JP2003175749A - 車輌の走行制御装置 - Google Patents

車輌の走行制御装置

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JP2003175749A
JP2003175749A JP2001378527A JP2001378527A JP2003175749A JP 2003175749 A JP2003175749 A JP 2003175749A JP 2001378527 A JP2001378527 A JP 2001378527A JP 2001378527 A JP2001378527 A JP 2001378527A JP 2003175749 A JP2003175749 A JP 2003175749A
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control
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wheel
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JP2001378527A
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English (en)
Inventor
Masahito Suzumura
将人 鈴村
Shoji Inagaki
匠二 稲垣
Takeshi Koibuchi
健 鯉渕
Yoshikazu Hattori
義和 服部
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Toyota Motor Corp
Toyota Central R&D Labs Inc
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Toyota Central R&D Labs Inc
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Publication date
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  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)
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  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
  • Steering-Linkage Mechanisms And Four-Wheel Steering (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 操舵制御及び駆動力制御により車輌の走行運
動を制御するに当り、走行運動制御の厳密度合を変更可
能にする。 【解決手段】 理想車輌モデルに基づく車輌の目標前後
力Fxt、目標横力Fyt、目標ヨーモーメントMztが演算
され(S100、150)、車輌の実際の前後力Fx、
横力Fy、ヨーモーメントMzが演算され(S200)、
これらに基づき各車輪の目標スリップ角αti及び第一の
目標スリップ率κt1iが演算され(S300)、操舵制
御手段は目標スリップ角αtiに基づいて制御され(S1
000、1050)、制駆動力制御手段は第二の制御モ
ードに於いては実車輌モデルに基づく車輌の目標前後力
Fxtκ、目標横力Fytκ、目標ヨーモーメントMztκ
基づいて演算される第二の目標スリップ率κt2iに基づ
いて制御され(S550〜700、1050)、第一の
制御モードに於いては第一の目標スリップ率κt1iに基
づいて制御される(S900、1050)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車輌の走行制御装
置に係り、更に詳細には互いに協調して車輌の走行運動
を制御する操舵制御手段及び制駆動力制御手段を備えた
車輌の走行制御装置に係る。
【0002】
【従来の技術】自動車等の車輌の走行制御装置の一つと
して、例えば特開平6−24349号公報に記載されて
いる如く、ヨーレートフィードバック制御等による四輪
操舵制御装置とスロットル制御等によるトラクション制
御装置とを有する車輌に適用され、目標挙動演算値と実
挙動検出値との偏差が所定値以上となることにより四輪
操舵制御限界域を予測し、四輪操舵制御限界域が予測さ
れたときには四輪操舵制御装置の最大制御量を制限する
と共にトラクション制御装置によるトラクション制御を
入り易くする総合制御手段を有する走行制御装置が既に
知られている。
【0003】上述の走行制御装置によれば、四輪操舵制
御装置によるヨーレートフィードバック制御等により優
先的に車輌の走行挙動が安定化され、四輪操舵制御装置
のみによっては車輌の走行挙動を安定化することができ
ない場合には四輪操舵制御装置によるヨーレートフィー
ドバック制御等及びトラクション制御装置によるトラク
ション制御の両者により車輌の走行挙動が安定化される
ので、車輌に不必要な加減速が生じる虞れを低減しつつ
車輌の走行挙動を効果的に安定化させることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一般に、車輌の走行状
態が比較的安定であるときには、走行挙動の安定化の必
要性が低いので、挙動制御は必ずしも厳密に行われなく
てもよく、従って目標挙動演算値は必ずしも車輌の理想
的な走行状態に対応する高い目標値でなくてもよいが、
車輌の走行状態が不安定になる虞れがあるときには、挙
動制御が厳密に実行されることによって車輌の走行状態
が不安定になることが確実に且つ効果的に防止されるよ
う、目標挙動演算値は車輌の理想的な走行状態に近い高
い目標値であることが好ましい。
【0005】しかし上述の如き従来の走行制御装置に於
いては、四輪操舵制御装置のみにより車輌の走行挙動の
安定化が達成される場合、四輪操舵制御装置及びトラク
ション制御装置の両者により車輌の走行挙動の安定化が
達成される場合の何れの場合にも、目標挙動演算値は常
に一定の態様にて演算されるので、挙動制御に於ける車
輌の目標状態を変更することができず、そのため走行挙
動安定化の厳密度合を変更することができない。
【0006】本発明は、駆動力制御よりも操舵制御を優
先して操舵制御及び駆動力制御により実際の車輌状態が
目標状態になるよう車輌の走行運動を制御する従来の走
行制御装置に於ける上述の如き問題に鑑みてなされたも
のであり、本発明の主要な課題は、車輌の目標状態を変
更可能にすると共に車輌の目標状態に応じて操舵制御及
び駆動力制御による走行運動制御の内容を変更すること
により、例えば車輌の走行状態が比較的安定である場合
に於ける制御介入の程度を低減しつつ車輌の走行状態が
不安定になる虞れがある状況に於いて確実に且つ効果的
に車輌の安定的な走行状態を確保することができるよ
う、車輌の走行運動運動の制御の厳密度合を変更可能に
することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述の主要な課題は、本
発明によれば、請求項1の構成、即ち操舵制御手段と、
制駆動力制御手段と、実際の車輌に基づく実車輌モデル
及び前記実車輌モデルよりも性能の高い理想車輌モデル
を使用して前記操舵制御手段及び前記制駆動力制御手段
を制御することにより車輌の走行運動を制御する走行運
動制御手段とを有し、前記走行運動制御手段は実際の車
輌状態量と前記理想車輌モデルより求められる第一の目
標車輌状態量とに基づき前記操舵制御手段を制御する車
輌の走行制御装置に於いて、前記走行運動制御手段は実
際の車輌状態量と前記第一の目標車輌状態量とに基づき
前記制駆動力制御手段を制御する第一の制御モードと、
実際の車輌状態量と前記実車輌モデルより求められる第
二の目標車輌状態量とに基づき前記制駆動力制御手段を
制御する第二の制御モードとの間にて制御モードを切り
替える制御モード切り替え手段を有することを特徴とす
る車輌の走行制御装置によって達成される。
【0008】また本発明によれば、上述の主要な課題を
効果的に達成すべく、上記請求項1の構成に於いて、前
記走行運動制御手段は前記第一の制御モードに於いては
実際の車輌状態量と前記第一の目標車輌状態量とに基づ
き目標操舵制御量及び第一の目標制駆動力制御量を演算
し、前記目標操舵制御量にて前記操舵制御手段を制御す
ると共に、前記第一の目標制駆動力制御量にて前記制駆
動力制御手段を制御し、前記第二の制御モードに於いて
は実際の車輌状態量と前記第一の目標車輌状態量とに基
づき目標操舵制御量を演算し、実際の状態量と前記第二
の目標車輌状態量とに基づき第二の目標制駆動力制御量
を演算し、前記目標操舵制御量にて前記操舵制御手段を
制御すると共に、前記第二の目標制駆動力制御量にて前
記制駆動力制御手段を制御するよう構成される(請求項
2の構成)。
【0009】また本発明によれば、上述の主要な課題を
効果的に達成すべく、上記請求項1又は2の構成に於い
て、前記制御モード切り替え手段は通常時には前記制御
モードを前記第二の制御モードに設定し、車輌の走行状
況に応じて前記制御モードを前記第一の制御モードに切
り替えるよう構成される(請求項3の構成)。
【0010】また本発明によれば、上述の主要な課題を
効果的に達成すべく、上記請求項3の構成に於いて、前
記制御モード切り替え手段は前記実際の車輌状態量と前
記第一の目標車輌状態量との偏差の大きさに基づき判定
指標値を演算し、前記判定指標値が基準値以上であると
きに前記制御モードを前記第一の制御モードに切り替え
るよう構成される(請求項4の構成)。
【0011】
【発明の作用及び効果】上記請求項1の構成によれば、
