JP2003183177A - 骨・関節疾患の予防・治療剤 - Google Patents

骨・関節疾患の予防・治療剤

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JP2003183177A
JP2003183177A JP2002262564A JP2002262564A JP2003183177A JP 2003183177 A JP2003183177 A JP 2003183177A JP 2002262564 A JP2002262564 A JP 2002262564A JP 2002262564 A JP2002262564 A JP 2002262564A JP 2003183177 A JP2003183177 A JP 2003183177A
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Yuichi Hikichi
裕一 引地
Masakazu Inazuka
雅一 稲塚
Koji Yoshimura
浩二 吉村
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】骨・関節炎の予防・治療剤などの提供。 【解決手段】配列番号:1、配列番号:3、配列番号:
5、配列番号:7、配列番号:9、配列番号:11また
は配列番号:13で表されるアミノ酸配列と同一もしく
は実質的に同一のアミノ酸配列を有するタンパク質の活
性を調節する化合物またはその塩、配列番号:1、配列
番号:3、配列番号:5、配列番号:7、配列番号:
9、配列番号:11または配列番号:13で表されるア
ミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列
を有するタンパク質またはその部分ペプチドをコードす
るDNAの塩基配列に相補的もしくは実質的に相補的な
塩基配列またはその一部を含有するアンチセンスポリヌ
クレオチドなどは、骨・関節炎などの予防・治療剤とし
て使用することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、骨・関節疾患の予
防・治療剤および診断薬などに関する。
【0002】
【従来の技術】関節は骨と骨が接して動く部分をいい、
この部分の骨は動きをスムーズにするために関節軟骨で
おおわれている。また、関節の中では滑膜でつくられた
関節液が、関節軟骨とともにはたらくことで摩擦を少な
くし潤滑液となって軽快に動くことを可能にしている。
変形性関節症は慢性の関節炎を伴う関節疾患で、軟骨の
退行変性により、軟骨の破壊と骨や軟骨の増殖性変化を
来たす病気である。骨端に骨棘形成するなどの関節の変
形も認められる。変形性関節症は年令とともに増加し、
60才以上になると膝、肘、股関節や脊椎では、80%
以上が変形性関節症の症状を呈すると言われている。変
形性関節症の治療は痛みを抑制する対処療法が中心であ
り、非ステロイド性消炎鎮痛剤や関節に直接注射するヒ
アルロン酸やステロイド剤などが使用される。進行した
場合、関節鏡視下手術や痛みや変形が強い場合、膝や股
関節では骨切り術や人工関節置換などの手術の適応とな
る。しかし、人工関節には寿命があるため55才迄はこ
の手術を避けることが好ましいと考えられ、関節の退行
性変化を抑制する治療法の開発が望まれている。さら
に、変形性関節症はX線撮影などの装置による診断法し
かなく、より簡便な診断法の開発も望まれている。遺伝
子発現を網羅的に解析するために、cDNAまたはオリ
ゴヌクレオチドを固定化したマイクロアレイ法が開発さ
れ、疾患特異的な遺伝子発現の変化を見出す技術が普及
し、その有用性が確認されている。例えば、Affym
etrix社のGeneChipシステムはがんなどの
疾患の診断や創薬標的遺伝子の発見に多用されつつあ
る。変形性関節症患者の関節で特異的に発現している遺
伝子やタンパク質を見出し、そこから変形性関節症の治
療薬や診断薬を創出する試みが行われている。例えば、
MMP−13などのマトリックスメタロプロテアーゼ
(MMP)は変形性関節症の関節で発現が上昇している
ことが知られており、MMP阻害剤を関節破壊抑制薬と
して検討されている。2型甲状腺ホルモン脱ヨード酵素
(DIO2;Type II iodothyronine deiodinase) は、
チロキシン(以下、T4と略記することもある)をトリ
ヨードチロニン(以下、T3と略記することもある)に
変換する酵素であり、チロキシンおよびトリヨードチロ
ニンの産生臓器である甲状腺で発現が高いことが知られ
ている(非特許文献1 J.Clin. Invest 98巻,962-968
頁, 1996年)。一方、軟骨分化や骨格形成にトリヨード
チロニンが関与していることも報告されている(J Bone
Miner Res., 11巻,105-113頁, 1996年、非特許文献2
Endocrinology, 141巻,3887-3897頁, 2000年)。ま
た、DIO2のアミノ酸コード領域の下流にDIO2セ
レノシステイン挿入配列を連結した組換えDNAからD
IO2を産生できることも知られている(非特許文献3
J Biol Chem, 273巻, 33374-33378頁, 1998年)。ま
た、関節軟骨細胞の培養系にT3を添加すると、後期分
化(肥大化)が誘導されること(非特許文献4 J Rheu
matolo, 26巻, 395-401頁, 1999年)、ヒトの変形性関
節症では関節軟骨が後期分化しており、これが変形性関
節症における軟骨破壊の原因であることも報告されてい
る(非特許文献5 Osteoarthritis Cartilage, 8巻, 2
94-302頁, 2000年)。しかしながら、DIO2、チロキ
シンおよびトリヨードチロニンと変形性関節症などの関
節疾患との関連については明らかになっていなかった。
ANKHは、マウス進行性関節強直症の原因遺伝子an
kのヒト相同遺伝子として同定され(非特許文献6 Sc
ience, 289巻, 265-270頁, 2000年)、その後、ヒト頭
頂骨異形成症の原因遺伝子であることが明らかになった
(非特許文献7Nature Genetics, 28巻, 37-41頁, 2001
年)。そのアミノ酸配列と変異細胞の研究から、ANK
Hはピロリン酸輸送体であると推測されている。ピロリ
ン酸には石灰化抑制作用があることから、ANKHは、
ピロリン酸濃度を調節することによって関節などの組織
の石灰化を調節していると考えられている(非特許文献
6 Science, 289巻, 265-270頁, 2000年、非特許文献
7 Nature Genetics, 28巻, 37-41頁, 2001年)。しか
しながら、ANKHと変形性関節症との関連についての
報告はない。SHOX2(short stature homeobox 2)
は、ホメオボックス遺伝子ファミリーに属する転写調節
因子で、形態形成に関与すると考えられている。スプラ
イシングの違いから2種類の転写産物が存在し、それら
をSHOX2a(short stature homeobox 2, isoform
a)、SHOX2b(short stature homeobox 2, isofo
rm b)とそれぞれ称する。SHOX2aおよびSHOX
2bは、ホメオドメインと、頭蓋で発現するホメオドメ
インタンパクの特徴である14アミノ酸モチーフとを共
有している。SHOX2は、その染色体上の位置と、マ
ウス相同遺伝子の発生段階における発現パターンから、
頭蓋や手足の奇形、骨成熟の遅れなどの症状を呈するコ
ルネリア・デ・ランゲ症候群の原因遺伝子の候補と考え
られている(非特許文献8 Proc. Natl. Acad. Sci. U
SA,95巻、2406-2411頁、1998年)。しかしながら、S
HOX2と変形性関節症を含む骨・関節疾患との関連に
ついての報告はない。ホメオボックス遺伝子は特定のD
NA配列に結合して標的遺伝子の発現を制御する転写因
子をコードする。また、ホメオボックス遺伝子は細胞の
分化や増殖に関係していると考えられ、例えばホメオボ
ックス遺伝子の一つであるHoxc−8は軟骨細胞の分
化(Y.G. Yuehら Proc. Natl. Acad. Sci. US A, 95
巻、9956-61頁、1998年)や骨芽細胞の分化(X. Yangら
J Biol Chem. 275巻:1065-72頁、2000年)を調節してい
ることが知られている。TASK−4(TALK−2と
呼ばれることもある)遺伝子は既にクローニングされ、
カリウムイオンチャンネルファミリーに属し、すい臓な
どで発現していることが報告されている(非特許文献9
FEBS Lett., 492(1-2)巻, 84-89頁, 2001年、非特許
文献10 Biochem. Biophys. Res. Commun., 282(1)
巻, 249-256頁, 2001年)。一方、軟骨細胞増殖にイオ
ンチャンネルが関わっていることは示唆されている(J.
Orthop. Sci. 6(2)巻, 155-159頁, 2001年)。しかしな
がら、これら遺伝子と変形性関節症との関連についての
報告はなく、軟骨細胞増殖に関わっているのはどのイオ
ンチャンネルかは不明であり、変形性関節症との関連に
ついての報告もない。EphA3遺伝子は、レセプター
型チロシンキナーゼファミリーに属し、胎生期の脳など
で発現していることが報告されている(非特許文献11
Proc. Natl. Acad. Sci. USA., 89(5)巻, 1611-1615
頁, 1992年)。Eph(erythropoietin-producing hum
an hepatocellular carcinoma cell line)レセプター
遺伝子ファミリーは、現時点で14種類のメンバーから
構成されており(Cell vol. 90巻, 403-404頁,1997
年)、Ephレセプターとしては、EphA1(Scienc
e, 238巻, 1717-1720頁,1987年)、EphA2(Mol.
Cell. Biol., 10巻, 6316-6324頁,1990年)、EphA
3(Oncogene, 10巻, 897-905頁,1995年)、EphA
4(Oncogene, 10巻, 897-905頁,1995年)、EphA
5(Oncogene, 10巻, 897-905頁,1995年)、EphA
6(Oncogene, 8巻, 3277-3288頁,1993年)、EphA
7(Oncogene, 10巻, 897-905頁,1995年)、EphA
8(Oncogene, 6巻,1057-1061頁,1991年)、EphB
1(Cell, 90巻, 403-404頁,1997年)、EphB2(C
ell, 90巻, 403-404頁,1997年)、EphB3(Cell,
90巻, 403-404頁,1997年)、EphB4(J. Biol. Ch
em., 269巻, 14211-14218頁,1994年)、EphB5
(J. Cell. Biol., 135巻,781-795頁,1996年)、Ep
hB6(Oncogene, 13巻, 777-786頁,1996年)などが
報告されている。しかしながら、EphA3をはじめと
するEphファミリーと変形性関節症との関連について
の報告はない。MMP−16(matorix metalloprotein
ase 16 )(MT3−MMP)は慢性関節リウマチ患者
の滑膜などにおいて発現していること(非特許文献12
Arthritis Rheum, 43巻, 1226-1232頁, 2000年、非特
許文献13 Lab. Invest. , 80巻, 677-687頁, 2000
年)、癌との関連が報告されている(特許文献1 WO
97/04080号公報)ものの、軟骨破壊への関与は
直接的に示されていない。
【0003】
【特許文献1】WO 97/04080号公報
【非特許文献1】J.Clin. Invest 98巻,962-968頁, 19
96年
【非特許文献2】Endocrinology, 141巻,3887-3897頁,
2000年
【非特許文献3】J Biol Chem, 273巻, 33374-33378頁,
1998年
【非特許文献4】J Rheumatolo, 26巻, 395-401頁, 199
9年
【非特許文献5】Osteoarthritis Cartilage, 8巻, 294
-302頁, 2000年
【非特許文献6】Science, 289巻, 265-270頁, 2000年
【非特許文献7】Nature Genetics, 28巻, 37-41頁, 20
01年
【非特許文献8】Proc. Natl. Acad. Sci. USA,95巻、
2406-2411頁、1998年
【非特許文献9】FEBS Lett., 492(1-2)巻, 84-89頁, 2
001年
【非特許文献10】Biochem. Biophys. Res. Commun.,
282(1)巻, 249-256頁, 2001年
【非特許文献11】Proc. Natl. Acad. Sci. USA., 89
(5)巻, 1611-1615頁, 1992年
【非特許文献12】Arthritis Rheum, 43巻, 1226-1232
頁, 2000年
【非特許文献13】Lab. Invest. , 80巻, 677-687頁,
2000年
【0004】
【発明が解決しようとする課題】安全で優れた骨・関節
疾患の予防・治療剤が求められている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、変形性関節
症軟骨に発現が顕著に増加する遺伝子を見出し、この知
見に基づいて、さらに検討を重ねた結果、本発明を完成
するに至った。
【0006】すなわち、本発明は、(1)配列番号:
1、配列番号:3、配列番号:5、配列番号:7、配列
番号:9、配列番号:11または配列番号:13で表さ
れるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ
酸配列を含有するタンパク質もしくはその部分ペプチド
またはその塩の活性を調節する化合物またはその塩を含
有してなる骨・関節疾患の予防・治療剤、(2)配列番
号:1、配列番号:3、配列番号:5、配列番号:7、
配列番号:9、配列番号:11または配列番号:13で
表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のア
ミノ酸配列を含有するタンパク質もしくはその部分ペプ
チドまたはその塩の活性を阻害する化合物またはその塩
を含有してなる上記(1)記載の予防・治療剤、(3)
配列番号:1で表されるアミノ酸配列からなるタンパク
質もしくはその部分ペプチドまたはその塩の活性を阻害
する化合物またはその塩である、上記(2)記載の予防
・治療剤、(4)配列番号:1、配列番号:3、配列番
号:5、配列番号:7、配列番号:9、配列番号:11
または配列番号:13で表されるアミノ酸配列と同一も
しくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク
質の遺伝子の発現を調節する化合物またはその塩を含有
してなる骨・関節疾患の予防・治療剤、(5)配列番
号:1、配列番号:3、配列番号:5、配列番号:7、
配列番号:9、配列番号:11または配列番号:13で
表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のア
ミノ酸配列を含有するタンパク質の遺伝子の発現を阻害
する化合物またはその塩を含有してなる骨・関節疾患の
予防・治療剤、(6)配列番号:1で表されるアミノ酸
配列からなるタンパク質もしくはその部分ペプチドまた
はその塩の遺伝子の発現を阻害する化合物またはその塩
である、上記(5)記載の予防・治療剤、(7)配列番
号:1、配列番号:3、配列番号:5、配列番号:7、
配列番号:9、配列番号:11または配列番号:13で
表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のア
ミノ酸配列を含有するタンパク質またはその部分ペプチ
ドをコードするDNAの塩基配列に相補的もしくは実質
的に相補的な塩基配列またはその一部を含有するアンチ
センスポリヌクレオチドを含有してなる骨・関節疾患の
予防・治療剤、(8)配列番号:1、配列番号:3、配
列番号:5、配列番号:7、配列番号:9、配列番号:
11または配列番号:13で表されるアミノ酸配列と同
一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタン
パク質またはその部分ペプチドまたはその塩に対する抗
体を含有してなる骨・関節疾患の予防・治療剤、(9)
骨・関節疾患が、軟骨形成異常、骨形成異常、骨粗鬆
症、変形性関節症、慢性関節リウマチ、関節炎、滑膜
炎、代謝性関節症またはスポーツによる関節障害である
上記(1)、(4)、(7)または(8)記載の予防・
治療剤、(10)配列番号:1、配列番号:3、配列番
号:5、配列番号:7、配列番号:9、配列番号:11
または配列番号:13で表されるアミノ酸配列と同一も
しくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク
質またはその部分ペプチドまたはその塩に対する抗体を
含有してなる骨・関節疾患の診断薬、(11)配列番
号:1、配列番号:3、配列番号:5、配列番号:7、
配列番号:9、配列番号:11または配列番号:13で
表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のア
ミノ酸配列を含有するタンパク質またはその部分ペプチ
ドをコードするDNAを含有してなる骨・関節疾患の診
断薬、(12)骨・関節疾患が、軟骨形成異常、骨形成
異常、骨粗鬆症、変形性関節症、慢性関節リウマチ、関
節炎、滑膜炎、代謝性関節症またはスポーツによる関節
障害である上記(10)または(11)記載の診断薬、
(13)配列番号:1、配列番号:3、配列番号:5、
配列番号:7、配列番号:9、配列番号:11または配
列番号:13で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実
質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質もしく
はその部分ペプチドまたはその塩を用いることを特徴と
する骨・関節疾患の予防・治療剤のスクリーニング方
法、(14)配列番号:1で表されるアミノ酸配列から
なるタンパク質もしくはその部分ペプチドまたはその塩
を用いる上記(13)記載のスクリーニング方法、(1
5)配列番号:1、配列番号:3、配列番号:5、配列
番号:7、配列番号:9、配列番号:11または配列番
号:13で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的
に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質もしくはそ
の部分ペプチドまたはその塩を含有することを特徴とす
る骨・関節疾患の予防・治療剤のスクリーニング用キッ
ト、(16)上記(13)記載のスクリーニング方法ま
たは上記(15)記載のスクリーニング用キットを用い
て得られうる、骨・関節疾患の予防・治療剤、(17)
配列番号:1、配列番号:3、配列番号:5、配列番
号:7、配列番号:9、配列番号:11または配列番
号:13で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的
に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質またはその
部分ペプチドをコードするDNAを用いることを特徴と
する骨・関節疾患の予防・治療剤のスクリーニング方
法、(18)配列番号:1で表されるアミノ酸配列から
なるタンパク質またはその部分ペプチドをコードするD
NAを用いる上記(17)記載のスクリーニング方法、
(19)配列番号:1、配列番号:3、配列番号:5、
配列番号:7、配列番号:9、配列番号:11または配
列番号:13で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実
質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質または
その部分ペプチドをコードするDNAを含有することを
特徴とする骨・関節疾患の予防・治療剤のスクリーニン
グ用キット、(20)上記(17)記載のスクリーニン
グ方法または上記(19)記載のスクリーニング用キッ
トを用いて得られうる、骨・関節疾患の予防・治療剤、
(21)哺乳動物に対して、配列番号:1、配列番号:
3、配列番号:5、配列番号:7、配列番号:9、配列
番号:11または配列番号:13で表されるアミノ酸配
列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有す
るタンパク質もしくはその部分ペプチドまたはその塩の
活性を調節する化合物またはその塩の有効量を投与する
ことを特徴とする骨・関節疾患の予防・治療方法、(2
2)哺乳動物に対して、配列番号:1、配列番号:3、
配列番号:5、配列番号:7、配列番号:9、配列番
号:11または配列番号:13で表されるアミノ酸配列
と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する
タンパク質もしくはその部分ペプチドまたはその塩の遺
伝子の発現を調節する化合物またはその塩の有効量を投
与することを特徴とする骨・関節疾患の予防・治療方
法、(23)骨・関節疾患の予防・治療剤を製造するた
めの、配列番号:1、配列番号:3、配列番号:5、配
列番号:7、配列番号:9、配列番号:11または配列
番号:13で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質
的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質もしくは
その部分ペプチドまたはその塩の活性を調節する化合物
またはその塩の使用、(24)骨・関節疾患の予防・治
療剤を製造するための、配列番号:1、配列番号:3、
配列番号:5、配列番号:7、配列番号:9、配列番
号:11または配列番号:13で表されるアミノ酸配列
と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する
タンパク質もしくはその部分ペプチドまたはその塩の遺
伝子の発現を調節する化合物またはその塩の使用、(2
5)チロキシン脱5’−ヨード化酵素活性調節作用、ピ
ロリン酸輸送活性調節作用、カリウムイオン輸送活性調
節作用またはEphレセプターのシグナル情報伝達活性
調節作用もしくはリガンド結合活性調節作用を有する化
合物またはその塩を含有してなる骨・関節疾患の予防・
治療剤、(26)チロキシン脱5’−ヨード化酵素発現
調節作用、ピロリン酸輸送体発現調節作用、カリウムイ
オン輸送体発現調節作用またはEphレセプター発現調
節作用を有する化合物またはその塩を含有してなる骨・
関節疾患の予防・治療剤などを提供する。
【0007】配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同
一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタン
パク質を、本発明のタンパク質Aまたは本発明で用いら
れるタンパク質Aと称することもある。 配列番号:3で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実
質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質を、本
発明のタンパク質Bまたは本発明で用いられるタンパク
質Bと称することもある。 配列番号:5または配列番号:7で表されるアミノ酸配
列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有す
るタンパク質を、本発明のタンパク質Cまたは本発明で
用いられるタンパク質Cと称することもある。 配列番号:9で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実
質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質を、本
発明のタンパク質Dまたは本発明で用いられるタンパク
質Dと称することもある。 配列番号:11で表されるアミノ酸配列と同一もしくは
実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質を、
本発明のタンパク質Eまたは本発明で用いられるタンパ
ク質Eと称することもある。 配列番号:13で表されるアミノ酸配列と同一もしくは
実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質を、
本発明のタンパク質Fまたは本発明で用いられるタンパ
ク質Fと称することもある。 配列番号:1、配列番号:3、配列番号:5、配列番
号:7、配列番号:9、配列番号:11または配列番
号:13で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的
に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質を、本発明
のタンパク質または本発明で用いられるタンパク質と称
することもある。本発明で用いられるタンパク質は、ヒ
トや温血動物(例えば、モルモット、ラット、マウス、
ニワトリ、ウサギ、ブタ、ヒツジ、ウシ、サルなど)の
細胞(例えば、肝細胞、脾細胞、神経細胞、グリア細
胞、膵臓β細胞、骨髄細胞、メサンギウム細胞、ランゲ
ルハンス細胞、表皮細胞、上皮細胞、杯細胞、内皮細
胞、平滑筋細胞、繊維芽細胞、繊維細胞、筋細胞、脂肪
細胞、免疫細胞(例、マクロファージ、T細胞、B細
胞、ナチュラルキラー細胞、肥満細胞、好中球、好塩基
球、好酸球、単球)、巨核球、滑膜細胞、軟骨細胞、骨
細胞、骨芽細胞、破骨細胞、乳腺細胞、肝細胞もしくは
間質細胞、またはこれら細胞の前駆細胞、幹細胞もしく
はガン細胞など)もしくはそれらの細胞が存在するあら
ゆる組織、例えば、脳、脳の各部位(例、嗅球、扁桃
核、大脳基底球、海馬、視床、視床下部、大脳皮質、延
髄、小脳)、脊髄、下垂体、胃、膵臓、腎臓、肝臓、生
殖腺、甲状腺、胆のう、骨髄、副腎、皮膚、筋肉、肺、
消化管(例、大腸、小腸)、血管、心臓、胸腺、脾臓、
顎下腺、末梢血、前立腺、睾丸、卵巣、胎盤、子宮、
骨、関節、骨格筋などに由来するタンパク質であっても
よく、合成タンパク質であってもよい。
【0008】配列番号:1で表されるアミノ酸配列と実
質的に同一のアミノ酸配列としては、配列番号:1で表
わされるアミノ酸配列と約50%以上、好ましくは約6
0%以上、さらに好ましくは約70%以上、より好まし
くは約80%以上、特に好ましくは約90%以上、最も
好ましくは約95%以上の相同性を有するアミノ酸配列
などが挙げられる。配列番号:1で表されるアミノ酸配
列と実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質
としては、例えば、前記の配列番号:1で表されるアミ
ノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含有し、配列
番号:1で表されるアミノ酸配列を含有するタンパク質
と実質的に同質の活性を有するタンパク質などが好まし
い。実質的に同質の活性としては、例えば、チロキシン
脱5’−ヨード化酵素活性(例、DIO1活性、DIO
2活性など)などが挙げられる。実質的に同質とは、そ
れらの性質が性質的に(例、生理学的に、または薬理学
的に)同質であることを示す。したがって、チロキシン
脱5’−ヨード化酵素活性が同等(例、約0.01〜1
00倍、好ましくは約0.1〜10倍、より好ましくは
0.5〜2倍)であることが好ましいが、これらの活性
の程度、タンパク質の分子量などの量的要素は異なって
いてもよい。チロキシン脱5’−ヨード化酵素活性の測
定は、公知の方法に準じて行うことができ、例えば、J.
Clin. Invest. 98巻, 405-417頁, 1996年、Endocrinol
ogy,142巻, 2961-2967頁, 2001年、新生化学実験講座9
(日本生化学会編, 1992年)に記載の方法またはこれに
準じる方法に従って測定することができる。例えば、本
発明のタンパク質A(例、DIO2)cDNA挿入プラ
スミドを導入して本発明のタンパク質A(例、DIO
2)を発現させたCOS−7細胞を超音波処理し、
(1)基質となるT4またはリバースT3(以下、rT
3と略記することもある)と反応させ、生成物をラジオ
イムノアッセイによって検出する、または(2)基質と
なる125Iで標識されたT4または125Iで標識されたr
T3と反応させ、解離した125Iを検出することによ
り、チロキシン脱5’−ヨード化酵素活性を測定でき
る。配列番号:3で表されるアミノ酸配列と実質的に同
一のアミノ酸配列としては、配列番号:3で表わされる
アミノ酸配列と約50%以上、好ましくは約60%以
上、さらに好ましくは約70%以上、より好ましくは約
80%以上、特に好ましくは約90%以上、最も好まし
くは約95%以上の相同性を有するアミノ酸配列などが
挙げられる。配列番号:3で表されるアミノ酸配列と実
質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質として
は、例えば、前記の配列番号:3で表されるアミノ酸配
列と実質的に同一のアミノ酸配列を含有し、配列番号:
3で表されるアミノ酸配列を含有するタンパク質と実質
的に同質の活性を有するタンパク質などが好ましい。実
質的に同質の活性としては、例えば、ピロリン酸輸送活
性などが挙げられる。実質的に同質とは、それらの性質
が性質的に(例、生理学的に、または薬理学的に)同質
であることを示す。したがって、ピロリン酸輸送活性が
同等(例、約0.01〜100倍、好ましくは約0.1
〜10倍、より好ましくは0.5〜2倍)であることが
好ましいが、これらの活性の程度、タンパク質の分子量
などの量的要素は異なっていてもよい。ピロリン酸輸送
活性の測定は、公知の方法、例えばProc. Natl. Acad.
Sci. USA, 92巻, 10364-10368頁, 1995年に記載の方法
またはそれに準じる方法に従って測定することができ
る。例えば、本発明のタンパク質B(例、ANKH)c
DNA挿入プラスミドを導入して本発明のタンパク質B
(例、ANKH)を高発現させたマウスATDC5細胞
(Cell Differentiation and Development, 30巻,109-1
16頁, 1990年)の培養液を回収し、無機ピロホスファタ
ーゼ、マルトース、マルトースホスホリラーゼ、グルコ
ースオキシダーゼ、ペルオキシダーゼおよび10-アセチ
ル-3,7-ジヒドロキシフェノキサジンの混合液と反応さ
せ、培養液中のピロリン酸を、蛍光産物レソルフィン
(resorfin)として測定することにより、ピロリン酸輸
送活性を測定できる。配列番号:5または配列番号:7
で表されるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列
としては、配列番号:5または配列番号:7で表わされ
るアミノ酸配列と約50%以上、好ましくは約60%以
上、さらに好ましくは約70%以上、より好ましくは約
80%以上、特に好ましくは約90%以上、最も好まし
くは約95%以上の相同性を有するアミノ酸配列などが
挙げられる。配列番号:5または配列番号:7で表され
るアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含有す
るタンパク質としては、例えば、前記の配列番号:5ま
たは配列番号:7で表されるアミノ酸配列と実質的に同
一のアミノ酸配列を含有し、配列番号:5または配列番
号:7で表されるアミノ酸配列を含有するタンパク質と
実質的に同質の活性を有するタンパク質などが好まし
い。実質的に同質の活性としては、例えば、細胞分化調
節活性 (例、軟骨細胞分化調節活性および骨芽細胞分化
調節活性等)などが挙げられる。実質的に同質とは、そ
れらの性質が性質的に(例、生理学的に、または薬理学
的に)同質であることを示す。したがって、細胞分化調
節活性が同等(例、約0.01〜100倍、好ましくは
約0.1〜10倍、より好ましくは0.5〜2倍)であ
ることが好ましいが、これらの活性の程度、タンパク質
の分子量などの量的要素は異なっていてもよい。細胞分
化調節活性の測定は、公知の方法、例えばJournal of B
one and Mineral Research 11巻, 105-113頁, 1996
年、The Journal of Cell. Biology 154巻,659-666頁,
2001年に記載の方法またはそれに準じる方法に従って測
定することができる。具体的には、本発明のタンパク質
C(例、SHOX2)cDNA挿入プラスミドを、マウ
スATDC5細胞(Cell Differentiation and Develop
ment, 30巻,109-116頁, 1990年)へ導入し、本発明のタ
ンパク質C(例、SHOX2)安定発現株を作製し、本
発明のタンパク質C(例、SHOX2)発現ATDC5
細胞を、成長因子(例、BMP−2、BMP−4、イン
スリン、TGF−β、FGF−1、FGF−2など、中
でも好ましくはBMP−2、BMP−4、インスリンな
ど)存在下で培養することによって、上記細胞の軟骨へ
の分化を誘導する。誘導後、(1)X型コラーゲンの発
現をRT−PCRによって検出する、(2)アルカリ性
ホスファターゼ活性をTRACP & ALP double-stain kit
(宝酒造製) などを用いて測定する、(3)細胞層に沈着
したカルシウムをAlizarin red 染色などによって検出
する、または(4)45Ca2+で細胞層を標識し、沈着し
たカルシウムを定量することにより、細胞分化調節活性
を測定する。必要に応じて本発明のタンパク質C(例、
SHOX2)の発現には誘導可能なプロモーターを用い
る。また、軟骨の初期分化後に遺伝子導入してもよい。
具体的には、例えば、MC3T3−E1細胞(J. Cell
Biol., 96巻, 191-198頁,1983年)に、本発明のタンパ
ク質C(例、SHOX2)遺伝子を導入し、(1)細胞
分化マーカー遺伝子(例、I型コラーゲン、オステオポ
ンチン、オステオカルシンなど)の発現をRT−PCR
によって検出する、(2)アルカリ性ホスファターゼ活
性をTRACP & ALP double-stain kit (宝酒造製) を用い
て測定する、(3)細胞層に沈着したカルシウムをAliza
rin red 染色などによって検出する、または(4)45
2+で細胞層を標識し、沈着したカルシウムを定量する
ことにより細胞分化調節活性を測定する。必要に応じて
本発明のタンパク質C(例、SHOX2)発現には誘導
可能なプロモーターを用いても良い。また、細胞分化調
節活性の測定は、公知の方法、例えば、J. Biol. Che
m., 275巻, 1065-72頁, 2000年記載の方法またはそれに
準じる方法に従っても測定することができる。具体的に
は、細胞分化マーカー遺伝子(例、オステオポンチン、
I型コラーゲン、II型コラーゲン、X型コラーゲンな
ど)の発現制御領域とルシフェラーゼとを結合させたレ
ポータープラスミドおよび本発明のタンパク質C(例、
SHOX2)発現プラスミドを、マウスC3H10T1
/2細胞に導入し、ルシフェラーゼ活性を測定すること
により、細胞分化調節活性を測定する。
【0009】配列番号:9で表されるアミノ酸配列と実
質的に同一のアミノ酸配列としては、配列番号:9で表
わされるアミノ酸配列と約50%以上、好ましくは約6
0%以上、さらに好ましくは約70%以上、より好まし
くは約80%以上、特に好ましくは約90%以上、最も
好ましくは約95%以上の相同性を有するアミノ酸配列
などが挙げられる。配列番号:9で表されるアミノ酸配
列と実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質
としては、例えば、前記の配列番号:9で表されるアミ
ノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含有し、配列
番号:9で表されるアミノ酸配列を含有するタンパク質
と実質的に同質の活性を有するタンパク質などが好まし
い。実質的に同質の活性としては、例えば、カリウムイ
オン輸送活性などが挙げられる。実質的に同質とは、そ
れらの性質が性質的に(例、生理学的に、または薬理学
的に)同質であることを示す。したがって、カリウムイ
オン輸送活性が同等(例、約0.01〜100倍、好ま
しくは約0.1〜10倍、より好ましくは0.5〜2
倍)であることが好ましいが、これらの活性の程度、タ
ンパク質の分子量などの量的要素は異なっていてもよ
い。カリウムイオン輸送活性の測定は、公知の方法、例
えばBiochem. Biophys. Res. Commun., 282巻, 249-256
頁, 2001年に記載の方法またはそれに準じる方法に従っ
て測定することができる。例えば、本発明のタンパク質
D(例、TASK−4)cDNA挿入プラスミドを導入
して本発明のタンパク質D(例、TASK−4)を高発
現させたマウスATDC5細胞(Cell Differentiation
and Development, 30巻, 109-116頁, 1990年)を用
い、パッチ−クランプ法などによりカリウムイオン輸送
活性を測定できる。配列番号:11で表されるアミノ酸
配列と実質的に同一のアミノ酸配列としては、配列番
号:11で表わされるアミノ酸配列と約50%以上、好
ましくは約60%以上、さらに好ましくは約70%以
上、より好ましくは約80%以上、特に好ましくは約9
0%以上、最も好ましくは約95%以上の相同性を有す
るアミノ酸配列などが挙げられる。配列番号:11で表
されるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含
有するタンパク質としては、例えば、前記の配列番号:
11で表されるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸
配列を含有し、配列番号:11で表されるアミノ酸配列
を含有するタンパク質と実質的に同質の活性を有するタ
ンパク質などが好ましい。実質的に同質の活性として
は、例えば、シグナル情報伝達活性、リガンド結合活性
などが挙げられる。実質的に同質とは、それらの性質が
性質的に(例、生理学的に、または薬理学的に)同質で
あることを示す。したがって、シグナル情報伝達活性ま
たはリガンド結合活性が同等(例、約0.01〜100
倍、好ましくは約0.1〜10倍、より好ましくは0.
