JP2003174247A - カバーレイフィルムおよび該フィルムを用いた回路基板 - Google Patents

カバーレイフィルムおよび該フィルムを用いた回路基板

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JP2003174247A
JP2003174247A JP2002282437A JP2002282437A JP2003174247A JP 2003174247 A JP2003174247 A JP 2003174247A JP 2002282437 A JP2002282437 A JP 2002282437A JP 2002282437 A JP2002282437 A JP 2002282437A JP 2003174247 A JP2003174247 A JP 2003174247A
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Japan
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epoxy resin
film
coverlay film
film according
polyimide
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JP2002282437A
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Toru Murakami
徹 村上
Toyofumi Asano
豊文 浅野
Masahiro Imaizumi
雅裕 今泉
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Nippon Kayaku Co Ltd
Ube Corp
Original Assignee
Nippon Kayaku Co Ltd
Ube Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 比較的低い温度での張り合わせが可能で、良
好な接着性を有し、半田耐熱性、耐湿性、埋め込み性を
満足すると共に電気特性、寸法安定性、機械的物性に優
れた、高密度実装用のカバーレイフィルムを提供するこ
と。 【解決手段】 接着剤層を設けた耐熱性フィルムからな
るカバーレイフィルムであって、該接着剤層を、 (a)エ
ポキシ樹脂、 (b)硬化剤、 (c)フェノール性水酸基含有
ポリアミド−ポリ(ブタジエン−アクリロニトリル)共
重合体、および (d)イオンキャプチャーを含有し、硬化
後に80℃以上のガラス転移温度を有するエポキシ樹脂
組成物から形成し、該耐熱性フィルムを、3,3' ,
4,4' −ビフェニルテトラカルボン酸成分とp−フェ
ニレンジアミン成分とを含有するポリイミドから主とし
て構成され、特定の線膨張係数および引張弾性率を有す
るポリイミドフィルムから形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、比較的低い温度で
の接着性、充分な剥離強度、半田耐熱性、耐湿性、埋め
込み性および電気信頼性を満足する高密度実装用カバー
レイフィルム、およびそれを使用して得られた回路基板
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、エレクトロニクス分野の発展が目
覚ましく、特に通信用・民生用の電子機器の小型化、軽
量化、高密度化が進み、これらの性能に対する要求がま
すます高度なものとなっている。このような要求に対し
て、フレキシブル印刷配線板は可撓性を有し、繰り返し
屈曲に耐える特性を有しているため、狭い空間に立体的
高密度の実装が可能であり、電子機器への配線、ケーブ
ル、あるいはコネクター機能を付与した複合部品として
その用途が拡大しつつある。このフレキシブル印刷配線
板は、フレキシブル印刷配線用基板上に常法により回路
を作製したものであり、使用目的によっては、この回路
の上にカバーレイフィルムを被せて保護している。
【0003】フレキシブル印刷配線用基板は高い耐熱性
と優れた電気・機械特性を備えている電気絶縁性の基材
フィルムと金属箔とを接着剤を介して積層一体化したも
ので、このフレキシブル印刷配線用基板に要求される特
性としては、接着性、密着性、耐熱性、電気特性、加工
性などが挙げられる。
【0004】特に近年では、ICチップをフレキシブル
印刷配線板に直接搭載したCOF(Chip on Flex)が実用
化されたり、CSP(Chip Scale Packaging)、MCM(M
ultiChip Module) のインターポーザとしてフレキシブ
ル印刷配線用基板が採用されるなど、半導体パッケージ
構成材料としてのフレキシブル印刷配線用基板は耐熱
性、耐湿性の更なる向上を求められている。
【0005】カバーレイフィルムは、フレキシブル印刷
配線板の回路保護、屈曲性の向上などのために設けるも
のである。カバーレイフィルムの種類には、電気絶縁性
の基材フィルムの片面に接着剤を塗布したフィルムベー
スカバーレイ、接着剤層が絶縁層を兼ねるドライフィル
ムタイプ、液状タイプなどがある。これらカバーレイフ
ィルムに要求される特性は、保存性、密着性、耐熱性、
電気特性、加工性などが挙げられる。
【0006】特に、接着剤としてエポキシ樹脂組成物を
使用したカバーレイフィルムでは、接着性、耐湿性、埋
め込み性、半田耐熱性は満足できるものの、電気信頼性
が低かった。これは、エポキシ樹脂に通常配合されるポ
リ(ブタジエン−アクリロニトリル)共重合体の合成時
の無機イオンによることが指摘されている。また、カバ
ーレイフィルムの支持フィルムとしてピロメリット酸系
のポリイミドフィルム(例えば、デュポン社製のカプト
ンH)を使用してエポキシ樹脂系接着剤と組み合わせた
ものでは、支持フィルムの寸法安定性が低くまた吸湿後
の機械的物性が大幅に低下し高密度実装用としては適当
ではない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、比較
的低い温度での張り合わせが可能で、良好な接着性を有
し、半田耐熱性、耐湿性、埋め込み性を満足すると共に
電気特性、寸法安定性、機械的物性に優れた、高密度実
装用のカバーレイフィルムおよび該フィルムを用いた回
路基板を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、接着剤層を設
けた耐熱性フィルムからなるカバーレイフィルムであっ
て、該接着剤層が、 (a)エポキシ樹脂、 (b)硬化剤、
(c)フェノール性水酸基含有ポリアミド−ポリ(ブタジ
エン−アクリロニトリル)共重合体、および (d)イオン
キャプチャーを含有し、硬化後に80℃以上のガラス転
移温度を有するエポキシ樹脂組成物からなり、該耐熱性
フィルムが、3,3' ,4,4' −ビフェニルテトラカ
ルボン酸成分とp−フェニレンジアミン成分とを含有す
るポリイミドから主として構成され、MDおよびTDの
線膨張係数が何れも10〜25ppm/℃(50〜20
0℃)で、MDおよびTDの引張弾性率が何れも450
〜1100kgf/mm2 であるポリイミドフィルムか
らなり、IPC−B−25におけるBレベル以上のパタ
−ン、好ましくはAレベルのパタ−ンを使用し121
℃、85%RH、50V印加電圧下で測定した電気抵抗
値が200時間経過後も低下しない電気信頼性を有する
高密度実装用のカバーレイフィルム、および該フィルム
を使用して得られた回路基板を提供することにより、上
記目的を達成したものである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明においては、カバーレイ用
接着剤(接着剤層を形成する接着剤)および支持フィル
ム(耐熱性フィルム)の各要件が前記条件の範囲内であ
ることが必要であり、これによって信頼性の高い高密度
実装用カバーレイフィルムを得ることができる。何れか
の要件が前記条件の範囲外であると、本発明の目的を達
成することができない。
【0010】本発明において、上記接着剤としては (a)
