JP2003183441A - 熱可塑性発泡ゲル状組成物 - Google Patents
熱可塑性発泡ゲル状組成物Info
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Abstract
軽量で柔軟な、かつ優れた機械強度および耐摩耗性を有
する配合用軟化剤の提供。 【解決手段】 (a)非芳香族炭化水素系ゴム用軟化剤
100重量部、(b)水添共役ジエン系共重合体3〜5
0重量部、(c)非晶質性ポリオレフィン3〜50重量
部、及び(d)80〜300℃の温度で膨張する熱膨張
性マイクロカプセル1〜30重量部を熱処理して得られ
る熱可塑性発泡ゲル状組成物。該組成物は、他の熱可塑
性樹脂とのブレンドが容易であるばかりでなく、単独で
も衝撃吸収性材等として用いることができる。
Description
状組成物に関し、特に、オイルブリードがなく、軽量で
柔軟な、かつ優れた機械強度および耐摩耗性を有する熱
可塑性発泡ゲル状組成物に関する。
レン−プロピレン系樹脂組成物に軟化剤としてオイル、
樹脂成分としてオレフィン系樹脂等を添加することによ
り所定の硬度を有する熱可塑性エラストマー樹脂組成物
が得られており、オイルとしてパラフィンオイルがよく
用いられている。しかし、オイル添加により、低硬度化
は可能となるが、他の樹脂成分に比べて分子量の低いも
のが使用されるため、耐熱性、耐候性、機械強度、耐摩
耗性等の低下が発生する。また、非常に軟らかい熱可塑
性樹脂組成物を得る場合には、従来の未架橋のオイルを
使用すると、成形品表面にオイルブリードが発生すると
いう問題があり、満足のいく熱可塑性樹脂組成物を得る
ことができない。すなわち、一般に、熱可塑性樹脂組成
物が吸収できるオイル量は、オイル量/熱可塑性樹脂組
成物量=3倍強という上限があり、それ以上のオイルを
添加した場合、オイルのブリードが発生する。
する場合は、オイル以外の成分が固体であるのに対し
て、オイルは液状であるため、取い扱いが面倒となり、
オイルを配合するためにポンプ等の専用設備が必要であ
るという問題があり、さらに、軟化剤を配合した組成物
は、従来の発泡成形品と比較すると感触は同等以上で
も、重いという欠点があった。
に鑑み、取り扱いが容易で、オイルブリードがなく、軽
量で柔軟な、かつ優れた機械強度および耐摩耗性の配合
用軟化剤を提供することを目的とする。
解決すべく鋭意検討した結果、特定量の非芳香族系ゴム
用軟化剤に水添共役ジエン系共重合体及び非晶質性ポリ
オレフィンを配合し、熱処理することにより、単独でも
ゼリー状となり、取扱いが非常に容易になることを見出
し、特定の熱膨張開始温度を有する熱膨張性マイクロカ
プセルを添加することで軽量、且つ柔軟な熱可塑性発泡
ゲル状組成物が得られることを見出し、本発明を完成し
た。
非芳香族炭化水素系ゴム用軟化剤100重量部、(b)
水添共役ジエン系共重合体3〜50重量部、(c)非晶
質性ポリオレフィン3〜50重量部、及び(d)80〜
300℃の温度で膨張する熱膨張性マイクロカプセル1
〜30重量部を含有する混合物を熱処理して得られる熱
可塑性発泡ゲル状組成物である。
(e)軟化点が80〜170℃、および溶融粘度が10
ポイズになる温度が120〜250℃である石油系炭化
水素樹脂3〜50重量部を含むことを特徴とする第1の
発明に記載の熱可塑性発泡ゲル状組成物である。
(f)DSC測定による融点が70〜140℃、かつ1
40℃の溶融粘度が400〜100000cpsの熱可
塑性樹脂2〜50重量部を含むことを特徴とする第1又
は2の発明に記載の熱可塑性発泡ゲル状組成物である。
(g)有機パーオキサイド0.01〜3重量部を含むこ
とを特徴とする第1〜3のいずれかの発明に記載の熱可
塑性発泡ゲル状組成物である。
(h)エステル系架橋助剤0.01〜10重量部を含む
ことを特徴とする第4の発明に記載の熱可塑性発泡ゲル
状組成物である。
が、炭素数4〜155の直鎖状飽和炭化水素及び/又は
分岐状飽和炭化水素の混合物であることを特徴とする第
1〜5のいずれかの発明に記載の熱可塑性発泡ゲル状組
成物である。
が、室温で液状であることを特徴とする第1〜6のいず
れかの発明に記載の熱可塑性発泡ゲル状組成物である。
媒での抽出残査が10重量%以上であることを特徴とす
る第1〜7のいずれかの発明に記載の熱可塑性発泡ゲル
状組成物である。
構成成分 (1)非芳香族炭化水素系ゴム用軟化剤成分(a) 本発明の熱可塑性発泡ゲル状組成物に用いる非芳香族炭
化水素系ゴム用軟化剤成分(a)は、非芳香族系の鉱物
油又は液状、若しくは、低分子量の合成軟化剤が挙げら
れる。一般にゴム用鉱物油軟化剤は、芳香族環、ナフテ
ン環及びパラフィン鎖を組み合わせた混合物であって、
飽和炭化水素鎖炭素数が全炭素数の50%以上を占める
ものをパラフィン系、ナフテン環炭素数が30〜40%
を占めるものをナフテン系、芳香族炭素数が30%以上
を占めるものを芳香族系と呼び区別されている。本発明
で用いられるゴム用鉱物油軟化剤は、上記のパラフィン
系及びナフテン系が好ましい。芳香族系の軟化剤は、分
散性が悪く好ましくない。非芳香族炭化水素系ゴム用軟
化剤として、パラフィン系の鉱物油軟化剤が特に好まし
く、パラフィン系のなかでも芳香族環成分の少ないもの
が特に適している。
としては、例えば、炭素数4〜155のパラフィン系化
合物、好ましくは炭素数4〜50のパラフィン系化合物
が挙げられ、具体的には、ブタン、ペンタン、ヘキサ
ン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカ
ン、ドデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデ
