JP2003181995A - 不織布積層体および皮膚貼布材 - Google Patents

不織布積層体および皮膚貼布材

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JP2003181995A
JP2003181995A JP2001380054A JP2001380054A JP2003181995A JP 2003181995 A JP2003181995 A JP 2003181995A JP 2001380054 A JP2001380054 A JP 2001380054A JP 2001380054 A JP2001380054 A JP 2001380054A JP 2003181995 A JP2003181995 A JP 2003181995A
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skin patch
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resin
water
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JP2001380054A
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Akihiko Kurahashi
明彦 倉橋
Kazunori Sakai
一則 酒井
Hiroyuki Mitsuzuka
裕行 三塚
Michio Mogami
道夫 茂上
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Idemitsu Unitech Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Unitech Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高い透湿性および防水性を有しつつ、かつ、十
分な柔軟性および強度に優れた不織布積層体および皮膚
貼布材を提供することにある。 【解決手段】皮膚貼布材1は、不織布積層体である皮膚
貼布材用基材10と、水系粘着剤層20と、を備えて構
成される。皮膚貼布材用基材10は、不織布11と、不
織布11の表面に積層される樹脂シート12とを備えて
構成される。水系粘着剤層20は、不織布11の樹脂シ
ート12が積層されている反対側の表面に形成されてい
る。不織布11の原料は、ポリエーテルブロックアミド
共重合体を採用している。樹脂シート12は、耐水圧が
19613Pa以上であり、透湿度が800g/m2
24h時間以上である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、不織布積層体およ
び皮膚貼布材に関する。
【0002】
【背景技術】従来より、救急絆創膏等の皮膚貼布材とし
ては、多くは、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレ
ン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のフィルムに粘
着加工を施したものが用いられているが、これらの素材
は、透湿性が低いため、皮膚に貼付したとき皮膚呼吸を
妨げ、その結果、皮膚が蒸れたり、皮膚刺激を引き起こ
すことがあった。このため、これらの素材を皮膚貼布材
として用いるにあたっては、孔を開けたりする工夫がな
されたが、孔の開いていない部分は、蒸れを避けること
ができず、本質的な解決にはならなかった。また、孔が
開いているため防水性は確保されず、傷口等に水が触れ
てしまうという問題があった。
【0003】上記のような蒸れを防ぐために、皮膚貼布
材として、伸縮性の布地や不織布を用いたものもある
(特開平07−24049号公報等)が、この場合、通
気性はあるものの、防水性が全くないため、撥水処理を
しなければならないという問題があった。また、透湿防
水フィルムとして特定の熱可塑性エラストマーとエチレ
ン−アクリレート系共重合体との混合物を成形してなる
フィルムが提案されている(特開平08−3329号公
報)が、係るフィルムは、柔軟性、強度の点で十分とは
言えず、皮膚貼布材の用途には適切とは言えなかった。
さらにまた、単独のフィルムの場合、概ねフィルム強度
が十分でなく、その補強のため、例えば、離型紙を積層
させ、皮膚への貼付後に該離型紙を剥がすという手段を
とる必要があり、このためコストアップや使用時の煩雑
さという問題があった。
【0004】また、高熱時など患部にあてて冷やす医療
器具として、水系の粘着剤とそれを支えるためのPPと
PEや、ポリエチレンテレフタレート(PET)とPE
等の組合せからなる伸縮性素材を用いた皮膚貼布材が用
いられてきたが、従来の不織布単体では、通気性が高す
ぎ、水分の蒸散が早くなり、使用できる時間が短くなる
という問題があった。さらには、PPとPEや、PET
とPE等の組合せからなる伸縮性素材を用いた不織布と
ウレタン等の透湿フィルムとを複合させる技術が提案さ
れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
不織布と透湿フィルムを複合させる技術では、接着剤を
用いて複合させているので、固くなったり、透湿性が低
下する等の問題がある。また、接着剤を用いない方法と
して熱ラミネート等があるが、上記の組合せでは、実用
に耐えることのできるラミネート強度が得られないとい
う問題がある。さらに、透湿性および防水性を劣化させ
ずに、柔軟性を高めようとすると、透湿フィルム自体を
薄くしなければならず、そのため強度が弱くなってしま
