JP2003183433A - 脂肪族ポリエステル発泡体の製造方法およびそれにより得られる脂肪族ポリエステル発泡体 - Google Patents

脂肪族ポリエステル発泡体の製造方法およびそれにより得られる脂肪族ポリエステル発泡体

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 押出成形性の安定性に優れ、高倍率で、気泡
径が微細均一で、外観流麗な脂肪族ポリエステル発泡体
を提供できる製造方法、並びに真空成形等の2次加工性
に優れた脂肪族ポリエステル発泡シート、および良外観
で、厚みむらの小さい脂肪族ポリエステル発泡成形体を
提供する。 【解決手段】 脂肪族ポリエステル発泡体の製造方法
は、含水率を200ppm以下に制御した脂肪族ポリエ
ステル100質量部に対して、炭酸水素塩、有機酸、炭
酸水素塩と有機酸の反応物から選ばれる少なくとも1種
からなる発泡核剤0.001〜1質量部、発泡剤0.1
〜10質量部を添加し、発泡成形することを特徴とす
る。脂肪族ポリエステル発泡体は、該製造方法で製造さ
れ、平均気泡径が1〜300μmであることを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、脂肪族ポリエステ
ル発泡体の製造方法およびそれにより得られる脂肪族ポ
リエステル発泡体に関する。更には脂肪族ポリエステル
発泡シート、それを真空成形、又は、真空圧空成形して
得られる脂肪族ポリエステル発泡成形体に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】一般に、発泡材料はポリスチレ
ン、ポリエチレン、ポリプロピレン等の樹脂から製造さ
れており、軽量、断熱性、防音性、緩衝性等の性能を活
かし、多分野に亘り使用されている。しかしながら、こ
れらの発泡材料は、使用後の回収や再利用が困難であ
り、自然環境下でほとんど分解されないために、半永久
的に地中に残留する。また投棄されたプラスチック類に
より、景観が損なわれたり、海洋生物の生活環境が破壊
されるなどの問題が生じている。
【0003】これに対し、熱可塑性樹脂で生分解性を有
するポリマーとして、各種脂肪族ポリエステルが開発さ
れている。例えば、ポリ乳酸および乳酸と他の脂肪族ヒ
ドロキシカルボン酸とのコポリマー等の乳酸系ポリマ
ー、脂肪族多価アルコールと脂肪族多価カルボン酸から
誘導される脂肪族ポリエステル等が開発されている。こ
れらのポリマーの中には、動物の体内で数ヶ月から1年
以内に100%生分解し、又は、土壌や海水中に置かれ
た場合、湿った環境のもとでは数週間で分解を始め、約
1年から数年で消滅するものがある。更に、分解生成物
は、人体に無害な乳酸と二酸化炭素と水であるという特
性を有している。
【0004】特にポリ乳酸は、近年、原料のL−乳酸が
発酵法により大量且つ安価に製造されるようになってき
た事や、堆肥中での分解速度が速く、カビに対する抵抗
性、食品に対する耐着臭性や耐着色性等、優れた特徴を
有することにより、その利用分野の拡大が期待されてい
る。
【0005】特開平4−304244号公報には、ポリ
乳酸、又は、乳酸とヒドロキシカルボン酸のコポリマー
を主成分とする生分解性脂肪族ポリエステル発泡体が提
案されている。しかしながら、該脂肪族ポリエステルの
押出機を用いた発泡成形を実施するにあたり、次のよう
なさらに改良すべき点があった。 (1)脂肪族ポリエステルは、元来、溶融張力が低いた
め、高倍率の発泡体を得るのが困難であった。この問題
点に関しては、ポリマーを発泡に適した溶融物性に改質
して、発泡体を得る技術がいくつか提案されている。し
かしながら、脂肪族ポリエステルの発泡成形を効果的に
行うには不十分であった。 (2)脂肪族ポリエステルは、水分を吸収しやすく、押
出機内での溶融時に加水分解が生じ、安定した押出成形
が困難であった。また、加水分解による分子量低下が原
因で、前記(1)と同様、高倍率の発泡体を得るのが困
難であった。 (3)脂肪族ポリエステルは、タルクのような無機系の
発泡核剤を使用しても、気泡径が微細で均一にはなら
ず、外観の流麗な発泡成形物を得ることが困難であっ
た。また、炭酸水素塩と有機酸の混合物のような、熱分
解により二酸化炭素と水を発生する機構を有する発泡核
剤を通常の添加量で使用した場合、発生した水によって
加水分解を生じ、前記(2)と同様、安定した押出成形
が困難であり、前記(1)と同様、高倍率の発泡体を得
るのが困難であった。 (4)脂肪族ポリエステルは、気泡径が粗大で不均一な
発泡体しか得ることができないため、該発泡シートの真
空成形等の2次加工を行った際、成形性が悪く、外観が
良好で厚みむらの小さい発泡成形体を得るのが困難であ
った。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を解決しようとするものであり、特に、高倍率で、気泡
径が微細均一で、外観流麗な脂肪族ポリエステル発泡体
を提供でき、更に真空成形等の2次加工性に優れた脂肪
族ポリエステル発泡シート、および良外観で、厚みむら
の小さい脂肪族ポリエステル発泡成形体を提供すること
