JP2006256969A - 血流改善剤 - Google Patents

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欣也 高垣
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Abstract

【課題】 タマネギの乳酸発酵物を有効成分とする、新規な血流改善剤を提供すること。
【解決手段】 タマネギの乳酸発酵物を有効成分とする血流改善剤を提供する。この血流改善剤は、優れた血流改善効果を有する。さらに、タマネギの乳酸発酵物以外の血流改善成分を含有させてもよい。そして、本発明の血流改善剤を含有する食品組成物もしくは医薬品組成物は、血行障害の予防および低減、ならびに血液の流動性に関連する疾患の予防または改善目的としても利用し得る。
【選択図】なし

Description

本発明は、タマネギの乳酸発酵物を有効成分とする血流改善剤に関する。
外食の普及あるいはインスタント食品の普及により、手軽に食事ができるようになったが、このような食事は、カロリーが高く、栄養が偏っている。さらに、人間の健康維持に必要なビタミン類、ミネラルなどの栄養成分が不足する傾向もあるため、糖尿病、高血圧などの生活習慣病になりやすいことが指摘されている。したがって、近年、生活習慣病の改善または予防のために、野菜の積極的な摂取が提案されている。
タマネギには、糖尿病、高血圧、高脂血症、動脈硬化などの改善効果または予防効果を有する成分が含有されていることが知られている。特に、タマネギの鱗茎に含まれるグルタチオンや硫化化合物(サイクロアリイン、イソアリイン、およびこれらから生じるセパエン;ジプロピルジサルファイドなど)およびタマネギの外皮に多く含まれるケルセチンは、血糖値の上昇抑制効果、中性脂肪抑制効果、抗酸化作用を有することが知られている。例えば、タマネギエキスを糖尿病による合併症の予防および治療薬として用いることが報告されている(例えば、特許文献1)。
しかし、タマネギは、他の野菜と比べて糖質含量が高いため、上記の生活習慣病に対して効果的な成分を有効量摂取するには、多量の糖質を摂取することになる。そのため、タマネギを加工せずに摂取することは好ましくない。タマネギを加工する方法としては、例えば、アルコール濃度5〜15%の酒類を得る方法などが知られている(例えば、特許文献2および3)。これらの方法で得られる発酵物は、糖質やアルコール含有量が高く、生活習慣病に対する有効成分の含有量は高められていない。また、特許文献4には、タマネギなどの種々の植物の粉末またはペーストを発酵させた食品の製造方法が記載されている。しかし、この方法では、糖類、無機物、およびアミノ酸を添加して乳酸発酵させているため、糖質の多い食品が得られている。さらに、これらの食品は、単に栄養価が高められるにすぎず、生理活性については明らかではない。
一方、タマネギの有効成分は、加熱などの調理により損失しやすく、調理後のタマネギは生理活性が弱い。さらに、タマネギに含まれる硫化化合物は、タマネギ特有の臭みやえぐ味を有し、摂取し難いという問題点もある。
特開平10−77232号公報 特開昭60−30673号公報 特開昭59−2670号公報 特開2001−69947号公報
本発明は、タマネギが有する生理活性を効果的に利用できるタマネギ加工物を提供し、またその用途拡大を図ることにある。
本発明者らは、タマネギの有効成分を効果的に利用できるように鋭意検討したところ、タマネギを乳酸発酵させることによって、タマネギ中の糖質含量が少なく、かつタマネギの種々の生理活性が高められた発酵物が得られることを見出した。また、この発酵物が様々な生理活性を有し、特に優れた血流改善作用を有することを見出し、本発明を完成した。
