JP2003188676A - 表面波装置 - Google Patents

表面波装置

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JP2003188676A
JP2003188676A JP2001384931A JP2001384931A JP2003188676A JP 2003188676 A JP2003188676 A JP 2003188676A JP 2001384931 A JP2001384931 A JP 2001384931A JP 2001384931 A JP2001384931 A JP 2001384931A JP 2003188676 A JP2003188676 A JP 2003188676A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高次横モードを効果的に抑圧でき、かつ回折
劣化を抑制でき、通過帯域近傍の減衰特性の急峻性に優
れた表面波装置を提供する。 【解決手段】 表面波基板12上に、入力側IDT13
及び出力側IDT14が所定距離を隔てられて形成され
ており、入力側IDT13及び出力側IDT14が、表
面波伝搬方向に延び、互いに隔てられた第1,第2のバ
スバーと、第1,第2のバスバーにそれぞれ電気的に接
続されており、互いに間挿し合っている第1,第2の電
極指とを有し、入力側IDT13及び出力側IDT14
の少なくとも一方のIDTにおいて、第1,第2のバス
バー15,16の表面波伝搬方向と直交する方向に沿う
幅方向寸法が、利用しようとする基本モードの高次横モ
ードが抑制され得る幅とされている、表面波装置1。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、IDTが表面波基
板上に形成された表面波装置に関し、より詳細には、I
DTのバスバーの構造が改良された表面波装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】表面波装置は、高性能、軽量及び小型で
あるため、携帯用移動帯通信機器などに広く利用されて
いる。近年、急速に普及しているCDMA通信システム
においても、中間周波フィルタとして表面波装置が用い
られている。CDMA通信システムにおける中間周波フ
ィルタでは、従来のアナログ通信システムの中間周波フ
ィルタに比べて、通過帯域近傍の減衰特性が急峻である
こと、及び位相の直線性が良好であることが要求されて
いる。
【0003】ところで、表面波伝搬方向に対して横方向
にエネルギーを閉じ込めつつ表面波が伝搬される導波路
は、表面波導波路と呼ばれている。表面波導波路では、
音速の遅い導波領域が、音速の速い両側の領域で挟まれ
ている。導波領域において、表面波は一定の角度で効率
良く伝搬し、この角度で伝搬する波が導波モードと呼ば
れている。
【0004】また、導波モードの条件を満たさないで伝
搬する波は減衰しつつ伝搬し、この波は漏洩モードと呼
ばれている。IDT(インターデジタルトランスデュー
サ)や反射器を伝搬する表面波では、損失や回折劣化が
少ないほど好ましい。従って、IDTや反射器を伝搬す
る表面波としては、導波モードが利用される。
【0005】一般に、表面波装置は、水晶やタンタル酸
リチウムなどの圧電基板を用いて構成されている。圧電
基板では、表面波の伝搬する方向により音速が異なる。
すなわち、圧電基板は、表面波の音速に関して異方性を
有する。このような異方性を有する圧電基板上に配置さ
れたIDTにおいて、導波モードを形成する方法は、例
えば、リアライズ社、橋本研也著「弾性表面波(SA
W)デバイスシミュレーション技術入門」第145頁〜
第153頁に記載されている。すなわち、逆速度面が凸
である圧電基板では、IDTの交差領域の速度をバスバ
ー領域の速度よりも遅くすればよい。また、逆速度面が
凹である圧電基板を用いる場合には、IDTの交差領域
における速度を、バスバー領域の速度よりも早くすれば
よい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、IDT
や反射器を導波モードで利用した場合、利用しようとす
る基本モードの他に高次横モードが発生する。
【0007】また、本願発明者は、IDTのバスバーの
幅が広すぎる場合、バスバー部分にエネルギーを集中さ
せて伝搬する伝搬モードが発生し、該伝搬モードがスプ
リアスとなることを見出した。この伝搬モードは高次横
モードの一種と考えられるが、従来、このような伝搬モ
ードを十分に抑制することはできなかった。
【0008】他方、高次横モードが発生すると、中間周
波フィルタなどの表面波装置を構成した場合、高次横モ
ードの応答により通過特性が歪み、通過帯域近傍の減衰
特性や位相の直線性が劣化することになる。従って、従
来の表面波装置では、高次横モードの抑制が充分に行わ
れ得なかったため、通過帯域近傍の減衰性や位相の直線
性が十分でないという問題があった。
【0009】また、IDTや反射器を導波モードではな
く、漏洩モードを利用して構成したり、横モードを抑制
するために開口幅を狭めたりした場合には、IDTや反
射器を伝搬する表面波がIDTや反射器以外に漏洩する
こととなる。そのため、回折劣化により、フィルタ特性
が劣化し、通過帯域近傍の減衰特性が劣化するという問
題があった。
【0010】本発明の目的は、上述した従来技術の現状
に鑑み、高次横モードを抑制でき、従って通過帯域近傍
の減衰特性が急峻であり、かつ位相の直線性が良好な表
面波装置を提供することにある。
【0011】本発明の他の目的は、高次横モードを抑圧
することができ、さらに回折劣化の抑制を図ることがで
き、通過帯域近傍の減衰特性が急峻であり、かつ位相の
直線性が良好な表面波装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本願の第1の発明の広い
局面によれば、表面波基板と、前記表面波基板上に形成
された少なくとも1つの導波路形成用電極とを備え、前
記導波路形成用電極が、表面波伝搬方向に延び、互いに
隔てられた第1,第2のバスバーと、第1及び/または
第2のバスバーに電気的に接続された複数本の電極指と
を有し、第1,第2のバスバーの表面波伝搬方向と直交
する方向に沿う幅方向寸法が、利用しようとする基本モ
ードの高次横モードが抑制され得る幅とされていること
を特徴とする、表面波装置が提供される。
【0013】第1の発明では、第1,第2のバスバーの
幅方向寸法が、高次横モードが抑制され得る幅とされて
いるが、このような第1,第2のバスバーの幅方向寸法
は、様々な形態で実現され得る。
【0014】第1の発明のある特定の局面では、前記第
1,第2のバスバー間において複数本の電極指が配置さ
