JP2003176861A - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

トロイダル型無段変速機

Info

Publication number
JP2003176861A
JP2003176861A JP2001377580A JP2001377580A JP2003176861A JP 2003176861 A JP2003176861 A JP 2003176861A JP 2001377580 A JP2001377580 A JP 2001377580A JP 2001377580 A JP2001377580 A JP 2001377580A JP 2003176861 A JP2003176861 A JP 2003176861A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
toroidal
drive shaft
transmission
torque
speed
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001377580A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeshi Yoneda
毅 米田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Subaru Corp
Original Assignee
Fuji Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Heavy Industries Ltd filed Critical Fuji Heavy Industries Ltd
Priority to JP2001377580A priority Critical patent/JP2003176861A/ja
Publication of JP2003176861A publication Critical patent/JP2003176861A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Friction Gearing (AREA)
  • Transmission Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 入力軸から入力される駆動力を2組のトロイ
ダル変速部を介して異なる2軸の駆動軸に伝達可能なト
ロイダル型無段変速機において、各駆動軸間の駆動力配
分を適正に制御する。 【解決手段】 第2のトロイダル変速部12とリアドラ
イブ軸39との間にトルク伝達容量を可変に設定可能な
油圧多板クラッチ38を設けることで第1のトロイダル
変速部12とリアドライブ軸39との間の伝達トルク量
を可変に制御する。その際、第2のトロイダル変速部1
2の変速制御によって、油圧多板クラッチ38のドライ
ブプレート45a側の回転速度がドリブンプレート45
b側の回転速度よりも高くなるよう制御することによ
り、トルク(駆動力)の伝達方向を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、2組のトロイダル
変速部を有し、入力軸からの駆動力を変速して異なる2
つの駆動軸に配分するトロイダル型無段変速機に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、自動車等の車両に搭載される
変速機としては、エンジンの回転を無段階に変速して駆
動軸に伝達可能なトロイダル型無段変速機が知られてい
る。トロイダル型無段変速機は、一般に、伝達可能な動
力の容量を大きくするため、複数組のトロイダル変速部
を組み合わせて構成される。
【0003】この種のトロイダル型無段変速機におい
て、例えば特開平5−157151号公報には、1本の
入力軸上に2組のトロイダル変速部を設け、一方のトロ
イダル変速部の出力ディスクを前輪駆動軸に連結し、他
方のトロイダル変速部の出力ディスクを後輪駆動軸に連
結することにより4輪駆動システムを構築する技術が開
示されている。そして、上記公報には、その制御とし
て、一方のトラニオンに設けた変位軸の傾斜角度と、他
方のトラニオンに設けた変位軸の傾斜角度とを異ならせ
る制御を行うことで、進路変更時における前輪と後輪と
の回転速度差を吸収しつつ4輪駆動車の駆動を行う技術
が開示されている。さらに、上記公報には、前輪駆動軸
と後輪駆動軸とを断接自在なクラッチを設けることで、
