JP2003181724A - 放電加工用電源装置 - Google Patents

放電加工用電源装置

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JP2003181724A
JP2003181724A JP2001386753A JP2001386753A JP2003181724A JP 2003181724 A JP2003181724 A JP 2003181724A JP 2001386753 A JP2001386753 A JP 2001386753A JP 2001386753 A JP2001386753 A JP 2001386753A JP 2003181724 A JP2003181724 A JP 2003181724A
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Yoshihide Kanehara
好秀 金原
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 放電加工用電流波形として、放電発生時の基
点電流、スロープ状の電流増加、ピーク電流を出力し、
加工電流の遮断時の給電線のインダクタンスのエネルギ
ーを電源に回生し、またリアクトルのエネルギーを電源
に回生して急速に減少する放電加工用電源装置を得るこ
とを目的とする。 【構成】 高圧の電圧源HVとこれを電源とする低圧の
電圧源、低圧の電圧源を電源とする第1及び第2の電流
源を備え、それぞれの電流源は出力から入力へ電流を流
すダイオードを有する。第2の電流源の出力と、第1の
電流源の出力は電流を一定の増加率で増加させる電流ス
ロープ回路を経由し、両者の合計の電流を断続するスイ
ッチを経由して給電線により加工電流として出力する。
給電線の他方は高圧の電圧源HVに接続したダイオード
とスイッチの直列体の接続点に接続する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、加工液中に設け
られた電極と被加工物間に所定の加工電流波形を供給す
る放電加工用電源装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の技術として、図10に、特許第2
954774号の図8に開示された「放電加工機用電源
装置」を示す。図において、定電流供給部100は直流
電圧EOを入力し、リアクトル103の電流をスイッチ
ング素子101をオンオフ制御することにより一定に制
御している。この回路は降圧コンバータ方式を使用して
おり、出力電圧は入力の直流電圧EOを越えることはな
い。ダイオード104は、出力から入力の方向に接続さ
れているが、通常の状態では電流が流れることはない。
出力電流断続部110は、定電流供給部100に接続
し、電極120と被加工物121に定電流供給部100
の出力する電流を、スイッチング素子111をオン、オ
フすることにより所定の時間加える。スイッチング素子
111がオンしても、無負荷時間(電極120と被加工
物121との間に放電が発生するまでの期間)はリアク
トル103の電流はゼロのままか、次第に減少する。す
なわち、リアクトル103の電流を所定の値に一定に維
持する作用はない。
【0003】スイッチング素子101と111がオフす
ると、リアクトル103の電流はダイオード102,リ
アクトル103、ダイオード104を通り直流電圧EO
に回生する。この電流は直流電圧EOとリアクトル10
3の値によって決まる減少率で減少していく。例えば直
流電圧EO=80V、リアクトル103のインダクタン
ス100μH、電流60Aとすると、T=LI/V=1
00×10−6×60/80=75×10−6(se
c)電流がゼロになるまでの時間は、75μsecの時
間がかかる。また、スイッチング素子111がオフする
と、電極120と被加工物121に接続している給電線
6のインダクタンスに蓄積されたエネルギーは、電圧源
113とダイオード112の直列体を通り熱エネルギー
として消費される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の放電加工機用電
源装置は以上のように構成されているので、出力電流断
続部110のスイッチング素子111がオフしている時
はリアクトル103の電流を一定に制御することはでき
なかった。また、オンした後に無負荷時間においてもリ
アクトル103の電流を一定に維持することはできなか
った。また、出力電流断続部110のスイッチング素子
111がオフした時、リアクトル103の電流を速く減
少することが困難であった。また、スイッチング素子1
11がオフした時給電線6のインダクタンスに蓄積され
たエネルギーを電圧源113において熱エネルギーとし
て消費してしまうので、発熱が多く、電力を多く消費し
てしまうなどの問題点があった。
【0005】この発明は上記のような問題点を解決する
ためになされたもので、所定の放電加工用電流波形を得
ることができる電源装置であって、放電が発生した直後
所定の電流(基点電流)まで急瞬に立ち上がり、所定の
増加率で電流を増加し(電流スロープの制御)、所定の
電流(ピーク電流)に達した時から一定の電流を維持
し、放電が発生した時点から所定の時間が経過した時加
工電流を急瞬に遮断し、遮断時の給電線6のエネルギー
を電源に回生する。また、遮断時のリアクトルのエネル
ギーを電源に回生して急速に減少することによって、加
工が安定で、電極の消耗が少なく、加工速度が速く、省
エネルギーの放電加工用電源装置を得ることを目的とす
る。また、上記加工電流波形に加えて、高ピークの三角
形状または台形形状の加工電流を出力することによって
クラックの少ない加工面が得られる放電加工用電源装置
を得ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】第1の発明に係わる放電
加工用電源装置は、高電圧源を電源として放電開始電圧
に近い低電圧に変換する低電圧源を備え、前記低電圧源
を電源として放電加工用電流波形を出力し、加工電流を
遮断する時に発生するインダクタンスのエネルギーを前
記高電圧源に回生するようにしたものである。
【0007】第2の発明に係わる放電加工用電源装置
