JP2003176439A - 無機顔料用分散剤及び紙塗工顔料分散液 - Google Patents

無機顔料用分散剤及び紙塗工顔料分散液

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JP2003176439A
JP2003176439A JP2001378135A JP2001378135A JP2003176439A JP 2003176439 A JP2003176439 A JP 2003176439A JP 2001378135 A JP2001378135 A JP 2001378135A JP 2001378135 A JP2001378135 A JP 2001378135A JP 2003176439 A JP2003176439 A JP 2003176439A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高スラリー濃度でも低粘度であり、スラリー
静置時に形成する沈降層の固化を防止し、経時的にも安
定な紙塗工用顔料分散液が得られる分散剤を提供する。 【解決手段】 平均付加モル数mの(ポリ)オキシアル
キレン基を有する、ポリアルキレングリコール系繰り返
し単位(I)と、(ポリ)カルボン酸系繰り返し単位
(II)からなる共重合体において、繰り返し単位
(I)中のオキシアルキレン基の平均付加モル数mが1
0〜100の範囲にあり、かつ繰り返し単位(I)が1
〜35mol%の範囲にある共重合体を含有することを
特徴とする無機顔料分散剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無機顔料を水に分
散させてスラリーを得る際に好適に用いられる無機顔料
分散剤及び、これを用いてなる紙塗工用顔料分散液に関
するものである。更に詳しくは高スラリー濃度でも低粘
度であり、スラリー静置時に形成する沈降層の固化を防
止し、経時的にも安定な紙塗工用顔料分散液を得ること
が出来る分散剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】炭酸カルシウムは安価であり他の無機顔
料と比べて優れた白色度、インキ受理性、光沢、印刷適
性を有するため、製紙業界で賞用されている顔料の1つ
である。また中性抄紙の普及によりその使用量は急激に
増えてきている。従来、炭酸カルシウムは平均粒子径1
μm前後のいわゆる重質炭酸カルシウムが多用されてき
たが、近年紙質の高級化に伴い平均粒子径0.1〜0.3μm
の沈降性膠質炭酸カルシウムの使用比率が増大しつつあ
る。しかるに、平均粒子径が小さくなればなるほど水性
媒体中への分散が困難になり、また凝集しやすく、水分
散液の経日安定性にも問題が生じやすくなる。従来使用
されている炭酸カルシウム用分散剤には、無機系ではピ
ロリン酸塩、トリポリリン酸塩、トリメタリン酸塩、テ
トラメタリン酸塩、ヘキサメタリン酸塩などの縮合リン
酸塩、亜鉛塩、珪酸塩などがある。しかし、これら無機
系分散剤は、得られた水分散液の経日安定性に問題があ
り、また微粒子状の沈降性膠質炭酸カルシウムの分散に
は多量の添加を必要とする欠点があった。一方、有機系
の分散剤ではポリアクリル酸塩、ポリメタクリル酸塩、
ポリマレイン酸塩などのポリカルボン酸塩が公知であ
る。しかし、ポリカルボン酸塩、例えばポリアクリル酸
ナトリウムは、平均粒子径1μm前後の重質炭酸カルシ
ウムの分散には比較的良好な評価を得ているが、0.1〜
0.3μm前後の極めて粒径の細かい炭酸カルシウムの分
散には、得られた水分散液の粘度が高くまた経日安定性
などに問題があった。このような公知の分散剤の欠点を
克服するため、特公昭54−36166号、特公昭56
−47131号、特開昭53−144499号、特開昭
57−168906号などにマレイン酸共重合体を使用
する方法が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】無機顔料を水に分散さ
せることによって得られる無機顔料分散体に、用途に応
じてカゼインや澱粉、ビニル系合成ラテックス等のバイ
ンダーを適宜含んでいる紙塗工用顔料分散液を紙の表面
に塗布することにより、紙の白色度や隠ぺい性向上、ま
た紙表面に光沢性や平滑性等を付与することが行われて
いる。上記の無機顔料分散体は、均一にかつ容易に塗布
することができるように、或いは他の無機顔料との混合
を行い易いように、高濃度でかつ粘度ができるだけ低い
ことが望ましい。しかしながら、高濃度になるとスラリ
ー粘度は急激に上昇し、取り扱いが困難になるばかりで
はなく、スラリー静置時に形成する沈降層が固化し易く
なるといった問題があり、こういった課題を解決する分
散剤が求められていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討の
結果、特定のオキシアルキレングリコールエーテル系構
造からなる繰り返し単位(I)と、特定のカルボン酸系
構造からなる繰り返し単位(II)を有しており、オキ
シアルキレングリコールエーテル系構造中のオキシアル
キレン基の平均付加モル数が10〜300であって、
(I)の繰り返し単位が1〜35mol%の範囲にある
共重合体を含有する無機顔料分散剤を用いることによ
り、高スラリー濃度でも低粘度であり、スラリー静置時
