JP2003183749A - 真空遮断器用接点材料および真空遮断器 - Google Patents

真空遮断器用接点材料および真空遮断器

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JP2003183749A
JP2003183749A JP2001380318A JP2001380318A JP2003183749A JP 2003183749 A JP2003183749 A JP 2003183749A JP 2001380318 A JP2001380318 A JP 2001380318A JP 2001380318 A JP2001380318 A JP 2001380318A JP 2003183749 A JP2003183749 A JP 2003183749A
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vacuum circuit
carbon
circuit breaker
powder
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JP2001380318A
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Inventor
Yoshiko Minami
淑子 南
Isao Okutomi
功 奥富
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Toshiba Corp
Shibafu Engineering Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Shibafu Engineering Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 真空遮断器は高真空中における高い絶縁耐力
により電流を遮断しているが、接点材料からガス成分、
金属蒸気が発生すると遮断不能となる。このため、ガス
成分、金属蒸気の発生が抑制され、再点弧現象の発生が
低減された接点材料がもとめられている。 【解決手段】 高導電成分としての銅相と耐弧成分とし
てのクロム相とを含んでなる真空遮断器用接点材料であ
って、炭素を50〜200ppm含有し、かつ前記材料
組織中における前記炭素の分散状態が、EPMA解析の
マッピングにおいて、200×200μmの測定領域内
に測定感度のカウント数が30以上の部分が面積比で6
0%未満存在し、前記炭素は銅の炭化物としてまたは前
記銅相中に単体で分布しており、前記クロム含有量が1
5〜70重量%の範囲であるもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は真空遮断器用接点材
料およびこの真空遮断器用接点材料を具備する真空遮断
器に係り、特に接点の遮断性能が改善された真空遮断器
用接点材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】遮断器は平常状態の電路を開閉したり、
接地事故や短絡事故などの異常時に、故障状態を検知す
る過電流継電器などと組み合わされて、自動的に瞬時に
電路を遮断するために、電力設備、変電所内機器、高速
鉄道車輌等に広く使用されている。特に真空遮断器は、
10−4Pa程度の高真空に維持した容器(真空バル
ブ)と、この容器内に対向配置した1対の接点部材(接
触子)からなり、この接点部材を開閉することにより電
路の開閉を行うものである。
【0003】真空遮断器において接点の開閉動作が行わ
れる遮断室は、絶縁材料からなる略円筒状の絶縁容器
と、この絶縁容器の上下端に封止金属を介して設けた金
属製の蓋体とによって区画形成され、真空気密に構成さ
れている。
【0004】遮断室内には軸方向に対向するように1対
の導電棒が配置され、その各導電棒の対向する端部には
ろう付け部が形成されており、1対の電極が加熱接合な