れているグレーティング領域の音速をVg、前記バスバ
ー領域の音速をVmとしたとき、音速比Vg/Vmが、
前記表面波基板の異方性定数ξが正の場合には0.99
以上、該異方性定数ξが負の場合には1.01以下とさ
れている。
【0015】また、第1の発明の別の特定の局面では、
前記第1,第2のバスバーの幅が、導波路形成用電極の
開口幅の17〜45%または80〜160%とされてい
た。第1の発明において、バスバーの幅を高次横モード
を抑制する幅とする部分の長さは、第1,第2のバスバ
ーの全長にわたる必要は必ずしもない。すなわち、第
1,第2のバスバーの50%以上の長さにわたって、バ
スバー幅が高次横モードを抑制し得る幅とされておれば
よい。
【0016】第1の発明において、上記導波路形成用電
極としては、IDTまたは反射器が用いられる。この場
合、第1の発明に従って構成されたIDT及び反射器の
双方を有するように表面波装置が構成されていてもよ
い。
【0017】また、第1の発明のさらに他の特定の局面
では、上記IDTとして、入力側IDTと、表面波伝搬
方向において入力側IDTと隔てられた出力側IDTと
が備えられる。
【0018】第1の発明のさらに別の特定の局面では、
入力側IDTの第1,第2のバスバーの幅と、出力側I
DTの第1,第2のバスバーの幅とが、異なる高次横モ
ードを抑制するように異ならされている。
【0019】本願の第2の発明の広い局面によれば、表
面波基板と、前記表面波基板上に形成された導波路形成
用電極とを備え、前記導波路形成用電極が、表面波伝搬
方向に延び、互いに隔てられた第1,第2のバスバー
と、第1及び/または第2のバスバーに電気的に接続さ
れた複数本の電極指とを有し、前記第1,第2のバスバ
ーが、反射係数が小さい格子領域を有する、表面波装置
が提供される。
【0020】第2の発明のある特定の局面では、前記格
子領域の音速が、第1,第2のバスバー間のグレーティ
ング領域及び該バスバーにおける格子領域以外の領域の
音速よりも速くされている。
【0021】上記格子領域は、好ましくは、第1,第2
のバスバー間のグレーティング領域に連なるように配置
されている。第2の発明のさらに他の特定の局面では、
上記導波路形成用電極の表面波伝搬方向の電極指配置周
期に対し、上記格子領域における表面波伝搬方向に平行
な配置周期が5%以上ずらされている。
【0022】第2の発明においても、上記導波路形成用
電極としては、IDTまたは反射器が用いられる。ま
た、本発明に従って構成されたIDT及び反射器の双方
を表面波装置が有していてもよい。
【0023】第1,第2の発明の特定の局面では、トラ
ンスバーサル型フィルタが構成される。一般に、トラン
スバーサル構造の表面波フィルタは、重み付けなどによ
り帯域外減衰量を縦続接続せずに30dB以上確保する
ことが要求される。このため、伝搬する表面波の強度と
位相関係は厳密に管理する必要がある。回折劣化や高次
横モードが発生したり、バスバー領域で反射を生じたり
すると、前記表面波の強度と位相関係が著しく損なわれ
る。
【0024】本発明における、第2の発明は、回折劣化
や高次横モードを抑圧し、バスバー領域の反射が小さい
ため、トランスバーサル構造の表面波フィルタにおい
て、特に効果を発揮する。
【0025】ここで、トランスバーサル構造の表面波フ
ィルタとは、ダブル電極を利用して重み付けを施した構
造や、一方向性電極をIDT内に分散配置した構造、そ
して、IDT内に一方向性電極などの反射電極を埋め込
んで、反射電極による共振を利用した構造などが挙げら
れる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の具体的な実施形態
を図面を参照しつつ説明することにより、本発明を明ら
かにする。以下の説明においては、従来技術と対比する
ことにより、第1,第2の発明の具体的な実施形態を説
明することとする。
【0027】図2は、表面波装置のIDTの模式的平面
図である。以下の説明を明確にするために、IDTの各
領域を以下のように定義する。すなわち、IDT1で
は、第1,第2のバスバー2,3が表面波伝搬方向に延
びており、かつ互いに所定距離を隔てて隔てられてい
る。第1のバスバー2には、複数本の第1の電極指4が
電気的に接続されており、第2のバスバー3には、複数
本の第2の電極指5が電気的に接続されている。第1,
第2の電極指4,5は互いに間挿し合うように配置され
ている。
【0028】なお、図2では、第1,第2の電極指4,
5の先端側に、相手側のバスバーに電気的に接続された
ダミー電極6,7は設けられているが、ダミー電極6,
7が必ずしも設けられずともよい。
【0029】IDT1において、第1,第2のバスバー
2,3間の領域を、以下、グレーティング領域とするこ
ととする。このグレーティング領域の表面波伝搬方向と
直交する方向の寸法を、開口幅と称することとする。
【0030】また、第1,第2の電極指4,5が表面波
伝搬方向において重なり合っている領域が交差領域であ
り、該交差領域の表面波伝搬方向と直交する方向の寸法
を交差幅Kとする。また、ダミー電極6,7の長さをダ
ミー電極長Dとする。ダミー電極6,7の長さとは、表
面波伝搬方向と直交する方向のダミー電極6,7の寸法
をいうものとする。
【0031】また、第1,第2のバスバー2,3の幅方
向寸法とは、表面波伝搬方向と直交する方向の寸法Wを
いうものとする。従って、圧電基板上にIDTが形成さ
れている構造においては、図7に略図的に示されている
ように、表面波伝搬方向と直交する方向において、グレ
ーティング領域の両側に第1,第2のバスバーで構成さ
れる各バスバー領域が配置されており、バスバー領域の
外側には、IDTが設けられていない自由表面領域が位
置していることになる。
【0032】表面波装置のIDTにおいて、バスバー領
域外側の自由表面領域の影響が無視できると仮定し、バ
スバーの幅が十分に広い場合には、表面波はグレーティ
ング領域とグレーティング領域の外側のバスバー領域
に、エネルギーが閉じ込められつつ伝搬することとな
る。「弾性表面波(SAW)デバイスシミュレーション
技術入門(リアライズ社、橋本研也著)第145頁〜第
153頁」の記載によれば、横モードはグレーティング
領域とバスバー領域の音速比と、圧電基板の音速の異方
性を表す異方性定数ξにより決定される。
【0033】水晶基板上にアルミニウムを用いてIDT
を形成し、IDTのバスバー領域はベタメタルで構成さ
れ、さらに水晶基板の上面においてIDTを被覆するよ
うにZnO薄膜を形成した表面波装置を、下記の表1に
示す条件で作製した。このときの導波モードの振幅レベ
ルは図3に示す通りとなる。なお、表1において、λは
IDTの電極指周期を示し、IDTの動作中心周波数に
