JP2003174856A - ケール加工物とアロエとを含有する食品 - Google Patents

ケール加工物とアロエとを含有する食品

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JP2003174856A
JP2003174856A JP2002342411A JP2002342411A JP2003174856A JP 2003174856 A JP2003174856 A JP 2003174856A JP 2002342411 A JP2002342411 A JP 2002342411A JP 2002342411 A JP2002342411 A JP 2002342411A JP 2003174856 A JP2003174856 A JP 2003174856A
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kale
gaba
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constipation
aloe
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JP2002342411A
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English (en)
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Kinya Takagaki
欣也 高垣
Shinjiro Maruyama
真二郎 丸山
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Toyo Shinyaku Co Ltd
Original Assignee
Toyo Shinyaku Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 確実な便秘解消効果を発現し、長期にわたる
使用にも適しており、優れた腸内環境改善効果を有する
食品を提供すること。 【解決手段】 ケール加工物とアロエとを含有する食品
を提供する。アロエは、キダチアロエまたはアロエベラ
であることが好ましく、ケール加工物はγ−アミノグル
タミン酸富化処理されていることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ケール加工物を含
有し、便秘改善作用を有する食品に関する。
【0002】
【従来の技術】γ−アミノ酪酸(γ-aminobutyric aci
d、以下GABAという)は、生体内でグルタミン酸の
脱炭酸によって生成されるアミノ酸の一種である。GA
BAは、哺乳動物の脳や脊髄に存在し、抑制系の神経伝
達物質として作用することが知られている。植物中にも
GABAは存在し、胚芽米、緑茶などが比較的多量のG
ABAを含有する。GABAは、脳の血流を改善し、酸
素供給量を増加させ、そして脳代謝を亢進させる働きを
もつことから、脳卒中、頭部外傷後遺症、脳動脈後遺症
による頭痛、耳鳴り、意欲低下などの治療に用いられて
いる。
【0003】GABAに注目した食品には、例えば、お
茶の製造過程で、摘採した茶葉を嫌気条件に置き、茶葉
中にGABAを多量に蓄積させたいわゆるギャバロン茶
が知られている。特開平8−173111号公報には、
コーヒー葉茶を無酸素状態で処理後110℃以上の高温
で熱処理、乾燥処理する方法でGABA濃度の高いコー
ヒー葉茶を得たことが記載されている。さらに、特開平
9−205989号公報には、茶葉に赤外線を照射して
GABAの含量を向上させることが記載されている。
【0004】一方、便秘は、多くの現代人を悩ませてい
る不快症状の一つであるだけではなく、ニキビ・吹き出
物、肌荒れ、肩こり、頭痛などの美容・健康面における
間接的な原因となっている。また、近年、便秘と大腸癌
との因果関係も、大いに指摘されている問題の一つであ
る。便秘の原因としては、例えば、食生活の欧米化、ス
