JP2003172873A - 補正データ作成方法及び撮像装置 - Google Patents
補正データ作成方法及び撮像装置Info
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- G02—OPTICS
- G02B—OPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
- G02B5/00—Optical elements other than lenses
- G02B5/20—Filters
Abstract
も光軸外の光学性能の劣化を補償することが可能な補正
データ作成方法を提供する。 【解決手段】光学系におけるPSF(点広がり関数)の
広がりの対称性を考慮してレンズの焦点面位置を補正す
るための補正データを作成する補正データ作成方法であ
って、前記PSFの強度を所定の閾値レベルで2値化す
る2値化工程と、前記2値化工程で2値化したPSFに
対して外接する最小円を画像の複数の領域について算出
する最小円算出工程と、前記最小円算出工程で算出した
画像の複数の領域についての最小円の径の重み付け平均
値により画像全体のPSFを評価するPSF評価工程
と、前記PSF評価工程で取得した評価値に基づいて、
レンズの焦点面位置を補正するための補正データを算出
する補正データ算出工程とを具備する。
Description
法及び撮像装置に関するものである。
タによる2次元画像処理が広く行われるようになってき
た。2次元画像処理にはローパスフィルタ処理、ハイパ
スフィルタ処理、コンボルーションフィルタ処理等があ
る。このコンボルーションフィルタ処理においては、処
理対象とする画素を中心とするN×N個(Nは2以上の
整数)の画素の画像データに夫々所定の重み係数を乗算
して、これら乗算結果を加算することにより、その処理
対象とする画素の画像データが形成される。
て設計しようとした場合、光学系のPSF(Point Spre
ad Function:点広がり関数)を実験的にまたは、光学
設計の段階での計算により得て、その特性を補完するよ
うな形でフィルタを設計する。あるいは、実験的にPS
Fを求めても良い。通常、光学系の収差は光軸上から離
れるにつれて、回転非対称な成分(コマ収差、非点収
差)が大きくなる。理想的な逆フィルタではPSFの回
転非対称性を考慮すれば、回転非対称なデジタルフィル
タになる。
画像の場所毎に異なるパラメータでデータを持つという
ことは、フィルタの行列大きさ分のデータを画素毎に持
たなければならず、非現実的といえる。例えば、画像が
M×M個の画素からなっている場合、前出のN×Nの鮮
鋭化フィルタでは係数の総数がM2×N2個になってしま
い大きなメモリを必要とする。
幾何変換と鮮鋭度回復を同時に実現できる構成は特許第
3035922号に開示されている。この構成において
は、上述の様に回転対称までは考慮されておらず、場所
毎に異なる係数を持っている必要がある。
度)を考えると、ボケ関数を回転対称なものに近似する
ことが好ましい。以下に示すように、比較的簡単な方法
でパラメトリックなデジタルフィルタを構成することが
できる。撮像機器の通常の使用目的では、PSFを回転
対称と見なせる範囲で逆フィルタを設計しただけでも周
波数成分の回復ということでは効果がある。
するにはいくつかの方法があり、3×3のカーネルサイ
ズの周波数回復フィルタの例では、高周波強調のフィル
タHを以下のように設定する。
で調節するようにしたパラメトリックな回復フィルタは H0=αI+(1−α)H (2) I:単位行列 で表せる。ここで、αを変更すれば回復フィルタの特性
が調整でき、αが小さいほど高周波強調のフィルタとな
る。
方法は、ボケ関数を何らかの近似評価基準を用いてex
p関数と近似して、そのexp関数に対して、最小二乗
法で最適逆フィルタを計算する方法を用いる。2次のe
xp関数を
を(0,0)としたときのインデクスを表している。パ
ラメータdの変化に対して、逆フィルタの係数を求め