どにより各導電棒の対向する面に取り付けられている。
そして、1対の対向する電極の各対向面には、ろう材を
介して接点部材が固着されている。
【0005】上記したような構成の真空遮断器によれ
ば、高真空中における高い絶縁耐力を利用できるため、
対向する接点部材の開閉ストロークを短くすることがで
きる。
【0006】このような真空遮断器における接点部材と
しては、高頻度にわたる接点の開閉時に発生するアーク
によって溶着しないように耐アーク性(耐弧性)や耐溶
着性が必須となる一方、低接触抵抗性を維持するために
高い導電特性を有することが必須の要件とされる。具体
的な接点構成材料としては、例えば、Ag、Ag−Cu
系材料、30%Cu−W系材料、50%Cu−Cr系材
料が使用されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】真空遮断器は高真空中
における高い絶縁耐力により電流を遮断するものである
から、その遮断性能は開閉時に発生する金属蒸気密度、
ガス放出量などに大きく左右される。特に、ガス成分は
一旦放出されると、バルブ内の圧力上昇を招き遮断性能
を低下させるため、性能向上のためにはガス含有量が低
い材料が求められる傾向にある。
【0008】一方、接点は電流遮断時にアークエネルギ
ーにより表面が溶融する結果、金属蒸気を発生し、金属
蒸気密度が限界値以上になったところで遮断不能とな
る。このため遮断性能を向上させるために、金属蒸気の
発生の少ない材料が求められている。しかしながら、接
点材料からの金属蒸気の発生を減少させるには限界があ
り、遮断特性を向上させることが困難であった。
【0009】本発明は上記したような課題を解決するた
めになされたものであって、接点開閉時のガス成分の発
生及び金属蒸気の発生が抑制され、遮断性能に優れた真
空遮断器用接点材料およびこれを利用した真空遮断器を
提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】真空遮断器においては、
開閉時の接点温度の上昇に伴い、接点からガスや金属蒸
気が発生するが、本発明者らはこれらの遮断を妨げる因
子の発生メカニズムを鋭意研究した結果、接点材料と遮
断性能との最適な関係を見出し、本発明の真空遮断器用
接点材料を開発するに到ったものである。
【0011】すなわち、本発明の真空遮断器用接点材料
は、高導電成分としての銅相と耐弧成分としてのクロム
相とを含んでなる真空遮断器用接点材料であって、炭素
を50〜200ppm含有し、かつ前記材料組織中にお
ける前記炭素の分散状態が、EPMA解析のマッピング
において、200×200μmの測定領域内に測定感度
のカウント数が30以上の部分が面積比で60%未満存
在することを特徴とする。
【0012】前記炭素は、クロムの炭化物として、また
は前記銅相中に単体、すなわち遊離炭素として分布して
いることが好ましい。耐弧成分としてのクロムの含有量
は15〜70重量%の範囲であることが好ましい。
【0013】本発明の真空遮断器用接点材料は、例えば
銅粉末とクロム粉末とを混合して得られた原料混合物を
成形・焼結することにより作製される。また、クロム粉
末単体、またはクロム粉末と銅粉末とを混合して得られ
た原料混合物を成形・焼結し仮焼体を形成した後、得ら
れた仮焼体の空孔部に銅を溶浸することにより作製して
もよい。
【0014】本発明の真空遮断器は、真空容器内に対向
して配置した1対の接点部材の開閉動作によって電路を
開閉する真空遮断器であって、前記接点部材が上記真空
遮断器用接点材料からなることを特徴としている。
【0015】
【発明の実施の形態】接点部材からガスが発生すること
によりバルブ内の圧力が上昇し、遮断性能を低下させる
ことはすでに述べたが、本発明者らは発生するガスの多
くは銅−クロム接点合金のクロム成分より発生してお
り、クロム成分の銅相への拡散(溶融)が引き金になっ
て含有するガスを放出してしまうというメカニズムを見
出した。すなわち、クロム成分の銅相への拡散を抑制す
ることにより、ガス発生を抑制し、遮断性能を向上させ