カン、ヘプタデカン、オクタデカン、ノナデカン、エイ
コサン、ヘンエイコサン、ドコサン、トリコサン、テト
ラコサン、ペンタコサン、ヘキサコサン、ヘプタコサ
ン、オクタコサン、ノナコサン、トリアコンタン、ヘン
トリアコンタン、ドトリアコンタン、ペンタトリアコン
タン、ヘキサコンタン、ヘプタコンタン等のn−パラフ
ィン(直鎖状飽和炭化水素)、イソブタン、イソペンタ
ン、ネオペンタン、イソヘキサン、イソペンタン、ネオ
ヘキサン、2,3−ジメチルブタン、2−メチルヘキサ
ン、3−メチルヘキサン、3−エチルペンタン、2,2
−ジメチルペンタン、2,3−ジメチルペンタン、2,
4−ジメチルペンタン、3,3−ジメチルペンタン、
2,2,3−トリメチルブタン、3−メチルヘプタン、
2,2−ジメチルヘキサン、2,3−ジメチルヘキサ
ン、2,4−ジメチルヘキサン、2,5−ジメチルヘキ
サン、3,4−ジメチルヘキサン、2,2,3−トリメ
チルペンタン、イソオクタン、2,3,4−トリメチル
ペンタン、2,3,3−トリメチルペンタン、2,3,
4−トリメチルペンタン、イソノナン、2−メチルノナ
ン、イソデカン、イソウンデカン、イソドデカン、イソ
トリデカン、イソテトラデカン、イソペンタデカン、イ
ソオクタデカン、イソナノデカン、イソエイコサン、4
−エチル−5−メチルオクタン等のイソパラフィン(分
岐状飽和炭化水素)及び、これらの飽和炭化水素の誘導
体等を挙げることができる。これらのパラフィンは、混
合物で用いられ、室温で液状であるものが好ましい。
量の不飽和炭化水素及びこれらの誘導体が共存していて
も良い。不飽和炭化水素としては、エチレン、プロピレ
ン、1−ブテン、2−ブテン、イソブチレン、1−ペン
テン、2−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、3−メ
チル−1−ブテン、2−メチル−2−ブテン、1−ヘキ
セン、2,3−ジメチル−2−ブテン、1−ヘプテン、
1−オクテン、1−ノネン、1−デセン等のエチレン系
炭化水素、アセチレン、メチルアセチレン、1−ブチ
ン、2−ブチン、1−ペンチン、1−ヘキシン、1−オ
クチン、1−ノニン、1−デシン等のアセチレン系炭化
水素を挙げることができる。
販品としては、出光興産社製のPW−90(n−パラフ
ィン系プロセスオイル)、出光石油化学社製のIP−ソ
ルベント2835(合成イソパラフィン系炭化水素、9
9.8wt%以上のイソパラフィン)、三光化学工業社
製のネオチオゾール(n−パラフィン系プロセスオイ
ル)等が挙げられる。
(b) 本発明の熱可塑性発泡ゲル状組成物における水添共役ジ
エン系共重合体成分(a)は、共役ジエン系共重合体中
の共役ジエン系部分を水素添加または一部水素添加して
得られる共重合体であって、以下の(b−1)〜(b−
3)成分が挙げられる。
ン化合物ランダム共重合体の水素添加物 本発明で用いる芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物
ランダム共重合体の水素添加物成分(b−1)として
は、共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物とのランダ
ム共重合体であって、数平均分子量が好ましくは5,0
00〜1,000,000であり、より好ましくは1
0,000〜350,000であり、多分散度(Mw/
Mn)の値が10以下であり、且つ、その共役ジエン部
の1,2結合あるいは3,4結合などのビニル結合含有
量が5%以上であり、好ましくは20〜90%である。
5%未満では得られる成形品の感触が硬くなり、本発明
の目的に添わない。ここで、成分(b−1)を構成する
芳香族ビニル化合物の含有量は、50重量%以下、好ま
しくは、5〜35重量%である。50重量%を超えると
得られる成形品の感触が硬くなり、本発明の目的に添わ
ない。
物としては、例えば、スチレン、t−ブチルスチレン、
α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ジビニルベ
ンゼン、1,1−ジフェニルスチレン、N,N−ジエチ
ル−p−アミノエチルスチレン、ビニルトルエン、p−
第3ブチルスチレンなどのうちから1種または2種以上
が選択でき、中でもスチレンが好ましい。また、共役ジ
エン化合物としては、例えば、ブタジエン、イソプレ
ン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3
−ブタジエンなどのうちから1種または2種以上が選ば
れ、中でもブタジエン、イソプレンおよびこれらの組合
せが好ましい。
は、ランダムに結合しており、コルソフ[I.M.Ko
lthoff,J.Polymer Sci.,Vol
1p.429 (1946)]の方法によりブロック
状の芳香族ビニル化合物含量が全結合芳香族ビニル化合
物中10重量%以下、好ましくは5重量%以下であるの
が好ましい。また、該共重合体は、共役ジエン化合物に
基づく脂肪族二重結合の少なくとも90%が水素添加さ
れたものが好ましい。
加スチレン・ブタジエンランダム共重合体(HSBR)
を挙げることができる。本発明においては、該芳香族ビ
ニル化合物−共役ジエン化合物ランダム共重合体の水素
添加物は、単独で用いてもよく、2種以上を混合して用
いてもよい。
ン化合物ブロック共重合体の水素添加物 芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合
体の水素添加物成分(b−2)は、芳香族ビニル化合物
を主体とする重合体ブロックAの少なくとも2個と、共
役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBの少なく