5〜2倍)であることが好ましいが、これらの活性の程
度、タンパク質の分子量などの量的要素は異なっていて
もよい。シグナル情報伝達活性の測定は、公知の方法に
準じて行う。例えば、(1)Ephrin/Fcキメラタ
ンパク質(R&D system)または(2)本発明の
タンパク質E(例、EphA3)のリガンド発現培養細
胞を用いて、本発明のタンパク質E(例、EphA3)
発現細胞に対する刺激活性(例えば、EphA3の自己
リン酸化、細胞内Ca2+遊離、イノシトールリン酸産
生、細胞膜電位変動、細胞内タンパク質のリン酸化、c
−fos活性化、pHの低下などを促進する活性または
抑制する活性)を、公知の方法により測定する。具体的
には、本発明のタンパク質E(例、EphA3)cDN
A挿入プラスミドをマウスATDC5細胞(Cell Diffe
rentiation and Development, 30巻, 109-116頁, 1990
年)に導入し、本発明のタンパク質E(例、EphA
3)を高発現させたATDC5細胞を、(1)Ephr
in/Fcキメラタンパク質(R&D systems)
の存在下培養し、または(2)本発明のタンパク質E
(例、EphA3)のリガンド発現細胞と共培養し、細
胞膜上に発現した本発明のタンパク質E(例、EphA
3)を介するシグナル情報伝達活性(例えば、EphA
3の自己リン酸化、細胞内Ca2+遊離、イノシトールリ
ン酸産生、細胞膜電位変動、細胞内タンパク質のリン酸
化、c−fosの活性化、pHの低下などを促進する活
性または抑制する活性など)を公知の方法により測定す
る。リガンド結合活性の測定は、公知の方法に準じて行
うことができ、(1)標識した本発明のタンパク質E
(例、EphA3)のリガンドを、本発明のタンパク質
Eに接触させ、標識したリガンドの該タンパク質に対す
る結合量を測定する、(2)標識した本発明のタンパク
質E(例、EphA3)のリガンドを、本発明のタンパ
ク質Eを含有する細胞または該細胞の膜画分に接触さ
せ、標識したリガンドの該細胞または該膜画分に対する
結合量を測定する、(3)標識した本発明のタンパク質
E(例、EphA3)のリガンドを、本発明のタンパク
質EをコードするDNAを含有する形質転換体を培養す
ることによって細胞膜上に発現した該タンパク質に接触
させ、標識したリガンドの該細胞または該膜画分に対す
る結合量を測定することによりリガンド結合活性が測定
できる。本発明のタンパク質E(例、EphA3)のリ
ガンドとしては、EphrinAファミリーに属するタ
ンパク質(例、EphrinA2、EphrinA5な
ど)などが挙げられる(Wilkinson DG. Nat Rev Neuros
ci, 2巻, 155-64頁, 2001年)。配列番号:13で表さ
れるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列として
は、配列番号:13で表わされるアミノ酸配列と約50
%以上、好ましくは約60%以上、さらに好ましくは約
70%以上、より好ましくは約80%以上、特に好まし
くは約90%以上、最も好ましくは約95%以上の相同
性を有するアミノ酸配列などが挙げられる。配列番号:
13で表されるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸
配列を含有するタンパク質としては、例えば、前記の配
列番号:13で表されるアミノ酸配列と実質的に同一の
アミノ酸配列を含有し、配列番号:13で表されるアミ
ノ酸配列を含有するタンパク質と実質的に同質の活性を
有するタンパク質などが好ましい。実質的に同質の活性
としては、例えば、マトリックスメタロプロテアーゼ活
性などが挙げられる。実質的に同質とは、それらの性質
が性質的に(例、生理学的に、または薬理学的に)同質
であることを示す。したがって、マトリックスメタロプ
ロテアーゼ活性が同等(例、約0.01〜100倍、好
ましくは約0.1〜10倍、より好ましくは0.5〜2
倍)であることが好ましいが、これらの活性の程度、タ
ンパク質の分子量などの量的要素は異なっていてもよ
い。マトリックスメタロプロテアーゼ活性の測定は、公
知の方法、例えばJ. Biol.Chem. 271巻、17119-17123
頁、1996年記載の方法またはそれに準じる方法に従って
測定することができる。具体的には、Eur J. Biochem.
262巻、907-914頁、1999年記載の方法またはそれに準じ
る方法に従って、本発明のタンパク質F(例、MMP−
16)の膜結合領域および細胞内領域を欠失させた組換
えタンパク質を製造し、J. Biol. Chem. 271巻、17119-
17123頁、1996年記載の方法またはそれに準ずる方法で
基質を含む緩衝液(20 mM sodium tetraborate, pH 9.
0, 10 mM CaCl2, 100 mM NaCl, 0.02% NaN3, 0.025% Br
ij 35(CN Biosciences 製))中で37℃で保温し、蛍光
強度を測定することにより、活性を測定することができ
る。基質は本発明のタンパク質F(例、MMP−16)
が切断するものであればよく、例えば(7-メトキシクマ
リン-4-イル)アセチル-Pro-Leu-Gly-Leu-[3-(2,4-ジニ
トロフェニル)-L-2,3-ジアミノプロピオニル]-Ala-Arg-
NH2などが用いられる。また、PER法〔Electrophores
is、16巻、43頁、1995年〕に従って測定することもでき
る。さらに、公知の方法、例えばJ. Biol. Chem. 270
巻,23013-23020頁, 1995年記載の方法に従って、MM
P−16の基質であり、MMP−16によって活性化さ
れるMMP−2の活性化をザイモグラフィーで検出して
もよい。Eur J. Biochem. 262巻、907-914頁、1999年記
載の方法またはそれに準じる方法に従って、MMP−1
6による基質タンパク質の分解物をSDS−PAGEで
解析することによっても、マトリックスメタロプロテア
ーゼ活性を測定することができる。
【0010】また、本発明で用いられるタンパク質とし
ては、例えば、(i)配列番号:1、配列番号:3、配
列番号:5、配列番号:7、配列番号:9、配列番号:
11または配列番号:13で表されるアミノ酸配列中の
1または2個以上(好ましくは、1〜30個程度、好ま
しくは1〜10個程度、さらに好ましくは数(1〜5)
個)のアミノ酸が欠失したアミノ酸配列、(ii)配列番
号:1、配列番号:3、配列番号:5、配列番号:7、
配列番号:9、配列番号:11または配列番号:13で
表されるアミノ酸配列に1または2個以上(好ましく
は、1〜30個程度、好ましくは1〜10個程度、さら
に好ましくは数(1〜5)個)のアミノ酸が付加したア
ミノ酸配列、(iii)配列番号:1、配列番号:3、配
列番号:5、配列番号:7、配列番号:9、配列番号:
11または配列番号:13で表されるアミノ酸配列に1
または2個以上(好ましくは、1〜30個程度、好まし
くは1〜10個程度、さらに好ましくは数(1〜5)
個)のアミノ酸が挿入されたアミノ酸配列、(iv)配列
番号:1、配列番号:3、配列番号:5、配列番号:
7、配列番号:9、配列番号:11または配列番号:1
3で表されるアミノ酸配列中の1または2個以上(好ま
しくは、1〜30個程度、好ましくは1〜10個程度、
さらに好ましくは数(1〜5)個)のアミノ酸が他のア
ミノ酸で置換されたアミノ酸配列、または(v)それら
を組み合わせたアミノ酸配列を含有するタンパク質など
のいわゆるムテインも含まれる。上記のようにアミノ酸
配列が挿入、欠失または置換されている場合、その挿
入、欠失または置換の位置としては、とくに限定されな
い。
【0011】本明細書におけるタンパク質は、ペプチド
標記の慣例に従って左端がN末端(アミノ末端)、右端
がC末端(カルボキシル末端)である。本発明で用いら
れるタンパク質は、C末端がカルボキシル基(−COO
H)、カルボキシレート(−COO-)、アミド(−CO
NH2)またはエステル(−COOR)の何れであって
もよい。ここでエステルにおけるRとしては、例えば、
メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブ
チルなどのC1-6アルキル基、例えば、シクロペンチ
ル、シクロヘキシルなどのC3-8シクロアルキル基、例
えば、フェニル、α−ナフチルなどのC6-12アリール
基、例えば、ベンジル、フェネチルなどのフェニル−C
1-2アルキル基もしくはα−ナフチルメチルなどのα−
ナフチル−C1-2アルキル基などのC7-14アラルキル
基、ピバロイルオキシメチル基などが用いられる。本発
明で用いられるタンパク質がC末端以外にカルボキシル
基(またはカルボキシレート)を有している場合、カル
ボキシル基がアミド化またはエステル化されているもの
も本発明で用いられるタンパク質に含まれる。この場合
のエステルとしては、例えば上記したC末端のエステル
などが用いられる。さらに、本発明で用いられるタンパ
ク質には、N末端のアミノ酸残基(例、メチオニン残
基)のアミノ基が保護基(例えば、ホルミル基、アセチ
ル基などのC 1-6アルカノイルなどのC1-6アシル基な
ど)で保護されているもの、生体内で切断されて生成す
るN末端のグルタミン残基がピログルタミン酸化したも
の、分子内のアミノ酸の側鎖上の置換基(例えば−O
H、−SH、アミノ基、イミダゾール基、インドール
基、グアニジノ基など)が適当な保護基(例えば、ホル
ミル基、アセチル基などのC1-6アルカノイル基などの
1-6アシル基など)で保護されているもの、あるいは
糖鎖が結合したいわゆる糖タンパク質などの複合タンパ
ク質なども含まれる。本発明で用いられるタンパク質A
の具体例としては、例えば、配列番号:1で表されるア
ミノ酸配列を含有するタンパク質(DIO2)などがあ
げられる。本発明で用いられるタンパク質Bの具体例と
しては、例えば、配列番号:3で表されるアミノ酸配列
を含有するタンパク質(ANKH)などがあげられる。
本発明で用いられるタンパク質Cの具体例としては、例
えば、配列番号:5で表されるアミノ酸配列を有するタ
ンパク質(SHOX2a)、配列番号:7で表されるア
ミノ酸配列を有するタンパク質(SHOX2b)などが
あげられる。本発明で用いられるタンパク質Dの具体例
としては、例えば、配列番号:9で表されるアミノ酸配
列を含有するタンパク質(TASK−4)などがあげら
れる。本発明で用いられるタンパク質Eの具体例として
は、例えば、配列番号:11で表されるアミノ酸配列を
含有するタンパク質(EphA3)などがあげられる。
本発明で用いられるタンパク質Fの具体例としては、例
えば、配列番号:13で表されるアミノ酸配列を含有す
るタンパク質(MMP16))などがあげられる。
【0012】本発明で用いられるタンパク質の部分ペプ
チドとしては、前記した本発明で用いられるタンパク質
の部分ペプチドであって、好ましくは、前記した本発明
で用いられるタンパク質と同様の性質を有するものであ
ればいずれのものでもよい。例えば、本発明で用いられ
るタンパク質の構成アミノ酸配列のうち少なくとも20
個以上、好ましくは50個以上、さらに好ましくは70
個以上、より好ましくは100個以上、最も好ましくは
200個以上のアミノ酸配列を有するペプチドなどが用
いられる。具体的には、配列番号:1で表されるアミノ
酸配列において第48〜62番目のアミノ酸配列を有す
るペプチドなどが、配列番号:3で表されるアミノ酸配
列において第105〜130番目のアミノ酸配列を有す
るペプチドなどが、配列番号:9で表されるアミノ酸配
列において第105〜130番目のアミノ酸配列を有す
るペプチドなどが、配列番号:11で表されるアミノ酸
配列において第105〜130番目のアミノ酸配列を有
するペプチドなどがあげられる。例えば、本発明で用い
られるタンパク質の構成アミノ酸配列のうち少なくとも
20個以上、好ましくは50個以上、さらに好ましくは
70個以上、より好ましくは100個以上、最も好まし
くは200個以上のアミノ酸配列を有するペプチドなど
が用いられる。また、本発明で用いられる部分ペプチド
は、そのアミノ酸配列中の1または2個以上(好ましく
は、1〜10個程度、さらに好ましくは数(1〜5)
個)のアミノ酸が欠失し、または、そのアミノ酸配列に
1または2個以上(好ましくは、1〜20個程度、より
好ましくは1〜10個程度、さらに好ましくは数(1〜
5)個)のアミノ酸が付加し、または、そのアミノ酸配
列に1または2個以上(好ましくは、1〜20個程度、
より好ましくは1〜10個程度、さらに好ましくは数
(1〜5)個)のアミノ酸が挿入され、または、そのア
ミノ酸配列中の1または2個以上(好ましくは、1〜1
0個程度、より好ましくは数個、さらに好ましくは1〜
5個程度)のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されていて
もよい。
【0013】また、本発明で用いられる部分ペプチドは
C末端がカルボキシル基(−COOH)、カルボキシレ
ート(−COO-)アミド(−CONH2)またはエステ
ル(−COOR)の何れであってもよい。さらに、本発
明で用いられる部分ペプチドには、前記した本発明で用
いられるタンパク質と同様に、C末端以外にカルボキシ
ル基(またはカルボキシレート)を有しているもの、N
末端のアミノ酸残基(例、メチオニン残基)のアミノ基
が保護基で保護されているもの、N端側が生体内で切断
され生成したグルタミン残基がピログルタミン酸化した
もの、分子内のアミノ酸の側鎖上の置換基が適当な保護
基で保護されているもの、あるいは糖鎖が結合したいわ
ゆる糖ペプチドなどの複合ペプチドなども含まれる。本
発明で用いられる部分ペプチドは抗体作成のための抗原
としても用いることができる。
【0014】本発明で用いられるタンパク質または部分
ペプチドの塩としては、生理学的に許容される酸(例、
無機酸、有機酸)や塩基(例、アルカリ金属塩)などと
の塩が用いられ、とりわけ生理学的に許容される酸付加
塩が好ましい。この様な塩としては、例えば、無機酸
(例えば、塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸)との塩、
あるいは有機酸(例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、
フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、
リンゴ酸、蓚酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼ
ンスルホン酸)との塩などが用いられる。本発明で用い
られるタンパク質もしくはその部分ペプチドまたはその
塩は、前述したヒトや温血動物の細胞または組織から公
知のタンパク質の精製方法によって製造することもでき
るし、タンパク質をコードするDNAを含有する形質転
換体を培養することによっても製造することができる。
また、後述のペプチド合成法に準じて製造することもで
きる。ヒトや非ヒト哺乳動物の組織または細胞から製造
する場合、ヒトや非ヒト哺乳動物の組織または細胞をホ
モジナイズした後、酸などで抽出を行ない、該抽出液を
逆相クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィ
ーなどのクロマトグラフィーを組み合わせることにより
精製単離することができる。
【0015】本発明で用いられるタンパク質もしくは部
分ペプチドまたはその塩、またはそのアミド体の合成に
は、通常市販のタンパク質合成用樹脂を用いることがで
きる。そのような樹脂としては、例えば、クロロメチル
樹脂、ヒドロキシメチル樹脂、ベンズヒドリルアミン樹
脂、アミノメチル樹脂、4−ベンジルオキシベンジルア
ルコール樹脂、4−メチルベンズヒドリルアミン樹脂、
PAM樹脂、4−ヒドロキシメチルメチルフェニルアセ
トアミドメチル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、4−
(2’,4’−ジメトキシフェニル−ヒドロキシメチ
ル)フェノキシ樹脂、4−(2’,4’−ジメトキシフ
ェニル−Fmocアミノエチル)フェノキシ樹脂などを
挙げることができる。このような樹脂を用い、α−アミ
ノ基と側鎖官能基を適当に保護したアミノ酸を、目的と
するタンパク質の配列通りに、公知の各種縮合方法に従
い、樹脂上で縮合させる。反応の最後に樹脂からタンパ
ク質または部分ペプチドを切り出すと同時に各種保護基
を除去し、さらに高希釈溶液中で分子内ジスルフィド結
合形成反応を実施し、目的のタンパク質もしくは部分ペ
プチドまたはそれらのアミド体を取得する。上記した保
護アミノ酸の縮合に関しては、タンパク質合成に使用で
きる各種活性化試薬を用いることができるが、特に、カ
ルボジイミド類がよい。カルボジイミド類としては、D
CC、N,N'−ジイソプロピルカルボジイミド、N−
エチル−N'−(3−ジメチルアミノプロリル)カルボ
ジイミドなどが用いられる。これらによる活性化にはラ
セミ化抑制添加剤(例えば、HOBt,HOOBt)と
ともに保護アミノ酸を直接樹脂に添加するかまたは、対
称酸無水物またはHOBtエステルあるいはHOOBt
エステルとしてあらかじめ保護アミノ酸の活性化を行な
った後に樹脂に添加することができる。
【0016】保護アミノ酸の活性化や樹脂との縮合に用
いられる溶媒としては、タンパク質縮合反応に使用しう
ることが知られている溶媒から適宜選択されうる。例え
ば、N,N−ジメチルホルムアミド,N,N−ジメチル
アセトアミド,N−メチルピロリドンなどの酸アミド
類、塩化メチレン,クロロホルムなどのハロゲン化炭化
水素類、トリフルオロエタノールなどのアルコール類、
ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類、ピリジ
ン,ジオキサン,テトラヒドロフランなどのエーテル
類、アセトニトリル,プロピオニトリルなどのニトリル
類、酢酸メチル,酢酸エチルなどのエステル類あるいは
これらの適宜の混合物などが用いられる。反応温度はタ
ンパク質結合形成反応に使用され得ることが知られてい
る範囲から適宜選択され、通常約−20℃〜50℃の範
囲から適宜選択される。活性化されたアミノ酸誘導体は
通常1.5〜4倍過剰で用いられる。ニンヒドリン反応
を用いたテストの結果、縮合が不十分な場合には保護基
の脱離を行なうことなく縮合反応を繰り返すことにより
十分な縮合を行なうことができる。反応を繰り返しても
十分な縮合が得られないときには、無水酢酸またはアセ
チルイミダゾールを用いて未反応アミノ酸をアセチル化
することによって、後の反応に影響を与えないようにす
ることができる。
【0017】原料のアミノ基の保護基としては、例え
ば、Z、Boc、t−ペンチルオキシカルボニル、イソ
ボルニルオキシカルボニル、4−メトキシベンジルオキ
シカルボニル、Cl−Z、Br−Z、アダマンチルオキ
シカルボニル、トリフルオロアセチル、フタロイル、ホ
ルミル、2−ニトロフェニルスルフェニル、ジフェニル
ホスフィノチオイル、Fmocなどが用いられる。カル
ボキシル基は、例えば、アルキルエステル化(例えば、
メチル、エチル、プロピル、ブチル、t−ブチル、シク
ロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロ
オクチル、2−アダマンチルなどの直鎖状、分枝状もし
くは環状アルキルエステル化)、アラルキルエステル化
(例えば、ベンジルエステル、4−ニトロベンジルエス
テル、4−メトキシベンジルエステル、4−クロロベン
ジルエステル、ベンズヒドリルエステル化)、フェナシ
ルエステル化、ベンジルオキシカルボニルヒドラジド
化、t−ブトキシカルボニルヒドラジド化、トリチルヒ
ドラジド化などによって保護することができる。セリン
の水酸基は、例えば、エステル化またはエーテル化によ
って保護することができる。このエステル化に適する基
としては、例えば、アセチル基などの低級(C1-6)ア
ルカノイル基、ベンゾイル基などのアロイル基、ベンジ
ルオキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などの炭
酸から誘導される基などが用いられる。また、エーテル
化に適する基としては、例えば、ベンジル基、テトラヒ
ドロピラニル基、t−ブチル基などである。チロシンの
フェノール性水酸基の保護基としては、例えば、Bz
l、Cl2−Bzl、2−ニトロベンジル、Br−Z、
t−ブチルなどが用いられる。ヒスチジンのイミダゾー
ルの保護基としては、例えば、Tos、4−メトキシ−
2,3,6−トリメチルベンゼンスルホニル、DNP、
ベンジルオキシメチル、Bum、Boc、Trt、Fm
ocなどが用いられる。
【0018】原料のカルボキシル基の活性化されたもの
としては、例えば、対応する酸無水物、アジド、活性エ
ステル〔アルコール(例えば、ペンタクロロフェノー
ル、2,4,5−トリクロロフェノール、2,4−ジニ
トロフェノール、シアノメチルアルコール、パラニトロ
フェノール、HONB、N−ヒドロキシスクシミド、N
−ヒドロキシフタルイミド、HOBt)とのエステル〕
などが用いられる。原料のアミノ基の活性化されたもの
としては、例えば、対応するリン酸アミドが用いられ
る。保護基の除去(脱離)方法としては、例えば、Pd
−黒あるいはPd−炭素などの触媒の存在下での水素気
流中での接触還元や、また、無水フッ化水素、メタンス
ルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオ
ロ酢酸あるいはこれらの混合液などによる酸処理や、ジ
イソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、ピペリ
ジン、ピペラジンなどによる塩基処理、また液体アンモ
ニア中ナトリウムによる還元なども用いられる。上記酸
処理による脱離反応は、一般に約−20℃〜40℃の温
度で行なわれるが、酸処理においては、例えば、アニソ
ール、フェノール、チオアニソール、メタクレゾール、
パラクレゾール、ジメチルスルフィド、1,4−ブタン
ジチオール、1,2−エタンジチオールなどのようなカ
チオン捕捉剤の添加が有効である。また、ヒスチジンの
イミダゾール保護基として用いられる2,4−ジニトロ
フェニル基はチオフェノール処理により除去され、トリ
プトファンのインドール保護基として用いられるホルミ
ル基は上記の1,2−エタンジチオール、1,4−ブタ
ンジチオールなどの存在下の酸処理による脱保護以外
に、希水酸化ナトリウム溶液、希アンモニアなどによる
アルカリ処理によっても除去される。
【0019】原料の反応に関与すべきでない官能基の保
護ならびに保護基、およびその保護基の脱離、反応に関
与する官能基の活性化などは公知の基または公知の手段
から適宜選択しうる。タンパク質または部分ペプチドの
アミド体を得る別の方法としては、例えば、まず、カル
ボキシ末端アミノ酸のα−カルボキシル基をアミド化し
て保護した後、アミノ基側にペプチド(タンパク質)鎖
を所望の鎖長まで延ばした後、該ペプチド鎖のN末端の
α−アミノ基の保護基のみを除いたタンパク質または部
分ペプチドとC末端のカルボキシル基の保護基のみを除
去したタンパク質または部分ペプチドとを製造し、これ
らのタンパク質またはペプチドを上記したような混合溶
媒中で縮合させる。縮合反応の詳細については上記と同
様である。縮合により得られた保護タンパク質またはペ
プチドを精製した後、上記方法によりすべての保護基を
除去し、所望の粗タンパク質またはペプチドを得ること
ができる。この粗タンパク質またはペプチドは既知の各
種精製手段を駆使して精製し、主要画分を凍結乾燥する
ことで所望のタンパク質またはペプチドのアミド体を得
ることができる。タンパク質またはペプチドのエステル
体を得るには、例えば、カルボキシ末端アミノ酸のα−
カルボキシル基を所望のアルコール類と縮合しアミノ酸
エステルとした後、タンパク質またはペプチドのアミド
体と同様にして、所望のタンパク質またはペプチドのエ
ステル体を得ることができる。
【0020】本発明で用いられる部分ペプチドまたはそ
れらの塩は、公知のペプチドの合成法に従って、あるい
は本発明で用いられるタンパク質を適当なペプチダーゼ
で切断することによって製造することができる。ペプチ
ドの合成法としては、例えば、固相合成法、液相合成法
のいずれによっても良い。すなわち、本発明で用いられ
る部分ペプチドを構成し得る部分ペプチドもしくはアミ
ノ酸と残余部分とを縮合させ、生成物が保護基を有する
場合は保護基を脱離することにより目的のペプチドを製
造することができる。公知の縮合方法や保護基の脱離と
しては、例えば、以下の〜に記載された方法が挙げ
られる。 M. Bodanszky および M.A. Ondetti、ペプチド・シン
セシス (Peptide Synthesis), Interscience Publisher
s, New York (1966年) SchroederおよびLuebke、ザ・ペプチド(The Peptid
e), Academic Press, NewYork (1965年) 泉屋信夫他、ペプチド合成の基礎と実験、 丸善(株)
(1975年) 矢島治明 および榊原俊平、生化学実験講座 1、 タン
パク質の化学IV、 205、(1977年) 矢島治明監修、続医薬品の開発、第14巻、ペプチド合
成、広川書店 また、反応後は通常の精製法、例えば、溶媒抽出・蒸留
・カラムクロマトグラフィー・液体クロマトグラフィー
・再結晶などを組み合わせて本発明で用いられる部分ペ
プチドを精製単離することができる。上記方法で得られ
る部分ペプチドが遊離体である場合は、公知の方法ある
いはそれに準じる方法によって適当な塩に変換すること
ができるし、逆に塩で得られた場合は、公知の方法ある
いはそれに準じる方法によって遊離体または他の塩に変
換することができる。
【0021】本発明で用いられるタンパク質をコードす
るDNAとしては、前述した本発明で用いられるタンパ
ク質をコードする塩基配列を含有するものであればいか
なるものであってもよい。好ましくはDNAである。ま
た、ゲノムDNA、ゲノムDNAライブラリー、前記し
た細胞・組織由来のcDNA、前記した細胞・組織由来
のcDNAライブラリー、合成DNAのいずれでもよ
い。ライブラリーに使用するベクターは、バクテリオフ
ァージ、プラスミド、コスミド、ファージミドなどいず
れであってもよい。また、前記した細胞・組織よりtota
lRNAまたはmRNA画分を調製したものを用いて直
接 Reverse Transcriptase Polymerase Chain Reaction
(以下、RT−PCR法と略称する)によって増幅する
こともできる。本発明で用いられるタンパク質Aをコー
ドするDNAとしては、例えば、配列番号:2で表され
る塩基配列を含有するDNA、または配列番号:2で表
される塩基配列とハイストリンジェントな条件下でハイ
ブリダイズする塩基配列を含有し、配列番号:1で表さ
れるアミノ酸配列を含有するタンパク質と実質的に同質
の性質を有するタンパク質をコードするDNAであれば
何れのものでもよい。本発明で用いられるタンパク質B
をコードするDNAとしては、例えば、配列番号:4で
表される塩基配列を含有するDNA、または配列番号:
4で表される塩基配列とハイストリンジェントな条件下
でハイブリダイズする塩基配列を含有し、配列番号:3
で表されるアミノ酸配列を含有するタンパク質と実質的
に同質の性質を有するタンパク質をコードするDNAで
あれば何れのものでもよい。本発明で用いられるタンパ
ク質CをコードするDNAとしては、例えば、配列番
号:6または配列番号:8で表される塩基配列を含有す
るDNA、または配列番号:6または配列番号:8で表
される塩基配列とハイストリンジェントな条件下でハイ
ブリダイズする塩基配列を含有し、配列番号:5または
配列番号:7で表されるアミノ酸配列を含有するタンパ
ク質と実質的に同質の性質を有するタンパク質をコード
するDNAであれば何れのものでもよい。本発明で用い
られるタンパク質DをコードするDNAとしては、例え
ば、配列番号:10で表される塩基配列を含有するDN
A、または配列番号:10で表される塩基配列とハイス
トリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配列
を含有し、配列番号:9で表されるアミノ酸配列を含有
するタンパク質と実質的に同質の性質を有するタンパク
質をコードするDNAであれば何れのものでもよい。本
発明で用いられるタンパク質EをコードするDNAとし
ては、例えば、配列番号:12で表される塩基配列を含
有するDNA、または配列番号:12で表される塩基配
列とハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズす
る塩基配列を含有し、配列番号:11で表されるアミノ
酸配列を含有するタンパク質と実質的に同質の性質を有
するタンパク質をコードするDNAであれば何れのもの
でもよい。本発明で用いられるタンパク質Fをコードす
るDNAとしては、例えば、配列番号:14で表される
塩基配列を含有するDNA、または配列番号:14で表
される塩基配列とハイストリンジェントな条件下でハイ
ブリダイズする塩基配列を含有し、配列番号:13で表
されるアミノ酸配列を含有するタンパク質と実質的に同
質の性質を有するタンパク質をコードするDNAであれ
ば何れのものでもよい。
【0022】配列番号:2、配列番号:4、配列番号:
6、配列番号:8、配列番号:10、配列番号:12ま
たは配列番号:14で表される塩基配列とハイストリン
ジェントな条件下でハイブリダイズできるDNAとして
は、例えば、配列番号:2、配列番号:4、配列番号:
6、配列番号:8、配列番号:10、配列番号:12ま
たは配列番号:14で表される塩基配列と約50%以
上、好ましくは約60%以上、さらに好ましくは約70
%以上、より好ましくは約80%以上、特に好ましくは
約90%以上、最も好ましくは約95%以上の相同性を
有する塩基配列を含有するDNAなどが用いられる。ハ
イブリダイゼーションは、公知の方法あるいはそれに準
じる方法、例えば、モレキュラー・クローニング(Mole
cular Cloning)2nd(J. Sambrook et al.,Cold Sprin
g Harbor Lab. Press, 1989)に記載の方法などに従っ
て行なうことができる。また、市販のライブラリーを使
用する場合、添付の使用説明書に記載の方法に従って行
なうことができる。より好ましくは、ハイストリンジェ
ントな条件に従って行なうことができる。ハイストリン
ジェントな条件とは、例えば、ナトリウム濃度が約19
〜40mM、好ましくは約19〜20mMで、温度が約
50〜70℃、好ましくは約60〜65℃の条件を示
す。特に、ナトリウム濃度が約19mMで温度が約65
℃の場合が最も好ましい。より具体的には、配列番号:
1で表されるアミノ酸配列を含有するタンパク質をコー
ドするDNAとしては、配列番号:2で表される塩基配
列を含有するDNAなどが、配列番号:3で表されるア
ミノ酸配列を含有するタンパク質をコードするDNAと
しては、配列番号:4で表される塩基配列を含有するD
NAなどが、配列番号:5で表されるアミノ酸配列を含
有するタンパク質をコードするDNAとしては、配列番
号:6で表される塩基配列を含有するDNAなどが、配
列番号:7で表されるアミノ酸配列を含有するタンパク
質をコードするDNAとしては、配列番号:8で表され
る塩基配列を含有するDNAなどが、配列番号:9で表
されるアミノ酸配列を含有するタンパク質をコードする
DNAとしては、配列番号:10で表される塩基配列を
含有するDNAなどが、配列番号:11で表されるアミ
ノ酸配列を含有するタンパク質をコードするDNAとし
ては、配列番号:12で表される塩基配列を含有するD
NAなどが、配列番号:13で表されるアミノ酸配列を