は、放電開始電圧以上にならないように出力電圧を制限
された第1及び第2の電流源を備え、第2の電流源は放
電発生時急速に立ち上げる電流値(基点電流)Ibを出
力し、第1の電流源は電流値Iaを出力し、放電発生時
から電流を一定の増加率で増加させる電流スロープ回路
を経由して、前記電流値Ibとの合計の電流を断続し、
加工電流として出力するようにしたものである。
【0008】第3の発明に係わる放電加工用電源装置
は、高電圧源を電源として放電開始電圧に近い低電圧に
変換する低電圧源を備え、前記低電圧源を電源として所
定の電流を出力する前記第1及び第2の電流源を備え、
前記2つの電流源はそれぞれ出力から入力へ電流を流す
ダイオードD1、D2を有する。第2の電流源の出力は
ダイオードD3を経由し、第1の電流源の出力は、電流
を一定の増加率で増加させる電流スロープ回路を経由し
て、両者の電流の合計を加工電流を断続するスイッチS
4を経由して電極と被加工物の一方に接続している出力
11に接続し、前記出力11は高電圧源の負極との間に
ダイオードD9を接続している。前記電極と被加工物の
他方は、高電圧源の正極と負極の間にそれぞれ接続した
ダイオードD10とスイッチS6の直列体の接続点であ
る出力12に接続したものである。
【0009】第4の発明に係わる放電加工用電源装置
は、電流スロープ回路の、入力と高電圧源の負極との間
にスイッチS2とダイオードD4を接続した直列体の接
続点にリアクトルL1を接続し、リアクトルL1の他端
を出力とすると共に、この出力と高電圧源の正極との間
にダイオードD5を接続し、前記リアクトルL1の電流
が所定の増加率で増加するように前記スイッチS2をオ
ンオフ制御したものである。
【0010】第5の発明に係わる放電加工用電源装置
は、電流スロープ回路を複数段直列に接続したものであ
る。
【0011】第6の発明に係わる放電加工用電源装置
は、電流スロープ回路のリアクトルL3を入力と出力間
に接続するとともに、ダイオードD5を前記リアクトル
L3の出力側と高電圧源の正極間に接続したものであ
る。
【0012】第7の発明に係わる放電加工用電源装置
は、電流スロープ回路の入力と出力を短絡するスイッチ
S1を設けたものである。
【0013】第8の発明に係わる放電加工用電源装置
は、電極または被加工物に接続している出力11と高電
圧源の正極との間にスイッチS5を設け、加工電流を断
続するスイッチS4から加工電流を出力している間に前
記スイッチS5を所定の期間オンし、出力11より高ピ
ークの加工電流を出力する。加工電流を遮断する時は、
スイッチS4、S5及び前記スイッチS6をオフし、給
電線6のインダクタンスのエネルギーを高電圧源に回生
するようにしたものである。
【0014】第9の発明に係わる放電加工用電源装置
は、高電圧源を電源として放電開始電圧に近い低電圧に
変換する低電圧源を備え、前記低電圧源を電源として所
定の電流を出力する電流源を備え、前記電流源は出力か
ら入力へ電流を流すダイオードD14を有する。前記電
流源の出力に接続する電流スロープ回路を有し、出力電
流遮断時には前記電流スロープ回路のリアクトルL6の
電流を所定の基点電流に維持し、放電時には前記基点電
流から加工電流を所定の増加率で増加させ、加工電流を
断続するスイッチS4を経由して電極と被加工物の一方
に接続している出力11に接続し、前記出力11と高電
圧源の負極との間にダイオードD9を接続する。前記電
極と被加工物の他方は、高電圧源の正極と負極の間に接
続したダイオードD10とスイッチS6の直列体の接続
点である出力12に接続したものである。
【0015】第10の発明に係わる放電加工用電源装置
の電流スロープ回路は、電圧源AVとスイッチS7の直
列体、ダイオードD11とスイッチS8の直列体、前記
2つの直列体を並列に接続し、前記並列体とダイオード
D4との直列体を電流源の出力と高電圧源の負極との間
に接続し、前記並列体とダイオードD4との接続点と、
電流スロープ回路の出力に接続している加工電流を断続
するスイッチS4との間にリアクトルL6を接続する。
前記電流スロープ回路の出力と高電圧源の正極との間に
ダイオードD5を接続する。また、前記電流スロープ回
路の出力と前記電流源の入力との間にスイッチS9とダ
イオードD12の直列体を接続したものである。
【0016】第11の発明に係わる放電加工用電源装置
の電流スロープ回路は、入力と高電圧源の負極との間に
スイッチS10とダイオードD4を接続した直列体の接
続点にリアクトルL6を接続し、リアクトルL6の他端
を電流スロープ回路の出力とし、前記電流スロープ回路
の出力と高電圧源の正極との間にダイオードD5を接続
する。また、前記電流スロープ回路の出力と前記電流源
の入力との間に、スイッチS9とダイオードD12の直
列体、及び電圧源BVとスイッチS11の直列体にダイ
オードD13を並列に接続したものを直列に接続したも
のである。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に添付の図を参照してこの発
明の実施の形態について詳細に説明する。
【0018】〈実施の形態1〉図1に示す放電加工用電
源装置はこの発明の実施の形態1である。図において、
電圧源HVは高圧の直流電源である。電極1と被加工物
2間の放電開始電圧Vaは一般に80V程度である。電
圧源HVはこの放電開始電圧Vaに対し、十分高い電圧
V1に設定する。実用的な値としてはV1は200〜4
00V程度である。電圧源LVは電圧源HVを電源と
し、低圧の電圧V2を出力する。このV2はほぼ放電開
始電圧Vaに近い値に設定される。実用的な値として
は、V2は70〜100V程度である。
【0019】電流源C2は基点電流Ibを出力する電流
源である。電流源C2の出力電流Ibは電極1と被加工
物2間に電流が供給されない場合は、ダイオードD2に
より電圧源LVに回生されている。従って出力電圧V4
はほぼV2に等しい。電流源C1は、電流Iaを出力す
る電流源である。電流源C1の出力電流Iaは電極1と
被加工物2間に電流が供給されない場合は、ダイオード
D1により電圧源LVに回生されている。従って、出力
電圧V3はほぼV2に等しい。電流源C2の出力はダイ
オードD3を経由し、電流源C1の出力は電流を一定の
増加率で増加させる電流スロープ回路SC1を経由し