トロイダル型無段変速機を用いた4輪駆動システムに、
ぬかるみ脱出用、或いは雪道走行用のデフロック機能と
しての機能を持たせる技術が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述の特開
平5−157151号公報に開示された技術では、各ト
ロイダル変速部による変速によって各駆動軸の回転速度
を不等に制御することは可能であるものの、前輪側と後
輪側とに伝達される駆動力の配分比を走行状態に応じて
制御することは困難である。すなわち、上述のトロイダ
ル型無段変速機では、トロイダル変速部による変速によ
って回転速度やトルクを変化させても、それらの積(す
なわちトロイダル変速部から駆動軸に伝達される駆動
力)は変化しないため、前後輪への駆動力配分比を制御
することは困難である。この場合、デフロック機能を実
現するために設けられたクラッチをスリップ制御するこ
とで前後輪間の駆動力配分比を変化させることは可能と
なるが、単にクラッチをスリップ制御するだけの制御で
は、駆動力(トルク)の伝達方向まで規定することは困
難であり、この制御が、車両挙動を制御する上で却って
好ましくない制御となる虞がある。
【0005】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、入力軸から入力される駆動力を2組のトロイダル変
速部を介して異なる2軸の駆動軸に伝達可能なトロイダ
ル型無段変速機において、各駆動軸間の駆動力配分を適
正に制御することのできるトロイダル型無段変速機を提
供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1記載の発明によるトロイダル型無段変速機
は、入力軸の回転を無段階に変速して第1の駆動軸に伝
達する第1のトロイダル変速部と、上記入力軸の回転を
無段階に変速して第2の駆動軸に伝達する第2のトロイ
ダル変速部と、上記第2のトロイダル変速部と上記第2
の駆動軸との間に介装されこれらの間で容量可変にトル
ク伝達可能な摩擦係合手段と、上記摩擦係合手段におけ
る上記第2のトロイダル変速部側の摩擦係合要素の回転
速度が上記第2の駆動軸側の摩擦係合要素の回転速度よ
りも大きくなるよう上記第2のトロイダル変速部の変速
比を制御するとともに、上記摩擦係合手段のトルク伝達
容量を制御する駆動力配分制御手段と、を備えたことを
特徴とする。
【0007】また、請求項2記載の発明によるトロイダ
ル型無段変速機は、入力軸の回転を無段階に変速して第
1の駆動軸に伝達する第1のトロイダル変速部と、上記
入力軸の回転を無段階に変速して第2の駆動軸に伝達す
る第2のトロイダル変速部と、上記第1の駆動軸と上記
第2の駆動軸との間に介装されこれらの間で容量可変に
トルク伝達可能な摩擦係合手段と、上記第1の駆動軸と
上記第2の駆動軸との間に差回転速度を発生させて上記
摩擦係合手段によるトルク伝達方向を規定すべく上記第
1のトロイダル変速部或いは上記第2のトロイダル変速
部の少なくとも何れか一方を変速制御するとともに、上
記摩擦係合手段のトルク伝達容量を制御する駆動力配分
制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0008】また、請求項3記載の発明によるトロイダ
ル型無段変速機は、入力軸の回転を無段階に変速する第
1のトロイダル変速部と、上記第1のトロイダル変速部
による変速駆動力を第1の駆動軸と第2の駆動軸とに伝
達可能なディファレンシャル装置と、上記入力軸の回転
を無段階に変速する第2のトロイダル変速部と、上記第
2のトロイダル変速部と上記第2の駆動軸との間に介装
されこれらの間で容量可変にトルク伝達可能な摩擦係合
手段と、上記第1のトロイダル変速部と上記第2のトロ
イダル変速部との間の変速比を異ならせて上記摩擦係合
手段によるトルク伝達方向を規定すべく上記第1のトロ
イダル変速部或いは上記第2のトロイダル変速部の少な
くとも何れか一方を変速制御するとともに、上記摩擦係
合手段のトルク伝達容量を制御する駆動力配分制御手段
と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。図1,2は本発明の第1の実施の
形態に係わり、図1は車両の概略構成を示す説明図、図
2は旋回時における駆動力配分制御ルーチンを示すフロ
ーチャートである。
【0010】図1において、符号1は車両前部に配置さ
れたエンジンを示し、このエンジン1による駆動力は、
トルクコンバータ2及び前後進切換装置3を介して、ト
ロイダル型無段変速機5に伝達される。
【0011】トロイダル型無段変速機5は、いわゆるダ