含有するタンパク質をコードするDNAとしては、配列
番号:14で表される塩基配列を含有するDNAなどが
用いられる。
【0023】本発明で用いられる部分ペプチドをコード
するDNAとしては、前述した本発明で用いられる部分
ペプチドをコードする塩基配列を含有するものであれば
いかなるものであってもよい。また、ゲノムDNA、ゲ
ノムDNAライブラリー、前記した細胞・組織由来のc
DNA、前記した細胞・組織由来のcDNAライブラリ
ー、合成DNAのいずれでもよい。本発明で用いられる
部分ペプチドをコードするDNAとしては、例えば、配
列番号:2、配列番号:4、配列番号:6、配列番号:
8、配列番号:10、配列番号:12または配列番号:
14で表される塩基配列を含有するDNAの一部分を有
するDNA、または配列番号:2、配列番号:4、配列
番号:6、配列番号:8、配列番号:10、配列番号:
12または配列番号:14で表される塩基配列とハイス
トリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配列
を含有し、本発明のタンパク質と実質的に同質の活性を
有するタンパク質をコードするDNAの一部分を含有す
るDNAなどが用いられる。配列番号:2、配列番号:
4、配列番号:6、配列番号:8、配列番号:10、配
列番号:12または配列番号:14で表される塩基配列
とハイブリダイズできるDNAは、前記と同意義を示
す。ハイブリダイゼーションの方法およびハイストリン
ジェントな条件は前記と同様のものが用いられる。
【0024】本発明で用いられるタンパク質、部分ペプ
チド(以下、これらをコードするDNAのクローニング
および発現の説明においては、これらを単に本発明のタ
ンパク質と略記する場合がある)を完全にコードするD
NAのクローニングの手段としては、本発明のタンパク
質をコードする塩基配列の一部分を有する合成DNAプ
ライマーを用いてPCR法によって増幅するか、または
適当なベクターに組み込んだDNAを本発明のタンパク
質の一部あるいは全領域をコードするDNA断片もしく
は合成DNAを用いて標識したものとのハイブリダイゼ
ーションによって選別することができる。ハイブリダイ
ゼーションの方法は、例えば、モレキュラー・クローニ
ング(Molecular Cloning)2nd(J. Sambrook et al.,
Cold Spring Harbor Lab. Press, 1989)に記載の方法
などに従って行なうことができる。また、市販のライブ
ラリーを使用する場合、添付の使用説明書に記載の方法
に従って行なうことができる。DNAの塩基配列の変換
は、PCR、公知のキット、例えば、MutanTM-superExp
ress Km(宝酒造(株))、MutanTM-K(宝酒造(株))
等を用いて、ODA-LAPCR法、Gapped duplex法、Kunkel法
等の公知の方法あるいはそれらに準じる方法に従って行
なうことができる。クローン化されたタンパク質をコー
ドするDNAは目的によりそのまま、または所望により
制限酵素で消化したり、リンカーを付加したりして使用
することができる。該DNAはその5’末端側に翻訳開
始コドンとしてのATGを有し、また3’末端側には翻
訳終止コドンとしてのTAA、TGAまたはTAGを有
していてもよい。これらの翻訳開始コドンや翻訳終止コ
ドンは、適当な合成DNAアダプターを用いて付加する
こともできる。本発明のタンパク質の発現ベクターは、
例えば、(イ)本発明のタンパク質をコードするDNA
から目的とするDNA断片を切り出し、(ロ)該DNA
断片を適当な発現ベクター中のプロモーターの下流に連
結することにより製造することができる。
【0025】ベクターとしては、大腸菌由来のプラスミ
ド(例、pBR322,pBR325,pUC12,p
UC13)、枯草菌由来のプラスミド(例、pUB11
0,pTP5,pC194)、酵母由来プラスミド
(例、pSH19,pSH15)、λファージなどのバ
クテリオファージ、レトロウイルス,ワクシニアウイル
ス,バキュロウイルスなどの動物ウイルスなどの他、p
A1−11、pXT1、pRc/CMV、pRc/RS
V、pcDNAI/Neoなどが用いられる。本発明で
用いられるプロモーターとしては、遺伝子の発現に用い
る宿主に対応して適切なプロモーターであればいかなる
ものでもよい。例えば、動物細胞を宿主として用いる場
合は、SRαプロモーター、SV40プロモーター、L
TRプロモーター、CMVプロモーター、HSV-TK
プロモーターなどが挙げられる。これらのうち、CMV
(サイトメガロウイルス)プロモーター、SRαプロモ
ーターなどを用いるのが好ましい。宿主がエシェリヒア
属菌である場合は、trpプロモーター、lacプロモ
ーター、recAプロモーター、λPLプロモーター、
lppプロモーター、T7プロモーターなどが、宿主が
バチルス属菌である場合は、SPO1プロモーター、S
PO2プロモーター、penPプロモーターなど、宿主
が酵母である場合は、PHO5プロモーター、PGKプ
ロモーター、GAPプロモーター、ADHプロモーター
などが好ましい。宿主が昆虫細胞である場合は、ポリヘ
ドリンプロモーター、P10プロモーターなどが好まし
い。
【0026】発現ベクターには、以上の他に、所望によ
りエンハンサー、スプライシングシグナル、ポリA付加
シグナル、選択マーカー、SV40複製オリジン(以
下、SV40oriと略称する場合がある)などを含有
しているものを用いることができる。選択マーカーとし
ては、例えば、ジヒドロ葉酸還元酵素(以下、dhfr
と略称する場合がある)遺伝子〔メソトレキセート(M
TX)耐性〕、アンピシリン耐性遺伝子(以下、Amp
rと略称する場合がある)、ネオマイシン耐性遺伝子
(以下、Neorと略称する場合がある、G418耐
性)等が挙げられる。特に、dhfr遺伝子欠損チャイ
ニーズハムスター細胞を用いてdhfr遺伝子を選択マ
ーカーとして使用する場合、目的遺伝子をチミジンを含
まない培地によっても選択できる。また、必要に応じ
て、宿主に合ったシグナル配列を、本発明のタンパク質
のN端末側に付加する。宿主がエシェリヒア属菌である
場合は、PhoA・シグナル配列、OmpA・シグナル配列な
どが、宿主がバチルス属菌である場合は、α−アミラー
ゼ・シグナル配列、サブチリシン・シグナル配列など
が、宿主が酵母である場合は、MFα・シグナル配列、
SUC2・シグナル配列など、宿主が動物細胞である場
合には、インシュリン・シグナル配列、α−インターフ
ェロン・シグナル配列、抗体分子・シグナル配列などが
それぞれ利用できる。このようにして構築された本発明
のタンパク質をコードするDNAを含有するベクターを
用いて、形質転換体を製造することができる。
【0027】宿主としては、例えば、エシェリヒア属
菌、バチルス属菌、酵母、昆虫細胞、昆虫、動物細胞な
どが用いられる。エシェリヒア属菌の具体例としては、
例えば、エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)K1
2・DH1〔Proc. Natl. Acad. Sci. USA,60巻,1
60(1968)〕,JM103〔Nucleic Acids Resear
ch,9巻,309(1981)〕,JA221〔Journal
of Molecular Biology,120巻,517(197
8)〕,HB101〔Journal of Molecular Biology,
41巻,459(1969)〕,C600〔Genetics,3
9巻,440(1954)〕などが用いられる。バチルス
属菌としては、例えば、バチルス・サブチルス(Bacill
us subtilis)MI114〔Gene,24巻,255(19
83)〕,207−21〔Journal ofBiochemistry,9
5巻,87(1984)〕などが用いられる。酵母として
は、例えば、サッカロマイセス セレビシエ(Saccharo
myces cerevisiae)AH22,AH22R-,NA87
−11A,DKD−5D,20B−12、シゾサッカロ
マイセス ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)NC
YC1913,NCYC2036、ピキア パストリス
(Pichia pastoris)KM71などが用いられる。
【0028】昆虫細胞としては、例えば、ウイルスがA
cNPVの場合は、ヨトウガの幼虫由来株化細胞(Spod
optera frugiperda cell;Sf細胞)、Trichoplusia n
iの中腸由来のMG1細胞、Trichoplusia niの卵由来の
High FiveTM細胞、Mamestrabrassicae由来の細胞または
Estigmena acrea由来の細胞などが用いられる。ウイル
スがBmNPVの場合は、カイコ由来株化細胞(Bombyx
mori N 細胞;BmN細胞)などが用いられる。該Sf
細胞としては、例えば、Sf9細胞(ATCC CRL1711)、
Sf21細胞(以上、Vaughn, J.L.ら、In Vivo,13, 21
3-217,(1977))などが用いられる。昆虫としては、例え
ば、カイコの幼虫などが用いられる〔前田ら、Nature,
315巻,592(1985)〕。動物細胞としては、例
えば、サル細胞COS−7,Vero,チャイニーズハ
ムスター細胞CHO(以下、CHO細胞と略記),dh
fr遺伝子欠損チャイニーズハムスター細胞CHO(以
下、CHO(dhfr-)細胞と略記),マウスL細
胞,マウスAtT−20,マウスミエローマ細胞,ラッ
トGH3,ヒトFL細胞などが用いられる。エシェリヒ
ア属菌を形質転換するには、例えば、Proc. Natl. Aca
d. Sci. USA,69巻,2110(1972)やジーンGen
e,17巻,107(1982)などに記載の方法に従っ
て行なうことができる。
【0029】バチルス属菌を形質転換するには、例え
ば、Molecular & General Genetics,168巻,11
1(1979)などに記載の方法に従って行なうことがで
きる。酵母を形質転換するには、例えば、Methods in E
nzymology,194巻,182−187(1991)、P
roc. Natl. Acad. Sci. USA,75巻,1929(197
8)などに記載の方法に従って行なうことができる。昆
虫細胞または昆虫を形質転換するには、例えば、Bio/Te
chnology,6, 47-55(1988)などに記載の方法に従って行
なうことができる。動物細胞を形質転換するには、例え
ば、細胞工学別冊8 新細胞工学実験プロトコール.2
63−267(1995)(秀潤社発行)、Virology,
52巻,456(1973)に記載の方法に従って行なう
ことができる。このようにして、タンパク質をコードす
るDNAを含有する発現ベクターで形質転換された形質
転換体を得ることができる。宿主がエシェリヒア属菌、
バチルス属菌である形質転換体を培養する際、培養に使
用される培地としては液体培地が適当であり、その中に
は該形質転換体の生育に必要な炭素源、窒素源、無機物
その他が含有せしめられる。炭素源としては、例えば、
グルコース、デキストリン、可溶性澱粉、ショ糖など、
窒素源としては、例えば、アンモニウム塩類、硝酸塩
類、コーンスチープ・リカー、ペプトン、カゼイン、肉
エキス、大豆粕、バレイショ抽出液などの無機または有
機物質、無機物としては、例えば、塩化カルシウム、リ
ン酸二水素ナトリウム、塩化マグネシウムなどが挙げら
れる。また、酵母エキス、ビタミン類、生長促進因子な
どを添加してもよい。培地のpHは約5〜8が望まし
い。
【0030】エシェリヒア属菌を培養する際の培地とし
ては、例えば、グルコース、カザミノ酸を含むM9培地
〔Miller, Journal of Experiments in Molecular Gen
etics,431−433,Cold Spring Harbor Laborato
ry, New York (1972)〕が好ましい。ここに必要に
よりプロモーターを効率よく働かせるために、例えば、
3β−インドリルアクリル酸のような薬剤を加えること
ができる。宿主がエシェリヒア属菌の場合、培養は通常
約15〜43℃で約3〜24時間行ない、必要により、
通気や撹拌を加えることもできる。宿主がバチルス属菌
の場合、培養は通常約30〜40℃で約6〜24時間行
ない、必要により通気や撹拌を加えることもできる。宿
主が酵母である形質転換体を培養する際、培地として
は、例えば、バークホールダー(Burkholder)最小培地
〔Bostian, K. L. ら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA,
77巻,4505(1980)〕や0.5%カザミノ酸を
含有するSD培地〔Bitter, G. A. ら、Proc. Natl. Ac
ad. Sci. USA,81巻,5330(1984)〕が
挙げられる。培地のpHは約5〜8に調整するのが好ま
しい。培養は通常約20℃〜35℃で約24〜72時間
行ない、必要に応じて通気や撹拌を加える。宿主が昆虫
細胞または昆虫である形質転換体を培養する際、培地と
しては、Grace's Insect Medium(Grace, T.C.C., Natu
re,195,788(1962))に非動化した10%ウシ血清等の添
加物を適宜加えたものなどが用いられる。培地のpHは
約6.2〜6.4に調整するのが好ましい。培養は通常
約27℃で約3〜5日間行ない、必要に応じて通気や撹
拌を加える。宿主が動物細胞である形質転換体を培養す
る際、培地としては、例えば、約5〜20%の胎児牛血
清を含むMEM培地〔Science,122巻,501(19
52)〕,DMEM培地〔Virology,8巻,396(19
59)〕,RPMI 1640培地〔The Journal of the
American Medical Association199巻,519(19
67)〕,199培地〔Proceeding of the Society for
the Biological Medicine,73巻,1(1950)〕な
どが用いられる。pHは約6〜8であるのが好ましい。
培養は通常約30℃〜40℃で約15〜60時間行な
い、必要に応じて通気や撹拌を加える。以上のようにし
て、形質転換体の細胞内、細胞膜または細胞外に本発明
のタンパク質を生成せしめることができる。
【0031】上記培養物から本発明のタンパク質を分離
精製するには、例えば、下記の方法により行なうことが
できる。本発明のタンパク質を培養菌体あるいは細胞か
ら抽出するに際しては、培養後、公知の方法で菌体ある
いは細胞を集め、これを適当な緩衝液に懸濁し、超音
波、リゾチームおよび/または凍結融解などによって菌
体あるいは細胞を破壊したのち、遠心分離やろ過により
タンパク質の粗抽出液を得る方法などが適宜用いられ
る。緩衝液の中に尿素や塩酸グアニジンなどのタンパク
質変性剤や、トリトンX−100TMなどの界面活性剤が
含まれていてもよい。培養液中にタンパク質が分泌され
る場合には、培養終了後、それ公知の方法で菌体あるい
は細胞と上清とを分離し、上清を集める。このようにし
て得られた培養上清、あるいは抽出液中に含まれるタン
パク質の精製は、公知の分離・精製法を適切に組み合わ
せて行なうことができる。これらの公知の分離、精製法
としては、塩析や溶媒沈澱法などの溶解度を利用する方
法、透析法、限外ろ過法、ゲルろ過法、およびSDS−
ポリアクリルアミドゲル電気泳動法などの主として分子
量の差を利用する方法、イオン交換クロマトグラフィー
などの荷電の差を利用する方法、アフィニティークロマ
トグラフィーなどの特異的親和性を利用する方法、逆相
高速液体クロマトグラフィーなどの疎水性の差を利用す
る方法、等電点電気泳動法などの等電点の差を利用する
方法などが用いられる。
【0032】このようにして得られるタンパク質が遊離
体で得られた場合には、公知の方法あるいはそれに準じ
る方法によって塩に変換することができ、逆に塩で得ら
れた場合には公知の方法あるいはそれに準じる方法によ
り、遊離体または他の塩に変換することができる。な
お、組換え体が産生するタンパク質を、精製前または精
製後に適当な蛋白修飾酵素を作用させることにより、任
意に修飾を加えたり、ポリペプチドを部分的に除去する
こともできる。蛋白修飾酵素としては、例えば、トリプ
シン、キモトリプシン、アルギニルエンドペプチダー
ゼ、プロテインキナーゼ、グリコシダーゼなどが用いら
れる。このようにして生成する本発明のタンパク質の存
在は、特異抗体を用いたエンザイムイムノアッセイやウ
エスタンブロッティングなどにより測定することができ
る。
【0033】本発明で用いられるタンパク質もしくは部
分ペプチドまたはその塩に対する抗体は、本発明で用い
られるタンパク質もしくは部分ペプチドまたはその塩を
認識し得る抗体であれば、ポリクローナル抗体、モノク
ローナル抗体の何れであってもよい。本発明で用いられ
るタンパク質もしくは部分ペプチドまたはその塩(以
下、抗体の説明においては、これらを単に本発明のタン
パク質と略記する場合がある)に対する抗体は、本発明
のタンパク質を抗原として用い、公知の抗体または抗血
清の製造法に従って製造することができる。 〔モノクローナル抗体の作製〕 (a)モノクローナル抗体産生細胞の作製 本発明のタンパク質は、温血動物に対して投与により抗
体産生が可能な部位にそれ自体あるいは担体、希釈剤と
ともに投与される。投与に際して抗体産生能を高めるた
め、完全フロイントアジュバントや不完全フロイントア
ジュバントを投与してもよい。投与は通常2〜6週毎に
1回ずつ、計2〜10回程度行われる。用いられる温血
動物としては、例えば、サル、ウサギ、イヌ、モルモッ
ト、マウス、ラット、ヒツジ、ヤギ、ニワトリが挙げら
れるが、マウスおよびラットが好ましく用いられる。モ
ノクローナル抗体産生細胞の作製に際しては、抗原で免
疫された温血動物、例えばマウスから抗体価の認められ
た個体を選択し最終免疫の2〜5日後に脾臓またはリン
パ節を採取し、それらに含まれる抗体産生細胞を同種ま
たは異種動物の骨髄腫細胞と融合させることにより、モ
ノクローナル抗体産生ハイブリドーマを調製することが
できる。抗血清中の抗体価の測定は、例えば、後記の標
識化タンパク質と抗血清とを反応させたのち、抗体に結
合した標識剤の活性を測定することにより行なうことが
できる。融合操作は既知の方法、例えば、ケーラーとミ
ルスタインの方法〔Nature、256、495 (1975)〕に従い
実施することができる。融合促進剤としては、例えば、
ポリエチレングリコール(PEG)やセンダイウィルス
などが挙げられるが、好ましくはPEGが用いられる。
【0034】骨髄腫細胞としては、例えば、NS−1、
P3U1、SP2/0、AP−1などの温血動物の骨髄
腫細胞が挙げられるが、P3U1が好ましく用いられ
る。用いられる抗体産生細胞(脾臓細胞)数と骨髄腫細
胞数との好ましい比率は1:1〜20:1程度であり、
PEG(好ましくはPEG1000〜PEG6000)
が10〜80%程度の濃度で添加され、20〜40℃、
好ましくは30〜37℃で1〜10分間インキュベート
することにより効率よく細胞融合を実施できる。モノク
ローナル抗体産生ハイブリドーマのスクリーニングには
種々の方法が使用できるが、例えば、タンパク質抗原を
直接あるいは担体とともに吸着させた固相(例、マイク
ロプレート)にハイブリドーマ培養上清を添加し、次に
放射性物質や酵素などで標識した抗免疫グロブリン抗体
(細胞融合に用いられる細胞がマウスの場合、抗マウス
免疫グロブリン抗体が用いられる)またはプロテインA
を加え、固相に結合したモノクローナル抗体を検出する
方法、抗免疫グロブリン抗体またはプロテインAを吸着
させた固相にハイブリドーマ培養上清を添加し、放射性
物質や酵素などで標識したタンパク質を加え、固相に結
合したモノクローナル抗体を検出する方法などが挙げら
れる。モノクローナル抗体の選別は、公知あるいはそれ
に準じる方法に従って行なうことができる。通常HAT
(ヒポキサンチン、アミノプテリン、チミジン)を添加
した動物細胞用培地で行なうことができる。選別および
育種用培地としては、ハイブリドーマが生育できるもの
ならばどのような培地を用いても良い。例えば、1〜2
0%、好ましくは10〜20%の牛胎児血清を含むRP
MI 1640培地、1〜10%の牛胎児血清を含むG
IT培地(和光純薬工業(株))あるいはハイブリドー
マ培養用無血清培地(SFM−101、日水製薬
(株))などを用いることができる。培養温度は、通常
20〜40℃、好ましくは約37℃である。培養時間
は、通常5日〜3週間、好ましくは1週間〜2週間であ
る。培養は、通常5%炭酸ガス下で行なうことができ
る。ハイブリドーマ培養上清の抗体価は、上記の抗血清
中の抗体価の測定と同様にして測定できる。
【0035】(b)モノクローナル抗体の精製 モノクローナル抗体の分離精製は、公知の方法、例え
ば、免疫グロブリンの分離精製法〔例、塩析法、アルコ
ール沈殿法、等電点沈殿法、電気泳動法、イオン交換体
(例、DEAE)による吸脱着法、超遠心法、ゲルろ過
法、抗原結合固相あるいはプロテインAあるいはプロテ
インGなどの活性吸着剤により抗体のみを採取し、結合
を解離させて抗体を得る特異的精製法〕に従って行なう
ことができる。
【0036】〔ポリクローナル抗体の作製〕本発明のポ
リクローナル抗体は、それ公知あるいはそれに準じる方
法に従って製造することができる。例えば、免疫抗原
(タンパク質抗原)自体、あるいはそれとキャリアータ
ンパク質との複合体をつくり、上記のモノクローナル抗
体の製造法と同様に温血動物に免疫を行ない、該免疫動
物から本発明のタンパク質に対する抗体含有物を採取し
て、抗体の分離精製を行なうことにより製造することが
できる。温血動物を免疫するために用いられる免疫抗原
とキャリアータンパク質との複合体に関し、キャリアー
タンパク質の種類およびキャリアーとハプテンとの混合
比は、キャリアーに架橋させて免疫したハプテンに対し
て抗体が効率良くできれば、どの様なものをどの様な比
率で架橋させてもよいが、例えば、ウシ血清アルブミン
やウシサイログロブリン、ヘモシアニン等を重量比でハ
プテン1に対し、約0.1〜20、好ましくは約1〜5
の割合でカプルさせる方法が用いられる。また、ハプテ
ンとキャリアーのカプリングには、種々の縮合剤を用い
ることができるが、グルタルアルデヒドやカルボジイミ
ド、マレイミド活性エステル、チオール基、ジチオビリ
ジル基を含有する活性エステル試薬等が用いられる。縮
合生成物は、温血動物に対して、抗体産生が可能な部位
にそれ自体あるいは担体、希釈剤とともに投与される。
投与に際して抗体産生能を高めるため、完全フロイント
アジュバントや不完全フロイントアジュバントを投与し
てもよい。投与は、通常約2〜6週毎に1回ずつ、計約
3〜10回程度行なわれる。ポリクローナル抗体は、上
記の方法で免疫された温血動物の血液、腹水など、好ま
しくは血液から採取することができる。抗血清中のポリ
クローナル抗体価の測定は、上記の抗血清中の抗体価の
測定と同様にして測定できる。ポリクローナル抗体の分
離精製は、上記のモノクローナル抗体の分離精製と同様
の免疫グロブリンの分離精製法に従って行なうことがで
きる。
【0037】本発明で用いられるタンパク質または部分
ペプチドをコードするDNA(以下、アンチセンスポリ
ヌクレオチドの説明においては、これらのDNAを本発
明のDNAと略記する場合がある)の塩基配列に相補的
な、または実質的に相補的な塩基配列を有するアンチセ
ンスポリヌクレオチドとしては、本発明のDNAの塩基
配列に相補的な、または実質的に相補的な塩基配列を有
し、該DNAの発現を抑制し得る作用を有するものであ
れば、いずれのアンチセンスポリヌクレオチドであって
もよいが、アンチセンスDNAが好ましい。本発明のD
NAに実質的に相補的な塩基配列とは、例えば、本発明
のDNAに相補的な塩基配列(すなわち、本発明のDN
Aの相補鎖)の全塩基配列あるいは部分塩基配列と約7
0%以上、好ましくは約80%以上、より好ましくは約
90%以上、最も好ましくは約95%以上の相同性を有
する塩基配列などが挙げられる。特に、本発明のDNA
の相補鎖の全塩基配列うち、(イ)翻訳阻害を指向した
アンチセンスポリヌクレオチドの場合は、本発明のタン
パク質のN末端部位をコードする部分の塩基配列(例え
ば、開始コドン付近の塩基配列など)の相補鎖と約70
%以上、好ましくは約80%以上、より好ましくは約9
0%以上、最も好ましくは約95%以上の相同性を有す
るアンチセンスポリヌクレオチドが、(ロ)RNase
HによるRNA分解を指向するアンチセンスポリヌクレ
オチドの場合は、イントロンを含む本発明のDNAの全
塩基配列の相補鎖と約70%以上、好ましくは約80%
以上、より好ましくは約90%以上、最も好ましくは約
95%以上の相同性を有するアンチセンスポリヌクレオ
チドがそれぞれ好適である。具体的には、配列番号:
2、配列番号:4、配列番号:6、配列番号:8、配列
番号:10、配列番号:12または配列番号:14で表
わされる塩基配列を含有するDNAの塩基配列に相補的
な、もしくは実質的に相補的な塩基配列、またはその一
部分を有するアンチセンスポリヌクレオチド、好ましく
は例えば、配列番号:2、配列番号:4、配列番号:
6、配列番号:8、配列番号:10、配列番号:12ま
たは配列番号:14で表わされる塩基配列を含有するD
NAの塩基配列に相補な塩基配列、またはその一部分を
有するアンチセンスポリヌクレオチド(より好ましく
は、配列番号:2、配列番号:4、配列番号:6、配列
番号:8、配列番号:10、配列番号:12または配列
番号:14で表わされる塩基配列を含有するDNAの塩
基配列に相補な塩基配列、またはその一部分を有するア
ンチセンスポリヌクレオチド)が挙げられる。アンチセ
ンスポリヌクレオチドは通常、10〜40個程度、好ま
しくは15〜30個程度の塩基から構成される。ヌクレ
アーゼなどの加水分解酵素による分解を防ぐために、ア
ンチセンスDNAを構成する各ヌクレオチドのりん酸残
基(ホスフェート)は、例えば、ホスホロチオエート、
メチルホスホネート、ホスホロジチオネートなどの化学
修飾りん酸残基に置換されていてもよい。また、各ヌク
レオチドの糖(デオキシリボース)は、2’−O−メチ
ル化などの化学修飾糖構造に置換されていてもよいし、
塩基部分(ピリミジン、プリン)も化学修飾を受けたも
のであってもよく、配列番号:2、配列番号:4、配列
番号:6、配列番号:8、配列番号:10、配列番号:
12または配列番号:14で表わされる塩基配列を有す
るDNAにハイブリダイズするものであればいずれのも
のでもよい。これらのアンチセンスポリヌクレオチド
は、公知のDNA合成装置などを用いて製造することが
できる。本発明に従えば、本発明のタンパク質遺伝子の
複製または発現を阻害することのできるアンチセンスポ
リヌクレオチド(核酸)を、クローン化した、あるいは
決定されたタンパク質をコードするDNAの塩基配列情
報に基づき設計し、合成しうる。かかるポリヌクレオチ
ド(核酸)は、本発明のタンパク質遺伝子のRNAとハ
イブリダイズすることができ、該RNAの合成または機
能を阻害することができるか、あるいは本発明のタンパ
ク質関連RNAとの相互作用を介して本発明のタンパク
質遺伝子の発現を調節・制御することができる。本発明
のタンパク質関連RNAの選択された配列に相補的なポ
リヌクレオチド、および本発明のタンパク質関連RNA
と特異的にハイブリダイズすることができるポリヌクレ
オチドは、生体内および生体外で本発明のタンパク質遺
伝子の発現を調節・制御するのに有用であり、また病気
などの治療または診断に有用である。目的核酸と、対象
領域の少なくとも一部に相補的なポリヌクレオチドとの
関係、対象物とハイブリダイズすることができるポリヌ
クレオチドとの関係は、「アンチセンス」であるという
ことができる。アンチセンスポリヌクレオチドは、2−
デオキシ−D−リボースを含有しているポリヌクレオチ
ド、D−リボースを含有しているポリヌクレオチド、プ
リンまたはピリミジン塩基のN−グリコシドであるその
他のタイプのポリヌクレオチド、あるいは非ヌクレオチ
ド骨格を有するその他のポリマー(例えば、市販のタン
パク質核酸および合成配列特異的な核酸ポリマー)また
は特殊な結合を含有するその他のポリマー(但し、該ポ
リマーはDNAやRNA中に見出されるような塩基のペ
アリングや塩基の付着を許容する配置をもつヌクレオチ
ドを含有する)などが挙げられる。それらは、二本鎖D
NA、一本鎖DNA、二本鎖RNA、一本鎖RNA、さ
らにDNA:RNAハイブリッドであることができ、さ
らに非修飾ポリヌクレオチド(または非修飾オリゴヌク
レオチド)、さらには公知の修飾の付加されたもの、例
えば当該分野で知られた標識のあるもの、キャップの付
いたもの、メチル化されたもの、1個以上の天然のヌク
レオチドを類縁物で置換したもの、分子内ヌクレオチド
修飾のされたもの、例えば非荷電結合(例えば、メチル
ホスホネート、ホスホトリエステル、ホスホルアミデー
ト、カルバメートなど)を持つもの、電荷を有する結合
または硫黄含有結合(例えば、ホスホロチオエート、ホ
スホロジチオエートなど)を持つもの、例えばタンパク
質(ヌクレアーゼ、ヌクレアーゼ・インヒビター、トキ
シン、抗体、シグナルペプチド、ポリ−L−リジンな
ど)や糖(例えば、モノサッカライドなど)などの側鎖
基を有しているもの、インターカレート化合物(例え
ば、アクリジン、ソラレンなど)を持つもの、キレート
化合物(例えば、金属、放射活性をもつ金属、ホウ素、
酸化性の金属など)を含有するもの、アルキル化剤を含
有するもの、修飾された結合を持つもの(例えば、αア
ノマー型の核酸など)であってもよい。ここで「ヌクレ
オシド」、「ヌクレオチド」および「核酸」とは、プリ
ンおよびピリミジン塩基を含有するのみでなく、修飾さ
れたその他の複素環型塩基をもつようなものを含んでい
て良い。こうした修飾物は、メチル化されたプリンおよ
びピリミジン、アシル化されたプリンおよびピリミジ
ン、あるいはその他の複素環を含むものであってよい。
修飾されたヌクレオチドおよび修飾されたヌクレオチド
はまた糖部分が修飾されていてよく、例えば、1個以上
の水酸基がハロゲンとか、脂肪族基などで置換されてい
たり、あるいはエーテル、アミンなどの官能基に変換さ
れていてよい。
【0038】本発明のアンチセンスポリヌクレオチド
(核酸)は、RNA、DNA、あるいは修飾された核酸
(RNA、DNA)である。修飾された核酸の具体例と
しては核酸の硫黄誘導体やチオホスフェート誘導体、そ
してポリヌクレオシドアミドやオリゴヌクレオシドアミ
ドの分解に抵抗性のものが挙げられるが、それに限定さ
れるものではない。本発明のアンチセンス核酸は次のよ
うな方針で好ましく設計されうる。すなわち、細胞内で
のアンチセンス核酸をより安定なものにする、アンチセ
ンス核酸の細胞透過性をより高める、目標とするセンス
鎖に対する親和性をより大きなものにする、そしてもし
毒性があるならアンチセンス核酸の毒性をより小さなも
のにする。こうした修飾は当該分野で数多く知られてお
り、例えば J. Kawakami et al.,Pharm Tech Japan, Vo
l. 8, pp.247, 1992; Vol. 8, pp.395, 1992; S. T. Cr
ooke et al. ed., Antisense Research and Applicatio
ns, CRC Press, 1993 などに開示がある。本発明のアン
チセンス核酸は、変化せしめられたり、修飾された糖、
塩基、結合を含有していて良く、リポゾーム、ミクロス
フェアのような特殊な形態で供与されたり、遺伝子治療
により適用されたり、付加された形態で与えられること
ができうる。こうして付加形態で用いられるものとして
は、リン酸基骨格の電荷を中和するように働くポリリジ
ンのようなポリカチオン体、細胞膜との相互作用を高め
たり、核酸の取込みを増大せしめるような脂質(例え