本発明は、タマネギの乳酸発酵物を有効成分とする血流改善剤に関する。
好ましくは、本発明は、前記乳酸発酵が、ラクトバチルス・プランタラムを用いて行われる、血流改善剤に関する。
また本発明は、さらに、タマネギの乳酸発酵物以外の血流改善成分を含有する、血流改善剤に関する。
さらに本発明は、前記血流改善剤を含有する食品組成物もしくは医薬品組成物に関する。
本発明のタマネギの乳酸発酵物を有効成分とする血流改善剤は、優れた血流改善効果を有する。
従って、タマネギの乳酸発酵物を血流改善剤として利用するだけでなく、その血流改善剤を含有する食品組成物もしくは医薬品組成物は、冷え性などの血行障害の予防および低減、血液の流動性に関連する疾患の予防および低減を目的としても利用することができる。
本発明に用いられるタマネギの種類は、特に限定されず、一般的に食用に供されるタマネギ(Allium cepa L.)が用いられる。使用される部分は、その鱗茎部分であり、その外皮(茶色の薄皮部分)を含んでいてもよい。タマネギの外皮には、ケルセチンが多く含有されているため、外皮が剥離せずに収穫され、内皮が外部に露出していないタマネギを用いることが、有効成分を多く含有する観点から好ましい。このようなタマネギは、ビタミンCの活性を向上させる作用、血管の保護作用などのビタミンP様作用を期待できる。タマネギは、まず、付着した土などを洗い落とす目的で洗浄され得る。外皮を含む場合は、外皮が剥離しないよう洗浄することが好ましい。
上記タマネギは、乳酸発酵前に予め外皮ごとカットまたは微粉砕することが好ましい。タマネギのカットは、スライサー、ダイサー、カッターミキサーなどを用いて行われ得る。タマネギのカット片の大きさは、1辺の長さが0.1cm〜1cmであることが好ましい。
微粉砕は、コミトロールなどを用いて行われ得る。効率よく微粉砕する点で上記カットされたタマネギを用いることが好ましい。微粉砕されたタマネギの平均粒径(メジアン径)は、30μm〜500μmであることが好ましく、30μm〜100μmであることがより好ましい。タマネギを微粉砕することで、タマネギの組織から有効成分、酵素、糖質などが溶出され、乳酸菌による発酵を効率よく行うことができる。得られたタマネギの微粉砕物の粘度が高い場合は、水を加えてもよい。水の量は、タマネギ100重量部に対して、50〜1000重量部にすることが好ましい。
カットまたは微粉砕されたタマネギは、加熱処理を行ってから乳酸発酵を行う。加熱処理は、タマネギ中の酵素を失活させて殺菌作用を有する揮発性物質が生産されないようにするために行われ得る。加熱処理は、プレート式、チューブラー式などの加熱機、ジャケット付きタンクなどを用いて行われる。あるいは、フライパンなどの調理器具で炒めることによって行われ得る。カットまたは微粉砕されたタマネギを加熱用の容器へ入れて密閉し、加熱する際に蒸気や有効成分を容器の外部へ逃がさないようにすること(閉鎖系)が好ましい。これらの加熱処理は、単独で行ってもよいし、組み合わせてもよい。例えば、カットまたは微粉砕されたタマネギを炒めた後に、加熱器を用いて処理してもよい。加熱処理条件は80℃から130℃で、1分間〜3時間行うことが好ましい。有効成分を損なうことなく、効率良く酵素を失活できる点で、加熱処理を、閉鎖系で、100℃〜130℃の温度で、かつできるだけ短時間で行うことが、好ましい。
