JP2015004883A - 結像光学系および撮像システムおよび撮像方法 - Google Patents

結像光学系および撮像システムおよび撮像方法 Download PDF

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Abstract

【課題】球面収差が付加され、像面湾曲の影響を有効に軽減した被修正画像を形成できる結像光学系を実現する。
【解決手段】結像光学系202により被写体201の像を結像させ、前記像を撮像素子205により撮像して画像データを出力させ、該画像データを入力される画像処理部206により、前記画像データに対して復元処理を施す撮像システムに用いられる結像光学系であって、被写界深度を拡大するために意図的に球面収差のみを付加されて、撮像素子の受光面に形成される点像の有効領域が、撮像素子の受光画素の3画素以上に亘る大きさとなるように構成され、前記意図的に球面収差を付加される以前の状態における像面湾曲の最大値:Bが、付加後の球面収差量:Aに対し、条件:(1)A/10≧B を満足することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

この発明は、結像光学系および撮像システムおよび撮像方法に関する。
画像センサとしては従来からCCD(Charge Coupled Device)が広く知られている。
またCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)も広く使用されつつある。
これら「CCDやCMOSなどの画像センサを持った撮像システム」は各種の撮像装置として広く知られている。
このような撮像システムにおいて、画像処理を前提として光学系を設計し、光学系で得られた画像を復元処理により「より良好な画像」として復元させることが知られている。
例えば、特許文献1には、波面変調素子で結像光束を規則的に分散して撮像した画像をデジタル処理で復元し、被写界深度の深い撮影を可能にする方法が開示されている。
即ち、特許文献1記載の方法では、点像分布関数:PSF(Point spread function)が撮像素子のピッチの2倍より大きいレンズで「ピントのぼけた画像」を撮像する。
そして、撮像された「ピントのぼけた画像」に対して、PSFに基づいた逆重畳フィルタを用いることによって「ピントのぼけを修正した画像」を得ることが開示されている。
以下、「ピントのぼけた画像」を「被修正画像」と呼ぶことにする。
一般論として、撮像すべき像を結像する光学系に球面収差を付加することにより「画像中心における被写界深度」は拡大される。
しかし画像全体で見た場合「被修正画像におけるピントのぼけの程度」は、画像中心部と画像周辺部等の「画像の他の領域部分」とで同じになるとは限らない。
即ち、像面湾曲が存在すると、その影響で「ピントのぼけの程度」が、被修正画像の全域で均一にはならない。
例えば、結像光学系の光軸上でピントがあっていても、像面湾曲があると画像センサの受光面と結像面とが乖離し、この乖離した部分では画像センサ上の像のピントがぼける。
従って、被修正画像における「ピントのボケ具合」が画像全面で均一にならない。
このため、被写界深度拡大の所望の効果を得ることができない。
この発明は、球面収差が付加されながらも、像面湾曲の影響を有効に軽減した被修正画像を形成できる結像光学系の実現を課題とする。
この発明の結像光学系は、結像光学系により被写体の像を結像させ、前記像を撮像素子により撮像して画像データを出力させ、該画像データを入力される画像処理部により、前記画像データに対して復元処理を施す撮像システムに用いられる結像光学系であって、被写界深度を拡大するために意図的に球面収差のみを付加されて、撮像素子の受光面に形成される点像の有効領域が、撮像素子の受光画素の3画素以上に亘る大きさとなるように構成され、前記意図的に球面収差を付加される以前の状態における像面湾曲の最大値:Bが、前記球面収差付加後の球面収差量:Aに対し、条件:
(1) A/10≧B
を満足することを特徴とする。
この発明の結像光学系によれば、球面収差が付加されながらも、像面湾曲の影響を有効に軽減した被修正画像を形成できる結像光学系が実現される。
