JP2003178697A - 偏向ヨーク及び表示装置 - Google Patents

偏向ヨーク及び表示装置

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JP2003178697A
JP2003178697A JP2001378246A JP2001378246A JP2003178697A JP 2003178697 A JP2003178697 A JP 2003178697A JP 2001378246 A JP2001378246 A JP 2001378246A JP 2001378246 A JP2001378246 A JP 2001378246A JP 2003178697 A JP2003178697 A JP 2003178697A
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coil
bobbin
horizontal deflection
coil bobbin
circumferential guide
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Yoshikatsu Tanno
吉勝 丹野
Yukihisa Odawara
幸央 小田原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水平偏向コイルによる水平偏向感度を向上さ
せる。 【解決手段】 偏向ヨークの構成として、一方を他方よ
りも大きく開口した筒形構造を有するとともに、大径側
開口部の外周部にボビン中心軸方向に位置を異ならせて
2段の円周ガイド溝24,25を形成してなるコイルボ
ビン20と、このコイルボビン20にサドル形に巻線さ
れるとともに、2段の円周ガイド溝24,25に渡り線
部を分配して巻線してなる水平偏向コイルとを備えるこ
とにより、コイルボビン20の大径側開口部における水
平偏向コイルの渡り線部をボビン中心軸に近いところに
形成し、その渡り線部による磁界が漏洩磁界を打ち消す
作用を強める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、、陰極線管を用い
たテレビジョン受像機やコンピュータ用ディスプレイ等
の表示装置に係り、特に、電子ビームを偏向する偏向ヨ
ーク(DeflectionYoke;DY)に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、陰極線管においては、電子銃か
ら出射された電子ビームの進行方向を上下、左右に偏向
することにより、画面上に画像を組み立てている。電子
ビームの偏向には偏向ヨークが用いられる。偏向ヨーク
は、偏向コイル(水平偏向コイル、垂直偏向コイル)と
コアを有するもので、陰極線管のネック部からファンネ
ル部に至るコーン部に装着される。この偏向ヨークで
は、電子銃から出射された電子ビームを、偏向コイルに
流れる偏向電流(水平偏向電流、垂直偏向電流)の電磁
作用によって上下、左右に偏向する。
【0003】偏向ヨークのコイル巻線方式には、サドル
形(鞍形)と呼ばれる巻線方式とトロイダル形と呼ばれ
る巻線方式がある。一般に、水平偏向コイルにはサドル
形の巻線方式が採用され、垂直偏向コイルにはサドル形
又はトロイダル形の巻線方式が採用されている。また、
サドル形の巻線方式には、コイルボビンを用いた巻線方
式(ボビン巻き)と巻線金型を用いた巻線方式(金型巻
き)がある。
【0004】図6は水平偏向コイルをサドル形に巻線す
る際に用いられるコイルボビンの構造を示すもので、
(A)はコイルボビンを蛍光面側から見たときの正面
図、(B)は(A)におけるMCM′断面図である。な
お、図6(B)においては、コイルボビンの内周側の形
状部を一部省略して示してある。
【0005】図示したコイルボビン50は、ボビン中心
軸(Z軸)方向の一方を他方よりも大きく開口した略円
錐筒形状に形成されている。コイルボビン50の内周側
には複数のガイドリブ51,52が形成されている。ま
た、コイルボビン50の大径側開口部の外周部には円周
ガイド溝53が形成されている。この円周ガイド溝53
は、コイルボビンの内周面に沿って引き出されたコイル
線材を、大径側開口部で円周方向に渡らせるためのもの
で、これと同様の円周ガイド溝が小径側開口部にも形成
されている。
【0006】図7は上記コイルボビン50を用いてサド
ル形に巻線された水平偏向コイルの構造を示す斜視図で
ある。図示した水平偏向コイル54は、これと同様の構
造をなす水平偏向コイルと水平軸(X軸)を境に組み合
