JP2003183421A - 熱収縮フィルム用ポリエステル樹脂及び熱収縮フィルム - Google Patents
熱収縮フィルム用ポリエステル樹脂及び熱収縮フィルムInfo
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Abstract
優れたポリエステル系熱収縮フィルム用樹脂及びそれか
らなる熱収縮フィルムを提供する。 【解決手段】 ジカルボン酸構成単位とジオール構成単
位とを有するポリエステル樹脂であって、少なくとも、
(1)前記ジカルボン酸構成単位の1〜60モル%が環
状アセタール骨格を有するジカルボン酸単位であるか、
又は(2)前記ジオール構成単位の1〜60モル%が環
状アセタール骨格を有するジオール単位であるポリエス
テル樹脂であることを特徴とする熱収縮フィルム用ポリ
エステル樹脂。
Description
位とジオール構成単位とから成るポリエステル樹脂であ
って、ジカルボン酸構成単位及び/又はジオール構成単
位が環状アセタール骨格を有する化合物に由来する単位
を含む、耐熱性、耐熱水性、耐衝撃性、低温収縮性等に
優れた熱収縮フィルム用ポリエステル樹脂、及びそれを
用いた熱収縮フィルムに関するものである。
の大きい、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニ
ル、ポリスチレンからなる延伸フィルムが主に使用さ
れ、容器、瓶、缶棒状物などの被覆、保護あるいは結束
に広く用いられている。
などの面から、ポリエステル系のシュリンクフィルムが
要望されている。しかし汎用ポリエステルであるポリエ
チレンテレフタレート(以下「PET」ということがあ
る)の熱収縮フィルムは耐衝撃性、耐熱水性、耐熱性に
劣るため、種々の変性PETが提案されている。例え
ば、1,4−シクロヘキサンジメタノールで変性された
PET(特開昭57−42726号公報)やネオペンチ
ルグリコールで変性されたPET(特公昭63−156
833号公報)等が開示されている。また2,6−ナフ
タレンジカルボン酸で変性されたPETからなる熱収縮
フィルムが提案されている(例えば特開2001−26
659号公報)。
メタノール変性PETの熱収縮フィルムはPETの熱収
縮フィルムに比べて耐衝撃性は改善されたものの、熱水
処理により白化するなど耐熱水性、耐熱性の問題は改善
されていない。また、2,6−ナフタレンジカルボン酸
変性PETの熱収縮フィルムはPETに比べ耐衝撃性、
耐熱水性、耐熱性は改善されたものの、80〜100℃
といった比較的低い温度領域での収縮性が悪く、使用条
件に制限があり、更には樹脂が高価なため、経済的にも
不利な材料であった。
性、耐熱性、経済性をバランス良く兼ね備えたポリエス
テル系熱収縮フィルムはこれまで提案されていなかっ
た。
の従来技術の問題点に鑑み、耐衝撃性、低温収縮性、耐
熱水性、耐熱性に優れた熱収縮フィルム用樹脂及びそれ
からなる熱収縮フィルムを提供することにある。
を達成するために鋭意検討の結果、ジカルボン酸構成単
位及び/又はジオール構成単位が環状アセタール骨格を
有する化合物に由来する単位を含むポリエステル樹脂及
びそれからなるフィルムが、優れた耐衝撃性、低温収縮
性、耐熱水性、耐熱性を有し、熱収縮フィルム用樹脂及
び熱収縮フィルムとして好適であることを見い出し、本
発明に到達した。
位とジオール構成単位とを有するポリエステル樹脂であ
って、少なくとも、(1)前記ジカルボン酸構成単位の
1〜60モル%が環状アセタール骨格を有するジカルボ
ン酸単位であるか、又は(2)前記ジオール構成単位の
1〜60モル%が環状アセタール骨格を有するジオール
単位であるポリエステル樹脂であることを特徴とする熱
収縮フィルム用ポリエステル樹脂を提供する。更に、本
発明は、上記熱収縮フィルム用ポリエステル樹脂を用い
た熱収縮フィルムを提供する。
する。本発明の熱収縮フィルム用ポリエステル樹脂は、
環状アセタール骨格を有するジカルボン酸単位を1〜6