を目的としている。さらに、押出成形性の安定性に優れ
た脂肪族ポリエステル発泡体製造方法を提供することを
目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、含水率を制御
した脂肪族ポリエステルを使用し、特定な発泡核剤を特
定量添加することにより、高倍率で、気泡径が微細均一
で、外観流麗な脂肪族ポリエステル発泡体が安定的に得
られること見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明は、以下に記載する事項
により特定される。 (1)含水率を200ppm以下に制御した脂肪族ポリ
エステル類100質量部に対して、炭酸水素塩、有機
酸、炭酸水素塩と有機酸の反応物から選ばれる少なくと
も1種からなる発泡核剤0.001〜1質量部、発泡剤
0.1〜10質量部を添加し、発泡成形することを特徴
とする脂肪族ポリエステル発泡体の製造方法。
【0009】(2)前記脂肪族ポリエステル類が、脂肪
族ポリエステル100質量部に対して、有機過酸化物
0.003〜0.8質量部を添加し、溶融混練して得ら
れる脂肪族ポリエステル架橋物であることを特徴とする
前記(1)に記載の脂肪族ポリエステル発泡体の製造方
法。 (3)前記脂肪族ポリエステル類が乳酸系樹脂であるこ
とを特徴とする前記(1)または(2)に記載の脂肪族
ポリエステル発泡体の製造方法。 (4)前記炭酸水素塩が炭酸水素ナトリウムであること
を特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の脂
肪族ポリエステル発泡体の製造方法。
【0010】(5)前記有機酸がクエン酸であることを
特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載の脂肪
族ポリエステル発泡体の製造方法。 (6)前記発泡剤が二酸化炭素、又は、窒素のいずれか
であることを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれか
に記載の脂肪族ポリエステル発泡体の製造方法。 (7)前記有機過酸化物がジアルキルパーオキサイドで
あることを特徴とする前記(2)〜(6)のいずれかに
記載の脂肪族ポリエステル発泡体の製造方法。
【0011】(8)前記(1)〜(7)のいずれかに記
載の製造方法で製造され、平均気泡径が1〜300μm
である脂肪族ポリエステル発泡体。 (9)前記(1)〜(7)のいずれかに記載の製造方法
で製造され、平均気泡径が1〜300μmである脂肪族
ポリエステル発泡シート。 (10)前記(9)に記載の脂肪族ポリエステル発泡シ
ートを真空成形、又は、真空圧空成形のいずれかの成形
方法により成形して得られた脂肪族ポリエステル発泡成
形体。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明における脂肪族ポリエステ
ル類は、脂肪族ヒドロキシカルボン酸、脂肪族二価アル
コール、および脂肪族二塩基酸を種々組み合わせて製造
できる生分解性を有するポリマーである。
【0013】脂肪族ヒドロキシカルボン酸の具体例とし
ては、例えば、乳酸(L−乳酸、D−乳酸、DL−乳
酸)、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロ
キシ酪酸、3−ヒドロキシ吉草酸、4−ヒドロキシ吉草
酸、6−ヒドロキシカプロン酸等を挙げることができ
る。更に脂肪族ヒドロキシカルボン酸の環状エステル、
例えば、乳酸の二量体であるラクタイド、グリコール酸
の二量体であるグリコライドや6−ヒドロキシカプロン
酸の環状エステルであるε−カプロラクトンを挙げるこ
とができる。これらは、単独で、又は二種以上組み合わ
せて使用することができる。
【0014】脂肪族二価アルコールの具体例としては、
例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、
トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プ
ロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3
−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、3−メチ
ル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、ポリテトラメチレングリコール、1,4−シクロヘ
キサンジメタノール等が挙げられる。これらは単独で、
又は二種以上の組み合わせで使用することができる。
【0015】脂肪族二塩基酸の具体例としては、例え
ば、コハク酸、シュウ酸、マロン酸、グルタル酸、アジ
ピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバ
シン酸、ウンデカン酸、ドデカン二酸、フェニルコハク
酸、1,4−フェニレンジ酢酸等が挙げられる。これら
は単独で、又は二種以上の組み合わせで使用することが
できる。