操舵制御手段は実際の車輌状態量と理想車輌モデルより
求められる第一の目標車輌状態量とに基づき制御され、
実際の車輌状態量と第一の目標車輌状態量とに基づき制
駆動力制御手段を制御する第一の制御モードと、実際の
車輌状態量と実車輌モデルより求められる第二の目標車
輌状態量とに基づき制駆動力制御手段を制御する第二の
制御モードとの間にて制駆動力制御手段の制御モードが
切り替えられるので、操舵制御手段により車輌の走行運
動を効果的に制御することができると共に、制御モード
を第一の制御モードより第二の制御モードに切り替える
ことにより制駆動力制御手段による制御介入の頻度を低
減することができ、逆に制御モードを第二の制御モード
より第一の制御モードに切り替えることにより操舵制御
手段による制御に加えて制駆動力制御手段による制御に
よって車輌の走行運動を確実に制御することができる。
【0012】また一般に、操舵制御手段及び制駆動力制
御手段が実際の車輌状態量と目標車輌状態量とに基づき
制御される場合には、目標車輌状態量が理想的な車輌状
態量に近いほど車輌の走行運動制御の厳密度合が高くな
り、車輌の走行運動を理想的な走行運動に近づけること
ができる。しかし目標車輌状態量が理想的な車輌状態量
に近づけられると、操舵制御手段による車輪の舵角は理
想的な舵角に近づき車輌の走行運動を理想的な走行運動
に近づけることができるが、制駆動力制御手段による車
輪の制駆動力の制御頻度が高くなり、車輌の加減速の頻
度も高くなってしまう。
【0013】上記請求項1の構成によれば、操舵制御手
段は常に実際の車輌状態量と理想車輌モデルより求めら
れる第一の目標車輌状態量とに基づき制御されることに
より、車輪の舵角を理想車輌モデルに基づく理想的な舵
角に制御することができ、また実際の車輌状態量と第一
の目標車輌状態量とに基づき制駆動力制御手段を制御す
る第一の制御モードと、実際の車輌状態量と実車輌モデ
ルより求められる第二の目標車輌状態量とに基づき制駆
動力制御手段を制御する第二の制御モードとの間にて制
御モードが切り替えられるので、操舵制御手段及び制駆
動力制御手段の両者が実際の車輌状態量と理想車輌モデ
ルより求められる第一の目標車輌状態量とに基づき制御
される第一の制御モードと、操舵制御手段及び制駆動力
制御手段の両者が実際の車輌状態量と実車輌モデルより
求められる第二の目標車輌状態量とに基づき制御される
第二の制御モードとの間にて切り替えられる場合に比し
て、車輌の不必要な加減速の虞れを効果的に抑制しつつ
車輌の走行運動を効果的に制御することができる。
【0014】上記請求項2の構成によれば、第一の制御
モードに於いては実際の車輌状態量と第一の目標車輌状
態量とに基づき目標操舵制御量及び第一の目標制駆動力
制御量が演算され、目標操舵制御量にて操舵制御手段が
制御されると共に、第一の目標制駆動力制御量にて制駆
動力制御手段が制御され、第二の制御モードに於いては
実際の車輌状態量と第一の目標車輌状態量とに基づき目
標操舵制御量が演算され、実際の状態量と第二の目標車
輌状態量とに基づき第二の目標制駆動力制御量が演算さ
れ、目標操舵制御量にて操舵制御手段が制御されると共
に、第二の目標制駆動力制御量にて制駆動力制御手段が
制御されるので、制御モードに拘わらず実際の車輌状態
量と第一の目標車輌状態量とに基づく目標操舵制御量に
基づいて操舵制御手段を制御すると共に、第一の制御モ
ードに於いては第一の目標制駆動力制御量に基づいて制
駆動力制御手段を制御し、第二の制御モードに於いては
第二の目標制駆動力制御量に基づいて制駆動力制御手段
を制御することができる。
【0015】上記請求項3の構成によれば、通常時には
制御モードが第二の制御モードに設定され、車輌の走行
状況に応じて制御モードが第一の制御モードに切り替え
られるので、通常時には制駆動力制御手段による制御介
入の頻度を確実に低減すると共に、車輌の走行状況に応
じて制御モードが第一の制御モードに切り替えられるこ
とにより操舵制御手段の制御及び制駆動力制御手段の制
御により確実に車輌の走行運動を制御することができ
る。
【0016】上記請求項4の構成によれば、実際の車輌
状態量と第一の目標車輌状態量との偏差の大きさに基づ
き判定指標値が演算され、判定指標値が基準値以上であ
るときに制御モードが第一の制御モードに切り替えられ
るので、操舵制御手段によっては車輌の走行運動を確実
に制御することができない状況や車輌の走行運動が不安
定になる虞れがある状況に於いて、制御モードを確実に
第一の制御モードに切り替えることができる。
【0017】尚本明細書に於いて、「操舵制御手段」は
運転者による操舵操作とは無関係に車輪を操舵する制御
手段を意味し、「制駆動力制御手段」は運転者による制
駆動操作とは無関係に各車輪の制駆動力を個別に制御可
能な制御手段を意味する。
【0018】
【課題解決手段の好ましい態様】本発明の一つの好まし
い態様によれば、上記請求項1の構成に於いて、実際の
車輌状態量は少なくとも車輌のヨーレートを含み、第一
の目標車輌状態量及び第二の目標車輌状態量は少なくと
も車輌の目標ヨーレートを含むよう構成される(好まし
い態様1)。
【0019】本発明の他の一つの好ましい態様によれ
ば、上記好ましい態様1の構成に於いて、実際の車輌状
態量は車輌の実際のヨーレート、実際の前後加速度、実
際の横加速度であり、第一の目標車輌状態量及び第二の
目標車輌状態量は車輌の目標ヨーレート、目標前後加速
度、目標横加速度であるよう構成される(好ましい態様
2)。
【0020】本発明の他の一つの好ましい態様によれ
ば、上記請求項2の構成に於いて、走行運動制御手段は
第一の制御モードに於いては実際の車輌状態量と第一の
目標車輌状態量とに基づき車輌全体の目標制御量を演算
し、車輌全体の目標制御量に基づき目標操舵制御量及び
第一の目標制駆動力制御量を演算するよう構成される
(好ましい態様3)。
【0021】本発明の他の一つの好ましい態様によれ
ば、上記好ましい態様3の構成に於いて、走行運動制御
手段は第一の目標車輌状態量と実際の車輌状態量との偏
差に基づき車輌全体の目標制御量を演算するよう構成さ
れる(好ましい態様4)。
【0022】本発明の他の一つの好ましい態様によれ
ば、上記好ましい態様4の構成に於いて、走行運動制御
手段は第一の目標車輌状態量に基づく第一の目標車輌内
部状態量と実際の車輌状態量に基づく実際の車輌内部状
態量との偏差に基づき車輌全体の目標制御量を演算する
よう構成される(好ましい態様5)。
【0023】本発明の他の一つの好ましい態様によれ
ば、上記好ましい態様5の構成に於いて、走行運動制御
手段は第一の目標車輌状態量に基づく第一の目標車輌内
部状態量として車輌の目標前後力、目標横力、目標ヨー
モーメントを演算し、実際の車輌状態量に基づく実際の
車輌内部状態量として車輌の実際の前後力、実際の横
力、実際のヨーモーメントを演算し、目標前後力−実際
の前後力、目標横力−実際の横力、目標ヨーモーメント
−実際のヨーモーメントを車輌全体の目標制御量として
演算するよう構成される(好ましい態様6)。
【0024】本発明の他の一つの好ましい態様によれ
ば、上記請求項2の構成に於いて、走行運動制御手段は
第一の制御モードに於いては第一の目標車輌状態量に基
づき第一の目標車輌内部状態量を演算し、第一の目標車
輌内部状態量を操舵制御手段及び制駆動力制御手段に配
分することにより目標操舵制御量及び第一の目標制駆動
力制御量を演算するよう構成される(好ましい態様
7)。
【0025】本発明の他の一つの好ましい態様によれ
ば、上記好ましい態様7の構成に於いて、走行運動制御
手段は実際の車輌状態量に基づき実際の車輌内部状態量
を演算し、操舵制御手段に対する第一の目標車輌内部状
態量の配分量として操舵制御手段の目標車輌内部状態量
を演算し、操舵制御手段の目標車輌内部状態量及び実際
の車輌内部状態量に基づき目標操舵制御量を演算し、第
一の目標車輌内部状態量と操舵制御手段の目標車輌内部
状態量との差分を制駆動力制御手段の目標車輌内部状態
量として演算し、制駆動力制御手段の目標車輌内部状態
量に基づき第一の目標制駆動力制御量を演算するよう構
成される(好ましい態様8)。
【0026】本発明の他の一つの好ましい態様によれ
ば、上記好ましい態様8の構成に於いて、走行運動制御
手段は目標車輌内部状態量として車輌の目標前後力、目
標横力、目標ヨーモーメントを演算し、実際の車輌内部
状態量として車輌の実際の前後力、実際の横力、実際の
ヨーモーメントを演算するよう構成される(好ましい態
様9)。
【0027】本発明の他の一つの好ましい態様によれ
ば、上記請求項1の構成に於いて、制御モード切り替え
手段は運転者により操作可能なスイッチであるよう構成
される(好ましい態様10)。
【0028】本発明の他の一つの好ましい態様によれ
ば、上記請求項3の構成に於いて、制御モード切り替え
手段は車輌の走行状況が限界走行状態に近づいたときに
制御モードを第一の制御モードに切り替えるよう構成さ
れる(好ましい態様11)。
【0029】本発明の他の一つの好ましい態様によれ
ば、上記請求項4の構成に於いて、実際の車輌状態量は
車輌の実際のヨーレート、実際の前後加速度、実際の横
加速度であり、第一の目標車輌状態量は車輌の目標ヨー
レート、目標前後加速度、目標横加速度であり、制御モ
ード切り替え手段は目標ヨーレートと実際のヨーレート
との偏差の絶対値、目標前後加速度と実際の前後加速度
との偏差の絶対値、目標横加速度と実際の横加速度との
偏差の絶対値の線形和を判定指標値として演算するよう
構成される(好ましい態様12)。
【0030】本発明の他の一つの好ましい態様によれ
ば、上記請求項4の構成に於いて、走行運動制御手段は
第一の目標車輌状態量に基づく目標車輌内部状態量とし
て車輌の目標前後力、目標横力、目標ヨーモーメントを
演算し、実際の車輌状態量に基づく実際の車輌内部状態
量として車輌の実際の前後力、実際の横力、実際のヨー
モーメントを演算し、制御モード切り替え手段は目標前