とも1個とからなるブロック共重合体を水素添加して得
られる重合体である。例えば、A−B−A、B−A−B
−A、A−B−A−B−A等の構造を有する芳香族ビニ
ル化合物−共役ジエン化合物のブロック共重合体を水素
添加して得られるものである。
ビニル化合物を5〜60重量%、好ましくは、20〜5
0重量%含む。
ロックAは、芳香族ビニル化合物のみからなる重合体
か、芳香族ビニル化合物と50重量%未満の共役ジエン
化合物との共重合体であってもよい。また、共役ジエン
化合物を主体とする重合体ブロックBは、共役ジエン化
合物のみからなる重合体か、共役ジエン化合物と50重
量%未満の芳香族ビニル化合物の共重合体であってもよ
い。
合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレ
ン、ビニルトルエン、p−第3ブチルスチレンなどのう
ちから1種または2種以上が選択でき、中でもスチレン
が好ましい。また共役ジエン化合物としては、例えば、
ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,
3−ジメチル−1,3−ブタジエンなどのうちから1種
または2種以上が選ばれ、中でもブタジエン、イソプレ
ンおよびこれらの組合せが好ましい。
ックBにおけるミクロ構造は、任意に選ぶことができ
る。ブタジエンブロックにおいては、1,2−ミクロ構
造が下限は1%以上、好ましくは5%以上、更に好まし
くは10%以上、上限は95%以下、好ましくは80%
以下、更に好ましくは75%以下である。
ける水添率は、任意に選択することができ、未水添ブロ
ック共重合体の特性を維持しながら耐熱劣化性等を向上
させる場合には、共役ジエンに基づく脂肪族二重結合を
下限は3%以上、好ましくは5%以上、更に好ましくは
7以上、より更に好ましくは9%以上、上限は85%未
満、好ましくは80%未満、更に好ましくは75%未
満、より更に好ましくは60%未満水添することが好ま
しい。また、水添後の1,2−ビニル結合が0.5〜1
2%が好ましく、より好ましくは10%未満、更に好ま
しくは5%以下、より更に好ましくは3%以下である。
る場合には80%以上、好ましくは90%以上水添する
ことが推奨される。また、ポリイソプレンブロックにお
いては、該イソプレン化合物の70〜100重量%が
1,4−ミクロ構造を有し、かつ該イソプレン化合物に
基づく脂肪族二重結合の少なくとも90%が水素添加さ
れたものが好ましい。
の重量平均分子量は、好ましくは5,000〜1,50
0,000であり、より好ましくは10,000〜55
0,000、さらに好ましく50,000〜400,0
00の範囲である。分子量分布(重量平均分子量(M
w)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn))は、
好ましくは10以下、更に好ましくは5以下、より好ま
しくは2以下である。水添ブロック共重合体の分子構造
は、直鎖上、分岐状、放射状あるいはこれらの任意の組
合せのいずれであってもよい。
り、分子量が既知であるポリスチレンを基準として求め
た値である。従って、該値は相対的な値であり、絶対値
ではなく、さらに、基準サンプル、装置、データ処理方
法等GPCの各条件により±30%程度のばらつきが有
り得る。
例としては、スチレン−エチレン・ブタジエン−スチレ
ン共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン・プロピ
レン−スチレン共重合体(SEPS)、スチレン−エチ
レン・エチレン・プロピレン−スチレン共重合体(SE
EPS)、部分水添スチレン−ブタジエン−スチレン共
重合体(SBBS)等を挙げることができる。本発明に
おいては、該芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物ブ
ロック共重合体の水素添加物は、単独で用いてもよく、
2種以上を混合して用いてもよい。
としては、数多くの方法が提案されているが、代表的な
方法としては、例えば特公昭40−23798号公報等
に記載された方法により、リチウム触媒又はチーグラー
型触媒を用い、不活性媒体中でブロック重合させて得ら
れたブロック共重合体を公知の方法により水素添加触媒
の存在下に水添して得られる。
合体の水素添加物 成分(b−3)共役ジエン化合物ブロック共重合体の水
素添加物としては、例えば、ブタジエンのブロック共重
合体を水素添加して得られる結晶性エチレンブロックと
非晶性エチレン−ブテンブロックを有するブロック共重
合体(CEBC)等が挙げられる。本発明においては、
該共役ジエンブロック共重合体の水素添加物は、単独で
用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
重量部に対して、3〜50重量部であり、好ましくは5
〜30重量部である。配合量が3重量部未満では、得ら
れる熱可塑性発泡ゲル状組成物のオイルブリードが顕著
になり、流動しすぎてゲル特性が悪化する。配合量が5
0重量部を超えると、得られる熱可塑性発泡ゲル状組成
物の硬さが硬くなりすぎゲル特性が悪化する。
オレフィン成分(c)は、得られる熱可塑性発泡ゲル状
組成物の粘性を改良すると共に、硬度の調整に効果を有
するものである。(c)成分は、190℃における溶融
粘度が250〜50,000mPa・s、好ましくは1
0,000〜25,000mPa・sのプロピレンを主
成分とする非晶質共重合体からなり、X線回析により測
定した結晶化度が50%以下、好ましくは20%以下で
ある比較的低分子量の重合体である。また、該非晶質ポ
リオレフィンのガラス転移温度は−33〜−23℃が好
ましく、軟化点は120〜135℃が好ましい。