うという問題がある。
【0006】本発明の目的は、高い透湿性および防水性
を有しつつ、かつ、十分な柔軟性および強度に優れた不
織布積層体および皮膚貼布材を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達するため
に、本発明の不織布積層体は、少なくとも1種類以上の
ポリアミドエラストマー系樹脂を含む組成物からなる不
織布と、耐水圧が19613Pa(2000mmH2
を換算した値)以上であり、透湿度が800g/m2
24h以上である樹脂シートとを積層してなることを特
徴とする。
【0008】ここで、樹脂シートとしては、これ自体は
公知の重合体を用いることができる。しかし、本発明で
は、透湿性(透湿度)と耐水性(耐水圧)があるレベル
以上であることが好ましい。すなわち、透湿性を膜を貫
通する微多孔によって達成するものではなく、無孔性の
膜(フィルム)からなるものである。特に、本発明の目
的を達成するために、耐水圧が19613Pa(200
0mmH2Oを換算した値)以上、好ましくは、294
19Pa(3000mmH2Oを換算した値)以上、よ
り好ましくは、49033Pa(5000mmH2Oを
換算した値)以上であり、透湿度が800g/m2・2
4h以上、好ましくは、1000g/m2・24h以
上、より好ましくは、1500g/m2・24h以上で
ある。
【0009】耐水圧が19613Pa(2000mmH
2Oを換算した値)未満であると、皮膚等に貼り付けて
使用する際に、防水できないという問題がある。また、
透湿度が800g/m2・24h未満であると、皮膚等
に貼り付けて使用する際に、皮膚からの発汗による蒸れ
のため、使用部分のかぶれが生じやすいという問題があ
る。さらに、水系粘着剤を塗布した場合、水分の揮発量
が少ないので、患部に貼り付けて冷却する効果が、半減
するという問題もある。なお、耐水圧の測定方法として
は、例えば、JIS−L−1092 B法(高水圧法)
等が挙げられ、透湿度の測定方法としては、例えば、J
IS−Z−0208等が挙げられる。
【0010】樹脂シートの原料としては、例えば、ポリ
エチレングリコールなどのポリアルキレングリコールか
ら誘導されるポリエーテルブロックを有する熱可塑性エ
ラストマー、具体的にはポリアミドエラストマー系樹
脂、ポリエステルエラストマー系樹脂等を採用できる。
【0011】ポリアミドエラストマー系樹脂としては、
ポリエーテルブロックアミド共重合体が挙げられる。こ
こで、ポリエーテルブロックアミド共重合体とは、ポリ
アミドエラストマー系樹脂としてポリアミドブロックと
ポリエーテルブロックを少なくとも含有する重合体であ
り、下記のような反応性末端基を有するポリエーテル単
位と、反応性末端基を有するポリアミド単位との共重縮
合で得られるものである。
【0012】1)ジカルボン酸末端を有するポリオキシ
アルキレン単位と、ジアミン鎖末端を有するポリアミド
単位 2)ポリエーテルジオールとよばれる脂肪族α,ω−ジ
ヒドロキシポリオキシアルキレンのシアノエチル化およ
び水素化で得られるジアミン鎖末端を有するポリオキシ
アルキレン単位とジカルボン酸末端を有するポリアミド
単位
【0013】3)ポリエーテルジオールとジカルボン酸
末端を有するポリアミド単位。この場合に得られる重合
体はポリエーテルエステルアミドである。ここで、ジカ
ルボン鎖末端を有するポリアミド単位は、たとえばジカ
ルボン酸鎖制限剤の存在下でラクタムまたはジカルボン
酸のα,ω−アミノカルボン酸とジアミンとを縮合して
得られる。ポリアミドブロックとしてはポリアミド12
が好ましい。
【0014】ポリエステルエラストマー系樹脂として
は、たとえば、ポリエーテルブロックとポリエステルブ
ロックで構成されたものである。ここでポリエーテルと
してはポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコ
ールまたはポリテトラメチレングリコールなどのポリエ
ーテルジオール(分子量は200〜6000)である。
【0015】ポリエーテル系エラストマーの可撓性セグ
メントは、上記のポリエーテル単位とテレフタル酸など
のジカルボン酸とで形成される。また剛性セグメント
は、グリコール、プロパンジオールまたは1,4−ブタ
ンジオール単位と、エステル基によって結合したジカル
ボン酸単位で形成される。これらの熱可塑性エラストマ
ーは、ポリエーテルブロックの含有などにより、フィル
ムに透湿性を付与する重合体である。
【0016】また、樹脂シートの成形性や不織布とのな
じみを向上させ、透湿性をコントロールするために、樹
脂シートの原料中にポリオレフィン系樹脂等をブレンド
してもよい。ポリオレフィン系樹脂としては、エチレン
系樹脂が好ましく、エチレン系樹脂としては、アイオノ
マー樹脂、高圧法低密度ポリエチレン、中密度ポリエチ
レン、直鎖状低密度ポリエチレンが挙げられる。中で
も、アイオノマー樹脂が好ましい。また、アイオノマー
樹脂としては、ポリエチレン、エチレン−α−オレフィ
ン共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体等を主成分
としたポリオレフィン系のアイオノマーを採用できる。
なお、ここで、シートとは、比較的薄いフィルムをも含
む概念である。
【0017】ここで、不織布としては、スパンボンド
法、メルトブロー法、スパンレース法、熱風カード法、
熱エンボスカード法、フラッシュボンド法等の方法によ
り得られた不織布を採用できる。さらに、不織布の原料
としては、ポリアミドエラストマー系樹脂は前述した原
料を採用することができ、それ以外の原料は、特に制限
はない。
【0018】不織布と樹脂シートの積層方法としては、
