JP2003176130A - TiO2薄膜及び色素増感太陽電池用電極の作製方法並びに色素増感太陽電池用電極 - Google Patents

TiO2薄膜及び色素増感太陽電池用電極の作製方法並びに色素増感太陽電池用電極

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JP2003176130A
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Masaharu Kaneko
正治 金子
Masayuki Okuya
昌之 奥谷
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 SPD法を利用して汎用性及び短時間製膜に
よる生産性の向上を確保するとともに、太陽電池の変換
効率の向上を可能にした多孔質Ti02薄膜の作製方法を
提供し、また、Ti02薄膜を太陽電池用に応用した色素
増感太陽電池用電極及び当該太陽電池用電極の作製方法
を提供すること。 【解決手段】 Ti02ゾル溶液にチタン化合物(可溶性
のチタン化合物)を添加して原料溶液Cを調製するか、
或いは、アモルファス型Ti02ゾル水溶液とアナターゼ
型Ti02ゾル水溶液とを混合して原料溶液Dを調整し
て、該原料溶液C又はDを高温保存された基板に間歇噴
霧することにより、前記チタン化合物が熱分解などして
形成されたTi02相をTi02微粒子間に析出させながら
多孔質のTi02層を成長させること。また電極を構成す
る透明電極膜とTi02薄膜との間に、有機チタン化合物
を原料とした緻密なTi02バッファー層を介在させたこ
と。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、TiO2薄膜(特に
多孔質TiO2薄膜)及び該薄膜を用いた色素増感太陽電
池用電極の作製方法、並びに、色素増感太陽電池用電極
及び該電極の作製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】白色顔料として知られるTiO2(二酸化
チタン)は、その光触媒作用の発見により水分解、水質
浄化、殺菌、防汚、脱臭等の光触媒機能材料として着目
され、抗菌タオルや空気清浄機等に応用されている。さ
らに最近では、従来の光触媒作用と異なる光励起親水性
や超撥水性の報告もあって、機能性コーティングガラス
として自動車の窓ガラスやミラー等への応用も検討され
る等、そのTiO2薄膜は各種分野で機能薄膜として有用
である。
【0003】一方、TiO2の電気化学的特性の利用とし
ては色素増感太陽電池用の作用電極が知られている。色
素増感太陽電池は、数十nmのアナターゼ型TiO2粒子
から構成された半導体薄膜の表面に可視光を吸収する色
素分子を吸着させたもので、従来のpn接合と異なり、
光吸収部のキャリア輸送部とを分離した構造をもつこと
からキャリア散乱に起因する再結合がなく高い光電変換
効率を示す。しかも、単結晶シリコンのような高価な固
体材料を使用せず、セルを構成するTiO2、色素分子、
ヨウ素電解質等の原材料を資源的な制約なく容易に入手
できることから安価に作製でき、さらにはリサイクルが
容易で環境汚染物質の排出もないため環境にも優しい。
【0004】従来、上記太陽電池用電極としてのTiO2
薄膜の作製方法は、一般に、TiO2ゾル(すなわち、T
iO2コロイド分散液)をドクターブレード法やスピンコ
ート法などの塗布法により基板上に一様に拡げて乾燥さ
せる工程を数回〜数十回繰り返した後、500℃までの
温度で1〜2時間焼結させる方法(以下、従来方法とい
う)であった。しかるに、この従来方法では、太陽電池
に適した膜厚約10μmの薄膜を形成するためには、数
時間〜数十時間を必要とし、生産性が著しく低いもので
あった。
【0005】そこで、本発明者らは、上記従来方法の不
具合を改善するために、先の特許出願(特願2000−
339951号)により、上記原料(TiO2ゾル)とは
異なるチタン有機・無機化合物溶液を使用するとともに
汎用性に優れたスプレー熱分解法(以下、SPD法とい
う)によるTiO2薄膜の作製方法(以下、先願方法とい
う)を提案した。すなわち先願方法は、TiO2前駆体を
含む溶液に過酸化水素又はアルミニウムアセチルアセト
ナートを添加して原料溶液を調製し、高温保持された基
板に原料溶液を間歇噴霧することによりTiO2前駆体を
TiO2に熱分解し、基板上に多孔質のTiO2薄膜を成長
させることを特徴とする方法である。この先願方法によ
れば、従来方法に比べ汎用性に優れるだけでなく、比較
的短時間に色素増感太陽電池用のTiO2多孔質薄膜の作
製が可能であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記先
願方法において作製された太陽電池の変換効率は3.2
%であり、従来方法で作製された太陽電池の変換効率
(〜7%)の1/2程度という問題があった。これは、
TiO2薄膜の比表面積が従来方法により作製された薄膜
の1/2〜1/4程度であり、薄膜表面に吸着した色素
量の不足に起因するものと考えられる。本発明は、上記
従来事情に鑑み先願方法の利点、すなわちSPD法を使
用して汎用性及び短時間製膜による生産性の向上を確保
するとともに、太陽電池の変換効率の向上を可能にした
多孔質TiO2薄膜の作製方法を提供することを目的とす
る。また、本発明は、上記TiO2薄膜を太陽電池用に応
用した色素増感太陽電池用電極、さらには当該太陽電池
用電極の作製方法を提供することを目的とするものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】斯る本発明のTiO2薄膜
の作製方法は、TiO2ゾル溶液にチタン化合物を添加し
原料溶液を調製し、該原料溶液を高温保持された基板に
間歇噴霧することにより、前記チタン化合物が熱分解し
て形成されたTiO2相をTiO2微粒子間に析出させなが
ら多孔質のTiO2層を成長させることを要旨とする(請
求項1)。本発明のTiO2薄膜の作製方法においては、
TiO2ゾル溶液としてアナターゼ型TiO2ゾル水溶液を
使用して、アナターゼ型TiO2微粒子間にチタン化合物
に基づくTiO2相を析出させ、ネックを形成することが
好ましい。(請求項2)すなわち、上記従来方法で利用
されているTiO2ゾルを原料として使用し、それをSP
D法の利用を可能とすることによって、TiO2微粒子で
構成される多孔質電極の作製が可能となって変換効率の
向上を図ったことを特長とする。
【0008】しかるに、上記TiO2ゾルを原料溶液とし