る。dが小さければボケが大きいことになり逆フィルタ
の高周波強調も大きくなる。また高周波領域での誤差
(エイリアシング)を抑えるために逆フィルタのための
目的関数をδ関数とせずに、高周波帯域を緩和させたも
のにしても良い。一般的な逆フィルタの設計方法として
最小二乗フィルタの計算例を以下に示す。以下の例では
目標とする応答関数をΔ関数としている。
を、線形フィルタで表現したときの係数行列は
表現は
たものを
を行列表現で表すと Ax=b (8) となり、ここで、x,bの中身を
m+1個の要素を持つものとする。
(3)のdの値を指定することによって、鮮鋭化の度合
いが異なるようなパラメトリックな鮮鋭化フィルタとし
て使用できる。従って、像面の画素位置に応じて、像面
の中心からの距離(像高)を割り当て、像高に応じてd
の値を指定することによって、シフトバリアントな鮮鋭
度の回復が可能になる。前記した非対称な係数の鮮鋭化
フィルタに比べると、記憶すべき係数の数が圧倒的に少
ない。
様に、PSFを回転対称な関数で近似できる範囲に限定
してしまうと、特に、単レンズで広角な撮像系のよう
に、軸外の非点収差が大きい場合には、軸上付近でしか
画質の改善が得られない。
れたものであり、その目的とするところは、回転非対称
な鮮鋭度回復フィルタを用いなくとも光軸外の光学性能
の劣化を補償することが可能な補正データ作成方法及び
撮像装置を提供することにある。
めに、第1の発明は、光学系におけるPSF(点広がり
関数)の広がりの対称性を考慮してレンズの焦点面位置
を補正するための補正データを作成する補正データ作成
方法であって、前記PSFの強度を所定の閾値レベルで
2値化する2値化工程と、前記2値化工程で2値化した
PSFに対して外接する最小円を画像の複数の領域につ
いて算出する最小円算出工程と、前記最小円算出工程で
算出した画像の複数の領域についての最小円の径の重み
付け平均値により画像全体のPSFを評価するPSF評
価工程と、前記PSF評価工程で取得した評価値に基づ
いて、レンズの焦点面位置を補正するための補正データ
を算出する補正データ算出工程とを具備する。
正データ作成方法において、前記重み付けは、像面の中
心からの距離に応じて与えられる。
F(点広がり関数)の広がりの対称性を考慮してレンズ
の焦点面位置を補正するための補正データを作成する補
正データ作成方法であって、前記PSFの強度を所定の
閾値レベルで2値化し粒子化する粒子化工程と、この粒
子化工程で2値化したPSFに対して粒子の外周長と粒
子の面積を画像の複数の領域について測定する測定工程
と、前記測定工程で算出した画像の複数の領域について
各粒子の外周長と面積の比率を算出する算出工程と、画
像の複数の領域で、前記算出された外周長及び面積比率
の重み付け平均値により画像全体のPSFを評価するP
SF評価工程と、前記PSF評価工程で取得した評価値
に基づいて、レンズの焦点面位置を補正するための補正
データを算出する補正データ算出工程とを具備する。
正データ作成方法において、前記重み付けは、像面の中
心からの距離に応じて与えられる。
F(点広がり関数)の広がりの対称性を考慮してレンズ
の焦点面位置を補正するための補正データを作成する補
正データ作成方法であって、前記PSFの強度を所定の
閾値レベルで2値化する2値化工程と、前記2値化工程
で2値化したPSFに対して外接する楕円を算出する楕
円算出工程と、前記楕円算出工程で算出した楕円の長軸
と短軸の比率(フェレ比)を画像複数の領域について算
出する比率算出工程と、前記比率算出工程で算出した画
像の複数の領域についてのフェレ比の重み付け平均値に
より画像全体のPSFを評価するPSF評価工程と、前
記PSF評価工程で取得した評価値に基いて、レンズの
焦点面位置を補正するための補正データを算出する補正
データ算出工程とを具備する。
正データ作成方法において、前記重み付けは、像面の中
心からの距離に応じて与えられる。
レンズの焦点を制御する制御手段と、光学系におけるP
SF(点広がり関数)の広がりの対称性を考慮して作成
した焦点の補正データを記憶する補正データ記憶手段