エポキシ樹脂、 (b)硬化剤、 (c)フェノ−ル性水酸基含
有ポリアミド−ポリ(ブタジエン−アクリロニトリル)
共重合体、および (d)イオンキャプチャーを含有し、硬
化後に80℃以上のガラス転移温度を有するエポキシ樹
脂組成物を使用する。
【0011】前記の (a)エポキシ樹脂としては、ポリフ
ェノール類化合物のグリシジルエーテル化物である多官
能エポキシ樹脂、各種ノボラック樹脂のグリシジルエー
テル化物である多官能エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹
脂、脂肪族系エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、グ
リシジルエステル系エポキシ樹脂、グリシジルアミン系
エポキシ樹脂、ハロゲン化フェノール類をグリシジル化
したエポキシ樹脂などが挙げられるが、これらに限定さ
れるものではない。ここで、多官能エポキシ樹脂とはグ
リシジル基を2つ以上有するエポキシ樹脂のことであ
る。
【0012】ポリフェノール類化合物のグリシジルエー
テル化物である多官能エポキシ樹脂としては、例えばビ
スフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノール
S、4,4' −ビフェニルフェノール、テトラメチルビ
スフェノールA、ジメチルビスフェノールA、テトラメ
チルビスフェノールF、ジメチルビスフェノールF、テ
トラメチルビスフェノールS、ジメチルビスフェノール
S、テトラメチル−4,4' −ビフェノール、ジメチル
−4,4' −ビフェニルフェノール、1−(4−ヒドロ
キシフェニル)−2−[4−(1,1−ビス−(4−ヒ
ドロキシフェニル)エチル)フェニル]プロパン、2,
2' −メチレン−ビス(4−メチル−6−tert−ブ
チルフェノール)、4,4' −ブチリデン−ビス(3−
メチル−6−tert−ブチルフェノール)、トリスヒ
ドロキシフェニルメタン、レゾルシノール、ハイドロキ
ノン、ピロガロ−ル、ジイソプロピリデン骨格を有する
フェノール類、1,1−ジ−4−ヒドロキシフェニルフ
ルオレンなどのフルオレン骨格を有するフェノール類、
フェノール化ポリブタジエンなどのポリフェノール化合
物のグリシジルエーテル化物である多官能エポキシ樹脂
が挙げられる。
【0013】各種ノボラック樹脂のグリシジルエーテル
化物である多官能エポキシ樹脂としては、例えばフェノ
ール、クレゾール類、エチルフェノール類、ブチルフェ
ノール類、オクチルフェノール類、ビスフェノールA、
ビスフェノールF、ビスフェノールS、ナフトール類な
どの各種フェノールを原料とするノボラック樹脂、キシ
リレン骨格含有フェノールノボラック樹脂、ジシクロペ
ンタジエン骨格含有フェノールノボラック樹脂、ビフェ
ニル骨格含有フェノールノボラック樹脂、フルオレン骨
格含有フェノールノボラック樹脂、フラン骨格含有フェ
ノールノボラック樹脂、トリフェニルメタン骨格含有ノ
ボラック型樹脂などの各種ノボラック樹脂のグリシジル
エーテル化物が挙げられる。
【0014】脂環式エポキシ樹脂としては、例えばシク
ロヘキサンなどの脂肪族骨格を有する脂環式エポキシ樹
脂が挙げられ、脂肪族系エポキシ樹脂としては、例えば
1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、
ポリエチレングリコール、ペンタエリスリトールなどの
多価アルコールのグリシジルエーテル類が挙げられる。
【0015】複素環式エポキシ樹脂としては、例えばイ
ソシアヌル環、ヒダントイン環などの複素環を有する複
素環式エポキシ樹脂が挙げられ、グリシジルエステル系
エポキシ樹脂としては、例えばヘキサヒドロフタル酸ジ
グリシジルエステルなどのカルボン酸類からなるエポキ
シ樹脂が挙げられ、グリシジルアミン系エポキシ樹脂と
しては、例えばアニリン、トルイジンなどのアミン類を
グリシジル化したエポキシ樹脂が挙げられる。
【0016】ハロゲン化フェノール類をグリシジル化し
たエポキシ樹脂としては、例えばブロム化ビスフェノー
ルA、ブロム化ビスフェノールF、ブロム化ビスフェノ
ールS、ブロム化フェノールノボラック、ブロム化クレ
ゾールノボラック、クロル化ビスフェノールS、クロル
化ビスフェノールAなどのハロゲン化フェノール類をグ
リシジル化したエポキシ樹脂が挙げられる。
【0017】これらエポキシ樹脂のうち、どのエポキシ
樹脂を用いるかは要求される特性によって適宜選択され
るが、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂が好ましく、
更に好ましくは、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビ
スフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック
型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹
脂、フェノール骨格とナフトール骨格を有するノボラッ
ク型エポキシ樹脂、フェノール骨格とビフェニル骨格を
有するノボラック型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン
骨格を有するノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペン
タジエン骨格を有するノボラック型エポキシ樹脂であ
る。フェノール骨格とナフトール骨格を有するノボラッ
ク型エポキシ樹脂は、フェノール骨格中にメチル基を有
するものがより好ましく、例えばNC−7000(商品
名:日本化薬(株)製)、NC−7300(商品名:日
本化薬(株)製)として市販されている。フェノール骨
格とビフェニル骨格を有するノボラック型エポキシ樹脂
は、例えば、NC−3000P(商品名:日本化薬
(株)製)として市販されている。トリフェニルメタン
骨格を有するノボラック型エポキシ樹脂は、例えば、E
PPN−501H、EPPN−502H(商品名:日本
化薬(株)製)として市販されている。ジシクロペンタ
ジエン骨格を有するノボラック型エポキシ樹脂は、例え
ば、XD−1000(商品名:日本化薬(株)製)とし
て市販されている。更に、これらエポキシ樹脂は、耐熱
性、難燃性の付与などのために必要に応じ1種または2
種以上の混合物として用いることができる。
【0018】前記の (b)硬化剤としては、例えば酸無水
物、アミン類、フェノール類、イミダゾール類、ジヒド
ラジン類、ルイス酸、ブレンステッド酸塩類、ポリメル
カプタン類、イソシアネート類、ブロックイソシアネー
ト類などが挙げられる。
【0019】前記の酸無水物としては、例えばフタル酸
無水物、トリメリット酸無水物、ピロメリット酸無水
物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、エチレン
グリコール無水トリメリット酸無水物、ビフェニルテト
ラカルボン酸無水物などの芳香族カルボン酸無水物、ア
ゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸などの脂肪族カ
ルボン酸の無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、ヘキ
サヒドロフタル酸無水物、ナジック酸無水物、ヘット酸
無水物、ハイミック酸無水物などの脂環式カルボン酸無
水物が挙げられる。
【0020】前記のアミン類としては、例えばジアミノ
ジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルフォン、ジ
アミノジフェニルエーテル、p−フェニレンジアミン、
m−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、
1,5−ジアミノナフタレン、m−キシリレンジアミン
などの芳香族アミン、エチレンジアミン、ジエチレンジ
アミン、イソフォロンジアミン、ビス(4−アミノ−3
−メチルジシクロヘキシル)メタン、ポリエ−テルジア
ミンなどの脂肪族アミン、ジシアンジアミド、1−(o