【0016】本発明において、脂肪族ポリエステル類
は、前記した脂肪族ヒドロキシカルボン酸、脂肪族二価
アルコール、脂肪族二塩基酸を種々組み合わせて製造で
きる生分解性を有する脂肪族ポリエステルであれば、何
ら制限はない。例えば、ポリ乳酸系樹脂、ポリグリコー
ル酸、ポリエチレンオキサレート、ポリブチレンオキサ
レート、ポリカプロラクトン、ポリネオペンチルグリコ
ールオキサレート、ポリエチレンサクシネート、ポリブ
チレンサクシネート、ポリヒドロキシ酪酸等が挙げられ
る。また、これらの脂肪族ポリエステルは、ジイソシア
ネート等の結合剤によってポリマー鎖が延長されたもの
であってもよく、また、少量のグリセリンのような脂肪
族多価アルコール、ブタンテトラカルボン酸のような脂
肪族多塩基酸、多価アルコール類を共存させて、共重合
させたものでもよい。
【0017】この中でも、植物等の再生可能資源由来の
乳酸を原料とした乳酸系樹脂が好ましい。乳酸系樹脂と
は、ポリ乳酸単独、ポリ乳酸と脂肪族ポリエステルとの
コポリマー、ポリ乳酸と脂肪族ポリエステルとのブレン
ドまたは、ポリマーアロイのことをいう。
【0018】また、本発明において、脂肪族ポリエステ
ル類は、発泡時の溶融張力を向上させる観点から、有機
過酸化物により、架橋し、脂肪族ポリエステル架橋物と
することが好ましい。
【0019】本発明に用いる脂肪族ポリエステル類の含
水率は200ppm以下、好ましくは150ppm以
下、更に100ppm以下が好ましい。含水率が上記範
囲にある場合、発泡成形の際、炭酸水素塩、有機酸から
発生する水で生じる加水分解による大幅な分子量低下を
避けることができる。
【0020】脂肪族ポリエステル類の含水率を制御する
方法は、公知の方法であれば、特に限定されない。例え
ば、真空乾燥、熱風除湿乾燥等による方法が挙げられ
る。
【0021】本発明における炭酸水素塩は、公知のもの
であれば、特に制限なく使用できる。例えば、炭酸水素
ナトリウム、炭酸水素ナトリウムアルミニウム、炭酸水
素カリウム等が挙げられる。中でも炭酸水素ナトリウム
が好ましい。
【0022】本発明における有機酸は、公知のものであ
れば、特に制限なく使用できる。中でもポリカルボン酸
が好ましい。例えば、クエン酸、シュウ酸、フマル酸、
フタル酸、リンゴ酸、酒石酸、ショウノウ酸、エチレン
ジアミン四酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、ニト
リロ酸等が挙げられる。中でもクエン酸が好ましい。
【0023】本発明における炭酸水素塩と有機酸の反応
物としては、例えば、クエン酸二水素ナトリウム等が挙
げられる。
【0024】炭酸水素塩、有機酸、炭酸水素塩と有機酸
の反応物から選ばれる少なくとも1種からなる発泡核剤
の添加量は、低含水率脂肪族ポリエステル類100質量
部に対して、0.001〜1質量部、好ましくは0.0
1〜0.5質量部、更に0.05〜0.3質量部が好ま
しい。添加量が上記範囲にある場合、気泡の核発生効
果、および均一な気泡が形成できる上、分解物が目脂等
になって製品等を汚染する心配がない。また、炭酸水素
塩、有機酸、炭酸水素塩と有機酸の反応物から選ばれる
少なくとも1種からなる発泡核剤の分解反応の際、水が
発生するが、発泡核剤の添加量が上記範囲であれば、水
の発生量は非常に微量であるため、発泡性には影響を及
ぼさない。
【0025】炭酸水素塩、有機酸、炭酸水素塩と有機酸
の反応物は、単独でも、それぞれ2種類以上の組み合わ
せでも用いることができる。炭酸水素塩と有機酸との組
み合わせの場合、その混合比率は、重量比で、1:9〜
9:1であることが好ましい。混合比率が上記範囲にあ
る場合、更なる気泡の核発生効果、および更なる均一な
気泡が形成できる。
【0026】本発明における発泡剤は、公知のものであ
れば、特に制限なく使用できる。通常、熱可塑性樹脂に
おける発泡剤は、化学発泡剤と物理発泡剤に分類され
る。化学発泡剤の例としては、炭酸水素ナトリウム、炭
酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、亜硝酸アンモ
ニウム、クエン酸、アゾジカルボンアミド、アゾビスイ
ソブチロニトリル、ベンゼンスルホニルヒドラジド、ア
ゾジカルボン酸バリウム、ジニトロソペンタメチレンテ
トラミン、P,P’−オキシビスベンゼンスルホニルヒ
ドラジド、P−トルエンスルホニルヒドラジド、P−ト
ルエンスルホニルアセトンヒドラゾーン等が挙げられ
る。
【0027】物理発泡剤の例としては、プロパン、ブタ
ン、ペンタン、イソブタン、ネオペンタン、イソペンタ
ン、ヘキサン、エタン、ヘプタン、エチレン、プロピレ
ン、石油エーテル等の炭化水素、メタノール、エタノー
ル等のアルコール、メチルクロライド、メチレンクロラ
イド、ジクロロフルオロメタン、クロロトリフルオロメ
タン、ジクロロジフルオロメタン、クロロジフルオロメ
タン、トリクロロフルオロメタン等のハロゲン化炭化水
素、二酸化炭素、窒素、アルゴン、水等が挙げられる。
中でも、二酸化炭素と窒素が、地球環境や安全性の観点
から好ましい。発泡剤は、1種単独で使用することもで
