JP2003189898A - 骨・関節疾患の予防・治療薬のスクリーニング方法 - Google Patents

骨・関節疾患の予防・治療薬のスクリーニング方法

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JP2003189898A
JP2003189898A JP2002280158A JP2002280158A JP2003189898A JP 2003189898 A JP2003189898 A JP 2003189898A JP 2002280158 A JP2002280158 A JP 2002280158A JP 2002280158 A JP2002280158 A JP 2002280158A JP 2003189898 A JP2003189898 A JP 2003189898A
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acid sequence
salt
protein
dna
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JP2002280158A
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Koji Yoshimura
浩二 吉村
Yuichi Hikichi
裕一 引地
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
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Takeda Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】骨・関節疾患の予防・治療薬のスクリーニング
方法を提供する。 【解決手段】MMP−19とMT3−MMPとを共発現
している細胞を用いることを特徴とするプロテオグリカ
ン分解を促進または阻害する化合物またはその塩のスク
リーニング方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、骨・関節疾患の予
防・治療剤並びに診断薬、および骨・関節疾患の予防・
治療に有効な化合物のスクリーニング方法などに関す
る。
【0002】
【従来の技術】軟骨はコラーゲンやプロテオグリカンか
らなる組織であるが、リウマチや変形性関節症などの関
節疾患においてはこれらの蛋白質が破壊されていること
が数多く報告されている。また、こういった軟骨中の蛋
白質を分解するプロテアーゼはマトリックスメタロプロ
テアーゼ(MMP)ファミリーやディスインテグリンメタロ
プロテアーゼ(ADAM)ファミリーといったメタロプロテ
アーゼが主であることが金属要求性などから示されてい
る(非特許文献1参照)。MMP-19はリウマチ患者の自己抗
原になっていること、また、実際にリウマチ患者で発現
していることが報告されている(非特許文献2参照)。し
かしながら、これらの報告では、MMP-19が軟骨基質を分
解するかどうかは確かめられていなかった。MT3-MMPに
ついても同様で、リウマチなどにおいて発現しているこ
とが示されているが、軟骨破壊への関与は直接的に示さ
れていない(非特許文献3参照)。また、Seikiの報告
にあるように、MT1-MMP、MT2-MMP、MT3-MMPのような膜結
合型MMPはMMP-2やMMP-13の活性化に関与するといわれて
いる(非特許文献4参照)ものの、MMP-19活性化のメカ
ニズムはまったく不明であった。Stracke JO.らはMMP-1
9の活性化体を大腸菌組み換え蛋白質として調製し、一
方、組織から抽出、精製したプロテオグリカンを基質と
して両者を反応させ、プロテオグリカンをMMP-19が切断
することを示している(非特許文献5参照)。この場合、
プロテアーゼ蛋白質、基質蛋白質の調製は特殊な機器、
多数の工程を要すること、また、通常メタロプロテアー
ゼは生体内では前駆型として生成されるが、この場合は
活性化体発現ベクターを用いており、生体における活性
化とは大きく異なっていること、さらには軟骨組織から
基質を抽出してきて用いた場合も本来の軟骨中における
高次構造を再現しているかどうか疑わしい点などから、
活性の評価、判断は難しかった。このことはMT3-MMPをは
じめ、多くのMMP組換えタンパクが、組織などから抽出、
精製したプロテオグリカンを基質とすると試験管内では
切断してしまう(非特許文献6参照)ことからも裏付けら
れる。膜結合型MMPと可溶型MMPを動物細胞株に共発現さ
せて、活性化の有無を見る方法は主にザイモグラフィー
という方法で確かめられているが、MMP-19のようにゼラ
チンに対する活性が低いプロテアーゼを用いる場合は確
認が困難であり、なにより軟骨破壊との関連性を示し得
る方法ではなかった。
【0003】
【非特許文献1】Arner EC. ら Osteoarthritis Carti
lage 1998;6(3):214-228
【非特許文献2】Sedlacek R.ら Immunobiology 1998
;198(4):408-423
【非特許文献3】Pap t.ら Arthritis Rheum 2000 ;43
(6):1226-1232
【非特許文献4】APMIS 1999; 107(1):137-143
【非特許文献5】J Biol Chem 2000; 275(20):14809-14
816
【非特許文献6】Shimada T.ら Eur J Biochem 1999 ;
262(3):907-914
【0004】
【発明が解決しようとする課題】軟骨組織は関節表面を
おおい、摩擦の少ない構造を持っており、円滑な運動を
可能としている。しかし、リウマチや変形性関節症など
の関節疾患に罹患すると関節部分の滑膜細胞や、免疫系
の細胞あるいは軟骨細胞自身の産するプロテアーゼによ
り、軟骨構成成分であるコラーゲンやプロテオグリカン
が破壊され、円滑な運動の制限や痛みを伴うようにな
る。これら軟骨の破壊が問題となっている疾患におい
て、軟骨を破壊するプロテアーゼ特異的に作用する安価
で、効果的な優れた医薬品の創製が切望されていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】我々は鋭意研究を重ねた
結果、MMP-19遺伝子と、MT3-MMP遺伝子の発現ベクター
を動物細胞に導入しプロテアーゼ蛋白質を発現させ、か
つ、動物由来軟骨組織あるいは軟骨細胞と共存培養する
ことによってプロテオグリカンの分解が起こることを見
出した。本法を用いれば、生体軟骨組織細胞外マトリク
スの高次構造を高度に再現した基質に対する分解活性が
評価でき、上述のような大腸菌由来の組換え蛋白質を用
いる場合などよりもより生体や、病態に近い形でかつ簡
便に活性を見ることができる。また、このことは前駆型
MMP-19の活性化にMT3-MMPが関与しているという新規な
知見をも含有しており、本発明者らは、これらの知見に
基づいて、さらに検討を重ねた結果、本発明を完成する
に至った。すなわち、本発明は、(1)配列番号:1
で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一の
アミノ酸配列を含有する蛋白質もしくはその部分ペプチ
ドまたはその塩と配列番号:3で表されるアミノ酸配
列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有す
る蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩とを組
み合わせて用いることを特徴とするプロテオグリカン分
解を促進または阻害する化合物またはその塩のスクリー
ニング方法、(2)配列番号:1で表されるアミノ酸
配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有
する蛋白質またはその部分ペプチドをコードするDNA
と配列番号:3で表されるアミノ酸配列と同一もしく
は実質的に同一のアミノ酸配列を含有する蛋白質または
その部分ペプチドをコードするDNAとを組み合わせて
用いることを特徴とするプロテオグリカン分解を促進ま
たは阻害する化合物またはその塩のスクリーニング方
法、(3)配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同
一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する蛋白
質もしくはその部分ペプチドまたはその塩と配列番
号:3で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に
同一のアミノ酸配列を含有する蛋白質もしくはその部分
ペプチドまたはその塩とを共発現している細胞を用いる
ことを特徴とするプロテオグリカン分解を促進または阻
害する化合物またはその塩のスクリーニング方法、
(4)配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一も
しくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する蛋白質も
しくはその部分ペプチドまたはその塩と配列番号:3
で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一の
アミノ酸配列を含有する蛋白質もしくはその部分ペプチ
ドまたはその塩とを共発現している細胞と、動物由来の
軟骨組織または軟骨細胞とを、試験化合物の存在下また
は非存在下で共存培養し、それぞれの場合におけるプロ
テオグリカン分解活性を測定し、比較することを特徴と
するプロテオグリカン分解を促進または阻害する化合物
またはその塩のスクリーニング方法、(5)配列番
号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に
同一のアミノ酸配列を含有する蛋白質もしくはその部分
ペプチドまたはその塩と配列番号:3で表されるアミ
ノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を
含有する蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩
とを共発現し得る細胞を試験化合物の存在下または非存
在下で培養し、それぞれの場合におけるプロテオグリカ
ン分解活性を測定し、比較することを特徴とするプロテ
オグリカン分解を促進または阻害する化合物またはその
塩のスクリーニング方法、(6)配列番号:1で表さ
れるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ
酸配列を含有する蛋白質もしくはその部分ペプチドまた
はその塩と配列番号:3で表されるアミノ酸配列と同
一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する蛋白
質もしくはその部分ペプチドまたはその塩とを含有して
なるプロテオグリカン分解を促進または阻害する化合物
またはその塩のスクリーニング用キット、(7)配列
番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的
に同一のアミノ酸配列を含有する蛋白質またはその部分
ペプチドをコードするDNAと配列番号:3で表され
るアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸
配列を含有する蛋白質またはその部分ペプチドをコード
するDNAとを含有してなるプロテオグリカン分解を促
進または阻害する化合物またはその塩のスクリーニング
用キット、(8)配列番号:1で表されるアミノ酸配
列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有す
る蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩と配
列番号:3で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質
的に同一のアミノ酸配列を含有する蛋白質もしくはその
部分ペプチドまたはその塩とを共発現している細胞を含
有してなるプロテオグリカン分解を促進または阻害する
化合物またはその塩のスクリーニング用キット、(9)
上記(1)〜(5)のいずれかに記載のスクリーニング
方法または上記(6)〜(8)のいずれかに記載のスク
リーニング用キットを用いて得られるプロテオグリカン
分解を促進または阻害する化合物またはその塩、(1
0)上記(1)〜(5)のいずれかに記載のスクリーニ
ング方法または上記(6)〜(8)のいずれかに記載の
スクリーニング用キットを用いて得られるプロテオグリ
カン分解を促進または阻害する化合物またはその塩を含
有してなる医薬、(11)上記(1)〜(5)のいずれ
かに記載のスクリーニング方法または上記(6)〜
(8)のいずれかに記載のスクリーニング用キットを用
いて得られるプロテオグリカン分解を阻害する化合物ま
たはその塩を含有してなる骨・関節疾患の予防・治療
剤、(12)骨・関節疾患が軟骨形成異常、骨形成異
常、骨粗鬆症、変形性関節症、慢性関節リウマチ、関節
炎、滑膜炎、代謝性関節症またはスポーツによる関節障
害である上記(11)記載の剤、および(13)上記
(1)〜(5)のいずれかに記載のスクリーニング方法
または上記(6)〜(8)のいずれかに記載のスクリー
ニング用キットを用いて得られるプロテオグリカン分解
を促進する化合物またはその塩を含有してなる椎間板ヘ
ルニアまたは大理石病などの骨・関節疾患の予防・治療
剤を提供する。
【0006】さらに、本発明は、(14)配列番号:
1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一
のアミノ酸配列を含有する蛋白質もしくはその部分ペプ
チドまたはその塩(MMP−19)と配列番号:3で
表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のア
ミノ酸配列を含有する蛋白質もしくはその部分ペプチド
またはその塩(MT3−MMP)とを組み合わせてなる
プロテオグリカン分解促進剤、(15)椎間板ヘルニア
または大理石病などの骨・関節疾患の予防・治療剤であ
る上記(14)記載の剤、(16)配列番号:1で表
されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミ
ノ酸配列を含有する蛋白質またはその部分ペプチドをコ
ードするDNAと配列番号:3で表されるアミノ酸配
列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有す
る蛋白質またはその部分ペプチドをコードするDNAと
を組み合わせてなるプロテオグリカン分解促進剤、(1
7)椎間板ヘルニアまたは大理石病などの骨・関節疾患
の予防・治療剤である上記(14)記載の剤、(18)
配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは
実質的に同一のアミノ酸配列を有する蛋白質またはその
部分ペプチドをコードするDNAの塩基配列に相補的も
しくは実質的に相補的な塩基配列またはその一部を含有
するアンチセンスヌクレオチドと配列番号:3で表さ
れるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ
酸配列を有する蛋白質またはその部分ペプチドをコード
するDNAの塩基配列に相補的もしくは実質的に相補的
な塩基配列またはその一部を含有するアンチセンスヌク
レオチドを含有してなるプロテオグリカン分解阻害剤、
(19)骨・関節疾患の予防・治療剤である上記(1
8)記載の剤、(20)骨・関節疾患が軟骨形成異常、
骨形成異常、骨粗鬆症、変形性関節症、慢性関節リウマ
チ、関節炎、滑膜炎、代謝性関節症またはスポーツによ
る関節障害である上記(19)記載の剤、(21)配
列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質
的に同一のアミノ酸配列を含有する蛋白質またはその部
分ペプチドまたはその塩に対する抗体と配列番号:3
で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一の
アミノ酸配列を含有する蛋白質またはその部分ペプチド
またはその塩に対する抗体とを組み合わせてなるプロテ
オグリカン分解阻害剤、(22)骨・関節疾患の予防・
治療剤である上記(21)記載の剤、(23)骨・関節
疾患が軟骨形成異常、骨形成異常、骨粗鬆症、変形性関
節症、慢性関節リウマチ、関節炎、滑膜炎、代謝性関節
症またはスポーツによる関節障害である上記(21)記
載の剤、(24)配列番号:1で表されるアミノ酸配
列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有す
る蛋白質またはその部分ペプチドまたはその塩に対する
抗体と配列番号:3で表されるアミノ酸配列と同一も
しくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する蛋白質ま
たはその部分ペプチドまたはその塩に対する抗体とを組
み合わせてなる骨・関節疾患の診断薬、(25)骨・関
節疾患が、軟骨形成異常、骨形成異常、骨粗鬆症、変形
性関節症、慢性関節リウマチ、関節炎、滑膜炎、代謝性
関節症またはスポーツによる関節障害である上記(2
4)記載の診断薬、(26)配列番号:1で表される
アミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配
列を有する蛋白質またはその部分ペプチドをコードする
DNAと配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一
もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有する蛋白質ま
たはその部分ペプチドをコードするDNAとを組み合わ
せてなる骨・関節疾患の診断薬、(27)骨・関節疾患
が、軟骨形成異常、骨形成異常、骨粗鬆症、変形性関節
症、慢性関節リウマチ、関節炎、滑膜炎、代謝性関節症
またはスポーツによる関節障害である上記(26)記載
の診断薬、(28)配列番号:3で表されるアミノ酸配
列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有す
る蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩(MT
3−MMP)を含有してなる配列番号:1で表されるア
ミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列
を含有する蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその
塩(MMP−19)の活性化剤、(29)配列番号:3
で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一の
アミノ酸配列を含有する蛋白質またはその部分ペプチド
をコードするDNAを含有してなる配列番号:1で表さ
れるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ
酸配列を含有する蛋白質もしくはその部分ペプチドまた
はその塩の活性化剤、(30)配列番号:1で表される
アミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配
列を含有する蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはそ
の塩の活性化を阻害する化合物またはその塩を含有して
なる骨・関節疾患の予防・治療剤、(31)骨・関節疾
患が軟骨形成異常、骨形成異常、骨粗鬆症、変形性関節
症、慢性関節リウマチ、関節炎、滑膜炎、代謝性関節症
またはスポーツによる関節障害である前記(30)記載
の剤、(32)配列番号:1で表されるアミノ酸配列と
同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する蛋
白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩の活性化を
阻害する化合物またはその塩の有効量を哺乳動物に対し
投与することを特徴とする骨・関節疾患の予防・治療方
法、(33)骨・関節疾患の予防・治療剤を製造するた
めの配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしく
は実質的に同一のアミノ酸配列を含有する蛋白質もしく
はその部分ペプチドまたはその塩の活性化を阻害する化
合物またはその塩の使用、(34)配列番号:1で表さ
れるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ
酸配列を含有する蛋白質もしくはその部分ペプチドまた
はその塩の活性化を促進する化合物またはその塩を含有
してなる骨・関節疾患の予防・治療剤、(35)骨・関
節疾患が椎間板ヘルニアまたは大理石病である前記(3
4)記載の剤、(36)配列番号:1で表されるアミノ
酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含
有する蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩の
活性化を促進する化合物またはその塩の有効量を哺乳動
物に対し投与することを特徴とする骨・関節疾患の予防
・治療方法、および(37)骨・関節疾患の予防・治療
剤を製造するための配列番号:1で表されるアミノ酸配
列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有す
る蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩の活性
化を促進する化合物またはその塩の使用、などを提供す
る。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の配列番号:1で表わされ
るアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸
配列を有する蛋白質(以下、MMP−19と略記する場
合がある)は、ヒトや温血動物(例えば、モルモット、
ラット、マウス、ニワトリ、ウサギ、ブタ、ヒツジ、ウ
シ、サルなど)の細胞(例えば、網膜細胞、肝細胞、脾
細胞、神経細胞、グリア細胞、膵臓β細胞、骨髄細胞、
メサンギウム細胞、ランゲルハンス細胞、表皮細胞、上
皮細胞、内皮細胞、繊維芽細胞、繊維細胞、筋細胞、脂
肪細胞、免疫細胞(例、マクロファージ、T細胞、B細
胞、ナチュラルキラー細胞、肥満細胞、好中球、好塩基
球、好酸球、単球)、巨核球、滑膜細胞、軟骨細胞、骨
細胞、骨芽細胞、破骨細胞、乳腺細胞、肝細胞もしくは
間質細胞、またはこれら細胞の前駆細胞、幹細胞もしく
は癌細胞など)もしくはそれらの細胞が存在するあらゆ
る組織、例えば、脳、脳の各部位(例、網膜、嗅球、扁
桃核、大脳基底球、海馬、視床、視床下部、大脳皮質、
延髄、小脳)、脊髄、下垂体、胃、膵臓、腎臓、肝臓、
生殖腺、甲状腺、胆のう、骨髄、副腎、皮膚、筋肉、
肺、消化管(例、大腸、小腸)、血管、心臓、胸腺、脾
臓、顎下腺、末梢血、前立腺、睾丸、卵巣、胎盤、子
宮、骨、関節、骨格筋など、または血球系の細胞もしく
はその培養細胞(例えば、MEL,M1,CTLL−
2,HT−2,WEHI−3,HL−60,JOSK−
1,K562,ML−1,MOLT−3,MOLT−
4,MOLT−10,CCRF−CEM,TALL−
1,Jurkat,CCRT−HSB−2,KE−3
7,SKW−3,HUT−78,HUT−102,H
9,U937,THP−1,HEL,JK−1,CM
K,KO−812,MEG−01など)に由来する蛋白
質であってもよく、合成蛋白質であってもよい。
【0008】配列番号:1で表わされるアミノ酸配列と
実質的に同一のアミノ酸配列としては、配列番号:1で
表わされるアミノ酸配列と約70%以上、好ましくは約
80%以上、さらに好ましくは90%以上、最も好まし
くは約95%以上の相同性を有するアミノ酸配列などが
あげられる。配列番号:1で表わされるアミノ酸配列と
実質的に同一のアミノ酸配列を有する蛋白質としては、
例えば、前記の配列番号:1で表わされるアミノ酸配列
と実質的に同一のアミノ酸配列を含有し、配列番号:1
で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質と実質的に同
質の活性を有する蛋白質などが好ましい。実質的に同質
の活性としては、例えば、プロテオグリカン分解活性、
マトリックスメタロプロテアーゼ活性などが挙げられ
る。実質的に同質とは、それらの性質が性質的に(例、
生理学的に、または薬理学的に)同質であることを示
す。したがって、プロテオグリカン分解活性、マトリッ
クスメタロプロテアーゼ活性が同等(例、約0.01〜
100倍、好ましくは約0.1〜10倍、より好ましく
は0.5〜2倍)であることが好ましいが、これらの活
性の程度、蛋白質の分子量などの量的要素は異なってい
てもよい。プロテオグリカン分解活性は、ジメチルメチ
レンブルーを用いた簡便な比色法を用いることができる
(C. J. HandleyとD. J. Buttle、Methods in Enzymolo
gy248: 47-58,1995)。マトリックスメタロプロテアー
ゼ活性の測定は、公知のPER法〔F.T.Lundyら、エレ
クトロフォレシス(Electrophoresis)、16巻、43
頁、1995年〕に従って測定することができる。ま
た、Jan O. Strackeら(J Biol Chem, 275:14809-1481
6, 2000)が記載している方法でもプロテオグリカンな
どの細胞外マトリックスの分解活性やプロテアーゼ活性
を測定することができる
【0009】また、MMP−19としては、例えば、
配列番号:1で表されるアミノ酸配列中の1または2個
以上(好ましくは、1〜30個程度、好ましくは1〜1
0個程度、さらに好ましくは数(1〜5)個)のアミノ
酸が欠失したアミノ酸配列、配列番号:1で表される
アミノ酸配列に1または2個以上(好ましくは、1〜3
0個程度、好ましくは1〜10個程度、さらに好ましく
は数(1〜5)個)のアミノ酸が付加したアミノ酸配
列、配列番号:1で表されるアミノ酸配列に1または
2個以上(好ましくは、1〜30個程度、好ましくは1
〜10個程度、さらに好ましくは数(1〜5)個)のア
ミノ酸が挿入されたアミノ酸配列、配列番号:1で表
されるアミノ酸配列中の1または2個以上(好ましく
は、1〜30個程度、好ましくは1〜10個程度、さら
に好ましくは数(1〜5)個)のアミノ酸が他のアミノ
酸で置換されたアミノ酸配列、またはそれらを組み合