後力と実際の前後力との偏差の絶対値、目標横力と実際
の横力との偏差の絶対値、目標ヨーモーメントと実際の
ヨーモーメントとの偏差の絶対値の線形和を判定指標値
として演算するよう構成される(好ましい態様13)。
【0031】
【目標制御量の配分制御の概要】次に車輌の目標制御量
(目標車輌内部状態量)としての車輌の目標前後力、目
標横力、目標ヨーモーメントと車輌の前後力、横力、ヨ
ーモーメントとの偏差を各制御手段に配分し、各車輪毎
の制御目標量としての目標スリップ角及び目標スリップ
量を演算する概要について説明する。
【0032】[1]操舵制御手段及び制駆動力制御手段
に対する配分 車輌の前後力Fx、横力Fy、ヨーモーメントMzの修正
量の誤差をEとし、左前輪、右前輪、左後輪、右後輪の
スリップ角α1〜α4及びスリップ率κ1〜κ4をuとし、
各車輪のスリップ角の変化量δα1〜δα4及びスリップ
率の変化量δκ 1〜δκ4をδuとし、修正量の誤差Eに
対する重みをWEとし、各車輪のスリップ角及びスリッ
プ率の変化量δuに対する重みをWδuとし、u+δu
に対する重みをWuとして評価関数Lを下記の式1の通
りとする。 L=ETEE+δuTδuδu+(u+δu)T u(u+δu) ……(1)
【0033】尚上記式1に於いて、修正量の誤差E、各
車輪のスリップ角及びスリップ率の変量δu、各車輪の
スリップ角及びスリップ率uはそれぞれ下記の式2〜4
の通りである。 E=Δ−dF ……(2) δu=[δκ1…δκ4 δα1…δα4T ……(3) u=[κ1…κ4 α1…α4T ……(4)
【0034】上記式2に於けるΔは車輌の前後力Fx、
横力Fy、ヨーモーメントMzの目標修正量であり、車輌
の目標前後力をFxtとし、目標横力をFytとし、目標ヨ
ーモーメントをMztとして下記の式5により表わされ
る。
【数1】
【0035】また上記式2に於けるdFは各車輪のスリ
ップ角及びスリップ率の変化量δuによる車輌の前後力
Fx、横力Fy、ヨーモーメントMzの修正量を動作時点
近傍について線形近似することにより求められる値であ
り、下記の式6及び7により表わされる。尚上記式5〜
7に於いて使用される車輌の前後力Fx、横力Fy、ヨー
モーメントMz及びヤコビアンJは後述のタイヤモデル
により推定される。
【0036】
【数2】
【数3】
【0037】制御目標を操舵制御手段及び制駆動力制御
手段に配分して各車輪の目標スリップ角及び目標スリッ
プ率を求めるに際しては、最急降下法による繰り返し演
算により上記式1にて表わされる評価関数Lを最小にす
るスリップ角及びスリップ率の目標修正量δutが演算
され、現在の値uに修正量δutが加算されることによ
り各車輪の目標スリップ角αt1〜αt4及び目標スリップ
率κt1〜κt4が演算される。
【0038】目標修正量δutは以下の如く求められ
る。即ち上記式1より下記の式8が成立し、評価関数L
が最小であるときには∂L/∂δuが0であるので、下
記の式9が成立し、従って目標修正量δutは下記の式
10により表わされる。
【数4】 (Wδu+Wu+JTEJ)δut+(Wuu−JTEΔ)=0 ……(9) δut=(Wδu+Wu+JTEJ)-1(JTEΔ−Wuu) ……(10)
【0039】[2]制駆動力制御手段に対する配分 制駆動力制御手段に関する車輌の前後力Fx、横力Fy、
ヨーモーメントMzの修正量の誤差をEκとし、左前
輪、右前輪、左後輪、右後輪のスリップ率κ1〜κ4をκ
とし、各車輪のスリップ率の変化量δκ1〜δκ4をδκ
とし、修正量の誤差Eκに対する重みをWとし、各
車輪のスリップ率の変化量δκに対する重みをWδκ
し、κ+δκに対する重みをWκとして評価関数Lκ
下記の式11の通りとする。 Lκ=Eκ TEκ+δκTδκδκ+(κ+δκ)T κ(κ+δκ) ……(11)
【0040】尚上記式11に於いて、修正量の誤差
κ、各車輪のスリップ率の変量δκ、各車輪のスリッ
プ率κはそれぞれ下記の式12〜14の通りである。 Eκ=Δκ−dFκ ……(12) δκ=[δκ1…δκ4T ……(13) κ=[κ1…κ4T ……(14)
【0041】上記式12に於けるΔκは制駆動力制御手
段に関する車輌の前後力Fx、横力Fy、ヨーモーメント
Mzの目標修正量であり、制駆動力制御手段に関する車
輌の目標前後力をFxtκとし、目標横力をFytκとし、
目標ヨーモーメントをMztκとして下記の式15により
表わされる。
【数5】
【0042】また上記式12に於けるdFκは各車輪の
スリップ率の変化量δκによる車輌の前後力Fx、横力
Fy、ヨーモーメントMzの修正量を動作時点近傍につい
て線形近似することにより求められる値であり、下記の
式16及び17により表わされる。尚上記式15〜17
に於いて使用される車輌の前後力Fx、横力Fy、ヨーモ
ーメントMz及びヤコビアンJκは後述のタイヤモデル
により推定される。
【0043】
【数6】
【数7】
【0044】制御目標を制駆動力制御手段に配分して各
車輪の目標スリップ率を求めるに際しては、最急降下法
による繰り返し演算により上記式11にて表わされる評
価関数Lκを最小にするスリップ率の目標修正量δκt
が演算され、現在の値κに修正量δκtが加算されるこ
とにより各車輪の目標スリップ率κt1〜κt4が演算され
る。
【0045】目標修正量δκtは以下の如く求められ
る。即ち上記式11より下記の式18が成立し、評価関
数Lκが最小であるときには∂Lκ/∂δκが0である
ので、下記の式19が成立し、従って目標修正量δκt
は下記の式20により表わされる。
【数8】 (Wδκ+W+Jκ Tκ)δκt+(Wκ−Jκ TΔκ)=0 ……(19) δκt=(Wδκ+W+Jκ Tκ-1(Jκ TΔκ−Wκ) ……(20)
【0046】[3]操舵制御手段に対する配分 操舵制御手段に関する車輌の前後力Fx、横力Fy、ヨー
モーメントMzの修正量の誤差をEαとし、左前輪、右
前輪、左後輪、右後輪のスリップ率α1〜α4をαとし、
各車輪のスリップ率の変化量δα1〜δα4をδαとし、
修正量の誤差E αに対する重みをWとし、各車輪の
スリップ率の変化量δαに対する重みをWδαとし、α
+δαに対する重みをWαとして評価関数Lαを下記の
式21の通りとする。 Lα=Eα TEα+δαTδαδα+(α+δα)T α(α+δα) ……(21)
【0047】尚上記式21に於いて、修正量の誤差
α、各車輪のスリップ率の変量δα、各車輪のスリッ
プ率αはそれぞれ下記の式22〜24の通りである。 Eα=Δα−dFα ……(22) δα=[δα1…δα4T ……(23) α=[α1…α4T ……(24)
【0048】上記式22に於けるΔαは操舵制御手段に
関する車輌の前後力Fx、横力Fy、ヨーモーメントMz
の目標修正量であり、操舵制御手段に関する車輌の目標
前後力をFxtαとし、目標横力をFytαとし、目標ヨー
モーメントをMztαとして下記の式25により表わされ
る。
【数9】
【0049】また上記式22に於けるdFαは各車輪の
スリップ率の変化量δαによる車輌の前後力Fx、横力
Fy、ヨーモーメントMzの修正量を動作時点近傍につい
て線形近似することにより求められる値であり、下記の
式26及び27により表わされる。尚上記式25〜27
に於いて使用される車輌の前後力Fx、横力Fy、ヨーモ
ーメントMz及びヤコビアンJαは後述のタイヤモデル
により推定される。
【0050】
【数10】
【数11】
【0051】制御目標を操舵制御手段に配分して各車輪
の目標スリップ率を求めるに際しては、最急降下法によ
る繰り返し演算により上記式21にて表わされる評価関
数L αを最小にするスリップ率の目標修正量δαtが演
算され、現在の値αに修正量δαtが加算されることに
より各車輪の目標スリップ率αt1〜αt4が演算される。
【0052】目標修正量δαtは以下の如く求められ
る。即ち上記式21より下記の式28が成立し、評価関
数Lαが最小であるときには∂Lα/∂δαが0である
ので、下記の式29が成立し、従って目標修正量δαt
は下記の式30により表わされる。
【0053】
【数12】 (Wδα+W+Jα Tα)δα+(Wα−Jα TΔα)=0 ……(29) δα=(Wδα+W+Jα Tα-1(Jα TΔα−Wα) ……(30)
【0054】[4]タイヤモデル ブラッシュタイヤモデルによれば、κiをタイヤのスリ
ップ率とし、Fziをタイヤの接地荷重とし、Kκ0を荷
重で正規化されたドライビングスティフネスとし、K
α0を荷重で正規化されたコーナリングパワーとし、μ
を路面の最大摩擦係数とすると、ドライビングスティフ
ネスKκ及びコーナリングパワーKαはそれぞれ下記の
式33及び34にて表わされる。またタイヤの路面反力
がタイヤの前後方向に対しなす角度をθfiとし、λ及び
ξをそれぞれ下記の式35及び36にて表わされる値と
すると、cosθfi及びsinθfiはそれぞれ下記の式31及
び32にて表わされる。
【0055】
【数13】
【0056】そしてタイヤの前後力Fxi及び横力Fyiは
ξ≧0であるときには下記の式37及び38にて表わさ
れ、ξ≦0であるときには下記の式39及び40にて表
わされる。
【数14】
【0057】[5]接地荷重 車輌の前後加速度をGxとし、車輌の横加速度をGyと
し、車輌のばね上質量をMbとし、車輌の中心高さHc
し、車輌のロール中心高さをHφとし、車輌のピッチ中
心高さをHθとし、車輌のホイールベースをLとし、車
輌の前輪のトレッドをTrfとし、車輌の後輪のトレッド
をTrrとし、車輌のフロントロール剛性をKφfとし、
車輌のリヤロール剛性をKφrとし、車輌のピッチ剛性
をKθとすると、車体のピッチ角θh及びロールφhはそ
れぞれ下記の式41及び42にて表わされ、左前輪、右
前輪、左後輪、右後輪の接地荷重Fxi(i=fl、fr、r
l、rr)は下記の式43により求められる。
【0058】
【数15】
【0059】[6]タイヤの前後力Fxi及び横力Fyiと