きるし、2種以上を組み合わせて使用することもでき
る。
【0028】発泡剤の添加量は、低含水率脂肪族ポリエ
ステル類100質量部に対して、発泡剤0.1〜10質
量部、好ましくは0.2〜5質量部、更に0.3〜3質
量部が好ましい。添加量が上記範囲にある場合、気泡が
破泡せずに、高倍率の発泡体を形成できる上、外観が良
好な発泡体の取得できる。
【0029】また、本発明においては、課題の達成を損
なわない範囲で、必要に応じて、顔料、染料、滑剤、抗
酸化剤、充填剤、安定剤、難燃剤、帯電防止剤、紫外線
防止剤、架橋剤、抗菌剤、結晶核剤、収縮防止剤等を添
加することができる。
【0030】本発明の押出機に投入する前の脂肪族ポリ
エステル発泡体の原料となる脂肪族ポリエステル組成物
の製造方法は、特に制限はなく、公知の方法を採用する
ことができる。例えば、タンブラー、ヘンシェルミキサ
ー、リボン型ブレンダー等が挙げられる。ただし、いず
れの場合も、発泡核剤が反応しない温度で製造する必要
がある。例えば、0℃〜100℃の温度条件が好まし
く、更に5℃〜40℃の温度条件が好ましい。
【0031】また、低酸素濃度雰囲気下にて、製造する
ことが好ましい。例えば、酸素濃度が0〜15%の範囲
で製造することが好ましい。酸素濃度が上記範囲にある
場合、加水分解の原因となる含水率の向上を抑制するこ
とができる。酸素濃度を上記範囲内にするためには、窒
素、アルゴン等の不活性ガスにより置換し、不活性ガス
雰囲気下にする方法が好ましい。
【0032】発泡成形には、押出機、射出成形機、ビー
ズ発泡金型などを用いて行うことができる。これらの中
では押出機を用いて行うことが、連続成形可能であり、
低コストで製造できる点で好ましい。
【0033】本発明で用いられる押出機の種類は、公知
のものであれば、特に限定されない。例えば、単軸押出
機、二軸押出機等が挙げられる。これらの中では、単軸
押出機が好ましい。また、押出機が2台以上繋がった多
段押出機を使用することもできる。
【0034】本発明に用いられる押出機とダイスの間に
は、混練状態の向上、樹脂温度の均一化、スクリューマ
ークの解消等を目的として、スタティックミキサーを導
入することもできる。また、押出性の安定性向上を目的
にギアポンプを導入することもできる。
【0035】本発明において脂肪族ポリエステル類は、
有機過酸化物により、架橋し、脂肪族ポリエステル架橋
物とすることが好ましいが、ここで用いられる有機過酸
化物は、公知のものであれば、特に制限なく使用でき
る。中でも、半減期1分を得るための分解温度が100
℃〜300℃のものが好ましく、更に150〜250℃
のものが好ましい。分解温度が上記範囲にある場合、有
機過酸化物が十分分散した状態で分解反応が始まり、且
つ押出機滞留時間内で十分な反応を達成することができ
る。
【0036】有機過酸化物の具体例としては、ターシャ
リーブチルクミルパーオキサイド、α,α’−ビス(タ
ーシャリーブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼ
ン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ターシャリーブチ
ルパーオキシ)ヘキサン、ジクミルパーオキサイド、
2,5−ジメチル−2,5−ジ(ターシャリーブチルパ
ーオキシ)ヘキシン−3、ジターシャリーブチルパーオ
キサイド等のジアルキルパーオキサイドや、ジイソプロ
ピルベンゼンハイドロパーオキサイド、クメンハイドロ
パーオキサイド等のハイドロパーオキサイドや、ジター
シャリーブチルジパーオキシイソフタレート、ターシャ
リーブチルパーオキシベンゾエート、ターシャリーブチ
ルパーオキシアセテート、ターシャリーブチルパーオキ
シラウレート等のパーオキシエステルや、n−ブチル−
4,4−ビス(ターシャリーブチルパーオキシ)バレレ
ート等のパーオキシケタール等が挙げられる。有機過酸
化物は、1種単独で使用することもできるし、2種以上
を組み合わせて使用することもできる。中でも、ジアル
キルパーオキサイドが好ましく、とりわけ2,5−ジメ
チル−2,5−ジ(ターシャリーブチルパーオキシ)ヘ
キサンが好ましい。
【0037】有機過酸化物の添加量は、脂肪族ポリエス
テル100質量部に対して、0.003〜0.8質量
部、好ましくは0.01〜0.6質量部が好ましい。有
機過酸化物の添加量が上記範囲にある場合、過度の反応
を抑制して効率よく架橋反応を進行させ、これにより、
ゲル等の不純物の量が少ない脂肪族ポリエステル架橋物
を短時間で効率よく得ることができる。例えば、押出機
において溶融混練する場合、サージングを生じることな
く、安定して製造することができる。
【0038】本発明の製造方法で製造される脂肪族ポリ
エステル発泡体は、平均気泡径が微細で均一であること
が特徴である。平均気泡径は、1〜300μmであるこ
とが好ましく、更に30〜250μmであることが好ま
しい。平均気泡径が、上記範囲にある場合、発泡体の外
観が流麗となり、外観性、意匠性が必要とされる製品に
も使用することが可能となる。また、密度は、0.02
〜0.90g/cm3であることが好ましく、更に0.