わせたアミノ酸配列を含有する蛋白質などのいわゆるム
テインも含まれる。上記のようにアミノ酸配列が挿入、
欠失または置換されている場合、その挿入、欠失または
置換の位置としては、とくに限定されない。
【0010】MMP−19は、ペプチド標記の慣例に従
って左端がN末端(アミノ末端)、右端がC末端(カル
ボキシル末端)である。配列番号:1で表わされるアミ
ノ酸配列を含有する蛋白質をはじめとするMMP−19
は、C末端がカルボキシル基(−COOH)、カルボキ
シレート(−COO)、アミド(−CONH)また
はエステル(−COOR)の何れであってもよい。ここ
でエステルにおけるRとしては、例えば、メチル、エチ
ル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチルなどのC
1−6アルキル基、例えば、シクロペンチル、シクロヘ
キシルなどのC3−8シクロアルキル基、例えば、フェ
ニル、α−ナフチルなどのC6−12アリール基、例え
ば、ベンジル、フェネチルなどのフェニル−C1−2
ルキル基もしくはα−ナフチルメチルなどのα−ナフチ
ル−C1−2アルキル基などのC7−14アラルキル
基、ピバロイルオキシメチル基などが用いられる。MM
P−19がC末端以外にカルボキシル基(またはカルボ
キシレート)を有している場合、カルボキシル基がアミ
ド化またはエステル化されているものも本発明で用いら
れるMMP−19に含まれる。この場合のエステルとし
ては、例えば上記したC末端のエステルなどが用いられ
る。さらに、MMP−19には、N末端のアミノ酸残基
(例、メチオニン残基)のアミノ基が保護基(例えば、
ホルミル基、アセチル基などのC1−6アルカノイルな
どのC1−6アシル基など)で保護されているもの、生
体内で切断されて生成するN末端のグルタミン残基がピ
ログルタミン酸化したもの、分子内のアミノ酸の側鎖上
の置換基(例えば−OH、−SH、アミノ基、イミダゾ
ール基、インドール基、グアニジノ基など)が適当な保
護基(例えば、ホルミル基、アセチル基などのC1−6
アルカノイル基などのC1−6アシル基など)で保護さ
れているもの、あるいは糖鎖が結合したいわゆる糖蛋白
質などの複合蛋白質なども含まれる。MMP−19の具
体例としては、例えば、配列番号:1で表されるアミノ
酸配列を含有する蛋白質(ヒト由来MMP−19)など
があげられる。
【0011】MMP−19の部分ペプチドとしては、前
記したMMP−19の部分ペプチドであって、好ましく
は、前記したMMP−19と同様の性質を有するもので
あればいずれのものでもよい。例えば、MMP−19の
部分ペプチドの構成アミノ酸配列のうち少なくとも20
個以上、好ましくは50個以上、さらに好ましくは70
個以上、より好ましくは100個以上、最も好ましくは
200個以上のアミノ酸配列を有するペプチドなどが用
いられる。また、MMP−19の部分ペプチドは、その
アミノ酸配列中の1または2個以上(好ましくは、1〜
10個程度、さらに好ましくは数(1〜5)個)のアミ
ノ酸が欠失し、または、そのアミノ酸配列に1または2
個以上(好ましくは、1〜20個程度、より好ましくは
1〜10個程度、さらに好ましくは数(1〜5)個)の
アミノ酸が付加し、または、そのアミノ酸配列に1また
は2個以上(好ましくは、1〜20個程度、より好まし
くは1〜10個程度、さらに好ましくは数(1〜5)
個)のアミノ酸が挿入され、または、そのアミノ酸配列
中の1または2個以上(好ましくは、1〜10個程度、
より好ましくは数個、さらに好ましくは1〜5個程度)
のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されていてもよい。ま
た、MMP−19の部分ペプチドはC末端がカルボキシ
ル基(−COOH)、カルボキシレート(−COO
アミド(−CONH)またはエステル(−COOR)
の何れであってもよい。さらに、MMP−19の部分ペ
プチドには、前記したMMP−19と同様に、C末端以
外にカルボキシル基(またはカルボキシレート)を有し
ているもの、N末端のアミノ酸残基(例、メチオニン残
基)のアミノ基が保護基で保護されているもの、N端側
が生体内で切断され生成したグルタミン残基がピログル
タミン酸化したもの、分子内のアミノ酸の側鎖上の置換
基が適当な保護基で保護されているもの、あるいは糖鎖
が結合したいわゆる糖ペプチドなどの複合ペプチドなど
も含まれる。本発明で用いられるMMP−19の部分ペ
プチドは抗体作成のための抗原としても用いることがで
きる。
【0012】本発明の配列番号:3で表わされるアミノ
酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有
する蛋白質(以下、MT3−MMPと略記する場合があ
る)は、ヒトや温血動物(例えば、モルモット、ラッ
ト、マウス、ニワトリ、ウサギ、ブタ、ヒツジ、ウシ、
サルなど)の細胞(例えば、網膜細胞、肝細胞、脾細
胞、神経細胞、グリア細胞、膵臓β細胞、骨髄細胞、メ
サンギウム細胞、ランゲルハンス細胞、表皮細胞、上皮
細胞、内皮細胞、繊維芽細胞、繊維細胞、筋細胞、脂肪
細胞、免疫細胞(例、マクロファージ、T細胞、B細
胞、ナチュラルキラー細胞、肥満細胞、好中球、好塩基
球、好酸球、単球)、巨核球、滑膜細胞、軟骨細胞、骨
細胞、骨芽細胞、破骨細胞、乳腺細胞、肝細胞もしくは
間質細胞、またはこれら細胞の前駆細胞、幹細胞もしく
は癌細胞など)もしくはそれらの細胞が存在するあらゆ
る組織、例えば、脳、脳の各部位(例、網膜、嗅球、扁
桃核、大脳基底球、海馬、視床、視床下部、大脳皮質、
延髄、小脳)、脊髄、下垂体、胃、膵臓、腎臓、肝臓、
生殖腺、甲状腺、胆のう、骨髄、副腎、皮膚、筋肉、
肺、消化管(例、大腸、小腸)、血管、心臓、胸腺、脾
臓、顎下腺、末梢血、前立腺、睾丸、卵巣、胎盤、子
宮、骨、関節、骨格筋など、または血球系の細胞もしく
はその培養細胞(例えば、MEL,M1,CTLL−
2,HT−2,WEHI−3,HL−60,JOSK−
1,K562,ML−1,MOLT−3,MOLT−
4,MOLT−10,CCRF−CEM,TALL−
1,Jurkat,CCRT−HSB−2,KE−3
7,SKW−3,HUT−78,HUT−102,H
9,U937,THP−1,HEL,JK−1,CM
K,KO−812,MEG−01など)に由来する蛋白
質であってもよく、合成蛋白質であってもよい。
【0013】配列番号:3で表わされるアミノ酸配列と
実質的に同一のアミノ酸配列としては、配列番号:3で
表わされるアミノ酸配列と約70%以上、好ましくは約
80%以上、さらに好ましくは90%以上、最も好まし
くは約95%以上の相同性を有するアミノ酸配列などが
あげられる。配列番号:3で表わされるアミノ酸配列と
実質的に同一のアミノ酸配列を有する蛋白質としては、
例えば、前記の配列番号:3で表わされるアミノ酸配列
と実質的に同一のアミノ酸配列を含有し、配列番号:3
で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質と実質的に同
質の活性を有する蛋白質などが好ましい。実質的に同質
の活性としては、例えば、プロテオグリカン分解活性、
マトリックスメタロプロテアーゼ活性などが挙げられ
る。実質的に同質とは、それらの性質が性質的に(例、
生理学的に、または薬理学的に)同質であることを示
す。したがって、プロテオグリカン分解活性、マトリッ
クスメタロプロテアーゼ活性が同等(例、約0.01〜
100倍、好ましくは約0.1〜10倍、より好ましく
は0.5〜2倍)であることが好ましいが、これらの活
性の程度、蛋白質の分子量などの量的要素は異なってい
てもよい。
【0014】また、MT3−MMPとしては、例えば、
配列番号:3で表されるアミノ酸配列中の1または2
個以上(好ましくは、1〜30個程度、好ましくは1〜
10個程度、さらに好ましくは数(1〜5)個)のアミ
ノ酸が欠失したアミノ酸配列、配列番号:3で表され
るアミノ酸配列に1または2個以上(好ましくは、1〜
30個程度、好ましくは1〜10個程度、さらに好まし
くは数(1〜5)個)のアミノ酸が付加したアミノ酸配
列、配列番号:3で表されるアミノ酸配列に1または
2個以上(好ましくは、1〜30個程度、好ましくは1
〜10個程度、さらに好ましくは数(1〜5)個)のア
ミノ酸が挿入されたアミノ酸配列、配列番号:3で表
されるアミノ酸配列中の1または2個以上(好ましく
は、1〜30個程度、好ましくは1〜10個程度、さら
に好ましくは数(1〜5)個)のアミノ酸が他のアミノ
酸で置換されたアミノ酸配列、またはそれらを組み合
わせたアミノ酸配列を含有する蛋白質などのいわゆるム
テインも含まれる。上記のようにアミノ酸配列が挿入、
欠失または置換されている場合、その挿入、欠失または
置換の位置としては、とくに限定されない。
【0015】MT3−MMPは、ペプチド標記の慣例に
従って左端がN末端(アミノ末端)、右端がC末端(カ
ルボキシル末端)である。配列番号:3で表わされるア
ミノ酸配列を含有する蛋白質をはじめとするMT3−M
MPは、C末端がカルボキシル基(−COOH)、カル
ボキシレート(−COO)、アミド(−CONH
またはエステル(−COOR)の何れであってもよい。
ここでエステルにおけるRとしては、例えば、メチル、
エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチルなど
のC1−6アルキル基、例えば、シクロペンチル、シク
ロヘキシルなどのC3−8シクロアルキル基、例えば、
フェニル、α−ナフチルなどのC6−12アリール基、
例えば、ベンジル、フェネチルなどのフェニル−C
1−2アルキル基もしくはα−ナフチルメチルなどのα
−ナフチル−C1−2アルキル基などのC7−14アラ
ルキル基、ピバロイルオキシメチル基などが用いられ
る。MT3−MMPがC末端以外にカルボキシル基(ま
たはカルボキシレート)を有している場合、カルボキシ
ル基がアミド化またはエステル化されているものも本発
明で用いられるMT3−MMPに含まれる。この場合の
エステルとしては、例えば上記したC末端のエステルな
どが用いられる。さらに、MT3−MMPには、N末端
のアミノ酸残基(例、メチオニン残基)のアミノ基が保
護基(例えば、ホルミル基、アセチル基などのC1−6
アルカノイルなどのC1−6アシル基など)で保護され
ているもの、生体内で切断されて生成するN末端のグル
タミン残基がピログルタミン酸化したもの、分子内のア
ミノ酸の側鎖上の置換基(例えば−OH、−SH、アミ
ノ基、イミダゾール基、インドール基、グアニジノ基な
ど)が適当な保護基(例えば、ホルミル基、アセチル基
などのC1−6アルカノイル基などのC1−6アシル基
など)で保護されているもの、あるいは糖鎖が結合した
いわゆる糖蛋白質などの複合蛋白質なども含まれる。M
T3−MMPの具体例としては、例えば、配列番号:3
で表されるアミノ酸配列を含有する蛋白質(ヒト由来M
T3−MMP)などがあげられる。
【0016】MT3−MMPの部分ペプチドとしては、
前記したMT3−MMPの部分ペプチドであって、好ま
しくは、前記したMT3−MMPと同様の性質を有する
ものであればいずれのものでもよい。例えば、MT3−
MMPの部分ペプチドの構成アミノ酸配列のうち少なく
とも20個以上、好ましくは50個以上、さらに好まし
くは70個以上、より好ましくは100個以上、最も好
ましくは200個以上のアミノ酸配列を有するペプチド
などが用いられる。また、MT−3の部分ペプチドは、
そのアミノ酸配列中の1または2個以上(好ましくは、
1〜10個程度、さらに好ましくは数(1〜5)個)の
アミノ酸が欠失し、または、そのアミノ酸配列に1また
は2個以上(好ましくは、1〜20個程度、より好まし
くは1〜10個程度、さらに好ましくは数(1〜5)
個)のアミノ酸が付加し、または、そのアミノ酸配列に
1または2個以上(好ましくは、1〜20個程度、より
好ましくは1〜10個程度、さらに好ましくは数(1〜
5)個)のアミノ酸が挿入され、または、そのアミノ酸
配列中の1または2個以上(好ましくは、1〜10個程
度、より好ましくは数個、さらに好ましくは1〜5個程
度)のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されていてもよ
い。
【0017】また、MT3−MMPの部分ペプチドはC
末端がカルボキシル基(−COOH)、カルボキシレー
ト(−COO)アミド(−CONH)またはエステ
ル(−COOR)の何れであってもよい。さらに、MT
3−MMPの部分ペプチドには、前記したMT3−MM
Pと同様に、C末端以外にカルボキシル基(またはカル
ボキシレート)を有しているもの、N末端のアミノ酸残
基(例、メチオニン残基)のアミノ基が保護基で保護さ
れているもの、N端側が生体内で切断され生成したグル
タミン残基がピログルタミン酸化したもの、分子内のア
ミノ酸の側鎖上の置換基が適当な保護基で保護されてい
るもの、あるいは糖鎖が結合したいわゆる糖ペプチドな
どの複合ペプチドなども含まれる。本発明で用いられる
MT3−MMPの部分ペプチドは抗体作成のための抗原
としても用いることができる。本発明で用いられるMM
P−19またはMT3−MMP、またはその部分ペプチ
ドの塩としては、生理学的に許容される酸(例、無機
酸、有機酸)や塩基(例、アルカリ金属塩)などとの塩
が用いられ、とりわけ生理学的に許容される酸付加塩が
好ましい。この様な塩としては、例えば、無機酸(例え
ば、塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸)との塩、あるい
は有機酸(例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、フマル
酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ
酸、蓚酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスル
ホン酸)との塩などが用いられる。
【0018】本発明で用いられるMMP−19、その部
分ペプチドまたはその塩は、公知の方法、例えば、WO
97/40157に記載の方法を用いて製造することが
できる。本発明で用いられるMT3−MMP、その部分
ペプチドまたはその塩は、公知の方法、例えば、Lab In
vest. 80巻,677−687頁、2000年やArthritis Rheum. 43
巻、1226−1232頁、2000年などに記載の方法を用いて製
造することができる。より具体的には、本発明で用いら
れるMMP−19またはMT3−MMP(以下、本発明
で用いられる蛋白質と略記する場合がある)は、前述し
たヒトや温血動物の細胞または組織から自体公知の蛋白
質の精製方法によって製造することもできるし、蛋白質
をコードするDNAを含有する形質転換体を培養するこ
とによっても製造することができる。また、後述のペプ
チド合成法に準じて製造することもできる。ヒトや哺乳
動物の組織または細胞から製造する場合、ヒトや哺乳動
物の組織または細胞をホモジナイズした後、酸などで抽
出を行ない、該抽出液を逆相クロマトグラフィー、イオ
ン交換クロマトグラフィーなどのクロマトグラフィーを
組み合わせることにより精製単離することができる。
【0019】本発明で用いられる蛋白質もしくは部分ペ
プチドまたはその塩、またはそのアミド体の合成には、
通常市販の蛋白質合成用樹脂を用いることができる。そ
のような樹脂としては、例えば、クロロメチル樹脂、ヒ
ドロキシメチル樹脂、ベンズヒドリルアミン樹脂、アミ
ノメチル樹脂、4−ベンジルオキシベンジルアルコール
樹脂、4−メチルベンズヒドリルアミン樹脂、PAM樹
脂、4−ヒドロキシメチルメチルフェニルアセトアミド
メチル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、4−(2’,
4’−ジメトキシフェニル−ヒドロキシメチル)フェノ
キシ樹脂、4−(2’,4’−ジメトキシフェニル−F
mocアミノエチル)フェノキシ樹脂などを挙げること
ができる。このような樹脂を用い、α−アミノ基と側鎖
官能基を適当に保護したアミノ酸を、目的とする蛋白質
の配列通りに、自体公知の各種縮合方法に従い、樹脂上
で縮合させる。反応の最後に樹脂から蛋白質または部分
ペプチドを切り出すと同時に各種保護基を除去し、さら
に高希釈溶液中で分子内ジスルフィド結合形成反応を実
施し、目的の蛋白質もしくは部分ペプチドまたはそれら
のアミド体を取得する。上記した保護アミノ酸の縮合に
関しては、蛋白質合成に使用できる各種活性化試薬を用
いることができるが、特に、カルボジイミド類がよい。
カルボジイミド類としては、DCC、N,N’−ジイソ
プロピルカルボジイミド、N−エチル−N’−(3−ジ
メチルアミノプロリル)カルボジイミドなどが用いられ
る。これらによる活性化にはラセミ化抑制添加剤(例え
ば、HOBt,HOOBt)とともに保護アミノ酸を直
接樹脂に添加するかまたは、対称酸無水物またはHOB
tエステルあるいはHOOBtエステルとしてあらかじ
め保護アミノ酸の活性化を行なった後に樹脂に添加する
ことができる。
【0020】保護アミノ酸の活性化や樹脂との縮合に用
いられる溶媒としては、蛋白質縮合反応に使用しうるこ
とが知られている溶媒から適宜選択されうる。例えば、
N,N−ジメチルホルムアミド,N,N−ジメチルアセ
トアミド,N−メチルピロリドンなどの酸アミド類、塩
化メチレン,クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素
類、トリフルオロエタノールなどのアルコール類、ジメ
チルスルホキシドなどのスルホキシド類、ピリジン,ジ
オキサン,テトラヒドロフランなどのエーテル類、アセ
トニトリル,プロピオニトリルなどのニトリル類、酢酸
メチル,酢酸エチルなどのエステル類あるいはこれらの
適宜の混合物などが用いられる。反応温度は蛋白質結合
形成反応に使用され得ることが知られている範囲から適
宜選択され、通常約−20℃〜50℃の範囲から適宜選
択される。活性化されたアミノ酸誘導体は通常1.5〜
4倍過剰で用いられる。ニンヒドリン反応を用いたテス
トの結果、縮合が不十分な場合には保護基の脱離を行な
うことなく縮合反応を繰り返すことにより十分な縮合を
行なうことができる。反応を繰り返しても十分な縮合が
得られないときには、無水酢酸またはアセチルイミダゾ
ールを用いて未反応アミノ酸をアセチル化することによ
って、後の反応に影響を与えないようにすることができ
る。
【0021】原料のアミノ基の保護基としては、例え
ば、Z、Boc、t−ペンチルオキシカルボニル、イソ
ボルニルオキシカルボニル、4−メトキシベンジルオキ
シカルボニル、Cl−Z、Br−Z、アダマンチルオキ
シカルボニル、トリフルオロアセチル、フタロイル、ホ
ルミル、2−ニトロフェニルスルフェニル、ジフェニル
ホスフィノチオイル、Fmocなどが用いられる。カル
ボキシル基は、例えば、アルキルエステル化(例えば、
メチル、エチル、プロピル、ブチル、t−ブチル、シク
ロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロ
オクチル、2−アダマンチルなどの直鎖状、分枝状もし
くは環状アルキルエステル化)、アラルキルエステル化
(例えば、ベンジルエステル、4−ニトロベンジルエス
テル、4−メトキシベンジルエステル、4−クロロベン
ジルエステル、ベンズヒドリルエステル化)、フェナシ
ルエステル化、ベンジルオキシカルボニルヒドラジド
化、t−ブトキシカルボニルヒドラジド化、トリチルヒ
ドラジド化などによって保護することができる。セリン
の水酸基は、例えば、エステル化またはエーテル化によ
って保護することができる。このエステル化に適する基
としては、例えば、アセチル基などの低級(C1−6
アルカノイル基、ベンゾイル基などのアロイル基、ベン
ジルオキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などの
炭酸から誘導される基などが用いられる。また、エーテ
ル化に適する基としては、例えば、ベンジル基、テトラ
ヒドロピラニル基、t−ブチル基などである。チロシン
のフェノール性水酸基の保護基としては、例えば、Bz
l、Cl−Bzl、2−ニトロベンジル、Br−Z、
t−ブチルなどが用いられる。ヒスチジンのイミダゾー
ルの保護基としては、例えば、Tos、4−メトキシ−
2,3,6−トリメチルベンゼンスルホニル、DNP、
ベンジルオキシメチル、Bum、Boc、Trt、Fm
ocなどが用いられる。
【0022】原料のカルボキシル基の活性化されたもの
としては、例えば、対応する酸無水物、アジド、活性エ
ステル〔アルコール(例えば、ペンタクロロフェノー
ル、2,4,5−トリクロロフェノール、2,4−ジニ
トロフェノール、シアノメチルアルコール、パラニトロ
フェノール、HONB、N−ヒドロキシスクシミド、N
−ヒドロキシフタルイミド、HOBt)とのエステル〕
などが用いられる。原料のアミノ基の活性化されたもの
としては、例えば、対応するリン酸アミドが用いられ
る。保護基の除去(脱離)方法としては、例えば、Pd
−黒あるいはPd−炭素などの触媒の存在下での水素気
流中での接触還元や、また、無水フッ化水素、メタンス
ルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオ
ロ酢酸あるいはこれらの混合液などによる酸処理や、ジ
イソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、ピペリ
ジン、ピペラジンなどによる塩基処理、また液体アンモ
ニア中ナトリウムによる還元なども用いられる。上記酸
処理による脱離反応は、一般に約−20℃〜40℃の温
度で行なわれるが、酸処理においては、例えば、アニソ
ール、フェノール、チオアニソール、メタクレゾール、
パラクレゾール、ジメチルスルフィド、1,4−ブタン
ジチオール、1,2−エタンジチオールなどのようなカ
チオン捕捉剤の添加が有効である。また、ヒスチジンの
イミダゾール保護基として用いられる2,4−ジニトロ
フェニル基はチオフェノール処理により除去され、トリ
プトファンのインドール保護基として用いられるホルミ
ル基は上記の1,2−エタンジチオール、1,4−ブタ
ンジチオールなどの存在下の酸処理による脱保護以外
に、希水酸化ナトリウム溶液、希アンモニアなどによる
アルカリ処理によっても除去される。
【0023】原料の反応に関与すべきでない官能基の保
護ならびに保護基、およびその保護基の脱離、反応に関
与する官能基の活性化などは公知の基または公知の手段
から適宜選択しうる。蛋白質または部分ペプチドのアミ
ド体を得る別の方法としては、例えば、まず、カルボキ
シ末端アミノ酸のα−カルボキシル基をアミド化して保
護した後、アミノ基側にペプチド(蛋白質)鎖を所望の
鎖長まで延ばした後、該ペプチド鎖のN末端のα−アミ
ノ基の保護基のみを除いた蛋白質または部分ペプチドと
C末端のカルボキシル基の保護基のみを除去した蛋白質
または部分ペプチドとを製造し、これらの蛋白質または
ペプチドを上記したような混合溶媒中で縮合させる。縮
合反応の詳細については上記と同様である。縮合により
得られた保護蛋白質またはペプチドを精製した後、上記
方法によりすべての保護基を除去し、所望の粗蛋白質ま
たはペプチドを得ることができる。この粗蛋白質または
ペプチドは既知の各種精製手段を駆使して精製し、主要
画分を凍結乾燥することで所望の蛋白質またはペプチド
のアミド体を得ることができる。蛋白質またはペプチド
のエステル体を得るには、例えば、カルボキシ末端アミ
ノ酸のα−カルボキシル基を所望のアルコール類と縮合
しアミノ酸エステルとした後、蛋白質またはペプチドの
アミド体と同様にして、所望の蛋白質またはペプチドの
エステル体を得ることができる。
【0024】本発明で用いられる蛋白質の部分ペプチド
またはその塩は、自体公知のペプチドの合成法に従っ
て、あるいは本発明で用いられる蛋白質を適当なペプチ
ダーゼで切断することによって製造することができる。
ペプチドの合成法としては、例えば、固相合成法、液相
合成法のいずれによっても良い。すなわち、本発明で用
いられる部分ペプチドを構成し得る部分ペプチドもしく
はアミノ酸と残余部分とを縮合させ、生成物が保護基を
有する場合は保護基を脱離することにより目的のペプチ
ドを製造することができる。公知の縮合方法や保護基の
脱離としては、例えば、以下の〜に記載された方法
が挙げられる。 M. Bodanszky および M.A. Ondetti、ペプチド・シン
セシス (Peptide Synthesis), Interscience Publisher
s, New York (1966年) SchroederおよびLuebke、ザ・ペプチド(The Peptid
e), Academic Press, NewYork (1965年) 泉屋信夫他、ペプチド合成の基礎と実験、 丸善(株)
(1975年) 矢島治明 および榊原俊平、生化学実験講座 1、 蛋白
質の化学IV、 205、(1977年) 矢島治明監修、続医薬品の開発、第14巻、ペプチド合
成、広川書店 また、反応後は通常の精製法、例えば、溶媒抽出・蒸留
・カラムクロマトグラフィー・液体クロマトグラフィー
・再結晶などを組み合わせて本発明で用いられる部分ペ
プチドを精製単離することができる。上記方法で得られ
る部分ペプチドが遊離体である場合は、公知の方法ある
いはそれに準じる方法によって適当な塩に変換すること
ができるし、逆に塩で得られた場合は、公知の方法ある
いはそれに準じる方法によって遊離体または他の塩に変
換することができる。
【0025】本発明で用いられる蛋白質またはその部分
ペプチドをコードするDNAの塩基配列の一部、または
該DNAと相補的な塩基配列の一部を含有してなるポリ
ヌクレオチドとは、本発明で用いられる蛋白質またはそ
の部分ペプチドをコードするDNAを包含するだけでは
なく、RNAをも包含する意味で用いられる。本発明に
従えば、本発明のペプチド遺伝子の複製または発現を阻
害することのできるアンチセンス・ポリヌクレオチド
(核酸)を、クローン化した、あるいは決定された本発
明のペプチドをコードするDNAの塩基配列情報に基づ
き設計し、合成しうる。そうしたポリヌクレオチド(核
酸)は、本発明のペプチド遺伝子のRNAとハイブリダ
イズすることができ、該RNAの合成または機能を阻害
することができるか、あるいは本発明のペプチド関連R
NAとの相互作用を介して本発明のペプチド遺伝子の発
現を調節・制御することができる。本発明のペプチド関
連RNAの選択された配列に相補的なポリヌクレオチ
ド、および本発明のペプチド関連RNAと特異的にハイ
ブリダイズすることができるポリヌクレオチドは、生体
内および生体外で本発明のペプチド遺伝子の発現を調節
・制御するのに有用であり、また病気などの治療または
診断に有用である。用語「対応する」とは、遺伝子を含
めたヌクレオチド、塩基配列または核酸の特定の配列に
相同性を有するあるいは相補的であることを意味する。