非晶質単独重合体のアタクチックポリプロピレン、プロ
ピレンを主体とする他のオレフィン(例えば、エチレ
ン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メ
チル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン等)と
の非晶質共重合体等を挙げることができる。これらの非
晶質ポリオレフィンのうち、アタクチックポリプロピレ
ン、プロピレン/エチレン非晶質共重合体、プロピレン
/1−ブテン非晶質共重合体が好ましい。前記非晶質ポ
リオレフィンは、ランダム共重合体でもブロック共重合
体でもよいが、ブロック共重合体の場合、プロピレン単
位の結合様式はアタクチック構造である必要がある。ま
た、非晶質共重合体がプロピレンとエチレンとの共重合
体である場合、該プロピレン単位の含有量は、50モル
%以上が好ましく、特に60〜100モル%が好まし
い。
重量部に対して、3〜50重量部であり、好ましくは5
〜30重量部である。配合量が3重量部未満では、得ら
れる熱可塑性発泡ゲル状組成物の粘性が発現せず、ちぎ
れ易くなる。配合量が50重量部を超えると、得られる
熱可塑性発泡ゲル状組成物の製造性が悪化すると共にブ
リード性が悪化する。また、得られる熱可塑性発泡ゲル
状組成物の硬さが硬くなりすぎゲル特性が悪化する。
(d) 本発明の熱可塑性発泡ゲル状組成物で用いる熱膨張性マ
イクロカプセル成分(d)は、熱膨張によって体積膨張
を生じ、比重を低下させる効果を発揮するための特徴と
なる成分である。熱膨張性マイクロカプセルの熱膨張温
度は、80〜300℃であり、好ましくは120〜26
0℃である。熱膨張性マイクロカプセルの熱膨張温度が
120℃未満であると、得られた熱可塑性発泡ゲル状組
成物の耐熱性が悪化する。300℃を超えると熱可塑性
発泡ゲル状組成物の製造温度範囲で熱膨張しなくなる。
また、熱膨張性マイクロカプセル成分(d)は熱処理中
に発泡させることも、標題の熱可塑性組成物を成形して
得られる製品を後発泡させることも可能である。
熱膨張性マイクロカプセルとしては、平均粒径1〜50
μmが必要であり、1μmより小さいとゴム中への分散
が不十分となり、50μmより上では本発明の組成物か
ら得られる成形品の強度が大きく低下する。また、膨張
倍率は10〜100倍が好ましく、10倍未満であると
十分な発泡倍率が得られず、100倍を超えると均一微
細なセルが得られ難くなる。このような熱膨張性マイク
ロカプセルとしては塩化ビニリデン・アクリロニトリル
コポリマーを外殻とし、イソブタンを内包したエクスパ
ンセルが、エクスパンセル社から市販されている。
重量部に対して、1〜30重量部であり、好ましくは3
〜20重量部であり、さらに好ましくは5〜10重量部
である。成分(d)が1重量部未満では、十分な熱膨張
効果が発現せず、添加効果が認められない。成分(d)
が30重量部を超えると分散が充分でなくなり、セルの
均一性が失われると共にブリード性が悪化する。
応じて、石油系炭化水素樹脂成分(e)を配合すること
ができる。成分(e)は、得られる熱可塑性発泡ゲル状
組成物のゴム分散を良好にし、かつ成形品の外観を良好
にすると共に、硬度及び収縮率の調整に効果を有するも
のである。石油系炭化水素樹脂は、石油類のスチームク
ラッキングで副生するC5留分を主に原料とする脂肪族
系石油樹脂、C9留分を主に原料とする芳香族系石油樹
脂、両者を共重合するC5C9共重合樹脂等があるが、
下記に述べる範囲の軟化点及び溶融粘度を有する石油系
炭化水素樹脂であれば、特に限定されないが、芳香族類
を含有する共重合体系樹脂であることが好ましい。
あり、好ましくは110〜160℃の範囲のものであ
る。軟化点が上記の範囲外では、得られる熱可塑性発泡
ゲル状組成物の柔軟性とゲル特性のバランスが悪化す
る。
になる温度は、120〜250℃であり、好ましくは1
50〜240℃である。溶融粘度が10ポイズになる温
度が120℃未満では、得られる熱可塑性発泡ゲル状組
成物のゴム弾性が悪化し、250℃を超えると、得られ
る熱可塑性発泡ゲル状組成物の成形性が低下する。
は、芳香族系樹脂が挙げられ、特に芳香族モノマーとの
共重合体であるEndex155(Eastman C
hemical社製)やα−メチルスチレンとスチレン
の共重合体であるKriatalex5140(Eas
tman Chemical社製)が挙げられる。
成分(a)100重量部に対して、3〜50重量部が好
ましく、より好ましくは5〜30重量部である。配合量
が3重量部未満では、得られる熱可塑性発泡ゲル状組成
物の粘性が発現せず、ちぎれ易くなる。50重量部を超
えると、得られるエラストマー組成物の製造性が悪化す
る。また、得られる熱可塑性発泡ゲル状組成物の硬さが
硬くなりすぎゲル特性が悪化する。
応じて、熱可塑性樹脂成分(f)を配合することができ
る。成分(f)は、得られる熱可塑性発泡ゲル状組成物
の耐熱性を低下させずに塑性変形を改良する効果を有す
る。
m)は、70〜140℃であり、好ましくは100〜1
20℃である。Tmが上記の範囲外では、得られる熱可
塑性発泡ゲル状組成物の柔軟性と圧縮永久歪みと成形加
工性のバランスが悪化する。かつ、成分(f)の140
℃の溶融粘度は、400〜100000cpsであり、
好ましくは500〜10000cpsである。140℃
の溶融粘度が400cps未満では、得られる熱可塑性
発泡ゲル状組成物のゴム弾性が悪化し、100000c
psを超えると、得られる熱可塑性発泡ゲル状組成物の
成形性が低下する。
樹脂及び/又は極性基を有する樹脂が挙げられる。無極
性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレ
