JP2003176203A - 飛来害虫侵入防止用組成物 - Google Patents
飛来害虫侵入防止用組成物Info
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Abstract
性に優れ、しかもガラス面の透明度を損なわず、べとつ
かず、処理直後から長期間に亘って害虫防除効果を持続
できる飛翔害虫の飛来侵入を阻止する組成物、特にエア
ゾール剤を提供する。 【解決手段】 飛来害虫侵入防止用組成物は、害虫防除
成分と、脂肪酸側の炭素数が14〜18でかつアルコー
ル側の炭素数が16〜18である炭素数30〜36の高
級脂肪酸エステルを被膜形成成分として含有する。好適
な態様によれば、上記被膜形成成分は、イソステアリン
酸イソセチル、ステアリン酸イソセチル、パルミチン酸
イソステアリル、及びミリスチン酸イソセチルよりなる
群から選ばれる少なくとも1種を含み、また、上記害虫
防除成分は、トラロメトリン及び/又はN,N−ジエチ
ル−m−トルアミドである。さらに上記組成物を溶剤及
び噴射剤と共に充填することにより飛来害虫侵入防止用
エアゾール剤が提供される。
Description
害虫の屋内への侵入を阻止する組成物に関し、さらに詳
しくは、ガラス窓、ショーウインドー、壁面等に塗布又
は噴き付けて用いる飛来害虫侵入防止用組成物、さらに
は飛来害虫侵入防止用エアゾール剤に関する。
動を始めると、スーパーやコンビニエンスストアなどの
窓やドアのガラス面から漏れる光に誘われて集まってく
る。ガラス面に到達した害虫は、さらに光源に近づくた
めにガラス面上を徘徊し、やがて窓やドアの隙間を見つ
けて、そこから店舗内に侵入する。ガラス面に係留する
害虫の群集は、それだけでも客の不快感を催し、集客の
障害となるが、さらに店舗内に侵入して、飛び回って客
と接触する、食品等の商品の上に止まる、あるいは店舗
内に死骸をさらすことによって、店舗と客に対して衛生
的、経済的被害をもたらす。
忌避剤又は殺虫剤を塗布して、害虫の係留を阻止する
か、係留した害虫の活動を弱らせる方法が考えられる
が、有効成分が析出してガラス面が汚れ、透明性が損な
われるという問題があった。そこで、特公平6−818
25号や特開平10−7505号では、ガラス面などに
害虫防除成分を含有する被膜を形成させ、ガラスの透明
性を保ちつつ、害虫の侵入を阻もうとする試みがなされ
ている。
特許公報に記載の防除剤は、処理直後の初期効果(速効
性)に乏しく、また風雨や日照に曝されることによって
被膜形成成分が蒸散、流亡あるいは分解して、害虫防除
成分をガラス面上に保持できず、処理直後から長期間に
亘って害虫防除効果を持続させることに関しては充分な
解決が図られていないのが実状である。
される苛酷な環境下での耐候性に優れ、しかもガラス面
の透明度を損なわず、べとつかず、処理直後から長期間
に亘って害虫防除効果を持続できる飛翔害虫の飛来侵入
を阻止する組成物を提供することにある。さらに本発明
の目的は、このような害虫防除効果を長期間に亘って発
揮できる耐候性に優れた透明被膜を簡便に形成できる飛
来害虫侵入防止用エアゾール剤を提供することにある。
に、本発明によれば、害虫防除成分と、脂肪酸側の炭素
数が14〜18でかつアルコール側の炭素数が16〜1
8である炭素数30〜36の高級脂肪酸エステルを被膜
形成成分として含有することを特徴とする飛来害虫侵入
防止用組成物が提供される。好適な態様によれば、上記
被膜形成成分は、イソステアリン酸イソセチル、ステア
リン酸イソセチル、パルミチン酸イソステアリル、及び
ミリスチン酸イソセチルよりなる群から選ばれる少なく
とも1種を含み、また、上記害虫防除成分は、トラロメ