ることが可能となる。
【0016】一方、接点合金表面は高電流遮断時、アー
クエネルギーにより表面が溶融することが避けられず、
この溶融により発生した金属蒸気の密度が限界値以上に
なると、アークが維持されてしまい遮断不能に陥る。す
なわち、接点表面を溶融状態からできるだけ短時間で凝
固させることで、金属蒸気の発生を抑え、遮断性能を向
上させることができる。
【0017】本発明は、上記ガスおよび金属蒸気の発生
を抑制する手段として、銅−クロム合金中に適切な形態
で炭素を含有させることを提案するものである。
【0018】すなわち、本発明の真空遮断器用接点材料
は遮断性能を向上させるための手段として、炭素を50
〜200ppm含有し、かつ前記材料組織中における前
記炭素の分散状態が、EPMA解析のマッピングにおい
て、200×200μmの測定領域内に測定感度のカウ
ント数が30以上の部分が面積比で60%未満存在する
ことを特徴とする。すなわち、測定感度のカウント数が
30以上の炭素が偏析した部分が60%未満であること
を特徴とし、カウント数が30未満のより均一な状態で
ある面積比が高い材料であることが好ましい。
【0019】本発明における炭素は、銅−クロム合金に
おいて、クロムと化合物つくることにより、クロム成分
の銅相への拡散速度および拡散量を抑制し、ガスの発生
を低減させる効果を持つ。
【0020】また、接点があるエネルギー以上で溶融し
た後も、銅相中に拡散したクロムと化合物をつくること
でクロム成分の銅相への拡散を抑制し、銅相の凝固温度
の低下を抑制することができる。すなわち、高い温度で
も液相が凝固しやすい材料(状態)とすることで、液相
からの金属蒸気の発生を抑制し、遮断性能を向上させる
ことができる。
【0021】接点材料中の炭素成分が50ppm未満の
場合には、クロム成分の銅相への拡散を抑制する効果が
低く、遮断性能を向上させることはできない。一方、2
00ppmより多い場合には、COやCOといったガ
ス成分を発生させてしまい、むしろ遮断性能を低下させ
てしまう。本発明においては、さらに炭素の含有量を8
0〜150ppmの範囲内とすることが好ましい。これ
により、接点材料の遮断性能を一層向上させることが可
能となる。
【0022】また、炭素の分散状態について、EPMA
解析のマッピングにおける200×200μmの測定領
域内に測定感度のカウント数が30以上の部分が面積比
で60%以上になると、炭素の分散が不均一となり、ク
ロムとの化合物の生成が効果的に起こらず、また再点弧
特性も悪化させ、遮断性能の向上が実現できなくなる。
より好ましい分散状態としては、EPMA解析のマッピ
ングにおけるカウント数が30以上の部分が面積比で4
0%未満である。
【0023】なお、上記面積比は複数箇所における20
0×200μmの測定領域でEPMA解析を行い、各測
定領域における測定感度のカウント数が30以上の部分
の面積比を平均したものである。例えば円盤状の接点材
料の場合、接面中心部および接面中心から60度ごとの
円周部(6箇所)で測定を行い、合計7箇所の面積比を
平均した値となる。また、EPMA解析のマッピング
は、表1に示す条件で測定した。
【表1】
【0024】高導電成分としての銅は高い導電率を有
し、接点の接触抵抗値を下げる目的を有しているが、含
有量が30重量%未満の場合、導電性が低下し接触抵抗
が増大するため接点材料としての機能が低下する。一
方、含有量が85重量%を超える場合は、後述する耐弧
成分の含有量が相対的に低下し、接点開閉動作時に発生
するアーク(電弧)によって接点が溶着し易くなり耐消
耗性が低下する。本発明における銅のより好ましい含有
量は、50〜80重量%である。
【0025】また、耐弧成分としてのCrは、耐アーク
性および耐溶着性に優れ、接点の長寿命化を図るための
成分であり、原料混合体中に15〜70重量%の範囲で
含有される。含有量が15wt%未満においては、耐弧
性が低下して接点の長寿命化が困難である。一方、含有
量が70重量%を超える場合には、上述した高導電成分
