JP2003176247A - 4−トリフルオロメトキシベンジルハライド化合物の製法 - Google Patents
4−トリフルオロメトキシベンジルハライド化合物の製法Info
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- JP2003176247A JP2003176247A JP2002033830A JP2002033830A JP2003176247A JP 2003176247 A JP2003176247 A JP 2003176247A JP 2002033830 A JP2002033830 A JP 2002033830A JP 2002033830 A JP2002033830 A JP 2002033830A JP 2003176247 A JP2003176247 A JP 2003176247A
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- trifluoromethoxybenzyl
- halogenating agent
- halide
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 本発明は、医農薬の中間体として有用な4−
トリフルオロメトキシベンジルハライド化合物を、毒性
の問題が無く、工業的に合成容易であり大量に入手可能
な原料を用い、収率の良い工業的な製造方法を提供する
ことである。 【解決手段】 本発明における4−トリフルオロメトキ
シベンジルハライドの製造は、トリフルオロメトキシベ
ンゼンとパラホルムアルデヒドなどのアルデヒド類と
を、ハロゲン化剤、酸触媒および相間移動触媒存在下に
反応させることによって行うことができる。
トリフルオロメトキシベンジルハライド化合物を、毒性
の問題が無く、工業的に合成容易であり大量に入手可能
な原料を用い、収率の良い工業的な製造方法を提供する
ことである。 【解決手段】 本発明における4−トリフルオロメトキ
シベンジルハライドの製造は、トリフルオロメトキシベ
ンゼンとパラホルムアルデヒドなどのアルデヒド類と
を、ハロゲン化剤、酸触媒および相間移動触媒存在下に
反応させることによって行うことができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医農薬の合成中間
体、例えば、殺虫剤、殺ダニ剤、殺菌剤又は殺センチュ
ウ剤として有用なアミノピリミジン誘導体(特開平5−
230036号公報、特開平6−25187号公報、特
開平7−258223号公報記載)の合成中間体として
重要である4−トリフルオロメトキシベンジルハライド
化合物の製法に関するものである。
体、例えば、殺虫剤、殺ダニ剤、殺菌剤又は殺センチュ
ウ剤として有用なアミノピリミジン誘導体(特開平5−
230036号公報、特開平6−25187号公報、特
開平7−258223号公報記載)の合成中間体として
重要である4−トリフルオロメトキシベンジルハライド
化合物の製法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】4−トリフルオロメトキシベンジルハラ
イド化合物の製法としては、例えば、4−トリフルオロ
メトキシトルエンを塩素共存下光照射により塩素化する
方法が、欧州特許EP9787号に記載されている。ま
た、4−トリフルオロメトキシベンジルアルコールを塩
化チオニルでクロル化する方法が米国特許US4118
561号および独国特許DE2809022号に記載さ
れている。しかし、いずれの方法も用いる原料の合成は
容易でなく大量に入手することが困難であるため、工業
的な製法として好ましくない。また、クロロメチルメチ
ルエーテルを用いて置換ベンゼンをクロロメチル化する
製法が、例えば、J.Am.Chem.Soc.,10
3,6873(1981)及びTetrahedron
Lett.,24,1933(1983)に記載され
ているが、トリフルオロメトキシベンゼンのクロロメチ
ル化は開示されていない。またクロロメチルメチルエー
テルは毒性が高く使用上問題があった。その他、パラホ
ルムアルデヒドと塩化水素、ルイス酸触媒を用いてベン
ゼン環をクロルメチル化する方法が、例えば、R.Fu
sson,“OrganicReactions”,V
ol.1,63(1942)等に記載されているが、ト
リフルオロメトキシベンゼンのクロロメチル化は開示さ
れていない。また、この反応において相間移動触媒を使
用することについてなんら記載されていない。発明者ら
は、この反応で相間移動触媒を使用せずトリフルオロメ