て、両者の電流の合計を加工電流を断続するスイッチS
4及び逆電流を防止するダイオードD8を経由して出力
11より電極1または被加工物2に給電線6により接続
している。電圧源HVの正極HV+と負極HV−の間に
接続したダイオードD10とスイッチS6の直列体の接
続点を出力12とし、電極1または被加工物2の他方の
給電線6は出力12に接続する。電極1と被加工物2に
加工電流を供給するには、スイッチS4とスイッチS6
をオンする。加工電流を遮断する時はスイッチS4とス
イッチS6をオフする。オフした時に給電線6のインダ
クタンスL4、L5に蓄積したエネルギーの電流は、ダ
イオードD9、出力11、電極1と被加工物2、出力1
2を経由してダイオードD10によりHV+に流れ、電
圧源HVに回生する。実施の形態1は以上のように構成
されている。
【0020】〈実施の形態2〉図1に示す電流スロープ
回路SC1はこの発明の実施の形態2である。入力は、
電流源C1の出力に接続し、スイッチS2と電圧源HV
の負極HV−に接続しているダイオードD4との直列体
の接続点にリアクトルL1を接続し、リアクトルL1の
他端を電流断続スイッチS4に出力する。また、リアク
トルL1の出力側と電圧源HVの正極HV+との間にダ
イオードD5を接続する。電流センサ3はリアクトルL
1の電流を検出し、リアクトルL1の電流が所望の値に
なるようにスイッチS2をオンオフ制御する。なお、ス
イッチS2をオンオフ制御する回路は図示していない。
実施の形態2は以上のように構成されている。
【0021】図2は図1の実施の形態1、2、3、4、
5における動作を説明するためのタイムチャートであ
る。(a)は電極1と被加工物2に出力する加工電流、
(b)は出力11と出力12間の電圧(出力電圧)、
(c)はスイッチS4、S6の動作、(d)はスイッチ
S2の動作を示す。図1において、電流源C2は基底電
流Ibを出力している。電流源C1は電流Iaを出力し
ている。時刻T0で図2(c)(d)に示すようにスイ
ッチS4とS6及びS2をオンすると(b)に示すよう
に出力11と出力12間の出力電圧は放電開始電圧(電
極1と被加工物2間にまだ放電が発生していない時の電
圧)Vaを出力する。Vaは電流源C2の出力電圧V4
に等しく、また電圧源LVの出力電圧V2にもほぼ等し
い。
【0022】暫くして時刻T1で放電が発生すると、出
力電圧はVaから放電電圧Vdに下り、電流源C2から
基底電流Ibが瞬時に流れ、10の位置まで電流が立ち
上がる。このように急瞬に立ち上がることによりアーク
切れ(電極1と被加工物2との間に発生した放電が消え
てしまう現象)することなく安定に流れ続けることがで
きる作用がある。
【0023】一方、電流源C1に接続している電流スロ
ープ回路SC1はスイッチS2がオンしていて、リアク
トルL1による電流増加に対し、電流センサ3の信号と
あらかじめ設定されている増加率θのスロープ信号とを
比較しその信号差が小さくなるようにスイッチS2をオ
ン、オフする。その状態を(d)に示す。リアクトルL
1の電流が所定の増加率θで増加すると時刻T2でリア
クトルL1の電流値がIaに到達する。電流源C1は一
定の電流Iaを出力しているので、リアクトルL1の電
流はその時点で一定になり、T2からT3までは電流源
C1の出力電流Iaと電流源C2の出力電流Ibの合計
の電流がピーク電流Ipとして電極1と被加工物2に出
力される。このピーク電流IpはスイッチS2のオン、
オフによる電流のリップルを含まないので安定な加工を
実現することができる。
【0024】また、別のスロープの制御方法として電流
スロープ回路SC1のスイッチS2をT0でオンするこ
とにより電流上昇率はリアクトルL1のインダクタンス
により決まるリップルのないスロープ波形を出力でき、
電流源C1の出力する電流Iaに達すると一定の電流に
なる。スイッチS2はT3でオフする。この制御方法で
は、スイッチS2は単純なオンオフで良く、リップルの
ないスロープ電流上昇波形を出力できる効果がある。以
上のように、電流スロープ回路SC1により所定の増加
率θで電流を増加させると、電極1の消耗を極めて少な
くすることができ高精度な加工を同一の電極で長時間実
現することができる。
【0025】放電が開始した時刻T1から所定の時間
(火花時間)経過後に、時刻T3においてスイッチS
4、S6、S2をオフにする。給電線6のインダクタン
スL4、L5に蓄積されたエネルギーは、ダイオードD
9、電極1、被加工物2、ダイオードD10を経由する
電流として電圧源HVに回生する。電圧源HVの電圧は
高いので電流が回生する時間は短く、時刻T4で加工電
流は短時間でゼロになる。V1=300V、L4、L5
の合計のインダクタンス2μH、Ip=60Aの時、 T=LI/V=2×10−6×60/300=0.4×
10−6(sec) 電流を遮断する時間T3−T4は0.4μsecと非常
に高速に遮断できる。電流を速く遮断することにより放
電を早く消弧し、次の放電の開始を早くすることができ
るので、放電の頻度を増加することができ、加工速度が
速くなる効果がある。
【00026】時刻T3では、電流スロープ回路SC1
のリアクトルL1に流れている電流IaはスイッチS
2、S4がオフした時にダイオードD4、リアクトルL
1、ダイオードD5を経由して電圧源HVに回生する。
電圧源HVの電圧は高いので、リアクトルL1の電流は
急速に減少する。V1=300V、L1のインダクタン
ス75μH、Ia=40Aの時、 T=LI/V=75×10−6×40/300=10×
10−6(sec) このように10μsecという短い時間で電流をゼロに
することができる。この値は、従来の技術におけるリア
クトルの電流減少時間が75μsecであることと比較
すると極めて短時間で電流を減少することができる。図
2(a)の5にこの様子を示す。リアクトルL1の電流
はT5でゼロになる。次の放電オンは、このT5以後で
なければならないので、時刻T6でスイッチS4とS6
及びS2をオンさせる。時刻T3−T6を休止時間と言
い、放電を確実に消弧するとともに、リアクトルL1の
電流もゼロにして初期状態を確実にする。ここで重要な
ことは、リアクトルL1の電流が何度も回生されると電
圧源HVの電圧が上昇してしまうのであるが、電圧源L