おけるIDT内を伝搬する表面波の波長とほぼ等しい。
【0034】ZnO/IDT/水晶基板では、グレーテ
ィング領域における音速と、バスバー領域の音速とが近
接している。従って、電極指のデューティー比や膜厚、
並びにZnO薄膜の膜厚により、グレーティング領域の
音速及びバスバー領域の音速のいずれが高速となるかが
左右される。グレーティング領域の音速をVg、バスバ
ー領域の音速をVmとしたとき、下記の表1に示す条件
では、音速比Vg/Vmは0.99662となる。ま
た、圧電基板の異方性定数ξは正となる。
【0035】なお、図3は表1に示す条件でIDTの開
口幅を種々変化させた場合のモード振幅比の変化を示す
図である。ここで、モード振幅とは、グレーティング領
域のモード振幅の積分値を、全体のモード振幅の積分値
で除算した値であり、それぞれのモードにおけるIDT
の電気音響変換効率を表す。図3における各モードの振
幅比とは、各モードのモード振幅を、基本モードS0の
モード振幅で除算した値である。
【0036】
【表1】
【0037】図3から明らかなように、音速比Vg/V
m=0.99662の場合には、開口幅を13λ以下と
すれば、高次横モードS1,S2(高次横モードS3は
図3では表れていない)をカットオフすることができ、
基本モードS0のみを導波させ得ることがわかる。
【0038】図4は、上記音速比Vg/Vmを0.99
000としたことを除いては、上記と同様にして構成さ
れた表面波装置におけるモード振幅比と開口幅との関係
を示し、図5は、音速比Vg/Vmを0.9975とし
たことを除いては、上記と同様にして表面波装置を構成
した場合のモード振幅比と開口幅との関係を示す図であ
る。
【0039】図4から明らかなように、Vg/Vm=
0.9900の場合においては、開口幅を16λ以下と
すれば、高次横モードであるモードS1〜S3をカット
オフすることができる。また、Vg/Vmが0.997
5の場合には、開口幅8λ以下とすれば、高次横モード
を抑圧し得ることが図5よりわかる。
【0040】なお、IDT内を伝搬するモードとして
は、IDTの開口中心に対して対称の振幅分布を持つ対
称モードと、反対称の振幅分布を持つ反対称モードとが
存在する。もっとも、IDTが開口の中心に対称に構成
されている場合には、反対称モードは励振されない。従
って、本明細書においては、IDTが開口幅方向に対称
である構成を例にとり説明するため、対称モードの基本
モードS0、及び対称モードの高次横モードS1〜Sn
について説明する。もっとも、IDTが開口の中心に対
称でない場合には、反対称モードが励振され、その場合
には反対称モードを利用することができ、本発明は、反
対称モードを利用したものも含むものとする。
【0041】図3に示したように、表1に示した条件で
は開口幅を13λ以下とすれば、基本導波モードS0に
対する高次横導波モードS1〜Snを全てカットオフし
得ると考えられる。
【0042】そこで、本願発明者は、IDTの開口幅を
10λ、第1,第2のバスバーの幅方向寸法を13λ、
IDTを被覆しているZnO薄膜の幅(表面波伝搬方向
と直交する方向の寸法)を23λとし、一対のIDTを
表面波伝搬方向において所定距離を隔てて配置したトラ
ンスバーサル型の表面波フィルタを作製した。
【0043】なお、各IDT内には、同電位に接続され
る一対の電極指により構成されるダブル電極と、一方向
性電極とを分散配置させた。ここで、一方向性電極とし
ては、後述の図1に示されている非対称ダブル電極16
を用いた。上記ダブル電極と非対称ダブル電極をIDT
内に分散配置し、間引き重み付けを行うことにより、入
力側IDT及び出力側IDTを構成した。このようにし
て構成された表面波装置の減衰量周波数特性を図6に示
す。
【0044】なお、非対称ダブル電極としては、例え
ば、Hanma、「A TRIPLE TRANSITSUPPRESSION TECH
NIC」1976,IEEE Ultrasonics
Symposium Procedinges,pp.
328−331により提案されている構造などを用いる
ことができる。幅1/16λの電極指幅、幅2/16λ
の電極指間ギャップ、幅3/16λの電極指幅、幅2/
16λの電極指間ギャップで構成された半波長区間を基
本区間とし、該基本区間が反復配置されており、さらに
隣接する基本区間の極性が反転するように構成されてい
る。もっとも、非対称ダブル電極の構造はこれに限定さ
れるものではない。上記非対称ダブル電極は、以下の比
較例及び実施例において用いた非対称ダブル電極と同様
に、Hanmaにより提案された非対称ダブル電極のス
トリップの幅とギャップの幅を微調整し、ダブル電極と
同等の音速となるように構成されている。
【0045】図6から明らかなように、矢印Aで示すス
プリアス応答が生じていることがわかる。すなわち、開
口幅を10λとしたにもかかわらず、スプリアスAが生
じた。
【0046】図6に示した結果から明らかなように、開
口幅を13λ以下とした場合であっても、矢印Aで示す
スプリアスが表れることに鑑み、本願発明者は、このよ
うなスプリアスAの抑圧を図るべく検討した。すなわ
ち、高次横モードを抑制する従来法では、IDTの設け
られている領域の外側の自由表面領域が考慮されていな
い点に着目した。図7に略図的に示すように、ZnO/
IDT/水晶基板で構成されている表面波装置では、グ
レーティング領域の両側にバスバー領域が存在し、バス
バー領域の外側に自由表面領域が存在する。ここで、グ
レーティング領域の積層構造は、ZnO/電極指/水晶
であり、バスバー領域の積層構造は、ZnO/バスバー
/水晶であり、自由表面領域の積層構造は、ZnO/水
晶である。
【0047】自由表面領域の音速により、各領域の音速
を規格化すると、上述した表1の条件では、自由表面領
域の音速は1.0000、バスバー領域の音速は0.9
908、グレーティング領域の音速は0.9874とな
る。
【0048】図8は、IDTの開口幅を10λとし、第
1,第2のバスバーの幅を等しくした場合のバスバー幅
と、対称モードS0〜S6の基本モードS0に対するモ
ード振幅比の関係を示す。
【0049】また、図9は、バスバー幅と、対称モード
S0〜S6及び反対称モードA0〜A6の自由表面領域
の音速に対するモード音速比との関係を示す。なお、I
DTは開口幅方向に対称であるため、反対称モードは伝
搬され得るものの、励振はされない。
【0050】図9から明らかなように、基本モードS0
では、バスバーの幅の変化に対する音速の変化が小さ
い。また、S1以上の高次モードでは、バスバー幅の変
化に対する音速の変化が大きいことがわかる。すなわ
ち、より高次のモードになるほど、バスバー幅の変化に
対する音速の変化が大きいことがわかる。