トレス、ダイエット、運動不足などが挙げられており、
これに伴って、様々な便秘解消法が提供されている。
【0005】一般的な便秘解消法としては、適度な運動
をすること、および繊維質を積極的に摂取する食生活の
改善などが挙げられる。このような生活習慣の改善によ
る方法の他に、便秘の解消を目的とする食品および医薬
品を摂取する便秘解消法がある。便秘の解消を目的とす
る食品は、概ねその便秘解消効果が緩やかであることが
多く、長期間使用することによって、徐々に便秘が解消
されるというものである。このような食品は、速効性に
劣ることが多く、頑固な便秘を早期に解消するには適さ
ない。
【0006】逆に、便秘の解消を目的とする医薬品は、
その効果が顕著であり、速効性であるという点で優れて
いる。しかしながら、これらは言い換えれば下剤であ
り、長期間の連用には適さないことが多い。また、下剤
は、習慣性が認められる傾向があるという点においても
問題がある。このように、従来の便秘の解消を目的とす
る食品および医薬品は、その性質が両極端であり、使用
者を満足させるものではなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで、確実な便秘解
消効果を発現し、長期にわたる使用にも適しており、優
れた腸内環境改善効果を有する食品が望まれている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ケールに
血圧降下作用を有するGABAが含まれることを見出
し、そして、ケール中のGABA含量を高めることに成
功した。ケールは、ビタミン類、ミネラル類、食物繊
維、およびメラトニンを豊富に含み、近年、健康食品の
素材として注目を浴びている。ケールは特にGABA含
量を高める処理に適しており、GABA含量を高めたケ
ール加工物を得ることができる。
【0009】また、便秘の改善には、乳酸菌、ビフィズ
ス菌などの有用菌を腸内で増殖させると同時に、食物繊
維、オリゴ糖、アロエなどを摂取して、腸内環境を改善
することが有効であるとされている。
【0010】そこで、本発明者らは、ケール加工物と便
秘改善作用を有する成分を含有する素材との組み合わせ
により、便秘改善効果が相乗的に増強されること、およ
びケールのGABAを保持または富化するように調製さ
れたケール加工物を用いることにより、便秘改善効果が
さらに増強されることを見出して、本発明の完成に至っ
た。
【0011】すなわち、本発明は、ケール加工物とアロ
エとを含有する食品を提供する。
【0012】好ましい実施態様では、上記ケール加工物
は、GABA富化処理されたケールを用いて得られた加
工物である。
【0013】好ましい実施態様では、前記アロエがキダ
チアロエまたはアロエベラである。
【0014】さらに好ましい実施態様では、乳酸菌、ビ
フィズス菌、食物繊維、およびオリゴ糖類からなる群よ
り選択される少なくとも1種の便秘改善作用を有する成
分を含有する。
【0015】好ましい実施態様では、上記オリゴ糖類
は、キシロオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリ
ゴ糖、大豆オリゴ糖、パラチノース、グルコシルシュク
ロース、マルトシルシュクロース、ラクチュロース、ラ
フィノース、パラチノースオリゴ糖、トレハロース、乳
果オリゴ糖、およびイソマルトオリゴ糖からなる群より
選択される少なくとも1種である。
【0016】好ましい実施態様では、上記食物繊維は、
難消化性デキストリン、ポリデキストロース、サイリウ
ム種皮、低分子化アルギン酸ナトリウム、セルロース、
グルコマンナン、ペクチン、グァーガム分解物、キトサ
ン、コーンファイバー、アップルファイバー、ビートフ
ァイバー、および小麦ふすまからなる群より選択される
少なくとも1種である。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明においてケール加工物と
は、ケール乾燥粉末、ケールの細片化物およびその乾燥