ブルキャビティ式のトロイダル型無段変速機で構成され
るもので、前後進切換装置3から延出された入力軸10
上に、第1,第2のトロイダル変速部11,12が配設
されて要部が構成されている。
【0012】第1のトロイダル変速部11は、入力軸1
0上に回転不能に軸支された第1の入力ディスク15
と、入力軸10上に回転自在に軸支された第1の出力デ
ィスク16とを有して構成されている。これら第1の入
力ディスク15及び第1の出力ディスク16は互いに対
向され、その対向面には、互いに対称形状をなす断面円
弧形の凹面15a,16aが設けられている。第1の入
力ディスク15と第1の出力ディスク16との間には入
力軸10に対して捻れ位置にある枢軸を中心として揺動
する複数のトラニオン17が設けられている。各トラニ
オン17の中心部には変位軸18が設けられ、この変位
軸18には、パワーローラ19が回転自在に支持されて
いる。各パワーローラ19は、第1の入,出力ディスク
15,16の凹面15a,16aに挟持され、第1の入
力ディスク15からの回転を傾倒角に応じた変速比で変
速して第1の出力ディスク16に伝達するようになって
いる。すなわち、この第1のトロイダル変速部11にお
いては、トラニオン17の揺動に伴ってパワーローラ1
9の傾倒角が変化すると、パワーローラ19の各凹面1
5a,16aに対する摩擦係合点が変化し、変速比が無
段階に変化する。
【0013】第2のトロイダル変速部12は、入力軸1
0上に回転不能に軸支された第2の入力ディスク20
と、入力軸10上に回転自在に軸支された第2の出力デ
ィスク21とを有して構成されている。これら第2の入
力ディスク20及び第2の出力ディスク21は互いに対
向され、その対向面には、互いに対称形状をなす断面円
弧形の凹面20a,21aが設けられている。第2の入
力ディスク20と第2の出力ディスク21との間には入
力軸10に対して捻れ位置にある枢軸を中心として揺動
する複数のトラニオン22が設けられている。各トラニ
オン22の中心部には変位軸23が設けられ、この変位
軸23には、パワーローラ24が回転自在に支持されて
いる。各パワーローラ24は、第2の入,出力ディスク
20,21の凹面20a,21aに挟持され、第2の入
力ディスク20からの回転を傾倒角に応じた変速比で変
速して第2の出力ディスク21に伝達するようになって
いる。すなわち、この第2のトロイダル変速部12にお
いては、トラニオン22の揺動に伴ってパワーローラ2
4の傾倒角が変化すると、パワーローラ24の各凹面2
0a,21aに対する摩擦係合点が変化し、変速比が無
段階に変化する。
【0014】第1の出力ディスク16の外周にはリダク
ションドライブギヤ30が設けられている。リダクショ
ンドライブギヤ30にはリダクションドリブンギヤ31
が噛合され、リダクションドリブンギヤ31に伝達され
た第1の出力ディスク16からの変速駆動力は、第1の
駆動軸としてのフロントドライブ軸32を介して前輪終
減速装置33に入力される。そして、前輪終減速装置3
3に入力された駆動力は、左右の前輪ドライブ軸34
l,34rを経て左右の前輪35l,35rに伝達され
る。
【0015】一方、第2の出力ディスク21の外周には
リダクションドライブギヤ36が設けられている。リダ
クションドライブギヤ36にはリダクションドリブンギ
ヤ37が噛合され、リダクションドリブンギヤ37に伝
達された第2の出力ディスク21からの変速駆動力は、
摩擦係合手段としての油圧多板クラッチ38及び第2の
駆動軸としてのリアドライブ軸39を介して後輪終減速
装置40に入力可能となっている。そして、後輪終減速
装置40に入力された駆動力は、左右の後輪ドライブ軸
41l,41rを経て左右の後輪42l,42rに伝達
される。
【0016】この場合、油圧多板クラッチ38は、リダ
クションドリブンギヤ37側に設けたドライブプレート
45aとリアドライブ軸39側に設けたドリブンプレー
ト45bとが交互に重ねられて構成されたクラッチ部4
5と、このクラッチ部45の締結力(トルク伝達容量)
を可変自在に付与するピストン46とを有して構成され
ている。従って、本車両は、ピストン46による押圧力
を制御してクラッチ部45のトルク伝達容量を制御する
ことで、駆動力配分比を前輪と後輪で、例えば100:
0から50:50の間で可変できるフロントエンジン・
フロントドライブ車ベース(FFベース)の4輪駆動車
となっている。
【0017】各トロイダル変速部11,12における変
速比(パワーローラ19,24の傾倒角)、及び、油圧
多板クラッチ38におけるトルク伝達容量(ピストン4