トキシベンゼンのクロロメチル化を検討したが、ほとん
ど反応は進行しなかった。
イド化合物の製法としては、例えば、4−トリフルオロ
メトキシトルエンを塩素共存下光照射により塩素化する
方法が、欧州特許EP9787号に記載されている。ま
た、4−トリフルオロメトキシベンジルアルコールを塩
化チオニルでクロル化する方法が米国特許US4118
561号および独国特許DE2809022号に記載さ
れている。しかし、いずれの方法も用いる原料の合成は
容易でなく大量に入手することが困難であるため、工業
的な製法として好ましくない。また、クロロメチルメチ
ルエーテルを用いて置換ベンゼンをクロロメチル化する
製法が、例えば、J.Am.Chem.Soc.,10
3,6873(1981)及びTetrahedron
Lett.,24,1933(1983)に記載され
ているが、トリフルオロメトキシベンゼンのクロロメチ
ル化は開示されていない。またクロロメチルメチルエー
テルは毒性が高く使用上問題があった。その他、パラホ
ルムアルデヒドと塩化水素、ルイス酸触媒を用いてベン
ゼン環をクロルメチル化する方法が、例えば、R.Fu
sson,“OrganicReactions”,V
ol.1,63(1942)等に記載されているが、ト
リフルオロメトキシベンゼンのクロロメチル化は開示さ
れていない。また、この反応において相間移動触媒を使
用することについてなんら記載されていない。発明者ら
は、この反応で相間移動触媒を使用せずトリフルオロメ
トキシベンゼンのクロロメチル化を検討したが、ほとん
ど反応は進行しなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、医農
薬の合成中間体、例えば、殺虫剤、殺ダニ剤、殺菌剤又
は殺センチュウ剤として有用なアミノピリミジン誘導体
の合成中間体として重要である4−トリフルオロメトキ
シベンジルハライド化合物を、毒性の問題が無く、工業
的に合成容易であり大量に入手可能な原料を用い、収率
の良い工業的な製造する方法を提供することである。
薬の合成中間体、例えば、殺虫剤、殺ダニ剤、殺菌剤又
は殺センチュウ剤として有用なアミノピリミジン誘導体
の合成中間体として重要である4−トリフルオロメトキ
シベンジルハライド化合物を、毒性の問題が無く、工業
的に合成容易であり大量に入手可能な原料を用い、収率
の良い工業的な製造する方法を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、次式(1)で
示されるトリフルオロメトキシベンゼンと、
示されるトリフルオロメトキシベンゼンと、
【化5】
次式(2)で示されるアルデヒド類、
【0005】
【化6】
(式中、R1は水素原子又はアルキル基を表す。)
次式(3)で示されるアセタール類、
【0006】
【化7】
(式中、R1は前記と同様であり、R2及びR3は同一
でも異なっていてもよく、それぞれアルキル基を表
す。) パラホルムアルデヒド、及び1,3,5−トリオキサン
から選択される少なくとも一種の化合物を、ハロゲン化
剤、酸触媒および相間移動触媒存在下に反応させること
を特徴とする次式(4)で示される4−トリフルオロメ
トキシベンジルハライド化合物の製法に関するものであ
る。
でも異なっていてもよく、それぞれアルキル基を表
す。) パラホルムアルデヒド、及び1,3,5−トリオキサン
から選択される少なくとも一種の化合物を、ハロゲン化
剤、酸触媒および相間移動触媒存在下に反応させること
を特徴とする次式(4)で示される4−トリフルオロメ
トキシベンジルハライド化合物の製法に関するものであ
る。
【化8】
(式中、R1及びXは前記と同様である。)
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の上記式(4)で示される
4−トリフルオロメトキシベンジルハライド化合物
(4)のXとしては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原
子、フッ素原子などのハロゲン原子が挙げられる。好ま
しくは塩素原子又は臭素原子である。R1としては、水
素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基な
どの炭素原子数1〜4のアルキル基が挙げられる。好ま
しくは水素原子である。
4−トリフルオロメトキシベンジルハライド化合物
(4)のXとしては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原
子、フッ素原子などのハロゲン原子が挙げられる。好ま
しくは塩素原子又は臭素原子である。R1としては、水
