JP2003189939A - ブラシ付回転体 - Google Patents

ブラシ付回転体

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JP2003189939A
JP2003189939A JP2001398203A JP2001398203A JP2003189939A JP 2003189939 A JP2003189939 A JP 2003189939A JP 2001398203 A JP2001398203 A JP 2001398203A JP 2001398203 A JP2001398203 A JP 2001398203A JP 2003189939 A JP2003189939 A JP 2003189939A
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JP
Japan
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cylinder
wheel
brush
pile yarn
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JP2001398203A
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English (en)
Inventor
Yasuyuki Ohara
康之 大原
Hajime Takami
肇 高見
Shogo Ando
将吾 安藤
Jun Nakajima
潤 中島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tsuchiya TSCO Co Ltd
Original Assignee
Tsuchiya TSCO Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 組み付け作業を簡易に行うことができるとと
もに、パイル糸の毛倒れや、抜け落ち、基布のほつれを
抑制して耐久性の向上を図ることができるブラシ付回転
体を提供する。 【解決手段】 ブラシ付回転体は円筒状をなすホイール
11と、同ホイール11の外周面に装着されたベロア材
31とより構成されている。ホイール11は本体筒12
と、同本体筒12内に嵌合される挿入筒13との合計2
つの部品で形成されている。本体筒12及び挿入筒13
の外周面にはそれぞれ第1支持突起18及び第2支持突
起19が突設されており、これら第1支持突起18及び
第2支持突起19は本体筒12内に挿入筒13が嵌合さ
れた状態でベロア材31の両側面を支持するように配置
されている。そして、ベロア材31のパイル糸33は第
1支持突起18及び第2支持突起19の間で立毛状態を
維持されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電気掃除機、台
車、机、箪笥等の抽斗等の移動体がフローリング、タイ
ル等の床面、机本体、箪笥本体等の支持体に対して移動
するとき、その移動を円滑化するとともに、移動に伴っ
て発生する打音、支持体の傷付き等のような不具合を抑
制するためのブラシ付回転体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、上記のブラシ付回転体は、図8
(a),(b)に示すように、ホイール51と、同ホイ
ール51に装着されたベロア材52とを備えている。当
該ホイール51は、横向きの円筒状なす本体筒53と、
同本体筒53に対して両側方からその内部に嵌合された
円筒状なす一対の挿入筒54との合計3つの部材から形
成されている。各挿入筒54の外端の外周面にはそれぞ
れ円環状をなすフランジ55が突設されている。これら
フランジ55は、その外径が本体筒53の外径と同じ長
さとなるように形成されている。
【0003】前記ベロア材52は、帯状をなす基布56
と同基布56上で起毛された複数本のパイル糸57とよ
り形成されている。同ベロア材52は、接着剤によって
ホイール51の本体筒53の外周面に接着されている。