Vが電圧源HVを電源としているので、回生電力の方が
電圧源LVの消費電力よりも少なく、電圧は上昇するこ
とはない。また、給電線6のインダクタンスL4、L5
のエネルギー回生電力においても同様のことが言える。
【0027】時刻T6はリアクトルL1の電流がゼロに
なる時刻T5より後である必要がある。それは時刻T7
における放電発生時に急瞬に立ち上がる基底電流Ib
が、電流源C2より供給されるためには、電流スロープ
回路SC1から出力される電流はゼロである必要があ
る。また、T6−T7の無負荷電圧の時間はゼロである
場合もあるので、T5よりT6は後である必要がある。
【0028】以上のように、放電発生時に基底電流Ib
を急瞬に流し、所定の傾きで電流を増加させ、ピーク電
流Ipを所定時間流した後、加工電流を急瞬に遮断する
とともにその時の給電線6のインダクタンスのエネルギ
ーを電源に回生し、また、電流スロープ回路SC1のリ
アクトルL1の電流も急速に減少するとともにそのエネ
ルギーを電源に回生するので、加工が安定で電極が低消
耗、加工速度が速く、省エネルギーの極めて優れた電源
を提供できる効果がある。
【0029】実施の形態1における電圧源LVは一般的
な降圧コンバータで実現が可能である。電流源C1、C
2は一例として図3に示すような昇降圧コンバータで実
現が可能である。図3において、入力CIと電圧源HV
の負極HV−に接続される共通電位CE間にはスイッチ
S12、リアクトルL21、ダイオードD15の直列
体、出力COと共通電位CE間には、リアクトルL2
2、ダイオードD16の直列体を接続し、スイッチS1
2とリアクトルL21の接続点と、リアクトルL22と
ダイオードD16の接続点との間にコンデンサC4を接
続し、リアクトルL22を通る出力電流が一定になるよ
うにスイッチS12をオンオフ制御することにより出力
COが入力CIの電圧より高い場合でも、低い場合でも
一定の電流を出力することができる。ダイオードD15
は、放電が発生することによって出力COの電圧が急に
低い電圧になった場合コンデンサC4の電圧により出力
電流が増加し一定の電流に制御できなくなることを防止
する。詳細な動作は特開平3−226266「パルス電
源装置」の図8において説明されているので説明を省略
する。また、リアクトルL21とL22を磁気的に結合
させると出力電流のリップルを低減することができ、直
流に近い電流を出力することができる。
【0030】〈実施の形態3〉図4に示す放電加工用電
源装置の電流スロープ回路SC2はこの発明の実施の形
態3である。この電流スロープ回路SC2は、図1に示
す電流スロープ回路SC1を2段直列に接続したもので
ある。リアクトルL11、L12は、それぞれリアクト
ルL1の1/2のインダクタンスに設定する。図2のT
1にて放電が発生すると、(a)のT1−T2における
スロープ電流上昇はスイッチS2をリアクトルL12の
電流が所定の増加率θのスロープ電流になるようにオン
オフし、スイッチS3はオンのままの状態でよい。この
スロープ電流の制御は電流スロープ回路SC1と同様で
ある。
【0031】T3−T5におけるリアクトルL11、L
12の遮断時の電流減少はスイッチS2及びS3を同時
にオフにすることにより、リアクトルL11の電流はダ
イオードD4、リアクトルL11、ダイオードD5を経
由して電圧源HVに回生する。リアクトルL12の電流
は、ダイオードD6、リアクトルL12、ダイオードD
7を経由して電圧源HVに回生する。前記したように、
リアクトルL11、L12のインダクタンスはリアクト
ルL1に比べ1/2であり、図2(a)のT3−T5の
リアクトルの電流減少5は1/2の時間でゼロに減少す
る。このようにリアクトルの電流減少を速く行うことに
よって休止時間を短くすることができ、加工電流の実効
値が高くなり、加工速度が速くなる効果がある。この実
施の形態3では、電流スロープ回路SC1を2段直列に
した実施例を示したが、さらに段数を増し、リアクトル
のインダクタンスを小さくすることによってさらに電流
減少を速くすることができる。
【0032】〈実施の形態4〉図5に示す放電加工用電
源装置の電流スロープ回路SC3はこの発明の実施の形
態4である。この電流スロープ回路SC3は、電流源C
1とスイッチS4との間にリアクトルL3を接続し、リ
アクトルL3のスイッチS4側と電圧源HVの正極HV
+との間にダイオードD5を接続する。
【0033】図2において、時刻T1で放電が発生する
と、リアクトルL3のインダクタンスで決まる電流上昇
率で電流が上昇し、電流源C1の出力する電流Iaで一
定の電流になる。また、T3でスイッチS4がオフする
とダイオードD5を経由してHV+に電流が流れ、その
エネルギーを電圧源HVに回生するとともにリアクトル
L3の電流減少を速く行うことができる。また、この実
施の形態4は異なるインダクタンスのリアクトルL3を
複数備え、切り換えることによって電流上昇率を変える
ことができる。また、この実施の形態4は電流スロープ
回路SC3にスイッチ素子を含まないのでT1−T2の
スロープの時においてもリップルが無く滑らかな電流上
昇率が得られる。この実施の形態4は簡単な回路で所定
の電流上昇率が得られ安価な放電加工用電源装置が得ら
れる効果がある。
【0034】〈実施の形態5〉図1において、電流源C
1の出力と、スイッチS4との間にスイッチS1を接続
する。スイッチS1を設けることが実施の形態5であ
る。このスイッチS1は半導体スイッチング素子とダイ
オードの直列体で構成しても良い。スイッチS1がオフ
の時は、実施の形態1〜4で説明したようにスロープ電
流上昇を有する電流波形を出力する。スイッチS1がオ
ンの時は、電流スロープ回路SC1、SC2、SC3の
動作は無関係となり、電流源C1の出力が直接スイッチ
S4に接続される。なお、この時はスイッチS2はオフ
とする。図2において、T0でスイッチS4がオンし、
T1で放電が発生すると、電流源C1と電流源C2の電
流Ia、Ibの合計が加工電流として電極1と被加工物
2に流れる。その立ち上がりは(a)14のように給電
線6のインダクタンスL4、L5のみによって決まる速
い電流立ち上がりが可能である。従って、電流波形は矩
形波になり、スロープを有する電流波形より電流の実効
値が高い。この矩形波状の電流波形は高速の加工を行う