素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基な
どの炭素原子数1〜4のアルキル基が挙げられる。好ま
しくは水素原子である。
【0008】本発明において、4−トリフルオロメトキ
シベンジルハライド化合物(4)は、トリフルオロメト
キシベンゼン(1)と、前記式(2)で示されるアルデ
ヒド類(2)、前記式(3)で示されるアセタール類
(3)、パラホルムアルデヒド、又は1,3,5−トリ
オキサンを、ハロゲン化剤、酸触媒および相間移動触媒
存在下に反応させることによって製造される。トリフル
オロメトキシベンゼン(1)は、工業的に製造されてお
り、大量に購入可能な化合物である。
シベンジルハライド化合物(4)は、トリフルオロメト
キシベンゼン(1)と、前記式(2)で示されるアルデ
ヒド類(2)、前記式(3)で示されるアセタール類
(3)、パラホルムアルデヒド、又は1,3,5−トリ
オキサンを、ハロゲン化剤、酸触媒および相間移動触媒
存在下に反応させることによって製造される。トリフル
オロメトキシベンゼン(1)は、工業的に製造されてお
り、大量に購入可能な化合物である。
【0009】本発明ではアルデヒド類(2)、アセター
ル類(3)、パラホルムアルデヒド及び1,3,5−ト
リオキサンから選択される少なくとも1種の化合物が使
用される。アルデヒド類(2)としては、アセトアルデ
ヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、ホル
ムアルデヒドなどのR1が水素原子又は上記のアルキル
基である炭素原子数1〜5の脂肪族アルデヒド類が挙げ
られるが、これらの中でもホルムアルデヒドが好まし
い。アセタール類(3)としては、アセトアルデヒドジ
エチルアセタール、ホルムアルデヒドジメチルアセター
ルなど、前記式(3)で示される、R1が水素原子又は
上記のアルキル基である炭素原子数1〜5の脂肪族アル
デヒド類をアセタールに変換した構造を有するものが挙
げられる。上記式(3)で示されるアセタール類(3)
のR2及びR3としては、それぞれ同一でも異なってい
ても良い炭素原子数1〜4のアルキル基、例えばメチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基が挙げられる。好
ましくはメチル基である。これら化合物において、パラ
ホルムアルデヒド、又は1,3,5−トリオキサンが好
ましい。これらの化合物は工業的に製造されており、購
入可能な化合物である。これらの化合物の使用量は、ト
リフルオロメトキシベンゼン(1)に対して0.1〜1
0等量であるが、好ましくは1〜1.5等量である。
ル類(3)、パラホルムアルデヒド及び1,3,5−ト
リオキサンから選択される少なくとも1種の化合物が使
用される。アルデヒド類(2)としては、アセトアルデ
ヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、ホル
ムアルデヒドなどのR1が水素原子又は上記のアルキル
基である炭素原子数1〜5の脂肪族アルデヒド類が挙げ
られるが、これらの中でもホルムアルデヒドが好まし
い。アセタール類(3)としては、アセトアルデヒドジ
エチルアセタール、ホルムアルデヒドジメチルアセター
ルなど、前記式(3)で示される、R1が水素原子又は
上記のアルキル基である炭素原子数1〜5の脂肪族アル
デヒド類をアセタールに変換した構造を有するものが挙
げられる。上記式(3)で示されるアセタール類(3)
のR2及びR3としては、それぞれ同一でも異なってい
ても良い炭素原子数1〜4のアルキル基、例えばメチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基が挙げられる。好
ましくはメチル基である。これら化合物において、パラ
ホルムアルデヒド、又は1,3,5−トリオキサンが好
ましい。これらの化合物は工業的に製造されており、購
入可能な化合物である。これらの化合物の使用量は、ト
リフルオロメトキシベンゼン(1)に対して0.1〜1
0等量であるが、好ましくは1〜1.5等量である。
【0010】ハロゲン化剤は、塩化水素、臭化水素など
のハロゲン化水素、塩化チオニル、臭化チオニルなどの
含イオウハロゲン化剤、及びオキシ塩化リン、五塩化リ
ン、三塩化リン、三臭化リンなどの含リンハロゲン化剤
が挙げられ、好ましくは含イオウハロゲン化剤であり、
更に好ましくは塩化チオニル、又は臭化チオニルであ
る。これらのハロゲン化剤は工業的に製造されており、
大量に購入可能な化合物である。ハロゲン化剤の使用量
は、トリフルオロメトキシベンゼン(1)に対して0.