に形成する沈降層の固化を防止し、経時的にも安定な紙
塗工用顔料分散液が得られることを見出した。
【0005】即ち、本発明は、下記(1)、(2)に示
す構成からなる。 (1)下記の一般式(A)
【0006】
【化3】
【0007】(但し、式中R、R及びRはそれぞ
れ独立に、水素原子又はメチル基を表す。但し、R
及びRは、同時にすべてメチル基となることはな
い。R は、−CH2−、−(CH22−又は−C(C
32−を表し、R、R、R及びR中の合計炭
素原子数は、2又は3である。Rは水素原子又は炭素
原子数1〜30の炭化水素基を表し、ROは炭素原子
数2〜18のオキシアルキレン基の1種又は2種以上の
混合物を表し、mはオキシアルキレン基の平均付加モル
数である。)で表される繰り返し単位(I)と、下記の
一般式(B)
【0008】
【化4】
【0009】(但し、式中R及びRはそれぞれ独立
に水素、メチル基又は―COOMを表し、Rは水
素、メチル基又は―CHCOOMを表し、M、M
及びM はそれぞれ独立に水素、一価金属、二価金
属、アンモニウム又は有機アミンを表す。)で示される
繰り返し単位(II)からなる共重合体において、繰り
返し単位(I)中のオキシアルキレン基の平均付加モル
数mが10〜100の範囲にあり、かつ繰り返し単位
(I)が1〜35mol%の範囲にある共重合体を含有
することを特徴とする無機顔料分散剤。 (2)上記(1)に記載の無機顔料分散剤を含む紙塗工
用顔料分散液。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
繰り返し単位(I)は前記一般式(A)で示されるもの
であるが、このような繰り返し単位を与える単量体とし
ては、例えば3−メチル−3−ブテン−1−オール、3
−メチル−2−ブテン−1−オール、2−メチル−3−
ブテン−2−オール、メタアリルアルコール(2−メチ
ル−2−プロペン−1−オール)等の不飽和アルコール
にアルキレンオキシドを付加した不飽和アルコール系単
量体を挙げることができる。一般式(A)中のオキシア
ルキレン基ROの炭素原子数としては、2〜18が適
当であるが、2〜8が好ましく、2〜4がより好まし
い。又、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチ
レンオキシド、スチレンオキシド等の中から選ばれる任
意の2種類以上のアルキレンオキシド付加物について
は、ランダム付加、ブロック付加、交互付加等のいずれ
の形態であってもよい。尚、親水性と疎水性とのバラン
ス確保のため、オキシアルキレン基中にオキシエチレン
基を必須成分として有することが好ましく、50モル%
以上がオキシエチレン基であることがより好ましく、9
0モル%以上がオキシエチレン基であることがさらに好
ましい。一般式(A)におけるオキシアルキレン基R
Oの平均付加モル数mは、10〜300であることが必
要である。好ましくは10〜200、より好ましくは1
0〜100、さらに好ましくは10〜50である。mが
10未満では、スラリー静置時に形成する沈降層の固化
を防止する性能が不足し、一方300を超えると、繰り
返し単位(I)を構成するために重合する不飽和アルコ
ール系単量体の共重合反応性が低下する傾向となる。
尚、平均付加モル数とは、単量体1モル中における、オ
キシアルキレン基ROの構成原料となる化合物の付加
モル数の平均値を意味する。
【0011】上記一般式(A)におけるRは、水素原
子又は炭素原子数1〜30の炭化水素基であればよく、
該炭素原子数1〜30の炭化水素基としては、例えば、
炭素原子数1〜30のアルキル基(脂肪族アルキル基又
は脂環式アルキル基)、炭素原子数6〜30のフェニル
基、アルキルフェニル基、フェニルアルキル基、(アル
キル)フェニル基で置換されたフェニル基、ナフチル基
等のベンゼン環を有する芳香族基等が挙げられる。R
においては、炭化水素基の炭素原子数が増大するに従っ
て疎水性が大きくなり分散性が低下するため、Rが炭
化水素基の場合の炭素原子数としては、1〜22が好ま
しく、1〜18がより好ましく、1〜12がさらに好ま
しく、1〜4が特に好ましく、そしてRが水素原子の
場合が最も好ましい。繰り返し単位(II)は前記一般
式(B)で示されるものである。このような繰り返し単
位を与える不飽和カルボン酸系単量体の例として、不飽
和モノカルボン酸系単量体としては、アクリル酸、メタ
クリル酸、クロトン酸及びこれらの金属塩、アンモニウ
ム塩、アミン塩等が挙げられ、不飽和ジカルボン酸系単
量体としては、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン
酸、フマル酸、又はこれらの金属塩、アンモニウム塩、
アミン塩等が挙げられ、更にこれらの無水物としては、
無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸等
が挙げられる。中でも、(メタ)アクリル酸及びこれら
の塩、マレイン酸及びその塩、並びに、無水マレイン酸
からなる群より選ばれる1種以上の単量体を必須とする
のが好ましく、アクリル酸及びその塩、マレイン酸及び
その塩、並びに、無水マレイン酸からなる群より選ばれ
る1種以上の単量体を必須とするのがより好ましい。
尚、これら単量体は2種類以上併用してもよい。
【0012】共重合体の繰り返し単位(I)は、1〜3