わせられて上下一対の水平偏向コイルを構成するもので
ある。水平偏向コイル54は、コイルボビン50の内周
側に巻き付けられる主巻線部55と、コイルボビン50
の大径側開口部の円周ガイド溝53に巻き付けられる渡
り線部56と、小径側開口部の円周ガイド溝に巻き付け
られる渡り線部57とによって形成されている。各々の
渡り線部56,57はベンド部とも呼ばれる。
【0007】このように巻線された水平偏向コイル54
に図中矢印の向きで水平偏向電流を流して水平偏向磁界
を形成した場合、コイルボビン50の大径側開口部では
円周ガイド溝53に巻線された渡り線部56の周りに、
図8に示すように、渡り線部56による磁界φW(以
下、ベンド磁界とも記す)が発生する。ベンド磁界φW
は、水平偏向コイル54が発生するメイン磁界φM1,
φM2のうち、コイルボビン50の大径側開口部から外
側に漏れる漏洩磁界φM2と逆向きに形成される。その
ため、ベンド磁界φWは漏洩磁界φM2を打ち消すよう
に作用する。この漏洩磁界φM2を打ち消す作用は、水
平偏向感度の向上に寄与するものとなる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
偏向ヨークにおいては、コイルボビン50の大径側開口
部でコイル線材を円周ガイド溝53に巻線していく過程
で、円周ガイド溝53内にコイル線材が順に積み重ねら
れるため、巻線が完了した時点では大径側の渡り線部5
6がコイルボビン50の径方向に大きく突出した構造と
なる。そうした場合、渡り線部56の巻線位置はコイル
ボビン50の中心軸(以下、ボビン中心軸とも記す)か
ら離れる。これに対して、水平偏向コイル54のメイン
磁界φM1,φM2はボビン中心軸を中心に発生するた
め、ボビン中心軸から離れた位置に渡り線部56が形成
されると、漏洩磁界φM2を打ち消す作用が小さくなっ
てしまう。
【0009】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れたもので、その目的とするところは、水平偏向感度を
向上させることが可能な偏向ヨークとこれを用いた表示
装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係る偏向ヨーク
は、一方を他方よりも大きく開口した筒形構造を有する
とともに、大径側開口部の外周部にボビン中心軸方向に
位置を異ならせて複数段の円周ガイド溝を形成してなる
コイルボビンと、このコイルボビンにサドル形に巻線さ
れるとともに、複数段の円周ガイド溝に渡り線部を分配
して巻線してなる水平偏向コイルとを備えた構成となっ
ている。また、本発明に係る表示装置は、上記構成の偏
向ヨークを陰極線管に搭載したものとなっている。
【0011】上記構成の偏向ヨーク及び表示装置におい
ては、コイルボビンの大径側開口部の外周部に複数段の
円周ガイド溝を形成し、これらの円周ガイド溝に水平偏
向コイルの渡り線部を分配して巻線することにより、コ
イルボビンの径方向における渡り線部の突出寸法が小さ
く抑えられる。これにより、渡り線部による磁界を従来
よりもボビン中心軸に近いところで発生させることが可
能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0013】図1は本発明が適用される陰極線管の全体
像を示す概略斜視図である。図1において、陰極線管バ
ルブ(陰極線管本体)10は、パネル部11、ファンネ
ル部12及びネック部13により構成されている。パネ
ル部11の内面には、青,緑,赤の各色蛍光体をパター
ン配列した蛍光面(不図示)が形成されている。一方、
ネック部13には、電子ビームの出射源となる電子銃1
4が内装されている。また、ネック部13からファンネ
ル部12に至るコーン部には、電子ビームを偏向するた
めの偏向ヨーク15が装着されている。
【0014】上記構成の陰極線管は、パネル部11内面
の蛍光面にカラー画像(又は白黒画像)を再現するのに
必要な各種の付属部品とともに図示せぬ筐体に組み込ま
れ、これによってテレビジョン受像機やコンピュータ用
ディスプレイ等の表示装置が構成される。
【0015】図2は本発明に係る偏向ヨークの一部破断
面を含む側面図である。図2において、偏向ヨーク15
には、水平偏向コイル16、垂直偏向コイル17、コア
18及びリングマグネット19等の部品が装備されてい
る。水平偏向コイル16は後述するコイルボビンを用い
てサドル形に巻線されている。垂直偏向コイル17は、
金型巻き又はボビン巻きによってサドル形に巻装されて
いる。
【0016】また、水平偏向コイル16は偏向ヨーク1
5の上下(垂直方向)に対をなして配置され、垂直偏向