【0051】さらに、バスバー幅が50λ以上の場合に
は、図8から明らかなように、高次モードのモード振幅
比が0を超えていることがわかる。S1以上の高次モー
ドでは、バスバー幅を広げるとともに、伝搬する表面波
のエネルギーがバスバー領域に移行するためと考えられ
る。
【0052】図9から、バスバー幅が13λで励振され
るモードは、モードS0〜S4であることがわかる。ま
た、IDTを伝搬する表面波が励振される周波数は、周
波数をF、音速をV、IDTの電極指の周期をλとした
場合、F=V/λである。従って、高次モードS1〜S
4は、基本モードS0の励振周波数に対し、1.004
〜1.010の周波数で励振されることになる。
【0053】図6に示した周波数特性では、基本モード
S0の励振周波数に対し、表れているスプリアスAは
1.005〜1.009倍の周波数に発生している。従
って、スプリアスAは、高次横モードに起因するスプリ
アスであることがわかる。
【0054】図8より、高次横モードS1はバスバー幅
が3λ付近に、高次横モードS2はバスバー幅が10λ
付近に、基本モードS0に対する振幅比の極小点を有
し、高次横モードS3以上の高次モードはバスバー幅が
6λ以下でカットオフされ得ることがわかる。
【0055】また、図10〜図12は、それぞれ、バス
バー幅が3λ、7λ及び10λの場合の開口幅方向の各
モードの振幅分布を示す。上記極小点は、モード振幅が
開口幅方向において位相反転するために、表面波から変
換された電気信号が打ち消し合うことにより生じる。す
なわち、図10に示すバスバー幅3λの場合には、高次
横モードS1において、グレーティング領域でモード振
幅が開口方向に沿って位相反転され、表面波から変換さ
れた電気信号が打ち消し合い、それによって高次横モー
ドS1が励振されないことがわかる。同様に、図12に
示すバスバー幅が10λの場合、高次横モードS1及び
高次横モードS2が励振されないことがわかる。上述し
た検討の結果、本願発明者は、バスバー幅を調整するこ
とにより、高次横モードを抑制し得ることを見出した。
【0056】以下、本発明の第1〜第3の実施例を説明
する。図1は、第1〜第3の実施例が適用される表面波
装置としてのトランスバーサル型の表面波フィルタの模
式的平面図である。
【0057】表面波装置11は、圧電基板12を有す
る。圧電基板12は、本実施例では、水晶により構成さ
れているが、タンタル酸リチウムなどの他の圧電単結晶
により構成されていてもよい。
【0058】圧電基板12上に、入力側IDT13及び
出力側IDT14が構成されている。IDT13,14
は、前述した実験例と同様に、ダブル電極15と非対称
ダブル電極16とを表面波伝搬方向においてIDT内に
分散配置した構造を有する。また、上述した実験例と同
様に、ダブル電極及び非対称ダブル電極のストリップ幅
及びギャップの幅を微調整することにより、非対称ダブ
ル電極の音速はダブル電極と同等の音速となるように構
成されている。
【0059】さらに、表面波装置11では、図1で一点
鎖線Bで囲まれた領域で、IDT13,14を覆うよう
にZnO薄膜が形成されている。すなわち、ZnO薄膜
は、バスバーの外側端縁の外側に至るように形成されて
いる。
【0060】(第1の実施例)第1の実施例では、前述
した表1に従って、上記表面波装置11を作製した。こ
こで、IDTの開口幅は10λとした。第1の実施例の
特徴は、入力側IDT及び出力側IDT13,14のバ
スバーの幅が開口幅の17〜45%とされていることに
ある。その他の点については、表1に示した条件で構成
された表面波装置と同様とされている。
【0061】すなわち、前述した図8の結果から明らか
なように、高次横モードS1を抑制するには、バスバー
幅を1.7λ〜4.5λとすればよいことがわかる。言
い換えれば、バスバー幅を開口幅の17〜45%とする
ことにより、高次横モードS1を十分に抑制することが
できる。高次横モードには、高次横モードS1の他、よ
り高次の横モードS2〜Sn(n:整数、n≧0)が存
在するが、周波数特性において最も大きく表れるのは、
高次横モードS1である。従って、図8の結果から明ら
かなように、バスバー幅を開口幅の17〜45%の範囲
とすることにより、スプリアスAの大きな原因となる高
次横モードS1を抑制することができる。好ましくは、
図8より、バスバー幅を開口幅の28%とすれば、高次
横モードS1をより効果的に抑制することができる。
【0062】また、図8より、高次モードS2を抑制す
るには、バスバー幅を8λ〜16λ、言い換えれば開口
幅の80〜160%とすればよく、より好ましく105
%とすればよいことがわかる。なお、第1の実施例にお
いて、バスバー幅の調整は、入力側IDT13及び出力
側IDT14のいずれか一方であってもよい。
【0063】(第2の実施例)第2の実施例では、表面
波装置11において、入力側IDT13のバスバー幅
が、ある1つのモードの応答が極小付近となるバスバー
幅とされており、出力側IDT14のバスバー幅が、他
のモードの応答が極小付近となるバスバー幅とされる。
このように、IDT13のバスバー幅とIDT14のバ
スバー幅とを異ならせることにより、2つのモードを抑
制することができる。例えば、入力側IDT13のバス
バー幅を、高次横モードS1の応答が極小付近となるバ
スバー幅とし、出力側IDT14のバスバー幅を高次横
モードS2の応答が極小付近となるバスバー幅とすれ
ば、高次横モードS1,S2の双方を効果的に抑圧する
ことができる。
【0064】(第3の実施例)第3の実施例では、第
1,第2の実施例よりも高次モードをより効果的に抑圧
することができる。第3の実施例では、第2の実施例の
条件に加えて、さらに、より一層高次のモードを抑圧す
るために、IDT13,14のうちの一方のIDTのバ
スバー幅が、より高次のモードをカットオフし得るバス
バー幅以下とされる。
【0065】すなわち、表1に記載した条件でIDTの
開口幅を10λとして、かつ表面波装置を構成した場
合、入力側IDT13のバスバー幅を開口幅の17〜4
5%とすることにより高次横モードS1を抑制でき、高
次横モードS3以上の高次モードを全てカットオフで
き、さらに出力側IDT14のバスバー幅を開口幅の8
0〜160%として高次横モードS2を抑制することが
できる。
【0066】図8に示したように、上記第2,第3の実
施例では、入出力側IDT13,14で励振される基本
モードS0の音速はほぼ等しくなる。従って、入力側I
DT13及び出力側IDT14で励振された信号の周波
数がほぼ一致するので、該信号は効率良く送受信され
る。さらに、高次横モードS1〜Snの音速は基本モー
ドとは異なるため、入出力側IDT13,14で励振さ
れる信号の周波数がずれ、送受信効率は低下する。これ