粉末、ケールの搾汁およびその乾燥粉末、ケールのエキ
スおよびその乾燥粉末などをいう。
【0018】本発明のケール加工物の原料としては、例
えば、キッチンケール、ツリーケール、ブッシュケー
ル、マローケール、コラード、および緑葉カンランなど
の様々な種類のケールを用いることができる。これらの
ケールは、ケールは、収穫後直ちに処理されることが好
ましい。処理までに時間を要する場合、ケールの変質を
防ぐために低温貯蔵などの当業者が通常用いる貯蔵手段
により貯蔵するのが好ましい。
【0019】また、本発明においては、ケールの葉部お
よび茎部のいずれの部分も適用することができる。
【0020】ケールは、収穫後、水などで洗浄し、水気
を切って、そのまま処理するか、あるいは適切な長さ
(例えば5cm)に切断し、処理して用いられる。
【0021】ケールを細片化してもよい。細片化は、当
業者が通常使用するスライス、細断などの植物体を細片
化する方法により行われ得る。細片化には、スラリー化
も含まれる。スラリー化は、ミキサー、ジューサー、ブ
レンダーなどにより行われ、ケールは、どろどろした粥
状(液体と固体の懸濁液)になる。細片化の後に搾汁し
て得られるケール搾汁もまた用いられ得る。搾汁は、細
片化されたケールを遠心および/またはろ過することに
より行われ得る。
【0022】本発明の好ましい実施態様において、ケー
ルおよび上記のようにして加工されたケールは、その中
に含まれるGABAが増加するように処理される。
【0023】ケールをGABA富化処理する方法には、
例えば、嫌気処理または保温処理を包含する方法が挙げ
られる。GABA富化処理は、上記洗浄の前に行っても
よい。
【0024】嫌気処理とは、嫌気状態におくことをい
い、ほとんど酸素を含まないまたは無酸素の気体で処理
することを意味する。真空状態も含む。気体としては、
二酸化炭素ガス、窒素ガスが好ましく用いられる。
【0025】保温処理の方法は特に限定されない。温水
処理、赤外線照射処理、温風処理、インキュベーター処
理などが挙げられる。
【0026】嫌気処理および/または保温処理の時間
は、通常30分間〜24時間行われ得る。好ましくは、
1時間〜6時間である。嫌気処理および/または保温処
理の温度は、約25〜50℃が好ましく、約30〜45
℃がより好ましく、40℃前後が最も好ましい。25℃
に満たないか、50℃を超えるとGABAの含量が上が
りにくい。
【0027】また、ケールを、一定の温度(例えば、2
5〜50℃)の恒温室で保存、保管することもGABA
処理に含まれる。
【0028】嫌気処理および/または保温処理は、ケー
ルが乾燥しないような条件が好ましいが、乾燥するよう
な条件でもよい。
【0029】このようにして得られたケールは、処理し
ていないケールに比べてGABAの含量が高く、通常2
倍以上、好ましくは3倍以上、より好ましくは5倍以上
高められている。
【0030】なお、上記のGABA富化処理の他に、ケ
ールをグルタミン酸溶液に浸漬するか、あるいはケール
細片化物または搾汁の溶液にグルタミン酸を添加するこ
とにより、GABAを富化処理することもできる。ケー
ル由来の物質に内在している酵素の作用により、グルタ
ミン酸がGABAに変化し、GABA含有量が増加する
からである。
【0031】グルタミン酸溶液は、グルタミン酸のみな
らず、グルタミン酸ナトリウム、グルタミン酸カリウ
ム、グルタミン酸カルシウムのようなグルタミン酸の塩
を用いて作成することができる。また、グルタミン酸お
よび/またはその塩を含有する食品素材によっても、グ
ルタミン酸溶液を調製することができる。
【0032】グルタミン酸および/またはその塩を含有
する食品素材としては、例えば、昆布、ワカメなどの海
藻、シイタケ、マイタケなどのキノコ類、かつお(かつ
お節を含む)、いわしなどの魚類、あさり、しじみなど
の貝類、米、小麦、大豆(これらの胚芽を含む)、茶
葉、桑葉、野菜(例えば、トマト)、柑橘類(中果皮、
じょうのう膜)などが挙げられる。このように、グルタ
ミン酸および/またはその塩を比較的高濃度に含む食品
素材が好ましく用いられる。このような食品素材には、