て単にSPD法を採用した場合には、形成薄膜と基板と
の密着性が著しく低下し実用に供し得ない状態であっ
た。従来方法でTiO2ゾルを使用する場合、長時間の焼
結によりTiO2微粒子間でネックが形成されることによ
り薄膜の強度及び密着性を増強させているが、短時間で
薄膜を作製するSPD法でその作用を期待することはで
きない。したがって、それを解決するために、SPD法
による薄膜形成機構について再考する必要があった。
【0009】従来方法においては、TiO2ゾルによるT
iO2多孔質薄膜の作製に際し、原料の微粒子溶液に粘性
の高い有機バインダーを添加することで、焼結前に微粒
子同士を密着させてネック成長の効率を高めている。有
機バインダーは本焼結前の仮焼時における熱分解により
薄膜外へ放出される。しかし、この脱バインダープロセ
スには30分〜1時間の仮焼が必要であり、短時間で薄
膜を作製するSPD法ではバインダーが未分解不純物と
して薄膜内に残留するため採用することが難しい。そこ
で、本発明では、SPD法によりTiO2微粒子間にネッ
クを成長させて薄膜と基板との密着性を向上させるため
に、上記のとおり、TiO2ゾル溶液中にチタン化合物を
添加させたものである。それによれば、SPD法で製膜
時に前記チタン化合物が熱分解してTiO2相を形成し、
それがTiO2微粒子間に析出することで微粒子間のネッ
クとなり、短時間で薄膜の強度及び密着性が増強され
る。
【0010】そして、実験によれば、上記チタン化合物
がチタンイソプロキシドであることが好ましく(請求項
3)、具体的にはチタンイソプロホキシドの硝酸水溶液
とTiO2ゾル溶液を所定濃度に調製した原料溶液を使用
すること(請求項4)が好ましい。
【0011】また、実験をさらに行った結果、本発明の
TiO2薄膜の作製方法において、上記チタン化合物がア
モルファス型TiO2であること(請求項5)が好まし
く、そして、アモルファス型TiO2水溶液とアナターゼ
型TiO2ゾル溶液を所定濃度に調製して原料溶液とした
ことによるTiO2薄膜の作製方法(請求項6)が、変換
効率などにおいて特に好ましいことが明らかになった。
【0012】上記TiO2薄膜を色素増感太陽電池用電極
に応用する場合、一般に、ガラス基板上にフッ素ドープ
酸化スズ薄膜からなる透明電極を形成し、その上にTi
2薄膜を直接に作製するが、そのスズ化合物層とTiO
2ゾル溶液となじみが悪いために製膜が困難である。し
かも、従来方法による色素増感太陽電池においては、そ
の接合構造のために、電解液と透明電極の接触による短
絡、及びそれに伴う開放電圧の低下が問題となってい
た。そこで、本願では、上記フッ素ドープ酸化スズ薄膜
からなる透明電極上に直接TiO2ゾル溶液を使用したT
iO2薄膜を作製せずに、両薄膜間に、有機チタン化合物
を原料とした緻密なTiO2バッファー層を介在させてな
る色素増感太陽電池用電極(請求項7)に関する発明を
提示する。それによれば、上記TiO2バッファー層が透
明導電膜とTiO2薄膜との何れにもなじみがよいので、
接合性に優れて容易に接合を形成することができるばか
りでなく従来の問題点を解消できる。
【0013】その色素増感太陽電池用電極においては、
TiO2薄膜が、多孔質TiO2薄膜であること(請求項
8)が好ましく、また、その多孔質TiO2薄膜が、アナ
ターゼ型TiO2微粒子間にアモルファス型TiO2粒子が
アナターゼ型TiO2相として析出してネックを形成して
いる多孔質のTiO2薄膜であることを特徴とする色素増
感太陽電池用電極であること(請求項9)が特に好まし
い。そして、実験によれば、上記有機チタン化合物がチ
タンオキシアセチルアセトネートであることが望ましい
(請求項10)。
【0014】また、本願では、上記請求項7の色素増感
太陽電池用電極を作製する方法であって、スズ化合物及
びフッ素化合物を含む原料溶液を高温保持されたガラス
基板に間歇噴霧することによりフッ素ドープ酸化スズ薄
膜をガラス基板上に形成した後、チタンオキシアセチル
アセトナートを原料とした溶液を間歇噴霧することによ
り緻密なTiO2バッファー層を積層し、その層上に前記
請求項1の方法によりTiO2薄膜を積層することを特徴
とする(請求項11)発明を提示する。それにより、ガ
ラス基板上にフッ素ドープ酸化スズ薄膜からなる透明導
電薄膜を積層する工程、TiO2バッファー層を積層する
工程及びTiO2薄膜を積層する工程が流れ作業的に連続
して行うことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を表及び図面
に基づいて説明する。SPD法すなわちスプレー熱分解
法については先願方法でも開示したが、図1に示すSP
D装置により説明すれば、該装置はチャンバ1内にヒー
タ2で加熱されるホルダ3を配置し、ホルダ3に載置し
た基板4に噴霧器5にノズルを対向させて構成される。
チャンバ1内には、所定の酸化雰囲気に維持するために
大気に解放し、あるいは酸化性ガス源に接続して酸素分
圧を制御するようにする。
【0016】噴霧器5には、圧縮ガス6によって原料溶
液7が送り込まれる。レギュレータ8で噴霧圧を制御し
ながら基板4に向けて噴霧器5から放射状に原料溶液7
がスプレーされて、基板上に塗布される。スプレーされ
た原料溶液7は、加熱された基板4に到達すると熱分解
し、SnO2やTiO2など酸化成分等が基板4上に析出す
る。原料溶液7の噴霧によって低下した基板4の温度が
回復した後、原料溶液7を再度噴霧し、その噴霧の繰り
返しにより必要とする膜厚の薄膜に成長する。すなわ
ち、SPD法は、原料溶液の塗布工程と同時に加熱分解
を生起させることにより、SnO2やTiO2などの薄膜を
作製するものである。
【0017】次に、上記SPD法により色素増感太陽電
池用電極を作製するために、フッ素ドープ酸化スズ薄膜
からなるSnO2:F(略称:FTO)透明導電膜、Ti
2バッファー層及びTiO2多孔質層の形成について説
明するが、それらの原料溶液を含む形成条件を表1に示
す。
【0018】
【表1】
【0019】(工程1-1)透明電極の形成工程 表1に示すとおり、原料溶液Aは、0.25モルDBT
DA〔(C49)2Sn(OCOCH3)2〕エタノール溶液に
8モルのフッ化アンモニウム(NH4F)水溶液を、N
4F/DBTDA=1.6の割合で添加し、超音波洗
浄器で10分間混合して調整した。その原料溶液Aを使
用して、図1に示すSPD装置の基板4位置にガラス基
板(Corning1737;サイズ 25×25×1mm3
をセットした後、基板温度510℃で、噴霧器5から空
気を圧縮ガスとし、流量1.25ml/秒、噴霧時間0.
