JP2007209068A - 電動車両の駆動力制御装置、自動車及び電動車両の駆動力制御方法 - Google Patents

電動車両の駆動力制御装置、自動車及び電動車両の駆動力制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】スリップ制御作動時に車両挙動が不安定となることを防止することができる電動車両の駆動力制御装置、それを備えた自動車及び電動車両の駆動力制御方法を提供する。
【解決手段】左右駆動輪2RL,2RRのスリップ率λが目標スリップ率の範囲内(スリップ率閾値λTH以下)となるように、電動モータ3RL,3RRの出力駆動力を制御するTCS制御を行う。さらに、電動モータ3RL,3RRの動作状態に基づいて、左右駆動輪2RL,2RRから路面に伝達される駆動力Tdを夫々算出し、この左右駆動輪2RL,2RRの駆動力Tdの差が所定の目標駆動力差となるように、TCS制御の制御量を補正する。
【選択図】図1

Description

本発明は、駆動輪の駆動力を制御する駆動力制御を行う電動車両の駆動力制御装置、それを備えた自動車及び電動車両の駆動力制御方法に関するものである。
従来の電動車両の駆動力制御装置として、車輪の車輪速度のばらつき幅に応じてアンチロック制御やトラクション制御を行うというものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この従来装置では、4つの車輪の車輪速度のうち最高のものと3番目のものとの差を車輪速度ばらつき幅として取得し、この車輪速度ばらつき幅がほぼ一定範囲内に収まるように各車輪の制動力を制御することで、制動時の車輪スリップを抑制するアンチロック制御を行っている。
また、トラクション制御においては、4つの車輪の車輪速度のうち最低のものと3番目に低いものとの差を車輪速度ばらつき幅として採用し、この車輪速度ばらつき幅がほぼ一定範囲内に収まるように各車輪の駆動力を制御することで、駆動時の車輪スリップを抑制する。
特開平10−29524号公報
しかしながら、上記従来の電動車両の駆動力制御装置のように、車輪速度のばらつきが所定範囲内に収まるようにアンチロック制御やトラクション制御等のスリップ制御を行うと、左右の駆動輪で車輪から路面に伝わる駆動力に差が生じる場合がある。
例えば、左右の駆動輪で路面摩擦係数が異なる状態で車両が発進加速した場合、左右駆動輪の車輪速度が異なって、トラクション制御の作動により低μ路側の駆動輪の出力駆動力が弱められる。このとき、高μ路側では車輪から路面に大きな駆動力が伝わるのに対し、低μ路側では車輪から路面に伝わる駆動力が小さいため、左右の駆動輪で車輪から路面に伝わる駆動力に大きな差が生じる。
車両の運動は、路面からの反力により車両に加わる力に基づくものである。上記のように左右の駆動輪で車輪から路面に伝わる駆動力に差が生じた場合、低μ路側の路面反力は高μ路側の路面反力に比べて小さくなるため、車両にヨーモーメントが発生する。したがって、ステアリングを直進位置に維持している場合であっても、車両は低μ路側へ旋回してしまい車両挙動が不安定となるという事態が生じる。
そこで、本発明は、スリップ制御作動時に車両挙動が不安定となることを防止することができる電動車両の駆動力制御装置、それを備えた自動車及び電動車両の駆動力制御方法を提供することを課題としている。
上記課題を解決するために、本発明に係る電動車両の駆動力制御装置は、
左右駆動輪のスリップ率が所定範囲内となるように、前記駆動輪の駆動源である電動モータを制御する駆動力制御手段を備える電動車両の駆動力制御装置であって、
前記電動モータの動作状態を検出するモータ動作検出手段と、該モータ動作検出手段で検出された前記電動モータの動作状態に基づいて、前記左右駆動輪から路面に伝達される駆動力を夫々算出する駆動力算出手段と、該駆動力算出手段で算出された左右駆動輪の駆動力の差が所定の目標駆動力差となるように、前記駆動力制御手段による駆動力制御の制御量を補正する制御量補正手段とを備えることを特徴としている。
また、本発明に係る自動車は、
運転者のアクセル操作によって発生する車両の左右駆動輪のスリップ率が所定範囲内となるように、前記駆動輪の駆動源である電動モータを制御する駆動力制御手段を有する電動車両の駆動力制御装置を備えた自動車であって、
前記電動モータの動作状態を検出するモータ動作検出手段と、該モータ動作検出手段で検出された前記電動モータの動作状態に基づいて、前記左右駆動輪から路面に伝達される駆動力を夫々算出する駆動力算出手段と、該駆動力算出手段で算出された左右駆動輪の駆動力の差が所定の目標駆動力差となるように、前記駆動力制御手段による駆動力制御の制御量を補正する制御量補正手段とを備えることを特徴としている。
また、本発明に係る電動車両の駆動力制御方法は、
左右駆動輪のスリップ率が所定範囲内となるように、前記駆動輪の駆動源である電動モータを制御する駆動力制御を行う電動車両の駆動力制御方法であって、
前記電動モータの動作状態に基づいて、前記左右駆動輪から路面に伝達される駆動力を夫々算出し、該左右駆動輪の駆動力の差が所定の目標駆動力差となるように、前記駆動力制御の制御量を補正することを特徴としている。
本発明に係る電動車両の駆動力制御装置によれば、左右駆動輪から路面に伝達される駆動力の差が目標駆動力差となるように駆動力制御量を補正するので、駆動力制御によって左右駆動輪の何れか一方の駆動力がドライバ指令値より小さくなった場合に、他方の駆動輪の駆動力が制御されて、前記駆動力差が目標駆動力差に追従される。その結果、例えば、スプリットμ路での発進加速において、駆動力制御によって低μ路側の駆動輪の駆動力が減少制御された場合に、低μ路側の駆動輪から路面に伝達される駆動力が高μ路側と比較して小さくなることに起因して車両が低μ路側に旋回してしまうなど、運転者の意図しないヨーモーメントが発生することを抑制することができる。
また、本発明に係る自動車によれば、駆動力制御によって左右駆動輪の何れか一方の駆動力がドライバ指令値より小さくなった場合に、左右駆動輪から路面に伝達される駆動力の差が目標駆動力差に追従するように、他方の駆動輪の駆動力を制御することで、運転者の意図しないヨーモーメントが発生することを抑制することができ、車両挙動を安定させることができる。
さらに、本発明に係る電動車両の駆動力制御方法によれば、駆動力制御によって左右駆動輪の何れか一方の駆動力がドライバ指令値より小さくなった場合に、左右駆動輪から路面に伝達される駆動力の差が目標駆動力差に追従するように、他方の駆動輪の駆動力を制御することで、運転者の意図しないヨーモーメントが発生することを抑制することができ、車両挙動を安定させることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(第1の実施の形態)