ば、ホスホリピド、コレステロールなど)といった疎水
性のものが挙げられる。付加するに好ましい脂質として
は、コレステロールやその誘導体(例えば、コレステリ
ルクロロホルメート、コール酸など)が挙げられる。こ
うしたものは、核酸の3’端あるいは5’端に付着させ
ることができ、塩基、糖、分子内ヌクレオシド結合を介
して付着させることができうる。その他の基としては、
核酸の3’端あるいは5’端に特異的に配置されたキャ
ップ用の基で、エキソヌクレアーゼ、RNaseなどの
ヌクレアーゼによる分解を阻止するためのものが挙げら
れる。こうしたキャップ用の基としては、ポリエチレン
グリコール、テトラエチレングリコールなどのグリコー
ルをはじめとした当該分野で知られた水酸基の保護基が
挙げられるが、それに限定されるものではない。アンチ
センス核酸の阻害活性は、本発明の形質転換体、本発明
の生体内や生体外の遺伝子発現系、あるいは本発明のタ
ンパク質の生体内や生体外の翻訳系を用いて調べること
ができる。該核酸は公知の各種の方法で細胞に適用でき
る。
【0039】以下に、本発明のタンパク質もしくは部分
ペプチドまたはその塩(以下、本発明のタンパク質と略
記する場合がある)、本発明のタンパク質または部分ペ
プチドをコードするDNA(以下、本発明のDNAと略
記する場合がある)、本発明のタンパク質もしくは部分
ペプチドまたはその塩に対する抗体(以下、本発明の抗
体と略記する場合がある)、および本発明のDNAのア
ンチセンスポリヌクレオチド(以下、本発明のアンチセ
ンスポリヌクレオチドと略記する場合がある)の用途を
説明する。本発明のタンパク質は、変形性関節症軟骨で
発現が増加するので、疾患マーカーとして利用すること
が出来る。すなわち、変形性関節症軟骨における早期診
断、症状の重症度の判定、疾患進行の予測のためのマー
カーとして有用である。よって、本発明のタンパク質を
コードする遺伝子のアンチセンスポリヌクレオチド、本
発明のタンパク質の活性を阻害する化合物もしくはその
塩または本発明のタンパク質に対する抗体を含有する医
薬は、例えば、軟骨形成異常、骨形成異常、骨粗鬆症、
変形性関節症、慢性関節リウマチ、関節炎、滑膜炎、代
謝性関節症またはスポーツによる関節障害(例、テニス
肘など)などの骨・関節疾患の予防・治療剤として使用
することができる。
【0040】(1)疾病に対する医薬候補化合物のスク
リーニング 本発明のタンパク質は変形性関節症軟骨で発現が増加す
るので、本発明のタンパク質の活性を調節する化合物ま
たはその塩、好ましくは本発明のタンパク質の活性を阻
害する化合物またはその塩は、例えば、軟骨形成異常、
骨形成異常、骨粗鬆症、変形性関節症、慢性関節リウマ
チ、関節炎、滑膜炎、代謝性関節症またはスポーツによ
る関節障害(例、テニス肘など)などの骨・関節疾患の
予防・治療剤として使用することができる。したがっ
て、本発明のタンパク質は、本発明のタンパク質の活性
を調節する化合物またはその塩のスクリーニングのため
の試薬として有用である。 (A)本発明のタンパク質Aを用いることを特徴とする
本発明のタンパク質Aの活性(例えば、脱5’−ヨード
化酵素活性など)を調節する化合物またはその塩のスク
リーニング方法 具体的には、例えば、本発明のタンパク質Aに、試験化
合物の存在下および非存在下で(1)T4またはrT3
を添加した場合における、それぞれの生成物の生産量を
測定し、比較する、または(2)125I標識化T4また
125I標識化rT3を添加した場合における、それぞ
れの解離した125Iを検出し、比較することを特徴する
本発明のタンパク質Aの活性を調節(促進または阻害)
する化合物またはその塩のスクリーニング方法が用いら
れる。さらには、(1)(i)本発明のタンパク質Aを
発現し得る細胞にT4またはrT3を接触させて培養し
た場合と(ii)本発明のタンパク質Aを発現し得る細胞
にT4またはrT3および試験化合物を接触させて培養
した場合とにおける、生成物の生成量を測定し、比較す
る、または(2)(i)本発明のタンパク質Aを発現し
得る細胞に125I標識化T4または125I標識化rT3を
接触させて培養した場合と(ii)本発明のタンパク質A
を発現し得る細胞に125I標識化T4または125I標識化
rT3および試験化合物を接触させて培養した場合とに
おける、それぞれの解離した125Iを検出し、比較する
ことを特徴とする本発明のタンパク質Aの活性を調節
(促進または阻害)する活性を有する化合物またはその
塩のスクリーニング方法が用いられる。T4またはrT
3は、試験化合物と混合した後に、本発明のタンパク質
Aを産生する能力を有する細胞に添加してもよく、ま
た、本発明のタンパク質Aを産生する能力を有する細胞
にT4またはrT3を添加した後、試験化合物を添加し
てもよい。125I標識化T4または125I標識化rT3も
上記と同様である。本発明のタンパク質Aを産生する能
力を有する細胞としては、例えば、前述した本発明のタ
ンパク質をコードするDNAを含有するベクターで形質
転換された宿主(形質転換体)が用いられる。宿主とし
ては、例えば、CHO細胞などの動物細胞が好ましく用
いられる。該スクリーニングには、例えば、前述の方法
で培養することによって、本発明のタンパク質Aを細胞
内に発現させた形質転換体が好ましく用いられる。本発
明のタンパク質Aを発現し得る細胞の培養方法は、前記
した本発明の形質変換体の培養法と同様である。試験化
合物としては、例えばペプチド、タンパク質、非ペプチ
ド性化合物、合成化合物、発酵生産物、細胞抽出液、植
物抽出液、動物組織抽出液などがあげられる。例えば、
上記(ii)の場合における酵素活性を上記(i)の場合
に比べて、約20%以上、好ましくは30%以上、より
好ましくは約50%以上上昇させる試験化合物を、本発
明のタンパク質Aの活性を促進する化合物として、上記
(ii)の場合における酵素活性を上記(i)の場合に比
べて、約20%以上、好ましくは30%以上、より好ま
しくは約50%以上減少させる試験化合物を本発明のタ
ンパク質Aの活性を阻害する化合物として選択すること
ができる。 (B)本発明のタンパク質Bを用いることを特徴とする
本発明のタンパク質Bの活性(例えば、ピロリン酸輸送
活性など)を調節する化合物またはその塩のスクリーニ
ング方法 具体的には、例えば、(i)本発明のタンパク質Bを産
生する能力を有する細胞のピロリン酸の輸送と、(ii)
本発明のタンパク質Bを産生する能力を有する細胞と試
験化合物の混合物のピロリン酸の輸送の比較することを
特徴する本発明のタンパク質Bの活性を調節(促進また
は阻害)する化合物またはその塩のスクリーニング方法
が用いられる。上記スクリーニング方法においては、例
えば(i)と(ii)の場合において、ピロリン酸の輸送
活性を公知の方法により測定する。具体的には、試験化
合物の非存在下および存在下、本発明のタンパク質Bを
産生する能力を有する細胞を培養し、培養液を回収し、
無機ピロホスファターゼ、マルトース、マルトースホス
ホリラーゼ、グルコースオキシダーゼ、ペルオキシダー
ゼおよび10-アセチル-3,7-ジヒドロキシフェノキサジン
の混合液〔例、ピペリ・ピロホスフェート・アッセイ・
キット(Piper Pyrophosphate Assay Kit)(フナコシ
社)〕と反応させ、培養液中のピロリン酸を、蛍光産物
レソルフィンとして測定し、比較することにより、ピロ
リン酸輸送活性を測定できる。あるいは、培養後、細胞
を回収し、適宜処理後、上記の混合液と反応させ、溶液
中のピロリン酸を、蛍光産物レソルフィンとして測定
し、比較することにより、ピロリン酸輸送活性を測定で
きる。本発明のタンパク質Bを産生する能力を有する細
胞としては、例えば、前述した本発明のタンパク質をコ
ードするDNAを含有するベクターで形質転換された宿
主(形質転換体)が用いられる。宿主としては、例え
ば、マウスATDC5細胞、CHO細胞などの動物細胞
が好ましく用いられる。該スクリーニングには、例え
ば、前述の方法で培養することによって、本発明のタン
パク質Bを細胞膜上に発現させた形質転換体が好ましく
用いられる。本発明のタンパク質Bを発現し得る細胞の
培養方法は、前記した本発明の形質変換体の培養法と同
様である。試験化合物としては、例えばペプチド、タン
パク質、非ペプチド性化合物、合成化合物、発酵生産
物、細胞抽出液、植物抽出液、動物組織抽出液などがあ
げられる。例えば、上記(ii)の場合におけるピロリン
酸の輸送活性を上記(i)の場合に比べて、約20%以
上、好ましくは30%以上、より好ましくは約50%以
上上昇させる試験化合物を、本発明のタンパク質Bの活
性を促進する化合物として、上記(ii)の場合における
ピロリン酸の輸送活性を上記(i)の場合に比べて、約
20%以上、好ましくは30%以上、より好ましくは約
50%以上減少させる試験化合物を本発明のタンパク質
Bの活性を阻害する化合物として選択することができ
る。 (C)本発明のタンパク質Cを用いることを特徴とする
本発明のタンパク質Cの活性〔例えば、細胞分化調節活
性(例えば、軟骨細胞分化調節活性、骨芽細胞分化調節
活性など)など〕を調節する化合物またはその塩のスク
リーニング方法 具体的には、例えば、(i)本発明のタンパク質Cを産
生する能力を有する細胞の細胞分化調節活性と、(ii)
本発明のタンパク質Cを産生する能力を有する細胞と試
験化合物の混合物の細胞分化調節活性とを比較すること
を特徴する本発明のタンパク質Cの活性を調節(促進ま
たは阻害)する化合物またはその塩のスクリーニング方
法が用いられる。上記スクリーニング方法においては、
例えば(i)と(ii)の場合において、細胞分化調節活
性を公知の方法により測定する。公知の方法としては、
例えばJournal of Bone and Mineral Research 11巻, 1
05-113頁, 1996 年、The Journal of Cell. Biology 15
4巻, 659-666頁, 2001年に記載の方法またはそれに準じ
る方法が挙げられる。具体的には、本発明のタンパク質
C(例、SHOX2)cDNA挿入プラスミドを、マウ
スATDC5細胞へ導入し、本発明のタンパク質C
(例、SHOX2)安定発現株を作製し、本発明のタン
パク質C(例、SHOX2)発現ATDC5細胞を、試
験化合物の非存在下および存在下、成長因子(例、BM
P−2、BMP−4、インスリン、TGF−β、FGF
−1、FGF−2など、中でも好ましくはBMP−2、
BMP−4、インスリンなど)存在下で培養することに
よって、上記細胞の軟骨への分化を誘導する。誘導後、
(1)X型コラーゲンの発現をRT−PCRによって検
出する、(2)アルカリ性ホスファターゼ活性をTRACP&
ALP double-stain kit (宝酒造製) などを用いて測定す
る、(3)細胞層に沈着したカルシウムをAlizarin red
染色などによって検出する、または(4)45Ca2+で細
胞層を標識し、沈着したカルシウムを定量することによ
り、細胞分化調節活性を測定し、比較する。必要に応じ
て本発明のタンパク質C(例、SHOX2)の発現には
誘導可能なプロモーターを用いる。また、軟骨の初期分
化後に遺伝子導入してもよい。なお、親株であるATD
C5細胞の細胞分化調節活性も測定することが望まし
い。具体的には、例えば、MC3T3−E1細胞に、本
発明のタンパク質C(例、SHOX2)の遺伝子を導入
し、試験化合物の非存在下および存在下培養し、(1)
細胞分化マーカー遺伝子(例、I型コラーゲン、オステ
オポンチン、オステオカルシンなど)の発現をRT−P
CRによって検出する、(2)アルカリ性ホスファター
ゼ活性をTRACP & ALP double-stain kit (宝酒造製) な
どを用いて測定する、(3)細胞層に沈着したカルシウ
ムをAlizarin red 染色などによって検出する、または
(4)45Ca2+で細胞層を標識し、沈着したカルシウム
を定量することにより細胞分化調節活性を測定し、比較
する。必要に応じて本発明のタンパク質C(例、SHO
X2)の発現には誘導可能なプロモーターを用いても良
い。なお、親株であるMC3T3−E1の細胞分化調節
活性も測定することが望ましい。また、細胞分化調節活
性の測定は、公知の方法、例えば、J. Biol. Chem., 27
5巻, 1065-72頁, 2000年記載の方法またはそれに準じる
方法に従っても測定することができる。具体的には、細
胞分化マーカー遺伝子(オステオポンチン、I型コラー
ゲン、II型コラーゲン、X型コラーゲンなど)の発現
制御領域とルシフェラーゼとを結合させたレポータープ
ラスミドおよび本発明のタンパク質C(例、SHOX
2)発現プラスミドを、マウスC3H10T1/2細胞
に導入し、試験化合物の非存在下および存在下培養し、
ルシフェラーゼ活性を測定することにより、細胞分化調
節活性を測定し、比較する。本発明のタンパク質Cを産
生する能力を有する細胞としては、例えば、前述した本
発明のタンパク質をコードするDNAを含有するベクタ
ーで形質転換された宿主(形質転換体)が用いられる。
宿主としては、例えば、マウスATDC5細胞、MC3
T3−E1細胞、C3H10T1/2細胞、CHO細胞
などの動物細胞が好ましく用いられる。該スクリーニン
グには、例えば、前述の方法で培養することによって、
本発明のタンパク質Cを細胞内に発現させた形質転換体
が好ましく用いられる。本発明のタンパク質Cを発現し
得る細胞の培養方法は、前記した本発明の形質変換体の
培養法と同様である。試験化合物としては、例えばペプ
チド、タンパク質、非ペプチド性化合物、合成化合物、
発酵生産物、細胞抽出液、植物抽出液、動物組織抽出液
などがあげられる。例えば、上記(ii)の場合における
細胞分化調節活性を上記(i)の場合に比べて、約20
%以上、好ましくは30%以上、より好ましくは約50
%以上上昇させる試験化合物を、本発明のタンパク質C
の活性を促進する化合物として、上記(ii)の場合にお
ける細胞分化調節活性を上記(i)の場合に比べて、約
20%以上、好ましくは30%以上、より好ましくは約
50%以上減少させる試験化合物を本発明のタンパク質
Cの活性を阻害する化合物として選択することができ
る。 (D)本発明のタンパク質Dを用いることを特徴とする
本発明のタンパク質Dの活性(例えば、カリウムイオン
輸送活性など)を調節する化合物またはその塩のスクリ
ーニング方法 具体的には、例えば、(i)本発明のタンパク質Dを産
生する能力を有する細胞のカリウムイオンの輸送と、
(ii)本発明のタンパク質Dを産生する能力を有する細
胞と試験化合物の混合物のカリウムイオンの輸送の比較
をすることを特徴する本発明のタンパク質Dの活性を調
節(促進または阻害)する化合物またはその塩のスクリ
ーニング方法が用いられる。上記スクリーニング方法に
おいては、例えば(i)と(ii)の場合において、カリ
ウムイオンの輸送活性を公知の方法により測定する。具
体的には、上記スクリーニング方法において、例えば
(i)と(ii)の場合において、カリウムイオンの輸送
をパッチ−クランプ法などで測定し、カリウムイオンの
輸送の指標として比較する。本発明のタンパク質Dを産
生する能力を有する細胞としては、例えば、前述した本
発明のタンパク質をコードするDNAを含有するベクタ
ーで形質転換された宿主(形質転換体)が用いられる。
宿主としては、例えば、マウスATDC5細胞、CHO
細胞などの動物細胞が好ましく用いられる。該スクリー
ニングには、例えば、前述の方法で培養することによっ
て、本発明のタンパク質Dを細胞膜上に発現させた形質
転換体が好ましく用いられる。本発明のタンパク質Dを
発現し得る細胞の培養方法は、前記した本発明の形質変
換体の培養法と同様である。試験化合物としては、例え
ばペプチド、タンパク質、非ペプチド性化合物、合成化
合物、発酵生産物、細胞抽出液、植物抽出液、動物組織
抽出液などがあげられる。例えば、上記(ii)の場合に
おけるカリウムイオンの輸送活性を上記(i)の場合に
比べて、約20%以上、好ましくは30%以上、より好
ましくは約50%以上上昇させる試験化合物を、本発明
のタンパク質Dの活性を促進する化合物として、上記
(ii)の場合におけるカリウムイオンの輸送活性を上記
(i)の場合に比べて、約20%以上、好ましくは30
%以上、より好ましくは約50%以上減少させる試験化
合物を本発明のタンパク質Dの活性を阻害する化合物と
して選択することができる。 (E)本発明のタンパク質Eを用いることを特徴とする
本発明のタンパク質Eの活性(例えば、シグナル情報伝
達活性、リガンド結合活性など)を調節する化合物また
はその塩のスクリーニング方法 具体的には、例えば、(i)本発明のタンパク質Eを産
生する能力を有する細胞のシグナル情報伝達活性または
リガンド結合活性と、(ii)本発明のタンパク質Eを産
生する能力を有する細胞と試験化合物の混合物のシグナ
ル情報伝達活性またはリガンド結合活性の比較すること
を特徴する本発明のタンパク質Eの活性を調節(促進ま
たは阻害)する化合物またはその塩のスクリーニング方
法が用いられる。上記スクリーニング方法においては、
例えば(i)と(ii)の場合において、シグナル情報伝
達活性およびリガンド結合活性を公知の方法により測定
する。具体的には、試験化合物の非存在下および存在
下、本発明のタンパク質E(例、EphA3)発現細胞
(例、EphA3を高発現させたATDC5細胞など)
を、(1)Ephrin/Fcキメラタンパク質(R&D
systems)の存在下培養し、または(2)本発明
のタンパク質E(例、EphA3)のリガンド発現細胞
と共培養し、細胞膜上に発現したEphA3を介するシ
グナル情報伝達活性(例えば、EphA3の自己リン酸
化、細胞内Ca2+遊離、イノシトールリン酸産生、細胞
膜電位変動、細胞内タンパク質のリン酸化、c−fos
活性化、pHの低下などを促進する活性または抑制する
活性)を、公知の方法により測定する。あるいは、試験
化合物の非存在下および存在下、(1)標識した本発明
のタンパク質E(例、EphA3)のリガンドを、本発
明のタンパク質Eに接触させ、標識したリガンドの該タ
ンパク質に対する結合量を測定し、比較する、(2)標
識した本発明のタンパク質E(例、EphA3)のリガ
ンドを、本発明のタンパク質Eを含有する細胞または該
細胞の膜画分に接触させ、標識したリガンドの該細胞ま
たは該膜画分に対する結合量を測定し、比較する、
(3)標識した本発明のタンパク質E(例、EphA
3)のリガンドを、本発明のタンパク質Eをコードする
DNAを含有する形質転換体を培養することによって細
胞膜上に発現した該タンパク質Eに接触させ、標識した
リガンドの該細胞または該膜画分に対する結合量を測定
し、比較する。本発明のタンパク質E(例、EphA
3)のリガンドとしては、EphrinAファミリーに
属するタンパク質(例、EphrinA2、Ephri
nA5など)などが挙げられる。本発明のタンパク質E
を産生する能力を有する細胞としては、例えば、前述し
た本発明のタンパク質をコードするDNAを含有するベ
クターで形質転換された宿主(形質転換体)が用いられ
る。宿主としては、例えば、マウスATDC5細胞、C
HO細胞などの動物細胞が好ましく用いられる。該スク
リーニングには、例えば、前述の方法で培養することに
よって、本発明のタンパク質Eを細胞膜上に発現させた
形質転換体が好ましく用いられる。本発明のタンパク質
Eを発現し得る細胞の培養方法は、前記した本発明の形
質変換体の培養法と同様である。試験化合物としては、
例えばペプチド、タンパク質、非ペプチド性化合物、合
成化合物、発酵生産物、細胞抽出液、植物抽出液、動物
組織抽出液などがあげられる。例えば、上記(ii)の場
合におけるシグナル情報伝達活性またはリガンド結合活
性を上記(i)の場合に比べて、約20%以上、好まし
くは30%以上、より好ましくは約50%以上上昇させ
る試験化合物を、本発明のタンパク質Eの活性を促進す
る化合物として、上記(ii)の場合におけるシグナル情
報伝達活性またはリガンド結合活性を上記(i)の場合
に比べて、約20%以上、好ましくは30%以上、より
好ましくは約50%以上減少させる試験化合物を本発明
のタンパク質Eの活性を阻害する化合物として選択する
ことができる。 (F)本発明のタンパク質Fを用いることを特徴とする
本発明のタンパク質Fの活性(例えば、マトリックスメ
タロプロテアーゼ活性など)を調節する化合物またはそ
の塩のスクリーニング方法 具体的には、本発明のタンパク質Fに試験化合物の存在
下および非存在下で基質を添加した場合における、それ
ぞれのプロテアーゼ活性を測定し、比較することを特徴
する本発明のタンパク質Fの活性を調節(促進または阻
害)する化合物またはその塩のスクリーニング方法が用
いられる。マトリックスメタロプロテアーゼ活性は、公
知の方法、例えばJ. Biol. Chem.271巻、17119-17123
頁、1996年記載の方法またはそれに準じる方法に従って
測定することができる。具体的には、Eur J. Biochem.
262巻、907-914頁、1999年記載の方法またはそれに準じ
る方法に従って、本発明のタンパク質F(例、MMP−
16)の膜結合領域および細胞内領域を欠失させた組換
えタンパク質を製造し、J. Biol. Chem. 271巻、17119-
17123頁、1996年記載の方法またはそれに準ずる方法で
基質を含む緩衝液(20 mM sodium tetraborate, pH 9.
0, 10 mM CaCl 2, 100 mM NaCl, 0.02% NaN3, 0.025% Br
ij 35(CN Biosciences 製))中で37℃で保温し、蛍光
強度を測定することによって、プロテアーゼ活性を測定
することができる。さらには、(i)本発明のタンパク
質Fを発現し得る細胞に基質を接触させて培養した場合
と(ii)本発明のタンパク質Fを発現し得る細胞に基質
および試験化合物を接触させて培養した場合とにおけ
る、プロテアーゼ活性を測定し、比較する。基質として
は、例えば、カゼイン、アゾカゼイン、III型コラーゲ
ン、軟骨プロテオグリカン(cartilage proteoglyca
n)、ゼラチン、フィブロネクチン、ヴィトロネクチン
(vitronectin)、ラミニン−1、α1−プロテイナー
ゼインヒビター、 α2−マクログロブリン、FITC
化したカゼイン、放射線標識(例、14C、3Hなど)し
たカゼイン、コラーゲン、アゾコラーゲン、FITC化
したコラーゲン、放射線標識したコラーゲン、またはN
末端側に(7−メトキシクマリン−4−イル)アセチル
基を、さらにそれより数残基C末端側にN3−(2,4
−ジニトロフェニル)−2,3−ジアミノプロピオニル
基を持ったオリゴペプチド類((7-メトキシクマリン-4-
イル)アセチル-Pro-Leu-Gly-Leu-[3-(2,4-ジニトロフェ
ニル)-L-2,3-ジアミノプロピオニル]-Ala-Arg-NH2
ど)などが用いられる。本発明のタンパク質Fを産生す
る能力を有する細胞としては、例えば、前述した本発明
のタンパク質をコードするDNAを含有するベクターで
形質転換された宿主(形質転換体)が用いられる。宿主
としては、例えば、CHO細胞などの動物細胞が好まし
く用いられる。該スクリーニングには、例えば、前述の
方法で培養することによって、本発明のタンパク質Fを
細胞膜上に発現させた形質転換体が好ましく用いられ
る。本発明のタンパク質Fを発現し得る細胞の培養方法
は、前記した本発明の形質変換体の培養法と同様であ
る。試験化合物としては、例えばペプチド、タンパク
質、非ペプチド性化合物、合成化合物、発酵生産物、細
胞抽出液、植物抽出液、動物組織抽出液などがあげられ
る。例えば、上記(ii)の場合における酵素活性を上記
(i)の場合に比べて、約20%以上、好ましくは30
%以上、より好ましくは約50%以上上昇させる試験化
合物を、本発明のタンパク質Fの活性を促進する化合物
として、上記(ii)の場合における酵素活性を上記
(i)の場合に比べて、約20%以上、好ましくは30
%以上、より好ましくは約50%以上減少させる試験化
合物を本発明のタンパク質Fの活性を阻害する化合物と
して選択することができる。
【0041】本発明のタンパク質の活性を促進する活性
を有する化合物は、本発明のタンパク質の作用または活
性を増強するための安全で低毒性な医薬として有用であ
る。本発明のタンパク質の活性を阻害する活性を有する
化合物は、本発明のタンパク質の作用または活性を抑制
するための安全で低毒性な医薬として有用である。本発
明のスクリーニング方法またはスクリーニング用キット
を用いて得られる化合物またはその塩は、例えば、ペプ
チド、タンパク、非ペプチド性化合物、合成化合物、発
酵生産物、細胞抽出液、植物抽出液、動物組織抽出液、
血漿などから選ばれた化合物である。該化合物の塩とし
ては、前記した本発明で用いられるタンパク質の塩と同
様のものが用いられる。
【0042】さらに、本発明のタンパク質をコードする
遺伝子(本発明のタンパク質遺伝子)も、変形性関節症
軟骨において発現が増加する。よって、本発明のタンパ
ク質をコードする遺伝子の発現を調節する化合物または
その塩(好ましくは、本発明のタンパク質の遺伝子の発
現を阻害する化合物またはその塩)は、例えば軟骨形成
異常、骨形成異常、骨粗鬆症、変形性関節症、慢性関節
リウマチ、関節炎、滑膜炎、代謝性関節症またはスポー
ツによる関節障害(例、テニス肘など)などの骨・関節
疾患の予防・治療剤として使用することができる。した
がって、本発明のDNAは、本発明のタンパク質をコー
ドする遺伝子の発現を調節する化合物またはその塩のス
クリーニングのための試薬として有用である。スクリー
ニング方法としては、(iii)本発明のタンパク質を産
生する能力を有する細胞を培養した場合と、(iv)試験
化合物の存在下、本発明で用いられるタンパク質を産生
する能力を有する細胞を培養した場合との比較を行うこ
とを特徴とするスクリーニング方法が挙げられる。上記
方法において、(iii)と(iv)の場合における、前記
遺伝子の発現量(具体的には、本発明のタンパク質量ま
たは前記タンパク質をコードするmRNA量)を測定し
て、比較する。試験化合物および本発明のタンパク質を
産生する能力を有する細胞としては、上記と同様のもの
が挙げられる。タンパク質量の測定は、公知の方法、例
えば、本発明のタンパク質を認識する抗体を用いて、細
胞抽出液中などに存在する前記タンパク質を、ウェスタ
ン解析、ELISA法などの方法またはそれに準じる方
法に従い測定することができる。mRNA量の測定は、
公知の方法、例えば、プローブとして配列番号:2、配
列番号:4、配列番号:6、配列番号:8、配列番号:
10、配列番号:12もしくは配列番号:14で表され
る塩基配列またはその一部を含有する核酸を用いるノー
ザンハイブリダイゼーション、あるいはプライマーとし
て配列番号:2、配列番号:4、配列番号:6、配列番
号:8、配列番号:10、配列番号:12もしくは配列
番号:14で表される塩基配列またはその一部を含有す
る核酸を用いるPCR法またはそれに準じる方法に従い
測定することができる。例えば、上記(iv)の場合にお
ける遺伝子発現量を、上記(iii)の場合に比べて、約
20%以上、好ましくは30%以上、より好ましくは約
50%以上上昇させる試験化合物を、本発明のタンパク
質をコードする遺伝子の発現を促進する化合物として、
約20%以上、好ましくは30%以上、より好ましくは
約50%以上阻害する試験化合物を、本発明のタンパク
質をコードする遺伝子の発現を阻害する化合物として選
択することができる。
【0043】本発明のスクリーニング用キットは、本発
明で用いられるタンパク質もしくは部分ペプチドまたは
その塩、または本発明で用いられるタンパク質もしくは
部分ペプチドを産生する能力を有する細胞を含有するも
のである。本発明のスクリーニング方法またはスクリー
ニング用キットを用いて得られる化合物またはその塩
は、上記した試験化合物、例えば、ペプチド、タンパ
ク、非ペプチド性化合物、合成化合物、発酵生産物、細
胞抽出液、植物抽出液、動物組織抽出液、血漿などから
選ばれた化合物またはその塩であり、本発明のタンパク
質の活性を調節する化合物またはその塩である。該化合
物の塩としては、前記した本発明のタンパク質の塩と同
様のものが用いられる。本発明のタンパク質の活性を調
節(好ましくは阻害)する化合物またはその塩、および
本発明のタンパク質をコードする遺伝子の発現を調節
(好ましくは阻害)する化合物またはその塩はそれぞ
れ、例えば、軟骨形成異常、骨形成異常、骨粗鬆症、変
形性関節症、慢性関節リウマチ、関節炎、滑膜炎、代謝
性関節症またはスポーツによる関節障害(例、テニス肘
など)などの骨・関節疾患の予防・治療剤として有用で
ある。本発明のスクリーニング方法またはスクリーニン
グ用キットを用いて得られる化合物またはその塩を上述
の予防・治療剤として使用する場合、常套手段に従って
製剤化することができる。
【0044】例えば、経口投与のための組成物として
は、固体または液体の剤形、具体的には錠剤(糖衣錠、
フィルムコーティング錠を含む)、丸剤、顆粒剤、散
剤、カプセル剤(ソフトカプセル剤を含む)、シロップ
剤、乳剤、懸濁剤などがあげられる。かかる組成物は公
知の方法によって製造され、製剤分野において通常用い
られる担体、希釈剤もしくは賦形剤を含有するものであ
る。例えば、錠剤用の担体、賦形剤としては、乳糖、で
んぷん、蔗糖、ステアリン酸マグネシウムなどが用いら
れる。非経口投与のための組成物としては、例えば、注
射剤、坐剤などが用いられ、注射剤は静脈注射剤、皮下
注射剤、皮内注射剤、筋肉注射剤、点滴注射剤、関節内
注射剤などの剤形を包含する。かかる注射剤は、公知の
方法に従って、例えば、上記抗体またはその塩を通常注
射剤に用いられる無菌の水性もしくは油性液に溶解、懸
濁または乳化することによって調製する。注射用の水性
液としては、例えば、生理食塩水、ブドウ糖やその他の
補助薬を含む等張液などが用いられ、適当な溶解補助
剤、例えば、アルコール(例、エタノール)、ポリアル
コール(例、プロピレングリコール、ポリエチレングリ
コール)、非イオン界面活性剤〔例、ポリソルベート8
0、HCO−50(ポリオキシエチレン(50mol)付
加 水素化ひまし油(adduct of hydrogenated castor o
il))〕などと併用してもよい。油性液としては、例え
ば、ゴマ油、大豆油などが用いられ、溶解補助剤として
安息香酸ベンジル、ベンジルアルコールなどを併用して
もよい。調製された注射液は、通常、適当なアンプルに
充填される。直腸投与に用いられる坐剤は、上記化合物
またはその塩を通常の坐薬用基剤に混合することによっ
て調製される。
【0045】上記の経口用または非経口用医薬組成物
は、活性成分の投与量に適合するような投薬単位の剤形
に調製されることが好都合である。かかる投薬単位の剤
形としては、錠剤、丸剤、カプセル剤、注射剤(アンプ
ル)、坐剤などが例示され、それぞれの投薬単位剤形当
たり通常5〜500mg、とりわけ注射剤では5〜10
0mg、その他の剤形では10〜250mgの上記化合
物が含有されていることが好ましい。なお前記した各組
成物は、上記化合物との配合により好ましくない相互作
用を生じない限り他の活性成分を含有してもよい。この
ようにして得られる製剤は安全で低毒性であるので、例
えば、ヒトまたは温血動物(例えば、マウス、ラット、
ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ウマ、トリ、ネコ、イ
ヌ、サル、チンパンジーなど)に対して経口的にまたは
非経口的に投与することができる。該化合物またはその
塩の投与量は、その作用、対象疾患、投与対象、投与ル
ートなどにより差異はあるが、例えば、変形性関節症の
治療の目的で本発明のタンパク質の活性を阻害する化合
物またはその塩を経口投与する場合、一般的に成人(体
重60kgとして)においては、一日につき該化合物ま
たはその塩を約0.1〜100mg、好ましくは約1.
