JP2003182349A - 冷凍サイクル装置 - Google Patents

冷凍サイクル装置

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JP2003182349A
JP2003182349A JP2001381817A JP2001381817A JP2003182349A JP 2003182349 A JP2003182349 A JP 2003182349A JP 2001381817 A JP2001381817 A JP 2001381817A JP 2001381817 A JP2001381817 A JP 2001381817A JP 2003182349 A JP2003182349 A JP 2003182349A
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Japan
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compressor
gas
liquid
pressure
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JP2001381817A
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Kurahito Yamazaki
庫人 山▲崎▼
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Denso Corp
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25BREFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
    • F25B2339/00Details of evaporators; Details of condensers
    • F25B2339/04Details of condensers
    • F25B2339/044Condensers with an integrated receiver
    • F25B2339/0441Condensers with an integrated receiver containing a drier or a filter
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25BREFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
    • F25B2339/00Details of evaporators; Details of condensers
    • F25B2339/04Details of condensers
    • F25B2339/044Condensers with an integrated receiver
    • F25B2339/0444Condensers with an integrated receiver where the flow of refrigerant through the condenser receiver is split into two or more flows, each flow following a different path through the condenser receiver

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高圧側の気液分離器内に溜まる液冷媒量を圧
縮機吐出冷媒の過熱度に応じて調整することにより循環
冷媒流量を調整する冷凍サイクル装置において、圧縮機
起動直後における冷房性能を向上する。 【解決手段】 サイクル内高圧側冷媒の気液を分離する
気液分離器7と、気液分離器7内に溜まる液冷媒量を圧
縮機1の吐出冷媒の過熱度の変化により調整する第1バ
イパス通路33とを備え、圧縮機吐出冷媒の過熱度が増
加することにより気液分離器7内の液冷媒量を減少させ
てサイクル内の循環冷媒流量を増加させるようになって
おり、圧縮機1の起動時に、制御装置52により凝縮器
2の冷却用電動ファン50を低速回転状態に固定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両空調用等に好
適な冷凍サイクル装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、冷凍サイクル装置の基本構成は、
蒸発器出口冷媒の過熱度(スーパーヒート)制御と凝縮
器出口冷媒の過冷却度(サブクール)制御との違いから
レシーバサイクルとアキュムレータサイクルとに大別さ
れる。
【0003】レシーバサイクルは凝縮器出口に設けたレ
シーバにより凝縮器出口冷媒の気液を分離して、レシー
バからの液冷媒を温度式膨張弁により減圧、膨張させ、
次に、この減圧後の低圧冷媒を蒸発器で吸熱して蒸発さ
せる。ここで、温度式膨張弁は蒸発器の出口冷媒の過熱
度SHをフィードバックして弁開度を自動調整し、それ
により、蒸発器出口冷媒の過熱度SHを所定範囲(例え
ば、3〜15℃)に維持している。
【0004】これに対し、アキュムレータサイクルは凝
縮器出口にキャピラリーチューブのような固定絞りを直
接接続し、凝縮器の出口冷媒を固定絞りで直接減圧、膨
張させる。そして、この減圧後の低圧冷媒を蒸発器で吸
熱して蒸発させ、この蒸発器を通過した冷媒をアキュム
レータに流入させ、このアキュムレータで蒸発器出口冷