(構成)
図1は本発明に係る電動車両の駆動力制御装置の機能構成を示すブロック図である。
図1において、電動車両の駆動力制御装置は、モータ動作検出部101と、運転操作量検出部102と、TCS制御部103と、駆動力算出部104と、駆動力差調節部105と、電動モータ106とを備えている。
モータ動作検出部101は、車両の駆動輪を駆動する電動モータ106の動作状態を検出する。
運転操作量検出部102は、ステアリングホイール、アクセルペダル、ブレーキペダル等、運転者が車両走行に際して操作した装置の操作量(操舵角、アクセルペダル操作量、ブレーキペダル操作量)を検出する。
そして、これらモータ動作検出部101は、検出結果をTCS制御部103及び駆動力算出部に受け渡し、運転操作量検出部102は、検出結果をTCS制御部103に受け渡す。
TCS制御部103は、運転操作量検出部102の検出結果に基づいて、運転者の要求に対応したドライバ指令トルクを算出する。また、電動モータ106が駆動する駆動輪のスリップ率を算出し、ドライバ指令トルクを用いて、該スリップ率が所定範囲内となるように前記電動モータ106の出力トルクを調整するための駆動トルク指令を算出する。
駆動力算出部104は、電動モータ106の動作状態に応じて駆動輪から路面に伝達される駆動力を算出する。
駆動力差調節部105は、駆動力算出部104で算出された駆動力に基づいて求められる左右駆動輪の駆動力差が、所定の目標駆動力差となるように、前記電動モータ106の出力トルクを調節するための駆動トルク指令を算出する。そして、その駆動トルク指令によってTCS制御部103で算出された駆動トルク指令を補正して、電動モータ106を駆動する。
電動モータ106は、車両の左右駆動輪に独立に配置しており、左右駆動輪にかかる駆動力を個別に制御する。
なお、図1においては、モータ動作検出部101がモータ動作検出手段を構成し、運転操作量検出部102が操作量検出手段を構成し、TCS制御部103が駆動力制御手段を構成し、駆動力算出部104が駆動力算出手段を構成し、駆動力差調節部105が制御量補正手段を構成している。また、モータ動作検出部101、運転操作量検出部102、TCS制御部103、駆動力算出部104及び駆動力差調節部105が駆動力差制御手段を構成している。
図2は本発明の実施形態における電動車両の駆動力制御装置を適用した車両の概略構成図であり、図中符号1は車両である。左右後輪2RL,2RRは電動モータ3RL,3RRによって個別に駆動される駆動輪であって、電動モータ3RL,3RRは夫々駆動輪2RL,2RRと一体的に設計されている。
モータインバータ4RL,4RRは、後述するコントロールユニット20から出力される駆動信号に基づいて、電動モータ3RL,3RRを駆動するための駆動電流を電動モータ3RL,3RRに対して出力する。また、モータインバータ4RL,4RRは、電動モータ3RL,3RRの動作状態として当該電動モータ3RL,3RRの駆動電流値をコントロールユニット20に出力する。
電源ユニット21は、電動モータ3RL,3RRを駆動するための駆動電流をモータインバータ4RL,4RRに供給する。
また、図中符号5RL,5RRは駆動輪2RL,2RRを車体に懸架するサスペンションである。
この車両1には、運転者が車両1の進行方向を指示するために操舵するステアリングホイール10と、運転者がステアリングホイール10を操舵した角度(操舵角δ)を検出する操舵角センサ11と、運転者が操作した図示しないアクセルペダルの操作量ACCを検出するアクセルペダルセンサ12と、運転者が操作した図示しないブレーキペダルの操作量BRKを検出するブレーキペダルセンサ13と、車両1の挙動を計測する車両挙動センサ14とが設けられており、上記各種センサの検出信号はコントロールユニット20に出力される。
そして、コントロールユニット20は、電動モータ3RL,3RRの動作状態と、運転者によるアクセルペダル操作量ACC等の運転操作量とに基づいて、車両1の加速スリップを抑制するためのトラクションコントロールシステム制御(TCS制御)や、左右駆動輪2RL,2RRの車輪から路面へ伝わる駆動力の差が所定の目標駆動力差となるように電動モータ3RL,3RRの出力トルクを制御する駆動力差制御といった、電動モータ3RL,3RRの駆動力を制御する駆動力制御を実行する。
図3は、前記駆動力差制御の制御ブロック図である。この駆動力差制御では、電動モータの出力特性を正確にモデリングできる性質を生かして、図3に示すように、駆動輪から路面に伝達される現在の駆動力を算出して電動モータの出力トルクを制御するフィードバック制御と、駆動輪から路面に伝達されるであろう将来の駆動力を推定して、電動モータの出力トルクを制御するフィードフォワード制御とを併用する制御方式を採用する。
図4は、コントロールユニット20で実行される駆動力制御処理を示すフローチャートである。この駆動力制御処理は、車両1のイグニッションスイッチがオン状態であるときに繰り返し実行される。
先ず、ステップS1で、コントロールユニット20は、電動モータ3RL,3RRの動作状態に基づいて、駆動輪2RL,2RRから路面に伝わる駆動力Tdを算出する。路面に伝わる駆動力Tdは、次式をもとに算出される。
Td=KI−Jw(dVw/dt) ………(1)
ここで、Kはモータトルク定数、Iはモータの駆動電流、Jwは駆動回転系のイナーシャ、Vwは車輪速である。
図5は、車輪から路面に伝わる駆動力Tdの算出方法の概念を示す制御ブロック図である。このように、上記(1)式は、モータの発生するトルク(KI)は、車輪を回す力(Jw(dVw/dt))と車輪から路面に伝わる力(Td)として使われることに基づいて表されるものである。
次にステップS2で、コントロールユニット20は、アクセルペダル操作量ACCと車速Vとに応じて、運転者の要求に対応した電動モータの駆動トルク指令TACC、所謂ドライバ指令トルクを算出する。
次にステップS3で、コントロールユニット20は、TCS制御量として、駆動輪の加速スリップを抑制するための電動モータの駆動トルク指令TTCSを算出する。
先ずコントロールユニット20は、車輪速度センサ15で検出された駆動輪2RL,2RRの車輪速度VwRL,VwRRと車体速度Vとから、駆動輪2RL,2RRのスリップ率λを算出する。