0〜50mg、より好ましくは約1.0〜20mg投与
する。非経口的に投与する場合は、該化合物またはその
塩の1回投与量は投与対象、対象疾患などによっても異
なるが、例えば、変形性関節症の治療の目的で本発明の
タンパク質の活性を阻害する化合物またはその塩を注射
剤の形で通常成人(体重60kgとして)に投与する場
合、一日につき該化合物またはその塩を約0.01〜3
0mg程度、好ましくは約0.1〜20mg程度、より
好ましくは約0.1〜10mg程度を関節内注射により
投与するのが好都合である。他の動物の場合も、体重6
0kg当たりに換算した量を投与することができる。
【0046】(2)本発明のタンパク質、その部分ペプ
チドまたはその塩の定量 本発明のタンパク質に対する抗体(以下、本発明の抗体
と略記する場合がある)は、本発明のタンパク質を特異
的に認識することができるので、被検液中の本発明のタ
ンパク質の定量、特にサンドイッチ免疫測定法による定
量などに使用することができる。すなわち、本発明は、
(i)本発明の抗体と、被検液および標識化された本発
明のタンパク質とを競合的に反応させ、該抗体に結合し
た標識化された本発明のタンパク質の割合を測定するこ
とを特徴とする被検液中の本発明のタンパク質の定量
法、および(ii)被検液と担体上に不溶化した本発明の
抗体および標識化された本発明の別の抗体とを同時ある
いは連続的に反応させたのち、不溶化担体上の標識剤の
活性を測定することを特徴とする被検液中の本発明のタ
ンパク質の定量法を提供する。上記(ii)の定量法にお
いては、一方の抗体が本発明のタンパク質のN端部を認
識する抗体で、他方の抗体が本発明のタンパク質のC端
部に反応する抗体であることが望ましい。
【0047】また、本発明のタンパク質に対するモノク
ローナル抗体(以下、本発明のモノクローナル抗体と称
する場合がある)を用いて本発明のタンパク質の定量を
行なえるほか、組織染色等による検出を行なうこともで
きる。これらの目的には、抗体分子そのものを用いても
よく、また、抗体分子のF(ab')2 、Fab'、あるい
はFab画分を用いてもよい。本発明の抗体を用いる本
発明のタンパク質の定量法は、特に制限されるべきもの
ではなく、被測定液中の抗原量(例えば、タンパク質
量)に対応した抗体、抗原もしくは抗体−抗原複合体の
量を化学的または物理的手段により検出し、これを既知
量の抗原を含む標準液を用いて作製した標準曲線より算
出する測定法であれば、いずれの測定法を用いてもよ
い。例えば、ネフロメトリー、競合法、イムノメトリッ
ク法およびサンドイッチ法が好適に用いられるが、感
度、特異性の点で、後述するサンドイッチ法を用いるの
が特に好ましい。標識物質を用いる測定法に用いられる
標識剤としては、例えば、放射性同位元素、酵素、蛍光
物質、発光物質などが用いられる。放射性同位元素とし
ては、例えば、〔125I〕、〔131I〕、〔3H〕、〔14
C〕などが用いられる。上記酵素としては、安定で比活
性の大きなものが好ましく、例えば、β−ガラクトシダ
ーゼ、β−グルコシダーゼ、アルカリホスファターゼ、
パーオキシダーゼ、リンゴ酸脱水素酵素などが用いられ
る。蛍光物質としては、例えば、フルオレスカミン、フ
ルオレッセンイソチオシアネートなどが用いられる。発
光物質としては、例えば、ルミノール、ルミノール誘導
体、ルシフェリン、ルシゲニンなどが用いられる。さら
に、抗体あるいは抗原と標識剤との結合にビオチン−ア
ビジン系を用いることもできる。
【0048】抗原あるいは抗体の不溶化に当っては、物
理吸着を用いてもよく、また通常タンパク質あるいは酵
素等を不溶化、固定化するのに用いられる化学結合を用
いる方法でもよい。担体としては、アガロース、デキス
トラン、セルロースなどの不溶性多糖類、ポリスチレ
ン、ポリアクリルアミド、シリコン等の合成樹脂、ある
いはガラス等が挙げられる。サンドイッチ法においては
不溶化した本発明のモノクローナル抗体に被検液を反応
させ(1次反応)、さらに標識化した別の本発明のモノ
クローナル抗体を反応させ(2次反応)たのち、不溶化
担体上の標識剤の活性を測定することにより被検液中の
本発明のタンパク質量を定量することができる。1次反
応と2次反応は逆の順序に行っても、また、同時に行な
ってもよいし時間をずらして行なってもよい。標識化剤
および不溶化の方法は前記のそれらに準じることができ
る。また、サンドイッチ法による免疫測定法において、
固相用抗体あるいは標識用抗体に用いられる抗体は必ず
しも1種類である必要はなく、測定感度を向上させる等
の目的で2種類以上の抗体の混合物を用いてもよい。本
発明のサンドイッチ法による本発明のタンパク質の測定
法においては、1次反応と2次反応に用いられる本発明
のモノクローナル抗体は、本発明のタンパク質の結合す
る部位が相異なる抗体が好ましく用いられる。すなわ
ち、1次反応および2次反応に用いられる抗体は、例え
ば、2次反応で用いられる抗体が、本発明のタンパク質
のC端部を認識する場合、1次反応で用いられる抗体
は、好ましくはC端部以外、例えばN端部を認識する抗
体が用いられる。
【0049】本発明のモノクローナル抗体をサンドイッ
チ法以外の測定システム、例えば、競合法、イムノメト
リック法あるいはネフロメトリーなどに用いることがで
きる。競合法では、被検液中の抗原と標識抗原とを抗体
に対して競合的に反応させたのち、未反応の標識抗原
(F)と、抗体と結合した標識抗原(B)とを分離し
(B/F分離)、B,Fいずれかの標識量を測定し、被
検液中の抗原量を定量する。本反応法には、抗体として
可溶性抗体を用い、B/F分離をポリエチレングリコー
ル、前記抗体に対する第2抗体などを用いる液相法、お
よび、第1抗体として固相化抗体を用いるか、あるい
は、第1抗体は可溶性のものを用い第2抗体として固相
化抗体を用いる固相化法とが用いられる。イムノメトリ
ック法では、被検液中の抗原と固相化抗原とを一定量の
標識化抗体に対して競合反応させた後固相と液相を分離
するか、あるいは、被検液中の抗原と過剰量の標識化抗
体とを反応させ、次に固相化抗原を加え未反応の標識化
抗体を固相に結合させたのち、固相と液相を分離する。
次に、いずれかの相の標識量を測定し被検液中の抗原量
を定量する。また、ネフロメトリーでは、ゲル内あるい
は溶液中で抗原抗体反応の結果生じた不溶性の沈降物の
量を測定する。被検液中の抗原量が僅かであり、少量の
沈降物しか得られない場合にもレーザーの散乱を利用す
るレーザーネフロメトリーなどが好適に用いられる。
【0050】これら個々の免疫学的測定法を本発明の定
量方法に適用するにあたっては、特別の条件、操作等の
設定は必要とされない。それぞれの方法における通常の
条件、操作法に当業者の通常の技術的配慮を加えて本発
明のタンパク質の測定系を構築すればよい。これらの一
般的な技術手段の詳細については、総説、成書などを参
照することができる。例えば、入江 寛編「ラジオイム
ノアッセイ」(講談社、昭和49年発行)、入江 寛編
「続ラジオイムノアッセイ」(講談社、昭和54年発
行)、石川栄治ら編「酵素免疫測定法」(医学書院、昭
和53年発行)、石川栄治ら編「酵素免疫測定法」(第
2版)(医学書院、昭和57年発行)、石川栄治ら編
「酵素免疫測定法」(第3版)(医学書院、昭和62年
発行)、「Methods in ENZYMOLOGY」Vol. 70(Immunochem
ical Techniques(Part A))、 同書 Vol. 73(Immunochem
ical Techniques(Part B))、 同書 Vol. 74(Immunochem
ical Techniques(Part C))、 同書 Vol. 84(Immunochem
ical Techniques(Part D:Selected Immunoassays))、
同書 Vol. 92(Immunochemical Techniques(Part E:Mono
clonal Antibodies and General Immunoassay Method
s))、 同書 Vol. 121(Immunochemical Techniques(Part
I:Hybridoma Technology and Monoclonal Antibodie
s))(以上、アカデミックプレス社発行)などを参照する
ことができる。以上のようにして、本発明の抗体を用い
ることによって、本発明のタンパク質を感度良く定量す
ることができる。さらには、本発明の抗体を用いて本発
明のタンパク質の濃度を定量することによって、本発明
のタンパク質の濃度の増加または減少が検出された場
合、例えば、軟骨形成異常、骨形成異常、骨粗鬆症、変
形性関節症、慢性関節リウマチ、関節炎、滑膜炎、代謝
性関節症またはスポーツによる関節障害(例、テニス肘
など)などの骨・関節疾患である、または将来罹患する
可能性が高いと診断することができる。また、本発明の
抗体は、体液や組織などの被検体中に存在する本発明の
タンパク質を検出するために使用することができる。ま
た、本発明のタンパク質を精製するために使用する抗体
カラムの作製、精製時の各分画中の本発明のタンパク質
の検出、被検細胞内における本発明のタンパク質の挙動
の分析などのために使用することができる。
【0051】(3)遺伝子診断薬 本発明のDNAは、例えば、プローブとして使用するこ
とにより、ヒトまたは温血動物(例えば、ラット、マウ
ス、モルモット、ウサギ、トリ、ヒツジ、ブタ、ウシ、
ウマ、ネコ、イヌ、サル、チンパンジーなど)における
本発明のタンパク質またはその部分ペプチドをコードす
るDNAまたはmRNAの異常(遺伝子異常)を検出す
ることができるので、例えば、該DNAまたはmRNA
の損傷、突然変異あるいは発現低下や、該DNAまたは
mRNAの増加あるいは発現過多などの遺伝子診断薬と
して有用である。本発明のDNAを用いる上記の遺伝子
診断は、例えば、公知のノーザンハイブリダイゼーショ
ンやPCR−SSCP法Genomics,第5巻,874〜8
79頁(1989年)、Proceedings of the National
Academy of Sciences of the United States of Americ
a,第86巻,2766〜2770頁(1989年))
などにより実施することができる。例えば、ノーザンハ
イブリダイゼーションにより発現過多または減少が検出
された場合やPCR−SSCP法によりDNAの突然変
異が検出された場合は、例えば、軟骨形成異常、骨形成
異常、骨粗鬆症、変形性関節症、慢性関節リウマチ、関
節炎、滑膜炎、代謝性関節症またはスポーツによる関節
障害(例、テニス肘など)などの骨・関節疾患である可
能性が高いと診断することができる。
【0052】(4)アンチセンスポリヌクレオチドを含
有する医薬 本発明のDNAに相補的に結合し、該DNAの発現を抑
制することができる本発明のアンチセンスポリヌクレオ
チドは低毒性であり、生体内における本発明のタンパク
質または本発明のDNAの活性や機能(例、チロキシン
脱5’−ヨード化酵素活性、ピロリン酸輸送活性、細胞
分化調節活性、カリウムイオン輸送活性、Ephレセプ
ターのシグナル情報伝達活性またはリガンド結合活性、
マトリックスメタロプロテアーゼ活性など)を抑制する
ことができるので、例えば、軟骨形成異常、骨形成異
常、骨粗鬆症、変形性関節症、慢性関節リウマチ、関節
炎、滑膜炎、代謝性関節症またはスポーツによる関節障
害(例、テニス肘など)などの骨・関節疾患の予防・治
療剤として使用することができる。上記アンチセンスポ
リヌクレオチドを上記の予防・治療剤として使用する場
合、公知の方法に従って製剤化し、投与することができ
る。また、例えば、前記のアンチセンスポリヌクレオチ
ドを単独あるいはレトロウイルスベクター、アデノウイ
ルスベクター、アデノウイルスアソシエーテッドウイル
スベクターなどの適当なベクターに挿入した後、常套手
段に従って、ヒトまたは非ヒト哺乳動物(例、ラット、
ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サルなど)
に対して経口的または非経口的に投与することができ
る。該アンチセンスポリヌクレオチドは、そのままで、
あるいは摂取促進のために補助剤などの生理学的に認め
られる担体とともに製剤化し、遺伝子銃やハイドロゲル
カテーテルのようなカテーテルによって投与できる。あ
るいは、エアロゾル化して吸入剤として気管内に局所投
与することもできる。さらに、体内動態の改良、半減期
の長期化、細胞内取り込み効率の改善を目的に、前記の
アンチセンスポリヌクレオチドを単独またはリポゾーム
などの担体とともに製剤(注射剤)化し、静脈、皮下ま
たは関節腔内等に投与してもよい。該アンチセンスポリ
ヌクレオチドの投与量は、対象疾患、投与対象、投与ル
ートなどにより差異はあるが、例えば、変形性関節症の
治療の目的で本発明のアンチセンスポリヌクレオチドを
投与する場合、一般的に成人(体重60kg)において
は、一日につき該アンチセンスポリヌクレオチドを約
0.1〜100mg投与する。さらに、該アンチセンス
ポリヌクレオチドは、組織や細胞における本発明のDN
Aの存在やその発現状況を調べるための診断用オリゴヌ
クレオチドプローブとして使用することもできる。上記
アンチセンスヌクレオチドと同様に、本発明のタンパク
質をコードするRNAの一部を含有する二重鎖RNA、
本発明のタンパク質をコードするRNAの一部を含有す
るリボザイム、本発明のタンパク質(好ましくは本発明
のタンパク質C)が結合するDNA配列に対するデコイ
オリゴヌクレオチドなども、本発明の遺伝子の発現を抑
制することができ、生体内における本発明で用いられる
タンパク質または本発明で用いられるDNAの機能を抑
制することができるので、例えば、軟骨形成異常、骨形
成異常、骨粗鬆症、変形性関節症、慢性関節リウマチ、
関節炎、滑膜炎、代謝性関節症またはスポーツによる関
節障害(例、テニス肘など)などの骨・関節疾患の予防
・治療剤などとして使用することができる。二重鎖RN
Aは、公知の方法(例、Nature, 411巻, 494頁, 2001
年)に準じて、本発明のポリヌクレオチドの配列を基に
設計して製造することができる。リボザイムは、公知の
方法(例、TRENDS in Molecular Medicine, 7巻, 221
頁, 2001年)に準じて、本発明のポリヌクレオチドの配
列を基に設計して製造することができる。例えば、本発
明のタンパク質をコードするRNAの一部に公知のリボ
ザイムを連結することによって製造することができる。
本発明のタンパク質をコードするRNAの一部として
は、公知のリボザイムによって切断され得る本発明のR
NA上の切断部位に近接した部分(RNA断片)が挙げ
られる。デコイオリゴヌクレオチドは、公知の方法
(例、The Journal of Clinical Investigation, 106
巻, 1071頁, 2000年)に準じて、本発明のタンパク質
(好ましくは本発明のタンパク質C)が結合するDNA
の配列を基に設計して製造することができる。具体的に
は、該デコイオリゴヌクレオチドとしては、本発明のタ
ンパク質が結合するDNAの配列とハイストリンジェン
トな条件下でハイブリダイズする塩基配列を有し、本発
明のタンパク質が結合し得るものであれば何れのもので
もよい。本発明のタンパク質が結合するDNAの配列と
ハイブリダイズできる塩基配列としては、例えば、本発
明のタンパク質が結合するDNAの配列と約70%以
上、好ましくは約80%以上、より好ましくは約90%
以上、最も好ましくは約95%以上の相同性を有する塩
基配列などが用いられる。上記の二重鎖RNA、リボザ
イムまたはデコイオリゴヌクレオチドを上記予防・治療
剤として使用する場合、アンチセンスポリヌクレオチド
と同様にして製剤化し、投与することができる。
【0053】(5)本発明の抗体を含有する医薬 本発明のタンパク質の活性を中和する作用を有する本発
明の抗体は、例えば、軟骨形成異常、骨形成異常、骨粗
鬆症、変形性関節症、慢性関節リウマチ、関節炎、滑膜
炎、代謝性関節症またはスポーツによる関節障害(例、
テニス肘など)などの骨・関節疾患の予防・治療剤とし
て使用することができる。本発明の抗体を含有する上記
疾患の予防・治療剤は低毒性であり、そのまま液剤とし
て、または適当な剤型の医薬組成物として、ヒトまたは
非ヒト哺乳動物(例、ラット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、
ウシ、ネコ、イヌ、サルなど)に対して経口的または非
経口的(例、関節内投与)に投与することができる。投
与量は、投与対象、対象疾患、症状、投与ルートなどに
よっても異なるが、例えば、成人の変形性関節症の治療
・予防のために使用する場合には、本発明の抗体を1回
量として、通常0.01〜20mg/kg体重程度、好
ましくは0.1〜10mg/kg体重程度、さらに好ま
しくは0.1〜5mg/kg体重程度を、1日1〜5回
程度、好ましくは1日1〜3回程度、粉末吸入剤により
投与するのが好都合である。他の非経口投与および経口
投与の場合もこれに準ずる量を投与することができる。
症状が特に重い場合には、その症状に応じて増量しても
よい。本発明の抗体は、それ自体または適当な医薬組成
物として投与することができる。上記投与に用いられる
医薬組成物は、上記抗体またはその塩と薬理学的に許容
され得る担体、希釈剤もしくは賦形剤とを含むものであ
る。かかる組成物は、経口または非経口投与(例、関節
内投与)に適する剤形として提供される。好ましくは吸
入剤として提供される。なお前記した各組成物は、上記
抗体との配合により好ましくない相互作用を生じない限
り他の活性成分を含有してもよい。
【0054】(6)本発明の「チロキシン脱5’−ヨー
ド化酵素活性調節作用、ピロリン酸輸送活性調節作用、
カリウムイオン輸送活性調節作用またはEphレセプタ
ーのシグナル情報伝達活性調節作用もしくはリガンド結
合活性調節作用を有する化合物またはその塩を含有して
なる骨・関節疾患の予防・治療剤」および「チロキシン
脱5’−ヨード化酵素発現調節作用、ピロリン酸輸送体
発現調節作用、カリウムイオン輸送体発現調節作用また
はEphレセプター発現調節作用を有する化合物または
その塩を含有してなる骨・関節疾患の予防・治療剤」に
ついて 該「チロキシン脱5’−ヨード化酵素活性調節作用、ピ
ロリン酸輸送活性調節作用、カリウムイオン輸送活性調
節作用またはEphレセプターのシグナル情報伝達活性
調節作用もしくはリガンド結合活性調節作用を有する化
合物」は、チロキシン脱5’−ヨード化酵素活性調節作
用、ピロリン酸輸送活性調節作用、カリウムイオン輸送
活性調節作用またはEphレセプターのシグナル情報伝
達活性調節作用もしくはリガンド結合活性調節作用を有
する化合物であればいかなるものでもよく、軟骨形成異
常、骨形成異常、骨粗鬆症、変形性関節症、慢性関節リ
ウマチ、関節炎、滑膜炎、代謝性関節症またはスポーツ
による関節障害(例、テニス肘)などの骨・関節疾患の
予防・治療剤として用いられる。該「チロキシン脱5’
−ヨード化酵素発現調節作用、ピロリン酸輸送体発現調
節作用、カリウムイオン輸送体発現調節作用またはEp
hレセプター発現調節作用を有する化合物」は、チロキ
シン脱5’−ヨード化酵素発現調節作用、ピロリン酸輸
送体発現調節作用、カリウムイオン輸送体発現調節作用
またはEphレセプター発現調節作用を有する化合物で
あればいかなるものでもよく、軟骨形成異常、骨形成異
常、骨粗鬆症、変形性関節症、慢性関節リウマチ、関節
炎、滑膜炎、代謝性関節症またはスポーツによる関節障
害(例、テニス肘)などの骨・関節疾患の予防・治療剤
として用いられる。上記「Ephレセプター」として
は、EphA1、EphA2、EphA3、EphA
4、EphA5、EphA6、EphA7、EphA
8、EphB1、EphB2、EphB3、EphB
4、EphB5、EphB6などが挙げられる。該予防
・治療剤は、上記と同様にして製造される。
【0055】(7)DNA導入動物 本発明は、外来性の本発明のタンパク質をコードするD
NA(以下、本発明の外来性DNAと略記する)または
その変異DNA(本発明の外来性変異DNAと略記する
場合がある)を有する非ヒト哺乳動物を提供する。すな
わち、本発明は、(1)本発明の外来性DNAまたはそ
の変異DNAを有する非ヒト哺乳動物、(2)非ヒト哺
乳動物がゲッ歯動物である第(1)記載の動物、(3)ゲ
ッ歯動物がマウスまたはラットである第(2)記載の動
物、および(4)本発明の外来性DNAまたはその変異
DNAを含有し、哺乳動物において発現しうる組換えベ
クターを提供するものである。本発明の外来性DNAま
たはその変異DNAを有する非ヒト哺乳動物(以下、本
発明のDNA導入動物と略記する)は、未受精卵、受精
卵、精子およびその始原細胞を含む胚芽細胞などに対し
て、好ましくは、非ヒト哺乳動物の発生における胚発生
の段階(さらに好ましくは、単細胞または受精卵細胞の
段階でかつ一般に8細胞期以前)に、リン酸カルシウム
法、電気パルス法、リポフェクション法、凝集法、マイ
クロインジェクション法、パーティクルガン法、DEA
E−デキストラン法などにより目的とするDNAを導入
することによって作出することができる。また、該DN
A導入方法により、体細胞、生体の臓器、組織細胞など
に目的とする本発明の外来性DNAを導入し、細胞培
養、組織培養などに利用することもでき、さらに、これ
ら細胞を上述の胚芽細胞と公知の細胞融合法により融合
させることにより本発明のDNA導入動物を作出するこ
ともできる。非ヒト哺乳動物としては、例えば、ウシ、
ブタ、ヒツジ、ヤギ、ウサギ、イヌ、ネコ、モルモッ
ト、ハムスター、マウス、ラットなどが用いられる。な
かでも、病体動物モデル系の作成の面から個体発生およ
び生物サイクルが比較的短く、また、繁殖が容易なゲッ
歯動物、とりわけマウス(例えば、純系として、C57
BL/6系統,DBA2系統など、交雑系として、B6
C3F1系統,BDF1系統,B6D2F1系統,BAL
B/c系統,ICR系統など)またはラット(例えば、
Wistar,SDなど)などが好ましい。哺乳動物に
おいて発現しうる組換えベクターにおける「哺乳動物」
としては、上記の非ヒト哺乳動物の他にヒトなどがあげ
られる。
【0056】本発明の外来性DNAとは、非ヒト哺乳動
物が本来有している本発明のDNAではなく、いったん
哺乳動物から単離・抽出された本発明のDNAをいう。
本発明の変異DNAとしては、元の本発明のDNAの塩
基配列に変異(例えば、突然変異など)が生じたもの、
具体的には、塩基の付加、欠損、他の塩基への置換など
が生じたDNAなどが用いられ、また、異常DNAも含
まれる。該異常DNAとしては、異常な本発明のタンパ
ク質を発現させるDNAを意味し、例えば、正常な本発
明のタンパク質の機能を抑制するタンパク質を発現させ
るDNAなどが用いられる。本発明の外来性DNAは、
対象とする動物と同種あるいは異種のどちらの哺乳動物
由来のものであってもよい。本発明のDNAを対象動物
に導入させるにあたっては、該DNAを動物細胞で発現
させうるプロモーターの下流に結合したDNAコンスト
ラクトとして用いるのが一般に有利である。例えば、本
発明のヒトDNAを導入させる場合、これと相同性が高
い本発明のDNAを有する各種哺乳動物(例えば、ウサ
ギ、イヌ、ネコ、モルモット、ハムスター、ラット、マ
ウスなど)由来のDNAを発現させうる各種プロモータ
ーの下流に、本発明のヒトDNAを結合したDNAコン
ストラクト(例、ベクターなど)を対象哺乳動物の受精
卵、例えば、マウス受精卵へマイクロインジェクション
することによって本発明のDNAを高発現するDNA導
入哺乳動物を作出することができる。
【0057】本発明のタンパク質の発現ベクターとして
は、大腸菌由来のプラスミド、枯草菌由来のプラスミ
ド、酵母由来のプラスミド、λファージなどのバクテリ
オファージ、モロニー白血病ウィルスなどのレトロウィ
ルス、ワクシニアウィルスまたはバキュロウィルスなど
の動物ウイルスなどが用いられる。なかでも、大腸菌由
来のプラスミド、枯草菌由来のプラスミドまたは酵母由
来のプラスミドなどが好ましく用いられる。上記のDN
A発現調節を行なうプロモーターとしては、例えば、
ウイルス(例、シミアンウイルス、サイトメガロウイル
ス、モロニー白血病ウイルス、JCウイルス、乳癌ウイ
ルス、ポリオウイルスなど)に由来するDNAのプロモ
ーター、各種哺乳動物(ヒト、ウサギ、イヌ、ネコ、
モルモット、ハムスター、ラット、マウスなど)由来の
プロモーター、例えば、アルブミン、インスリンII、
ウロプラキンII、エラスターゼ、エリスロポエチン、
エンドセリン、筋クレアチンキナーゼ、グリア線維性酸
性タンパク質、グルタチオンS−トランスフェラーゼ、
血小板由来成長因子β、ケラチンK1,K10およびK
14、コラーゲンI型およびII型、サイクリックAM
P依存タンパク質キナーゼβIサブユニット、ジストロ
フィン、酒石酸抵抗性アルカリホスファターゼ、心房ナ
トリウム利尿性因子、内皮レセプターチロシンキナーゼ
(一般にTie2と略される)、ナトリウムカリウムア
デノシン3リン酸化酵素(Na,K−ATPase)、
ニューロフィラメント軽鎖、メタロチオネインIおよび
IIA、メタロプロティナーゼ1組織インヒビター、M
HCクラスI抗原(H−2L)、H−ras、レニン、
ドーパミンβ−水酸化酵素、甲状腺ペルオキシダーゼ
(TPO)、ペプチド鎖延長因子1α(EF−1α)、
βアクチン、αおよびβミオシン重鎖、ミオシン軽鎖1
および2、ミエリン基礎タンパク質、チログロブリン、
Thy−1、免疫グロブリン、H鎖可変部(VNP)、
血清アミロイドPコンポーネント、ミオグロビン、トロ
ポニンC、平滑筋αアクチン、プレプロエンケファリン
A、バソプレシンなどのプロモーターなどが用いられ
る。なかでも、全身で高発現することが可能なサイトメ
ガロウイルスプロモーター、ヒトペプチド鎖延長因子1
α(EF−1α)のプロモーター、ヒトおよびニワトリ
βアクチンプロモーターなどが好適である。上記ベクタ
ーは、DNA導入哺乳動物において目的とするメッセン
ジャーRNAの転写を終結する配列(一般にターミネタ
ーと呼ばれる)を有していることが好ましく、例えば、
ウイルス由来および各種哺乳動物由来の各DNAの配列
を用いることができ、好ましくは、シミアンウイルスの
SV40ターミネターなどが用いられる。
【0058】その他、目的とする外来性DNAをさらに
高発現させる目的で各DNAのスプライシングシグナ
ル、エンハンサー領域、真核DNAのイントロンの一部
などをプロモーター領域の5'上流、プロモーター領域
と翻訳領域間あるいは翻訳領域の3’下流 に連結する
ことも目的により可能である。正常な本発明のタンパク
質の翻訳領域は、ヒトまたは各種哺乳動物(例えば、ウ
サギ、イヌ、ネコ、モルモット、ハムスター、ラット、
マウスなど)由来の肝臓、腎臓、甲状腺細胞、線維芽細
胞由来DNAおよび市販の各種ゲノムDNAライブラリ
ーよりゲノムDNAの全てあるいは一部として、または
肝臓、腎臓、甲状腺細胞、線維芽細胞由来RNAより公
知の方法により調製された相補DNAを原料として取得
することが出来る。また、外来性の異常DNAは、上記
の細胞または組織より得られた正常なタンパク質の翻訳
領域を点突然変異誘発法により変異した翻訳領域を作製
することができる。該翻訳領域は導入動物において発現
しうるDNAコンストラクトとして、前記のプロモータ
ーの下流および所望により転写終結部位の上流に連結さ
せる通常のDNA工学的手法により作製することができ
る。受精卵細胞段階における本発明の外来性DNAの導
入は、対象哺乳動物の胚芽細胞および体細胞のすべてに
存在するように確保される。DNA導入後の作出動物の
胚芽細胞において、本発明の外来性DNAが存在するこ
とは、作出動物の後代がすべて、その胚芽細胞および体
細胞のすべてに本発明の外来性DNAを保持することを
意味する。本発明の外来性DNAを受け継いだこの種の
動物の子孫はその胚芽細胞および体細胞のすべてに本発
明の外来性DNAを有する。本発明の外来性正常DNA
を導入させた非ヒト哺乳動物は、交配により外来性DN
Aを安定に保持することを確認して、該DNA保有動物
として通常の飼育環境で継代飼育することが出来る。受
精卵細胞段階における本発明の外来性DNAの導入は、
対象哺乳動物の胚芽細胞および体細胞の全てに過剰に存
在するように確保される。DNA導入後の作出動物の胚
芽細胞において本発明の外来性DNAが過剰に存在する
ことは、作出動物の子孫が全てその胚芽細胞および体細
胞の全てに本発明の外来性DNAを過剰に有することを
意味する。本発明の外来性DNAを受け継いだこの種の
動物の子孫はその胚芽細胞および体細胞の全てに本発明
の外来性DNAを過剰に有する。導入DNAを相同染色
体の両方に持つホモザイゴート動物を取得し、この雌雄
の動物を交配することによりすべての子孫が該DNAを
過剰に有するように繁殖継代することができる。
【0059】本発明の正常DNAを有する非ヒト哺乳動
物は、本発明の正常DNAが高発現させられており、内
在性の正常DNAの機能を促進することにより最終的に
本発明のタンパク質の機能亢進症を発症することがあ
り、その病態モデル動物として利用することができる。
例えば、本発明の正常DNA導入動物を用いて、本発明
のタンパク質の機能亢進症や、本発明のタンパク質が関
連する疾患の病態機序の解明およびこれらの疾患の治療
方法の検討を行なうことが可能である。また、本発明の
外来性正常DNAを導入させた哺乳動物は、遊離した本
発明のタンパク質の増加症状を有することから、本発明
のタンパク質に関連する疾患に対する予防・治療剤、例
えば、軟骨形成異常、骨形成異常、骨粗鬆症、変形性関
節症、慢性関節リウマチ、関節炎、滑膜炎、代謝性関節
症またはスポーツによる関節障害(例、テニス肘)など
の骨・関節疾患の予防・治療剤のスクリーニング試験に
も利用可能である。一方、本発明の外来性異常DNAを
有する非ヒト哺乳動物は、交配により外来性DNAを安
定に保持することを確認して該DNA保有動物として通
常の飼育環境で継代飼育することが出来る。さらに、目
的とする外来DNAを前述のプラスミドに組み込んで原
科として用いることができる。プロモーターとのDNA
コンストラク卜は、通常のDNA工学的手法によって作
製することができる。受精卵細胞段階における本発明の
異常DNAの導入は、対象哺乳動物の胚芽細胞および体
細胞の全てに存在するように確保される。DNA導入後
の作出動物の胚芽細胞において本発明の異常DNAが存
在することは、作出動物の子孫が全てその胚芽細胞およ
び体細胞の全てに本発明の異常DNAを有することを意
味する。本発明の外来性DNAを受け継いだこの種の動
物の子孫は、その胚芽細胞および体細胞の全てに本発明
の異常DNAを有する。導入DNAを相同染色体の両方
に持つホモザイゴート動物を取得し、この雌雄の動物を
交配することによりすべての子孫が該DNAを有するよ
うに繁殖継代することができる。
【0060】本発明の異常DNAを有する非ヒト哺乳動
物は、本発明の異常DNAが高発現させられており、内
在性の正常DNAの機能を阻害することにより最終的に
本発明のタンパク質の機能不活性型不応症となることが
あり、その病態モデル動物として利用することができ
る。例えば、本発明の異常DNA導入動物を用いて、本
発明のタンパク質の機能不活性型不応症の病態機序の解
明およびこの疾患を治療方法の検討を行なうことが可能
である。また、具体的な利用可能性としては、本発明の
異常DNA高発現動物は、本発明のタンパク質の機能不
活性型不応症における本発明の異常タンパク質による正
常タンパク質の機能阻害(dominant negative作用)を
解明するモデルとなる。また、本発明の外来異常DNA
を導入させた哺乳動物は、遊離した本発明のタンパク質
の増加症状を有することから、本発明のタンパク質また
は機能不活性型不応症に対する予防・治療剤、例えば、
軟骨形成異常、骨形成異常、骨粗鬆症、変形性関節症、
慢性関節リウマチ、関節炎、滑膜炎、代謝性関節症また
はスポーツによる関節障害(例、テニス肘)などの骨・
関節疾患の予防・治療剤のスクリーニング試験にも利用
可能である。また、上記2種類の本発明のDNA導入動
物のその他の利用可能性として、例えば、 組織培養のための細胞源としての使用、 本発明のDNA導入動物の組織中のDNAもしくはR
NAを直接分析するか、またはDNAにより発現された
ペプチド組織を分析することによる、本発明のタンパク
質により特異的に発現あるいは活性化するペプチドとの
関連性についての解析、 DNAを有する組織の細胞を標準組織培養技術により
培養し、これらを使用して、一般に培養困難な組織から
の細胞の機能の研究、 上記記載の細胞を用いることによる細胞の機能を高
めるような薬剤のスクリーニング、および 本発明の変異タンパク質を単離精製およびその抗体作
製などが考えられる。
【0061】さらに、本発明のDNA導入動物を用い
て、本発明のタンパク質の機能不活性型不応症などを含
む、本発明のタンパク質に関連する疾患の臨床症状を調
べることができ、また、本発明のタンパク質に関連する
疾患モデルの各臓器におけるより詳細な病理学的所見が
得られ、新しい治療方法の開発、さらには、該疾患によ
る二次的疾患の研究および治療に貢献することができ
る。また、本発明のDNA導入動物から各臓器を取り出
し、細切後、トリプシンなどのタンパク質分解酵素によ
り、遊離したDNA導入細胞の取得、その培養またはそ
の培養細胞の系統化を行なうことが可能である。さら
に、本発明のタンパク質産生細胞の特定化、アポトーシ
ス、分化あるいは増殖との関連性、またはそれらにおけ
るシグナル伝達機構を調べ、それらの異常を調べること
などができ、本発明のタンパク質およびその作用解明の
ための有効な研究材料となる。さらに、本発明のDNA
導入動物を用いて、本発明のタンパク質の機能不活性型
不応症を含む、本発明のタンパク質に関連する疾患の治
療薬の開発を行なうために、上述の検査法および定量法
などを用いて、有効で迅速な該疾患治療薬のスクリーニ
ング法を提供することが可能となる。また、本発明のD
NA導入動物または本発明の外来性DNA発現ベクター
を用いて、本発明のタンパク質が関連する疾患のDNA
治療法を検討、開発することが可能である。
【0062】(8)ノックアウト動物 本発明は、本発明のDNAが不活性化された非ヒト哺乳
動物胚幹細胞および本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳
動物を提供する。すなわち、本発明は、(1)本発明の
DNAが不活性化された非ヒト哺乳動物胚幹細胞、
(2)該DNAがレポーター遺伝子(例、大腸菌由来の
β−ガラクトシダーゼ遺伝子)を導入することにより不
活性化された第(1)項記載の胚幹細胞、(3)ネオマ
イシン耐性である第(1)項記載の胚幹細胞、(4)非
ヒト哺乳動物がゲッ歯動物である第(1)項記載の胚幹
細胞、(5)ゲッ歯動物がマウスである第(4)項記載
の胚幹細胞、(6)本発明のDNAが不活性化された該
DNA発現不全非ヒト哺乳動物、(7)該DNAがレポ
ーター遺伝子(例、大腸菌由来のβ−ガラクトシダーゼ
遺伝子)を導入することにより不活性化され、該レポー
ター遺伝子が本発明のDNAに対するプロモーターの制
御下で発現しうる第(6)項記載の非ヒト哺乳動物、
(8)非ヒト哺乳動物がゲッ歯動物である第(6)項記
載の非ヒト哺乳動物、(9)ゲッ歯動物がマウスである
第(8)項記載の非ヒト哺乳動物、および(10)第
(7)項記載の動物に、試験化合物を投与し、レポータ
ー遺伝子の発現を検出することを特徴とする本発明のD
NAに対するプロモーター活性を促進または阻害する化
合物またはその塩のスクリーニング方法を提供する。
【0063】本発明のDNAが不活性化された非ヒト哺
乳動物胚幹細胞とは、該非ヒト哺乳動物が有する本発明
のDNAに人為的に変異を加えることにより、DNAの
発現能を抑制するか、もしくは該DNAがコードしてい
る本発明のタンパク質の活性を実質的に喪失させること
により、DNAが実質的に本発明のタンパク質の発現能
を有さない(以下、本発明のノックアウトDNAと称す
ることがある)非ヒト哺乳動物の胚幹細胞(以下、ES
細胞と略記する)をいう。非ヒト哺乳動物としては、前
記と同様のものが用いられる。本発明のDNAに人為的
に変異を加える方法としては、例えば、遺伝子工学的手
法により該DNA配列の一部又は全部の削除、他DNA
を挿入または置換させることによって行なうことができ
る。これらの変異により、例えば、コドンの読み取り枠
をずらしたり、プロモーターあるいはエキソンの機能を
破壊することにより本発明のノックアウトDNAを作製
すればよい。
【0064】本発明のDNAが不活性化された非ヒト哺
乳動物胚幹細胞(以下、本発明のDNA不活性化ES細
胞または本発明のノックアウトES細胞と略記する)の
具体例としては、例えば、目的とする非ヒト哺乳動物が
有する本発明のDNAを単離し、そのエキソン部分にネ
オマイシン耐性遺伝子、ハイグロマイシン耐性遺伝子を
代表とする薬剤耐性遺伝子、あるいはlacZ(β−ガ
ラクトシダーゼ遺伝子)、cat(クロラムフェニコー
ルアセチルトランスフェラーゼ遺伝子)を代表とするレ
ポーター遺伝子等を挿入することによりエキソンの機能
を破壊するか、あるいはエキソン間のイントロン部分に
遺伝子の転写を終結させるDNA配列(例えば、pol
yA付加シグナルなど)を挿入し、完全なメッセンジャ
ーRNAを合成できなくすることによって、結果的に遺
伝子を破壊するように構築したDNA配列を有するDN
A鎖(以下、ターゲッティングベクターと略記する)
を、例えば相同組換え法により該動物の染色体に導入
し、得られたES細胞について本発明のDNA上あるい
はその近傍のDNA配列をプローブとしたサザンハイブ
リダイゼーション解析あるいはターゲッティングベクタ
ー上のDNA配列とターゲッティングベクター作製に使
用した本発明のDNA以外の近傍領域のDNA配列をプ
ライマーとしたPCR法により解析し、本発明のノック
アウトES細胞を選別することにより得ることができ
る。また、相同組換え法等により本発明のDNAを不活
化させる元のES細胞としては、例えば、前述のような
既に樹立されたものを用いてもよく、また公知 Evansと
Kaufmaの方法に準じて新しく樹立したものでもよい。例
えば、マウスのES細胞の場合、現在、一般的には12
9系のES細胞が使用されているが、免疫学的背景がは
っきりしていないので、これに代わる純系で免疫学的に
遺伝的背景が明らかなES細胞を取得するなどの目的で
例えば、C57BL/6マウスやC57BL/6の採卵
数の少なさをDBA/2との交雑により改善したBDF
1マウス(C57BL/6とDBA/2とのF1)を用い
て樹立したものなども良好に用いうる。BDF1マウス
は、採卵数が多く、かつ、卵が丈夫であるという利点に
加えて、C57BL/6マウスを背景に持つので、これ
を用いて得られたES細胞は病態モデルマウスを作出し
たとき、C57BL/6マウスとバッククロスすること
でその遺伝的背景をC57BL/6マウスに代えること
が可能である点で有利に用い得る。また、ES細胞を樹
立する場合、一般には受精後3.5日目の胚盤胞を使用
するが、これ以外に8細胞期胚を採卵し胚盤胞まで培養
して用いることにより効率よく多数の初期胚を取得する
ことができる。また、雌雄いずれのES細胞を用いても
よいが、通常雄のES細胞の方が生殖系列キメラを作出
するのに都合が良い。また、煩雑な培養の手間を削減す
るためにもできるだけ早く雌雄の判別を行なうことが望
ましい。
【0065】ES細胞の雌雄の判定方法としては、例え
ば、PCR法によりY染色体上の性決定領域の遺伝子を
増幅、検出する方法が、その1例としてあげることがで
きる。この方法を使用すれば、従来、核型分析をするの
に約106個の細胞数を要していたのに対して、1コロ
ニー程度のES細胞数(約50個)で済むので、培養初
期におけるES細胞の第一次セレクションを雌雄の判別
で行なうことが可能であり、早期に雄細胞の選定を可能
にしたことにより培養初期の手間は大幅に削減できる。
また、第二次セレクションとしては、例えば、G−バン
ディング法による染色体数の確認等により行うことがで
きる。得られるES細胞の染色体数は正常数の100%
が望ましいが、樹立の際の物理的操作等の関係上困難な
場合は、ES細胞の遺伝子をノックアウトした後、正常
細胞(例えば、マウスでは染色体数が2n=40である
細胞)に再びクローニングすることが望ましい。このよ
うにして得られた胚幹細胞株は、通常その増殖性は大変
良いが、個体発生できる能力を失いやすいので、注意深
く継代培養することが必要である。例えば、STO繊維
芽細胞のような適当なフィーダー細胞上でLIF(1−
10000U/ml)存在下に炭酸ガス培養器内(好ましく
は、5%炭酸ガス、95%空気または5%酸素、5%炭
酸ガス、90%空気)で約37℃で培養するなどの方法
で培養し、継代時には、例えば、トリプシン/EDTA
溶液(通常0.001−0.5%トリプシン/0.1−5
mM EDTA、好ましくは約0.1%トリプシン/1m
M EDTA)処理により単細胞化し、新たに用意した
フィーダー細胞上に播種する方法などがとられる。この
ような継代は、通常1−3日毎に行なうが、この際に細
胞の観察を行い、形態的に異常な細胞が見受けられた場
合はその培養細胞は放棄することが望まれる。ES細胞
は、適当な条件により、高密度に至るまで単層培養する
か、または細胞集塊を形成するまで浮遊培養することに
より、頭頂筋、内臓筋、心筋などの種々のタイプの細胞
に分化させることが可能であり〔M. J. Evans及びM. H.