当該ベロア材52は本体筒53よりも幅広に形成されて
おり、本体筒53の外周面上から横方向へはみ出たベロ
ア材52の両側端縁部は本体筒53の端面53a上へそ
れぞれ折り曲げられ、両側の端面53aに接着されてい
る。
【0004】この状態で一対の挿入筒54が本体筒53
の内部に両側方から嵌合されることにより、ベロア材5
2の両側端縁部が各フランジ55と端面53aとの間に
それぞれ挟み込まれて係止されている。このように両側
端縁部が係止されることにより、ベロア材52はホイー
ル51に対し、横方向への位置ずれを規制された状態で
装着されている。そして、ベロア材52が装着されたホ
イール51は、挿入筒54の内部に回転軸を挿通させる
ことにより、同回転軸を介して移動体又は支持体に取付
けられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
ブラシ付回転体は、例えばベロア材52が位置ずれしな
いようにするため、本体筒53に対する各挿入筒54の
嵌合作業をそれぞれ順番に行わねばならない。また、本
体筒53の内部にベロア材52の端縁部が入り込まない
ようにするため、ベロア材52の本体筒53への接着作
業は、各端縁部が本体筒53の外周面上から均等に横方
向へはみ出るように細かな位置調整をしながら行わねば
ならない。そして、これらの理由により、ベロア材5
2、本体筒53及び一対の挿入筒54の組み付け作業が
煩雑であるという問題があった。
【0006】また、フランジ55の外径と本体筒53の
外径とが同じ長さであることから、パイル糸57は互い
に支持しあうことで立毛状態を維持している。このた
め、横方向から加わる応力でブラシ付回転体の両端部に
位置するパイル糸57がすぐに毛倒れしてしまい、これ
に伴ってパイル糸57全体が毛倒れしてしまう。特に、
ベロア材52の両側端縁部においては、ベロア材52が
折り曲げられることによりパイル糸57が製造時から毛
倒れしている。このため、パイル糸57の立毛状態を維
持しにくく、またパイル糸57の根元を支持する基布5
6が外部に露出されやすくなっている。加えて、ベロア
材52を折り曲げる箇所が本体筒53の端部の角部であ
ることから、ここに応力が集中しやすく、毛倒れ、抜け
落ち、基布56のほつれ等が高い確率で発生してしまう
ため、耐久性の向上を図りにくいという問題があった。
【0007】この発明は、このような従来技術に存在す
る問題点に着目してなされたものである。その目的とす
るところは、組み付け作業を簡易に行うことができると
ともに、パイル糸の毛倒れや、抜け落ち、基布のほつれ
を抑制して耐久性の向上を図ることができるブラシ付回
転体を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に記載のブラシ付回転体の発明は、回転
可能に取付けられた筒状をなすホイールと、同ホイール
の外周面に装着された基布及び同基布上に起毛されたパ
イル糸よりなるベロア材とを備えるとともに、前記ホイ
ールを本体筒と、同本体筒の内部に嵌合される挿入筒と
の合計2つの部材で構成し、本体筒及び挿入筒の外周面
には本体筒に挿入筒を嵌合した状態でベロア材の両側面
を支持するように配置される一対の支持突起をそれぞれ
突設し、両支持突起の間でパイル糸を立毛状態に維持す
ることを特徴とするものである。
【0009】請求項2に記載のブラシ付回転体の発明
は、請求項1に記載の発明において、前記支持突起の外
端縁から外方へ突出するパイル糸の長さが0.5〜5m
mであることを特徴とするものである。
【0010】請求項3に記載のブラシ付回転体の発明
は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記
パイル糸をナイロン繊維より形成することを特徴とする
ものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態を、図
面に基づいて詳細に説明する。図1及び図2に示すよう
に、ブラシ付回転体は、略円筒状をなすホイール11
と、同ホイール11の外周面に装着されたベロア材31
とから構成されている。同ブラシ付回転体は、そのホイ
