JP2003189873A - がんの予防・治療剤 - Google Patents

がんの予防・治療剤

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JP2003189873A
JP2003189873A JP2001398207A JP2001398207A JP2003189873A JP 2003189873 A JP2003189873 A JP 2003189873A JP 2001398207 A JP2001398207 A JP 2001398207A JP 2001398207 A JP2001398207 A JP 2001398207A JP 2003189873 A JP2003189873 A JP 2003189873A
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cancer
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amino acid
dna
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JP2001398207A
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English (en)
Inventor
Yuichi Hikichi
裕一 引地
Ryosuke Katsuyama
良輔 勝山
Yuichi Koshirae
雄一 栫
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】がんの予防・治療剤などの提供。 【解決手段】ヒト由来のガラクトース転移酵素B4GA
LT1のアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のア
ミノ酸配列を有するタンパク質の活性を調節する化合物
またはその塩、上記アミノ酸配列と同一もしくは実質的
に同一のアミノ酸配列を有するタンパク質またはその部
分ペプチドをコードするDNAの塩基配列に相補的もし
くは実質的に相補的な塩基配列またはその一部を含有す
るアンチセンスヌクレオチドなどは、がんなどの予防・
治療剤として使用することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、がんの予防・治療
剤および診断薬などに関する。
【0002】
【従来の技術】がんの化学療法においては、新しい抗が
ん剤の開発により延命効果が向上し、治癒に向かうケー
スも増えてきている。しかしながら、現在使用されてい
る抗がん剤はDNAに傷害を与えたり、細胞分裂を阻害
する細胞毒性の強いものが殆どであり、このため正常細
胞に対しても少なからず傷害を与え、特に細胞分裂の盛
んな骨髄などにしばしば強い副作用が現れる。遺伝子発
現を網羅的に解析するために、cDNAまたはolig
onucleotideを固定化したマイクロアレイ法
が開発され、疾患特異的な遺伝子発現の変化を見出す技
術が普及し、その有用性が確認されている。例えば、A
ffymetrix社のGeneChipシステムはが
んなどの疾患の診断や創薬標的遺伝子の発見に多用され
つつある。アンチセンスオリゴヌクレオチドは、細胞内
に導入されると、相補的な配列を有するRNAとハイブ
リダイズし、RNaseHによるRNAの分解を誘導し
てタンパク質翻訳を阻害する、またはハイブリダイズに
よる直接的タンパク合成阻害ももたらす。目的の遺伝子
機能を特異的に抑えることが可能なことから、遺伝子の
機能解析手段として頻用されていると共に、いくつかの
アンチセンスオリゴヌクレオチドは臨床応用開発が進ん
でいる。細胞に産生されるタンパク質、脂質等の分子の
多くは糖鎖による修飾を受けていることが古くから知ら
れており、その修飾が細胞の分化、増殖、運動、認識、
炎症等に少なからず影響を与えていること、また、がん
細胞の浸潤、転移、ウイルスや原虫の感染等疾患の発
症、増悪にも関与していることが示唆されている。特に
がんの分野においては、がん胎児性抗原に代表されるよ
うな糖鎖修飾分子ががんのマーカーとして利用し得るこ
とが報告されており、浸潤・転移能といったがんの悪性
度と糖鎖修飾との相関も主に診断という面から研究され
ている(永井ら編集、「糖鎖」、東京化学同人、1994
年)。ガラクトース転移酵素のひとつ、UDP-Gal:betaGl
cNAc beta 1,4-galactosyltransferase, polypeptide 1
(以下、B4GALT1と称することもある)は、既に
全長クローニングされた遺伝子であり(Biochem. Biophy
s. Res. Commun. 157(2)巻, 657-663頁, 1988年)、そ
の後、UDP-Gal:betaGlcNAc beta 1,4-galactosyltransf
erase(以下、B4GALTと称することもある)ファ
ミリーの遺伝子が数種類クローニングされている。がん
関連糖脂質として知られているLexやシアリルLex
コア構造となるパラグロボシド(Galβ1→4GlcNAcβ1→
3Galβ1→4Glcβ1→1Cer)が、がん患者の腹水中に高頻
度で検出されることが見出されたことを発端として、血
清中のガラクトシルトランスフェラーゼ活性測定法が開
発された。(Cancer Res., 52巻, 1875-1880頁, 1992
年)。パラグロボシドは、健常人血清中での活性は全く
認められなかったのに対し、がん患者では68%が測定
限界以上の値を示した。この測定法は生成物であるパラ
グロボシドを測定したものであり、どのB4GALTが
関与したかは明らかにされていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】がん細胞に特異的に発
現する分子を標的とし、がん細胞の増殖阻害、またはア
ポトーシス誘導を行える薬剤が切望されている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、がん組織に
発現が顕著に増加する遺伝子を見出し、この知見に基づ
いて、さらに検討を重ねた結果、本発明を完成するに至
った。
【0005】すなわち、本発明は、(1)配列番号:1
で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一の
アミノ酸配列を含有するタンパク質もしくはその部分ペ
プチドまたはその塩の活性を調節する化合物またはその
塩を含有してなるがんの予防・治療剤、(2)配列番
号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に
同一のアミノ酸配列を有するタンパク質またはその部分
ペプチドコードするDNAの塩基配列に相補的もしくは
実質的に相補的な塩基配列またはその一部を含有するア
ンチセンスヌクレオチド、(3)上記(2)記載のアン
チセンスヌクレオチドを含有してなるがんの予防・治療
剤、(4)配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一
もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパ
ク質またはその部分ペプチドまたはその塩に対する抗体
を含有してなるがんの予防・治療剤、(5)がんが、大
腸がん、乳がん、肺がん、前立腺がん、食道がん、胃が
ん、肝臓がん、胆道がん、脾臓がん、腎がん、膀胱が
ん、子宮がん、精巣がん、甲状腺がん、膵臓がん、脳腫
瘍または血液腫瘍である上記(1)〜(4)記載の予防
・治療剤、(6)配列番号:1で表されるアミノ酸配列
と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する
タンパク質またはその部分ペプチドまたはその塩に対す
る抗体を含有してなるがんの診断薬、(7)配列番号:
1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一
のアミノ酸配列を有するタンパク質またはその部分ペプ
チドをコードするDNAを含有してなるがんの診断薬、
(8)がんが、大腸がん、乳がん、肺がん、前立腺が
ん、食道がん、胃がん、肝臓がん、胆道がん、脾臓が
ん、腎がん、膀胱がん、子宮がん、精巣がん、甲状腺が
ん、膵臓がん、脳腫瘍または血液腫瘍である上記(6)
または(7)記載の診断薬、(9)ガラクトース転移酵
素活性調節作用を有する化合物またはその塩を含有して
なるがんの予防・治療剤、(10)ガラクトース転移酵
素発現調節作用を有する化合物またはその塩を含有して
なるがんの予防・治療剤、(11)配列番号:1で表さ
れるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ
酸配列を含有するタンパク質もしくはその部分ペプチド
またはその塩を用いることを特徴とするがんの予防・治
療剤のスクリーニング方法、(12)配列番号:1で表
されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミ
ノ酸配列を含有するタンパク質もしくはその部分ペプチ
ドまたはその塩を含有することを特徴とするがんの予防
・治療剤のスクリーニング用キット、(13)配列番
号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に
同一のアミノ酸配列を有するタンパク質またはその部分
ペプチドをコードするDNAを用いることを特徴とする
がんの予防・治療剤のスクリーニング方法、(14)配
列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質
的に同一のアミノ酸配列を有するタンパク質またはその
部分ペプチドをコードするDNAを含有することを特徴
とするがんの予防・治療剤のスクリーニング用キット、
(15)上記(11)もしくは(13)記載のスクリー
ニング方法または上記(12)もしくは(14)記載の
スクリーニング用キットを用いて得られうるがんの予防
・治療剤、(16)配列番号:1で表されるアミノ酸配
列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有す
るタンパク質もしくはその部分ペプチドまたはその塩の
活性を調節する化合物またはその塩を含有してなるアポ
トーシス作用調節剤、(17)配列番号:1で表される
アミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配
列を含有するタンパク質もしくはその部分ペプチドまた
はその塩を用いることを特徴とするアポトーシス作用調
節剤のスクリーニング方法、(18)配列番号:1で表
されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミ
ノ酸配列を有するタンパク質またはその部分ペプチドを
コードするDNAを用いることを特徴とするアポトーシ
ス作用調節剤のスクリーニング方法などを提供する。
【0006】本発明で用いられる配列番号:1で表され
るアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸
配列を含有するタンパク質(以下、本発明のタンパク質
または本発明で用いられるタンパク質と称することもあ
る)は、ヒトや温血動物(例えば、モルモット、ラッ
ト、マウス、ニワトリ、ウサギ、ブタ、ヒツジ、ウシ、
サルなど)の細胞(例えば、肝細胞、脾細胞、神経細
胞、グリア細胞、膵臓β細胞、骨髄細胞、メサンギウム
細胞、ランゲルハンス細胞、表皮細胞、上皮細胞、杯細
胞、内皮細胞、平滑筋細胞、繊維芽細胞、繊維細胞、筋
細胞、脂肪細胞、免疫細胞(例、マクロファージ、T細
胞、B細胞、ナチュラルキラー細胞、肥満細胞、好中
球、好塩基球、好酸球、単球)、巨核球、滑膜細胞、軟
骨細胞、骨細胞、骨芽細胞、破骨細胞、乳腺細胞、肝細
胞もしくは間質細胞、またはこれら細胞の前駆細胞、幹
細胞もしくはガン細胞など)もしくはそれらの細胞が存
在するあらゆる組織、例えば、脳、脳の各部位(例、嗅
球、扁桃核、大脳基底球、海馬、視床、視床下部、大脳
皮質、延髄、小脳)、脊髄、下垂体、胃、膵臓、腎臓、
肝臓、生殖腺、甲状腺、胆のう、骨髄、副腎、皮膚、筋
肉、肺、消化管(例、大腸、小腸)、血管、心臓、胸
腺、脾臓、顎下腺、末梢血、前立腺、睾丸、卵巣、胎
盤、子宮、骨、関節、骨格筋などに由来するタンパク質
であってもよく、合成タンパク質であってもよい。
【0007】配列番号:1で表されるアミノ酸配列と実
質的に同一のアミノ酸配列としては、配列番号:1で表
わされるアミノ酸配列と約50%以上、好ましくは約6
0%以上、さらに好ましくは約70%以上、より好まし
くは約80%以上、特に好ましくは約90%以上、最も
好ましくは約95%以上の相同性を有するアミノ酸配列
などが挙げられる。配列番号:1で表されるアミノ酸配
列と実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質
としては、例えば、前記の配列番号:1で表されるアミ
ノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含有し、配列
番号:1で表されるアミノ酸配列を含有するタンパク質
と実質的に同質の活性を有するタンパク質などが好まし
い。
【0008】実質的に同質の活性としては、例えば、ガ
ラクトース転移酵素活性などが挙げられる。実質的に同
質とは、それらの性質が性質的に(例、生理学的に、ま
たは薬理学的に)同質であることを示す。したがって、
ガラクトース転移酵素活性が同等(例、約0.01〜1
00倍、好ましくは約0.1〜10倍、より好ましくは
0.5〜2倍)であることが好ましいが、これらの活性
の程度、タンパク質の分子量などの量的要素は異なって
いてもよい。ガラクトース転移酵素活性の測定は、自体
公知の方法、例えばBioorg. Med. Chem. 7(2)巻, 401-9
頁, 1999年に記載の方法またはそれに準じる方法に従っ
て測定することができる。具体的には、本発明のタンパ
ク質、放射能ラベルされたUDP-galactose、およびN-Ace
tylglucosamineを反応させ、ガラクトース転移によるN-
Acetylglucosamineへの放射活性の転移量を測定する。
本反応は、適当な緩衝液中で行う。酵素反応後、例え
ば、薄層クロマトグラフィー、液体クロマトグラフィー
等によって反応物を分離し、標準対照とするGalβ1→4G
lcNAcの移動度と比較、同定する。定量にあたっての放
射活性の測定は、シンチレーションカウンターなどを使
用する公知の方法に準じて行う。
【0009】また、本発明で用いられるタンパク質とし
ては、例えば、配列番号:1で表されるアミノ酸配列
中の1または2個以上(例えば1〜100個程度、好ま
しくは1〜30個程度、好ましくは1〜10個程度、さ
らに好ましくは数(1〜5)個)のアミノ酸が欠失した
アミノ酸配列、配列番号:1で表されるアミノ酸配列
に1または2個以上(例えば1〜100個程度、好まし
くは1〜30個程度、好ましくは1〜10個程度、さら
に好ましくは数(1〜5)個)のアミノ酸が付加したア
ミノ酸配列、配列番号:1で表されるアミノ酸配列に
1または2個以上(例えば1〜100個程度、好ましく
は1〜30個程度、好ましくは1〜10個程度、さらに
好ましくは数(1〜5)個)のアミノ酸が挿入されたア
ミノ酸配列、配列番号:1で表されるアミノ酸配列中
の1または2個以上(例えば1〜100個程度、好まし
くは1〜30個程度、好ましくは1〜10個程度、さら
に好ましくは数(1〜5)個)のアミノ酸が他のアミノ
酸で置換されたアミノ酸配列、またはそれらを組み合
わせたアミノ酸配列を含有するタンパク質などのいわゆ
るムテインも含まれる。上記のようにアミノ酸配列が挿
入、欠失または置換されている場合、その挿入、欠失ま
たは置換の位置としては、とくに限定されない。
【0010】本明細書におけるタンパク質は、ペプチド
標記の慣例に従って左端がN末端(アミノ末端)、右端
がC末端(カルボキシル末端)である。配列番号:1で
表わされるアミノ酸配列を含有するタンパク質をはじめ
とする、本発明で用いられるタンパク質は、C末端がカ
ルボキシル基(−COOH)、カルボキシレート(−C
OO-)、アミド(−CONH2)またはエステル(−C
OOR)の何れであってもよい。ここでエステルにおけ
るRとしては、例えば、メチル、エチル、n−プロピ
ル、イソプロピル、n−ブチルなどのC1-6アルキル
基、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシルなどのC
3-8シクロアルキル基、例えば、フェニル、α−ナフチ
ルなどのC6-12アリール基、例えば、ベンジル、フェネ
チルなどのフェニル−C1-2アルキル基もしくはα−ナ
フチルメチルなどのα−ナフチル−C1-2アルキル基な
どのC7-14アラルキル基、ピバロイルオキシメチル基な
どが用いられる。本発明で用いられるタンパク質がC末
端以外にカルボキシル基(またはカルボキシレート)を
有している場合、カルボキシル基がアミド化またはエス
テル化されているものも本発明で用いられるタンパク質
に含まれる。この場合のエステルとしては、例えば上記
したC末端のエステルなどが用いられる。さらに、本発
明で用いられるタンパク質には、N末端のアミノ酸残基
(例、メチオニン残基)のアミノ基が保護基(例えば、
ホルミル基、アセチル基などのC 1-6アルカノイルなど
のC1-6アシル基など)で保護されているもの、生体内
で切断されて生成するN末端のグルタミン残基がピログ
ルタミン酸化したもの、分子内のアミノ酸の側鎖上の置
換基(例えば−OH、−SH、アミノ基、イミダゾール
基、インドール基、グアニジノ基など)が適当な保護基
(例えば、ホルミル基、アセチル基などのC1-6アルカ
ノイル基などのC1-6アシル基など)で保護されている
もの、あるいは糖鎖が結合したいわゆる糖タンパク質な
どの複合タンパク質なども含まれる。本発明で用いられ
るタンパク質の具体例としては、例えば、配列番号:1
で表されるアミノ酸配列を含有するタンパク質(B4G
ALT1)などがあげられる。
【0011】本発明で用いられるタンパク質の部分ペプ
チドとしては、前記した本発明で用いられるタンパク質
の部分ペプチドであって、好ましくは、前記した本発明
で用いられるタンパク質と同様の性質を有するものであ
ればいずれのものでもよい。具体的には、後述する本発
明の抗体を調製する目的には、配列番号:1で表される
アミノ酸配列において第78〜398番目のアミノ酸配
列を有するペプチドなどがあげられる。例えば、本発明
で用いられるタンパク質の構成アミノ酸配列のうち少な
くとも20個以上、好ましくは50個以上、さらに好ま
しくは70個以上、より好ましくは100個以上、最も
好ましくは200個以上のアミノ酸配列を有するペプチ
ドなどが用いられる。また、本発明で用いられる部分ペ
プチドは、そのアミノ酸配列中の1または2個以上(好
ましくは、1〜10個程度、さらに好ましくは数(1〜
5)個)のアミノ酸が欠失し、または、そのアミノ酸配
列に1または2個以上(好ましくは、1〜20個程度、
より好ましくは1〜10個程度、さらに好ましくは数
(1〜5)個)のアミノ酸が付加し、または、そのアミ
ノ酸配列に1または2個以上(好ましくは、1〜20個
程度、より好ましくは1〜10個程度、さらに好ましく
は数(1〜5)個)のアミノ酸が挿入され、または、そ
のアミノ酸配列中の1または2個以上(好ましくは、1
〜10個程度、より好ましくは数個、さらに好ましくは
1〜5個程度)のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されて
いてもよい。
【0012】また、本発明で用いられる部分ペプチドは
C末端がカルボキシル基(−COOH)、カルボキシレ
ート(−COO-)、アミド(−CONH2)またはエス
テル(−COOR)の何れであってもよい。さらに、本
発明で用いられる部分ペプチドには、前記した本発明で
用いられるタンパク質と同様に、C末端以外にカルボキ
シル基(またはカルボキシレート)を有しているもの、
N末端のアミノ酸残基(例、メチオニン残基)のアミノ
基が保護基で保護されているもの、N端側が生体内で切
断され生成したグルタミン残基がピログルタミン酸化し
たもの、分子内のアミノ酸の側鎖上の置換基が適当な保
護基で保護されているもの、あるいは糖鎖が結合したい
わゆる糖ペプチドなどの複合ペプチドなども含まれる。
本発明で用いられる部分ペプチドは抗体作成のための抗
原としても用いることができる。
【0013】本発明で用いられるタンパク質または部分
ペプチドの塩としては、生理学的に許容される酸(例、
無機酸、有機酸)や塩基(例、アルカリ金属塩)などと
の塩が用いられ、とりわけ生理学的に許容される酸付加
塩が好ましい。この様な塩としては、例えば、無機酸
(例えば、塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸)との塩、
あるいは有機酸(例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、
フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、
リンゴ酸、蓚酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼ
ンスルホン酸)との塩などが用いられる。本発明で用い
られるタンパク質もしくはその部分ペプチドまたはその
塩は、前述したヒトや温血動物の細胞または組織から自
体公知のタンパク質の精製方法によって製造することも
できるし、タンパク質をコードするDNAを含有する形
質転換体を培養することによっても製造することができ
る。また、後述のペプチド合成法に準じて製造すること
もできる。ヒトや哺乳動物の組織または細胞から製造す
る場合、ヒトや哺乳動物の組織または細胞をホモジナイ
ズした後、酸などで抽出を行ない、該抽出液を逆相クロ
マトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィーなどの
クロマトグラフィーを組み合わせることにより精製単離
することができる。
【0014】本発明で用いられるタンパク質もしくは部
分ペプチドまたはその塩、またはそのアミド体の合成に
は、通常市販のタンパク質合成用樹脂を用いることがで
きる。そのような樹脂としては、例えば、クロロメチル
樹脂、ヒドロキシメチル樹脂、ベンズヒドリルアミン樹
脂、アミノメチル樹脂、4−ベンジルオキシベンジルア
ルコール樹脂、4−メチルベンズヒドリルアミン樹脂、
PAM樹脂、4−ヒドロキシメチルメチルフェニルアセ
トアミドメチル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、4−
(2’,4’−ジメトキシフェニル−ヒドロキシメチ
ル)フェノキシ樹脂、4−(2’,4’−ジメトキシフ
ェニル−Fmocアミノエチル)フェノキシ樹脂などを
挙げることができる。このような樹脂を用い、α−アミ
ノ基と側鎖官能基を適当に保護したアミノ酸を、目的と
するタンパク質の配列通りに、自体公知の各種縮合方法
に従い、樹脂上で縮合させる。反応の最後に樹脂からタ
ンパク質または部分ペプチドを切り出すと同時に各種保
護基を除去し、さらに高希釈溶液中で分子内ジスルフィ
ド結合形成反応を実施し、目的のタンパク質もしくは部
分ペプチドまたはそれらのアミド体を取得する。 上記した保護アミノ酸の縮合に関しては、タンパク質合
成に使用できる各種活性化試薬を用いることができる
が、特に、カルボジイミド類がよい。カルボジイミド類
としては、DCC、N,N’−ジイソプロピルカルボジ
イミド、N−エチル−N’−(3−ジメチルアミノプロ
リル)カルボジイミドなどが用いられる。これらによる
活性化にはラセミ化抑制添加剤(例えば、HOBt,
HOOBt)とともに保護アミノ酸を直接樹脂に添加す
るかまたは、対称酸無水物またはHOBtエステルある
いはHOOBtエステルとしてあらかじめ保護アミノ酸
の活性化を行なった後に樹脂に添加することができる。
【0015】保護アミノ酸の活性化や樹脂との縮合に用
いられる溶媒としては、タンパク質縮合反応に使用しう
ることが知られている溶媒から適宜選択されうる。例え
ば、N,N−ジメチルホルムアミド,N,N−ジメチル