Kaufman, ネイチャー(Nature)第292巻、154頁、1981
年;G. R. Martin Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A.第7
8巻、7634頁、1981年;T. C. Doetschman ら、Journalo
f embryology and experimerimental morophology、第8
7巻、27頁、1985年〕、本発明のES細胞を分化させて
得られる本発明のDNA発現不全細胞は、インビトロに
おける本発明のタンパク質の細胞生物学的検討において
有用である。
【0066】本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物
は、該動物のmRNA量を公知方法を用いて測定して間
接的にその発現量を比較することにより、正常動物と区
別することが可能である。該非ヒト哺乳動物としては、
前記と同様のものが用いられる。本発明のDNA発現不
全非ヒト哺乳動物は、例えば、前述のようにして作製し
たターゲッティングベクターをマウス胚幹細胞またはマ
ウス卵細胞に導入し、導入によりターゲッティングベク
ターの本発明のDNAが不活性化されたDNA配列が遺
伝子相同組換えにより、マウス胚幹細胞またはマウス卵
細胞の染色体上の本発明のDNAと入れ換わる相同組換
えをさせることにより、本発明のDNAをノックアウト
させることができる。本発明のDNAがノックアウトさ
れた細胞は、本発明のDNA上またはその近傍のDNA
配列をプローブとしたサザンハイブリダイゼーション解
析またはターゲッティングベクター上のDNA配列と、
ターゲッティングベクターに使用したマウス由来の本発
明のDNA以外の近傍領域のDNA配列とをプライマー
としたPCR法による解析で判定することができる。非
ヒト哺乳動物胚幹細胞を用いた場合は、遺伝子相同組換
えにより、本発明のDNAが不活性化された細胞株をク
ローニングし、その細胞を適当な時期、例えば、8細胞
期の非ヒト哺乳動物胚または胚盤胞に注入し、作製した
キメラ胚を偽妊娠させた該非ヒト哺乳動物の子宮に移植
する。作出された動物は正常な本発明のDNA座をもつ
細胞と人為的に変異した本発明のDNA座をもつ細胞と
の両者から構成されるキメラ動物である。該キメラ動物
の生殖細胞の一部が変異した本発明のDNA座をもつ場
合、このようなキメラ個体と正常個体を交配することに
より得られた個体群より、全ての組織が人為的に変異を
加えた本発明のDNA座をもつ細胞で構成された個体
を、例えば、コートカラーの判定等により選別すること
により得られる。このようにして得られた個体は、通
常、本発明のタンパク質のヘテロ発現不全個体であり、
本発明のタンパク質のヘテロ発現不全個体同志を交配
し、それらの産仔から本発明のタンパク質のホモ発現不
全個体を得ることができる。
【0067】卵細胞を使用する場合は、例えば、卵細胞
核内にマイクロインジェクション法でDNA溶液を注入
することによりターゲッティングベクターを染色体内に
導入したトランスジェニック非ヒト哺乳動物を得ること
ができ、これらのトランスジェニック非ヒト哺乳動物に
比べて、遺伝子相同組換えにより本発明のDNA座に変
異のあるものを選択することにより得られる。このよう
にして本発明のDNAがノックアウトされている個体
は、交配により得られた動物個体も該DNAがノックア
ウトされていることを確認して通常の飼育環境で飼育継
代を行なうことができる。さらに、生殖系列の取得およ
び保持についても常法に従えばよい。すなわち、該不活
化DNAの保有する雌雄の動物を交配することにより、
該不活化DNAを相同染色体の両方に持つホモザイゴー
ト動物を取得しうる。得られたホモザイゴート動物は、
母親動物に対して、正常個体1,ホモザイゴート複数に
なるような状態で飼育することにより効率的に得ること
ができる。ヘテロザイゴート動物の雌雄を交配すること
により、該不活化DNAを有するホモザイゴートおよび
ヘテロザイゴート動物を繁殖継代する。本発明のDNA
が不活性化された非ヒト哺乳動物胚幹細胞は、本発明の
DNA発現不全非ヒト哺乳動物を作出する上で、非常に
有用である。また、本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳
動物は、本発明のタンパク質により誘導され得る種々の
生物活性を欠失するため、本発明のタンパク質の生物活
性の不活性化を原因とする疾病のモデルとなり得るの
で、これらの疾病の原因究明及び治療法の検討に有用で
ある。
【0068】(8a)本発明のDNAの欠損や損傷など
に起因する疾病に対して治療・予防効果を有する化合物
のスクリーニング方法 本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物は、本発明のD
NAの欠損や損傷などに起因する疾病に対して治療・予
防効果を有する化合物のスクリーニングに用いることが
できる。すなわち、本発明は、本発明のDNA発現不全
非ヒト哺乳動物に試験化合物を投与し、該動物の変化を
観察・測定することを特徴とする、本発明のDNAの欠
損や損傷などに起因する疾病に対して治療・予防効果を
有する化合物またはその塩のスクリーニング方法を提供
する。該スクリーニング方法において用いられる本発明
のDNA発現不全非ヒト哺乳動物としては、前記と同様
のものがあげられる。試験化合物としては、例えば、ペ
プチド、タンパク、非ペプチド性化合物、合成化合物、
発酵生産物、細胞抽出液、植物抽出液、動物組織抽出
液、血漿などがあげられ、これら化合物は新規な化合物
であってもよいし、公知の化合物であってもよい。具体
的には、本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物を、試
験化合物で処理し、無処理の対照動物と比較し、該動物
の各器官、組織、疾病の症状などの変化を指標として試
験化合物の治療・予防効果を試験することができる。試
験動物を試験化合物で処理する方法としては、例えば、
経口投与、静脈注射などが用いられ、試験動物の症状、
試験化合物の性質などにあわせて適宜選択することがで
きる。また、試験化合物の投与量は、投与方法、試験化
合物の性質などにあわせて適宜選択することができる。
【0069】例えば、軟骨形成異常、骨形成異常、骨粗
鬆症、変形性関節症、慢性関節リウマチ、関節炎、滑膜
炎、代謝性関節症またはスポーツによる関節障害(例、
テニス肘)などの骨・関節疾患に対して治療・予防効果
を有する化合物をスクリーニングする場合、本発明のD
NA発現不全非ヒト哺乳動物に試験化合物を投与し、該
動物の関節や軟骨などを経時的に観察し、上記疾患の症
状を観察する。該スクリーニング方法において、試験動
物に試験化合物を投与した場合、該試験動物の上記疾患
症状が約10%以上、好ましくは約30%以上、より好
ましくは約50%以上改善した場合、該試験化合物を上
記の疾患に対して治療・予防効果を有する化合物として
選択することができる。該スクリーニング方法を用いて
得られる化合物は、上記した試験化合物から選ばれた化
合物であり、本発明のタンパク質の欠損や損傷などによ
って引き起こされる疾患に対して治療・予防効果を有す
るので、該疾患に対する安全で低毒性な予防・治療剤な
どの医薬として使用することができる。さらに、上記ス
クリーニングで得られた化合物から誘導される化合物も
同様に用いることができる。該スクリーニング方法で得
られた化合物は塩を形成していてもよく、該化合物の塩
としては、生理学的に許容される酸(例、無機酸、有機
酸など)や塩基(例、アルカリ金属など)などとの塩が
用いられ、とりわけ生理学的に許容される酸付加塩が好
ましい。この様な塩としては、例えば、無機酸(例え
ば、塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸など)との塩、あ
るいは有機酸(例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、フ
マル酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リ
ンゴ酸、蓚酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼン
スルホン酸など)との塩などが用いられる。該スクリー
ニング方法で得られた化合物またはその塩を含有する医
薬は、前記した本発明のタンパク質を含有する医薬と同
様にして製造することができる。このようにして得られ
る製剤は、安全で低毒性であるので、例えば、ヒトまた
は非ヒト哺乳動物(例えば、ラット、マウス、モルモッ
ト、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ウマ、ネコ、イヌ、
サルなど)に対して投与することができる。該化合物ま
たはその塩の投与量は、対象疾患、投与対象、投与ルー
トなどにより差異はあるが、例えば、該化合物を経口投
与する場合、一般的に成人(体重60kgとして)の変
形性関節症患者においては、一日につき該化合物を約
0.1〜100mg、好ましくは約1.0〜50mg、
より好ましくは約1.0〜20mg投与する。非経口的
に投与する場合は、該化合物の1回投与量は投与対象、
対象疾患などによっても異なるが、例えば、該化合物を
注射剤の形で通常成人(60kgとして)の変形性関節
症患者に投与する場合、一日につき該化合物を約0.0
1〜30mg程度、好ましくは約0.1〜20mg程
度、より好ましくは約0.1〜10mg程度を静脈注射
により投与するのが好都合である。他の動物の場合も、
60kg当たりに換算した量を投与することができる。
【0070】(8b)本発明のDNAに対するプロモー
ターの活性を促進または阻害する化合物をスクリーニン
グ方法 本発明は、本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物に、
試験化合物を投与し、レポーター遺伝子の発現を検出す
ることを特徴とする本発明のDNAに対するプロモータ
ーの活性を促進または阻害する化合物またはその塩のス
クリーニング方法を提供する。上記スクリーニング方法
において、本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物とし
ては、前記した本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物
の中でも、本発明のDNAがレポーター遺伝子を導入す
ることにより不活性化され、該レポーター遺伝子が本発
明のDNAに対するプロモーターの制御下で発現しうる
ものが用いられる。試験化合物としては、前記と同様の
ものがあげられる。レポーター遺伝子としては、前記と
同様のものが用いられ、β−ガラクトシダーゼ遺伝子
(lacZ)、可溶性アルカリホスファターゼ遺伝子ま
たはルシフェラーゼ遺伝子などが好適である。本発明の
DNAをレポーター遺伝子で置換された本発明のDNA
発現不全非ヒト哺乳動物では、レポーター遺伝子が本発
明のDNAに対するプロモーターの支配下に存在するの
で、レポーター遺伝子がコードする物質の発現をトレー
スすることにより、プロモーターの活性を検出すること
ができる。例えば、本発明のタンパク質をコードするD
NA領域の一部を大腸菌由来のβ−ガラクトシダーゼ遺
伝子(lacZ)で置換している場合、本来、本発明の
タンパク質の発現する組織で、本発明のタンパク質の代
わりにβ−ガラクトシダーゼが発現する。従って、例え
ば、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−ガ
ラクトピラノシド(X−gal)のようなβ−ガラクト
シダーゼの基質となる試薬を用いて染色することによ
り、簡便に本発明のタンパク質の動物生体内における発
現状態を観察することができる。具体的には、本発明の
タンパク質欠損マウスまたはその組織切片をグルタルア
ルデヒドなどで固定し、リン酸緩衝生理食塩液(PB
S)で洗浄後、X−galを含む染色液で、室温または
37℃付近で、約30分ないし1時間反応させた後、組
織標本を1mM EDTA/PBS溶液で洗浄すること
によって、β−ガラクトシダーゼ反応を停止させ、呈色
を観察すればよい。また、常法に従い、lacZをコー
ドするmRNAを検出してもよい。上記スクリーニング
方法を用いて得られる化合物またはその塩は、上記した
試験化合物から選ばれた化合物であり、本発明のDNA
に対するプロモーター活性を促進または阻害する化合物
である。該スクリーニング方法で得られた化合物は塩を
形成していてもよく、該化合物の塩としては、生理学的
に許容される酸(例、無機酸など)や塩基(例、有機酸
など)などとの塩が用いられ、とりわけ生理学的に許容
される酸付加塩が好ましい。この様な塩としては、例え
ば、無機酸(例えば、塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸
など)との塩、あるいは有機酸(例えば、酢酸、ギ酸、
プロピオン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酒石
酸、クエン酸、リンゴ酸、蓚酸、安息香酸、メタンスル
ホン酸、ベンゼンスルホン酸など)との塩などが用いら
れる。
【0071】本発明のDNAに対するプロモーター活性
を促進または阻害する化合物またはその塩は、本発明の
タンパク質の発現の調節、該タンパク質の機能を調節す
ることができるので、例えば、軟骨形成異常、骨形成異
常、骨粗鬆症、変形性関節症、慢性関節リウマチ、関節
炎、滑膜炎、代謝性関節症またはスポーツによる関節障
害(例、テニス肘など)などの骨・関節疾患の予防・治
療剤として有用である。さらに、上記スクリーニングで
得られた化合物から誘導される化合物も同様に用いるこ
とができる。該スクリーニング方法で得られた化合物ま
たはその塩を含有する医薬は、前記した本発明のタンパ
ク質またはその塩を含有する医薬と同様にして製造する
ことができる。このようにして得られる製剤は、安全で
低毒性であるので、例えば、ヒトまたは非ヒト哺乳動物
(例えば、ラット、マウス、モルモット、ウサギ、ヒツ
ジ、ブタ、ウシ、ウマ、ネコ、イヌ、サルなど)に対し
て投与することができる。該化合物またはその塩の投与
量は、対象疾患、投与対象、投与ルートなどにより差異
はあるが、例えば、本発明のDNAに対するプロモータ
ー活性を阻害する化合物を経口投与する場合、一般的に
成人(体重60kgとして)の変形性関節症患者におい
ては、一日につき該化合物を約0.1〜100mg、好
ましくは約1.0〜50mg、より好ましくは約1.0
〜20mg投与する。非経口的に投与する場合は、該化
合物の1回投与量は投与対象、対象疾患などによっても
異なるが、例えば、本発明のDNAに対するプロモータ
ー活性を阻害する化合物を注射剤の形で通常成人(60
kgとして)の変形性関節症患者に投与する場合、一日
につき該化合物を約0.01〜30mg程度、好ましく
は約0.1〜20mg程度、より好ましくは約0.1〜
10mg程度を静脈注射により投与するのが好都合であ
る。他の動物の場合も、60kg当たりに換算した量を
投与することができる。このように、本発明のDNA発
現不全非ヒト哺乳動物は、本発明のDNAに対するプロ
モーターの活性を促進または阻害する化合物またはその
塩をスクリーニングする上で極めて有用であり、本発明
のDNA発現不全に起因する各種疾患の原因究明または
予防・治療剤の開発に大きく貢献することができる。ま
た、本発明のタンパク質のプロモーター領域を含有する
DNAを使って、その下流に種々のタンパクをコードす
る遺伝子を連結し、これを動物の卵細胞に注入していわ
ゆるトランスジェニック動物(遺伝子移入動物)を作成
すれば、特異的にそのタンパク質を合成させ、その生体
での作用を検討することも可能となる。さらに上記プロ
モーター部分に適当なレポーター遺伝子を結合させ、こ
れが発現するような細胞株を樹立すれば、本発明のタン
パク質そのものの体内での産生能力を特異的に促進もし
くは抑制する作用を持つ低分子化合物の探索系として使
用できる。
【0072】本明細書において、塩基やアミノ酸などを
略号で表示する場合、IUPAC−IUB Commission
on Biochemical Nomenclature による略号あるいは当
該分野における慣用略号に基づくものであり、その例を
下記する。またアミノ酸に関し光学異性体があり得る場
合は、特に明示しなければL体を示すものとする。 DNA :デオキシリボ核酸 cDNA :相補的デオキシリボ核酸 A :アデニン T :チミン G :グアニン C :シトシン RNA :リボ核酸 mRNA :メッセンジャーリボ核酸 dATP :デオキシアデノシン三リン酸 dTTP :デオキシチミジン三リン酸 dGTP :デオキシグアノシン三リン酸 dCTP :デオキシシチジン三リン酸 ATP :アデノシン三リン酸 EDTA :エチレンジアミン四酢酸 SDS :ドデシル硫酸ナトリウム Gly :グリシン Ala :アラニン Val :バリン Leu :ロイシン Ile :イソロイシン Ser :セリン Thr :スレオニン Cys :システイン Met :メチオニン Glu :グルタミン酸 Asp :アスパラギン酸 Lys :リジン Arg :アルギニン His :ヒスチジン Phe :フェニルアラニン Tyr :チロシン Trp :トリプトファン Pro :プロリン Asn :アスパラギン Gln :グルタミン pGlu :ピログルタミン酸 Sec :セレノシステイン(selenocystein
e)
【0073】また、本明細書中で繁用される置換基、保
護基および試薬を下記の記号で表記する。 Me :メチル基 Et :エチル基 Bu :ブチル基 Ph :フェニル基 TC :チアゾリジン−4(R)−カルボキサミド基 Tos :p−トルエンスルフォニル CHO :ホルミル Bzl :ベンジル Cl2-Bzl :2,6−ジクロロベンジル Bom :ベンジルオキシメチル Z :ベンジルオキシカルボニル Cl−Z :2−クロロベンジルオキシカルボニル Br−Z :2−ブロモベンジルオキシカルボニル Boc :t−ブトキシカルボニル DNP :ジニトロフェニル Trt :トリチル Bum :t−ブトキシメチル Fmoc :N−9−フルオレニルメトキシカルボニル HOBt :1−ヒドロキシベンズトリアゾール HOOBt :3,4−ジヒドロ−3−ヒドロキシ−4−オキソ− 1,2,3−ベンゾトリアジン HONB :1-ヒドロキシ-5-ノルボルネン-2,3-ジカルボキシイミド DCC :N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド
【0074】本願明細書の配列表の配列番号は、以下の
配列を示す。 〔配列番号:1〕DIO2のアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:2〕配列番号:1で表されるアミノ酸配列
を有するDIO2をコードするDNAの塩基配列を示
す。 〔配列番号:3〕ANKHのアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:4〕配列番号:3で表されるアミノ酸配列
を有するANKHをコードするDNAの塩基配列を示
す。 〔配列番号:5〕SHOX2aのアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:6〕配列番号:5で表されるアミノ酸配列
を有するSHOX2aをコードするDNAの塩基配列を
示す。 〔配列番号:7〕SHOX2bのアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:8〕配列番号:7で表されるアミノ酸配列
を有するSHOX2bをコードするDNAの塩基配列を
示す。 〔配列番号:9〕TASK−4のアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:10〕配列番号:9で表されるアミノ酸配
列を有するTASK−4をコードするDNAの塩基配列
を示す。 〔配列番号:11〕EphA3のアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:12〕配列番号:11で表されるアミノ酸
配列を有するEphA3をコードするDNAの塩基配列
を示す。 〔配列番号:13〕MMP16のアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:14〕配列番号:13で表されるアミノ酸
配列を有するMMP16をコードするDNAの塩基配列
を示す。 〔配列番号:15〕実施例9で用いられたプライマーの
塩基配列を示す。 〔配列番号:16〕実施例9で用いられたプライマーの
塩基配列を示す。 〔配列番号:17〕実施例10で用いられたプライマー
1の塩基配列を示す。 〔配列番号:18〕実施例10で用いられたプライマー
2の塩基配列を示す。 〔配列番号:19〕実施例10で用いられたプライマー
3の塩基配列を示す。 〔配列番号:20〕実施例10で用いられたプライマー
4の塩基配列を示す。 〔配列番号:21〕実施例10で用いられたプライマー
5の塩基配列を示す。 〔配列番号:22〕実施例10で用いられたプライマー
6の塩基配列を示す。 〔配列番号:23〕実施例10で用いられたプライマー
7の塩基配列を示す。 〔配列番号:24〕実施例10で用いられたプライマー
8の塩基配列を示す。
【0075】
【発明の実施の形態】以下において、実施例により本発
明をより具体的にするが、この発明はこれらに限定され
るものではない。
【実施例】実施例1 遺伝子発現解析 変形性関節症軟骨(OA軟骨)で発現亢進している遺伝
子群を明らかにするため、OA軟骨(膝関節1例、股関
節5例)、正常関節軟骨(膝関節1例、股関節1例)、
その他22種類の正常組織(各1例)から抽出されたto
tal RNA(表1)を材料とし、オリゴヌクレオチドマイ
クロアレイ (Human Genome U95A; Affymetrix社) を用
いて遺伝子発現解析を行った。実験方法は、Affymetrix
社の実験手引き書 (Expression analysis technicalman
ual) に従った。OA軟骨と正常関節軟骨の遺伝子発現p
rofileを比較した結果、DIO2遺伝子がOA軟骨で発
現亢進していた(表2)。DIO2遺伝子の発現は組織特
異的に制御され、甲状腺で特に高発現しているとの報告
(Salvatore et al., J. Clin. Invest. 98: 962-968,
1996) があり、OA軟骨でのDIO2発現量は甲状腺の
それとほぼ同水準であった。
【0076】
【表1】
【0077】
【表2】
【0078】実施例2 遺伝子発現解析 変形性関節症軟骨(OA軟骨)で発現亢進している遺伝
子群を明らかにするため、OA軟骨(膝関節1例、股関
節5例)、正常関節軟骨(膝関節1例、股関節1例)、
その他22種類の正常組織(各1例)から抽出されたto
tal RNA(表3)を材料とし、オリゴヌクレオチドマイ
クロアレイ (Human Genome U95A, U95B,U95C, U95D, U9
5E; Affymetrix社) を用いて遺伝子発現解析を行った。
実験方法は、Affymetrix社の実験手引き書 (Expression
analysis technicalmanual) に従った。OA軟骨と正
常関節軟骨の遺伝子発現プロファイルを比較した結果、
ANKH遺伝子がOA軟骨で発現亢進しており、ANK
H遺伝子の発現量は、解析した全ての組織中、OA軟骨
において最大であった(表4)。
【0079】
【表3】
【0080】
【表4】
【0081】実施例3 遺伝子発現解析 変形性関節症軟骨(OA軟骨)で発現亢進している遺伝
子群を明らかにするため、OA軟骨(膝関節1例、股関
節5例)、正常関節軟骨(膝関節1例、股関節1例)、
その他23種類の正常組織(各1例)から抽出されたto
tal RNA(表5)を材料とし、オリゴヌクレオチドマイ
クロアレイ (Human Genome U95A, U95B,U95C, U95D, U9
5E; Affymetrix社) を用いて遺伝子発現解析を行った。
実験方法は、Affymetrix社の実験手引き書 (Expression
analysis technicalmanual) に従った。その結果、O
A軟骨においてのみ、SHOX2遺伝子の発現が検出さ
れた (表6)。
【0082】
【表5】
【0083】
【表6】
【0084】実施例4 遺伝子発現解析 変形性関節症軟骨(OA軟骨)で発現亢進している遺伝
子群を明らかにするため、OA軟骨(膝関節1例、股関
節1例)、正常関節軟骨(膝関節1例、股関節1例)、
その他23種類の正常組織(各1例)から抽出されたto
tal RNA(表7)を材料とし、オリゴヌクレオチドマイ
クロアレイ (Human Genome U95A, U95B,U95C, U95D, U9
5E; Affymetrix社) を用いて遺伝子発現解析を行った。
実験方法は、Affymetrix社の実験手引き書 (Expression
analysis technicalmanual) に従った。その結果、O
A軟骨でのみ、TASK−4遺伝子の発現が検出された
(表8)。
【0085】
【表7】
【0086】
【表8】
【0087】実施例5 遺伝子発現解析 変形性関節症軟骨(OA軟骨)で発現亢進している遺伝
子群を明らかにするため、OA軟骨(膝関節1例、股関
節5例)、正常関節軟骨(膝関節1例、股関節1例)、
その他23種類の正常組織(各1例)から抽出されたto
tal RNA(表9)を材料とし、オリゴヌクレオチドマイ
クロアレイ (Human Genome U95A, U95B,U95C, U95D, U9
5E; Affymetrix社) を用いて遺伝子発現解析を行った。
実験方法は、Affymetrix社の実験手引き書 (Expression
analysis technicalmanual) に従った。その結果、E
phA3遺伝子がOA軟骨で特異的に発現亢進していた
(表10)。
【0088】
【表9】
【0089】
【表10】
【0090】実施例6 遺伝子発現解析 変形性関節症軟骨(OA軟骨)で発現亢進している遺伝子
群を明らかにするため、OA軟骨(膝関節1例、股関節
5例)、正常関節軟骨(膝関節1例、股関節1例)、そ
の他22種類の正常組織(各1例)から抽出されたtota
l RNA(表11)を材料とし、オリゴヌクレオチドマイ
クロアレイ(Human Genome U95A, U95B,U95C, U95D, U9
5D; Affymetrix社)を用いて遺伝子発現解析を行った。
実験方法はAffymetrix社の実験手引き書(Expression a
nalysis technical manual)に従った。その結果、mato
rix metalloproteinase 16 (MMP16)遺伝子がOA
軟骨で特異的に発現亢進していることを発見した(表1
2)。
【0091】
【表11】
【0092】
【表12】
【0093】実施例7 DIO2の軟骨分化依存的発現 ヒト間葉系幹細胞 (human mesenchymal stem cell; hMS
C, Clonetics社) を1x105 細胞/穴 で24穴プレートに播
種し、6.3 μg/mlインスリン、6.3 μg/mlトランスフェ
リン、6.3 ng/mlセレニアス酸、1.3 mg/ml ウシ血清ア
ルブミン (bovine serum albumin; BSA) 、5.4 μg/ml
リノレイン酸 (以上ITS+ プレミックス,Becton Dickins
on Labware社) 、40 μg/mlプロリン、100 nM デキサメ
サゾン、50 μg/mlアスコルビン酸リン酸マグネシウム
塩n-水和物 (Wako社) 、10 ng/ml組み換えヒトTGF-β3
(Genzyme/Techne 社) および200 ng/ml組み換えヒトBMP
-4 (Research & Development Systems社) を含むDMEM h
igh glucose (Gibco社)を用いて3% 酸素分圧下で培養し
た。培養開始後0, 3, 6, 13, 20日目のhMSCについてオ
リゴヌクレオチドマイクロアレイ(Affymetrix社製)で
解析した結果、未分化幹細胞から増殖軟骨細胞への分化
に不可欠な転写因子SOX9の発現ピークは3日目から6日目
(図1b)、増殖軟骨細胞によって産生されるII型コラー
ゲンの発現ピークは6日目から13日目 (図1c)、肥大化軟
骨細胞によって産生されるオステオカルシンの発現ピー
クは13日目から20日目であることが示された (図1d)。
このhMSC軟骨分化過程においてDIO2は、3日目から発現
が認められ、日数とともに発現量が増加し、13日目で最
大となった。20日目では13日目と同等あるいはやや減少
している傾向が認められた (図1a)。この経時的発現変
化から、DIO2が軟骨細胞で発現し、分化段階依存的に発
現が増加することが示され、肥大化期またはその直前に
働くことが示唆された。
【0094】実施例8 T3による正常ヒト膝関節軟骨細胞のアルカリ性ホスフ
ァターゼ活性誘導 正常ヒト膝関節軟骨細胞(normal human articular cho
ndrocyte of knee; NHAC-kn, Clonetics社)を2x105
胞/穴でゼラチンコート24穴プレート (Iwaki社)に播種
し、1 μg/mlインスリン、1 μg/mlトランスフェリン、
1 ng/ml亜セレン酸 (以上ITS, BD Bioscience社) 、1 m
g/ml BSA、50 μg/ml アスコルビン酸リン酸マグネシウ
ム塩n-水和物 (Wako社) および5 mM β-グリセロリン酸
(Sigma社)を含むDMEM high glucose (Gibco社) に、必
要に応じ0.05-50 nM T3 (トリヨードチロニン(triiodo
thyronine), Sigma社)を添加し、5%CO2濃度CO2インキ
ュベータで37℃にて培養した。6日間培養した細胞から
培養液を除去し、各穴に0.1% Triton X-100を含む10 mM
Tris-HCl (pH 7.4) を200 μl加えて4℃で1時間水平振
騰器を用いて振騰することにより、細胞層からタンパク
質を抽出した。p-ニトロフェニルホスフェート (Sigma
社) を基質として、p-ニトロフェノールの産生量から抽
出液のアルカリ性ホスファターゼ (alkaline phosphata
se; AP) 活性を測定した。抽出液中のタンパク量は、BC
A タンパク質アッセイ試薬 (Pierce社) を用いて測定
し、タンパク量あたりのAP活性を算出した。結果を図2
に示す。これより、OAにおける軟骨石灰化因子であるAP
活性がT3濃度依存的に誘導されることが示された。
【0095】実施例9 T3による正常ヒト膝関節軟骨細胞のMMP13遺伝子
発現誘導 正常ヒト膝関節軟骨細胞(normal human articular cho
ndrocyte of knee; NHAC-kn, Clonetics社)を2x105
胞/穴でゼラチンコート96穴プレート (Iwaki社)に播種
し、1 μg/mlインスリン、1 μg/mlトランスフェリン、
1 ng/ml亜セレン酸 (以上ITS, BD Bioscience社) およ
び1 mg/ml BSA を含むDMEM high glucose(Gibco社)
に、5 mM β-グリセロリン酸 (Sigma社)、50 μg/mlア
スコルビン酸リン酸マグネシウム塩n-水和物 (Wako社),
および必要に応じ0.1- 10 nM T3 (トリヨードチロニ
ン, Sigma社)を添加し、5%CO2濃度CO2インキュベータで
37℃にて培養した。6日間培養した細胞からRNeasy (Qia
gen社) を用いて添付プロトコルに従ってRNAを抽出し
た。total RNAを鋳型とし、TaqMan reverse transcript
ion試薬 (Applied Biosystems社) を用いてランダムプ
ライマーからcDNAを合成した。cDNAを含む反応液2 μl
を、2種のプライマー(配列番号:15および配列番
号:16)0.34 μM、1x PCR Master Mix (Applied Bio
systems社) を含む20 μlの反応液と混和し、50℃で2
分、95℃で10分、(95℃で 15秒、60℃で 1分)x 35サイ
クルの条件でPCRを行った。PCRはABI7700 sequence det
ector (Applied Biosystems社) を用いて行い、PCR産物
量をリアルタイムモニタリングすることによってMMP13
cDNAのコピー数を測定した。TaqMan β-アクチンコント
ロール 試薬(Applied Biosystems社)を用いて同様に
β-アクチン cDNAのコピー数を測定し、内部標準とし
た。結果を図3に示す。β-アクチンで標準化したMMP13
cDNAコピー数を3穴の平均と標準偏差で示す。これよ
り、OAにおける軟骨分解因子であるMMP13 mRNAがT3濃度
依存的に誘導されることが示された。
【0096】実施例10 DIO発現プラスミドの構築と甲状腺ホルモン脱ヨード
活性の測定 ヒト甲状腺由来cDNA (MarathonReady cDNA, Clontech
社) を鋳型として、プライマー1(配列番号:17)お
よびプライマー2(配列番号:18)を用いてヒトDI
O1 (1型甲状腺ホルモン脱ヨード酵素) のアミノ酸コ
ード配列 (codingsequence; cds)を、プライマー3(配
列番号:19)およびプライマー4(配列番号:20)
を用いてDIO1セレノシステイン挿入配列 (selenocystei
ne insertion sequence; SECIS)を、プライマー5(配
列番号:21)およびプライマー6(配列番号:22)
を用いてヒトDIO2 cdsを、プライマー7(配列番号:2
3)およびプライマー8(配列番号:24)を用いてDI
O2 SECIS (Buettner et al. 1998) を、それぞれPCRで
増幅した。得られたヒトDIO1 cdsおよびヒトDIO2 cdsの
DNAをpcDNA3.1 (Invitrogen社)に挿入し、得られたプラ
スミドを、pTB2240およびpTB2242とそれぞれ命名した。
また、得られたヒトDIO1 SECISおよびヒトDIO2 SECISの
DNAをpCR2.1 (Invitrogen社) に挿入し、得られたプラ
スミドを、pTB2241およびpTB2244とそれぞれ命名した。
DIO1 SECISおよびDIO2 SECISを、制限酵素Sca IおよびN
ot I (Takara社)を用いて切り出し、制限酵素EcoRVおよ
びNot I (Takara社) で処理したDIO1またはDIO2 coding
sequence挿入プラスミドに挿入して、DIO1発現プラス
ミドpTB2248およびDIO2発現プラスミドpTB2249を構築し
た。COS-7細胞3x105個を6 cmシャーレに播種し、1日
後、DIO1発現プラスミドpTB2248、DIO2発現プラスミドp
TB2249またはDIO2 cds挿入プラスミドpTB2242各2μgを
トランスフェクション試薬 (FuGENE6, Roche社) 6 μl
とともに添付マニュアルに従って添加した。2日後、ト
リプシン-EDTA (Gibco/BRL社) 処理によって細胞を回収
し、緩衝液〔0.1 M リン酸カリウム-1 mM EDTA (pH6.