トリンである。さらに本発明によれば、上記組成物を溶
剤及び噴射剤と共に充填してなる飛来害虫侵入防止用エ
アゾール剤が提供される。
形成できる飛来害虫侵入防止用組成物の効力、特に耐候
性を強化するために詳細な検討を行なった結果、脂肪酸
側の炭素数が14〜18でかつアルコール側の炭素数が
16〜18である炭素数30〜36の高級脂肪酸エステ
ルを被膜形成成分として採用することによって、上記課
題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至っ
たものである。すなわち、本発明の飛来害虫侵入防止用
組成物において、被膜形成成分として用いている高級脂
肪酸エステルは、脂肪酸側の炭素数が14〜18でかつ
アルコール側の炭素数が16〜18である炭素数30〜
36の高級脂肪酸エステルであるため、凝固点が低
く、そのため透明な液体の被膜を形成できること、油
性感が少なく、そのためべとつき感が少ないこと、蒸
気圧が低く、そのため蒸散し難く、透明被膜の維持能
力、害虫防除成分の保持能力が良くなること、耐候性
(耐水性、耐光性を含む)に優れ、そのため長期間の効
力持続が可能であること、などの特徴を有する。その結
果、本発明の飛来害虫侵入防止用組成物は、風雨や日照
に曝される苛酷な環境下での耐候性に優れ、しかもガラ
ス面の透明度を損なわず、初期効果に優れると共に、長
期間透明度を保ったまま高い害虫防除効果を持続でき、
飛翔害虫の飛来侵入を効果的に阻止することができる。
特にエアゾール剤に製剤した場合、このような害虫防除
効果を長期間に亘って発揮できる耐候性に優れた透明被
膜を簡便に形成できる。
できる有効成分としては、下記に示すようなピレスロイ
ド系殺虫剤、有機リン系殺虫剤等の殺虫剤や害虫忌避剤
などが挙げられるが、下記に列挙するものに限定される
ものではない。ピレスロイド系殺虫剤の具体例として
は、トラロメトリン、アレスリン、dl,d−T80−
アレスリン、dl,d−T−アレスリン、d,d−T−
アレスリン、d,d−T80−プラレトリン、レスメト
リン、エンペントリン、テラレスリン、トランスフルト
リン、フタルスリン、dl,d−T−80−フタルスリ
ン、フラメトリン、ペルメトリン、フェノトリン、イミ
プロスリン、フェンバレレート、シペルメトリン、シフ
ェノトリン、エトフェンプロックス、テフルスリン、フ
ェンプロパトリン、フェンフルスリンなどが挙げられ、
これらを単独で又は2種以上を組み合わせて用いること
ができる。これらの中でも、長期間に亘って害虫防除効
果を持続するためには、常温で蒸散し難く、光安定性の
良いトラロメトリン、ペルメトリン、シペルメトリン、
エトフェンプロックスが好ましい。また、トラロメトリ
ン、エトフェンプロックス、ペルメトリン、シペルメト
リンなどの持続性に優れる殺虫剤と、トランスフルトリ
ン、フェノトリンなどの即効性に優れる殺虫剤を組み合
わせて用いることも好ましい。
アジノン、フェニトロチオン、ピリダフェンチオン、マ
ラチオン、ディプテレックス、クロルピリホス、フェン
チオン、ジクロルボス、プロペタンホス、アベイト、ホ
キシムなどが挙げられ、これらを単独で又は2種以上を
組み合わせて用いることができ、また前記したピレスロ
イド系殺虫剤と組み合わせて用いることもできる。
m−トルアミド(DEET)、ジメチルフタレート、ジ
ブチルフタレート、2−エチル−1,3−ヘキサンジオ
ール、ジ−n−プロピルイソシンコメロネート、p−ジ
クロロベンゼン、ジ−n−ブチルサクシネート、カラン
−3,4−ジオール、1−メチルプロピル−2−(2−
ヒドロキシエチル)−1−ピペリジンカルボキシラー
ト、p−メンテン−3,8−ジオール、ユーカリプトー
ル、グアニジンなどが挙げられ、これらを単独で又は又