接着剤を使用しない方法ならば、特に制限はなく、例え
ば、押し出しラミネートまたは熱ラミネート等を採用で
きる。また、不織布の目付は、20〜200g/m2
好ましく、より好ましくは、30〜70g/m2であ
る。この目付が、20g/m2未満であると、強度、ハ
ンドリング性の低下という問題がある。200g/m2
より大きい場合には、柔軟性、弾性低下という問題があ
る。樹脂シートの厚みは、5〜100μmが好ましく、
より好ましくは、10〜50μmである。この厚みが、
5μm未満であると、成膜性の低下という問題がある。
100μmより大きい場合には、透湿性、柔軟性低下と
いう問題がある。
【0019】このような本発明によれば、少なくとも1
種類以上のポリアミドエラストマー系樹脂を含む組成物
からなる不織布を有することにより、ポリアミドエラス
トマー系樹脂は、ポリアミドの高強度およびエラストマ
ーの高柔軟性の各特性を兼ね備えているので、十分な柔
軟性および強度に優れた不織布積層体とすることができ
る。また、耐水圧が19613Pa(2000mmH2
Oを換算した値)以上であり、透湿度が800g/m2
・24h以上である樹脂シートを有するから、皮膚に貼
り付けて使用する際に、高い透湿性および防水性を有す
る不織布積層体とすることができる。
【0020】本発明の不織布積層体では、前記樹脂シー
トが少なくとも1種類以上のポリアミドエラストマー系
樹脂を含むことが好ましい。これによれば、ポリアミド
エラストマー系樹脂は、弾性、成形性に優れているの
で、不織布積層体に、高弾性および高い成形性を付与す
ることができる。
【0021】本発明の不織布積層体では、前記ポリアミ
ドエラストマー系樹脂が、ポリエーテルブロックアミド
共重合体であることが好ましい。これによれば、ポリエ
ーテルブロックアミド共重合体は、水蒸気、酸素および
二酸化炭素等に対しては透過性を示すが、液体及びウイ
ルスやバクテリアのような微生物に対しては遮断性を示
すので、医療用、特に人間の皮膚に接触するような粘着
テープ、粘着剤の基材シート等の用途で特に好適であ
る。
【0022】本発明の不織布積層体では、前記樹脂シー
トが少なくとも1種類以上のポリエステルエラストマー
系樹脂を含むことが好ましい。これによれば、ポリエス
テルエラストマー系樹脂は、弾性、成形性に優れている
ので、不織布積層体に、高弾性および高い成形性を付与
することができる。
【0023】本発明の不織布積層体では、前記ポリエス
テルエラストマー系樹脂が、ポリエーテルエステル共重
合体であることが好ましい。これによれば、ポリエーテ
ルエステル共重合体は、耐薬品性に優れているので、表
面に薬品等を塗布しても侵食されず、薬効成分を減少さ
せることもないので、医療用、特に人間の皮膚に接触す
るような粘着テープ、粘着剤の基材シート等の用途で特
に好適である。
【0024】本発明の不織布積層体では、前記不織布
が、スパンボンド不織布からなることが好ましい。これ
によれば、スパンボンド不織布は、連続した長繊維から
構成されているから、柔軟性、強度に優れた不織布とす
ることができ、さらに、生産性にも優れているので、よ
り一層柔軟性、強度を不織布積層体に付与し、製造コス
トの削減をすることができる。
【0025】本発明の不織布積層体では、前記不織布お
よび前記樹脂シートは、押し出しラミネートまたは熱ラ
ミネートで積層されていることが好ましい。
【0026】ここで、不織布と樹脂シートを積層して構
成される不織布積層体は、身体の曲面に追従させるため
に、低応力で適度に伸び、かつ簡単に破断するのを防止
する意味から適度の引張強度を有していることが望まし
い。即ち、機械方向(MD方向)およびその垂直方向
(TD方向)の50%伸長時応力が4.0kg/50m
m以下、さらには3.0kg/50mm以下であり、お
よび/または破断強度が1.0kg/50mm以上、さ
らには2.0kg/50mm以上であることが好まし
い。
【0027】また、破断伸びについては、50%以上、
好ましくは70%以上、さらに好ましくは100%以上
であることが望ましい。さらに、違和感なく身体の動き
に追従するためには、不織布積層体について、カンチレ
バー法による剛軟度が50mm以下、さらには40mm
以下であることが好ましい。この範囲であると極めて柔
軟でソフトな触感を有するものとなりうる。
【0028】引張強度、破断強度、破断伸びは、JIS
L 1906に準拠した方法で測定することができる。
例えば、インストロン社製、万能物性試験機を用いて実
施する。サンプルの巾は、50mm、つかみ間隔は、2
00mmで行う。剛軟度は、JIS L 1906 カン
チレバー法に準拠した方法で測定することができる。サ
ンプル巾は、20mmで行う。
【0029】これによれば、前記不織布および前記樹脂
シートは、押し出しラミネートまたは熱ラミネートで積
層されていることにより、接着剤を用いないから、接着
剤を用いた場合のように透湿性を阻害することもない。
また、接着剤を使用していないので、粘着剤と反応する
ことがない。
【0030】本発明の皮膚貼布材は、前述の不織布積層
体を基材として用いたことを特徴とする。ここで、皮膚
貼布材は、救急絆創膏等のような皮膚に貼り付け使用す
るものをいい、例えば、本発明の不織布積層体は、絆創
膏の基材、粘着剤等が塗布されたものの基材として用い
られる。これによれば、前述の作用・効果を享受でき
る。
【0031】本発明の皮膚貼布材では、前記基材上に、
粘着剤を塗布してなることが好ましい。ここで、粘着剤
とは、一時的な接着に用い、後で剥がすことができるも
のをいう。その原料としては、特に制限されないが、例
えば、合成樹脂系・合成ゴム系などがある。具体的に
は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(共)重合