5mol%であることが必要である。好ましくは3〜3
0mol%、より好ましくは5〜20molである。繰
り返し単位(I)が1mol%未満では、共重合体中に
存在する(I)由来のオキシアルキレン基の割合が少な
すぎて、スラリー静置時に形成する沈降層の固化を防止
する性能が不足し、繰り返し単位(I)が35mol%
以上では、共重合体中に存在する(II)由来のカルボ
キシル基の割合が少なくなり、充分な分散性を発揮し得
なくなる。
【0013】本発明の効果を損なわない範囲内におい
て、繰り返し単位(I)、(II)以外の繰り返し単位
(III)を導入することができる。繰り返し単位(I
II)を与える単量体の例としては、マレイン酸、無水
マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸等の
不飽和ジカルボン酸類と炭素原子数1〜30のアルコー
ルとのハーフエステル、ジエステル類;上記不飽和ジカ
ルボン酸類と炭素原子数1〜30のアミンとのハーフア
ミド、ジアミド類;上記アルコールやアミンに炭素原子
数2〜18のアルキレンオキシドを1〜500モル付加
させたアルキル(ポリ)アルキレングリコールと上記不
飽和ジカルボン酸類とのハーフエステル、ジエステル
類;上記不飽和ジカルボン酸類と炭素原子数2〜18の
グリコール又はこれらのグリコールの付加モル数2〜5
00のポリアルキレングリコールとのハーフエステル、
ジエステル類;メチル(メタ)アクリレート、エチル
(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレー
ト、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルクロトネ
ート、エチルクロトネート、プロピルクロトネート等の
不飽和モノカルボン酸類と炭素原子数1〜30のアルコ
ールとのエステル類;炭素原子数1〜30のアルコール
に炭素原子数2〜18のアルキレンオキシドを1〜50
0モル付加させたアルコキシ(ポリ)アルキレングリコ
ールと(メタ)アクリル酸等の不飽和モノカルボン酸類
とのエステル類;(ポリ)エチレングリコールモノメタ
クリレート、(ポリ)プロピレングリコールモノメタク
リレート、(ポリ)ブチレングリコールモノメタクリレ
ート等の、(メタ)アクリル酸等の不飽和モノカルボン
酸類への炭素原子数2〜18のアルキレンオキシドの1
〜500モル付加物類;マレアミド酸と炭素原子数2〜
18のグリコール又はこれらのグリコールの付加モル数
2〜500のポリアルキレングリコールとのハーフアミ
ド類;トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、(ポリ)エチレングリコール(ポリ)プロピレング
リコールジ(メタ)アクリレート等の(ポリ)アルキレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート類;ヘキサンジオ
ールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン
トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ
(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート
類;トリエチレングリコールジマレート、ポリエチレン
グリコールジマレート等の(ポリ)アルキレングリコー
ルジマレート類;ビニルスルホネート、(メタ)アリル
スルホネート、2−(メタ)アクリロキシエチルスルホ
ネート、3−(メタ)アクリロキシプロピルスルホネー
ト、3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピ
ルスルホネート、3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒド
ロキシプロピルスルホフェニルエーテル、3−(メタ)
アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシスルホベ
ンゾエート、4−(メタ)アクリロキシブチルスルホネ
ート、(メタ)アクリルアミドメチルスルホン酸、(メ
タ)アクリルアミドエチルスルホン酸、2−メチルプロ
パンスルホン酸(メタ)アクリルアミド、スチレンスル
ホン酸等の不飽和スルホン酸類、並びに、それらの一価
金属塩、二価金属塩、アンモニウム塩及び有機アミン
塩;メチル(メタ)アクリルアミドのように不飽和モノ
カルボン酸類と炭素原子数1〜30のアミンとのアミド
類;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、
p−メチルスチレン等のビニル芳香族類;1,4−ブタ
ンジオールモノ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタ
ンジオールモノ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサ
ンジオールモノ(メタ)アクリレート等のアルカンジオ
ールモノ(メタ)アクリレート類;ブタジエン、イソプ
レン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2−クロル−