タマネギを乳酸発酵する前に、必要に応じて、タマネギの細胞壁を分解する酵素を作用させてもよい。タマネギを加熱処理した場合には、酵素添加前に10℃〜40℃まで冷却することが好ましい。タマネギの細胞壁を分解する酵素としては、ペクチン分解酵素(例えば、ポリガラクツロナーゼ、ペクチンリアーゼ、ペクチンエステラーゼ、プロトペクチナーゼなど)、セルロース分解酵素(例えば、セルラーゼ、ヘミセルラーゼなど)などが用いられる。これらの酵素は混合して用いてもよく、例えば、プロトペクチナーゼ、ヘミセルラーゼ、およびセルラーゼを含む製剤が好適に用いられる。これらは、カットまたは微粉砕されたタマネギ、あるいはさらに加熱処理されたタマネギに対して約0.001重量%〜約0.2重量%程度添加されるが、使用する酵素の精製度や比活性により異なる。このような酵素の添加により、タマネギの細胞内に含まれる栄養分が液体部分に多く溶出される。特に、ケルセチン、硫化化合物、核酸成分、グルタミン酸などが効率よく溶出され、液体部分の栄養分が豊富になる。そのため、後述の乳酸発酵後に得られるタマネギの乳酸発酵物の上清液(以下、「タマネギの乳酸発酵エキス」ということがある)の栄養分が高くなる。さらに、これらの酵素がタマネギの細胞壁(膜)へ作用する結果、酵素処理物中にセロビオース、セロオリゴ糖などが多く含まれ、最終的に得られるタマネギの乳酸発酵物またはタマネギの乳酸発酵エキスに機能性が付与されるという効果が得られる。
次いで、カットまたは微粉砕されたタマネギ、タマネギの加熱処理物、あるいは上記タマネギの酵素処理物(以下、これらをまとめて「タマネギ処理物」ということがある)に、乳酸菌を添加し、乳酸発酵を行う。タマネギは、糖質が豊富であるため、糖を添加することなく乳酸発酵することができる。タマネギを乳酸発酵することによりタマネギに元来含まれている糖質が資化され、糖質の含有量が低く、代わりに産生される有機酸などの有用物質が多く含まれる、機能性並びに栄養価に優れたタマネギの乳酸発酵物を得ることができる。
乳酸発酵を効率的に行うためには、アミノ酸またはタンパク質を添加することが好ましい。タマネギには菌体が資化することのできる窒素源が乏しいため、アミノ酸を添加することによって、効率よく発酵させることができる。アミノ酸またはタンパク質としては、大豆タンパク質、酵母エキス、トウモロコシ分解物、小麦分解物、綿花抽出物、ホエータンパク質などが挙げられるが、これらは、用いる菌の種類や菌株によって適宜選択され得る。アミノ酸またはタンパク質は、タマネギ処理物に対して、0.05〜10重量%の割合で添加することが好ましい。なお、上述のように、タマネギは糖質含量が高いため、乳酸発酵のために糖を添加する必要はない。しかし、さらに風味をよくする目的で、必要に応じて、乳酸菌代謝性の糖(庶糖、ぶどう糖、果糖、麦芽糖等)などを3重量%以上となるように添加してもよい。このように、窒素源または炭素源を添加して発酵する場合、これらが有用アミノ酸、有機酸、または脂質に変換されるため、食品の製造時に配合するよりも少ないコストで高い栄養価を有するタマネギの乳酸発酵物を得ることが可能であり、あわせて風味も改善することができる。
乳酸菌の優先的な生育のために、グルタミン酸またはその塩を加えてもよい。添加するグルタミン酸の量は、タマネギ処理物に対して0.05〜1重量%程度、好ましくは0.2重量%程度の割合である。この範囲の量のグルタミン酸の添加により乳酸菌の生育がよくなる。
タマネギ処理物を、例えば、発酵槽に入れ、乳酸発酵を行う。発酵に用いる乳酸菌としては、ロイコノストック・メセントロイデス、ラクトバチルス・プランタラム、ラクトバチルス・ブレビス、ラクトバチルス・アシドフィルス、ラクトバチルス・カゼイ、ストレプトコッカス・サーモフィラス、ストレプロコッカス・フェカリス、ビフィドバクテリウム・ロンガムなどが、単独でまたは組み合わされて用いられる。例えば、単独で用いる場合、ラクトバチルス・プランタラムが、その耐酸性、生育温度、および増殖速度の面から好適である。