体;スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合
体、スチレン−ブタジエンゴム、ポリブテン、ポリイソ
ブレン、ブチルゴム、天然ゴムなどのゴム系重合体;お
よびシリコーン系重合体が挙げられる。
【0032】上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル
(共)重合体を形成し得るモノマーとしては、(メタ)
アクリル酸アルキルエステルおよびこれと共重合可能な
重合性単量体が挙げられる。(メタ)アクリル酸アルキ
ルエステルとしては、アルキル基の炭素数が1〜18の
(メタ)アクリル酸アルキルエステルが用いられ、それ
にはメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アク
リレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘ
キシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリ
レートなどがある。
【0033】上記重合性単量体としては、(メタ)アク
リル酸、ビニルピロリドン、ダイアセトンアクリルアミ
ド、(ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレー
ト、(ポリ)プロピレングリコール(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、酢酸
ビニルスチレンなどがある。(メタ)アクリル酸アルキ
ルエステル(共)重合体は、溶液重合、塊状重合などの
通常の方法により調製される。上記ゴム系粘着剤には、
必要に応じて粘着付与剤、液状ゴム、軟化剤などが添加
される。これによれば、前記基材上に、粘着剤を塗布し
てなることにより、粘着剤は、一時的な接着に用い、後
で剥がすことができるので、複数回の貼り付けをするこ
とができる。
【0034】本発明の皮膚貼布材では、前記粘着剤は、
水系粘着剤を含んで構成されることが好ましい。ここ
で、水系粘着剤とは、水を含有し、粘着力、接着力、凝
集力を有するゲル状のものである。例えば、ポリアクリ
ル酸、ポリアクリル酸塩、セルロース誘導体、多価アル
コールまたは多価金属化合物を含有してなるものであ
り、外観は、主にゲル状のものである。水系粘着剤とし
ては、特に制限はなく公知のものが用いられる。
【0035】これによれば、前記粘着剤は、水系粘着剤
を含んで構成されることにより、水系粘着剤は、冷却作
用を有しているので、高熱時などに患部にあてて冷却す
る医療器具等に好適に用いられる。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1には、本発明の第1実施形態
に係る皮膚貼布材1が示されている。皮膚貼布材1は、
不織布積層体である皮膚貼布材用基材10と、水系粘着
剤層20と、を備えて構成される。皮膚貼布材用基材1
0は、不織布11と、不織布11の表面に積層される樹
脂シート12とを備えて構成される。水系粘着剤層20
は、不織布11の樹脂シート12が積層されている反対
側の表面に形成されている。なお、樹脂シート12側に
粘着剤20を形成してもよく、粘着剤の種類、皮膚貼布
材の使い方に応じて粘着剤層を形成してもよい。
【0037】不織布11と樹脂シート12の積層方法と
しては、接着剤を使用しない方法ならば、特に制限はな
く、例えば、押し出しラミネートまたは熱ラミネート等
を採用できる。また、不織布の目付は、20〜200g
/m2が好ましく、より好ましくは、30〜70g/m2
である。樹脂シートの厚みは、5〜100μmが好まし
く、より好ましくは、10〜50μmである。
【0038】不織布11の原料としては、少なくとも1
種類以上のポリアミドエラストマー系樹脂を含む組成物
から構成され、ポリアミドエラストマー系樹脂として
は、ポリエーテルブロックアミド共重合体を採用してい
る。また、不織布11の製造方法としては、本実施形態
では、スパンボンド法を採用している。それ以外にも、
メルトブロー法、スパンレース法、熱風カード法、熱エ
ンボスカード法、フラッシュボンド法等の方法を採用し
てもよい。
【0039】樹脂シート12は、耐水圧が19613P
a(2000mmH2Oを換算した値)以上、好ましく
は、29419Pa(3000mmH2Oを換算した
値)以上、より好ましくは、49033Pa(5000
mmH2Oを換算した値)以上であり、透湿度が800
g/m2・24h以上、好ましくは、1000g/m2
24h以上、より好ましくは、1500g/m2・24
h以上である。本実施形態では、耐水圧の測定方法とし
ては、JIS−L−1092 B法(高水圧法)を採用
し、透湿度の測定方法としては、JIS−Z−0208
を採用している。
【0040】樹脂シート12の原料としては、本実施形
態では、ポリエステルエラストマー系樹脂であるポリエ
ーテルエステル共重合体を採用している。それ以外に
も、ポリアミドエラストマー系樹脂等を採用してもよ
い。
【0041】水系粘着剤層20の原料は、本実施形態で
は、水を含有し、かつポリアクリル酸を含有してなるゲ
ル状のものを採用している。それ以外にも、ポリアクリ
ル酸ではなく、ポリアクリル酸塩、セルロース誘導体、
多価アルコールまたは多価金属化合物を含有してなるも
のを採用してもよい。
【0042】皮膚貼布材1の製造は以下の手順で行われ
る。まず、皮膚貼布材用基材10の不織布11および樹
脂シート12の積層体を製造する。まず、不織布11
は、図2に示されるような製造装置5により製造され
る。製造装置5は、紡糸工程と、延伸工程と、開繊工程
