JP2003171527A - 熱可塑性エラストマー組成物 - Google Patents

熱可塑性エラストマー組成物

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JP2003171527A
JP2003171527A JP2002241405A JP2002241405A JP2003171527A JP 2003171527 A JP2003171527 A JP 2003171527A JP 2002241405 A JP2002241405 A JP 2002241405A JP 2002241405 A JP2002241405 A JP 2002241405A JP 2003171527 A JP2003171527 A JP 2003171527A
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elastomer composition
component
copolymer
thermoplastic elastomer
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Application number
JP2002241405A
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English (en)
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Michihisa Tasaka
道久 田坂
Tomozo Ogawa
智三 小川
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Riken Technos Corp
Original Assignee
Riken Technos Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱変形性、耐油性、複合押出成形時及び複
合射出成形時の熱融着性等に優れる熱可塑性エラストマ
ー組成物及びそれを用いた複合成形体の製造方法の提
供。 【解決手段】 (a)芳香族ビニル化合物を主体とする
重合体ブロックAの少なくとも2個と、共役ジエン化合
物を主体とする重合体ブロックBの少なくとも1個とか
らなるブロック共重合体10〜99重量%とオレフィン
系共重合体ゴム90〜1重量%からなるエラストマー1
00重量部、(b)パーオキサイド分解型オレフィン系
樹脂3〜150重量部、及び(c)非晶質ポリオレフィ
ン1〜80重量部を含有することを特徴とする熱可塑性
エラストマー組成物及びそれを用いた複合成形体の製造
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性エラスト
マー組成物及びそれを用いた複合成形体の製造方法に関
し、特に、耐熱変形性、耐油性、複合押出成形時及び複
合射出成形時の熱融着性等に優れる熱可塑性エラストマ
ー組成物及びそれを用いた複合成形体の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、オレフィン系樹脂層とスチレン系
熱可塑性エラストマー(スチレン系TPE)からなる複
合成形体は、スチレン系TPEの主成分として、水添系
スチレン系エラストマーであるスチレン−エチレン・ブ
テン−スチレン共重合体(SEBS)、スチレン−エチ
レン・プロピレン−スチレン共重合体(SEPS)、ス
チレン−エチレン・エチレン・プロピレン−スチレン共
重合体(SEEPS)等を用いていた。
【0003】しかし、これらのスチレン系TPEは、軟
化剤を相当量含んでおり、架橋も不十分なことから、耐
傷付き性、耐熱変形性、耐油性に問題があり、さらにこ
のような複合成形体は70℃以上の高温下での熱融着性
が必ずしも十分ではないといった問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
に鑑み、耐熱変形性、耐油性、複合押出成形時及び複合
射出成形時の熱融着性等に優れる熱可塑性エラストマー
組成物及びそれを用いた複合成形体の製造方法を提供す
ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、非水添のスチレ
ン系エラストマーとオレフィン系ゴムの組成物にパーオ
キサイド分解型ポリオレフィンと非晶質ポリオレフィン
を配合することにより、耐熱変形性、耐油性、多色押出
成形時及び多色射出成形時の熱融着性等に優れる熱可塑
性エラストマーが得られることを見出し、本発明を完成
した。
【0006】すなわち、本発明の第1の発明は、(a)
(a−1)芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロ
ックAの少なくとも2個と、共役ジエン化合物を主体と
する重合体ブロックBの少なくとも1個とからなるブロ
ック共重合体10〜99重量%と(a−2)オレフィン
系共重合体ゴム90〜1重量%からなるエラストマー1
00重量部、(b)パーオキサイド分解型オレフィン系
樹脂3〜150重量部、及び(c)非晶質ポリオレフィ
ン1〜80重量部を含有することを特徴とする熱可塑性
エラストマー組成物である。
【0007】また、本発明の第2の発明は、(d)有機
過酸化物0.01〜0.8重量部を更に含む第1の発明
に記載の熱可塑性エラストマー組成物である。
【0008】また、本発明の第3の発明は、(e)ゴム
用軟化剤1〜50重量部を更に含む第1又は2の発明に
記載の熱可塑性エラストマー組成物である。
【0009】また、本発明の第4の発明は、(e)芳香
族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックAの少なく
とも2個と、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロ
ックBの少なくとも1個とからなるブロック共重合体を
水素添加して得られる水添ブロック共重合体1〜20重
量部を更に含む第1〜3のいずれかの発明に記載の熱可
塑性エラストマー組成物である。
【0010】また、本発明の第5の発明は、第1〜4の
いずれかの発明に記載の熱可塑性エラストマー組成物を
複合押出成形、複合射出成形(インサート方式、コアバ
ック方式)加工してなる複合成形体の製造方法である。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明を構成する成分、製造方
法、用途について以下に詳細に説明する。
【0012】1.熱可塑性エラストマー組成物の構成成
分 (1)エラストマー成分(a) 本発明で用いるエラストマー成分(a)は、次の(a−
1)と(a−2)からなるエラストマーである。
【0013】(a−1)ブロック共重合体 ブロック共重合体成分(a−1)は、芳香族ビニル化合
物を主体とする重合体ブロックAの少なくとも2個と、
共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBの少な
くとも1個とからなるブロック共重合体である。例え
ば、A−B−A、B−A−B−A、A−B−A−B−A
等の構造を有する芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合
物ブロック共重合体を挙げることができる。
【0014】上記ブロック共重合体は、芳香族ビニル化
合物を5〜60重量%、好ましくは20〜50重量%含
み、芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックA
は、好ましくは、芳香族ビニル化合物のみから成る重合
体ブロックか、または芳香族ビニル化合物50重量%以
上、好ましくは70重量%以上と1種以上の他のモノマ
ー、例えば、共役ジエン化合物等との共重合体ブロック
である。また、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブ
ロックBは、好ましくは、共役ジエン化合物のみから成
る重合体ブロックか、または共役ジエン化合物50重量
%以上、好ましくは70重量%以上と1種以上の他のモ
ノマー、例えば、芳香族ビニル化合物等との共重合体ブ
ロックである。
【0015】上記ブロック共重合体の溶液粘度(5%ト
ルエン溶液、77°F、ASTMD−2196)の範囲
は、好ましくは5〜500cps、より好ましくは20
〜300cpsである。
【0016】上記ブロック共重合体の分子構造は、直鎖
状、分岐状、放射状あるいはこれらの任意の組合せのい
ずれであってもよい。
【0017】また、これらの芳香族ビニル化合物を主体
とする重合体ブロックA、共役ジエン化合物を主体とす
る重合体ブロックBにおいて、分子鎖中の共役ジエン化
合物又は芳香族ビニル化合物由来の単位の分布がランダ
ム、テーパード(分子鎖に沿ってモノマー成分が増加又
は減少するもの)、一部ブロック状又はこれらの任意の
組合せでなっていてもよい。芳香族ビニル化合物を主体
とする重合体ブロックA又は共役ジエン化合物を主体と
する重合体ブロックBがそれぞれ2個以上ある場合に
は、各重合体ブロックはそれぞれが同一構造であっても
異なる構造であってもよい。
【0018】ブロック共重合体を構成する芳香族ビニル
化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレ
ン、ビニルトルエン、p−第3ブチルスチレン等のうち
から1種又は2種以上を選択でき、なかでもスチレンが