次に、このスリップ率λが予め設定されたスリップ率閾値λTHを超えているか否かを判定し、スリップ率閾値λTHを超えている場合には、駆動輪2RL,2RRのスリップ率λがスリップ率閾値λTH以下となるように電動モータ3RL,3RLの出力トルクを制御するための駆動トルク指令TTCSを算出する。例えば、スリップ率λからスリップ率閾値λTHを減算した値に定数Kを乗じることにより駆動トルク指令TTCSを算出する。
一方、スリップ率λがスリップ率閾値λTHを超えていない場合には、TCS制御を行う必要はないものと判断し、駆動トルク指令TTCSを“0”とする。
次にステップS4で、コントロールユニット20は、前記ステップS3の結果に基づいてTCS制御が実行されるか否かを判定し、TTCS=0でありTCS制御が実行されない場合にはそのまま駆動力制御処理を終了する。一方、TCS制御が実行される場合には、ステップS5以降の処理を実行する。
ステップS5では、コントロールユニット20は、運転者による運転操作に応じて、運転者の意図したヨーモーメントが発生するような左右駆動輪の目標駆動力差を算出する。本実施形態では、操舵角センサ11で検出された操舵角δに基づいて目標駆動力差を算出するものとし、運転者が操舵するステアリングの位置が中立位置にあることが検出された場合には、運転者は直進走行しようとしていると判断して目標駆動力差を0に設定する。
なお、ステアリングの操舵角δにかかわらず、TCS制御によるヨーモーメントへの影響を排除するために、常に目標駆動力差を0に設定することもできる。また、低μ路では高μ路と比較してタイヤが発生する横力が低下するので、操舵角δと車両のヨーレートφとに基づいて、低μ路でも高μ路と同じようなヨーレートが発生するように目標駆動力差を設定することもできる。
次にステップS6で、コントロールユニット20は、駆動輪2RL,2RRから路面に伝達されるであろう将来の駆動力Tdに基づいてフォードフォワード制御を行ってフィードフォワード補正量TFFを算出し、このフィードフォワード補正量TFFを駆動トルク指令(TACC−TTCS)に付加する処理を行う。
ここでは、前記ステップS3で算出されたTCS制御量TTCSに基づいてTCS制御が作動され電動モータの出力トルクが制御されたときに駆動輪から路面に伝達される駆動力を事前に推定する。そして、その推定された駆動力に基づいて、左右駆動輪の駆動力差を前記ステップS5で算出された目標駆動力差とするための駆動トルク指令としてフィードフォワード補正量TFFを算出する。フィードフォワード補正量TFFの具体的な算出方法については後述する。
次にステップS7で、コントロールユニット20は、駆動輪2RL,2RRから路面に伝達されている現在の駆動力Tdに基づいてフォードバック制御を行ってフィードバック補正量TFBを算出し、前記ステップS6でフィードフォワード補正量TFFを付加した駆動トルク指令に、このフィードバック補正量TFBを付加して、最終的な駆動トルク指令を算出する処理を行う。
ここでは、前記ステップS1で算出された駆動力Tdに基づいて左右駆動輪の駆動力差を算出し、その駆動力差と前記ステップS5で算出された目標駆動力差との偏差に対して予め設定されたフィードバックゲインK_FBを乗じることで、フィードバック補正量TFBを算出する。
次にステップS8で、コントロールユニット20は、前記ステップS7で算出された最終的な駆動トルク指令を実現するための駆動信号をモータインバータ4RL,4RRに出力してから駆動力制御処理を終了する。
次に、前記ステップS6で実行されるフィードフォワード制御について説明する。
フィードフォワード制御では、過去のサンプリングデータからモータ駆動力Fmの変化に対する路面に伝達される駆動力Tdの変化である駆動力伝達特性(ΔTd/ΔFm)を求め、スリップ率λと路面摩擦係数μとの関係を示す路面特性と、電動モータが駆動力Fmを出力したときにスリップ率λと路面摩擦係数μとがつり合う状態(平衡状態)を示す平衡特性とを用いて、TCS制御が作動されることで駆動輪から路面に伝達されるであろう駆動力Tdを事前に推定し、推定した駆動力Tdをもとにフィードフォワード補正量TFFを算出するような処理を行う。
(電動車両の運動方程式)
先ず、電動車両の運動方程式について説明する。
図6は、駆動輪から車体へ伝わる駆動力を説明する図である。この図6において、Mは車体質量、Mwは駆動力を伝達する回転系の等価質量(左右輪の合計)、Vは車速、Vwは車輪速、Fmは駆動源の出力駆動力、Tdはタイヤから路面に伝わる駆動力である。また、rは回転体の半径、θは回転体の回転角、Nは駆動輪の垂直抗力である。
電動モータで前輪もしくは後輪の左右輪を独立に駆動して、車両を前進させる構成の電動車両について、駆動輪から車体へ伝わる駆動力と車体の動きとの関係は、
(1)左右の駆動輪での摩擦、伝達トルクは等しい
(2)ころがり抵抗や空気抵抗は十分小さい
の仮定のもとでは、運動方程式は以下のように記述される。
(Fm−Td)=Mww′ ………(2)
Td=MV′ ………(3)
ここで、上記(3)式は、ニュートンの運動の第2法則を車体の運動に適用したものである。なお、′は一階微分を示す記号とし、V′はdV/dtと等価である。
次に、上記(2)式について検証する。回転体の運動方程式は次式で表される。
Iθ″=T=Fr ………(4)
ここで、Iは回転体の慣性モーメント、Tは回転トルク、Fは回転力である。なお、″は二階微分を示す記号とし、θ″はd2θ/dt2と等価である。上記(4)式より、駆動力伝達系の回転速度の変化に使われた力は、次のようになる。
F=(I/r)θ″
=(I/r)ω′
=(I/r2)rω′ ………(5)
ここで、ωはタイヤの回転角速度であり、Vw=rωであることから、上記(5)式は次のようになる。
F=(I/r2)Vw′ ………(6)
また、I=Mw・r2であることから、上記(6)式は次のようになる。
F=Mww′ ………(7)
駆動力伝達系の回転速度の変化に使われる力は、駆動源の出力から、回転体から路面へ伝わった駆動力を引いた残りであると考えることができるので、F=(Fm−Td)となり、前記(2)式が成立する。
(路面特性の説明)
タイヤから路面に伝わった駆動力Fdと路面摩擦係数との関係は、次式で表される。
Td=Nμ(λ) ………(8)
ここで、λはスリップ率であり、駆動時(Vw>V)でのスリップ率は次式で表される。
λ=(Vw−V)/Vw ………(9)
また、μ(λ)はスリップ率λでの路面摩擦係数であり、路面状態に応じた特性となっている。図7は、スリップ率λと路面摩擦係数μとの関係(路面特性)を示す図である。
(平衡特性の説明)
次に、スリップ率λがある値で平衡状態となるような駆動源の出力駆動力Fmとタイヤから路面に伝わる駆動力Tdとの関係を求める。前記(2)及び(3)式より、次の関係が成り立つ。
(Fm−Td)/Td=Mww′/MV′ ………(10)