時や、電極材料としてグラファイトを使用した時などに
使用される。このスイッチS1を有することで、矩形波
状の電流波形とスロープ付電流波形を簡単に切り換える
ことができ、高速加工と電極の低消耗加工が同一の装置
で行うことができる効果がある。
【0035】〈実施の形態6〉実施の形態6の動作を以
下に説明する。図1の出力11と電圧源HVの正極HV
+間にスイッチS5を接続し、スイッチS4から加工電
流を出力している間にスイッチS5を所定の期間オン
し、出力11より高ピークの加工電流を出力する。加工
電流を遮断する時は、スイッチS5とスイッチS4及び
スイッチS6をオフし、給電線6のインダクタンスL
4、L5のエネルギーを電圧源HVに回生する。図6に
おいて(a)は加工電流波形である。(b)はスイッチ
S4の動作、(c)はスイッチS5の動作、(d)はス
イッチS6の動作を示す。T0においてスイッチS4と
S6をオンし、T1において放電発生、T2においてI
pに達する。この状態は図2と同様である。この時スイ
ッチS4、S6はオンの状態である。加工電流がIpに
達した後所定の時刻T8においてスイッチS5をオンす
る。この状態を(c)に示す。
【0036】スイッチS5がオンするとHV+の高電圧
が出力11に出力され、給電線6のインダクタンスL
4、L5によって決まる急激な電流上昇20による高ピ
ーク電流Iqを出力する。所定時間後時刻T9において
スイッチS4、S5、S6を全てオフにすると急激な電
流減少21により、時刻T10において出力電流はゼロ
になる。時刻T9からT10の間出力電流は、ダイオー
ドD9、電極1、被加工物2、ダイオードD10を経由
し、給電線6のインダクタンスL4、L5のエネルギー
を電圧源HVに回生する。
【0037】以上のように、高電圧である電圧源HVの
電圧を所定時間出力に加えることにより、急激な電流上
昇の加工電流を出力し、給電線6のインダクタンスL
4、L5のエネルギーを電圧源HVに回生することによ
り急激な電流減少を可能とし、T8からT10の短時間
の間に高いピーク電流Iqを出力することができる。ま
た、電流減少時エネルギーを電圧源HVに回生するので
省電力であり、特に超鋼などの硬い金属を放電加工する
場合加工速度が非常に高くなる等の優れた放電加工機が
得られる効果がある。
【0038】実施の形態6の別の動作としては、図6
(e)に示すようにスイッチS5を時刻T11でオフ
し、加工電流がダイオードD9、電極1、被加工物2、
スイッチ6を経由して22のように減少させ、所定値ま
で減少したら再度T12でスイッチS5をオン、電流が
復帰したらT13でオフする動作をくり返す。所定の時
刻T16でスイッチS4、S5、S6を全てオフすると
加工電流は給電線6のインダクタンスL4、L5のエネ
ルギーを電圧源HVに回生し、急激に電流が減少してT
17でゼロになる。この動作によれば、ピーク電流Ir
をIqより低く設定でき、台形状の電流波形を出力する
ことによってIqと同程度の実効値を得ることができ
る。このことにより、加工速度は落とさず、被加工物2
の加工部のクラック(放電加工部分の微細な割れ)を少
なくでき、緻密で美麗な加工面が得られる優れた放電加
工機を得ることができる効果がある。また、この台形状
の電流波形により任意のピーク値Irであって、任意の
パルス幅の波形を出力することができ、多様な被加工物
2の加工を行うことができる優れた放電加工機が得られ
る効果がある。
【0039】〈実施の形態7〉図7に示す放電加工用電
源装置はこの発明の実施の形態7である。電圧源HV、
電圧源LVは図1と同様である。電流源C3はピーク電
流Ipを出力する電流源である。電流源C3の出力から
入力に電流が流れるようにダイオードD14を設ける。
出力電流Ipは電極1と被加工物2間に電流が供給され
ない場合は、ダイオードD14により電圧源LVに回生
される。従って出力電圧V5はほぼV2に等しい。電流
源C3の出力は、電流スロープ回路SC4を経由して電
流を断続するスイッチS4と逆電流を防止するダイオー
ドD8を経由して出力11より電極1または被加工物2
に給電線6により接続している。ダイオードD9、D1
0、スイッチS6は図1と同様である。
【0040】電流スロープ回路SC4は、電圧源AVと
スイッチS7の直列体、ダイオード11とスイッチS8
の直列体、前記2つの直列体を並列に接続し、前記並列
体とダイオードD4との直列体を電流源C3の出力と電
圧源HVの負極HV−との間に接続し、前記並列体とダ
イオードD4との接続点と、電流スロープ回路SC4の
出力に接続している加工電流を断続するスイッチS4と
の間にリアクトルL6を接続する。スイッチS4に接続
している電流スロープ回路SC4の出力と電圧源HVの
正極HV+との間にダイオードD5を接続する。また、
電流スロープ回路SC4の出力と電圧源LVの出力との
間にスイッチS9とダイオードD12の直列体を接続す
る。実施の形態7は以上のように構成されている。
【0041】図8は図7の実施の形態7を説明するため
のタイムチャートである。(a)は加工電流、(b)は
出力電圧、(c)はスイッチS4、S6の動作、(d)
はスイッチS8の動作、(e)はスイッチS7の動作、
(f)はスイッチS9の動作を示す。時刻T0以前は、
リアクトルL6の電流が基点電流Ibより所定値下がる
とスイッチS7がオンし、所定値上がるとオフする。電
圧源AVは10V程度の低い電圧で良くスイッチS7が
オンの時はスイッチS7、リアクトルL6、ダイオード
D12、スイッチS9、ダイオードD14を通り、リア
クトルL6の電流を増加させる。スイッチS7がオフの
時はダイオードD11とスイッチS8を通るので電圧源
AVの電圧が回路に加わらず電流は減少する。このよう
にしてリアクトルL6の電流は基点電流Ibに維持され
ている。時刻T0において、スイッチS4,S6をオン
させると電極1と被加工物2間に電圧が加わり放電発生
前は放電開始電圧Vaとなる。この状態では加工電流は
流れていないので、基点電流Ibは上記と同様に維持さ
れている。時刻T1で放電が発生すると電圧は放電電圧
Vdに下がり、約25V程度のほぼ一定した電圧とな
る。このときダイオードD12は逆バイアスになり、リ
アクトルL6の電流は全てスイッチS4を通る加工電流
となる。スイッチS7はオフし、それまでリアクトルL