ヌクレオチド、塩基配列または核酸とペプチド(蛋白
質)との間で「対応する」とは、ヌクレオチド(核酸)
の配列またはその相補体から誘導される指令にあるペプ
チド(蛋白質)のアミノ酸を通常指している。本発明の
ペプチド遺伝子の5’端ヘアピンループ、5’端6−ベ
ースペア・リピート、5’端非翻訳領域、ペプチド翻訳
開始コドン、蛋白質コード領域、ORF翻訳開始コド
ン、3’端非翻訳領域、3’端パリンドローム領域、お
よび3’端ヘアピンループは好ましい対象領域として選
択しうるが、本発明のペプチド遺伝子内の如何なる領域
も対象として選択しうる。
【0026】目的核酸と、対象領域の少なくとも一部に
相補的なポリヌクレオチドとの関係は、対象物とハイブ
リダイズすることができるポリヌクレオチドとの関係
は、「アンチセンス」であるということができる。アン
チセンス・ポリヌクレオチドは、2−デオキシ−D−リ
ボースを含有しているポリデオキシヌクレオチド、D−
リボースを含有しているポリデオキシヌクレオチド、プ
リンまたはピリミジン塩基のN−グリコシドであるその
他のタイプのポリヌクレオチド、あるいは非ヌクレオチ
ド骨格を有するその他のポリマー(例えば、市販の蛋白
質核酸および合成配列特異的な核酸ポリマー)または特
殊な結合を含有するその他のポリマー(但し、該ポリマ
ーはDNAやRNA中に見出されるような塩基のペアリ
ングや塩基の付着を許容する配置をもつヌクレオチドを
含有する)などが挙げられる。それらは、2本鎖DN
A、1本鎖DNA、2本鎖RNA、1本鎖RNA、さら
にDNA:RNAハイブリッドであることができ、さら
に非修飾ポリヌクレオチド(または非修飾オリゴヌクレ
オチド)、さらには公知の修飾の付加されたもの、例え
ば当該分野で知られた標識のあるもの、キャップの付い
たもの、メチル化されたもの、1個以上の天然のヌクレ
オチドを類縁物で置換したもの、分子内ヌクレオチド修
飾のされたもの、例えば非荷電結合(例えば、メチルホ
スホネート、ホスホトリエステル、ホスホルアミデー
ト、カルバメートなど)を持つもの、電荷を有する結合
または硫黄含有結合(例えば、ホスホロチオエート、ホ
スホロジチオエートなど)を持つもの、例えば蛋白質
(ヌクレアーゼ、ヌクレアーゼ・インヒビター、トキシ
ン、抗体、シグナルペプチド、ポリ−L−リジンなど)
や糖(例えば、モノサッカライドなど)などの側鎖基を
有しているもの、インターカレント化合物(例えば、ア
クリジン、プソラレンなど)を持つもの、キレート化合
物(例えば、金属、放射活性をもつ金属、ホウ素、酸化
性の金属など)を含有するもの、アルキル化剤を含有す
るもの、修飾された結合を持つもの(例えば、αアノマ
ー型の核酸など)であってもよい。ここで「ヌクレオシ
ド」、「ヌクレオチド」および「核酸」とは、プリンお
よびピリミジン塩基を含有するのみでなく、修飾された
その他の複素環型塩基をもつようなものを含んでいて良
い。こうした修飾物は、メチル化されたプリンおよびピ
リミジン、アシル化されたプリンおよびピリミジン、あ
るいはその他の複素環を含むものであってよい。修飾さ
れたヌクレオチドおよび修飾されたヌクレオチドはまた
糖部分が修飾されていてよく、例えば、1個以上の水酸
基がハロゲンとか、脂肪族基などで置換されていたり、
あるいはエーテル、アミンなどの官能基に変換されてい
てよい。
【0027】本発明のアンチセンス・ポリヌクレオチド
(核酸)は、RNA、DNA、あるいは修飾された核酸
(RNA、DNA)である。修飾された核酸の具体例と
しては核酸の硫黄誘導体やチオホスフェート誘導体、そ
してポリヌクレオシドアミドやオリゴヌクレオシドアミ
ドの分解に抵抗性のものが挙げられるが、それに限定さ
れるものではない。本発明のアンチセンス核酸は次のよ
うな方針で好ましく設計されうる。すなわち、細胞内で
のアンチセンス核酸をより安定なものにする、アンチセ
ンス核酸の細胞透過性をより高める、目標とするセンス
鎖に対する親和性をより大きなものにする、そしてもし
毒性があるならアンチセンス核酸の毒性をより小さなも
のにする。こうして修飾は当該分野で数多く知られてお
り、例えば J. Kawakami et al.,Pharm Tech Japan, Vo
l. 8, pp.247, 1992; Vol. 8, pp.395, 1992; S. T. Cr
ooke et al. ed., Antisense Research and Applicatio
ns, CRC Press, 1993 などに開示がある。本発明のアン
チセンス核酸は、変化せしめられたり、修飾された糖、
塩基、結合を含有していて良く、リポゾーム、ミクロス
フェアのような特殊な形態で供与されたり、遺伝子治療
により適用されたり、付加された形態で与えられること
ができうる。こうして付加形態で用いられるものとして
は、リン酸基骨格の電荷を中和するように働くポリリジ
ンのようなポリカチオン体、細胞膜との相互作用を高め
たり、核酸の取込みを増大せしめるような脂質(例え
ば、ホスホリピド、コレステロールなど)といった粗水
性のものが挙げられる。付加するに好ましい脂質として
は、コレステロールやその誘導体(例えば、コレステリ
ルクロロホルメート、コール酸など)が挙げられる。こ
うしたものは、核酸の3’端あるいは5’端に付着させ
ることができ、塩基、糖、分子内ヌクレオシド結合を介
して付着させることができうる。その他の基としては、
核酸の3’端あるいは5’端に特異的に配置されたキャ
ップ用の基で、エキソヌクレアーゼ、RNaseなどの
ヌクレアーゼによる分解を阻止するためのものが挙げら
れる。こうしたキャップ用の基としては、ポリエチレン
グリコール、テトラエチレングリコールなどのグリコー
ルをはじめとした当該分野で知られた水酸基の保護基が
挙げられるが、それに限定されるものではない。アンチ
センス核酸の阻害活性は、本発明の形質転換体、本発明
の生体内や生体外の遺伝子発現系、あるいは本発明のペ
プチドの生体内や生体外の翻訳系を用いて調べることが
できる。該核酸それ自体公知の各種の方法で細胞に適用
できる。
【0028】MMP−19をコードするDNAとして
は、前述したMMP−19をコードする塩基配列を含有
するものであればいかなるものであってもよい。好まし
くはDNAである。また、ゲノムDNA、ゲノムDNA
ライブラリー、前記した細胞・組織由来のcDNA、前
記した細胞・組織由来のcDNAライブラリー、合成D
NAのいずれでもよい。ライブラリーに使用するベクタ
ーは、バクテリオファージ、プラスミド、コスミド、フ
ァージミドなどいずれであってもよい。また、前記した
細胞・組織よりtotalRNAまたはmRNA画分を調製
したものを用いて直接 Reverse Transcriptase Polymer
ase Chain Reaction(以下、RT−PCR法と略称す
る)によって増幅することもできる。MMP−19をコ
ードするDNAとしては、例えば、配列番号:2で表さ
れる塩基配列を含有するDNA、または配列番号:2で
表される塩基配列とハイストリンジェントな条件下でハ
イブリダイズする塩基配列を含有し、前記した配列番
号:1で表されるアミノ酸配列を含有するMMP−19
と実質的に同質の性質を有する蛋白質をコードするDN
Aであれば何れのものでもよい。
【0029】配列番号:2で表される塩基配列とハイス
トリンジェントな条件下でハイブリダイズできるDNA
としては、例えば、配列番号:2で表される塩基配列と
約50%以上、好ましくは約60%以上、さらに好まし
くは約70%以上、より好ましくは約80%以上、特に
好ましくは約90%以上、最も好ましくは約95%以上
の相同性を有する塩基配列を含有するDNAなどが用い
られる。ハイブリダイゼーションは、自体公知の方法あ
るいはそれに準じる方法、例えば、モレキュラー・クロ
ーニング(Molecular Cloning)2nd(J. Sambrook eta
l., Cold Spring Harbor Lab. Press, 1989)に記載の
方法などに従って行なうことができる。また、市販のラ
イブラリーを使用する場合、添付の使用説明書に記載の
方法に従って行なうことができる。より好ましくは、ハ
イストリンジェントな条件に従って行なうことができ
る。ハイストリンジェントな条件とは、例えば、ナトリ
ウム濃度が約19〜40mM、好ましくは約19〜20
mMで、温度が約50〜70℃、好ましくは約60〜6
5℃の条件を示す。特に、ナトリウム濃度が約19mM
で温度が約65℃の場合が最も好ましい。より具体的に
は、配列番号:1で表されるアミノ酸配列を含有するM
MP−19をコードするDNAとしては、配列番号:2
で表される塩基配列を含有するDNAなどが用いられ
る。
【0030】MT3−MMPをコードするDNAとして
は、前述したMT3−MMPをコードする塩基配列を含
有するものであればいかなるものであってもよい。好ま
しくはDNAである。また、ゲノムDNA、ゲノムDN
Aライブラリー、前記した細胞・組織由来のcDNA、
前記した細胞・組織由来のcDNAライブラリー、合成
DNAのいずれでもよい。ライブラリーに使用するベク
ターは、バクテリオファージ、プラスミド、コスミド、
ファージミドなどいずれであってもよい。また、前記し
た細胞・組織よりtotalRNAまたはmRNA画分を調
製したものを用いて直接 Reverse Transcriptase Polym
erase Chain Reaction(以下、RT−PCR法と略称す
る)によって増幅することもできる。MT−3MMPを
コードするDNAとしては、例えば、配列番号:4で表
される塩基配列を含有するDNA、または配列番号:4
で表される塩基配列とハイストリンジェントな条件下で
ハイブリダイズする塩基配列を含有し、前記した配列番
号:3で表されるアミノ酸配列を含有するMT3−MM
Pと実質的に同質の性質を有する蛋白質をコードするD
NAであれば何れのものでもよい。
【0031】配列番号:4で表される塩基配列とハイス
トリンジェントな条件下でハイブリダイズできるDNA
としては、例えば、配列番号:4で表される塩基配列と
約50%以上、好ましくは約60%以上、さらに好まし
くは約70%以上、より好ましくは約80%以上、特に
好ましくは約90%以上、最も好ましくは約95%以上
の相同性を有する塩基配列を含有するDNAなどが用い
られる。ハイブリダイゼーションは、自体公知の方法あ
るいはそれに準じる方法、例えば、モレキュラー・クロ
ーニング(Molecular Cloning)2nd(J. Sambrook eta
l., Cold Spring Harbor Lab. Press, 1989)に記載の
方法などに従って行なうことができる。また、市販のラ
イブラリーを使用する場合、添付の使用説明書に記載の
方法に従って行なうことができる。より好ましくは、ハ
イストリンジェントな条件に従って行なうことができ
る。ハイストリンジェントな条件とは、例えば、ナトリ
ウム濃度が約19〜40mM、好ましくは約19〜20
mMで、温度が約50〜70℃、好ましくは約60〜6
5℃の条件を示す。特に、ナトリウム濃度が約19mM
で温度が約65℃の場合が最も好ましい。より具体的に
は、配列番号:3で表されるアミノ酸配列を含有するM
T3−MMPをコードするDNAとしては、配列番号:
4で表される塩基配列を含有するDNAなどが用いられ
る。
【0032】MMP−19の部分ペプチドをコードする
DNAとしては、前述したMMP−19の部分ペプチド
をコードする塩基配列を含有するものであればいかなる
ものであってもよい。また、ゲノムDNA、ゲノムDN
Aライブラリー、前記した細胞・組織由来のcDNA、
前記した細胞・組織由来のcDNAライブラリー、合成
DNAのいずれでもよい。MMP−19の部分ペプチド
をコードするDNAとしては、例えば、配列番号:2で
表される塩基配列を含有するDNAの一部分を有するD
NA、または配列番号:2で表される塩基配列とハイス
トリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配列
を含有し、MMP−19と実質的に同質の活性を有する
蛋白質をコードするDNAの一部分を含有するDNAな
どが用いられる。配列番号:2で表される塩基配列とハ
イブリダイズできるDNAは、前記と同意義を示す。ハ
イブリダイゼーションの方法およびハイストリンジェン
トな条件は前記と同様のものが用いられる。MT3−M
MPの部分ペプチドをコードするDNAとしては、前述
したMT3−MMPの部分ペプチドをコードする塩基配
列を含有するものであればいかなるものであってもよ
い。また、ゲノムDNA、ゲノムDNAライブラリー、
前記した細胞・組織由来のcDNA、前記した細胞・組
織由来のcDNAライブラリー、合成DNAのいずれで
もよい。MT3−MMPの部分ペプチドをコードするD
NAとしては、例えば、配列番号:4で表される塩基配
列を含有するDNAの一部分を有するDNA、または配
列番号:4で表される塩基配列とハイストリンジェント
な条件下でハイブリダイズする塩基配列を含有し、MT
3−MMPと実質的に同質の活性を有する蛋白質をコー
ドするDNAの一部分を含有するDNAなどが用いられ
る。配列番号:4で表される塩基配列とハイブリダイズ
できるDNAは、前記と同意義を示す。ハイブリダイゼ
ーションの方法およびハイストリンジェントな条件は前
記と同様のものが用いられる。
【0033】本発明で用いられる蛋白質またはその部分
ペプチド(以下、これらをコードするDNAのクローニ
ングおよび発現の説明においては、これらを単に本発明
の蛋白質と略記する場合がある)を完全にコードするD
NAのクローニングの手段としては、本発明の蛋白質を
コードする塩基配列の一部分を有する合成DNAプライ
マーを用いてPCR法によって増幅するか、または適当
なベクターに組み込んだDNAを本発明の蛋白質の一部
あるいは全領域をコードするDNA断片もしくは合成D
NAを用いて標識したものとのハイブリダイゼーション
によって選別することができる。ハイブリダイゼーショ
ンの方法は、例えば、モレキュラー・クローニング(Mo
lecular Cloning)2nd(J. Sambrook et al., Cold Sp
ring Harbor Lab. Press, 1989)に記載の方法などに従
って行なうことができる。また、市販のライブラリーを
使用する場合、添付の使用説明書に記載の方法に従って
行なうことができる。DNAの塩基配列の変換は、PC
R、公知のキット、例えば、MutanTM-superExpress Km
(宝酒造(株))、MutanTM-K(宝酒造(株))等を用
いて、ODA-LAPCR法、Gapped duplex法、Kunkel法等の自
体公知の方法あるいはそれらに準じる方法に従って行な
うことができる。クローン化された蛋白質をコードする
DNAは目的によりそのまま、または所望により制限酵
素で消化したり、リンカーを付加したりして使用するこ
とができる。該DNAはその5’末端側に翻訳開始コド
ンとしてのATGを有し、また3’末端側には翻訳終止
コドンとしてのTAA、TGAまたはTAGを有してい
てもよい。これらの翻訳開始コドンや翻訳終止コドン
は、適当な合成DNAアダプターを用いて付加すること
もできる。本発明の蛋白質の発現ベクターは、例えば、
(イ)本発明の蛋白質をコードするDNAから目的とす
るDNA断片を切り出し、(ロ)該DNA断片を適当な
発現ベクター中のプロモーターの下流に連結することに
より製造することができる。
【0034】ベクターとしては、大腸菌由来のプラスミ
ド(例、pBR322,pBR325,pUC12,p
UC13)、枯草菌由来のプラスミド(例、pUB11
0,pTP5,pC194)、酵母由来プラスミド
(例、pSH19,pSH15)、λファージなどのバ
クテリオファージ、レトロウイルス,ワクシニアウイル
ス,バキュロウイルスなどの動物ウイルスなどの他、p
A1−11、pXT1、pRc/CMV、pRc/RS
V、pcDNAI/Neoなどが用いられる。本発明で
用いられるプロモーターとしては、遺伝子の発現に用い
る宿主に対応して適切なプロモーターであればいかなる
ものでもよい。例えば、動物細胞を宿主として用いる場
合は、SRαプロモーター、SV40プロモーター、L
TRプロモーター、CMVプロモーター、HSV-TK
プロモーターなどが挙げられる。これらのうち、CMV
(サイトメガロウイルス)プロモーター、SRαプロモ
ーターなどを用いるのが好ましい。宿主がエシェリヒア
属菌である場合は、trpプロモーター、lacプロモ
ーター、recAプロモーター、λPプロモーター、
lppプロモーター、T7プロモーターなどが、宿主が
バチルス属菌である場合は、SPO1プロモーター、S
PO2プロモーター、penPプロモーターなど、宿主
が酵母である場合は、PHO5プロモーター、PGKプ
ロモーター、GAPプロモーター、ADHプロモーター
などが好ましい。宿主が昆虫細胞である場合は、ポリヘ
ドリンプロモーター、P10プロモーターなどが好まし
い。
【0035】発現ベクターには、以上の他に、所望によ
りエンハンサー、スプライシングシグナル、ポリA付加
シグナル、選択マーカー、SV40複製オリジン(以
下、SV40oriと略称する場合がある)などを含有
しているものを用いることができる。選択マーカーとし
ては、例えば、ジヒドロ葉酸還元酵素(以下、dhfr
と略称する場合がある)遺伝子〔メソトレキセート(M
TX)耐性〕、アンピシリン耐性遺伝子(以下、Amp
と略称する場合がある)、ネオマイシン耐性遺伝子
(以下、Neoと略称する場合がある、G418耐
性)等が挙げられる。特に、dhfr遺伝子欠損チャイ
ニーズハムスター細胞を用いてdhfr遺伝子を選択マ
ーカーとして使用する場合、目的遺伝子をチミジンを含
まない培地によっても選択できる。また、必要に応じ
て、宿主に合ったシグナル配列を、本発明の蛋白質のN
端末側に付加する。宿主がエシェリヒア属菌である場合
は、PhoA・シグナル配列、OmpA・シグナル配列など
が、宿主がバチルス属菌である場合は、α−アミラーゼ
・シグナル配列、サブチリシン・シグナル配列などが、
宿主が酵母である場合は、MFα・シグナル配列、SU
C2・シグナル配列など、宿主が動物細胞である場合に
は、インシュリン・シグナル配列、α−インターフェロ
ン・シグナル配列、抗体分子・シグナル配列などがそれ
ぞれ利用できる。このようにして構築された本発明の蛋
白質をコードするDNAを含有するベクターを用いて、
形質転換体を製造することができる。
【0036】宿主としては、例えば、エシェリヒア属
菌、バチルス属菌、酵母、昆虫細胞、昆虫、動物細胞な
どが用いられる。エシェリヒア属菌の具体例としては、
例えば、エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)K1
2・DH1〔プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル
・アカデミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユー
エスエー(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),60巻,1
60(1968)〕,JM103〔ヌクイレック・アシッ
ズ・リサーチ(Nucleic Acids Research),9巻,30
9(1981)〕,JA221〔ジャーナル・オブ・モレ
キュラー・バイオロジー(Journal of Molecular Biolo
gy),120巻,517(1978)〕,HB101〔ジ
ャーナル・オブ・モレキュラー・バイオロジー,41
巻,459(1969)〕,C600〔ジェネティックス
(Genetics),39巻,440(1954)〕などが用い
られる。バチルス属菌としては、例えば、バチルス・サ
ブチルス(Bacillus subtilis)MI114〔ジーン,
24巻,255(1983)〕,207−21〔ジャーナ
ル・オブ・バイオケミストリー(Journal of Biochemis
try),95巻,87(1984)〕などが用いられる。
酵母としては、例えば、サッカロマイセス セレビシエ
(Saccharomyces cerevisiae)AH22,AH22
,NA87−11A,DKD−5D,20B−1
2、シゾサッカロマイセス ポンベ(Schizosaccharomy
ces pombe)NCYC1913,NCYC2036、ピ
キア パストリス(Pichia pastoris)KM71などが
用いられる。
【0037】昆虫細胞としては、例えば、ウイルスがA
cNPVの場合は、夜盗蛾の幼虫由来株化細胞(Spodop
tera frugiperda cell;Sf細胞)、Trichoplusia ni
の中腸由来のMG1細胞、Trichoplusia niの卵由来のH
igh FiveTM細胞、Mamestra brassicae由来の細胞または
Estigmena acrea由来の細胞などが用いられる。ウイル
スがBmNPVの場合は、蚕由来株化細胞(Bombyx mor
i N 細胞;BmN細胞)などが用いられる。該Sf細胞
としては、例えば、Sf9細胞(ATCC CRL1711)、Sf
21細胞(以上、Vaughn, J.L.ら、イン・ヴィボ(In V
ivo),13, 213-217,(1977))などが用いられる。昆虫と
しては、例えば、カイコの幼虫などが用いられる〔前田
ら、ネイチャー(Nature),315巻,592(198
5)〕。動物細胞としては、例えば、サル細胞COS−
7,Vero,チャイニーズハムスター細胞CHO(以
下、CHO細胞と略記),dhfr遺伝子欠損チャイニ
ーズハムスター細胞CHO(以下、CHO(dhf
)細胞と略記),マウスL細胞,マウスAtT−2
0,マウスミエローマ細胞,ラットGH3,ヒトFL細
胞などが用いられる。エシェリヒア属菌を形質転換する
には、例えば、プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナ
ル・アカデミー・オブ・サイエンジイズ・オブ・ザ・ユ
ーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),69巻,
2110(1972)やジーン(Gene),17巻,107
(1982)などに記載の方法に従って行なうことができ
る。
【0038】バチルス属菌を形質転換するには、例え
ば、モレキュラー・アンド・ジェネラル・ジェネティッ
クス(Molecular & General Genetics),168巻,
111(1979)などに記載の方法に従って行なうこと
ができる。酵母を形質転換するには、例えば、メソッズ
・イン・エンザイモロジー(Methods in Enzymolog
y),194巻,182−187(1991)、プロシ
ージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ
・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユーエスエー(Proc. Na
tl. Acad. Sci. USA),75巻,1929(1978)
などに記載の方法に従って行なうことができる。昆虫細
胞または昆虫を形質転換するには、例えば、バイオ/テ
クノロジー(Bio/Technology),6, 47-55(1988)などに
記載の方法に従って行なうことができる。動物細胞を形
質転換するには、例えば、細胞工学別冊8 新細胞工学
実験プロトコール.263−267(1995)(秀潤
社発行)、ヴィロロジー(Virology),52巻,456
(1973)に記載の方法に従って行なうことができる。
このようにして、蛋白質をコードするDNAを含有する
発現ベクターで形質転換された形質転換体を得ることが
できる。宿主がエシェリヒア属菌、バチルス属菌である
形質転換体を培養する際、培養に使用される培地として
は液体培地が適当であり、その中には該形質転換体の生
育に必要な炭素源、窒素源、無機物その他が含有せしめ
られる。炭素源としては、例えば、グルコース、デキス
トリン、可溶性澱粉、ショ糖など、窒素源としては、例
えば、アンモニウム塩類、硝酸塩類、コーンスチープ・
リカー、ペプトン、カゼイン、肉エキス、大豆粕、バレ
イショ抽出液などの無機または有機物質、無機物として
は、例えば、塩化カルシウム、リン酸二水素ナトリウ
ム、塩化マグネシウムなどが挙げられる。また、酵母エ
キス、ビタミン類、生長促進因子などを添加してもよ
い。培地のpHは約5〜8が望ましい。
【0039】エシェリヒア属菌を培養する際の培地とし
ては、例えば、グルコース、カザミノ酸を含むM9培地
〔ミラー(Miller),ジャーナル・オブ・エクスペリメ
ンツ・イン・モレキュラー・ジェネティックス(Journa
l of Experiments in Molecular Genetics),431−
433,Cold Spring Harbor Laboratory, New York1
972〕が好ましい。ここに必要によりプロモーターを
効率よく働かせるために、例えば、3β−インドリルア
クリル酸のような薬剤を加えることができる。宿主がエ
シェリヒア属菌の場合、培養は通常約15〜43℃で約
3〜24時間行ない、必要により、通気や撹拌を加える
こともできる。宿主がバチルス属菌の場合、培養は通常
約30〜40℃で約6〜24時間行ない、必要により通
気や撹拌を加えることもできる。宿主が酵母である形質
転換体を培養する際、培地としては、例えば、バークホ
ールダー(Burkholder)最小培地〔Bostian, K. L.
ら、プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデ
ミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユーエスエー
(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),77巻,4505
(1980)〕や0.5%カザミノ酸を含有するSD培地
〔Bitter, G. A. ら、プロシージングズ・オブ・ザ・ナ
ショナル・アカデミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・
ザ・ユーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sci. US
A),81巻,5330(1984)〕が挙げられる。
培地のpHは約5〜8に調整するのが好ましい。培養は
通常約20℃〜35℃で約24〜72時間行ない、必要
に応じて通気や撹拌を加える。
【0040】宿主が昆虫細胞または昆虫である形質転換
体を培養する際、培地としては、Grace's Insect Mediu
m(Grace, T.C.C.,ネイチャー(Nature),195,788(196
2))に非動化した10%ウシ血清等の添加物を適宜加え
たものなどが用いられる。培地のpHは約6.2〜6.