アセトアミド,N−メチルピロリドンなどの酸アミド
類、塩化メチレン,クロロホルムなどのハロゲン化炭化
水素類、トリフルオロエタノールなどのアルコール類、
ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類、ピリジ
ン,ジオキサン,テトラヒドロフランなどのエーテル
類、アセトニトリル,プロピオニトリルなどのニトリル
類、酢酸メチル,酢酸エチルなどのエステル類あるいは
これらの適宜の混合物などが用いられる。反応温度はタ
ンパク質結合形成反応に使用され得ることが知られてい
る範囲から適宜選択され、通常約−20℃〜50℃の範
囲から適宜選択される。活性化されたアミノ酸誘導体は
通常1.5〜4倍過剰で用いられる。ニンヒドリン反応
を用いたテストの結果、縮合が不十分な場合には保護基
の脱離を行なうことなく縮合反応を繰り返すことにより
十分な縮合を行なうことができる。反応を繰り返しても
十分な縮合が得られないときには、無水酢酸またはアセ
チルイミダゾールを用いて未反応アミノ酸をアセチル化
することによって、後の反応に影響を与えないようにす
ることができる。
【0016】原料のアミノ基の保護基としては、例え
ば、Z、Boc、t−ペンチルオキシカルボニル、イソ
ボルニルオキシカルボニル、4−メトキシベンジルオキ
シカルボニル、Cl−Z、Br−Z、アダマンチルオキ
シカルボニル、トリフルオロアセチル、フタロイル、ホ
ルミル、2−ニトロフェニルスルフェニル、ジフェニル
ホスフィノチオイル、Fmocなどが用いられる。カル
ボキシル基は、例えば、アルキルエステル化(例えば、
メチル、エチル、プロピル、ブチル、t−ブチル、シク
ロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロ
オクチル、2−アダマンチルなどの直鎖状、分枝状もし
くは環状アルキルエステル化)、アラルキルエステル化
(例えば、ベンジルエステル、4−ニトロベンジルエス
テル、4−メトキシベンジルエステル、4−クロロベン
ジルエステル、ベンズヒドリルエステル化)、フェナシ
ルエステル化、ベンジルオキシカルボニルヒドラジド
化、t−ブトキシカルボニルヒドラジド化、トリチルヒ
ドラジド化などによって保護することができる。セリン
の水酸基は、例えば、エステル化またはエーテル化によ
って保護することができる。このエステル化に適する基
としては、例えば、アセチル基などの低級(C1-6)ア
ルカノイル基、ベンゾイル基などのアロイル基、ベンジ
ルオキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などの炭
酸から誘導される基などが用いられる。また、エーテル
化に適する基としては、例えば、ベンジル基、テトラヒ
ドロピラニル基、t−ブチル基などである。チロシンの
フェノール性水酸基の保護基としては、例えば、Bz
l、Cl2−Bzl、2−ニトロベンジル、Br−Z、
t−ブチルなどが用いられる。ヒスチジンのイミダゾー
ルの保護基としては、例えば、Tos、4−メトキシ−
2,3,6−トリメチルベンゼンスルホニル、DNP、
ベンジルオキシメチル、Bum、Boc、Trt、Fm
ocなどが用いられる。
【0017】原料のカルボキシル基の活性化されたもの
としては、例えば、対応する酸無水物、アジド、活性エ
ステル〔アルコール(例えば、ペンタクロロフェノー
ル、2,4,5−トリクロロフェノール、2,4−ジニ
トロフェノール、シアノメチルアルコール、パラニトロ
フェノール、HONB、N−ヒドロキシスクシミド、N
−ヒドロキシフタルイミド、HOBt)とのエステル〕
などが用いられる。原料のアミノ基の活性化されたもの
としては、例えば、対応するリン酸アミドが用いられ
る。保護基の除去(脱離)方法としては、例えば、Pd
−黒あるいはPd−炭素などの触媒の存在下での水素気
流中での接触還元や、また、無水フッ化水素、メタンス
ルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオ
ロ酢酸あるいはこれらの混合液などによる酸処理や、ジ
イソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、ピペリ
ジン、ピペラジンなどによる塩基処理、また液体アンモ
ニア中ナトリウムによる還元なども用いられる。上記酸
処理による脱離反応は、一般に約−20℃〜40℃の温
度で行なわれるが、酸処理においては、例えば、アニソ
ール、フェノール、チオアニソール、メタクレゾール、
パラクレゾール、ジメチルスルフィド、1,4−ブタン
ジチオール、1,2−エタンジチオールなどのようなカ
チオン捕捉剤の添加が有効である。また、ヒスチジンの
イミダゾール保護基として用いられる2,4−ジニトロ
フェニル基はチオフェノール処理により除去され、トリ
プトファンのインドール保護基として用いられるホルミ
ル基は上記の1,2−エタンジチオール、1,4−ブタ
ンジチオールなどの存在下の酸処理による脱保護以外
に、希水酸化ナトリウム溶液、希アンモニアなどによる
アルカリ処理によっても除去される。
【0018】原料の反応に関与すべきでない官能基の保
護ならびに保護基、およびその保護基の脱離、反応に関
与する官能基の活性化などは公知の基または公知の手段
から適宜選択しうる。タンパク質または部分ペプチドの
アミド体を得る別の方法としては、例えば、まず、カル
ボキシ末端アミノ酸のα−カルボキシル基をアミド化し
て保護した後、アミノ基側にペプチド(タンパク質)鎖
を所望の鎖長まで延ばした後、該ペプチド鎖のN末端の
α−アミノ基の保護基のみを除いたタンパク質または部
分ペプチドとC末端のカルボキシル基の保護基のみを除
去したタンパク質または部分ペプチドとを製造し、これ
らのタンパク質またはペプチドを上記したような混合溶
媒中で縮合させる。縮合反応の詳細については上記と同
様である。縮合により得られた保護タンパク質またはペ
プチドを精製した後、上記方法によりすべての保護基を
除去し、所望の粗タンパク質またはペプチドを得ること
ができる。この粗タンパク質またはペプチドは既知の各
種精製手段を駆使して精製し、主要画分を凍結乾燥する
ことで所望のタンパク質またはペプチドのアミド体を得
ることができる。タンパク質またはペプチドのエステル
体を得るには、例えば、カルボキシ末端アミノ酸のα−
カルボキシル基を所望のアルコール類と縮合しアミノ酸
エステルとした後、タンパク質またはペプチドのアミド
体と同様にして、所望のタンパク質またはペプチドのエ
ステル体を得ることができる。
【0019】本発明で用いられる部分ペプチドまたはそ
れらの塩は、自体公知のペプチドの合成法に従って、あ
るいは本発明で用いられるタンパク質を適当なペプチダ
ーゼで切断することによって製造することができる。ペ
プチドの合成法としては、例えば、固相合成法、液相合
成法のいずれによっても良い。すなわち、本発明で用い
られる部分ペプチドを構成し得る部分ペプチドもしくは
アミノ酸と残余部分とを縮合させ、生成物が保護基を有
する場合は保護基を脱離することにより目的のペプチド
を製造することができる。公知の縮合方法や保護基の脱
離としては、例えば、以下の〜に記載された方法が
挙げられる。 M. Bodanszky および M.A. Ondetti、ペプチド・シン
セシス (Peptide Synthesis), Interscience Publisher
s, New York (1966年) SchroederおよびLuebke、ザ・ペプチド(The Peptid
e), Academic Press, NewYork (1965年) 泉屋信夫他、ペプチド合成の基礎と実験、 丸善(株)
(1975年) 矢島治明 および榊原俊平、生化学実験講座 1、 タン
パク質の化学IV、 205、(1977年) 矢島治明監修、続医薬品の開発、第14巻、ペプチド合
成、広川書店 また、反応後は通常の精製法、例えば、溶媒抽出・蒸留
・カラムクロマトグラフィー・液体クロマトグラフィー
・再結晶などを組み合わせて本発明で用いられる部分ペ
プチドを精製単離することができる。上記方法で得られ
る部分ペプチドが遊離体である場合は、公知の方法ある
いはそれに準じる方法によって適当な塩に変換すること
ができるし、逆に塩で得られた場合は、公知の方法ある
いはそれに準じる方法によって遊離体または他の塩に変
換することができる。
【0020】本発明で用いられるタンパク質をコードす
るDNAとしては、前述した本発明で用いられるタンパ
ク質をコードする塩基配列を含有するものであればいか
なるものであってもよい。好ましくはDNAである。ま
た、ゲノムDNA、ゲノムDNAライブラリー、前記し
た細胞・組織由来のcDNA、前記した細胞・組織由来
のcDNAライブラリー、合成DNAのいずれでもよ
い。ライブラリーに使用するベクターは、バクテリオフ
ァージ、プラスミド、コスミド、ファージミドなどいず
れであってもよい。また、前記した細胞・組織よりtota
lRNAまたはmRNA画分を調製したものを用いて直
接 Reverse Transcriptase Polymerase Chain Reaction
(以下、RT−PCR法と略称する)によって増幅する
こともできる。本発明で用いられるタンパク質をコード
するDNAとしては、例えば、配列番号:2で表される
塩基配列を含有するDNA、または配列番号:2で表さ
れる塩基配列とハイストリンジェントな条件下でハイブ
リダイズする塩基配列を含有し、前記した配列番号:1
で表されるアミノ酸配列を含有するタンパク質と実質的
に同質の性質を有するタンパク質をコードするDNAで
あれば何れのものでもよい。
【0021】配列番号:2で表される塩基配列とハイス
トリンジェントな条件下でハイブリダイズできるDNA
としては、例えば、配列番号:2で表される塩基配列と
約50%以上、好ましくは約60%以上、さらに好まし
くは約70%以上、より好ましくは約80%以上、特に
好ましくは約90%以上、最も好ましくは約95%以上
の相同性を有する塩基配列を含有するDNAなどが用い
られる。ハイブリダイゼーションは、自体公知の方法あ
るいはそれに準じる方法、例えば、モレキュラー・クロ
ーニング(Molecular Cloning)2nd(J. Sambrook eta
l., Cold Spring Harbor Lab. Press, 1989)に記載の
方法などに従って行なうことができる。また、市販のラ
イブラリーを使用する場合、添付の使用説明書に記載の
方法に従って行なうことができる。より好ましくは、ハ
イストリンジェントな条件に従って行なうことができ
る。ハイストリンジェントな条件とは、例えば、ナトリ
ウム濃度が約19〜40mM、好ましくは約19〜20
mMで、温度が約50〜70℃、好ましくは約60〜6
5℃の条件を示す。特に、ナトリウム濃度が約19mM
で温度が約65℃の場合が最も好ましい。より具体的に
は、配列番号:1で表されるアミノ酸配列を含有するタ
ンパク質をコードするDNAとしては、配列番号:2で
表される塩基配列を含有するDNAなどが用いられる。
【0022】本発明で用いられる部分ペプチドをコード
するDNAとしては、前述した本発明で用いられる部分
ペプチドをコードする塩基配列を含有するものであれば
いかなるものであってもよい。また、ゲノムDNA、ゲ
ノムDNAライブラリー、前記した細胞・組織由来のc
DNA、前記した細胞・組織由来のcDNAライブラリ
ー、合成DNAのいずれでもよい。本発明で用いられる
部分ペプチドをコードするDNAとしては、例えば、配
列番号:2で表される塩基配列を含有するDNAの一部
分を有するDNA、または配列番号:2で表される塩基
配列とハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズ
する塩基配列を含有し、本発明のタンパク質と実質的に
同質の活性を有するタンパク質をコードするDNAの一
部分を含有するDNAなどが用いられる。配列番号:2
で表される塩基配列とハイブリダイズできるDNAは、
前記と同意義を示す。ハイブリダイゼーションの方法お
よびハイストリンジェントな条件は前記と同様のものが
用いられる。
【0023】本発明で用いられるタンパク質、部分ペプ
チド(以下、これらをコードするDNAのクローニング
および発現の説明においては、これらを単に本発明のタ
ンパク質と略記する場合がある)を完全にコードするD
NAのクローニングの手段としては、本発明のタンパク
質をコードする塩基配列の一部分を有する合成DNAプ
ライマーを用いてPCR法によって増幅するか、または
適当なベクターに組み込んだDNAを本発明のタンパク
質の一部あるいは全領域をコードするDNA断片もしく
は合成DNAを用いて標識したものとのハイブリダイゼ
ーションによって選別することができる。ハイブリダイ
ゼーションの方法は、例えば、モレキュラー・クローニ
ング(Molecular Cloning)2nd(J. Sambrook et al.,
Cold Spring Harbor Lab. Press, 1989)に記載の方法
などに従って行なうことができる。また、市販のライブ
ラリーを使用する場合、添付の使用説明書に記載の方法
に従って行なうことができる。DNAの塩基配列の変換
は、PCR、公知のキット、例えば、MutanTM-superExp
ress Km(宝酒造(株))、MutanTM-K(宝酒造(株))
等を用いて、ODA-LAPCR法、Gapped duplex法、Kunkel法
等の自体公知の方法あるいはそれらに準じる方法に従っ
て行なうことができる。クローン化されたタンパク質を
コードするDNAは目的によりそのまま、または所望に
より制限酵素で消化したり、リンカーを付加したりして
使用することができる。該DNAはその5’末端側に翻
訳開始コドンとしてのATGを有し、また3’末端側に
は翻訳終止コドンとしてのTAA、TGAまたはTAG
を有していてもよい。これらの翻訳開始コドンや翻訳終
止コドンは、適当な合成DNAアダプターを用いて付加
することもできる。本発明のタンパク質の発現ベクター
は、例えば、(イ)本発明のタンパク質をコードするD
NAから目的とするDNA断片を切り出し、(ロ)該D
NA断片を適当な発現ベクター中のプロモーターの下流
に連結することにより製造することができる。
【0024】ベクターとしては、大腸菌由来のプラスミ
ド(例、pBR322,pBR325,pUC12,p
UC13)、枯草菌由来のプラスミド(例、pUB11
0,pTP5,pC194)、酵母由来プラスミド
(例、pSH19,pSH15)、λファージなどのバ
クテリオファージ、レトロウイルス,ワクシニアウイル
ス,バキュロウイルスなどの動物ウイルスなどの他、p
A1−11、pXT1、pRc/CMV、pRc/RS
V、pcDNAI/Neoなどが用いられる。本発明で
用いられるプロモーターとしては、遺伝子の発現に用い
る宿主に対応して適切なプロモーターであればいかなる
ものでもよい。例えば、動物細胞を宿主として用いる場
合は、SRαプロモーター、SV40プロモーター、L
TRプロモーター、CMVプロモーター、HSV-TK
プロモーターなどが挙げられる。これらのうち、CMV
(サイトメガロウイルス)プロモーター、SRαプロモ
ーターなどを用いるのが好ましい。宿主がエシェリヒア
属菌である場合は、trpプロモーター、lacプロモ
ーター、recAプロモーター、λPLプロモーター、
lppプロモーター、T7プロモーターなどが、宿主が
バチルス属菌である場合は、SPO1プロモーター、S
PO2プロモーター、penPプロモーターなど、宿主
が酵母である場合は、PHO5プロモーター、PGKプ
ロモーター、GAPプロモーター、ADHプロモーター
などが好ましい。宿主が昆虫細胞である場合は、ポリヘ
ドリンプロモーター、P10プロモーターなどが好まし
い。
【0025】発現ベクターには、以上の他に、所望によ
りエンハンサー、スプライシングシグナル、ポリA付加
シグナル、選択マーカー、SV40複製オリジン(以
下、SV40oriと略称する場合がある)などを含有
しているものを用いることができる。選択マーカーとし
ては、例えば、ジヒドロ葉酸還元酵素(以下、dhfr
と略称する場合がある)遺伝子〔メソトレキセート(M
TX)耐性〕、アンピシリン耐性遺伝子(以下、Amp
rと略称する場合がある)、ネオマイシン耐性遺伝子
(以下、Neorと略称する場合がある、G418耐
性)等が挙げられる。特に、dhfr遺伝子欠損チャイ
ニーズハムスター細胞を用いてdhfr遺伝子を選択マ
ーカーとして使用する場合、目的遺伝子をチミジンを含
まない培地によっても選択できる。また、必要に応じ
て、宿主に合ったシグナル配列を、本発明のタンパク質
のN端末側に付加する。宿主がエシェリヒア属菌である
場合は、PhoA・シグナル配列、OmpA・シグナル配列な
どが、宿主がバチルス属菌である場合は、α−アミラー
ゼ・シグナル配列、サブチリシン・シグナル配列など
が、宿主が酵母である場合は、MFα・シグナル配列、
SUC2・シグナル配列など、宿主が動物細胞である場
合には、インシュリン・シグナル配列、α−インターフ
ェロン・シグナル配列、抗体分子・シグナル配列などが
それぞれ利用できる。このようにして構築された本発明
のタンパク質をコードするDNAを含有するベクターを
用いて、形質転換体を製造することができる。
【0026】宿主としては、例えば、エシェリヒア属
菌、バチルス属菌、酵母、昆虫細胞、昆虫、動物細胞な
どが用いられる。エシェリヒア属菌の具体例としては、
例えば、エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)K1
2・DH1〔プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル
・アカデミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユー
エスエー(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),60巻,1
60(1968)〕,JM103〔ヌクイレック・アシッ
ズ・リサーチ(Nucleic Acids Research),9巻,30
9(1981)〕,JA221〔ジャーナル・オブ・モレ
キュラー・バイオロジー(Journal of Molecular Biolo
gy),120巻,517(1978)〕,HB101〔ジ
ャーナル・オブ・モレキュラー・バイオロジー,41
巻,459(1969)〕,C600〔ジェネティックス
(Genetics),39巻,440(1954)〕などが用い
られる。バチルス属菌としては、例えば、バチルス・サ
ブチルス(Bacillus subtilis)MI114〔ジーン,
24巻,255(1983)〕,207−21〔ジャーナ
ル・オブ・バイオケミストリー(Journal of Biochemis
try),95巻,87(1984)〕などが用いられる。
酵母としては、例えば、サッカロマイセス セレビシエ
(Saccharomyces cerevisiae)AH22,AH22
-,NA87−11A,DKD−5D,20B−1
2、シゾサッカロマイセス ポンベ(Schizosaccharomy
ces pombe)NCYC1913,NCYC2036、ピ
キア パストリス(Pichia pastoris)KM71などが
用いられる。
【0027】昆虫細胞としては、例えば、ウイルスがA
cNPVの場合は、夜盗蛾の幼虫由来株化細胞(Spodop
tera frugiperda cell;Sf細胞)、Trichoplusia ni
の中腸由来のMG1細胞、Trichoplusia niの卵由来のH
igh FiveTM細胞、Mamestra brassicae由来の細胞または
Estigmena acrea由来の細胞などが用いられる。ウイル
スがBmNPVの場合は、蚕由来株化細胞(Bombyx mor
i N 細胞;BmN細胞)などが用いられる。該Sf細胞
としては、例えば、Sf9細胞(ATCC CRL1711)、Sf
21細胞(以上、Vaughn, J.L.ら、イン・ヴィボ(In V
ivo),13, 213-217,(1977))などが用いられる。昆虫と
しては、例えば、カイコの幼虫などが用いられる〔前田
ら、ネイチャー(Nature),315巻,592(198
5)〕。動物細胞としては、例えば、サル細胞COS−
7,Vero,チャイニーズハムスター細胞CHO(以
下、CHO細胞と略記),dhfr遺伝子欠損チャイニ
ーズハムスター細胞CHO(以下、CHO(dhf
-)細胞と略記),マウスL細胞,マウスAtT−2
0,マウスミエローマ細胞,マウスATDC5細胞,ラ
ットGH3,ヒトFL細胞などが用いられる。エシェリ
ヒア属菌を形質転換するには、例えば、プロシージング
ズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエ
ンジイズ・オブ・ザ・ユーエスエー(Proc. Natl. Aca
d. Sci. USA),69巻,2110(1972)やジーン
(Gene),17巻,107(1982)などに記載の方法
に従って行なうことができる。
【0028】バチルス属菌を形質転換するには、例え
ば、モレキュラー・アンド・ジェネラル・ジェネティッ
クス(Molecular & General Genetics),168巻,
111(1979)などに記載の方法に従って行なうこと
ができる。酵母を形質転換するには、例えば、メソッズ
・イン・エンザイモロジー(Methods in Enzymolog
y),194巻,182−187(1991)、プロシ
ージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ
・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユーエスエー(Proc. Na
tl. Acad. Sci. USA),75巻,1929(1978)
などに記載の方法に従って行なうことができる。昆虫細
胞または昆虫を形質転換するには、例えば、バイオ/テ
クノロジー(Bio/Technology),6, 47-55(1988)などに
記載の方法に従って行なうことができる。動物細胞を形
質転換するには、例えば、細胞工学別冊8 新細胞工学
実験プロトコール.263−267(1995)(秀潤
社発行)、ヴィロロジー(Virology),52巻,456
(1973)に記載の方法に従って行なうことができる。
このようにして、タンパク質をコードするDNAを含有
する発現ベクターで形質転換された形質転換体を得るこ
とができる。宿主がエシェリヒア属菌、バチルス属菌で
ある形質転換体を培養する際、培養に使用される培地と
しては液体培地が適当であり、その中には該形質転換体
の生育に必要な炭素源、窒素源、無機物その他が含有せ
しめられる。炭素源としては、例えば、グルコース、デ
キストリン、可溶性澱粉、ショ糖など、窒素源として
は、例えば、アンモニウム塩類、硝酸塩類、コーンスチ
ープ・リカー、ペプトン、カゼイン、肉エキス、大豆
粕、バレイショ抽出液などの無機または有機物質、無機
物としては、例えば、塩化カルシウム、リン酸二水素ナ
トリウム、塩化マグネシウムなどが挙げられる。また、
酵母エキス、ビタミン類、生長促進因子などを添加して
もよい。培地のpHは約5〜8が望ましい。
【0029】エシェリヒア属菌を培養する際の培地とし
ては、例えば、グルコース、カザミノ酸を含むM9培地
〔ミラー(Miller),ジャーナル・オブ・エクスペリメ
ンツ・イン・モレキュラー・ジェネティックス(Journa
l of Experiments in Molecular Genetics),431−
433,Cold Spring Harbor Laboratory, New York1
972〕が好ましい。ここに必要によりプロモーターを
効率よく働かせるために、例えば、3β−インドリルア
クリル酸のような薬剤を加えることができる。宿主がエ
シェリヒア属菌の場合、培養は通常約15〜43℃で約
3〜24時間行ない、必要により、通気や撹拌を加える
こともできる。宿主がバチルス属菌の場合、培養は通常
約30〜40℃で約6〜24時間行ない、必要により通
気や撹拌を加えることもできる。宿主が酵母である形質
転換体を培養する際、培地としては、例えば、バークホ
ールダー(Burkholder)最小培地〔Bostian, K. L.