6を流れていた基点電流Ibが20に示すように急瞬に
流れる。また、同時に電流指令値22を傾きθで増加さ
せ、リアクトルL6との電流差が所定値を越えるとオフ
(21)、所定値より下がるとオン(23)して、リア
クトルL6の電流が傾きθの電流増加となるようにスイ
ッチS8をオンオフ制御する。この状態を(d)に示
す。
【0042】時刻T2においてリアクトルL6の電流は
ピーク電流Ipに達する。電流源C3は定電流Ipを出
力しているのでT2−T3の間は一定の電流Ipを出力
する。この時にはスイッチS8のオンオフによる加工電
流のリップルが無く、安定した放電加工を実現できる。
【0043】時刻T3では放電が発生したT1より所定
の時間経過して放電を遮断する。この所定の時間は被加
工物の材料、電極の大きさなどにより決められる火花時
間である。放電を遮断するには、スイッチS4、S6、
S8、S9をオフにする。スイッチS7はリアクトルL
6の電流が基底電流Ib以上であるとオフの状態であ
る。加工電流は図1と同様に電圧源HVに回生すること
により急速に減少し、T4でゼロになる。リアクトルL
6の電流はダイオードD4、リアクトルL6、ダイオー
ドD5を経由して電圧源HVに回生する。電圧源HVは
電圧が高いのでリアクトルL6の電流はピーク電流Ip
から基底電流Ibまで24のように急速に減少する。T
5でリアクトルL6の電流が基底電流Ib以下になると
スイッチS7、S9がオンし、またスイッチS7はリア
クトルL6の電流が基底電流Ibを維持するようにオン
オフ制御する。T6はT0と同様に再度出力をオンする
時刻であるが、このT6はT5以後でなければ基底電流
Ibから電流を開始できない。T6でスイッチS4、S
6、S8をオンすることによりT0以後の電流波形と同
様の加工電流を出力する。リアクトルL6の電流を24
のように急速に減少することの効果は休止期間を短くす
ることができ、加工電流の実効値を高くすることによっ
て加工速度を早くすることができる。またリアクトルL
6の電流は基底電流Ib以下にならないようにスイッチ
S7をオンオフして制御するので、無負荷時間(電極1
と被加工物2との間に放電が発生するまでの期間)の期
間であっても電流が低下することはなく、加工電流をオ
ンする時に正確に基底電流Ibから開始することができ
る。無負荷時間の期間は一定でないのでこの期間に基底
電流Ibが維持できることによりくり返し精度の高い加
工電流波形を出力できる効果がある。
【0044】〈実施の形態8〉実施の形態8の動作を以
下に説明する。図9に示す放電加工用電源装置はこの発
明の実施の形態8である。電流スロープ回路SC5以外
は図7と同様である。電流源C3の出力は、電流スロー
プ回路SC5を経由して電流を断続するスイッチS4と
逆電流を防止するダイオードD8を経由して出力11よ
り電極1または被加工物2に給電線6により接続してい
る。電流スロープ回路SC5は、電流源C3の出力に接
続している入力と電圧源HVの負極HV−間にスイッチ
S10とダイオードD4を接続した直列体の接続点にリ
アクトルL6を接続し、リアクトルL6の他端を電流ス
ロープ回路SC5の出力とし、この電流スロープ回路S
C5の出力と電圧源HVの正極HV+間にダイオードD
5を接続する。また、電流スロープ回路SC5の出力と
電圧源LVの出力との間にスイッチS9とダイオードD
12及び電圧源BVとスイッチS11の直列体にダイオ
ードD13を並列に接続したものを直列に接続する。実
施の形態8は以上のように構成されている。
【0045】図8は実施の形態8を説明するためのタイ
ムチャートである。(a)は出力電流、(b)は出力電
圧、(c)はスイッチS4、S6の動作、(d)はスイ
ッチS10の動作、(e)はスイッチS11の動作、
(f)はスイッチS9の動作を示す。時刻T0以前は、
リアクトルL6の電流が基点電流Ibより所定値下がる
とスイッチS11がオンし、所定値上がるとオフする。
電圧源BVは10V程度の低い電圧で良くスイッチS1
1がオンの時はダイオードD14、スイッチS10、リ
アクトルL6、ダイオードD12、スイッチS9、スイ
ッチ11を通り、リアクトルL6の電流を増加させる。
スイッチS11がオフの時はダイオードD13を通るの
で電圧源BVの電圧が回路に加わらず電流は減少する。
このようにしてリアクトルL6の電流は基点電流Ibに
維持されている。時刻T0において、スイッチS4,S
6をオンさせると電極1と被加工物2間に電圧が加わり
放電発生前は放電開始電圧Vaとなる。この状態では出
力電流は流れていないので、基点電流Ibは上記と同様
に維持されている。時刻T1で放電が発生すると電圧は
放電電圧Vdに下がり、約25V程度のほぼ一定した電
圧となる。このときダイオードD12は逆バイアスにな
り、リアクトルL6の電流は全てスイッチS4を通る出
力電流となる。それまでリアクトルL6を流れていた基
点電流Ibが20に示すように急瞬に流れる。また、同
時に電流指令値22を傾きθで増加させ、リアクトルL
6との電流差が所定値を越えるとオフ(21)、所定値
より下がるとオン(23)して、リアクトルL6の電流
が傾きθの電流増加となるようにスイッチS10を制御
する。この状態を(d)に示す。
【0046】時刻T2においてリアクトルL6の電流は
ピーク電流Ipに達する。電流源C3は定電流Ipを出
力しているのでT2−T3の間は一定の電流Ipを出力
する。この時にはスイッチS10のオンオフによる加工
電流のリップルが無く、安定した放電加工を実現でき
る。
【0047】時刻T3では放電が発生したT1より所定
の時間経過して放電を遮断する。この所定の時間は被加
工物の材料、電極の大きさなどにより決められる火花時
間である。放電を遮断するには、スイッチS4、S6、
S10、S9をオフにする。スイッチS11はリアクト
ルL6の電流が基底電流Ib以上であるとオフの状態で
ある。加工電流は図7と同様に電圧源HVに回生するこ
とにより急速に減少し、T4でゼロになる。リアクトル
L6の電流はダイオードD4、リアクトルL6、ダイオ
ードD5を経由して電圧源HVに回生する。電圧源HV
は電圧が高いのでリアクトルL6の電流はピーク電流I
pから基底電流Ibまで24のように急速に減少する。
T5でリアクトルL6の電流が基底電流Ib以下になる