5秒、基板温度回復時間3秒、噴霧回数70回の条件で
間歇的にガラス基板へ噴霧し、膜厚600nm、平均可
視光透過率80%、シート抵抗8Ω/口のFTO(フッ
素ドープ酸化スズ薄膜)からなる透明導電膜を形成し
た。
【0020】(工程1-2)TiO2バッファー層の形成
工程 表1に示すとおり、原料溶液Bとして、0.1モルのチ
タンオキシアセチルアセトネート(titanium(IV)ox
yacetylacetonate)(省略:TOA)エタノール溶液を
基板温度500℃、流量0.5ml/秒、噴霧時間0.
5秒、基板温度回復時間3秒、噴霧回数300回の条件
でFTO膜上へ膜厚が500nmのTiO2バッファー層
を積層させた。
【0021】(工程1-3)TiO2多孔質層の形成工程 〔Ti(i-OPr)4硝酸水溶液とアナターゼ型TiO2ゾル
との使用による方法〕表1に示すとおり、TiO2ゾル
(STS-01:石原産業(株))を3wt%にイオン交換水
で希釈してストック溶液とした(溶液1)。さらに、チ
タンイソプロポキシド(Ti(i-OPr)4)を0.1モル
の硝酸水溶液に滴下し、超音波分散させて、0.01〜
0.02モルの溶液を調製した(溶液2)。次に、所定
濃度比(Ti(i-OPr)4/TiO2ゾル)になるように溶液
2へ溶液1を混合した後、最終的にTiO2ゾル濃度が
0.1モルとなるようにイオン交換水で希釈して原料溶
液Cを調製した。この原料溶液Cを、前記工程2で形成
したTiO2バッファー層上へ、基板温度500℃、流量
0.5ml/秒、噴霧時間0.5秒、基板温度回復時間
3秒、噴霧回数70回の条件で膜厚20μmのTiO2
孔質層を積層させた。その際、1回の噴霧で基板温度の
低下は20〜30℃の範囲でヒーターの出力を調節し
た。
【0022】上記工程1-1〜工程1-3は何れも図1に
示したSPD法を利用して連続的に実施され、その結
果、図2に示す色素増感太陽電池用の作用電極が15分
〜20分程度で作製することが可能であった。この電極
は、図2の断面のSEM像に示すように、ガラス基板1
0の上に、工程1によりFTO導線膜11が形成され、
その上に工程2によるTiO2バッファー層12が積層さ
れた後、該バッファー層12上にTiO2多孔質層13が
積層された断面構造である。すなわち、FTO導電膜1
1とTiO2多孔質層13との間にTiO2バッファー層1
2が介在する構造である。このTiO2バッファー層12
は、FTO導電膜11とはなじみがよいので密な接合が
得られるとともに、TiO2多孔質層13に対してもTi
2層であることから密な接合が容易に形成される。
【0023】そして、上記TiO2多孔質層13は、前述
のとおり、TiO2ゾル溶液にTi(i-OPr)4を添加した
原料溶液Cを使用したものである。Ti(i-OPr)4は基
板上で熱分解後にTiO2相を生成するが、この際にTi
2微粒子を取り込んで粒子間のネックが成長して膜が
形成される。粒子間にネックを成長する点では従来方法
と同じだが、ネックの源が従来方法ではTiO2微粒子自
身の焼結に基づくのに対し、本発明の場合、ネックの源
は原料溶液C中のTi(i-OPr)4に由来する。熱力学の
観点から、前者は拡散による物質移動に基づくネックの
成長であり、特に固体であるTiO2微粒子における拡散
は、気体や液体のそれに比べ極めて遅い。そのため、従
来方法では本焼成に最低1時間を要した。一方、SPD
法によりTi(i-OPr)4から形成されたネックは、原料
溶液調製の段階でTiO2微粒子を取り囲んでいるために
拡散の工程は必要とせず、数秒で熱分解・結晶化してT
iO2相を生成し、同時にTiO2微粒子間のネックとな
る。この溶液を利用したSPD法では、噴霧1回に0.