としてのCuの含有量の相対的低下を招き、接触抵抗の
増大により接点としての通電機能が低下してしまう。本
発明におけるクロムのより好ましい含有量は、20〜5
0重量%である。
【0026】本発明の真空遮断器は、上記構成に係る真
空遮断器用接点材料を真空遮断器内に配置される接点部
材として用いるものである。
【0027】図1は本発明の真空遮断器の構造例を示す
断面図である。図1において接点の開閉動作が行われる
遮断室1は、絶縁材料からなり、略円筒状に形成された
絶縁容器2と、この絶縁容器2の上下端に封止金属3
a、3bを介して設けた金属製の蓋体4a、4bとによ
って区画形成され真空気密に構成されている。遮断室1
内には軸方向に対向するように1対の導電棒5、6が配
置され、その各導電棒5、6の対向する端部に、1対の
電極7、8が取り付けられている。図1においては上部
側の電極7を固定電極とする一方、下部側の電極8を可
動電極としている。
【0028】また可動電極8の導電棒6には、伸縮自在
のベローズ9が装着されており、遮断室1内を真空気密
に保持した状態で、可動電極8の軸方向における往復動
を可能にしている。このベローズ9の上部には金属性の
アークシールド10が設けられており、このアークシー
ルド10によってベローズ9がアーク蒸気によって覆わ
れれることを防止している。
【0029】また遮断室1内には、対向する1対の電極
7、8を覆うように金属製のシールド11が配設されて
おり、このアークシールド11によって絶縁容器2がア
ーク蒸気によって覆われることが防止される。
【0030】また図2に拡大して示すように、電極8は
導電棒6の端部に形成されるろう付け部12に加熱接合
により固定されるか、または、かしめ加工によって圧着
接続される。接点部材13aは電極8の端面中央部にろ
う材14を介して一体に固着されている。なお、図2に
示す固定側接点部材13bも同様に、固定電極7の端面
にろう材を介して一体に接合されている。本発明の真空
遮断器は、この接点部材13a、13bを上記したよう
な接点材料とすることを特徴としている。
【0031】本発明の真空遮断器用接点材料を上記真空
遮断器の接点部材として使用することにより、大電流遮
断性、耐電圧性、耐溶着性を大幅に改善することができ
るとともに、再点弧現象の発生も効果的に低減すること
ができる。したがって、小型化した真空遮断器において
も、遮断性能が良好であり、耐久性および信頼性が優れ
た真空遮断器とすることができる。
【0032】次に本発明に係わる接点材料の製造方法に
ついて説明する。
【0033】本発明に係る銅−クロム系接点材料の原材
料となる銅粉末としては、電解法によって製造された銅
粉末やアトマイズ法で製造された銅粉末を使用すること
ができる。これらの製法で得られた銅粉末は、純度が良
好であり、一般に高純度材としての特性が要求される接
点部材には好適な銅粉末材料である。
【0034】ここで使用する銅粉末の平均粒径(μm)
は、クロム粉末の平均粒径(μm)の1/20〜1/3
の範囲であり、この粒径範囲に調整することにより、銅
粉末とクロム粉末とが均一に分散した原料混合体が得ら
れ易くなる。
【0035】すなわち、混合操作後における銅粉末の平
均粒径がクロム粉末の平均粒径の1/3を超えるように
粗大となる場合には、クロム粉末表面に銅粉末を均一に
付着配置することが困難になる一方、1/20未満の微
細粉となる場合には、銅粉末の再凝集が起こり易くな
り、いずれにしても各成分が均一に分散した状態が得ら
れにくくなる。より好ましい粒径比率は1/10〜1/
5の範囲である。
【0036】本発明に係る真空遮断器用接点材料は、上
記したような高導電成分としての銅粉末および耐弧成分
としてのクロム粉末を原材料として粉末冶金法や溶浸法
等により所定形状に加工されて製造される。
【0037】粉末冶金法においては、あらかじめ120
0℃以上の温度で炭素成分が過剰な非酸化性雰囲気にて
クロム粉末に熱処理を施す。これによりクロム粉末に均
一に炭素を含有させる。炭素雰囲気を利用してクロム粉