1,3−ブタジエン等のジエン類;(メタ)アクリルア
ミド、(メタ)アクリルアルキルアミド、N−メチロー
ル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)
アクリルアミド等の不飽和アミド類;(メタ)アクリロ
ニトリル、α−クロロアクリロニトリル等の不飽和シア
ン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等の不飽和エス
テル類;(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)ア
クリル酸メチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメ
チルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノ
プロピル、(メタ)アクリル酸ジブチルアミノエチル、
ビニルピリジン等の不飽和アミン類;ジビニルベンゼン
等のジビニル芳香族類;トリアリルシアヌレート等のシ
アヌレート類;(メタ)アリルアルコール、グリシジル
(メタ)アリルエーテル等のアリル類;メトキシポリエ
チレングリコールモノビニルエーテル、ポリエチレング
リコールモノビニルエーテル、メトキシポリエチレング
リコールモノ(メタ)アリルエーテル、ポリエチレング
リコールモノ(メタ)アリルエーテル、等のビニルエー
テル或いはアリルエーテル類;ポリジメチルシロキサン
プロピルアミノマレインアミド酸、ポリジメチルシロキ
サンアミノプロピレンアミノマレインアミド酸、ポリジ
メチルシロキサン−ビス−(プロピルアミノマレインア
ミド酸)、ポリジメチルシロキサン−ビス−(ジプロピ
レンアミノマレインアミド酸)、ポリジメチルシロキサ
ン−(1−プロピル−3−アクリレート)、ポリジメチ
ルシロキサン−(1−プロピル−3−メタクリレー
ト)、ポリジメチルシロキサン−ビス−(1−プロピル
−3−アクリレート)、ポリジメチルシロキサン−ビス
−(1−プロピル−3−メタクリレート)等のシロキサ
ン誘導体;等を挙げることができ、これらの1種又は2
種以上を用いることができる。
【0014】上記共重合体の重量平均分子量としては、
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下「GP
C」ともいう)によるポリエチレングリコール換算で
2,000〜200,000が適当であるが、3,00
0〜150,000が好ましく、5,000〜100,
000がより好ましい。このような重量平均分子量の範
囲を選ぶことで、より高い分散性能を発揮する無機顔料
分散剤が得られる。
【0015】本発明の共重合体を得るには、重合開始剤
を用いて前記単量体成分を共重合させれば良い。共重合
は、溶液重合や塊状重合などの公知の方法で行うことが
できる。溶液重合は回分式でも連続式でも行なうことが
でき、その際に使用される溶媒としては、水;メチルア
ルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール
等のアルコール;ベンゼン、トルエン、キシレン、シク
ロヘキサン、n−ヘキサン等の芳香族あるいは脂肪族炭
化水素;酢酸エチル等のエステル化合物;アセトン、メ
チルエチルケトン等のケトン化合物等が挙げられるが、
原料単量体及び得られる共重合体の溶解性から、水及び
炭素数1〜4の低級アルコールよりなる群から選ばれた
少なくとも1種を用いることが好ましく、その中でも水
を溶媒に用いるのが脱溶剤工程を省略できる点で更に好
ましい。水溶液重合を行なう場合は、重合開始剤とし
て、アンモニア又はアルカリ金属の過硫酸塩;過酸化水
素;アゾビス−2メチルプロピオンアミジン塩酸塩等の
アゾアミジン化合物、等の水溶性の重合開始剤が使用さ
れ、この際、亜硫酸水素ナトリウム、モール塩等の促進
剤を併用することもできる。また、低級アルコール、芳
香族或いは脂肪族炭化水素、エステル化合物、或いはケ
トン化合物を溶媒とする溶液重合には、ベンゾイルパー
オキシド、ラウロイルパーオキシド等のパーオキシド;
クメンハイドロパーオキシド等のハイドロパーオキシ
ド;アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物、等が
重合開始剤として用いられる。この際アミン化合物等の
促進剤を併用することもできる。更に、水−低級アルコ
ール混合溶媒を用いる場合には、上記の種々の重合開始
剤或いは重合開始剤と促進剤の組み合わせの中から適宜
選択して用いることができる。塊状重合は、重合開始剤
としてベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシ
ド等のパーオキシド;クメンハイドロパーオキシド等の
ハイドロパーオキシド;アゾイソブチロニトリル等のア
ゾ化合物等を用いて行うことができる。重合方法は、特
に限定されるものではないが、反応の制御が容易となる
ように、予め、単量体成分を溶媒に溶解してなる溶液
と、重合開始剤を溶媒に溶解してなる溶液(または溶媒
に懸濁してなる懸濁液)とを調製し、これら溶液を反応
器に仕込んだ溶媒に滴下しながら、該単量体成分を重合
させる方法が特に好ましい。単量体成分を重合させる際
の反応温度や反応時間等の反応条件は、単量体成分の組