ール11が図示しない移動体としての電気掃除機のヘッ
ドの底面に、同じく図示しない回転軸を介して回転可能
に取付けられている。使用時においてブラシ付回転体の
ホイール11は、図示しない支持体としてのフローリン
グ、タイル等の床面上にヘッドを載せて移動するときに
回転し、当該ヘッドの床面に対する移動を円滑化するよ
うに機能している。そして、ベロア材31は、ホイール
11の床面への接触を抑制することにより、ホイール1
1の回転に伴って発生する打音、床面の傷付き等のよう
な不具合を抑制するように機能している。
【0012】ここで、前記ベロア材31の構成について
説明する。図3及び図4(a),(b)に示すように、
ベロア材31は織布よりなる帯状の基布32と、当該基
布32に対してその表面で起毛するようにパイル織りで
織り込まれた複数本のパイル糸33とを備えている。前
記基布32を形成する織布は、互いに交差又は直交する
方向に延びる複数本のタテ糸35及びヨコ糸36を織り
上げて得られる。パイル糸33は基布32のヨコ糸36
に絡ませるようにして織り込まれている。また、ベロア
材31を形成する基布32の幅方向の両端部には、パイ
ル糸33が織り込まれず、その上面が外部に露出された
係止部31aが設けられている。
【0013】基布32の裏面には合成樹脂製のコーティ
ング層34が設けられている。該コーティング層34
は、例えばスチレン−ブタジエン共重合ゴム等のゴム系
溶剤型接着剤、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリメ
タクリル酸メチル等の接着性樹脂、高分子エマルション
等の合成樹脂よりなる接着性を有するコーティング剤よ
り形成されている。このコーティング剤が基布32を形
成する織布の織り目に含浸されることにより、基布32
のほつれが防止されるとともに、パイル糸33の基端部
と基布32とが接合されている。
【0014】コーティング層34の裏面には貼付層37
が設けられている。該貼付層37は硬化した後でも柔軟
性を有する接着剤により形成されるのが好ましい。さら
に、貼付層37は曲げた状態でも使用することができる
ように曲面状に変形可能な材料により形成されるのが好
ましい。このような性質を有する接着剤として、ゴム
系、アクリル系等の感圧接着剤が用いられる。この貼付
層37はコーティング層34の裏面に感圧接着剤を塗布
する又は芯材の両面に感圧接着剤を塗布してなる両面粘
着テープを貼付して形成される。
【0015】前記パイル糸33は、耐久性、柔軟性が高
く、摺動性の良い複数本の繊維を撚糸加工することによ
り形成されている。このような繊維としては、ナイロン
繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエステル繊維、アクリ
ル系モノマーと塩化ビニルの共重合体よりなるモダアク
リル繊維、アクリル繊維、フッ素繊維等の合成繊維、レ
ーヨン繊維、キュプラ繊維等の再生繊維等が挙げられ
る。前記フッ素樹脂としては、ポリテトラフルオロエチ
レン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフル
オロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、エチ
レン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、
ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等が挙げられる。こ
れらの中でも6−ナイロン(PA6)、6,6−ナイロ
ン(PA66)、12−ナイロン(PA12)、6,1
0−ナイロン(PA610)等のナイロン繊維、ポリプ
ロピレン繊維、ポリエステル繊維は入手が容易であり、
耐摩耗性に優れるとともに、耐久性が高いためより好ま
しい。さらに、ナイロン繊維は耐摩耗性、耐久性が高
く、形状の復元性に優れるため特に好ましい。
【0016】パイル糸33を形成する化学繊維の単繊維
当たりの太さは、好ましくは5〜150デシテックスで
あり、より好ましくは10〜90デシテックスである。