5秒、次回噴霧までの待ち時間に3秒の工程を50〜7
0回繰り返すことにより、色素増感太陽電池で一般に要
求される膜厚10〜20μm、ラフネスファクターが1
000のTiO2膜を形成することができる。
【0024】SPD法により色素増感太陽電池用電極を
作製するために、前述と同様にしてフッ素ドープ酸化ス
ズ薄膜からなるSnO2:F(略称:FTO)透明導電
膜、TiO2バッファー層を形成した後、最後に、前述の
とおり、アナターゼ型TiO2ゾル水溶液にアモルファス
型TiO2ゾル水溶液を混合した原料溶液Dを使用して、
TiO2多孔質層の形成を行った。その色素増感太陽電池
用電極の作製法において、各原料溶液を含む形成条件を
表2に示す。表2に示した条件としたほかは、前述の
(工程1)透明電極の形成工程及び(工程2)TiO2
ッファー層の形成工程と同様にして、各層の形成を行っ
た後、(工程3)TiO2多孔質層の形成工程を次に示す
ように行うことによって、TiO2多孔質層13を作製す
ることができる。
【0025】
【表2】
【0026】(工程2-1)透明電極の形成工程 前述の工程1-1と同様にして、ガラス基板上に透明導電
膜〔フッ素ドープ酸化スズ薄膜、膜厚600nm、平均
可視光透過率80%、シート抵抗10Ω/口のFTO〕
を形成した。 (工程2-2)TiO2バッファー層の形成工程 前記の工程2-1と同様にして、工程1-2で形成された透
明導電膜上にTiO2バッファー層(膜厚:500nm)
を形成した。
【0027】(工程2-3)TiO2多孔質層の形成工程 〔アモルファス型TiO2ゾルとアナターゼ型TiO2ゾル
との使用による方法〕表2に示すとおり、アモルファス
型TiO2ゾル(TKC-301:テイカ(株))とアナターゼ
型TiO2ゾル(TKC-302:テイカ(株))を混合してイ
オン交換水で希釈してストック溶液とした(溶液)。次
に、所定濃度比(アナターゼ型TiO2/アモルファス型
TiO2)になるように、前記のストック溶液をイオン交
換水で希釈して原料溶液Dを調製した。この原料溶液D
を、前記工程2で形成したTiO2バッファー層上へ、基
板温度500℃、流量0.5ml/秒、噴霧時間0.5
秒、基板温度回復時間3秒、噴霧回数70回の条件で膜
厚8μmのTiO2多孔質層を積層させた。その際、1回
の噴霧で基板温度の低下は20〜30℃の範囲でヒータ
ーの出力を調節した。
【0028】上記工程2-1〜工程2-3は、何れも図1
に示したSPD法を利用して連続的に実施され、その結
果、図9の同様の色素増感太陽電池用の作用電極が15
分〜20分程度で作製することが可能であった。この電
極は、図9の断面のSEM像に示すように、ガラス基板
10の上に、工程1によりFTO導線膜11が形成さ
れ、その上に工程2によるTiO2バッファー層12が積
層された後、該バッファー層12上にTiO2多孔質層1
3が積層された断面構造である。すなわち、FTO導電
膜11とTiO2多孔質層13との間にTiO2バッファー
層12が介在する構造である。
【0029】原料溶液D中のアモルファス型TiO2は、
製膜の際に、基板上でTiO2相を生成するが、この際に
TiO2微粒子を取り込んで粒子間のネックが成長して膜
が形成される。TiO2粒子間にネックを成長させる点で
は、前述のTi(i-OPr)4を添加した原料溶液Cを使用
した方法とほとんど同じだが、ネックの源がTi(i-OP
r)4を含有する原料溶液Cによるものであり、製膜の際
に、Ti(i-OPr)4が熱分解してTiO2相を形成して、
TiO2微粒子間のネックとなるのに対して、原料溶液D
を使用した場合には、アナターゼ型TiO2ゾルとアモル
ファス型TiO2ゾルとが含有されており、製膜の際に、
アモルファス型TiO2粒子が熱的相転移によりアナター
ゼ型TiO2相を形成すると共にアナターゼ型TiO2微粒
子間のネックとなり製膜されるのである。前述のように
原料溶液Dを用いた場合には、多孔質膜TiO2薄膜が良
好に形成されると共に、その多孔質膜TiO2薄膜層を有
する色素増感太陽電池電極を形成した場合に高い変換効
率(η)を有するのである。
【0030】次に、工程1−3〔Ti(i-OPr)4硝酸水溶
液とアナターゼ型TiO2ゾルとの使用による方法〕によ
って形成された、上記の図2におけるTiO2多孔質層1
3の作製について、さらに具体的な実施例に基づいて詳
細に検討する。 [TiO2多孔質層(工程1−3)のキャラクタリゼーシ
ョン]図3、Ti(i-OPr)4/TiO2ゾル=0.5〜
1.2溶液、及びTi(i-OPr)4のみの溶液から基板温
度500℃で形成された膜のXRDパターンを示す。T
i(i-OPr)4のみの溶液からはアナターゼ及びルチルの
混合相が、TiO2ゾル含有溶液からはアナターゼ単相が
それぞれ観測された。色素増感太陽電池用電極として
は、アナターゼ相の法がルチル相より優れており、Ti
2ゾル含有溶液を利用したSPD法による製膜の有効
性が予想される。また、Ti(i-OPr)4の添加量の増加
に伴い回析ピークの半値幅が狭くなる傾向が観測され、
Ti(i-OPr)4添加につれ膜構成粒子の粒径の増加が示
唆された。
【0031】図4に、Ti(i-OPr)4/TiO2ゾル=
0.3〜8.0溶液、及びTi(i-OPr)4のみの溶液か
ら形成されたTiO2層の表面SEM像を示す。膜を構成