好ましい。また共役ジエン化合物としては、例えば、ブ
タジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3
−ジメチル−1,3−ブタジエン等のうちから1種又は
2種以上が選ばれ、なかでもブタジエン、イソプレン及
びこれらの組合せが好ましい。
【0019】上記ブロック共重合体の具体例としては、
スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(SBS)、
スチレン−イソプレン−スチレン共重合体(SIS)、
スチレン−イソプレン・ブタジエン−スチレン共重合体
(SIBS)等が挙げられる。
【0020】これらのブロック共重合体の製造方法とし
ては数多くの方法が提案されているが、代表的な方法と
しては、例えば特公昭40−23798号公報に記載さ
れた方法により、リチウム触媒又はチーグラー型触媒を
用い、不活性媒体中でブロック重合させて得ることがで
きる。
【0021】成分(a)を構成する成分(a−1)の配
合量は、10〜99重量%であり、好ましくは25〜7
0重量%である。10重量%未満では、エラストマー組
成物の耐熱変形性、耐油性が失われる。一方99重量%
を超えると成形性が悪くなる。
【0022】(a−2)オレフィン系共重合体ゴム オレフィン系共重合体ゴム成分(a−2)は、エチレン
を主成分とし、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン
等のα−オレフィンが共重合してなるエラストマーある
いはこれらと非共役ジエンとが共重合してなるオレフィ
ン系共重合体ゴムが挙げられる。
【0023】非共役ジエンとしては、ジシクロペンタジ
エン、1,4−ヘキサジエン、ジシクロオクタジエン、
メチレンノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボル
ネン等を挙げることができる。
【0024】このようなオレフィン系共重合体ゴムとし
ては、具体的には、エチレン−プロピレン共重合体ゴ
ム、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体ゴ
ム、エチレン−1−ブテン共重合体ゴム、エチレン−1
−ブテン−非共役ジエン共重合体ゴム、エチレン−プロ
ピレン−1−ブテン共重合体ゴム等が挙げられる。
【0025】成分(a−2)オレフィン系共重合体ゴム
の具体例としては、例えば、エスプレンWO741(エ
チレン−プロピレン共重合体;住友化学工業株式会社
製)、エスプレンN0441(エチレン−ブテン共重合
体;住友化学工業株式会社製)が挙げられる。
【0026】成分(a)を構成する成分(a−2)の配
合量は、90〜1重量%であり、好ましくは75〜30
重量%である。90重量%を超えると、架橋効率が上が
らず、エラストマー組成物の耐熱変形性、耐油性が失わ
れる。一方1重量%未満では成形性が悪くなる。
【0027】(2)パーオキサイド分解型オレフィン系
樹脂成分(b) 本発明のエラストマー組成物におけるパーオキサイド分
解型オレフィン系樹脂成分(b)は、得られるエラスト
マー組成物のゴム分散を良好にし、かつ成形品の外観を
良好にすると共に、硬度及び収縮率の調整に効果を有す
るものである。該成分は、パーオキシドの存在下に加熱
処理することによって熱分解して分子量を減じ、溶融時
の流動性が増大するオレフィン系の重合体又は共重合体
であり、例えば、アイソタクチックポリプロピレンやプ
ロピレンと他のα−オレフィン、例えば、エチレン、1
−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、
1−オクテンなどとの共重合体を挙げることができる。
【0028】上記オレフィン系共重合体のホモ重合部分
のDSC測定による融点は、好ましくは、Tmが150
〜170℃、△Hmが25〜90mJ/mgの範囲のも
のである。結晶化度はDSC測定のTm、△Hmから推
定することができる。Tm、△Hmが上記の範囲外で
は、得られるエラストマー組成物の耐油性や100℃以
上におけるゴム弾性が改良されない。
【0029】また、成分(b)のメルトフローレート
(MFR、ASTM D−1238、L条件、230
℃)は、好ましくは0.1〜200g/10分、更に好
ましくは0.5〜100g/10分である。MFRが
0.1g/10分未満では、得られるエラストマー組成
物の成形性が悪化し、200g/10分を超えると、得
られるエラストマー組成物の機械的強度が低下する。
【0030】成分(b)の配合量は、成分(a)100
重量部に対して、3〜150重量部が好ましく、より好
ましくは5〜70重量部である。150重量部を超える
と、エラストマー組成物の硬度が高くなり過ぎ柔軟性が
失われてゴム的感触の製品が得られず多色成形の意義が