0モル%含むジカルボン酸構成単位及び/又は環状アセ
タール骨格を有するジオール単位を1〜60モル%含む
ジオール構成単位を含むポリエステル樹脂である。すな
わち、本発明の熱収縮フィルム用ポリエステル樹脂は、
(A)環状アセタール骨格を有するジカルボン酸単位
(環状アセタール骨格を有するジカルボン酸に由来する
構成単位)を1〜60モル%含むジカルボン酸構成単位
と環状アセタール骨格を有さないジオール構成単位、
(B)環状アセタール骨格を有さないジカルボン酸構成
単位と環状アセタール骨格を有するジオール単位(環状
アセタール骨格を有するジオールに由来する構成単位)
を1〜60モル%含むジオール構成単位、又は、(C)
環状アセタール骨格を有するジカルボン酸単位を1〜6
0モル%含むジカルボン酸構成単位と環状アセタール骨
格を有するジオール単位を1〜60モル%含むジオール
構成単位とからなるポリエステル樹脂である。
有するジオールとしては一般式(1):
おいて、R1およびR2はそれぞれ独立して、炭素数が1
〜10の脂肪族基、炭素数が3〜10の脂環式基、及び
炭素数が6〜10の芳香族基からなる群から選ばれる有
機基、好ましくは、メチレン基、エチレン基、プロピレ
ン基、ブチレン基又はこれらの構造異性体、例えば、イ
ソプロピレン基、イソブチレン基を表す。R3は炭素数
が1〜10の脂肪族基、炭素数が3〜10の脂環式基、
及び炭素数が6〜10の芳香族基からなる群から選ばれ
る有機基、好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基、又はこれらの構造異性体、例えば、イソ
プロピル基、イソブチル基を表す。一般式(1)及び
(2)の化合物としては、3,9−ビス(1,1−ジメ
チル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テ
トラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン、5−メチロー
ル−5−エチル−2−(1,1−ジメチル−2−ヒドロ
キシエチル)−1,3−ジオキサン等が特に好ましい。
有するジオール以外のジオールとしては、特に制限はさ
れないが、エチレングリコール、トリメチレングリコー
ル、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール等
の脂肪族ジオール類;ポリエチレングリコール、ポリプ
ロピレングリコール、ポリブチレングリコール等のポリ
エーテル化合物類;1,3−シクロヘキサンジメタノー
ル、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,2−デ
カヒドロナフタレンジメタノール、1,3−デカヒドロ
ナフタレンジメタノール、1,4−デカヒドロナフタレ
ンジメタノール、1,5−デカヒドロナフタレンジメタ
ノール、1,6−デカヒドロナフタレンジメタノール、
2,7−デカヒドロナフタレンジメタノール、テトラリ
ンジメタノール、ノルボルネンジメタノール、トリシク
ロデカンジメタノール、ペンタシクロドデカンジメタノ
ール等の脂環式ジオール類;4,4’−(1−メチルエ
チリデン)ビスフェノール、メチレンビスフェノール
(ビスフェノールF)、4,4’−シクロヘキシリデン
ビスフェノール(ビスフェノールZ)、4,4’−スル
ホニルビスフェノール(ビスフェノールS)等のビスフ
ェノール類;前記ビスフェノール類のアルキレンオキシ
ド付加物;ヒドロキノン、レゾルシン、4,4’−ジヒ
ドロキシビフェニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニ
ルエーテル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルベンゾ
フェノン等の芳香族ジヒドロキシ化合物;及び前記芳香
族ジヒドロキシ化合物のアルキレンオキシド付加物等が
例示できる。本発明の熱収縮フィルム用ポリエステル樹