するTiO2粒子の粒径は10〜20nm(Ti(i-OPr)
4/TiO2ゾル=0.3)から80〜100nm(Ti(i
-OPr)4/TiO2ゾル=0.8)まで、濃度比の増加と
ともに大きくなった。原料TiO2ゾルの平均粒径は7n
mであることから、添加した(Ti(i-OPr)4は基板上
で熱分解する際、TiO2ゾル粒子を取り込んで粒径の大
きなTiO2粒子を形成するとともに、粒子間にネックを
形成したものと考えられる。さらに、(Ti(i-OPr)4
添加量を増やした溶液(Ti(i-OPr)4/TiO2ゾル=
1.2、8.0)から形成されたTiO2層では、粒子間
のネック成長が極めて大きくなり、粒子境界が曖昧で平
滑な表面形態が観察された。このように、Ti(i-OPr)
4の添加により膜の密着性の向上を達成することができ
ただけでなく、(Ti(i-OPr)4添加量の制御により膜
構成粒子の粒径、言い換えるとTiO2層の多孔度の制御
が可能であることが確認された。
【0032】[TiO2多孔質層(工程1−3)の膜厚]
SPD法で作製した薄膜の特徴として、原料溶液の噴霧
回数により膜厚を制御することができることが挙げられ
る。図5に、(Ti(i-OPr)4/TiO2ゾル=0.5の原
料溶液を利用して形成されたTiO2多孔質膜の膜厚の噴
霧回数依存性を示し、噴霧回数と膜厚には比例関係が存
在することが確認された。この図5のデータから、目的
の膜厚に対応する噴霧回数を予測することができる。色
素増感太陽電池に関して、一般的に要求される膜厚は1
0〜20μmである。この要求に対してSPD法を利用
すると、膜厚20μmは70回の噴霧に相当する。1回
の噴霧時間が0.5秒、基板温度回復時間が3秒である
ことから、70回噴霧に要する時間は約4分である。従
来方法で同じ膜厚のTiO2層を作製するには、数時間〜
十数時間を要していたことから、SPD法の膜形成によ
り大幅な時間短縮が達成された。
【0033】なお、本発明の特徴は上記のとおり、従来
から利用されていたTiO2ゾル溶液にTi(i-OPr)4
添加して短時間でTiO2多孔質膜13の形成を可能にし
た点にある。しかし、添加する物質はTi(i-OPr)4
限らず、TiO2ゾル溶液と均質に混合することができる
物質であれば有機、無機に関わらず利用可能であると考
えられる。また、今回は500℃での製膜により最も優
れたTiO2膜が得られたが、さらに低音で熱分解・結晶
化する物質を利用することで、従来に比べて低温での製
膜も可能になると考えられる。例えば、四塩化チタン
(TiCl4)エタノール溶液(TiO2ゾルは含まず)を
利用したSPD法による製膜では、これまでに基板温度
380℃でアナターゼ型TiO2単相膜が得られている。
この効果を利用すれば、短時間に加え低温での色素増感
太陽電池用TiO2層を形成できる。さらに、本発明では
TiO2に限らず、広い意味での多孔質膜の短時間・低温
形成の可能性を示唆している。
【0034】次に、工程2−3〔アモルファス型TiO2
ゾルとアナターゼ型TiO2ゾルとの使用による方法〕に
よって形成された、上記の図2におけるTiO2多孔質層
13の作製について、さらに具体的な実施例に基づいて
詳細に検討する。 [原料アモルファス型TiO2ゾル(工程2・3)の熱的
変化]図10に、原料アモルファス型TiO2ゾルを1
00〜500℃に30分間加熱した後のXRDパターン
を示す。100℃ではアモルファス状態のままであった
が、300℃以上では、アナターゼ型TiO2相特有の
回折ピークが現れた。これは、原料アモルファス型Ti
2ゾルが、300℃以上で相転移をしてアナターゼ相
へ変化したことを示す。さらに、温度が300℃から5
00℃へ上昇するにつれ、回折ピーク強度の大きくなる
とともに半値幅が小さくなった。これは、原料アモルフ
ァスTiO2ゾルのうち、アモルファス相からアナター
ゼ相へ相転移した割合が大きくなるとともに、粒成長に
よる構成粒子の粒径の増加を示唆している。
【0035】図11に、原料アモルファス型TiO2
ル溶液、原料アナターゼ型TiO2ゾル溶液、及び原料
アモルファス型TiO2ゾルと原料アナターゼ型TiO2
ゾルの混合溶液のTG・DTA測定の結果を示す。アモ
ルファス型TiO2ゾル溶液、アナターゼ型TiO2ゾル
溶液、及びアモルファス型TiO2ゾルと原料アナター
ゼ型TiO2ゾルの混合溶液のDTA曲線で観測された
100℃付近の吸熱ピークは、ゾル溶液に付随する水成
分の蒸発によるものである。アモルファス型TiO2
ル溶液、及びアモルファス型TiO2ゾルとアナターゼ
型TiO2ゾルの混合溶液のDTA曲線において、29
0℃と370℃に吸熱ピークが観測された。これは、ア
モルファスTiO2相のアナターゼ相への相転移と粒成
長に対応していると考えられる。一方、アナターゼ型T
iO2ゾル溶液の場合は、290℃と370℃に吸熱ピ
ークは観測されなかった。
【0036】[TiO2多孔質層(工程2−3)のキャラ
クタリゼーション]図12に、それぞれアナターゼゾル
/アモルファスゾル比=0・2.3の溶液から基板温度
500℃で形成されたTiO2層の表面SEMを示す。
膜を構成するTiO2粒子の粒径は80・100nm(ア
ナターゼゾル/アモルファスゾル比=0)から10・2
0nm(アナターゼゾル/アモルファスゾル比=2.