1〜10等量であるが、好ましくは1〜3等量である。
前記式(4)で示される4−トリフルオロメトキシベン
ジルハライド化合物(4)のX(ハロゲン原子)は、こ
れらハロゲン化剤に由来する。
のハロゲン化水素、塩化チオニル、臭化チオニルなどの
含イオウハロゲン化剤、及びオキシ塩化リン、五塩化リ
ン、三塩化リン、三臭化リンなどの含リンハロゲン化剤
が挙げられ、好ましくは含イオウハロゲン化剤であり、
更に好ましくは塩化チオニル、又は臭化チオニルであ
る。これらのハロゲン化剤は工業的に製造されており、
大量に購入可能な化合物である。ハロゲン化剤の使用量
は、トリフルオロメトキシベンゼン(1)に対して0.
1〜10等量であるが、好ましくは1〜3等量である。
前記式(4)で示される4−トリフルオロメトキシベン
ジルハライド化合物(4)のX(ハロゲン原子)は、こ
れらハロゲン化剤に由来する。
【0011】酸触媒としては、塩化アルミニウム、塩化
鉄(III)、塩化亜鉛、塩化チタン(IV)等のルイス
酸、リン酸(オルトリン酸、ピロリン酸、メタリン酸、
三リン酸、四リン酸、ポリリン酸、リン酸水溶液な
ど)、硫酸等が挙げられ、これらを単独または混合して
用いる事ができるが、好ましくは、ルイス酸とリン酸
(特にリン酸水溶液が好ましい。)の混合であり、更に
好ましくは塩化亜鉛とリン酸水溶液の混合である。これ
らの酸触媒は、工業的に製造されており、大量に購入可
能な化合物である。ルイス酸とリン酸の混合物を使用す
る場合、それらの混合比は、ルイス酸1モルに対して、
リン酸(リン酸水溶液の場合はリン酸の含量)1〜2モ
ルが好ましい。リン酸水溶液を使用する場合、濃度とし
ては、50〜100重量%が好ましい。酸触媒の使用量
は、トリフルオロメトキシベンゼン(1)1モルに対し
て0.5〜5モルであるが、好ましくは0.5〜2モル
である。
鉄(III)、塩化亜鉛、塩化チタン(IV)等のルイス
酸、リン酸(オルトリン酸、ピロリン酸、メタリン酸、
三リン酸、四リン酸、ポリリン酸、リン酸水溶液な
ど)、硫酸等が挙げられ、これらを単独または混合して
用いる事ができるが、好ましくは、ルイス酸とリン酸
(特にリン酸水溶液が好ましい。)の混合であり、更に
好ましくは塩化亜鉛とリン酸水溶液の混合である。これ
らの酸触媒は、工業的に製造されており、大量に購入可
能な化合物である。ルイス酸とリン酸の混合物を使用す
る場合、それらの混合比は、ルイス酸1モルに対して、
リン酸(リン酸水溶液の場合はリン酸の含量)1〜2モ
ルが好ましい。リン酸水溶液を使用する場合、濃度とし
ては、50〜100重量%が好ましい。酸触媒の使用量
は、トリフルオロメトキシベンゼン(1)1モルに対し
て0.5〜5モルであるが、好ましくは0.5〜2モル
である。
【0012】使用する相間移動触媒としては、テトラブ
チルアンモニウムブロミド、セチルトリメチルアンモニ
ウムブロミド、トリエチルベンジルアンモニウムクロリ
ド等のテトラアルキルアンモニウム塩、テトラブチルホ
スホニウムブロミド、ベンジルトリメチルホスホニウム
クロリド等のテトラアルキルホスホニウム塩等が挙げら
れるが、好ましくはテトラアルキルアンモニウム塩であ
り、更に好ましくはセチルトリメチルアンモニウムブロ
ミドである。これらの相間移動触媒は工業的に製造され
ており、購入可能な化合物である。相間移動触媒の使用
量は、トリフルオロメトキシベンゼン(1)に対して
0.001〜0.1等量であるが、好ましくは0.01
〜0.05等量である。
チルアンモニウムブロミド、セチルトリメチルアンモニ
ウムブロミド、トリエチルベンジルアンモニウムクロリ
ド等のテトラアルキルアンモニウム塩、テトラブチルホ
スホニウムブロミド、ベンジルトリメチルホスホニウム
クロリド等のテトラアルキルホスホニウム塩等が挙げら