脂の機械的性能、経済性等の面から特にエチレングリコ
ールが好ましい。ジオール成分中のエチレングリコール
の割合を好ましくは20〜99モル%、より好ましくは
30〜99モル%、特に好ましくは40〜99モル%と
することで上記効果は一層顕著になる。
しては、一般式(3):
において、R3は前記と同様であり、R4及びR5はそれ
ぞれ独立して炭素数が1〜10の脂肪族基、炭素数が3
〜10の脂環式基、及び炭素数が6〜10の芳香族基か
らなる群から選ばれる有機基、好ましくは、メチレン
基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基又はこれら
の構造異性体、例えば、イソプロピレン基、イソブチレ
ン基を表す。R6およびR7はそれぞれ独立して水素原
子、メチル基、エチル基、又はイソプロピル基、好まし
くは水素原子あるいはメチル基を表す。一般式(3)及
び(4)の化合物としては、3,9−ビス(1,1−ジ
メチル−2−カルボキシエチル)−2,4,8,10−
テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン、5−カルボ
キシ−5−エチル−2−(1,1−ジメチル−2−カル
ボキシエチル)−1,3−ジオキサン等が特に好まし
い。
有するジカルボン酸以外のジカルボン酸としては、特に
制限はされないが、コハク酸、グルタル酸、アジピン
酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン
酸、デカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、シク
ロヘキサンジカルボン酸、ノルボルナンジカルボン酸、
トリシクロデカンジカルボン酸、ペンタシクロドデカン
ジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸及びこれらのエス
テル形成性誘導体;テレフタル酸、イソフタル酸、フタ
ル酸、2−メチルテレフタル酸、1,4−ナフタレンジ
カルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6
−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカル
ボン酸、ビフェニルジカルボン酸、テトラリンジカルボ
ン酸等の芳香族ジカルボン酸及びこれらのエステル形成
性誘導体が例示できる。本発明の熱収縮フィルム用ポリ
エステル樹脂物の機械的性能の面から芳香族ジカルボン
酸及びそのエステル形成性誘導体が好ましく、経済性等
の面から特にテレフタル酸及びそのエステル形成性誘導
体が好ましい。ジカルボン酸成分中に占める芳香族ジカ
ルボン酸の割合は、好ましくは70モル%以上、より好
ましくは80モル%以上、特に好ましくは90モル%以
上である。上記割合とすることにより、本発明の熱収縮
フィルム用ポリエステル樹脂は耐熱性、機械的性能がよ
り優れたものとなる。
脂は、環状アセタール骨格を有するジカルボン酸及び/
又は環状アセタール骨格を有するジオールに由来する構
成単位を導入することにより、ガラス転移温度が上昇
し、熱収縮フィルムに耐熱性、耐熱水性が付与できる。
また同時にフィルムに可とう性が付与され、耐衝撃性を
も向上することが見出された。
脂において、環状アセタール骨格を有するジオール単
位、又は環状アセタール骨格を有するジカルボン酸単位
の含有割合は、それぞれジオール構成単位、ジカルボン
酸構成単位の1〜60モル%であり、好ましくは1〜5
0モル%、更に好ましくは3〜40モル%である。1モ
ル%未満では耐熱性、耐熱水性が充分得られず好ましく
なく、60モル%を超えると80〜100℃といった比
較的低い温度領域での収縮性が悪くなることがあり、好
ましくない。上記割合で製造された熱収縮フィルム用ポ
リエステル樹脂から得られる熱収縮フィルムは、100
℃の熱風乾燥機中あるいは沸騰水中で30分の熱処理を
施しても外観変化が見られず、良好な耐熱性、耐熱水性