媒の気液を分離し、アキュムレータ内のガス冷媒を圧縮
機に吸入させる。
【0005】アキュムレータサイクルによると、アキュ
ムレータ内に冷媒の気液界面を形成してアキュムレータ
内の冷媒をモリエル線図の飽和ガス線上に維持するの
で、圧縮機への吸入冷媒の過熱度SHは0℃に維持され
る。
【0006】一方、減圧手段として固定絞りを用いてい
るので、凝縮器出口冷媒の過冷却度SCは固定絞りの流
量特性とサイクル高圧圧力とサイクル冷媒流量とにより
成り行きで決定され、通常は、サイクル運転条件の変動
により過冷却度SCは0〜20℃程度の範囲で変動す
る。
【0007】ところで、前者のレシーバサイクルでは、
温度式膨張弁が蒸発器出口冷媒の過熱度SHをフィード
バックして弁開度を自動調整するものであるため、必然
的に複雑で精密な弁機構が必要となり、コスト高とな
る。
【0008】また、温度式膨張弁は蒸発器出口冷媒の過
熱度SHを感知するため、温度式膨張弁の設置場所を蒸
発器近傍、換言すると、室内側に設定する必要が生じ
る。その結果、温度式膨張弁の絞り通路部で発生する冷
媒通過音が室内の空調使用者(乗員)に伝播しやすくな
り、冷媒通過音の問題が顕在化する。
【0009】これに対して、アキュムレータサイクルで
は、減圧手段として固定絞りを用いているので、温度式
膨張弁に比してはるかに低コストで製造できる。また、
固定絞りは蒸発器近傍に設置する必要がなく、そのた
め、室外側(車両のエンジンルーム側)に固定絞りを設
置できるので、室内へ伝播される冷媒通過音を大幅に低
減できる利点がある。
【0010】しかし、アキュムレータは蒸発器の出口
側、すなわち低圧通路部に設けられ、比容積の大きい低
圧冷媒の気液分離を行うため、高圧側に設置されるレシ
ーバに比較してタンク容積を大きくする必要がある。そ
のため、車両エンジンルーム内のような狭隘なスペース
内に冷凍サイクル機器を搭載する際に、アキュムレータ
の搭載性がレシーバより大幅に悪化する。
【0011】また、車両空調用冷凍サイクル装置では、
車両エンジンにより圧縮機を駆動するので、車両エンジ
ンの回転数変動に伴って圧縮機回転数も大幅に変動す
る。そのため、減圧手段が固定絞りであると、圧縮機の
大幅な回転数変動に対して冷媒流量調整作用が十分対応
できず、凝縮器出口冷媒の過冷却度SCが大きく変動
し、その変動幅が過大となる。
【0012】例えば、圧縮機の高回転時には圧縮機吐出
能力の増大により高圧圧力が上昇して凝縮器出口冷媒の
過冷却度SCが大きくなりすぎる。この過大な過冷却度
SCの発生は、高圧圧力の上昇による圧縮機駆動動力の
増加を招き、サイクル効率を悪化させる。
【0013】そこで、本発明者らは、先に、特願200
1−117278号の特許出願にて、従来のレシーバサ
イクルおよびアキュムレータサイクルとは異なる新規な
方式により蒸発器出口冷媒の過熱度を調整する冷凍サイ
クル装置を提案している。
【0014】この先願のものは、具体的には、図1の冷
凍サイクル基本構成において、図2に示す凝縮器構成を
設定するものであり、凝縮器2の第1、第2熱交換部
5、6のチューブ15の端部が連通するヘッダタンク1
7、18を第1、第2熱交換部5、6の左右両側に配置
し、この両ヘッダタンク17、18のうち、いずれか一
方のヘッダタンク17に、圧縮機1の吐出冷媒が流入す
る入口ジョイント24を設けるとともに、この入口ジョ
イント24を設けたヘッダタンク17側に気液分離器7
を配置している。そして、入口ジョイント24から吐出
冷媒が流入するヘッダタンク17内の上部空間17a
と、気液分離器7内の混合部通路31とを連通する第1
バイパス通路33を設け、この第1バイパス通路33に
より入口ジョイント24からの吐出冷媒の一部を分岐し
て混合部通路31内に直接導入するようにしている。
【0015】また、第1熱交換部5で凝縮した液冷媒の
一部をヘッダタンク17内の中間部空間17bから第2
バイパス通路34により分岐して気液分離器7内の混合
部通路31に導入している。
【0016】更に、気液分離器7内のガス冷媒および液
冷媒をヘッダタンク17内の下部空間17cに戻すガス
戻し用連通路35および液戻し用連通路36を設け、第
2バイパス通路34の分岐点(ヘッダタンク17内の中
間部空間17b)と、ガス戻し用連通路35および液戻
し用連通路36の合流点(ヘッダタンク17内の下部空
間17c)との間に中間絞り8を設けている。
【0017】この中間絞り8前後に発生する圧力差によ
って、凝縮器冷媒流路途中(中間部空間17b)の液冷
媒の一部を分岐して第2バイパス通路34から気液分離
器7内に導入するとともに、気液分離器7内のガス冷媒
及び液冷媒を下部空間17cに向けて導出するようにし
ている。
【0018】上記先願では、圧縮機1の吐出冷媒の一部
を気液分離器7内に直接導入して、圧縮機1の吐出冷媒
と第2バイパス通路34からの液冷媒とを混合して、気
液分離器7内で冷媒の気液を分離し、液冷媒を溜めるよ
うにしている。これにより、気液分離器7内への流入冷
媒の乾き度が圧縮機吐出冷媒の過熱度に応じて変化し
て、気液分離器7内に溜まる液冷媒量を圧縮機吐出冷媒
の過熱度に応じて調整することができる。そして、この
液冷媒量の調整によりサイクル内循環冷媒流量を調整
し、その結果、圧縮機の吐出冷媒の過熱度、ひいては蒸
発器出口冷媒の過熱度を調整するようにしている。
【0019】従って、上記先願によると、サイクル高圧
側に設けた気液分離器7内の液冷媒量の調整により蒸発
器出口冷媒の過熱度を調整できるので、図1の減圧装置
3として固定絞り、あるいは高圧冷媒の状態に応動する
可変絞り等を使用でき、従来のレシーバサイクルにおけ