6の押圧力)は、トランスミッション制御部50で制御
される。すなわち、トランスミッション制御部50は、
駆動力配分制御手段としての機能を有し、油圧回路51
を介してトラニオン17,22(パワーローラ19,2
4)の傾倒角を制御するとともに、油圧回路51を介し
てピストン46の押圧力を制御する。
【0018】具体的に説明すると、トランスミッション
制御部50には、エンジン制御部55、ABS(アンチ
ロックブレーキシステム)制御部56、ブレーキ制御部
57等の各種制御部が接続され、エンジン制御部55か
らスロットル開度等の信号が入力されるとともに、AB
S制御部56からABS作動信号等の信号が入力され、
さらに、ブレーキ制御部57から各輪のブレーキ制御作
動信号や路面摩擦係数推定値等の信号が入力されるよう
になっている。
【0019】また、トランスミッション制御部50に
は、第1の入力ディスク15及び第2の入力ディスク2
0の回転数を検出するパルスピックアップ60、第1の
出力ディスク16の回転数を検出するパルスピックアッ
プ61、第2の出力ディスク21の回転数を検出するパ
ルスピックアップ62、左右前輪35l,35r及び左
右後輪42l,42rの回転数をそれぞれ検出する車輪
速センサ63r,63l,64r,64l、横加速度セ
ンサ65、ヨーレートセンサ66、舵角センサ67等の
各種センサ類が接続され、これらからの検出信号が入力
されるようになっている。
【0020】そして、トランスミッション制御部50で
は、各種入力信号に基づいて第1,第2のトロイダル変
速部11,12に対する変速比を設定してこれらの変速
制御を行う。その際、トランスミッション制御部50で
は、ドライブプレート45aの回転速度がドリブンプレ
ート45bの回転速度よりも相対的に高くなるよう第2
のトロイダル変速部12の変速比を補正することによ
り、油圧多板クラッチ38におけるトルクの伝達方向を
規定するとともに、ピストン46の押圧力を制御して後
輪側への要求トルクに応じたトルク伝達容量を油圧多板
クラッチ38に発生させる。
【0021】すなわち、トルクの伝達方向は締結される
クラッチ要素間の回転速度の高低関係によって定まる
(すなわち、クラッチトルクは常に高回転速度側から低
回転速度側に伝達される)ことから、トランスミッショ
ン制御部50では、ドライブプレート45aの回転速度
が、後輪42l,42rの車輪速から求まるドリブンプ
レート45b(リアドライブ軸39)の回転速度よりも
相対的に高くなるよう第2のトロイダル変速部12を制
御することで、油圧多板クラッチ38によって伝達され
るトルクの方向が、第2のトロイダル変速部12側から
リアドライブ軸39側となるよう制御する。そして、後
輪側への要求トルクに応じたトルク伝達容量を油圧多板
クラッチ38に発生させることにより、後輪側へ伝達さ
れるトルク量を制御する。
【0022】次に、トランスミッション制御部50によ
る駆動力配分制御の一例として、車両旋回時における駆
動力配分制御ルーチンについて図2のフローチャートを
参照して説明する。このルーチンは、例えば車速及びハ
ンドル舵角等に基づいて車両が旋回状態であると判定さ
れた間に所定時間毎に実行されるもので、ルーチンがス
タートすると、先ず、ステップS101において、各セ
ンサ出力等から車両の挙動状態を推定する。続くステッ
プS102では、車両のスタビリティファクタを求め、
このスタビリティファクタから現在の車両のステアリン
グ特性(すなわち、オーバーステア傾向にあるか、或い
は、アンダーステア傾向にあるか)を推定する。続くス
テップS103では、車両挙動状態から各輪のタイヤス
リップ率を算出する。
【0023】そして、ステップS104に進み、車両挙
動状態及びタイヤスリップ率等に基づいて第1,第2の
トロイダル変速部11,12の変速制御を行う。具体的
には、ステップS104では、先ず、車両挙動状態及び
タイヤスリップ率から、各ドライブ軸32,39の目標
回転速度を推定する。そして、ステップS104では、
フロントドライブ軸32の目標回転速度に基づいて第1
のトロイダル変速部11に対する変速制御を行うととも
に、リアドライブ軸39の目標回転速度を所定に増加補
正し、この増加補正した目標回転数に基づいて第2のト
ロイダル変速部12に対する変速制御を行う。この場
合、リアドライブ軸39の目標回転速度は、後輪42
l,42rの車輪速から求まるリアドライブ軸39の回
転速度(実回転速度)よりも相対的に高くなるよう増加
補正される。その際の目標回転速度は、後輪側に多少の
回転変動が発生したとしても常に目標回転速度が実回転