03〜0.60g/cm3あることが好ましい。密度が
上記範囲にある場合、軽量、断熱性、防音性、緩衝性等
の機能に優れる。
【0039】本発明の製造方法で製造される脂肪族ポリ
エステル発泡体は、種々の成形体に発泡押出成形するこ
とができる。適用することができる成形法としては、公
知の成形法であれば、制限なく適用することができる。
例えば、発泡シート成形、発泡インフレーション成形、
発泡ネット成形、発泡異形成形、発泡多層成形、発泡中
空成形、発泡パイプ成形等が挙げられる。発泡成形体の
形状についても、シート状、板状、フィルム状、ネット
状、ロッド状、フィラメント状、パイプ状、チューブ
状、角材状、円柱状、バラ緩衝材状等、特に限定されな
い。中でも、脂肪族ポリエステル発泡シートが好まし
い。
【0040】脂肪族ポリエステル発泡シートの場合、種
々の用途にそのままの形態で、使用できることはもちろ
んのこと、多層化、ラミネート等、公知の加工方法によ
り、他の材料と組み合わせて、使用することも可能であ
る。また、肪族ポリエステル発泡シートを真空成形、真
空圧空成形等、公知の二次加工方法により、脂肪族ポリ
エステル発泡成形体にすることも可能である。
【0041】本発明の製造方法で製造される脂肪族ポリ
エステル発泡シートは、平均気泡径が微細で均一である
ことが特徴であることに加え、含水率を極力抑えた製造
方法のため、押出発泡成形による分子量低下が少ないの
で、非常に優れた真空成形性、および真空圧空成形性を
有する。
【0042】本発明で用いられる真空成形、又は、真空
圧空成形は、加熱・軟化させた発泡シートを金型内に導
くと同時に、金型内を真空ポンプによって、減圧し、成
形する方法が挙げられる。特に、深絞り容器や肉厚を均
一にしたいときには、成形用プラグを用い、圧縮空気と
同調させて成形することが望ましい。
【0043】本発明では、シートの加熱方法には、特に
制限はなく、公知の方法を採用することができる。真空
成形、又は、真空圧空成形を行う場合のシートの加熱温
度は、一般に脂肪族ポリエステル類のガラス転移温度か
ら、融点までの温度範囲で行うことができ、この範囲内
のいずれの条件でもよく、特に制限はない。また、減圧
度、および圧縮空気の圧力は、特に制限はなく、成形容
器の賦形性のよい条件を適宜選択して決めることができ
る。
【0044】本発明で得られる発泡体、発泡シート、お
よびそれらを真空成形、又は、真空圧空成形して得られ
る成形体(以後、これらを「本発明で得られる発泡製
品」と呼ぶ。)は、公知公用の発泡体の用途代替として
も用いることができる。特に、本発明で得られる発泡製
品は、回収困難な発泡容器、又は使い捨ての発泡容器、
緩衝(包装)材、土木産業用資材、農水産業用資材、レ
ジャー用品等に使用されている汎用樹脂発泡体(ポリス
チレン発泡体、ポリエチレン発泡体、ポリプロピレン発
泡体等)の代替物として好適に使用することができる。
【0045】本発明で得られる発泡製品は、例えば、弁
当箱、食器、コンビニエンスストアで販売されているよ
うな弁当や惣菜の容器、カップラーメンのカップ、飲料
の自動販売機で使用されるようなカップ、鮮魚・精肉・
青果・豆腐・惣菜等の食品用の容器や、トレイ、鮮魚市
場で使用されるようなトロバコ(水産用魚箱)、牛乳・
ヨーグルト・乳酸菌飲料等の乳製品用の容器、炭酸飲料
・清涼飲料水等の容器、ビール、ウイスキー等の酒類ド
リンク用の容器、化粧品容器、洗剤容器、漂白剤容器、
保冷箱、植木鉢、育苗ポット、テープ、テレビやステレ
オ等の家庭電化製品の輸送時に使用するための緩衝材・
包装材、コンピューター・プリンター・時計等の精密機
械の輸送時に使用するための緩衝材、バラ状緩衝材(現
場で詰め込める容易な包装材)、果実、ボトル等を保護
するネット状緩衝材、遮光材、断熱材、防音材・遮音材
等として、好適に使用することができる。
【0046】また、本発明で得られる発泡製品は、農
業、漁業、林業、工業、建設土木業、運輸交通業を包含
するレクリエーション用途に好適に用いることができ
る。例えば、農業用寒冷紗、オイル吸収材、軟弱地盤補
強材、人工皮革、電子部品用ライントレイ、フレキシブ
ルディスクの裏地、屋上緑化用システム部材(例えば軽
量土、ベース、排水マット、防根シート、遮水シー
ト)、土嚢用袋、断熱材、防音材、ベッド、椅子等のク
ッション材、床用クッション材、包装材、結束材、むか
るみ・雪道用滑り止め材等として好適に用いることがで
きる。
【0047】次に、本発明に係る脂肪族ポリエステル発
泡体の製造方法の実施態様一例を、図1に基づき説明す
る。ここでは発泡剤として、二酸化炭素を用いた例によ
り説明する。ただし、本発明はこの実施態様例に限定さ
れるものではない。
【0048】脂肪族ポリエステル類を、乾燥機を使用し
て含水率200ppm以下に制御する。この時の乾燥条
件としては、温度50〜150℃、時間1〜24時間の
範囲が好ましい。この際、真空状態、又は除湿状態で行
うことが好ましい(図示しない。)。
【0049】次いで、含水率を200ppm以下に制御
した脂肪族ポリエステルと所定量の発泡核剤を混合し、