ら、プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデ
ミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユーエスエー
(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),77巻,4505
(1980)〕や0.5%カザミノ酸を含有するSD培地
〔Bitter, G. A. ら、プロシージングズ・オブ・ザ・ナ
ショナル・アカデミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・
ザ・ユーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sci. US
A),81巻,5330(1984)〕が挙げられる。
培地のpHは約5〜8に調整するのが好ましい。培養は
通常約20℃〜35℃で約24〜72時間行ない、必要
に応じて通気や撹拌を加える。宿主が昆虫細胞または昆
虫である形質転換体を培養する際、培地としては、Grac
e's Insect Medium(Grace, T.C.C.,ネイチャー(Natur
e),195,788(1962))に非動化した10%ウシ血清等の
添加物を適宜加えたものなどが用いられる。培地のpH
は約6.2〜6.4に調整するのが好ましい。培養は通
常約27℃で約3〜5日間行ない、必要に応じて通気や
撹拌を加える。宿主が動物細胞である形質転換体を培養
する際、培地としては、例えば、約5〜20%の胎児牛
血清を含むMEM培地〔サイエンス(Science),12
2巻,501(1952)〕,DMEM培地〔ヴィロロジ
ー(Virology),8巻,396(1959)〕,RPMI
1640培地〔ジャーナル・オブ・ザ・アメリカン・
メディカル・アソシエーション(The Journal of the A
merican Medical Association)199巻,519(19
67)〕,199培地〔プロシージング・オブ・ザ・ソ
サイエティ・フォー・ザ・バイオロジカル・メディスン
(Proceeding ofthe Society for the Biological Medi
cine),73巻,1(1950)〕などが用いられる。p
Hは約6〜8であるのが好ましい。培養は通常約30℃
〜40℃で約15〜60時間行ない、必要に応じて通気
や撹拌を加える。以上のようにして、形質転換体の細胞
内、細胞膜または細胞外に本発明のタンパク質を生成せ
しめることができる。
【0030】上記培養物から本発明のタンパク質を分離
精製するには、例えば、下記の方法により行なうことが
できる。本発明のタンパク質を培養菌体あるいは細胞か
ら抽出するに際しては、培養後、公知の方法で菌体ある
いは細胞を集め、これを適当な緩衝液に懸濁し、超音
波、リゾチームおよび/または凍結融解などによって菌
体あるいは細胞を破壊したのち、遠心分離やろ過により
タンパク質の粗抽出液を得る方法などが適宜用いられ
る。緩衝液の中に尿素や塩酸グアニジンなどの蛋白質変
性剤や、トリトンX−100TMなどの界面活性剤が含ま
れていてもよい。培養液中にタンパク質が分泌される場
合には、培養終了後、それ自体公知の方法で菌体あるい
は細胞と上清とを分離し、上清を集める。このようにし
て得られた培養上清、あるいは抽出液中に含まれるタン
パク質の精製は、自体公知の分離・精製法を適切に組み
合わせて行なうことができる。これらの公知の分離、精
製法としては、塩析や溶媒沈澱法などの溶解度を利用す
る方法、透析法、限外ろ過法、ゲルろ過法、およびSD
S−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法などの主として
分子量の差を利用する方法、イオン交換クロマトグラフ
ィーなどの荷電の差を利用する方法、アフィニティーク
ロマトグラフィーなどの特異的親和性を利用する方法、
逆相高速液体クロマトグラフィーなどの疎水性の差を利
用する方法、等電点電気泳動法などの等電点の差を利用
する方法などが用いられる。
【0031】かくして得られるタンパク質が遊離体で得
られた場合には、自体公知の方法あるいはそれに準じる
方法によって塩に変換することができ、逆に塩で得られ
た場合には自体公知の方法あるいはそれに準じる方法に
より、遊離体または他の塩に変換することができる。な
お、組換え体が産生するタンパク質を、精製前または精
製後に適当な蛋白修飾酵素を作用させることにより、任
意に修飾を加えたり、ポリペプチドを部分的に除去する
こともできる。蛋白修飾酵素としては、例えば、トリプ
シン、キモトリプシン、アルギニルエンドペプチダー
ゼ、プロテインキナーゼ、グリコシダーゼなどが用いら
れる。かくして生成する本発明のタンパク質の存在は、
特異抗体を用いたエンザイムイムノアッセイやウエスタ
ンブロッティングなどにより測定することができる。
【0032】本発明で用いられるタンパク質もしくは部
分ペプチドまたはその塩に対する抗体は、本発明で用い
られるタンパク質もしくは部分ペプチドまたはその塩を
認識し得る抗体であれば、ポリクローナル抗体、モノク
ローナル抗体の何れであってもよい。本発明で用いられ
るタンパク質もしくは部分ペプチドまたはその塩(以
下、抗体の説明においては、これらを単に本発明のタン
パク質と略記する場合がある)に対する抗体は、本発明
のタンパク質を抗原として用い、自体公知の抗体または
抗血清の製造法に従って製造することができる。 〔モノクローナル抗体の作製〕 (a)モノクローナル抗体産生細胞の作製 本発明のタンパク質は、温血動物に対して投与により抗
体産生が可能な部位にそれ自体あるいは担体、希釈剤と
ともに投与される。投与に際して抗体産生能を高めるた
め、完全フロイントアジュバントや不完全フロイントア
ジュバントを投与してもよい。投与は通常2〜6週毎に
1回ずつ、計2〜10回程度行われる。用いられる温血
動物としては、例えば、サル、ウサギ、イヌ、モルモッ
ト、マウス、ラット、ヒツジ、ヤギ、ニワトリが挙げら
れるが、マウスおよびラットが好ましく用いられる。モ
ノクローナル抗体産生細胞の作製に際しては、抗原で免
疫された温血動物、例えばマウスから抗体価の認められ
た個体を選択し最終免疫の2〜5日後に脾臓またはリン
パ節を採取し、それらに含まれる抗体産生細胞を同種ま
たは異種動物の骨髄腫細胞と融合させることにより、モ
ノクローナル抗体産生ハイブリドーマを調製することが
できる。抗血清中の抗体価の測定は、例えば、後記の標
識化タンパク質と抗血清とを反応させたのち、抗体に結
合した標識剤の活性を測定することにより行なうことが
できる。融合操作は既知の方法、例えば、ケーラーとミ
ルスタインの方法〔ネイチャー(Nature)、256、495 (1
975)〕に従い実施することができる。融合促進剤として
は、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)やセン
ダイウィルスなどが挙げられるが、好ましくはPEGが
用いられる。
【0033】骨髄腫細胞としては、例えば、NS−1、
P3U1、SP2/0、AP−1などの温血動物の骨髄
腫細胞が挙げられるが、P3U1が好ましく用いられ
る。用いられる抗体産生細胞(脾臓細胞)数と骨髄腫細
胞数との好ましい比率は1:1〜20:1程度であり、
PEG(好ましくはPEG1000〜PEG6000)
が10〜80%程度の濃度で添加され、20〜40℃、
好ましくは30〜37℃で1〜10分間インキュベート
することにより効率よく細胞融合を実施できる。モノク
ローナル抗体産生ハイブリドーマのスクリーニングには
種々の方法が使用できるが、例えば、タンパク質抗原を
直接あるいは担体とともに吸着させた固相(例、マイク
ロプレート)にハイブリドーマ培養上清を添加し、次に
放射性物質や酵素などで標識した抗免疫グロブリン抗体
(細胞融合に用いられる細胞がマウスの場合、抗マウス
免疫グロブリン抗体が用いられる)またはプロテインA
を加え、固相に結合したモノクローナル抗体を検出する
方法、抗免疫グロブリン抗体またはプロテインAを吸着
させた固相にハイブリドーマ培養上清を添加し、放射性
物質や酵素などで標識したタンパク質を加え、固相に結
合したモノクローナル抗体を検出する方法などが挙げら
れる。モノクローナル抗体の選別は、自体公知あるいは
それに準じる方法に従って行なうことができる。通常H
AT(ヒポキサンチン、アミノプテリン、チミジン)を
添加した動物細胞用培地で行なうことができる。選別お
よび育種用培地としては、ハイブリドーマが生育できる
ものならばどのような培地を用いても良い。例えば、1
〜20%、好ましくは10〜20%の牛胎児血清を含む
RPMI 1640培地、1〜10%の牛胎児血清を含
むGIT培地(和光純薬工業(株))あるいはハイブリ
ドーマ培養用無血清培地(SFM−101、日水製薬
(株))などを用いることができる。培養温度は、通常
20〜40℃、好ましくは約37℃である。培養時間
は、通常5日〜3週間、好ましくは1週間〜2週間であ
る。培養は、通常5%炭酸ガス下で行なうことができ
る。ハイブリドーマ培養上清の抗体価は、上記の抗血清
中の抗体価の測定と同様にして測定できる。
【0034】(b)モノクローナル抗体の精製 モノクローナル抗体の分離精製は、自体公知の方法、例
えば、免疫グロブリンの分離精製法〔例、塩析法、アル
コール沈殿法、等電点沈殿法、電気泳動法、イオン交換
体(例、DEAE)による吸脱着法、超遠心法、ゲルろ
過法、抗原結合固相あるいはプロテインAあるいはプロ
テインGなどの活性吸着剤により抗体のみを採取し、結
合を解離させて抗体を得る特異的精製法〕に従って行な
うことができる。 〔ポリクローナル抗体の作製〕本発明のポリクローナル
抗体は、それ自体公知あるいはそれに準じる方法に従っ
て製造することができる。例えば、免疫抗原(タンパク
質抗原)自体、あるいはそれとキャリアー蛋白質との複
合体をつくり、上記のモノクローナル抗体の製造法と同
様に温血動物に免疫を行ない、該免疫動物から本発明の
タンパク質に対する抗体含有物を採取して、抗体の分離
精製を行なうことにより製造することができる。温血動
物を免疫するために用いられる免疫抗原とキャリアー蛋
白質との複合体に関し、キャリアー蛋白質の種類および
キャリアーとハプテンとの混合比は、キャリアーに架橋
させて免疫したハプテンに対して抗体が効率良くできれ
ば、どの様なものをどの様な比率で架橋させてもよい
が、例えば、ウシ血清アルブミンやウシサイログロブリ
ン、ヘモシアニン等を重量比でハプテン1に対し、約
0.1〜20、好ましくは約1〜5の割合でカプルさせ
る方法が用いられる。また、ハプテンとキャリアーのカ
プリングには、種々の縮合剤を用いることができるが、
グルタルアルデヒドやカルボジイミド、マレイミド活性
エステル、チオール基、ジチオビリジル基を含有する活
性エステル試薬等が用いられる。縮合生成物は、温血動
物に対して、抗体産生が可能な部位にそれ自体あるいは
担体、希釈剤とともに投与される。投与に際して抗体産
生能を高めるため、完全フロイントアジュバントや不完
全フロイントアジュバントを投与してもよい。投与は、
通常約2〜6週毎に1回ずつ、計約3〜10回程度行な
われる。ポリクローナル抗体は、上記の方法で免疫され
た温血動物の血液、腹水など、好ましくは血液から採取
することができる。抗血清中のポリクローナル抗体価の
測定は、上記の抗血清中の抗体価の測定と同様にして測
定できる。ポリクローナル抗体の分離精製は、上記のモ
ノクローナル抗体の分離精製と同様の免疫グロブリンの
分離精製法に従って行なうことができる。
【0035】本発明で用いられるタンパク質または部分
ペプチドをコードするDNA(以下、アンチセンスヌク
レオチドの説明においては、これらのDNAを本発明の
DNAと略記する場合がある)の塩基配列に相補的な、
または実質的に相補的な塩基配列またはその一部を有す
るアンチセンスヌクレオチドとしては、本発明のDNA
の塩基配列に相補的な、または実質的に相補的な塩基配
列またはその一部を有し、該DNAの発現を抑制し得る
作用を有するものであれば、いずれのアンチセンスヌク
レオチドであってもよいが、アンチセンスDNAが好ま
しい。本発明のDNAに実質的に相補的な塩基配列と
は、例えば、本発明のDNAに相補的な塩基配列(すな
わち、本発明のDNAの相補鎖)の全塩基配列あるいは
部分塩基配列と約70%以上、好ましくは約80%以
上、より好ましくは約90%以上、最も好ましくは約9
5%以上の相同性を有する塩基配列などが挙げられる。
特に、本発明のDNAの相補鎖の全塩基配列うち、
(イ)翻訳阻害を指向したアンチセンスヌクレオチドの
場合は、本発明のタンパク質のN末端部位をコードする
部分の塩基配列(例えば、開始コドン付近の塩基配列な
ど)の相補鎖と約70%以上、好ましくは約80%以
上、より好ましくは約90%以上、最も好ましくは約9
5%以上の相同性を有するアンチセンスヌクレオチド
が、(ロ)RNaseHによるRNA分解を指向するア
ンチセンスヌクレオチドの場合は、イントロンを含む本
発明のDNAの全塩基配列の相補鎖と約70%以上、好
ましくは約80%以上、より好ましくは約90%以上、
最も好ましくは約95%以上の相同性を有するアンチセ
ンスヌクレオチドがそれぞれ好適である。具体的には、
配列番号:2で表わされる塩基配列を含有するDNAの
塩基配列に相補的な、もしくは実質的に相補的な塩基配
列、またはその一部分を有するアンチセンスヌクレオチ
ド、好ましくは例えば、配列番号:2で表わされる塩基
配列を含有するDNAの塩基配列に相補な塩基配列、ま
たはその一部分を有するアンチセンスヌクレオチド(よ
り好ましくは、配列番号:2で表わされる塩基配列を含
有するDNAの塩基配列に相補な塩基配列、またはその
一部分を有するアンチセンスヌクレオチド)が挙げられ
る。アンチセンスヌクレオチドは通常、10〜40個程
度、好ましくは15〜30個程度の塩基から構成され
る。ヌクレアーゼなどの加水分解酵素による分解を防ぐ
ために、アンチセンスDNAを構成する各ヌクレオチド
のりん酸残基(ホスフェート)は、例えば、ホスホロチ
オエート、メチルホスホネート、ホスホロジチオネート
などの化学修飾りん酸残基に置換されていてもよい。ま
た、各ヌクレオチドの糖(デオキシリボース)は、2’
−O−メチル化などの化学修飾糖構造に置換されていて
もよいし、塩基部分(ピリミジン、プリン)も化学修飾
を受けたものであってもよく、配列番号:2で表わされ
る塩基配列を有するDNAにハイブリダイズするもので
あればいずれのものでもよい。これらのアンチセンスヌ
クレオチドは、公知のDNA合成装置などを用いて製造
することができる。
【0036】本発明に従えば、本発明のタンパク質遺伝
子の複製または発現を阻害することのできるアンチセン
ス・ポリヌクレオチド(核酸)を、クローン化した、あ
るいは決定されたタンパク質をコードするDNAの塩基
配列情報に基づき設計し、合成しうる。かかるポリヌク
レオチド(核酸)は、本発明のタンパク質遺伝子のRN
Aとハイブリダイズすることができ、該RNAの合成ま
たは機能を阻害することができるか、あるいは本発明の
タンパク質関連RNAとの相互作用を介して本発明のタ
ンパク質遺伝子の発現を調節・制御することができる。
本発明のタンパク質関連RNAの選択された配列に相補
的なポリヌクレオチド、および本発明のタンパク質関連
RNAと特異的にハイブリダイズすることができるポリ
ヌクレオチドは、生体内および生体外で本発明のタンパ
ク質遺伝子の発現を調節・制御するのに有用であり、ま
た病気などの治療または診断に有用である。用語「対応
する」とは、遺伝子を含めたヌクレオチド、塩基配列ま
たは核酸の特定の配列に相同性を有するあるいは相補的
であることを意味する。ヌクレオチド、塩基配列または
核酸とペプチド(蛋白質)との間で「対応する」とは、
ヌクレオチド(核酸)の配列またはその相補体から誘導
される指令にあるペプチド(蛋白質)のアミノ酸を通常
指している。タンパク質遺伝子の5’端ヘアピンルー
プ、5’端6−ベースペア・リピート、5’端非翻訳領
域、ポリペプチド翻訳開始コドン、蛋白質コード領域、
ORF翻訳終止コドン、3’端非翻訳領域、3’端パリ
ンドローム領域、および3’端ヘアピンループは好まし
い対象領域として選択しうるが、タンパク質遺伝子内の
如何なる領域も対象として選択しうる。目的核酸と、対
象領域の少なくとも一部に相補的なポリヌクレオチドと
の関係は、対象物とハイブリダイズすることができるポ
リヌクレオチドとの関係は、「アンチセンス」であると
いうことができる。アンチセンス・ポリヌクレオチド
は、2−デオキシ−D−リボースを含有しているポリヌ
クレオチド、D−リボースを含有しているポリヌクレオ
チド、プリンまたはピリミジン塩基のN−グリコシドで
あるその他のタイプのポリヌクレオチド、あるいは非ヌ
クレオチド骨格を有するその他のポリマー(例えば、市
販の蛋白質核酸および合成配列特異的な核酸ポリマー)
または特殊な結合を含有するその他のポリマー(但し、
該ポリマーはDNAやRNA中に見出されるような塩基
のペアリングや塩基の付着を許容する配置をもつヌクレ
オチドを含有する)などが挙げられる。それらは、2本
鎖DNA、1本鎖DNA、2本鎖RNA、1本鎖RN
A、さらにDNA:RNAハイブリッドであることがで
き、さらに非修飾ポリヌクレオチド(または非修飾オリ
ゴヌクレオチド)、さらには公知の修飾の付加されたも
の、例えば当該分野で知られた標識のあるもの、キャッ
プの付いたもの、メチル化されたもの、1個以上の天然
のヌクレオチドを類縁物で置換したもの、分子内ヌクレ
オチド修飾のされたもの、例えば非荷電結合(例えば、
メチルホスホネート、ホスホトリエステル、ホスホルア
ミデート、カルバメートなど)を持つもの、電荷を有す
る結合または硫黄含有結合(例えば、ホスホロチオエー
ト、ホスホロジチオエートなど)を持つもの、例えば蛋
白質(ヌクレアーゼ、ヌクレアーゼ・インヒビター、ト
キシン、抗体、シグナルペプチド、ポリ−L−リジンな
ど)や糖(例えば、モノサッカライドなど)などの側鎖
基を有しているもの、インターカレント化合物(例え
ば、アクリジン、ソラレンなど)を持つもの、キレート
化合物(例えば、金属、放射活性をもつ金属、ホウ素、
酸化性の金属など)を含有するもの、アルキル化剤を含
有するもの、修飾された結合を持つもの(例えば、αア
ノマー型の核酸など)であってもよい。ここで「ヌクレ
オシド」、「ヌクレオチド」および「核酸」とは、プリ
ンおよびピリミジン塩基を含有するのみでなく、修飾さ
れたその他の複素環型塩基をもつようなものを含んでい
て良い。こうした修飾物は、メチル化されたプリンおよ
びピリミジン、アシル化されたプリンおよびピリミジ
ン、あるいはその他の複素環を含むものであってよい。
修飾されたヌクレオチドおよび修飾されたヌクレオチド
はまた糖部分が修飾されていてよく、例えば、1個以上
の水酸基がハロゲンとか、脂肪族基などで置換されてい
たり、あるいはエーテル、アミンなどの官能基に変換さ
れていてよい。本発明のアンチセンス・ポリヌクレオチ
ド(核酸)は、RNA、DNA、あるいは修飾された核
酸(RNA、DNA)である。修飾された核酸の具体例
としては核酸の硫黄誘導体やチオホスフェート誘導体、
そしてポリヌクレオシドアミドやオリゴヌクレオシドア
ミドの分解に抵抗性のものが挙げられるが、それに限定
されるものではない。本発明のアンチセンス核酸は次の
ような方針で好ましく設計されうる。すなわち、細胞内
でのアンチセンス核酸をより安定なものにする、アンチ
センス核酸の細胞透過性をより高める、目標とするセン
ス鎖に対する親和性をより大きなものにする、そしても
し毒性があるならアンチセンス核酸の毒性をより小さな
ものにする。こうして修飾は当該分野で数多く知られて
おり、例えば J. Kawakami et al.,Pharm Tech Japan,
Vol. 8, pp.247, 1992; Vol. 8, pp.395, 1992; S. T.