速度よりも大きくなる程度の必要最小限の値に増加補正
されるもので、例えば予め実験等により設定されマップ
等に格納された補正量に基づいて補正される。すなわ
ち、第2のトロイダル変速部12の変速制御によって、
油圧多板クラッチ38は、ドライブプレート45a側の
回転速度がドリブンプレート45b側の回転速度よりも
常に微小量だけ高くなるよう制御される。
【0024】続くステップS105では、現在のステア
リング特性をニュートラルステア(或いは弱アンダース
テア)に近づけるための後輪伝達トルク量を算出し、こ
のトルク量に応じたトルク伝達容量が発生するよう油圧
多板クラッチ38のピストン押圧力を制御した後、ルー
チンを抜ける。
【0025】このような実施の形態によれば、第2のト
ロイダル変速部12とリアドライブ軸39との間にトル
ク伝達容量を可変に設定可能な油圧多板クラッチ38を
設けることにより、第2のトロイダル変速部12とリア
ドライブ軸39との間の伝達トルク量を可変に制御する
ことができる。その際、第2のトロイダル変速部12の
変速制御によって、油圧多板クラッチ38のドライブプ
レート45a側の回転速度がドリブンプレート45b側
の回転速度よりも高くなるよう制御することにより、ト
ルク(駆動力)の伝達方向を制御することができる。従
って、走行状態等に応じて、エンジン1からの駆動力を
前後輪間で100:0から50:50の間の任意の配分
率に可変制御することができ、車両の走行安定性を向上
することができる。
【0026】この場合、トルクの流れ方向は、単にクラ
ッチ要素間の回転速度の大小に依存するものであって、
差回転速度の程度(大小)には殆ど依存しないことに着
目し、ドライブプレート45a側とドリブンプレート4
5b側との間の差回転速度が微小となるよう制御するこ
とにより、駆動力伝達時の両プレート45a,45b間
の滑り量を低減することができ、駆動力損失の低減や油
圧多板クラッチ38の耐久性の向上等を図ることができ
る。
【0027】次に、図3は本発明の第2の実施の形態に
係わり、車両の概略構成を示す説明図である。なお、本
実施の形態は、リアドライブ軸39をリダクションドリ
ブンギヤ37に直結し、フロントドライブ軸32とリア
ドライブ軸39を断接自在な摩擦係合手段としての油圧
多板クラッチ70を設けた点が、上述の第1の実施の形
態と異なる。この場合、上述の第1の実施の形態では基
本となる前後輪間の駆動力配分比が例えば100:0に
設定され前輪側から後輪側への駆動力を配分する構成で
あるのに対し、本実施の形態では、基本となる前後輪間
の駆動力配分比が例えば50:50に設定され、前輪側
から後輪側、或いは、後輪側から前輪側の双方向に駆動
力を伝達可能な構成となっている。その他、同様の構成
については、同符号を付して説明を省略する。
【0028】すなわち、本実施の形態において、フロン
トドライブ軸32は後方に延設されているとともに、リ
アドライブ軸39は前方に延設されている。そして、こ
れら両軸32,39の間には、油圧多板クラッチ70が
介装されている。この場合、油圧多板クラッチ70は、
フロントドライブ軸32側に設けた第1のクラッチプレ
ート71aとリアドライブ軸39側に設けた第2のクラ
ッチプレート71bとが交互に重ねられて構成されたク
ラッチ部71と、このクラッチ部71の締結力(トルク
伝達容量)を可変自在に付与するピストン72とを有し
て構成されている。
【0029】このような構成において、トランスミッシ
ョン制御部50は、車両の走行状態等に基づいて、例え
ば、前後輪間の駆動力配分比を前輪偏重へと移行させる
旨の判定を行うと、第1のトロイダル変速部11或いは
第2のトロイダル変速部12の少なくとも何れか一方の
変速制御によって、リアドライブ軸39の回転速度がフ
ロントドライブ軸32の回転速度よりも微小量だけ高く
なるよう制御する。そして、ピストン72による押圧力
を制御することで、算出された所望のトルク量に応じた
トルク伝達容量をクラッチ部71に発生させる。これに
より、油圧多板クラッチ70(クラッチ部71)のトル
ク伝達容量に応じたトルクがリアドライブ軸39(後輪
側)からフロントドライブ軸32(前輪側)に伝達され
る。
【0030】一方、トランスミッション制御部50は、
前後輪間の駆動力配分比を後輪偏重へと移行させる旨の
判定を行うと、第1のトロイダル変速部11或いは第2
のトロイダル変速部12の少なくとも何れか一方の変速
制御によって、フロントドライブ軸32の回転速度がリ
アドライブ軸39の回転速度よりも微小量だけ高くなる
よう制御する。そして、ピストン72による押圧力を制