4に調整するのが好ましい。培養は通常約27℃で約3
〜5日間行ない、必要に応じて通気や撹拌を加える。宿
主が動物細胞である形質転換体を培養する際、培地とし
ては、例えば、約5〜20%の胎児牛血清を含むMEM
培地〔サイエンス(Science),122巻,501(19
52)〕,DMEM培地〔ヴィロロジー(Virology),
8巻,396(1959)〕,RPMI 1640培地
〔ジャーナル・オブ・ザ・アメリカン・メディカル・ア
ソシエーション(The Journal of the American Medica
l Association)199巻,519(1967)〕,19
9培地〔プロシージング・オブ・ザ・ソサイエティ・フ
ォー・ザ・バイオロジカル・メディスン(Proceeding o
fthe Society for the Biological Medicine),73
巻,1(1950)〕などが用いられる。pHは約6〜8
であるのが好ましい。培養は通常約30℃〜40℃で約
15〜60時間行ない、必要に応じて通気や撹拌を加え
る。以上のようにして、形質転換体の細胞内、細胞膜ま
たは細胞外に本発明の蛋白質を生成せしめることができ
る。
【0041】上記培養物から本発明の蛋白質を分離精製
するには、例えば、下記の方法により行なうことができ
る。本発明の蛋白質を培養菌体あるいは細胞から抽出す
るに際しては、培養後、公知の方法で菌体あるいは細胞
を集め、これを適当な緩衝液に懸濁し、超音波、リゾチ
ームおよび/または凍結融解などによって菌体あるいは
細胞を破壊したのち、遠心分離やろ過により蛋白質の粗
抽出液を得る方法などが適宜用いられる。緩衝液の中に
尿素や塩酸グアニジンなどの蛋白質変性剤や、トリトン
X−100 などの界面活性剤が含まれていてもよ
い。培養液中に蛋白質が分泌される場合には、培養終了
後、それ自体公知の方法で菌体あるいは細胞と上清とを
分離し、上清を集める。このようにして得られた培養上
清、あるいは抽出液中に含まれる蛋白質の精製は、自体
公知の分離・精製法を適切に組み合わせて行なうことが
できる。これらの公知の分離、精製法としては、塩析や
溶媒沈澱法などの溶解度を利用する方法、透析法、限外
ろ過法、ゲルろ過法、およびSDS−ポリアクリルアミ
ドゲル電気泳動法などの主として分子量の差を利用する
方法、イオン交換クロマトグラフィーなどの荷電の差を
利用する方法、アフィニティークロマトグラフィーなど
の特異的親和性を利用する方法、逆相高速液体クロマト
グラフィーなどの疎水性の差を利用する方法、等電点電
気泳動法などの等電点の差を利用する方法などが用いら
れる。
【0042】かくして得られる蛋白質が遊離体で得られ
た場合には、自体公知の方法あるいはそれに準じる方法
によって塩に変換することができ、逆に塩で得られた場
合には自体公知の方法あるいはそれに準じる方法によ
り、遊離体または他の塩に変換することができる。な
お、組換え体が産生する蛋白質を、精製前または精製後
に適当な蛋白修飾酵素を作用させることにより、任意に
修飾を加えたり、ポリペプチドを部分的に除去すること
もできる。蛋白修飾酵素としては、例えば、トリプシ
ン、キモトリプシン、アルギニルエンドペプチダーゼ、
プロテインキナーゼ、グリコシダーゼなどが用いられ
る。かくして生成する本発明の蛋白質の存在は、特異抗
体を用いたエンザイムイムノアッセイやウエスタンブロ
ッティングなどにより測定することができる。
【0043】本発明で用いられる蛋白質もしくは部分ペ
プチドまたはその塩に対する抗体は、本発明で用いられ
る蛋白質もしくは部分ペプチドまたはその塩を認識し得
る抗体であれば、ポリクローナル抗体、モノクローナル
抗体の何れであってもよい。本発明で用いられる蛋白質
もしくは部分ペプチドまたはその塩(以下、抗体の説明
においては、これらを単に本発明の蛋白質と略記する場
合がある)に対する抗体は、本発明の蛋白質を抗原とし
て用い、自体公知の抗体または抗血清の製造法に従って
製造することができる。 〔モノクローナル抗体の作製〕 (a)モノクローナル抗体産生細胞の作製 本発明の蛋白質は、温血動物に対して投与により抗体産
生が可能な部位にそれ自体あるいは担体、希釈剤ととも
に投与される。投与に際して抗体産生能を高めるため、
完全フロイントアジュバントや不完全フロイントアジュ
バントを投与してもよい。投与は通常2〜6週毎に1回
ずつ、計2〜10回程度行われる。用いられる温血動物
としては、例えば、サル、ウサギ、イヌ、モルモット、
マウス、ラット、ヒツジ、ヤギ、ニワトリが挙げられる
が、マウスおよびラットが好ましく用いられる。モノク
ローナル抗体産生細胞の作製に際しては、抗原で免疫さ
れた温血動物、例えばマウスから抗体価の認められた個
体を選択し最終免疫の2〜5日後に脾臓またはリンパ節
を採取し、それらに含まれる抗体産生細胞を同種または
異種動物の骨髄腫細胞と融合させることにより、モノク
ローナル抗体産生ハイブリドーマを調製することができ
る。抗血清中の抗体価の測定は、例えば、後記の標識化
蛋白質と抗血清とを反応させたのち、抗体に結合した標
識剤の活性を測定することにより行なうことができる。
融合操作は既知の方法、例えば、ケーラーとミルスタイ
ンの方法〔ネイチャー(Nature)、256、495 (1975)〕に
従い実施することができる。融合促進剤としては、例え
ば、ポリエチレングリコール(PEG)やセンダイウィ
ルスなどが挙げられるが、好ましくはPEGが用いられ
る。
【0044】骨髄腫細胞としては、例えば、NS−1、
P3U1、SP2/0、AP−1などの温血動物の骨髄
腫細胞が挙げられるが、P3U1が好ましく用いられ
る。用いられる抗体産生細胞(脾臓細胞)数と骨髄腫細
胞数との好ましい比率は1:1〜20:1程度であり、
PEG(好ましくはPEG1000〜PEG6000)
が10〜80%程度の濃度で添加され、20〜40℃、
好ましくは30〜37℃で1〜10分間インキュベート
することにより効率よく細胞融合を実施できる。モノク
ローナル抗体産生ハイブリドーマのスクリーニングには
種々の方法が使用できるが、例えば、蛋白質抗原を直接
あるいは担体とともに吸着させた固相(例、マイクロプ
レート)にハイブリドーマ培養上清を添加し、次に放射
性物質や酵素などで標識した抗免疫グロブリン抗体(細
胞融合に用いられる細胞がマウスの場合、抗マウス免疫
グロブリン抗体が用いられる)またはプロテインAを加
え、固相に結合したモノクローナル抗体を検出する方
法、抗免疫グロブリン抗体またはプロテインAを吸着さ
せた固相にハイブリドーマ培養上清を添加し、放射性物
質や酵素などで標識した蛋白質を加え、固相に結合した
モノクローナル抗体を検出する方法などが挙げられる。
モノクローナル抗体の選別は、自体公知あるいはそれに
準じる方法に従って行なうことができる。通常HAT
(ヒポキサンチン、アミノプテリン、チミジン)を添加
した動物細胞用培地で行なうことができる。選別および
育種用培地としては、ハイブリドーマが生育できるもの
ならばどのような培地を用いても良い。例えば、1〜2
0%、好ましくは10〜20%の牛胎児血清を含むRP
MI 1640培地、1〜10%の牛胎児血清を含むG
IT培地(和光純薬工業(株))あるいはハイブリドー
マ培養用無血清培地(SFM−101、日水製薬
(株))などを用いることができる。培養温度は、通常
20〜40℃、好ましくは約37℃である。培養時間
は、通常5日〜3週間、好ましくは1週間〜2週間であ
る。培養は、通常5%炭酸ガス下で行なうことができ
る。ハイブリドーマ培養上清の抗体価は、上記の抗血清
中の抗体価の測定と同様にして測定できる。
【0045】(b)モノクローナル抗体の精製 モノクローナル抗体の分離精製は、自体公知の方法、例
えば、免疫グロブリンの分離精製法〔例、塩析法、アル
コール沈殿法、等電点沈殿法、電気泳動法、イオン交換
体(例、DEAE)による吸脱着法、超遠心法、ゲルろ
過法、抗原結合固相あるいはプロテインAあるいはプロ
テインGなどの活性吸着剤により抗体のみを採取し、結
合を解離させて抗体を得る特異的精製法〕に従って行な
うことができる。
【0046】〔ポリクローナル抗体の作製〕本発明のポ
リクローナル抗体は、それ自体公知あるいはそれに準じ
る方法に従って製造することができる。例えば、免疫抗
原(蛋白質抗原)自体、あるいはそれとキャリアー蛋白
質との複合体をつくり、上記のモノクローナル抗体の製
造法と同様に温血動物に免疫を行ない、該免疫動物から
本発明の蛋白質に対する抗体含有物を採取して、抗体の
分離精製を行なうことにより製造することができる。温
血動物を免疫するために用いられる免疫抗原とキャリア
ー蛋白質との複合体に関し、キャリアー蛋白質の種類お
よびキャリアーとハプテンとの混合比は、キャリアーに
架橋させて免疫したハプテンに対して抗体が効率良くで
きれば、どの様なものをどの様な比率で架橋させてもよ
いが、例えば、ウシ血清アルブミンやウシサイログロブ
リン、ヘモシアニン等を重量比でハプテン1に対し、約
0.1〜20、好ましくは約1〜5の割合でカプルさせ
る方法が用いられる。また、ハプテンとキャリアーのカ
プリングには、種々の縮合剤を用いることができるが、
グルタルアルデヒドやカルボジイミド、マレイミド活性
エステル、チオール基、ジチオビリジル基を含有する活
性エステル試薬等が用いられる。縮合生成物は、温血動
物に対して、抗体産生が可能な部位にそれ自体あるいは
担体、希釈剤とともに投与される。投与に際して抗体産
生能を高めるため、完全フロイントアジュバントや不完
全フロイントアジュバントを投与してもよい。投与は、
通常約2〜6週毎に1回ずつ、計約3〜10回程度行な
われる。ポリクローナル抗体は、上記の方法で免疫され
た温血動物の血液、腹水など、好ましくは血液から採取
することができる。抗血清中のポリクローナル抗体価の
測定は、上記の抗血清中の抗体価の測定と同様にして測
定できる。ポリクローナル抗体の分離精製は、上記のモ
ノクローナル抗体の分離精製と同様の免疫グロブリンの
分離精製法に従って行なうことができる。
【0047】本発明で用いられる蛋白質または部分ペプ
チドをコードするDNA(以下、アンチセンスヌクレオ
チドの説明においては、これらのDNAを本発明のDN
Aと略記する場合がある)の塩基配列に相補的な、また
は実質的に相補的な塩基配列またはその一部を含有する
アンチセンスヌクレオチドとしては、本発明のDNAの
塩基配列に相補的な、または実質的に相補的な塩基配列
またはその一部を含有し、該DNAの発現を抑制し得る
作用を有するものであれば、いずれのアンチセンスヌク
レオチドであってもよいが、アンチセンスDNAが好ま
しい。本発明のDNAに実質的に相補的な塩基配列と
は、例えば、本発明のDNAに相補的な塩基配列(すな
わち、本発明のDNAの相補鎖)の全塩基配列あるいは
部分塩基配列と約70%以上、好ましくは約80%以
上、より好ましくは約90%以上、最も好ましくは約9
5%以上の相同性を有する塩基配列などが挙げられる。
特に、本発明のDNAの相補鎖の全塩基配列うち、本発
明の蛋白質のN末端部位をコードする部分の塩基配列
(例えば、開始コドン付近の塩基配列など)の相補鎖と
約70%以上、好ましくは約80%以上、より好ましく
は約90%以上、最も好ましくは約95%以上の相同性
を有するアンチセンスヌクレオチドが好適である。具体
的には、配列番号:2または配列番号:4で表わされる
塩基配列を含有するDNAの塩基配列に相補的な、もし
くは実質的に相補的な塩基配列、またはその一部分を有
するアンチセンスヌクレオチド、好ましくは例えば、配
列番号:2または配列番号:4で表わされる塩基配列を
含有するDNAの塩基配列に相補な塩基配列、またはそ
の一部分を有するアンチセンスヌクレオチド(より好ま
しくは、配列番号:2または配列番号:4で表わされる
塩基配列を含有するDNAの塩基配列に相補な塩基配
列、またはその一部分を有するアンチセンスヌクレオチ
ド)が挙げられる。アンチセンスヌクレオチドは通常、
10〜40個程度、好ましくは15〜30個程度の塩基
から構成される。ヌクレアーゼなどの加水分解酵素によ
る分解を防ぐために、アンチセンスDNAを構成する各
ヌクレオチドのりん酸残基(ホスフェート)は、例え
ば、ホスホロチオエート、メチルホスホネート、ホスホ
ロジチオネートなどの化学修飾りん酸残基に置換されて
いてもよい。また、各ヌクレオチドの糖(デオキシリボ
ース)は、2’−O−メチル化などの化学修飾糖構造に
置換されていてもよいし、塩基部分(ピリミジン、プリ
ン)も化学修飾を受けたものであってもよく、配列番
号:2または配列番号:4で表わされる塩基配列を有す
るDNAにハイブリダイズするものであればいずれのも
のでもよい。これらのアンチセンスヌクレオチドは、公
知のDNA合成装置などを用いて製造することができ
る。
【0048】以下に、本発明の蛋白質もしくは部分ペプ
チドまたはその塩(以下、本発明の蛋白質と略記する場
合がある)、本発明の蛋白質または部分ペプチドをコー
ドするDNA(以下、本発明のDNAと略記する場合が
ある)、本発明の蛋白質もしくは部分ペプチドまたはそ
の塩に対する抗体(以下、本発明の抗体と略記する場合
がある)、および本発明のDNAのアンチセンスヌクレ
オチド(以下、本発明のアンチセンスヌクレオチドと略
記する場合がある)の用途を説明する。
【0049】(1)疾病に対する医薬候補化合物のスク
リーニング方法 MMP−19、その部分ペプチドまたはその塩(以下、
MMP−19と略記する)は、マトリックスメタロプロ
テアーゼ活性を有し、プロテオグリカンを分解すること
ができる。MT3−MMP、その部分ペプチドまたはそ
の塩(以下、MT3−MMPと略記する)は、マトリッ
クスメタロプロテアーゼ活性を有すると共に、MMP−
19前駆体を活性化することができる。したがって、M
MP−19とMT3−MMPとを組み合わせて、または
MMP−19をコードするDNAとMT3−MMPをコ
ードするDNAとを組み合わせて用いることによって、
プロテオグリカン分解を調節(促進または阻害)する化
合物またはその塩をスクリーニングすることができる。
すなわち、本発明は、(1)MMP−19とMT3−M
MPとを組み合わせて用いることを特徴とするプロテオ
グリカン分解活性を調節(促進または阻害)する化合物
またはその塩のスクリーニング方法、(2)MMP−1
9をコードするDNAとMT3−MMPをコードするD
NAとを組み合わせて用いることを特徴とするプロテオ
グリカン分解活性を調節(促進または阻害)する化合物
またはその塩のスクリーニング方法、(3)MMP−1
9とMT3−MMPとを共発現している細胞を用いるこ
とを特徴とするプロテオグリカン分解活性を調節(促進
または阻害)する化合物またはその塩のスクリーニング
方法を提供する。より具体的には、本発明は、(4)M
MP−19およびMT3−MMPに試験化合物の存在下
および非存在下で基質(例、動物由来の軟骨組織または
軟骨細胞)を添加した場合における、それぞれのプロテ
オグリカン分解活性を測定し、比較することを特徴する
プロテオグリカン分解活性を調節(促進または阻害)す
る化合物またはその塩のスクリーニング方法、(5)
(i)MMP−19とMT3−MMPとを共発現してい
る細胞に基質を接触させて培養した場合と(ii)MMP
−19とMT3−MMPとを共発現している細胞に基質
および試験化合物を接触させて培養した場合とにおけ
る、プロテオグリカン分解活性を測定し、比較すること
を特徴とするプロテオグリカン分解活性を調節(促進ま
たは阻害)する活性を有する化合物またはその塩のスク
リーニング方法を提供する。
【0050】基質としては、プロテオグリカンを含む材
料が用いられ、例えば、動物由来の軟骨組織または軟骨
細胞(例えば、牛鼻中隔軟骨組織)などが挙げられる。
この場合、基質量をそろえるために、軟骨組織を適当な
大きさに切りそろえ、軟骨片とする必要がある。また、
軟骨組織に含まれる軟骨細胞から分泌されるプロテアー
ゼの影響を軽減するために軟骨片を凍結融解等の処理を
行なうことが好ましい。また、軟骨肉腫細胞株などを培
養して、軟骨組織と同様な軟骨基質を生成せしめ、これ
をプロテアーゼ基質として用いることも可能である。軟
骨片または軟骨肉腫細胞株によって作られた軟骨基質
は、MMP−19とMT3−MMPとを共発現している
細胞と共存させることによって反応させる。試験化合物
としては、例えばペプチド、タンパク質、非ペプチド性
化合物、合成化合物、発酵生産物、細胞抽出液、植物抽
出液、動物組織抽出液などがあげられる。MMP−19
とMT3−MMPとを共発現し得る細胞としては、例え
ば、前述したMMP−19をコードするDNAを含有す
るベクターとMT3−MMPをコードするDNAを含有
するベクターとで形質転換された宿主(形質転換体)が
用いられる。宿主としては、例えば、CHO細胞などの
動物細胞が好ましく用いられる。該スクリーニングに
は、例えば、前述の方法で培養することによって、MM
P−19とMT3−MMPとを細胞膜上に発現させた形
質転換体が好ましく用いられる。MMP−19とMT3
−MMPとを共発現し得る細胞の培養方法は、前記した
形質変換体の培養法と同様である。発現されたMMP−
19およびMT3−MMPによって基質が分解されたか
否かは、培養液中に遊離してくるタンパク質をエンザイ
ムイムノアッセイやウェスタン解析などにより確認する
ことができる。培養液中に遊離してくるタンパク質がプ
ロテオグリカンである場合、ジメチルメチレンブルーを
用いた簡便な比色法を用いることができる(C. J. Hand
leyとD. J. Buttle、Methods in Enzymology 248: 47-5
8,1995)。具体的には、プロテオグリカン分解活性は、
例えば、ヒトMMP−19発現ベクターとヒトMT3−
MMP発現ベクターを導入したCOS7細胞液に、凍
結、融解を行ったウシ鼻中隔軟骨片を添加し、培養を行
い、培養上清中の硫酸化グリコサミノグリカンをC. J.