車輌の前後力Fx、横力Fy、ヨーモーメントMzとの関
係 T(Δi)を各車輪のタイヤ前後力Fxi及びタイヤ横力
Fyiを車輌の前後力Fx及び横力Fyに変換する係数と
し、係数T(i)及びL(i)をそれぞれ下記の式46及
び47にて表わされる値とすると、車輌の前後力Fx及
び横力Fyは下記の式44にて表わされ、車輌のヨーモ
ーメントMzは下記の式45にて表わされる。
【0060】
【数16】
【0061】
【発明の実施の形態】以下に添付の図を参照しつつ、本
発明を幾つかの好ましい実施形態について詳細に説明す
る。
【0062】第一の実施形態 図1は本発明による車輌の走行制御装置の第一の実施形
態を示す概略構成図、図2は第一の実施形態の制御系を
示すブロック線図、図3は第一の実施形態に於ける走行
制御の概要を示すブロック線図である。
【0063】図1に於いて、10は車輌12に搭載され
た駆動源としてのエンジンを示しており、エンジン10
の駆動力はトルクコンバータ14及びトランスミッショ
ン16を介して出力軸18へ伝達され、出力軸18の駆
動力はセンターディファレンシャル20により前輪用プ
ロペラシャフト22及び後輪用プロペラシャフト24へ
伝達される。エンジン10の出力は運転者により操作さ
れる図1には示されていないアクセルペダルの踏み込み
量等に応じてエンジン制御装置26により制御される。
【0064】前輪用プロペラシャフト22の駆動力は前
輪ディファレンシャル30により左前輪車軸32L及び
右前輪車軸32Rへ伝達され、これにより左右の前輪3
4FL及び34FRが回転駆動される。同様に後輪用プロペ
ラシャフト24の駆動力は後輪ディファレンシャル36
により左後輪車軸38L及び右後輪車軸38Rへ伝達さ
れ、これにより左右の後輪40RL及び40RRが回転駆動
される。
【0065】かくしてトルクコンバータ14、トランス
ミッション16、センターディファレンシャル20、前
輪ディファレンシャル30、後輪ディファレンシャル3
6等は車輌の駆動系を構成している。特に図示の実施形
態の駆動系は左右前輪34FL、34FR及び左右後輪40
RL、40RRに対し一定の配分比率にてエンジン10の駆
動トルクを配分し、エンジン制御装置26はエンジン1
0より各車輪へ伝達される駆動トルクを総括的に制御す
る。
【0066】左右の前輪34FL、34FR及び左右の後輪
40RL、40RRの制動力は制動装置42の油圧回路44
により対応するホイールシリンダ46FL、46FR、46
RL、46RRの制動圧が制御されることによって制御され
る。図には示されていないが、油圧回路44はリザー
バ、オイルポンプ、種々の弁装置等を含み、各ホイール
シリンダの制動圧は通常時には運転者によるブレーキペ
ダル47に対する踏力に応じて駆動されるマスタシリン
ダ48により制御され、また必要に応じて後に詳細に説
明する如く走行制御用電子制御装置50により個別に制
御される。
【0067】また図1に示されている如く、左右の前輪
34FL及び34FRは前輪用操舵装置52により操舵され
る。図示の実施形態に於いては、前輪用操舵装置52は
運転者によるステアリングホイール54の操舵操作に応
答して駆動される油圧式のパワーステアリング装置56
を有し、左右の前輪34FL及び34FRはパワーステアリ
ング装置56によりタイロッド58L及び58Rを介して
操舵される。
【0068】タイロッド58L及び58Rにはそれぞれそ
れらの有効長さを可変制御するアクチュエータ60L及
び60Rが設けられており、アクチュエータ60L及び6
0Rは舵角制御装置62により制御され、これにより左
右の前輪34FL及び34FRの舵角は相互に独立して、ま
た後輪40RL及び40RRとは独立して制御されるように
なっている。
【0069】同様に、左右の後輪40RL及び40RRは後
輪用操舵装置64により操舵される。後輪用操舵装置6
4は運転者によるステアリングホイール54の操舵操作
や車速に応答して駆動される油圧式のパワーステアリン
グ装置66を有し、左右の後輪の40RL及び40RRはパ
ワーステアリング装置66によりタイロッド68L及び
68Rを介して操舵される。
【0070】タイロッド68L及び68Rにはそれぞれそ
れらの有効長さを可変制御するアクチュエータ70L及
び70Rが設けられており、パワーステアリング装置6
6及びアクチュエータ70L、70Rは舵角制御装置62
により制御され、これにより左右の後輪40RL及び40
RRの舵角は相互に独立して、また前輪34FL及び34FR
とは独立して制御されるようになっている。
【0071】以上の説明より解る如く、前輪用操舵装置
52、後輪用操舵装置64、舵角制御装置62は運転者
の操舵操作とは無関係に各車輪34FL、34FR、40R
L、40RRの舵角を個別に制御可能な操舵制御手段を構
成しており、エンジン10、エンジン制御装置26、制
動装置42、電子制御装置50は運転者の制駆動操作と
は無関係に互いに共働して各車輪の制駆動力を個別に制
御可能な制駆動力制御手段を構成しており、電子制御装
置50は操舵制御手段及び制駆動力制御手段を制御する
制御手段として機能する。
【0072】電子制御装置50には車速センサ72より
車速Vxを示す信号、前後加速度センサ74及び横加速
度センサ76よりそれぞれ車輌12の前後加速度Gx及
び横加速度Gyを示す信号、ヨーレートセンサ78より
車輌のヨーレートγを示す信号、踏力センサ80よりブ
レーキペダル47に対する踏力Fb(運転者による制動
制御操作量)を示す信号、車輪速度センサ82i(i=f
l、fr、rl、rr)より左右前輪及び左右後輪の車輪速度
Vwiを示す信号、圧力センサ84i(i=fl、fr、rl、r
r)より左右前輪及び左右後輪の制動圧Pi、即ちホイー
ルシリンダ46FL、46FR、46RR、46RL内の圧力を
示す信号が入力される。尚運転者による制動制御操作量
はマスタシリンダ48内の圧力又はブレーキペダル47
の踏み込みストロークにより検出されてもよい。
【0073】一方エンジン制御装置26にはエンジン回
転数センサ86よりエンジン回転数Neを示す信号、ス
ロットル開度センサ88よりスロットル開度Ta(運転
者による駆動力制御操作量)を示す信号、シフトポジシ
ョン(SP)センサ90よりトランスミッション16の
シフトポジションPsを示す信号が入力され、これらの
信号はエンジン制御装置26より電子制御装置50にも
入力される。尚運転者による駆動力制御操作量はアクセ
ルペダルの踏み込みストロークにより検出されてもよ
い。
【0074】更に舵角制御装置62には操舵角センサ9
2よりステアリングホイール54に連結されたステアリ
ングシャフトの回転角度として操舵角θ(運転者による
操舵制御操作量)を示す信号及び舵角センサ94i(i
=fl、fr、rl、rr)より左右前輪及び左右後輪の舵角θ
wiを示す信号が入力され、これらの信号は舵角制御装置
62より電子制御装置50にも入力される。
【0075】尚前後加速度センサ74は車輌の加速方向
を正として前後加速度を検出し、横加速度センサ76、
ヨーレートセンサ78及び操舵角センサ92はそれぞれ
車輌の左旋回方向を正として横加速度等を検出する。ま
たエンジン制御装置26、電子制御装置50、舵角制御
装置62は実際にはそれぞれ例えばCPU、ROM、R
AM、入出力装置を含むマイクロコンピュータ及び駆動
回路にて構成されていてよい。
【0076】次に図3に示されたブロック線図を参照し
て実施形態に於ける走行制御の概要について説明する。
尚各ブロックの制御は図4乃至図8に示されたルーチン
に従って走行制御用電子制御装置50により達成され
る。
【0077】まずブロックB1に於いて車速Vx、操舵
角θ、スロットル開度Ta、踏力Fb等に基づき実際の車
輌よりも性能の高い理想的な車輌に基づく理想車輌モデ
ルにより第一の目標車輌状態量としての車輌の目標ヨー
レートγt、目標前後加速度Gxt、目標横加速度Gytが
演算され、ブロックB2に於いて第一の目標車輌状態量
に基づき第一の目標車輌内部状態量としての車輌の目標
前後力Fxt、目標横力Fyt、目標ヨーモーメントMztが
演算される。
【0078】またブロックB3に於いて車速Vx、操舵
角θ、スロットル開度Ta、踏力Fb等に基づき実際の車
輌状態量として車輌のヨーレートγ、前後加速度Gx、
横加速度Gyが演算され、ブロックB4に於いて実際の
車輌状態量に基づき実際の車輌内部状態量としての車輌
の前後力Fx、横力Fy、ヨーモーメントMzが演算され
る。
【0079】そしてブロックB5に於いて第一の目標車
輌内部状態量及び実際の車輌内部状態量に基づき車輌全
体の目標制御量ΔがFxt−Fx、Fyt−Fy、Mzt−Mz
として演算され、ブロックB6に於いて上述の配分制御
[1]により目標操舵制御量としての各車輪の目標スリ
ップ角αti(i=fl、fr、rl、rr)及び第一の目標制駆
動力制御量としての各車輪の目標スリップ率κt1i(i
=fl、fr、rl、rr)が演算され、ブロックB7に於いて
目標スリップ角αtiに基づき各車輪の目標舵角θwti
(i=fl、fr、rl、rr)が演算され、各車輪の舵角θwi
が目標舵角θwtiになるよう操舵制御手段が制御され
る。
【0080】またブロックB8に於いて各車輪の舵角θ
wi、スロットル開度Ta、踏力Fb等に基づき実際の車輌
に基づく実車輌モデルにより第二の目標車輌状態量とし
て制駆動力制御手段を制御するための車輌の目標ヨーレ
ートγtκ、目標前後加速度Gxtκ、目標横加速度Gyt
κが演算され、ブロックB9に於いて第二の目標車輌状
態量に基づき第二の目標車輌内部状態量として制駆動力
制御手段を制御するための車輌の目標前後力Fxtκ、目
標横力Fytκ、目標ヨーモーメントMztκが演算され
る。
【0081】またブロックB10に於いて実際の車輌内
部状態量(Fx、Fy、Mz)及び第二の目標車輌内部状
態量(Fxtκ、Fytκ、Mztκ)に基づき制駆動力制御