る温度式膨張弁を廃止できる。また、従来のアキュムレ
ータサイクルに比較すると、気液分離器7をサイクル高
圧側に設けるから、気液分離器7を小型化できる。ま
た、圧縮機吐出冷媒の過熱度に直接応答してサイクル内
循環冷媒流量を調整できるから、従来のアキュムレータ
サイクルに比較して、サイクル内循環冷媒流量を適正に
制御でき、サイクル効率を向上できる等の利点を有して
いる。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記先願の
冷凍サイクル装置を実際に実験検討してみると、次のご
とき問題が生じることが判明した。
【0021】すなわち、従来装置と先願の装置とを対比
すると、従来のレシーバサイクルでは、減圧手段として
温度式膨張弁を用いることにより蒸発器出口冷媒の過熱
度を直接感知してサイクル内循環冷媒流量を調整してい
るので、蒸発器出口冷媒の過熱度変化に対する循環冷媒
流量変化の応答性が高くなる。従って、冷房高負荷時に
おける圧縮機起動直後のように、蒸発器出口冷媒の過熱
度が急上昇する条件下では、温度式膨張弁の開度を速や
かに増大させて循環冷媒流量変化を速やかに増大できる
ので、圧縮機起動直後の冷房性能を速やかに増大でき
る。
【0022】また、従来のアキュムレータサイクルで
は、減圧手段として固定絞りを用いているものの、冷房
高負荷時に蒸発器出口冷媒の過熱度が上昇しようとする
と、蒸発器出口側のアキュムレータ内の貯留液冷媒が速
やかに蒸発して蒸発器出口冷媒が飽和ガスの状態(過熱
度:零の状態)に維持され、循環冷媒流量を速やかに増
大できるので、圧縮機起動直後の冷房性能を速やかに増
大できる。
【0023】これに反し、先願の装置では、気液分離器
7内に溜まる液冷媒量を圧縮機吐出冷媒の過熱度に応じ
て調整することにより循環冷媒流量を調整し、その結
果、圧縮機の吐出冷媒の過熱度を調整し、そして、蒸発
器出口冷媒の過熱度を間接的に調整するようにしている
ので、蒸発器出口冷媒の過熱度変化に対する循環冷媒流
量調整の応答性が、従来のレシーバサイクルおよびアキ
ュムレータサイクルに比較して低くなる。
【0024】このことをより具体的に述べると、冷房高
負荷時における圧縮機起動直後といった過渡時に、蒸発
器出口冷媒の過熱度の急上昇に対して圧縮機の吐出冷媒
の過熱度が直ぐ上昇しないので、高圧側の気液分離器7
内にて液冷媒が蒸発器出口冷媒の過熱度上昇に見合った
分蒸発しない。この結果、循環冷媒流量を蒸発器出口冷
媒の過熱度上昇に見合った量まで速やかに増大させるこ
とができず、圧縮機起動直後における冷房性能の低下が
生じることが判明した。
【0025】本発明は上記点に鑑みて、高圧側の気液分
離器内に溜まる液冷媒量を圧縮機吐出冷媒の過熱度に応
じて調整することにより循環冷媒流量を調整して、蒸発
器出口冷媒の過熱度を間接的に調整する冷凍サイクル装
置において、圧縮機起動直後における冷房性能を向上す
ることを目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明では、冷媒を圧縮し吐出する
圧縮機(1)と、圧縮機(1)から吐出された冷媒を凝
縮させる凝縮器(2)と、凝縮器(2)の出口冷媒を減
圧する減圧装置(3)と、減圧装置(3)で減圧された
低圧冷媒を蒸発させる蒸発器(4)と、サイクル内高圧
側冷媒の気液を分離する気液分離器(7)と、気液分離
器(7)内に溜まる液冷媒量を圧縮機(1)の吐出冷媒
の過熱度の変化により調整する冷媒量調整手段(33)
とを備え、圧縮機(1)の吐出冷媒の過熱度が増加する
ことにより、気液分離器(7)内の液冷媒量を減少させ
て、サイクル内の循環冷媒流量を増加させる冷凍サイク
ル装置であって、凝縮器(2)の冷却用電動ファン(5
0)の回転数を制御する制御手段(52)を備えるとと
もに、圧縮機(1)の起動時に、制御手段(52)によ
り冷却用電動ファン(50)を低速回転状態に固定する
ことを特徴とする。
【0027】これによると、圧縮機(1)の起動時に冷
却用電動ファン(50)を低速回転状態に固定すること
によりサイクル高圧圧力を高めて、圧縮機(1)の吐出
冷媒温度(吐出冷媒過熱度)を上昇させることができ
る。これにより、気液分離器(7)内の液冷媒量を速や
かに減少させて、サイクル内の循環冷媒流量を増加でき
る。同時に、高圧圧力の上昇それ自体によってもサイク
ル内循環冷媒流量を増大できる。
【0028】以上により、圧縮機1の起動直後における
サイクル内循環冷媒流量を速やかに増大させて高負荷時
時の冷房能力を確保できる。つまり、圧縮機の吐出冷媒
の過熱度を調整して、蒸発器出口冷媒の過熱度を間接的
に調整するものであっても、凝縮器(2)の冷却用電動
ファン(50)を強制的に低速回転状態にすることによ
り、サイクル高圧圧力(吐出冷媒温度)を積極的に上昇
させ、それにより、圧縮機起動直後における冷房能力を
効果的に確保できる。
【0029】請求項2に記載の発明では、請求項1にお
いて、制御手段(52)は圧縮機(1)の起動によりス
タートするタイマー手段(S100)を有し、圧縮機
(1)の起動後、タイマー手段(S100)による所定
時間(t0)の間、冷却用電動ファン(50)を低速回
転状態に固定することを特徴とする。
【0030】これにより、圧縮機起動後、タイマー手段
(S100)による所定時間(t0)の間、冷却用電動
ファン(50)を低速回転状態に強制的に固定して、冷
房能力を効果的に確保できる。
【0031】請求項3に記載の発明では、請求項1にお
いて、制御手段(52)に、サイクル高圧圧力が第1所
定値(Ps1)以上に上昇すると冷却用電動ファン(5
0)を高速回転させ、サイクル高圧圧力が第1所定値