脂肪族ポリエステル原料組成物を調製する。この時、0
〜15%の範囲の酸素濃度で混合することが好ましい
(図示しない。)。
【0050】上記原料組成物(1)をホッパー(2)よ
り、押出機(3)中に供給し、加熱溶融させる。この
時、ホッパー(2)内を不活性ガス等で、空気を置換
し、0〜15%の範囲の酸素濃度にすることが好まし
い。使用する不活性ガスとしては窒素が好ましい。溶融
した脂肪族ポリエステル原料組成物中へ二酸化炭素を供
給する。二酸化炭素を供給する方法の一例としては、液
化二酸化炭素ボンベ(4)より、二酸化炭素を液体状態
に維持したまま定量ポンプ(5)に注入し、昇圧する。
このとき、ボンベと定量ポンプをつなぐラインを冷媒循
環装置(6)により冷却することが好ましい。次に定量
ポンプ(5)の吐出圧力を、二酸化炭素の臨界圧力
(7.4MPa)から40MPaの範囲内で一定圧力と
なるよう保圧弁(7)で制御し吐出した後、溶融した脂
肪族ポリエステル原料組成物中に供給する方法が挙げら
れる。この際、溶融した脂肪族ポリエステル原料組成物
に供給する二酸化炭素は、気体状態、液体状態、超臨界
状態のいずれであってもよいが、安定供給の観点から、
気体状態、および超臨界状態が好ましい。すなわち、溶
融した脂肪族ポリエステル原料組成物の樹脂圧力が二酸
化炭素の臨界圧力(7.4MPa)以下の場合は、気体
状態で供給するのが好ましく、二酸化炭素の臨界圧力
(7.4MPa)以上の場合は、超臨界状態で供給する
のが好ましい。
【0051】二酸化炭素が溶解した溶融脂肪族ポリエス
テル原料組成物は、発泡に適した粘度となるよう、押出
機(3)のシリンダー温度を調整して温度を低下させ
る。最適温度となった、二酸化炭素が溶解拡散された溶
融脂肪族ポリエステル原料組成物は、押出機(3)出口
に接続されたダイへと移送され、ダイリップ(出口)で
制御された条件で圧力低下させて、Tダイ(8)から押
出されると同時に発泡を開始し、脂肪族ポリエステル発
泡シート(9)が得られる。
【0052】図2は、後述の実施例で採用した製造方法
を示し、押出機(3)とTダイ(8)の間にスタティッ
クミキサー(10)を導入し、押出発泡シート成形を行
うように構成されている。具体的な説明は実施例1にお
いて行う。
【0053】
【実施例】以下実施例により本発明を具体的に説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
【0054】実施例、および比較例でもちいた物性評価
は、次の方法に従って実施した。 1)含水率 含水率は、JIS法K0068のカール・フィッシャー
水分気化電量滴定法に則り測定した。測定器としては、
自動加熱気化水分測定システム(平沼産業(株)製AQ
S−720)を使用し、ペレット状の試料約5gを乾燥
した窒素の気流中、200℃で加熱溶融させて水分を気
化させ、電解液に捕集してカール・フィッシャー滴定を
行い、含水率を算出した。 2)密度 得られた脂肪族ポリエステル発泡シートを寸法が30m
m×30mmの大きさに切断し、電子密度計を用いて密
度を測定した。
【0055】3)平均気泡径 連続的に脂肪族ポリエステル発泡シートを製造し、5分
毎にサンプルを3点取得した。3点のサンプルの断面を
走査型電子顕微鏡により撮影し、写真を画像処理して5
00μm四方にある気泡について円相当径を算出した。
サンプル3点について平均円相当径を求めそれらの平均
値を平均気泡径とした。 4)気泡均一性 連続的に脂肪族ポリエステル発泡シートを製造し、5分
毎にサンプルを3点取得した。3点のサンプルそれぞれ
について、走査型電子顕微鏡により撮影した断面写真を
画像処理して500μm四方にある気泡について円相当
径を算出し、その中の最大円相当径が平均気泡径の2/
3〜1.5倍の範囲内である場合を◎、同様に最大円相
当径が、◎の範囲内になく平均気泡径の1/2〜2倍の
範囲内である場合を○、○の範囲を超えたものを×とし
て評価した。
【0056】5)押出安定性 連続的に脂肪族ポリエステル発泡シートを製造し、前記
2)の密度測定を行ったのち、30分毎にサンプルを1
0点取得した(計5時間分)。サンプルを、30mm
(押出方向)×30mm(幅方向)の大きさに切断し、
各々電子密度計を用いて密度を測定した。10点の計測
値が、前記2)の密度計測値からの誤差として5%以内
の場合を◎、5%を超え10%以内の場合を○、それ以
外を×とした。 6)真空成形性 取得した脂肪族ポリエステル発泡シートを寸法が300
mm×300mmの大きさに切断し、真空成形機によ
り、図3に示すような開口部直径が90mmΦ、底部直
径が60mmΦ、深さが50mmであるカップ容器の成
形を行った。図3に丸付き番号で示した位置の11箇所
について厚みを測定した。最も厚い部分と最も薄い部分
の差が0.2mm以内の場合を◎、0.2mmを超え
0.3mm以内の場合を○、それ以外の場合を×として
評価した。
【0057】実施例、および比較例に使用した脂肪族ポ
リエステルは、以下の通りである。脂肪族ポリエステルA ポリ乳酸(三井化学(株)製レイシアH100PL)
を、乾燥機を使用して80℃、6時間乾燥した。このと