と、前記補正データ記憶手段に記憶された補正データに
基づき、前記制御手段によって設定された焦点面位置を
補正する焦点面補正手段とを具備する。
像装置において、絞りおよびズームを変更する手段を備
えた撮像レンズを更に有し、前記補正データ記憶手段
は、前記撮像レンズの絞り値およびズームに対応した補
正データを記憶するものであり、前記補正データ記憶手
段に記憶された補正データに基づいて前記撮像レンズの
絞り値及びズームに対応する補正データを算出する補間
演算手段を更に有する。
像装置において、前記撮像レンズは前記補正データを記
憶する記憶手段を有し、前記制御手段に対してこの補正
データを与えて焦点を補正する。
ずれか1つの発明に記載の撮像装置において、更に、回
転対称な係数を持つ鮮鋭化フィルタによって画像の鮮鋭
度を回復する回復手段を有する。
SF(点広がり関数)の広がりの対称性を考慮してレン
ズの焦点面位置を補正するための補正データを作成する
補正データ作成方法であって、前記光学系を通して撮像
した画像のコントラスト分布の方向依存性を画像の複数
の領域について算出する工程と、前記算出した画像のコ
ントラスト分布の方向依存性が画像全体で最も少なくな
るように前記光学系の焦点面位置を補正する工程とを備
える。
る補正データ作成方法において、前記、方向依存性を画
像の複数の領域について算出する工程は、注目画素と特
定方向でこの注目画素に隣接する画素との差分から各方
向毎のエッジ強度を所定の領域内で算出する工程と、前
記算出したエッジ強度の絶対値から所定の領域内でのボ
ケの大きさを評価し、各方向のエッジ強度の比率からボ
ケの非対称性を評価する工程と、前記ボケの大きさと非
対称性の評価値が所定の範囲内におさまるように、レン
ズの焦点面位置を補正する工程と、を備えている。
る補正データ作成方法において、前記各方向毎のエッジ
強度を所定領域内で算出する工程は、注目画素と水平方
向の隣接画素、垂直方向の隣接画素の差分値iのヒスト
グラムをそれぞれ、S0x(i)、S 0y(i)とし、画像の空間周
波数の高周波成分を低減するような平滑化フィルタ処理
を行った画像で同様に求めた差分値のヒストグラムをS
3x(i)、S3y(i)としたとき、それぞれの方向のコントラ
ストを表す評価値を
評価し、各方向のコントラストに強さの比率SFx/SFy か
ら、コントラスト(エッジ強度)の方向依存性を評価す
る。
法で作成された補正データを用いてレンズの焦点面位置
を補正する撮像装置において、レンズの焦点を制御する
制御手段と、前記補正データに基づき、前記制御手段に
よって設定された焦点面位置を補正する焦点面補正手段
と、前記焦点面補正手段で焦点面位置が補正されたレン
ズを用いて撮像された画像データに対して、回転対称な
係数を持つ鮮鋭化フィルタによって画像の鮮鋭度を回復
する回復手段とを具備する。
施形態を詳細に説明する。本実施形態では、軸外の非点
収差のように、光学系によるボケ特性が回転非対称な場
合において、回転非対称な広がりの影響を低減して、回
転対称な係数のフィルタカーネルを持つ鮮鋭化フィルタ
によって画質を改善するものである。
形態を説明する。図1は、光軸付近で最も良いMTF
(光学系の結像性能)を示すような光学配置を示す図で
ある。光線は100を光軸とするレンズ200で集光し
像面101に結像する。104は光軸上に集光する光線
束を表し、105は光軸外に集光する光線束を示してい
る。このとき、レンズ200には非点収差があり、メジ
オナル面103とサジタル面102が分離しているよう
な軸外まで考慮する必要がある。メジオナル面103は
光線が光軸を中心とする同心円の接線方向に最も収束す
る面であり、サジタル面102はこれに対して直交する
方向に最も集光する面である。
に、縦方向に潰れて集光したり、横方向に潰れて集光し
たりする。このように、集光する方向によって焦点面が
異なることを非点隔差という。
るにつれて非点隔差が大きくなっていることを示してい
る。
フィルタカーネルを持つ鮮鋭化線形フィルタでの回復能