撮像システムの実施の1形態を説明するためのブロック図である。 撮像レンズユニットの具体的1例(実施例)を示す図である。 撮像レンズユニットの実施例の横収差図である。 撮像レンズユニットの実施例の縦収差図である。 撮像レンズユニットの実施例の像面湾曲とディストーションの図である。 撮像レンズユニットの実施例の被写体距離:370mmのMTFである。 撮像レンズユニットの実施例の被写体距離:400mmのMTFである。 撮像レンズユニットの実施例の被写体距離:430mmのMTFである。 MTF曲線による被写界深度を説明するための図である。 被写界深度の拡大を説明する図である。 被写界深度の拡大に対する像面湾曲の影響を説明する図である。 空間周波数によるMTF曲線のピーク位置のシフトを説明する図である。 空間周波数によるMTF曲線のピーク位置のシフトを説明する図である。 空間周波数によるMTF曲線のピーク位置のシフトを説明する図である。
以下、実施の形態を説明する。
図1は、撮像システムの実施の形態を示すブロック図である。
撮像システムは、撮像レンズユニット202と、撮像素子205と、画像処理部206を有し、被写体201の撮像を行う。
被写体201は、例えば「バーコードや2次元コード」あるいは「文字列」などであることができる。
この場合には、撮像システムは「コードや文字列を読取るための読取装置」である。
被写体201はまた、製品検査の対象となる「製造された製品」であることができる。
この場合の撮像システムは「検査用カメラ装置」として実施できる。
撮像レンズユニット202は「1枚以上のレンズを有する光学系」である。撮像レンズユニット202を構成するレンズ系は「結像光学系」である。
混同の恐れはないと思われるので、以下において、撮像レンズユニットを構成するレンズ系を、結像光学系202とも言う。
結像光学系202により形成される撮像素子205上の「被写体201の像」が撮像素子205により読み取られる。このように読取られた画像が「被修正画像」である。
コードや文字列を読取るための読取装置や、検査用カメラ装置では、被写体201と撮像レンズユニット202との距離(被写体距離)が変動し易い。
被写体位置が「結像光学系202による撮像素子205の受光面と共役な位置」に合致するときがピントの合った状態である。
結像光学系202の被写界深度が浅いと、撮像素子205が読取る被修正画像の「ピントのボケ」が、被写界距離の変動により大きく変動しやすい。
この変動を抑制するために、撮像システムにおける結像光学系202は「被写界深度が深い」ことが好ましい。
説明中の実施の形態においては、結像光学系202中に配置された絞り204の近傍に、位相板203が挿入されている。
位相板203は「被写界深度を拡大させるための球面収差」を発生させるものである。
即ち、位相板203により「撮像素子205の受光面における点像の有効領域が3画素以上にまたがる」ように結像光束を拡散させる。
「点像の有効領域」は、点像分布関数:PSFの「1/e」以上の領域である。なお「e」は自然対数の底(≒2.71828)である。
このようにして、結像光学系202により撮像素子205の受光面に結像し、被修正画像として撮像される像は「被写体201の、収差が発生した状態の像」である。
即ち、被写体距離の変化に対して「PSFが変化し難くなるような球面収差」を意図的に与え、取得した被修正画像を復元処理により復元する。
被写界深度が拡大すると、拡大した被写界深度内では、被写体距離が変化してもPSFは実質的に変化しない。
従って、「拡大した被写界深度内の被写体」を撮像した被修正画像の復元は「同一のアルゴリズム」で実行できる。
なお、この発明の結像光学系は「収差を持つことが許容される」ため、通常よりもレンズにかかるコストを抑えることができるというメリットが有る。
説明中の実施の形態では、位相板203により「球面収差の意図的付加」を行っているが、球面収差の付加には必ずしも位相板を用いなくともよい。
例えば、特許文献2には「位相板を用いずに被写界深度を拡大する撮像システム」が開示されており、この発明は、このような形態にも対応できる。
撮像素子205としては一般的な固体撮像素子、即ち、CCDセンサやCMOSセンサなどを使用できる。
撮像素子205からは「被修正画像の画像データ」が出力され、出力された画像データは、画像処理部206に入力される。
画像処理部206は、入力された被修正画像の画像データに対して復元処理を行う。この復元処理は「位相板203により拡散されたPSFを復元する画像処理」である。