ンなどのポリオレフィンの低分子量および低融点樹脂が
挙げられ、具体的にはポリエチレンワックス等を挙げる
ことができる。また、極性基を有する樹脂としては、例
えば、アイオノマー、エチレン−アクリル酸共重合体、
エチレン−酢酸ビニル共重合体、鹸化エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体、ポリアミド系樹脂、ポリアミド系熱可塑
性エラストマー、生分解性ポリエステル系樹脂、ポリエ
ステル系樹脂、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、
ポリウレタン系樹脂、ポリウレタン系熱可塑性エラスト
マーなどの低分子量および低融点樹脂を挙げることがで
きる。これらの熱可塑性樹脂は、単独で用いても2種類
以上を混合して用いてもよい。
樹脂のポリエチレンワックスや極性基含有樹脂の生分解
性ポリエステル系樹脂が挙げられる。
単独重合体ポリエチレンが挙げられる。前記ポリエチレ
ンワックスは、融点が101〜115℃、密度が0.9
1〜0.93g/cm3、ブルックフィールドLVDV
II+粘度計、スピンドル番号SC4−18、60rp
mにより140℃で測定した粘度は、ほぼ6000cp
sであり、このようなポリエチレンワックスは、米国ニ
ュージャージー州モリスタウンのアライド・シグナル
(Allied Signal)社から入手が可能なA
−C735ポリエチレンワックスである。
は、生分解性脂肪族ポリエステル等を挙げることがで
き、工業的には、脂肪族ジカルボン酸と過剰のジオール
を出発原料として、脱水重縮合反応および脱ジオール反
応によって合成されるもの、さらに芳香族化合物を導入
したもの、ラクチドの開環重合、乳酸の縮重合、高分子
量化したポリカプロラクトン、一酸化炭素とホルマリン
から合成されたポリグリコール酸等が挙げられる。生分
解性脂肪族ポリエステルの中で脂肪族−芳香族ランダム
コポリエステルは、ジオール、脂肪酸、芳香族酸の共重
合ポリエステル系樹脂であって、繰返し単位が、[−
{(O−R1−O)a−(CO−R2−CO)b}−
{(O−R3−O)c−(CO−Ar−CO)d}−]
からなるポリエステル樹脂であり、更に任意成分として
分岐剤(BA)xを含む[−{(O−R1−O)a−
(CO−R 2−CO)b}−{(O−R3−O)c−
(CO−Ar−CO)d}−](BA)xの様な構造で
あっても良い。
基:−CO−R2−CO−は、炭素原子3〜40、好ま
しくは3〜12の脂肪酸の残基であって、脂肪酸として
は、例えば、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピ
ン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フマル
酸、2,2−ジメチルグルタル酸、スベリン酸、1,3
−シクロペンタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサ
ンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン
酸、ジグリコール酸、イタコン酸、マレイン酸及び2,
5−ノルボルナンジカルボン酸からなる群から選ばれ、
4−(ヒドロキシメチル)シクロヘキサンカルボン酸、
ヒドロキシピバリン酸、6−ヒドロキシヘキサン酸、グ
リコール酸、乳酸、及びそれらのエステル形成性誘導体
のようなヒドロキシ酸もまた、これらのコポリエステル
を製造するための脂肪酸成分として使用できる。
−は、炭素原子8〜40、好ましくは8〜14の芳香族
酸の残基であって、芳香族酸としては、例えば、1,4
−テレフタル酸、1,3−テレフタル酸、2,6−ナフ
トエ酸、1,5−ナフトエ酸、それらのエステル形成性
誘導体及びそれらの組合せからなる群から選ばれる。
及び−O−R3−O−は、炭素原子2〜20のジオール
の残基であって、ジオールとしては、例えば、エチレン
グリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコ
ール、1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−
1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、
1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、
1,6−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−
1,6−ヘキサンジオール、チオジエタノール、1,3
−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサ
ンジメタノール、2,2,4,4−テトラメチル−1,
3−シクロブタンジオール、トリエチレングリコール、
テトラエチレングリコール及びそれらの組合せからなる
群から選ばれる。ジオール成分は同じでも異なっていて
もよい。
A)x(ただし、xは分岐剤の重量%を表し0.01〜
10重量%が好ましく、より好ましくは0.1〜1.0
重量%である。)は、その重量平均分子量が、好ましく
は約50〜5000、より好ましくは92〜3000の
であって、3〜6のヒドロキシ基を有するポリオール、
3若しくは4個のカルボキシル基を有するポリカルボン
酸又は水酸基とカルボキシル基とを合計で3〜6個有す
るヒドロキシ酸が挙げられる。例えば、低分子量ポリオ
ールの例としては、グリセロール、トリメチロールプロ
パン、1,2,4−ブタントリオール、ペンタエリスリ
トール、1,2,6−ヘキサントリオール、ソルビトー