(Ps1)より低い圧力に低下すると冷却用電動ファン
(50)を低速回転させる圧力応動制御手段(S140
〜S160)を備え、圧縮機(1)の起動後、所定時間
(t0)の間、圧力応動制御手段(S140〜S16
0)における判定しきい値を第1所定値(Ps1)より
も高い第2所定値(Ps2)に切り替えて、冷却用電動
ファン(50)を低速回転状態に固定することを特徴と
する。
【0032】このように、圧力応動制御手段(S140
〜S160)における判定しきい値を切り替えて冷却用
電動ファン(50)を低速回転状態に固定するようにし
てもよい。
【0033】なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述
する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すも
のである。
【0034】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)図1は第1実施
形態および先願による冷凍サイクル装置の基本構成図で
あり、車両空調用冷凍サイクルに適用した場合を示して
いる。図2は第1実施形態および先願による気液分離器
一体型の凝縮器を示す。
【0035】圧縮機1は電磁クラッチ1aを介して車両
エンジンEによりベルト駆動される。圧縮機1から吐出
された高圧のガス冷媒は凝縮器2に流入し、ここで、外
気と熱交換して冷却され、凝縮される。なお、凝縮器2
は車両走行による走行風を受けて冷却される部位、具体
的には車両エンジンルーム内の最前部等に配置され、走
行風および冷却用電動ファン50の送風空気により冷却
される。
【0036】冷却用電動ファン50は駆動用モータ51
により回転駆動され、駆動用モータ51の回転数制御に
より冷却用電動ファン50の回転速度(冷却風量)が制
御される。
【0037】減圧装置3は凝縮器2を通過した冷媒を低
圧の気液2相状態に減圧するためのものであり、本例で
はオリフィス、ノズル、キャピラリーチューブ等の固定
絞りで構成してある。
【0038】蒸発器4は減圧装置3を通過した低圧冷媒
を図示しない空調用送風機の送風空気から吸熱して蒸発
させるものである。蒸発器4は図示しない空調室内ユニ
ットのケース内に配置され、蒸発器4で冷却された冷風
は周知のごとく図示しないヒータコア部で温度調整され
た後に車室内へ吹き出す。蒸発器4で蒸発したガス冷媒
は圧縮機1に吸入される。
【0039】凝縮器2は、冷媒流れ方向の順に設けた第
1熱交換部5と第2熱交換部6とを有しており、そし
て、第1熱交換部5と第2熱交換部6との間に冷媒の気
液分離を行う気液分離器7および中間絞り(固定絞り)
8を一体に設置する構成となっている。
【0040】空調用制御装置(ECU)52はCPU、
ROM、RAM等からなる周知のマイクロコンピュータ
と、その周辺回路にて構成されるもので、冷却用電動フ
ァン50の回転速度、電磁クラッチ1aの断続、図示し
ない種々の空調機器等の作動を制御するものである。
【0041】空調用制御装置52には、空調制御のため
に、内気温、外気温、日射量、エンジン水温、冷凍サイ
クル高圧圧力等を検出する周知のセンサ群53から検出
信号が入力される。電動ファン50の駆動用モータ51
の印加電圧を空調用制御装置(ECU)52により制御
することにより駆動用モータ51の回転数を調整するよ
うになっている。
【0042】ここで、センサ群53のうち、サイクル高
圧圧力を検出する圧力センサ53aは電動ファン50の
回転数制御のために使用されるもので、冷凍サイクルの
高圧側回路部、すなわち、圧縮機1の吐出側から減圧装
置3の入口側までの回路部、具体的には凝縮器2の出口
冷媒通路部等に設置される。圧力センサ53aは例えば
サイクル高圧圧力の変化に応じて電気抵抗値が連続的に
変化するタイプのものである。
【0043】また、車室内計器盤近傍に設置される空調
制御パネル54には乗員により手動操作される操作スイ
ッチ群55が備えられ、この操作スイッチ群55の操作
信号も空調用電子制御装置52に入力される。
【0044】この操作スイッチ群55の1つとして、圧
縮機1のオンオフ信号を発生するエアコンスイッチ55
aが備えられている。操作スイッチ群55には、他に温
度設定信号を発生する温度設定スイッチ、車室内吹出空
気の風量切替信号を発生する風量スイッチ、吹出モード
信号を発生する吹出モードスイッチ、内外気切替信号を
発生する内外気切替スイッチ等が設けられる。
【0045】次に、凝縮器2の具体的構成を図2により
説明すると、凝縮器2は水平方向に延びて冷媒流路を構
成する多数本の偏平チューブ15とこれに接合されるコ
ルゲートフィン16とから構成される熱交換部を有し、
この熱交換部の上側に第1熱交換部5を構成し、その下
側に第2熱交換部6を構成している。
【0046】この両熱交換部5、6の左右両側にヘッダ
タンク(サイドタンク)17、18を上下方向に配置
し、偏平チューブ15の左右両端部をヘッダタンク1
7、18に接合するとともに、偏平チューブ15の左右
の端部はそれぞれヘッダタンク17、18の内部に連通
する。
【0047】ここで、一方のヘッダタンク17の内部空
間は2枚の仕切り板19a、19bにより上中下3つの
空間17a、17b、17cに仕切られている。また、
他方のヘッダタンク18の内部空間は1枚の仕切り板2
0により上下2つの空間18a、18bに仕切られてい
る。
【0048】一方のヘッダタンク17の上部には冷媒入
口をなす入口ジョイント24が接合され、この入口ジョ
イント24からヘッダタンク17の上部空間17aに圧
縮機1の吐出冷媒が流入する。他方のヘッダタンク18