可食性タンパク質に酵素処理、加熱処理などを施してグ
ルタミン酸を遊離または生成させたものなども含まれ
る。
【0033】グルタミン酸および/またはその塩を含有
する食品素材は、そのままの形態で、ケールの細片化物
もしくは搾汁またはケールを浸漬する溶液に添加しても
よく、必要に応じて細片化するか、あるいは食品素材を
搾汁または水溶液として、ケールの細片化物もしくは搾
汁または浸漬溶液に添加してもよい。また、これらの食
品素材の乾燥粉末をケールの細片化物もしくは搾汁また
は浸漬溶液に添加してもよい。
【0034】また、これらの食品素材に含まれるグルタ
ミン酸の成分を、必要に応じて加熱して溶出してもよ
い。あるいは、溶出した成分の乾燥粉末を、ケールの細
片化物もしくは搾汁または浸漬溶液に添加してもよい。
例えば、乾燥昆布を細片化してケールの細片化物もしく
は搾汁または浸漬溶液に添加、攪拌することにより、効
率的にGABAが増加する。
【0035】グルタミン酸によるGABA富化処理中の
ケールの細片化物もしくは搾汁または浸漬溶液の温度に
ついては、グルタミン酸からGABAへの変換を触媒す
る酵素が失活されない範囲で行われるのが好ましく、通
常20〜50℃、より好ましくは25〜40℃で行われ
る。
【0036】グルタミン酸によるGABA富化処理中の
細片化物もしくは搾汁または浸漬溶液のpHは、適宜調
整してもよい。pHの調整は、GABA富化処理を促進
させる目的と製品の色を鮮やかな緑色にする目的で行わ
れる。pHの調整方法は、pH調整剤を用いる方法でよ
く、通常3.5〜9.0、好ましくは4.0〜7.0、
より好ましくは5.0〜6.0である。また、pHをア
ルカリ性側に調整すれば、ケールを酸性で処理したもの
および未処理のものと比較して、鮮やかな緑色を呈する
ようになる。pHが4以下の条件で処理を行うと、GA
BA富化効率が低下する場合があることに加え、ケール
が褐色になるため好ましくない。
【0037】グルタミン酸によるGABAの富化処理の
時間は、10分〜24時間行うのがよい。30分以上行
えば、GABA含有量は飛躍的に増加する。
【0038】グルタミン酸によるGABAの富化処理に
用いられるグルタミン酸の量は、富化させるべきGAB
Aの量に応じて、適宜調整すればよい。通常は、グルタ
ミン酸もしくはその塩は、ケールの細片化物または搾汁
の0.01〜40重量%、好ましくは0.2〜20重量
%、より好ましくは0.5〜10重量%添加するのがよ
い。
【0039】グルタミン酸溶液にピリドキサールリン
酸、食塩などの無機塩化物を添加するか、または、有機
酸、ATPなどの阻害剤を反応系から取り除くことによ
って、GABA富化効率を高めることもできる。
【0040】ケールを食品素材として用いる場合には、
食品の変質(褪色などの変色を含む)を防ぐための処理
(ブランチング処理)が行われる。ブランチング処理
は、処理される形態に応じて種々の方法が用いられる
が、これには例えば、熱水処理、蒸煮処理などが挙げら
れる。この処理により、ケール加工物は、褪色、風味の
変化を生じなくなる。しかし、従来の熱水処理ではGA
BAが失われてしまうため、マイクロウェーブ処理のよ
うなGABAが保持される処理が好ましい。
【0041】マイクロウェーブ処理は、ケールの褪色に
関与する酵素が失活し、かつ加熱によりケールの緑色が
失われない範囲で行なえばよい。そのような範囲は、マ
イクロウェーブ照射装置の出力、マイクロウェーブの波
長、照射時間などにより適宜調節できる。マイクロウェ
ーブ処理することにより、ケール中のビタミン類、ミネ
ラル類などの分解、溶出が防止され、比較的低温の乾燥
により、乾燥粉末が得られ得る。
【0042】熱水処理は、例えば、ケールを塩化ナトリ
ウムおよび重曹を含有する熱水中に浸して行われる。熱
水処理時に、このように塩化ナトリウムおよび重曹を単
独であるいは組み合わせて適量添加することによって、
緑色が鮮やかに保持されたケール加工物を得ることがで
きる。
【0043】1つの実施態様において、ケールの細片化
物、搾汁、およびエキスは、常圧、または加圧下もしく