によっても、基本モードの特性を劣化させずに、高次横
モードS1〜Snを効果的に抑圧することができる。
【0067】なお、上記第1〜第3の実施例では、Zn
O薄膜が形成されていたが、本発明においては、ZnO
薄膜は形成されずともよい。さらに、上記第1〜第3の
実施例では、圧電基板の異方性を表す定数ξが正であ
り、自由表面領域の音速が、内側の他の領域の音速より
も大きいため、バスバーの外側の自由表面領域で高次モ
ードが閉じ込められると考えられる。従って、基板の異
方性を表す異方性定数ξが負の場合には、自由表面領域
の音速が、グレーティング領域及びバスバーの音速より
も小さい場合に、バスバーの外側で高次モードが閉じ込
められる現象が生じ、基板の異方性を表す異方性定数ξ
が正の場合と同様にフィルタ特性を劣化させると考えら
れる。この場合においても、上述した第1〜第3の実施
例を採用することにより、同様に高次モードによる劣化
を確実に抑制することができる。
【0068】なお、第1〜第3の実施例において、バス
バーの幅はIDT全体で必ずしも同一である必要はな
い。例えば、ワイヤーボンディングを行うためにバスバ
ーの一部を広げたり、あるいはバスバーの一部を狭めて
もよい。少なくともバスバーの表面波伝搬方向に沿う長
さの50%以上が、第1〜第3の実施例に従って高次モ
ードを抑制し得るバスバー幅とされれば、高次モードを
抑制する効果が得られる。
【0069】また、ZnO薄膜が圧電基板の上面の全面
に形成されていない場合には、ZnO薄膜の表面波伝搬
方向と直交する方向の端部において、閉じ込められた表
面波が高次モードとして発生する可能性がある。この場
合には、ZnO薄膜の表面波伝搬方向に直交する方向両
側に位置する端縁をバスバーの外側端縁よりも内側に位
置すればよく、それによって高次モードの発生を抑制す
ることができる。
【0070】なおここで内側とは、表面波伝搬方向と直
交する方向において、開口の中心側をいうものとする。
また、上記第1〜第3の実施例では、表面波がバスバー
領域に浸み出しながら伝搬する場合に効果が生じる。従
って、バスバー領域に表面波が浸み出しながら伝搬しや
すい条件、すなわち、グレーティング領域とバスバー領
域との音速差が近接している場合に、特に有効である。
よって、圧電基板の異方性を表す異方性定数ξが正の場
合には、バスバーの音速Vmに対するグレーティング領
域の音速Vgの比Vg/Vmは0.99以上、異方性定
数ξが負の場合には、Vg/Vmが1.01以下である
場合に、特に有効である。
【0071】次に、下記の表2の条件に従って図1に示
した表面波装置11を作製した。なお、入力側IDTは
同一とし、IDTの開口幅は15λ、バスバーの幅は1
4λ、ZnO膜の幅は40λとした。但し、ZnO薄膜
は図1の一点鎖線Baで囲まれた領域を覆うように形成
されており、バスバーの外側端縁と内側端縁との間に位
置している。このようにして得られた表面波装置の通過
帯域における減衰量周波数特性及び位相直線性を図13
に、減衰量周波数特性を図14に示す。
【0072】通過帯域の高周波側における近傍減衰特性
が劣化しており、かつ通過帯域の低周波側の近傍減衰特
性も劣化していることがわかる。圧電基板の異方性を表
す異方性定数ξが正の場合、図9に示したように、高次
モードは、基本モードS0よりも高速で伝搬する。従っ
て、高次モードによるフィルタ特性の劣化は、高周波数
側で生じ、図14に示されている低周波数側の通過帯域
近傍の減衰特性の劣化は、別の原因によるものと考えら
れる。
【0073】表2の条件では、前述した表1の条件に比
べて、電極を構成するアルミニウムの膜厚が薄く、かつ
ZnO薄膜の厚みが厚くされている。従って、バスバー
領域とグレーティング領域の音速差は小さい。そのた
め、表2の条件で作製された表面波装置では、グレーテ
ィング領域への表面波の閉じ込めが弱くなり、回折劣化
が生じやすい。
【0074】回折による劣化が生じた場合に、通過帯域
の高域側及び低域側の双方の減衰特性が劣化することが
知られている(例えば、リアライズ社、橋本研也著「弾
性表面波(SAW)デバイスシミュレーション技術入
門」第116頁〜第121頁に示されている)。従っ
て、低周波数側の近傍減衰特性の劣化は、回折による劣
化であると考えられる。
【0075】
【表2】
【0076】前述した「弾性表面波(SAW)デバイス
シミュレーション入門(リアライズ社)」には、交差幅
方向に表面波を閉じ込めて伝搬させるには、(1)逆速
度面が1つの基板(異方性定数ξが正の場合)ではグレ
ーティング領域の速度をバスバー領域の速度よりも遅く
し、(2)逆速度面が凹である基板(異方性定数ξが負
の場合)では、グレーティング領域の速度をバスバー領
域の速度よりも速くすればよいことが記載されている。
従って、バスバー領域の音速を高速化すれば、回折劣化
を抑制し得ると考えられる。
【0077】ところで、グレーティング領域の外側で音
速を高速化する方法は、従来より種々提案されている。
例えば、特開平6−164297号公報には、電極指の
先端側に配置されたダミー電極の幅を、波長の1.5倍
以上の長さにわたり狭くし、かつ交差領域の外側に、メ
タル部分よりも音速が遅く交差領域よりも速い領域を形
成すれば、表面波のエネルギー分布の乱れが抑制される
ことが記載されている。また、同様の方法は、特開平1
0−145173号公報にも開示されており、バスバー
領域にスリットを形成することにより、バスバーのスリ
ットが形成されていない外側の領域と、グレーティング
領域との間にスリットを設けることにより中間の音速を
有する領域が構成され、それによって高次横モードが抑
制されるとされている。
【0078】そこで、従来技術に従って、グレーティン
グ領域に、図2に示したダミー電極を配置し、ダミー電
極領域のデューティー比を0.3とし、ダミー電極領域
の音速を、交差領域よりも高速化したことを除いては、
表2の条件に従って表面波装置を作製した。なお、ID
Tの開口幅は15λ、バスバー幅は5λとした。また、
ZnO薄膜は、バスバーの外側端縁よりも外側に至るよ
うに形成されている。この表面波装置の通過帯域の減衰
量周波数特性及び位相直線性を図15に、減衰量周波数
特性を図16に示す。
【0079】図15及び図16から明らかなように、通
過帯域の低周波側近傍における減衰特性は改善されたも
のの、改善度は十分でなかった。加えて、通過帯域に鋭
いリップルCが生じている。このリップルCは、ダミー
電極領域の配置周期がIDTの電極指の配置周期と等し
いため、ダミー電極領域に漏れ出した表面波がダミー電
極領域内で多重反射し、該多重反射により位相ずれを生
じた表面波が再度グレーティング領域に進入したためと
考えられる。
【0080】上記のように、一般に知られている導波路