成、溶媒の種類や使用量、重合開始剤の種類や使用量、
反応液の撹拌条件等に応じて設定すればよく、特に限定
されるものではないが、例えば、反応温度は、30℃〜
120℃の範囲内がより好ましく、反応時間は、0.5
時間〜8時間の範囲内がより好ましい。反応圧力は、常
圧(大気圧)、減圧、加圧の何れであってもよいが、常
圧がより好ましい。
【0016】単量体成分を重合してなる共重合体は、ア
ルカリ金属水酸化物等のアルカリ性物質によって完全に
中和されている完全中和物であることがより好ましい。
尚、重合体を完全中和する方法は、特に限定されるもの
ではない。単量体が完全中和物である場合には、得られ
る重合体を中和する必要は無い。また、重合体が完全中
和されたか否かは、例えば、反応液のpHを測定するこ
とによって確認すればよい。
【0017】上記の共重合体からなる顔料分散剤、即
ち、本発明にかかる顔料分散剤を用いて水に分散すべき
無機顔料としては、具体的には、例えば、カオリン、ク
レー、天然炭酸カルシウムや合成炭酸カルシウムである
各種炭酸カルシウム、酸化チタン、硫酸カルシウム、硫
酸バリウム、サチンホワイト、ベンガラ、亜鉛華、水酸
化アルミニウム等が挙げられるが、特に限定されるもの
ではない。尚、サチンホワイトとは、水酸化カルシウム
水懸濁液に硫酸アルミニウム水溶液を添加・反応させる
ことによって得られる、一般式「3CaO−Al
−3CaSO−31HO」で表される白色顔料であ
る。
【0018】これら無機顔料は、一種類のみを用いても
よく、また、二種類以上を併用してもよい。本発明にか
かる顔料分散剤は、上記例示の無機顔料のうち、炭酸カ
ルシウム、カオリン及びサチンホワイトに対して特に顕
著な作用・効果を奏する。無機顔料に対する顔料分散剤
の配合量は、無機顔料の種類や平均粒子径、顔料分散剤
の種類、両者の組み合わせ等に応じて設定すればよく、
特に限定されるものではないが、無機顔料に対して、
0.01〜5%の範囲内とすることがより好ましく、
0.05〜3%の範囲内とすることが更に好ましい。顔
料分散剤の配合量が0.01%よりも少ない場合には、
無機顔料を水に分散させる能力、即ち分散性能が乏しく
なるので、分散性および経時安定性に優れたスラリーを
得ることができないことがある。また顔料分散剤の配合
量を5%よりも多くしても、上記範囲内で配合した場合
と比較して、分散性能の更なる向上は殆ど認められな
い。顔料分散剤を用いて無機顔料を水に分散させる方
法、即ち、分散液である紙塗工用顔料分散液の調製方法
は、特に限定されるものではなく、従来公知の種々の方
法を採用することができる。本発明にかかる顔料分散剤
は、従来の顔料分散剤と比較して分散性能に優れてお
り、特にスラリーの経時安定性に優れている。従って、
本発明にかかる顔料分散剤を用いた顔料水分散体は、ス
ラリー粘度が低いため取り扱いが容易であり、スラリー
静置時に形成する沈降層の固化が起こりにくいため、紙
塗工時における生産性の向上が期待できる。
【0019】
【実施例】以下に実施例を挙げ、本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はこれだけに限定されるものでは
ない。尚、下記実施例、比較例及び表中、特にことわり
のない限り、「%」は質量%を表すものとする。
【0020】実施例及び比較例における各単量体の反応
率及び得られた共重合体の重量平均分子量は、下記の条
件で測定した。 <各原料単量体の反応率測定条件> 機 種:日本分光社 Borwin 検出器:示差屈折計(RI)検出器(HITACHI
3350 RI MONITOR) 溶離液:種類 アセトニトリル/0.1%リン酸イオン
交換水溶液=50/50(vol%) 流量 1.0ml/分 カラム:種類 東ソー(株)製、「ODS−120T」+
「ODS−80Ts」各4.6×250mm 温度 40℃ <共重合体の重量平均分子量測定条件> 機 種:Waters LCM1 検出器:示差屈折計(RI)検出器(Waters41
0) 溶離液:種類 アセトニトリル/0.05M酢酸ナトリ
ウムイオン交換水溶液=40/60(vol%)、酢酸
でpH6.0に調整 流量 0.6ml/分 カラム:種類 東ソー(株)製、「TSK−GEL G
4000SWXL」+「G3000SWXL」+「G20
00SWXL」+「GUARD COLUMN」各 7.
8×300mm、6.0×40mm 温度 40℃ 検量線:ポリエチレングリコール基準 <製造例1>温度計、攪拌機、滴下ロート、窒素導入管
及び還流冷却器を備えたガラス製反応容器に、イオン交
換水198g、3−メチル−3−ブテン−1−オールに
エチレンオキサイドを10モル付加した不飽和アルコー
ル系単量体(以下、IPN−10と称す)400gを仕
込み、65℃に昇温した。反応容器を65℃に保った状
態で過酸化水素10%水溶液116gを添加した。次い
で、アクリル酸251gを反応容器内に3時間かけて滴
下し、それと同時に反応容器内に、3−メルカプトプロ
ピオン酸4.5gを3時間、L−アスコルビン酸10%
水溶液150gを3.5時間かけて滴下した。その後、
1時間引き続いて65℃に温度を維持した後、重合反応
を終了した。その後、重合反応温度以下の温度で水酸化
ナトリウム水溶液を用いて反応溶液をpH7に中和し、
重量平均分子量38,500の重合体水溶液からなる、