は減圧下、80〜150℃にて2〜180秒間処理され
る。
【0044】このようにして得られたケールの加工品
は、そのままか、またはさらに細片化、搾汁、抽出して
食品素材としてもよいし、あるいはさらに乾燥粉末化し
て食品素材としてもよい。
【0045】乾燥粉末化は、水分量が10%以下、好ま
しくは5%以下となるように行われ、必要に応じてさら
に粉砕して乾燥粉末を得ることができる。
【0046】乾燥の方法は熱風乾燥、高圧蒸気乾燥、電
磁波乾燥、凍結乾燥、噴霧乾燥など、あらゆる乾燥法を
用いることができる。乾燥は、できるだけ低温で行うの
が好ましく、加熱して乾燥する場合でも、例えば30〜
60℃、好ましくは40〜55℃で行うのが好ましい。
デキストリン、シクロデキストリン、デンプン、マルト
ースなどの賦形剤などを添加した後、噴霧乾燥または凍
結乾燥することもできる。
【0047】粉砕は当業者が通常用いる方法に従い、例
えば、クラッシャー、ミル、ブレンダー、石臼などを用
いて行うことができる。乾燥粉末は、必要に応じて篩に
かけられ、例えば、30〜250メッシュの篩を通過す
るものが用いられる。粒径が250メッシュより小さい
と食品素材や医薬品原料としたときに、さらなる加工が
行われ難いことがある。粒径が30メッシュより大きい
と、他の食品素材との均一な混合が妨げられる。
【0048】上記のようにして得られたケールは、さら
に、必要に応じて、例えば、通常の気流殺菌処理、高圧
殺菌処理、マイクロウェーブ処理、加熱殺菌処理などの
当業者に公知の任意の技術により殺菌され得る。
【0049】ケール乾燥粉末は、ケールに細片化、抽出
処理をすることなく乾燥粉末化したものである。
【0050】ケール搾汁は、ケール加工物を調製する任
意の段階で搾汁したものであり、これを乾燥粉末化した
ものがケール搾汁粉末である。
【0051】ケールエキスは、GABA富化処理を施さ
ずあるいはGABA富化処理を施した以後の任意の段階
において、ケールに水、エタノール溶液などの当業者が
通常用いる抽出溶媒を加え、必要に応じて加温して抽出
したものであり、これを濃縮したもの含む。ケールエキ
ス末は、ケールエキスを乾燥粉末化したものである。
【0052】本明細書においてGABAを保持するよう
に調製されたケール加工物は、GABAが失われないよ
うに加工されたケール加工物のことをいう。
【0053】本明細書においてGABA富化処理された
ケール加工物は、GABA富化処理され、この際に増加
したGABAを保持するように加工されたケール由来の
食品素材のことをいう。
【0054】本来、ケールの生葉には、約30mg/1
00gのGABAが含まれているが、現在、通常の技術
として行われている緑色維持のためのブランチング処理
を行うと、GABAが熱水中に溶出して、GABAの含
有量が大幅に減少してしまう。ところが、本発明のGA
BA富化処理を行うことにより、ブランチング処理を施
した場合であっても、ケール加工物に目標のGABA量
を残存させることができる。
【0055】例えば、少なくとも10mg/100g以
上、好ましくは、100mg/100g以上、より好ま
しくは、200mg/100g以上、さらに好ましく
は、500mg/100g以上、さらにより好ましく
は、1000mg/100g以上のGABAを残存させ
ることができる。GABA含量の上限については、規定
しないが、GABA富化処理のグルタミン酸などの濃
度、浸漬時間、溶液の温度、溶液のpH、前述したマイ
クロウエーブ照射処理、赤外線処理、嫌気処理などを単
独または複数の工程を組み合わせることによって300
0mg/100g程度に富化することができる。
【0056】上記のようにして得られたケール加工物
は、そのまま飲食に供することができるが、賦形剤、増
量剤、結合剤、増粘剤、乳化剤、着色料、香料、食品添
加物、調味料などと混合し、用途に応じて粉末、顆粒、
錠剤などの形態に成形することもでき、さらに、各種の
飲食品に配合して飲食に供することができる。特に、便
秘改善作用を有する成分を含有する素材との組み合わせ