乳酸菌は、タマネギ処理物100重量部に対して、湿菌体重量で好ましくは0.005〜5.0重量部、より好ましくは0.01〜2.0重量部添加される。0.005重量部未満では発酵が充分に行われず、5.0重量部を超えて添加してもそれ以上の効果が得られない。発酵をより効率よく行い得る点で、発酵前に予め乳酸菌を前培養することが好ましい。前培養は、当業者が通常用いる方法、例えば、酵母エキス、グルコースなどを含む培地を用いた培養方法で行われ得る。
乳酸発酵は、菌が優先的に増殖できる環境をつくるため、pHを低くすることが好ましい。乳酸菌として、例えば、ラクトバチルス・プランタラムを用いる場合は、pH4.0程度に調整してから発酵を開始すれば、短時間でその発酵を終了させることができる。乳酸発酵ではこのような低いpH(pH3〜pH5)が維持され得るため、他の菌の繁殖を防ぐこともできる。
乳酸発酵は、好気性条件下でも可能であるが、嫌気性条件下で行うことが好ましい。嫌気性条件は、混合物を脱気することにより、または発酵槽を密封するか、窒素ガス、二酸化炭素ガス等のガスで満たすか、減圧することにより、あるいはそれらを組み合わせることにより得られる。また、嫌気条件下で発酵させることにより、発酵物の風味も良くなる。
乳酸発酵の条件に特に制限はないが、例えば、20℃〜50℃の場合は、3時間〜96時間、好ましくは6時間〜72時間行うことが好ましい。タマネギ特有の苦味や臭いをさらに抑えた発酵物を得るためには4℃〜10℃で5日間〜14日間発酵させることが好ましい。
発酵の停止は、一般的には、pHを下げる、高温(80℃以上)で短時間(2秒〜5分間)処理する等の手段により行われ得る。また、このような手段以外には糖を加えてもよい。発酵停止に使用し得る糖としては、糖アルコール(例えば、ソルビトール)、オリゴ糖(例えば、マルトオリゴ糖、キトオリゴ糖、フラクトオリゴ糖)などが挙げられる。上記の糖は、タマネギの乳酸発酵物を糖尿病患者に用いる場合などを考慮して、必要に応じて、吸収され難い糖を使用することが好ましい。オリゴ糖は、整腸作用、う蝕の予防などに効果があり、タマネギの乳酸発酵物に食品としての機能性を付与し得る。
このようにして得られたタマネギの乳酸発酵物は、風味の改善を目的として、さらに所定温度および所定時間保持し、熟成させてもよい。熟成期間は、10℃〜50℃、好ましくは15℃〜40℃で1ヶ月〜5年、好ましくは3ヶ月〜2年である。
上記タマネギの乳酸発酵物から、上清液(タマネギの乳酸発酵エキス:タマネギの乳酸発酵物の一態様)を回収してもよい。回収は、通常用いられる方法、例えば、遠心分離、濾過などが適用され得る。
得られたタマネギの乳酸発酵物またはタマネギの乳酸発酵エキスは、必要に応じて、殺菌処理して保存され得る。殺菌は、気流殺菌、高圧殺菌、加熱殺菌などの当業者が用いる方法により行われる。殺菌処理は、各種の栄養分を保持するために、できるだけ低温、短時間で殺菌処理することが好ましい。
上記タマネギの乳酸発酵物およびタマネギの乳酸発酵エキスは、濃縮してペースト状の食品素材(タマネギの乳酸発酵ペースト:タマネギの乳酸発酵物の一態様)とすることもできる。濃縮には、膜濃縮、加熱濃縮、真空(減圧)濃縮、凍結濃縮などの種々の方法が用いられ、有効成分の安定性を考慮すると、熱のかからない膜濃縮および凍結濃縮が好ましい。