−トリル)ビグアニドなどのグアニジン類が挙げられ
る。
【0021】前記のフェノール類としては、例えばビス
フェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、
4,4' −ビフェニルフェノール、テトラメチルビスフ
ェノールA、ジメチルビスフェノールA、テトラメチル
ビスフェノールF、ジメチルビスフェノールF、テトラ
メチルビスフェノールS、ジメチルビスフェノールS、
テトラメチル−4,4' −ビフェノール、ジメチル−
4,4' −ビフェニルフェノール、1−(4−ヒドロキ
シフェニル)−2−[4−(1,1−ビス−(4−ヒド
ロキシフェニル)エチル)フェニル]プロパン、2,
2' −メチレン−ビス(4−メチル−6−tert−ブ
チルフェノール)、4,4' −ブチリデン−ビス(3−
メチル−6−tert−ブチルフェノール)、トリスヒ
ドロキシフェニルメタン、レゾルシノール、ハイドロキ
ノン、ピロガノール、ジイソプロピリデン骨格を有する
フェノ−ル類、1,1−ジ−4−ヒドロキシフェニルフ
ルオレン等のフルオレン骨格を有するフェノ−ル類、フ
ェノール化ポリブタジエン、フェノール、クレゾール
類、エチルフェノール類、ブチルフェノール類、オクチ
ルフェノール類、ビスフェノールA、ビスフェノール
F、ビスフェノールS、ナフトール類などの各種フェノ
ールを原料とするノボラック樹脂、キシリレン骨格含有
フェノールノボラック樹脂、ジシクロペンタジエン骨格
含有フェノールノボラック樹脂、ビフェニル骨格含有フ
ェノールノボラック樹脂、フルオレン骨格含有フェノー
ルノボラック樹脂、フラン骨格含有フェノールノボラッ
ク樹脂などの各種ノボラック樹脂、ブロム化ビスフェノ
ールA、ブロム化ビスフェノールF、ブロム化ビスフェ
ノールS、ブロム化フェノールノボラック、ブロム化ク
レゾールノボラック、クロル化ビスフェノールS、クロ
ル化ビスフェノールAなどのハロゲン化フェノール類が
挙げられる。
【0022】前記のイミダゾール類としては、例えば2
−メチルイミダゾ−ル、2−フェニルイミダゾール、2
−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾ
ール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベ
ンジル−2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2
−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチル
イミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダ
ゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾー
ル、2,4−ジアミノ−6(2' −メチルイミダゾール
(1' ))エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ
−6(2' −ウンデシルイミダゾール(1' ))エチル
−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6(2' −エチ
ル,4−メチルイミダゾール(1' ))エチル−s−ト
リアジン、2,4−ジアミノ−6(2' −メチルイミダ
ゾール(1' ))エチル−s−トリアジン・イソシアヌ
ル酸付加物、2- メチルイミダゾールイソシアヌル酸の
2:3付加物、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル
酸付加物、2−フェニル−3,5−ジヒドロキシメチル
イミダゾール、2−フェニル−4−ヒドロキシメチル−
5−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェ
ニル−3,5−ジシアノエトキシメチルイミダゾールの
各種イミダゾール類、及び、それらイミダゾール類とフ
タル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット
酸、ピロメリット酸、ナフタレンジカルボン酸、マレイ
ン酸、蓚酸などの多価カルボン酸との塩類が挙げられ
る。
【0023】これら硬化剤のうち、どの硬化剤を用いる
かは接着剤に要求される特性によって適宜選択される
が、好ましくはフェノール類である。
【0024】これら硬化剤の使用量は、エポキシ樹脂の
エポキシ基に対する硬化剤の当量比において通常0.3
〜2.0の範囲で、好ましくは0.4〜1.6の範囲
で、更に好ましくは0.5〜1.3の範囲で用いられ
る。上記硬化剤は2種以上を混合して用いることもでき
る。
【0025】前記の (c)フェノール性水酸基含有ポリア
ミド−ポリ(ブタジエン−アクリロニトリル)共重合体
は、耐屈曲性、接着性を付与するために必要であり、添
加により硬化物にフレキシビリティを付与すると同時に
他のフレキシブル基板構成材料との接着強度を増すこと
ができる。上記フェノール性水酸基含有ポリアミド−ポ
リ(ブタジエン−アクリロニトリル)共重合体の配合重
量比は、エポキシ樹脂組成物全体中、重量比で全有機成
分中で5〜90重量%であることが好ましく、更に好ま
しくは30〜70重量%である。
【0026】上記フェノ−ル性水酸基含有ポリアミド−
ポリ(ブタジエン−アクリロニトリル)共重合体は、例
えばフェノール性水酸基含有ジカルボン酸を含むジカル
ボン酸成分(場合によりフェノール性水酸基含有ジカル
ボン酸単独でもよい)とジアミン成分とを常法により縮
合することにより合成できる。例えば、5−ヒドロキシ
イソフタル酸などのフェノール性水酸基含有ジカルボン
酸とイソフタル酸などのフェノール性水酸基を有しない
ジカルボン酸とからなるジカルボン酸成分に対して過剰
量のジアミンを加え、これらを縮合剤(例えば亜リン酸
エステル)とピリジン誘導体の存在下で、N−メチル−
2−ピロリドンなどの有機溶媒中で窒素などの不活性雰
囲気下にて加熱攪拌、縮合反応を行って、フェノール性
水酸基を含有するポリアミドオリゴマーを生成させる。
この結果得られる両末端にアミノ基を有するフェノール
性水酸基含有ポリアミドオリゴマーの溶液に、両末端に
カルボキシル基をもつポリ(ブタジエン−アクリロニト
リル)共重合体を添加し、重縮合することにより得るこ
とができる。ポリ(ブタジエン−アクリロニトリル)共
重合体と該ポリアミドオリゴマーの割合は特に制限はな
いが、通常該ポリアミドオリゴマー1重量部に対して、
ポリ(ブタジエン−アクリロニトリル)共重合体0.1
〜10重量部程度である。また、このジカルボン酸をジ
アミンに対して過剰にして、両末端にカルボン酸基を有
する該ポリアミドを合成し、これに対して両末端がアミ
ノ基のポリ(ブタジエン−アクリロニトリル)共重合体
を使用してブロック化することもできる。更には、これ
らポリアミドまたはポリ(ブタジエン−アクリロニトリ
ル)共重合体の末端を変性して、反応させることも可能
である。この場合、例えば、一方をビニル基で他方を−
NH基または−SH基で変性すればよい。尚、 (c)成分
を合成する工程において、ジアミンの一部または全部に
フェノール性水酸基を含有する化合物を使用してもよ
い。
【0027】前記のフェノール性水酸基含有ポリアミド
−ポリ(ブタジエン−アクリロニトリル)共重合体の合
成に用いられるフェノール性水酸基を有するジカルボン
酸としては、例えば5−ヒドロキシイソフタル酸、4−
ヒドロキシイソフタル酸、2−ヒドロキシフタル酸、3
−ヒドロキシフタル酸、2−ヒドロキシテレフタル酸な
どが挙げられ、フェノール性水酸基を有しないジカルボ
ン酸としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル
酸、ジカルボキシルナフタレン、コハク酸、フマル酸、
グルタル酸、アジピン酸、1,3−シクロヘキサンジカ
ルボン酸、4,4′−ジフェニルジカルボン酸、3,
3′−メチレン二安息香酸などが挙げられる。
【0028】また、前記のジアミン成分としては、フェ
ノール性水酸基を含有するジアミン、例えば、3,3′