力について説明する。一般に、レンズの性能を表す点広
がり関数(PSF)が以下の(1)〜(4)の条件の順
番に、回復が容易とされている。
数。
回転対称であることが望ましい。
を持つ光学系で像面をずらしたときに見られる、典型的
な軸外のPSFの形状を示している。このように、像面
の位置によってPSFの対称性が変わることがわかる。
ここでの表示は極座標(r−θ)に従っており、横軸
が、光軸を中心とした同心円の接線方向(θ)であり、
縦軸は光軸から軸外に向けた動径方向になっている。図
2の例の場合では、(A)の形状のPSFが対称型の線
形フィルタで最も回復しやすい。
がりが多少大きくても、回転対称な鮮鋭化フィルタで回
復することが考えられる。そこで、第1実施形態では、
回転対称な係数をもつ鮮鋭化フィルタの特性を考慮して
撮像系の像面を決めるようにする。以下にこの詳細を説
明する。
よりもレンズ200に近づけて201とする。この様に
すると、フィルタによる補正なしの光学系の結像性能
(MTF)は劣化する。
(図4)と、像面が201の位置の場合(図5)におけ
るPSFを、(1)光軸上、(2)像高0.3、(3)
像高0.7で見たものを示している。像面101の位置
では、軸上のMTFが良くなるように設計されているの
で、PSFの広がりは小さい(1011)。これに対し
て像面201の位置ではPSFの広がりが大きくなる
(2011)。
ると、2013では1013に比べ、裾が小さくなって
いることがわかる。これは前述の4)から3)のケース
に近づいていることを示しており、回転対称な鮮鋭化フ
ィルタによって回復する度合いが改善することを示して
いる。
の基準をMTFが最も良くなる様にするだけでなく、P
SFの広がりの対称性も考慮するようにする。評価の手
法として、PSFの強度を最大値で規格化した後、予め
設定した強度の閾値により2値化する。次に2値化図形
の外接円の半径rを像高毎に求める。1/rが大きけれ
ば、その像高でのMTFは良いはずだが、画像としての
見やすさを考慮し、単に各像高での1/rの合計が最大
になるだけではなく、例えば像を10分割して像高i/
10|i=1…10毎の重み係数を作成して、評価関数
Eを
なるようにする。ここで重み付け関数Wiは適切に調整
する。
施形態について説明するための図である。図6からわか
るように、像面が101にあったときの軸外のPSF1
013に外接する円の半径r1は、像面を201にした
場合の、同じ像高のPSF2013に外接する円の半径
r2より大きくなる。
いけば、単にPSFのフーリエ変換の周波数特性でMT
Fを評価して決定している像面に比べて、対称性も考慮
されることになる。
用いて評価関数を作ると、上述のような対称な係数を持
つ鮮鋭化フィルタ処理によって回復効果が大きいような
画像が得られる。
面積で割り算する実施形態について説明するための図で
ある。図7の場合、l1/s1>l2/s2となり10
13の方が、対称性が崩れたものとして評価される。こ
のような評価を像全体に対して行い
接する楕円の長軸と短軸の長さの比率(フェレ比)を基
準として採用する様にしても良い。
ついて説明するための図である。図8でe1,e2は1
013,2013にそれぞれ外接する最小面積の楕円を
示しており、各々のフェレ比をferet(e1),f
eret(e2)とする。個々の評価関数は係数A,B
を用いて
比が大きいので、Liが低い(対称性が低い)と評価さ
れる。この様にしてできる評価関数は
も良く、また従来のMTFの評価と併せて用いても良
い。
形態を説明する。監視カメラ、デジタルカメラ等でAF
を行う場合に、通常行われる画像のエッジ検出や、セパ
レータレンズでの位相検出による焦点検出機構に加え
て、鮮鋭化フィルタの特性を考慮して像面のシフトを行
う量をROMに記録しておき、焦点の補正を行う。
装置の構成を示すブロック図であり、レンズ901と、
AFセンサ902と、AF制御部903と、AF修正デ
ータROM904とから構成される。まず、レンズ90
1、AFセンサ902、AF制御部903によって通常
のAF制御を行う。