は2種以上を組み合わせて用いることができ、また前記
した殺虫剤と組み合わせて用いることもできる。
止用組成物の剤型にもよるが、一般に被塗布面当り10
〜1000mg/m2の割合となるような範囲が好まし
い。害虫防除成分の使用量が10mg/m2未満となる
ような割合の場合、充分な初期効果が得られ難いと共
に、効力が持続し難くなるので好ましくない。一方、1
000mg/m2超えて多量に使用した場合、被膜から
油滴が生じたり、薬剤が析出してガラスが白く曇るとい
った問題が起こり易くなるので好ましくない。
には、本発明の効果を損なわない量的割合で、必要に応
じて、効力増強剤、紫外線防止剤、酸化防止剤等の他の
成分を併用することができる。効力増強剤としては、ピ
ペロニルブトキサイド、オクタクロロジプロピルエーテ
ル、チオシアノ酢酸イソボルニル、N−(2−エチルヘ
キシル)−ビシクロ−[2,2,1]−ヘプタ−5エン
−2,3−ジカルボキシイミド、β−ブトキシ−β´−
チオシアノジエチルエーテルなどが挙げられ、これらを
単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができ
る。
メトキシベンゾフェノン、2(2´−ヒドロキシ−3
´,5´−ジ−t−ブチル−フェニル)−5−クロロ−
ベンゾトリアゾールなどが挙げられ、これらを単独で又
は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ビス(6−tert−ブチル−4−エチルフェノー
ル)、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェ
ノール(BHT)、n−オクタデシル−3−(4´−ヒ
ドロキシ−3,5´−ジ−t−ブチルフェノール)プロ
ピオネート、N,N´−ヘキサメチレン−ビス(3,5
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミ
ド)などが挙げられ、これらを単独で又は2種以上を組
み合わせて用いることができる。
ては、前記したように被膜形成成分として、脂肪酸側の
炭素数が14〜18でかつアルコール側の炭素数が16
〜18である炭素数30〜36の高級脂肪酸エステルを
含有する。上記高級脂肪酸エステルの中でも、アルコー
ル側の炭化水素基が分岐したものは凝固点が低く、常温
でも液体状態を維持でき、透明な被膜形成能に優れるた
め好ましい。このような高級脂肪酸エステルとしては、
イソステアリン酸イソセチル、ステアリン酸イソセチ
ル、パルミチン酸イソステアリル、ミリスチン酸イソセ
チルなどが挙げられ、これらを単独で又は2種以上を組
み合わせて用いることが好ましい。
成分の性質にもよるが、害虫防除成分100質量部当り
10〜200質量部の割合が好ましい。高級脂肪酸エス
テルの配合割合が10質量部未満の場合少なすぎて、害
虫防除効果を長期間に亘って発揮できる耐候性に優れた
透明被膜を形成できなくなるので好ましくない。一方、
高級脂肪酸エステルの配合割合が200質量部を超えて
多量になると、油滴が生じたり、溶剤と一緒に液だれを
起こしたり、汚ならしい跡が残ってしまうなどの問題を
生じ易くなるので好ましくない。
記した害虫防除に有効な成分及び被膜形成成分を、必要
に応じて溶剤に溶解させて液剤として塗布して用いるこ
ともできるが、前記した害虫防除成分及び被膜形成成分
を溶剤に溶解させ、噴射剤と共にエアゾール容器に充填
し、エアゾール剤として用いることが使用に簡便であ
る。液剤の場合、前記した本発明の効果やコスト等を考
慮すると、害虫防除成分が0.04〜15wt%、被膜
形成成分が0.004〜30wt%、残部溶剤となる配
合割合とすることが好ましい。