きの含水率は150ppmであった。含水率を低減した
ポリ乳酸100質量部と、有機過酸化物として2,5−
ジメチル−2,5−ジ(ターシャリーブチルパーオキ
シ)ヘキサン(日本油脂(株)製パーヘキサ25B)
0.4質量部とをヘンシェルミキサーにより混合し、ポ
リ乳酸混合物を調製した。該ポリ乳酸混合物をスクリュ
ー径46mmの二軸押出機(L/D=35、池貝製PC
M46)に投入し、押出機の設定温度を170℃、スク
リュー回転数を200rpm(押出量60kg/時間)
とし、ポリ乳酸架橋物(これを脂肪族ポリエステルAと
する。)を得た。
【0058】(実施例1)押出機(3)として、スクリ
ュー径50mmの単軸押出機(L/D=32)を使用
し、押出機(3)の先端には、スタティックミキサー
(内径30mm、エレメント数7)(10)を接続し、
その先端に出口幅が320mmのTダイ(8)を接続し
た。冷却装置として、ロール温度を50℃に設定した冷
却ロール(11)を使用した。Tダイ(8)の出口隙間
を0.5mmに調整した。また、発泡剤添加部(12)
は、押出機(3)の中央付近に設けた。
【0059】脂肪族ポリエステルAを、熱風除湿乾燥機
を使用して80℃、4時間乾燥させた。このときの含水
率は、100ppmであった。含水率を低減した脂肪族
ポリエステルA100質量部と、発泡核剤として炭酸水
素ナトリウム0.06質量部と、クエン酸0.03質量
部とを窒素雰囲気下でドライブレンドし、脂肪族ポリエ
ステル組成物A’を調製した。該脂肪族ポリエステル組
成物A’を窒素置換したホッパー(2)より、上記単軸
押出機(3)に投入し、シリンダー温度190℃で加熱
溶融させた。発泡剤としては、二酸化炭素を使用した。
二酸化炭素は、液化二酸化炭素ボンベ(4)より、液体
状態に維持したまま定量ポンプ(5)に注入、昇圧し、
定量ポンプ(5)の吐出圧力を30MPaで一定圧力と
なるよう保圧弁(7)で制御し吐出した後、溶融した脂
肪族ポリエステル組成物A’に添加した。二酸化炭素の
添加量は、脂肪族ポリエステルA100質量部に対し
て、0.5質量部となるよう、定量ポンプ(5)のスト
ロークにより制御した。このとき、二酸化炭素の供給部
の樹脂圧力は22MPaであった。
【0060】次に押出機(3)下流側のシリンダー温度
を150℃、スタティックミキサー(10)、およびT
ダイ(8)の温度を165℃に調整し、6.5kg/時
間の押出量でTダイ(8)より押出した。このときのダ
イス圧力は10MPaであった。押出された脂肪族ポリ
エステル組成物A’は、Tダイから出たと同時に発泡
し、Tダイの先に設置された冷却ロール(11)で冷却
され、引取機(13)により引取速度0.8m/分で引
き取られ、発泡シート(9)が製造された。得られた発
泡シート(9)は、幅300mm、厚さ1.0mmで、
外観流麗であった。発泡シートの評価結果を表1に示
す。
【0061】(実施例2)含水率を低減した脂肪族ポリ
エステルA100質量部と、発泡核剤として炭酸水素ナ
トリウム0.04質量部と、クエン酸0.02質量部と
を窒素雰囲気下でドライブレンドし、脂肪族ポリエステ
ル組成物を調製した以外は、実施例1と同様に実施し
た。発泡シートの評価結果を表1に示す。 (実施例3)二酸化炭素の添加量を脂肪族ポリエステル
A100質量部に対して、0.3質量部となるよう、定
量ポンプ(5)のストロークにより制御した以外は、実
施例1と同様に実施した。発泡シートの評価結果を表1
に示す。
【0062】(比較例1)脂肪族ポリエステルAを乾燥
させず、外気に曝される場所で3日間放置した後、使用
した以外は、実施例1と同様に実施した。このときの含
水率は700ppmであった。発泡シートの評価結果を
表1に示す。 (比較例2)発泡核剤を添加しなかった以外は、実施例
1と同様に実施した。発泡シートの評価結果を表1に示
す。
【0063】(比較例3)実施例1と同様に含水率を低
減した脂肪族ポリエステルA100質量部に対して、発
泡核剤として、タルク0.09質量部を窒素雰囲気下で
ドライブレンドし、脂肪族ポリエステル組成物を調製し
た以外は、実施例1と同様に実施した。発泡シートの評
価結果を表1に示す。 (比較例4)実施例1と同様に含水率を低減した脂肪族
ポリエステルA100質量部に対して、発泡核剤とし
て、炭酸ナトリウム0.09質量部を窒素雰囲気下でド
ライブレンドし、脂肪族ポリエステル組成物を調製した
以外は、実施例1と同様に実施した。発泡シートの評価
結果を表1に示す。
【0064】(比較例5)実施例1と同様に含水率を低
減した肪族ポリエステルA100質量部に対して、発泡
核剤として、炭酸水素ナトリウム0.8質量部、クエン
酸0.4質量部を窒素雰囲気下でドライブレンドし、脂
肪族ポリエステル組成物を調製した以外は、実施例1と
同様に実施した。発泡シートの評価結果を表1に示す。 (比較例6)二酸化炭素の添加量が脂肪族ポリエステル
A100質量部に対して、11質量部となるように定量
ポンプを制御した以外は、実施例1と同様に実施した。
発泡シートの評価結果を表1に示す。
【0065】
【表1】
【0066】