ル、1,1,4,4−テトラキス(ヒドロキシメチル)
シクロヘキサン、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソ
シアヌレート及びジペンタエリスリトールが挙げられ
る。高分子量ポリオール(Mw:400〜3000)の
例としては、エチレンオキシド及びプロピレンオキシド
のような炭素数2〜3のアルキレンオキシドをポリオー
ル開始剤で縮合することにより誘導されたトリオールが
挙げられる。ポリカルボン酸としては、ヘミメリット
酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、
ベンゼンテトラカルボン酸、ベンゾフェノンテトラカル
ボン酸、1,1,2,2−エタンテトラカルボン酸、
1,1,2−エタントリカルボン酸、1,3,5−ペン
タントリカルボン酸、及び1,2,3,4,−シクロペ
ンタンテトラカルボン酸が挙げられるが、このように酸
は使用してもよいが、好ましくは、それらの低級アルキ
ルエステル又は環状無水物が形成しうる場合にはそれら
の環状無水物の形態で用いられる。ヒドロキシ酸として
は、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、3−ヒドロキシグル
タル酸、ムチン酸(又は粘液酸)、トリヒドロキシグル
タル酸及び4−(β−ヒドロキシエチル)フタル酸が挙
げられるが、このようなヒドロキシ酸は、ヒドロキシル
基とカルボキシル基とを3つまたはそれ以上組み合わせ
て含む。これらの中で、特に好ましい分岐剤には、トリ
メリット酸、トリメシン酸、ペンタエリスリトール、ト
リメチロールプロパン及び1,2,4−ブタントリオー
ルが挙げられる。
系ポリエステルとしては、ポリブチレンサクシネート
(コハク酸と1,4−ブタンジオールの2元系縮合
物)、ポリブチレンサクシネートアジペート(コハク酸
およびアジピン酸、ならびに1,4−ブタンジオールの
3元系縮合物)、ポリブチレンサクシネートテレフタレ
ート(コハク酸およびテレフタル酸、ならびに1,4−
ブタンジオールの3元系縮合物)などが挙げられる。
リエステルには、生分解性の機能を損わない範囲で、機
能性の改質を目的とし、イソシアネート基、ウレタン基
といった反応基を構造中に導入することも可能である。
さらに、ポリ乳酸などを共重合したコポリエステルのよ
うな種々の共重合体を用いることもできる。
テルとしては、生分解性樹脂として一般的に市販されて
いるものを用いることができる。例えば、商品名とし
て、ビオノーレ(昭和高分子(株)製)、Easter
Bio(EastomanChemicals製)、
バイオポール(日本モンサント製)、Biomax(D
uPont製)、Ecoflex(BASF製)などが
挙げられるが、用途や特性に応じた樹脂を任意に選定す
ることができる。
成分(a)100重量部に対して、2〜50重量部が好
ましく、より好ましくは2〜30重量部である。配合量
が2重量部未満では、添加効果がなく、50重量部を超
えると、得られる熱可塑性発泡ゲル状組成物の製造性が
悪化する。また、得られる熱可塑性発泡ゲル状組成物の
硬さが硬くなりすぎゲル特性が悪化する。
応じて、有機パーオキサイド成分(g)を配合すること
ができる。成分(g)は、得られる熱可塑性発泡ゲル状
組成物中の成分(a)と成分(b)を架橋することによ
り、常温では塑性変形しにくくなり、高温でのオイルブ
リードを改善する効果を有する。
ーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、
2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルパ
ーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ
(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、1,3
−ビス(tert−ブチルパーオキシイソプロピル)ベ
ンゼン、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)
−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル
−4,4−ビス(tert−ブチルパーオキシ)バレレ
ート、ベンゾイルパーオキサイド、p−クロロベンゾイ
ルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオ
キサイド、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、
tert−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネー
ト、ジアセチルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサ
イド、tert−ブチルクミルパーオキサイドなどを挙
げることができる。
安定性の点で、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ter
t−ブチルパーオキシ)ヘキサンおよび2,5−ジメチ
ル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシ
ン−3が最も好ましい。
成分(a)100重量部に対して、上限値は3重量部が
好ましく、より好ましくは1重量部であり、下限値は
0.01重量部が好ましい。上限値を超えると有機パー
オキサイドによる分解反応が優先され、臭気も激しくな
り、得られる熱可塑性発泡ゲル状組成物が取り扱いに優