と、捕集工程を実施する。製造装置5は、ホッパ−40
と、押出機41と、ダイ42と、紡糸牽引機43と、コ
ンベア44と、巻き取りロール50と、ボンディング装
置6とを備えて構成される。
【0043】ホッパー40は、前述した不織布11の原
料を入れる開口部を有する。ここから、押出機41へ原
料を注入する。押出機41は、45mmΦ短軸押し出し
機である。ダイ42は、スパンボンド法を行うための公
知のダイを用いることができ、その大きさ、形状は、目
的に応じて適宜変更できる。
【0044】紡糸牽引機43は、図3に示すように、紡
糸工程を行う紡糸口金430と、冷却塔431と、延伸
工程を実施するフィラメント牽引部432と、開繊工程
を行う開繊部433と、を備えて構成される。紡糸牽引
機43は、紡糸工程と、延伸工程と、開繊工程と、を実
施する。
【0045】紡糸口金430は、供給された原料を複数
の糸条にするものである。なお、図示しないが、糸条に
するために、紡糸口金430には、冷却塔431側に向
いた複数のノズルが設けられており、この複数のノズル
を原料が通ることにより、糸条が形成される。
【0046】冷却塔431は、紡糸した原料を冷やす機
能を持つものである。フィラメント牽引部432は、紡
糸牽引機43の絞り込まれた円筒状の部分のくびれた部
分に設けられ、紡糸した原料を高速で牽引して細化、つ
まり、延伸する機能を持つ。開繊部433は、円筒状の
くびれた部分のくびれが広がった部分に設けられ、開繊
部433で冷却空気による乱流で糸条を均一に開繊させ
る。
【0047】コンベア44は、図2に示すように、ロー
ル441、442と、吸引機443と、ベルト444と
を備えて構成される。コンベア44は、捕集工程を実施
する。ロール441、442は、金属製、ゴム製等任意
の部材より構成される。また、ベルト444も、金属
製、ゴム製等任意の部材より構成される。ベルト444
は、ロール441、442に巻装されている。
【0048】また、図示しないが、ロール441、44
2の少なくともどちらか1つには、モータ等の駆動手段
が取り付けられ、回転できるようになっている。吸引機
443は、開繊工程までを経て、空気を吸引することに
より、糸条になった原料をコンベア44に導くために、
巻装されたベルト444の内部に設けられている。
【0049】ボンディング工程を行う、ボンディング装
置6は、エンボスロール60と、フラットロール61と
を備えて構成される。この不織布11は、エンボスロー
ル60とフラットロール61の間に挿通されている。エ
ンボスロール60は、不織布11の表面に、フラットロ
ール61は、不織布11の裏面にくるように配置されて
いる。エンボスロール60は、金属製であり、ロール表
面に所定の間隔、深さ、模様でエンボスパターンが形成
されている。エンボスロール60の内部には、温度調整
可能な電熱ヒータまたはオイル温調機が組み込まれ、温
度コントロールされている。
【0050】フラットロール61は、金属製であり、ロ
ール表面は平滑になっている。フラットロール61の内
部には、温度調整可能な電熱ヒータまたはオイル温調機
が組み込まれている。また、これらエンボスロール6
0、フラットロール61の少なくともどちらか1つに
は、図示しないが、モータ等の駆動手段が取り付けられ
おり、回転自在になっている。
【0051】巻き取りロール50は、略シート上になっ
た不織布11を巻き取る。この巻き取りロール50は、
任意の部材よりなり、目的に応じて適宜、大きさ等を変
更できる。
【0052】以下のような手順で、スパンボンド法によ
る不織布11を製造する。 1)まず、原料であるポリエーテルブロックアミド共重
合体をホッパー40に入れ、押出機41に原料を注入す
る。押出機41を動作させ、ダイ42を通して、原料を
紡糸牽引機43へ投入する。 2)冷却塔431により、原料が紡糸される(紡糸工
程)。 3)フィラメント牽引部432により、紡糸した原料を
高速で牽引して細化、つまり、延伸が行われる(延伸工
程)。 4)延伸工程後、開繊部433にて開繊させる(開繊工
程)。
【0053】5)開繊された原料は、予めコンベア44
上に敷かれたPPスパンボンド不織布(図示略)の表面
上に、開繊され不織布11となるウェブとなる。そし
て、このウェブは、コンベア44上に捕集される(捕集
工程)。 6)不織布11が、ボンディング装置6内のエンボスロ
ール60とフラットロール61の間を挿通される。 7)エンボスロール60とフラットロール61内部の電
熱ヒータを作動させ、加熱、加圧しながら、不織布11
を熱接着する。この後、熱接着が完了した不織布11
は、巻き取りロール50に巻かれる(ボンディング工
程)。
【0054】また、樹脂シート12は、図4に示される
ような押し出し装置7により不織布11上に積層され
る。押し出し装置7は、不織布11が巻き取られた巻き
取りロール50と、ニップロール51と、冷却ロール5
2と、ニップロール53と、不織布11上に樹脂シート
12が積層してできたものを巻き取る巻き取りロール5
5と、押出機70と、ダイ71とを備えて構成される。
【0055】ニップロール51、冷却ロール52は、ダ
イ71の直下に配置される。ニップロール53は、冷却
ロール54の右側に配置されている。ニップロール5
1、53は、金属製、ゴム製等任意の部材より構成され
る。また、冷却ロール52は、内部に水冷式、空冷式等
の冷却機構を備えている。冷却ロール52には、図示し
ないが、モータ等の駆動手段が取り付けられており、回
転自在になっている。
【0056】押出機70は、40mmΦ短軸押し出し機
である。ダイ71は、押出ラミネートを行うための公知
のダイを用いることができ、その大きさ、形状は、目的
に応じて適宜変更できる。押出機70およびダイ71