が効果的である。
【0057】本発明で用いられる乳酸菌は、腸球菌、乳
酸桿菌、ラクティス菌、フェリカス菌、アシドフィルス
菌などであり、ビフィズス菌は乳酸菌の一種である。乳
酸菌は、生菌または乾燥粉末として用いられる。
【0058】乳酸菌は、オリゴ糖などを分解して主に有
機酸を生成し、腸内のpHを下げるとともに抗菌性を示
し、外来菌や有害菌の繁殖を抑えると言われている。ま
た、胃酸の分泌を軽減し、腸蠕動運動を刺激し、腸内の
腐敗防止に役立っている。
【0059】また、ビフィズス菌は、腸内環境の改善、
免疫賦活、発癌抑制などに役立つことが認められてい
る。腸内環境の改善は、結果として腸内の不全(便秘や
下痢)を改善し、さらには腸疾患の改善・予防にもつな
がると考えられている。
【0060】また、本発明で用いられる食物繊維には、
水溶性食物繊維および不溶性食物繊維があり、例えば、
難消化性デキストリン、ポリデキストロース、サイリウ
ム種皮種皮、低分子アルギン酸ナトリウム、ガラクトマ
ンナン、カラギーナン、コンドロイチン硫酸、アルギン
酸またはその塩、キチン、キトサン、ペクチン、リンゴ
ファイバー、コーンファイバー、ビートファイバー、小
麦ふすま、セルロース、ヘミセルロース、リグニン、グ
ァーガム、グァーガム酵素分解物、大豆多糖類、難消化
性デンプン、えんどう豆ファイバー、チコリファイバ
ー、グルコマンナン、酸性多糖類、加工デンプンなどの
1種または2種以上の混合物が用いられる。
【0061】食物繊維は人間には難消化性であり、腸内
における通過速度が遅く、腸内をゆっくりと通過するこ
とによって整腸作用を示す。
【0062】また、本発明で用いられるオリゴ糖類に
は、キシロオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリ
ゴ糖、大豆オリゴ糖、乳果オリゴ糖、ラクチュロース、
パラチノース、ラフィノース、マルトオリゴ糖、トレハ
ロース、ラクトシュクロース、砂糖結合水飴、グルコシ
ルシュクロース、イソマルトオリゴ糖、その他直鎖オリ
ゴ糖、分岐オリゴ糖などが挙げられ、その1種または2
種以上の混合物が用いられる。
【0063】オリゴ糖は、腸内におけるビフィズス菌の
栄養源となってビフィズス菌を増殖させ、その結果、糞
便アンモニア、イソ吉草酸、イソ酪酸、インドール、フ
ェノール類、硫化物などの腐敗産物、pH、血清コレス
テロール、トリグリセリド値などを低下させ、大腸内を
浄化する。
【0064】本発明で用いられるアロエとしては、キダ
チアロエ、アロエベラなどが挙げられる。アロエは、胃
腸などに対して効果があり、民間薬として広く利用され
ている。
【0065】上記のケール加工物は、天然のケールが含
有するビタミン類、ミネラル類、食物繊維などの機能を
損なわない量で、上記のような便秘改善作用を有する成
分を含有する素材の少なくとも1種と混合され、便秘改
善作用を有する食品として製造される。本発明の食品
は、粉末状のケールに対して、便秘改善作用を有する成
分を含有する素材を混合し、製造してもよいし、ケール
の搾汁に対して前記の素材を混合してもよい。
【0066】ケール加工物と便秘改善作用を有する成分
を含有する素材との配合割合は、通常、50:1〜1:
50(乾燥した状態を仮定した場合の重量比)の範囲、
好ましくは20:1〜1:20(重量比)の範囲、より
好ましくは1:2〜2:1(重量比)の範囲である。
【0067】選択された少なくとも1種の食品素材は、
当業者に公知の形態、通常粉末形態で、ケール加工物と
混合され得る。ローヤルゼリー、ビタミン、プロテイ
ン、カルシウム、レシチンなどが配合され、さらに糖液
や調味料を加えて味を整えることもできる。そしてこれ
らは、用途または好みに応じて、液状の食品として提供
することができる。あるいは、ハードカプセル、ソフト
カプセルなどのカプセル剤、錠剤もしくは丸剤に、また
は粉末状、顆粒状、茶状、ティーバック状、もしくは飴
状などの形状に成形され得る。これらは、その形状また
は好みに応じて、そのまま食されてもよいし、あるいは
水、お湯、牛乳などに溶いて飲んでもよいし、または成