れた良いゲル状にならない。
応じて、エステル系架橋助剤成分(h)を配合すること
ができる。成分(h)は、上記の有機パーオキサイド成
分(g)による架橋処理に際して、均一かつ効率的な架
橋反応を行わせる効果を有する。成分(h)としては、
例えば、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチ
レングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコ
ールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメ
タクリレート、エチレングリコールの繰り返し単位数が
9〜14のポリエチレングリコールジメタクリレート、
トリメチロールプロパントリメタクリレート、アリルメ
タクリレート、2−メチル−1,8−オクタンジオール
ジメタクリレート、1,9−ノナンジオールジメタクリ
レートのような多官能性メタクリレート化合物、ポリエ
チレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジ
オールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアク
リレート、プロピレングリコールジアクリレートのよう
な多官能性アクリレート化合物、ビニルブチラート、ビ
ニルステアレート、ジビニルベンゼン、トリアリルシア
ヌレートのような多官能性ビニル化合物を挙げることが
できる。これらは、単独あるいは2種類以上を組み合わ
せて用いても良い。このような化合物により、均一かつ
効率的な架橋反応が期待できる。
レート化合物および多官能性アクリレート化合物が好ま
しく、トリエチレングリコールジメタクリレート、テト
ラエチレングリコールジメタクリレート、2−メチル−
1,8−オクタンジオールジメタクリレート、1,9−
ノナンジオールジメタクリレートが特に好ましい。
成分(a)100重量部に対して、上限値は、10重量
部、好ましくは、3重量部であり、下限値は、0.01
重量部である。下限未満では添加の効果が認められず、
上限を超えては組成物の架橋が進みすぎて架橋助剤が部
分的に分散せず、製造出来るものの外観が悪く、ゲル特
性も悪くなる。
上記の成分の他に、さらに必要に応じて、各種のブロッ
キング防止剤、シール性改良剤、熱安定剤、酸化防止
剤、光安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、結晶核剤、着色剤
等を含有することも可能である。ここで、酸化防止剤と
しては、例えば、2,6−ジ−tert−p−ブチル−
p−クレゾール、2,6−ジ−tert−ブチルフェノ
ール、2,4−ジメチル−6−tert−ブチルフェノ
ール、4,4−ジヒドロキシジフェニル、トリス(2−
メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニ
ル)ブタン等のフェノール系酸化防止剤、ホスファイト
系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤等が挙げられ
る。このうちフェノール系酸化防止剤、ホスファイト系
酸化防止剤が特に好ましい。酸化防止剤は、上記の成分
(a)〜(h)の合計100重量部に対して、0〜3.
0重量部が好ましく、特に好ましくは0.1〜1.0重
量部である。
〜(d)、必要に応じて(e)〜(h)を配合し、オー
トクレーブなどの加温が可能な反応容器内に投入し、反
応温度120〜200℃、好ましくは140〜170℃
で10分間以上反応させることにより得られる。反応温
度が120℃未満では、成分(b)水添共役ジエン系共
重合体、成分(c)非晶質ポリオレフィンの溶融不良が
発生し、必要に応じて添加する有機パーオキサイドの分
解反応が起こらず、架橋反応が生じない。また、200
℃を超えては、成分(b)水添共役ジエン系共重合体、
成分(c)非晶質ポリオレフィンの劣化や必要に応じて
添加する有機パーオキサイドの急激な分解反応が起きる
ため、均一な溶融混練または架橋反応を行うことができ
ない。また、例えば、成分(a)〜(c)、必要に応じ
て成分(e)〜(h)を配合し、上記条件で反応させた
後、140℃未満、好ましくは120℃未満で成分
(d)を加え、攪拌し得た組成物により、その後の成形
加工時に発泡を起こさせることも可能である。
であり、室温でアセトン溶媒に48時間浸漬後の抽出残
査が10重量%以上であるものが好ましい。抽出残査が
10重量%未満であると液状状態になり、固体としての
取り扱いが困難になる。本発明の熱可塑性発泡ゲル状組
成物は、ゲル状であるため、他の熱可塑性樹脂とブレン
ドして熱可塑性樹脂組成物を得る際、固形物に準じる取
扱いが可能である。また、本発明の熱可塑性発泡ゲル状
組成物は、ゼリー状であるため、単独で、衝撃吸収性
材、制振材、消音材等への応用が可能である。
熱可塑性エラストマー樹脂や熱可塑性樹脂とブレンドす
ることにより、オイルブリードの無い、非常に軟らかい
弾性体である熱可塑性樹脂組成物を得ることができる。
この弾性体は優れた衝撃吸収性を有するので、制振材、
消音材等への応用が可能である。この際、熱可塑性発泡
ゲル状組成物の成分(d)を未発泡の状態で保ち、制振
材、消音材等の成形品への成形時、発泡させることも可
能である。さらに、本発明の熱可塑性発泡ゲル状組成物
を従来の所定の硬度を有する熱可塑性エラストマー樹脂
を得る際に使用した場合も、耐熱評価時のオイルブリー
ドの抑制効果が得られ、機械強度、耐摩擦性も向上させ
ることができる。
説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