9), 10 mM DTT, 0.25 M sucrose〕中で超音波処理し、
細胞破砕液を調製した。細胞破砕液に、1 mMPTU (プロ
ピルチオウラシル(propylthiouracil), Sigma社) ま
たは5 μM rT3(リバーストリヨードチロニン(riverse
triiodothyronine), Sigma社) の存在下または非存在
下で 0.05-5 μM T4 (チロキシン(throxine), Sigma
社) を加え、37℃で 1時間インキュベートした。生成さ
れたT3の定量には、トータルT3 RIA (ラジオイムノアッ
セイ) キット (Diagnostic Products Corporation社)
を用いた。まず、サンプル100 μlと125I標識T3試薬
を、T3抗体固定化チューブ中で混和し、37℃で2時間イ
ンキュベート後、チューブから反応液を除き、チューブ
に残った放射能をガンマカウンターで測定した。その結
果、図4aに示すように、DIO2発現プラスミドpTB2249を
導入した細胞破砕液でT3産生が認められた。DIO2 cdsの
み有するpTB2242を導入した細胞破砕液にはT3産生能が
認められなかったことから、SECISの必要性が確認され
た。一方同様の酵素活性を持つDIO1発現プラスミドpTB2
248を導入した細胞の破砕液からは前述の反応条件では
明白なT3産生は認められなかった。しかしながら、T4濃
度を5 μMとして反応させることにより、図4bに示すよ
うに、明らかにT3の産生が認められた。また、DIO1特異
的阻害剤であるPTU (Sigma社) を添加することにより、
その活性は完全に抑制された。pTB2249のDIO2活性はDIO
2に対しT4との競合による抑制効果が期待できるrT3 (5
μM) を添加することにより部分的に阻害されたがPTU添
加の影響はほとんど認められなかった (図4c)。
【0097】実施例11 スクリーニング COS-7細胞3x105個を6 cmシャーレに播種し、1日後、DIO
1発現プラスミドpTB2248またはDIO2発現プラスミドpTB2
249各2μgをトランスフェクション試薬 (FuGENE6, Roch
e社) 6 μlとともに添付マニュアルに従って添加する。
2日後、トリプシン-EDTA (Gibco/BRL社) 処理によって
細胞を回収し、緩衝液〔0.1 M リン酸カリウム-1 mM ED
TA (pH6.9), 10 mM DTT, 0.25 M sucrose〕中で超音波
処理し、細胞破砕液を調製する。細胞破砕液に、試験化
合物の存在下または非存在下で0.05-5 μM T4 (チロキ
シン, Sigma社) を加え、37℃で 1時間インキュベート
する。生成されたT3を、トータルT3 RIA (ラジオイムノ
アッセイ) キット (Diagnostic Products Corporation
社) を用いて定量する。具体的には、まず、サンプル10
0 μlと125I標識T3試薬を、T3抗体固定化チューブ中で
混和し、37℃で2時間インキュベート後、チューブから
反応液を除き、チューブに残った放射能をガンマカウン
ターで測定する。T3生成量を比較することによって、DI
O2選択的阻害活性を有する化合物をスクリーニングでき
る。
【0098】
【発明の効果】本発明で用いられるタンパク質は、骨・
関節炎の診断マーカーであり、したがって、該タンパク
質の活性を調節する化合物またはその塩、該タンパク質
の活性を調節する中和抗体は、例えば、軟骨形成異常、
骨形成異常、骨粗鬆症、変形性関節症、慢性関節リウマ
チ、関節炎、滑膜炎、代謝性関節症またはスポーツによ
る関節障害(例、テニス肘)などの骨・関節炎の予防・
治療剤として使用することができる。また、本発明のア
ンチセンスポリヌクレオチドは、本発明で用いられるタ
ンパク質の発現を調節することができ、例えば、軟骨形
成異常、骨形成異常、骨粗鬆症、変形性関節症、慢性関
節リウマチ、関節炎、滑膜炎、代謝性関節症またはスポ
ーツによる関節障害(例、テニス肘)などの骨・関節炎
の予防・治療剤として使用することができる。
【0099】
【配列表】 <110> Takeda Chemical Industries, Ltd. <120> Preventing and treating agent for bone or joint diseases <130> P02-0099 <150> JP2001-273914 <151> 2001-09-10 <150> JP2001-281472 <151> 2001-09-17 <150> JP2001-300417 <151> 2001-09-28 <150> JP2001-300289 <151> 2001-09-28 <150> JP2001-300347 <151> 2001-09-28 <150> JP2001-303390 <151> 2001-09-28 <160> 24 <210> 1 <211> 273 <212> PRT <213> Human <400> 1 Met Gly Ile Leu Ser Val Asp Leu Leu Ile Thr Leu Gln Ile Leu Pro 5 10 15 Val Phe Phe Ser Asn Cys Leu Phe Leu Ala Leu Tyr Asp Ser Val Ile 20 25 30 Leu Leu Lys His Val Val Leu Leu Leu Ser Arg Ser Lys Ser Thr Arg 35 40 45 Gly Glu Trp Arg Arg Met Leu Thr Ser Glu Gly Leu Arg Cys Val Trp 50 55 60 Lys Ser Phe Leu Leu Asp Ala Tyr Lys Gln Val Lys Leu Gly Glu Asp 65 70 75 80 Ala Pro Asn Ser Ser Val Val His Val Ser Ser Thr Glu Gly Gly Asp 85 90 95 Asn Ser Gly Asn Gly Thr Gln Glu Lys Ile Ala Glu Gly Ala Thr Cys 100 105 110 His Leu Leu Asp Phe Ala Ser Pro Glu Arg Pro Leu Val Val Asn Phe 115 120 125 Gly Ser Ala Thr Sec Pro Pro Phe Thr Ser Gln Leu Pro Ala Phe Arg 130 135 140 Lys Leu Val Glu Glu Phe Ser Ser Val Ala Asp Phe Leu Leu Val Tyr 145 150 155 160 Ile Asp Glu Ala His Pro Ser Asp Gly Trp Ala Ile Pro Gly Asp Ser 165 170 175 Ser Leu Ser Phe Glu Val Lys Lys His Gln Asn Gln Glu Asp Arg Cys 180 185 190 Ala Ala Ala Gln Gln Leu Leu Glu Arg Phe Ser Leu Pro Pro Gln Cys 195 200 205 Arg Val Val Ala Asp Arg Met Asp Asn Asn Ala Asn Ile Ala Tyr Gly 210 215 220 Val Ala Phe Glu Arg Val Cys Ile Val Gln Arg Gln Lys Ile Ala Tyr 225 230 235 240 Leu Gly Gly Lys Gly Pro Phe Ser Tyr Asn Leu Gln Glu Val Arg His 245 250 255 Trp Leu Glu Lys Asn Phe Ser Lys Arg Sec Lys Lys Thr Arg Leu Ala 260 265 270 Gly <210> 2 <211> 819 <212> DNA <213> Human <400> 2 atgggcatcc tcagcgtaga cttgctgatc acactgcaaa ttctgccagt ttttttctcc 60 aactgcctct tcctggctct ctatgactcg gtcattctgc tcaagcacgt ggtgctgctg 120 ttgagccgct ccaagtccac tcgcggagag tggcggcgca tgctgacctc agagggactg 180 cgctgcgtct ggaagagctt cctcctcgat gcctacaaac aggtgaaatt gggtgaggat 240 gcccccaatt ccagtgtggt gcatgtctcc agtacagaag gaggtgacaa cagtggcaat 300 ggtacccagg agaagatagc tgagggagcc acatgccacc ttcttgactt tgccagccct 360 gagcgcccac tagtggtcaa ctttggctca gccacttgac ctcctttcac gagccagctg 420 ccagccttcc gcaaactggt ggaagagttc tcctcagtgg ctgacttcct gctggtctac 480 attgatgagg ctcatccatc agatggctgg gcgataccgg gggactcctc tttgtctttt 540 gaggtgaaga agcaccagaa ccaggaagat cgatgtgcag cagcccagca gcttctggag 600 cgtttctcct tgccgcccca gtgccgagtt gtggctgacc gcatggacaa taacgccaac 660 atagcttacg gggtagcctt tgaacgtgtg tgcattgtgc agagacagaa aattgcttat 720 ctgggaggaa agggcccctt ctcctacaac cttcaagaag tccggcattg gctggagaag 780 aatttcagca agagatgaaa gaaaactaga ttagctggt 819 <210> 3 <211> 492 <212> PRT <213> Human <400> 3 Met Val Lys Phe Pro Ala Leu Thr His Tyr Trp Pro Leu Ile Arg Phe 5 10 15 Leu Val Pro Leu Gly Ile Thr Asn Ile Ala Ile Asp Phe Gly Glu Gln 20 25 30 Ala Leu Asn Arg Gly Ile Ala Ala Val Lys Glu Asp Ala Val Glu Met 35 40 45 Leu Ala Ser Tyr Gly Leu Ala Tyr Ser Leu Met Lys Phe Phe Thr Gly 50 55 60 Pro Met Ser Asp Phe Lys Asn Val Gly Leu Val Phe Val Ser Ser Lys 65 70 75 80 Arg Asp Arg Thr Lys Ala Val Leu Cys Met Val Val Ala Gly Ala Ile 85 90 95 Ala Ala Val Phe His Thr Leu Ile Ala Tyr Ser Asp Leu Gly Tyr Tyr 100 105 110 Ile Ile Asn Lys Leu His His Val Asp Glu Ser Val Gly Ser Lys Thr 115 120 125 Arg Arg Ala Phe Leu Tyr Leu Ala Ala Phe Pro Phe Met Asp Ala Met 130 135 140 Ala Trp Thr His Ala Gly Ile Leu Leu Lys His Lys Tyr Ser Phe Leu 145 150 155 160 Val Gly Cys Ala Ser Ile Ser Asp Val Ile Ala Gln Val Val Phe Val 165 170 175 Ala Ile Leu Leu His Ser His Leu Glu Cys Arg Glu Pro Leu Leu Ile 180 185 190 Pro Ile Leu Ser Leu Tyr Met Gly Ala Leu Val Arg Cys Thr Thr Leu 195 200 205 Cys Leu Gly Tyr Tyr Lys Asn Ile His Asp Ile Ile Pro Asp Arg Ser 210 215 220 Gly Pro Glu Leu Gly Gly Asp Ala Thr Ile Arg Lys Met Leu Ser Phe 225 230 235 240 Trp Trp Pro Leu Ala Leu Ile Leu Ala Thr Gln Arg Ile Ser Arg Pro 245 250 255 Ile Val Asn Leu Phe Val Ser Arg Asp Leu Gly Gly Ser Ser Ala Ala 260 265 270 Thr Glu Ala Val Ala Ile Leu Thr Ala Thr Tyr Pro Val Gly His Met 275 280 285 Pro Tyr Gly Trp Leu Thr Glu Ile Arg Ala Val Tyr Pro Ala Phe Asp 290 295 300 Lys Asn Asn Pro Ser Asn Lys Leu Val Ser Thr Ser Asn Thr Val Thr 305 310 315 320 Ala Ala His Ile Lys Lys Phe Thr Phe Val Cys Met Ala Leu Ser Leu 325 330 335 Thr Leu Cys Phe Val Met Phe Trp Thr Pro Asn Val Ser Glu Lys Ile 340 345 350 Leu Ile Asp Ile Ile Gly Val Asp Phe Ala Phe Ala Glu Leu Cys Val 355 360 365 Val Pro Leu Arg Ile Phe Ser Phe Phe Pro Val Pro Val Thr Val Arg 370 375 380 Ala His Leu Thr Gly Trp Leu Met Thr Leu Lys Lys Thr Phe Val Leu 385 390 395 400 Ala Pro Ser Ser Val Leu Arg Ile Ile Val Leu Ile Ala Ser Leu Val 405 410 415 Val Leu Pro Tyr Leu Gly Val His Gly Ala Thr Leu Gly Val Gly Ser 420 425 430 Leu Leu Ala Gly Phe Val Gly Glu Ser Thr Met Val Ala Ile Ala Ala 435 440 445 Cys Tyr Val Tyr Arg Lys Gln Lys Lys Lys Met Glu Asn Glu Ser Ala 450 455 460 Thr Glu Gly Glu Asp Ser Ala Met Thr Asp Met Pro Pro Thr Glu Glu 465 470 475 480 Val Thr Asp Ile Val Glu Met Arg Glu Glu Asn Glu 485 490 <210> 4 <211> 1476 <212> DNA <213> Human <220> <221> unsure <222> 306 <223> n means a,t,g,c or unknown <400> 4 atggtgaaat tcccggcgct cacgcactac tggcccctga tccggttctt ggtgcccctg 60 ggcatcacca acatagccat cgacttcggg gagcaggcct tgaaccgggg cattgctgct 120 gtcaaggagg atgcagtcga gatgctggcc agctacgggc tggcgtactc cctcatgaag 180 ttcttcacgg gtcccatgag tgacttcaaa aatgtgggcc tggtgtttgt gagcagcaag 240 agagacagga ccaaagccgt cctgtgtatg gtggtggcag gggccatcgc tgctgtcttt 300 cacacnctga tagcttatag tgatttagga tactacatta tcaataaact gcaccatgtg 360 gacgagtcgg tggggagcaa gacgagaagg gccttcctgt acctcgccgc ctttcctttc 420 atggacgcaa tggcatggac ccatgctggc attctcttaa aacacaaata cagtttcctg 480 gtgggatgtg cctcaatctc agatgtcata gctcaggttg tttttgtagc cattttgctt 540 cacagtcacc tggaatgccg ggagcccctg ctcatcccga tcctctcctt gtacatgggc 600 gcacttgtgc gctgcaccac cctgtgcctg ggctactaca agaacattca cgacatcatc 660 cctgacagaa gtggcccgga gctgggggga gatgcaacaa taagaaagat gctgagcttc 720 tggtggcctt tggctctaat tctggccaca cagagaatca gtcggcctat tgtcaacctc 780 tttgtttccc gggaccttgg tggcagttct gcagccacag aagcagtggc gattttgaca 840 gccacatacc ctgtgggtca catgccatac ggctggttga cggaaatccg tgctgtgtat 900 cctgctttcg acaagaataa ccccagcaac aaactggtga gcacgagcaa cacagtcacg 960 gcagcccaca tcaagaagtt caccttcgtc tgcatggctc tgtcactcac gctctgtttc 1020 gtgatgtttt ggacacccaa cgtgtctgag aaaatcttga tagacatcat cggagtggac 1080 tttgcctttg cagaactctg tgttgttcct ttgcggatct tctccttctt cccagttcca 1140 gtcacagtga gggcgcatct caccgggtgg ctgatgacac tgaagaaaac cttcgtcctt 1200 gcccccagct ctgtgctgcg gatcatcgtc ctcatcgcca gcctcgtggt cctaccctac 1260 ctgggggtgc acggtgcgac cctgggcgtg ggctccctcc tggcgggctt tgtgggagaa 1320 tccaccatgg tcgccatcgc tgcgtgctat gtctaccgga agcagaaaaa gaagatggag 1380 aatgagtcgg ccacggaggg ggaagactct gccatgacag acatgcctcc gacagaggag 1440 gtgacagaca tcgtggaaat gagagaggag aatgaa 1476 <210> 5 <211> 331 <212> PRT <213> Human <400> 5 Met Glu Glu Leu Thr Ala Phe Val Ser Lys Ser Phe Asp Gln Lys Val 5 10 15 Lys Glu Lys Lys Glu Ala Ile Thr Tyr Arg Glu Val Leu Glu Ser Gly 20 25 30 Pro Leu Arg Gly Ala Lys Glu Pro Thr Gly Cys Thr Glu Ala Gly Arg 35 40 45 Asp Asp Arg Ser Ser Pro Ala Val Arg Ala Ala Gly Gly Gly Gly Gly 50 55 60 Gly Gly Gly Gly Gly Gly Gly Gly Gly Gly Gly Gly Gly Val Gly Gly 65 70 75 80 Gly Gly Ala Gly Gly Gly Ala Gly Gly Gly Arg Ser Pro Val Arg Glu 85 90 95 Leu Asp Met Gly Ala Ala Glu Arg Ser Arg Glu Pro Gly Ser Pro Arg 100 105 110 Leu Thr Glu Val Ser Pro Glu Leu Lys Asp Arg Lys Asp Asp Ala Lys 115 120 125 Gly Met Glu Asp Glu Gly Gln Thr Lys Ile Lys Gln Arg Arg Ser Arg 130 135 140 Thr Asn Phe Thr Leu Glu Gln Leu Asn Glu Leu Glu Arg Leu Phe Asp 145 150 155 160 Glu Thr His Tyr Pro Asp Ala Phe Met Arg Glu Glu Leu Ser Gln Arg 165 170 175 Leu Gly Leu Ser Glu Ala Arg Val Gln Val Trp Phe Gln Asn Arg Arg 180 185 190 Ala Lys Cys Arg Lys Gln Glu Asn Gln Leu His Lys Gly Val Leu Ile 195 200 205 Gly Ala Ala Ser Gln Phe Glu Ala Cys Arg Val Ala Pro Tyr Val Asn 210 215 220 Val Gly Ala Leu Arg Met Pro Phe Gln Gln Asp Ser His Cys Asn Val 225 230 235 240 Thr Pro Leu Pro Phe Gln Val Gln Ala Gln Leu Gln Leu Asp Ser Ala 245 250 255 Val Ala His Ala His His His Leu His Pro His Leu Ala Ala His Ala 260 265 270 Pro Tyr Met Met Phe Pro Ala Pro Pro Phe Gly Leu Pro Leu Ala Thr 275 280 285 Leu Ala Ala Asp Ser Ala Ser Ala Ala Ser Val Val Ala Ala Ala Ala 290 295 300 Ala Ala Lys Thr Thr Ser Lys Asp Ser Ser Ile Ala Asp Leu Arg Leu 305 310 315 320 Lys Ala Lys Lys His Ala Ala Ala Leu Gly Leu 325 330 <210> 6 <211> 993 <212> DNA <213> Human <400> 6 atggaagaac ttacggcgtt cgtctccaag tcttttgacc agaaagtgaa ggagaagaag 60 gaggcgatca cgtaccggga ggtgctggag agcgggccgc tgcgcggggc caaggagccg 120 accggctgca ccgaggcggg ccgcgacgac cgcagcagcc cggcagtccg ggcggccggc 180 ggaggcggcg gcggaggagg cggaggcggc ggcggaggag gcggaggagg tgtaggagga 240 ggtggagcag gcggaggagc tggaggaggg cgctctcccg tccgggagct ggacatgggc 300 gccgccgaga gaagcaggga gcccggcagc ccgcggctga cggaggtgtc cccggagctg 360 aaagatcgca aagacgatgc gaaagggatg gaggacgaag gccagaccaa aatcaagcag 420 aggcgaagtc ggaccaattt caccctggaa caactcaatg agctggagag gctttttgac 480 gagacccact atcccgacgc cttcatgcga gaggaactga gccagcgact gggcctgtcg 540 gaggcccgag tgcaggtttg gtttcaaaat cgaagagcta aatgtagaaa acaagaaaat 600 caactccata aaggtgttct cataggggcc gccagccagt ttgaagcttg tagagtcgca 660 ccttatgtca acgtaggtgc tttaaggatg ccatttcagc aggatagtca ttgcaacgtg 720 acgcccttgc cctttcaggt tcaggcgcag ctgcagctgg acagcgctgt ggcgcacgcg 780 caccaccacc tgcatccgca cctggccgcg cacgcgccct acatgatgtt cccagcaccg 840 cccttcggac tgccgctcgc cacgctggcc gcggattcgg cttccgccgc ctcggtagtg 900 gcggccgcag cagccgccaa gaccaccagc aaggactcca gcatcgccga tctcagactg 960 aaagccaaaa agcacgccgc agccctgggt ctg 993 <210> 7 <211> 190 <212> PRT <213> Human <400> 7 Met Glu Asp Glu Gly Gln Thr Lys Ile Lys Gln Arg Arg Ser Arg Thr 5 10 15 Asn Phe Thr Leu Glu Gln Leu Asn Glu Leu Glu Arg Leu Phe Asp Glu 20 25 30 Thr His Tyr Pro Asp Ala Phe Met Arg Glu Glu Leu Ser Gln Arg Leu 35 40 45 Gly Leu Ser Glu Ala Arg Val Gln Val Trp Phe Gln Asn Arg Arg Ala 50 55 60 Lys Cys Arg Lys Gln Glu Asn Gln Leu His Lys Gly Val Leu Ile Gly 65 70 75 80 Ala Ala Ser Gln Phe Glu Ala Cys Arg Val Ala Pro Tyr Val Asn Val 85 90 95 Gly Ala Leu Arg Met Pro Phe Gln Gln Val Gln Ala Gln Leu Gln Leu 100 105 110 Asp Ser Ala Val Ala His Ala His His His Leu His Pro His Leu Ala 115 120 125 Ala His Ala Pro Tyr Met Met Phe Pro Ala Pro Pro Phe Gly Leu Pro 130 135 140 Leu Ala Thr Leu Ala Ala Asp Ser Ala Ser Ala Ala Ser Val Val Ala 145 150 155 160 Ala Ala Ala Ala Ala Lys Thr Thr Ser Lys Asp Ser Ser Ile Ala Asp 165 170 175 Leu Arg Leu Lys Ala Lys Lys His Ala Ala Ala Leu Gly Leu 180 185 190 <210> 8 <211> 570 <212> DNA <213> Human <400> 8 atggaggacg aaggccagac caaaatcaag cagaggcgaa gtcggaccaa tttcaccctg 60 gaacaactca atgagctgga gaggcttttt gacgagaccc actatcccga cgccttcatg 120 cgagaggaac tgagccagcg actgggcctg tcggaggccc gagtgcaggt ttggtttcaa 180 aatcgaagag ctaaatgtag aaaacaagaa aatcaactcc ataaaggtgt tctcataggg 240 gccgccagcc agtttgaagc ttgtagagtc gcaccttatg tcaacgtagg tgctttaagg 300 atgccatttc agcaggttca ggcgcagctg cagctggaca gcgctgtggc gcacgcgcac 360 caccacctgc atccgcacct ggccgcgcac gcgccctaca tgatgttccc agcaccgccc 420 ttcggactgc cgctcgccac gctggccgcg gattcggctt ccgccgcctc ggtagtggcg 480 gccgcagcag ccgccaagac caccagcaag gactccagca tcgccgatct cagactgaaa 540 gccaaaaagc acgccgcagc cctgggtctg 570 <210> 9 <211> 343 <212> PRT <213> Human <400> 9 Met Tyr Arg Pro Arg Ala Arg Ala Ala Pro Glu Gly Arg Val Arg Gly 5 10 15 Cys Ala Val Pro Gly Thr Val Leu Leu Leu Leu Ala Tyr Leu Ala Tyr 20 25 30 Leu Ala Leu Gly Thr Gly Val Phe Trp Thr Leu Glu Gly Arg Ala Ala 35 40 45 Gln Asp Ser Ser Arg Ser Phe Gln Arg Asp Lys Trp Glu Leu Leu Gln 50 55 60 Asn Phe Thr Cys Leu Asp Arg Pro Ala Leu Asp Ser Leu Ile Arg Asp 65 70 75 80 Val Val Gln Ala Tyr Lys Asn Gly Ala Ser Leu Leu Ser Asn Thr Thr 85 90 95 Ser Met Gly Arg Trp Glu Leu Val Gly Ser Phe Phe Phe Ser Val Ser 100 105 110 Thr Ile Thr Thr Ile Gly Tyr Gly Asn Leu Ser Pro Asn Thr Met Ala 115 120 125 Ala Arg Leu Phe Cys Ile Phe Phe Ala Leu Val Gly Ile Pro Leu Asn 130 135 140 Leu Val Val Leu Asn Arg Leu Gly His Leu Met Gln Gln Gly Val Asn 145 150 155 160 His Trp Ala Ser Arg Leu Gly Gly Thr Trp Gln Asp Pro Asp Lys Ala 165 170 175 Arg Trp Leu Ala Gly Ser Gly Ala Leu Leu Ser Gly Leu Leu Leu Phe 180 185 190 Leu Leu Leu Pro Pro Leu Leu Phe Ser His Met Glu Gly Trp Ser Tyr 195 200 205 Thr Glu Gly Phe Tyr Phe Ala Phe Ile Thr Leu Ser Thr Val Gly Phe 210 215 220 Gly Asp Tyr Val Ile Gly Met Asn Pro Ser Gln Arg Tyr Pro Leu Trp 225 230 235 240 Tyr Lys Asn Met Val Ser Leu Trp Ile Leu Phe Gly Met Ala Trp Leu 245 250 255 Ala Leu Ile Ser Asn Ser Ser Ser Pro Ser Trp Arg Arg Gln Gly Gly 260 265 270 Tyr Val Pro Ala Ala Thr Thr Ala Leu Arg Lys Thr Ser Ser Pro Lys 275 280 285 Ala Gly Asp Arg Asp Leu Thr Gly Ser Gln Ser Pro Thr Pro His Ser 290 295 300 Lys Asp Ala Ile Gln Arg Asp Pro Trp Glu Ser Tyr Ser Ile Trp Asn 305 310 315 320 Leu Leu Leu Thr Leu Gln Ala Val Ala Arg Thr Ala Ser Tyr Thr Pro 325 330 335 Phe Phe Gly Arg Arg Pro Arg 340 <210> 10 <211> 1029 <212> DNA <213> Human <220> <221> unsure <222> 126 <223> n means a,t,g,c or unknown <400> 10 atgtaccgac cgcgagcccg ggcggctccc gagggcaggg tccggggctg cgcggtgccc 60 ggcaccgtgc tcctgctgct cgcctacctg gcttacctgg cgctgggcac cggcgtgttc 120 tggacnctgg agggccgcgc ggcgcaggac tccagccgca gcttccagcg cgacaagtgg 180 gagctgttgc agaacttcac gtgtctggac cgcccggcgc tggactcgct gatccgggat 240 gtcgtccaag catacaaaaa cggagccagc ctcctcagca acaccaccag catggggcgc 300 tgggagctcg tgggctcctt cttcttttct gtgtccacca tcaccaccat tggctatggc 360 aacctgagcc ccaacacgat ggctgcccgc ctcttctgca tcttctttgc ccttgtgggg 420 atcccactca acctcgtggt gctcaaccga ctggggcatc tcatgcagca gggagtaaac 480 cactgggcca gcaggctggg gggcacctgg caggatcctg acaaggcgcg gtggctggcg 540 ggctctggcg ccctcctctc gggcctcctg ctcttcctgc tgctgccacc gctgctcttc 600 tcccacatgg agggctggag ctacacagag ggcttctact tcgccttcat caccctcagc 660 accgtgggct tcggcgacta cgtgattgga atgaacccct cccagaggta cccactgtgg 720 tacaagaaca tggtgtccct gtggatcctc tttgggatgg catggctggc cttgatctca 780 aactcatcct ctcccagctg gagacgccag ggagggtatg ttcctgctgc caccacagct 840 ctaaggaaga cttcaagtcc caaagctgga gacagggacc tgaccgggag ccagagtccc 900 actccccaca gcaaggatgc tatccagagg gacccatggg aatcatacag catctggaac 960 cttctgctca cgctgcaggc tgtggcaagg acagctagtt atactccatt ctttggtcgt 1020 cgtcctcgg 1029 <210> 11 <211> 983 <212> PRT <213> Human <400> 11 Met Asp Cys Gln Leu Ser Ile Leu Leu Leu Leu Ser Cys Ser Val Leu 5 10 15 Asp Ser Phe Gly Glu Leu Ile Pro Gln Pro Ser Asn Glu Val Asn Leu 20 25 30 Leu Asp Ser Lys Thr Ile Gln Gly Glu Leu Gly Trp Ile Ser Tyr Pro 35 40 45 Ser His Gly Trp Glu Glu Ile Ser Gly Val Asp Glu His Tyr Thr Pro 50 55 60 Ile Arg Thr Tyr Gln Val Cys Asn Val Met Asp His Ser Gln Asn Asn 65 70 75 80 Trp Leu Arg Thr Asn Trp Val Pro Arg Asn Ser Ala Gln Lys Ile Tyr 85 90 95 Val Glu Leu Lys Phe Thr Leu Arg Asp Cys Asn Ser Ile Pro Leu Val 100 105 110 Leu Gly Thr Cys Lys Glu Thr Phe Asn Leu Tyr Tyr Met Glu Ser Asp 115 120 125 Asp Asp His Gly Val Lys Phe Arg Glu His Gln Phe Thr Lys Ile Asp 130 135 140 Thr Ile Ala Ala Asp Glu Ser Phe Thr Gln Met Asp Leu Gly Asp Arg 145 150 155 160 Ile Leu Lys Leu Asn Thr Glu Ile Arg Glu Val Gly Pro Val Asn Lys 165 170 175 Lys Gly Phe Tyr Leu Ala Phe Gln Asp Val Gly Ala Cys Val Ala Leu 180 185 190 Val Ser Val Arg Val Tyr Phe Lys Lys Cys Pro Phe Thr Val Lys Asn 195 200 205 Leu Ala Met Phe Pro Asp Thr Val Pro Met Asp Ser Gln Ser Leu Val 210 215 220 Glu Val Arg Gly Ser Cys Val Asn Asn Ser Lys Glu Glu Asp Pro Pro 225 230 235 240 Arg Met Tyr Cys Ser Thr Glu Gly Glu Trp Leu Val Pro Ile Gly Lys 245 250 255 Cys Ser Cys Asn Ala Gly Tyr Glu Glu Arg Gly Phe Met Cys Gln Ala 260 265 270 Cys Arg Pro Gly Phe Tyr Lys Ala Leu Asp Gly Asn Met Lys Cys Ala 275 280 285 Lys Cys Pro Pro His Ser Ser Thr Gln Glu Asp Gly Ser Met Asn Cys 290 295 300 Arg Cys Glu Asn Asn Tyr Phe Arg Ala Asp Lys Asp Pro Pro Ser Met 305 310 315 320 Ala Cys Thr Arg Pro Pro Ser Ser Pro Arg Asn Val Ile Ser Asn Ile 325 330 335 Asn Glu Thr Ser Val Ile Leu Asp Trp Ser Trp Pro Leu Asp Thr Gly 340 345 350 Gly Arg Lys Asp Val Thr Phe Asn Ile Ile Cys Lys Lys Cys Gly Trp 355 360 365 Asn Ile Lys Gln Cys Glu Pro Cys Ser Pro Asn Val Arg Phe Leu Pro 370 375 380 Arg Gln Phe Gly Leu Thr Asn Thr Thr Val Thr Val Thr Asp Leu Leu 385 390 395 400 Ala His Thr Asn Tyr Thr Phe Glu Ile Asp Ala Val Asn Gly Val Ser 405 410 415 Glu Leu Ser Ser Pro Pro Arg Gln Phe Ala Ala Val Ser Ile Thr Thr 420 425 430 Asn Gln Ala Ala Pro Ser Pro Val Leu Thr Ile Lys Lys Asp Arg Thr 435 440 445 Ser Arg Asn Ser Ile Ser Leu Ser Trp Gln Glu Pro Glu His Pro Asn 450 455 460 Gly Ile Ile Leu Asp