画像処理部206としては、コンピュータや、FPGA(Field-Programmable Gate Array)のような集積回路を用いることができる。
画像処理は、前者であれば「ソフトウェアによる処理」で、後者であれば「ハードウェア処理」で行うことができる。
被修正画像に対する復元処理は、従来から知られた一般的な画像処理である「逆フィルタ処理」や「ウィーナフィルタ処理」のアルゴリズムで行うことができる。
ウィーナフィルタの変わりに、ウィーナフィルタをフーリエ変換した「カーネルフィルタ」を用いるコンボリューション処理による画像処理を用いると演算が容易である。
ウィーナフィルタ処理については、例えば被特許文献1に詳しい説明があり、従来から広く知られている。
ここで、球面収差の付加による結像光学系の被写界深度の拡大と、結像光学系の像面湾曲の影響を説明する。
図9は、結像光学系のデフォーカス量(ピントのズレ量)に対する被修正画像のMTFの変化の1例を示している。
図9に示された各曲線を以下「MTF曲線」と呼ぶことにする。
MTF曲線は、ある特定の空間周波数に対するMTFが「デフォーカスによりどのように変化するか」を示す曲線である。
図9には、6本のMTF曲線が描かれている。
図9において「T」はタンジェンシアル、「S」は「サジタル」を意味し、0.0000mm、2.0000mm、4.0000mmとあるのは「像高」である。
即ち、被修正画像の3つの像高:0.00mm、2.00mm、4.00mmの位置におけるタンジェンシアルとサジタルのMTF曲線がそれぞれ描かれている。
なお、図9のMTF曲線を与える結像光学系には「球面収差の意図的な付加」は行われていない。
図9の、横軸はデフォーカス量で、横軸の0座標が「ピントの合った像面」である。縦軸は、各デフォーカス量を持った面におけるMTFの値(0.0〜1.0)である。
横軸は0.1mm刻みで±0.5mmの範囲が描かれている。
MTF曲線は、上記の如く「ある特定の空間周波数に対するMTFの、デフォーカスによる変化」を表している。
即ち、MTF曲線は、空間周波数が異なれば異なったものとなる。
撮像素子により被修正画像を撮像する場合、撮像の解像度は、撮像素子を構成する受光画素の配列ピッチにより定まる。
このような解像度に関する空間周波数として、撮像素子に応じて定まる「ナイキスト空間周波数」がある。
このナイキスト空間周波数の1/2を1/2ナイキスト空間周波数、1/4を「1/4ナイキスト空間周波数」と呼ぶ。
実用上は、1/4ナイキスト空間周波数を上限として「1/4ナイキスト空間周波数までの空間周波数範囲」で、所定のMTFが確保されれば良いとされている。
図9のMTF曲線は「1/4ナイキスト空間周波数におけるMTFの、デフォーカスによる変化」を表すものである。
図9において、説明上の1例として、図中の6本のMTF曲線の全てが0.3以上となる領域:Aを「被写界深度:A」とする。
即ち、この被写界深度:A内で撮像された被修正画像は「同一のアルゴリズム」による復元処理が可能である。
図9における被写界深度:Aは、0.4mm弱である。
図10は「図9のMTF曲線を与える結像光学系」に対して、球面収差を意図的に付加したときのMTF曲線を、図9に倣って示している。
球面収差が付加されたことにより、PSFの有効領域が拡大し、MTF曲線のピークが低くなっている。
図10の場合に、図9に倣ってMTF=0.3以上となる領域を「被写界深度:B」とすると、この被写界深度:Bは、0.55mm程度である。
即ち、球面収差の付加により被写界深度は0.15mm程度拡大している。
このように、球面収差の付加により被写界深度を拡大できる。
図11は、「図9のMTF曲線を与える結像光学系」に対して、球面収差を付加して被写界深度を2倍以上に拡大した場合を示している。
図11に示す例では「図9のMTF曲線を与える結像光学系」が、付加した球面収差の1/10より大きい像面湾曲を有している。
図11の場合に、図9にならってMTF=0.3以上となる領域を「被写界深度:C」とすると、被写界深度:Cは0.2mm程度である。
即ち、この場合、球面収差を付加したことにより、被写界深度は付加前よりも短くなっている。
即ち、結像光学系に「ある程度以上の像面湾曲」がある場合、球面収差を付加しても、被写界深度拡大の実質的効果は得られない。
発明者らは「球面収差の付加による被写界深度拡大に対する像面湾曲の影響」を研究した結果、以下の事実を見出した。