00Pa以下、好ましくは5〜200Paの炭化水素系
溶剤が好ましい。エタノールやイソプロピルアルコール
などの20℃での飽和蒸気圧が500Paを超える揮発
性溶剤は、蒸散する速度が早過ぎるため、害虫防除成分
が均一に塗布できず、高濃度になった箇所に油滴が生じ
たり、白く露出したりする問題点があるので好ましくな
い。しかし、難揮発性溶剤を使用すると、いつまでも乾
燥しないので死んだ害虫がこびりついたり、ゴミやホコ
リの付着で汚らしくなってしまうので好ましくない。こ
のような観点から、最も好ましい溶剤は、デカン、ウン
デカン、ドデカン等のn−パラフィン系溶剤である。
石油ガス、圧縮窒素ガス、圧縮空気、炭酸ガスなど従来
公知の噴射剤を単独で又は2種以上を組み合わせて、通
常の量的割合で配合することができる。これらの噴射剤
の中でも、害虫防除成分や溶剤とよく混和する液化石油
ガス、ジメチルエーテル、及びその混合ガス等の噴射ガ
スを用いることが好ましい。
ルで均一に塗布し、且つ透明に保つには10〜30ml/
m2の割合が望ましい。塗布量が10ml/m2未満の割合
の場合、有効成分を塗布面全体に均一に行き渡らせるこ
とが難しく、ムラになり易くなるので好ましくない。一
方、塗布量が30ml/m2を超えると、液だれが生じ易
く、ロスが多くなる。また、乾燥するのに時間がかかる
ので好ましくない。特に最適な塗布量は、15〜25ml
/m2の割合である。
30cm離れたところから噴霧・塗布するので、付着率
(噴射した内容物全量に対する塗布面に付着した内容物
の割合)が高く(約60%以上が望ましい)、塗布面に
付着しなかった成分の舞い散りが少ないことが好まし
い。また作業性を考えると、できるだけ短時間で処理で
きるのが好ましい。1m2当りの処理時間が5〜10秒
であると、有効成分を全体に均一に塗布することがで
き、作業性も良い。
ル剤の液ガス比は、一般に前記液剤50〜80容量%に
対し噴射ガス20〜50容量%の割合が望ましい。50
容量%よりも液の割合が少ない場合、噴射ガスの勢いが
強すぎて舞い散りが多く、付着率も低くなり易いので好
ましくない。逆に、80容量%よりも液の割合が多い場
合、噴射ガスの勢いが弱すぎて、風が吹いたときに舞い
散ったり、処理時間が長くなって作業性が悪くなり易い
ので好ましくない。
ステム孔の径が約0.5mm×2もしくは3、ハウジン
グ孔の径が約1.5〜2.0mm、ベーパーダップ孔は
約0.3〜0.5mmにすると、1m2当りの処理時間
が約5〜10秒で、且つ付着率がよく、舞い散りの少な
いエアゾールができる。噴射ボタンは噴射口の径が約
0.7〜1.2mmのものが良く、最も好適なものは塗
料用ボタンで、比較的均一に幅広く噴射できる、楕円状
のスプレーパターンを持つボタンである。塗料用ボタン
を使用することによって、無駄やむらがなく、均一に噴
射することができる。
いて具体的に説明するが、本発明が下記実施例に限定さ
れるものでないことはもとよりである。
来害虫侵入防止用組成物を調製した。これらの組成物を
ガラス板上に塗布し、乾燥被膜の透明性を評価した。そ
の結果を表1及び表2に併せて示す。
本発明に従って処方した実施例1〜8の被膜は油滴、く
もり、埃の付着もなく透明性に優れていた。但し、実施
例5〜8のように高級脂肪酸エステルの配合量が多いと
被膜に若干べとつき感を生じた。そこで、透明性及びべ
とつき感共に良好であった実施例1〜4の組成物を用
い、また比較例については透明性が良好であった比較例
2〜7の組成物を用い、以下の試験に供した。
試験) ガラス板強制接触試験:0.01m2のガラス板に、実
施例1〜4及び比較例2〜7の各処方の供試液を15m
l/m2相当の量で均一に塗布し、完全に風乾させた供