とスイッチS11、S9がオンし、またスイッチS11
はリアクトルL6の電流が基底電流Ibを維持するよう
にオンオフ制御する。T6はT0と同様に再度出力をオ
ンする時刻であるが、このT6はT5以後でなければ基
底電流Ibから電流を開始できない。T6でスイッチS
4、S6、S10をオンすることによりT0以後の電流
波形と同様の加工電流を出力する。リアクトルL6の電
流を24のように急速に減少することの効果は休止期間
を短くすることができ、加工電流の実効値を高くするこ
とによって加工速度を早くすることができる。またリア
クトルL6の電流は基底電流Ib以下にならないように
スイッチS11をオンオフして制御するので、無負荷時
間の期間であっても電流が低下することはなく、加工電
流をオンする時に正確に基底電流Ibから開始すること
ができる。放電開始電圧の期間は一定でないのでこの期
間に基底電流Ibが維持できることによりくり返し精度
の高い加工電流波形を出力できる効果がある。
【0048】
【発明の効果】この発明は、以上説明したように構成さ
れているので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0049】この発明は、放電加工用電流波形として放
電が発生した直後基点電流まで急瞬に立ち上がり、所定
の増加率で電流をスロープ状に増加し、所定の電流に達
するとピーク電流Ipを一定に維持し、放電が発生した
時点から所定の時間が経過した時加工電流を急瞬に遮断
し、遮断時の給電線6のインダクタンスのエネルギーを
電源に回生して急速に減少することができ所定の放電加
工用電流波形を得ることができ、放電発生時の電極1と
被加工物2間のアーク切れ(放電が消えてしまう現象)
が発生しにくく、加工が安定で、電極1の消耗が少な
く、休止時間を短く設定できるので加工速度が速く、遮
断時の給電線6のインダクタンスのエネルギーとリアク
トルのエネルギーを電源に回生するので発熱が無く、省
エネルギーであるという極めて優れた放電加工用電源装
置を得ることができる効果がある。
【0050】実施の形態2における電流スロープ回路S
C1は基点電流Ibからピーク電流Ipまで所定の電流
増加率で電流を増加し、遮断時はリアクトルL1の電流
を電源に回生し、急速に減少することができる。また、
所定の増加率θで電流を増加させると電極1の消耗を極
めて少なくすることができ、高精度な加工を長時間実現
することができる。
【0051】実施の形態3における電流スロープ回路S
C2は加工電流を遮断する時のリアクトルL11、L1
2の電流減少を実施の形態2に比べさらに速くすること
ができる。
【0052】実施の形態4における電流スロープ回路S
C3は、リップルがなく、滑らかな電流上昇が得られ、
構成が簡単で安価である。
【0053】実施の形態5におけるスイッチS1は矩形
波とスロープ付波形を簡単に切り換えることができ、高
速加工と電極の低消耗加工を同一の装置で行うことがで
きる効果がある。
【0054】実施の形態6においてスイッチS5により
高ピークの電流波形を出力することができ、超鋼などの
硬い金属の放電加工の速度が非常に速くなる優れた効果
がある。また、台形状の電流波形を出力することによっ
て比較的加工速度が速く、被加工物2のクラックを少な
くでき緻密で美麗な加工面が得られる優れた放電加工用
電源装置を得ることができる効果がある。
【0055】実施の形態7においてリアクトルL6の電
流を急速に減少できるので休止期間を短くすることがで
き、加工電流の実効値を高くすることによって加工速度
を早くすることができる。またリアクトルL6の電流は
基底電流Ib以下にならないようにスイッチS7をオン
オフして制御するので、放電開始電圧の期間であっても
電流が低下することはなく、出力電流をオンする時に正
確に基底電流Ibから開始することができ、くり返し精
度の高い加工電流波形を供給できる効果がある。
【0056】実施の形態8において、リアクトルL6の
電流は基底電流Ib以下にならないようにスイッチS1
1をオンオフして制御するので、放電開始電圧の期間で
あっても電流が低下することはなく、出力電流をオンす
る時に正確に基底電流Ibから開始することができ、く
り返し精度の高い加工電流波形を供給できる効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1、2、3、4、5、6
の放電加工用電源装置の一例である。
【図2】この発明の実施の形態1、2、3、4、5の放
電加工用電源装置の動作を説明するためのタイムチャー
トである。
【図3】この発明の実施の形態1における電流源C1、
C2、C3を構成する昇降圧コンバータの一例である。
【図4】この発明の実施の形態3における電流スロープ
回路SC2の一例である。
【図5】この発明の実施の形態4における電流スロープ
回路SC3の一例である。
【図6】この発明の実施の形態6の放電加工用電源装置
の動作を説明するためのタイムチャートである。
【図7】この発明の実施の形態7における放電加工用電
源装置の一例である。
【図8】この発明の実施の形態7、8の放電加工用電源
装置の動作を説明するためのタイムチャートである。
【図9】この発明の実施の形態8における電流スロープ
回路SC5の一例である。
【図10】従来の技術として、特許第2954774号
の図8に開示された「放電加工機用電源装置」である。
【符号の説明】
電圧源 HV、LV、AV、BV 電流源 C1、C2,C3 電極 1 被加工物 2 ダイオード D1、D2、D3、D4、D5 ダイオード D6、D7、D8、D9、D10 ダイオード D11、D12、D13、D1
4、D15、D16 スイッチ S1、S2、S3、S4、S5、
S6 スイッチ S7、S8,S9,S10,S1
1、S12 リアクトル L1、L3、L6、L11、L1
2、L21、L22 給電線6のインダクタンス L4、L5 給電線 6 コンデンサ C4 電流スロープ回路 SC1、SC2、SC3、SC
4、SC5 電流センサ 3 定電流供給部 100 直流電圧 EO リアクトル 103 スイッチング素子 101、111 ダイオード 102、104、112、114 出力電流断続部 110 電極 120 被加工物 121 電圧源 113