の下部に冷媒出口をなす出口ジョイント25が接合さ
れ、この出口ジョイント25からヘッダタンク18の下
部空間18b内の冷媒が凝縮器2の外部へ出て、図1の
減圧装置3側へ向かう。
【0049】気液分離器7は上下方向に延びる細長のタ
ンク形状からなり、左右2つのヘッダタンク17、18
のうち、入口ジョイント24が設けられた一方のヘッダ
タンク17に一体に接合されている。なお、第1、第2
熱交換部5、6、ヘッダタンク17、18、気液分離器
7等はすべてアルミニュウム材で構成され、ろう付けに
より一体構造に組み付けられる。
【0050】次に、気液分離器7と、凝縮器2側冷媒流
路との結合関係を説明すると、気液分離器7内に金属製
のスペーサ部材30を配置して、このスペーサ部材30
の内部に上下方向に延びる混合部通路31を形成してい
る。この混合部通路31は第1バイパス通路33により
ヘッダタンク17内の上部空間17aに連通し、更に、
混合部通路31は第2バイパス通路34によりヘッダタ
ンク17内の中間部空間17bに連通している。
【0051】ここで、混合部通路31の上下方向に対し
て第1バイパス通路33を上側に配置し、第2バイパス
通路34を下側に配置している。更に、混合部通路31
は出口穴32により気液分離器7内の上部空間(ガス冷
媒域)に連通している。なお、出口穴32の上下方向位
置を下げると、出口穴32から気液混合冷媒流が気液分
離器7内下部に溜まる液冷媒中に噴出して、液冷媒を泡
立たせて、気液分離器7内下部に液冷媒を溜めることが
できない。従って、出口穴32の上下方向位置は気液分
離器7内上部のガス冷媒域に位置するように設定する。
【0052】以上の冷媒流路構成により、入口ジョイン
ト24からの圧縮機吐出冷媒の一部がヘッダタンク17
内の上部空間17aにて第1バイパス通路33に分岐さ
れ、この第1バイパス通路33を通過して混合部通路3
1内の上方部へ直接導入される。また、ヘッダタンク1
7内の中間部空間17bに流入する凝縮後の液冷媒の一
部が第2バイパス通路34に分岐され、この第2バイパ
ス通路34を通過して混合部通路31内の下方部へ直接
導入される。
【0053】なお、第1バイパス通路33および第2バ
イパス通路34は気液分離器7およびヘッダタンク17
の壁面を貫通する貫通穴にて構成できる。第1バイパス
通路33が本発明の冷媒量調整手段を構成する。
【0054】また、気液分離器7の上部には図2に示す
ようにガス戻し用の連通路35の一端部を接続し、この
連通路35の他端部をヘッダタンク17内の下部空間1
7cに接続している。これにより、気液分離器7内の上
部のガス冷媒をヘッダタンク17内の下部空間17cに
常時戻すことができる。ガス戻し用の連通路35は本例
では気液分離器7の外部に設けたパイプ部材35aによ
り構成している。
【0055】また、ヘッダタンク17内の下側の仕切り
板19bには、中間部空間17bを下部空間17cに連
通させる穴から構成される中間絞り8が設けてある。こ
の中間絞り8は中間部空間17b内に流入した凝縮後の
液冷媒の主流を下部空間17c内に導入する連通路を構
成するとともに、その前後間に所定の圧力差を発生する
固定絞りとして作用する。
【0056】上記のように、中間絞り8は中間部空間1
7b内の凝縮後の液冷媒の主流が流れるから、中間絞り
8の通路開口面積は第2バイパス通路34の通路開口面
積より大きい。
【0057】また、気液分離器7の下部には、気液分離
器7とヘッダタンク17の壁面を貫通する貫通穴からな
る液戻し用の連通路40を形成して、気液分離器7内の
下部をヘッダタンク17内の下部空間17cに連通させ
ている。この液戻し用の連通路40は中間絞り8に比較
して通路開口積が十分小さい(例えば、通路穴径:1m
m程度)ものであり、気液分離器7内の下部に溜まる液
冷媒をヘッダタンク17内の下部空間17cに常時少量
ずつ戻すことができる。ここで、気液分離器7内に溜ま
る液冷媒には圧縮機1の潤滑オイルが溶け込んでいるの
で、この液冷媒戻しにより圧縮機1へのオイル戻り性を
良好に維持できる。
【0058】なお、気液分離器7内には冷媒中の水分を
吸着する乾燥剤41が配置される。この乾燥剤41は、
気液分離器7を含む凝縮器2を一体ろう付けにより組み
付けた後に、気液分離器7の底部開口部から気液分離器
7内に挿入され、この底部開口部は蓋部材42によって
密封される。この蓋部材42は気液分離器7の下端部に
ねじ止め等により弾性シール材(図示せず)を介在して
気密に固定される。
【0059】次に、上記構成において作動を説明する。
最初に、冷凍サイクルの冷媒の挙動について説明する。
圧縮機1が車両エンジンEにより駆動され作動すると、
圧縮機1の吐出冷媒は図2の入口ジョイント24からヘ
ッダタンク17の上部空間17aを経て第1熱交換部5
の上半部の偏平チューブ15を矢印aのように水平方向
に通過してヘッダタンク18の上部空間18aに流入し
て、ここで、Uターンする。そして、空間18aから第
1熱交換部5の下半部の偏平チューブ15を矢印bのよ
うに水平方向に通過してヘッダタンク17の中間部空間
17b内に流入する。
【0060】通常のサイクル運転条件であれば、圧縮機
1の吐出冷媒は第1熱交換部5のUターン状の冷媒流路
を流れる間に外気中に放熱して凝縮され、液冷媒となっ
て中間部空間17b内に流入する。なお、サイクル運転
条件の変動により所定乾き度を持った気液2相冷媒が中
間部空間17b内に流入する場合もある。
【0061】そして、中間部空間17b内の液冷媒の主
流は、矢印cのように仕切り板19bの中間絞り8を通
過して下部空間17c内に流入する。中間絞り8の存在
によりヘッダタンク17の中間部空間17bと下部空間