理論を表面波のIDTに適用する場合には、単にグレー
ティング領域周囲のバスバー領域の音速を調整するだけ
でなく、バスバー領域を伝搬した表面波がグレーティン
グ領域すなわち導波路領域に再度進入する際の位相ずれ
を防止する必要がある。
【0081】また、近傍減衰特性の不足は、ダミー電極
領域の高音速化が不十分であり、それによって回折劣化
が生じているものと考えられる。バスバー領域の音速を
高速化するには、ダミー電極におけるデューティー比を
小さくする必要があるが、デューティー比を小さくする
と、バスバー領域の電気抵抗が増大し、損失が大きくな
る。また、ダミー電極領域の音速は、ダミー電極端縁部
分でのエネルギー蓄積効果により、グレーティング領域
の音速に近くなることとなる。
【0082】(第4の実施例)第4の実施例は、第2の
発明の実施例であり、上述したエネルギー蓄積効果を生
じさせず、かつバスバー領域における反射を抑制するよ
うにIDTを構成したことに特徴を有する。
【0083】図17及び図18は、第4の実施例で用い
られるIDTの模式的平面図及びその拡大平面図であ
る。なお、図17ではグレーティング領域の電極指は正
規型IDTであるように略図的に示されているが、実際
には、図18に示すように、ダブル電極と、非対称ダブ
ル電極を組み合わせた。
【0084】本実施例では、図1に示した表面波装置1
1の入力側IDT13及び出力側IDT14の少なくと
も一方に、図17及び図18に示す、格子領域を有する
IDT21が用いられている。なお、ZnO薄膜は図1
の一点鎖線Bで囲まれた領域を覆うように、すなわち、
第1〜第3の実施例と同様に、バスバーの外側端縁より
も外側に至るように形成した。
【0085】IDT21は、第1,第2のバスバー2
2,23を有する。第1のバスバー22に、複数本の第
1の電極指24が、第2のバスバー23に複数本の第2
の電極指25が電気的に接続されている。第1,第2の
電極指24,25は互いに間挿し合うように配置されて
いる。
【0086】IDT21の特徴は、バスバー22,23
において、格子領域22a,22bが形成されているこ
とにある。格子領域22a,23aでは、表面波伝搬方
向に斜めに交差するように枡目が形成されており、すな
わち斜め格子領域となるように金属膜がパターニングさ
れている。格子領域22a,23aの表面波伝搬方向外
側には、金属膜領域22b,23bが配置されている。
バスバー22,23は、格子領域22a,23a及び金
属膜領域22b,23bを有する。
【0087】上記斜め格子で構成されている格子領域2
2a,23aでは、格子領域における表面波の反射を低
減するために、その配置周期は基本モードや高次モード
がブラッグ反射を生じない周期とすればよい。ここで、
斜め格子の表面波伝搬方向の配置周期とは、図17にお
ける斜め格子領域22a,23aの格子点間の距離Qで
ある。
【0088】また、上記斜め格子の配置周期は、グレー
ティング領域における電極指配置周期に対して5%以上
ずらせればよい。表面波はIDT内を伝搬方向に対して
平行にのみ伝搬するわけではない。すなわち、表面波伝
搬方向に対して一定の角度で伝搬し、高次モードになる
ほどその角度は大きくなることが知られている。従っ
て、上記格子の配置周期Qは、IDTの配置周期とずら
されているだけでなく、斜め格子の格子を構成している
金属ストリップの延びる斜め方向と直交している方向の
周期Rに対して、図17に示す斜めに見たIDTの周期
Tと5%以上ずらされていることが望ましい。このよう
に配置することにより、斜め格子の該斜め方向と偶然に
一致して伝搬する高次モードの反射によるフィルタ特性
の劣化が回避され得る。
【0089】グレーティング領域を構成する電極指の配
置周期と、上記格子領域の格子配置周期をずらすことに
より、斜め格子領域を伝搬する表面波、エネルギー蓄積
効果による音速の低下をほとんど生じず、従って、格子
領域を伝搬する表面波の音速は、自由表面領域における
音速と、金属膜領域の音速の間の音速となると考えられ
る。よって、グレーティング領域の音速に近いダミー電
極領域よりも、格子領域の音速を高音速とすることがで
きる。なお、格子領域の音速は、格子のデューティーを
調整することにより容易に調整することができる。
【0090】なお、特開平11−261370号公報に
は、表面波装置のIDTにおいて、バスバーに格子領域
が設けられているが、この先行技術に記載の格子領域
は、IDTと格子の周期が一致されている。すなわち、
この先行技術に記載の格子領域は、反射格子を構成する
ものであり、第4の実施例における格子領域とはその機
能及び構成において異なるものであることを指摘してお
く。
【0091】(具体的な実験例)以下に、第1,第2の
発明の具体的な実施例としての実験例1〜3を説明す
る。
【0092】(実験例1)以下の構成を除いては表1の
条件に従って前述した第4の実施例の表面波装置1を作
製した。入力側IDT及び出力側IDTは同一とした。
IDTの開口幅は10λとし、IDTに近接させて表面
波伝搬方向に直交する方向の寸法が3λであり、格子配
置周期が表面波伝搬方向において2λであり、格子のデ
ューティー比が0.5である格子領域22a,23aを
バスバーに形成した。なお、バスバー22,23におい
て、格子領域の外側には、表面波伝搬方向と直交する方
向である幅方向寸法が2λの金属膜領域22b,23b
を形成した。また、ZnO薄膜の表面波伝搬方向と直交
する方向の寸法、すなわち幅方向寸法は18λとした。
従って、バスバーの幅は4λである。圧電基板の幅方向
寸法は70λである。ZnO薄膜は図1の一点鎖線Ba
で囲まれた領域を覆っており、ZnO薄膜の外側端縁
は、バスバーの外側端縁と内側端縁との間に位置してい
る。
【0093】IDTの電極指は、前述した実施例と同様
に、ダブル電極と一方向性電極とを使用し、一方向性電
極は前述した非対称ダブル電極とした。ダブル電極と非
対称ダブル電極をIDT内に分散配置し、間引き重み付
けを行い、IDTを構成した。図19はこのようにして
得られた表面波装置の減衰量周波数特性を示す。
【0094】図19から明らかなように、バスバー幅を
上記のように設定し、かつ格子領域を設けることによ
り、低周波側及び高周波側のいずれの近傍減衰特性も改
善しており、通過帯域に鋭いリップルが生じていないこ
とがわかる。すなわち、第4の実施例では、上記格子領
域22a,23aの形成により、高次モードによる特性
劣化を防止することができ、かつ回折による特性劣化も
抑制し得ることがわかる。
【0095】(実験例2)以下の構成を除いては表1の
条件に従って第1,第2の発明の実施例としての表面波
装置1を作製した。実験例2では、入力側IDTと出力
側IDTのバスバー幅を異ならせた。
【0096】入力側IDTの構成…IDTの開口幅は1