3)まで、濃度比の増加とともに小さくなった。原料T
iO2ゾルの平均粒径は、アナタ・ゼ及びアモルファスと
も7nmであることから、これらのゾルは基板上で粒成
長して粒子間にネックを形成したものと考えられる。こ
のように、アナターゼとアモルファスのTiO2ゾルを
混合することで膜の密着性の向上を達成することができ
ただけでなく、アナターゼゾルとアモルファスゾルの混
合比の制御により膜構成粒子の粒径、言い換えるとTi
2層の多孔度の制御が可能であることが確認された。
【0037】次に、上記TiO2薄膜を使用した色素増感
太陽電池の作製と評価について説明する。 [色素増感太陽電池の原理]目低とする太陽電池の原理
を図6により説明すれば次のとおりである。色素分子は
TiO2薄膜の半導体作用電極表面に吸着した状態にあ
る。色素分子は太陽光を吸収し、励起状態になる。この
状態で、色素分子からTiO2の伝道帯へ電子が注入され
る。電子は導電膜を通過し、外部の電流回路へと流れ、
電流として取り出される。その後、電子は対電極を通じ
て電池内へ戻る。この対電極と薄膜間には電解液(I-
/I3 -)が存在し、この電解質の拡散により2つの電極
間に電荷の移動が起こる。対電極の電子によりI3 -が還
元されI-に変化して対電極から作用電極まで拡散し、
ここで先に電子を放出しカチオンとなった色素増感分子
に電子を還元して増感分子を再生する。これと同時にI
-自身も酸化されI3 -として再生される。このように、
光を電流へ変換する酸化還元サイクルは一つの閉じた系
であり、原理的として自然界の光合成と同じである。
【0038】[色素増感太陽電池の組み立ておよび評価
法]対電極はガラス基板上へPtを蒸着して作製した。
その対電極上へ約0.1mlの電解液(I-:0.5M
/I3 -0.04M、80%炭酸エチレン/20%炭酸プ
ロピレン溶液)をスポイトで滴下し、2枚の電極間へ広
げ簡易太陽電池を組み立てた。この状態で電極間は表面
張力により貼り付いた。電池特性の評価は、太陽電池評
価装置(分光計器)で擬似太陽光(AM−1.5,10
0mW/cm2)の照射下で行った。また吸着色素量
は、アルカリ溶液中で脱着させた色素を比色法により定
量した。
【0039】次いで、上記の色素増感太陽電池の評価に
ついて説明する。 [色素吸着量(工程1−3)]図7に、Ti(i-OPr)4
添加量を変化させた原料溶液から形成された多孔質Ti
2層(膜厚20μm)の表面に吸着した色素(cis-Dith
iocyanato-N,N-bis(2,2’-bipyridyl-4,4’-dicarboxyl
icacid)-ruthenium(II)dehydrate)の単位面積当りの吸
着量を示す。(Ti(i-OPr)4/TiO2ゾル=0.3で吸
着量は最大値9×10-8モル/cm2に達し、この値より
TiO2層のラフネスファクターは約1000に相当す
る。このラフネスファクター1000は、一般に色素増
感太陽電池で要求される値である。したがって、このT
iO2多孔質層を利用することにより、従来方法で形成さ
れた色素増感太陽電池と遜色ない電池特性が期待でき
る。
【0040】[太陽電池特性(工程1−3)]図8に、
Ti(i-OPr)4添加量を変化させて形成した作用極を利
用して作製した太陽電池の(a)開放電圧(Voc)、
(b)短絡電流(Isc)、(c)曲線因子(FF)及び
(d)変換効率(η)をそれぞれ示す。なお、TiO2
孔質層の膜厚は全ての電極で20μmに統一してある。
開放電圧(Voc)はTi(i-OPr)4添加量にほとんど依存
せず、0.7〜0.8Vの間で一定であった。これは当
該電池で報告されているトップデータと同程度である。
開放電圧は暗電流と光電流とのバランスで決まるため、
暗電流が流れる経路を遮断することができれば向上す
る。一般にこの太陽電池の系では、作用極に多孔質層を
利用するため、電解液がTiO2多孔質層を通過して透明
電導膜層に接触することによる短絡が原因で暗電流が流
れ易く構造となっている。したがって、同該電池の一般
的な開放電圧は0.6〜0.7V程度である。
【0041】一方、本発明のSPD法で形成された作用
電極では、図2で説明したとおり、TiO2多孔質層13
と透明導電膜層(FTO導電膜)11の間に密なTiO2
バッファー層12が導入されている。この太陽電池で高
い開放電圧が得られたのは、この層により暗電流が流れ
る経路を有効的に遮断することができたためと考えられ
る。もともとこのバッファー層12は、SPD法による
電極作製に際して、TiO2多孔質層13とFTO導電膜
11の密着性を高めるために導入したが、電池特性の向
上にも寄与したことになる。
【0042】短絡電流(ISC)はTi(i-OPr)4/TiO
2ゾル=0.6まではTi(i-OPr)4添加量の増加ととも
に増加したが、Ti(i-OPr)4/TiO2ゾル=0.6以
上では10から12mA/cm2程度で一定となった。
しかし、上記太陽電池で得られた短絡電流の値は、既報
値の2/3程度であった。一般に短絡電流は集光面積に
より決まり、この電池の場合は作用極のラフネスファク
ターを1000程度まで増加させ、その表面へ大量の色
素を吸着させることで電流密度の向上を図っている。S
PD法で形成された太陽電池の場合、図7に示されたT
i(i-OPr)4添加量と色素吸着量の関係から、Ti(i-O
Pr)4添加量が少ないほど色素吸着量は大きい結果が得
られている。つまり、Ti(i-OPr)4添加量が少ないほ
ど大きな短絡電流が予想されることになり、本結果はこ
れに矛盾する。
【0043】この原因として、多孔質層を形成する粒子
間の相関を考える必要がある。つまり、Ti(i-OPr)4
添加量が少ないほど構成粒子間をつなぐネックは細く、
比表面積は大きいため色素の吸着量は多く、したがって
光吸収による光電子も数多く発生する。しかし、粒子間
のネックが細く未発達のため、粒子間の機械的強度や電
気的接触は弱く、再融合により光電子の多くは消滅す
る。これにより、短絡電流は色素の吸着量から予測され
る値よりも小さくなる。一方、Ti(i-OPr)4添加量の
増加により短絡電流が急激に増加する理由は、Ti(i-O
Pr)4添加量の増加にともない粒子間のネックが発達
し、光電子の再結合の割合が減少したためであると考え
られる。これに対し、Ti(i-OPr)4/TiO2ゾル=
0.6以上におけるTi(i-OPr)4添加に伴う短絡電流
の低下はTi(i-OPr)4添加による粒子間のネックの大
き過ぎる発達により比表面積が減少し、これに伴う作用
極表面の吸着色素量の減少するのに伴い光電子の発生量
が減少するのが原因である。
【0044】曲線因子(FF)はTi(i-OPr)4添加量
が増加するにつれ0.7〜0.5まで緩やかに減少し
た。曲線因子は0〜1までの値をとりうるが、電池の内
部抵抗や濡れ電流の増加に伴い減少する。この電池の場
合、曲線因子は最高で0.7〜0.8の報告があり、S
PD法で作製された太陽電池はこの値よりも低い。本発
明の場合、Ti(i-OPr)4添加量の増加につれ曲線因子
が低下しているため、原料であるTi(i-OPr)4やTiO
2ゾルに由来する残留物や、アナターゼ相に比べ電池特
性の劣るルチル相の膜中への混在がこの原因として考え
られる。
【0045】変換効率(η)は擬似太陽光(AM−1.