タマネギの乳酸発酵物またはタマネギの乳酸発酵エキスは、乾燥、粉末化して、乾燥形態の食品素材、例えば、タマネギの乳酸発酵粉末(タマネギの乳酸発酵物の一態様)またはタマネギの乳酸発酵エキス末(タマネギの乳酸発酵エキスの一態様)とすることができる。タマネギの乳酸発酵物またはタマネギの乳酸発酵エキスの乾燥は、当業者が通常用いる種々の方法により行われ、凍結乾燥、噴霧乾燥が好適である。噴霧乾燥を行う場合、必要に応じて賦形剤としてデキストリン、シクロデキストリン、デンプン、マルトースなどを添加する。好ましくはデキストリン、より好ましくは難消化性デキストリンである。デキストリンを用いることにより、血清における血糖値の上昇を防ぎ、さらには水溶性食物繊維によるコレステロールの低下という効果を得ることができる。タマネギの乳酸発酵物またはタマネギの乳酸発酵エキスを乾燥する場合は、タマネギの乳酸発酵物と賦形剤との混合比が、好ましくは重量比で1:5〜10:1、タマネギの乳酸発酵エキスを乾燥する場合は、タマネギの乳酸発酵エキスと賦形剤との混合比が、好ましくは重量比で1:10〜5:1とすることにより、得られるタマネギの乳酸発酵粉末またはタマネギの乳酸発酵エキス末の褐変を防ぐことができる。
このようにして得られたタマネギの乳酸発酵物は、優れた血流改善効果を有し、この効果は発酵する前よりも高い効果を示す。
(タマネギの乳酸発酵物以外の血流改善成分)
本発明においては、上記タマネギの乳酸発酵物だけでなく、さらに、タマネギの乳酸発酵物以外の血流改善成分を添加すれば、相乗的な血流改善効果を得ることができる。タマネギの乳酸発酵物以外の血流改善成分とは、各々、血管拡張作用、血小板凝集抑制作用、血液レオロジー改善作用等の血流改善効果を有する成分である。
その結果、血液の流動性に関連する疾患の予防または低減目的としても利用し得る。
タマネギの乳酸発酵物以外で、血流改善効果を有するその他の成分としては、例えば、黒酢、梅肉、ショウガ、杜仲葉、イチョウ葉、ルイボス葉およびそれらのエキス;タマネギやニンニクに含まれる含硫有機化合物およびその抽出物;キチン・キトサンおよびその誘導体;グルコサミン塩およびその誘導体;イワシペプチド、カゼインドデカペプチド、ラクトトリペプチド等のペプチド類;クエン酸およびその誘導体;カプサイシンおよびその誘導体;塩化カルプロニウム;ジアルキルモノアミン誘導体;サポニン;シニグリン;ニコチン酸およびその誘導体ならびにそれらの塩;γ−オリザノール、ビタミンK、ビタミンD、ビタミンE、ヘスペリジン、γ−アミノ酪酸(GABA)、コラーゲンペプチド、水溶性食物繊維などが挙げられるが、これらに限定されない。
またこれらの成分を含有する植物抽出物ならびに天然素材も、本発明に添加する成分として用いることができる。例えば、トウガラシ抽出物、オタネ人参抽出物、オランダカラシ抽出物、アルニカ抽出物、紅花抽出物、クジン抽出物、サンショウ抽出物、タマネギ抽出物、ニンニク抽出物、ニンジン抽出物などが挙げられる。
さらに、プロアントシアニジンのうち、フラバン−3−オールおよび/またはフラバン−3,4−ジオールを構成単位とする重合度が2〜4の縮重合体である、OPC(オリゴメリック・プロアントシアニジン)も、血管保護成分ならびに血液レオロジー改善成分として用いることができる。もちろん、OPCを多く含む樹皮、果実もしくは種子の粉砕物、またはこれらの抽出物も利用することができる。OPCを多く含む樹皮、果実もしくは種子としては、例えば、松、樫、山桃などの樹皮、ブドウ、ブルーベリー、ラズベリー、クランベリー、イチゴ、アボガド、ニセアカシア、コケモモの果実もしくは種子、大麦、小麦、大豆、黒大豆、カカオ、小豆、トチの実の殻、ピーナッツの薄皮、イチョウ葉、西アフリカのコーラナッツ、ペルーのラタニアの根、日本の緑茶などが挙げられる。
上記血流改善効果を有するその他の成分は、目的に応じて適宜配合される。もちろん、2種類以上の成分を添加してもよい。
(血流改善剤を含有する食品組成物もしくは医薬品組成物)