手段を制御するための第二の目標制御量ΔκがFxtκ
Fx、Fytκ−Fy、Mztκ−Mzとして演算され、ブロ
ックB11に於いて第二の目標制駆動力制御量として各
車輪の第二の目標スリップ率κt2i(i=fl、fr、rl、r
r)が演算される。
【0082】更にブロックB12に於いて第一の目標車
輌内部状態量(Fxt、Fyt、Mzt)及び実際の車輌内部
状態量(Fx、Fy、Mz)に基づき各状態量の偏差の絶
対値の線形和として制御モード切り替えの判定指標値Δ
Xが演算され、ブロックB13にて示される切り替え手
段により判定指標値ΔXが基準値Xo未満であるときに
は第二の目標スリップ率κt2iがブロックB14へ供給
され、判定指標値ΔXが基準値Xo以上であるときには
第一の目標スリップ率κt1iがブロックB14へ供給さ
れる。そしてブロックB14に於いては第一の目標スリ
ップ率Kt1i又は第二の目標スリップ率κt2iに基づき各
車輪の目標制動圧Pti(i=fl、fr、rl、rr)が演算さ
れると共にエンジン10の目標駆動トルクTetが演算さ
れ、各車輪の制動圧Piが目標制動圧Ptiになるよう制
駆動力制御手段の制動装置42が制御され、またエンジ
ンの駆動トルクが目標駆動トルクTetになるようエンジ
ン10の出力が制御される。
【0083】次に図4乃至図8に示されたフローチャー
トを参照して図示の実施形態に於ける車輌の走行制御ル
ーチンについて説明する。尚図4に示されたフローチャ
ートのメインルーチンによる制御は図には示されていな
いイグニッションスイッチの閉成により開始され、所定
の時間毎に繰返し実行される。
【0084】まずステップ50に於いては車速センサ7
2により検出された車速Vxを示す信号等の読み込みが
行われ、ステップ100に於いては車速Vx等に基づき
理想車輌モデルにより第一の目標車輌状態量として車輌
の目標ヨーレートγt1、目標横加速度Gyt1、目標前後
加速度Gxt1が演算され、ステップ150に於いては第
一の目標車輌内部状態量として車輌の目標前後加速度G
xt1に対応する車輌の目標前後力Fxt1、目標横加速度G
yt1に対応する車輌の目標横力Fyt1、目標ヨーレートγ
t1に対応する車輌の目標ヨーモーメントMzt1が演算さ
れる。
【0085】ステップ200に於いては車速Vx等に基
づき実際の車輌状態量として車輌のヨーレートγ、横加
速度Gy、前後加速度Gxが演算されると共に、実際の車
輌状態量に基づき実際の車輌内部状態量として車輌の前
後加速度Gxに対応する車輌の前後力Fx、横加速度Gy
に対応する車輌の横力Fy、ヨーレートγに対応する車
輌のヨーモーメントMzが演算され、ステップ300に
於いては後述の図5に示されたルーチンに従って上述の
配分制御による各車輪の目標スリップ角αti及び第一の
目標スリップ率κt1i(i=fl、fr、rl、rr)が演算さ
れる。
【0086】ステップ500に於いてはKx、Ky、Km
をそれぞれ正の係数として下記の式48に従って切り替
え判定の指標値ΔXが演算されると共に、指標値ΔXが
基準値Xo(正の定数)以上であるか否かの判別、即ち
車輌の走行運動制御の厳密度合を高くする必要があるか
否かの判別が行われ、肯定判別が行われたときにはステ
ップ900へ進み、否定判別が行われたときにはステッ
プ550へ進む。 ΔX=Kx|Fxt1−Fx|+Ky|Fyt1−Fy|+Km|Mzt1−Mz| ……(48)
【0087】ステップ550に於いては車速Vx等に基
づき実車輌モデルにより第二の目標車輌状態量として車
輌の目標ヨーレートγt2、目標横加速度Gyt2、目標前
後加速度Gxt2が演算され、ステップ600に於いては
第二の目標車輌内部状態量として車輌の目標前後加速度
Gxt2に対応する車輌の目標前後力Fxt2、目標横加速度
Gyt2に対応する車輌の目標横力Fyt21、目標ヨーレー
トγt2に対応する車輌の目標ヨーモーメントMzt2が演
算される。
【0088】尚ステップ100に於ける理想車輌モデル
による第一の目標車輌状態量としての車輌の目標ヨーレ
ートγt1等の演算及びステップ550に於ける実車輌モ
デルによる第二の目標車輌状態量としての車輌の目標ヨ
ーレートγt2等の演算は、当技術分野に於いてよく知ら
れているので、その詳細な説明を省略するが、これらの
目標状態量は当技術分野に於いて公知の任意の態様にて
演算されてよい。
【0089】ステップ650に於いては後述の図6に示
されたルーチンに従って上述の配分制御による各車輪の
第二の目標スリップ率κt2i(i=fl、fr、rl、rr)が
演算され、ステップ700に於いては後述の図7に示さ
れたルーチンに従って各車輪の目標制動圧Pti(i=f
l、fr、rl、rr)及びエンジン10の目標駆動トルクTe
tが演算され、しかる後ステップ900へ進む。
【0090】ステップ900に於いては各車輪の目標ス
リップ率として第一の目標スリップ率κt1iが使用され
る点を除きステップ700の場合と同一の要領にて各車
輪の目標制動圧Pti(i=fl、fr、rl、rr)及びエンジ
ン10の目標駆動トルクTetが演算され、ステップ10
00に於いては後述の図8に示されたルーチンに従って
各車輪の目標制動圧Pti(i=fl、fr、rl、rr)及びエ
ンジン10の目標駆動トルクTetが演算される。
【0091】ステップ1050に於いては各車輪の舵角
θwiがそれぞれ目標舵角θwtiになるよう前輪用操舵装
置52及び後輪用操舵装置64が舵角制御装置62によ
り制御され、各車輪のホイールシリンダ圧力Piが目標
制動圧Ptiになるよう制動装置42が制御され、エンジ
ン10の駆動トルクTeが目標駆動トルクTetになるよ
うエンジン10がエンジン制御装置26により制御され
る。
【0092】図5に示された各車輪の目標スリップ角α
ti及び第一の目標スリップ率κt1i演算ルーチンのステ
ップ310に於いては、各車輪の車輪速度Vwi等に基づ
き当技術分野に於いて公知の要領にて各車輪のスリップ
角αi及びスリップ率κi(i=fl、fr、rl、rr)が演算
される。
【0093】例えば下記の式49に従って車輌のスリッ
プ角βが演算され、下記の式50〜53に従って各車輪
の接地点の進行方向角αwi(i=fl、fr、rl、rr)が演
算され、下記の式54に従って各車輪のスリップ角αi
が舵角θwiと接地点の進行方向角αwiとの和として演算
される。尚左前輪について図9に示されている如く、接
地点の進行方向角αwiは各車輪の接地点Pzi(i=fl、
fr、rl、rr)の進行方向が車輌の前後方向に対しなす角
度である。
【0094】 β=∫(Gy/Vx−γ)dt ……(49) αwfl=(β・Vx+Lf・γ)/(Vx−Trf・γ/2) ……(50) αwfr=(β・Vx+Lf・γ)/(Vx+Trf・γ/2) ……(51) αwrl=(β・Vx−Lr・γ)/(Vx−Trr・γ/2) ……(52) αwrr=(β・Vx−Lr・γ)/(Vx+Trr・γ/2) ……(53) αi=θwi+αwi ……(54)
【0095】また下記の式55〜58に従って各車輪の
接地点の前後速度Vwxi(i=fl、fr、rl、rr)が演算
され、下記の式59に従って各車輪の転動方向の移動速
度Vtwi(i=fl、fr、rl、rr)が演算され、各車輪の
スリップ率κiが下記の式60に従って演算される。
【0096】 Vwxfl=Vx+Trf・γ/2 ……(55) Vwxfr=Vx−Trf・γ/2 ……(56) Vwxrl=Vx+Trr・γ/2 ……(57) Vwxrr=Vx−Trr・γ/2 ……(58) Vtwi=Vwxi(cosθwi−tanαi・sinθwi) ……(59) κi=1−Vrwi/Vtwi ……(60)
【0097】ステップ320に於いては上記式31〜3
3に従って各車輪の接地荷重Fzi(i=fl、fr、rl、r
r)が演算され、ステップ330に於いては上記式27
及び28又は上記式29及び30に従って各車輪の前後
力Fxi及び横力Fyi(i=fl、fr、rl、rr)が演算され
る。
【0098】ステップ340に於いては上記式34〜3
7に従って車輌の前後力Fx、横力Fy、ヨーモーメント
Mzが演算され、ステップ350に於いては上記式5に
従って車輌の前後力Fx、横力Fy、ヨーモーメントMz
の目標修正量Δ(車輌全体の目標制御量)が演算され
る。
【0099】ステップ360に於いては車輌の前後力F
x、横力Fy、ヨーモーメントMzが各車輪のスリップ率
κi及びスリップ角αiにて偏微分されることにより、上
記式7により表わされるヤコビアンJが演算され、ステ
ップ370に於いては上記式10に従って目標修正量δ
u、即ち各車輪のスリップ角の目標修正量δαti及びス
リップ率の目標修正量δκti(i=fl、fr、rl、rr)が
演算される。尚この場合上記式10に於ける各重みW
δu、WE、Wuは例えば予め実験的に求められた定数に
設定される。
【0100】ステップ380に於いては各車輪の目標ス
リップ角αtiが現在のスリップ角αiとスリップ角の目
標修正量Δαtiとの和として下記の式61に従って演算
されると共に、各車輪の第一の目標スリップ率κt1iが
現在のスリップ率κiとスリップ率の目標修正量δκti
との和として下記の式62に従って演算され、しかる後
ステップ400へ進む。 αti=αi+δαti ……(61) κt1i=κi+δκti ……(62)
【0101】また図6に示された各車輪の第二の目標ス
リップ率κt2i演算ルーチンのステップ660に於いて
は、上記式15に従って制駆動力制御手段に関する車輌
の前後力Fx、横力Fy、ヨーモーメントMzの目標修正
量Δκが演算され、ステップ670に於いては車輌の前
後力Fx、横力Fy、ヨーモーメントMzが各車輪のスリ
ップ率κiにて偏微分されることにより上記式17によ
り表わされるヤコビアンJκが演算され、ステップ68
0に於いては上記式20に従ってスリップ率の目標修正
量δκti(i=fl、fr、rl、rr)が演算され、ステップ