は、ニップロール51と冷却ロール52のの間に配置さ
れている。
【0057】以下のような手順で、不織布11上に樹脂
シート12を積層する。 1)不織布11が形成されているPPスパンボンド不織
布(図示略)上の不織布11樹脂シート12側に、樹脂
シート12の原料であるポリエーテルエステル共重合体
をダイ71より押し出し積層する。 2)樹脂シート12の厚さが所定の厚みになるように冷
却ロール52の回転速度、ダイ71からの溶融した原料
の吐出量を設定して行う。
【0058】その後、PPスパンボンド不織布を取り除
き、不織布11および樹脂シート12からなる皮膚貼布
材用基材10が完成する。そして、不織布11側の表面
上に、水系粘着剤層20を所定の厚みになるように、形
成し、皮膚貼布材1が完成する。
【0059】本実施形態の皮膚貼布材1は、水系粘着剤
層20が皮膚に接触するように、図5(A)に示される
ように、首の後ろの部分に貼り付けたり、図5(B)に
示されるように、肘の内側の部分に貼り付けたり、ま
た、額に貼り付けたりして使用される。
【0060】上述のような本実施形態によれば、次のよ
うな効果がある。 (1)ポリアミドエラストマー系樹脂を含む組成物から
なる不織布11を有することにより、ポリアミドエラス
トマー系樹脂は、ポリアミドの高強度およびエラストマ
ーの高柔軟性の各特性を兼ね備えているので、十分な柔
軟性および強度に優れた皮膚貼布材用基材10とするこ
とができる。また、耐水圧が19613Pa(2000
mmH2Oを換算した値)以上であり、透湿度が800
g/m2・24h以上である樹脂シート12を有するか
ら、皮膚に貼り付けて使用する際に、高い透湿性および
防水性を有する皮膚貼布材用基材10とすることができ
る。 (2)樹脂シート12の原料であるポリエステルエラス
トマー系樹脂は、弾性、成形性に優れているので、皮膚
貼布材用基材10に、高弾性および高い成形性を付与す
ることができる。
【0061】(3)樹脂シート12の原料にポリエステ
ルエラストマー系樹脂の中でもポリエーテルエステル共
重合体を採用しているので、耐薬品性に優れているの
で、表面に薬品等を塗布しても侵食されず、薬効成分を
減少させることもないので、医療用、特に人間の皮膚に
接触するような粘着テープ、粘着剤の基材シート等の用
途で特に好適である。 (4)スパンボンド不織布である不織布11は、連続し
た長繊維から構成されているから、柔軟性、強度に優れ
た不織布11とすることができ、さらに、生産性にも優
れているので、より一層柔軟性、強度を皮膚貼布材用基
材10に付与し、製造コストの削減をすることができ
る。
【0062】(5)不織布11および前記樹脂シート1
2は、押し出しラミネートで積層されていることによ
り、接着剤を用いないから、接着剤を用いた場合のよう
に透湿性を阻害することもない。また、接着剤と粘着剤
との反応による阻害もない。 (6)水系粘着剤層20を含んで構成されることによ
り、水系粘着剤は、冷却作用を有しているので、高熱時
などに患部にあてて冷却する医療器具等に好適に用いら
れる。
【0063】[第2実施形態]次に本発明の第2実施形
態を説明する。なお、以下の説明では既に説明した部
分、部材と同一のものは同一符号を付してその説明を簡
略する。第2実施形態に係る絆創膏2は、図6に示され
るように(図6(A)断面図、図6(B)斜視図)、皮
膚貼布材用基材10と、粘着剤層21と、ガーゼ30と
を備えて構成される。粘着剤層21は、樹脂シート12
の不織布11が積層されている反対側の表面に形成され
ている。皮膚貼布材用基材10および粘着剤層21は同
一の形状であり、矩形状で角部分が丸みを帯びている。
【0064】粘着剤層21の原料は、(メタ)アクリル
酸アルキルエステル(共)重合体を採用している。それ
以外にも、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共
重合体、スチレン−ブタジエンゴム、ポリブテン、ポリ
イソブレン、ブチルゴム、天然ゴムなどのゴム系重合
体;およびシリコーン系重合体を採用してもよい。ガー
ゼ30は、粘着剤層21側の表面に貼られ、皮膚貼布材
用基材10および粘着剤層21より幅狭、短尺の矩形状
であり、完全消毒された公知のものである。
【0065】絆創膏2の製造は以下の手順で行われる。
まず、第1実施形態と同様に皮膚貼布材用基材10を製
造する。その後、皮膚貼布材用基材10の樹脂シート1
2側の表面に粘着剤層21を一面に形成し、皮膚貼布材
用基材10および粘着剤層21の重なっている角部分を
丸く切り落とす。さらに、粘着剤層21の表面にガーゼ
30を貼り付けて、絆創膏2が完成する。
【0066】本実施形態の絆創膏2は、ガーゼ30が皮
膚の患部に接触するように、図7(A)に示されるよう
に、人差し指の関節部分に貼り付けたり、また、図7
(B)に示されるように、正方形状に製造して、膝の皿
の部分に貼り付けたりして使用される。以上のような伸
び縮みが必要とされる部位に好適に用いられる。上述の
ような本実施形態によれば、前述の第1実施形態の効果
に加えて次のような効果がある((6)を除く)。 (7)皮膚貼布材用基材10上に、粘着剤を塗布してな
ることにより、粘着剤は、一時的な接着に用い、後で剥
がすことができるので、複数回の貼り付けをすることが
できる。
【0067】なお、本発明は前記各実施形態に限定され
るものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変
形、改良は、本発明に含まれるものである。樹脂シート
12の成形性や不織布11とのなじみを向上させるため
に、樹脂シート12の原料中にポリオレフィン系樹脂等
をブレンドしてもよい。ポリオレフィン系樹脂として