ト量をAF修正データROM904から読み出して焦点
の補正を行う。ここで、被写体の距離によってAF修正
データROM904内のデータを選択するようにしても
よい。このように第2実施形態では、鮮鋭化フィルタの
特性を考慮してAFの補正を行う。また、このような焦
点の補正はデジタルカメラに限らず、フィルムカメラ、
撮影後のデジタイズして、画像の補正を行う様な場合で
も良い。
ブロック図である。この変形例ではズーム及び絞りが可
変となっている。レンズ910は絞り変更機能、ズーム
変更機能を備えている。絞りと像倍率が変わる場合に、
絞り・焦点距離毎のAF修正データROM904は、絞
りと像倍率のパラメータの代表値に対して焦点距離を補
正するためのLUT(ルックアップテーブル)を備えて
いる。
ンズの絞り、焦点距離情報を取得し、それぞれのパラメ
ータに対応した焦点面位置の補正値を検出する。そし
て、補間演算部905は、それぞれのパラメータが絞り
・焦点距離毎のAF修正データROM904に記録され
ている代表値の中間の設定値であることを確認し、焦点
距離補正のパラメータの補間演算を行ってAF制御の補
正値をAF制御部903に渡す。
実装されたROM等から読み出すようにしても良い。図
11は、そのような変形例を示すブロック図である。レ
ンズ1010に実装された絞り・ズーム毎のAF修正デ
ータROM1004は、レンズ1010の絞り・ズーム
の情報と、基準の絞り・ズームの情報に対応したAF補
正データを補間演算処理部905に出力する。
内の絞り・ズーム毎のAF修正データROM1004か
ら受け取った基準の絞り・ズームの情報に対応したAF
補正データと実際の絞り・ズームの情報から、実際の絞
り・ズームの設定値に適応したAF補正データを補間演
算により算出してAF制御部903に渡す。
数を持つ鮮鋭化フィルタの特性を考慮して撮像系の像面
を決めるようにしたので、従来に比べて、特に軸外でP
SFが非対称となる領域での解像度特性を向上すること
ができる。また、あらかじめ画像処理の特性を考慮し
て、光学性能と画像処理をトータルに最適化することが
可能となる。
が回転非対称であると、画像のボケ具合に方向依存性を
示す。すなわち、コントラストの強さを方向別に測定す
る方法があれば、PSFの回転非対称性が評価値として
現れると考えられる。
定する方法について説明する。デルタヒストグラムはデ
ジタル画像の鮮鋭度の評価方法として知られているが、
これは、例えば、写真光学の基礎(コロナ社、日本写真
学会編)の559ページに開示されている。本実施形態
では、このデルタヒストグラムを方向別のコントラスト
を評価するために用いる。
定義について説明するための図である。原画素の着目し
ている画素S(図12(a))と、そのx方向の隣接画
素2個の差分とy方向の隣接画素2個の差分(輝度差)
を測定する(図12(b)、(c))。ここで図12
(b)における各数字は各画素の輝度レベルを示し、図
12(c)における各数字は測定した輝度差を示してい
る。ここでは、輝度は8ビット階調(0〜255)を有
するものとする。
ムを所定の領域で測定しその値をSo x(i), Soy(i)とす
る。また、原画像に対して3×3の等しい係数を持つ平
滑化フィルタ
12(a)〜(c)と同様に求めた差分値のヒストグラ
ムをS3x(i)、S3y(i)とする。そして、それぞれの方向
(x方向、y方向)のコントラストを表す評価値を、原
画像と平滑化画像のヒストグラムの差分の積分値とし
て、以下のように定義する。
ルのヒストグラムであり、横軸が輝度差iの絶対値レベ
ルを示し、縦軸が輝度差iの出現頻度S(i)(%)を
示している。ハッチングを施した部分の面積が式(1
4)に相当する。SFx 、SF y の大きさは各方向のコ
ントラストの大きさを表すと共にボケ量の小ささを表し
ている。例えばy方向のボケが大きくなるとSFy <S
Fx という関係になる。
と方向別SF値の関係を示す図である。図13では、図
を見易くするため、B(青)についてのみ表している
が、R(赤)、G(緑)についても同様の関係を有す