690に於いては下記の式63に従って各車輪の第二の
目標スリップ率κt2iが演算され、しかる後ステップ7
00へ進む。 κt2i=κi+δκti ……(63)
【0102】図7に示された各車輪の目標制動圧Pti及
びエンジンの目標駆動トルクTet演算ルーチンのステッ
プ710に於いては、下記の式64〜67に従って各車
輪の接地点の目標前後速度Vwxti(i=fl、fr、rl、r
r)が演算されると共に、下記の式68に従って各車輪
の転動方向の目標移動速度Vtwti(i=fl、fr、rl、r
r)が演算される。 Vwxtfl=Vx+Trf・γ/2 ……(64) Vwxtfr=Vx−Trf・γ/2 ……(65) Vwxtrl=Vx+Trr・γ/2 ……(66) Vwxtrr=Vx−Trr・γ/2 ……(67) Vtwti=Vwxti(cosθwti−tanαti・sinθwti) ……(68)
【0103】ステップ720に於いては第二の目標スリ
ップ率κt2i及び転動方向の目標移動速度Vtwtiに基づ
き下記の式59に従って各車輪の目標車輪速度Vrwti
(i=fl、fr、rl、rr)が演算される。 Vrwti=(1−κt2i)Vtwti ……(69)
【0104】ステップ730に於いては下記の式70に
従って車輌の目標前後力Fxt及び目標横力Fytの合力と
して車輌の目標発生力Fxytが演算されると共に、下記
の式71が成立するので、車輌にヨーモーメントを与え
ることなく車輌の目標発生力Fxytを達成する各車輪の
目標発生力Fxyti(i=fl、fr、rl、rr)が下記の式7
2〜75に従って演算され、更に目標発生力Fxytiの車
輪の前後方向の成分として各車輪の目標車輪前後力Fwx
ti(i=fl、fr、rl、rr)が下記の76に従って演算さ
れる。下記の式72〜75に於けるgは重力加速度であ
る。
【0105】 Fxyt=(Fxt2+Fyt21/2 ……(70) Fzfl+Fzfr+Fzrl+Fzrr=Mv・g ……(71) Fxytfl=Fxyt・Fzfl/(Mv・g) ……(72) Fxytfr=Fxyt・Fzfr/(Mv・g) ……(73) Fxytrl=Fxyt・Fzrl/(Mv・g) ……(74) Fxytrr=Fxyt・Fzrr/(Mv・g) ……(75) Fwxti=Fxyti・cos(π/2−θwti) =Fxyti・sinθwti ……(76)
【0106】ステップ740に於いては例えば目標車輪
速度Vrwtiの時間微分値として各車輪の目標車輪加速度
Vrwtdi(i=fl、fr、rl、rr)が演算されると共に、
車輪の有効半径をRwとし、車輪の回転慣性モーメント
をIwとして下記の式77に従って各車輪の目標回転ト
ルクTwti(i=fl、fr、rl、rr)が演算される。 Twti=Fwxti・Rw+Iw・Vrwtdi ……(77)
【0107】ステップ750に於いては全ての車輪の目
標回転トルクTwtiが負の値であるか否かの判別、即ち
全ての車輪について制動が必要な状況であるか否かの判
別が行われ、肯定判別が行われたときにはステップ78
0へ進み、否定判別が行われたときにはステップ760
へ進む。
【0108】ステップ760に於いてはシフトポジショ
ンPsに基づき駆動系のギヤ比Rdが求められると共に、
駆動系による各車輪に対するエンジン10の駆動トルク
の配分率をXi(i=fl、fr、rl、rr)(0<Xi<0.
5、ΣXi=1)とし、四輪の目標回転トルクTwtiのう
ちの最大値をTwtmaxとし、目標回転トルクが最大値Tw
tmaxである車輪(最大駆動トルク車輪)の駆動トルク配
分率をXmaxとして、エンジン10の目標駆動トルクTe
tが下記の式78に従って演算される。 Tet=Twtmax・Rd/Xmax ……(78)
【0109】ステップ770に於いては最大駆動トルク
車輪の目標制動圧Ptiが0に設定されると共に、制動圧
と制動トルクとの変換係数をKpとして最大駆動トルク
車輪以外の各車輪の目標制動圧Ptiが下記の式79に従
って演算され、しかる後ステップ900へ進む。 Pti=(Twtmax・Xi/Xmax−Twti)/Kp ……(79)
【0110】ステップ780に於いてはエンジン10の
目標駆動トルクTetが0に設定され、ステップ790に
於いては各車輪の目標制動圧Ptiが下記の式80に従っ
て演算され、しかる後ステップ900へ進む。 Pti=−Twti/Kp ……(80)
【0111】図8に示された各車輪の目標舵角θwti演
算ルーチンのステップ1010に於いては、下記の式8
1に従って車輌の目標スリップ角βtが演算される。 βt=∫(Gyt/Vx−γt)dt ……(81)
【0112】ステップ920に於いては下記の式82〜
85に従って各車輪の接地点の目標進行方向角αwti
(i=fl、fr、rl、rr)が演算される。尚左前輪につい
て図12に示されている如く、接地点の目標進行方向角
αwtiは各車輪の接地点Pzi(i=fl、fr、rl、rr)の
目標進行方向が車輌の前後方向に対しなす角度である。 αwtfl=(βt・Vx+Lf・γt)/(Vx−Trf・γt/2) ……(82) αwtfr=(βt・Vx+Lf・γt)/(Vx+Trf・γt/2) ……(83) αwtrl=(βt・Vx−Lr・γt)/(Vx−Trr・γt/2) ……(84) αwtrr=(βt・Vx−Lr・γt)/(Vx+Trr・γt/2) ……(85)
【0113】ステップ930に於いては下記の式86に
従って各車輪の目標舵角θwti(i=fl、fr、rl、rr)
が目標スリップ角αtiと各車輪の接地点目標進行方向角
αwtiとの差として演算され、しかる後ステップ950
へ進む。 θwti=αti−αwti ……(86)
【0114】かくして図示の第一の実施形態によれば、
ステップ100に於いて車速Vx等に基づき理想車輌モ
デルによる第一の目標車輌状態量として車輌の目標ヨー
レートγt、車輌の目標横加速度Gyt、車輌の目標前後
加速度Gxtが演算され、ステップ150に於いて第一の
目標車輌内部状態量として車輌の目標前後加速度Gxtに
対応する車輌の目標前後力Fxt、目標横加速度Gytに対
応する車輌の目標横力Fyt、目標ヨーレートγtに対応
する車輌の目標ヨーモーメントMztが演算され、ステッ
プ200に於いて実際の車輌内部状態量として車輌の前
後加速度Gxに対応する車輌の前後力Fx、横加速度Gy
に対応する車輌の横力Fy、ヨーレートγtに対応する車
輌のヨーモーメントMzが演算される。
【0115】またステップ200に於いて第一の目標車
輌内部状態量と実際の車輌内部状態量との偏差として車
輌全体の目標制御量Δが演算されると共に、車輌全体の
目標制御量Δに基づき上記配分制御[1]によって各車
輪のスリップ率の目標修正量δκti及び目標スリップ角
の目標修正量δαtiが演算されることにより、各車輪の
目標スリップ率κti及び目標スリップ角αtiが演算され
る。
【0116】そしてステップ500に於いて指標値ΔX
に基づき車輌の走行運動制御の厳密度合を高くする必要
があるか否かの判別が行われ、否定判別が行われたとき
にはステップ550〜700及びステップ1000、1
050が実行されることにより、各車輪のスリップ角が
目標スリップ角αtiに基づいて制御されるよう各車輪の
舵角が制御されると共に、各車輪のスリップ率が実車輌
モデルによる第二の目標車輌状態量(目標ヨーレートγ
t2、目標横加速度Gyt2、目標前後加速度Gxt2)に基づ
き演算される第二の目標スリップ率κt2iに基づいて制
御されるよう各車輪の制動圧Pi及びエンジン10の出
力が制御される。
【0117】これに対しステップ500に於いて肯定判
別が行われたときには、即ち車輌の走行状態が厳密に制
御される必要があるときには、ステップ900〜105
0が実行されることにより、各車輪のスリップ角が目標
スリップ角αtiに基づいて制御されるよう各車輪の舵角
が制御されると共に、各車輪のスリップ率が理想車輌モ
デルによる第一の目標車輌状態量(目標ヨーレートγt
1、目標横加速度Gyt1、目標前後加速度Gxt1)に基づ
き演算される第一の目標スリップ率κt1iに基づいて制
御されるよう各車輪の制動圧Pi及びエンジン10の出
力が制御される。
【0118】従って図示の第一の実施形態によれば、車
輌の走行運動が操舵制御手段により優先的に制御され、
操舵制御手段により制御しきれない車輌の走行運動が制
駆動力制御手段により制御され、また制御モードが車輌
の走行状況に応じて第一の制御モードと第二の制御モー
ドとの間に切り替えられることにより制駆動力制御手段
の制御目標が自動的に切り替えられるので、車輌の走行
状態が比較的安定であるときには制駆動力制御手段によ
る車輌の走行運動制御の頻度を低減して車速が不必要に
変動することを防止しつつ操舵制御手段による車輌の走
行運動制御によって車輌を安定的に走行させることがで
き、車輌の走行状態が不安定になる虞れがあるときには
制駆動力制御手段による車輌の走行運動制御の厳密度合
を高くして車輌の走行状態が不安定になることを確実に
防止することができる。
【0119】また図示の第一の実施形態によれば、車輌
の走行状態が厳密に制御される必要があるか否かに拘わ
らず、即ちステップ500の判別結果に拘わらず、操舵
制御手段は理想車輌モデルによる第一の目標車輌内部状
態量と実際の車輌内部状態量との偏差を低減するための
各車輪の目標スリップ角αtiに基づいて制御されるの
で、例えばステップ500に於いて否定判別が行われた
ときには各車輪の目標スリップ角αtiも実車輌モデルに
よる第二の目標車輌状態量及び実車輌状態量に基づいて
演算される構成の場合に比して、車輌の走行運動を確実
に安定な状態に維持することができる。
【0120】第二の実施形態 この実施形態に於いては、図10のブロック線図に示さ
れている如く、ブロックB15に於いて第一の目標車輌
内部状態量(車輌の目標前後力Fxt、目標横力Fyt、目