即ち、意図的に球面収差を付加される以前の状態における結像光学系の像面湾曲の最大値をB、意図的に球面収差を付加された後の球面収差量をAとする。
このとき、AとBとが以下の条件:
(1) A/10≧B
を満足すれば、被写界深度拡大に対する像面湾曲の影響を実質的に除去できる。
即ち、球面収差を付加する結像光学系を設計するに当たって、まず、球面収差を付加しない状態の結像光学系は「像面湾曲」を極力抑えて設計する。
そして、球面収差の付加の際には「球面収差のみが付加」されるようにし、前記「像面湾曲の最大量」が、球面収差付加後の球面収差量の1/10以下になるようにする。
以下、結像光学系の具体例(以下「実施例」と言う)を挙げる。
図2は、実施例のレンズ構成を示す。
図2において左方が物体側(即ち被写体側)であり、右方が像面側(即ち撮像素子側)である。図において符号L1〜L3、L5〜L7はレンズ、符号Sは絞りを示す。
また、符号ISは撮像素子の受光面であり、実施例の像面である。
符号L4は「被写界深度を拡大させるための球面収差」を付加する位相板を示す。
即ち、結像光学系202の実施例は、位相板L4も含めて7枚構成であり、絞りSの面は、物体側から数えて第9面となっている。
位相板L4は、結像光学系に球面収差を意図的に付加するためのものである。
被写界深度を拡大する光学系では、このように「球面収差を付加する位相板を絞りの近傍に配置」する構成が一般的である。
実施例のデータを表1に示す。
Figure 2015004883
表1において、「Type」は「面の形状」、「STANDARD」は面の形状が「通常の球面または平面」であることを意味する。
また「ASPHERE」は面の形状が「非球面形状」であることを意味する。
「Curvature」は面の曲率で、その逆数が曲率半径である。なお、曲率は、非球面にあっては「近軸曲率」である。
「Thickness」は面間隔を意味する。
また「Glass」は硝材を意味し、「Semi-Diameter」は各面の有効半径である。長さの次元を持つ量の単位は「mm」である。
上記表記において例えば「3.07E-02」は「3.07×10-2」を意味する。
表1から明らかなように、実施例においては、位相板L4の「絞りSの側の面」のみが非球面である。
非球面は、軸上の曲率半径と、光軸からの距離:hの多項式によって表される。
実施例結像光学系の第8面(位相板L4の像側面)の非球面を特定するデータ(非球面データ)を表2に示す。
Figure 2015004883
表2において、「Surf」は面、「Aspheric」は非球面、「Normalized Radius」は正規化基準円半径を意味する。
「非球面の形状」は次式で示す多項式で表している。
Z=Σa(|h/r|) n=2〜10
この多項式において「r」は、上記「Normalized Radius」であり、「h」は光軸からの距離である。
表2における「h〜h10」は、2次ないし10次を示し、右欄はこれらの次数に対する係数(=a〜a10)を表す。
実施例の、横収差図を図3に、縦収差図(球面収差)を図4に、像面湾曲とディストーションを図5に示す。
これら図3〜図5において、「r」は波長:656nm、「g」は588nm、「b」は286nmの光波長を意味する。
図3の横収差と、図5のディストーションについては、収差曲線はr、g、bについて実質的に分離しておらず互いに重なっている。
図3に示す「横収差」、図5に示す「像面湾曲とディストーション」は、位相板L4の上記非球面による「球面収差の付加」の前後で、実質的に変化していない。
即ち、位相板L4の非球面は、結像光学系に対して「球面収差のみ」を付加している。
図4に示す縦収差の図から明らかなように「0.7mm以上の大きい球面収差」が発生している。これが「位相板L4による球面収差付加の結果」である。
このような大きい球面収差により、点像分布関数(PSF)が拡散し、MTFは低下している。
一方、問題となる「像面湾曲量の最大値」は、各波長に対する曲線の、縦軸の「0座標と最大座標」との間における「横軸座標の差」の最大値である。
図5から明らかなように、「像面湾曲量の最大値」は0.02mmより小さい。
すなわち、実施例では、像面湾曲の最大量:0.02mmは、意図的に付加されて増大した球面収差量:0.7mmの1/10より小さい。
従って、像面湾曲の影響を受けることなく、被写界深度を拡大することができる。
上に示した実施例の結像光学系の被写体距離:370mm、400mm、430mmにおけるMTFを、図6、図7、図8に順次示す。