Crooke et al. ed., Antisense Research and Applicat
ions, CRC Press, 1993 などに開示がある。本発明のア
ンチセンス核酸は、変化せしめられたり、修飾された
糖、塩基、結合を含有していて良く、リポゾーム、ミク
ロスフェアのような特殊な形態で供与されたり、遺伝子
治療により適用されたり、付加された形態で与えられる
ことができうる。こうして付加形態で用いられるものと
しては、リン酸基骨格の電荷を中和するように働くポリ
リジンのようなポリカチオン体、細胞膜との相互作用を
高めたり、核酸の取込みを増大せしめるような脂質(例
えば、ホスホリピド、コレステロールなど)といった疎
水性のものが挙げられる。付加するに好ましい脂質とし
ては、コレステロールやその誘導体(例えば、コレステ
リルクロロホルメート、コール酸など)が挙げられる。
こうしたものは、核酸の3’端あるいは5’端に付着さ
せることができ、塩基、糖、分子内ヌクレオシド結合を
介して付着させることができうる。その他の基として
は、核酸の3’端あるいは5’端に特異的に配置された
キャップ用の基で、エキソヌクレアーゼ、RNaseな
どのヌクレアーゼによる分解を阻止するためのものが挙
げられる。こうしたキャップ用の基としては、ポリエチ
レングリコール、テトラエチレングリコールなどのグリ
コールをはじめとした当該分野で知られた水酸基の保護
基が挙げられるが、それに限定されるものではない。ア
ンチセンス核酸の阻害活性は、本発明の形質転換体、本
発明の生体内や生体外の遺伝子発現系、あるいは本発明
のタンパク質の生体内や生体外の翻訳系を用いて調べる
ことができる。該核酸それ自体公知の各種の方法で細胞
に適用できる。
【0037】以下に、本発明のタンパク質もしくは部分
ペプチドまたはその塩(以下、本発明のタンパク質と略
記する場合がある)、本発明のタンパク質または部分ペ
プチドをコードするDNA(以下、本発明のDNAと略
記する場合がある)、本発明のタンパク質もしくは部分
ペプチドまたはその塩に対する抗体(以下、本発明の抗
体と略記する場合がある)、および本発明のDNAのア
ンチセンスヌクレオチド(以下、本発明のアンチセンス
ヌクレオチドと略記する場合がある)の用途を説明す
る。
【0038】本発明のタンパク質は、がん組織で発現が
増加するので、疾患マーカーとして利用することが出来
る。すなわち、がん組織における早期診断、症状の重症
度の判定、疾患進行の予測のためのマーカーとして有用
である。よって、本発明のタンパク質をコードする遺伝
子のアンチセンスヌクレオチド、本発明のタンパク質の
活性を阻害する化合物もしくはその塩または本発明のタ
ンパク質に対する抗体を含有する医薬は、例えば、大腸
がん、乳がん、肺がん、前立腺がん、食道がん、胃が
ん、肝臓がん、胆道がん、脾臓がん、腎がん、膀胱が
ん、子宮がん、精巣がん、甲状腺がん、膵臓がん、脳腫
瘍または血液腫瘍などのがんの治療・予防剤として使用
することができる。
【0039】(1)疾病に対する医薬候補化合物のスク
リーニング 本発明のタンパク質はがん組織で発現が増加し、アポト
ーシス抑制作用を有するので、本発明のタンパク質の活
性を調節する化合物またはその塩は、例えば大腸がん、
乳がん、肺がん、前立腺がん、食道がん、胃がん、肝臓
がん、胆道がん、脾臓がん、腎がん、膀胱がん、子宮が
ん、精巣がん、甲状腺がん、膵臓がん、脳腫瘍または血
液腫瘍などのがんの治療・予防剤として使用することが
できる。アポトーシス作用調節剤としても使用すること
ができる。したがって、本発明のタンパク質は、本発明
のタンパク質の活性を調節する化合物またはその塩のス
クリーニングのための試薬として有用である。すなわ
ち、本発明は、本発明のタンパク質を用いることを特徴
とする本発明のタンパク質の活性(例えば、ガラクトー
ス転移酵素活性など)を調節(促進または阻害)する化
合物またはその塩のスクリーニング方法を提供する。よ
り具体的には、例えば、(i)本発明のタンパク質のガ
ラクトース転移酵素活性と、(ii)本発明のタンパク質
と試験化合物の混合物のガラクトース転移酵素活性の比
較することを特徴する本発明のタンパク質の活性を調節
(促進または阻害)する化合物またはその塩のスクリー
ニング方法が用いられる。上記スクリーニング方法にお
いては、例えば(i)と(ii)の場合において、ガラク
トース転移酵素活性を自体公知の方法、例えばBioorg.
Med. Chem. 7(2)巻, 401-9頁, 1999年に記載の方法また
はそれに準じる方法に従って測定し、比較する。具体的
には、(i)本発明のタンパク質、放射能ラベルされたUDP
-galactose、およびN-Acetylglucosamineを反応させた
場合と、(ii)試験化合物の存在下、本発明のタンパク
質、放射能ラベルされたUDP-galactose、およびN-Acety
lglucosamineを反応させた場合の、ガラクトース転移に
よるN-Acetylglucosamineへの放射活性をそれぞれ測定
し、本発明のタンパク質の活性を調節(促進または阻
害)する化合物またはその塩をスクリーニングする。本
反応は、適当な緩衝液中で行う。酵素反応後、例えば、
薄層クロマトグラフィー、液体クロマトグラフィー等に
よって反応物を分離し、標準対照とするGalβ1→4GlcNA
cの移動度と比較、同定する。定量にあたっての放射活
性の測定は、シンチレーションカウンターなどを利用す
る公知の方法に従えばよい。放射能ラベルされたUDP-ga
lactose、およびN-Acetylglucosamineは、試験化合物と
混合した後に、本発明のタンパク質と反応させてもよ
く、また、本発明のタンパク質に放射能ラベルされたUD
P-galactose、およびN-Acetylglucosamineを接触させた
後、試験化合物を添加してもよい。上記の本発明のタン
パク質は、好ましくは、市販のものを購入して用いる。
さらには、本発明のタンパク質をコードするDNAを含
有する形質転換体を培養することによって製造されたも
のであってもよい。本発明のタンパク質を発現し得る細
胞を用いて同様に反応させて、ガラクトース転移による
N-Acetylglucosamineへの放射活性を測定してもよい。
本発明のタンパク質を産生する能力を有する細胞として
は、例えば、前述した本発明のタンパク質をコードする
DNAを含有するベクターで形質転換された宿主(形質
転換体)が用いられる。宿主としては、例えば、COS
7細胞、CHO細胞、HEK293細胞などの動物細胞
が好ましく用いられる。該スクリーニングには、例え
ば、前述の方法で培養することによって、本発明のタン
パク質を発現させた形質転換体が好ましく用いられる。
本発明のタンパク質を発現し得る細胞の培養方法は、前
記した本発明の形質変換体の培養法と同様である。試験
化合物としては、例えばペプチド、タンパク質、非ペプ
チド性化合物、合成化合物、発酵生産物、細胞抽出液、
植物抽出液、動物組織抽出液などがあげられる。例え
ば、上記(ii)の場合におけるガラクトース転移酵素活
性が上記(i)の場合に比べて、約20%以上、好まし
くは30%以上、より好ましくは約50%以上上昇させ
る試験化合物を、本発明のタンパク質の活性を促進する
化合物として、上記(ii)の場合におけるガラクトース
転移酵素活性が上記(i)の場合に比べて、約20%以
上、好ましくは30%以上、より好ましくは約50%以
上減少させる試験化合物を本発明のタンパク質の活性を
阻害する化合物として選択することができる。
【0040】本発明のタンパク質の活性を促進する活性
を有する化合物は、本発明のタンパク質の作用を増強す
るための安全で低毒性な医薬として有用である。本発明
のタンパク質の活性を阻害する活性を有する化合物は、
本発明のタンパク質の生理活性を抑制するための安全で
低毒性な医薬として有用である。本発明のスクリーニン
グ方法またはスクリーニング用キットを用いて得られる
化合物またはその塩は、例えば、ペプチド、タンパク、
非ペプチド性化合物、合成化合物、発酵生産物、細胞抽
出液、植物抽出液、動物組織抽出液、血漿などから選ば
れた化合物である。該化合物の塩としては、前記した本
発明のペプチドの塩と同様のものが用いられる。
【0041】さらに、本発明のタンパク質をコードする
遺伝子も、がん組織において発現が増加するので、本発
明のタンパク質をコードする遺伝子の発現を調節する化
合物またはその塩も、例えば乳がん、大腸がん、乳が
ん、肺がん、前立腺がん、食道がん、胃がん、肝臓が
ん、胆道がん、脾臓がん、腎がん、膀胱がん、子宮が
ん、精巣がん、甲状腺がん、膵臓がん、脳腫瘍または血
液腫瘍などのがんの治療・予防剤として使用することが
できる。したがって、本発明のDNAは、本発明のタン
パク質をコードする遺伝子の発現を調節する化合物また
はその塩のスクリーニングのための試薬として有用であ
る。スクリーニング方法としては、(iii)本発明のタ
ンパク質を産生する能力を有する細胞を培養した場合
と、(iv)試験化合物の存在下、本発明で用いられるタ
ンパク質を産生する能力を有する細胞を培養した場合と
の比較を行うことを特徴とするスクリーニング方法が挙
げられる。上記方法において、(iii)と(iv)の場合
における、前記遺伝子の発現量(具体的には、本発明の
タンパク質量または前記タンパク質をコードするmRN
A量)を測定して、比較する。試験化合物および本発明
のタンパク質を産生する能力を有する細胞としては、上
記と同様のものが挙げられる。タンパク質量の測定は、
公知の方法、例えば、本発明のタンパク質を認識する抗
体を用いて、細胞抽出液中などに存在する前記タンパク
質を、ウェスタン解析、ELISA法などの方法または
それに準じる方法に従い測定することができる。mRN
A量の測定は、公知の方法、例えば、プローブとして配
列番号:2またはその一部を含有する核酸を用いるノー
ザンハイブリダイゼーション、あるいはプライマーとし
て配列番号:2またはその一部を含有する核酸を用いる
PCR法またはそれに準じる方法に従い測定することが
できる。例えば、上記(iv)の場合における遺伝子発現
量を、上記(iii)の場合に比べて、約20%以上、好
ましくは30%以上、より好ましくは約50%以上上昇
させる試験化合物を、本発明のタンパク質をコードする
遺伝子の発現を促進する化合物として、約20%以上、
好ましくは30%以上、より好ましくは約50%以上阻
害する試験化合物を、本発明のタンパク質をコードする
遺伝子の発現を抑制する化合物として選択することがで
きる。
【0042】本発明のスクリーニング用キットは、本発
明で用いられるタンパク質もしくは部分ペプチドまたは
その塩、または本発明で用いられるタンパク質もしくは
部分ペプチドを産生する能力を有する細胞を含有するも
のである。本発明のスクリーニング方法またはスクリー
ニング用キットを用いて得られる化合物またはその塩
は、上記した試験化合物、例えば、ペプチド、タンパ
ク、非ペプチド性化合物、合成化合物、発酵生産物、細
胞抽出液、植物抽出液、動物組織抽出液、血漿などから
選ばれた化合物またはその塩であり、本発明のタンパク
質の活性(例、ガラクトース転移酵素活性など)を調節
する化合物またはその塩である。該化合物の塩として
は、前記した本発明のタンパク質の塩と同様のものが用
いられる。本発明のタンパク質の活性を調節する化合物
またはその塩、および本発明のタンパク質をコードする
遺伝子の発現を調節する化合物またはその塩はそれぞ
れ、例えば大腸がん、乳がん、肺がん、前立腺がん、食
道がん、胃がん、肝臓がん、胆道がん、脾臓がん、腎が
ん、膀胱がん、子宮がん、精巣がん、甲状腺がん、膵臓
がん、脳腫瘍または血液腫瘍などのがんの治療・予防剤
として有用である。本発明のスクリーニング方法または
スクリーニング用キットを用いて得られる化合物または
その塩を上述の治療・予防剤として使用する場合、常套
手段に従って製剤化することができる。
【0043】例えば、経口投与のための組成物として
は、固体または液体の剤形、具体的には錠剤(糖衣錠、
フィルムコーティング錠を含む)、丸剤、顆粒剤、散
剤、カプセル剤(ソフトカプセル剤を含む)、シロップ
剤、乳剤、懸濁剤などがあげられる。かかる組成物は自
体公知の方法によって製造され、製剤分野において通常
用いられる担体、希釈剤もしくは賦形剤を含有するもの
である。例えば、錠剤用の担体、賦形剤としては、乳
糖、でんぷん、蔗糖、ステアリン酸マグネシウムなどが
用いられる。非経口投与のための組成物としては、例え
ば、注射剤、坐剤などが用いられ、注射剤は静脈注射
剤、皮下注射剤、皮内注射剤、筋肉注射剤、点滴注射
剤、関節内注射剤などの剤形を包含する。かかる注射剤
は、自体公知の方法に従って、例えば、上記抗体または
その塩を通常注射剤に用いられる無菌の水性もしくは油
性液に溶解、懸濁または乳化することによって調製す
る。注射用の水性液としては、例えば、生理食塩水、ブ
ドウ糖やその他の補助薬を含む等張液などが用いられ、
適当な溶解補助剤、例えば、アルコール(例、エタノー
ル)、ポリアルコール(例、プロピレングリコール、ポ
リエチレングリコール)、非イオン界面活性剤〔例、ポ
リソルベート80、HCO−50(polyoxyethylene
(50mol)adductof hydrogenated castor oil)〕な
どと併用してもよい。油性液としては、例えば、ゴマ
油、大豆油などが用いられ、溶解補助剤として安息香酸
ベンジル、ベンジルアルコールなどを併用してもよい。
調製された注射液は、通常、適当なアンプルに充填され
る。直腸投与に用いられる坐剤は、上記抗体またはその
塩を通常の坐薬用基剤に混合することによって調製され
る。
【0044】上記の経口用または非経口用医薬組成物
は、活性成分の投与量に適合するような投薬単位の剤形
に調製されることが好都合である。かかる投薬単位の剤
形としては、錠剤、丸剤、カプセル剤、注射剤(アンプ
ル)、坐剤などが例示され、それぞれの投薬単位剤形当
たり通常5〜500mg、とりわけ注射剤では5〜10
0mg、その他の剤形では10〜250mgの上記抗体
が含有されていることが好ましい。なお前記した各組成
物は、上記抗体との配合により好ましくない相互作用を
生じない限り他の活性成分を含有してもよい。このよう
にして得られる製剤は安全で低毒性であるので、例え
ば、ヒトまたは温血動物(例えば、マウス、ラット、ウ
サギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ウマ、トリ、ネコ、イヌ、
サル、チンパンジーなど)に対して経口的にまたは非経
口的に投与することができる。該化合物またはその塩の
投与量は、その作用、対象疾患、投与対象、投与ルート
などにより差異はあるが、例えば、乳がんの治療の目的
で本発明のタンパク質の活性を調節する化合物またはそ
の塩を経口投与する場合、一般的に成人(体重60kg
として)においては、一日につき該化合物またはその塩
を約0.1〜100mg、好ましくは約1.0〜50m
g、より好ましくは約1.0〜20mg投与する。非経
口的に投与する場合は、該化合物またはその塩の1回投
与量は投与対象、対象疾患などによっても異なるが、例
えば、乳がんの治療の目的で本発明のタンパク質の活性
を調節する化合物またはその塩を注射剤の形で通常成人
(体重60kgとして)に投与する場合、一日につき該
化合物またはその塩を約0.01〜30mg程度、好ま
しくは約0.1〜20mg程度、より好ましくは約0.