−ジアミン−4,4’−ジヒドロキシフェニルメタン、
2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)
ヘキサフロロプロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4
−ヒドロキシフェニル)ジフロロメタン、3,4−ジア
ミノ−1,5−ベンゼンジオール、3,3’−ジヒドロ
キシ−4,4’−ジアミノビスフェニル、3,3’−ジ
アミノ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、2,2−
ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ケトン、
2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)
スルフィド、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキ
シフェニル)エ−テル、2,2−ビス(3−アミノ−4
−ヒドロキシフェニル)スルホン、2,2−ビス(3−
アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−
ビス(3−ヒドロキシ−4−アミノフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(3−ヒドロキシ−4−アミノフェニ
ル)メタンなどや、フェノール性水酸基を含有しないジ
アミン、例えば、3,3’−ジアミノジフェニルエーテ
ル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’
−ジアミノジフェニルエーテル、ジアミノナフタレン、
ピペラジン、ヘキサメチレンジアミン、テトラメチレン
ジアミン、m−キシレンジアミン、4,4’−ジアミノ
ジフェニルメタン、4,4’−ジアミノベンゾフェノ
ン、2,2’−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、
3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジ
アミノジフェニルなどが挙げられ、特に3,4’−ジア
ミノジフェニルエーテルが好ましいが、これらに限定さ
れるものではない。
【0029】本発明において、特に好ましいフェノール
性水酸基含有ポリアミド−ポリ(ブタジエン−アクリロ
ニトリル)共重合体は、下記式で示される共重合体であ
る。
【0030】
【化2】
【0031】(上式中、x、y、z、l、mおよびn
は、それぞれ平均重合度であって、x=3〜10、y=
1〜4、z=5〜15、l+m=2〜200の整数をそ
れぞれ示し、l/(l+m)≧0.04であり、n=2
〜100である。)
【0032】また、両末端に種々の官能基を持つポリ
(ブタジエン−アクリロニトリル)共重合体は、Goo
drich社からHycarCTBNとして市販されて
おり、これらを前記のフェノール性水酸基含有ポリアミ
ドとブロック化するために使用することができる。
【0033】前記の (d)イオンキャプチャーとしては、
下記一般式で示されるハイドロタルサイト類化合物が挙
げられ、市販品、例えば協和化学工業社製のDHTシリ
ーズなどが入手可能である。 Mgx Aly (OH)2x+3y-2z(CO3 z ・mH2 O (上式中、x、yおよびzはそれぞれ0<y/x≦1、
0≦z/y<1.5なる関係を有し、mは正数を示
す。)
【0034】上記ハイドロタルサイト類化合物は、エポ
キシ樹脂組成物中のハロゲンイオンを自己のCO3 2-
置換するか配位結合することによつてハロゲンイオンを
捕捉するものと考えられる。上記ハイドロタルサイト類
化合物の種類は、前記一般式におけるx、y 、z の数の
比による区別などによつて、多くの種類に分けられる。
このようなハイドロタルサイト類化合物は、単独でもし
くは2種以上を混合して使用される。このような化合物
は、エポキシ樹脂組成物中における分散性の観点から、
平均粒径が5μm以下で、最大粒径が10μm以下であ
ることが好適である。そして、このようなハイドロタル
サイト類化合物の含有量は、エポキシ樹脂組成物の樹脂
成分に対して0.1〜30重量%になるように設定する
ことが好ましい。すなわち、配合量が0.1重量%を下
回ると高温放置特性の改善効果が充分表れず、逆に30
重量%を上回ると耐湿性の低下現象がみられるようにな
るからである。
【0035】また、上記ハイドロタルサイト類化合物以
外として、Biの水酸化物、Biの酸化物、Alの水酸化物、
Biの酸化物であつて、それぞれ塩素イオン、ブロムイオ
ン、硝酸イオンの含有量が、各5ppm以下のものが単独で
もしくは併せて用いられる。このような化合物の代表例
としては、水酸化ビスマス、水酸化アルミニウム、三酸
化二ビスマス、三酸化二アルミニウムが挙げられる。そ
して、このような化合物は、上記各イオンの含有量が5p
pm以下であることが好ましい。すなわち、各イオン含有
量が5ppmを上回ると、半導体装置の耐湿性の低下を招く
からである。上記のような化合物は、単独で使用しても
よいし併用しても差し支えはない。このようなBi、Alの
水酸化物、酸化物の含有量はエポキシ樹脂組成物の樹脂
成分に対して上記化合物が0.1〜10重量%の割合に
なるように設定することが好ましい。すなわち、含有量
が0.1重量%を下回ると高温放置特性の向上効果が充
分にあらわれず、逆に10%重量を上回ると耐湿性の低
下現象がみられるからである。そして、このようなBi、
Alの水酸化物、酸化物は、平均粒径が0.05〜5μm
で、最大粒径が10μm以下の微粒子であることが好ま
しい。これよりも大きな粒径のものは、分散性が著しく
低下し高温放置特性の改善効果が充分得られにくい傾向
がみられるからである。さらに、上記ハイドロタルサイ
ト類化合物およびBi、Alの水酸化物、酸化物の双方を用
いる場合、これらの含有量はエポキシ樹脂組成物の樹脂
成分に対して上記化合物の合計量が0.1〜20重量%
の割合になるように設定することが好ましい。
【0036】本発明におけるエポキシ樹脂組成物は、硬
化後のTg(ガラス転移点)が耐熱性、耐湿性、耐プレ
ッシャークッカ性の観点から80℃以上であることが好
ましく、より好ましくは120℃以上である。この場合
のTgとはエポキシ樹脂組成物をフィルム状に成型・硬
化したものを動的粘弾性法(DMA法)により測定した
ときのtanδの極大値の温度である。
【0037】本発明におけるエポキシ樹脂組成物には、
必要に応じて硬化促進剤を含有させることもできる。こ
の硬化促進剤としては、例えばトリフェニルホスフィン
などのリン系化合物、例えば、トリエチルアミン、テト
ラエタノールアミン、1,8−ジアザ−ビシクロ〔5.
4.0〕−7−ウンデセン(DBU)、N,N−ジメチ
ルベンジルアミン、1,1,3,3−テトラメチルグア
ニジン、2−エチル−4−メチルイミダゾ−ル、N−メ
チルピペラジンなどの第3級アミン系化合物、例えば
1,8−ジアザ−ビシクロ〔5.4.0〕−7−ウンデ
セニウムテトラフェニルボレ−トなどのホウ素系化合物
が挙げられる。
【0038】また、本発明におけるエポキシ樹脂組成物
には、必要に応じて、他の添加物を加えることができ
る。例えば天然ワックス類、合成ワックス類および長鎖
脂肪族酸の金属塩類などの可塑剤、酸アミド類、エステ
ル類、パラフィン類などの離型剤、ニトリルゴム、ブタ
ジエンゴムなどの応力緩和剤、三酸化アンチモン、五酸
化アンチモン、酸化錫、水酸化錫、酸化モリブデン、硼
酸亜鉛、メタ硼酸バリウム、赤燐、水酸化アルミニウ
ム、水酸化マグネシウム、アルミン酸カルシウムなどの
無機難燃剤、テトラブロモビスフェノールA、テトラブ
ロモ無水フタル酸、ヘキサブロモベンゼン、ブロム化フ
ェノールノボラックなどの臭素系難燃剤、シラン系カッ
プリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウ
ム系カップリング剤などのカップリング剤、溶融シリ
カ、結晶性シリカ、低α線シリカ、ガラスフレーク、ガ