単繊維当たりの太さが5デシテックス未満の場合、糸に
十分な耐久性、耐摩擦性及び剛性を付与しにくく、毛倒
れ、糸切れ及び復元性の低下等の不具合を生じるおそれ
がある。単繊維当たりの太さを150デシテックスより
太くした場合、パイル糸33の剛性が過剰に高くなり、
床面を傷付けたり、床面に対する抵抗が大きくなってブ
ラシ付回転体を回転させることができなくなるおそれが
ある。
【0017】次に、前記ホイール11の構成について説
明する。ホイール11は、ベロア材31が装着される本
体筒12と、同本体筒12の内部に嵌合される挿入筒1
3との合計2つの部材で構成されている。
【0018】図5(a),(b)及び図7(a)に示す
ように、前記本体筒12は横向きの円筒状に形成されて
いる。当該本体筒12の内部を縮径することにより、本
体筒12内の中間部には挿入規制面16が本体筒12の
軸線と直交するように円環状に設けられている。当該挿
入規制面16は、前記挿入筒13を本体筒12内に嵌合
する際、同挿入筒13の挿入を所定位置で規制するもの
である。また、挿入規制面16から図7(a)中で左側
となる本体筒12の外端側の内部には前記回転軸を挿通
するための第1挿通孔15aが設けられている。
【0019】本体筒12の外端の外周面には第1支持突
起18が全周に突設され、環状に形成されている。この
第1支持突起18の内端部の内面には第1係止溝20が
全周に凹設され、円環状に形成されている。また、図2
に示すように、同第1係止溝20の内奥から本体筒12
の内端までの長さは、前記ベロア材31の幅と同じ長さ
とされている。このため、ベロア材31の一方の係止部
31aを第1係止溝20の内奥まで挿入するのみで、ベ
ロア材31の他方の係止部31aを本体筒12の内端に
位置合わせすることが可能となっている。
【0020】図6(a),(b)及び図7(b)に示す
ように、挿入筒13は横向きの円筒状をなし、その外径
が本体筒12の内径とほぼ同じ長さとなるように形成さ
れている。この挿入筒13の内部には回転軸を挿通する
ための第2挿通孔15bが設けられている。本体筒12
に挿入筒13を嵌合した状態で、第2挿通孔15bは前
記第1挿通孔15aと連通するように設けられており、
回転軸は第1挿通孔15a及び第2挿通孔15bを連通
させた状態でこれらの内部に挿通される。
【0021】挿入筒13の外端の外周面には第2支持突
起19が全周に突設され、環状に形成されている。この
第2支持突起19は、その外径が前記第1支持突起18
の外径と同じ長さになるように形成されている。同第2
支持突起19の内端部の内面には第2係止溝21が全周
に凹設され、円環状に形成されている。図2に示すよう
に、当該第2係止溝21は第1係止溝20に比べて幅広
となっており、本体筒12内に挿入筒13を嵌合した
際、その内側に本体筒12の内端部が収容されるように
形成されている。
【0022】上記の本体筒12及び挿入筒13は、耐久
性に優れる合成樹脂より形成されている。このような合
成樹脂としては、アクリロニトリル−ブタジエン−スチ
レン共重合樹脂(ABS樹脂)、ポリプロピレン(P
P)、ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリカ
ーボネート、ポリスチレン等が挙げられる。特に本体筒
12はその外周面にベロア材31が貼り付けられること
から、前に挙げた貼付層37を形成する感圧接着剤に対
して接着性が良好なものを使用することが好ましい。
【0023】図1及び図2に示すように、前記ベロア材
31は、本体筒12の外周面に円環状をなすように巻回
した状態で貼付層37を介して貼り付けられている。こ
の本体筒12に貼り付けた際、互いに突き合わされるベ
ロア材31の始端縁31b及び終端縁31cは、それぞ
れホイール11の回転軸線方向と交差する方向に延びる
ように斜めに形成されている。このため、ベロア材31
は始端縁31b及び終端縁31cにホイール11の周方
向から加わる応力を広い面積で分散して受けることが可
能であり、始端縁31b又は終端縁31cからのベロア
材31のめくれ上がりが抑制されている。そして、外周
面にベロア材31が貼り付けられた本体筒12内に前記