御することで、算出された所望のトルク量に応じたトル
ク伝達容量をクラッチ部71に発生させる。これにより
油圧多板クラッチ70(クラッチ部71)のトルク伝達
容量に応じたトルクがフロントドライブ軸32(前輪
側)からリアドライブ軸39(後輪側)に伝達される。
【0031】このような実施の形態によれば、上述の第
1の実施の形態と略同様の効果を得ることができる。
【0032】次に、図4は本発明の第3の実施の形態に
係わり、車両の概略構成を示す説明図である。なお、本
実施の形態は、第1のトロイダル変速部11にディファ
レンシャル装置80を介してフロントドライブ軸32及
びリアドライブ軸39を連結し、さらに、第2のトロイ
ダル変速部12に摩擦係合手段としての油圧多板クラッ
チ81を介してリアドライブ軸39を断接自在に連結し
た点が、上述の第1の実施の形態と異なる。この場合、
上述の第1の実施の形態では基本となる前後輪間の駆動
力配分比が例えば100:0に設定され前輪側から後輪
側への駆動力を配分する構成であるのに対し、本実施の
形態では、基本となる前後輪間の駆動力配分比が例えば
50:50に設定され、前輪側から後輪側、或いは、後
輪側から前輪側の双方向に駆動力を伝達可能な構成とな
っている。その他、同様の構成については、同符号を付
して説明を省略する。
【0033】すなわち、本実施の形態において、第1の
出力ディスク16のリダクションドライブギヤ30に噛
合されたリダクションドリブンギヤ31には、一対のピ
ニオン83を回転自在に支持するディファレンシャルケ
ース84が固設されている。またディファレンシャルケ
ース84内においてピニオン83には第1のサイドギヤ
85及び第2のサイドギヤ86が噛合され、各サイドギ
ヤ85,86にはフロントドライブ軸32とリアドライ
ブ軸39がそれぞれ連結されている。
【0034】一方、第2の出力ディスク21のリダクシ
ョンドライブギヤ36に噛合されたリダクションドリブ
ンギヤ37とリアドライブ軸39との間には、油圧多板
クラッチ81が介装されている。この場合、油圧多板ク
ラッチ81は、リダクションドリブンギヤ37側に設け
た第1のクラッチプレート87aとリアドライブ軸39
側に設けた第2のクラッチプレート87bが交互に重ね
られて構成されたクラッチ部87と、このクラッチ部8
7の締結力(トルク伝達容量)を可変自在に付与するピ
ストン88とを有して構成されている。
【0035】このような構成において、トランスミッシ
ョン制御部50は、車両の走行状態等に基づいて、例え
ば、前後輪間の駆動力配分比を前輪偏重へと移行させる
旨の判定を行うと、第1のトロイダル変速部11或いは
第2のトロイダル変速部12の少なくとも何れか一方の
変速制御によって、第1のトロイダル変速部11による
変速比を第2のトロイダル変速部12による変速比より
もハイギヤードに制御する。そして、ピストン88によ
る押圧力を制御することで、算出された所望のトルク量
に応じたトルク伝達容量をクラッチ部87に発生させ
る。これにより、油圧多板クラッチ81(クラッチ部8
7)のトルク伝達容量に応じたトルクがリアドライブ軸
39(後輪側)からフロントドライブ軸32(前輪側)
に伝達される。
【0036】一方、トランスミッション制御部50は、
前後輪間の駆動力配分比を後輪偏重へと移行させる旨の
判定を行うと、第1のトロイダル変速部11或いは第2
のトロイダル変速部12の少なくとも何れか一方の変速
制御によって、第1のトロイダル変速部11による変速
比を第2のトロイダル変速部12による変速比よりもロ
ーギヤードに制御する。そして、ピストン88による押
圧力を制御することで、算出された所望のトルク量に応
じたトルク伝達容量をクラッチ部87に発生させる。こ
れにより、油圧多板クラッチ81(クラッチ部87)の
トルク伝達容量に応じたトルクがフロントドライブ軸3
2(前輪側)からリアドライブ軸39(後輪側)に伝達
される。
【0037】このような実施の形態によれば、上述の第
1の実施の形態と略同様の効果を得ることができる。
【0038】なお、上述の各実施の形態においては、フ
ロントドライブ軸32を第1の駆動軸として設定し、リ
アドライブ軸39を第2の駆動軸として設定した一例に
ついて説明したが、本発明はこれに限定されるものでは
なく、前後の組み合わせが逆の構成であってもよい。ま
た、本発明は前後輪間の駆動力配分への適用に限定され
るものではなく、左右輪間の駆動力配分に適用可能であ
ることは勿論である。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、入
力軸から入力される駆動力を2組のトロイダル変速部を