5、100mW/cm2)下ではη=ISC・VOC・FF
で表される。上記の結果よりTi(i-OPr)4/TiO2
ル=0.6以下では短絡電流の変化が著しく大きいた
め、変換効率は短絡電流と同様にTi(i-OPr)4添加量
の増加に伴い増加し、最大4.9%に達した。Ti(i-O
Pr)4/TiO2ゾル=0.6以上では、曲線因子の低下
の影響から変換効率は減少傾向であった。
【0046】[色素吸着量(工程2・3)]図13に、
アナターゼゾル/アモルファスゾルの濃度比を変化させ
た原料溶液から形成された多孔質TiO2層(膜厚10
μm)の表面に吸着した色素(cis-Dithiocyanato-N, N
-bis(2, 2’-bipyridyl-4, 4’-dicarboxylic acid)-ru
thenium(II) dehydrate)の単位面積あたりの吸着量を
示す。アナターゼゾル/アモルファスゾル=2.0で吸
着量は最大値3×10-8モル/cm2に達し、この値より
TiO2層のラフネスファクターは約400に相当す
る。アナターゼゾル/アモルファスゾル=2.0の溶液
から作成された多孔質TiO2層が最も大きな多孔度を
示したことから、この多孔質TiO2層で色素増感太陽
電池特性が最大を示すと考えられる。なお、アナターゼ
ゾル/アモルファスゾル=2.3ではネック形成が不十
分で密着性の良い膜を得ることができなかった。このた
め、一定の膜厚を有する多孔質TiO2層を作成するこ
とは困難であった。
【0047】[太陽電池特性(工程2−3)]図14
に、アナターゼゾル/アモルファスゾル濃度比を変化さ
せて形成した作用極を利用して作製した太陽電池の
(a)開放電圧(Voc)、(b)短絡電流(Isc)、(c)
曲線因子(FF)及び(d)変換効率(η)をそれぞれ示
す。なお、TiO2多孔質層の膜厚は全ての電極で10μ
mに統一してある。開放電圧(Voc)はTi(i-OPr)4
加量にほとんど依存せず、0.7〜0.8Vの間で一定
であった。これは当該電池で報告されているトップデー
タと同程度である。
【0048】短絡電流(ISC)はアナターゼゾル/アモ
ルファスゾル濃度比=2.0まではアナターゼゾル添加
量の増加とともに増加し、最大13mA/cm2を示し
た。しかし、アナターゼゾル/アモルファスゾル濃度比
=2.3では8mA/cm2まで減少した。なお、上記
太陽電池で得られた短絡電流の値は、既報値の2/3程
度であった。短絡電流のアナターゼゾル/アモルファス
ゾル濃度比依存性は、多孔質TiO2層表面に吸着した
色素量のアナターゼゾル/アモルファスゾル濃度比依存
性(図13)と同じ傾向を示した。これは、多孔質Ti
2層表面に吸着した色素が有効に機能して、光電流を
発生したことを示している。
【0049】曲線因子(FF)はアナターゼゾル/アモ
ルファスゾル濃度比にほとんど依存せず、0.6〜0.
7程度の値を示した。本発明の場合、工程1−3に示し
た色素増感太陽電池用電極に比べ、曲線因子が大きく、
これまで報告されている値が0.7・0.8であること
から、本件の値は良好な値であると考えられる。工程1
−3においては、原料に添加していたTi(i-OPr)4
由来する残留有機物による曲線因子の低下が課題であっ
たが、Ti(i-OPr)4を使用しない工程2・3において
は、残留有機物の影響はなく、良好な結果につながった
ものと考えられる。
【0050】変換効率(η)は擬似太陽光(AM−1.
5、100mW/cm2)下ではη=ISC・VOC・FF
で表される。上記の結果よりアナターゼゾル/アモルフ
ァスゾル濃度比=2.0で最大6.0%に達した。
【0051】
【本発明の効果】本発明によれば、SPD法を使用して
汎用性及び短時間製膜による生産性の向上を確保するこ
とが可能であることに加えて、原料溶液のTiO2ゾル溶
液中にチタン化合物を添加させたものを使用するので、
該チタン化合物の熱分解により形成されたTiO2相また
は、アモルファス型TiO2ゾルに基づくTiO2相がTi
2微粒子間に析出することで微粒子間のネックとな
る。したがって、TiO2ゾルのSPD法利用を可能にし
て、従来方法の不具合を解消し短時間製膜で薄膜の強度
及び密着性が増強される作製方法を提供する(請求項
1)。特に請求項2、3によれば、その効果が顕著であ
った。
【0052】また、請求項4によれば、ガラス基板上の
FTO導電膜とTiO2薄膜との間にTiO2バッファー層
を介在させて作用電極を作製したので、該TiO2バッフ
ァー層がFTO導電膜とTiO2薄膜とに夫々よくなじ
み、接合性に優れて容易に接合を形成することができ
る。しかも、従来方法及び先願方法による色素増感太陽
電池で問題となっていた電解液とFTO導電膜の接触に
よる短絡、及びそれに伴う開放電圧の低下を解消するこ
とができた。この効果は請求項5により特に優れた色素
増感太陽電池の特性が得られた。
【0053】さらに、請求項3によれば、FTO導電カ
ムを積層する工程、TiO2バッファー層を積層する工程
及びTiO2薄膜を積層する工程がSPD法の利用により
流れ作業的に連続して行うことができるので、色素増感
太陽電池を工業的に生産性よく作製することが可能であ
って安価に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 スプレー熱分解法(SPD法)を実施する装
置の概要図である。
【図2】 本発明の色素増感太陽電池用電極(請求項
2)の断面SEM像である。
【図3】Ti(i-OPr)4/TiO2ゾル比で形成されたTi
2薄膜のXRDパターンである。
【図4】Ti(i-OPr)4/TiO2ゾル比で形成されたTi
2薄膜の表面SEM像であって、(a)はTi(i-OP
r)4/TiO2ゾル比が0.3、(b)は同0.5、
(c)は同0.8、(d)は同1.2、(e)は同8.