挿入筒13が嵌合されることにより、ブラシ付回転体が
形成されている。
【0024】本体筒12内に挿入筒13が嵌合された状
態で第1支持突起18及び第2支持突起19は、ベロア
材31の両側面を覆い、これを支持するように配置され
ている。この状態でベロア材31のパイル糸33と、第
1支持突起18及び第2支持突起19のそれぞれの内面
とが接触しており、ベロア材31の両側部に位置するパ
イル糸33の横方向への毛倒れが抑制されている。この
ため、ベロア材31の幅方向に並ぶ全てのパイル糸33
が第1支持突起18及び第2支持突起19により両側方
から挟み込まれるようにして支持されており、第1支持
突起18及び第2支持突起19の間で立毛状態を維持さ
れている。そして、第1支持突起18及び第2支持突起
19の間で、これらの外端縁よりも外方へ突出したパイ
ル糸33の先端部が床面に接触することにより、ホイー
ル11と床面との接触が防止されている。
【0025】図2中で示すように、第1支持突起18及
び第2支持突起19の外端縁から外方へ突出するパイル
糸33の長さHは0.5〜5mmとすることが好まし
く、1〜3mmとすることがより好ましい。長さHが
0.5mm未満の場合、ホイール11と床面との接触を
完全に防止することができず、打音、床面の傷付き等の
不具合を発生させるおそれがある。5mmより長い場
合、本体筒12に挿入筒13を組み付ける際に本体筒1
2内等にパイル糸33が入り込み、組み付け作業が繁雑
になるおそれがあるとともに、パイル糸33が毛倒れし
やすくなる。
【0026】また、本体筒12内に挿入筒13が嵌合さ
れた状態で基布32の各係止部31aは、第1係止溝2
0及び第2係止溝21内にそれぞれ収容されている。こ
の状態でベロア材31が本体筒12から剥がれてめくれ
上がろうとしても、両係止部31aが第1係止溝20及
び第2係止溝21の内面で引っ掛かり、これらに係止さ
れることにより、ベロア材31のめくれ上がりが防止さ
れている。また、第1係止溝20及び第2係止溝21内
には基布32の各係止部31aが収容された状態で若干
の空隙が設けられており、同空隙分が余裕となり、第1
係止溝20及び第2係止溝21に各係止部31aを挿入
させやすくなっている。
【0027】次に、前記ブラシ付回転体の作用について
以下に記載する。さて、ブラシ付回転体を組み立てると
きには、まず第1の工程としてベロア材31の貼付作業
が行われる。同貼付作業を行うときには、図1に示した
ように、最初に基布32の一方の係止部31aを第1支
持突起18の第1係止溝20内に挿入しつつ、ベロア材
31の始端縁31bが本体筒12の外周面に貼り付けら
れる。このまま、ベロア材31は基布32の一方の係止
部31aを第1係止溝20内に挿入しつつ、その終端縁
31cまで本体筒12に貼り付けられる。すると、ベロ
ア材31は基布32の他方の係止部31aが本体筒12
の内端に位置合わせされた状態で貼り付けられ、これで
ベロア材31の貼付作業が終了する。
【0028】次に、第2の工程として、本体筒12に対
する挿入筒13の組付作業が行われる。同組付作業は、
本体筒12内に挿入筒13を挿入することにより行われ
る。そして、挿入筒13の内端面が本体筒12の挿入規
制面16に接触するまで本体筒12内に挿入筒13を挿
入したとき、本体筒12に挿入筒13が嵌合される。こ
のとき、第2係止溝21内には本体筒12の内端部とと
もに基布32の他方の係止部31aが収容される。組付
作業が終了すると、第1支持突起18及び第2支持突起
19の間でベロア材31のパイル糸33が立毛状態を維
持され、ブラシ付回転体の組み立てが完了する。そし
て、組み立てられたブラシ付回転体は、第1挿通孔15
a及び第2挿通孔15bに回動軸を挿通し、同回動軸を
介して電気掃除機のヘッドの底面に回転可能に取着され
る。
【0029】電気掃除機を使用するため、ヘッドを床面
上で移動させるとき、ブラシ付回転体は、ホイール11
の第1支持突起18及び第2支持突起19の間から突出
したベロア材31のパイル糸33を床面に接触させる。
この状態でヘッドの底面でホイール11が回転軸を中心
に回転することにより、床面に対するヘッドの移動が円