標ヨーモーメントMzt)の一部として操舵制御手段に対
する目標内部状態量としての目標前後力Fxtα、目標横
力Fytα、目標ヨーモーメントMztαが演算され、操舵
制御手段に対する目標内部状態量及び実際の車輌内部状
態量に基づき操舵制御手段の目標制御量ΔαがFxtα
Fx、Fytα−Fy、Mztα−Mzとして演算され、ブロ
ックB16に於いて上述の配分制御[3]により目標操
舵制御量としての各車輪の目標スリップ角αti(i=f
l、fr、rl、rr)が演算される。
【0121】またブロックB17に於いて第一の目標車
輌内部状態量(Fxt、Fyt、Mzt)と操舵制御手段の目
標内部状態量(Fxtα、Fytα、Mztα)との偏差とし
て制駆動力制御手段に対する目標内部状態量としての目
標前後力Fxtκ、目標横力Fytκ、目標ヨーモーメント
Mztκが演算され、制駆動力制御手段に対する目標内部
状態量及び実際の車輌内部状態量に基づき制駆動力制御
手段の第一の目標制御量ΔκがFxtκ−Fx、Fytκ
Fy、Mztκ−Mzとして演算され、ブロックB18に於
いては上述の配分制御[2]により第一の目標制駆動力
制御量としての各車輪の第一の目標スリップ率κt1i
(i=fl、fr、rl、rr)が演算される。
【0122】尚図10に示された他のブロックに於ける
演算は上述の第一の実施形態の場合と同様に実行され、
また各ブロックに於ける演算は図6乃至図8図及び後述
の11乃至図13に示されたルーチンに従って走行制御
用電子制御装置(50)により達成される。
【0123】図11に示されている如く、この実施形態
のステップ50〜200は上述の第一の実施形態の場合
と同様に実行され、ステップ200の次に実行されるス
テップ250に於いては舵角制御装置62よりアクチュ
エータ60L、60R、70L、70Rへ出力される制御信
号(操舵制御入力)と横加速度センサ76により検出さ
れる車輌の横加速度Gy及びヨーレートセンサ78によ
り検出される車輌のヨーレートγとに基づき、T
係数とし、Tαを時定数とし、sをラプラス演算子とし
て下記の式87にて表わされる車輌の前後力Fx、横力
Fy、ヨーモーメントMzに対する操舵制御手段の制御周
波数特性Gαが演算される。 Gα=diag(0,1/{T(1+Tαs)},1/{T(1+Tαs) }) ……(87)
【0124】またKαを正の一定の係数として操舵制御
手段に対する目標内部状態量としての車輌の目標前後力
Fxtα、目標横力Fytα、目標ヨーモーメントMztα
下記の式88に従って演算され、ステップ400に於い
ては図12に示されたルーチンに従って配分制御による
各車輪の目標スリップ角αti(i=fl、fr、rl、rr)が
演算される。 [Fxtα Fytα MztαT=Kαα[Fxt Fyt Mzt]T ……(88)
【0125】ステップ500に於いては上述の第一の実
施形態の場合と同様の判別が行われ、このステップに於
いて否定判別が行われたときには第一の実施形態の場合
と同様にステップ550〜700が実行され、肯定判別
が行われたときにはステップ800へ進む。
【0126】ステップ800に於いては下記の式89に
従って制駆動力制御手段に対する車輌の目標前後力Fxt
κ、目標横力Fytκ、目標ヨーモーメントMztκが演算
される。 [Fxtκ Fytκ MztκT=[Fxt Fyt Mzt]T −[Fxtα Fytα MztαT ……(89)
【0127】ステップ850に於いては図13に示され
たルーチンに従って上述の配分制御[2]により各車輪
の第一の目標スリップ率κt1i(i=fl、fr、rl、rr)
が演算され、しかる後ステップ900〜1050が上述
の第一の実施形態の場合と同様に実行される。
【0128】図12に示された各車輪の目標スリップ角
αti演算ルーチンのステップ410〜440はそれぞれ
上述の第一の実施形態のステップ310〜340と同様
に実行され、ステップ450に於いては上記式25に従
って操舵制御手段の目標制御量としての目標修正量Δα
が演算され、ステップ460に於いては車輌の実際の前
後力Fx、横力Fy、ヨーモーメントMzが各車輪のスリ
ップ角αiにて偏微分されることにより、上記式27に
より表わされるヤコビアンJαが演算され、ステップ4
70に於いては上記式30に従って目標修正量δα、即
ち各車輪のスリップ角の目標修正量δαti(i=fl、f
r、rl、rr)が演算される。尚この場合上記式30に於
ける各重みW、W、Wは予め実験的に求めら
れた定数に設定される。
【0129】ステップ480に於いては各車輪の目標ス
リップ角αtiが現在のスリップ角αiとスリップ角の目
標修正量δαtiとの和として下記の式90に従って演算
され、しかる後ステップ500へ進む。 αti=αi+δαti ……(90)
【0130】図13に示された各車輪の第一の目標スリ
ップ率κt1i演算ルーチンのステップ860〜880は
それぞれ上述の第一の実施形態のステップ660〜68
0の場合と同様に実行され、ステップ890に於いては
各車輪の第一の目標スリップ率κt1iが現在のスリップ
率κiとスリップ率の目標修正量κtiとの和として下記
の式91に従って演算され、しかる後ステップ900へ
進む。 κt1i=κi+δκti ……(91)
【0131】かくして図示の第二の実施形態によれば、
ステップ250に於いて操舵制御手段の周波数特性Gα
が演算されると共に、周波数特性Gαに応じて車輌の目
標前後力Fxt、目標横力Fyt、目標ヨーモーメントMzt
が操舵制御手段に配分されることにより、操舵制御手段
に対する目標内部状態量としての車輌の目標前後力Fxt
α、目標横力Fytα、目標ヨーモーメントMztαが演算
され、ステップ400に於いて操舵制御手段に対する車
輌の目標前後力Fxtα、目標横力Fytα、目標ヨーモー
メントMztαに基づき各車輪の目標スリップ角αtiが演
算される。
【0132】そしてステップ500に於いて肯定判別が
行われたときにはステップ800及び850が実行され
た後ステップ900へ進み、特にステップ800に於い
て車輌の目標前後力Fxt、目標横力Fyt、目標ヨーモー
メントMztよりそれぞれ操舵制御手段に対する車輌の目
標前後力Fxtα、目標横力Fytα、目標ヨーモーメント
Mztαを減算することにより制駆動力制御手段に対する
目標内部状態量としての車輌の目標前後力Fxtκ、目標
横力Fytκ、目標ヨーモーメントMztκが演算され、ス
テップ850に於いて目標前後力Fxtκ、目標横力Fyt
κ、目標ヨーモーメントMztκに基づき各車輪の第一の
目標スリップ率κt1iが演算される。
【0133】従ってこの第二の実施形態によれば、上述
の第一の実施形態の場合と同様、車輌の走行運動が操舵
制御手段により優先的に制御され、操舵制御手段により
制御しきれない車輌の走行運動が制駆動力制御手段によ
り制御され、また制御モードが車輌の走行状況に応じて
第一の制御モードと第二の制御モードとの間に切り替え
られることにより制駆動力制御手段の制御目標が自動的
に切り替えられるので、車輌の走行状態が安定であると
きには制駆動力制御手段による車輌の走行運動制御の頻
度を低減して車速が不必要に変動することを防止しつつ
操舵制御手段による車輌の走行運動制御によって車輌を
安定的に走行させることができ、車輌の走行状態が不安
定になる虞れがあるときには制駆動力制御手段による車
輌の走行運動制御の厳密度合を高くして車輌の走行状態
が不安定になることを確実に防止することができる。
【0134】また図示の第二の実施形態によれば、上述
の第一の実施形態の場合と同様、車輌の走行状態が厳密
に制御される必要があるか否かに拘わらず、即ちステッ
プ500の判別結果に拘わらず、操舵制御手段は理想車
輌モデルによる第一の目標車輌内部状態量と実際の車輌
内部状態量との偏差を低減するための各車輪の目標スリ
ップ角αtiに基づいて制御されるので、例えばステップ
500に於いて否定判別が行われたときには各車輪の目
標スリップ角αtiも実車輌モデルによる第二の目標車輌
状態量及び実車輌状態量に基づいて演算される構成の場
合に比して、車輌の走行運動を確実に安定な状態に維持
することができる。
【0135】特に図示の第二の実施形態によれば、操舵
制御手段の目標挙動制御量Fxtα、Fytα、Mztα及び
制駆動力制御手段の目標挙動制御量Fxtκ、Fytκ、M
ztκが演算され、目標挙動制御量Fxtα、Fytα、Mzt
αが各車輪に配分されることにより各車輪について操舵
制御手段の目標制御量、即ち目標スリップ角αtiが演算
され、また目標挙動制御量Fxtκ、Fytκ、Mztκが各
車輪に配分されることにより各車輪について制駆動力制
御手段の目標制御量、即ち第一の目標スリップ率κt1i
が演算されるので、配分制御に必要な演算量を低減する
ことができる。
【0136】即ち上述の第一の実施形態によれば、車輌
全体の目標制御量の配分に際し8行8列の行列式を解か
なければならないのに対し、この第二の実施形態によれ
ば、4行4列の行列式を二回演算すればよいので、演算
次数を低減して演算を容易に行うことができる。
【0137】尚上述の各実施形態によれば、四輪全てが
操舵されるので、例えば前輪のみが操舵される場合に比
して車輌の走行安定性を確実に向上させることができ、
また各車輪の制動力に加えてエンジンの出力が制御され
ることにより各車輪のスリップ率が制御されるので、エ
ンジンの出力が制御されない場合に比して車輌の走行安
定性を確実に向上させることができる。
【0138】以上に於ては本発明を特定の実施形態につ
いて詳細に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定
されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実
施形態が可能であることは当業者にとって明らかであろ
う。
【0139】例えば上述の各実施形態に於いては、判定