は、エチレン系樹脂が好ましく、エチレン系樹脂として
は、アイオノマー樹脂、高圧法低密度ポリエチレン、中
密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンが挙げら
れる。中でも、アイオノマー樹脂が好ましい。また、ア
イオノマー樹脂としては、ポリエチレン、エチレン−α
−オレフィン共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体
等を主成分としたポリオレフィン系のアイオノマーを採
用できる。その他、本発明を実施する際の具体的な構造
および形状等は、本発明の目的を達成できる範囲内で他
の構造等としてもよい。
【0068】
【実施例】[実施例1]第1実施形態において、具体的
条件を下記の通りとして皮膚貼布材用基材10を製造し
た。不織布製造装置は、前述した条件の他の具体的条件
としては、 ノズルの本数 :452本 ノズルの孔径 :0.4mmφ ノズル当たりの吐出量 :0.42g/min フィラメント牽引装置の構成 :密封導風路方式(ライコフィルモデル) 不織布11となるウェブの幅 :0.4m PPスパンボンド不織布 :出光ユニテック(株)製 RN2015 目付 15g/m2
【0069】 エンボスロール :トクデン社製 誘電発熱ローラ (ロール径 300mmφ、面積圧着率 13%、0.6mm角の格子 柄) エンボス圧力(線圧) :30kg/cm コンベア、エンボスロールの速度 :12m/min
【0070】エンボスロールの温度は、温度が低すぎる
と、十分な強度が得られず、毛羽立ちが発生し、温度が
高すぎるとウェブがエンボスロールに付着する場合があ
ることから、以上のような問題が発生しないような温度
設定をした。 押出ラミネートの押出量 :25kg/時 樹脂シート12の厚み :30μm
【0071】不織布11:次のポリアミドエラストマー
系樹脂(ポリエーテルブロックアミド共重合体)を用い
製造した。 エルフ・アトケム社製 PEBAX 2533SNO1
(以下PAE1) MI 12g/10分(235℃で測定) 融点 133℃ 目付 30g/m2
【0072】樹脂シート12:次のポリエステルエラス
トマーを用いた。 東レ・デュポン社製 ハイトレル G3548L(以
下PEE) MI 10g/10分(190℃で測定) 融点 154℃ 耐水圧 98066Pa(10000mmH2Oを換算
した値) 透湿度 3600g/m2・24h 厚み 30μm
【0073】[実施例2]不織布11:次のポリアミド
エラストマー系樹脂(ポリエーテルブロックアミド共重
合体)を用い、製造した。 エルフ・アト
ケム社製 PEBAX 3533SNO1(以下PAE
2) MI 8g/10分(235℃で測定) 融点 143℃ 目付 30g/m2
【0074】樹脂シート12:次のポリエーテルブロッ
クアミド共重合体を用いた。 エルフ・アトケム社製 PEBAX 2533SNO1
(PAE1) MI 12g/10分(190℃で測定) 融点 154℃ 耐水圧 98066Pa(10000mmH2Oを換算
した値) 透湿度 2400g/m2・24h 厚み 30μm
【0075】[実施例3] 不織布11:実施例1と同様 (PAE1)
【0076】樹脂シート12:次のポリエーテルブロッ
クアミド共重合体を用いた。 エルフ・アトケム社製 PEBAX MV3000(以
下PAE3) MI 10g/10分(235℃で測定) 融点 160℃ 耐水圧 98066Pa(10000mmH2Oを換算
した値) 透湿度 5000g/m2・24h 厚み 30μm
【0077】[実施例4] 不織布11:実施例1と同様 (PAE1)
【0078】樹脂シート12:次のポリエーテルブロッ
クアミド共重合体を用いた。 エルフ・アトケム社製 PEBAX 2533SNO1:MV3000=8:2(重量比)で
ブレンド(以下PAE4) 耐水圧 98066Pa(10000mmH2Oを換算
した値) 透湿度 3200g/m2・24h 厚み 30μm
【0079】[比較例1] 不織布11:ポリアミド不織布として、旭化成社製のエ
ルタス N01030 (目付 30g/m2)(以
下PA)を用いた。
【0080】樹脂シート12:次のポリエーテルブロッ
クアミド共重合体を用いた。 エルフ・アトケム社製 PEBAX MV3000
(PAE3) MI 10g/10分(235℃で測定) 融点 160℃ 耐水圧 98066Pa(10000mmH2Oを換算
した値) 透湿度 5000g/m2・24h 厚み 30μm
【0081】[比較例2] 不織布11:ポリオレフィンエラストマーとして、ダウ
ケミカル社製のエチレン−α−オレフィン共重合体を用
い製造した。 アフィニティ SM8407 (以下POE) MI 30g/10分(190℃で測定) 融点 60℃
【0082】樹脂シート12:次のポリエーテルブロッ
クアミド共重合体を用いた。 エルフ・アトケム社製 PEBAX 2533SNO1:MV3000=8:2(重量比)で
ブレンド(PAE4) 耐水圧 98066Pa(10000mmH2Oを換算
した値) 透湿度 3200g/m2・24h 厚み 30μm
【0083】[皮膚貼布材用基材10の性能評価]以上
のような条件で、実施例1〜4、比較例1、2におい
て、皮膚貼布材用基材10を製造し、この皮膚貼布材用
基材10を透湿度、耐水圧、ラミネート安定性、ゲル安
定性の観点から評価した。 これら評価結果を表1に示
した。ここで、ラミネート安定性は、防水性、透湿性を
いかした皮膚貼布材として、水中でも使用できるキズバ
ン等の絆創膏が想定される。その際、水中でのラミネー
ト強度が問題となるため評価した。JIS−L−109
6(吸水率)に準拠した方法で、各サンプルに吸水さ