ラスビーズ、ガラスバルーン、タルク、アルミナ、ケイ
酸カルシウム、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、
硫酸バリウム、マグネシア、窒化ケイ素、窒化ホウ素、
フェライト、希土コバルト、金、銀、ニッケル、銅、
鉛、鉄粉、酸化鉄、砂鉄などの金属粉、黒鉛、カーボ
ン、弁柄、黄鉛などの無機質充填剤または導電性粒子な
ど、染料や顔料などの着色剤、炭素繊維、ガラス繊維、
ボロン繊維、シリコンカーバイド繊維、アルミナ繊維、
シリカアルミナ繊維などの無機系繊維、アラミド繊維、
ポリエステル繊維、セルロ−ス繊維、炭素繊維などの有
機系繊維、酸化安定剤、光安定剤、耐湿性向上剤、チキ
ソトロピー付与剤、希釈剤、消泡剤、他の各種の樹脂、
粘着付与剤、帯電防止剤、滑剤、紫外線吸収剤などを配
合することもできる。
【0039】本発明におけるエポキシ樹脂組成物は、前
述の (a)エポキシ樹脂、 (b)硬化剤、 (c)フェノール性
水酸基含有ポリアミド−ポリ(ブタジエン−アクリロニ
トリル)共重合体、および (d)イオンキャプチャー、さ
らに必要に応じて硬化促進剤、その他の添加剤を混合し
て得ることができ、例えば、上記各成分を所定の割合で
溶媒中で均一に混合させることによりワニスとする。こ
の場合の溶媒としては、特に制限はなく、例えばトルエ
ン、エタノール、セロソルブ、テトラヒドロフラン、N
−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、メ
チルエチルケトンなどの有機溶媒が挙げられる。上記溶
媒は、ワニス中の固形分濃度が通常20〜60重量%程
度となるよう使用する。
【0040】本発明におけるエポキシ樹脂組成物の硬化
は、主に加熱硬化により行うが、例えば室温前後での触
媒や酸素、湿気によって起こる常温硬化、紫外線照射で
発生する酸による触媒作用によって起こる光硬化などを
併用することも可能である。
【0041】本発明におけるエポキシ樹脂組成物を、基
材用の耐熱性フィルムの片面に塗布・乾燥して、カバー
レイフィルム(フィルムベースカバーレイともいう。)
とする。カバーレイフィルムの構成は、耐熱性フィルム
(ポリイミドフィルム)/接着剤層(上記エポキシ樹脂
組成物の塗布・乾燥物)/離型材からなる3層構造であ
り、接着剤層の厚さは一般に4〜50μm、特に10〜
50μmが好適であるが、使用状況などにより適宜決め
られる。
【0042】本発明における基材用の耐熱性フィルムで
あるポリイミドフィルムとしては、3,3' ,4,4'
−ビフェニルテトラカルボン酸成分を含む芳香族テトラ
カルボン酸成分とp−フェニレンジアミン成分を含む芳
香族ジアミン成分とを含有するポリイミドから主として
構成され、MDおよびTDの線膨張係数が何れも10〜
25ppm/℃(50〜200℃)で、MDおよびTD
の引張弾性率が何れも450〜1100kgf/mm2
であるポリイミドフィルムが使用される。前記の芳香族
テトラカルボン酸成分全量中の90モル%以下、特に6
0モル%以下をピロメリット酸二無水物や3,3' ,
4,4' −ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物な
どの他の成分で置き換えてもよく、前記の芳香族ジアミ
ン成分全量中の90モル%以下、特に70モル%以下を
4,4' −ジアミノジフェニルエーテルで置き換えても
よい。前記ポリイミドフィルムの線膨張係数および引張
弾性率の値が前記の範囲外であると、高密度基板に実装
した後、カールの原因となったり自己支持性が小さくな
るので好ましくない。このポリイミドフィルムは、厚み
が10〜55μmであるものが好ましい。
【0043】本発明の線膨張係数および引張弾性率を前
記の範囲内に制御したポリイミドフィルムは、例えば以
下のようにして製造することができる。好適には先ず前
記3,3' ,4,4' −ビフェニルテトラカルボン酸類
とp−フェニレンジアミンとをN,N−ジメチルアセト
アミドやN−メチル−2−ピロリドンなどのポリイミド
の製造に通常使用される有機極性溶媒中で、好ましくは
10〜80℃で1〜30時間重合して、ポリマーの対数
粘度(測定温度:30℃、濃度:0.5g/100ml
溶媒、溶媒:N−メチル−2−ピロリドン)が1.5〜
5、ポリマー濃度が15〜25重量%であり、回転粘度
(30℃)が500〜4500ポイズであるポリアミッ
ク酸(イミド化率:5%以下)溶液を得る。
【0044】次いで、例えば上記のようにして得られた
ポリアミック酸溶液に、好適には、リン化合物を、好ま
しくはこのポリアミック酸100重量部に対して0.0
1〜5重量部、特に0.01〜3重量部、その中でも特
に0.01〜1重量部の割合で有機リン化合物、好適に
は(ポリ)リン酸エステル、リン酸エステルのアミン塩
あるいは無機リン化合物を添加し、好適にはさらに無機
フィラーを、特にポリアミック酸100重量部に対して
0.01〜10重量部のコロイダルシリカ、窒化珪素、
タルク、酸化チタン、燐酸カルシウム(好適には平均粒
径0.001〜5μm、特に0.005〜2μm)を添
加してポリイミド前駆体溶液組成物を得る。
【0045】このポリイミド前駆体溶液組成物を平滑な
表面を有する金属製の支持体表面に連続的に流延して前
記溶液の薄膜を形成し、その薄膜を乾燥する際に、12
0〜170℃、2〜20分間程度加熱乾燥することによ
り、固化フィルム中、前記溶媒及び生成水分からなる揮
発分含有量が25〜40重量%程度の自己支持性フィル
ムを得る。この自己支持性フィルムにアミノシランカッ
プリング剤などの表面処理剤を塗布処理してもよいし、
これをさらに乾燥してもよい。
【0046】次いで、この自己支持性フィルムをフィル
ム把持装置に両端部を把持させて連続加熱炉に挿入し、
その際に自己支持性フィルムの乾燥に伴う収縮がほぼ完
了する300℃までの工程において、たるみが生じない
程度に幅方向に自由収縮させた後、キュア炉内における
最高加熱温度:400〜525℃程度、特に475〜5
00℃程度の温度が0.5〜30分間となる条件で該乾
燥フィルムを加熱して乾燥およびイミド化して、残揮発
物量0.4重量%以下程度で、イミド化を完了すること
によって長尺状の芳香族ポリイミドフィルムを好適に製
造することができる。
【0047】上記のようにして得られた芳香族ポリイミ
ドフィルムを、好適には低張力下あるいは無張力下に2
00〜400℃程度の温度で加熱して応力緩和処理し
て、巻き取って、フィルム厚みが10〜55μm、特に
約10〜50μmであって、50〜200℃における線
膨張係数(MDおよびTDの何れも)が10〜25×1
-6cm/cm/℃で、かつ引張弾性率(MDおよびT
Dの何れも)が450〜1100kgf/mm2 以上で
あるポリイミドフィルムを得ることができる。
【0048】このようにして得られる線膨張係数および
引張弾性率を制御したポリイミドフィルムは、プラズマ
放電処理(真空あるいは常圧プラズマ放電処理)、コロ
ナ放電処理などの少なくとも1つの放電処理、好適には
真空プラズマ放電処理を行って、接着性を改良すること
ができる。前記の放電処理は、フィルム表面を処理せず
あるいはアセトン、イソプロピルアルコール、エチルア
ルコールなどの有機溶媒で処理した後行ってもよい。
【0049】前記の真空プラズマ放電処理を行う雰囲気
の圧力は特に限定されないが、0.1〜1500Paの
範囲が好ましい。前記プラズマ処理を行う雰囲気のガス
組成としては、特に限定されないが酸素を含有すること
が好ましい。あるいは、希ガスを少なくとも20モル%
含有していてもよい。希ガスとしてはHe、Ne、A
r、Xeなどが挙げられるが、Arが好ましい。希ガス
にCO2 、N2 、H2 、H2 Oなどを混合して使用して
もよい。前記プラズマ処理を行うプラズマ照射時間は1
秒〜10分程度が好ましい。
【0050】本発明において、基材フィルム上に接着剤
の薄層を積層する方法としては、例えば、熱可塑性フィ
ルム上に前記のワニスを所定厚みに塗布・乾燥して未硬
化の接着剤の薄層を形成した後、加熱された一対のロー
ル(ラミネートロール)間を通すことによって転写先用