れるが、好ましくはテトラアルキルアンモニウム塩であ
り、更に好ましくはセチルトリメチルアンモニウムブロ
ミドである。これらの相間移動触媒は工業的に製造され
ており、購入可能な化合物である。相間移動触媒の使用
量は、トリフルオロメトキシベンゼン(1)に対して
0.001〜0.1等量であるが、好ましくは0.01
〜0.05等量である。
【0013】4−トリフルオロメトキシベンジルハライ
ド化合物(4)の合成は、無溶媒または溶媒存在下で行
うことができる。溶媒としては、本反応に関与しないも
のであれば特に限定されず、例えば、ジクロロメタン、
クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、1−クロロブ
タン等のハロゲン化炭化水素類、ニトロベンゼン、ニト
ロメタン、ニトロエタン等のニトロ化炭化水素類、ペン
タン、ヘキサン、ヘプタン等の飽和脂肪族炭化水素類、
又は二硫化炭素を挙げることができる。そして、これら
は単独、又は混合して使用することができる。溶媒の使
用量は、トリフルオロメトキシベンゼン(1)に対して
0〜50容量であり、好ましくは0〜10容量である。
ド化合物(4)の合成は、無溶媒または溶媒存在下で行
うことができる。溶媒としては、本反応に関与しないも
のであれば特に限定されず、例えば、ジクロロメタン、
クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、1−クロロブ
タン等のハロゲン化炭化水素類、ニトロベンゼン、ニト
ロメタン、ニトロエタン等のニトロ化炭化水素類、ペン
タン、ヘキサン、ヘプタン等の飽和脂肪族炭化水素類、
又は二硫化炭素を挙げることができる。そして、これら
は単独、又は混合して使用することができる。溶媒の使
用量は、トリフルオロメトキシベンゼン(1)に対して
0〜50容量であり、好ましくは0〜10容量である。
【0014】反応温度は0〜100℃であるが、好まし
くは10〜80℃である。反応時間は、濃度,温度,使
用量によって変化するが、通常、1〜20時間である。
くは10〜80℃である。反応時間は、濃度,温度,使
用量によって変化するが、通常、1〜20時間である。
【0015】以上のようにして製造された4−トリフル
オロメトキシベンジルハライド化合物(4)は、反応終
了後、洗浄、抽出、濃縮等の通常の後処理を行い、必要
に応じて蒸留や各種クロマトグラフィー等の公知の手段
で精製することができる。
オロメトキシベンジルハライド化合物(4)は、反応終
了後、洗浄、抽出、濃縮等の通常の後処理を行い、必要
に応じて蒸留や各種クロマトグラフィー等の公知の手段
で精製することができる。
【0016】得られた4−トリフルオロメトキシベンジ
ルハライド化合物(4)において、R1が水素原子のも
の(化合物(4’))は、下式に示すように、シアノ化
し、還元を行い2−(4−トリフルオロメトキシフェニ
ル)エチルアミン(化合物(6))とした後、例えば、
特開平7−258223号公報に記載の方法で優れた殺
虫、殺ダニ、殺菌、殺センチュウ活性を有するアミノピ
リミジン誘導体へ誘導される重要な中間体である。
ルハライド化合物(4)において、R1が水素原子のも
の(化合物(4’))は、下式に示すように、シアノ化
し、還元を行い2−(4−トリフルオロメトキシフェニ
ル)エチルアミン(化合物(6))とした後、例えば、
特開平7−258223号公報に記載の方法で優れた殺
虫、殺ダニ、殺菌、殺センチュウ活性を有するアミノピ
リミジン誘導体へ誘導される重要な中間体である。
【0017】
【化9】
(式中、Xは前記と同様であり、*は不斉炭素原子を表
し、R4はハロゲン原子、水酸基等を表す。)
し、R4はハロゲン原子、水酸基等を表す。)
【0018】