HandleyとD. J. Buttleの方法(Methods in Enzymology
248: 47-58,1995)に従って測定することによって測定す
ることができる。例えば、試験化合物の存在下における
プロテオグリカン分解活性が試験化合物非存在下におけ
るプロテオグリカン分解活性に比べて、約20%以上、
好ましくは30%以上、より好ましくは約50%以上上
昇させる試験化合物を、プリテオグリカン分解活性を促
進する化合物として選択することができる。一方、試験
化合物の存在下におけるプロテオグリカン分解活性が試
験化合物非存在下におけるプロテオグリカン分解活性に
比べて、約20%以上、好ましくは30%以上、より好
ましくは約50%以上減少させる試験化合物をプロテオ
グリカン分解活性を阻害する化合物として選択すること
ができる。
【0051】このように、本発明のスクリーニング方法
を用いれば、MMP−19とMT3−MMPの共存下に
おけるプロテオグリカン分解活性を指標として、プロテ
オグリカン分解活性を促進または阻害する化合物を効率
良く選択することができる。本発明のスクリーニング方
法を用いて得られるプロテオグリカン分解活性を促進す
る化合物には、 MT3−MMPのMMP−19前駆体活性化作用を促
進することにより、MMP−19のプロテオグリカン分
解活性を促進する化合物、 MMP−19に作用して、MMP−19のプロテオグ
リカン分解活性を促進する化合物などが含まれる。一
方、本発明のスクリーニング方法を用いて得られるプロ
テオグリカン分解活性を阻害する化合物には、 MT3−MMPのMMP−19前駆体活性化作用を阻
害することにより、MMP−19のプロテオグリカン分
解活性を阻害する化合物、 MMP−19に作用して、MMP−19のプロテオグ
リカン分解活性を阻害する化合物などが含まれる。 また、本発明のスクリーニング方法を用いて、プロテオ
グリカン分解活性を促進または阻害する化合物を効率良
く選択することができるが、当該化合物のプロテオグリ
カン分解活性の促進または阻害のメカニズムとしては、
例えば、活性化されたMMP−19自体の活性の促進
または阻害; MT3−MMP自体の活性の促進または阻害; MMP−19前駆体の活性化の促進または阻害;な
ど、 あるいはこれらの組み合わせなどが挙げられ、これらの
メカニズムの何れかを単独で有する化合物あるいはこれ
らのメカニズムの2種以上を有する化合物を選択する目
的としても、本発明のスクリーニング方法を有利に用い
ることができる。また、本発明により、MMP−19前
駆体活性化を阻害する化合物(好ましくは、MMP−1
9またはMT3−MMP自体の活性に関与しない化合
物;さらに好ましくは、MMP−19およびMT3−M
MP自体の活性に関与しない化合物)またはその塩を含
有してなる骨・関節疾患の予防・治療剤ならびにMMP
−19前駆体活性化を促進する化合物(好ましくは、M
MP−19またはMT3−MMP自体の活性に関与しな
い化合物;さらに好ましくは、MMP−19およびMT
3−MMP自体の活性に関与しない化合物)またはその
塩を含有してなる骨・関節疾患の予防・治療剤が提供さ
れる。
【0052】本発明のスクリーニング方法またはスクリ
ーニング用キットを用いて得られる化合物またはその塩
は、例えば、ペプチド、タンパク、非ペプチド性化合
物、合成化合物、発酵生産物、細胞抽出液、植物抽出
液、動物組織抽出液、血漿などから選ばれた化合物であ
る。該化合物の塩としては、前記した本発明のペプチド
の塩と同様のものが用いられる。本発明のスクリーニン
グ方法またはスクリーニング用キットを用いて得られる
プロテオグリカン分解を促進する化合物は、軟骨分解を
促進することができるので、例えば、軟骨形成異常、骨
形成異常、骨粗鬆症、変形性関節症、慢性関節リウマ
チ、関節炎、滑膜炎、代謝性関節症またはスポーツによ
る関節障害(例、テニス肘など)などの骨・関節疾患の
治療・予防薬として有用である。一方、本発明のスクリ
ーニング方法またはスクリーニング用キットを用いて得
られるプロテオグリカン分解を阻害する化合物は、例え
ば、椎間板ヘルニアまたは大理石病などの骨・関節疾患
の治療・予防薬として有用である。
【0053】さらに、MMP−19をコードするDNA
およびMT3−MMPをコードするDNAは、MMP−
19をコードする遺伝子およびMT3−MMPをコード
する遺伝子の発現を調節する化合物またはその塩のスク
リーニングのための試薬として有用である。スクリーニ
ング方法としては、(i)MMP−19とMT3−MM
Pとを産生する能力を有する細胞を培養した場合と、
(ii)試験化合物の存在下、MMP−19とMT3−M
MPとを産生する能力を有する細胞を培養した場合との
比較を行うことを特徴とするスクリーニング方法が挙げ
られる。上記方法において、(i)と(ii)の場合にお
ける、前記遺伝子の発現量(具体的には、本発明のタン
パク質量または前記タンパク質をコードするmRNA
量)を測定して、比較する。試験化合物および本発明の
タンパク質を産生する能力を有する細胞としては、上記
したMMP−19をコードするDNAを含有するベクタ
ーとMT3−MMPをコードするDNAを含有するベク
ターとで形質転換された形質転換体などが用いられる。
MMP−19またはMT3−MMPの蛋白質量の測定
は、公知の方法、例えば、MMP−19またはMT3−
MMPを認識する抗体を用いて、細胞抽出液中などに存
在する前記タンパク質を、ウェスタン解析、ELISA
法などの方法またはそれに準じる方法に従い測定するこ
とができる。mRNA量の測定は、公知の方法、例え
ば、プローブとして配列番号:2または配列番号:4で
表される塩基配列またはその一部を含有する核酸を用い
るノーザンハイブリダイゼーション、あるいはプライマ
ーとして配列番号:2または配列番号:4で表される塩
基配列の一部を含有する核酸を用いるPCR法またはそ
れに準じる方法に従い測定することができる。例えば、
上記(i)の場合における遺伝子発現量を、上記(ii)
の場合に比べて、約20%以上、好ましくは30%以
上、より好ましくは約50%以上上昇させる試験化合物
を、MMP−19または(および)MT3−MMPをコ
ードする遺伝子の発現を促進する化合物として、約20
%以上、好ましくは30%以上、より好ましくは約50
%以上阻害する試験化合物を、MMP−19または(お
よび)MT3−MMPをコードする遺伝子の発現を抑制
する化合物として選択することができる。
【0054】本発明のスクリーニング用キットは、MM
P−19とMT3−MMPとを組み合わせたもの、MM
P−19をコードするDNAとMT3−MMPをコード
するDNAとを組み合わせたもの、MMP−19とMT
3−MMPとを共発現している細胞、またはMMP−1
9とMT3−MMPとを産生する能力を有する細胞など
を含有するものである。本発明のスクリーニング方法ま
たはスクリーニング用キットを用いて得られる化合物ま
たはその塩は、上記した試験化合物、例えば、ペプチ
ド、タンパク、非ペプチド性化合物、合成化合物、発酵
生産物、細胞抽出液、植物抽出液、動物組織抽出液、血
漿などから選ばれた化合物またはその塩であり、プロテ
オグリカン分解活性を調節する化合物またはその塩であ
る。該化合物の塩としては、前記したMMP−19の塩
と同様のものが用いられる。プロテオグリカン分解活性
を促進する化合物またはその塩、およびMMP−19ま
たは(およびMT3―MMP)をコードする遺伝子の発
現を促進する化合物またはその塩はそれぞれ、例えば、
椎間板ヘルニアまたは大理石病などの骨・関節疾患の治
療・予防薬として有用である。プロテオグリカン分解活
性を阻害する化合物またはその塩、およびMMP−19
または(およびMT3―MMP)をコードする遺伝子の
発現を阻害する化合物またはその塩はそれぞれ、例え
ば、軟骨形成異常、骨形成異常、骨粗鬆症、変形性関節
症、慢性関節リウマチ、関節炎、滑膜炎、代謝性関節症
またはスポーツによる関節障害(例、テニス肘など)な
どの骨・関節疾患の治療・予防薬として有用である。
【0055】本発明のスクリーニング方法またはスクリ
ーニング用キットを用いて得られる化合物またはその塩
を上述の治療・予防剤として使用する場合、常套手段に
従って製剤化することができる。例えば、経口投与のた
めの組成物としては、固体または液体の剤形、具体的に
は錠剤(糖衣錠、フィルムコーティング錠を含む)、丸
剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤(ソフトカプセル剤を含
む)、シロップ剤、乳剤、懸濁剤などがあげられる。か
かる組成物は自体公知の方法によって製造され、製剤分
野において通常用いられる担体、希釈剤もしくは賦形剤
を含有するものである。例えば、錠剤用の担体、賦形剤
としては、乳糖、でんぷん、蔗糖、ステアリン酸マグネ
シウムなどが用いられる。非経口投与のための組成物と
しては、例えば、注射剤、坐剤などが用いられ、注射剤
は静脈注射剤、皮下注射剤、皮内注射剤、筋肉注射剤、
点滴注射剤、関節内注射剤などの剤形を包含する。かか
る注射剤は、自体公知の方法に従って、例えば、上記抗
体またはその塩を通常注射剤に用いられる無菌の水性も
しくは油性液に溶解、懸濁または乳化することによって
調製する。注射用の水性液としては、例えば、生理食塩
水、ブドウ糖やその他の補助薬を含む等張液などが用い
られ、適当な溶解補助剤、例えば、アルコール(例、エ
タノール)、ポリアルコール(例、プロピレングリコー
ル、ポリエチレングリコール)、非イオン界面活性剤
〔例、ポリソルベート80、HCO−50(polyoxyeth
ylene(50mol)adductof hydrogenated castor oi
l)〕などと併用してもよい。油性液としては、例え
ば、ゴマ油、大豆油などが用いられ、溶解補助剤として
安息香酸ベンジル、ベンジルアルコールなどを併用して
もよい。調製された注射液は、通常、適当なアンプルに
充填される。直腸投与に用いられる坐剤は、上記抗体ま
たはその塩を通常の坐薬用基剤に混合することによって
調製される。
【0056】上記の経口用または非経口用医薬組成物
は、活性成分の投与量に適合するような投薬単位の剤形
に調製されることが好都合である。かかる投薬単位の剤
形としては、錠剤、丸剤、カプセル剤、注射剤(アンプ
ル)、坐剤などが例示され、それぞれの投薬単位剤形当
たり通常5〜500mg、とりわけ注射剤では5〜10
0mg、その他の剤形では10〜250mgの上記抗体
が含有されていることが好ましい。なお前記した各組成
物は、上記抗体との配合により好ましくない相互作用を
生じない限り他の活性成分を含有してもよい。このよう
にして得られる製剤は安全で低毒性であるので、例え
ば、ヒトまたは温血動物(例えば、マウス、ラット、ウ
サギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ウマ、トリ、ネコ、イヌ、
サル、チンパンジーなど)に対して経口的にまたは非経
口的に投与することができる。該化合物またはその塩の
投与量は、その作用、対象疾患、投与対象、投与ルート
などにより差異はあるが、例えば、変形性関節症の治療
の目的で本発明のタンパク質の活性を調節する化合物ま
たはその塩を経口投与する場合、一般的に成人(体重6
0kgとして)においては、一日につき該化合物または
その塩を約0.1〜100mg、好ましくは約1.0〜
50mg、より好ましくは約1.0〜20mg投与す
る。非経口的に投与する場合は、該化合物またはその塩
の1回投与量は投与対象、対象疾患などによっても異な
るが、例えば、変形性関節症の治療の目的で本発明のタ
ンパク質の活性を調節する化合物またはその塩を注射剤
の形で通常成人(体重60kgとして)に投与する場
合、一日につき該化合物またはその塩を約0.01〜3
0mg程度、好ましくは約0.1〜20mg程度、より
好ましくは約0.1〜10mg程度を関節内注射により
投与するのが好都合である。他の動物の場合も、体重6
0kg当たりに換算した量を投与することができる。
【0057】(2)各種疾病の治療・予防剤 MMP−19はプロテオグリカン分解活性を有してお
り、またMT3−MMPはMMP−19前駆体を活性化
する作用を有しているので、MMP−19とMT3−M
MPを組み合わせて投与することにより、プロテオグリ
カンを効率良く分解することができる。従って、MMP
−19およびMT3−MMP(MMP−19/MT3−
MMP)、またはMMP−19DNAおよびMT3−M
MP DNA(MMP−19DNA/MT3−MMP D
NA)は、例えば、椎間板ヘルニアまたは大理石病など
の骨・関節疾患の治療・予防薬として有用である。MM
P−19/MT3−MMP、またはMMP−19DNA
/MT3−MMPDNAは、例えば、生体内においてM
MP−19またはMT3−MMPが減少あるいは欠損し
ている患者がいる場合に、(イ)MMP−19DNA/
MT3−MMP DNAを該患者に投与し、生体内でM
MP−19/MT3−MMPを発現させることによっ
て、(ロ)細胞にMMP−19DNA/MT3−MMP
DNAを挿入し、MMP−19/MT3−MMPを発
現させた後に、該細胞を患者に移植することによって、
または(ハ)MMP−19/MT3−MMPを該患者に
投与することなどによって、該患者におけるMMP−1
9/MT3−MMPの役割を十分に、あるいは正常に発
揮させることができ、プロテオグリカンの分解を図るこ
とができる。MMP−19DNA/MT3−MMP D
NAを上記の治療・予防剤として使用する場合は、MM
P−19DNA/MT3−MMP DNAのそれぞれの
DNAを単独あるいはレトロウイルスベクター、アデノ
ウイルスベクター、アデノウイルスアソシエーテッドウ
イルスベクターなどの適当なベクターに挿入した後、常
套手段に従って、ヒトまたは温血動物に投与することが
できる。本発明のDNAは、そのままで、あるいは摂取
促進のための補助剤などの生理学的に認められる担体と
ともに製剤化し、遺伝子銃やハイドロゲルカテーテルの
ようなカテーテルによって投与できる。MMP−19/
MT3−MMPを上記の治療・予防剤として使用する場
合は、少なくとも90%、好ましくは95%以上、より
好ましくは98%以上、さらに好ましくは99%以上に
精製されたものを使用するのが好ましい。MMP−19
/MT3−MMPは、例えば、必要に応じて糖衣を施し
た錠剤、カプセル剤、エリキシル剤、マイクロカプセル
剤などとして経口的に、あるいは水もしくはそれ以外の
薬学的に許容し得る液との無菌性溶液、または懸濁液剤
などの注射剤の形で非経口的に使用できる。例えば、本
発明のペプチドを生理学的に認められる担体、香味剤、
賦形剤、ベヒクル、防腐剤、安定剤、結合剤などととも
に一般に認められた製剤実施に要求される単位用量形態
で混和することによって製造することができる。これら
製剤における有効成分量は指示された範囲の適当な用量
が得られるようにするものである。
【0058】錠剤、カプセル剤などに混和することがで
きる添加剤としては、例えば、ゼラチン、コーンスター
チ、トラガント、アラビアゴムのような結合剤、結晶性
セルロースのような賦形剤、コーンスターチ、ゼラチ
ン、アルギン酸などのような膨化剤、ステアリン酸マグ
ネシウムのような潤滑剤、ショ糖、乳糖またはサッカリ
ンのような甘味剤、ペパーミント、アカモノ油またはチ
ェリーのような香味剤などが用いられる。調剤単位形態
がカプセルである場合には、前記タイプの材料にさらに
油脂のような液状担体を含有することができる。注射の
ための無菌組成物は注射用水のようなベヒクル中の活性
物質、胡麻油、椰子油などのような天然産出植物油など
を溶解または懸濁させるなどの通常の製剤実施に従って
処方することができる。注射用の水性液としては、例え
ば、生理食塩水、ブドウ糖やその他の補助薬を含む等張
液(例えば、D−ソルビトール、D−マンニトール、塩
化ナトリウムなど)などがあげられ、適当な溶解補助
剤、例えば、アルコール(例えば、エタノールなど)、
ポリアルコール(例えば、プロピレングリコール、ポリ
エチレングリコールなど)、非イオン性界面活性剤(例
えば、ポリソルベート80TM、HCO−50など)など
と併用してもよい。油性液としては、例えば、ゴマ油、
大豆油などがあげられ、溶解補助剤として安息香酸ベン
ジル、ベンジルアルコールなどと併用してもよい。ま
た、緩衝剤(例えば、リン酸塩緩衝液、酢酸ナトリウム
緩衝液など)、無痛化剤(例えば、塩化ベンザルコニウ
ム、塩酸プロカインなど)、安定剤(例えば、ヒト血清
アルブミン、ポリエチレングリコールなど)、保存剤
(例えば、ベンジルアルコール、フェノールなど)、酸
化防止剤などと配合してもよい。調製された注射液は、
通常、適当なアンプルに充填される。MMP−19DN
A/MT3−MMP DNAがそれぞれ挿入されたベク
ターも上記と同様に製剤化され、通常、非経口的に使用
される。このようにして得られる製剤は、安全で低毒性
であるので、例えば、ヒトまたは温血動物(例えば、ラ
ット、マウス、モルモット、ウサギ、トリ、ヒツジ、ブ
タ、ウシ、ウマ、ネコ、イヌ、サル、など)に対して投
与することができる。MMP−19/MT3−MMPの
ぞれぞれの投与量は、対象疾患、投与対象、投与ルート
などにより差異はあるが、例えば、肺繊維症の治療目的
でMMP−19/MT3−MMPを経口投与する場合、
一般的に成人(60kgとして)においては、一日につ
きMMP−19/MT3−MMPをそれぞれ約0.1m
g〜100mg、好ましくは約1.0〜50mg、より
好ましくは約1.0〜20mg投与する。非経口的に投
与する場合は、MMP−19/MT3−MMPそれぞれ
の1回投与量は投与対象、対象疾患などによっても異な
るが、例えば、肺繊維症の治療目的でMMP−19/M
T3−MMPそれぞれを注射剤の形で成人(体重60k
gとして)に投与する場合、一日につきMMP−19/
MT3−MMPをそれぞれ約0.01〜30mg程度、
好ましくは約0.1〜20mg程度、より好ましくは約
0.1〜10mg程度を患部に注射することにより投与
するのが好都合である。他の動物の場合も、60kg当
たりに換算した量を投与することができる。
【0059】(3)アンチセンスヌクレオチドを含有す
る医薬 MMP−19に対するアンチセンスヌクレオチドおよび
MT3−MMPに対するアンチセンスヌクレオチドは低
毒性であり、生体内におけるMMP−19/MT3−M
MPまたはそのDNAの機能(例、プロテオグリカン分
解活性)を抑制することができるので、例えば、軟骨形
成異常、骨形成異常、骨粗鬆症、変形性関節症、慢性関
節リウマチ、関節炎、滑膜炎、代謝性関節症またはスポ
ーツによる関節障害(例、テニス肘など)などの骨・関
節疾患の治療・予防剤として使用することができる。上
記アンチセンスヌクレオチドを上記の治療・予防剤とし
て使用する場合、自体公知の方法に従って製剤化し、投
与することができる。例えば、前記のアンチセンスヌク
レオチドを単独あるいはレトロウイルスベクター、アデ
ノウイルスベクター、アデノウイルスアソシエーテッド
ウイルスベクターなどの適当なベクターに挿入した後、
常套手段に従って、ヒトまたは哺乳動物(例、ラット、
ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サルなど)
に対して経口的または非経口的に投与することができ
る。該アンチセンスヌクレオチドは、そのままで、ある
いは摂取促進のために補助剤などの生理学的に認められ
る担体とともに製剤化し、遺伝子銃やハイドロゲルカテ
ーテルのようなカテーテルによって投与できる。あるい
は、エアロゾル化して吸入剤として気管内に局所投与す
ることもできる。さらに、体内動態の改良、半減期の長
期化、細胞内取り込み効率の改善を目的に、前記のアン
チセンスヌクレオチドを単独またはリボゾームなどの担
体とともに製剤(注射剤)化し、静脈、皮下または関節
腔内等に投与してもよい。該アンチセンスヌクレオチド
の投与量は、対象疾患、投与対象、投与ルートなどによ
り差異はあるが、例えば、変形性関節症の治療の目的で
本発明のアンチセンスヌクレオチドを投与する場合、一
般的に成人(体重60kg)においては、一日につき該
アンチセンスヌクレオチドを約0.1〜100mg投与
する。
【0060】さらに、該アンチセンスヌクレオチドは、
組織や細胞におけるMMP−19DNA/MT3−MM
P DNAの存在やその発現状況を調べるための診断用
オリゴヌクレオチドプローブとして使用することもでき
る。上記アンチセンスポリヌクレオチドと同様に、MM
P−19およびMT3−MMPをそれぞれコードするR
NAの一部を含有する二重鎖RNA、MMP−19およ
びMT3−MMPをそれぞれコードするRNAの一部を
含有するリボザイムなども、MMP−19/MT3−M
MPの遺伝子の発現を抑制することができ、生体内にお
けるMMP−19/MT3−MMPまたはそのDNAの
機能を抑制することができるので、例えば、軟骨形成異
常、骨形成異常、骨粗鬆症、変形性関節症、慢性関節リ
ウマチ、関節炎、滑膜炎、代謝性関節症またはスポーツ
による関節障害(例、テニス肘など)などの骨・関節疾
患の予防・治療剤などとして使用することができる。二
重鎖RNAは、公知の方法(例、Nature, 411巻, 494
頁, 2001年)に準じて、MMP−19DNA/MT3−
MMP DNAのヌクレオチド配列を基に設計して製造
することができる。リボザイムは、公知の方法(例、TR
ENDS in Molecular Medicine, 7巻, 221頁, 2001年)に
準じて、MMP−19DNA/MT3−MMP DNA
のヌクレオチド配列を基に設計して製造することができ
る。例えば、MMP−19DNA/MT3−MMPをそ
れぞれコードするRNAの一部に公知のリボザイムを連
結することによって製造することができる。MMP−1
9DNA/MT3−MMPをそれぞれコードするRNA
の一部としては、公知のリボザイムによって切断され得
るMMP−19DNA/MT3−MMPのRNA上の切
断部位に近接した部分(RNA断片)が挙げられる。上
記の二重鎖RNAまたはリボザイムを上記予防・治療剤
として使用する場合、アンチセンスポリヌクレオチドと
同様にして製剤化し、投与することができる。
【0061】(4)MMP−19抗体およびMT3−M
MP抗体を含有する医薬 MMP−19/MT3−MMPのそれぞれの活性を中和
する作用を有する抗体(以下、MMP−19抗体、MT
3−MMP抗体と略記し、両抗体をまとめて本発明の抗
体と略記する)は、軟骨形成異常、骨形成異常、骨粗鬆
症、変形性関節症、慢性関節リウマチ、関節炎、滑膜
炎、代謝性関節症またはスポーツによる関節障害(例、
テニス肘など)などの骨・関節疾患の予防・治療剤とし
て使用することができる。本発明の抗体を含有する上記
疾患の治療・予防剤は低毒性であり、そのまま液剤とし
て、または適当な剤型の医薬組成物として、ヒトまたは
哺乳動物(例、ラット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、
ネコ、イヌ、サルなど)に対して経口的または非経口的
(例、関節内投与)に投与することができる。投与量
は、投与対象、対象疾患、症状、投与ルートなどによっ
ても異なるが、例えば、成人の変形性関節症の治療・予
防のために使用する場合には、本発明の抗体を1回量と
して、通常0.01〜20mg/kg体重程度、好まし
くは0.1〜10mg/kg体重程度、さらに好ましく
は0.1〜5mg/kg体重程度を、1日1〜5回程
度、好ましくは1日1〜3回程度、粉末吸入剤により投
与するのが好都合である。他の非経口投与および経口投
与の場合もこれに準ずる量を投与することができる。症
状が特に重い場合には、その症状に応じて増量してもよ
い。本発明の抗体は、それ自体または適当な医薬組成物
として投与することができる。上記投与に用いられる医
薬組成物は、上記抗体またはその塩と薬理学的に許容さ
れ得る担体、希釈剤もしくは賦形剤とを含むものであ
る。かかる組成物は、経口または非経口投与(例、関節
内投与)に適する剤形として提供される。好ましくは吸
入剤として提供される。なお前記した各組成物は、上記
抗体との配合により好ましくない相互作用を生じない限
り他の活性成分を含有してもよい。
【0062】(5)MMP−19抗体およびMT3−M
MP抗体を含有する診断剤 MMP−19抗体およびMT3−MMP抗体(本発明の
抗体)は、MMP−19/MT3−MMP(本発明の蛋
白質)を特異的に認識することができるので、被検液中
の本発明の蛋白質の定量、特にサンドイッチ免疫測定法
による定量などに使用することができる。すなわち、本
発明は、(i)本発明の抗体と、被検液および標識化さ
れた本発明の蛋白質とを競合的に反応させ、該抗体に結
合した標識化された本発明の蛋白質の割合を測定するこ
とを特徴とする被検液中の本発明の蛋白質の定量法、お
よび(ii)被検液と担体上に不溶化した本発明の抗体お
よび標識化された本発明の別の抗体とを同時あるいは連
続的に反応させたのち、不溶化担体上の標識剤の活性を
測定することを特徴とする被検液中の本発明の蛋白質の
定量法を提供する。上記(ii)の定量法においては、一
方の抗体が本発明の蛋白質のN端部を認識する抗体で、
他方の抗体が本発明の蛋白質のC端部に反応する抗体で
あることが望ましい。
【0063】また、本発明の蛋白質に対するモノクロー
ナル抗体(以下、本発明のモノクローナル抗体と称する
場合がある)を用いて本発明の蛋白質の定量を行なえる
ほか、組織染色等による検出を行なうこともできる。こ
れらの目的には、抗体分子そのものを用いてもよく、ま
た、抗体分子のF(ab') 、Fab'、あるいはFa
b画分を用いてもよい。本発明の抗体を用いる本発明の
蛋白質の定量法は、特に制限されるべきものではなく、
被測定液中の抗原量(例えば、蛋白質量)に対応した抗
体、抗原もしくは抗体−抗原複合体の量を化学的または
物理的手段により検出し、これを既知量の抗原を含む標
準液を用いて作製した標準曲線より算出する測定法であ
れば、いずれの測定法を用いてもよい。例えば、ネフロ
メトリー、競合法、イムノメトリック法およびサンドイ
ッチ法が好適に用いられるが、感度、特異性の点で、後
述するサンドイッチ法を用いるのが特に好ましい。標識
物質を用いる測定法に用いられる標識剤としては、例え
ば、放射性同位元素、酵素、蛍光物質、発光物質などが
用いられる。放射性同位元素としては、例えば、〔
125I〕、〔131I〕、〔H〕、〔14C〕など
が用いられる。上記酵素としては、安定で比活性の大き
なものが好ましく、例えば、β−ガラクトシダーゼ、β
−グルコシダーゼ、アルカリフォスファターゼ、パーオ
キシダーゼ、リンゴ酸脱水素酵素などが用いられる。蛍
光物質としては、例えば、フルオレスカミン、フルオレ
ッセンイソチオシアネートなどが用いられる。発光物質
としては、例えば、ルミノール、ルミノール誘導体、ル
シフェリン、ルシゲニンなどが用いられる。さらに、抗
体あるいは抗原と標識剤との結合にビオチン−アビジン
系を用いることもできる。
【0064】抗原あるいは抗体の不溶化に当っては、物
理吸着を用いてもよく、また通常蛋白質あるいは酵素等
を不溶化、固定化するのに用いられる化学結合を用いる
方法でもよい。担体としては、アガロース、デキストラ
ン、セルロースなどの不溶性多糖類、ポリスチレン、ポ
リアクリルアミド、シリコン等の合成樹脂、あるいはガ
ラス等が挙げられる。サンドイッチ法においては不溶化
した本発明のモノクローナル抗体に被検液を反応させ
(1次反応)、さらに標識化した別の本発明のモノクロ
ーナル抗体を反応させ(2次反応)たのち、不溶化担体
上の標識剤の活性を測定することにより被検液中の本発
明の蛋白質量を定量することができる。1次反応と2次
反応は逆の順序に行っても、また、同時に行なってもよ
いし時間をずらして行なってもよい。標識化剤および不
溶化の方法は前記のそれらに準じることができる。ま
た、サンドイッチ法による免疫測定法において、固相用
抗体あるいは標識用抗体に用いられる抗体は必ずしも1
種類である必要はなく、測定感度を向上させる等の目的
で2種類以上の抗体の混合物を用いてもよい。本発明の
サンドイッチ法による本発明の蛋白質の測定法において
は、1次反応と2次反応に用いられる本発明のモノクロ
ーナル抗体は、本発明の蛋白質の結合する部位が相異な
る抗体が好ましく用いられる。すなわち、1次反応およ
び2次反応に用いられる抗体は、例えば、2次反応で用
いられる抗体が、本発明の蛋白質のC端部を認識する場
合、1次反応で用いられる抗体は、好ましくはC端部以
外、例えばN端部を認識する抗体が用いられる。
【0065】本発明のモノクローナル抗体をサンドイッ
チ法以外の測定システム、例えば、競合法、イムノメト
リック法あるいはネフロメトリーなどに用いることがで
きる。競合法では、被検液中の抗原と標識抗原とを抗体
に対して競合的に反応させたのち、未反応の標識抗原
(F)と、抗体と結合した標識抗原(B)とを分離し
(B/F分離)、B,Fいずれかの標識量を測定し、被
検液中の抗原量を定量する。本反応法には、抗体として
可溶性抗体を用い、B/F分離をポリエチレングリコー
ル、前記抗体に対する第2抗体などを用いる液相法、お
よび、第1抗体として固相化抗体を用いるか、あるい
は、第1抗体は可溶性のものを用い第2抗体として固相
化抗体を用いる固相化法とが用いられる。イムノメトリ
ック法では、被検液中の抗原と固相化抗原とを一定量の
標識化抗体に対して競合反応させた後固相と液相を分離
するか、あるいは、被検液中の抗原と過剰量の標識化抗
体とを反応させ、次に固相化抗原を加え未反応の標識化
抗体を固相に結合させたのち、固相と液相を分離する。
次に、いずれかの相の標識量を測定し被検液中の抗原量
を定量する。また、ネフロメトリーでは、ゲル内あるい
は溶液中で抗原抗体反応の結果生じた不溶性の沈降物の
量を測定する。被検液中の抗原量が僅かであり、少量の
沈降物しか得られない場合にもレーザーの散乱を利用す
るレーザーネフロメトリーなどが好適に用いられる。
【0066】これら個々の免疫学的測定法を本発明の定
量方法に適用するにあたっては、特別の条件、操作等の
設定は必要とされない。それぞれの方法における通常の
条件、操作法に当業者の通常の技術的配慮を加えて本発
明の蛋白質の測定系を構築すればよい。これらの一般的
な技術手段の詳細については、総説、成書などを参照す
ることができる。例えば、入江 寛編「ラジオイムノア
ッセイ」(講談社、昭和49年発行)、入江 寛編「続
ラジオイムノアッセイ」(講談社、昭和54年発行)、
石川栄治ら編「酵素免疫測定法」(医学書院、昭和53
年発行)、石川栄治ら編「酵素免疫測定法」(第2版)
(医学書院、昭和57年発行)、石川栄治ら編「酵素免
疫測定法」(第3版)(医学書院、昭和62年発行)、
「Methods in ENZYMOLOGY」Vol. 70(Immunochemical Tec
hniques(Part A))、 同書 Vol. 73(Immunochemical Tec
hniques(Part B))、 同書 Vol. 74(Immunochemical Tec
hniques(Part C))、 同書 Vol. 84(Immunochemical Tec
hniques(Part D:Selected Immunoassays))、 同書 Vol.