を示す。
ル樹脂のうち特に低温収縮性に優れたポリエステル樹脂
として、示差走査型熱量計(DSC)で測定されたガラ
ス転移温度(Tgm:DSC曲線の転移前後における基
線の差の1/2だけ変化した温度)を80℃以上95℃
以下に持つポリエステル樹脂が挙げられる。ガラス転移
温度を上記範囲にするには環状アセタール骨格を有する
ジカルボン酸単位及び/又は環状アセタール骨格を有す
るジオール単位の量を制御することにより達成でき、例
えば、3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキ
シエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ
〔5.5〕ウンデカンで変性したPETでは、変性率
(ジオール構成単位中の含有割合)を1〜20モル%に
すればよい。
脂の極限粘度(フェノールと1,1,2,2−テトラク
ロロエタンとの質量比が6:4の混合溶媒中25℃で測
定)は好ましくは0.3〜1.5dl/gの範囲であ
り、より好ましくは0.5〜1.0dl/g、更に好ま
しくは0.6〜0.8dl/gの範囲である。0.3未
満ではフィルムの強度が不十分となり、1.5を超える
と成形性が劣ることがある。
脂を製造する方法は特に制限はなく、従来公知の方法を
適用することができる。例えばエステル交換法、直接エ
ステル化法等の溶融重合法、又は溶液重合法等を挙げる
ことができる。エステル交換触媒、エステル化触媒、エ
ーテル化防止剤、熱安定剤、光安定剤等の各種安定剤、
重合調整剤等も従来既知のものを用いることが出来る。
また、本発明の目的を損なわない範囲でブチルアルコー
ル、ヘキシルアルコール、オクチルアルコール等のモノ
アルコール類やトリメチロールプロパン、グリセリン、
ペンタエリスリトール等の3価以上の多価アルコール、
安息香酸、プロピオン酸、酪酸等のモノカルボン酸を原
料モノマーとして用いることもできる。
剤、例えばフィラー、着色剤、補強剤、表面平滑剤、レ
ベリング剤、硬化反応促進剤、光安定化剤、紫外線吸収
剤、可塑剤、酸化防止剤、増量剤、つや消し剤、乾燥調
節剤、帯電防止剤、沈降防止剤、界面活性剤、流れ改良
剤、乾燥油、ワックス類、熱可塑性オリゴマー等を含む
こともできる。
脂を用いた熱収縮フィルムを得る方法としては特に制限
されるものではないが、押し出し成形やカレンダー成形
等の公知の方法でフィルムを製膜し、一方向に1.1〜
7倍、好ましくは2〜6倍、特に好ましくは2.5〜5
倍に延伸し、該方向と直角方向にそれぞれ1.1〜7
倍、好ましくは2〜6倍、特に好ましくは2.5〜5倍
に延伸する。前者は熱収縮率を得るための延伸であり、
後者は最初の一方向に延伸されたフィルムの耐衝撃性や
引き裂き抵抗性を改善するのに有効である。
伸、長間隙延伸、テンター延伸などの方法が適用でき、
また、延伸時の形状においてもフラット状、チューブ状
等の方法が適用できる。更に、逐次二軸延伸、同時二軸
延伸、一軸延伸あるいはこれらの組み合わせなどで行わ
れる。これらの延伸におけるヒートセットは30〜15
0℃の加熱ゾーンを1〜30秒通すことにより行われ
る。また、ヒートセットの際、最高70%の伸長をかけ
ても良い。特に収縮方向に伸長し、直角方向に緩和させ
るのが好ましい。
脂を用いた熱収縮フィルムは80〜100℃といった比
較的低い温度領域での収縮性に優れ、90℃における熱
収縮率が20%以上、100℃における熱収縮率が30
%以上となる。
されるものではないが、1〜600μmの範囲であるこ
とが好ましく、更に好ましくは4〜400μmである。
瓶、プラスチックボトル、缶、パイプ等棒状物、蛍光
管、コンデンサー等の電気・電子部品等の被覆用とし
て、特にこれらのキャップ、肩部、胴部の一部又は全部
を被覆し、表示、保護、結束、商品価値向上を目的とし
て用いられるフィルム用途に適している。
説明するが、本発明はこれらの実施例によりその範囲を
限定されるものではない。なお、実施例の評価に用いた