これにより、次式を得る。
(Mw/M)・(Vw′/V′)=(Fm/Td)−1 ………(11)
スリップ率λが平衡状態ということは、車速V、車輪速Vwが微小に変化してもスリップ率λは変わらないということなので、前記(9)式をもとに以下の式を得る。
λ=(Vw−V)/Vw=(Vw+Vw′−V−V′)/(Vw+Vw′)
(Vw−V)(Vw+Vw′)=Vw(Vw+Vw′−V−V′)
w 2+Vww′−VVw−VVw′=Vw 2+Vww′−VVw−V′Vw
VVw′=V′Vw ………(12)
したがって、上記(12)式より次式を得る。
w′/V′=Vw/V=1/V/Vw=1/{1−(Vw−V)/Vw
=1/(1−λ) ………(13)
前記(8)式及び(13)式を前記(11)式に代入すると、以下のようになる。
(Mw/M){1/(1−λ)}=Fm/Nμ(λ)−1
Fm/Nμ(λ)={Mw+M(1−λ)}/M(1−λ)
μ(λ)=(Fm/N)[M(1−λ)/{Mw+M(1−λ)}]
=(Fm/N)[1−Mw/{Mw+M(1−λ)}]
=(Fm/N)[1−(Mw/M)/{(Mw/M)+1−λ}] ………(14)
したがって、前記(14)式より、
λ→−∞で μ→Fm/N,
λ=0で μ=(Fm/N){M/(Mw+M}),
λ=1で μ=0,
λ→Mw/M+1で μ→−∞
となる。図8は、前記(14)式に示す特性を示す図である。このように、平衡特性は双曲線となる。
図9は、図7に示す路面特性と図8に示す平衡特性との関係を示す図である。図9における実線は路面特性、破線は平衡特性(車両特性)であり、この図9は、図8に示す平衡特性の0≦λ≦1の範囲を拡大して図7に示す路面特性と重ねたものである。
この2つの曲線の交点A〜Cが、車両と路面の両方の条件を満たす点となるため、車両の走行状態はこれら交点A〜Cの何れかの状態となる。
図10は、フィードフォワード補正量TFFの具体的な算出方法を説明する図である。
図10において、実線で示す曲線は路面特性線、破線で示す曲線(ア)〜(エ)は平衡特性線である。この平衡特性線は、前記(14)式からも明らかなように、駆動力Fmの減少に伴って(ア)から(エ)へ徐々に変化する。
電動モータの出力駆動力Fmの変化に伴って平衡特性線が(ア)から(ウ)へ変化したとき、電動モータの出力駆動力Fm=KIと、駆動輪から路面へ伝わる駆動力Td=Nμとに基づいて平衡点が点Dから点Eへ変化したことが観測されたものとする。この場合、微小区間の変化率ΔTd/ΔKI、所謂駆動力伝達特性を求めることができる。駆動力伝達特性は図10の直線αで示され、電動モータの出力駆動力Fmの変化に伴って、前記平衡点はこの駆動力伝達特性上を移行すると推定することができる。
したがって、TCS制御で電動モータの出力トルクが制御されることによって、次回の電動モータの出力駆動力Fmがどのくらいになるかが分かれば、その駆動力Fmに応じた平衡特性線と前記駆動力伝達特性線αとの交点が次回の平衡点となることが分かる。
つまり、次回の電動モータの出力駆動力Fmに応じた平衡特性線が(エ)になることが分かった場合、破線(エ)と直線αとの交点Fが次回の平衡点となると推定できる。そして、点Fの路面摩擦係数μから次回の路面へ伝わる駆動力Tdを推定することができる。
すなわち、このフィードフォワード制御では、過去の所定の参照期間における電動モータ3RL,3RRの出力駆動力Fm(=KI)の変化と、当該参照期間における駆動輪2RL,2RRから路面に伝達される駆動力Tdの変化とから求まる駆動力伝達特性ΔTd/ΔKIと、TCS制御量TTCSに応じてTCS制御が作動されたときの電動モータ3RL,3RRの出力駆動力Fmとに基づいて、駆動輪2RL,2RRから路面に伝達される将来の駆動力Tdを推定する。そして、上記のように事前に推定した駆動力Tdから左右駆動輪の駆動力差を算出し、その駆動力差が目標駆動力差となるような駆動トルク指令としてフィードフォワード補正量TFFを算出する。
(動作)
次に、本発明における第1の実施形態の動作について説明する。
今、車両1が凍結路面上に停止している状態から、運転者が車両を発進させようとしてアクセルペダルを踏み込み、駆動輪2RL及び2RRにスリップ率閾値λTHを超える同じ大きさのスリップ率λが発生したものとする。この場合、コントロールユニット20は、図4のステップ2でアクセルペダル操作量ACCに基づいてドライバ指令トルクTACCを算出する。また、駆動輪2RL,2RRのスリップ率λはスリップ率閾値λTHを超えているため、ステップS3で、コントロールユニット20は、駆動輪2RL,2RRのスリップ率λがスリップ率閾値λTH以下となるように電動モータ3RL,3RLの出力トルクを制御するための駆動トルク指令TTCSを算出する。
このとき、操舵角δ=0であり、ステアリングが中立位置(直進位置)に維持されているものとすると、コントロールユニット20は、ステップS5で目標駆動力差を“0”に設定する。
ところで、左駆動輪2RLの路面摩擦係数と、右駆動輪2RRの路面摩擦係数とが等しい場合、左右駆動輪の電動モータに同じ大きさの駆動力が加えられたとき、駆動輪の路面に伝達される駆動力は左右駆動輪で差はない(駆動力差=0)。
駆動輪2RL,2RRの加速スリップを抑制するために駆動トルク指令TTCSに基づいてTCS制御が作動され、電動モータ3RL,3RRの出力トルクが共に減少制御された場合、左右駆動輪の電動モータには同じ大きさの駆動力が加えられた状態となるため、左右駆動輪の駆動力差は“0”となって目標駆動力差と一致する。したがって、左右駆動輪の駆動力差を調整する駆動力差制御を行う必要がなく、コントロールユニット20は、ステップS6でフィードフォワード補正量TFFを“0”として算出する。
また、現在の左右駆動輪の駆動力差も“0”であって目標駆動力差と一致している場合、左右駆動輪の駆動力差を調整する駆動力差制御を行う必要がないため、コントロールユニット20は、ステップS7でフィードバック補正量TFBを“0”として算出する。
これにより、コントロールユニット20では、車両の加速スリップを抑制するためのTCS制御のみが実行されることになり、駆動トルク指令TTCSに基づいた駆動信号がモータインバータ4RL,4RRに出力されて、電動モータ3RL,3RRの出力トルクが共に減少制御される。その結果、駆動輪2RL,2RRのスリップを抑制することができる。このとき、車両挙動は不安定となることがなく、運転者による操舵に応じて車両が直進方向に発進する。