92(Immunochemical Techniques(Part E:Monoclonal An
tibodies and General Immunoassay Methods))、 同書
Vol. 121(Immunochemical Techniques(Part I:Hybridom
a Technology and Monoclonal Antibodies))(以上、ア
カデミックプレス社発行)などを参照することができ
る。以上のようにして、本発明の抗体を用いることによ
って、本発明の蛋白質を感度良く定量することができ
る。さらには、本発明の抗体を用いて本発明の蛋白質の
濃度を定量することによって、本発明の蛋白質の濃度の
増加または減少が検出された場合、例えば、軟骨形成異
常、骨形成異常、骨粗鬆症、変形性関節症、慢性関節リ
ウマチ、関節炎、滑膜炎、代謝性関節症またはスポーツ
による関節障害(例、テニス肘など)などの骨・関節疾
患である、または将来罹患する可能性が高いと診断する
ことができる。また、本発明の抗体は、体液や組織など
の被検体中に存在する本発明の蛋白質を検出するために
使用することができる。また、本発明の蛋白質を精製す
るために使用する抗体カラムの作製、精製時の各分画中
の本発明の蛋白質の検出、被検細胞内における本発明の
蛋白質の挙動の分析などのために使用することができ
る。
【0067】(6)遺伝子診断薬 MMP−19DNA/MT3−MMP DNA(本発明
のDNA)は、例えば、プローブとして使用することに
より、ヒトまたは温血動物(例えば、ラット、マウス、
モルモット、ウサギ、トリ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ウ
マ、ネコ、イヌ、サル、チンパンジーなど)における本
発明の蛋白質をコードするDNAまたはmRNAの異常
(遺伝子異常)を検出することができるので、例えば、
該DNAまたはmRNAの損傷、突然変異あるいは発現
低下や、該DNAまたはmRNAの増加あるいは発現過
多などの遺伝子診断薬として有用である。本発明のDN
Aを用いる上記の遺伝子診断は、例えば、自体公知のノ
ーザンハイブリダイゼーションやPCR−SSCP法
(ゲノミックス(Genomics),第5巻,874〜879
頁(1989年)、プロシージングズ・オブ・ザ・ナシ
ョナル・アカデミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ユ
ーエスエー(Proceedings ofthe National Academy of
Sciences of the United States of America),第86
巻,2766〜2770頁(1989年))などにより
実施することができる。例えば、ノーザンハイブリダイ
ゼーションにより発現過多または減少が検出された場合
やPCR−SSCP法によりDNAの突然変異が検出さ
れた場合は、例えば、軟骨形成異常、骨形成異常、骨粗
鬆症、変形性関節症、慢性関節リウマチ、関節炎、滑膜
炎、代謝性関節症またはスポーツによる関節障害(例、
テニス肘など)などの骨・関節疾患である可能性が高い
と診断することができる。
【0068】(7)DNA転移動物 本発明は、外来性のMMP−19DNAやMT3−MM
P DNA(以下、本発明の外来性DNAと略記する)
またはその変異DNA(本発明の外来性変異DNAと略
記する場合がある)を有する非ヒト哺乳動物を提供す
る。すなわち、本発明は、(1)本発明の外来性DNA
またはその変異DNAを有する非ヒト哺乳動物、(2)
非ヒト哺乳動物がゲッ歯動物である第(1)記載の動物、 (3)ゲッ歯動物がマウスまたはラットである第(2)
記載の動物、および(4)本発明の外来性DNAまたは
その変異DNAを含有し、哺乳動物において発現しうる
組換えベクターを提供するものである。本発明の外来性
DNAまたはその変異DNAを有する非ヒト哺乳動物
(以下、本発明のDNA転移動物と略記する)は、未受
精卵、受精卵、精子およびその始原細胞を含む胚芽細胞
などに対して、好ましくは、非ヒト哺乳動物の発生にお
ける胚発生の段階(さらに好ましくは、単細胞または受
精卵細胞の段階でかつ一般に8細胞期以前)に、リン酸
カルシウム法、電気パルス法、リポフェクション法、凝
集法、マイクロインジェクション法、パーティクルガン
法、DEAE−デキストラン法などにより目的とするD
NAを転移することによって作出することができる。ま
た、該DNA転移方法により、体細胞、生体の臓器、組
織細胞などに目的とする本発明の外来性DNAを転移
し、細胞培養、組織培養などに利用することもでき、さ
らに、これら細胞を上述の胚芽細胞と自体公知の細胞融
合法により融合させることにより本発明のDNA転移動
物を作出することもできる。また、MT3−MMP転移
動物およびMMP−19のDNA転移動物を交配するこ
とによりMT3−MMP/MMP−19転移動物を作成
することもできる。非ヒト哺乳動物としては、例えば、
ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ウサギ、イヌ、ネコ、モル
モット、ハムスター、マウス、ラットなどが用いられ
る。なかでも、病体動物モデル系の作成の面から個体発
生および生物サイクルが比較的短く、また、繁殖が容易
なゲッ歯動物、とりわけマウス(例えば、純系として、
C57BL/6系統,DBA2系統など、交雑系とし
て、B6C3F系統,BDF系統,B6D2F
統,BALB/c系統,ICR系統など)またはラット
(例えば、Wistar,SDなど)などが好ましい。
哺乳動物において発現しうる組換えベクターにおける
「哺乳動物」としては、上記の非ヒト哺乳動物の他にヒ
トなどがあげられる。
【0069】本発明の外来性DNAとは、非ヒト哺乳動
物が本来有している本発明のDNAではなく、いったん
哺乳動物から単離・抽出された本発明のDNAをいう。
本発明の変異DNAとしては、元の本発明のDNAの塩
基配列に変異(例えば、突然変異など)が生じたもの、
具体的には、塩基の付加、欠損、他の塩基への置換など
が生じたDNAなどが用いられ、また、異常DNAも含
まれる。該異常DNAとしては、異常な本発明の蛋白質
を発現させるDNAを意味し、例えば、正常な本発明の
蛋白質の機能を抑制する蛋白質を発現させるDNAなど
が用いられる。本発明の外来性DNAは、対象とする動
物と同種あるいは異種のどちらの哺乳動物由来のもので
あってもよい。本発明のDNAを対象動物に転移させる
にあたっては、該DNAを動物細胞で発現させうるプロ
モーターの下流に結合したDNAコンストラクトとして
用いるのが一般に有利である。例えば、本発明のヒトD
NAを転移させる場合、これと相同性が高い本発明のD
NAを有する各種哺乳動物(例えば、ウサギ、イヌ、ネ
コ、モルモット、ハムスター、ラット、マウスなど)由
来のDNAを発現させうる各種プロモーターの下流に、
本発明のヒトDNAを結合したDNAコンストラクト
(例、ベクターなど)を対象哺乳動物の受精卵、例え
ば、マウス受精卵へマイクロインジェクションすること
によって本発明のDNAを高発現するDNA転移哺乳動
物を作出することができる。
【0070】本発明の蛋白質の発現ベクターとしては、
大腸菌由来のプラスミド、枯草菌由来のプラスミド、酵
母由来のプラスミド、λファージなどのバクテリオファ
ージ、モロニー白血病ウィルスなどのレトロウィルス、
ワクシニアウィルスまたはバキュロウィルスなどの動物
ウイルスなどが用いられる。なかでも、大腸菌由来のプ
ラスミド、枯草菌由来のプラスミドまたは酵母由来のプ
ラスミドなどが好ましく用いられる。上記のDNA発現
調節を行なうプロモーターとしては、例えば、ウイル
ス(例、シミアンウイルス、サイトメガロウイルス、モ
ロニー白血病ウイルス、JCウイルス、乳癌ウイルス、
ポリオウイルスなど)に由来するDNAのプロモータ
ー、各種哺乳動物(ヒト、ウサギ、イヌ、ネコ、モル
モット、ハムスター、ラット、マウスなど)由来のプロ
モーター、例えば、アルブミン、インスリンII、ウロ
プラキンII、エラスターゼ、エリスロポエチン、エン
ドセリン、筋クレアチンキナーゼ、グリア線維性酸性蛋
白質、グルタチオンS−トランスフェラーゼ、血小板由
来成長因子β、ケラチンK1,K10およびK14、コ
ラーゲンI型およびII型、サイクリックAMP依存蛋
白質キナーゼβIサブユニット、ジストロフィン、酒石
酸抵抗性アルカリフォスファターゼ、心房ナトリウム利
尿性因子、内皮レセプターチロシンキナーゼ(一般にT
ie2と略される)、ナトリウムカリウムアデノシン3
リン酸化酵素(Na,K−ATPase)、ニューロフ
ィラメント軽鎖、メタロチオネインIおよびIIA、メ
タロプロティナーゼ1組織インヒビター、MHCクラス
I抗原(H−2L)、H−ras、レニン、ドーパミン
β−水酸化酵素、甲状腺ペルオキシダーゼ(TPO)、
ペプチド鎖延長因子1α(EF−1α)、βアクチン、
αおよびβミオシン重鎖、ミオシン軽鎖1および2、ミ
エリン基礎蛋白質、チログロブリン、Thy−1、免疫
グロブリン、H鎖可変部(VNP)、血清アミロイドP
コンポーネント、ミオグロビン、トロポニンC、平滑筋
αアクチン、プレプロエンケファリンA、バソプレシン
などのプロモーターなどが用いられる。なかでも、全身
で高発現することが可能なサイトメガロウイルスプロモ
ーター、ヒトペプチド鎖延長因子1α(EF−1α)の
プロモーター、ヒトおよびニワトリβアクチンプロモー
ターなどが好適である。上記ベクターは、DNA転移哺
乳動物において目的とするメッセンジャーRNAの転写
を終結する配列(一般にターミネターと呼ばれる)を有
していることが好ましく、例えば、ウイルス由来および
各種哺乳動物由来の各DNAの配列を用いることがで
き、好ましくは、シミアンウイルスのSV40ターミネ
ターなどが用いられる。
【0071】その他、目的とする外来性DNAをさらに
高発現させる目的で各DNAのスプライシングシグナ
ル、エンハンサー領域、真核DNAのイントロンの一部
などをプロモーター領域の5’上流、プロモーター領域
と翻訳領域間あるいは翻訳領域の3’下流 に連結する
ことも目的により可能である。正常な本発明の蛋白質の
翻訳領域は、ヒトまたは各種哺乳動物(例えば、ウサ
ギ、イヌ、ネコ、モルモット、ハムスター、ラット、マ
ウスなど)由来の肝臓、腎臓、甲状腺細胞、線維芽細胞
由来DNAおよび市販の各種ゲノムDNAライブラリー
よりゲノムDNAの全てあるいは一部として、または肝
臓、腎臓、甲状腺細胞、線維芽細胞由来RNAより公知
の方法により調製された相補DNAを原料として取得す
ることが出来る。また、外来性の異常DNAは、上記の
細胞または組織より得られた正常な蛋白質の翻訳領域を
点突然変異誘発法により変異した翻訳領域を作製するこ
とができる。該翻訳領域は転移動物において発現しうる
DNAコンストラクトとして、前記のプロモーターの下
流および所望により転写終結部位の上流に連結させる通
常のDNA工学的手法により作製することができる。受
精卵細胞段階における本発明の外来性DNAの転移は、
対象哺乳動物の胚芽細胞および体細胞のすべてに存在す
るように確保される。DNA転移後の作出動物の胚芽細
胞において、本発明の外来性DNAが存在することは、
作出動物の後代がすべて、その胚芽細胞および体細胞の
すべてに本発明の外来性DNAを保持することを意味す
る。本発明の外来性DNAを受け継いだこの種の動物の
子孫はその胚芽細胞および体細胞のすべてに本発明の外
来性DNAを有する。本発明の外来性正常DNAを転移
させた非ヒト哺乳動物は、交配により外来性DNAを安
定に保持することを確認して、該DNA保有動物として
通常の飼育環境で継代飼育することが出来る。受精卵細
胞段階における本発明の外来性DNAの転移は、対象哺
乳動物の胚芽細胞および体細胞の全てに過剰に存在する
ように確保される。DNA転移後の作出動物の胚芽細胞
において本発明の外来性DNAが過剰に存在すること
は、作出動物の子孫が全てその胚芽細胞および体細胞の
全てに本発明の外来性DNAを過剰に有することを意味
する。本発明の外来性DNAを受け継いだこの種の動物
の子孫はその胚芽細胞および体細胞の全てに本発明の外
来性DNAを過剰に有する。導入DNAを相同染色体の
両方に持つホモザイゴート動物を取得し、この雌雄の動
物を交配することによりすべての子孫が該DNAを過剰
に有するように繁殖継代することができる。
【0072】本発明の正常DNAを有する非ヒト哺乳動
物は、本発明の正常DNAが高発現させられており、内
在性の正常DNAの機能を促進することにより最終的に
本発明の蛋白質の機能亢進症を発症することがあり、そ
の病態モデル動物として利用することができる。例え
ば、本発明の正常DNA転移動物を用いて、本発明の蛋
白質の機能亢進症や、本発明の蛋白質が関連する疾患の
病態機序の解明およびこれらの疾患の治療方法の検討を
行なうことが可能である。また、本発明の外来性正常D
NAを転移させた哺乳動物は、遊離した本発明の蛋白質
の増加症状を有することから、本発明の蛋白質に関連す
る疾患に対する予防・治療薬、例えば、軟骨形成異常、
骨形成異常、骨粗鬆症、変形性関節症、慢性関節リウマ
チ、関節炎、滑膜炎、代謝性関節症またはスポーツによ
る関節障害(例、テニス肘)などの骨・関節疾患の予防
・治療薬のスクリーニング試験にも利用可能である。一
方、本発明の外来性異常DNAを有する非ヒト哺乳動物
は、交配により外来性DNAを安定に保持することを確
認して該DNA保有動物として通常の飼育環境で継代飼
育することが出来る。さらに、目的とする外来DNAを
前述のプラスミドに組み込んで原科として用いることが
できる。プロモーターとのDNAコンストラク卜は、通
常のDNA工学的手法によって作製することができる。
受精卵細胞段階における本発明の異常DNAの転移は、
対象哺乳動物の胚芽細胞および体細胞の全てに存在する
ように確保される。DNA転移後の作出動物の胚芽細胞
において本発明の異常DNAが存在することは、作出動
物の子孫が全てその胚芽細胞および体細胞の全てに本発
明の異常DNAを有することを意味する。本発明の外来
性DNAを受け継いだこの種の動物の子孫は、その胚芽
細胞および体細胞の全てに本発明の異常DNAを有す
る。導入DNAを相同染色体の両方に持つホモザイゴー
ト動物を取得し、この雌雄の動物を交配することにより
すべての子孫が該DNAを有するように繁殖継代するこ
とができる。
【0073】本発明の異常DNAを有する非ヒト哺乳動
物は、本発明の異常DNAが高発現させられており、内
在性の正常DNAの機能を阻害することにより最終的に
本発明の蛋白質の機能不活性型不応症となることがあ
り、その病態モデル動物として利用することができる。
例えば、本発明の異常DNA転移動物を用いて、本発明
の蛋白質の機能不活性型不応症の病態機序の解明および
この疾患を治療方法の検討を行なうことが可能である。
また、具体的な利用可能性としては、本発明の異常DN
A高発現動物は、本発明の蛋白質の機能不活性型不応症
における本発明の異常蛋白質による正常蛋白質の機能阻
害(dominant negative作用)を解明するモデルとな
る。また、本発明の外来異常DNAを転移させた哺乳動
物は、遊離した本発明の蛋白質の増加症状を有すること
から、本発明の蛋白質または機能不活性型不応症に対す
る予防・治療薬、例えば、軟骨形成異常、骨形成異常、
骨粗鬆症、変形性関節症、慢性関節リウマチ、関節炎、
滑膜炎、代謝性関節症またはスポーツによる関節障害
(例、テニス肘)などの骨・関節疾患の予防・治療薬の
スクリーニング試験にも利用可能である。また、上記2
種類の本発明のDNA転移動物のその他の利用可能性と
して、例えば、 組織培養のための細胞源としての使用、 本発明のDNA転移動物の組織中のDNAもしくはR
NAを直接分析するか、またはDNAにより発現された
ペプチド組織を分析することによる、本発明の蛋白質に
より特異的に発現あるいは活性化するペプチドとの関連
性についての解析、 DNAを有する組織の細胞を標準組織培養技術により
培養し、これらを使用して、一般に培養困難な組織から
の細胞の機能の研究、 上記記載の細胞を用いることによる細胞の機能を高
めるような薬剤のスクリーニング、および 本発明の変異蛋白質を単離精製およびその抗体作製な
どが考えられる。
【0074】さらに、本発明のDNA転移動物を用い
て、本発明の蛋白質の機能不活性型不応症などを含む、
本発明の蛋白質に関連する疾患の臨床症状を調べること
ができ、また、本発明の蛋白質に関連する疾患モデルの
各臓器におけるより詳細な病理学的所見が得られ、新し
い治療方法の開発、さらには、該疾患による二次的疾患
の研究および治療に貢献することができる。また、本発
明のDNA転移動物から各臓器を取り出し、細切後、ト
リプシンなどの蛋白質分解酵素により、遊離したDNA
転移細胞の取得、その培養またはその培養細胞の系統化
を行なうことが可能である。さらに、本発明の蛋白質産
生細胞の特定化、アポトーシス、分化あるいは増殖との
関連性、またはそれらにおけるシグナル伝達機構を調
べ、それらの異常を調べることなどができ、本発明の蛋
白質およびその作用解明のための有効な研究材料とな
る。さらに、本発明のDNA転移動物を用いて、本発明
の蛋白質の機能不活性型不応症を含む、本発明の蛋白質
に関連する疾患の治療薬の開発を行なうために、上述の
検査法および定量法などを用いて、有効で迅速な該疾患
治療薬のスクリーニング法を提供することが可能とな
る。また、本発明のDNA転移動物または本発明の外来
性DNA発現ベクターを用いて、本発明の蛋白質が関連
する疾患のDNA治療法を検討、開発することが可能で
ある。
【0075】(8)ノックアウト動物 本発明は、本発明のDNAが不活性化された非ヒト哺乳
動物胚幹細胞および本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳
動物を提供する。すなわち、本発明は、(1)本発明の
DNAが不活性化された非ヒト哺乳動物胚幹細胞、
(2)該DNAがレポーター遺伝子(例、大腸菌由来の
β−ガラクトシダーゼ遺伝子)を導入することにより不
活性化された第(1)項記載の胚幹細胞、(3)ネオマ
イシン耐性である第(1)項記載の胚幹細胞、(4)非
ヒト哺乳動物がゲッ歯動物である第(1)項記載の胚幹
細胞、(5)ゲッ歯動物がマウスである第(4)項記載
の胚幹細胞、(6)本発明のDNAが不活性化された該
DNA発現不全非ヒト哺乳動物、(7)該DNAがレポ
ーター遺伝子(例、大腸菌由来のβ−ガラクトシダーゼ
遺伝子)を導入することにより不活性化され、該レポー
ター遺伝子が本発明のDNAに対するプロモーターの制
御下で発現しうる第(6)項記載の非ヒト哺乳動物、
(8)非ヒト哺乳動物がゲッ歯動物である第(6)項記
載の非ヒト哺乳動物、(9)ゲッ歯動物がマウスである
第(8)項記載の非ヒト哺乳動物、および(10)第
(7)項記載の動物に、試験化合物を投与し、レポータ
ー遺伝子の発現を検出することを特徴とする本発明のD
NAに対するプロモーター活性を促進または阻害する化
合物またはその塩のスクリーニング方法を提供する。
【0076】本発明のDNAが不活性化された非ヒト哺
乳動物胚幹細胞とは、該非ヒト哺乳動物が有する本発明
のDNAに人為的に変異を加えることにより、DNAの
発現能を抑制するか、もしくは該DNAがコードしてい
る本発明の蛋白質の活性を実質的に喪失させることによ
り、DNAが実質的に本発明の蛋白質の発現能を有さな
い(以下、本発明のノックアウトDNAと称することが
ある)非ヒト哺乳動物の胚幹細胞(以下、ES細胞と略
記する)をいう。非ヒト哺乳動物としては、前記と同様
のものが用いられる。本発明のDNAに人為的に変異を
加える方法としては、例えば、遺伝子工学的手法により
該DNA配列の一部又は全部の削除、他DNAを挿入ま
たは置換させることによって行なうことができる。これ
らの変異により、例えば、コドンの読み取り枠をずらし
たり、プロモーターあるいはエキソンの機能を破壊する
ことにより本発明のノックアウトDNAを作製すればよ
い。
【0077】本発明のDNAが不活性化された非ヒト哺
乳動物胚幹細胞(以下、本発明のDNA不活性化ES細
胞または本発明のノックアウトES細胞と略記する)の
具体例としては、例えば、目的とする非ヒト哺乳動物が
有する本発明のDNAを単離し、そのエキソン部分にネ
オマイシン耐性遺伝子、ハイグロマイシン耐性遺伝子を
代表とする薬剤耐性遺伝子、あるいはlacZ(β−ガ
ラクトシダーゼ遺伝子)、cat(クロラムフェニコー
ルアセチルトランスフェラーゼ遺伝子)を代表とするレ
ポーター遺伝子等を挿入することによりエキソンの機能
を破壊するか、あるいはエキソン間のイントロン部分に
遺伝子の転写を終結させるDNA配列(例えば、polyA
付加シグナルなど)を挿入し、完全なメッセンジャーR
NAを合成できなくすることによって、結果的に遺伝子
を破壊するように構築したDNA配列を有するDNA鎖
(以下、ターゲッティングベクターと略記する)を、例
えば相同組換え法により該動物の染色体に導入し、得ら
れたES細胞について本発明のDNA上あるいはその近
傍のDNA配列をプローブとしたサザンハイブリダイゼ
ーション解析あるいはターゲッティングベクター上のD
NA配列とターゲッティングベクター作製に使用した本
発明のDNA以外の近傍領域のDNA配列をプライマー
としたPCR法により解析し、本発明のノックアウトE
S細胞を選別することにより得ることができる。また、
相同組換え法等により本発明のDNAを不活化させる元
のES細胞としては、例えば、前述のような既に樹立さ
れたものを用いてもよく、また公知 EvansとKaufmaの方
法に準じて新しく樹立したものでもよい。例えば、マウ
スのES細胞の場合、現在、一般的には129系のES
細胞が使用されているが、免疫学的背景がはっきりして
いないので、これに代わる純系で免疫学的に遺伝的背景
が明らかなES細胞を取得するなどの目的で例えば、C
57BL/6マウスやC57BL/6の採卵数の少なさ
をDBA/2との交雑により改善したBDFマウス
(C57BL/6とDBA/2とのF)を用いて樹立
したものなども良好に用いうる。BDFマウスは、採
卵数が多く、かつ、卵が丈夫であるという利点に加え
て、C57BL/6マウスを背景に持つので、これを用
いて得られたES細胞は病態モデルマウスを作出したと
き、C57BL/6マウスとバッククロスすることでそ
の遺伝的背景をC57BL/6マウスに代えることが可
能である点で有利に用い得る。また、ES細胞を樹立す
る場合、一般には受精後3.5日目の胚盤胞を使用する
が、これ以外に8細胞期胚を採卵し胚盤胞まで培養して
用いることにより効率よく多数の初期胚を取得すること
ができる。また、雌雄いずれのES細胞を用いてもよい
が、通常雄のES細胞の方が生殖系列キメラを作出する
のに都合が良い。また、煩雑な培養の手間を削減するた
めにもできるだけ早く雌雄の判別を行なうことが望まし
い。
【0078】ES細胞の雌雄の判定方法としては、例え
ば、PCR法によりY染色体上の性決定領域の遺伝子を
増幅、検出する方法が、その1例としてあげることがで
きる。この方法を使用すれば、従来、核型分析をするの
に約10個の細胞数を要していたのに対して、1コロ
ニー程度のES細胞数(約50個)で済むので、培養初
期におけるES細胞の第一次セレクションを雌雄の判別
で行なうことが可能であり、早期に雄細胞の選定を可能
にしたことにより培養初期の手間は大幅に削減できる。
また、第二次セレクションとしては、例えば、G−バン
ディング法による染色体数の確認等により行うことがで
きる。得られるES細胞の染色体数は正常数の100%
が望ましいが、樹立の際の物理的操作等の関係上困難な
場合は、ES細胞の遺伝子をノックアウトした後、正常
細胞(例えば、マウスでは染色体数が2n=40である
細胞)に再びクローニングすることが望ましい。このよ
うにして得られた胚幹細胞株は、通常その増殖性は大変
良いが、個体発生できる能力を失いやすいので、注意深
く継代培養することが必要である。例えば、STO繊維
芽細胞のような適当なフィーダー細胞上でLIF(1−
10000U/ml)存在下に炭酸ガス培養器内(好ましく
は、5%炭酸ガス、95%空気または5%酸素、5%炭
酸ガス、90%空気)で約37℃で培養するなどの方法
で培養し、継代時には、例えば、トリプシン/EDTA
溶液(通常0.001−0.5%トリプシン/0.1−5
mM EDTA、好ましくは約0.1%トリプシン/1m
M EDTA)処理により単細胞化し、新たに用意した
フィーダー細胞上に播種する方法などがとられる。この
ような継代は、通常1−3日毎に行なうが、この際に細
胞の観察を行い、形態的に異常な細胞が見受けられた場
合はその培養細胞は放棄することが望まれる。ES細胞
は、適当な条件により、高密度に至るまで単層培養する
か、または細胞集塊を形成するまで浮遊培養することに
より、頭頂筋、内臓筋、心筋などの種々のタイプの細胞
に分化させることが可能であり〔M. J. Evans及びM. H.