実施例の結像光学系に対する「設計上の被写体距離」は400mmとしている。
これらの図における横軸は空間周波数「サイクル/mm」で、縦軸はMTFである。
これらの図においても「T」はタンジェンシアル、「S」はサジタルを意味し、0.0000mm、1.5000mm、3.0000mmは像高である。
これらの図から明らかなように、同じ被写体距離では、MTFの挙動は「像高の影響」を殆ど受けない。
これは、像面湾曲が十分に小さいことによる。
実施例の結像光学系による被写体の像を撮像する撮像素子のナイキスト周波数を、仮に40サイクル/mmとしてみる。
この場合、1/4ナイキスト空間周波数は10サイクル/mmとなるが「空間周波数:0〜10サイクル/mmの空間周波数範囲」で撮像する場合を考える。
この場合、被写体距離が370mm、400mm、430mmの何れの場合においても「0.3以上のMTFでの撮像」が可能である。
即ち、実施例の結像光学系は「被写界距離の範囲」が極めて大きい。
被写界深度を拡大したことにより、被修正画像のMTFは低下するが、被修正画像に対する復元処理により、MTFを復元させて良好な復元画像を得ることができる。
また「像面湾曲が、付加後の球面収差の1/10以下」であれば、画像中心と周辺のデフォーカスによるズレは略なくなり、被写界深度が拡大する。
ところで、位相板により球面収差を付加する場合、撮像素子の受光面上における像の空間周波数により「MTF曲線のピーク位置」がシフトする。
即ち、MTF曲線のピーク位置を与えるデフォーカス量が変化する。
この「ピーク位置のシフト」は、結像光学系に像面湾曲があると「像の中心部と像の周辺部」でシフト量が異なる。
像面湾曲は一般に、像の周辺部において大きく、このため、ピーク位置のシフト量は像の周辺部、即ち、像高の高い部分ほど大きくなり易い。
図11のMTF曲線を与える結像光学系は、前述の如く「球面収差の1/10より大きい像面湾曲」を有している。
像高:0.0000mmと、中心に近い像高:2.0000mmとでは、ピーク位置のシフトの大きさは略同じであるが、像高:7.000mmではシフト量が大きい。
被写界深度は、前述の如く、これら3つの像高の全てにおけるT、SのMTF曲線の全てが0.3以上となる領域である。
そして、像高:7.000mmでのMTF曲線のピーク位置が、図の左方へ大きくシフトしていることが、被写界深度の拡大を妨げている。
このような「被写界深度の拡大」が妨げられないためには、以下の2点が満足されることが好ましい。
即ち、第1に、拡大された被写界深度の画像周辺のMTF曲線の広がりが、中心像高のMTF曲線の広がりの中に納まること。
第2に、1/4ナイキスト周波数の画像周辺のMTF曲線の広がりが、中心像高のMTF曲線の広がりの中に納まること。
このようになっていれば、像面湾曲による「MTF曲線のピーク位置のシフト」があっても、被写界深度の拡大に影響しない。
これらの条件は「像面湾曲が球面収差の1/10以下」であれば満足させることができ、「画面全体でのボケ量」を一定量に抑えることができ、被写界深度を拡大出来る。
実施例の結像光学系のMTF曲線の様子を、図12、図13、図14に示す。
図12は、空間周波数:10サイクル/mmの場合、図13は、空間周波数:20サイクル/mmの場合、図14は、空間周波数:40サイクル/mmの場合である。
前提として、ナイキスト空間周波数を40サイクル/mmとしている。
図12〜図14に示すように、MTF曲線のピーク位置は、空間周波数に応じてシフトしている。
即ち、空間周波数が高いほど、ピーク位置はデフォーカスの「+側」にシフトする。
しかし、拡大された被写界深度の画像周辺のMTF曲線と、1/4ナイキスト周波数の画像周辺のMTF曲線は共に、中心像高のMTF曲線の広がりの中に納まっている。
実施例の結像光学系では、像面湾曲が球面収差の1/10より小さいことによる。
上に実施の形態を説明した結像光学系は、撮像システムに用いられるものである。
撮像システムは、結像光学系202により被写体201の像を結像させ、像を撮像素子205により撮像して画像データを出力させる。
そして、該画像データを入力される画像処理部206により、前記画像データに対して復元処理を施す。
結像光学系は、被写界深度を拡大するために意図的に球面収差のみを付加され、撮像素子205の受光面に形成される点像の有効領域が、撮像素子205の受光画素の3画素以上に亘る大きさとなるように構成されている。