0λとした。また入力側IDTに近接させて、表面波伝
搬方向に直交する方向の寸法が3λであり、格子配置周
期が表面波伝搬方向において2λであり、格子のデュー
ティー比が0.5である格子領域22a,23aをバス
バーに形成した。なお、バスバー22,23において、
格子領域の外側には、表面波伝搬方向と直交する方向で
ある幅方向寸法が2λの金属膜領域22b,23bを形
成した。また、入力側IDTを覆うZnO薄膜の表面波
伝搬方向と直交する方向の寸法、すなわち幅方向寸法は
18λとした。従って、バスバーの幅は4λである。
【0097】出力側IDTの構成…出力側IDTでは、
格子領域の幅を8λとし、格子領域の外側に2λの金属
膜領域を形成した。また、出力側IDTを覆うZnO薄
膜の幅は28λとした。従って、バスバー幅はZnO薄
膜の幅を考慮して9λとされている。
【0098】なお、圧電基板の幅方向寸法は70λであ
る。また、ZnO薄膜は図1の一点鎖線Baに相当する
領域を覆うように形成されている。入力側及び出力側I
DTの電極指は、前述した実施例と同様に、ダブル電極
と一方向性電極とを使用し、一方向性電極は前述した非
対称ダブル電極とした。ダブル電極と非対称ダブル電極
をIDT内に分散配置し、間引き重み付けを行い、ID
Tを構成した。図20はこのようにして得られた表面波
装置の減衰量周波数特性を示す。
【0099】図20から明らかなように、バスバー幅を
上記のように設定し、かつ格子領域を設けることによ
り、通過帯域近傍の減衰特性に優れており、かつ回折に
よる劣化も生じていない、良好なフィルタ特性を実現し
得ることがわかる。
【0100】(実験例3)以下の構成を除いては表2の
条件に従って、第1,第2の発明の実施例としての表面
波装置1を作製した。入力側IDT及び出力側IDTは
同じように構成した。IDTの開口幅は15λとし、I
DTに近接させて表面波伝搬方向に直交する方向の寸法
が5λであり、格子配置周期が表面波伝搬方向において
2λであり、格子のデューティー比が0.5である格子
領域22a,23aをバスバーに形成した。なお、バス
バー22,23において、格子領域の外側には、表面波
伝搬方向と直交する方向である幅方向寸法が2λの金属
膜領域22b,23bを形成した。また、ZnO薄膜の
表面波伝搬方向と直交する方向の寸法、すなわち幅方向
寸法は40λとした。圧電基板の幅方向寸法は140λ
である。ZnO薄膜は図1の一点鎖線Bで囲まれた領域
を被覆している。
【0101】IDTの電極指は、前述した実施例と同様
に、ダブル電極と一方向性電極とを使用し、一方向性電
極は前述した非対称ダブル電極とした。ダブル電極と非
対称ダブル電極をIDT内に分散配置し、間引き重み付
けを行い、IDTを構成した。図21,22はこのよう
にして得られた表面波装置の減衰量周波数特性を示す。
【0102】図21,22から明らかなように、バスバ
ー幅を上記のように設定し、かつ格子領域を設けること
により、通過帯域近傍の減衰特性に優れており、かつ回
折による劣化も生じていない、良好なフィルタ特性を実
現し得ることがわかる。
【0103】上述してきた実施例は、一方向性電極を用
いたトランスバーサル型フィルタのIDTを有する。し
かし、第1の発明はバスバーの幅により高次横モードを
抑制するものであるので、本発明の効果はトランスバー
サル型フィルタに限定されず、1ポート共振子や2ポー
ト共振子、共振器型フィルタにも適用可能である。さら
に、反射器も導波路として捉え得ることから、IDTの
場合と同様に、反射器においても本発明により高次横モ
ードを抑制できることが論理的に推察される。
【0104】
【発明の効果】以上のように、第1の発明に係る表面波
装置では、表面波基板上に構成された導波路形成用電極
において、第1,第2のバスバーの表面波伝搬方向と直
交する方向に沿う幅方向寸法が、高次横モードの抑制を
可能とする幅とされているので、通過帯域近傍の減衰特
性の急峻化を図ることができる。従って、良好なフィル
タ特性を有する表面波装置を提供することが可能とな
る。
【0105】また、第1,第2のバスバー間において複
数本の電極指が配置されているグレーティング領域の音
速Vgとバスバー領域の音速Vmとの比Vg/Vmが、
表面波基板の異方性定数が正の場合には0.99以上、
負の場合には1.01以下とされている場合には、表面
波がバスバー領域に浸み出しながら伝搬しやすくなるた
め、それによって高次横モードをより効果的に抑圧する
ことができる。
【0106】第1,第2のバスバーの幅は、導波路形成
用電極の開口幅の17〜45%または80〜160%と
されている場合には、高次横モードS1またはS2を効
果的に抑圧することができ、通過帯域近傍の減衰量の急
峻性を効果的に高めることができる。
【0107】第1の発明において、導波路形成用電極と
して、入力側IDT及び出力側IDTが構成されている
場合には、本発明に従ってトランスバーサル型フィルタ
を構成することができる。
【0108】第1の発明において、入力側IDTの第
1,第2のバスバーの幅と、出力側IDTの第1,第2
のバスバーとの幅が、異なる高次横モードを抑圧するよ
うに異なっている場合には、入力側IDT及び出力側I
DTにおいて、それぞれ、別種類の高次横モードを効果
的に抑圧することができる。
【0109】第2の発明によれば、導波路形成用電極に
おいて、第1,第2のバスバーがバスバーの残りの領域
に比べて反射係数が小さい格子領域を有するので、回折
による劣化を抑制することができ、通過帯域近傍の減衰
量特性を急峻とすることができる。従って、良好なフィ
ルタ特性を有する表面波装置を提供することができる。
【0110】第1,第2のバスバー間のグレーティング
領域及び該バスバーにおける格子領域以外の領域より
も、格子領域の音速が速い場合には、表面波が交差領域
により確実に閉じ込められ、回折劣化を確実に抑制する
ことができる。
【0111】上記格子領域がグレーティング領域に連な
るように配置されている場合には、回折による劣化を抑
制することができ、かつ高次横モードを効果的に抑制す
ることができる。
【0112】導波路形成用電極の表面波伝搬方向の配置
周期に対して、上記格子領域の表面波伝搬方向に平行な
配置周期が5%以上ずれている場合には、ブラッグ反射
が起こり難く、かつ格子領域の反射係数が効果的に小さ
くされ得る。
【0113】また、第2の発明においても、上記導波路
形成用電極としては、IDTまたは反射器が用いられ
る。IDTとして、入力側IDT及び出力側IDTを有
する場合には、第2の発明に従ってトランスバーサル型
フィルタを構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明により構成される表面波装置の一例を説