0、(f)はTi(i-OPr)4のみの場合を示す。
【図5】SPD法によりTi(i-OPr)4/TiO2ゾル比
=0.5溶液から形成されたTiO2薄膜の噴霧回数依存
性を示すグラフである。
【図6】色素増感太陽電池を説明する概要図であって、
(a)は模式図、(b)は原理図である。
【図7】Ti(i-OPr)4/TiO2ゾル比の各比で形成さ
れたTiO2薄膜の膜厚表面に吸着した色素量を示すグラ
フである。
【図8】Ti(i-OPr)4/TiO2ゾル比の各比で形成さ
れた色素増感太陽電池の特性(AM−1.5、100m
W/cm2)であって、(a)は開放電圧(Voc)、
(b)は短絡電流(Isc)、(c)は曲線因子(F
F)、(d)は変換効率(η)を示すグラフである。
【図9】本発明の色素増感太陽電池用電極(請求項2)
の断面SEM像である。
【図10】原料アモルファスTiO2ゾルを各温度で30
分加熱した結果得られた粉体のXRDパターンである。
【図11】原料TiO2ゾル溶液のTG・DTA測定の
結果であって、(a)はアモルファスTiO2ゾル、
(b)はアナターゼTiO2ゾル、(c)はアモルファ
スTiO2ゾル/アナターゼTiO2ゾル比=1を示すグ
ラフである。
【図12】アナターゼゾル/アモルファスゾル比の各比
で形成されたTiO2薄膜の表面SEM像であって、
(a)はアナターゼゾル/アモルファスゾル比=0、
(b)は同0.3、(c)は同1.0、(d)は同2.
3の場合を示す。
【図13】アナターゼゾル/アモルファスゾル比の各比
で形成されたTiO2薄膜の膜表面に吸着した色素量を
示すグラフである。
【図14】アナターゼゾル/アモルファスゾル比の各比
で形成された色素増感太陽電池の特性(AM−1.5、
100mW/cm2)であって、(a)は開放電圧(V
oc)、(b)は短絡電流(Isc)、(c)は曲線因
子(FF)、(d)は変換効率(η)を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
10;ガラス基板 11:FTO導電膜 12:TiO2バッファー層 13:TiO2多孔質層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G047 CA02 CB05 CC03 CD02 CD07 5F051 AA07 AA14 BA14 CB11 FA03 FA06 GA03 5H032 AA06 AS06 AS16 EE02 EE07 EE16

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】TiO2ゾル溶液にチタン化合物を添加して
    原料溶液を調製し、該原料溶液を高温保持された基板に
    間歇噴霧することにより、前記チタン化合物が熱分解し
    て形成されたTiO2微粒子間に析出させながら多孔質の
    TiO2層を成長させるTiO2薄膜の作製方法。
  2. 【請求項2】TiO2ゾル溶液としてアナターゼ型TiO2
    ゾル水溶液を使用して、アナターゼ型TiO2微粒子間に
    チタン化合物に基づくTiO2相を析出させ、ネックを形
    成することを特徴とする請求項1に記載のTiO2薄膜の
    作製方法。
  3. 【請求項3】上記チタン化合物がチタンイソプロポキシ
    ドであることを特徴とする請求項1に記載のTiO2薄膜
    の作製方法。
  4. 【請求項4】請求項3の記載において、チタンイソプロ
    ポキシドの硝酸水溶液とTiO2ゾル溶液を所定濃度に調
    製して原料溶液とすることを特徴とするTiO2薄膜の作
    製方法。
  5. 【請求項5】上記チタン化合物がアモルファス型TiO2
    であることを特徴とする請求項1に記載のTiO2薄膜の
    作製方法。
  6. 【請求項6】請求項5の記載において、アモルファス型
    TiO2水溶液とアナターゼ型TiO2ゾル溶液を所定濃度
    に調製して原料溶液とすることを特徴とするTiO2薄膜
    の作製方法。
  7. 【請求項7】ガラス基板上に形成するフッ素ドープ酸化
    スズ薄膜とTiO2薄膜との間に、有機チタン化合物を原
    料とした緻密なTiO2バッファー層を介在させてなる色
    素増感太陽電池用電極。
  8. 【請求項8】TiO2薄膜が、多孔質TiO2薄膜であるこ
    とを特徴とする請求項7記載の色素増感太陽電池用電
    極。
  9. 【請求項9】多孔質TiO2薄膜が、アナターゼ型TiO2
    微粒子間にアモルファス型TiO2粒子がアナターゼ型T
    iO2相として析出してネックを形成している多孔質のT
    iO2薄膜であることを特徴とする請求項8に記載の色素
    増感太陽電池用電極。
  10. 【請求項10】上記有機チタン化合物がチタンオキシア
    セチルアセトネートであることを特徴とする請求項7に
    記載の色素増感太陽電池用電極。
  11. 【請求項11】スズ化合物及びフッ素化合物を含む原料
    溶液を高温保持されたガラス基板に間歇噴霧することに
    よりフッ素ドープ酸化スズ薄膜をガラス基板上に形成し
    た後、チタンオキシアセチルアセトネートを原料とした
    溶液を間歇噴霧することにより緻密なTiO2バッファー
    層を積層し、その層上に前記請求項4または6の方法に
    よりTiO2薄膜を積層する色素増感太陽電池用電極の作
    製方法。
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