る。この図では、非点収差のPSFを用いて、縦方向、
横方向のPSFの広がりの変化を横軸にとって、縦軸に
は方向別のSF値を表している。ここで、B成分のX方
向のSF値をBX、B成分のY方向のSF値をBYとし
ている。
の拡がり/y方向の拡がり)と、方向別SF値の比率(S
Fy /SFx )の関係を示す図である。横軸はlog表
示によるPSFのアスペクト比であり、縦軸はlog表
示によるSF値の比率である。図では、R成分のX方向
のSF値をRX、R成分のY方向のSF値をRY、B成
分のX方向のSF値をBX、B成分のY方向のSF値を
BY、G成分のX方向のSF値をGX、G成分のY方向
のSF値をGYとしている。
ことによって、ボケ量の大きさと共に、ボケの非対称性
を評価することができる。
ボケ量および、画像全体でのボケの回転非対称性を考慮
した焦点面位置の補正値を求めて焦点面位置の補正を行
うことを特徴としている。
プによるAF補正を行うための一構成例を示す図であ
る。光学系/制御・駆動系1201は、レンズ、撮像素
子および、ズーム・フォーカス動作を行なうレンズの駆
動部を含んでおり、ここで得られた画像信号は画像処理
部1202において2次元の画像データに変換される。
方向別SF値算出部1203では画像の場所毎に上述の
方法を用いて方向別SF値の計算を行う。AF補正値算
出部1204は、この求めた方向別のSF値を用いて焦
点面位置の補正値、すなわちフォーカス位置の補正値を
算出する。AFセンサ1206はAFを行うためのセン
サで、通常のAF動作を行う。AF制御部1205は、
AFセンサ1206で得られたAF値と、AF補正値算
出部1204で算出した補正値を考慮したAF値を算出
し、光学系/制御・駆動系1201に出力する。
学系で撮像した画像に対して再び方向別のコントラスト
の評価を行い、以下の(1)、(2)に示すような2つ
の評価値が所定の範囲におさまるようにフィードバック
制御を行い、焦点面位置を補正する。
位置に応じて重み付け加算平均した値から像全体のボケ
量を算出する。
各位置で求め、各位置に対応する量(比率)の重み付け
加算平均から像全体のボケの非対称性を算出する。
を行う他の構成例を示す図である。ここでは、図15の
構成に加えて、焦点距離・ズーム情報読み出し部130
1と、ROM1302とが追加になっている。焦点距離
・ズーム情報読み出し部1301は、光学系/制御・駆
動系1201から、焦点距離及びズーム情報を読み出
す。ROM1302は、読み出された焦点距離とズーム
の情報の組み合わせ毎に所定のAF補正値のルックアッ
プテーブル(LUT)を生成して記憶する。
補正値用LUTを持つROM1302の使用時の一構成
例を示す図である。ここでは、焦点距離・ズーム情報読
み出し部1301からの焦点距離とズームの情報に基づ
いて、ROM1302内のLUTからAFの補正値が参
照され、当該補正値がAF制御部1205に渡されるよ
うになっている。
SFそのものの測定を行わずに、レンズの実測値から、
PSFの拡がりと非対称性を評価し、回転対称なコンボ
リューションフィルタによる画像処理(後処理)に適し
た、AFの補正を行うことが出来る。
上記した第3実施形態によれば、回転対称の係数を持つ
鮮鋭化フィルタの特性を考慮して、PSFの非対称性を
評価する手段を用い、撮像系の像面を補正するようにし
たので、従来に比べて特に、軸外でPSFの非対称性が
大きくなる領域での解像度を向上することができる。
鮮鋭化フィルタであっても、光軸から離れた領域での画
質の劣化を改善することが出来る。
能)を示すような光学配置を示す図である。
見られる、典型的な軸外のPSFの形状を示す図であ
る。
示す図である。
(1)光軸上、(2)像高0.3、(3)像高0.7で
見たときの形状を示す図である。
(1)光軸上、(2)像高0.3、(3)像高0.7で
見たときの形状を示す図である。
いて説明するための図である。
する実施形態について説明するための図である。
るための図である。
示すブロック図である。
ある。
図である。
値の定義について説明するための図である。