末に炭素を含有させることにより、クロム粉末に均一に
炭素を含有させることが可能となる。熱処理の際の雰囲
気を炭素成分が過剰なものとするには、例えば炭素固
体、炭素粉末などをクロム粉末の近辺に配置して同時に
熱処理する方法が挙げられる。クロム粉末への炭素の含
有量の調整は、熱処理をする際に同時に熱処理される炭
素粉末等の量(例えば熱処理されるクロム粉末の重量に
対し0.1%程度の量)、熱処理温度(例えば、900
℃〜1500℃)、熱処理時間(例えば、0.5〜10
時間)を調整することにより行うことができる。
【0038】その後、炭素雰囲気処理を施した耐弧成分
としてのクロム粉末と高導電粉末としての銅粉末とを所
定の割合で配合し、例えばボールミルのような機械的混
合機を使用して原料混合体を調製し、この原料混合体を
プレス成形機の金型に充填し、例えば200〜500M
Paの加圧力でプレス成形し所定形状の銅−クロム成形
体を形成し、得られた成形体を脱脂した後、窒素ガスや
不活性ガスなどの非酸化性雰囲気中で温度900〜11
00℃で0.5〜3時間加熱焼結する。
【0039】炭素を含有させる方法には、上記したよう
な熱処理の際の雰囲気を炭素雰囲気とするほかに、例え
ばCr粉末やCu粉末に黒鉛粉末などを直接混合させる
ことによって行ってもよい。この場合、最終的な炭素の
含有量の調整は、添加量、熱処理温度、熱処理時間を調
整することにより行うことができる。
【0040】また、一般的に粉末冶金法では、金型成形
性を高めるために原料粉末にバインダーや潤滑剤を添加
したり、あるいは成形金型の内側に潤滑剤を塗布させた
りするが、このとき使用されたバインダーや潤滑剤を除
去せずにそのまま成形体などに残留させて、最終的に含
有する炭素量を調整してもよい。
【0041】溶浸法により作製する場合には、上記した
ような炭素雰囲気処理で得られたCr粉末を用いてCr
焼結体を製造し、得られたCr焼結体の空孔にCuを溶
浸することにより炭素を均一に分散させた銅−クロム接
点材料を製造することができる。
【0042】このような炭素の添加は、最終製品である
真空遮断器用接点材料における炭素量が50〜200p
pm、EPMA解析のマッピングにおいて、200×2
00μmの測定領域内に測定感度のカウント数が30以
上の部分が面積比で60%未満となるように、炭素雰囲
気での熱処理条件、黒鉛粉末等の添加量を調整すること
が好ましい。
【0043】
【実施例】次に本発明の実施形態について、以下の実施
例を参照して説明する。
【0044】実施例1 Cr粉末を炭素雰囲気調整のための炭素粉末と共に、真
空炉にて1300℃、3時間の熱処理を施し、Cr粉末
に均一に炭素を含有させた。熱処理後のCr粉末30重
量%相当量とCu粉末70重量%相当量、さらに潤滑材
を添加し、撹拌式混合機を使用して、1時間均一に混合
した。次に、調整した混合粉末を金型に充填し、加圧力
300〜400MPaで所定形状に成形した。その後、
水素雰囲気にて温度600℃で脱脂後、1100℃にて
焼結を行い、焼結体を形成した。この焼結体を機械加工
し接触子を製造した。
【0045】この製造方法による接点の炭素含有量は5
0ppmで、金属組織中の炭素分布状態についてEPM
Aにて測定したところ、200μm×200μmの測定
領域内における炭素のカウントが30以上の領域が面積
比で35%であった。
【0046】実施例2 Cr粉末を炭素雰囲気調整のための炭素粉末と共に、真
空炉にて1350℃、3時間の熱処理を施し、Cr粉末
に均一に炭素を含有させた。熱処理後のCr粉末30重
量%相当量とCu粉末70重量%相当量、さらに潤滑材
を添加し、撹拌式混合機を使用して、1時間均一に混合
した。次に調整した混合粉末を金型に充填し、加圧力3
00〜400MPaで所定形状に成形した。その後、水
素雰囲気にて温度600℃で脱脂後、1000℃にて焼
結を行い、焼結体を形成した。この焼結体を機械加工し
接触子を製造した。
【0047】この製造方法による接点の炭素含有量は1
00ppmで、金属組織中の炭素分布状態についてEP