試ガラス板に、アカイエカ雌成虫を10匹強制接触さ
せ、接触開始からノックダウン虫数をカウントし、ブリ
ス(Bliss)のプロビット(Probit)法によ
りKT50値を算出した。その結果を図1に示す。図1に
示される結果から明らかなように、被膜形成成分が高級
脂肪酸エステルである実施例1〜4、比較例2〜5では
高い殺虫効果が認められた。
験) 苛酷な屋外環境の要因である風、雨、日照を想定して、
次の3種類の試験を行なった。 (1)屋外試験 0.01m2のガラス板に、実施例4、比較例3及び比
較例7の各供試液を15ml/m2相当の量均一に塗布
した後、完全に風乾させた。供試ガラス板を、直接雨や
日照の当たらない屋外の風通しの良い場所に放置した。
1週間毎にガラス板を回収し、前記試験例1と同様にガ
ラス板強制接触試験により、KT50値を求めた。結果を
図2に示す。
本発明の実施例4の供試液を用いた場合、耐候性に優
れ、4週間経過後もそれほど効力低下がなく、長期に亘
って安定した殺虫効果が認められた。これに対して、比
較例3の供試液の場合、前記試験例1では初期効果は認
められたが、4週間経過後には初期効果が認められなか
った比較例7よりもむしろ効力が低下した。すなわち、
被膜形成成分として高級脂肪酸エステルを用いても、ア
ルコール側の炭素数が14〜18の範囲を外れる場合
(脂肪酸側の炭素数が16〜18の範囲を外れる場合も
同様)には耐候性に劣り、長期に亘って安定した殺虫効
果が得られないことがわかる。
い、前記屋外試験(2)と同じ方法で供試ガラス板を調
製した。各供試ガラス板上に、ハンドスプレー容器に詰
めたイオン交換水を、30cm離れた距離から約25m
l/回、均一に吹き付けた。2時間風乾後、再び同じ操
作を繰り返し、完全に風乾させた後、前記試験例1と同
様にガラス板強制接触試験を行ない、KT50値を求め
た。結果を図3に示す。図3に示される結果から明らか
なように、本発明の実施例1〜4の供試液を用いた場
合、耐水性に優れていたが、比較例2〜7の供試液の場
合、耐水性が悪く、特に被膜形成成分としてアルコール
側の炭素数が14〜18の範囲を外れる高級脂肪酸エス
テルを用いた比較例2〜4、また脂肪酸側の炭素数が1
6〜18の範囲を外れる高級脂肪酸エステルを用いた比
較例5の場合には耐水性に劣ることがわかる。
較例2〜7の各処方の供試液を用い、前記屋外試験
(2)と同じ方法で供試ガラス板を調製した。得られた
各供試ガラス板を、キセノンテスター(東洋精機 Ci
4000アトラスウェザオメータ)に入れて、照射を開
始した。24、72、120、180、240時間後に
供試ガラス板を回収し、前記試験例1と同様にガラス板
強制接触試験を行ない、KT50値を求めた。120時間
照射後の結果を図4に、また、実施例4及び比較例3、
7についての照射時間の変化に伴うKT50値の変化を図
5に示す。図4及び図5に示される結果から明らかなよ
うに、本発明の実施例1〜4の供試液を用いた場合、耐
光性に優れていたが、比較例2〜7の供試液の場合、い
ずれも耐光性が劣っていた。
証するために、直接の風雨と日照に曝される条件のガラ
ス面を選択して、実施効力試験を行なった。使用した供
試液は、下記処方のエアゾール剤(原液が実施例4及び
比較例7の処方と同じ)である。 <実施例4> 原液:トラロメトリン0.55gとイソステアリン酸イ
ソセチル0.33gをドデカン(C=12)に溶解し、
全体量を330mlになるように液量を調整した。 噴射ガス:LPG/DME混合ガス(混合比71/2
9)を120ml充填した。 <比較例7> 原液:トラロメトリン0.55gとリン酸トリブチル
1.1gをドデカン(C=12)に溶解し、全体量を3