17c間に所定の圧力差が生じる。この圧力差の発生に
よって、中間部空間17b内の液冷媒の一部が矢印dの
ように第2バイパス通路34から混合部通路31内へ導
入される。
【0062】また、入口ジョイント24からの圧縮機吐
出冷媒がヘッダタンク17内の上部空間17aにおいて
分岐され、その分岐された一部の吐出冷媒が第1バイパ
ス通路33を経て矢印eのように混合部通路31内へ直
接導入される。そのため、混合部通路31内では圧縮機
吐出冷媒の一部と第1熱交換部5で凝縮した液冷媒の一
部が混合し、熱交換するので、飽和ガス冷媒と飽和液冷
媒とが混合した状態、すなわち、所定の乾き度を持った
気液2相状態となって、混合部通路31の出口穴32か
ら矢印fのように混合冷媒が気液分離器7内の上部に流
入する。
【0063】ここで、圧縮機吐出冷媒と凝縮後の液冷媒
を別々に気液分離器7内に直接導入せずに、混合部通路
31内にて圧縮機吐出冷媒と凝縮後の液冷媒を混合した
後に気液分離器7内に導入するから、混合部通路31内
にて圧縮機吐出冷媒と凝縮後の液冷媒を良好に混合し
て、両冷媒間の熱交換を十分行うことができる。
【0064】気液分離器7内で冷媒の気液が密度差によ
り分離され、気液分離器7内の下方側に液冷媒が溜ま
り、上方側にガス冷媒が集まる。気液分離器7内のガス
冷媒は、矢印gのようにガス戻し用連通路35を通過し
てヘッダタンク17の下部空間17c内に流入する。ま
た、気液分離器7内の下方の液冷媒は、矢印hのように
液戻し用連通路40を通過して下部空間17c内に流入
する。
【0065】従って、下部空間17cには、中間部空間
17bからの凝縮器主流路の液冷媒と、気液分離器7内
のガス冷媒と気液分離器7内の液冷媒の三者が流入す
る。これらの冷媒は下部空間17cで混合され第2熱交
換部6の偏平チューブ15を矢印iのように通過してこ
こで再度大気中に放熱して過冷却状態になる。この過冷
却液冷媒はヘッダタンク18の下部空間18bに流入し
た後、出口ジョイント25から凝縮器2の外部へ出て、
減圧装置3側へ向かう。
【0066】ところで、以上のような作動を行うため、
第1熱交換部5を通過して冷却され凝縮した液冷媒の一
部および入口ジョイント24からの吐出冷媒の一部が混
合部通路31内で混合し、熱交換することにより、混合
部通路31の出口32から気液分離器7内に流入する冷
媒は、圧縮機吐出冷媒の過熱度に応じた乾き度を持った
気液2相状態となる。
【0067】この結果、気液分離器7内に溜まる液冷媒
量が圧縮機吐出冷媒の過熱度に応じた量となる。換言す
ると、圧縮機吐出冷媒の過熱度の変化に応答して気液分
離器7内に溜まる液冷媒量を調整でき、そして、この貯
留液冷媒量の調整により、サイクル循環冷媒流量を調整
して、圧縮機吐出冷媒の過熱度を調整できる。
【0068】より具体的に述べると、夏場のような冷房
高負荷時に蒸発器出口冷媒の過熱度が大きくなると、圧
縮機1吐出冷媒の過熱度も大きくなる。そのため、第1
バイパス通路33から混合部通路31内に過熱度の大き
いガス冷媒が流入する。この過熱度の大きい高温ガス冷
媒の流入により、混合部通路31内の液冷媒の蒸発が促
進され、混合部通路31から気液分離器7内に流入する
冷媒の乾き度が大きくなるので、気液分離器7内に溜ま
る液冷媒量を減少させる。これにより、気液分離器7か
らガス戻し用連通路35を経て凝縮器2へ戻されるガス
冷媒量を増加させるので、サイクル内の循環冷媒流量を
増加させることができ、蒸発器出口冷媒の過熱度を減少
させることができる。
【0069】一方、冷房熱負荷が小さくて、蒸発器出口
冷媒の過熱度が0付近であったり、圧縮機1に液冷媒戻
りが生じるような条件下では、圧縮機1吐出冷媒の過熱
度も小さくなるので、バイパス吐出冷媒による液冷媒の
蒸発作用が低下し、混合部通路31から気液分離器7内
に流入する冷媒の乾き度が小さくなる。そのため、気液
分離器7では、逆に、液冷媒の貯留量が増加し、サイク
ル内の循環冷媒流量を減少させる。
【0070】そして、気液分離器7内での液冷媒量の増
加により、再び、サイクル内循環冷媒流量が不足する事
態が発生すれば、圧縮機1吐出冷媒の過熱度増加が気液
分離器7内にフィードバックされ、気液分離器7内の液
冷媒量を減少させ、サイクル内の循環冷媒流量を増加さ
せる。
【0071】以上のように、バイパス吐出冷媒を気液分
離器7内に直接導入することにより、圧縮機吐出冷媒の
過熱度変化を気液分離器7内の液冷媒量の調整にフィー
ドバックすることができる。そして、この液冷媒量の調
整作用を通じてサイクル内の循環冷媒流量を調整し、圧
縮機1吐出冷媒の過熱度を制御していることになる。圧
縮機1での圧縮過程は基本的に等エントロピ変化である
から、圧縮機1吐出冷媒の過熱度を制御できれば、蒸発
器出口冷媒の過熱度を制御できることになる。
【0072】ところで、冷房高負荷時における圧縮機起
動直後といった過渡時に、蒸発器出口冷媒の過熱度上昇
に対して圧縮機の吐出冷媒の過熱度が直ぐ上昇しないの
で、高圧側の気液分離器7内にて液冷媒が蒸発器出口冷
媒の過熱度上昇に見合った分蒸発しない。この結果、蒸
発器出口冷媒の過熱度上昇に見合った量まで速やかに循
環冷媒流量が増大せず、圧縮機起動直後における冷房性
能の低下が生じる。
【0073】本実施形態の冷凍サイクル装置では上記不
具合を解消するため、凝縮器2の冷却用電動ファン50
の回転速度を図3のごとく制御している。
【0074】図3は空調用制御装置52のマイクロコン
ピュータにより実行される制御ルーチンを示すもので、
空調制御パネル54の操作スイッチ群55の1つとして
備えられているエアコンスイッチ55aが投入され、圧
縮機1のオン信号(起動信号)が発生すると、図3の制