なお、実施例における評価方法及び使用した原料を以下
に示す。
ゲル状または固体サンプルを用いて測定を行なった。 (2)オイルブリード:室温(23℃)で168時間放
置後の熱可塑性発泡ゲル状組成物表面からオイルブリー
ドの有無を目視で観察し、次の基準で評価した。 ○:目視及び触感でオイルブリードを感じない ×:目視及び触感で僅かでもオイルブリードを感じる (3)組成物の状態:室温(23℃)での熱可塑性発泡
ゲル状組成物の性状を目視で、液体、ゲル状(固形物に
準じる取扱いが可能なもの)、固体を判断した。 (4)抽出残査:抽出残査:得られた組成物を室温でア
セトン溶媒に48時間浸漬した後の抽出残査を測定した
(重量%)。
ール(Neotiozol)(三光化学工業(株)製)
比重:0.761、種類:n−パラフィン系プロセスオ
イル (2)水添ブロック共重合体成分(b):セプトン40
77(SEPS)(商標;クラレ株式会社製)、スチレ
ン含有量30重量%、数平均分子量260,000、重
量平均分子量320,000、分子量分布1.23、水
素添加率90%以上 (3)非晶質ポリオレフィン成分(c):E−1200
(APE)(イーストマンケミカル社製)、溶融粘度
(190℃)=16500mPa・s (4)熱膨張性マイクロカプセル成分(d):092D
U120(Expancel)(エクスパンセル社製)
粒子径;28〜38μm、膨張開始温度;116〜12
6℃、膨張終了温度;228〜235℃ (5)石油系炭化水素樹脂成分(e):Endex15
5(商標;Eastman chemical社製芳香
族系モノマーの共重合体)、融点;151〜155℃、
比重;1.05、235℃の溶融粘度;10ポイズ (6)熱可塑性樹脂成分(f):A−C735(商標;
アライド・シグナル社製PEワックス)、融点;110
℃、比重;0.92、140℃の溶融粘度;6000c
ps (7)有機パーオキサイド成分(g):Perhexa
25B(日本油脂(株)製)種類:2,5−ジメチル−
2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)−ヘキサン (8)架橋助剤成分(h):TMPT(Trimeth
ylol Propane Trimethacryl
ate;新中村化学株式会社製)分子量:338 (9)ヒンダードフェノール/フォスファイト/ラクト
ン系複合酸化防止剤成分(i):HP2215(商標;
チバスペチャリティケミカルズ社製)
配合し、160℃に加熱ししたオートクレーブ(TEM
−D1500M型メタルリアクター:耐圧硝子工業
(株)社製)内で溶融ブレンドまたは架橋させて、本発
明の熱可塑性発泡ゲル状組成物を得た。評価結果を表1
及び表2に示す。
の組成からは、いずれもオイルブリードのない熱可塑性
発泡ゲル状組成物が得られる(実施例1〜4)。一方、
成分(b)の配合量が少な過ぎると、組成物はゲル状に
ならず(比較例1)、成分(b)の配合量が多すぎる
と、組成物は固体になってしまう(比較例2)。成分
(c)の配合量が少な過ぎると、組成物はゲル状になら
ず(比較例3)、成分(b)の配合量が多すぎると、組
成物は固体になってしまう(比較例4)。成分(d)の
配合量が少な過ぎると、組成物はゲル状になるが、軽量
でなく(比較例5)、成分(b)の配合量が多すぎる
と、組成物は固体になってしまう(比較例2)。
ル状であり、軽量で柔軟な熱可塑性発泡ゲル状組成物で
あり、衝撃吸収性材、制振材、消音材等への応用が可能
である。さらに、これらの熱可塑性発泡ゲル状組成物を
使用すると、熱可塑性樹脂組成物の製造における取扱い
が非常に容易であり、オイルブリードのない、非常に軟
らかな発泡熱可塑性樹脂組成物を製造することができ
る。
Claims (8)
- 【請求項1】 (a)非芳香族炭化水素系ゴム用軟化剤
100重量部、(b)水添共役ジエン系共重合体3〜5
0重量部、(c)非晶質性ポリオレフィン3〜50重量
部、及び(d)80〜300℃の温度で膨張する熱膨張
性マイクロカプセル1〜30重量部を含有する混合物を
熱処理して得られる熱可塑性発泡ゲル状組成物。 - 【請求項2】 さらに、(e)軟化点が80〜170
℃、および溶融粘度が10ポイズになる温度が120〜
250℃である石油系炭化水素樹脂3〜50重量部を含
むことを特徴とする請求項1に記載の熱可塑性発泡ゲル
状組成物。 - 【請求項3】 さらに、(f)DSC測定による融点が
70〜140℃、かつ140℃の溶融粘度が400〜1
00000cpsの熱可塑性樹脂2〜50重量部を含む
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の熱可塑性発泡
ゲル状組成物。 - 【請求項4】 さらに、(g)有機パーオキサイド0.
01〜3重量部を含むことを特徴とする請求項1〜3の
いずれか1項に記載の熱可塑性発泡ゲル状組成物。 - 【請求項5】 さらに、(h)エステル系架橋助剤0.
01〜10重量部を含むことを特徴とする請求項4に記
載の熱可塑性発泡ゲル状組成物。 - 【請求項6】 成分(a)が、炭素数4〜155の直鎖
状飽和炭化水素及び/又は分岐状飽和炭化水素の混合物
であることを特徴とする請求項1〜5に記載の熱可塑性
発泡ゲル状組成物。 - 【請求項7】 成分(a)が、室温で液状であることを
特徴とする請求項1〜6に記載の熱可塑性発泡ゲル状組
成物。 - 【請求項8】 アセトン溶媒での抽出残査が10重量%
以上であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1
項に記載の熱可塑性発泡ゲル状組成物。
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