明するための模式的平面図。
【図2】IDTの交差領域、グレーティング領域を説明
するための模式的平面図。
【図3】グレーティング領域の音速比が0.99662
の場合のモード振幅比と開口幅との関係を示す図。
【図4】グレーティング領域の音速比が0.9900の
場合のモード振幅比と開口幅との関係を示す図。
【図5】グレーティング領域の音速比が0.9975の
場合のモード振幅比と開口幅との関係を示す図。
【図6】従来の表面波装置において通過帯域の高域側に
表れるスプリアスを説明するための減衰量周波数特性を
示す図。
【図7】IDTの各領域及び各領域の積層構造を説明す
るための模式図。
【図8】IDTのバスバー幅と、モード振幅比との関係
を示す図。
【図9】IDTのバスバー幅と、モード音速比との関係
を示す図。
【図10】バスバー幅が3λの場合の基本モードS0及
び高次モードS1,S2のモード振幅分布を示す図。
【図11】バスバー幅が7λの場合の基本モードS0及
び高次モードS1,S2のモード振幅分布を示す図。
【図12】バスバー幅が10λの場合の基本モードS0
及び高次モードS1,S2のモード振幅分布を示す図。
【図13】IDTの開口幅が15λであり、バスバーの
幅が14λである表面波装置の減衰量周波数特性及び位
相直線性を示す図。
【図14】IDTの開口幅が15λであり、バスバーの
幅が14λである表面波装置の減衰量周波数特性を示す
図。
【図15】ダミー電極を有し、IDTの開口幅が15λ
であり、バスバーの幅が5λの場合の表面波装置の減衰
量及び位相直線性を示す図。
【図16】ダミー電極を有し、IDTの開口幅が15λ
であり、バスバーの幅が5λの場合の表面波装置の減衰
量周波数特性を示す図。
【図17】第4の実施例の表面波装置で用いられるID
Tを説明するための模式図。
【図18】図19に示したIDTを拡大して示す部分切
欠模式図。
【図19】実験例1で得られた表面波装置の減衰量周波
数特性を示す図。
【図20】実験例2で得られた表面波装置の減衰量周波
数特性を示す図。
【図21】実験例3で得られた表面波装置の減衰量及び
位相−周波数特性を示す図。
【図22】実験例3で得られた表面波装置の減衰量周波
数特性を示す図。
【符号の説明】
1…IDT 2,3…第1,第2のバスバー 4,5…第1,第2の電極指 6,7…ダミー電極 11…表面波装置 12…表面波基板としての圧電基板 13,14…第1,第2のバスバー 21…IDT 22,23…第1,第2のバスバー 22a,23a…格子領域 22b,23b…金属膜領域 24,25…第1,第2の電極指

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面波基板と、前記表面波基板上に形成
    された少なくとも1つの導波路形成用電極とを備え、 前記導波路形成用電極が、表面波伝搬方向に延び、互い
    に隔てられた第1,第2のバスバーと、第1及び/また
    は第2のバスバーに電気的に接続された複数本の電極指
    とを有し、 前記第1,第2のバスバーの表面波伝搬方向と直交する
    方向に沿う幅方向寸法が、利用しようとする基本モード
    の高次横モードが抑制され得る幅とされていることを特
    徴とする、表面波装置。
  2. 【請求項2】 前記第1,第2のバスバー間において複
    数本の電極指が配置されているグレーティング領域の音
    速をVg、前記バスバー領域の音速をVmとしたとき、
    音速比Vg/Vmが、前記表面波基板の異方性定数ξが
    正の場合には0.99以上、該異方性定数ξが負の場合
    には1.01以下である、請求項1に記載の表面波装
    置。
  3. 【請求項3】 前記第1,第2のバスバーの幅が、該I
    DTの開口幅の17〜45%または80〜160%とさ
    れている、請求項1または2に記載の表面波装置。
  4. 【請求項4】 前記第1,第2のバスバーの50%以上
    の長さにわたり、バスバー幅が高次横モードを抑制し得
    る幅とされている、請求項1〜3のいずれかに記載の表
    面波装置。
  5. 【請求項5】 前記導波路形成用電極がIDTである、
    請求項1〜4のいずれかに記載の表面波装置。
  6. 【請求項6】 前記導波路形成用電極が反射器である、
    請求項1〜4のいずれかに記載の表面波装置。
  7. 【請求項7】 前記IDTとして、入力側IDTと、出
    力側IDTとを所定距離を隔てて配置された出力側ID
    Tとを有する、請求項5に記載の表面波装置。
  8. 【請求項8】 入力側IDTの第1,第2のバスバーの
    幅と、出力側IDTの第1,第2のバスバーの幅とが、
    異なる高次横モードを抑制するように異なっている、請
    求項7に記載の表面波装置。
  9. 【請求項9】 表面波基板と、前記表面波基板上に形成
    された導波路形成用電極とを備え、前記導波路形成用電
    極が、表面波伝搬方向に延び、互いに隔てられた第1,
    第2のバスバーと、第1及び/または第2のバスバーに
    電気的に接続された複数本の電極指とを有し、 前記第1,第2のバスバーが、反射係数が小さい格子領
    域を有する、表面波装置。
  10. 【請求項10】 前記格子領域の音速が、第1,第2の
    バスバー間のグレーティング領域及び該バスバーにおけ
    る格子領域以外の領域の音速よりも速いことを特徴とす
    る、請求項9に記載の表面波装置。
  11. 【請求項11】 前記格子領域が、第1,第2のバスバ
    ー間のグレーティング領域に連なるように配置されてい
    る、請求項9または10に記載の表面波装置。
  12. 【請求項12】 前記導波路形成用電極における電極指
    の表面波伝搬方向の配置周期に対し、前記格子領域の表
    面波伝搬方向に平行な配置周期が5%以上ずれているこ
    とを特徴とする、請求項9〜11のいずれかに記載の表
    面波装置。
  13. 【請求項13】 前記導波路形成用電極がIDTであ
    る、請求項9〜12のいずれかに記載の表面波装置。
  14. 【請求項14】 前記導波路形成用電極が反射器であ
    る、請求項9〜12のいずれかに記載の表面波装置。
  15. 【請求項15】 前記IDTとして、入力側IDTと、
    入力側IDTに対して表面波伝搬方向に隔てられた出力
    側IDTとを有する、請求項13に記載の表面波装置。
  16. 【請求項16】 トランスバーサル型表面波フィルタで
    ある、請求項1〜15のいずれかに記載の表面波装置。
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