御ルーチンがスタートする。
【0075】そして、ステップS100にてタイマーの
タイマー時間tの初期化(リセット)を行って、タイマ
ーのタイマー時間tのカウントを開始する。次に、ステ
ップS110にて、タイマー時間tが予め設定した所定
時間t0以上経過したか判定する。ここで、所定時間t
0は例えば、1分間である。
【0076】エアコンスイッチ55aの投入直後、すな
わち、圧縮機1の起動直後はステップS110の判定が
NOとなるから、ステップS120に進み、凝縮器2の
冷却用電動ファン50を強制的に低速回転状態とする。
具体的には、冷却用電動ファン50の駆動用モータ51
への印加電圧を低速回転に対応する低めの所定電圧とし
て、駆動用モータ51を低速回転状態とする。
【0077】この冷却用電動ファン50の低速回転状態
は、ステップS110の判定がNOとなる間、すなわ
ち、タイマー時間tが予め設定した所定時間t0以内の
間、継続される。このように、圧縮機1の起動直後に凝
縮器2の冷却用電動ファン50を強制的に低速回転状態
にすると、冷房高負荷時(高外気温時)には凝縮器2の
空気側放熱能力が冷媒側の必要凝縮能力に対して不足す
る状態を積極的に引き起こす。
【0078】この結果、冷凍サイクル装置では、凝縮器
2の空気側放熱能力の不足を補うべく、圧縮機1の吐出
圧、すなわち、高圧圧力が上昇するようにサイクルがバ
ランスする。この高圧圧力の上昇に伴って圧縮機1の吐
出冷媒温度が上昇するので、第1バイパス通路33から
気液分離器7内に直接導入される吐出冷媒により、気液
分離器7内にて蒸発する液冷媒量を増加させることがで
きる。
【0079】これにより、気液分離器7内の貯留液冷媒
量を減少させて、サイクル内循環冷媒流量を増大させ
る。また、減圧装置3を構成する固定絞りはその入口圧
力(高圧圧力)の上昇に比例して流量が増大する特性に
なっているから、高圧圧力の上昇それ自体によってもサ
イクル内循環冷媒流量を増大できる。
【0080】以上により、圧縮機1の起動直後における
サイクル内循環冷媒流量を速やかに増大させて高負荷時
時の冷房能力を確保できる。つまり、本実施形態の冷凍
サイクル装置によると、圧縮機の吐出冷媒の過熱度を調
整して、蒸発器出口冷媒の過熱度を間接的に調整するも
のであっても、凝縮器2の冷却用電動ファン50を強制
的に低速回転状態にすることにより、サイクル高圧圧力
(吐出冷媒温度)を積極的に上昇させ、それにより、圧
縮機1の起動直後における冷房能力を確保できる。
【0081】一方、ステップS110にて、タイマー時
間tが予め設定した所定時間t0以上経過すると、ステ
ップS130に進み、圧力センサ53aからの高圧圧力
Pの検出信号を読み込む。次に、ステップS140に
て、サイクルの実際の高圧圧力Pが予め設定した所定圧
力Ps以上であるか判定する。ここで、所定圧力Ps
は、例えば、1.37〜1.47MPaG(14〜15
kg/cm2G)程度である。
【0082】実際の高圧圧力Pが所定圧力Ps以上であ
ると、ステップS150に進み、冷却用電動ファン50
を高速回転状態とする。具体的には、冷却用電動ファン
50の駆動用モータ51への印加電圧を高速回転に対応
する高めの所定電圧として、駆動用モータ51を高速回
転状態とする。
【0083】実際の高圧圧力Pが所定圧力Psより低い
ときはステップS140からステップS160に進み、
冷却用電動ファン50を低速回転状態とする。具体的に
は、冷却用電動ファン50の駆動用モータ51への印加
電圧を低速回転に対応する低めの所定電圧として、駆動
用モータ51を低速回転状態とする。
【0084】なお、第1実施形態においては、高圧圧力
Pの変化に応じて電気的特性の出力(例えば電気抵抗
値)が連続的に変化する圧力センサ53aを高圧圧力P
の検出手段として用いているが、圧力センサ53aの代
わりに、高圧圧力Pが所定圧力Psに到達すると、電気
的なスイッチ動作を行う圧力スイッチを高圧圧力Pの検
出手段として用い、この圧力スイッチのスイッチ動作
(オンオフ動作)により冷却用電動ファン50の低速回
転状態と高速回転状態を切り替えるようにしてもよい。
【0085】また、第1実施形態において、図3のステ
ップS100は、圧縮機1の起動によりスタートするタ
イマー手段を構成する。
【0086】(第2実施形態)図4は第2実施形態によ
る冷却用電動ファン50の制御を示すものであり、図3
と同等部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0087】第2実施形態においては、ステップS11
0にてタイマー時間tが予め設定した所定時間t0以上
経過したかどうかを判定し、この判定がNOであるとき
はステップS170に進み、高圧圧力Pの判定しきい値
Ps(第1実施形態の所定圧力Psに相当)を第2所定
圧力Ps2とし、これに反し、ステップS110の判定
がYESになると、ステップS180に進み、高圧圧力
Pの判定しきい値Psを第1所定圧力Ps1とする。
【0088】ここで、第1所定圧力Ps1は通常時にお
ける冷却用電動ファン50の回転制御の値であり、第1
実施形態の所定圧力Psと同様に、例えば、1.37〜
1.47MPaG(14〜15kg/cm2G)程度の
値である。これに反し、第2所定圧力Ps2は圧縮機1
の起動直後に冷却用電動ファン50を低速回転状態にす
るための特別の設定値であり、第1所定圧力Ps1より
も十分高く、実際の高圧圧力Pが到達しないレベルの
値、例えば、1.74MPaG(18kg/cm 2G)
程度の値に設定してある。
【0089】以上により、圧縮機1の起動直後(t<t
0である間)では、ステップS140における高圧圧力