向別SF値の関係を示す図である。
向の拡がり)と、方向別SF値の比率(SFy /S
Fx )の関係を示す図である。
補正を行うための一構成例を示す図である。
成例を示す図である。ある。
1302の使用時の一構成例を示す図である。
4)
度)を考えると、PSFを回転対称なものに近似するこ
とが好ましい。以下に示すように、比較的簡単な方法で
パラメトリックなデジタルフィルタを構成することがで
きる。撮像機器の通常の使用目的では、PSFを回転対
称と見なせる範囲で逆フィルタを設計しただけでも周波
数成分の回復ということでは効果がある。
方法は、PSFを何らかの近似評価基準を用いてexp
関数と近似して、そのexp関数に対して、最小二乗法
で最適逆フィルタを計算する方法を用いる。2次のex
p関数を
(0,0)としたときのインデクスを表している。パラ
メータdの変化に対して、逆フィルタの係数を求める。
dが小さければボケが大きいことになり逆フィルタの高
周波強調も大きくなる。また高周波領域での誤差(エイ
リアシング)を抑えるために逆フィルタのための目的関
数をδ関数とせずに、高周波帯域を緩和させたものにし
ても良い。一般的な逆フィルタの設計方法として最小二
乗フィルタの計算例を以下に示す。以下の例では目標と
する応答関数をδ関数としている。
を、線形フィルタで表現したときの係数行列は
表現は
たものを
を行列表現で表すと Ax=b (8) となり、ここで、x,bの中身を
m+1個の要素を持つものとする。
Claims (14)
- 【請求項1】 光学系におけるPSF(点広がり関数)
の広がりの対称性を考慮してレンズの焦点面位置を補正
するための補正データを作成する補正データ作成方法で
あって、 前記PSFの強度を所定の閾値レベルで2値化する2値
化工程と、 前記2値化工程で2値化したPSFに対して外接する最
小円を画像の複数の領域について算出する最小円算出工
程と、 前記最小円算出工程で算出した画像の複数の領域につい
ての最小円の径の重み付け平均値により画像全体のPS
Fを評価するPSF評価工程と、 前記PSF評価工程で取得した評価値に基づいて、レン
ズの焦点面位置を補正するための補正データを算出する
補正データ算出工程と、 を具備することを特徴とする補正データ作成方法。 - 【請求項2】 前記重み付けは、像面の中心からの距離
に応じて与えられることを特徴とする請求項1記載の補
正データ作成方法。 - 【請求項3】 光学系におけるPSF(点広がり関数)
の広がりの対称性を考慮してレンズの焦点面位置を補正
するための補正データを作成する補正データ作成方法で
あって、 前記PSFの強度を所定の閾値レベルで2値化し粒子化
する粒子化工程と、 この粒子化工程で2値化したPSFに対して粒子の外周
長と粒子の面積を画像の複数の領域について測定する測
定工程と、 前記測定工程で算出した画像の複数の領域について各粒
子の外周長と面積の比率を算出する算出工程と、 画像の複数の領域で、前記算出された外周長及び面積比
率の重み付け平均値により画像全体のPSFを評価する
PSF評価工程と、 前記PSF評価工程で取得した評価値に基づいて、レン
ズの焦点面位置を補正するための補正データを算出する
補正データ算出工程と、 を具備することを特徴とする補正データ作成方法。 - 【請求項4】 前記重み付けは、像面の中心からの距離
に応じて与えられることを特徴とする請求項3記載の補
正データ作成方法。 - 【請求項5】 光学系におけるPSF(点広がり関数)
の広がりの対称性を考慮してレンズの焦点面位置を補正
するための補正データを作成する補正データ作成方法で
あって、 前記PSFの強度を所定の閾値レベルで2値化する2値
化工程と、 前記2値化工程で2値化したPSFに対して外接する楕
円を算出する楕円算出工程と、 前記楕円算出工程で算出した楕円の長軸と短軸の比率
(フェレ比)を画像複数の領域について算出する比率算
出工程と、 前記比率算出工程で算出した画像の複数の領域について
のフェレ比の重み付け平均値により画像全体のPSFを