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高電圧源を電源として放電開始電圧に近
    い低電圧に変換する低電圧源を備え、前記低電圧源を電
    源として放電加工用電流波形を出力し、加工電流を遮断
    する時に発生するインダクタンスのエネルギーを前記高
    電圧源に回生することを特徴とする放電加工用電源装
    置。
  2. 【請求項2】 放電開始電圧以上にならないように出力
    電圧を制限された第1及び第2の電流源を備え、第2の
    電流源は放電発生時急速に立ち上げる電流値Ibを出力
    し、第1の電流源は電流値Iaを出力し放電発生時から
    電流を一定の増加率で増加させる電流スロープ回路を経
    由して、前記電流値Ibとの合計の電流を断続し、加工
    電流として出力することを特徴とした放電加工用電源装
    置。
  3. 【請求項3】 高電圧源を電源として放電開始電圧に近
    い低電圧に変換する低電圧源を備え、前記低電圧源を電
    源として所定の電流を出力する第1及び第2の電流源を
    備え、前記2つの電流源はそれぞれ出力から入力へ電流
    を流すダイオードD1、D2を有する。第2の電流源の
    出力はダイオードD3を経由し、第1の電流源の出力は
    電流を一定の増加率で増加させる電流スロープ回路を経
    由して、両者の電流の合計を加工電流を断続するスイッ
    チS4を経由して電極と被加工物の一方に接続している
    出力11に接続し、前記出力11は前記高電圧源の負極
    との間にダイオードD9を接続している。前記電極と被
    加工物の他方は、高電圧源の正極と負極の間に接続した
    ダイオードD10とスイッチS6の直列体の接続点であ
    る出力12に接続したことを特徴とする放電加工用電源
    装置。
  4. 【請求項4】 電流スロープ回路は、入力と高電圧源の
    負極との間にスイッチS2とダイオードD4を接続した
    直列体の接続点にリアクトルL1を接続し、リアクトル
    L1の他端を出力とすると共に、この出力と高電圧源の
    正極との間にダイオードD5を接続し、前記リアクトル
    L1の電流が所定の増加率で増加するように前記スイッ
    チS2をオンオフ制御したことを特徴とする請求項1、
    2、3に記載した放電加工用電源装置。
  5. 【請求項5】 電流スロープ回路を複数段直列に接続し
    たことを特徴とする請求項1、2、3、4に記載の放電
    加工用電源装置。
  6. 【請求項6】 電流スロープ回路は、リアクトルL3を
    入力と出力間に接続するとともに、ダイオードD5を前
    記リアクトルL3の出力側と高電圧源の正極との間に接
    続したことを特徴とする請求項1、2、3に記載の放電
    加工用電源装置。
  7. 【請求項7】 電流スロープ回路の入力と出力を短絡す
    るスイッチを設けたことを特徴とする請求項1、2、3
    に記載の放電加工用電源装置。
  8. 【請求項8】 電極または被加工物に接続している出力
    11と前記高電圧源の正極との間にスイッチS5を設
    け、加工電流を断続するスイッチS4から加工電流を出
    力している間に前記スイッチS5を所定の期間オンし、
    出力11より高ピークの加工電流を出力する。加工電流
    を遮断する時は、スイッチS4、S5及び前記スイッチ
    S6をオフし、給電線6のインダクタンスのエネルギー
    を高電圧源に回生することを特徴とする請求項1、2、
    3に記載した放電加工用電源装置。
  9. 【請求項9】 高電圧源を電源として放電開始電圧に近
    い低電圧に変換する低電圧源を備え、前記低電圧源を電
    源として所定の電流を出力する電流源を備え、前記電流
    源は出力から入力へ電流を流すダイオードD14を有す
    る。前記電流源の出力に接続する電流スロープ回路を有
    し、出力電流遮断時には前記電流スロープ回路のリアク
    トルL6の電流を所定の基点電流に維持し、放電時には
    前記基点電流から加工電流を所定の増加率で増加させ、
    加工電流を断続するスイッチS4を経由して電極と被加
    工物の一方に接続している出力11に接続し、前記出力
    11と高電圧源の負極との間にダイオードD9を接続す
    る。前記電極と被加工物の他方は、高電圧源の正極と負
    極の間に接続したダイオードD10とスイッチS6の直
    列体の接続点である出力12に接続したことを特徴とす
    る放電加工用電源装置。
  10. 【請求項10】 電流スロープ回路は、電圧源AVとス
    イッチS7の直列体、ダイオードD11とスイッチS8
    の直列体、前記2つの直列体を並列に接続し、前記並列
    体とダイオードD4との直列体を電流源の出力と高電圧
    源の負極との間に接続し、前記並列体とダイオードD4
    との接続点と、電流スロープ回路の出力に接続している
    加工電流を断続するスイッチS4との間にリアクトルL
    6を接続する。前記電流スロープ回路の出力と高電圧源
    の正極との間にダイオードD5を接続する。また、前記
    電流スロープ回路の出力と前記電流源の入力との間にス
    イッチS9とダイオードD12の直列体を接続したこと
    を特徴とする請求項9に記載の放電加工用電源装置。
  11. 【請求項11】 電流スロープ回路は、入力と高電圧源
    の負極との間にスイッチS10とダイオードD4を接続
    した直列体の接続点にリアクトルL6を接続し、リアク
    トルL6の他端を電流スロープ回路の出力とし、前記電
    流スロープ回路の出力と高電圧源の正極との間にダイオ
    ードD5を接続する。また、前記電流スロープ回路の出
    力と前記電流源の入力との間に、スイッチS9とダイオ
    ードD12の直列体、及び電圧源BVとスイッチS11
    の直列体にダイオードD13を並列に接続したものを直
    列に接続したことを特徴とする請求項9に記載の放電加
    工用電源装置。
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