図11は、本実施形態のような駆動力差制御を行わず、車両の加速スリップを抑制するためのTCS制御のみを行う場合の動作を説明する図である。ここでの路面状況は、車幅方向左右で路面摩擦係数が異なるスプリットμ路とし、車幅方向左側が低μ路、車幅方向右側が高μ路とする。図11(a)に示すように左駆動輪202RLが低μ路上にあり、右駆動輪202RRが高μ路上にある状態で車両201が停止している状態から、運転者がステアリングを中立位置に維持したまま(直進状態)でアクセルペダルを踏み込んだものとする。
このとき、左駆動輪202RLがスリップし、TCS制御が作動することで低μ路側の駆動輪202RLの出力駆動力が弱められる。高μ路側では車輪から路面に大きな駆動力が伝わるのに対し、低μ路側では車輪から路面に伝わる駆動力が小さいため、左右の駆動輪で車輪から路面に伝わる駆動力に大きな差が生じる。
車両の運動は、路面からの反力により車両に加わる力に基づくものである。上記のように左右の駆動輪で車輪から路面に伝わる駆動力に差が生じた場合、低μ路側の路面反力は高μ路側の路面反力に比べて小さくなるため、車両にヨーモーメントが発生する。したがって、ステアリングを直進位置に維持している場合であっても、図11(b)に示すように、車両201は低μ路側へ旋回してしまい車両挙動が不安定となる。
これに対して本実施形態では、左右駆動輪の駆動力差が目標駆動力差となるように電動モータの出力トルクを制御することで、TCS制御介入時に車両挙動が不安定となることを抑制する。
つまり、車両1が図11と同様にスプリットμ路に停止している状態から、運転者が車両を発進させようとしてアクセルペダルを踏み込み、車両1の左駆動輪2RLがスリップして、駆動輪2RLにスリップ率閾値λTHを超えるスリップ率λが発生したものとする。この場合、コントロールユニット20は、図4のステップ2でアクセルペダル操作量ACCに基づいてドライバ指令トルクTACCを算出する。駆動輪2RLのスリップ率λはスリップ率閾値λTHを超えているため、ステップS3で、コントロールユニット20は、駆動輪2RLのスリップ率λがスリップ率閾値λTH以下となるように電動モータ3RLの出力トルクを制御するための駆動トルク指令TTCSを算出する。
このとき、操舵角δ=0であり、ステアリングホイールが中立位置に維持されているため、コントロールユニット20は、ステップS5で目標駆動力差を“0”に設定する。
ところで、左駆動輪2RLの路面摩擦係数と、右駆動輪2RRの路面摩擦係数とは異なっており、左右駆動輪の電動モータに同じ大きさの駆動力が加えられているとき、左右駆動輪で車輪から路面に伝達される駆動力に差が生じる。
駆動輪2RLの加速スリップを抑制するために駆動トルク指令TTCSに基づいてTCS制御が作動されると、電動モータ3RRの出力トルクを維持した状態で電動モータ3RLの出力トルクのみが減少制御される。
このTCS制御による電動モータ3RLの出力トルクの減少に伴って、左駆動輪2RLから路面に伝わる駆動力Tdも変化するが、左右駆動輪で車輪から路面に伝達される駆動力の差が縮まることはない。したがって、左右駆動輪の駆動力差を調整する駆動力差制御を行う必要があるため、コントロールユニット20は、ステップS6で駆動力伝達特性ΔTd/ΔKIと次回の電動モータ3RLの出力駆動力Fmとに基づいて次回の左駆動輪2RLの駆動力Tdを推定し、推定した駆動力Tdに基づいて左右駆動力差を0とするためのフィードフォワード補正量TFFを算出する。
また、現在の左右駆動輪の駆動力にも差があり目標駆動力差と一致していないため、コントロールユニット20は、ステップS7で現在の左右駆動力差と目標駆動力差との偏差に基づいて、現在の左右駆動力差を目標駆動力差と一致させるためのフィードバック補正量TFBを算出する。
これにより、コントロールユニット20では、車両の加速スリップを抑制するためのTCS制御と、左右駆動力差を0とするための駆動力差制御とが実行されることになり、駆動トルク指令TTCSをフィードフォワード補正量TFF及びフィードバック補正量TFBで補正した駆動トルク指令に基づいた駆動信号がモータインバータ4RL,4RRに出力される。その結果、左駆動輪2RLの加速スリップを抑制するために電動モータ3RLの出力トルクが減少制御され、左右駆動力差を0とするために電動モータ3RRの出力トルクが減少制御される。
図12は、本実施形態の効果を説明する図である。
図11に示したようにTCS制御のみを行った場合では、スプリットμ路で発進加速し、左右駆動輪の何れかにスリップが発生した場合、TCS制御が作動されて、スリップ輪のスリップ率λがスリップ率閾値λTH以下となるようにスリップ輪側の出力トルクのみが減少制御される。したがって、例えば、左右駆動輪のスリップ率λが共にスリップ率閾値λTH以下の0.1となったとき、車両の走行状態は低μ路側では点Aの状態、高μ路側では点Bの状態となる。このとき、左右駆動輪で車輪から路面に伝わる駆動力に大きな差があり、ステアリングを直進位置に維持している場合であっても車両は低μ路側へ旋回してしまう。
このように、車両の走行状態は低μ路側では点Aの状態となり、高μ路側では点Bの状態となるので、摩擦係数比で約2.4倍の駆動力差が発生してしまう。
これに対して本実施形態では、スプリットμ路で発進加速し、左右駆動輪の何れかにスリップが発生した場合、TCS制御が作動されて、スリップ輪のスリップ率λがスリップ率閾値λTH以下となるようにスリップ輪側の出力トルクを減少制御すると共に、左右駆動力差が0となるように非スリップ輪の出力トルクを減少制御する。したがって、左右駆動輪のスリップが抑制されたとき、車両の走行状態は低μ路側では点Aの状態、高μ路側では点Cの状態となる。このとき、左右駆動輪で車輪から路面に伝わる駆動力は等しいため、ステアリングを直進位置に維持している場合、車両挙動が不安定になることなく直進方向に発進する。
このように、本実施形態では、高μ路側の駆動輪の出力トルクを制御して、低μ路側では点Aの状態、高μ路側では点Cの状態とするので、左右駆動輪の駆動力差をなくすことができ、運転者の意図しないヨーモーメントが発生することを抑制することができる。
本実施形態において、アクセルペダルセンサ12が運転操作量検出手段を構成し、モータインバータ4RL,4RRがモータ動作検出手段を構成する。また、図4のステップS1が駆動力算出手段を構成し、ステップS3がスリップ率算出手段及び駆動力制御手段を構成し、ステップS6の処理が第2補正量算出手段を構成し、ステップS7の処理が第1補正量算出手段を構成し、ステップS6及びステップS7の処理が制御量補正手段を構成する。
(第1の実施形態の効果)