1〜10mg程度をがん病変部に注射により投与するの
が好都合である。他の動物の場合も、体重60kg当た
りに換算した量を投与することができる。
【0045】(2)本発明のタンパク質、その部分ペプ
チドまたはその塩の定量 本発明のタンパク質に対する抗体(以下、本発明の抗体
と略記する場合がある)は、本発明のタンパク質を特異
的に認識することができるので、被検液中の本発明のタ
ンパク質の定量、特にサンドイッチ免疫測定法による定
量などに使用することができる。すなわち、本発明は、
(i)本発明の抗体と、被検液および標識化された本発
明のタンパク質とを競合的に反応させ、該抗体に結合し
た標識化された本発明のタンパク質の割合を測定するこ
とを特徴とする被検液中の本発明のタンパク質の定量
法、および(ii)被検液と担体上に不溶化した本発明の
抗体および標識化された本発明の別の抗体とを同時ある
いは連続的に反応させたのち、不溶化担体上の標識剤の
活性を測定することを特徴とする被検液中の本発明のタ
ンパク質の定量法を提供する。上記(ii)の定量法にお
いては、一方の抗体が本発明のタンパク質のN端部を認
識する抗体で、他方の抗体が本発明のタンパク質のC端
部に反応する抗体であることが望ましい。
【0046】また、本発明のタンパク質に対するモノク
ローナル抗体(以下、本発明のモノクローナル抗体と称
する場合がある)を用いて本発明のタンパク質の定量を
行なえるほか、組織染色等による検出を行なうこともで
きる。これらの目的には、抗体分子そのものを用いても
よく、また、抗体分子のF(ab')2 、Fab'、あるい
はFab画分を用いてもよい。本発明の抗体を用いる本
発明のタンパク質の定量法は、特に制限されるべきもの
ではなく、被測定液中の抗原量(例えば、タンパク質
量)に対応した抗体、抗原もしくは抗体−抗原複合体の
量を化学的または物理的手段により検出し、これを既知
量の抗原を含む標準液を用いて作製した標準曲線より算
出する測定法であれば、いずれの測定法を用いてもよ
い。例えば、ネフロメトリー、競合法、イムノメトリッ
ク法およびサンドイッチ法が好適に用いられるが、感
度、特異性の点で、後述するサンドイッチ法を用いるの
が特に好ましい。標識物質を用いる測定法に用いられる
標識剤としては、例えば、放射性同位元素、酵素、蛍光
物質、発光物質などが用いられる。放射性同位元素とし
ては、例えば、〔125I〕、〔131I〕、〔3H〕、〔14
C〕などが用いられる。上記酵素としては、安定で比活
性の大きなものが好ましく、例えば、β−ガラクトシダ
ーゼ、β−グルコシダーゼ、アルカリフォスファター
ゼ、パーオキシダーゼ、リンゴ酸脱水素酵素などが用い
られる。蛍光物質としては、例えば、フルオレスカミ
ン、フルオレッセンイソチオシアネートなどが用いられ
る。発光物質としては、例えば、ルミノール、ルミノー
ル誘導体、ルシフェリン、ルシゲニンなどが用いられ
る。さらに、抗体あるいは抗原と標識剤との結合にビオ
チン−アビジン系を用いることもできる。
【0047】抗原あるいは抗体の不溶化に当っては、物
理吸着を用いてもよく、また通常タンパク質あるいは酵
素等を不溶化、固定化するのに用いられる化学結合を用
いる方法でもよい。担体としては、アガロース、デキス
トラン、セルロースなどの不溶性多糖類、ポリスチレ
ン、ポリアクリルアミド、シリコン等の合成樹脂、ある
いはガラス等が挙げられる。サンドイッチ法においては
不溶化した本発明のモノクローナル抗体に被検液を反応
させ(1次反応)、さらに標識化した別の本発明のモノ
クローナル抗体を反応させ(2次反応)たのち、不溶化
担体上の標識剤の活性を測定することにより被検液中の
本発明のタンパク質量を定量することができる。1次反
応と2次反応は逆の順序に行っても、また、同時に行な
ってもよいし時間をずらして行なってもよい。標識化剤
および不溶化の方法は前記のそれらに準じることができ
る。また、サンドイッチ法による免疫測定法において、
固相用抗体あるいは標識用抗体に用いられる抗体は必ず
しも1種類である必要はなく、測定感度を向上させる等
の目的で2種類以上の抗体の混合物を用いてもよい。本
発明のサンドイッチ法による本発明のタンパク質の測定
法においては、1次反応と2次反応に用いられる本発明
のモノクローナル抗体は、本発明のタンパク質の結合す
る部位が相異なる抗体が好ましく用いられる。すなわ
ち、1次反応および2次反応に用いられる抗体は、例え
ば、2次反応で用いられる抗体が、本発明のタンパク質
のC端部を認識する場合、1次反応で用いられる抗体
は、好ましくはC端部以外、例えばN端部を認識する抗
体が用いられる。
【0048】本発明のモノクローナル抗体をサンドイッ
チ法以外の測定システム、例えば、競合法、イムノメト
リック法あるいはネフロメトリーなどに用いることがで
きる。競合法では、被検液中の抗原と標識抗原とを抗体
に対して競合的に反応させたのち、未反応の標識抗原
(F)と、抗体と結合した標識抗原(B)とを分離し
(B/F分離)、B,Fいずれかの標識量を測定し、被
検液中の抗原量を定量する。本反応法には、抗体として
可溶性抗体を用い、B/F分離をポリエチレングリコー
ル、前記抗体に対する第2抗体などを用いる液相法、お
よび、第1抗体として固相化抗体を用いるか、あるい
は、第1抗体は可溶性のものを用い第2抗体として固相
化抗体を用いる固相化法とが用いられる。イムノメトリ
ック法では、被検液中の抗原と固相化抗原とを一定量の
標識化抗体に対して競合反応させた後固相と液相を分離
するか、あるいは、被検液中の抗原と過剰量の標識化抗
体とを反応させ、次に固相化抗原を加え未反応の標識化
抗体を固相に結合させたのち、固相と液相を分離する。
次に、いずれかの相の標識量を測定し被検液中の抗原量
を定量する。また、ネフロメトリーでは、ゲル内あるい
は溶液中で抗原抗体反応の結果生じた不溶性の沈降物の
量を測定する。被検液中の抗原量が僅かであり、少量の
沈降物しか得られない場合にもレーザーの散乱を利用す
るレーザーネフロメトリーなどが好適に用いられる。
【0049】これら個々の免疫学的測定法を本発明の定
量方法に適用するにあたっては、特別の条件、操作等の
設定は必要とされない。それぞれの方法における通常の
条件、操作法に当業者の通常の技術的配慮を加えて本発
明のタンパク質の測定系を構築すればよい。これらの一
般的な技術手段の詳細については、総説、成書などを参
照することができる。例えば、入江 寛編「ラジオイム
ノアッセイ」(講談社、昭和49年発行)、入江 寛編
「続ラジオイムノアッセイ」(講談社、昭和54年発
行)、石川栄治ら編「酵素免疫測定法」(医学書院、昭
和53年発行)、石川栄治ら編「酵素免疫測定法」(第
2版)(医学書院、昭和57年発行)、石川栄治ら編
「酵素免疫測定法」(第3版)(医学書院、昭和62年
発行)、「Methods in ENZYMOLOGY」Vol. 70(Immunochem
ical Techniques(Part A))、 同書 Vol. 73(Immunochem
ical Techniques(Part B))、 同書 Vol. 74(Immunochem
ical Techniques(Part C))、 同書 Vol. 84(Immunochem
ical Techniques(Part D:Selected Immunoassays))、
同書 Vol. 92(Immunochemical Techniques(Part E:Mono
clonal Antibodies and General Immunoassay Method
s))、 同書 Vol. 121(Immunochemical Techniques(Part
I:Hybridoma Technology and Monoclonal Antibodie
s))(以上、アカデミックプレス社発行)などを参照する
ことができる。以上のようにして、本発明の抗体を用い
ることによって、本発明のタンパク質を感度良く定量す
ることができる。さらには、本発明の抗体を用いて本発
明のタンパク質の濃度を定量することによって、本発明
のタンパク質の濃度の増加または減少が検出された場
合、例えば大腸がん、乳がん、肺がん、前立腺がん、食
道がん、胃がん、肝臓がん、胆道がん、脾臓がん、腎が
ん、膀胱がん、子宮がん、精巣がん、甲状腺がん、膵臓
がん、脳腫瘍または血液腫瘍などのがんである、または
将来罹患する可能性が高いと診断することができる。ま
た、本発明の抗体は、体液や組織などの被検体中に存在
する本発明のタンパク質を検出するために使用すること
ができる。また、本発明のタンパク質を精製するために
使用する抗体カラムの作製、精製時の各分画中の本発明
のタンパク質の検出、被検細胞内における本発明のタン
パク質の挙動の分析などのために使用することができ
る。
【0050】(3)遺伝子診断薬 本発明のDNAは、例えば、プローブとして使用するこ
とにより、ヒトまたは温血動物(例えば、ラット、マウ
ス、モルモット、ウサギ、トリ、ヒツジ、ブタ、ウシ、
ウマ、ネコ、イヌ、サル、チンパンジーなど)における
本発明のタンパク質またはその部分ペプチドをコードす
るDNAまたはmRNAの異常(遺伝子異常)を検出す
ることができるので、例えば、該DNAまたはmRNA
の損傷、突然変異あるいは発現低下や、該DNAまたは
mRNAの増加あるいは発現過多などの遺伝子診断薬と
して有用である。本発明のDNAを用いる上記の遺伝子
診断は、例えば、自体公知のノーザンハイブリダイゼー
ションやPCR−SSCP法(ゲノミックス(Genomic
s),第5巻,874〜879頁(1989年)、プロ
シージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オ
ブ・サイエンシイズ・オブ・ユーエスエー(Proceeding
s ofthe National Academy of Sciences of the United
States of America),第86巻,2766〜2770
頁(1989年))などにより実施することができる。
例えば、ノーザンハイブリダイゼーションにより発現過
多または減少が検出された場合やPCR−SSCP法に
よりDNAの突然変異が検出された場合は、例えば大腸
がん、乳がん、肺がん、前立腺がん、食道がん、胃が
ん、肝臓がん、胆道がん、脾臓がん、腎がん、膀胱が
ん、子宮がん、精巣がん、甲状腺がん、膵臓がん、脳腫
瘍または血液腫瘍などのがんである可能性が高いと診断
することができる。
【0051】(4)アンチセンスヌクレオチドを含有す
る医薬 本発明のDNAに相補的に結合し、該DNAの発現を抑
制することができる本発明のアンチセンスヌクレオチド
は低毒性であり、生体内における本発明のタンパク質ま
たは本発明のDNAの機能(例、ガラクトース転移酵素
活性)を抑制することができるので、例えば大腸がん、
乳がん、肺がん、前立腺がん、食道がん、胃がん、肝臓
がん、胆道がん、脾臓がん、腎がん、膀胱がん、子宮が
ん、精巣がん、甲状腺がん、膵臓がん、脳腫瘍または血
液腫瘍などのがんの治療・予防剤として使用することが
できる。上記アンチセンスヌクレオチドを上記の治療・
予防剤として使用する場合、自体公知の方法に従って製
剤化し、投与することができる。また、例えば、前記の
アンチセンスヌクレオチドを単独あるいはレトロウイル
スベクター、アデノウイルスベクター、アデノウイルス
アソシエーテッドウイルスベクターなどの適当なベクタ
ーに挿入した後、常套手段に従って、ヒトまたは哺乳動
物(例、ラット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、
イヌ、サルなど)に対して経口的または非経口的に投与
することができる。該アンチセンスヌクレオチドは、そ
のままで、あるいは摂取促進のために補助剤などの生理
学的に認められる担体とともに製剤化し、遺伝子銃やハ
イドロゲルカテーテルのようなカテーテルによって投与
できる。あるいは、エアロゾル化して吸入剤として気管
内に局所投与することもできる。さらに、体内動態の改
良、半減期の長期化、細胞内取り込み効率の改善を目的
に、前記のアンチセンスヌクレオチドを単独またはリポ
ゾームなどの担体とともに製剤(注射剤)化し、静脈、
皮下、関節腔内、がん病変部等に投与してもよい。該ア
ンチセンスヌクレオチドの投与量は、対象疾患、投与対
象、投与ルートなどにより差異はあるが、例えば、乳が
んの治療の目的で本発明のアンチセンスヌクレオチドを
投与する場合、一般的に成人(体重60kg)において
は、一日につき該アンチセンスヌクレオチドを約0.1
〜100mg投与する。さらに、該アンチセンスヌクレ
オチドは、組織や細胞における本発明のDNAの存在や
その発現状況を調べるための診断用オリゴヌクレオチド
プローブとして使用することもできる。上記アンチセン
スヌクレオチドと同様に、本発明のタンパク質をコード
するRNAの一部を含有する二重鎖RNA、本発明のタ
ンパク質をコードするRNAの一部を含有するリボザイ
ムなども、本発明の遺伝子の発現を抑制することがで
き、生体内における本発明で用いられるタンパク質また
は本発明で用いられるDNAの機能を抑制することがで
きるので、例えば、例えば大腸がん、乳がん、肺がん、
前立腺がん、食道がん、胃がん、肝臓がん、胆道がん、
脾臓がん、腎がん、膀胱がん、子宮がん、精巣がん、甲
状腺がん、膵臓がん、脳腫瘍または血液腫瘍などのがん
の予防・治療剤などとして使用することができる。二重
鎖RNAは、公知の方法(例、Nature, 411巻, 494頁,
2001年)に準じて、本発明のポリヌクレオチドの配列を
基に設計して製造することができる。リボザイムは、公
知の方法(例、TRENDS in Molecular Medicine, 7巻, 2
21頁, 2001年)に準じて、本発明のポリヌクレオチドの
配列を基に設計して製造することができる。例えば、本
発明のタンパク質をコードするRNAの一部に公知のリ
ボザイムを連結することによって製造することができ
る。本発明のタンパク質をコードするRNAの一部とし
ては、公知のリボザイムによって切断され得る本発明の
RNA上の切断部位に近接した部分(RNA断片)が挙
げられる。上記の二重鎖RNAまたはリボザイムを上記
予防・治療剤として使用する場合、アンチセンスポリヌ
クレオチドと同様にして製剤化し、投与することができ
る。
【0052】(5)本発明の抗体を含有する医薬 本発明のタンパク質の活性を中和する作用を有する本発
明の抗体は、例えば大腸がん、乳がん、肺がん、前立腺
がん、食道がん、胃がん、肝臓がん、胆道がん、脾臓が
ん、腎がん、膀胱がん、子宮がん、精巣がん、甲状腺が
ん、膵臓がん、脳腫瘍または血液腫瘍などのがんの予防
・治療剤として使用することができる。本発明の抗体を
含有する上記疾患の治療・予防剤は低毒性であり、その
まま液剤として、または適当な剤型の医薬組成物とし
て、ヒトまたは哺乳動物(例、ラット、ウサギ、ヒツ
ジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サルなど)に対して経口
的または非経口的(例、関節内投与)に投与することが
できる。投与量は、投与対象、対象疾患、症状、投与ル
ートなどによっても異なるが、例えば、成人の乳がんの
治療・予防のために使用する場合には、本発明の抗体を
1回量として、通常0.01〜20mg/kg体重程
度、好ましくは0.1〜10mg/kg体重程度、さら
に好ましくは0.1〜5mg/kg体重程度を、1日1
〜5回程度、好ましくは1日1〜3回程度、粉末吸入剤
により投与するのが好都合である。他の非経口投与およ
び経口投与の場合もこれに準ずる量を投与することがで
きる。症状が特に重い場合には、その症状に応じて増量
してもよい。本発明の抗体は、それ自体または適当な医
薬組成物として投与することができる。上記投与に用い
られる医薬組成物は、上記抗体またはその塩と薬理学的
に許容され得る担体、希釈剤もしくは賦形剤とを含むも
のである。かかる組成物は、経口または非経口投与
(例、関節内投与)に適する剤形として提供される。好
ましくは吸入剤として提供される。なお前記した各組成
物は、上記抗体との配合により好ましくない相互作用を
生じない限り他の活性成分を含有してもよい。
【0053】(6)本発明の「ガラクトース転移酵素活
性調節作用を有する化合物またはその塩を含有してなる
がんの予防・治療剤」および「B4GALT1の発現調
節作用を有する化合物またはその塩を含有してなるがん
の予防・治療剤」について 「ガラクトース転移酵素活性調節作用を有する化合物」
は、ガラクトース転移酵素活性調節作用を有する化合物
であればいかなるものでもよく、例えば大腸がん、乳が
ん、肺がん、前立腺がん、食道がん、胃がん、肝臓が
ん、胆道がん、脾臓がん、腎がん、膀胱がん、子宮が
ん、精巣がん、甲状腺がん、膵臓がん、脳腫瘍または血
液腫瘍などのがんの予防・治療剤として用いられる。
「B4GALT1の発現調節作用を有する化合物」は、
B4GALT1の発現調節作用を有する化合物であれば
いかなるものでもよく、例えば大腸がん、乳がん、肺が
ん、前立腺がん、食道がん、胃がん、肝臓がん、胆道が
ん、脾臓がん、腎がん、膀胱がん、子宮がん、精巣が
ん、甲状腺がん、膵臓がん、脳腫瘍または血液腫瘍など
のがんの予防・治療剤として用いられる。該予防・治療
剤は、上記と同様にして製造される。
【0054】(7)DNA転移動物 本発明は、外来性の本発明のタンパク質をコードするD
NA(以下、本発明の外来性DNAと略記する)または
その変異DNA(本発明の外来性変異DNAと略記する
場合がある)を有する非ヒト哺乳動物を提供する。すな
わち、本発明は、(1)本発明の外来性DNAまたはそ
の変異DNAを有する非ヒト哺乳動物、(2)非ヒト哺
乳動物がゲッ歯動物である第(1)記載の動物、(3)ゲ
ッ歯動物がマウスまたはラットである第(2)記載の動
物、および(4)本発明の外来性DNAまたはその変異
DNAを含有し、哺乳動物において発現しうる組換えベ
クターを提供するものである。本発明の外来性DNAま
たはその変異DNAを有する非ヒト哺乳動物(以下、本
発明のDNA転移動物と略記する)は、未受精卵、受精
卵、精子およびその始原細胞を含む胚芽細胞などに対し
て、好ましくは、非ヒト哺乳動物の発生における胚発生
の段階(さらに好ましくは、単細胞または受精卵細胞の
段階でかつ一般に8細胞期以前)に、リン酸カルシウム
法、電気パルス法、リポフェクション法、凝集法、マイ
クロインジェクション法、パーティクルガン法、DEA
E−デキストラン法などにより目的とするDNAを転移
することによって作出することができる。また、該DN
A転移方法により、体細胞、生体の臓器、組織細胞など
に目的とする本発明の外来性DNAを転移し、細胞培
養、組織培養などに利用することもでき、さらに、これ
ら細胞を上述の胚芽細胞と自体公知の細胞融合法により
融合させることにより本発明のDNA転移動物を作出す
ることもできる。非ヒト哺乳動物としては、例えば、ウ
シ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ウサギ、イヌ、ネコ、モルモ
ット、ハムスター、マウス、ラットなどが用いられる。
なかでも、病体動物モデル系の作成の面から個体発生お
よび生物サイクルが比較的短く、また、繁殖が容易なゲ
ッ歯動物、とりわけマウス(例えば、純系として、C5
7BL/6系統,DBA2系統など、交雑系として、B
6C3F1系統,BDF1系統,B6D2F1系統,BA
LB/c系統,ICR系統など)またはラット(例え
ば、Wistar,SDなど)などが好ましい。哺乳動
物において発現しうる組換えベクターにおける「哺乳動