指標値ΔXは第一の目標車輌内部状態量(Fxt、Fyt、
Mzt)及び実際の車輌内部状態量(Fx、Fy、Mz)に
基づき各内部状態量の偏差の絶対値の線形和として演算
されるようになっているが、第一の目標車輌状態量(γ
t、Gyt、Gxt)及び実際の車輌状態量(γ、Gy、G
x)に基づき各状態量の偏差の絶対値の線形和として演
算されてもよく、また三つの内部状態量又は状態量の一
部の偏差の絶対値又はそれらの線形和として演算されて
もよい。
【0140】また上述の各実施形態に於いては、判定指
標値ΔXに基づくステップ500の判別により制御モー
ドが第一の制御モードと第二の制御モードとの間に切り
替えられるようになっているが、制御モードは判定指標
値ΔX以外の車輌の走行状況を示す指標値、例えば車輌
のスピン状態の程度を示すスピン状態量や車輌のドリフ
トアウト状態の程度を示すドリフト状態量の如く、車輌
の限界走行状態又はその虞れを示す指標値に基づき切り
替えられてもよく、更には運転者により操作される切り
替えスイッチによっても切り替えられるよう修正されて
よい。尚車輌が限界走行状態にあるか否かの判別は、例
えば本願出願人と同一の出願人の出願にかかる特開平5
−99057号公報又は特開2000−108915号
公報に記載された要領にて行われてよい。
【0141】また上述の各実施形態に於いては、各車輪
の制動力及びエンジンの出力が制御されることにより各
車輪のスリップ率が目標スリップ率に制御されるように
なっているが、各車輪の制動力のみが制御されエンジン
の出力の制御が行われないよう修正されてもよい。
【0142】また上述の各実施形態に於いては、車輌は
四輪駆動車であり、四輪全ての車輪の制動力及び舵角が
制御されるようになっているが、本発明は前輪駆動車又
は後輪駆動車に適用されてもよく、また前輪のみが操舵
される車輌に適用されてもよい。
【0143】また上述の各実施形態に於いては、車輌1
2は駆動源としてのエンジン10と駆動源の駆動トルク
を各車輪へ一定の配分比率にて伝達する駆動系とを有
し、制駆動力制御手段はエンジン10の駆動トルクを制
御することにより全ての車輪の駆動力を総括的に制御す
る駆動力制御手段(エンジン制御装置26)と、各車輪
の制動力を個別に制御可能である制動力制御手段(制動
装置42及び電子制御装置50)とよりなっているが、
車輌が例えば所謂ホイールインモータ式の車輌として構
成されることにより、駆動力制御手段が各車輪の駆動力
を個別に制御可能であり、制動力制御手段が各車輪の制
動力を個別に制御可能であるよう構成されてもよい。
【0144】また上述の各実施形態に於いては、各車輪
は油圧式のパワーステアリング装置56、66のタイロ
ッド58L、58L、68L、68Rの有効長さがアク
チュエータ60L、60L、70L、70Rによって可
変制御されることにより操舵されるようになっている
が、各車輪は各々個別に設けられた操舵装置により操舵
されるよう構成されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による車輌の走行制御装置の第一の実施
形態を示す概略構成図である。
【図2】第一の実施形態の制御系を示すブロック線図で
ある。
【図3】第一の実施形態に於ける走行制御の概要を示す
ブロック線図である。
【図4】第一の実施形態に於ける走行制御のメインルー
チンを示すフローチャートである。
【図5】図4に示されたフローチャートのステップ30
0に於ける各車輪の目標スリップ角αti及び第一の目標
スリップ率κt1i演算ルーチンを示すフローチャートで
ある。
【図6】図4に示されたフローチャートのステップ65
0に於ける各車輪の第二の目標スリップ率κt2i演算ル
ーチンを示すフローチャートである。
【図7】図4に示されたフローチャートのステップ70
0に於ける各車輪の目標制動圧Pti及びエンジンの目標
駆動トルクTet演算ルーチンを示すフローチャートであ
る。
【図8】図4に示されたフローチャートのステップ10
00に於ける各車輪の目標舵角θwti演算ルーチンを示
すフローチャートである。
【図9】左前輪について車輪の接地点の目標進行方向角
αwtflを示す説明図である。
【図10】第二の実施形態に於ける走行制御の概要を示
すブロック線図である。
【図11】第二の実施形態に於ける走行制御のメインル
ーチンを示すフローチャートである。
【図12】図11に示されたフローチャートのステップ
400に於ける各車輪の目標スリップ角αti演算ルーチ
ンを示すフローチャートである。
【図13】図11に示されたフローチャートのステップ
850に於ける各車輪の第一の目標スリップ率κt1i演
算ルーチンを示すフローチャートである。
【符号の説明】
10…エンジン 12…車輌 16…トランスミッション 18…センターディファレンシャル 26…エンジン制御装置 42…制動装置 44…油圧回路 50…走行制御用電子制御装置 52…前輪用操舵装置 62…舵角制御装置 64…後輪用操舵装置 72…車速センサ 74…前後加速度センサ 76…横加速度センサ 78…ヨーレートセンサ 80…踏力センサ 82i…車輪速度センサ 84i…圧力センサ
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B62D 6/00 B62D 6/00 7/14 7/14 A F02D 29/02 311 F02D 29/02 311A // B62D 101:00 B62D 101:00 113:00 113:00 137:00 137:00 (72)発明者 稲垣 匠二 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 鯉渕 健 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 服部 義和 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 Fターム(参考) 3D032 CC01 CC21 CC50 DA03 DA23 DA24 DA25 DA29 DA33 DA49 DA93 DB11 DB20 DC33 DC34 DD02 DE20 EA04 EC01 FF01 FF07 GG01 3D034 CA01 CB00 CC01 CC03 CC04 CC05 CD04 CD06 CD07 CD12 CD20 CE02 CE03 CE11 CE15 3D041 AA40 AA48 AA66 AB01 AC01 AC26 AC30 AD02 AD04 AD31 AD50 AD51 AE00 AE03 AE41 AF01 3D046 BB21 CC02 EE01 GG02 GG04 GG10 HH02 HH05 HH07 HH08 HH16 HH17 HH21 HH22 HH25 HH26 HH35 HH36 JJ03 JJ06 3G093 BA01 DA01 DA06 DB00 DB01 DB05 DB11 DB15 EA01 EA09 EB00 EB04 EC01 FA02 FA04 FA11 FB01 FB02

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】操舵制御手段と、制駆動力制御手段と、実
    際の車輌に基づく実車輌モデル及び前記実車輌モデルよ
    りも性能の高い理想車輌モデルを使用して前記操舵制御
    手段及び前記制駆動力制御手段を制御することにより車
    輌の走行運動を制御する走行運動制御手段とを有し、前
    記走行運動制御手段は実際の車輌状態量と前記理想車輌
    モデルより求められる第一の目標車輌状態量とに基づき
    前記操舵制御手段を制御する車輌の走行制御装置に於い
    て、前記走行運動制御手段は実際の車輌状態量と前記第
    一の目標車輌状態量とに基づき前記制駆動力制御手段を
    制御する第一の制御モードと、実際の車輌状態量と前記
    実車輌モデルより求められる第二の目標車輌状態量とに
    基づき前記制駆動力制御手段を制御する第二の制御モー
    ドとの間にて制御モードを切り替える制御モード切り替
    え手段を有することを特徴とする車輌の走行制御装置。
  2. 【請求項2】前記走行運動制御手段は前記第一の制御モ
    ードに於いては実際の車輌状態量と前記第一の目標車輌
    状態量とに基づき目標操舵制御量及び第一の目標制駆動
    力制御量を演算し、前記目標操舵制御量にて前記操舵制
    御手段を制御すると共に、前記第一の目標制駆動力制御
    量にて前記制駆動力制御手段を制御し、前記第二の制御
    モードに於いては実際の車輌状態量と前記第一の目標車
    輌状態量とに基づき目標操舵制御量を演算し、実際の状
    態量と前記第二の目標車輌状態量とに基づき第二の目標
    制駆動力制御量を演算し、前記目標操舵制御量にて前記
    操舵制御手段を制御すると共に、前記第二の目標制駆動
    力制御量にて前記制駆動力制御手段を制御することを特
    徴とする請求項1に記載の車輌の走行制御装置。
  3. 【請求項3】前記制御モード切り替え手段は通常時には
    前記制御モードを前記第二の制御モードに設定し、車輌
    の走行状況に応じて前記制御モードを前記第一の制御モ
    ードに切り替えることを特徴とする請求項1又は2に記
    載の車輌の走行制御装置。
  4. 【請求項4】前記制御モード切り替え手段は前記実際の
    車輌状態量と前記第一の目標車輌状態量との偏差の大き
    さに基づき判定指標値を演算し、前記判定指標値が基準
    値以上であるときに前記制御モードを前記第一の制御モ
    ードに切り替えることを特徴とする請求項3に記載の車
    輌の走行制御装置。
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