【発明の効果】本発明の脂肪族ポリエステル発泡体の製
造方法を用いることにより、高倍率で、気泡径が微細均
一で、外観流麗な脂肪族ポリエステル発泡体、並びに真
空成形等の2次加工性に優れた脂肪族ポリエステル発泡
シートを提供でき、さらに良外観で、厚みむらの少ない
脂肪族ポリエステル発泡成形体を提供することができ
る。また、押出成形性の安定性に優れた脂肪族ポリエス
テル発泡体製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法の一実施形態により、脂肪族
ポリエステル発泡体を製造するための装置を模式的に示
す図である。
【図2】実施例1で、脂肪族ポリエステル発泡体を製造
したときに用いた装置を模式的に示す図である。
【図3】真空成形性の評価において、厚み測定を実施し
た位置を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
(1) 原料組成物 (2) ホッパー (3) 押出機 (4) 液化二酸化炭素ボンベ (5) 定量ポンプ (6) 冷媒循環装置 (7) 保圧弁 (8) Tダイ (9) 脂肪族ポリエステル発泡シート (10) スタティックミキサー (11) 冷却ロール (12) 発泡剤添加部 (13) 引取機
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29K 105:04 B29K 105:04 C08L 67:04 C08L 67:04 Fターム(参考) 4F074 AA68A BA02 BA05 BA13 BA14 BA15 BA16 BA17 BA18 BA32 BA33 BA34 BA36 BA37 BA38 BA39 BA40 BA44 BA45 BA53 BA73 BB02 BB12 CA21 DA03 DA12 DA32 DA33 DA46 DA55 DA58 DA59 4F207 AA24 AG20 KA01 KA11 4F208 AA24 AB02 AB03 AB08 AC03 AG20 AR12 MA01 MA03 MG13 MG22

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】含水率を200ppm以下に制御した脂肪
    族ポリエステル類100質量部に対して、炭酸水素塩、
    有機酸、炭酸水素塩と有機酸の反応物から選ばれる少な
    くとも1種からなる発泡核剤0.001〜1質量部、発
    泡剤0.1〜10質量部を添加し、発泡成形することを
    特徴とする脂肪族ポリエステル発泡体の製造方法。
  2. 【請求項2】前記脂肪族ポリエステル類が、脂肪族ポリ
    エステル100質量部に対して、有機過酸化物0.00
    3〜0.8質量部を添加し、溶融混練して得られる脂肪
    族ポリエステル架橋物であることを特徴とする請求項1
    に記載の脂肪族ポリエステル発泡体の製造方法。
  3. 【請求項3】前記脂肪族ポリエステル類が乳酸系樹脂で
    あることを特徴とする請求項1または2に記載の脂肪族
    ポリエステル発泡体の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記炭酸水素塩が炭酸水素ナトリウムで
    あることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の
    脂肪族ポリエステル発泡体の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記有機酸がクエン酸であることを特徴
    とする請求項1〜4のいずれかに記載の脂肪族ポリエス
    テル発泡体の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記発泡剤が二酸化炭素、又は、窒素の
    いずれかであることを特徴とする請求項1〜5のいずれ
    かに記載の脂肪族ポリエステル発泡体の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記有機過酸化物がジアルキルパーオキ
    サイドであることを特徴とする請求項2〜6のいずれか
    に記載の脂肪族ポリエステル発泡体の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載の製造方
    法で製造され、平均気泡径が1〜300μmである脂肪
    族ポリエステル発泡体。
  9. 【請求項9】 請求項1〜7のいずれかに記載の製造方
    法で製造され、平均気泡径が1〜300μmである脂肪
    族ポリエステル発泡シート。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の脂肪族ポリエステル
    発泡シートを、真空成形、又は、真空圧空成形のいずれ
    かの成形方法により成形して得られた脂肪族ポリエステ
    ル発泡成形体。
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