本発明の分散剤(1)を得た。 <製造例2>製造例1と同様の装置に、イオン交換水7
2g、3−メチル−3−ブテン−1−オールにエチレン
オキサイドを25モル付加した不飽和アルコール系単量
体(以下、IPN−25と称す)128gを仕込み、6
0℃に昇温した。反応容器を60℃に保った状態で過酸
化水素30%水溶液0.9gを添加した。次いで、アク
リル酸21gを反応容器内に3時間かけて滴下し、それ
と同時に反応容器内に、3−メルカプトプロピオン酸
1.05gを3時間、L−アスコルビン酸10%水溶液
150gを3.5時間かけて滴下した。その後、1時間
引き続いて60℃に温度を維持した後、重合反応を終了
した。その後、重合反応温度以下の温度で水酸化ナトリ
ウム水溶液を用いて反応溶液をpH7に中和し、重量平
均分子量20,000の重合体水溶液からなる、本発明
の分散剤(2)を得た。 <製造例3>製造例1と同様の装置に、イオン交換水7
2g、3−メチル−3−ブテン−1−オールにエチレン
オキサイドを50モル付加した不飽和アルコール系単量
体(以下、IPN−50と称す)128gを仕込み、6
0℃に昇温した。反応容器を60℃に保った状態で過酸
化水素30%水溶液1.2gを添加した。次いで、アク
リル酸130gを反応容器内に3時間かけて滴下し、そ
れと同時に反応容器内に、3−メルカプトプロピオン酸
3gを3時間、L−アスコルビン酸2%水溶液21gを
3.5時間かけて滴下した。その後、1時間引き続いて
60℃に温度を維持した後、重合反応を終了した。その
後、重合反応温度以下の温度で水酸化ナトリウム水溶液
を用いて反応溶液をpH7に中和し、重量平均分子量2
7,500の重合体水溶液からなる、本発明の分散剤
(3)を得た。 <製造例4>製造例1と同様の装置に、イオン交換水7
2g、3−メチル−3−ブテン−1−オールにエチレン
オキサイドを100モル付加した不飽和アルコール系単
量体(以下、IPN−100と称す)128gを仕込
み、60℃に昇温した。反応容器を60℃に保った状態
で過酸化水素30%水溶液0.3gを添加した。次い
で、アクリル酸16gを反応容器内に3時間かけて滴下
し、それと同時に反応容器内に、3−メルカプトプロピ
オン酸0.5gを3時間、L−アスコルビン酸10%水
溶液12gを3.5時間かけて滴下した。その後、1時
間引き続いて60℃に温度を維持した後、重合反応を終
了した。その後、重合反応温度以下の温度で水酸化ナト
リウム水溶液を用いて反応溶液をpH7に中和し、重量
平均分子量25,000の重合体水溶液からなる、本発
明の分散剤(4)を得た。 <製造例5>製造例1と同様の装置に、イオン交換水2
76g、3−メチル−3−ブテン−1−オールにエチレ
ンオキサイドを50モル付加した不飽和アルコール系単
量体(以下、IPN−50と称す)400gを仕込み、
65℃に昇温した。反応容器を65℃に保った状態で過
酸化水素5%水溶液10.3gを添加した。次いで、ア
クリル酸35gと2−ヒドロキシエチルアクリレート1
1.4gを反応容器内に3時間かけて滴下し、それと同
時に反応容器内に、3−メルカプトプロピオン酸1.6
gを3時間、L−アスコルビン酸5%水溶液13.4g
を3.5時間かけて滴下した。その後、1時間引き続い
て65℃に温度を維持した後、重合反応を終了した。そ
の後、重合反応温度以下の温度で水酸化ナトリウム水溶
液を用いて反応溶液をpH7に中和し、重量平均分子量
27,000の重合体水溶液からなる、本発明の分散剤
(5)を得た。 <製造例6>製造例1と同様の装置に、イオン交換水2
80g、3−メチル−3−ブテン−1−オールにエチレ
ンオキサイドを10モル付加した不飽和アルコール系単
量体(以下、IPN−10と称す)400g、マレイン
酸176gを仕込み、65℃に昇温した後、過酸化水素
5%水溶液7.2gを添加した。そこへ、L−アスコル
ビン酸5%水溶液9.4gを1時間で滴下した。その
後、1時間引き続いて65℃に温度を維持した後、重合
反応を終了した。その後、重合反応温度以下の温度で水
酸化ナトリウム水溶液を用いて反応溶液をpH7に中和
し、重量平均分子量18,000の重合体水溶液からな
る、本発明の分散剤(6)を得た。 <製造例7>製造例1と同様の装置に、イオン交換水2
80g、3−メチル−3−ブテン−1−オールにエチレ
ンオキサイドを50モル付加した不飽和アルコール系単
量体(以下、IPN−50と称す)400g、マレイン
酸42gを仕込み、65℃に昇温した後、過酸化水素5
%水溶液7.2gを添加した。そこへ、L−アスコルビ
ン酸5%水溶液9.4gを1時間で滴下した。その後、
1時間引き続いて65℃に温度を維持した後、重合反応
を終了した。その後、重合反応温度以下の温度で水酸化
ナトリウム水溶液を用いて反応溶液をpH7に中和し、
重量平均分子量27,000の重合体水溶液からなる、
本発明の分散剤(7)を得た。 <製造例8>製造例1と同様の装置に、イオン交換水2
80g、3−メチル−3−ブテン−1−オールにエチレ
ンオキサイドを50モル付加した不飽和アルコール系単
量体(以下、IPN−50と称す)400g、マレイン
酸34gを仕込み、65℃に昇温した後、過酸化水素5
%水溶液9.8gを添加した。次いで、アクリル酸18
gを反応容器内に3時間かけて滴下し、それと同時に、
L−アスコルビン酸5%水溶液12.7gを1時間で滴