【実施例】以下に本発明を実施例及び比較例によって具
体的に説明する。なお、これらの実施例は、本発明の範
囲を限定するものではない。
体的に説明する。なお、これらの実施例は、本発明の範
囲を限定するものではない。
【0019】実施例1
トリフルオロメトキシベンゼン3.24g(20mmo
l)にパラホルムアルデヒド0.72g、塩化チオニル
2.62g(22mmol)、85重量%リン酸水溶液
1.96g(17mmol)、塩化亜鉛1.36g(1
0mmol)とセチルトリメチルアンモニウムブロミド
0.07g(0.2mmol)を加え、60℃で9時間
撹拌した。反応液に水10mlをゆっくり加えさらに6
0℃で1時間加熱攪拌した後、酢酸エチル20mlで抽
出し、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し
た。この有機層をガスクロマトグラフィーで分析した結
果、目的物である4−トリフルオロメトキシベンジルク
ロリドが3.37g(収率80.0%)生成していた。
更に、この有機層を減圧下、溶媒留去し、得られた残渣
をカラムクロマトグラフィー(ワコーゲルC−200、
展開溶媒;トルエン:ヘキサン=1:1)にて精製する
ことによって、無色透明液体の目的物2.92gを得
た。1 H−NMR(CDCl3,300MHz)δ(pp
m) 4.58(2H,s)、7.21(2H,d,J=7.
8Hz)、7.42(2H,d,J=9.0Hz)
l)にパラホルムアルデヒド0.72g、塩化チオニル
2.62g(22mmol)、85重量%リン酸水溶液
1.96g(17mmol)、塩化亜鉛1.36g(1
0mmol)とセチルトリメチルアンモニウムブロミド
0.07g(0.2mmol)を加え、60℃で9時間
撹拌した。反応液に水10mlをゆっくり加えさらに6
0℃で1時間加熱攪拌した後、酢酸エチル20mlで抽
出し、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し
た。この有機層をガスクロマトグラフィーで分析した結
果、目的物である4−トリフルオロメトキシベンジルク
ロリドが3.37g(収率80.0%)生成していた。
更に、この有機層を減圧下、溶媒留去し、得られた残渣
をカラムクロマトグラフィー(ワコーゲルC−200、
展開溶媒;トルエン:ヘキサン=1:1)にて精製する
ことによって、無色透明液体の目的物2.92gを得
た。1 H−NMR(CDCl3,300MHz)δ(pp
m) 4.58(2H,s)、7.21(2H,d,J=7.
8Hz)、7.42(2H,d,J=9.0Hz)
【0020】実施例2
トリフルオロメトキシベンゼン3.24g(20mmo
l)にパラホルムアルデヒド0.72g、臭化チオニル
4.58g(22mmol)、85重量%リン酸水溶液
1.96g(17mmol)、塩化亜鉛1.36g(1
0mmol)とセチルトリメチルアンモニウムブロミド
0.07g(0.2mmol)を加え、60℃で9時間
撹拌した。反応液に水10mlをゆっくり加えさらに6
0℃で1時間加熱攪拌した後、酢酸エチル20mlで抽
出し、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し
た。この有機層をガスクロマトグラフィーで分析した結
果、目的物である4−トリフルオロメトキシベンジルブ
ロミドが4.39g(収率86.0%)生成していた。
更に、この有機層を減圧下、溶媒留去し、得られた残渣
をカラムクロマトグラフィー(ワコーゲルC−200、
展開溶媒;トルエン:ヘキサン=1:1)にて精製する
ことによって、無色透明液体の目的物3.22gを得
た。1 H−NMR(CDCl3,300MHz)δ(pp
m) 4.48(2H,s)、7.19(2H,d,J=7.