の前記の耐熱性フィルムに転写する方法、あるいは、前
記の耐熱性フィルム上に前記のワニスを所定厚みに塗布
・乾燥して未硬化の接着剤の薄層を形成する方法のいず
れの方法によっても行うことができる。
【0051】前記のワニスの乾燥は、前述の各成分が有
機溶媒に均一に溶解乃至は分散されているワニスを、フ
ィルム上に塗布し、その塗布層を80〜200℃の温度
で20秒〜100分程度乾燥して、溶媒が実質的に除去
された薄層として形成することが好ましい。
【0052】本発明で使用可能な離型材としては、ポリ
エチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、TPXフ
ィルム、シリコーン離型剤付きポリエチレンフィルム、
シリコーン離型剤付きポリプロピレンフィルム、ポリエ
チレン樹脂コート紙、ポリプロピレン樹脂コート紙及び
TPX樹脂コート紙などが挙げられ、離型材の厚さは、
フィルムベースのもので10〜75μm、紙ベースのも
ので50〜200μmが好ましいが、必要に応じて適宜
の厚さのものが使用される。
【0053】本発明のカバーレイフィルムの製造方法
は、例えば、予め調製された前記のエポキシ樹脂組成物
からなるワニス(接着剤)をロールコーター、コンマコ
ーターなどを用いて前記耐熱性フィルムに塗布する。こ
れをインラインドライヤーに通して40〜160℃で2
〜20分間加熱処理し接着剤中の溶剤を除去して接着剤
層を形成することによって行う。この接着剤付きフィル
ムの接着剤塗布面と離型材とを加熱ロールにより圧着さ
せることが好ましい。接着剤の塗布厚は、一般に乾燥状
態で4〜50μm、特に10〜50μmであればよい。
【0054】本発明において、カバーレイフィルムを、
高密度フレキシブル基板、例えば、ポリイミドフィルム
基板と直接あるいは耐熱性接着剤を介して銅などの金属
層が積層された積層体からなる金属配線である回路に適
用する。
【0055】前記のポリイミドフィルム基板と銅などの
金属層とが耐熱性接着剤を介して積層された積層体は、
例えば、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物またはベ
ンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物とパラフェニレ
ンジアミンとを必須成分とする耐熱性ポリイミドフィル
ムの少なくとも片面に、必要ならばプラズマ放電処理や
コロナ放電処理などの放電処理を行った後、1,3−ビ
ス(3−アミノフェノキシベンゼン)と2,3,3' ,
4' −ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とから得ら
れるポリイミドや、ビス(3,4−ジカルボキシフェニ
ル)エーテル二無水物およびピロメリット酸二無水物と
1,3−ビス(3−アミノフェノキシベンゼン)とから
得られるポリイミドなどのポリイミド接着剤を前駆体溶
液塗布−加熱乾燥イミド化などの方法によって設けた
後、このポリイミド接着剤と銅箔などの金属層とを重ね
合わせた後、加熱圧着することによって製造することが
できる。
【0056】また、前記のポリイミドフィルム基板と金
属層とが直接積層された積層体は、例えば、高耐熱性の
芳香族ポリイミド層の少なくとも片面に1,3−ビス
(4−アミノフェノキシベンゼン)と2,3,3' ,
4' −ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とから得ら
れるポリイミドや、ビス(3,4−ジカルボキシフェニ
ル)エーテル二無水物およびピロメリット酸二無水物と
1,3−ビス(4−アミノフェノキシベンゼン)とから
得られるポリイミドなどの熱圧着性ポリイミド層が共押
出し成形法によって積層一体化された熱圧着性多層押出
しポリイミドフィルムを、銅箔などの金属層と、連続加
熱圧着機、好適にはダブルベルトプレスで、加熱圧着ゾ
ーンの温度が熱圧着性ポリイミドのガラス転移温度より
20℃以上高く400℃以下の温度、特にガラス転移温
度より30℃以上高く400℃以下の温度で加圧下に熱
圧着し、引き続いて冷却ゾーンで加圧下に冷却して、好
適には熱圧着性ポリイミドのガラス転移温度より20℃
以上低い温度、特に30℃以上低い温度まで冷却して、
積層することによって製造することができる。
【0057】あるいは、前記のポリイミドフィルム基板
と金属層とが直接積層された積層体は、金属箔に熱圧着
性ポリイミド前駆体溶液を塗布−加熱乾燥後、高耐熱性
芳香族ポリイミド前駆体溶液を塗布−加熱乾燥して金属
箔にポリイミド層を形成する方法や、高耐熱性芳香族ポ
リイミド前駆体溶液の自己支持性膜に柔軟性ポリイミド
前駆体溶液を薄く塗布−加熱乾燥した多層ポリイミドフ
ィルムの柔軟性ポリイミド層に必要ならばプラズマ放電
処理などの放電処理後にクロム、モリブデン、ニッケ
ル、ビズマス、亜鉛などの下地金属次いで銅などの金属
を蒸着しさらに銅メッキして金属層を形成する方法によ
って製造することができる。
【0058】前記のポリイミドフィルム基板と銅などの
金属層とが直接あるいは耐熱性接着剤を介して積層され
た積層体から回路を得るためにパターンを形成する方法
としては、例えば、積層体の金属層表面にエッチングレ
ジストを回路パターン状(配線パターン状)に印刷し
て、配線パターンが形成される部分の金属層の表面を保
護するエッチングレジストの配線パターンを形成した
後、それ自体公知の方法でエッチング液を使用して配線
が形成されない部分の金属をエッチングにより除去し、
最後にエッチングレジストを除去することによって行う
ことができる。このようにして形成される配線パターン
は、配線パターンとしての幅が0.01〜1.0mm程
度で、配線パターンとしてのピッチが0.02〜2.0
mm程度である。
【0059】本発明のカバーレイフィルムを、例えば厚
み1〜20μmの金属箔(好適には銅箔)を使用して回
路パターンを形成した、フレキシブルプリント基板など
の基板に適用する場合、フレキシブルプリント基板フィ
ルム上に形成された回路にカバーレイフィルムの未硬化
の接着剤(エポキシ樹脂組成物)面を重ね合わせ、25
0℃未満、好適には200℃以下、さらに好適には50
〜200℃、特に80〜200℃、その中でも特に80
〜180℃程度の温度、50kg/cm2 以下の圧力で
0.5〜60分間程度圧着し、FPCのライン/スペ−
スを接着剤で埋めて、さらに必要であれば圧力開放下に
100〜200℃の温度で、10分〜30時間程度加熱
することによって、上記接着剤を硬化させて積層一体化
することにより、本発明のカバーレイフィルムを使用し
た回路基板を得ることができる。
【0060】
【実施例】以下、実施例を以て本発明をより具体的に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、実施例、合成例および比較例中、%および部は、
特記しない限り重量基準である。また、エポキシ当量、
水酸基当量の単位はg/eqである。以下の各例におい
て、カバーレイフィルムの性能評価は次の方法によって
行なった。
【0061】剥離強度については、JIS5016に準
じて、ポリイミドフィルム(12.5μm)に厚み10
μmの接着剤層を設け、その上に厚み12μmの銅箔
(3EC−VLP)を積層して得た試料を、インテスコ
社製の引張試験機を用いて、剥離速度50mm/分およ
び測定温度25℃で、また260℃で5秒半田熱処理後
剥離速度50mm/分および測定温度25℃で、それぞ
れ90°剥離試験を行い、また熱間剥離強度を150℃
で180°剥離試験を行って求めた。耐湿性(PCT後
の変色)については、前記試料を121℃、湿度100
%の条件で60時間保持した後の剥離強度の低下の有
無、銅箔の色の変化を調べて評価した。変色のない場合
を○、変色のある場合を×で示した。PCT耐湿性につ
いては、銅箔(福田金属箔社製、CFT−9、18μm
厚み)の光沢面にカバーレイフィルムのエポキシ樹脂組
成物面を重ねて、加熱下に貼り合わせて、121℃、湿
度100%の条件で約150時間保持した後の機械物性
(破断強度、伸び)を測定し、評価した。
【0062】半田耐熱性は、JIS5016に準じて、