測定方法は以下の通りである。
作所製DSC/TA−50WSを使用し、試料約10m
gをアルミニウム製非密封容器に入れ、窒素ガス(30
ml/min)気流中昇温速度20℃/minで測定
し、DSC曲線の転移前後における基線の差の1/2だ
け変化した温度をガラス転移温度とした。 (2)極限粘度 混合溶媒(質量比:フェノール/1,1,2,2−テト
ラクロロエタン=6/4)を用いて25℃恒温下で測定
した。
た。測定機器は、東洋精機(株)製パンクチャー テス
ターを使用した。測定条件は、温度23℃、相対湿度5
0%である。 (2)熱収縮性 熱収縮フィルムに、50mm間隔に線を縦横3本ずつ引
き、所定温度の熱風乾燥機内に30秒間入れ、収縮率を
次式により算出した。なお、表中押し出し方向をMD方
向、押し出し方向と直角の方向をTD方向と記載する。 収縮率(%)={(La−Lb)/La}×100 La:熱収縮前の線の間隔(50mm) Lb:熱収縮後の線の間隔 (3)耐熱性 熱収縮フィルムを100℃の熱風乾燥機内に30分間入
れ、その後の外観を評価した。耐熱性の評価は以下に示
す基準で行った。 ○:熱収縮以外の変化なし ×:白化した (4)耐熱水性 熱収縮フィルムを100℃の沸騰水中に30分間入れ、
その後の外観を評価した。耐熱水性の評価は以下に示す
基準で行った。 ○:熱収縮以外の変化なし ×:白化した
酸成分100モルに対し酢酸マンガン四水和物0.03
モルの存在下、窒素雰囲気下で200℃迄昇温してエス
テル交換反応を行った。メタノールの留出量が理論量に
対して90%以上に達した後、ジカルボン酸成分100
モルに対し、酸化アンチモン(III)0.01モルとトリ
フェニルホスフェート0.06モルを加え、昇温と減圧
を徐々に行い、最終的に280℃、0.1kPa以下で
重合を行った。適度な溶融粘度になった時点で反応を終
了し、ポリエステル樹脂を得た。次いで、得られたポリ
エステル樹脂を押し出し成形により、シリンダー温度2
55℃、ダイ温度250℃、ロール温度75〜80℃の
条件で、厚さ約0.2mmの未延伸シートを作製した。
次に該未延伸シートをガラス転移温度より10〜20℃
高い温度で3×3倍に同時二軸延伸を行い、熱収縮フィ
ルムを得た。尚、表1及び2中の略記の意味は下記の通
りである。 DMT:ジメチルテレフタレート SPD:3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−カルボ
キシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ
〔5.5〕ウンデカン DOD:5−カルボキシ−5−エチル−2−(1,1−
ジメチル−2−カルボキシキシエチル)−1,3−ジオ
キサン EG:エチレングリコール SPG:3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロ
キシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ
〔5.5〕ウンデカン DOG:5−メチロール−5−エチル−2−(1,1−
ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−1,3−ジオキサ
ン
シリンダー温度255〜260℃、ダイ温度250℃、
ロール温度75〜80℃の条件で、厚さ約0.2mmの
未延伸シートを作製した。次に該未延伸シートをガラス
転移温度より10〜20℃高い温度で3×3倍に同時二
軸延伸を行い、熱収縮フィルムを得た。比較例に用いた
ポリエステル樹脂は以下の通りである。 PET:ポリエチレンテレフタレート(日本ユニペット
(株)製、商品名:UNIPET、グレードRT553
C) PET−G:1,4−シクロヘキサンジメタノール変性
ポリエチレンテレフタレート(イーストマン社製、商品
名:EASTAR PETG6763) PEN:2,6−ナフタレンジカルボン酸変性ポリエチ
レンテレフタレート(三菱化学(株)製、商品名:N3