MAにて測定したところ、200μm×200μmの測
定領域内における炭素のカウントが30以上の領域が面
積比で45%であった。
【0048】実施例3 Cr粉末を炭素雰囲気調整のための炭素粉末と共に、真
空炉にて1400℃、3時間の熱処理を施し、Cr粉末
に均一に炭素を含有させた。熱処理後のCr粉末30重
量%相当量とCu粉末70重量%相当量、さらに潤滑材
を添加し、撹拌式混合機を使用して、1時間均一に混合
した。次に調整した混合粉末を金型に充填し、加圧力3
00〜400MPaで所定形状に成形した。その後、水
素雰囲気にて温度600℃で脱脂後、900℃にて焼結
を行い、焼結体を形成した。この焼結体を機械加工し接
触子を製造した。
【0049】この製造方法による接点の炭素含有量は2
00ppmで金属組織中の炭素分布状態についてEPM
Aにて測定したところ、200μm×200μmの測定
領域内における炭素のカウントが30以上の領域が面積
比で55%であった。
【0050】実施例4 Cr粉末を炭素雰囲気調整のための炭素粉末とともに、
真空炉にて1350℃、3時間の熱処理を施し、Cr粉
末に均一に炭素を含有させた。熱処理後のCr粉末80
重量%相当量とCu粉末20重量%相当量、さらに潤滑
剤を添加し、攪拌式混合機を使用して、1時間均一に混
合した。次に、調整した混合粉末を金型に充填し、加圧
力500MPaで所定形状に成形した。その後、水素雰
囲気にて温度600℃で脱脂後、1000℃にて焼結を
行い、さらに銅をクロム銅焼結体の空孔に含浸させ溶浸
体を形成した。この溶浸体を機械加工し接触子を製造し
た。
【0051】この製造法による接点のCr含有量は35
重量%、Cu含有量は65重量%、炭素含有量は100
ppmで、金属組織中の炭素分布状態についてEPMA
にて測定したところ、200μm×200μmの測定領
域内における炭素のカウントが30以上の領域が面積比
で40%であった。
【0052】比較例1 Cr粉末30重量%相当量とCu粉末70重量%相当
量、及び潤滑材を添加し、撹拌式混合機を使用して、1
時間均一に混合した。次に、調整した混合粉末を金型に
充填し、加圧力300MPaで所定形状に成形した。そ
の後、水素雰囲気にて温度600℃で脱脂後、1000
℃にて焼結を行い、焼結体を形成した。この焼結体を機
械加工し接触子を製造した。
【0053】この製造方法による接点の炭素含有量は1
0ppmで、金属組織中の炭素分布状態についてEPM
Aにて測定したところ、200μm×200μmの測定
領域内における炭素のカウントが30以上の領域は面積
比で20%であった。
【0054】比較例2 Cr粉末30重量%相当量、平均粒径10μmの炭素粉
末480ppm相当量、および残部をCu粉末(約70
重量%相当量)とし、さらに潤滑材を添加し、撹拌式混
合機を使用して、1時間均一に混合した。次に、調整し
た混合粉末を金型に充填し、加圧力300MPaで所定
形状に成形した。その後、水素雰囲気にて温度600℃
で脱脂後、1000℃にて焼結を行い、焼結体を形成し
た。この焼結体を機械加工し接触子を製造した。
【0055】この製造方法による接点の炭素含有量は5
00ppmで、金属組織中の炭素分布状態についてEP
MAにて測定したところ、200μm×200μmの測
定領域内における炭素のカウントが30以上の領域は面
積比で70%であった。
【0056】比較例3 Cr粉末30重量%相当量、平均粒径10μmの炭素粉
末100ppm当量、および残部をCu粉末(約70重
量%相当量)とし、さらに潤滑材を添加し、撹拌式混合
機を使用して、1時間均一に混合した。次に、調整した
混合粉末を金型に充填し、加圧力300MPaで所定形
状に成形した。その後、水素雰囲気にて温度600℃で
脱脂後、1000℃にて焼結を行い、焼結体を形成し
た。この焼結体を機械加工し接触子を製造した。
【0057】この製造方法による接点の炭素含有量は1
25ppmで、金属組織中の炭素分布状態についてEP
MAにて測定したところ、200μm×200μmの測
定領域内における炭素のカウントが30以上の領域は面