Kaufman, ネイチャー(Nature)第292巻、154頁、1981
年;G. R. Martin プロシーディングス・オブ・ナショ
ナル・アカデミー・オブ・サイエンス・ユーエスエー
(Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A.)第78巻、7634頁、1
981年;T. C. Doetschmanら、ジャーナル・オブ・エン
ブリオロジー・アンド・エクスペリメンタル・モルフォ
ロジー、第87巻、27頁、1985年〕、本発明のES細胞を
分化させて得られる本発明のDNA発現不全細胞は、イ
ンビトロにおける本発明の蛋白質または本発明のレセプ
ター蛋白質の細胞生物学的検討において有用である。
【0079】本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物
は、該動物のmRNA量を公知方法を用いて測定して間
接的にその発現量を比較することにより、正常動物と区
別することが可能である。該非ヒト哺乳動物としては、
前記と同様のものが用いられる。本発明のDNA発現不
全非ヒト哺乳動物は、例えば、前述のようにして作製し
たターゲッティングベクターをマウス胚幹細胞またはマ
ウス卵細胞に導入し、導入によりターゲッティングベク
ターの本発明のDNAが不活性化されたDNA配列が遺
伝子相同組換えにより、マウス胚幹細胞またはマウス卵
細胞の染色体上の本発明のDNAと入れ換わる相同組換
えをさせることにより、本発明のDNAをノックアウト
させることができる。本発明のDNAがノックアウトさ
れた細胞は、本発明のDNA上またはその近傍のDNA
配列をプローブとしたサザンハイブリダイゼーション解
析またはターゲッティングベクター上のDNA配列と、
ターゲッティングベクターに使用したマウス由来の本発
明のDNA以外の近傍領域のDNA配列とをプライマー
としたPCR法による解析で判定することができる。非
ヒト哺乳動物胚幹細胞を用いた場合は、遺伝子相同組換
えにより、本発明のDNAが不活性化された細胞株をク
ローニングし、その細胞を適当な時期、例えば、8細胞
期の非ヒト哺乳動物胚または胚盤胞に注入し、作製した
キメラ胚を偽妊娠させた該非ヒト哺乳動物の子宮に移植
する。作出された動物は正常な本発明のDNA座をもつ
細胞と人為的に変異した本発明のDNA座をもつ細胞と
の両者から構成されるキメラ動物である。該キメラ動物
の生殖細胞の一部が変異した本発明のDNA座をもつ場
合、このようなキメラ個体と正常個体を交配することに
より得られた個体群より、全ての組織が人為的に変異を
加えた本発明のDNA座をもつ細胞で構成された個体
を、例えば、コートカラーの判定等により選別すること
により得られる。このようにして得られた個体は、通
常、本発明の蛋白質のヘテロ発現不全個体であり、本発
明の蛋白質または本発明のレセプター蛋白質のヘテロ発
現不全個体同志を交配し、それらの産仔から本発明の蛋
白質または本発明のレセプター蛋白質のホモ発現不全個
体を得ることができる。
【0080】卵細胞を使用する場合は、例えば、卵細胞
核内にマイクロインジェクション法でDNA溶液を注入
することによりターゲッティングベクターを染色体内に
導入したトランスジェニック非ヒト哺乳動物を得ること
ができ、これらのトランスジェニック非ヒト哺乳動物に
比べて、遺伝子相同組換えにより本発明のDNA座に変
異のあるものを選択することにより得られる。このよう
にして本発明のDNAがノックアウトされている個体
は、交配により得られた動物個体も該DNAがノックア
ウトされていることを確認して通常の飼育環境で飼育継
代を行なうことができる。さらに、生殖系列の取得およ
び保持についても常法に従えばよい。すなわち、該不活
化DNAの保有する雌雄の動物を交配することにより、
該不活化DNAを相同染色体の両方に持つホモザイゴー
ト動物を取得しうる。得られたホモザイゴート動物は、
母親動物に対して、正常個体1,ホモザイゴート複数に
なるような状態で飼育することにより効率的に得ること
ができる。ヘテロザイゴート動物の雌雄を交配すること
により、該不活化DNAを有するホモザイゴートおよび
ヘテロザイゴート動物を繁殖継代する。また、MT3−
MMPノックアウト動物およびMMP−19ノックアウ
ト動物を交配することによりMT3−MMP/MMP−
19ノックアウト動物を作成することもできる。本発明
のDNAが不活性化された非ヒト哺乳動物胚幹細胞は、
本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物を作出する上
で、非常に有用である。また、本発明のDNA発現不全
非ヒト哺乳動物は、本発明の蛋白質または本発明のレセ
プター蛋白質により誘導され得る種々の生物活性を欠失
するため、本発明の蛋白質または本発明のレセプター蛋
白質の生物活性の不活性化を原因とする疾病のモデルと
なり得るので、これらの疾病の原因究明及び治療法の検
討に有用である。
【0081】(8a)本発明のDNAの欠損や損傷など
に起因する疾病に対して治療・予防効果を有する化合物
のスクリーニング方法 本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物は、本発明のD
NAの欠損や損傷などに起因する疾病に対して治療・予
防効果を有する化合物のスクリーニングに用いることが
できる。すなわち、本発明は、本発明のDNA発現不全
非ヒト哺乳動物に試験化合物を投与し、該動物の変化を
観察・測定することを特徴とする、本発明のDNAの欠
損や損傷などに起因する疾病に対して治療・予防効果を
有する化合物またはその塩のスクリーニング方法を提供
する。該スクリーニング方法において用いられる本発明
のDNA発現不全非ヒト哺乳動物としては、前記と同様
のものがあげられる。試験化合物としては、例えば、ペ
プチド、タンパク、非ペプチド性化合物、合成化合物、
発酵生産物、細胞抽出液、植物抽出液、動物組織抽出
液、血漿などがあげられ、これら化合物は新規な化合物
であってもよいし、公知の化合物であってもよい。具体
的には、本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物を、試
験化合物で処理し、無処理の対照動物と比較し、該動物
の各器官、組織、疾病の症状などの変化を指標として試
験化合物の治療・予防効果を試験することができる。試
験動物を試験化合物で処理する方法としては、例えば、
経口投与、静脈注射などが用いられ、試験動物の症状、
試験化合物の性質などにあわせて適宜選択することがで
きる。また、試験化合物の投与量は、投与方法、試験化
合物の性質などにあわせて適宜選択することができる。
【0082】例えば、軟骨形成異常、骨形成異常、骨粗
鬆症、変形性関節症、慢性関節リウマチ、関節炎、滑膜
炎、代謝性関節症またはスポーツによる関節障害(例、
テニス肘)などの骨・関節疾患に対して治療・予防効果
を有する化合物をスクリーニングする場合、本発明のD
NA発現不全非ヒト哺乳動物に試験化合物を投与し、該
動物の関節や軟骨などを経時的に観察し、上記疾患の症
状を観察する。該スクリーニング方法において、試験動
物に試験化合物を投与した場合、該試験動物の上記疾患
症状が約10%以上、好ましくは約30%以上、より好
ましくは約50%以上改善した場合、該試験化合物を上
記の疾患に対して治療・予防効果を有する化合物として
選択することができる。該スクリーニング方法を用いて
得られる化合物は、上記した試験化合物から選ばれた化
合物であり、本発明の蛋白質の欠損や損傷などによって
引き起こされる疾患に対して治療・予防効果を有するの
で、該疾患に対する安全で低毒性な治療・予防剤などの
医薬として使用することができる。さらに、上記スクリ
ーニングで得られた化合物から誘導される化合物も同様
に用いることができる。該スクリーニング方法で得られ
た化合物は塩を形成していてもよく、該化合物の塩とし
ては、生理学的に許容される酸(例、無機酸、有機酸な
ど)や塩基(例、アルカリ金属など)などとの塩が用い
られ、とりわけ生理学的に許容される酸付加塩が好まし
い。この様な塩としては、例えば、無機酸(例えば、塩
酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸など)との塩、あるいは
有機酸(例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、フマル
酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ
酸、蓚酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスル
ホン酸など)との塩などが用いられる。該スクリーニン
グ方法で得られた化合物またはその塩を含有する医薬
は、前記した本発明の蛋白質を含有する医薬と同様にし
て製造することができる。このようにして得られる製剤
は、安全で低毒性であるので、例えば、ヒトまたは哺乳
動物(例えば、ラット、マウス、モルモット、ウサギ、
ヒツジ、ブタ、ウシ、ウマ、ネコ、イヌ、サルなど)に
対して投与することができる。該化合物またはその塩の
投与量は、対象疾患、投与対象、投与ルートなどにより
差異はあるが、例えば、該化合物を経口投与する場合、
一般的に成人(体重60kgとして)の変形性関節症患
者においては、一日につき該化合物を約0.1〜100
mg、好ましくは約1.0〜50mg、より好ましくは
約1.0〜20mg投与する。非経口的に投与する場合
は、該化合物の1回投与量は投与対象、対象疾患などに
よっても異なるが、例えば、該化合物を注射剤の形で通
常成人(60kgとして)の変形性関節症患者に投与す
る場合、一日につき該化合物を約0.01〜30mg程
度、好ましくは約0.1〜20mg程度、より好ましく
は約0.1〜10mg程度を静脈注射により投与するの
が好都合である。他の動物の場合も、60kg当たりに
換算した量を投与することができる。
【0083】(8b)本発明のDNAに対するプロモー
ターの活性を促進または阻害する化合物をスクリーニン
グ方法 本発明は、本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物に、
試験化合物を投与し、レポーター遺伝子の発現を検出す
ることを特徴とする本発明のDNAに対するプロモータ
ーの活性を促進または阻害する化合物またはその塩のス
クリーニング方法を提供する。上記スクリーニング方法
において、本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物とし
ては、前記した本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物
の中でも、本発明のDNAがレポーター遺伝子を導入す
ることにより不活性化され、該レポーター遺伝子が本発
明のDNAに対するプロモーターの制御下で発現しうる
ものが用いられる。試験化合物としては、前記と同様の
ものがあげられる。レポーター遺伝子としては、前記と
同様のものが用いられ、β−ガラクトシダーゼ遺伝子
(lacZ)、可溶性アルカリフォスファターゼ遺伝子
またはルシフェラーゼ遺伝子などが好適である。本発明
のDNAをレポーター遺伝子で置換された本発明のDN
A発現不全非ヒト哺乳動物では、レポーター遺伝子が本
発明のDNAに対するプロモーターの支配下に存在する
ので、レポーター遺伝子がコードする物質の発現をトレ
ースすることにより、プロモーターの活性を検出するこ
とができる。例えば、本発明の蛋白質をコードするDN
A領域の一部を大腸菌由来のβ−ガラクトシダーゼ遺伝
子(lacZ)で置換している場合、本来、本発明の蛋
白質の発現する組織で、本発明の蛋白質の代わりにβ−
ガラクトシダーゼが発現する。従って、例えば、5−ブ
ロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−ガラクトピラ
ノシド(X−gal)のようなβ−ガラクトシダーゼの
基質となる試薬を用いて染色することにより、簡便に本
発明の蛋白質の動物生体内における発現状態を観察する
ことができる。具体的には、本発明の蛋白質欠損マウス
またはその組織切片をグルタルアルデヒドなどで固定
し、リン酸緩衝生理食塩液(PBS)で洗浄後、X−g
alを含む染色液で、室温または37℃付近で、約30
分ないし1時間反応させた後、組織標本を1mM ED
TA/PBS溶液で洗浄することによって、β−ガラク
トシダーゼ反応を停止させ、呈色を観察すればよい。ま
た、常法に従い、lacZをコードするmRNAを検出
してもよい。上記スクリーニング方法を用いて得られる
化合物またはその塩は、上記した試験化合物から選ばれ
た化合物であり、本発明のDNAに対するプロモーター
活性を促進または阻害する化合物である。該スクリーニ
ング方法で得られた化合物は塩を形成していてもよく、
該化合物の塩としては、生理学的に許容される酸(例、
無機酸など)や塩基(例、有機酸など)などとの塩が用
いられ、とりわけ生理学的に許容される酸付加塩が好ま
しい。この様な塩としては、例えば、無機酸(例えば、
塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸など)との塩、あるい
は有機酸(例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、フマル
酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ
酸、蓚酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスル
ホン酸など)との塩などが用いられる。
【0084】本発明のDNAに対するプロモーター活性
を促進する化合物またはその塩は、本発明の蛋白質の発
現を促進し、該蛋白質の機能を促進することができるの
で、例えば、椎間板ヘルニアまたは大理石病などの骨・
関節疾患の治療・予防薬として有用である。本発明のD
NAに対するプロモーター活性を阻害する化合物または
その塩は、本発明の蛋白質の発現を阻害し、該蛋白質の
機能を阻害することができるので、例えば、軟骨形成異
常、骨形成異常、骨粗鬆症、変形性関節症、慢性関節リ
ウマチ、関節炎、滑膜炎、代謝性関節症またはスポーツ
による関節障害(例、テニス肘など)などの骨・関節疾
患の予防・治療薬として有用である。さらに、上記スク
リーニングで得られた化合物から誘導される化合物も同
様に用いることができる。該スクリーニング方法で得ら
れた化合物またはその塩を含有する医薬は、前記した本
発明の蛋白質またはその塩を含有する医薬と同様にして
製造することができる。このようにして得られる製剤
は、安全で低毒性であるので、例えば、ヒトまたは哺乳
動物(例えば、ラット、マウス、モルモット、ウサギ、
ヒツジ、ブタ、ウシ、ウマ、ネコ、イヌ、サルなど)に
対して投与することができる。該化合物またはその塩の
投与量は、対象疾患、投与対象、投与ルートなどにより
差異はあるが、例えば、本発明のDNAに対するプロモ
ーター活性を阻害する化合物を経口投与する場合、一般
的に成人(体重60kgとして)の変形性関節症患者に
おいては、一日につき該化合物を約0.1〜100m
g、好ましくは約1.0〜50mg、より好ましくは約
1.0〜20mg投与する。非経口的に投与する場合
は、該化合物の1回投与量は投与対象、対象疾患などに
よっても異なるが、例えば、本発明のDNAに対するプ
ロモーター活性を阻害する化合物を注射剤の形で通常成
人(60kgとして)の変形性関節症患者に投与する場
合、一日につき該化合物を約0.01〜30mg程度、
好ましくは約0.1〜20mg程度、より好ましくは約
0.1〜10mg程度を静脈注射により投与するのが好
都合である。他の動物の場合も、60kg当たりに換算
した量を投与することができる。このように、本発明の
DNA発現不全非ヒト哺乳動物は、本発明のDNAに対
するプロモーターの活性を促進または阻害する化合物ま
たはその塩をスクリーニングする上で極めて有用であ
り、本発明のDNA発現不全に起因する各種疾患の原因
究明または予防・治療薬の開発に大きく貢献することが
できる。また、本発明の蛋白質のプロモーター領域を含
有するDNAを使って、その下流に種々のタンパクをコ
ードする遺伝子を連結し、これを動物の卵細胞に注入し
ていわゆるトランスジェニック動物(遺伝子移入動物)
を作成すれば、特異的にその蛋白質を合成させ、その生
体での作用を検討することも可能となる。さらに上記プ
ロモーター部分に適当なレポータ遺伝子を結合させ、こ
れが発現するような細胞株を樹立すれば、本発明の蛋白
質そのものの体内での産生能力を特異的に促進もしくは
抑制する作用を持つ低分子化合物の探索系として使用で
きる。
【0085】(9)MT3−MMPを含有する医薬 MT3−MMPは、MMP−19前駆体を活性化し、M
MP−19のプロテオグリカン分解活性を活性化するこ
とができる。従って、MT3−MMPまたはMMP−1
9DNAは、MMP−19の活性化剤として使用するこ
とができ、さらには椎間板ヘルニアまたは大理石病など
の骨・関節疾患の治療・予防剤として使用することがで
きる。MT3−MMPまたはMT3−MMP DNA
は、例えば、生体内においてMT3−MMPが減少ある
いは欠損している患者がいる場合に、(イ)MT3−M
MP DNAを該患者に投与し、生体内でMT3−MM
Pを発現させることによって、(ロ)細胞にMT3−M
MP DNAを挿入し、MT3−MMPを発現させた後
に、該細胞を患者に移植することによって、または
(ハ)MT3−MMPを該患者に投与することなどによ
って、該患者におけるMT3−MMPの役割を十分に、
あるいは正常に発揮させることができ、MMP−19の
活性化を図ることができる。MT3−MMP DNAを
上記の治療・予防剤として使用する場合は、MT3−M
MP DNAを単独あるいはレトロウイルスベクター、
アデノウイルスベクター、アデノウイルスアソシエーテ
ッドウイルスベクターなどの適当なベクターに挿入した
後、常套手段に従って、ヒトまたは温血動物に投与する
ことができる。MT3−MMP DNAは、そのまま
で、あるいは摂取促進のための補助剤などの生理学的に
認められる担体とともに製剤化し、遺伝子銃やハイドロ
ゲルカテーテルのようなカテーテルによって投与でき
る。MT3−MMPを上記の治療・予防剤として使用す
る場合は、少なくとも90%、好ましくは95%以上、
より好ましくは98%以上、さらに好ましくは99%以
上に精製されたものを使用するのが好ましい。MT3−
MMPは、例えば、必要に応じて糖衣を施した錠剤、カ
プセル剤、エリキシル剤、マイクロカプセル剤などとし
て経口的に、あるいは水もしくはそれ以外の薬学的に許
容し得る液との無菌性溶液、または懸濁液剤などの注射
剤の形で非経口的に使用できる。例えば、本発明のペプ
チドを生理学的に認められる担体、香味剤、賦形剤、ベ
ヒクル、防腐剤、安定剤、結合剤などとともに一般に認
められた製剤実施に要求される単位用量形態で混和する
ことによって製造することができる。これら製剤におけ
る有効成分量は指示された範囲の適当な用量が得られる
ようにするものである。
【0086】錠剤、カプセル剤などに混和することがで
きる添加剤としては、例えば、ゼラチン、コーンスター
チ、トラガント、アラビアゴムのような結合剤、結晶性
セルロースのような賦形剤、コーンスターチ、ゼラチ
ン、アルギン酸などのような膨化剤、ステアリン酸マグ
ネシウムのような潤滑剤、ショ糖、乳糖またはサッカリ
ンのような甘味剤、ペパーミント、アカモノ油またはチ
ェリーのような香味剤などが用いられる。調剤単位形態
がカプセルである場合には、前記タイプの材料にさらに
油脂のような液状担体を含有することができる。注射の
ための無菌組成物は注射用水のようなベヒクル中の活性
物質、胡麻油、椰子油などのような天然産出植物油など
を溶解または懸濁させるなどの通常の製剤実施に従って
処方することができる。注射用の水性液としては、例え
ば、生理食塩水、ブドウ糖やその他の補助薬を含む等張
液(例えば、D−ソルビトール、D−マンニトール、塩
化ナトリウムなど)などがあげられ、適当な溶解補助
剤、例えば、アルコール(例えば、エタノールなど)、
ポリアルコール(例えば、プロピレングリコール、ポリ
エチレングリコールなど)、非イオン性界面活性剤(例
えば、ポリソルベート80TM、HCO−50など)など
と併用してもよい。油性液としては、例えば、ゴマ油、
大豆油などがあげられ、溶解補助剤として安息香酸ベン
ジル、ベンジルアルコールなどと併用してもよい。ま
た、緩衝剤(例えば、リン酸塩緩衝液、酢酸ナトリウム
緩衝液など)、無痛化剤(例えば、塩化ベンザルコニウ
ム、塩酸プロカインなど)、安定剤(例えば、ヒト血清
アルブミン、ポリエチレングリコールなど)、保存剤
(例えば、ベンジルアルコール、フェノールなど)、酸
化防止剤などと配合してもよい。調製された注射液は、
通常、適当なアンプルに充填される。MT3−MMP
DNAがそれぞれ挿入されたベクターも上記と同様に製
剤化され、通常、非経口的に使用される。このようにし
て得られる製剤は、安全で低毒性であるので、例えば、
ヒトまたは温血動物(例えば、ラット、マウス、モルモ
ット、ウサギ、トリ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ウマ、ネ
コ、イヌ、サル、など)に対して投与することができ
る。
【0087】MT3−MMPの投与量は、対象疾患、投
与対象、投与ルートなどにより差異はあるが、例えば、
肺繊維症の治療目的でMT3−MMPを経口投与する場
合、一般的に成人(60kgとして)においては、一日
につきMT3−MMPを約0.1mg〜100mg、好
ましくは約1.0〜50mg、より好ましくは約1.0
〜20mg投与する。非経口的に投与する場合は、MT
3−MMPの1回投与量は投与対象、対象疾患などによ
っても異なるが、例えば、肺繊維症の治療目的でMT3
−MMPを注射剤の形で成人(体重60kgとして)に
投与する場合、一日につきMT3−MMPをそれぞれ約
0.01〜30mg程度、好ましくは約0.1〜20m
g程度、より好ましくは約0.1〜10mg程度を患部
に注射することにより投与するのが好都合である。他の
動物の場合も、60kg当たりに換算した量を投与する
ことができる。
【0088】本明細書において、塩基やアミノ酸などを
略号で表示する場合、IUPAC−IUB Commission
on Biochemical Nomenclature による略号あるいは当
該分野における慣用略号に基づくものであり、その例を
下記する。またアミノ酸に関し光学異性体があり得る場
合は、特に明示しなければL体を示すものとする。 DNA :デオキシリボ核酸 cDNA :相補的デオキシリボ核酸 A :アデニン T :チミン G :グアニン C :シトシン RNA :リボ核酸 mRNA :メッセンジャーリボ核酸 dATP :デオキシアデノシン三リン酸 dTTP :デオキシチミジン三リン酸 dGTP :デオキシグアノシン三リン酸 dCTP :デオキシシチジン三リン酸 ATP :アデノシン三リン酸 EDTA :エチレンジアミン四酢酸 SDS :ドデシル硫酸ナトリウム Gly :グリシン Ala :アラニン Val :バリン Leu :ロイシン Ile :イソロイシン Ser :セリン Thr :スレオニン Cys :システイン Met :メチオニン Glu :グルタミン酸 Asp :アスパラギン酸 Lys :リジン Arg :アルギニン His :ヒスチジン Phe :フェニルアラニン Tyr :チロシン Trp :トリプトファン Pro :プロリン Asn :アスパラギン Gln :グルタミン pGlu :ピログルタミン酸 Sec :セレノシステイン(selenocysteine)
【0089】また、本明細書中で繁用される置換基、保
護基および試薬を下記の記号で表記する。 Me :メチル基 Et :エチル基 Bu :ブチル基 Ph :フェニル基 TC :チアゾリジン−4(R)−カルボキサミド基 Tos :p−トルエンスルフォニル CHO :ホルミル Bzl :ベンジル Cl2-Bzl :2,6−ジクロロベンジル Bom :ベンジルオキシメチル Z :ベンジルオキシカルボニル Cl−Z :2−クロロベンジルオキシカルボニル Br−Z :2−ブロモベンジルオキシカルボニル Boc :t−ブトキシカルボニル DNP :ジニトロフェニル Trt :トリチル Bum :t−ブトキシメチル Fmoc :N−9−フルオレニルメトキシカルボニル HOBt :1−ヒドロキシベンズトリアゾール HOOBt :3,4−ジヒドロ−3−ヒドロキシ−4−オキソ− 1,2,3−ベンゾトリアジン HONB :1-ヒドロキシ-5-ノルボルネン-2,3-ジカルボキシイミド DCC :N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド
【0090】本願明細書の配列表の配列番号は、以下の
配列を示す。 〔配列番号:1〕ヒト由来Matrix metalloproteinase 1
9 (MMP−19)のアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:2〕配列番号:1で表されるアミノ酸配列
を含有するMMP−19をコードするDNAの塩基配列
を示す。 〔配列番号:3〕Matorix metalloproteinase 16 (MM
P−16=MT3−MMP)のアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:4〕配列番号:3で表されるアミノ酸配列
を含有するMT3−MMPをコードするDNAの塩基配
列を示す。
【0091】
【発明の実施の形態】以下において、実施例により本発
明をより具体的にするが、この発明はこれらに限定され
るものではない。
【実施例】実施例1 ウシ鼻中隔部分より軟骨を採取し、直径4mmコルクボ
ーラーを用いて円筒形に切断後、その円筒形軟骨をメス
で厚さ約1mmに切断し、ディスク状の軟骨片とした。
次にこの軟骨片を−80℃および37℃にて凍結、融解
を5回行い、最後に65℃で20分加熱して以下の活性
測定用の基質として用いた。1日前に1×10個ずつ
48穴プレートに播き、培養しておいたCOS7細胞を
用いてヒトMMP−19発現ベクター(pTB192
1、WO97/40157に記載)とヒトMT3−MM
P発現ベクター(Takinoら、J. Biol. Chem. 270: 2301
3-23020, 1995。この文献中にはMT−MMP−2とあ
るが、その後MT3−MMPとなった。)のトランスフ
ェクションを行った。トランスフェクションはFuge
ne6(ベーリンガー−マンハイム社製)を用い、その
プロトコールに従った。トランスフェクション4時間
後、上記で得られたディスク状ウシ軟骨片を添加し、3
7℃にてさらに培養を継続した。培養2日後、上清中の
硫酸化グリコサミノグリカンをC. J. HandleyとD. J. B
uttleの方法(Methods in Enzymology 248: 47-58,1995)
に従って測定し、各種遺伝子導入によるプロテオグリカ
ン分解亢進を比較した。その結果を下表に示すとおり、
MMP−19およびMT3−MMPのトランスフェクシ
ョンによってプロテオグリカン分解は有意に亢進し、各
々単独の遺伝子では明らかな分解は認められなかった。
【表1】 SGAG(硫酸化グリコサミノグリカン) 値は4連の実験の平均値
【0092】
【発明の効果】本発明のスクリーニング方法を用いるこ
とにより、プロテオグリカン分解活性を調節する化合物
を効率良く選択することができる。