本発明の食品組成物もしくは医薬品組成物は、上記血流改善剤を含有している。つまり、上記タマネギの乳酸発酵物、好ましくはタマネギの乳酸発酵物以外の血流改善成分を含んでいる。
なお、本発明の食品組成物もしくは医薬品組成物には、必要に応じて、賦形剤、増量剤、結合剤、増粘剤、乳化剤、着色料、香料、他の食品原料、調味料、医薬品原料などを添加してもよい。さらに、本発明の食品組成物もしくは医薬品組成物は、用途に応じて、顆粒、錠剤などの形態に成形されてもよい。また、本発明の成分を添加した食品の剤形については、必要に応じてハードカプセル、ソフトカプセルなどのカプセル剤、錠剤、もしくは丸剤などに、あるいは粉末状、顆粒状、茶状、ティーバッグ状、もしくは飴状などの形態に成形したり、そのまま飲料として用いたりすることができる。これらの形状または好みに応じて、そのまま食してもよく、あるいは水、湯、牛乳などに溶いて飲んでも良い。また、粉末化してティーバッグ状などの場合、成分を浸出させてから飲んでも良い。
本発明の食品組成物もしくは医薬品組成物に添加可能な食品原料としては、例えば、ローヤルゼリー、プロポリス、ビタミン類(A、B群、C、D、E、K、葉酸、パントテン酸、ビオチン、これらの誘導体等)、ミネラル(鉄、マグネシウム、カルシウム、亜鉛等)、α−リポ酸、セレン、キチン・キトサン、レシチン、ポリフェノール(カテキン類、アントシアニン類、プロアントシアニジンなどの縮合型タンニン、ガロタンニン等の加水分解型タンニン、イソフラボン類、フラボノイド類、これらの誘導体等)、カロテノイド(リコピン、アスタキサンチン、ゼアキサンチン、ルテイン等)、サポニン(ジンセサノイド、グリチルリチン酸等)、キサンチン誘導体(カフェイン等)、脂肪酸、アミノ酸、タンパク質(コラーゲン、エラスチン等)、ムコ多糖類(ヒアルロン酸、コンドロイチン、デルマタン、ヘパラン、ヘパリン、ケタラン、これらの塩等)、アミノ糖(グルコサミン、アセチルグルコサミン、ガラクトサミン、アセチルガラクトサミン、ノイラミン酸、アセチルノイラミン酸、ヘキソサミン、それらの塩等)、食物繊維(難消化性デキストリン、アルギン酸、グアガム、ペクチン、グルコマンナン等)、オリゴ糖(イソマルトオリゴ糖、環状オリゴ糖等)、リン脂質とスフィンゴ脂質及びそれらの誘導体(フォスファチジルコリン、スフィンゴミエリン、セラミド等)、含硫化合物(アリイン、セパエン、タウリン、グルタチオン、メチルスルホニルメタン等)、糖アルコール、キノン類(コエンザイムQ10等)、リグナン類(セサミン等)、これらを含有する動植物抽出物、根菜類(ウコン、ショウガ等)、麦若葉末等のイネ科植物の緑葉、ケール等のアブラナ科植物の緑葉などが挙げられる。
さらに、例えば、植物発酵ジュース、野菜ジュース(例えば、人参ジュース)、植物抽出物、果汁などに本発明の血流改善剤を添加して、上記食品原料を含む飲料という形態として利用することも可能である。このような形態によれば、嗜好性を良くすることが可能であるだけでなく、機能性または栄養価の高い飲料とすることもできる。
上記のほかにも調味料として、例えば、グラニュー糖、蜂蜜、ソルビットなどの甘味料、アルコール、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸などの酸味料、および香料が挙げられる。
(配合量)
本発明の食品組成物もしくは医薬品組成物は、血流改善剤を含有している。つまり、本発明の食品組成物もしくは医薬品組成物は、タマネギの乳酸発酵物を含んでおり、好ましくはタマネギの乳酸発酵物以外の血流改善成分を含有する。これらの成分を含有することにより、優れた血流改善効果が得られる。