コイル17は偏向ヨーク15の左右(水平方向)に対を
なして配置されている。そして、電子銃14から出射さ
れる3本の電子ビームの軌道上において、水平偏向コイ
ル16は電子ビームを画面の左右方向(水平方向)に偏
向する水平偏向磁界を形成し、垂直偏向コイル17は電
子ビームを画面の上下方向(垂直方向)に偏向する垂直
偏向磁界を形成する。なお、垂直偏向コイル17は、偏
向ヨーク15の上下に対をなしてコア18にトロイダル
形に巻装される場合もある。
【0017】コア18はフェライト等の磁性材料からな
るもので、ヨーク中心軸(Z軸)方向の一方を他方より
も大きく開口した筒型構造をなしている。このコア18
は、水平偏向コイル16及び垂直偏向コイル17が発生
する磁界の効力をより高めるために、それらの偏向コイ
ル16,17を覆うように装着されている。リングマグ
ネット19は、電子銃14の組み立て誤差等による電子
ビームの軌道ずれを補正するために、偏向ヨーク15の
後端部に取り付けられている。
【0018】図3は本発明の実施形態で採用した水平偏
向コイル巻線用のコイルボビンの構造を示すもので、
(A)はコイルボビンを蛍光面側から見たときの正面
図、(B)は(A)におけるNCN′断面図である。な
お、図3(B)においては、コイルボビンの内周側の形
状部を一部省略して示してある。
【0019】図示したコイルボビン20は、樹脂等の絶
縁材料によって構成されるものである。このコイルボビ
ン20は、ボビン中心軸(Z軸)方向の一方を他方より
も大きく開口した略円錐筒形状に形成されている。コイ
ルボビン20の内周側には大径側開口部と小径側開口部
に分離した状態でそれぞれ複数のガイドリブ21,22
が形成されている。これらのガイドリブ21,22は、
コイルボビン20の内側に水平偏向コイルのコイル線材
を巻線する際のガイドとなるものである。
【0020】大径側開口部寄りのガイドリブ21は、台
形状の窓部23の両側に所定の円周ピッチで放射状に設
けられている。この場合の窓部23は、コイルボビン2
0にコイル線材を巻線する場合にガイドリブ21と同様
のガイド機能を果たすことから、ガイドリブの一つと捉
えることができる。各々のガイドリブ21の最外周部
は、互いに隣接するガイドリブ間にコイル線材を通すた
めにスリット状に切り欠かれている。なお、ガイドリブ
21,22については、ボビン中心軸方向で分離されず
に連続的に形成される場合もある。
【0021】また、コイルボビン20の大径側開口部の
外周部には、ボビン中心軸方向に位置を異ならせて2段
の円周ガイド溝24,25が形成されている。各々の円
周ガイド溝24,25は、コイルボビン20に巻線され
るコイル線材を大径側開口部で円周方向に渡らせるため
のもので、図例ではコイルボビン20の全周に渡って形
成されている。ただし、コイル線材の巻線位置によって
必ずしも円周ガイド溝24,25を全周に渡って形成す
る必要はない。
【0022】円周ガイド溝24,25は、断面略凹形状
をなすもので、一方の円周ガイド溝25の溝幅は従来の
1段構造の円周ガイド溝53(図6参照)の溝幅とほぼ
等しく設定されている。したがって、2つの円周ガイド
溝24,25を合わせた溝幅は、従来の1段構造の円周
ガイド溝の溝幅よりも大きく設定されている。また、円
周ガイド溝25の溝幅は、円周ガイド溝24の溝幅より
も若干大きく設定されている。
【0023】これら2つの円周溝24,25は、Y軸方
向に沿う3つの突出部26,27,28によって区画形
成されている。即ち、円周ガイド溝24は突出部26,
27によって区画形成され、円周ガイド溝25は突出部
27,28によって区画形成されている。このうち、突
出部26はコイルボビン20の最前端に形成されてい
る。この突出部26は、窓部23の最外周部とこれに沿
うガイドリブ21の最外周部によって形成されている。
突出部27,28は突出部26からボビン中心軸方向に
順次位置をずらした状態で形成されている。これによ
り、2段の円周ガイド溝24,25は、中央の突出部2
7を境に仕切られている。
【0024】また、中央の突出部27には、2段の円周
ガイド溝24,25を連通させる複数のスリット29が
形成されている。各々のスリット29は、コイルボビン
20の円周方向で互いに隣り合うガイドリブ21間に臨
むように形成されている。さらに、コイルボビン20の
径方向(本例では半径方向を意味する)においては、円
周ガイド溝25の最内周部(凹溝形状の底面部)が円周
ガイド溝24の最内周部よりも内側(ボビン中心軸側)
に形成され、これによって各々の円周ガイド溝24,2
5の最内周部が段違いの構造となっている。ちなみに、
図3(B)においては、各々の円周ガイド溝24,25