介して異なる2軸の駆動軸に伝達可能なトロイダル型無
段変速機において、各駆動軸間の駆動力配分を適正に制
御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係わり、車両の概
略構成を示す説明図
【図2】同上、旋回時における駆動力配分制御ルーチン
を示すフローチャート
【図3】本発明の第2の実施の形態に係わり、車両の概
略構成を示す説明図
【図4】本発明の第3の実施の形態に係わり、車両の概
略構成を示す説明図
【符号の説明】
5 トロイダル型無段変速機 11 第1のトロイダル変速部 12 第2のトロイダル変速部 32 フロントドライブ軸(第1の駆動軸) 38 油圧多板クラッチ(摩擦係合手段) 39 リアドライブ軸(第2の駆動軸) 45a ドライブプレート(摩擦係合要素) 45b ドリブンプレート(摩擦係合要素) 50 トランスミッション制御部(駆動力配分制御手
段) 70 油圧多板クラッチ(摩擦係合手段) 80 ディファレンシャル装置 81 油圧多板クラッチ(摩擦係合手段)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力軸の回転を無段階に変速して第1の
    駆動軸に伝達する第1のトロイダル変速部と、 上記入力軸の回転を無段階に変速して第2の駆動軸に伝
    達する第2のトロイダル変速部と、 上記第2のトロイダル変速部と上記第2の駆動軸との間
    に介装されこれらの間で容量可変にトルク伝達可能な摩
    擦係合手段と、 上記摩擦係合手段における上記第2のトロイダル変速部
    側の摩擦係合要素の回転速度が上記第2の駆動軸側の摩
    擦係合要素の回転速度よりも大きくなるよう上記第2の
    トロイダル変速部の変速比を制御するとともに、上記摩
    擦係合手段のトルク伝達容量を制御する駆動力配分制御
    手段と、を備えたことを特徴とするトロイダル型無段変
    速機。
  2. 【請求項2】 入力軸の回転を無段階に変速して第1の
    駆動軸に伝達する第1のトロイダル変速部と、 上記入力軸の回転を無段階に変速して第2の駆動軸に伝
    達する第2のトロイダル変速部と、 上記第1の駆動軸と上記第2の駆動軸との間に介装され
    これらの間で容量可変にトルク伝達可能な摩擦係合手段
    と、 上記第1の駆動軸と上記第2の駆動軸との間に差回転速
    度を発生させて上記摩擦係合手段によるトルク伝達方向
    を規定すべく上記第1のトロイダル変速部或いは上記第
    2のトロイダル変速部の少なくとも何れか一方を変速制
    御するとともに、上記摩擦係合手段のトルク伝達容量を
    制御する駆動力配分制御手段と、を備えたことを特徴と
    するトロイダル型無段変速機。
  3. 【請求項3】 入力軸の回転を無段階に変速する第1の
    トロイダル変速部と、 上記第1のトロイダル変速部による変速駆動力を第1の
    駆動軸と第2の駆動軸とに伝達可能なディファレンシャ
    ル装置と、 上記入力軸の回転を無段階に変速する第2のトロイダル
    変速部と、 上記第2のトロイダル変速部と上記第2の駆動軸との間
    に介装されこれらの間で容量可変にトルク伝達可能な摩
    擦係合手段と、 上記第1のトロイダル変速部と上記第2のトロイダル変
    速部との間の変速比を異ならせて上記摩擦係合手段によ
    るトルク伝達方向を規定すべく上記第1のトロイダル変
    速部或いは上記第2のトロイダル変速部の少なくとも何
    れか一方を変速制御するとともに、上記摩擦係合手段の
    トルク伝達容量を制御する駆動力配分制御手段と、を備
    えたことを特徴とするトロイダル型無段変速機。
JP2001377580A 2001-12-11 2001-12-11 トロイダル型無段変速機 Pending JP2003176861A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001377580A JP2003176861A (ja) 2001-12-11 2001-12-11 トロイダル型無段変速機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001377580A JP2003176861A (ja) 2001-12-11 2001-12-11 トロイダル型無段変速機

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003176861A true JP2003176861A (ja) 2003-06-27