物」としては、上記の非ヒト哺乳動物の他にヒトなどが
あげられる。
【0055】本発明の外来性DNAとは、非ヒト哺乳動
物が本来有している本発明のDNAではなく、いったん
哺乳動物から単離・抽出された本発明のDNAをいう。
本発明の変異DNAとしては、元の本発明のDNAの塩
基配列に変異(例えば、突然変異など)が生じたもの、
具体的には、塩基の付加、欠損、他の塩基への置換など
が生じたDNAなどが用いられ、また、異常DNAも含
まれる。該異常DNAとしては、異常な本発明のタンパ
ク質を発現させるDNAを意味し、例えば、正常な本発
明のタンパク質の機能を抑制するタンパク質を発現させ
るDNAなどが用いられる。本発明の外来性DNAは、
対象とする動物と同種あるいは異種のどちらの哺乳動物
由来のものであってもよい。本発明のDNAを対象動物
に転移させるにあたっては、該DNAを動物細胞で発現
させうるプロモーターの下流に結合したDNAコンスト
ラクトとして用いるのが一般に有利である。例えば、本
発明のヒトDNAを転移させる場合、これと相同性が高
い本発明のDNAを有する各種哺乳動物(例えば、ウサ
ギ、イヌ、ネコ、モルモット、ハムスター、ラット、マ
ウスなど)由来のDNAを発現させうる各種プロモータ
ーの下流に、本発明のヒトDNAを結合したDNAコン
ストラクト(例、ベクターなど)を対象哺乳動物の受精
卵、例えば、マウス受精卵へマイクロインジェクション
することによって本発明のDNAを高発現するDNA転
移哺乳動物を作出することができる。
【0056】本発明のタンパク質の発現ベクターとして
は、大腸菌由来のプラスミド、枯草菌由来のプラスミ
ド、酵母由来のプラスミド、λファージなどのバクテリ
オファージ、モロニー白血病ウィルスなどのレトロウィ
ルス、ワクシニアウィルスまたはバキュロウィルスなど
の動物ウイルスなどが用いられる。なかでも、大腸菌由
来のプラスミド、枯草菌由来のプラスミドまたは酵母由
来のプラスミドなどが好ましく用いられる。上記のDN
A発現調節を行なうプロモーターとしては、例えば、
ウイルス(例、シミアンウイルス、サイトメガロウイル
ス、モロニー白血病ウイルス、JCウイルス、乳がんウ
イルス、ポリオウイルスなど)に由来するDNAのプロ
モーター、各種哺乳動物(ヒト、ウサギ、イヌ、ネ
コ、モルモット、ハムスター、ラット、マウスなど)由
来のプロモーター、例えば、アルブミン、インスリンI
I、ウロプラキンII、エラスターゼ、エリスロポエチ
ン、エンドセリン、筋クレアチンキナーゼ、グリア線維
性酸性タンパク質、グルタチオンS−トランスフェラー
ゼ、血小板由来成長因子β、ケラチンK1,K10およ
びK14、コラーゲンI型およびII型、サイクリック
AMP依存タンパク質キナーゼβIサブユニット、ジス
トロフィン、酒石酸抵抗性アルカリフォスファターゼ、
心房ナトリウム利尿性因子、内皮レセプターチロシンキ
ナーゼ(一般にTie2と略される)、ナトリウムカリ
ウムアデノシン3リン酸化酵素(Na,K−ATPas
e)、ニューロフィラメント軽鎖、メタロチオネインI
およびIIA、メタロプロティナーゼ1組織インヒビタ
ー、MHCクラスI抗原(H−2L)、H−ras、レ
ニン、ドーパミンβ−水酸化酵素、甲状腺ペルオキシダ
ーゼ(TPO)、ペプチド鎖延長因子1α(EF−1
α)、βアクチン、αおよびβミオシン重鎖、ミオシン
軽鎖1および2、ミエリン基礎タンパク質、チログロブ
リン、Thy−1、免疫グロブリン、H鎖可変部(VN
P)、血清アミロイドPコンポーネント、ミオグロビ
ン、トロポニンC、平滑筋αアクチン、プレプロエンケ
ファリンA、バソプレシンなどのプロモーターなどが用
いられる。なかでも、全身で高発現することが可能なサ
イトメガロウイルスプロモーター、ヒトペプチド鎖延長
因子1α(EF−1α)のプロモーター、ヒトおよびニ
ワトリβアクチンプロモーターなどが好適である。上記
ベクターは、DNA転移哺乳動物において目的とするメ
ッセンジャーRNAの転写を終結する配列(一般にター
ミネターと呼ばれる)を有していることが好ましく、例
えば、ウイルス由来および各種哺乳動物由来の各DNA
の配列を用いることができ、好ましくは、シミアンウイ
ルスのSV40ターミネターなどが用いられる。
【0057】その他、目的とする外来性DNAをさらに
高発現させる目的で各DNAのスプライシングシグナ
ル、エンハンサー領域、真核DNAのイントロンの一部
などをプロモーター領域の5’上流、プロモーター領域
と翻訳領域間あるいは翻訳領域の3’下流 に連結する
ことも目的により可能である。正常な本発明のタンパク
質の翻訳領域は、ヒトまたは各種哺乳動物(例えば、ウ
サギ、イヌ、ネコ、モルモット、ハムスター、ラット、
マウスなど)由来の肝臓、腎臓、甲状腺細胞、線維芽細
胞由来DNAおよび市販の各種ゲノムDNAライブラリ
ーよりゲノムDNAの全てあるいは一部として、または
肝臓、腎臓、甲状腺細胞、線維芽細胞由来RNAより公
知の方法により調製された相補DNAを原料として取得
することが出来る。また、外来性の異常DNAは、上記
の細胞または組織より得られた正常なタンパク質の翻訳
領域を点突然変異誘発法により変異した翻訳領域を作製
することができる。該翻訳領域は転移動物において発現
しうるDNAコンストラクトとして、前記のプロモータ
ーの下流および所望により転写終結部位の上流に連結さ
せる通常のDNA工学的手法により作製することができ
る。受精卵細胞段階における本発明の外来性DNAの転
移は、対象哺乳動物の胚芽細胞および体細胞のすべてに
存在するように確保される。DNA転移後の作出動物の
胚芽細胞において、本発明の外来性DNAが存在するこ
とは、作出動物の後代がすべて、その胚芽細胞および体
細胞のすべてに本発明の外来性DNAを保持することを
意味する。本発明の外来性DNAを受け継いだこの種の
動物の子孫はその胚芽細胞および体細胞のすべてに本発
明の外来性DNAを有する。本発明の外来性正常DNA
を転移させた非ヒト哺乳動物は、交配により外来性DN
Aを安定に保持することを確認して、該DNA保有動物
として通常の飼育環境で継代飼育することが出来る。受
精卵細胞段階における本発明の外来性DNAの転移は、
対象哺乳動物の胚芽細胞および体細胞の全てに過剰に存
在するように確保される。DNA転移後の作出動物の胚
芽細胞において本発明の外来性DNAが過剰に存在する
ことは、作出動物の子孫が全てその胚芽細胞および体細
胞の全てに本発明の外来性DNAを過剰に有することを
意味する。本発明の外来性DNAを受け継いだこの種の
動物の子孫はその胚芽細胞および体細胞の全てに本発明
の外来性DNAを過剰に有する。導入DNAを相同染色
体の両方に持つホモザイゴート動物を取得し、この雌雄
の動物を交配することによりすべての子孫が該DNAを
過剰に有するように繁殖継代することができる。
【0058】本発明の正常DNAを有する非ヒト哺乳動
物は、本発明の正常DNAが高発現させられており、内
在性の正常DNAの機能を促進することにより最終的に
本発明のタンパク質の機能亢進症を発症することがあ
り、その病態モデル動物として利用することができる。
例えば、本発明の正常DNA転移動物を用いて、本発明
のタンパク質の機能亢進症や、本発明のタンパク質が関
連する疾患の病態機序の解明およびこれらの疾患の治療
方法の検討を行なうことが可能である。また、本発明の
外来性正常DNAを転移させた哺乳動物は、遊離した本
発明のタンパク質の増加症状を有することから、本発明
のタンパク質に関連する疾患に対する予防・治療剤、例
えば大腸がん、乳がん、肺がん、前立腺がん、食道が
ん、胃がん、肝臓がん、胆道がん、脾臓がん、腎がん、
膀胱がん、子宮がん、精巣がん、甲状腺がん、膵臓が
ん、脳腫瘍または血液腫瘍などのがんの予防・治療剤の
スクリーニング試験にも利用可能である。一方、本発明
の外来性異常DNAを有する非ヒト哺乳動物は、交配に
より外来性DNAを安定に保持することを確認して該D
NA保有動物として通常の飼育環境で継代飼育すること
が出来る。さらに、目的とする外来DNAを前述のプラ
スミドに組み込んで原科として用いることができる。プ
ロモーターとのDNAコンストラク卜は、通常のDNA
工学的手法によって作製することができる。受精卵細胞
段階における本発明の異常DNAの転移は、対象哺乳動
物の胚芽細胞および体細胞の全てに存在するように確保
される。DNA転移後の作出動物の胚芽細胞において本
発明の異常DNAが存在することは、作出動物の子孫が
全てその胚芽細胞および体細胞の全てに本発明の異常D
NAを有することを意味する。本発明の外来性DNAを
受け継いだこの種の動物の子孫は、その胚芽細胞および
体細胞の全てに本発明の異常DNAを有する。導入DN
Aを相同染色体の両方に持つホモザイゴート動物を取得
し、この雌雄の動物を交配することによりすべての子孫
が該DNAを有するように繁殖継代することができる。
【0059】本発明の異常DNAを有する非ヒト哺乳動
物は、本発明の異常DNAが高発現させられており、内
在性の正常DNAの機能を阻害することにより最終的に
本発明のタンパク質の機能不活性型不応症となることが
あり、その病態モデル動物として利用することができ
る。例えば、本発明の異常DNA転移動物を用いて、本
発明のタンパク質の機能不活性型不応症の病態機序の解
明およびこの疾患を治療方法の検討を行なうことが可能
である。また、具体的な利用可能性としては、本発明の
異常DNA高発現動物は、本発明のタンパク質の機能不
活性型不応症における本発明の異常タンパク質による正
常タンパク質の機能阻害(dominant negative作用)を
解明するモデルとなる。また、本発明の外来異常DNA
を転移させた哺乳動物は、遊離した本発明のタンパク質
の増加症状を有することから、本発明のタンパク質また
は機能不活性型不応症に対する予防・治療剤、例えば大
腸がん、乳がん、肺がん、前立腺がん、食道がん、胃が
ん、肝臓がん、胆道がん、脾臓がん、腎がん、膀胱が
ん、子宮がん、精巣がん、甲状腺がん、膵臓がん、脳腫
瘍または血液腫瘍などのがんの予防・治療剤のスクリー
ニング試験にも利用可能である。また、上記2種類の本
発明のDNA転移動物のその他の利用可能性として、例
えば、 組織培養のための細胞源としての使用、 本発明のDNA転移動物の組織中のDNAもしくはR
NAを直接分析するか、またはDNAにより発現された
ペプチド組織を分析することによる、本発明のタンパク
質により特異的に発現あるいは活性化するペプチドとの
関連性についての解析、 DNAを有する組織の細胞を標準組織培養技術により
培養し、これらを使用して、一般に培養困難な組織から
の細胞の機能の研究、 上記記載の細胞を用いることによる細胞の機能を高
めるような薬剤のスクリーニング、および 本発明の変異タンパク質を単離精製およびその抗体作
製などが考えられる。
【0060】さらに、本発明のDNA転移動物を用い
て、本発明のタンパク質の機能不活性型不応症などを含
む、本発明のタンパク質に関連する疾患の臨床症状を調
べることができ、また、本発明のタンパク質に関連する
疾患モデルの各臓器におけるより詳細な病理学的所見が
得られ、新しい治療方法の開発、さらには、該疾患によ
る二次的疾患の研究および治療に貢献することができ
る。また、本発明のDNA転移動物から各臓器を取り出
し、細切後、トリプシンなどのタンパク質分解酵素によ
り、遊離したDNA転移細胞の取得、その培養またはそ
の培養細胞の系統化を行なうことが可能である。さら
に、本発明のタンパク質産生細胞の特定化、アポトーシ
ス、分化あるいは増殖との関連性、またはそれらにおけ
るシグナル伝達機構を調べ、それらの異常を調べること
などができ、本発明のタンパク質およびその作用解明の
ための有効な研究材料となる。さらに、本発明のDNA
転移動物を用いて、本発明のタンパク質の機能不活性型
不応症を含む、本発明のタンパク質に関連する疾患の治
療薬の開発を行なうために、上述の検査法および定量法
などを用いて、有効で迅速な該疾患治療薬のスクリーニ
ング法を提供することが可能となる。また、本発明のD
NA転移動物または本発明の外来性DNA発現ベクター
を用いて、本発明のタンパク質が関連する疾患のDNA
治療法を検討、開発することが可能である。
【0061】(8)ノックアウト動物 本発明は、本発明のDNAが不活性化された非ヒト哺乳
動物胚幹細胞および本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳
動物を提供する。すなわち、本発明は、(1)本発明の
DNAが不活性化された非ヒト哺乳動物胚幹細胞、
(2)該DNAがレポーター遺伝子(例、大腸菌由来の
β−ガラクトシダーゼ遺伝子)を導入することにより不
活性化された第(1)項記載の胚幹細胞、(3)ネオマ
イシン耐性である第(1)項記載の胚幹細胞、(4)非
ヒト哺乳動物がゲッ歯動物である第(1)項記載の胚幹
細胞、(5)ゲッ歯動物がマウスである第(4)項記載
の胚幹細胞、(6)本発明のDNAが不活性化された該
DNA発現不全非ヒト哺乳動物、(7)該DNAがレポ
ーター遺伝子(例、大腸菌由来のβ−ガラクトシダーゼ
遺伝子)を導入することにより不活性化され、該レポー
ター遺伝子が本発明のDNAに対するプロモーターの制
御下で発現しうる第(6)項記載の非ヒト哺乳動物、
(8)非ヒト哺乳動物がゲッ歯動物である第(6)項記
載の非ヒト哺乳動物、(9)ゲッ歯動物がマウスである
第(8)項記載の非ヒト哺乳動物、および(10)第
(7)項記載の動物に、試験化合物を投与し、レポータ
ー遺伝子の発現を検出することを特徴とする本発明のD
NAに対するプロモーター活性を促進または阻害する化
合物またはその塩のスクリーニング方法を提供する。
【0062】本発明のDNAが不活性化された非ヒト哺
乳動物胚幹細胞とは、該非ヒト哺乳動物が有する本発明
のDNAに人為的に変異を加えることにより、DNAの
発現能を抑制するか、もしくは該DNAがコードしてい
る本発明のタンパク質の活性を実質的に喪失させること
により、DNAが実質的に本発明のタンパク質の発現能
を有さない(以下、本発明のノックアウトDNAと称す
ることがある)非ヒト哺乳動物の胚幹細胞(以下、ES
細胞と略記する)をいう。非ヒト哺乳動物としては、前
記と同様のものが用いられる。本発明のDNAに人為的
に変異を加える方法としては、例えば、遺伝子工学的手
法により該DNA配列の一部又は全部の削除、他DNA
を挿入または置換させることによって行なうことができ
る。これらの変異により、例えば、コドンの読み取り枠
をずらしたり、プロモーターあるいはエキソンの機能を
破壊することにより本発明のノックアウトDNAを作製
すればよい。
【0063】本発明のDNAが不活性化された非ヒト哺
乳動物胚幹細胞(以下、本発明のDNA不活性化ES細
胞または本発明のノックアウトES細胞と略記する)の
具体例としては、例えば、目的とする非ヒト哺乳動物が
有する本発明のDNAを単離し、そのエキソン部分にネ
オマイシン耐性遺伝子、ハイグロマイシン耐性遺伝子を
代表とする薬剤耐性遺伝子、あるいはlacZ(β−ガ
ラクトシダーゼ遺伝子)、cat(クロラムフェニコー
ルアセチルトランスフェラーゼ遺伝子)を代表とするレ
ポーター遺伝子等を挿入することによりエキソンの機能
を破壊するか、あるいはエキソン間のイントロン部分に
遺伝子の転写を終結させるDNA配列(例えば、pol
yA付加シグナルなど)を挿入し、完全なメッセンジャ
ーRNAを合成できなくすることによって、結果的に遺
伝子を破壊するように構築したDNA配列を有するDN
A鎖(以下、ターゲッティングベクターと略記する)
を、例えば相同組換え法により該動物の染色体に導入
し、得られたES細胞について本発明のDNA上あるい
はその近傍のDNA配列をプローブとしたサザンハイブ
リダイゼーション解析あるいはターゲッティングベクタ
ー上のDNA配列とターゲッティングベクター作製に使
用した本発明のDNA以外の近傍領域のDNA配列をプ
ライマーとしたPCR法により解析し、本発明のノック
アウトES細胞を選別することにより得ることができ
る。また、相同組換え法等により本発明のDNAを不活
化させる元のES細胞としては、例えば、前述のような
既に樹立されたものを用いてもよく、また公知 Evansと
Kaufmaの方法に準じて新しく樹立したものでもよい。例
えば、マウスのES細胞の場合、現在、一般的には12
9系のES細胞が使用されているが、免疫学的背景がは
っきりしていないので、これに代わる純系で免疫学的に
遺伝的背景が明らかなES細胞を取得するなどの目的で
例えば、C57BL/6マウスやC57BL/6の採卵
数の少なさをDBA/2との交雑により改善したBDF
1マウス(C57BL/6とDBA/2とのF1)を用い
て樹立したものなども良好に用いうる。BDF1マウス
は、採卵数が多く、かつ、卵が丈夫であるという利点に
加えて、C57BL/6マウスを背景に持つので、これ
を用いて得られたES細胞は病態モデルマウスを作出し
たとき、C57BL/6マウスとバッククロスすること
でその遺伝的背景をC57BL/6マウスに代えること
が可能である点で有利に用い得る。また、ES細胞を樹
立する場合、一般には受精後3.5日目の胚盤胞を使用
するが、これ以外に8細胞期胚を採卵し胚盤胞まで培養
して用いることにより効率よく多数の初期胚を取得する
ことができる。また、雌雄いずれのES細胞を用いても
よいが、通常雄のES細胞の方が生殖系列キメラを作出
するのに都合が良い。また、煩雑な培養の手間を削減す
るためにもできるだけ早く雌雄の判別を行なうことが望
ましい。
【0064】ES細胞の雌雄の判定方法としては、例え
ば、PCR法によりY染色体上の性決定領域の遺伝子を
増幅、検出する方法が、その1例としてあげることがで
きる。この方法を使用すれば、従来、核型分析をするの
に約106個の細胞数を要していたのに対して、1コロ
ニー程度のES細胞数(約50個)で済むので、培養初
期におけるES細胞の第一次セレクションを雌雄の判別
で行なうことが可能であり、早期に雄細胞の選定を可能
にしたことにより培養初期の手間は大幅に削減できる。
また、第二次セレクションとしては、例えば、G−バン
ディング法による染色体数の確認等により行うことがで
きる。得られるES細胞の染色体数は正常数の100%
が望ましいが、樹立の際の物理的操作等の関係上困難な
場合は、ES細胞の遺伝子をノックアウトした後、正常
細胞(例えば、マウスでは染色体数が2n=40である
細胞)に再びクローニングすることが望ましい。このよ
うにして得られた胚幹細胞株は、通常その増殖性は大変
良いが、個体発生できる能力を失いやすいので、注意深
く継代培養することが必要である。例えば、STO繊維
芽細胞のような適当なフィーダー細胞上でLIF(1−
10000U/ml)存在下に炭酸ガス培養器内(好ましく
は、5%炭酸ガス、95%空気または5%酸素、5%炭
酸ガス、90%空気)で約37℃で培養するなどの方法
で培養し、継代時には、例えば、トリプシン/EDTA
溶液(通常0.001−0.5%トリプシン/0.1−5
mM EDTA、好ましくは約0.1%トリプシン/1m
M EDTA)処理により単細胞化し、新たに用意した
フィーダー細胞上に播種する方法などがとられる。この
ような継代は、通常1−3日毎に行なうが、この際に細
胞の観察を行い、形態的に異常な細胞が見受けられた場
合はその培養細胞は放棄することが望まれる。ES細胞
は、適当な条件により、高密度に至るまで単層培養する
か、または細胞集塊を形成するまで浮遊培養することに
より、頭頂筋、内臓筋、心筋などの種々のタイプの細胞
に分化させることが可能であり〔M. J. Evans及びM. H.