(1)左右駆動輪から路面に伝達される駆動力の差が目標駆動力差となるようにTCS制御量を補正する。したがって、TCS制御によって左右駆動輪の何れか一方の駆動力がドライバ指令値より小さくなった場合に、他方の駆動輪の駆動力が制御されて、前記駆動力差が目標駆動力差に追従される。その結果、例えば、スプリットμ路での発進加速において、TCS制御によって低μ路側の駆動輪の駆動力が減少制御された場合に、低μ路側の駆動輪から路面に伝達される駆動力が高μ路側と比較して小さくなることに起因して車両が低μ路側に旋回してしまうなど、運転者の意図しないヨーモーメントが発生することを抑制することができる。
(2)左右駆動輪から路面に伝わる駆動力差が目標駆動力差となるようにする駆動力差制御はフィードバック制御とフィードフォワード制御とを併用して行う。したがって、左右駆動輪の駆動力差をより適切に目標駆動力差に追従させることができる。
また、過去の所定の参照期間における電動モータの出力駆動力の変化と、当該参照期間における駆動輪から路面に伝達される駆動力の変化とから求まる駆動力伝達特性を用いて、前記駆動輪から路面に伝達される将来の駆動力を推定する。したがって、電動モータの出力特性を正確にモデリングできる性質を生かして、精度良く将来の駆動力を推定することができる。
(3)TCS制御介入時に、左右駆動輪から路面に伝達される駆動力の差を、運転者が意図したヨーモーメントを発生するための目標駆動力差に追従させる。したがって、TCS制御によって左右駆動輪の何れか一方の駆動力がドライバ指令値より小さくなった場合でも、他方の駆動輪の駆動力を制御することで、運転者の意図しないヨーモーメントが発生することを抑制することができ、車両挙動を安定させることができる。
(4)TCS制御によって左右駆動輪の何れか一方の駆動力がドライバ指令値より小さくなった場合に、左右駆動輪から路面に伝達される駆動力の差が目標駆動力差に追従するように、他方の駆動輪の駆動力を制御する。したがって、運転者の意図しないヨーモーメントが発生することを抑制することができ、車両挙動を安定させることが可能な自動車とすることができる。
(5)TCS制御によって左右駆動輪の何れか一方の駆動力がドライバ指令値より小さくなった場合に、左右駆動輪から路面に伝達される駆動力の差が目標駆動力差に追従するように、他方の駆動輪の駆動力を制御することで、運転者の意図しないヨーモーメントが発生することを抑制することができ、車両挙動を安定させることができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
(構成)
この第2の実施形態は、路面の駆動力伝達特性を算出するサンプリング時間を、TCS制御量に応じて、言い換えると電動モータの出力駆動力の変化量に対する駆動輪から路面へ伝わる駆動力の変化量に応じて変更するようにしたものである。
図13は、第2の実施形態におけるコントロールユニット20で実行される駆動力制御処理手順を示すフローチャートである。本実施形態の駆動力制御処理では、図4に示す前述した第1の実施形態の駆動力制御処理において、ステップS8の後に路面の駆動力伝達特性を算出するサンプリング時間を設定するステップS21を追加したことを除いては、図4に示す第1の実施形態における駆動力制御と同様の処理を実行する。そこで、第1の実施形態における駆動力制御と同様の処理を実行する部分には同一ステップ番号を付し、処理の異なる部分を中心に説明する。
ステップS21では、電動モータの出力駆動力の変化ΔKIに対する駆動輪から路面へ伝わる駆動力の変化ΔTdに基づいて、路面の駆動力伝達特性を算出するサンプリング時間を設定する。
図14は、駆動力伝達特性を算出するサンプリング時間の設定方法を説明するための図である。
所定期間における電動モータの出力駆動力の変化ΔKIに対する駆動輪から路面へ伝わる駆動力の変化ΔTdは図14の領域[1]〜[3]で夫々異なり、領域[1]でのΔTd/ΔKIの値は絶対値が小さい負の値であり、領域[2]でのΔTd/ΔKIの値は領域[1]でのΔTd/ΔKIの値と比較して絶対値の大きい負の値であり、領域[3]でのΔTd/ΔKIの値は絶対値の大きい正の値となる。
車両の走行状態が領域[1]内の状態である場合には、ΔTd/ΔKIの絶対値が小さいため、駆動力伝達特性ΔTd/ΔKIを算出するΔKIの区間を長く取っても十分な精度で駆動力伝達特性ΔTd/ΔKIを算出することができる。したがって、電動モータの出力駆動力の変化ΔKIに対する駆動輪から路面へ伝わる駆動力の変化ΔTdが小さい場合には、駆動力伝達特性を算出するサンプリング時間TをT=T1に設定する。
一方、電動モータの出力駆動力の変化ΔKIに対する駆動輪から路面へ伝わる駆動力の変化ΔTdが大きい場合は、ΔKIの区間を短くして駆動力伝達特性ΔTd/ΔKIが逐次更新されるようにする。したがって、この場合には、駆動力伝達特性を算出するサンプリング時間TをT=T2(<T1)に設定する。
なお、車両の走行状態が図14のどの領域内にあるかに応じて、サンプリング時間Tを段階的に変更する場合について説明したが、電動モータの出力駆動力の変化ΔKIに対する駆動輪から路面へ伝わる駆動力の変化ΔTdの大きさに応じて、サンプリング時間Tを連続的に変更することもできる。
このようにステップS21では、電動モータの出力駆動力の変化ΔKIに対する駆動輪から路面へ伝わる駆動力の変化ΔTdに応じてサンプリング時間Tを変更してから駆動力制御処理を終了する。
(動作)
次に、本発明における第2の実施形態の動作について説明する。
車両1がスプリットμ路に停止している状態から、運転者が車両を発進させようとしてアクセルペダルを踏み込み、車両1の左駆動輪2RLがスリップして、駆動輪2RLにスリップ率閾値λTHを超えるスリップ率λが発生したものとする。この場合、コントロールユニット20は、図4のステップ2でアクセルペダル操作量ACCに基づいてドライバ指令トルクTACCを算出する。駆動輪2RLのスリップ率λはスリップ率閾値λTHを超えているため、ステップS3で、コントロールユニット20は、駆動輪2RLのスリップ率λがスリップ率閾値λTH以下となるように電動モータ3RLの出力トルクを制御するための駆動トルク指令TTCSを算出する。
また、コントロールユニット20は、ステップS6で駆動力伝達特性ΔTd/ΔKIと次回の電動モータ3RLの出力駆動力Fmとに基づいて次回の左駆動輪2RLの駆動力Tdを推定し、推定した駆動力Tdに基づいて左右駆動力差を0とするためのフィードフォワード補正量TFFを算出する。
さらにコントロールユニット20は、ステップS7で現在の左右駆動力差と目標駆動力差との偏差に基づいて、現在の左右駆動力差を目標駆動力差と一致させるためのフィードバック補正量TFBを算出する。