8Hz)、7.42(2H,d,J=8.8Hz)
l)にパラホルムアルデヒド0.72g、臭化チオニル
4.58g(22mmol)、85重量%リン酸水溶液
1.96g(17mmol)、塩化亜鉛1.36g(1
0mmol)とセチルトリメチルアンモニウムブロミド
0.07g(0.2mmol)を加え、60℃で9時間
撹拌した。反応液に水10mlをゆっくり加えさらに6
0℃で1時間加熱攪拌した後、酢酸エチル20mlで抽
出し、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し
た。この有機層をガスクロマトグラフィーで分析した結
果、目的物である4−トリフルオロメトキシベンジルブ
ロミドが4.39g(収率86.0%)生成していた。
更に、この有機層を減圧下、溶媒留去し、得られた残渣
をカラムクロマトグラフィー(ワコーゲルC−200、
展開溶媒;トルエン:ヘキサン=1:1)にて精製する
ことによって、無色透明液体の目的物3.22gを得
た。1 H−NMR(CDCl3,300MHz)δ(pp
m) 4.48(2H,s)、7.19(2H,d,J=7.
8Hz)、7.42(2H,d,J=8.8Hz)
【0021】実施例3
トリフルオロメトキシベンゼン3.24g(20mmo
l)にパラホルムアルデヒド0.72g、塩化チオニル
2.86g(24mmol)、85重量%リン酸水溶液
1.96g(17mmol)、塩化亜鉛1.36g(1
0mmol)とセチルトリメチルアンモニウムブロミド
0.07g(0.2mmol)を加え、60℃で6時間
撹拌した。反応液に水10mlをゆっくり加えさらに6
0℃で1時間加熱攪拌した後、酢酸エチル20mlで抽
出し、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し
た。この有機層をガスクロマトグラフィーで分析した結
果、4−トリフルオロメトキシベンジルクロリドが3.
30g(収率78.4%)生成していた。
l)にパラホルムアルデヒド0.72g、塩化チオニル
2.86g(24mmol)、85重量%リン酸水溶液
1.96g(17mmol)、塩化亜鉛1.36g(1
0mmol)とセチルトリメチルアンモニウムブロミド
0.07g(0.2mmol)を加え、60℃で6時間
撹拌した。反応液に水10mlをゆっくり加えさらに6
0℃で1時間加熱攪拌した後、酢酸エチル20mlで抽
出し、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し
た。この有機層をガスクロマトグラフィーで分析した結
果、4−トリフルオロメトキシベンジルクロリドが3.
30g(収率78.4%)生成していた。
【0022】参考例1〔4−トリフルオロメトキシベン
ジルシアニドの合成〕 4−トリフルオロメトキシベンジルクロリド21.05
g(100mmol)をアセトニトリル75mlと水7
5mlの混合溶媒に溶解し、シアン化カリウム9.76
g(150mmol)とテトラn−ブチルアンモニウム
ブロミド1.61g(5mmol)を加え、5時間還
流,撹拌した。室温まで冷却後、分液し、有機層を減圧
濃縮した。残渣を減圧蒸留して、無色透明の液体として
目的物18.12g(90mmol)を得た。 b.p.75〜76℃/0.8mmHg
ジルシアニドの合成〕 4−トリフルオロメトキシベンジルクロリド21.05
g(100mmol)をアセトニトリル75mlと水7
5mlの混合溶媒に溶解し、シアン化カリウム9.76
g(150mmol)とテトラn−ブチルアンモニウム
ブロミド1.61g(5mmol)を加え、5時間還
流,撹拌した。室温まで冷却後、分液し、有機層を減圧
濃縮した。残渣を減圧蒸留して、無色透明の液体として
目的物18.12g(90mmol)を得た。 b.p.75〜76℃/0.8mmHg
【0023】参考例2〔2−(4−トリフルオロメトキ
シフェニル)エチルアミンの合成〕 メタノール100mlにアンモニア10gを溶かし、そ
こへ4−トリフルオロメトキシベンジルシアニド20.