失われる。
【0031】(3)非晶質ポリオレフィン成分(c) 本発明で用いる非晶質ポリオレフィン成分(c)は、1
90℃における溶融粘度が250〜50,000mPa
・s、好ましくは10,000〜25,000mPa・
sのプロピレンを主成分とする非晶質共重合体からな
り、X線回析により測定した結晶化度が50%以下、好
ましくは20%以下である比較的低分子量の重合体であ
る。また、該非晶質ポリオレフィンのガラス転移温度は
−33〜−23℃が好ましく、軟化点は120〜135
℃が好ましい。
【0032】非晶質ポリオレフィンの具体例としては、
非晶質単独重合体のアタクチックポリプロピレン、プロ
ピレンを主体とする他のα−オレフィン(例えば、エチ
レン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−
メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン等)
との非晶質共重合体等を挙げることができる。これらの
非晶質ポリオレフィンのうち、アタクチックポリプロピ
レン、プロピレン−エチレン非晶質共重合体、プロピレ
ン−1−ブテン非晶質共重合体が好ましい。前記非晶質
ポリオレフィンは、ランダム共重合体でもブロック共重
合体でもよいが、ブロック共重合体の場合、プロピレン
単位の結合様式はアタクチック構造である必要がある。
また、非晶質共重合体がプロピレンとエチレンとの共重
合体である場合、該プロピレン単位の含有量は、50モ
ル%以上が好ましく、特に60〜100モル%が好まし
い。非晶質ポリオレフィンのうち、アタクチックポリプ
ロピレンは、結晶性ポリプロピレンの製造過程で副生成
物として得ることができる。非晶質ポリオレフィンの例
として、Eastflex E−1200(イーストマ
ンケミカル社製)が挙げられる。
【0033】非晶質ポリオレフィン成分(c)は、添加
することにより、エラストマー組成物成形品に柔軟性を
付与し、熱融着性を向上させる機能を果たす。
【0034】成分(c)の配合量は、成分(a)100
重量部に対して、1〜80重量部であり、好ましくは2
〜30重量部である。配合量が1重量部未満では、得ら
れるエラストマー組成物の柔軟性と熱融着性が失われ
る。80重量部を超えると、得られるエラストマー組成
物からの成形性が悪化し、耐熱変形性、耐油性が低下す
る。
【0035】(4)有機過酸化物成分(d) 本発明のエラストマー組成物においては、必要に応じ
て、有機過酸化物成分(d)を配合することができる。
成分(d)は、ラジカルを発生せしめ、そのラジカルを
連鎖的に反応させて、成分(a)を架橋せしめる働きを
する。また、同時に、成分(b)を分解して溶融混練時
の組成物の流動性をコントロールしてゴム成分の分散を
良好にせしめる。成分(d)としては、例えば、ジクミ
ルパーオキシド、ジ−tert−ブチルパーオキシド、
2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルパ
ーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−
(tert−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、1,3
−ビス(tert−ブチルパーオキシイソプロピル)ベ
ンゼン、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)
−3、3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル
−4,4−ビス(tert−ブチルパーオキシ)バレレ
ート、ベンゾイルパーオキシド、p−クロロベンゾイル
パーオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキシ
ド、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、ter
t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジア
セチルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、ter
t−ブチルクミルパーオキシド等を挙げることができ
る。これらのうちで、臭気性、着色性、スコーチ安全性
の観点から、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(ter
t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−
2,5−ジ−(tert−ブチルパーオキシ)ヘキシン
−3が特に好ましい。