滑化される。
【0030】ホイール11の回転時において、パイル糸
33は第1支持突起18及び第2支持突起19の間で立
毛状態を維持されることから、大きく曲がったり、パイ
ル糸33を形成する繊維同士の間隔が拡がったり等の不
具合の発生を防止される。このため、ホイール11の回
転方向から応力が加わるときのみならず、回転軸線方向
から応力が加わるときにも、床面にはパイル糸33の先
端部のみが接触され、合成樹脂製のホイール11と床面
との接触が防止される。そして、ホイール11と床面と
の接触による打音の発生、床面の傷付き等のような不具
合の発生が防止される。
【0031】前記の実施形態によって発揮される効果に
ついて、以下に記載する。 ・ 実施形態のブラシ付回転体は、円筒状をなすホイー
ル11と、同ホイール11の外周面に装着された基布3
2及び同基布32上に起毛されたパイル糸33よりなる
ベロア材31とで構成されている。このブラシ付回転体
が床面上で回転するときには、同ブラシ付回転体はホイ
ール11に装着されたベロア材31のパイル糸33の先
端部を床面に接触させる。このため、ホイール11と床
面との接触を防止することが可能であり、ホイール11
と床面との接触による打音の発生、床面の傷付き等のよ
うな不具合の発生を防止することができる。
【0032】・ 当該ブラシ付回転体のホイール11
は、本体筒12と挿入筒13との2つの部品より形成さ
れている。そして、ブラシ付回転体の組み付け作業は、
本体筒12に対するベロア材31の貼付作業と、本体筒
12に対する挿入筒13の組付作業との2つの工程で完
了する。このため、ブラシ付回転体の組み付け作業を簡
易かつ迅速に行うことができる。
【0033】・ また、本体筒12の長さがベロア材3
1の幅とほぼ同じ長さであることから、ベロア材31の
一方の側縁を本体筒12に合わせるのみで本体筒12に
対するベロア材31の位置合わせを行うことができる。
このため、本体筒12に対するベロア材31の位置を確
認しながら微調整する等のような煩雑な作業を行わずと
もよく、上記の本体筒12に対するベロア材31の貼付
作業をより簡易に行うことができる。
【0034】・ より具体的には、本体筒12に突設さ
れた第1支持突起18の内面側の内周縁から本体筒12
の内端までの本体筒12の幅がベロア材31の幅と同じ
長さである。このため、ベロア材31の一方の側縁を本
体筒12に合わせる作業も、第1支持突起18の内面に
ベロア材31の一方の側縁を押し当てるのみで行うこと
が可能であり、本体筒12に対するベロア材31の位置
合わせ作業を簡易に行うことができる。
【0035】・ 上記の本体筒12及び挿入筒13の外
周面には第1支持突起18及び第2支持突起19がそれ
ぞれ突設されている。これら第1支持突起18及び第2
支持突起19は、本体筒12に挿入筒13を嵌合した状
態でベロア材31の両側方に配置され、ベロア材31の
両側面を覆い、これを支持するように構成されている。
このため、ベロア材31の側面において基布32及びパ
イル糸33の根元部が外部に露出されず、基布32及び
パイル糸33の根元部と床面との接触が防止されてい
る。また、ベロア材31の始端及び終端の各面は互いに
突き合わされることによって、外部への露出を防止され
ている。さらに、本体筒12とベロア材31との接合部
分も外部への露出を防止されている。従って、パイル糸
33の先端部のみを床面に接触させることによりパイル
糸33の毛倒れや抜け落ちを抑制することができ、ベロ
ア材31の耐久性を向上させることが可能であり、さら
にベロア材31の本体筒12からのめくれ上がりを防止
することにより、ブラシ付回転体の耐久性の向上を図る
ことができる。なお、パイル糸33の先端部のみを床面
に接触させることにより、パイル糸33で床面を磨くこ
とも可能である。
【0036】・ また、ベロア材31の両側部で起毛さ
れたパイル糸33は、第1支持突起18及び第2支持突
起19の内面に接触されている。このため、ベロア材3
1の幅方向に並ぶパイル糸33の全てを第1支持突起1
8及び第2支持突起19の間で両側方から挟み込むよう
にして立毛状態を良好に維持するように支持することが
できる。