の最内周部がボビン中心軸に沿った平面形状となってい
るが、これをコイルボビン20の内周面に沿った斜面形
状とすると、より好ましいものとなる。
【0025】上記コイルボビン20に対しては、当該コ
イルボビン20の大径側開口部で渡り線部(ベンド部)
を形成する水平偏向コイルのコイル線材が、上述した2
段の円周ガイド溝24,25に分配して巻線される。以
下に、具体的な巻線手順について説明する。
【0026】先ず、コイルボビン20を用いて水平偏向
コイルをサドル形に巻線する場合、コイルボビン20の
内側(内周部)ではボビン中心軸に沿う方向で各々のガ
イドリブ21,22の間にコイル線材が巻き付けられ
る。また、コイルボビン20の大径側開口部と小径側開
口部では、それぞれ垂直軸に交叉する状態でコイル線材
が円周方向に渡される。
【0027】その際、コイルボビン20の円周方向にお
いては、水平偏向コイルのコイル線材を垂直軸(Y軸)
寄りから巻き始める。その後、コイル線材の巻き付け位
置を水平軸(X軸)側に徐々にずらしながら巻線し、最
終的には水平軸の近傍まで巻線する。このとき、コイル
ボビン20の大径側開口部では、巻き始め側(垂直軸寄
り)のコイル線材がガイドリブ21間及びスリット29
を通して円周ガイド溝25内に導入され、この円周ガイ
ド溝25に沿って円周方向に渡される。その後、巻線タ
ーンの回数が所定数に達すると、今度はガイドリブ21
間を通して円周ガイド溝24内にコイル線材が導入さ
れ、この円周ガイド溝24に沿って円周方向に渡され
る。これにより、コイルボビン20の大径側開口部で
は、巻き始め側のコイル線材が円周ガイド溝25に、巻
き終わり側(水平軸寄り)のコイル線材が円周ガイド溝
24にそれぞれ巻き付けられる。このようにコイルボビ
ン20に水平偏向コイルを巻線することにより、2段の
円周ガイド溝24,25に対して水平偏向コイルの渡り
線部が分配して巻線されることになる。
【0028】その際、各々の円周ガイド溝24,25の
最内周部が先述のように段違いの構造になっている場合
は、円周ガイド溝25へのコイル線材の巻き付け本数を
円周ガイド溝24のそれよりも多くし、これによって各
々の円周ガイド溝24,25におけるコイル線材の積み
上げ高さ位置がコイルボビン20の径方向でほぼ等しく
なるように調整するで、渡り線部の突出寸法を極力低く
抑えることができる。
【0029】なお、コイルボビン20を用いた水平偏向
コイルの巻線手順としては、巻き始め側のコイル線材を
円周ガイド溝24に、巻き終わり側のコイル線材を円周
ガイド溝25にそれぞれ巻線するようにしてもよい。
【0030】こうしてコイルボビン20にサドル形に巻
線された水平偏向コイルを備える偏向ヨーク15におい
ては、コイルボビン20の大径側開口部の渡り線部を従
来よりもボビン中心軸に近い位置に形成することができ
る。即ち、従来のコイルボビン50の場合は、図4
(A)に示すように、大径側開口部の円周ガイド溝53
が一段で形成されているため、コイル線材の積み重ねに
よって形成される渡り線部56がコイルボビン50の径
方向に大きく突出した構造となる。そのため、ボビン中
心軸(Z軸)から渡り線部56の巻線中心までの距離L
aがどうしても長くなってしまう。
【0031】これに対して、本実施形態のコイルボビン
20の場合は、図4(B)に示すように、大径側開口部
の円周ガイド溝24,25が2段で形成され、これらの
円周ガイド溝24,25に渡り線部31A,31Bが分
配して巻線されているため、コイルボビン20の径方向
で渡り線部31A,31Bの突出寸法を小さく抑えるこ
とができる。そのため、ボビン中心軸から渡り線部31
A,31Bの巻線中心までの距離Lbを従来(距離L
a)よりも短縮することができる。
【0032】これにより、本実施形態の偏向ヨーク15
においては、図5に示すように、実際にコイルボビン2
0を用いて巻線された水平偏向コイル16に水平偏向電
流を流して水平偏向磁界を形成した場合、コイルボビン
20の大径側開口部の渡り線部31A,31Bによるベ
ンド磁界φWを従来よりもZ軸に近いところで発生させ
ることができる。したがって、水平偏向コイル16によ
るメイン磁界φM1,φM2のうち、コイルボビン20
の大径側開口部から外側に漏れる漏洩磁界φM2にに対
しては、渡り線部31A,31Bによるベンド磁界φW
の作用が大きくなる。即ち、漏洩磁界φM2に対しては
これと逆向きでベンド磁界φWが形成されるとともに、
このベンド磁界φWがZ軸に近いところで発生するた
め、漏洩磁界φM2を打ち消す作用が大きくなる。ま
た、コイルボビン20の内側ではメイン磁界φM1に対