これにより、コントロールユニット20では、車両の加速スリップを抑制するためのTCS制御と、左右駆動力差を0とするための駆動力差制御とが実行されることになり、駆動トルク指令TTCSをフィードフォワード補正量TFF及びフィードバック補正量TFBで補正した駆動トルク指令に基づいた駆動信号がモータインバータ4RL,4RRに出力される。
また、このとき左駆動輪2RLのスリップ率λが大きく、車両の走行状態が図14の領域[1]内の状態であり、電動モータの出力駆動力の変化ΔKIに対する駆動輪から路面へ伝わる駆動力の変化ΔTdが小さいものとすると、コントロールユニット20はステップS21で駆動力伝達特性を算出するサンプリング時間Tを比較的長いT=T1に設定する。
そして、次回の駆動力制御処理フローの実行時には、コントロールユニット20はステップS6で、1サンプリング前のステップS21で設定されたサンプリング時間T=T1に基づいてΔKIの区間を長く取り、駆動力伝達特性ΔTd/ΔKIを算出する。
その後、左駆動輪2RLのスリップ率λが徐々に抑制されて、車両の走行状態が図14の領域[2]内の状態に移行すると、電動モータの出力駆動力の変化ΔKIに対する駆動輪から路面へ伝わる駆動力の変化ΔTdが大きくなるため、コントロールユニット20はステップS21で駆動力伝達特性を算出するサンプリング時間Tを比較的短いT=T2に設定する。
これにより、次回の駆動力制御処理フローの実行時には、コントロールユニット20はステップS6で、1サンプリング前のステップS21で設定されたサンプリング時間T=T2に基づいてΔKIの区間を短く取り、駆動力伝達特性ΔTd/ΔKIを算出する。
このように、電動モータの出力駆動力の変化ΔKIに対する路面摩擦係数μの変化(駆動輪から路面へ伝わる駆動力の変化ΔTd)が少ない区間では、駆動力伝達特性を算出するサンプリング時間Tを長く取って、次回の駆動輪から路面へ伝わる駆動力Tdの推定区間を大きく取るので、推定誤差に対してロバストな推定ができる。
なお、上記実施形態においては、ステップS21の処理が参照期間設定手段を構成している。
(第2の実施形態の効果)
(1)路面の駆動力伝達特性を算出するサンプリング時間を、電動モータの出力駆動力の変化量に対する駆動輪から路面へ伝わる駆動力の変化量に応じて変更する。したがって、電動モータの出力駆動力の変化量に対する駆動輪から路面へ伝わる駆動力の変化量が小さい場合には、サンプリング時間を長くとって、駆動輪から路面に伝わる将来の駆動力の推定においてロバストな推定ができる。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
(構成)
この第3の実施形態は、駆動力伝達特性に応じてTCS制御の最大制御量を変更するようにしたものである。
図15は、第3の実施形態におけるコントロールユニット20で実行される駆動力制御処理手順を示すフローチャートである。本実施形態の駆動力制御処理では、図4に示す前述した第1の実施形態の駆動力制御処理において、ステップS8の後にTCS制御の最大制御量を設定するステップS31を追加したことを除いては、図4に示す第1の実施形態における駆動力制御と同様の処理を実行する。そこで、第1の実施形態における駆動力制御と同様の処理を実行する部分には同一ステップ番号を付し、処理の異なる部分を中心に説明する。
ステップS31では、前記ステップS6で算出される駆動力伝達特性ΔTd/ΔKIに応じてTCS制御量の上限に相当する最大制御量を設定してから、駆動力制御処理を終了する。
図14において、領域[3]がTCS制御における目標スリップ率の範囲(スリップ率閾値λTH以下の領域)であり、領域[3]での駆動力伝達特性ΔTd/KIの値は正の所定値TH以上となる。
ΔTd/KI≧THであり、駆動力伝達特性ΔTd/KIが領域[3]内にある場合にはTCS制御の最大値を小さい値に設定し、駆動力伝達特性ΔTd/KIが領域[3]外にある場合にはTCS制御量の最大値を大きい値に設定する。
前記ステップS3では、このステップS31で設定した最大制御量によって、TCS制御量TTCSに上限を設ける。
(動作)
次に、本発明における第3の実施形態の動作について説明する。
車両1が凍結路に停止している状態から、運転者が車両を発進させようとしてアクセルペダルを踏み込み、車両1の駆動輪2RL及び2RRにスリップ率閾値λTHを超えるスリップ率λが発生したものとする。この場合、コントロールユニット20は、図4のステップ2でアクセルペダル操作量ACCに基づいてドライバ指令トルクTACCを算出する。駆動輪2RL,2RRのスリップ率λはスリップ率閾値λTHを超えているため、ステップS3で、コントロールユニット20は、駆動輪2RL,2RRのスリップ率λがスリップ率閾値λTH以下となるように電動モータ3RL,3RRの出力トルクを制御するための駆動トルク指令TTCSを算出する。
左駆動輪2RLの路面摩擦係数と、右駆動輪2RRの路面摩擦係数とが等しく、車輪から路面に伝達される駆動力は左右駆動輪で差がないため、コントロールユニット20は、ステップS6でフィードフォワード補正量TFFを0とすると共に、ステップS7でフィードバック補正量TFBを0とする。
これにより、コントロールユニット20では、車両の加速スリップを抑制するためのTCS制御のみが実行されることになり、駆動トルク指令TTCSに基づいた駆動信号がモータインバータ4RL,4RRに出力される。
このとき駆動輪2RL,2RRのスリップ率λが大きく、前記ステップS6で算出された駆動力伝達特性ΔTd/ΔKIが正の所定値TH以上となっておらず、車両の走行状態が図14の領域[3]外の状態であるものとすると、コントロールユニット20はステップS31でTCS制御の最大制御量を比較的比較的大きい値に設定する。
そして、次回の駆動力制御処理フローの実行時には、コントロールユニット20はステップS3で、1サンプリング前のステップS31で設定された最大制御量に基づいて、TCS制御量TTCSの上限を大きく設ける。
その後、駆動輪2RL,2RRのスリップ率λが徐々に抑制されて、車両の走行状態が図14の領域[3]内の状態に移行すると、ΔTd/ΔKI≦THとなるため、コントロールユニット20はステップS31で、TCS制御量の最大値を小さく設定する。
これにより、次回の駆動力制御処理フローの実行時には、コントロールユニット20はステップS3で、1サンプリング前のステップS31で設定された最大制御量に基づいて、TCS制御量TTCSの上限を小さく設ける。
このように、領域[3]外の状態にある場合には、TCS制御量の最大値を大きく設定することでTCS制御を大きく作動することができるので、スリップ輪の加速スリップを迅速に抑制して目標スリップ率の範囲である領域[3]内に早く収束させることができる。また同時に、上記の処理により、領域[3]の区間の電動モータの出力駆動力KIと駆動輪から路面へ伝わる駆動力Tdの値を細かく観察することができるようになるので、駆動力伝達特性ΔTd/KIが大きく変化する部分での線形性を維持しやすくなる。