【0037】・ 第1支持突起18及び第2支持突起1
9の間でその外端縁から突出するパイル糸33の長さH
は、0.5〜5mmとされている。このため、組み付け
作業を簡易なものに維持しつつ、ホイール11と床面と
の接触を防止し、かつパイル糸33の毛倒れを効果的に
抑制することができる。
【0038】・ 加えて、パイル糸33は耐摩耗性、耐
久性が高く、復元性に優れるナイロン繊維より形成され
ているため、パイル糸33の耐久性、耐摩耗性を優れた
ものとしつつ、復元性を良好なものとすることができ
る。
【0039】なお、本実施形態は、次のように変更して
具体化することも可能である。 ・ 実施形態ではブラシ付回転体を電気掃除機のヘッド
の底面に取り付けたが、これに限らず電気掃除機の本体
部の車輪にブラシ付回転体を適用してもよい。また、電
気掃除機に限らず、例えば台車等のキャスター、机、箪
笥等の抽斗等を移動体としてこれらの移動を円滑化する
ものとしてブラシ付回転体を適用してもよい。さらに
は、机、箪笥等においては抽斗の移動を支持する机本
体、箪笥本体等を支持体とし、この支持体にブラシ付回
転体を取り付けてもよい。加えて、コンベアにおいて、
支持台を支持体とし、同支持台に支持されるベルトを移
動体として、支持台にブラシ付回転体を取着し、ベルト
の移動を円滑化し、打音、傷付き等など抑制するととも
に、ブラシ付回転体で同ベルトからごみ、塵埃等を取り
除くように構成してもよい。
【0040】・ 第1係止溝20及び第2係止溝21の
うち少なくとも一方を省略して構成してもよい。この場
合、第1支持突起18及び第2支持突起19の内面にパ
イル糸33を有効に接触させることができるように、ベ
ロア材31をその係止部31aを省略し、基布32の側
縁までパイル糸33を織り込んで形成することが好まし
い。
【0041】・ 例えば、挿入筒13の内端面の中心に
円筒状をなす軸受部を突設し、本体筒12内には当該軸
受部を挿入するための軸受挿入孔を設けるとともに、軸
受部の内部と挿入筒13の内部とを連通させて回転軸を
挿通するための挿通孔を設けてもよい。このように構成
した場合、同挿通孔内で本体筒12と挿入筒13との境
界部が露出されないように構成することが可能であり、
ホイール11の回転時に回動軸から加わる応力で本体筒
12と挿入筒13とが脱着されることを防止することが
できる。
【0042】・ 第1支持突起18及び第2支持突起1
9は必ずしも環状に設けられている必要はなく、これら
の間でパイル糸33を支持することが可能であるなら
ば、本体筒12及び挿入筒13の外周面の一部に円弧状
に設けてもよい。また、これに伴い第1係止溝20及び
第2係止溝21を円弧状に設けてもよい。
【0043】・ 実施形態でベロア材31は、本体筒1
2の外周面にのみ貼り付けられていたが、これに限ら
ず、例えばベロア材31が貼り付けられる面上に本体筒
12と挿入筒13との境界部を露出させ、ベロア材31
が本体筒12及び挿入筒13のそれぞれの外周面に貼り
付けられるように構成してもよい。また、ホイール11
の外周面上におけるベロア材31の位置ずれを規制でき
るのであれば、ベロア材31をホイール11に必ずしも
貼り付ける必要はなく、貼付層37を省略して構成して
もよい。
【0044】さらに、前記実施形態より把握できる技術
的思想について以下に記載する。 ・ 前記ベロア材の裏面には合成樹脂製のコーティング
剤より形成されるコーティング層を設けることを特徴と
する請求項1から請求項3のいずれかに記載のブラシ付
回転体。このように構成した場合、パイル糸の抜け落ち
を効果的に抑制することができる。
【0045】・ 前記ベロア材はホイールの回転方向に
延びる帯状に形成されるとともに、ホイールに装着した
ときに互いに突き合わされる同ベロア材の始端縁及び終
端縁をそれぞれホイールの回転軸線方向と交差する方向
に延びるように斜めに形成することを特徴とする請求項
1から請求項3のいずれかに記載のブラシ付回転体。こ
のように構成した場合、ホイールに対するベロア材のめ
くれ上がりを良好に抑えてホイールからのベロア材の剥
がれ落ちを効果的に抑制することができる。
【0046】・ 前記本体筒及び挿入筒のうち少なくと