Family

ID=19185503

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001377580A Pending JP2003176861A (ja) 2001-12-11 2001-12-11 トロイダル型無段変速機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003176861A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102006003244A1 (de) * 2006-01-24 2007-07-26 Volkswagen Ag Stufenloses Getriebe und Verfahren zur Verteilung eines Drehmomentes auf zwei Ausgangswellen

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102006003244A1 (de) * 2006-01-24 2007-07-26 Volkswagen Ag Stufenloses Getriebe und Verfahren zur Verteilung eines Drehmomentes auf zwei Ausgangswellen
WO2007085354A1 (de) 2006-01-24 2007-08-02 Volkswagen Aktiengesellschaft Stufenloses getriebe und verfahren zur verteilung eines drehmomentes auf zwei ausgangswellen

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2860339B2 (ja) 左右輪トルク配分制御装置
JPH01114523A (ja) 4輪駆動車の駆動力制御装置
JPH0616061A (ja) 4輪駆動制御装置
EP1160486B1 (en) Device for changing the speeds of the front and rear wheels in a four-wheel drive vehicle
JPH03182840A (ja) 4輪駆動装置
JPH03189241A (ja) 4輪駆動装置
EP1157872B1 (en) Four wheel drive vehicle with a device for changing the speeds of the front and rear wheels
JP2003176861A (ja) トロイダル型無段変速機
JP2826580B2 (ja) 車両用左右輪間トルク移動制御装置
JP3116685B2 (ja) 車両用左右駆動力調整装置
JP2612718B2 (ja) 4輪駆動車のトルクスプリット制御装置
JP3122905B2 (ja) 車両用左右駆動力制御装置
JP3122904B2 (ja) 車両用左右駆動力制御装置
JP2615084B2 (ja) 4輪駆動車のトルクスプリット制御装置
JP3114456B2 (ja) 車両用左右駆動力調整装置
JP2023068564A (ja) 四輪駆動車両用制御装置
JP3187119B2 (ja) 車両用駆動力制御装置
JPH0424122A (ja) 駆動力配分制御式4輪駆動自動車
JP2695230B2 (ja) 4輪駆動車の動力伝達装置
JP2615083B2 (ja) 4輪駆動車のトルクスプリット制御装置
JP3114457B2 (ja) 車両用左右駆動力調整装置
JP2023051577A (ja) 四輪駆動車両用制御装置
JPH06247178A (ja) 車両の差動制限装置
JPH05213080A (ja) 四輪制御式四輪駆動車
JP2021156360A (ja) 無段変速機の制御装置及び、制御方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20041115

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070308

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20070612

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20071016