Tyr Glu Val Lys Tyr Tyr Glu Lys Gln Glu Gln 465 470 475 480 Glu Thr Ser Tyr Thr Ile Leu Arg Ala Arg Gly Thr Asn Val Thr Ile 485 490 495 Ser Ser Leu Lys Pro Asp Thr Ile Tyr Val Phe Gln Ile Arg Ala Arg 500 505 510 Thr Ala Ala Gly Tyr Gly Thr Asn Ser Arg Lys Phe Glu Phe Glu Thr 515 520 525 Ser Pro Asp Ser Phe Ser Ile Ser Gly Glu Ser Ser Gln Val Val Met 530 535 540 Ile Ala Ile Ser Ala Ala Val Ala Ile Ile Leu Leu Thr Val Val Ile 545 550 555 560 Tyr Val Leu Ile Gly Arg Phe Cys Gly Tyr Lys Ser Lys His Gly Ala 565 570 575 Asp Glu Lys Arg Leu His Phe Gly Asn Gly His Leu Lys Leu Pro Gly 580 585 590 Leu Arg Thr Tyr Val Asp Pro His Thr Tyr Glu Asp Pro Thr Gln Ala 595 600 605 Val His Glu Phe Ala Lys Glu Leu Asp Ala Thr Asn Ile Ser Ile Asp 610 615 620 Lys Val Val Gly Ala Gly Glu Phe Gly Glu Val Cys Ser Gly Arg Leu 625 630 635 640 Lys Leu Pro Ser Lys Lys Glu Ile Ser Val Ala Ile Lys Thr Leu Lys 645 650 655 Val Gly Tyr Thr Glu Lys Gln Arg Arg Asp Phe Leu Gly Glu Ala Ser 660 665 670 Ile Met Gly Gln Phe Asp His Pro Asn Ile Ile Arg Leu Glu Gly Val 675 680 685 Val Thr Lys Ser Lys Pro Val Met Ile Val Thr Glu Tyr Met Glu Asn 690 695 700 Gly Ser Leu Asp Ser Phe Leu Arg Lys His Asp Ala Gln Phe Thr Val 705 710 715 720 Ile Gln Leu Val Gly Met Leu Arg Gly Ile Ala Ser Gly Met Lys Tyr 725 730 735 Leu Ser Asp Met Gly Tyr Val His Arg Asp Leu Ala Ala Arg Asn Ile 740 745 750 Leu Ile Asn Ser Asn Leu Val Cys Lys Val Ser Asp Phe Gly Leu Ser 755 760 765 Arg Val Leu Glu Asp Asp Pro Glu Ala Ala Tyr Thr Thr Arg Gly Gly 770 775 780 Lys Ile Pro Ile Arg Trp Thr Ser Pro Glu Ala Ile Ala Tyr Arg Lys 785 790 795 800 Phe Thr Ser Ala Ser Asp Val Trp Ser Tyr Gly Ile Val Leu Trp Glu 805 810 815 Val Met Ser Tyr Gly Glu Arg Pro Tyr Trp Glu Met Ser Asn Gln Asp 820 825 830 Val Ile Lys Ala Val Asp Glu Gly Tyr Arg Leu Pro Pro Pro Met Asp 835 840 845 Cys Pro Ala Ala Leu Tyr Gln Leu Met Leu Asp Cys Trp Gln Lys Asp 850 855 860 Arg Asn Asn Arg Pro Lys Phe Glu Gln Ile Val Ser Ile Leu Asp Lys 865 870 875 880 Leu Ile Arg Asn Pro Gly Ser Leu Lys Ile Ile Thr Ser Ala Ala Ala 885 890 895 Arg Pro Ser Asn Leu Leu Leu Asp Gln Ser Asn Val Asp Ile Thr Thr 900 905 910 Phe Arg Thr Thr Gly Asp Trp Leu Asn Gly Val Trp Thr Ala His Cys 915 920 925 Lys Glu Ile Phe Thr Gly Val Glu Tyr Ser Ser Cys Asp Thr Ile Ala 930 935 940 Lys Ile Ser Thr Asp Asp Met Lys Lys Val Gly Val Thr Val Val Gly 945 950 955 960 Pro Gln Lys Lys Ile Ile Ser Ser Ile Lys Ala Leu Glu Thr Gln Ser 965 970 975 Lys Asn Gly Pro Val Pro Val 980 <210> 12 <211> 2949 <212> DNA <213> Human <400> 12 atggattgtc agctctccat cctcctcctt ctcagctgct ctgttctcga cagcttcggg 60 gaactgattc cgcagccttc caatgaagtc aatctactgg attcaaaaac aattcaaggg 120 gagctgggct ggatctctta tccatcacat gggtgggaag agatcagtgg tgtggatgaa 180 cattacacac ccatcaggac ttaccaggtg tgcaatgtca tggaccacag tcaaaacaat 240 tggctgagaa caaactgggt ccccaggaac tcagctcaga agatttatgt ggagctcaag 300 ttcactctac gagactgcaa tagcattcca ttggttttag gaacttgcaa ggagacattc 360 aacctgtact acatggagtc tgatgatgat catggggtga aatttcgaga gcatcagttt 420 acaaagattg acaccattgc agctgatgaa agtttcactc aaatggatct tggggaccgt 480 attctgaagc tcaacactga gattagagaa gtaggtcctg tcaacaagaa gggattttat 540 ttggcatttc aagatgttgg tgcttgtgtt gccttggtgt ctgtgagagt atacttcaaa 600 aagtgcccat ttacagtgaa gaatctggct atgtttccag acacggtacc catggactcc 660 cagtccctgg tggaggttag agggtcttgt gtcaacaatt ctaaggagga agatcctcca 720 aggatgtact gcagtacaga aggcgaatgg cttgtaccca ttggcaagtg ttcctgcaat 780 gctggctatg aagaaagagg ttttatgtgc caagcttgtc gaccaggttt ctacaaggca 840 ttggatggta atatgaagtg tgctaagtgc ccgcctcaca gttctactca ggaagatggt 900 tcaatgaact gcaggtgtga gaataattac ttccgggcag acaaagaccc tccatccatg 960 gcttgtaccc gacctccatc ttcaccaaga aatgttatct ctaatataaa cgagacctca 1020 gttatcctgg actggagttg gcccctggac acaggaggcc ggaaagatgt taccttcaac 1080 atcatatgta aaaaatgtgg gtggaatata aaacagtgtg agccatgcag cccaaatgtc 1140 cgcttcctcc ctcgacagtt tggactcacc aacaccacgg tgacagtgac agaccttctg 1200 gcacatacta actacacctt tgagattgat gccgttaatg gggtgtcaga gctgagctcc 1260 ccaccaagac agtttgctgc ggtcagcatc acaactaatc aggctgctcc atcacctgtc 1320 ctgacgatta agaaagatcg gacctccaga aatagcatct ctttgtcctg gcaagaacct 1380 gaacatccta atgggatcat attggactac gaggtcaaat actatgaaaa gcaggaacaa 1440 gaaacaagtt ataccattct gagggcaaga ggcacaaatg ttaccatcag tagcctcaag 1500 cctgacacta tatacgtatt ccaaatccga gcccgaacag ccgctggata tgggacgaac 1560 agccgcaagt ttgagtttga aactagtcca gactctttct ccatctctgg tgaaagtagc 1620 caagtggtca tgatcgccat ttcagcggca gtagcaatta ttctcctcac tgttgtcatc 1680 tatgttttga ttgggaggtt ctgtggctat aagtcaaaac atggggcaga tgaaaaaaga 1740 cttcattttg gcaatgggca tttaaaactt ccaggtctca ggacttatgt tgacccacat 1800 acatatgaag accctaccca agctgttcat gagtttgcca aggaattgga tgccaccaac 1860 atatccattg ataaagttgt tggagcaggt gaatttggag aggtgtgcag tggtcgctta 1920 aaacttcctt caaaaaaaga gatttcagtg gccattaaga ccctgaaagt tggctacaca 1980 gaaaagcaga ggagagactt cctgggagaa gcaagcatta tgggacagtt tgaccacccc 2040 aatatcattc gactggaagg agttgttacc aaaagtaagc cagttatgat tgtcacagaa 2100 tacatggaga atggttcctt ggatagtttc ctacgtaaac acgatgccca gtttactgtc 2160 attcagctag tggggatgct tcgagggata gcatctggca tgaagtacct gtcagacatg 2220 ggctatgttc accgagacct cgctgctcgg aacatcttga tcaacagtaa cttggtgtgt 2280 aaggtttctg atttcggact ttcgcgtgtc ctggaggatg acccagaagc tgcttataca 2340 acaagaggag ggaagatccc aatcaggtgg acatcaccag aagctatagc ctaccgcaag 2400 ttcacgtcag ccagcgatgt atggagttat gggattgttc tctgggaggt gatgtcttat 2460 ggagagagac catactggga gatgtccaat caggatgtaa ttaaagctgt agatgagggc 2520 tatcgactgc caccccccat ggactgccca gctgccttgt atcagctgat gctggactgc 2580 tggcagaaag acaggaacaa cagacccaag tttgagcaga ttgttagtat tctggacaag 2640 cttatccgga atcccggcag cctgaagatc atcaccagtg cagccgcaag gccatcaaac 2700 cttcttctgg accaaagcaa tgtggatatc actaccttcc gcacaacagg tgactggctt 2760 aatggtgtct ggacagcaca ctgcaaggaa atcttcacgg gtgtggagta cagttcttgt 2820 gacacaatag ccaagatttc cacagatgac atgaaaaagg ttggtgtcac cgtggttggg 2880 ccacagaaga agatcatcag tagcattaaa gctctagaaa cgcaatcaaa gaatggccca 2940 gttcccgtg 2949 <210> 13 <211> 457 <212> PRT <213> Human <400> 13 Met Ile Leu Leu Thr Phe Ser Thr Gly Arg Arg Leu Asp Phe Val His 5 10 15 His Ser Gly Val Phe Phe Leu Gln Thr Leu Leu Trp Ile Leu Cys Ala 20 25 30 Thr Val Cys Gly Thr Glu Gln Tyr Phe Asn Val Glu Val Trp Leu Gln 35 40 45 Lys Tyr Gly Tyr Leu Pro Pro Thr Asp Pro Arg Met Ser Val Leu Arg 50 55 60 Ser Ala Glu Thr Met Gln Ser Ala Leu Ala Ala Met Gln Gln Phe Tyr 65 70 75 80 Gly Ile Asn Met Thr Gly Lys Val Asp Arg Asn Thr Ile Asp Trp Met 85 90 95 Lys Lys Pro Arg Cys Gly Val Pro Asp Gln Thr Arg Gly Ser Ser Lys 100 105 110 Phe His Ile Arg Arg Lys Arg Tyr Ala Leu Thr Gly Gln Lys Trp Gln 115 120 125 His Lys His Ile Thr Tyr Ser Ile Lys Asn Val Thr Pro Lys Val Gly 130 135 140 Asp Pro Glu Thr Arg Lys Ala Ile Arg Arg Ala Phe Asp Val Trp Gln 145 150 155 160 Asn Val Thr Pro Leu Thr Phe Glu Glu Val Pro Tyr Ser Glu Leu Glu 165 170 175 Asn Gly Lys Arg Asp Val Asp Ile Thr Ile Ile Phe Ala Ser Gly Phe 180 185 190 His Gly Asp Ser Ser Pro Phe Asp Gly Glu Gly Gly Phe Leu Ala His 195 200 205 Ala Tyr Phe Pro Gly Pro Gly Ile Gly Gly Asp Thr His Phe Asp Ser 210 215 220 Asp Glu Pro Trp Thr Leu Gly Asn Pro Asn His Asp Gly Asn Asp Leu 225 230 235 240 Phe Leu Val Ala Val His Glu Leu Gly His Ala Leu Gly Leu Glu His 245 250 255 Ser Asn Asp Pro Thr Ala Ile Met Ala Pro Phe Tyr Gln Tyr Met Glu 260 265 270 Thr Asp Asn Phe Lys Leu Pro Asn Asp Asp Leu Gln Gly Ile Gln Lys 275 280 285 Ile Tyr Gly Pro Pro Asp Lys Ile Pro Pro Pro Thr Arg Pro Leu Pro 290 295 300 Thr Val Pro Pro His Arg Ser Ile Pro Pro Ala Asp Pro Arg Lys Asn 305 310 315 320 Asp Arg Pro Lys Pro Pro Arg Pro Pro Thr Gly Arg Pro Ser Tyr Pro 325 330 335 Gly Ala Lys Pro Asn Ile Cys Asp Gly Asn Phe Asn Thr Leu Ala Ile 340 345 350 Leu Arg Arg Glu Met Phe Val Phe Lys Asp Gln Trp Phe Trp Arg Val 355 360 365 Arg Asn Asn Arg Val Met Asp Gly Tyr Pro Met Gln Ile Thr Tyr Phe 370 375 380 Trp Arg Gly Leu Pro Pro Ser Ile Asp Ala Val Tyr Glu Asn Ser Asp 385 390 395 400 Gly Asn Phe Val Phe Phe Lys Val Lys Gly Asp Thr Leu Ser Val Ile 405 410 415 Gln Asp Gly Trp Leu Tyr Lys Tyr His Trp Lys Trp Ile Leu Glu Gln 420 425 430 Arg Gln Ser Val Pro Val Leu Ser Arg Gln Thr Glu Lys His Lys Thr 435 440 445 Tyr Glu Glu Leu Ser Ser Ile Thr Tyr 450 455 <210> 14 <211> 1371 <212> DNA <213> Human <400> 14 atgatcttac tcacattcag cactggaaga cggttggatt tcgtgcatca ttcgggggtg 60 tttttcttgc aaaccttgct ttggatttta tgtgctacag tctgcggaac ggagcagtat 120 ttcaatgtgg aggtttggtt acaaaagtac ggctaccttc caccgactga ccccagaatg 180 tcagtgctgc gctctgcaga gaccatgcag tctgccctag ctgccatgca gcagttctat 240 ggcattaaca tgacaggaaa agtggacaga aacacaattg actggatgaa gaagccccga 300 tgcggtgtac ctgaccagac aagaggtagc tccaaatttc atattcgtcg aaagcgatat 360 gcattgacag gacagaaatg gcagcacaag cacatcactt acagtataaa gaacgtaact 420 ccaaaagtag gagaccctga gactcgtaaa gctattcgcc gtgcctttga tgtgtggcag 480 aatgtaactc ctctgacatt tgaagaagtt ccctacagtg aattagaaaa tggcaaacgt 540 gatgtggata taaccattat ttttgcatct ggtttccatg gggacagctc tccctttgat 600 ggagagggag gatttttggc acatgcctac ttccctggac caggaattgg aggagatacc 660 cattttgact cagatgagcc atggacacta ggaaatccta atcatgatgg aaatgactta 720 tttcttgtag cagtccatga actgggacat gctctgggat tggagcattc caatgacccc 780 actgccatca tggctccatt ttaccagtac atggaaacag acaacttcaa actacctaat 840 gatgatttac agggcatcca gaagatatat ggtccacctg acaagattcc tccacctaca 900 agacctctac cgacagtgcc cccacaccgc tctattcctc cggctgaccc aaggaaaaat 960 gacaggccaa aacctcctcg gcctccaacc ggcagaccct cctatcccgg agccaaaccc 1020 aacatctgtg atgggaactt taacactcta gctattcttc gtcgtgagat gtttgttttc 1080 aaggaccagt ggttttggcg agtgagaaac aacagggtga tggatggata cccaatgcaa 1140 attacttact tctggcgggg cttgcctcct agtatcgatg cagtttatga aaatagcgac 1200 gggaattttg tgttctttaa agtgaaggga gacactctat ctgtaatcca agatggttgg 1260 ctctacaaat accattggaa atggattcta gaacaaaggc agtcagtgcc tgtgctctca 1320 agacaaactg aaaagcacaa gacctatgaa gaattatctt ccatcacata c 1371 <210> 15 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer <400> 15 gaccctggag cactcatgtt 20 <210> 16 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer <400> 16 gtctggcgtt tttggatgtt 20 <210> 17 <211> 18 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer <400> 17 gagatggggc tgccccag 18 <210> 18 <211> 25 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer <400> 18 gccttgagaa gccctcccgt tggtc 25 <210> 19 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer <400> 19 ggagagtact cactttacca tc 22 <210> 20 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer <400> 20 gaatcaagtc acagccgtgt g 21 <210> 21 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer <400> 21 ctgactcagg aggcagagaa g 21 <210> 22 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer <400> 22 gggctctgtt gaaatatgga 20 <210> 23 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer <400> 23 ccagtacttt ataaccaaag c 21 <210> 24 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Prime <400> 24 aagatgggga gaggcaaact 20
【図面の簡単な説明】
【図1】DIO2、SOX9、II型コラーゲンおよび
オステオカルシンの経時的な発現変化の結果を表す。図
1aはDIO2のmRNAの経時的な発現を、図1bは
SOX9のmRNAの経時的な発現を、図1cはII型
コラーゲンのmRNAの経時的な発現を、図1dはオス
テオカルシンのmRNAの経時的な発現を表す。
【図2】T3による正常ヒト膝関節軟骨細胞のアルカリ
性ホスファターゼ活性誘導の結果を表す。図中、横軸の
1は、培養液の組成が、DMEM、ITS、BSA、ア
スコルビン酸リン酸マグネシウム塩n−水和物およびβ
−グリセロリン酸の場合の結果を表す。横軸の2は、培
養液の組成が、DMEM、ITS、BSA、アスコルビ
ン酸リン酸マグネシウム塩n−水和物、β−グリセロリ
ン酸および50nM T3の場合の結果を表す。横軸の
3は、培養液の組成が、DMEM、ITS、BSA、ア
スコルビン酸リン酸マグネシウム塩n−水和物、β−グ
リセロリン酸および0.5nM T3の場合の結果を表
す。横軸の4は、培養液の組成が、DMEM、ITS、
BSA、アスコルビン酸リン酸マグネシウム塩n−水和
物、β−グリセロリン酸および0.05nM T3の場
合の結果を表す。縦軸は細胞表層タンパク質抽出液のア
ルカリ性ホスファターゼ活性を表す。
【図3】T3による正常ヒト膝関節軟骨細胞のMMP1
3遺伝子の発現誘導の結果を表す。図中、横軸の1は、
培養液の組成が、DMEM、ITSおよびBSAの場合
の結果を表す。横軸の2は、培養液の組成が、DME
M、ITS、BSA、アスコルビン酸リン酸マグネシウ
ム塩n-水和物およびβ−グリセロリン酸の場合の結果
を表す。横軸の3は、培養液の組成が、DMEM、IT
S、BSA、アスコルビン酸リン酸マグネシウム塩n-
水和物、β−グリセロリン酸および10nM T3の場
合の結果を表す。横軸の4は、培養液の組成が、DME
M、ITS、BSA、アスコルビン酸リン酸マグネシウ
ム塩n-水和物、β−グリセロリン酸および1nM T3
の場合の結果を表す。横軸の5は、培養液の組成が、D
MEM、ITS、BSA、アスコルビン酸リン酸マグネ
シウム塩n-水和物、β−グリセロリン酸および0.1
nM T3の場合の結果を表す。縦軸は、β-アクチンで
標準化したMMP13 cDNAコピー数を示す。
【図4】T3 RIA法によるDIO1およびDIO2
の活性の測定結果を表す。図4a) 斜線棒は、横軸に記
した濃度のT3試薬を、T3 RIA法によって測定し
た結果を表す。図中、黒棒は、横軸に記した遺伝子を導
入したCOS−7細胞または導入していないCOS−7
細胞(未処理)破砕液と、T4試薬を混和し、産生され
たT3をT3 RIA法によって測定した結果を表す。
縦軸はT3 RIA法の生データである放射活性を示
す。図4b)DIO1遺伝子導入細胞破砕液、T4試薬
およびPTU試薬を、横軸に記した組み合わせで混和
し、産生されたT3をT3 RIA法で測定した結果を
表す。図中、縦軸はT3 RIA法の生データである放
射活性を示す。図4c)DIO2遺伝子導入細胞破砕
液、T4試薬、rT3試薬およびPTU試薬を、横軸に
記した組み合わせで混和し、産生されたT3をT3 R
IA法で測定した結果を表す。図中、縦軸はT3 RI
A法の生データである放射活性を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 19/00 A61P 19/02 4C085 19/02 29/00 101 4C086 29/00 101 43/00 105 4H045 43/00 105 C12Q 1/68 A C12Q 1/68 G01N 33/15 Z G01N 33/15 33/50 X 33/50 Z 33/53 D 33/53 M 33/566 33/566 C07K 14/47 // C07K 14/47 16/18 16/18 16/40 16/40 C12N 9/16 C12N 9/16 9/50 9/50 A61K 37/02 15/09 C12N 15/00 A (31)優先権主張番号 特願2001−300289(P2001−300289) (32)優先日 平成13年9月28日(2001.9.28) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願2001−300347(P2001−300347) (32)優先日 平成13年9月28日(2001.9.28) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願2001−303390(P2001−303390) (32)優先日 平成13年9月28日(2001.9.28) (33)優先権主張国 日本(JP) (72)発明者 吉村 浩二 茨城県つくば市春日1丁目7番地9 武田 春日ハイツ404号 Fターム(参考) 2G045 AA34 AA35 BB20 BB46 BB50 BB51 CB01 CB13 DA13 DA36 FB02 FB03 FB08 4B024 AA01 AA11 BA10 BA11 CA04 DA02 EA04 GA11 4B050 CC03 DD07 LL01 LL03 4B063 QA01 QA05 QA18 QQ43 QQ94 QR77 QS05 QS25 QS34 QS36 QX07 4C084 AA13 AA17 ZA96 ZB21 ZB26 4C085 AA13 BB31 CC21 EE01 4C086 AA01 EA16 MA01 MA04 NA14 ZA96 ZB15 4H045 BA10 CA40 DA75 DA89 EA20 EA50 FA74

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】配列番号:1、配列番号:3、配列番号:
    5、配列番号:7、配列番号:9、配列番号:11また
    は配列番号:13で表されるアミノ酸配列と同一もしく
    は実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質も
    しくはその部分ペプチドまたはその塩の活性を調節する
    化合物またはその塩を含有してなる骨・関節疾患の予防
    ・治療剤。
  2. 【請求項2】配列番号:1、配列番号:3、配列番号:
    5、配列番号:7、配列番号:9、配列番号:11また
    は配列番号:13で表されるアミノ酸配列と同一もしく
    は実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質も
    しくはその部分ペプチドまたはその塩の活性を阻害する
    化合物またはその塩を含有してなる請求項1記載の予防
    ・治療剤。
  3. 【請求項3】配列番号:1で表されるアミノ酸配列から
    なるタンパク質もしくはその部分ペプチドまたはその塩
    の活性を阻害する化合物またはその塩である、請求項2
    記載の予防・治療剤。
  4. 【請求項4】配列番号:1、配列番号:3、配列番号:
    5、配列番号:7、配列番号:9、配列番号:11また
    は配列番号:13で表されるアミノ酸配列と同一もしく
    は実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質の
    遺伝子の発現を調節する化合物またはその塩を含有して
    なる骨・関節疾患の予防・治療剤。
  5. 【請求項5】配列番号:1、配列番号:3、配列番号:
    5、配列番号:7、配列番号:9、配列番号:11また
    は配列番号:13で表されるアミノ酸配列と同一もしく
    は実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質の
    遺伝子の発現を阻害する化合物またはその塩を含有して
    なる骨・関節疾患の予防・治療剤。
  6. 【請求項6】配列番号:1で表されるアミノ酸配列から
    なるタンパク質もしくはその部分ペプチドまたはその塩
    の遺伝子の発現を阻害する化合物またはその塩である、
    請求項5記載の予防・治療剤。
  7. 【請求項7】配列番号:1、配列番号:3、配列番号:
    5、配列番号:7、配列番号:9、配列番号:11また
    は配列番号:13で表されるアミノ酸配列と同一もしく
    は実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質ま
    たはその部分ペプチドをコードするDNAの塩基配列に
    相補的もしくは実質的に相補的な塩基配列またはその一
    部を含有するアンチセンスポリヌクレオチドを含有して
    なる骨・関節疾患の予防・治療剤。
  8. 【請求項8】配列番号:1、配列番号:3、配列番号:
    5、配列番号:7、配列番号:9、配列番号:11また
    は配列番号:13で表されるアミノ酸配列と同一もしく
    は実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質ま
    たはその部分ペプチドまたはその塩に対する抗体を含有
    してなる骨・関節疾患の予防・治療剤。
  9. 【請求項9】骨・関節疾患が、軟骨形成異常、骨形成異
    常、骨粗鬆症、変形性関節症、慢性関節リウマチ、関節
    炎、滑膜炎、代謝性関節症またはスポーツによる関節障
    害である請求項1、4、7または8記載の予防・治療
    剤。
  10. 【請求項10】配列番号:1、配列番号:3、配列番
    号:5、配列番号:7、配列番号:9、配列番号:11
    または配列番号:13で表されるアミノ酸配列と同一も
    しくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク
    質またはその部分ペプチドまたはその塩に対する抗体を
    含有してなる骨・関節疾患の診断薬。
  11. 【請求項11】配列番号:1、配列番号:3、配列番
    号:5、配列番号:7、配列番号:9、配列番号:11
    または配列番号:13で表されるアミノ酸配列と同一も
    しくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク
    質またはその部分ペプチドをコードするDNAを含有し
    てなる骨・関節疾患の診断薬。
  12. 【請求項12】骨・関節疾患が、軟骨形成異常、骨形成
    異常、骨粗鬆症、変形性関節症、慢性関節リウマチ、関
    節炎、滑膜炎、代謝性関節症またはスポーツによる関節
    障害である請求項10または請求項11記載の診断薬。
  13. 【請求項13】配列番号:1、配列番号:3、配列番
    号:5、配列番号:7、配列番号:9、配列番号:11
    または配列番号:13で表されるアミノ酸配列と同一も
    しくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク
    質もしくはその部分ペプチドまたはその塩を用いること
    を特徴とする骨・関節疾患の予防・治療剤のスクリーニ
    ング方法。
  14. 【請求項14】配列番号:1で表されるアミノ酸配列か
    らなるタンパク質もしくはその部分ペプチドまたはその
    塩を用いる請求項13記載のスクリーニング方法。
  15. 【請求項15】配列番号:1、配列番号:3、配列番
    号:5、配列番号:7、配列番号:9、配列番号:11
    または配列番号:13で表されるアミノ酸配列と同一も
    しくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク
    質もしくはその部分ペプチドまたはその塩を含有するこ
    とを特徴とする骨・関節疾患の予防・治療剤のスクリー
    ニング用キット。
  16. 【請求項16】請求項13記載のスクリーニング方法ま
    たは請求項15記載のスクリーニング用キットを用いて
    得られうる、骨・関節疾患の予防・治療剤。
  17. 【請求項17】配列番号:1、配列番号:3、配列番
    号:5、配列番号:7、配列番号:9、配列番号:11
    または配列番号:13で表されるアミノ酸配列と同一も
    しくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク
    質またはその部分ペプチドをコードするDNAを用いる
    ことを特徴とする骨・関節疾患の予防・治療剤のスクリ
    ーニング方法。
  18. 【請求項18】配列番号:1で表されるアミノ酸配列か
    らなるタンパク質またはその部分ペプチドをコードする
    DNAを用いる請求項17記載のスクリーニング方法。
  19. 【請求項19】配列番号:1、配列番号:3、配列番
    号:5、配列番号:7、配列番号:9、配列番号:11
    または配列番号:13で表されるアミノ酸配列と同一も
    しくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク
    質またはその部分ペプチドをコードするDNAを含有す
    ることを特徴とする骨・関節疾患の予防・治療剤のスク
    リーニング用キット。
  20. 【請求項20】請求項17記載のスクリーニング方法ま
    たは請求項19記載のスクリーニング用キットを用いて
    得られうる、骨・関節疾患の予防・治療剤。
  21. 【請求項21】哺乳動物に対して、配列番号:1、配列
    番号:3、配列番号:5、配列番号:7、配列番号:
    9、配列番号:11または配列番号:13で表されるア
    ミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列
    を含有するタンパク質もしくはその部分ペプチドまたは
    その塩の活性を調節する化合物またはその塩の有効量を
    投与することを特徴とする骨・関節疾患の予防・治療方
    法。
  22. 【請求項22】哺乳動物に対して、配列番号:1、配列
    番号:3、配列番号:5、配列番号:7、配列番号:
    9、配列番号:11または配列番号:13で表されるア
    ミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列
    を含有するタンパク質もしくはその部分ペプチドまたは
    その塩の遺伝子の発現を調節する化合物またはその塩の
    有効量を投与することを特徴とする骨・関節疾患の予防
    ・治療方法。
  23. 【請求項23】骨・関節疾患の予防・治療剤を製造する
    ための、配列番号:1、配列番号:3、配列番号:5、
    配列番号:7、配列番号:9、配列番号:11または配
    列番号:13で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実
    質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質もしく
    はその部分ペプチドまたはその塩の活性を調節する化合
    物またはその塩の使用。
  24. 【請求項24】骨・関節疾患の予防・治療剤を製造する
    ための、配列番号:1、配列番号:3、配列番号:5、
    配列番号:7、配列番号:9、配列番号:11または配
    列番号:13で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実
    質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質もしく
    はその部分ペプチドまたはその塩の遺伝子の発現を調節
    する化合物またはその塩の使用。
  25. 【請求項25】チロキシン脱5’−ヨード化酵素活性調
    節作用、ピロリン酸輸送活性調節作用、カリウムイオン
    輸送活性調節作用またはEphレセプターのシグナル情
    報伝達活性調節作用もしくはリガンド結合活性調節作用
    を有する化合物またはその塩を含有してなる骨・関節疾
    患の予防・治療剤。
  26. 【請求項26】チロキシン脱5’−ヨード化酵素発現調
    節作用、ピロリン酸輸送体発現調節作用、カリウムイオ
    ン輸送体発現調節作用またはEphレセプター発現調節
    作用を有する化合物またはその塩を含有してなる骨・関
    節疾患の予防・治療剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012040008A (ja) * 2003-08-08 2012-03-01 Genenews Inc 変形性関節症のバイオマーカー及びその使用
JP2012522977A (ja) * 2009-04-01 2012-09-27 ガラパゴス・ナムローゼ・フェンノートシャップ 変形性関節症の治療のための方法及び手段

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