下した。その後、1時間引き続いて65℃に温度を維持
した後、重合反応を終了した。その後、重合反応温度以
下の温度で水酸化ナトリウム水溶液を用いて反応溶液を
pH7に中和し、重量平均分子量29,000の重合体
水溶液からなる、本発明の分散剤(8)を得た。 <製造例9>製造例1と同様の装置に、イオン交換水1
17g、メタリルアルコール(2−メチル−2−プロペ
ン−1−オール)に平均10モルのエチレンオキシドが
付加した不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単
量体(以下、MAL−10と称す)400g、マレイン
酸193gを仕込み、65℃に昇温した後、過酸化水素
10%水溶液67gを添加した。そこへ、L−アスコル
ビン酸10%水溶液86gを1時間で滴下した。その
後、1時間引き続いて65℃に温度を維持した後、重合
反応を終了した。その後、重合反応温度以下の温度で水
酸化ナトリウム水溶液を用いて反応溶液をpH7に中和
し、重量平均分子量21,000の重合体水溶液からな
る、本発明の分散剤(9)を得た。 <製造例10>製造例1と同様の装置に、イオン交換水
280g、メタリルアルコール(2−メチル−2−プロ
ペン−1−オール)に平均50モルのエチレンオキシド
が付加した不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系
単量体(以下、MAL−50と称す)400g、マレイ
ン酸41gを仕込み、65℃に昇温した後、過酸化水素
5%水溶液7.2gを添加した。そこへ、L−アスコル
ビン酸5%水溶液9.4gを1時間で滴下した。その
後、1時間引き続いて65℃に温度を維持した後、重合
反応を終了した。その後、重合反応温度以下の温度で水
酸化ナトリウム水溶液を用いて反応溶液をpH7に中和
し、重量平均分子量30,500の重合体水溶液からな
る、本発明の分散剤(10)を得た。 <製造例11>製造例1と同様の装置に、イオン交換水
273g、メタリルアルコール(2−メチル−2−プロ
ペン−1−オール)に平均100モルのエチレンオキシ
ドが付加した不飽和ポリアルキレングリコールエーテル
系単量体(以下、MAL−100と称す)400g、マ
レイン酸22gを仕込み、65℃に昇温した後、過酸化
水素5%水溶液3.8gを添加した。そこへ、L−アス
コルビン酸5%水溶液4.9gを1時間で滴下した。そ
の後、1時間引き続いて65℃に温度を維持した後、重
合反応を終了した。その後、重合反応温度以下の温度で
水酸化ナトリウム水溶液を用いて反応溶液をpH7に中
和し、重量平均分子量34,800の重合体水溶液から
なる、本発明の分散剤(11)を得た。 <製造例12>製造例1と同様の装置に、イオン交換水
280g、メタリルアルコール(2−メチル−2−プロ
ペン−1−オール)に平均50モルのエチレンオキシド
が付加した不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系
単量体(以下、MAL−50と称す)400g、マレイ
ン酸34gを仕込み、65℃に昇温した後、過酸化水素
5%水溶液9.8gを添加した。次いで、アクリル酸1
8gを反応容器内に3時間かけて滴下し、それと同時
に、L−アスコルビン酸5%水溶液12.7gを3.5
時間で滴下した。その後、1時間引き続いて65℃に温
度を維持した後、重合反応を終了した。その後、重合反
応温度以下の温度で水酸化ナトリウム水溶液を用いて反
応溶液をpH7に中和し、重量平均分子量32,000
の重合体水溶液からなる、本発明の分散剤(12)を得
た。 <製造例13>製造例1と同様の装置に、イオン交換水
284g、メタリルアルコール(2−メチル−2−プロ
ペン−1−オール)に平均50モルのエチレンオキシド
が付加した不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系
単量体(以下、MAL−50と称す)400g、マレイ
ン酸34gを仕込み、65℃に昇温した。反応容器を6
5℃に保った状態で過酸化水素5%水溶液8.8gを添
加した。次いで、2−ヒドロキシエチルアクリレート1
2gを反応容器内に3時間かけて滴下し、それと同時
に、L−アスコルビン酸5%水溶液11.4gを3.5
時間かけて滴下した。その後、1時間引き続いて65℃
に温度を維持した後、重合反応を終了した。その後、重
合反応温度以下の温度で水酸化ナトリウム水溶液を用い
て反応溶液をpH7に中和し、重量平均分子量31,5
00の重合体水溶液からなる、本発明の分散剤(13)
を得た。 <比較製造例1>製造例1と同様の装置に、イオン交換
水198g、3−メチル−3−ブテン−1−オールに平
均5モルのエチレンオキシドが付加した不飽和アルコー
ル系単量体(以下、IPN−5と称す)400gを仕込
み、65℃に昇温した。反応容器を65℃に保った状態
で過酸化水素10%水溶液115gを添加した。次い
で、アクリル酸251gを反応容器内に3時間かけて滴
下し、それと同時に反応容器内に、3−メルカプトプロ
ピオン酸4.5gを3時間、L−アスコルビン酸10%
水溶液150gを3.5時間かけて滴下した。その後、
1時間引き続いて65℃に温度を維持した後、重合反応
を終了した。その後、重合反応温度以下の温度で水酸化
ナトリウム水溶液を用いて反応溶液をpH7に中和し、