評価するPSF評価工程と、 前記PSF評価工程で取得した評価値に基いて、レンズ
の焦点面位置を補正するための補正データを算出する補
正データ算出工程と、 を具備することを特徴とする補正データ作成方法。 - 【請求項6】 前記重み付けは、像面の中心からの距離
に応じて与えられることを特徴とする請求項5記載の補
正データ作成方法。 - 【請求項7】 レンズの焦点を制御する制御手段と、 光学系におけるPSF(点広がり関数)の広がりの対称
性を考慮して作成した焦点の補正データを記憶する補正
データ記憶手段と、 前記補正データ記憶手段に記憶された補正データに基づ
き、前記制御手段によって設定された焦点面位置を補正
する焦点面補正手段とを具備することを特徴とする撮像
装置。 - 【請求項8】 絞りおよびズームを変更する手段を備え
た撮像レンズを更に有し、前記補正データ記憶手段は、
前記撮像レンズの絞り値およびズームに対応した補正デ
ータを記憶するものであり、前記補正データ記憶手段に
記憶された補正データに基づいて前記撮像レンズの絞り
値及びズームに対応する補正データを算出する補間演算
手段を更に有することを特徴とする請求項7記載の撮像
装置。 - 【請求項9】 前記撮像レンズは前記補正データを記憶
する記憶手段を有し、前記制御手段に対してこの補正デ
ータを与えて焦点を補正することを特徴とする請求項8
記載の撮像装置。 - 【請求項10】 更に、回転対称な係数を持つ鮮鋭化フ
ィルタによって画像の鮮鋭度を回復する回復手段を有す
ることを特徴とする請求項7から請求項9のいずれか1
つに記載の撮像装置。 - 【請求項11】 光学系におけるPSF(点広がり関
数)の広がりの対称性を考慮してレンズの焦点面位置を
補正するための補正データを作成する補正データ作成方
法であって、 前記光学系を通して撮像した画像のコントラスト分布の
方向依存性を画像の複数の領域について算出する工程
と、 前記算出した画像のコントラスト分布の方向依存性が画
像全体で最も少なくなるように前記光学系の焦点面位置
を補正する工程と、を備えている事を特徴とする補正デ
ータ作成方法。 - 【請求項12】 前記、方向依存性を画像の複数の領域
について算出する工程は、 注目画素と特定方向でこの注目画素に隣接する画素との
差分から各方向毎のエッジ強度を所定の領域内で算出す
る工程と、 前記算出したエッジ強度の絶対値から所定の領域内での
ボケの大きさを評価し、各方向のエッジ強度の比率から
ボケの非対称性を評価する工程と、 前記ボケの大きさと非対称性の評価値が所定の範囲内に
おさまるように、レンズの焦点面位置を補正する工程
と、を備えている事を特徴とする請求項11記載の補正
データの作成方法。 - 【請求項13】 前記各方向毎のエッジ強度を所定領域
内で算出する工程は、注目画素と水平方向の隣接画素、
垂直方向の隣接画素の差分値iのヒストグラムをそれぞ
れ、S0x(i)、S0y(i)とし、画像の空間周波数の高周波成
分を低減するような平滑化フィルタ処理を行った画像で
同様に求めた差分値のヒストグラムをS3 x(i)、S3y(i)と
したとき、それぞれの方向のコントラストを表す評価値
を 【数1】 として、この評価値の絶対値からコントラストの強さを
評価し、各方向のコントラストに強さの比率SFx/SFy か
ら、コントラストの方向依存性を評価することを特徴と
する請求項12記載の補正データの作成方法。 - 【請求項14】 請求項11から請求項13に記載の補
正データ作成方法で作成された補正データを用いてレン
ズの焦点面位置を補正する撮像装置において、 レンズの焦点を制御する制御手段と、 前記補正データに基づき、前記制御手段によって設定さ
れた焦点面位置を補正する焦点面補正手段と、 前記焦点面補正手段で焦点面位置が補正されたレンズを
用いて撮像された画像データに対して、回転対称な係数
を持つ鮮鋭化フィルタによって画像の鮮鋭度を回復する
回復手段と、 を具備することを特徴とする撮像装置。
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