分を浸出させてから飲んでもよい。
【0068】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明がこの実施例により制限されないことはいうまで
もない。
【0069】1.ケール加工物の調製 本発明に用いたケール乾燥粉末およびケール搾汁粉末を
以下のように調製し、それぞれに含まれるGABA含量
を、アミノ酸自動分析装置を用いて以下の条件にて測定
した。
【0070】 (アミノ酸自動分析計操作条件) 機種:JLC−500/V(日本電子株式会杜) カラム:LCR−6、4mm×90mm(日本電子株式会社) 移動相:クエン酸リチウム緩衝液(日本電子株式会社) P-21 (pH 2.98, Li 0.105 mol/l) 0→16.3分 P-12 (pH 3.28, Li 0.26 mol/l) 16.3→36.1分 P-13 (pH 3.46, Li 0.80 mol/l) 36.1→56.0分 P-14 (pH 2.83, Li 1.54 mol/l) 56.0→63.4分 P-15 (pH 3.65, Li 1.54 mol/l) 63.4→80.0分 反応液:ニンヒドリン・ヒドリダンチン試液(和光純薬工業株式会社) 温度:カラム 35℃(0→16.3分), 64℃(16.3→31.0分) 44℃(31.0→44.4分), 72℃(63.4→80.0分) 反応糟 135℃ 流量:移動相 0.50ml/分 反応液 0.30ml/分 測定波長:570nm
【0071】(加工例1)細断したケール100gを9
5℃、1Lの熱水に投入し、3分間保持し、直ちに5℃
の冷水に移し、約5分間浸漬し、冷却した。冷却後、遠
心分離機で約45秒間脱水し、乾燥機(サンヨー製、M
OV−112S)を用い、60℃にて、10時間乾燥
し、ブレンダーで粉砕してケール乾燥粉末を得た。水分
は5%以下であった。得られた従来のケール乾燥粉末に
は、GABA富化処理を行わなかったものには、100
gあたり5.7mg(加工例1a)、熱水処理の前にG
ABA富化処理を行ったものには、100gあたり55
mgのGABAが含まれていた(加工例1b)。
【0072】(加工例2)ケールの生葉を摘み取り、水
洗後、水切りを行い、3cm角程度に細断した。その1
00gを、ビニール袋に入れ、空気を抜いた後に窒素を
充填した。これをインキュべーター内で40℃にて6時
間静置して嫌気処理(GABA富化処理)した。次い
で、GABA富化処理したケールを、GABAを保持す
るように、60秒間、2450MHz、500Wの出力装
置(電子レンジ、シャープ製RE−121)でマイクロ
ウエーブ照射処理を行った。その後、直ちに5℃の冷水
に移し、約5分間浸漬し、冷却した。乾燥機(サンヨー
製、MOV−112S)を用い、60℃にて、6時間乾
燥し、ブレンダーで200メッシュを90%が通過する
程度に粉砕してケールの粉末を得た。水分は5%以下で
あった。
【0073】GABA富化処理を行わなかったケールに
ついても同様に処理し、ケール乾燥粉末を得た。得られ
たケール乾燥粉末には、GABA富化処理を行わなかっ
たものには、100gあたり174mg(加工例2
a)、GABA富化処理を行ったものには、100gあ
たり1425mgのGABAが含まれていた(加工例2
b)。
【0074】(加工例3)細断したケール100gを、
食塩7.5g、重曹7.5gを含む、95℃、1Lの熱
水に投入し、加工例3と同様に乾燥し、脱水した。次い
で、ミキサーで粉砕し、さらに遠心分離後、ろ過して繊
維分を除いた搾汁を得た。この搾汁を凍結乾燥し、搾汁
粉末を得た。得られた従来のケール搾汁粉末には、GA
BA富化処理を行わなかったものには、100gあたり
7.5mg(加工例3a)、熱水処理の前にGABA富
化処理を行ったものには、100gあたり約72mgの
GABAが含まれていた(加工例3b)。
【0075】(加工例4)加工例1と同様に、GABA
富化処理したか、またはしていないケールの生葉を、G
ABAが保持されるようにマイクロウェーブ処理した。