積比で70%であった。
【0058】比較例4 Cr粉末を炭素雰囲気調整のための炭素粉末と共に、真
空炉にて1400℃、5時間の熱処理を施し、Cr粉末
に均一に炭素を含有させた。熱処理後のCr粉末10重
量%相当量とCu粉末90重量%相当量、さらに潤滑材
を添加し、撹拌式混合機を使用して、1時間均一に混合
した。次に調整した混合粉末を金型に充填し、加圧力3
00〜400MPaで所定形状に成形した。その後、水
素雰囲気にて温度600℃で脱脂後、1000℃にて焼
結を行い、焼結体を形成した。この焼結体を機械加工し
接触子を製造した。
【0059】この製造方法による接点の炭素含有量は1
50ppmで、金属組織中の炭素分布状態についてEP
MAにて測定したところ、200μm×200μmの測
定領域内における炭素のカウントが30以上の領域が面
積比で40%であった。
【0060】比較例5 Cr粉末を炭素雰囲気調整のための炭素粉末と共に、真
空炉にて1350℃、3時間の熱処理を施し、Cr粉末
に均一に炭素を含有させた。熱処理後のCr粉末80重
量%相当量とCu粉末20重量%相当量、さらに潤滑材
を添加し、撹拌式混合機を使用して、1時間均一に混合
した。次に調整した混合粉末を金型に充填し、加圧力3
00〜400MPaで所定形状に成形した。その後、水
素雰囲気にて温度600℃で脱脂後、1000℃にて焼
結を行い、焼結体を形成した。この焼結体を機械加工し
接触子を製造した。
【0061】この製造方法による接点の炭素含有量は1
75ppmで、金属組織中の炭素分布状態についてEP
MAにて測定したところ、200μm×200μmの測
定領域内における炭素のカウントが30以上の領域が面
積比で50%であった。
【0062】次に、これら実施例1〜4、比較例1〜5
の接点材料を用いて以下の(1)遮断特性および(2)
静耐電圧特性を調べた。結果を総合判定とともに表2に
示す。なお、総合判定は遮断特性値の最低値が0.9以
上、静耐電圧特性の評価がC以上ものを良好として
「○」で示し、いずれか一方でも前記基準に満たない場
合には不良として「×」で示した。
【0063】(1)遮断電流特性 直径70mmの接点用材料を装着した遮断テスト用実験
バルブを開閉装置に取り付けると共に、ベーキング、電
圧エージング等を与えた後、24kV、50Hzの回路
に接続し、電流をほぼ1kAずつ増加しながら遮断限界
を真空バルブ3本につき評価した。なお、数値は(実験
例2)の値を1.0とした時の相対値をバラツキ幅を持
って示したもので、評価の目安は倍率が0.9倍以上は
良好、0.9倍未満は不良とした。
【0064】(2)静耐電圧特性 組み立て式真空遮断器中に、直径30mm、厚さ5mm
の円盤状接点用材料、曲率半径5mm、長さ30mmの
針状接点用材料を所定の間隙を保って対向配置させた。
この円盤状接点用材料、針状接点用材料の端子間に、次
第に電圧を上げて行き、電極間で絶縁破壊をしたときの
電圧値を測定し、これを静耐電圧値とした。なお、評価
は(実施例2)の値を基準とした時の相対値をバラツキ
幅を持って示したものであり、「A」は+20%以上、
「B」は+10%以上+20未満、「C」は0%以上+
10%未満、「D」は0%未満(値が負となるもの)を
示す。
【表2】
【0065】表2からも明らかなように、炭素を50〜
200ppm含有し、かつ材料組織中における前記炭素
の分散状態がEPMA解析のマッピングにおいて、20
0×200μmの測定領域内に測定感度のカウント数が
30以上の部分が面積比で60%未満である本発明の実
施例1〜4については、遮断特性および静耐電圧特性が
良好であった。これに対して比較例1〜5においては、
遮断特性および静耐電圧特性の両方を同時に満たすもの
はなかった。
【0066】
【発明の効果】本発明に係る真空遮断器用接点材料によ
れば、接点材料中に適量の炭素が含まれるとともに、こ
の炭素が適切に分散されているため、クロム成分の銅相
への拡散を阻止することによりガス発生を抑制するとと
もに、銅液相の凝固温度の低下を抑制し、大電流遮断