Kaufman, ネイチャー(Nature)第292巻、154頁、1981
年;G. R. Martin プロシーディングス・オブ・ナショ
ナル・アカデミー・オブ・サイエンス・ユーエスエー
(Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A.)第78巻、7634頁、1
981年;T. C. Doetschmanら、ジャーナル・オブ・エン
ブリオロジー・アンド・エクスペリメンタル・モルフォ
ロジー、第87巻、27頁、1985年〕、本発明のES細胞を
分化させて得られる本発明のDNA発現不全細胞は、イ
ンビトロにおける本発明のタンパク質の細胞生物学的検
討において有用である。
【0065】本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物
は、該動物のmRNA量を公知方法を用いて測定して間
接的にその発現量を比較することにより、正常動物と区
別することが可能である。該非ヒト哺乳動物としては、
前記と同様のものが用いられる。本発明のDNA発現不
全非ヒト哺乳動物は、例えば、前述のようにして作製し
たターゲッティングベクターをマウス胚幹細胞またはマ
ウス卵細胞に導入し、導入によりターゲッティングベク
ターの本発明のDNAが不活性化されたDNA配列が遺
伝子相同組換えにより、マウス胚幹細胞またはマウス卵
細胞の染色体上の本発明のDNAと入れ換わる相同組換
えをさせることにより、本発明のDNAをノックアウト
させることができる。本発明のDNAがノックアウトさ
れた細胞は、本発明のDNA上またはその近傍のDNA
配列をプローブとしたサザンハイブリダイゼーション解
析またはターゲッティングベクター上のDNA配列と、
ターゲッティングベクターに使用したマウス由来の本発
明のDNA以外の近傍領域のDNA配列とをプライマー
としたPCR法による解析で判定することができる。非
ヒト哺乳動物胚幹細胞を用いた場合は、遺伝子相同組換
えにより、本発明のDNAが不活性化された細胞株をク
ローニングし、その細胞を適当な時期、例えば、8細胞
期の非ヒト哺乳動物胚または胚盤胞に注入し、作製した
キメラ胚を偽妊娠させた該非ヒト哺乳動物の子宮に移植
する。作出された動物は正常な本発明のDNA座をもつ
細胞と人為的に変異した本発明のDNA座をもつ細胞と
の両者から構成されるキメラ動物である。該キメラ動物
の生殖細胞の一部が変異した本発明のDNA座をもつ場
合、このようなキメラ個体と正常個体を交配することに
より得られた個体群より、全ての組織が人為的に変異を
加えた本発明のDNA座をもつ細胞で構成された個体
を、例えば、コートカラーの判定等により選別すること
により得られる。このようにして得られた個体は、通
常、本発明のタンパク質のヘテロ発現不全個体であり、
本発明のタンパク質のヘテロ発現不全個体同志を交配
し、それらの産仔から本発明のタンパク質のホモ発現不
全個体を得ることができる。
【0066】卵細胞を使用する場合は、例えば、卵細胞
核内にマイクロインジェクション法でDNA溶液を注入
することによりターゲッティングベクターを染色体内に
導入したトランスジェニック非ヒト哺乳動物を得ること
ができ、これらのトランスジェニック非ヒト哺乳動物に
比べて、遺伝子相同組換えにより本発明のDNA座に変
異のあるものを選択することにより得られる。このよう
にして本発明のDNAがノックアウトされている個体
は、交配により得られた動物個体も該DNAがノックア
ウトされていることを確認して通常の飼育環境で飼育継
代を行なうことができる。さらに、生殖系列の取得およ
び保持についても常法に従えばよい。すなわち、該不活
化DNAの保有する雌雄の動物を交配することにより、
該不活化DNAを相同染色体の両方に持つホモザイゴー
ト動物を取得しうる。得られたホモザイゴート動物は、
母親動物に対して、正常個体1,ホモザイゴート複数に
なるような状態で飼育することにより効率的に得ること
ができる。ヘテロザイゴート動物の雌雄を交配すること
により、該不活化DNAを有するホモザイゴートおよび
ヘテロザイゴート動物を繁殖継代する。本発明のDNA
が不活性化された非ヒト哺乳動物胚幹細胞は、本発明の
DNA発現不全非ヒト哺乳動物を作出する上で、非常に
有用である。また、本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳
動物は、本発明のタンパク質により誘導され得る種々の
生物活性を欠失するため、本発明のタンパク質の生物活
性の不活性化を原因とする疾病のモデルとなり得るの
で、これらの疾病の原因究明及び治療法の検討に有用で
ある。
【0067】(8a)本発明のDNAの欠損や損傷など
に起因する疾病に対して治療・予防効果を有する化合物
のスクリーニング方法 本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物は、本発明のD
NAの欠損や損傷などに起因する疾病に対して治療・予
防効果を有する化合物のスクリーニングに用いることが
できる。すなわち、本発明は、本発明のDNA発現不全
非ヒト哺乳動物に試験化合物を投与し、該動物の変化を
観察・測定することを特徴とする、本発明のDNAの欠
損や損傷などに起因する疾病、例えばがんなどに対して
治療・予防効果を有する化合物またはその塩のスクリー
ニング方法を提供する。該スクリーニング方法において
用いられる本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物とし
ては、前記と同様のものがあげられる。試験化合物とし
ては、例えば、ペプチド、タンパク、非ペプチド性化合
物、合成化合物、発酵生産物、細胞抽出液、植物抽出
液、動物組織抽出液、血漿などがあげられ、これら化合
物は新規な化合物であってもよいし、公知の化合物であ
ってもよい。具体的には、本発明のDNA発現不全非ヒ
ト哺乳動物を、試験化合物で処理し、無処理の対照動物
と比較し、該動物の各器官、組織、疾病の症状などの変
化を指標として試験化合物の治療・予防効果を試験する
ことができる。試験動物を試験化合物で処理する方法と
しては、例えば、経口投与、静脈注射などが用いられ、
試験動物の症状、試験化合物の性質などにあわせて適宜
選択することができる。また、試験化合物の投与量は、
投与方法、試験化合物の性質などにあわせて適宜選択す
ることができる。
【0068】例えば大腸がん、乳がん、肺がん、前立腺
がん、食道がん、胃がん、肝臓がん、胆道がん、脾臓が
ん、腎がん、膀胱がん、子宮がん、精巣がん、甲状腺が
ん、膵臓がん、脳腫瘍または血液腫瘍などのがんに対し
て治療・予防効果を有する化合物をスクリーニングする
場合、本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物に試験化
合物を投与し、試験化合物非投与群とがんの発症度合い
の違いやがんの治癒度合いの違いを上記組織で経時的に
観察する。該スクリーニング方法において、試験動物に
試験化合物を投与した場合、該試験動物の上記疾患症状
が約10%以上、好ましくは約30%以上、より好まし
くは約50%以上改善した場合、該試験化合物を上記の
疾患に対して治療・予防効果を有する化合物として選択
することができる。該スクリーニング方法を用いて得ら
れる化合物は、上記した試験化合物から選ばれた化合物
であり、本発明のタンパク質の欠損や損傷などによって
引き起こされる疾患に対して治療・予防効果を有するの
で、該疾患に対する安全で低毒性な予防・治療剤などの
医薬として使用することができる。さらに、上記スクリ
ーニングで得られた化合物から誘導される化合物も同様
に用いることができる。該スクリーニング方法で得られ
た化合物は塩を形成していてもよく、該化合物の塩とし
ては、生理学的に許容される酸(例、無機酸、有機酸な
ど)や塩基(例、アルカリ金属など)などとの塩が用い
られ、とりわけ生理学的に許容される酸付加塩が好まし
い。この様な塩としては、例えば、無機酸(例えば、塩
酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸など)との塩、あるいは
有機酸(例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、フマル
酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ
酸、蓚酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスル
ホン酸など)との塩などが用いられる。該スクリーニン
グ方法で得られた化合物またはその塩を含有する医薬
は、前記した本発明のタンパク質を含有する医薬と同様
にして製造することができる。このようにして得られる
製剤は、安全で低毒性であるので、例えば、ヒトまたは
哺乳動物(例えば、ラット、マウス、モルモット、ウサ
ギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ウマ、ネコ、イヌ、サルな
ど)に対して投与することができる。該化合物またはそ
の塩の投与量は、対象疾患、投与対象、投与ルートなど
により差異はあるが、例えば、該化合物を経口投与する
場合、一般的に成人(体重60kgとして)の乳がん患
者においては、一日につき該化合物を約0.1〜100
mg、好ましくは約1.0〜50mg、より好ましくは
約1.0〜20mg投与する。非経口的に投与する場合
は、該化合物の1回投与量は投与対象、対象疾患などに
よっても異なるが、例えば、該化合物を注射剤の形で通
常成人(60kgとして)の乳がん患者に投与する場
合、一日につき該化合物を約0.01〜30mg程度、
好ましくは約0.1〜20mg程度、より好ましくは約
0.1〜10mg程度を静脈注射により投与するのが好
都合である。他の動物の場合も、60kg当たりに換算
した量を投与することができる。
【0069】(8b)本発明のDNAに対するプロモー
ターの活性を促進または阻害する化合物をスクリーニン
グ方法 本発明は、本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物に、
試験化合物を投与し、レポーター遺伝子の発現を検出す
ることを特徴とする本発明のDNAに対するプロモータ
ーの活性を促進または阻害する化合物またはその塩のス
クリーニング方法を提供する。上記スクリーニング方法
において、本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物とし
ては、前記した本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物
の中でも、本発明のDNAがレポーター遺伝子を導入す
ることにより不活性化され、該レポーター遺伝子が本発
明のDNAに対するプロモーターの制御下で発現しうる
ものが用いられる。試験化合物としては、前記と同様の
ものがあげられる。レポーター遺伝子としては、前記と
同様のものが用いられ、β−ガラクトシダーゼ遺伝子
(lacZ)、可溶性アルカリフォスファターゼ遺伝子
またはルシフェラーゼ遺伝子などが好適である。本発明
のDNAをレポーター遺伝子で置換された本発明のDN
A発現不全非ヒト哺乳動物では、レポーター遺伝子が本
発明のDNAに対するプロモーターの支配下に存在する
ので、レポーター遺伝子がコードする物質の発現をトレ
ースすることにより、プロモーターの活性を検出するこ
とができる。例えば、本発明のタンパク質をコードする
DNA領域の一部を大腸菌由来のβ−ガラクトシダーゼ
遺伝子(lacZ)で置換している場合、本来、本発明
のタンパク質の発現する組織で、本発明のタンパク質の
代わりにβ−ガラクトシダーゼが発現する。従って、例
えば、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−
ガラクトピラノシド(X−gal)のようなβ−ガラク
トシダーゼの基質となる試薬を用いて染色することによ
り、簡便に本発明のタンパク質の動物生体内における発
現状態を観察することができる。具体的には、本発明の
タンパク質欠損マウスまたはその組織切片をグルタルア
ルデヒドなどで固定し、リン酸緩衝生理食塩液(PB
S)で洗浄後、X−galを含む染色液で、室温または
37℃付近で、約30分ないし1時間反応させた後、組
織標本を1mM EDTA/PBS溶液で洗浄すること
によって、β−ガラクトシダーゼ反応を停止させ、呈色
を観察すればよい。また、常法に従い、lacZをコー
ドするmRNAを検出してもよい。上記スクリーニング
方法を用いて得られる化合物またはその塩は、上記した
試験化合物から選ばれた化合物であり、本発明のDNA
に対するプロモーター活性を促進または阻害する化合物
である。該スクリーニング方法で得られた化合物は塩を
形成していてもよく、該化合物の塩としては、生理学的
に許容される酸(例、無機酸など)や塩基(例、有機酸
など)などとの塩が用いられ、とりわけ生理学的に許容
される酸付加塩が好ましい。この様な塩としては、例え
ば、無機酸(例えば、塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸
など)との塩、あるいは有機酸(例えば、酢酸、ギ酸、
プロピオン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酒石
酸、クエン酸、リンゴ酸、蓚酸、安息香酸、メタンスル
ホン酸、ベンゼンスルホン酸など)との塩などが用いら
れる。
【0070】本発明のDNAに対するプロモーター活性
を促進または阻害する化合物またはその塩は、本発明の
タンパク質の発現の調節、該タンパク質の機能を調節す
ることができるので、例えば大腸がん、乳がん、肺が
ん、前立腺がん、食道がん、胃がん、肝臓がん、胆道が
ん、脾臓がん、腎がん、膀胱がん、子宮がん、精巣が
ん、甲状腺がん、膵臓がん、脳腫瘍または血液腫瘍など
のがんの予防・治療剤として有用である。さらに、上記
スクリーニングで得られた化合物から誘導される化合物
も同様に用いることができる。該スクリーニング方法で
得られた化合物またはその塩を含有する医薬は、前記し
た本発明のタンパク質またはその塩を含有する医薬と同
様にして製造することができる。このようにして得られ
る製剤は、安全で低毒性であるので、例えば、ヒトまた
は哺乳動物(例えば、ラット、マウス、モルモット、ウ
サギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ウマ、ネコ、イヌ、サルな
ど)に対して投与することができる。該化合物またはそ
の塩の投与量は、対象疾患、投与対象、投与ルートなど
により差異はあるが、例えば、本発明のDNAに対する
プロモーター活性を阻害する化合物を経口投与する場
合、一般的に成人(体重60kgとして)の乳がん患者
においては、一日につき該化合物を約0.1〜100m
g、好ましくは約1.0〜50mg、より好ましくは約
1.0〜20mg投与する。非経口的に投与する場合
は、該化合物の1回投与量は投与対象、対象疾患などに
よっても異なるが、例えば、本発明のDNAに対するプ
ロモーター活性を阻害する化合物を注射剤の形で通常成
人(60kgとして)の乳がん患者に投与する場合、一
日につき該化合物を約0.01〜30mg程度、好まし
くは約0.1〜20mg程度、より好ましくは約0.1
〜10mg程度を静脈注射により投与するのが好都合で
ある。他の動物の場合も、60kg当たりに換算した量
を投与することができる。このように、本発明のDNA
発現不全非ヒト哺乳動物は、本発明のDNAに対するプ
ロモーターの活性を促進または阻害する化合物またはそ
の塩をスクリーニングする上で極めて有用であり、本発
明のDNA発現不全に起因する各種疾患の原因究明また
は予防・治療剤の開発に大きく貢献することができる。
また、本発明のタンパク質のプロモーター領域を含有す
るDNAを使って、その下流に種々のタンパクをコード
する遺伝子を連結し、これを動物の卵細胞に注入してい
わゆるトランスジェニック動物(遺伝子移入動物)を作
成すれば、特異的にそのタンパク質を合成させ、その生
体での作用を検討することも可能となる。さらに上記プ
ロモーター部分に適当なレポーター遺伝子を結合させ、
これが発現するような細胞株を樹立すれば、本発明のタ
ンパク質そのものの体内での産生能力を特異的に促進も
しくは抑制する作用を持つ低分子化合物の探索系として
使用できる。
【0071】本明細書において、塩基やアミノ酸などを
略号で表示する場合、IUPAC−IUB Commission
on Biochemical Nomenclature による略号あるいは当
該分野における慣用略号に基づくものであり、その例を
下記する。またアミノ酸に関し光学異性体があり得る場
合は、特に明示しなければL体を示すものとする。 DNA :デオキシリボ核酸 cDNA :相補的デオキシリボ核酸 A :アデニン T :チミン G :グアニン C :シトシン RNA :リボ核酸 mRNA :メッセンジャーリボ核酸 dATP :デオキシアデノシン三リン酸 dTTP :デオキシチミジン三リン酸 dGTP :デオキシグアノシン三リン酸 dCTP :デオキシシチジン三リン酸 ATP :アデノシン三リン酸 EDTA :エチレンジアミン四酢酸 SDS :ドデシル硫酸ナトリウム Gly :グリシン Ala :アラニン Val :バリン Leu :ロイシン Ile :イソロイシン Ser :セリン Thr :スレオニン Cys :システイン Met :メチオニン Glu :グルタミン酸 Asp :アスパラギン酸 Lys :リジン Arg :アルギニン His :ヒスチジン Phe :フェニルアラニン Tyr :チロシン Trp :トリプトファン Pro :プロリン Asn :アスパラギン Gln :グルタミン pGlu :ピログルタミン酸 Sec :セレノシステイン(selenocysteine)
【0072】また、本明細書中で繁用される置換基、保
護基および試薬を下記の記号で表記する。 Me :メチル基 Et :エチル基 Bu :ブチル基 Ph :フェニル基 TC :チアゾリジン−4(R)−カルボキサミド基 Tos :p−トルエンスルフォニル CHO :ホルミル Bzl :ベンジル Cl2-Bzl :2,6−ジクロロベンジル Bom :ベンジルオキシメチル Z :ベンジルオキシカルボニル Cl−Z :2−クロロベンジルオキシカルボニル Br−Z :2−ブロモベンジルオキシカルボニル Boc :t−ブトキシカルボニル DNP :ジニトロフェニル Trt :トリチル Bum :t−ブトキシメチル Fmoc :N−9−フルオレニルメトキシカルボニル HOBt :1−ヒドロキシベンズトリアゾール HOOBt :3,4−ジヒドロ−3−ヒドロキシ−4−オキソ− 1,2,3−ベンゾトリアジン HONB :1-ヒドロキシ-5-ノルボルネン-2,3-ジカルボキシイミド DCC :N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド
【0073】本願明細書の配列表の配列番号は、以下の
配列を示す。 〔配列番号:1〕B4GALT1のアミノ酸配列を示
す。 〔配列番号:2〕配列番号:1で表されるアミノ酸配列
を有するB4GALT1をコードするDNAの塩基配列
を示す。 〔配列番号:3〕B4GALT1をコードする全長遺伝
子を含むDNAの塩基配列を示す。 〔配列番号:4〕実施例2で用いられたアンチセンスの
塩基配列を示す。 〔配列番号:5〕実施例2で用いられたプライマーの塩
基配列を示す。 〔配列番号:6〕実施例2で用いられたプライマーの塩
基配列を示す。 〔配列番号:7〕実施例2で用いられたプライマーの塩
基配列を示す。
【0074】
【発明の実施の形態】以下において、実施例により本発
明をより具体的にするが、この発明はこれらに限定され
るものではない。
【実施例】実施例1 乳がん組織で特異的に発現亢進している遺伝子群を明ら
かにするため、乳がん組織2例、その他23種類の正常
組織から抽出されたtotal RNA(表1)を材料とし、oli
gonucleotide microarray (Human Genome U95A, U95B,
U95C, U95D, U95E; Affymetrix社) を用いて遺伝子発現
解析を行った。実験方法は、Affymetrix社の実験手引き
書 (Expression analysis technicalmanual) に従っ
た。その結果、乳がん組織にのみ、B4GALT1遺伝
子の発現が検出された。解析した全ての正常組織では、
検出限界以下であった(表2)。
【0075】
【表1】
【表2】
【0076】実施例2 乳がん特異的に発現が観察されたB4GALT1遺伝子
のアポトーシスに及ぼす影響を解析するためにB4GA
LT1アンチセンスオリゴヌクレオチド導入実験を行っ
た。まず、配列番号:3に示す全長配列に対するアンチ
センス(配列番号:4)を設計後、phosphorothioate化
オリゴヌクレオチドを合成し、HPLC精製して導入実
験に用いた(Amersham Pharmacia Biotech)。コントロ
ールオリゴヌクレオチドとしては配列番号:4で表され
る塩基配列のリバース配列(配列番号:5)を同様にph
osphorothioate化し、HPLC精製して用いた(Amersh
amPharmacia Biotech)。被験細胞として乳がん細胞株
MDA−MB−231(In Vitro、14(11)巻、911-915
頁、1978年、ATCCより購入)を用い、オリゴヌクレオチ
ド導入前日に18x103個の細胞を24ウェルプレー
ト(Falcon社製)に播種した。オリゴヌクレオチド導入
にはOligofectAMINE (Invitrogen社製)を使用し、そ
のプロトコールに従った。導入後7時間でRNeasy mini
kit(Qiagen社製)のプロトコールに従ってRNAを抽
出し、ThermoScriptRT-PCR system(GIBCO BRL社製)を
用いてcDNAを調製した。RCR反応は、2種のプラ
イマー(配列番号:6および配列番号:7)、およびQu
antumRNA 18S Internal Standards (Ambion社製)の18
S rRNA用プライマーおよびコンペティマーをマニ
ュアルに従い同時に添加してMultiplexPCR
を行った。PCR反応後、反応液を電気泳動し、エチジ
ウムブロミドによって染色されるバンドの強弱をBioIma
geIQソフトウェア(GenomicSolutions社製)によって1
8S rRNAのバンド強度で補正後、比較した。一
方、アポトーシスに及ぼす影響はアンチセンスオリゴヌ
クレオチド導入後3日目にCell death detection ELISA
(Roche社製)を用いてコントロールオリゴ導入サンプ
ルと比較した。その結果、アンチセンス導入後7時間で
B4GALT1の発現(RNA)はコントロール(リバ
ース)オリゴヌクレオチド導入時(100%)に比べ9
0%に減少しており、また、導入後3日目でアポトーシ
スはコントロール(100%)に比べ151%に増加し
ていた。これより、B4GALT1はがん特異的に発現
しているだけでなく、がん細胞の増殖やアポトーシスに
関与していることが明らかとなった。
【0077】
【発明の効果】本発明で用いられるタンパク質は、がん
の診断マーカーであり、したがって、該タンパク質の活
性を調節する化合物またはその塩、該タンパク質の活性
を調節する中和抗体は、例えば大腸がん、乳がん、肺が
ん、前立腺がん、食道がん、胃がん、肝臓がん、胆道が
ん、脾臓がん、腎がん、膀胱がん、子宮がん、精巣が
ん、甲状腺がん、膵臓がん、脳腫瘍または血液腫瘍など
のがんの予防・治療剤として使用することができる。ま
た、本発明のアンチセンスヌクレオチドは、本発明で用
いられるタンパク質の発現を調節することができ、例え
ば大腸がん、乳がん、肺がん、前立腺がん、食道がん、
胃がん、肝臓がん、胆道がん、脾臓がん、腎がん、膀胱
がん、子宮がん、精巣がん、甲状腺がん、膵臓がん、脳
腫瘍または血液腫瘍などのがんの予防・治療剤として使
用することができる。