重量平均分子量29,000の重合体水溶液からなる、
比較分散剤(1)を得た。 <比較製造例2>製造例1と同様の装置に、イオン交換
水72g、3−メチル−3−ブテン−1−オールにエチ
レンオキサイドを50モル付加した不飽和アルコール系
単量体(以下、IPN−50と称す)200gを仕込
み、65℃に昇温した。反応容器を65℃に保った状態
で過酸化水素30%水溶液1.2gを添加した。次い
で、アクリル酸8gを反応容器内に3時間かけて滴下
し、それと同時に反応容器内に、3−メルカプトプロピ
オン酸0.3gを3時間、L−アスコルビン酸2%水溶
液7gを3.5時間かけて滴下した。その後、1時間引
き続いて65℃に温度を維持した後、重合反応を終了し
た。その後、重合反応温度以下の温度で水酸化ナトリウ
ム水溶液を用いて反応溶液をpH7に中和し、重量平均
分子量32,000の重合体水溶液からなる、本発明の
比較分散剤(2)を得た。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】<顔料分散性試験>上記製造例1〜13及
び比較例1、2で得られた分散剤を用いて、無機顔料分
散液を調製した。また比較例3にポリアクリル酸ナトリ
ウム(重量平均分子量10,000)を比較分散剤
(3)として用いて評価を行った。無機顔料分散液の調
製は、600mlの容器に分散剤1.5g(無機顔料に
対して0.5wt%)と、イオン交換水128.6gと
を入れ、ホモミキサーを用いて低速で撹拌しながら、無
機顔料として軽質炭酸カルシウム(奥多摩工業株式会社
製:タマパール121)300gを少量づつ添加した。
炭酸カルシウム全量添加後、撹拌翼を回転数3000r
pmで回転させて内容物を15分間撹拌することによ
り、濃度70%の炭酸カルシウム水分散液を得た。分散
性の評価は、上記分散液の粘度をB型粘度計で測定する
ことにより行った。14日静置後の沈降層の固さは、ホ
モミキサーにより、沈降層を再度分散させる時の難易度
により評価した。すなわち、沈降層がホモミキサーによ
る撹拌により直ぐにほぐれたスラリーを○とし、沈降層
が固く、ホモミキサーでの撹拌が困難であったスラリー
を×とした。測定結果を表3に示す。本発明の分散剤
(1)〜(13)では何れも分散直後のスラリー粘度は
低く、14日静置後の沈降層も柔らかく、ホモミキサー
による分散も容易であった。一方、比較分散剤(1)と
比較分散剤(3)は分散直後の粘度は低いが、14日静
置後の沈降層は固く、比較分散剤(2)では分散直後の
スラリー粘度が高かった。
【0024】
【表3】
【0025】
【発明の効果】本発明の分散剤を用いることにより、高
スラリー濃度でも低粘度であり、スラリー静置時に形成
する沈降層の固化を防止し、経時的にも安定な紙塗工用
顔料分散液が得られ、当該の紙塗工用顔料分散液を塗工
した紙は表面平滑性に優れる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4D077 AA10 AB04 AC05 BA03 BA07 DD03X DD09X DD17X DE07X DE10X DE17X DE40X 4J037 AA09 AA10 AA11 AA22 AA24 AA27 CC16 CC17 CC29 DD24 EE43 FF15 FF23 4J038 CG012 CG032 CG062 CG072 CG082 CG102 CG112 KA08 KA09 MA10 NA26 PC10 4L055 AG12 AG57 AG71 AG89 AH02 AH33 AJ04 BE08 EA30 EA32 FA22 FA30 GA19

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の一般式(A) 【化1】 (但し、式中R、R及びRはそれぞれ独立に、水
    素原子又はメチル基を表す。但し、R、R及びR
    は、同時にすべてメチル基となることはない。R は、
    −CH2−、−(CH22−又は−C(CH32−を表
    し、R、R、R及びR中の合計炭素原子数は、
    2又は3である。Rは水素原子又は炭素原子数1〜3
    0の炭化水素基を表し、ROは炭素原子数2〜18の
    オキシアルキレン基の1種又は2種以上の混合物を表
    し、mはオキシアルキレン基の平均付加モル数であ
    る。)で表される繰り返し単位(I)と、下記の一般式
    (B) 【化2】 (但し、式中R及びRはそれぞれ独立に水素、メチ
    ル基又は―COOMを表し、Rは水素、メチル基又
    は―CHCOOMを表し、M、M及びM はそ
    れぞれ独立に水素、一価金属、二価金属、アンモニウム
    又は有機アミンを表す。)で示される繰り返し単位(I
    I)からなる共重合体において、繰り返し単位(I)中
    のオキシアルキレン基の平均付加モル数mが10〜10
    0の範囲にあり、かつ繰り返し単位(I)が1〜35m
    ol%の範囲にある共重合体を含有することを特徴とす
    る無機顔料分散剤。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の無機顔料分散剤を含む
    紙塗工用顔料分散液。
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