12g(100mmol)と5wt%の展開ラネーニッ
ケル1.00gを加えた。懸濁液をオートクレーブに移
し、水素圧10kgf/cm2,60℃で4時間撹拌し
た。室温まで冷却後、放圧した。懸濁液を濾過し、ろ液
を減圧濃縮した。残渣を減圧蒸留して、無色透明の液体
として目的物18.90g(92mmol)を得た。 b.p.86〜88℃/12mmHg
シフェニル)エチルアミンの合成〕 メタノール100mlにアンモニア10gを溶かし、そ
こへ4−トリフルオロメトキシベンジルシアニド20.
12g(100mmol)と5wt%の展開ラネーニッ
ケル1.00gを加えた。懸濁液をオートクレーブに移
し、水素圧10kgf/cm2,60℃で4時間撹拌し
た。室温まで冷却後、放圧した。懸濁液を濾過し、ろ液
を減圧濃縮した。残渣を減圧蒸留して、無色透明の液体
として目的物18.90g(92mmol)を得た。 b.p.86〜88℃/12mmHg
【0024】
【発明の効果】本発明の新規な製法によれば、相間移動
触媒を用いることで、医農薬の中間体として有用なアミ
ノピリミジン誘導体の重要な中間体である4−トリフル
オロメトキシベンジルハライド化合物を、安全かつ収率
良く、工業的に製造することができる。
触媒を用いることで、医農薬の中間体として有用なアミ
ノピリミジン誘導体の重要な中間体である4−トリフル
オロメトキシベンジルハライド化合物を、安全かつ収率
良く、工業的に製造することができる。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
Fターム(参考) 4H006 AA02 AC23 AC30 BA51 BA53
BA65 BA66 BE51 BE61 GP03
GP20
4H039 CA11 CA52 CA53 CD10
Claims (3)
- 【請求項1】次式(1)で示されるトリフルオロメトキ
シベンゼンと 【化1】 次式(2)で示されるアルデヒド類、 【化2】 (式中、R1は水素原子又はアルキル基を表す。)次式
(3)で示されるアセタール類、 【化3】 (式中、R1は前記と同様であり、R2及びR3は同一
でも異なっていてもよく、それぞれアルキル基を表
す。) パラホルムアルデヒド、及び1,3,5−トリオキサン
から選択される少なくとも一種の化合物を、ハロゲン化
剤、酸触媒および相間移動触媒存在下に反応させること
を特徴とする、次式(4)で示される4−トリフルオロ
メトキシベンジルハライド化合物の製法。 【化4】 (式中、R1は前記と同様であり、Xは前記ハロゲン化
剤に由来するハロゲン原子を表す。) - 【請求項2】ハロゲン化剤がハロゲン化水素、含イオウ
ハロゲン化剤及び含リンハロゲン化剤から選択される少
なくとも一種のハロゲン化剤である請求項1に記載の4
−トリフルオロメトキシベンジルハライド化合物の製
法。 - 【請求項3】相間移動触媒が、テトラアルキルアンモニ
ウム塩、テトラアルキルホスホニウム塩である請求項1
に記載の4−トリフルオロメトキシベンジルハライド化
合物の製法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002033830A JP2003176247A (ja) | 2001-10-02 | 2002-02-12 | 4−トリフルオロメトキシベンジルハライド化合物の製法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001-306059 | 2001-10-02 | ||
JP2001306059 | 2001-10-02 | ||
JP2002033830A JP2003176247A (ja) | 2001-10-02 | 2002-02-12 | 4−トリフルオロメトキシベンジルハライド化合物の製法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003176247A true JP2003176247A (ja) | 2003-06-24 |
Family
ID=26623573
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2002033830A Pending JP2003176247A (ja) | 2001-10-02 | 2002-02-12 | 4−トリフルオロメトキシベンジルハライド化合物の製法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2003176247A (ja) |
-
2002
- 2002-02-12 JP JP2002033830A patent/JP2003176247A/ja active Pending
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