【0036】成分(d)の配合量は、配合する場合は、
成分(a)100重量部に対して、0.01〜0.8重
量部が好ましく、より好ましくは0.03〜0.2重量
部である。配合量が0.01重量部未満では、架橋を十
分達成できず、得られるエラストマーの耐熱性、機械的
強度が低い。一方、0.8重量部を超えると、成形性が
悪くなる。
【0037】(5)ゴム用軟化剤成分(e) 本発明のエラストマー組成物においては、必要に応じ
て、ゴム用軟化剤成分(e)を配合することができる。
本発明で用いるゴム用軟化剤成分(e)は、非芳香族系
成分でも芳香族系成分でもかまわず、また、エステル系
可塑剤も使用できる。
【0038】エステル系可塑剤の中で、環状可塑剤とし
ては、例えば、無水フタル酸エステルおよびトリメリッ
ト酸エステル、さらにはN−シクロヘキシル−p−トル
エンスルホンアミド、ジベンジルセバケート、ジエチレ
ングリコールジベンゾエート、ジ−t−オクチルフェニ
ルエーテル、ジプロパンジオールジベンゾエート、N−
エチル−p−トルエンスルホンアミド、イソプロピリデ
ンジフェノキシプロパノール、アルキル化ナフタレン、
ポリエチレングリコールジベンゾエート、o,p−トル
エンスルホンアミド、トリメチルペンタンジオールジベ
ンゾエートおよびトリメチルペンタンジオール・モノイ
ソブチレート・モノベンゾエート等が挙げられる。これ
らの中では、無水フタル酸エステル及びトリメリット酸
エステルが好ましい。
【0039】無水フタル酸エステルの代表的な例として
は、例えば、ブチルオクチルフタレート、ブチル・2−
エチルヘキシルフタレート、ブチル・n−オクチルフタ
レート、ジブチルフタレート、ジエチルフタレート、ジ
イソデシルフタレート、ジメチルフタレート、ジオクチ
ルフタレート、ジ(2−エチルヘキシル)フタレート、
ジイソオクチルフタレート、ジイソノニルフタレート
(DINP)、ジ−トリデシルフタレート、n−ヘキシ
ル・n−デシルフタレート、n−オクチル・n−デシル
フタレート、アルキル・ベンジルフタレート、ビス(4
−メチル−1,2−ペンチル)フタレート、ブチル・ベ
ンジルフタレート、ブチル・シクロヘキシルフタレー
ト、ジ(2−ブトキシエチル)フタレート、シクロヘキ
シル・イソデシルフタレート、ジシクロヘキシルフタレ
ート、ジエチルイソフタレート、ジ−n−ヘプチルフタ
レート、ジヘキシルフタレート、ジ(2−メトキシエチ
ル)フタレート、ジメチルイソフタレート、ジノニルフ
タレート、ジオクチルフタレート、ジカプリルフタレー
ト、ジ(2−エチルヘキシル)イソフタレート、混合ジ
オクチルフタレート、ジフェニルフタレート、2−(エ
チルヘキシル)イソブチルフタレート、ブチル・フタリ
ルブチルグリコレート、エチル(およびメチル)フタリ
ルエチルグリコレート、ポリプロピレングリコール・ビ
ス(アミル)フタレート、ヘキシル・イソデシルフタレ
ート、イソデシル・トリデシルフタレート、イソオクチ
ル・イソデシルフタレート等が挙げられる。
【0040】トリメリット酸エステルの代表的な例とし
ては、例えば、トリイソオクチルトリメリテート、トリ
−n−オクチル・n−デシルトリメリテート、トリオク
チルトリメリテート、トリ(2−エチルヘキシル)トリ
メリテート(TOTM)、トリ−n−ヘキシル・n−デ
シルトリメリテート、トリ−n−ヘキシルトリメリテー
ト、トリイソデシルトリメリテートおよびトリイソノニ
ルトリメリテート等が挙げられる。
【0041】また、非環状可塑剤としては、リン酸エス
テル、アジピン酸エステル、アゼライン酸エステル、ク
エン酸エステル、アセチルクエン酸エステル、ミリスチ
ン酸エステル、リシノレイン酸エステル、アセチルリシ
ノレイン酸エステル、セバシン酸エステル、ステアリン
酸エステル、エポキシ化エステル、さらには、1,4−
ブタンジオール・ジカプリレート、ブトキシエチルペラ
ルゴネート・ジ[(ブトキシエトキシ)エトキシ]メタ
ン、ジブチルタータレート、ジエチレングリコールジペ
ラルゴネート、ジイソオクチルジグリコレート、イソデ
シルノナノエート、テトラエチレングリコール・ジ(2
−エチル−ブチレート)、トリエチレングリコール・ジ
(2−エチル−ヘキサノエート)、トリエチレングリコ
ールジペラルゴネート及び分岐脂肪族二価アルコールの
エステル化合物である2,2,4−トリメチル−1,3
−ペンタンジオールモノイソブチレート、2,2,4−
トリメチル−1,3−ペンタンジオールジイソブチレー
ト(TXIB)、アクリル系高分子等が挙げられる。
【0042】リン酸エステルの代表的な例としては、例
えば、クレジルジフェニルホスフェート、トリクレジル
ホスフェート、ジブチルフェニルホスフェート、ジフェ
ニルオクチルホスフェート、メチルジフェニルホスフェ
ート、トリブチルホスフェート、トリフェニルホスフェ