してこれとほぼ同じ向きでベンド磁界φWが形成され、
このベンド磁界φWがZ軸に近いところで発生するた
め、メイン磁界φM1を強める作用も大きくなる。
【0033】その結果、水平偏向磁界の強度分布として
は、図5の下段に示すように、漏洩磁界φM2を打ち消
す作用とメイン磁界φM1を強める作用の相乗効果によ
り、磁界強度のピーク位置P1を従来(図中破線で示
す)のピーク位置P2よりも電子銃側に移動させること
ができる。これにより、同じ画面サイズの陰極線管で電
子ビームを偏向する場合に、水平方向の偏向角度を従来
よりも小さくすることができるため、これに伴う消費電
力の低減によって水平偏向感度を向上させることができ
る。
【0034】ちなみに、本発明者による実験では、21
型(21インチ)の画面サイズをもつ陰極線管を使って
水平偏向パワー(LI2)を比較したところ、従来の偏
向ヨークを用いた場合は12.50(mH・A2)であ
ったものが、本実施形態の偏向ヨークを用いた場合は1
1.97(mH・A2)となり、相対比で水平偏向パワ
ーを4.3%ほど低減できることが確認された。
【0035】なお、上記実施形態においては、コイルボ
ビン20に2段の円周ガイド溝24,25を形成すると
したが、円周ガイド溝の段数は3段以上としてもよい。
ただし、コイルボビンの外周側に組み込まれる垂直偏向
コイルやコアとの寸法関係、或いは陰極線管のコーン形
状等を考慮すると、円周ガイド溝の段数を極端に多くす
ることはできないため、実用上は2段又は3段に設定す
ることが望ましい。
【0036】また、上記実施形態においては、大径側の
開口形状を円形としたコイルボビン20を用いたが、本
発明はこれに限らず、例えば偏向効率の更なる向上を目
的として、大径側の開口形状を略四角形(角形)とした
コイルボビンを用いることも可能である。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、コ
イルボビンの大径側開口部の外周部に複数段の円周ガイ
ド溝を形成し、これらの円周ガイド溝に水平偏向コイル
の渡り線部を分配して巻線することにより、コイルボビ
ンの径方向における渡り線部の突出寸法を小さく抑える
ことができる。これにより、渡り線部による磁界を従来
よりもボビン中心軸に近いところで形成し、漏洩磁界を
打ち消す作用を強めることができる。その結果、水平偏
向角度を小さくして水平偏向感度を向上させることが可
能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される陰極線管の全体像を示す概
略斜視図である。
【図2】本発明に係る偏向ヨークの一部破断面を含む側
面図である。
【図3】本発明の実施形態で採用した水平偏向コイル巻
線用のコイルボビンの構造を示す図である。
【図4】渡り線部の巻線位置関係を比較する図である。
【図5】水平偏向コイルによる磁界とその強度分布を説
明する図である。
【図6】従来における水平偏向コイル巻線用のコイルボ
ビンの構造を示す図である。
【図7】水平偏向コイルの斜視図である。
【図8】水平偏向コイルによる磁界を説明する図であ
る。
【符号の説明】
10…陰極線管バルブ、15…偏向ヨーク、16…水平
偏向コイル、20…コイルボビン、24,25…円周ガ
イド溝、31A,31B…渡り線部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一方を他方よりも大きく開口した筒形構
    造を有するとともに、大径側開口部の外周部にボビン中
    心軸方向に位置を異ならせて複数段の円周ガイド溝を形
    成してなるコイルボビンと、 前記コイルボビンにサドル形に巻線されるとともに、前
    記複数段の円周ガイド溝に渡り線部を分配して巻線して
    なる水平偏向コイルとを備えることを特徴とする偏向ヨ
    ーク。
  2. 【請求項2】 前記複数段の円周ガイド溝の最内周部を
    前記コイルボビンの径方向で段違いに形成してなること
    を特徴とする請求項1記載の偏向ヨーク。
  3. 【請求項3】 一方を他方よりも大きく開口した筒形構
    造を有するとともに、大径側開口部の外周部にボビン中
    心軸方向に位置を異ならせて複数段の円周ガイド溝を形
    成してなるコイルボビンと、 前記コイルボビンにサドル形に巻線されるとともに、前
    記複数段の円周ガイド溝に渡り線部を分配して巻線して
    なる水平偏向コイルとを備える偏向ヨークを陰極線管に
    搭載してなることを特徴とする表示装置。
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