本発明のタマネギの乳酸発酵物を、食品および化粧品原料として用いる場合の使用量に特に制限はない。食品としては、乾燥重量で0.05重量%〜50重量%程度含有される。また、成人一日あたりの摂取量は、乾燥重量で10mg〜5000mg、好ましくは50mg〜2000mg程度が好ましい。また、化粧品原料としては、局所的な投与となるため、化粧品中に0.0001重量%〜10重量%程度の割合で含有されることが好ましい。
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
(実施例1:タマネギの乳酸発酵エキス末の調製)
外皮のついたタマネギ1kgに精製水1kgを加え、80℃にて2時間加熱処理を行った。この加熱処理物に10gの酵母エキスおよび湿菌体重量で2gの乳酸菌(ラクトバチルス・プランタラム、協和ハイフーズ社)を添加して、好気下で35℃にて24時間発酵させた。得られた発酵物を濾過し、タマネギの乳酸発酵エキスを回収した。その後、タマネギの乳酸発酵エキスを凍結乾燥して27.5gの乾燥粉末(タマネギの乳酸発酵エキス末)を得た。
(比較例1)
上記実施例1において、乳酸菌を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、32.1gの乾燥粉末を得た。
(実施例2:血流改善効果の評価)
実施例1で得たタマネギの乳酸発酵エキス末を用いて、以下のようにして体内での血流改善効果を確認した。
まず、被験者6名とし、早朝空腹時に1時間安静にした後に、各被験者の発酵エキス末摂取前の血流量を、血流計(レーザー血流画像化装置PIM II;Sweden Permied社)を用いて右手人差し指の血流量を測定した。次いで、試験群1の被験者に発酵エキス末5gを含む水10mLを摂取させ、摂取1時間後の血流量を測定した。比較群1は、摂取溶液を比較例1で得た非発酵エキス末5gを含む水10mLとした以外は、試験群1と同様に測定した。対照群1は、摂取溶液を水10mLとした以外は、試験群7と同様に測定した。
次いで、右手を10℃の冷水に10秒間浸すことにより負荷を与え、負荷終了直後から20秒、60秒、120秒後に血流量を測定した。その際、発酵エキス末摂取前の血流量の平均を100%としたときの割合(%)を求めた。結果を表1に示す。
Figure 2006256969
表1の結果、タマネギの乳酸発酵エキス末(試験群1)を摂取すると、摂取前と比べて血流量が約20%向上していることがわかる。また、タマネギの非発酵エキス末(比較群1)を摂取した場合は、血流量向上が見られなかった。従って、本発明のタマネギの乳酸発酵エキス末は、優れた血流向上作用を有することがわかる。
また、試験群1は、冷水負荷後の血流量の回復が早く、高い血流回復作用を有することがわかる。
従って、タマネギの乳酸発酵エキス末は、優れた血流改善効果により血流量を向上させ、負荷を与えた場合でもすばやく血流量を回復し得ることがわかった。
すなわち、本発明の血流改善剤は、血行障害の予防および低減に適する。また、血流を改善することにより、血液の流動性に関連する疾患の予防または低減も期待できる。
本発明のタマネギの乳酸発酵物を有効成分とする血流改善剤、ならびに血流改善剤を含有する食品組成物もしくは医薬品組成物は、優れた血流改善効果を有するため有用である。

Claims (4)

  1. タマネギの乳酸発酵物を有効成分とする血流改善剤。
  2. 前記乳酸発酵が、ラクトバチルス・プランタラムを用いて行われる、請求項1に記載の血流改善剤。
  3. さらに、タマネギ乳酸発酵物以外の血流改善成分を含有する、請求項1または2に記載の血流改善剤。
  4. 前記血流改善剤を含有する食品組成物もしくは医薬品組成物。
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