【0093】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> Takeda Chemical Industries, Ltd. <120> Screening method for preventing and treating agent for bone or joi nt diseases <130> B02283 <150> JP 2001-303314 <151> 2001-09-28 <160> 4 <210> 1 <211> 508 <212> PRT <213> Human <400> 1 Met Asn Cys Gln Gln Leu Trp Leu Gly Phe Leu Leu Pro Met Thr Val 1 5 10 15 Ser Gly Arg Val Leu Gly Leu Ala Glu Val Ala Pro Val Asp Tyr Leu 20 25 30 Ser Gln Tyr Gly Tyr Leu Gln Lys Pro Leu Glu Gly Ser Asn Asn Phe 35 40 45 Lys Pro Glu Asp Ile Thr Glu Ala Leu Arg Ala Phe Gln Glu Ala Ser 50 55 60 Glu Leu Pro Val Ser Gly Gln Leu Asp Asp Ala Thr Arg Ala Arg Met 65 70 75 80 Arg Gln Pro Arg Cys Gly Leu Glu Asp Pro Phe Asn Gln Lys Thr Leu 85 90 95 Lys Tyr Leu Leu Leu Gly Arg Trp Arg Lys Lys His Leu Thr Phe Arg 100 105 110 Ile Leu Asn Leu Pro Ser Thr Leu Pro Pro His Thr Ala Arg Ala Ala 115 120 125 Leu Arg Gln Ala Phe Gln Asp Trp Ser Asn Val Ala Pro Leu Thr Phe 130 135 140 Gln Glu Val Gln Ala Gly Ala Ala Asp Ile Arg Leu Ser Phe His Gly 145 150 155 160 Arg Gln Ser Ser Tyr Cys Ser Asn Thr Phe Asp Gly Pro Gly Arg Val 165 170 175 Leu Ala His Ala Asp Ile Pro Glu Leu Gly Ser Val His Phe Asp Glu 180 185 190 Asp Glu Phe Trp Thr Glu Gly Thr Tyr Arg Gly Val Asn Leu Arg Ile 195 200 205 Ile Ala Ala His Glu Val Gly His Ala Leu Gly Leu Gly His Ser Arg 210 215 220 Tyr Ser Gln Ala Leu Met Ala Pro Val Tyr Glu Gly Tyr Arg Pro His 225 230 235 240 Phe Lys Leu His Pro Asp Asp Val Ala Gly Ile Gln Ala Leu Tyr Gly 245 250 255 Lys Lys Ser Pro Val Ile Arg Asp Glu Glu Glu Glu Glu Thr Glu Leu 260 265 270 Pro Thr Val Pro Pro Val Pro Thr Glu Pro Ser Pro Met Pro Asp Pro 275 280 285 Cys Ser Ser Glu Leu Asp Ala Met Met Leu Gly Pro Arg Gly Lys Thr 290 295 300 Tyr Ala Phe Lys Gly Asp Tyr Val Trp Thr Val Ser Asp Ser Gly Pro 305 310 315 320 Gly Pro Leu Phe Arg Val Ser Ala Leu Trp Glu Gly Leu Pro Gly Asn 325 330 335 Leu Asp Ala Ala Val Tyr Ser Pro Arg Thr Gln Trp Ile His Phe Phe 340 345 350 Lys Gly Asp Lys Val Trp Arg Tyr Ile Asn Phe Lys Met Ser Pro Gly 355 360 365 Phe Pro Lys Lys Leu Asn Arg Val Glu Pro Asn Leu Asp Ala Ala Leu 370 375 380 Tyr Trp Pro Leu Asn Gln Lys Val Phe Leu Phe Lys Gly Ser Gly Tyr 385 390 395 400 Trp Gln Trp Asp Glu Leu Ala Arg Thr Asp Phe Ser Ser Tyr Pro Lys 405 410 415 Pro Ile Lys Gly Leu Phe Thr Gly Val Pro Asn Gln Pro Ser Ala Ala 420 425 430 Met Ser Trp Gln Asp Gly Arg Val Tyr Phe Phe Lys Gly Lys Val Tyr 435 440 445 Trp Arg Leu Asn Gln Gln Leu Arg Val Glu Lys Gly Tyr Pro Arg Asn 450 455 460 Ile Ser His Asn Trp Met His Cys Arg Pro Arg Thr Ile Asp Thr Thr 465 470 475 480 Pro Ser Gly Gly Asn Thr Thr Pro Ser Gly Thr Gly Ile Thr Leu Asp 485 490 495 Thr Thr Leu Ser Ala Thr Glu Thr Thr Phe Glu Tyr 500 505 <210> 2 <211> 1524 <212> DNA <213> Human <400> 12 atgaactgcc agcagctgtg gctgggcttc ctactcccca tgacagtctc aggccgggtc 60 ctggggcttg cagaggtggc gcccgtggac tacctgtcac aatatgggta cctacagaag 120 cctctagaag gatctaataa cttcaagcca gaagatatca ccgaggctct gagagctttt 180 caggaagcat ctgaacttcc agtctcaggt cagctggatg atgccacaag ggcccgcatg 240 aggcagcctc gttgtggcct agaggatccc ttcaaccaga agacccttaa atacctgttg 300 ctgggccgct ggagaaagaa gcacctgact ttccgcatct tgaacctgcc ctccaccctt 360 ccaccccaca cagcccgggc agccctgcgt caagccttcc aggactggag caatgtggct 420 cccttgacct tccaagaggt gcaggctggt gcggctgaca tccgcctctc cttccatggc 480 cgccaaagct cgtactgttc caatactttt gatgggcctg ggagagttct ggcccatgcc 540 gacatcccag agctgggcag tgtgcacttc gacgaagacg agttctggac tgaggggacc 600 taccgtgggg tgaacctgcg catcattgca gcccatgaag tgggccatgc tctggggctt 660 gggcactccc gatattccca ggccctcatg gccccagtct acgagggcta ccggccccac 720 tttaagctgc acccagatga tgtggcaggg atccaggctc tctatggcaa gaagagtcca 780 gtgataaggg atgaggaaga agaagagaca gagctgccca ctgtgccccc agtgcccaca 840 gaacccagtc ccatgccaga cccttgcagt agtgaactgg atgccatgat gctggggccc 900 cgtgggaaga cctatgcttt caagggggac tatgtgtgga ctgtatcaga ttcaggaccg 960 ggccccttgt tccgagtgtc tgccctttgg gaggggctcc ccggaaacct ggatgctgct 1020 gtctactcgc ctcgaacaca atggattcac ttctttaagg gagacaaggt gtggcgctac 1080 attaatttca agatgtctcc tggcttcccc aagaagctga atagggtaga acctaacctg 1140 gatgcagctc tctattggcc tctcaaccaa aaggtgttcc tctttaaggg ctccgggtac 1200 tggcagtggg acgagctagc ccgaactgac ttcagcagct accccaaacc aatcaagggt 1260 ttgtttacgg gagtgccaaa ccagccctcg gctgctatga gttggcaaga tggccgagtc 1320 tacttcttca agggcaaagt ctactggcgc ctcaaccagc agcttcgagt agagaaaggc 1380 tatcccagaa atatttccca caactggatg cactgtcgtc cccggactat agacactacc 1440 ccatcaggtg ggaataccac tccctcaggt acgggcataa ccttggatac cactctctca 1500 gccacagaaa ccacgtttga atac 1524 <210> 3 <211> 457 <212> PRT <213> Human <400> 3 Met Ile Leu Leu Thr Phe Ser Thr Gly Arg Arg Leu Asp Phe Val His 5 10 15 His Ser Gly Val Phe Phe Leu Gln Thr Leu Leu Trp Ile Leu Cys Ala 20 25 30 Thr Val Cys Gly Thr Glu Gln Tyr Phe Asn Val Glu Val Trp Leu Gln 35 40 45 Lys Tyr Gly Tyr Leu Pro Pro Thr Asp Pro Arg Met Ser Val Leu Arg 50 55 60 Ser Ala Glu Thr Met Gln Ser Ala Leu Ala Ala Met Gln Gln Phe Tyr 65 70 75 80 Gly Ile Asn Met Thr Gly Lys Val Asp Arg Asn Thr Ile Asp Trp Met 85 90 95 Lys Lys Pro Arg Cys Gly Val Pro Asp Gln Thr Arg Gly Ser Ser Lys 100 105 110 Phe His Ile Arg Arg Lys Arg Tyr Ala Leu Thr Gly Gln Lys Trp Gln 115 120 125 His Lys His Ile Thr Tyr Ser Ile Lys Asn Val Thr Pro Lys Val Gly 130 135 140 Asp Pro Glu Thr Arg Lys Ala Ile Arg Arg Ala Phe Asp Val Trp Gln 145 150 155 160 Asn Val Thr Pro Leu Thr Phe Glu Glu Val Pro Tyr Ser Glu Leu Glu 165 170 175 Asn Gly Lys Arg Asp Val Asp Ile Thr Ile Ile Phe Ala Ser Gly Phe 180 185 190 His Gly Asp Ser Ser Pro Phe Asp Gly Glu Gly Gly Phe Leu Ala His 195 200 205 Ala Tyr Phe Pro Gly Pro Gly Ile Gly Gly Asp Thr His Phe Asp Ser 210 215 220 Asp Glu Pro Trp Thr Leu Gly Asn Pro Asn His Asp Gly Asn Asp Leu 225 230 235 240 Phe Leu Val Ala Val His Glu Leu Gly His Ala Leu Gly Leu Glu His 245 250 255 Ser Asn Asp Pro Thr Ala Ile Met Ala Pro Phe Tyr Gln Tyr Met Glu 260 265 270 Thr Asp Asn Phe Lys Leu Pro Asn Asp Asp Leu Gln Gly Ile Gln Lys 275 280 285 Ile Tyr Gly Pro Pro Asp Lys Ile Pro Pro Pro Thr Arg Pro Leu Pro 290 295 300 Thr Val Pro Pro His Arg Ser Ile Pro Pro Ala Asp Pro Arg Lys Asn 305 310 315 320 Asp Arg Pro Lys Pro Pro Arg Pro Pro Thr Gly Arg Pro Ser Tyr Pro 325 330 335 Gly Ala Lys Pro Asn Ile Cys Asp Gly Asn Phe Asn Thr Leu Ala Ile 340 345 350 Leu Arg Arg Glu Met Phe Val Phe Lys Asp Gln Trp Phe Trp Arg Val 355 360 365 Arg Asn Asn Arg Val Met Asp Gly Tyr Pro Met Gln Ile Thr Tyr Phe 370 375 380 Trp Arg Gly Leu Pro Pro Ser Ile Asp Ala Val Tyr Glu Asn Ser Asp 385 390 395 400 Gly Asn Phe Val Phe Phe Lys Val Lys Gly Asp Thr Leu Ser Val Ile 405 410 415 Gln Asp Gly Trp Leu Tyr Lys Tyr His Trp Lys Trp Ile Leu Glu Gln 420 425 430 Arg Gln Ser Val Pro Val Leu Ser Arg Gln Thr Glu Lys His Lys Thr 435 440 445 Tyr Glu Glu Leu Ser Ser Ile Thr Tyr 450 455 <210> 4 <211> 1371 <212> DNA <213> Human <400> 4 atgatcttac tcacattcag cactggaaga cggttggatt tcgtgcatca ttcgggggtg 60 tttttcttgc aaaccttgct ttggatttta tgtgctacag tctgcggaac ggagcagtat 120 ttcaatgtgg aggtttggtt acaaaagtac ggctaccttc caccgactga ccccagaatg 180 tcagtgctgc gctctgcaga gaccatgcag tctgccctag ctgccatgca gcagttctat 240 ggcattaaca tgacaggaaa agtggacaga aacacaattg actggatgaa gaagccccga 300 tgcggtgtac ctgaccagac aagaggtagc tccaaatttc atattcgtcg aaagcgatat 360 gcattgacag gacagaaatg gcagcacaag cacatcactt acagtataaa gaacgtaact 420 ccaaaagtag gagaccctga gactcgtaaa gctattcgcc gtgcctttga tgtgtggcag 480 aatgtaactc ctctgacatt tgaagaagtt ccctacagtg aattagaaaa tggcaaacgt 540 gatgtggata taaccattat ttttgcatct ggtttccatg gggacagctc tccctttgat 600 ggagagggag gatttttggc acatgcctac ttccctggac caggaattgg aggagatacc 660 cattttgact cagatgagcc atggacacta ggaaatccta atcatgatgg aaatgactta 720 tttcttgtag cagtccatga actgggacat gctctgggat tggagcattc caatgacccc 780 actgccatca tggctccatt ttaccagtac atggaaacag acaacttcaa actacctaat 840 gatgatttac agggcatcca gaagatatat ggtccacctg acaagattcc tccacctaca 900 agacctctac cgacagtgcc cccacaccgc tctattcctc cggctgaccc aaggaaaaat 960 gacaggccaa aacctcctcg gcctccaacc ggcagaccct cctatcccgg agccaaaccc 1020 aacatctgtg atgggaactt taacactcta gctattcttc gtcgtgagat gtttgttttc 1080 aaggaccagt ggttttggcg agtgagaaac aacagggtga tggatggata cccaatgcaa 1140 attacttact tctggcgggg cttgcctcct agtatcgatg cagtttatga aaatagcgac 1200 gggaattttg tgttctttaa agtgaaggga gacactctat ctgtaatcca agatggttgg 1260 ctctacaaat accattggaa atggattcta gaacaaaggc agtcagtgcc tgtgctctca 1320 agacaaactg aaaagcacaa gacctatgaa gaattatctt ccatcacata c 1371
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 15/09 C12Q 1/02 C12Q 1/02 1/68 Z 1/68 G01N 33/15 Z G01N 33/15 33/50 Z 33/50 33/53 D 33/53 33/566 33/566 C12N 15/00 A Fターム(参考) 2G045 AA34 AA40 BA11 DA36 4B024 AA01 AA11 BA14 CA02 DA02 EA04 GA11 4B063 QA01 QA05 QA18 QQ08 QQ13 QQ20 QQ36 QQ53 QQ79 QR33 QR55 QR62 QR69 QR77 QR80 QS24 QS25 QS34 QS38 4C084 AA17 NA14 ZA962 ZA972 ZB152

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】配列番号:1で表されるアミノ酸配列と
    同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する蛋
    白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩と配列番
    号:3で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に
    同一のアミノ酸配列を含有する蛋白質もしくはその部分
    ペプチドまたはその塩とを組み合わせて用いることを特
    徴とするプロテオグリカン分解を促進または阻害する化
    合物またはその塩のスクリーニング方法。
  2. 【請求項2】配列番号:1で表されるアミノ酸配列と
    同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する蛋
    白質またはその部分ペプチドをコードするDNAと配
    列番号:3で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質
    的に同一のアミノ酸配列を含有する蛋白質またはその部
    分ペプチドをコードするDNAとを組み合わせて用いる
    ことを特徴とするプロテオグリカン分解を促進または阻
    害する化合物またはその塩のスクリーニング方法。
  3. 【請求項3】配列番号:1で表されるアミノ酸配列と
    同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する蛋
    白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩と配列番
    号:3で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に
    同一のアミノ酸配列を含有する蛋白質もしくはその部分
    ペプチドまたはその塩とを共発現している細胞を用いる
    ことを特徴とするプロテオグリカン分解を促進または阻
    害する化合物またはその塩のスクリーニング方法。
  4. 【請求項4】配列番号:1で表されるアミノ酸配列と
    同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する蛋
    白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩と配列番
    号:3で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に
    同一のアミノ酸配列を含有する蛋白質もしくはその部分
    ペプチドまたはその塩とを共発現している細胞と、動物
    由来の軟骨組織または軟骨細胞とを、試験化合物の存在
    下または非存在下で共存培養し、それぞれの場合におけ
    るプロテオグリカン分解活性を測定し、比較することを
    特徴とするプロテオグリカン分解を促進または阻害する
    化合物またはその塩のスクリーニング方法。
  5. 【請求項5】配列番号:1で表されるアミノ酸配列と
    同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する蛋
    白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩と配列番
    号:3で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に
    同一のアミノ酸配列を含有する蛋白質もしくはその部分
    ペプチドまたはその塩とを共発現し得る細胞を試験化合
    物の存在下または非存在下で培養し、それぞれの場合に
    おけるプロテオグリカン分解活性を測定し、比較するこ
    とを特徴とするプロテオグリカン分解を促進または阻害
    する化合物またはその塩のスクリーニング方法。
  6. 【請求項6】配列番号:1で表されるアミノ酸配列と
    同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する蛋
    白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩と配列番
    号:3で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に
    同一のアミノ酸配列を含有する蛋白質もしくはその部分
    ペプチドまたはその塩とを含有してなるプロテオグリカ
    ン分解を促進または阻害する化合物またはその塩のスク
    リーニング用キット。
  7. 【請求項7】配列番号:1で表されるアミノ酸配列と
    同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する蛋
    白質またはその部分ペプチドをコードするDNAと配
    列番号:3で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質
    的に同一のアミノ酸配列を含有する蛋白質またはその部
    分ペプチドをコードするDNAとを含有してなるプロテ
    オグリカン分解を促進または阻害する化合物またはその
    塩のスクリーニング用キット。
  8. 【請求項8】配列番号:1で表されるアミノ酸配列と
    同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する蛋
    白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩と配列番
    号:3で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に
    同一のアミノ酸配列を含有する蛋白質もしくはその部分
    ペプチドまたはその塩とを共発現している細胞を含有し
    てなるプロテオグリカン分解を促進または阻害する化合
    物またはその塩のスクリーニング用キット。
  9. 【請求項9】請求項1〜5のいずれかに記載のスクリー
    ニング方法または請求項6〜8のいずれかに記載のスク
    リーニング用キットを用いて得られるプロテオグリカン
    分解を促進または阻害する化合物またはその塩。
  10. 【請求項10】請求項1〜5のいずれかに記載のスクリ
    ーニング方法または請求項6〜8のいずれかに記載のス
    クリーニング用キットを用いて得られるプロテオグリカ
    ン分解を促進または阻害する化合物またはその塩を含有
    してなる医薬。
  11. 【請求項11】請求項1〜5のいずれかに記載のスクリ
    ーニング方法または請求項6〜8のいずれかに記載のス
    クリーニング用キットを用いて得られるプロテオグリカ
    ン分解を阻害する化合物またはその塩を含有してなる骨
    ・関節疾患の予防・治療剤。
  12. 【請求項12】骨・関節疾患が軟骨形成異常、骨形成異
    常、骨粗鬆症、変形性関節症、慢性関節リウマチ、関節
    炎、滑膜炎、代謝性関節症またはスポーツによる関節障
    害である請求項11記載の剤。
  13. 【請求項13】請求項1〜5のいずれかに記載のスクリ
    ーニング方法または請求項6〜8のいずれかに記載のス
    クリーニング用キットを用いて得られるプロテオグリカ
    ン分解を促進する化合物またはその塩を含有してなる骨
    ・関節疾患の予防・治療剤。
  14. 【請求項14】骨・関節疾患が椎間板ヘルニアまたは大
    理石病である請求項13記載の剤。
  15. 【請求項15】配列番号:1で表されるアミノ酸配列と
    同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する蛋
    白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩の活性化を
    阻害する化合物またはその塩を含有してなる骨・関節疾
    患の予防・治療剤。
  16. 【請求項16】骨・関節疾患が軟骨形成異常、骨形成異
    常、骨粗鬆症、変形性関節症、慢性関節リウマチ、関節
    炎、滑膜炎、代謝性関節症またはスポーツによる関節障
    害である請求項15記載の剤。
  17. 【請求項17】配列番号:1で表されるアミノ酸配列と
    同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する蛋
    白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩の活性化を
    阻害する化合物またはその塩の有効量を哺乳動物に対し
    投与することを特徴とする骨・関節疾患の予防・治療方
    法。
  18. 【請求項18】骨・関節疾患の予防・治療剤を製造する
    ための配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もし
    くは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する蛋白質もし
    くはその部分ペプチドまたはその塩の活性化を阻害する
    化合物またはその塩の使用。
  19. 【請求項19】配列番号:1で表されるアミノ酸配列と
    同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する蛋
    白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩の活性化を
    促進する化合物またはその塩を含有してなる骨・関節疾
    患の予防・治療剤。
  20. 【請求項20】骨・関節疾患が椎間板ヘルニアまたは大
    理石病である請求項19記載の剤。
  21. 【請求項21】配列番号:1で表されるアミノ酸配列と
    同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する蛋
    白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩の活性化を
    促進する化合物またはその塩の有効量を哺乳動物に対し
    投与することを特徴とする骨・関節疾患の予防・治療方
    法。
  22. 【請求項22】骨・関節疾患の予防・治療剤を製造する
    ための配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もし
    くは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する蛋白質もし
    くはその部分ペプチドまたはその塩の活性化を促進する
    化合物またはその塩の使用。
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