次いで、ミキサーで粉砕し、さらに遠心分離後、ろ過し
て繊維分を除いた搾汁を得た。この搾汁を凍結乾燥し、
搾汁粉末を得た。得られたケール搾汁粉末には、GAB
A富化処理を行わなかったものには、100gあたり2
47mg(加工例4a)、GABA富化処理を行ったも
のには、100gあたり1595mgのGABAが含ま
れていた(加工例4b)。
【0076】2.便秘改善効果の確認 上記のようにして調製されたケール乾燥粉末またはケー
ル搾汁粉末を、便秘改善作用を有する成分を含有する素
材の少なくとも1種と配合し、便秘改善作用を有する食
品を得た。得られた便秘改善作用を有する食品の配合を
表1に示す。なお、表1中の試験群1は、対照であり、
便秘改善作用を有する食品を服用させなかったことを意
味している。
【0077】
【表1】
【0078】表1に示したように調製された便秘改善作
用を有する食品を用いて、便秘改善効果を以下のように
測定した。
【0079】まず、排便の無い日が1週間に少なくとも
1日以上存在する、健康な成人300人を被験者とし、
この被験者を30群に分けて、表1に示した粉末を、水
200mlに懸濁し、1日1回、2週間服用させた。各
被験者に対して、便秘改善作用を有する食品の服用期間
中の排便回数についてアンケート調査を行い、排便回数
により、便秘改善効果を評価した。結果を図1〜5に分
けて示す。
【0080】図1〜5の結果から、ケール乾燥粉末また
はケール搾汁粉末と、便秘改善作用を有する成分を含有
する素材の少なくとも1種とを組み合わせた便秘改善作
用を有する食品では、それぞれの素材を単独で含んだも
のと比較して、便秘改善作用がみられた。その効果は、
GABA富化されたケール乾燥粉末またはケール搾汁粉
末と、便秘改善作用を有する成分を含有する素材とを組
み合わせることによって、さらに向上した。したがっ
て、ケール加工物と、便秘改善作用を有する成分を含有
する素材との組み合わせにより、便秘改善作用は相乗的
に向上することが判明した。
【0081】
【発明の効果】ケール加工物と、便秘改善作用を有する
成分を含有する素材とを含むことにより、便秘改善作用
有する成分を含有する素材から予想される以上の便秘改
善効果が得られる。また、ケール加工物が、GABA富
化処理されることにより、GABA富化処理されていな
いケール加工物よりも、便秘改善効果を向上させること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のケール加工物と乳酸菌との組み合わせ
による便秘改善の相乗効果を示す図である。
【図2】本発明のケール加工物とビフィズス菌との組み
合わせによる便秘改善の相乗効果を示す図である。
【図3】本発明のケール加工物とキシロオリゴ糖との組
み合わせによる便秘改善の相乗効果を示す図である。
【図4】本発明のケール加工物と難消化性デキストリン
との組み合わせによる便秘改善の相乗効果を示す図であ
る。
【図5】本発明のケール加工物とアロエとの組み合わせ
による便秘改善の相乗効果を示す図である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケール加工物とアロエとを含有する食
    品。
  2. 【請求項2】 前記ケール加工物が、GABA富化処理
    されたケールを用いて得られた加工物である、請求項1
    に記載の食品。
  3. 【請求項3】 前記アロエがキダチアロエまたはアロエ
    ベラである、請求項1または2に記載の食品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005047828A (ja) * 2003-07-30 2005-02-24 Taiyo Kagaku Co Ltd プリン体吸収抑制剤及び機能性食品
KR100992602B1 (ko) 2003-11-06 2010-11-08 박준진 알로에베라를 함유하는 건강보조식품의 조성물 및 그의제조방법

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