260℃の半田浴に5秒間カバーレイフィルム側を浸漬
し、冷却後、膨れの有無を観察した。膨れが生じていな
い場合を○、膨れが生じている場合を×で示した。反り
は、微細加工した銅張り基板において、該基板を構成す
るMD、TDのポリイミドフィルムと銅箔(CTE=17.5pp
m: 50〜200 ℃) とのCTE(線膨張係数:50〜200
℃)の差が小さい程、低カール性を発現しやすくなる。
銅張り基板のCTEの差が5ppm未満の場合は○(低カー
ル性を発現する)、CTEの差が5ppm以上の場合は×
(反りを生じる)とした。
【0063】電気信頼性は、IPC−B−25における
Bレベルのパタ−ンあるいはAレベルのパタ−ンを使用
し、121℃、湿度85%、印加電圧50V、1週間に
て測定し、異常の発生しない場合を○、異常の発生があ
る場合を×とした。耐折性は、JIS−C−6471に
準じて、荷重4.9N、r=0.38mm、折り曲げ速
度=175回/分で観察し、試料が断線するまでの回数
を測定した。その値を実施例と比較例とで比較した。
【0064】合成例1 ポリアミドA〔フェノール性水酸基含有芳香族ポリアミ
ド−ポリ(ブタジエン−アクリロニトリル)ブロック共
重合体〕の合成。 イソフタル酸19.93g(120ミリモル)、3,
4’−ジアミノジフェニルエーテル30.63g(15
3ミリモル)、5−ヒドロキシイソフタル酸3.64g
(20ミリモル)、塩化リチウム3.9g、塩化カルシ
ウム12.1g、N−メチル−2−ピロリドン240m
lおよびピリジン54mlを1リットルの4ツ口丸底フ
ラスコの中に入れ、攪拌溶解させた後、亜リン酸トリフ
ェニル74gを加えて、90℃で4時間反応させて、フ
ェノール性水酸基含有芳香族ポリアミドオリゴマー体を
生成させた。これに両末端にカルボキシル基を持つポリ
(ブタジエン−アクリロニトリル)共重合体(Hyca
rCTBN、BFGoodrich製。ポリブタジエン
アクリロニトリル部に含有するアクリロニトリル成分が
17モル%で、分子量が約3600)48gを240m
lのN−メチル−2−ピロリドンに溶かした液を加え
て、更に4時間反応させた後、室温に冷却、この反応液
をメタノール20リットルに投入して、本発明に使用す
るポリ(ブタジエン−アクリロニトリル)共重合体部の
含有量が50%であり、フェノール性水酸基を約14モ
ル%含有する芳香族ポリアミド−ポリ(ブタジエン−ア
クリロニトリル)ブロック共重合体を析出させた。この
析出ポリマーを更にメタノールを用いた還流下での洗浄
および有機溶媒(N−メチル−2−ピロリドン)に溶解
後に水中に投入する方法によって精製した。このポリマ
ーの固有粘度は0.85dl/g(ジメチルアセトアミ
ド、30℃)であった。ポリマー粉末を拡散反射法によ
り赤外スペクトルを測定し、1674cm-1にアミドカ
ルボニル基を、2856〜2975cm-1にブタジエン
部分のC−H結合に基づく吸収を、2245cm-1にニ
トリル基に基づく吸収をそれぞれ確認した。
【0065】実施例1 (1) エポキシ樹脂組成物の調製 エポキシ樹脂組成物として下記に示す組成としたエポキ
シ樹脂組成物をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)
1部に対しメチルエチルケトン(MEK)1部の混合溶
媒に溶解して50%の樹脂溶液を調製した。硬化剤の配
合量は当量比で1.0とした。 エポキシ樹脂A 70部 エポキシ樹脂B 30部 硬化剤A 42.3部 促進剤 1部 合成例1のフェノール性水酸基含有ポリアミド−ポリ
(ブタジエン−アクリロニトリル)共重合体 142部 イオンキャプチャー 5部 上記エポキシ樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度(T
g)は185℃であった。なお、上記エポキシ樹脂Aと
してはBREN−S(臭素化フェノールノボラック型エ
ポキシ樹脂;日本化薬株式会社製;エポキシ当量:28
0;Br含有量約35%)を、上記エポキシ樹脂Bとし
てはEOCN−1020(クレゾールノボラック型エポ
キシ樹脂;日本化薬株式会社製;エポキシ当量:19
5)を、上記硬化剤AとしてはPN−80(フェノール
ノボラック樹脂;日本化薬株式会社製;水酸基当量:1
05)を、上記促進剤としてはトリフェニルホスフィン
を、上記イオンキャプチャーとしてはDHT−4A(ハ
イドロタルサイト類化合物、Mg4.3 Al2 (OH)
12.6CO3 ・mH2 O;協和化学工業株式会社製)を、
それぞれ使用した。
【0066】(2) カバーレイフィルムの作成 厚さ25μmで3,3' ,4,4' −ビフェニルテトラ
カルボン酸二無水物とp−フェニレンジアミンとから構
成され、10〜17ppm/℃(50〜200℃)の線
膨張係数(MDおよびTDの何れも)および600〜9
00kgf/mm2 の引張弾性率(MDおよびTDの何
れも)を有するポリイミドフィルム上に、前記エポキシ
樹脂組成物の溶液をロールコーターを用いて、乾燥後の
厚さが15μmとなるように塗布し、100℃、10分
の乾燥条件で溶剤を除去した。形成された接着剤層は、
ポリイミドフィルムを湾曲させても割れ、欠け、剥がれ
を生じたりせず、十分な強度とフレキシビリティを有し
ていた。この接着剤層付きポリイミドフィルムの接着剤
面にシリコーン樹脂処理を行ったポリエチレンコート紙
を熱圧着してカバーレイフィルムを得た。
【0067】(3) 積層体の製造、回路の形成 パラフェニレンジアミンと3,3' ,4,4' −ビフェ
ニルテトラカルボン酸二無水物とをN,N−ジメチルア
セトアミド中で重合させたポリイミド前駆体溶液(高耐
熱性ポリイミド用ド−プ)と、1,3−ビス(4−アミ
ノフェノキシ)ベンゼンと2,3,3' ,4' −ビフェ
ニルテトラカルボン酸二無水物とを同様に重合させたポ
リイミド前駆体溶液(熱圧着性ポリイミド用ド−プ)と
を三層押出し成形用ダイスから金属製支持体上に流延
し、140℃の熱風で連続的に乾燥し、固化フィルムを
支持体から剥離した後加熱炉で200℃から320℃ま
で徐々に昇温して溶媒の除去、イミド化を行って、長尺
状の厚み25μmの熱圧着性三層押出しポリイミドフィ
ルムを得た。この熱圧着性三層押出しポリイミドフィル
ムは、17〜23ppm/℃(50〜200℃)の線膨
張係数(MDおよびTDの何れも)および500〜60
0kgf/mm2 の引張弾性率(MDおよびTDの何れ
も)を有するものであった。この熱圧着性三層押出しポ
リイミドフィルムと電解銅箔[三井金属鉱業社製、厚み
12μmの銅箔(3EC−VLP)]とを連続加熱圧着
装置で積層し、片面銅箔のフレキシブル銅箔積層体を得
た。この積層体の銅箔上に、75μmのダムを作成して
感光性インキを流込み、バーコーターにより、乾燥後の
厚み約20μmとなるように均一に塗布し、80℃の熱
風オ−ブン中で30分間プリベークして溶媒を除去し
た。このプリベーク膜を露光し、1%炭酸ナトリウム水
溶液を用いてスプレー式現像装置で30℃、吐出圧力
1.5Kgf/cm2 、2〜3分現像を行った後、水を
用いてリンスを行った。次いで、膜厚21μm、75μ
mライン/スペースのパターンを形成した。
【0068】(4)回路へのカバーレイフィルムの適用 この様にして得られた厚み12μmの銅箔(3EC−V
LP)を使用した回路板と、ポリイミドフィルムの片面
に乾燥厚み15μmの接着剤層を設けた前記カバーレイ
フィルムを180℃、圧力50kg/cm2 で10分間
加熱加圧して硬化させた。得られた回路基板について、
接着剤の回路間への埋め込み性を観察し、評価した。サ
ンプル5個について何れも完全に埋まっている場合を
○、1つでも空隙がある場合を×と評価した。該評価結
果を以下に示す。
【0069】また、前記カバーレイフィルムについて評
価した結果を以下に示す。 電気信頼性:○(Bレベル及びAレベルの何れも合格) 耐湿性(PCT後の変色):○ 耐折性(回):589 半田耐熱性:○ 剥離強度:4.2N(室温)、1.8N(150℃)、
4.3N(半田浴処理) 埋め込み性:○ PCT耐湿性評価: 破断強度:19.0kgf/mm2 (156時間後)/19.