Pの判定しきい値Ps=Ps2となり、実際の高圧圧力
Pがこの判定しきい値Psを上回ることがないので、ス
テップS140の判定が必ずNOとなり、ステップS1
60に進み、冷却用電動ファン50を強制的に低速回転
状態とする。これにより、圧縮機1の起動直後はサイク
ル高圧圧力を強制的に上昇させ、第1実施形態と同様の
理由にて冷房性能を確保できる。
【0090】なお、第1、第2実施形態において、図
3、図4のステップS140〜S160は、サイクル高
圧圧力に応じて冷却用電動ファン50の回転速度を切替
制御する圧力応動制御手段を構成する。
【0091】なお、凝縮器2は通常、車両エンジンEの
冷却水を冷却する図示しないラジエータ(冷却水放熱
器)の冷却空気流れ上流側に直列に配置され、そして、
凝縮器2とラジエータを、同一の冷却用電動ファン50
により冷却するようになっている。この場合は、冷却用
電動ファン50の回転制御に際して、実際には、冷凍サ
イクルの高圧圧力Pの他に、エンジン水温の変化により
冷却用電動ファン50の回転速度を高低に切替制御する
ようになっている。
【0092】(他の実施形態)なお、上記実施形態で
は、いずれも圧縮機1の起動によりスタートするタイマ
ー手段(ステップS100)を有し、圧縮機1の起動
後、タイマー時間tが所定時間t0に達するまでの間、
冷却用電動ファン50を低速回転状態に固定するように
しているが、タイマー手段を廃止し、その代わりに、圧
縮機1の起動後におけるサイクル挙動の変化を利用し
て、冷却用電動ファン50を低速回転状態に固定するよ
うにしてもよい。例えば、センサ群53の中には、蒸発
器4の吹出空気温度を検出する蒸発器温度センサが備え
られているので、この蒸発器温度センサの検出温度の変
化を利用して、冷却用電動ファン50の回転制御を行っ
てもよい。具体的には、圧縮機1の起動後、蒸発器温度
センサの検出温度が予め設定された所定温度に低下する
までの間、冷却用電動ファン50を低速回転状態に固定
し、そして、蒸発器温度センサの検出温度が所定温度以
下に低下すると、冷却用電動ファン50の回転制御を通
常制御に移行するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明および先願発明による冷凍サイクル装置
の基本構成図である。
【図2】本発明および先願発明による気液分離器一体型
凝縮器を示す模式的断面図である。
【図3】本発明の第1実施形態による冷却用電動ファン
の回転制御を示すフローチャートである。
【図4】第2実施形態による冷却用電動ファンの回転制
御を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…圧縮機、2…凝縮器、3…減圧装置、4…蒸発器、
7…気液分離器、33…第1バイパス通路(冷媒量調整
手段)、50…冷却用電動ファン、52…空調用制御装
置(制御手段)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F25B 1/00 F25B 1/00 351T 391 391 39/04 39/04 S 43/00 43/00 M

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷媒を圧縮し吐出する圧縮機(1)と、
    前記圧縮機(1)から吐出された冷媒を凝縮させる凝縮
    器(2)と、前記凝縮器(2)の出口冷媒を減圧する減
    圧装置(3)と、前記減圧装置(3)で減圧された低圧
    冷媒を蒸発させる蒸発器(4)と、サイクル内高圧側冷
    媒の気液を分離する気液分離器(7)と、前記気液分離
    器(7)内に溜まる液冷媒量を前記圧縮機(1)の吐出
    冷媒の過熱度の変化により調整する冷媒量調整手段(3
    3)とを備え、 前記圧縮機(1)の吐出冷媒の過熱度が増加することに
    より、前記気液分離器(7)内の液冷媒量を減少させ
    て、サイクル内の循環冷媒流量を増加させる冷凍サイク
    ル装置であって、 前記凝縮器(2)の冷却用電動ファン(50)の回転数
    を制御する制御手段(52)を備えるとともに、 前記圧縮機(1)の起動時に、前記制御手段(52)に
    より前記冷却用電動ファン(50)を低速回転状態に固
    定することを特徴とする冷凍サイクル装置。
  2. 【請求項2】 前記制御手段(52)は前記圧縮機
    (1)の起動によりスタートするタイマー手段(S10
    0)を有し、 前記圧縮機(1)の起動後、前記タイマー手段(S10
    0)による所定時間(t0)の間、前記冷却用電動ファ
    ン(50)を低速回転状態に固定することを特徴とする
    請求項1に記載の冷凍サイクル装置。
  3. 【請求項3】 前記制御手段(52)に、サイクル高圧
    圧力が第1所定値(Ps1)以上に上昇すると前記冷却
    用電動ファン(50)を高速回転させ、サイクル高圧圧
    力が前記第1所定値(Ps1)より低い圧力に低下する
    と前記冷却用電動ファン(50)を低速回転させる圧力
    応動制御手段(S140〜S160)を備え、 前記圧縮機(1)の起動後、所定時間(t0)の間、前
    記圧力応動制御手段(S140〜S160)における判
    定しきい値を前記第1所定値(Ps1)よりも高い第2
    所定値(Ps2)に切り替えて、前記冷却用電動ファン
    (50)を低速回転状態に固定することを特徴とする請
    求項1に記載の冷凍サイクル装置。
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