せ、24h後の各サンプルを目視評価した。 ○:膨潤、デラミ(剥離)なし △:一部膨潤が見られたが、デラミなし ×:膨潤、デラミともに発生
【0084】また、ゲル安定性は、防水性、透湿性をい
かした皮膚貼布材として、水系の粘着剤(ゲル)を塗布
した高熱時など患部にあてて冷やす医療器具が想定され
る。その際、ゲルの安定性が問題となるため、ポリアク
リル酸を主成分とする水系粘着剤を3mm厚になるよう
に塗布し、24h後の各サンプルを目視評価した。 ○:膨潤、デラミ(剥離)なし △:一部膨潤が見られたが、デラミなし ×:膨潤、デラミともに発生
【0085】なお、以上において、MIの測定は、JI
S−K−7210に準拠した方法,耐水圧の測定は、J
IS−L−1092 B法(高水圧法)、透湿度の測定
方法は、JIS−Z−0208に準拠した方法で測定し
た。
【0086】
【表1】
【0087】実施例1〜4は、比較例1、2と比較し
て、接着剤を用いることなく積層しても、水中で長時間
の耐久性があり、ゲルの安定性もあることがわかった。
【0088】
【発明の効果】本発明によれば、少なくとも1種類以上
のポリアミドエラストマー系樹脂を含む組成物からなる
不織布を有することにより、ポリアミドエラストマー系
樹脂は、ポリアミドの高強度およびエラストマーの高柔
軟性の各特性を兼ね備えているので、十分な柔軟性およ
び強度に優れた不織布積層体とすることができる。ま
た、耐水圧が19613Pa(2000mmH2Oを換
算した値)以上であり、透湿度が800g/m2・24
h以上である樹脂シートを有するから、皮膚に貼り付け
て使用する際に、高い透湿性および防水性を有する不織
布積層体とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の皮膚貼布剤を示す断面
図である。
【図2】本発明の第1実施形態にかかる製造装置を示す
概略図である。
【図3】図1の実施形態にかかる紡糸牽引機を示す概略
図である。
【図4】図1の実施形態にかかる押出機を示す概略図で
ある。
【図5】図1の実施形態における皮膚貼布剤の使用状態
を示す図である。
【図6】本発明の第2実施形態の絆創膏を示す断面図
(A)および斜視図(B)である。
【図7】図6の実施形態における絆創膏の使用状態を示
す図である。
【符号の説明】
1 皮膚貼布材 2 絆創膏 10 皮膚貼布材用基材 11 不織布 12 樹脂シート 20 水系粘着剤層 21 粘着剤層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B29K 21:00 B29K 21:00 67:00 67:00 77:00 77:00 B29L 7:00 B29L 7:00 9:00 9:00 (72)発明者 茂上 道夫 東京都文京区小石川一丁目2番1号 Fターム(参考) 4C076 AA74 AA77 BB31 4F100 AK01B AK07 AK41B AK46A AK54A AK54B AL02A AL05A AL09A AL09B BA02 BA07 DG15A EH232 EH512 GB66 JB07B JD04 JD04B JD05 JK01 YY00B 4F207 AA24E AA29 AA32F AA45 AD16 AG01 AG03 AH63 KA01 KA17 KB13 KB22 KK87

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも1種類以上のポリアミドエラス
    トマー系樹脂を含む組成物からなる不織布と、 耐水圧が19613Pa以上であり、透湿度が800g
    /m2・24h以上である樹脂シートとを積層してなる
    ことを特徴とする不織布積層体。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の不織布積層体において、 前記樹脂シートが少なくとも1種類以上のポリアミドエ
    ラストマー系樹脂を含むことを特徴とする不織布積層
    体。
  3. 【請求項3】請求項2に記載の不織布積層体において、 前記ポリアミドエラストマー系樹脂が、ポリエーテルブ
    ロックアミド共重合体であることを特徴とする不織布積
    層体。
  4. 【請求項4】請求項1に記載の不織布積層体において、 前記樹脂シートが少なくとも1種類以上のポリエステル
    エラストマー系樹脂を含むことを特徴とする不織布積層
    体。
  5. 【請求項5】請求項4に記載の不織布積層体において、 前記ポリエステルエラストマー系樹脂が、ポリエーテル
    エステル共重合体であることを特徴とする不織布積層
    体。
  6. 【請求項6】請求項1から請求項5のいずれかに記載の
    不織布積層体において、 前記不織布が、スパンボンド不織布からなることを特徴
    とする不織布積層体。
  7. 【請求項7】請求項1から請求項6のいずれかに記載の
    不織布積層体において、 前記不織布および前記樹脂シートは、押し出しラミネー
    トまたは熱ラミネートで積層されていることを特徴とす
    る不織布積層体。
  8. 【請求項8】請求項1から請求項7のいずれかに記載の
    不織布積層体を基材として用いたことを特徴とする皮膚
    貼布材。
  9. 【請求項9】請求項8に記載の皮膚貼布材において、 前記基材上に、粘着剤を塗布してなることを特徴とする
    皮膚貼布材。
  10. 【請求項10】請求項9に記載の皮膚貼布材において、 前記粘着剤は、水系粘着剤を含んで構成されることを特
    徴とする皮膚貼布材。
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