に、温度210℃の直径2mmφの円形ノズルを経て4
0℃の水槽に押出して直径2mmの繊維を得た。得られ
た繊維は透明であった。この繊維を230℃にて6倍、
235℃にて1.3倍の2段延伸を行い、強度0.50
GPa、融点232℃の繊維を得た。
【0028】
【比較例3】実施例5において、ポリケトンを、水を全
く混合していないものを用いる以外は同様にして押出成
形を行ったところ、円形ノズル部でポリマーが詰まり成
形を行うことが出来なかった。押出部分を直径10mm
φのノズルとしたところ、円筒状の成形体が得られた
が、粉が圧縮して賦形されただけで非常に脆く、強度を
測定をすることが出来なかった。本発明の実施例1〜5
及び比較例1〜3における成形条件及び得られたポリケ
トン成形体の特性を表に示す。
【0029】
【表1】
【0030】
【発明の効果】本発明により、成形時にポリケトンが熱
変性を起こすことがない、効率的、経済的なポリケトン
成形体の製造方法が提供できた。また、本発明の方法で
得られる成形体は実用上十分な強度および外観を持つ成
形体であり、衣料用途、ゴムや樹脂・セメント・光ファ
イバー等の補強材料、電子材料、電池材料、土木資材、
医療用資材、生活資材、漁獲資材、包装資材等の幅広い
分野に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】圧縮成形に用いた型の概要を表す図である。
【符号の説明】
1 PTFE製シート 2 PTFE製型枠 3 脱気口 4 ポリマー投入部分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 73:00 C08L 73:00 Fターム(参考) 4F071 AA69 BB13 BC01 4F204 AA48C AB07 AR03 AR06 FA01 FB01 FF01 FF06 FN12 FN15 4L035 AA02 AA05 BB31 BB89 BB91 DD14

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繰り返し単位の90モル%以上が下記の
    構造式(1)で示され、極限粘度が0.1〜20dl/
    gであるポリケトンに、混合物の全量に対して0.1〜
    80重量%の、ポリケトンを可塑化する液体及び/又は
    気体を混合し、温度(ポリケトンの融点−100)℃〜
    (ポリケトンの融点−10)℃、圧力0.1〜30MP
    aにて成形する工程を含むことを特徴とするポリケトン
    成形体の製造方法。 【化1】
  2. 【請求項2】 混合するポリケトンを可塑化する液体及
    び/又は気体が水であることを特徴とする請求項1記載
    のポリケトン成形体の製造方法。
  3. 【請求項3】 ポリケトンを成形する温度が(ポリケト
    ンの融点−50)℃〜(ポリケトンの融点−20)℃で
    あり、圧力が1〜10MPaであることを特徴とする請
    求項1および2記載のポリケトン成形体の製造方法。
  4. 【請求項4】 成形の過程で、ポリケトンを可塑化する
    液体及び/又は気体を5MPa/秒を超えない圧力降下
    速度でポリケトンから除去しながら成形することを特徴
    とする請求項1から3のいずれか1項に記載のポリケト
    ン成形体の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1から4のいずれか1項に記載の
    方法で成形されることを特徴とするポリケトン成形体。
  6. 【請求項6】 請求項1から4のいずれか1項に記載の
    方法で成形されることを特徴とするポリケトン繊維。
  7. 【請求項7】 請求項1から4のいずれか1項に記載の
    方法で成形されることを特徴とするポリケトンフィル
    ム。
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