性、耐電圧性を大幅に改善することができるとともに、
再点弧現象の発生を効果的に低減することができる。
【0067】また、本発明の真空遮断器用接点材料を真
空遮断器の接点部材として用いることで、再点弧現象を
大幅に低減でき、遮断器の信頼性を向上できるととも
に、遮断器の適用範囲を大幅に拡大することが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の真空遮断機の構造例を示した断面図。
【図2】図1の接点部材及び電極部を拡大して示した断
面図。
【符号の説明】
1…遮断室、2…絶縁容器、3a,3b…封止金属、4
a,4b…蓋体 5…導電棒、6…導電棒、7…電極(固定電極)、8…
電極(可動電極) 9…ベローズ、10…アークシールド、11…アークシ
ールド 12…ろう付け部、13a,13b…接点部材、14…
ろう材(Agろう材)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 奥富 功 東京都府中市東芝町1番地 芝府エンジニ アリング株式会社内 Fターム(参考) 4K018 AA04 AA40 AB07 AC03 BA02 DA13 DA19 FA12 FA43 KA34 5G026 BA01 BA02 BA04 BA07 BB02 BB13 BB14 BC04 BC09 5G050 AA07 AA12 AA13 CA06 DA03 EA02

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高導電成分としての銅相と耐弧成分とし
    てのクロム相とを含んでなる真空遮断器用接点材料であ
    って、炭素を50〜200ppm含有し、かつ前記材料
    組織中における前記炭素の分散状態が、EPMA解析の
    マッピングにおいて、200×200μmの測定領域内
    に測定感度のカウント数が30以上の部分が面積比で6
    0%未満存在することを特徴とする真空遮断器用接点材
    料。
  2. 【請求項2】 前記炭素は、クロムの炭化物として、ま
    たは前記銅相中に単体で分布していることを特徴とする
    請求項1記載の真空遮断器用接点材料。
  3. 【請求項3】 耐弧成分としてのクロムの含有量が15
    〜70重量%の範囲であることを特徴とする請求項1ま
    たは2記載の真空遮断器用接点材料。
  4. 【請求項4】 前記真空遮断器用接点材料は、銅粉末と
    クロム粉末とを混合して得られた原料混合物を成形・焼
    結することによって得られたものであることを特徴とす
    る請求項1乃至3のいずれか1項記載の真空遮断器用接
    点材料。
  5. 【請求項5】 前記真空遮断器用接点材料は、クロム粉
    末単体、またはクロム粉末と銅粉末の混合物からなる仮
    焼体に銅を溶浸してなることを特徴とする請求項1乃至
    3のいずれか1項記載の真空遮断器用接点材料。
  6. 【請求項6】 真空容器内に対向して配置した1対の接
    点部材の開閉動作によって電路を開閉する真空遮断器で
    あって、前記接点部材が請求項1乃至5のいずれか1項
    記載の真空遮断器用接点材料からなることを特徴とする
    真空遮断器。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010095163A1 (ja) * 2009-02-17 2010-08-26 株式会社日立製作所 真空バルブ用電気接点およびそれを用いた真空遮断器
JP2011096497A (ja) * 2009-10-29 2011-05-12 Mitsubishi Electric Corp 真空バルブ用接点の製造方法
JP2015060773A (ja) * 2013-09-20 2015-03-30 三菱電機株式会社 真空バルブ用接点材料及びその製造方法、並びに真空バルブ

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