も一方には支持突起を全周に突設して同支持突起を環状
に形成することを特徴とする請求項1から請求項3のい
ずれかに記載のブラシ付回転体。このように構成した場
合、支持突起によってベロア材が覆われる面積を拡げる
ことができ、パイル糸の立毛状態を効果的に維持するこ
とができる。
【0047】・ 前記支持突起の内面に係止溝を凹設
し、当該係止溝内にベロア材の基布の端縁を収容するこ
とを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載
のブラシ付回転体。このように構成した場合、ベロア材
の端部を係止することができ、ホイールからのベロア材
の剥がれ落ちを防止することができる。
【0048】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明によれ
ば、次のような効果を奏する。請求項1に記載の発明に
よれば、組み付け作業を簡易に行うことができるととも
に、パイル糸の毛倒れや、抜け落ち、基布のほつれを抑
制して耐久性の向上を図ることができる。
【0049】請求項2に記載の発明によれば、請求項1
に記載の発明の効果に加えて、組み付け作業を簡易なも
のに維持しつつ、ホイールと床面との接触を防止し、か
つパイル糸の毛倒れを効果的に抑制することができる。
【0050】請求項3に記載の発明によれば、請求項1
又は請求項2に記載の発明の効果に加えて、パイル糸の
耐久性、耐摩耗性を優れたものとしつつ、復元性を良好
なものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態のブラシ付回転体を組み立てる状態
を示す分解斜視図。
【図2】 ブラシ付回転体を示す一部を拡大した断面
図。
【図3】 ベロア材を示す斜視図。
【図4】 (a)はベロア材を示す正断面図、(b)は
ベロア材を示す側断面図。
【図5】 (a)は本体筒を示す正面図、(b)は本体
筒を示す背面図。
【図6】 (a)は挿入筒を示す正面図、(b)は挿入
筒を示す背面図。
【図7】 (a)は本体筒を示す断面図、(b)は挿入
筒を示す断面図。
【図8】 (a)は従来のブラシ付回転体を組み立てる
状態を示す分解斜視図、(b)は従来のブラシ付回転体
を示す断面図。
【符号の説明】
11…ホイール、12…本体筒、13…挿入筒、18…
支持突起としての第1支持突起、19…支持突起として
の第2支持突起、31…ベロア材、32…基布、33…
パイル糸。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安藤 将吾 愛知県知立市牛田町裏新切43番地1 槌屋 ティスコ 株式会社内 (72)発明者 中島 潤 愛知県知立市牛田町裏新切43番地1 槌屋 ティスコ 株式会社内 Fターム(参考) 3B202 AA24 AB12 BA03 BC01 BC04 EA01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転可能に取付けられた筒状をなすホイ
    ールと、同ホイールの外周面に装着された基布及び同基
    布上に起毛されたパイル糸よりなるベロア材とを備える
    とともに、前記ホイールを本体筒と、同本体筒の内部に
    嵌合される挿入筒との合計2つの部材で構成し、本体筒
    及び挿入筒の外周面には本体筒に挿入筒を嵌合した状態
    でベロア材の両側面を支持するように配置される一対の
    支持突起をそれぞれ突設し、両支持突起の間でパイル糸
    を立毛状態に維持することを特徴とするブラシ付回転
    体。
  2. 【請求項2】 前記支持突起の外端縁から外方へ突出す
    るパイル糸の長さが0.5〜5mmであることを特徴と
    する請求項1に記載のブラシ付回転体。
  3. 【請求項3】 前記パイル糸をナイロン繊維より形成す
    ることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のブラ
    シ付回転体。
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