30mlになるように液量を調整した。 噴射ガス:LPG/DME混合ガス(混合比71/2
9)を120ml充填した。
枚のガラス窓(3.7m2:縦2m×横1.85m)を
試験区とした。窓ガラスの汚れやクモの巣を取り除いた
後、各々1枚に上記のエアゾール剤(実施例4及び比較
例7)の有効成分量が約0.025g/m2になるよう
に、約26秒(原液にして約55.5mlの割合)噴霧処
理した。残りの1枚は何も処理せず無処理区とした。処
理翌日(1日後)から継続的に、飛来して窓ガラス上に
係留している個体数を害虫の種類別にカウントした。カ
ウントは毎回午後9時に行なった。害虫種類別の飛来付
着状況の結果を表3〜5に示す。また別に、ガラス面上
にクモの巣が張られているかどうか肉眼で観察した。ク
モの巣の発生状況の結果を表6に示す。
れる結果から明らかなように、比較例7では、処理後3
週間を過ぎると防除効果が衰える傾向を示し、7週目以
降では無処理区と同程度にまで効果が低下した。これに
対して、実施例4では少なくとも8週間効果が持続した
ことから、本発明の飛来害虫侵入防止用組成物は、実地
においても、長期間に亘って高い効果を維持することが
確認できた。
合は1週間後に、比較例7の場合は4週間後にクモの巣
が張られているのが観察された。これに対して実施例4
の場合は、8週間クモの巣が観察されなかった。本発明
の飛来害虫侵入防止用組成物は、クモに対しても高い効
果があることが確認できた。
組成物は、脂肪酸側の炭素数が14〜18でかつアルコ
ール側の炭素数が16〜18である炭素数30〜36の
高級脂肪酸エステルを被膜形成成分として採用したこと
によって、べとつき感がなく、初期効果に優れ、透明性
を損なわず、耐候性の高い被膜を形成することができ、
屋外からの害虫の侵入を阻止したい店舗等の建物のガラ
ス面や壁面にこの組成物を塗布あるいは噴き付けること
によって、長期間に亘って高い効果を維持できる。特に
エアゾール剤とした場合には、極めて簡便に使用でき
る。
ラス板強制接触試験によるKT 50値の結果を示すグラフ
である。
おけるガラス板強制接触試験によるKT50値の結果を示
すグラフである。
おける結果を示すグラフである。
験における120時間照射後の結果を示すグラフであ
る。
験における実施例4及び比較例3、7についての照射時
間の変化に伴うKT50値の変化を示すグラフである。
例3の実地効力試験における害虫の飛来付着状況の結果
を示すグラフである。
Claims (4)
- 【請求項1】 害虫防除成分と、脂肪酸側の炭素数が1
4〜18でかつアルコール側の炭素数が16〜18であ
る炭素数30〜36の高級脂肪酸エステルを被膜形成成
分として含有することを特徴とする飛来害虫侵入防止用
組成物。 - 【請求項2】 前記被膜形成成分が、イソステアリン酸
イソセチル、ステアリン酸イソセチル、パルミチン酸イ
ソステアリル、及びミリスチン酸イソセチルよりなる群
から選ばれる少なくとも1種を含む請求項1に記載の組
成物。 - 【請求項3】 前記害虫防除成分が、トラロメトリンで
ある請求項1又は2に記載の組成物。 - 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の
組成物を溶剤及び噴射剤と共に充填してなる飛来害虫侵
入防止用エアゾール剤。
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JP2001379629A JP4119647B2 (ja) | 2001-12-13 | 2001-12-13 | ガラス面塗布用の飛来害虫侵入防止用エアゾール剤 |
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