ート、トリ(2−ブトキシエチル)ホスフェート、トリ
(2−クロロエチル)ホスフェート、トリ(2−クロロ
プロピル)ホスフェートおよびトリオクチルホスフェー
トが挙げられる。
【0043】アジピン酸エステルの代表的な例として
は、例えば、ジ[2−(2−ブトキシエトキシ)エチ
ル]アジペート、ジ(2−エチルヘキシル)アジペー
ト、ジイソノニルアジペート(DINA)、ジイソデシ
ルアジペート、ジオクチルアジペート(ジイソオクチル
アジペートを含む)、n−ヘキシル・n−デシルアジペ
ート、n−オクチル・n−デシルアジペートおよびジ−
n−ヘプチルアジペートが挙げられる。
【0044】セバシン酸エステルの代表的な例として
は、例えば、ジブチルセバケート、ジ(2−エチルヘキ
シル)セバケート、ジブトキシエチルセバケート、ジイ
ソオクチルセバケートおよびジイソプロピルセバケート
が挙げられる。
【0045】アゼライン酸エステルの代表的な例として
は、例えば、ジ(2−エチルヘキシル)アゼラエート、
ジシクロヘキシルアゼラエート、ジイソブチルアゼラエ
ートおよびジイソオクチルアゼラエートが挙げられる。
【0046】アクリル系高分子可塑剤としては、(i)
ラジカル重合性単量体と(ii)改質用化合物との混合
物を、重合開始剤の存在下または非存在下に、反応させ
て得られる反応生成物からなる重合体が挙げられる。こ
の重合体は、(ii)改質用化合物の重合体への結合様
式がエステル結合である重合体が好ましく、(i)ラジ
カル重合性単量体として(メタ)アクリル酸を用い、か
つ(ii)改質用化合物として脂肪族または脂環式アル
コールを用いる重合体であってもよい。
【0047】アクリル系高分子可塑剤において、ラジカ
ル重合性単量体(i)としては、(メタ)アクリル酸;
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレ
ート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシ
ル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレ
ート;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒ
ドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の水酸基含有
(メタ)アクリレート;無水マレイン酸、マレイン酸、
マレイン酸のモノ及びジアルキルエステル;スチレン、
α−メチルスチレン等の芳香族ビニル系単量体;酢酸ビ
ニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル;エチレ
ン、プロピレン等のアルケン;ブタジエン、イソプレン
等のジエン;(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アク
リルアミド、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アリルクロ
ライドおよびアリルアルコール等が挙げられる。
【0048】また、改質用化合物(ii)としては、シ
クロヘキシルアルコール等のシクロアルカノール;イソ
プロピルアルコール等のアルカノール;フルオロアルキ
ルアルコール等のハロゲン基含有アルコール;エチレン
グリコール、ブタンジオール等のアルキレンジオール;
シクロヘキサンジオール、シクロヘキシルジメタノール
等のシクロアルキレンジオール;末端に水酸基を有する
ポリエーテル、ポリエステル等のポリマー等の水酸基含
有改質剤、シクロヘキシルカルボン酸、シクロヘキシル
ジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、フルオロアル
キルジカルボン酸、無水マレイン酸およびフマル酸等の
カルボキシル基含有化合物;酢酸エチル、酢酸ブチル、
セロソルブアセテート、メチルプロピレングリコールア
セテート、カルビトールアセテートおよびエチルカルビ
トールアセテート等のエステル基含有改質剤、シクロヘ
キセン、シクロペンテンおよびイソブテン等のアルケン
が挙げられる。
【0049】上記(i)と(ii)の組み合わせにおけ
るアクリル系重合体の例としては、(i)の(メタ)ア
クリル酸、無水マレイン酸、マレイン酸またはマレイン
酸のモノアルキルエステル等と、(ii)の水酸基を有
する化合物を用い、エステル化反応により、重合体に改
質用化合物が導入された重合体が得られる。また、
(i)のメチル(メタ)アクリレート、エチルアクリレ
ート、ブチルアクリレートおよび2−エチルヘキシルア
クリレート等のエステル基含有単量体と(ii)の水酸
基を有する化合物を用いれば、エステル交換反応をさせ
ることにより、機能性重合体が得られる。さらに、