そして、意図的に球面収差を付加される以前の状態における像面湾曲の最大値:Bは、球面収差付加後の球面収差量:Aに対し、条件:
(1) A/10≧B
を満足する。
また、上に説明した実施例は、拡大された被写界深度の画像周辺のMTF曲線の広がりが、中心像高のMTF曲線の広がりの中に納まり、且つ、1/4ナイキスト周波数の画像周辺のMTF曲線の広がりが、中心像高のMTF曲線の広がりの中に納まる。
また、上に説明した結像光学系は、結像光学系を構成する複数のレンズL1〜L7中に、球面収差のみを付加するための位相板L4を有する。
位相板L4による球面収差の付加が無い状態における像面湾曲の最大値:B(0.02mm)が、位相板による付加後の球面収差:A(0.7mm)の1/10以下である。
さらに、実施例の結像光学系は、被写体側から撮像素子側へ向かって順次、正の第1レンズL1、正の第2レンズL2、負の第3レンズL3、位相板L4、絞りS、負の第4レンズL5、正の第5レンズL6、正の第6レンズL7を配してなり、位相板L4により球面収差のみが付加されている。
また、図1に示す撮像システムは、被写体201の像を結像させる結像光学系202と、結像光学系202から入射する光を受光する撮像素子205と、撮像素子205から出力された画像データに復元処理を施す画像処理部206と、を有する。
そして、上に説明した結像光学系が用いられる。
従って、この撮像システムを用いることにより、球面収差を付加して被写界深度を拡大した結像光学系により形成される被写体の像を撮像素子により撮像し、撮像素子から出力された画像に対して画像処理部により復元処理を施す撮像方法が実施される。
201 被写体
202 結像光学系
203 位相板
205 撮像素子
206 画像処理部
特許4377404号公報 特開2010−213274号公報
田村秀行「コンピュータ画像処理」

Claims (6)

  1. 結像光学系により被写体の像を結像させ、前記像を撮像素子により撮像して画像データを出力させ、該画像データを入力される画像処理部により、前記画像データに対して復元処理を施す撮像システムに用いられる結像光学系であって、
    被写界深度を拡大するために意図的に球面収差のみを付加されて、撮像素子の受光面に形成される点像の有効領域が、撮像素子の受光画素の3画素以上に亘る大きさとなるように構成され、
    前記意図的に球面収差を付加される以前の状態における像面湾曲の最大値:Bが、前記球面収差付加後の球面収差量:Aに対し、条件:
    (1) A/10≧B
    を満足することを特徴とする結像光学系。
  2. 請求項1記載の結像光学系において、
    拡大された被写界深度の画像周辺のMTF曲線の広がりが、中心像高のMTF曲線の広がりの中に納まり、
    且つ、1/4ナイキスト周波数の画像周辺のMTF曲線の広がりが、中心像高のMTF曲線の広がりの中に納まることを特徴とする結像光学系。
  3. 請求項1または2記載の結像光学系において、
    結像光学系を構成する複数のレンズ中に、球面収差のみを付加するための位相板を有し、該位相板による球面収差の付加が無い状態における像面湾曲の最大値:Bが、前記位相板による付加後の球面収差:Aの1/10以下であることを特徴とする結像光学系。
  4. 請求項3記載の結像光学系において、
    被写体側から撮像素子側へ向かって順次、正の第1レンズ、正の第2レンズ、負の第3レンズ、位相板、絞り、負の第4レンズ、正の第5レンズ、正の第6レンズを配してなり、前記位相板により球面収差のみを付加することを特徴とする結像光学系。
  5. 被写体の像を結像させる結像光学系と、
    該結像光学系から入射する光を受光する撮像素子と、
    該撮像素子から出力された画像データに復元処理を施す画像処理部と、を有する撮像システムにおいて、
    結像光学系として、請求項1〜4の任意の1に記載のものを用いることを特徴とする撮像システム。
  6. 球面収差を付加して被写界深度を拡大した結像光学系により形成される被写体の像を撮像素子により撮像し、前記撮像素子から出力された画像に対して画像処理部により復元処理を施す撮像方法であって、
    請求項5記載の撮像システムを用いて実施することを特徴とする撮像方法。
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