1PET)
水性、耐熱性に優れたポリエステル系熱収縮フィルム用
樹脂及びそれからなる熱収縮フィルムを提供するもので
あり、本発明の工業的意義は大きい。
Claims (9)
- 【請求項1】 ジカルボン酸構成単位とジオール構成単
位とを有するポリエステル樹脂であって、少なくとも、
(1)前記ジカルボン酸構成単位の1〜60モル%が環
状アセタール骨格を有するジカルボン酸単位であるか、
又は(2)前記ジオール構成単位の1〜60モル%が環
状アセタール骨格を有するジオール単位であるポリエス
テル樹脂であることを特徴とする熱収縮フィルム用ポリ
エステル樹脂。 - 【請求項2】 ジカルボン酸構成単位の70モル%以上
が芳香族ジカルボン酸単位であり、ジオール構成単位の
1〜60モル%が環状アセタール骨格を有するジオール
単位、及び40〜99モル%がエチレングリコール単位
(但し、前記モル%は前記2種のジオールの合計量に基
づく)である請求項1記載の熱収縮フィルム用ポリエス
テル樹脂。 - 【請求項3】 芳香族ジカルボン酸がテレフタル酸及び
/又はそのエステル形成性誘導体である請求項2記載の
熱収縮フィルム用ポリエステル樹脂。 - 【請求項4】 環状アセタール骨格を有するジオールが
一般式(1)または一般式(2)で表される請求項1な
いし3のいずれかに記載の熱収縮フィルム用ポリエステ
ル樹脂。 【化1】 (式中、R1およびR2はそれぞれ独立して、炭素数が1
〜10の脂肪族基、炭素数が3〜10の脂環式基、及び
炭素数が6〜10の芳香族基からなる群から選ばれる有
機基を表す。) 【化2】 (式中、R1は前記と同様であり、R3は炭素数が1〜1
0の脂肪族基、炭素数が3〜10の脂環式基、及び炭素
数が6〜10の芳香族基からなる群から選ばれる有機基
を表す。) - 【請求項5】 環状アセタール骨格を有するジカルボン
酸が一般式(3)または一般式(4)で表される請求項
1ないし4のいずれかに記載の熱収縮フィルム用ポリエ
ステル樹脂。 【化3】 (式中、R4およびR5はそれぞれ独立して炭素数が1〜
10の脂肪族基、炭素数が3〜10の脂環式基、及び炭
素数が6〜10の芳香族基からなる群から選ばれる有機
基を表し、R6およびR7はそれぞれ独立して水素原子、
メチル基、エチル基、又はイソプロピル基を表す。) 【化4】 (式中、R3、R4、R6及びR7は前記と同様である。) - 【請求項6】 環状アセタール骨格を有するジオールが
3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチ
ル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.
5〕ウンデカン、または5−メチロール−5−エチル−
2−(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−
1,3−ジオキサンである請求項1ないし5のいずれか
に記載の熱収縮フィルム用ポリエステル樹脂。 - 【請求項7】 環状アセタール骨格を有するジカルボン
酸が3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−カルボキシ
エチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ
〔5.5〕ウンデカン、または5−カルボキシ−5−エ
チル−2−(1,1−ジメチル−2−カルボキシエチ
ル)−1,3−ジオキサンである請求項1ないし6のい
ずれかに記載の熱収縮フィルム用ポリエステル樹脂。 - 【請求項8】 示差走査型熱量計で測定されたガラス転
移温度が80℃以上95℃以下である請求項1ないし7
のいずれかに記載の熱収縮フィルム用ポリエステル樹
脂。 - 【請求項9】 請求項1ないし8のいずれかに記載の熱
収縮フィルム用ポリエステル樹脂を用いた熱収縮フィル
ム。
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