なお、上記実施形態においては、ステップS31の処理が最大制御量設定手段を構成している。
(第3の実施形態の効果)
(1)TCS制御量の最大制御量を、電動モータの出力駆動力の変化量に対する駆動輪から路面へ伝わる駆動力の変化量に応じて変更する。したがって、電動モータの出力駆動力の変化量に対する駆動輪から路面へ伝わる駆動力の変化量に基づいて、スリップ輪のスリップ率が目標スリップ率の範囲内にないと判断した場合には、前記最大制御量を大きく設定してTCS制御を大きく作動することで、スリップ輪の加速スリップを迅速に抑制して目標スリップ率の範囲内に早く収束させることができる。
また、微小区間の線形性を維持しやすくなると共に、最適な駆動力付近でTCS制御量が緻密になるので、より適切な駆動力制御を行うことができる。
(応用例)
なお、上記各実施形態においては、車輪と一体に設計された所謂インホイールモータを駆動輪に独立に設置する場合について説明したが、インホイールモータを適用せずに各駆動輪の駆動力を独立に制御可能なモータを夫々設置することもできる。この場合にも、車体の左右にかかる駆動力を独立に制御できるので、本発明を適用可能である。
また、上記各実施形態においては、後二輪を駆動輪とする後輪駆動車に本発明を適用する場合について説明したが、前輪駆動車や四輪駆動車に適用することもできる。
本発明に係る電動車両の駆動力制御装置の機能構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態における車両の概略構成図である。 駆動力差制御の詳細を示す制御ブロック図である。 第1の実施形態における駆動力制御処理を示すフローチャートである。 車輪から路面に伝わる駆動力の算出概念を説明する制御ブロック図である。 駆動輪から車体へ伝わる駆動力を説明する図である。 路面特性を示す図である。 平衡特性を示す図である。 路面特性と平衡特性との関係を示す図である。 フィードフォワード補正量の具体的な算出方法を説明する図である。 本発明の課題を説明する図である。 本実施形態の効果を説明する図である。 第2の実施形態における駆動力制御処理を示すフローチャートである。 駆動力伝達特性を算出するサンプリング時間の設定方法を説明するための図である。 第3の実施形態における駆動力制御処理を示すフローチャートである。
符号の説明
1 車両
2RL,2RR 駆動輪
3RL,3RR 電動モータ
4RL,4RR モータインバータ
10 ステアリングホイール
11 操舵角センサ
12 アクセルペダルセンサ
13 ブレーキペダルセンサ
14 車両挙動センサ
20 コントロールユニット
21 電源ユニット

Claims (7)

  1. 左右の駆動輪を独立に駆動する左右の電動モータと、運転者による運転操作量を検出する操作量検出手段と、前記駆動輪のスリップ率を算出するスリップ率算出手段と、前記駆動輪のスリップ率が所定範囲内となるように、前記操作量検出手段の検出結果に応じて前記各電動モータの出力駆動力を制御する駆動力制御手段とを備える電動車両の駆動力制御装置において、
    前記電動モータの動作状態を検出するモータ動作検出手段と、該モータ動作検出手段で検出された前記電動モータの動作状態に基づいて、前記左右駆動輪から路面に伝達される駆動力を夫々算出する駆動力算出手段と、該駆動力算出手段で算出された左右駆動輪の駆動力の差が所定の目標駆動力差となるように、前記駆動力制御手段による駆動力制御の制御量を補正する制御量補正手段とを備えることを特徴とする電動車両の駆動力制御装置。
  2. 前記制御量補正手段は、前記駆動輪から路面に伝達される現在の駆動力に基づいてフィードバック制御を行って、前記駆動力制御の制御量を補正する第1補正量を算出する第1補正量算出手段と、前記駆動輪から路面に伝達される将来の駆動力に基づいてフィードフォワード制御を行って、前記駆動力制御の制御量を補正する第2補正量を算出する第2補正量算出手段とを有し、該第2補正量算出手段は、過去の所定の参照期間における前記電動モータの出力駆動力の変化と、当該参照期間における前記駆動輪から路面に伝達される駆動力の変化とから求まる駆動力伝達特性と、前記駆動力制御の制御量とに基づいて、前記駆動輪から路面に伝達される将来の駆動力を推定することを特徴とする請求項1に記載の電動車両の駆動力制御装置。
  3. 前記駆動力制御手段による駆動力制御の制御量に応じて、前記参照期間を設定する参照期間設定手段を備えることを特徴とする請求項2に記載の電動車両の駆動力制御装置。
  4. 前記駆動力伝達特性に応じて、前記駆動力制御の制御量の上限に相当する最大制御量を設定する最大制御量設定手段を備えることを特徴とする請求項2又は3に記載の電動車両の駆動力制御装置。
  5. 左右の駆動輪のスリップ率が所定範囲内となるように、前記駆動輪の駆動源である電動モータを制御する駆動力制御を行う電動車両の駆動力制御装置であって、
    前記駆動力制御介入時に、前記左右駆動輪から路面に伝達される駆動力の差を、運転者が意図したヨーモーメントを発生するための目標駆動力差に追従させる駆動力差制御手段を備えることを特徴とする電動車両の駆動力制御装置。
  6. 運転者のアクセル操作によって発生する車両の駆動輪のスリップ率が所定範囲内となるように、前記駆動輪の駆動源である電動モータを制御する駆動力制御手段を有する電動車両の駆動力制御装置を備えた自動車であって、
    前記電動モータの動作状態を検出するモータ動作検出手段と、該モータ動作検出手段で検出された前記電動モータの動作状態に基づいて、前記左右駆動輪から路面に伝達される駆動力を夫々算出する駆動力算出手段と、該駆動力算出手段で算出された左右駆動輪の駆動力の差が所定の目標駆動力差となるように、前記駆動力制御手段による駆動力制御の制御量を補正する制御量補正手段とを備えることを特徴とする自動車。
  7. 左右駆動輪のスリップ率が所定範囲内となるように、前記駆動輪の駆動源である電動モータを制御する駆動力制御を行う電動車両の駆動力制御方法であって、
    前記電動モータの動作状態に基づいて、前記左右駆動輪から路面に伝達される駆動力を夫々算出し、該左右駆動輪の駆動力の差が所定の目標駆動力差となるように、前記駆動力制御の制御量を補正することを特徴とする電動車両の駆動力制御方法。
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