8kgf/mm2 (0時間) 伸び:39%(156時間後)/45%(0時間) 反り:○(ポリイミドフィルムと銅箔との CTEの差が3.
5ppm)
【0070】比較例1 他社品(エポキシ樹脂組成物系:樹脂成分 エポキシ樹
脂80%およびカルボキシル基含有ブタジエン−アクリ
ロニトリル共重合体20%、水酸化アルミニウムを固形
分中30%およびイオンキャプチャーを含有)につい
て、ポリイミドフィルムとして厚み25μmのユーピレ
ックスフィルム(宇部興産株式会社製)を使用したカバ
ーレイフィルムを用いて評価した結果を次に示す。 電気信頼性:○ 耐湿性(PCT後の変色):○ 耐折性(回):221 半田耐熱性:○ PCT耐湿性評価: 破断強度:12.8kgf/mm2 (168時間後)/17.
1kgf/mm2 (0時間) 伸び:23%(168時間後)/33%(0時間)
【0071】比較例2 比較例1で用いた他社品(エポキシ樹脂組成物系)につ
いて、ポリイミドフィルムとして厚み25μmのカプト
ンV(デュポン・東レ社製)を使用したカバーレイフィ
ルムを用いて評価した結果を次に示す。 電気信頼性:○ 耐湿性(PCT後の変色):× PCT耐湿性評価: 破断強度:10.1kgf/mm2 (156時間後)/22.
8kgf/mm2 (0時間) 伸び:42%(156時間後)/64%(0時間) 反り:×〔カプトンV(カプトンHの応力緩和品)と銅
箔との CTEの差が10ppm 以上〕
【0072】実施例2 エポキシ樹脂組成物として下記に示す組成のものを使用
した他は実施例1と同様にして、カバーレイフィルムを
得た。 エポキシ樹脂C 50部 エポキシ樹脂D 50部 硬化剤B 54.5部 合成例1のフェノール性水酸基含有ポリアミド−ポリ
(ブタジエン−アクリロニトリル)共重合体 150部 イオンキャプチャー 5部 上記エポキシ樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度(T
g)は180℃であった。なお、上記エポキシ樹脂Cと
してはEPPN−501H(トリフェニルメタン含有フ
ェノールノボラック型エポキシ樹脂;日本化薬株式会社
製;エポキシ当量:168)を、上記エポキシ樹脂Dと
してはRE−310(ビスフェノールA型エポキシ樹
脂;日本化薬株式会社製;エポキシ当量:181)を、
上記硬化剤BとしてはカヤハードTPM(フェノールノ
ボラック型硬化剤;日本化薬株式会社製;水酸基当量:
97)を、上記イオンキャプチャーとしてはDHT−4
Aを、それぞれ使用した。
【0073】得られたカバーレイフィルムについて評価
した結果を以下に示す。 電気信頼性:○(Bレベル及びAレベルの何れも合格) 耐湿性(PCT後の変色):○ 耐折性(回):590 半田耐熱性:○ 剥離強度:4.2N(室温)、1.8N(150℃)、
4.3N(半田浴処理) 埋め込み性:○ PCT耐湿性評価: 破断強度:19.0kgf/mm2 (156時間後)/19.
8kgf/mm2 (0時間) 伸び:39%(156時間後)/45%(0時間) 低カール性の発現:○(ポリイミドフィルムのCTE=14pp
m 、銅箔との CTEの差が3.5ppm)
【0074】
【発明の効果】本発明のカバーレイフィルムは、優れた
接着性、半田耐熱性、寸法安定性および低反り特性等を
保持し、且つ長期間高温、高湿条件下に曝した後でも諸
物性が良好である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 今泉 雅裕 東京都北区赤羽北1−15−5−304 Fターム(参考) 5E314 AA32 BB03 CC15 DD08 FF06 FF19 GG01 GG10 GG11

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 接着剤層を設けた耐熱性フィルムからな
    るカバーレイフィルムであって、該接着剤層が、 (a)エ
    ポキシ樹脂、 (b)硬化剤、 (c)フェノール性水酸基含有
    ポリアミド−ポリ(ブタジエン−アクリロニトリル)共
    重合体、および (d)イオンキャプチャーを含有し、硬化
    後に80℃以上のガラス転移温度を有するエポキシ樹脂
    組成物からなり、該耐熱性フィルムが、3,3' ,4,
    4' −ビフェニルテトラカルボン酸成分とp−フェニレ
    ンジアミン成分とを含有するポリイミドから主として構
    成され、MDおよびTDの線膨張係数が何れも10〜2
    5ppm/℃(50〜200℃)で、MDおよびTDの
    引張弾性率が何れも450〜1100kgf/mm2
    あるポリイミドフィルムからなり、IPC−B−25に
    おけるBレベル以上のパタ−ンを使用し121℃、85
    %RH、50V印加電圧下で測定した電気抵抗値が20
    0時間経過後も低下しない電気信頼性を有する高密度実
    装用のカバーレイフィルム。
  2. 【請求項2】 接着剤層の厚みが4〜50μmである請
    求項1に記載のカバーレイフィルム。
  3. 【請求項3】 (a)エポキシ樹脂が、グリシジルエーテ
    ル型エポキシ樹脂である請求項1に記載のカバーレイフ
    ィルム。
  4. 【請求項4】 (b)硬化剤が、フェノール類である請求
    項1に記載のカバーレイフィルム。
  5. 【請求項5】 (b)硬化剤の使用量が、 (a)エポキシ樹
    脂のエポキシ基に対する硬化剤の当量比において0.3
    〜2.0の範囲である請求項1に記載のカバーレイフィ
    ルム。
  6. 【請求項6】 (c)フェノール性水酸基含有ポリアミド
    −ポリ(ブタジエン−アクリロニトリル)共重合体が、
    下記式で示される共重合体である請求項1に記載のカバ
    ーレイフィルム。 【化1】 (上式中、x、y、z、l、mおよびnは、それぞれ平
    均重合度であって、x=3〜10、y=1〜4、z=5
    〜15、l+m=2〜200の整数をそれぞれ示し、l
    /(l+m)≧0.04であり、n=2〜100であ
    る。)
  7. 【請求項7】 (c)フェノール性水酸基含有ポリアミド
    −ポリ(ブタジエン−アクリロニトリル)共重合体の使
    用量が、エポキシ樹脂組成物全体中、全有機成分中で5
    〜90重量%である請求項1に記載のカバーレイフィル
    ム。
  8. 【請求項8】 (d)イオンキャプチャーが、下記一般式
    で示されるハイドロタルサイト類化合物である請求項1
    に記載のカバーレイフィルム。 Mgx Aly (OH)2x+3y-2z(CO3 z ・mH2 O (上式中、x、yおよびzはそれぞれ0<y/x≦1、
    0≦z/y<1.5なる関係を有し、mは正数を示
    す。)
  9. 【請求項9】 ハイドロタルサイト類化合物の使用量
    が、エポキシ樹脂組成物の樹脂成分に対して0.1〜3
    0重量%である請求項8に記載のカバーレイフィルム。
  10. 【請求項10】 (d)イオンキャプチャーが、Biの水酸
    化物、Biの酸化物、Alの水酸化物またはAlの酸化物であ
    って、それぞれ塩素イオン、ブロムイオン、硝酸イオン
    の含有量が各5ppm以下のものである請求項1に記載
    のカバーレイフィルム。
  11. 【請求項11】 Biの水酸化物、Biの酸化物、Alの水酸
    化物もしくはAlの酸化物の使用量が、エポキシ樹脂組成
    物の樹脂成分に対して0.1〜10重量%である請求項
    10に記載のカバーレイフィルム。
  12. 【請求項12】 ポリイミドフィルムの厚みが10〜5
    5μmである請求項1に記載のカバーレイフィルム。
  13. 【請求項13】 請求項1〜12の何れかに記載のカバ
    ーレイフィルムを使用して得られた回路基板。
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