【0078】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> Takeda Chemical Industries, Ltd. <120> Preventing and treating agent for cancer <130> B01507 <160> 7 <210> 1 <211> 398 <212> PRT <213> Human <400> 1 Met Arg Leu Arg Glu Pro Leu Leu Ser Gly Ser Ala Ala Met Pro Gly 5 10 15 Ala Ser Leu Gln Arg Ala Cys Arg Leu Leu Val Ala Val Cys Ala Leu 20 25 30 His Leu Gly Val Thr Leu Val Tyr Tyr Leu Ala Gly Arg Asp Leu Ser 35 40 45 Arg Leu Pro Gln Leu Val Gly Val Ser Thr Pro Leu Gln Gly Gly Ser 50 55 60 Asn Ser Ala Ala Ala Ile Gly Gln Ser Ser Gly Glu Leu Arg Thr Gly 65 70 75 80 Gly Ala Arg Pro Pro Pro Pro Leu Gly Ala Ser Ser Gln Pro Arg Pro 85 90 95 Gly Gly Asp Ser Ser Pro Val Val Asp Ser Gly Pro Gly Pro Ala Ser 100 105 110 Asn Leu Thr Ser Val Pro Val Pro His Thr Thr Ala Leu Ser Leu Pro 115 120 125 Ala Cys Pro Glu Glu Ser Pro Leu Leu Val Gly Pro Met Leu Ile Glu 130 135 140 Phe Asn Met Pro Val Asp Leu Glu Leu Val Ala Lys Gln Asn Pro Asn 145 150 155 160 Val Lys Met Gly Gly Arg Tyr Ala Pro Arg Asp Cys Val Ser Pro His 165 170 175 Lys Val Ala Ile Ile Ile Pro Phe Arg Asn Arg Gln Glu His Leu Lys 180 185 190 Tyr Trp Leu Tyr Tyr Leu His Pro Val Leu Gln Arg Gln Gln Leu Asp 195 200 205 Tyr Gly Ile Tyr Val Ile Asn Gln Ala Gly Asp Thr Ile Phe Asn Arg 210 215 220 Ala Lys Leu Leu Asn Val Gly Phe Gln Glu Ala Leu Lys Asp Tyr Asp 225 230 235 240 Tyr Thr Cys Phe Val Phe Ser Asp Val Asp Leu Ile Pro Met Asn Asp 245 250 255 His Asn Ala Tyr Arg Cys Phe Ser Gln Pro Arg His Ile Ser Val Ala 260 265 270 Met Asp Lys Phe Gly Phe Ser Leu Pro Tyr Val Gln Tyr Phe Gly Gly 275 280 285 Val Ser Ala Leu Ser Lys Gln Gln Phe Leu Thr Ile Asn Gly Phe Pro 290 295 300 Asn Asn Tyr Trp Gly Trp Gly Gly Glu Asp Asp Asp Ile Phe Asn Arg 305 310 315 320 Leu Val Phe Arg Gly Met Ser Ile Ser Arg Pro Asn Ala Val Val Gly 325 330 335 Arg Cys Arg Met Ile Arg His Ser Arg Asp Lys Lys Asn Glu Pro Asn 340 345 350 Pro Gln Arg Phe Asp Arg Ile Ala His Thr Lys Glu Thr Met Leu Ser 355 360 365 Asp Gly Leu Asn Ser Leu Thr Tyr Gln Val Leu Asp Val Gln Arg Tyr 370 375 380 Pro Leu Tyr Thr Gln Ile Thr Val Asp Ile Gly Thr Pro Ser 385 390 395 <210> 2 <211> 1194 <212> DNA <213> Human <400> 2 atgaggcttc gggagccgct cctgagcggc agcgccgcga tgccaggcgc gtccctacag 60 cgggcctgcc gcctgctcgt ggccgtctgc gctctgcacc ttggcgtcac cctcgtttac 120 tacctggctg gccgcgacct gagccgcctg ccccaactgg tcggagtctc cacaccgctg 180 cagggcggct cgaacagtgc cgccgccatc gggcagtcct ccggggagct ccggaccgga 240 ggggcccggc cgccgcctcc tctaggcgcc tcctcccagc cgcgcccggg tggcgactcc 300 agcccagtcg tggattctgg ccctggcccc gctagcaact tgacctcggt cccagtgccc 360 cacaccaccg cactgtcgct gcccgcctgc cctgaggagt ccccgctgct tgtgggcccc 420 atgctgattg agtttaacat gcctgtggac ctggagctcg tggcaaagca gaacccaaat 480 gtgaagatgg gcggccgcta tgcccccagg gactgcgtct ctcctcacaa ggtggccatc 540 atcattccat tccgcaaccg gcaggagcac ctcaagtact ggctatatta tttgcaccca 600 gtcctgcagc gccagcagct ggactatggc atctatgtta tcaaccaggc gggagacact 660 atattcaatc gtgctaagct cctcaatgtt ggctttcaag aagccttgaa ggactatgac 720 tacacctgct ttgtgtttag tgacgtggac ctcattccaa tgaatgacca taatgcgtac 780 aggtgttttt cacagccacg gcacatttcc gttgcaatgg ataagtttgg attcagccta 840 ccttatgttc agtattttgg aggtgtctct gctctaagta aacaacagtt tctaaccatc 900 aatggatttc ctaataatta ttggggctgg ggaggagaag atgatgacat ttttaacaga 960 ttagttttta gaggcatgtc tatatctcgc ccaaatgctg tggtcgggag gtgtcgcatg 1020 atccgccact caagagacaa gaaaaatgaa cccaatcctc agaggtttga ccgaattgca 1080 cacacaaagg agacaatgct ctctgatggt ttgaactcac tcacctacca ggtgctggat 1140 gtacagagat acccattgta tacccaaatc acagtggaca tcgggacacc gagc 1194 <210> 3 <211> 4080 <212> DNA <213> Human <400> 3 gcgcctgcgg cgccgcgggc gggtcgcctc ccctcctgta gcccacaccc ttcttaaagc 60 ggcggcggga agatgaggct tcgggagccg ctcctgagcg gcagcgccgc gatgccaggc 120 gcgtccctac agcgggcctg ccgcctgctc gtggccgtct gcgctctgca ccttggcgtc 180 accctcgttt actacctggc tggccgcgac ctgagccgcc tgccccaact ggtcggagtc 240 tccacaccgc tgcagggcgg ctcgaacagt gccgccgcca tcgggcagtc ctccggggag 300 ctccggaccg gaggggcccg gccgccgcct cctctaggcg cctcctccca gccgcgcccg 360 ggtggcgact ccagcccagt cgtggattct ggccctggcc ccgctagcaa cttgacctcg 420 gtcccagtgc cccacaccac cgcactgtcg ctgcccgcct gccctgagga gtccccgctg 480 cttgtgggcc ccatgctgat tgagtttaac atgcctgtgg acctggagct cgtggcaaag 540 cagaacccaa atgtgaagat gggcggccgc tatgccccca gggactgcgt ctctcctcac 600 aaggtggcca tcatcattcc attccgcaac cggcaggagc acctcaagta ctggctatat 660 tatttgcacc cagtcctgca gcgccagcag ctggactatg gcatctatgt tatcaaccag 720 gcgggagaca ctatattcaa tcgtgctaag ctcctcaatg ttggctttca agaagccttg 780 aaggactatg actacacctg ctttgtgttt agtgacgtgg acctcattcc aatgaatgac 840 cataatgcgt acaggtgttt ttcacagcca cggcacattt ccgttgcaat ggataagttt 900 ggattcagcc taccttatgt tcagtatttt ggaggtgtct ctgctctaag taaacaacag 960 tttctaacca tcaatggatt tcctaataat tattggggct ggggaggaga agatgatgac 1020 atttttaaca gattagtttt tagaggcatg tctatatctc gcccaaatgc tgtggtcggg 1080 aggtgtcgca tgatccgcca ctcaagagac aagaaaaatg aacccaatcc tcagaggttt 1140 gaccgaattg cacacacaaa ggagacaatg ctctctgatg gtttgaactc actcacctac 1200 caggtgctgg atgtacagag atacccattg tatacccaaa tcacagtgga catcgggaca 1260 ccgagctagc gttttggtac acggataaga gacctgaaat tagccaggga cctctgctgt 1320 gtgtctctgc caatctgctg ggctggtccc tctcattttt accagtctga gtgacagctc 1380 cccttggctc atcattcaga tggctttcca gatgaccagg acaggtggga tattttgccc 1440 ccaacttggc tcggcatgtg aattcttagc tctgcaaggt gtttatgcct ttgcgggttt 1500 cttgatgtgt tcgcagtgtc acccaagagt cagaactgta gacatcccaa aatttggtgg 1560 ccgtggaaca cattcccggt gatagaattg ctaaattgtc gtgaaatagg ttagaatttt 1620 tctttaaatt atggttttct tattcgcgaa aattcggaga gtgctgctaa aattggattg 1680 gtgtcatctt tttggtagtt gtaatttaac agaaaaacac aaaatttcaa ccattcttaa 1740 tgttacgtcc tccccccacc cccttctttc agtggtatgc aaccactgca atcaatgtgt 1800 catatgtctt ttcttagcaa aaggatttaa aacttgagcc ctggaccttt tgcctatgtg 1860 tgtggattcc agggcaactc tagcatcaga gcaaaagcct tgggtttctc gcattcagtg 1920 gcctatctcc agattgtctg atttctgaat gtaaagttgt tgtgtttttt tttaaatagt 1980 aggtttgtag tattttaaag aaagaacaga tcgagttcta attatgatct agcttgattt 2040 tgtgttgatc caaatttgca tagctgttta atgttaagtc atgacaattt atttttcttg 2100 gcatgctatg taaacttgaa tttcctaagt atttttattc tggtgtttta aatatgggga 2160 ggggtattga gcatttttta gggagaaaaa taaatatatg ctgtagtggc cacaaatagg 2220 cctatgattt agctggcagg ccaggttttc tcaagagcaa aatcaccctc tggccccttg 2280 gcaggtaagg cctcccggtc agcattatcc tgccagacct cggggaggat acctgggaga 2340 cagaagcctc tgcacctact gtgcagaact ctccacttcc ccaaccctcc ccaggtgggc 2400 agggcggagg gagcctcagc ctccttagac tgacccctca ggcccctagg ctggggggtt 2460 gtaaataaca gcagtcaggt tgtttaccag ccctttgcac ctccccaggc agagggagcc 2520 tctgttctgg tgggggccac ctccctcaga ggctctgcta gccacactcc gtggcccacc 2580 ctttgttacc agttcttcct ccttcctctt ttcccctgcc tttctcattc cttccttcgt 2640 ctcccttttt gttcctttgc ctcttgcctg tcccctaaaa cttgactgtg gcactcaggg 2700 tcaaacagac tatccattcc ccagcatgaa tgtgcctttt aattagtgat ctagaaagaa 2760 gttcagccgc acccacaccc caactccctc ccaagaactt cggtcctaaa gcctcctgtt 2820 ccacctcagg ttttcacagg tgctcacacc acagttgagg ctcacacaca ggtctgtctg 2880 tcacaaaccc acctctgttg ggagctattg agccacctgg gatgagatga cacaagacac 2940 tcctaccact gagcgccttt gtccaggtgc cagcctgggc tcaggttcca agactcagct 3000 gcctaatccc agggttgagc cttgtgctcg tgtcggaccc caaaccactg ccctcctggt 3060 accagccctc agtgtggagg ctgagctggt gcctggcccc agtcttatct gtgcctttac 3120 tgctttgcgc atctcagatg ctaacttggt tctttttcca gaaggctttg tattggttaa 3180 aaattatttt ctattgcaga gagcagctgt gactcatgca aaaagtattt tctctgtcag 3240 atccccactc tataccaagg atattattaa aactagaaat gactgcattg agagggagtt 3300 gtgggaaata agaagaatga aagcctctct ttctgtccgc agatcctgac ttttccaaag 3360 tgccttaaaa gaaatcagac aaatgccctg agtggtaact tctgtgttat tttactctta 3420 aaaccaaact ctaccttttc ttgttttttt tttttttttt tttttttttt ttggttacct 3480 tctcattcat gtcaagtatg tggttcattc ttagaaccaa gggaaatact gctcccccca 3540 tttgctgacg tagtgctctc atgggctcac ctgggcccaa ggcacagcca gggcacagtt 3600 aggcctggat gtttgcctgg tccgtgagat gccgcgggtc ctgtttcctt actggggatt 3660 tcagggctgg gggttcaggg agcatttcct tttcctggga gttatgtacc gcgaagtgtg 3720 tcatgtgccg tgcccttttc tgtttctgtg tatcctattg ctggtgactc tgtgtgaact 3780 ggcctttggg aaagatcaga gaggcagagg tggcacagga cagtaaagga gatgctgtgc 3840 tgcctacagc ctggacaggg tctctgctgt actgccaggg gcgggggctc tgcatagcca 3900 ggatgacgcc tttcatgtcc cagagacctg ttgtgctgtg tattttgatt tcctgtgtat 3960 gcaaatgtgt gtatttacca ttgtgtaggg ggctgtgtct gatcttggtg ttcaaaacag 4020 aactgtattt ttgcctttaa aattaaataa tataacgtga ataaatgacc ctaactttgt 4080 <210> 4 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer <400> 4 tgcgacacct cccgaccaca 20 <210> 5 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer <400> 5 acaccagccc tccacagcgt 20 <210> 6 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer <400> 6 caaatcacag tggacatcgg 20 <210> 7 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer <400> 7 ctggtcatct ggaaagccat 20
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 48/00 A61P 35/00 4C085 A61P 35/00 43/00 105 4C086 43/00 105 111 111 C12Q 1/02 C12Q 1/02 1/68 A 1/68 G01N 33/15 Z G01N 33/15 33/50 Z 33/50 33/53 D 33/53 33/574 A 33/574 C12N 9/10 // C12N 9/10 15/00 ZNAA (72)発明者 栫 雄一 茨城県つくば市松代3丁目12番地1 武田 松代レジデンス507号 Fターム(参考) 2G045 AA29 AA34 AA35 BB24 CB01 CB02 DA13 DA36 FB02 FB05 4B024 AA01 AA12 BA10 CA02 CA12 CA20 DA03 GA11 HA11 HA17 4B050 CC01 CC03 DD11 EE01 LL01 LL03 LL05 4B063 QA01 QA05 QA19 QQ21 QQ41 QQ53 QQ89 QR08 QR32 QR35 QR40 QR42 QR62 QR77 QR80 QS16 QS25 QS36 QX01 QX10 4C084 AA13 CA17 CA18 DC01 DC50 MA01 NA06 NA14 ZB261 4C085 AA11 AA14 BB01 CC03 CC04 CC05 EE01 4C086 AA01 AA03 BC42 CB07 DA38 EA17 EA18 GA02 GA07 GA12 MA01 MA04 NA06 NA14 ZB26

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同
    一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタン
    パク質もしくはその部分ペプチドまたはその塩の活性を
    調節する化合物またはその塩を含有してなるがんの予防
    ・治療剤。
  2. 【請求項2】配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同
    一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するタンパ
    ク質またはその部分ペプチドコードするDNAの塩基配
    列に相補的もしくは実質的に相補的な塩基配列またはそ
    の一部を含有するアンチセンスヌクレオチド。
  3. 【請求項3】請求項2記載のアンチセンスヌクレオチド
    を含有してなるがんの予防・治療剤。
  4. 【請求項4】配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同
    一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタン
    パク質またはその部分ペプチドまたはその塩に対する抗
    体を含有してなるがんの予防・治療剤。
  5. 【請求項5】がんが、大腸がん、乳がん、肺がん、前立
    腺がん、食道がん、胃がん、肝臓がん、胆道がん、脾臓
    がん、腎がん、膀胱がん、子宮がん、精巣がん、甲状腺
    がん、膵臓がん、脳腫瘍または血液腫瘍である請求項1
    〜4記載の予防・治療剤。
  6. 【請求項6】配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同
    一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタン
    パク質またはその部分ペプチドまたはその塩に対する抗
    体を含有してなるがんの診断薬。
  7. 【請求項7】配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同
    一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するタンパ
    ク質またはその部分ペプチドをコードするDNAを含有
    してなるがんの診断薬。
  8. 【請求項8】がんが、大腸がん、乳がん、肺がん、前立
    腺がん、食道がん、胃がん、肝臓がん、胆道がん、脾臓
    がん、腎がん、膀胱がん、子宮がん、精巣がん、甲状腺
    がん、膵臓がん、脳腫瘍または血液腫瘍である請求項6
    または請求項7記載の診断薬。
  9. 【請求項9】ガラクトース転移酵素活性調節作用を有す
    る化合物またはその塩を含有してなるがんの予防・治療
    剤。
  10. 【請求項10】ガラクトース転移酵素発現調節作用を有
    する化合物またはその塩を含有してなるがんの予防・治
    療剤。
  11. 【請求項11】配列番号:1で表されるアミノ酸配列と
    同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタ
    ンパク質もしくはその部分ペプチドまたはその塩を用い
    ることを特徴とするがんの予防・治療剤のスクリーニン
    グ方法。
  12. 【請求項12】配列番号:1で表されるアミノ酸配列と
    同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタ
    ンパク質もしくはその部分ペプチドまたはその塩を含有
    することを特徴とするがんの予防・治療剤のスクリーニ
    ング用キット。
  13. 【請求項13】配列番号:1で表されるアミノ酸配列と
    同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するタン
    パク質またはその部分ペプチドをコードするDNAを用
    いることを特徴とするがんの予防・治療剤のスクリーニ
    ング方法。
  14. 【請求項14】配列番号:1で表されるアミノ酸配列と
    同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するタン
    パク質またはその部分ペプチドをコードするDNAを含
    有することを特徴とするがんの予防・治療剤のスクリー
    ニング用キット。
  15. 【請求項15】請求項11もしくは請求項13記載のス
    クリーニング方法または請求項12もしくは請求項14
    記載のスクリーニング用キットを用いて得られうるがん
    の予防・治療剤。
  16. 【請求項16】配列番号:1で表されるアミノ酸配列と
    同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタ
    ンパク質もしくはその部分ペプチドまたはその塩の活性
    を調節する化合物またはその塩を含有してなるアポトー
    シス作用調節剤。
  17. 【請求項17】配列番号:1で表されるアミノ酸配列と
    同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタ
    ンパク質もしくはその部分ペプチドまたはその塩を用い
    ることを特徴とするアポトーシス作用調節剤のスクリー
    ニング方法。
  18. 【請求項18】配列番号:1で表されるアミノ酸配列と
    同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するタン
    パク質またはその部分ペプチドをコードするDNAを用
    いることを特徴とするアポトーシス作用調節剤のスクリ
    ーニング方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2007071347A2 (de) * 2005-12-20 2007-06-28 Rheinisch-Westfälische Technische Hochschule Aachen Selektive markierung der glykane von immunglobulinen
KR101172858B1 (ko) 2008-10-08 2012-08-10 성균관대학교산학협력단 Hbv성 간암 진단

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WO2007071347A3 (de) * 2005-12-20 2007-11-15 Rwth Aachen Selektive markierung der glykane von immunglobulinen
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