(i)の2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートま
たはヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートの水酸基
含有単量体と(ii)のカルボキシル基またはエステル
基含有化合物との反応によるエステル結合の形成によ
り、機能性基を導入された重合体が得られる。さらにま
た、(i)の(メタ)アクリル酸等のカルボキシル基含
有単量体と(ii)のアルケンを用いることによりカル
ボキシル基がエチレン性不飽和結合に付加反応してエス
テル結合が形成され、改質用化合物が導入した重合体が
得られる。
【0050】本発明で用いることのできるアクリル系高
分子可塑剤においては、上記(i)としては、ブチルア
クリレート、エチルアクリレート、ヘキシルアクリレー
ト、メソオキシエチルアクリレート、グリシジルアクリ
レートが好ましく、中でもエチルアクリレートが主成分
であることが最適である。
【0051】また、該アクリル系高分子可塑剤の重量平
均分子量(Mw)は、500〜10,000が好まし
く、より好ましくは1,000〜6,000、さらに好
ましくは1,000〜3,000であり、粘度は、10
0〜9,000mPa・sが好ましく、より好ましくは
1,000〜6,000mPa・s、さらに好ましくは
3,000〜5,000mPa・sであり、Aceto
ne−Water Toleranceから求めたSP
値は、10.5〜16.5が好ましく、より好ましくは
13〜16、さらに好ましくは14〜16である。
【0052】これらのエステル系化合物である可塑剤の
中では、DINP、DINA、TOTMが特に好まし
い。
【0053】成分(e)の配合量は、配合する場合は、
成分(a)100重量部に対して、1〜50重量部が好
ましく、より好ましくは3〜20重量部である。配合量
が1重量部未満では、得られるエラストマー組成物の柔
軟性が改善されない。50重量部を超えると、得られる
エラストマー組成物から軟化剤がブリードアウトしやす
く、剥離や変形及びフローマークが成形品に生じ易くな
る。さらに加工持の発生ガスが顕著になる。
【0054】(6)水添ブロック共重合体成分(f) 本発明のエラストマー組成物においては、必要に応じ
て、機械特性改善のために水添ブロック共重合体(f)
を配合することができる。水添ブロック共重合体成分
(f)は、(a−1)の水素添加物であり、芳香族ビニ
ル化合物を主体とする重合体ブロックAの少なくとも2
個と、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックB
の少なくとも1個とからなるブロック共重合体の水素添
加物である。
【0055】成分(a−1)の水素添加物にあって、共
役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBにおい
て、そのミクロ構造は、任意であり、例えば、ブロック
Bがブタジエン単独で構成される場合、ポリブタジエン
ブロックにおいては、1,2−ミクロ構造が好ましくは
20〜50重量%、特に好ましくは25〜45重量%で
ある。その水添率は、任意であるが好ましくは50%以
上、より好ましくは55%以上、更に好ましくは60%
以上である。また、1,2−結合を選択的に水素添加し
たものであっても良い。ブロックBがイソプレンとブタ
ジエンの混合物から構成される場合、1,2−ミクロ構
造が好ましくは50%未満、より好ましくは25%未
満、より更に好ましくは15%未満である。ブロックB
がイソプレン単独で構成される場合、ポリイソプレンブ
ロックにおいてはイソプレンの好ましくは70〜100
重量%が1,4−ミクロ構造を有し、かつイソプレンに
由来する脂肪族二重結合の好ましくは少なくとも90%
が水素添加されたものが好ましい。
【0056】用途により、水素添加したブロック共重合
体を使用する場合には、好ましくは上記水添物を用途に
合わせて適宜使用することができる。
【0057】(f)成分の水添ブロック共重合体の具体
例としては、スチレン−エチレン・ブテン−スチレン共
重合体(SEBS)、スチレン−エチレン・プロピレン
−スチレン共重合体(SEPS)、スチレン−エチレン
・エチレン・プロピレン−スチレン共重合体(SEEP
S;すなわち、スチレン−ブタジエン・イソプレン−ス
チレン共重合体の水素添加物)、スチレン−ブタジエン
・ブチレン−スチレン共重合体(部分水素添加スチレン
−ブタジエン−スチレン共重合体、SBBS)等を挙げ
ることができる。
【0058】成分(f)の配合量は、配合する場合は、
成分(a)100重量部に対して、1〜20重量部が好
ましく、より好ましくは3〜10重量部である。配合量
が1重量部未満では、得られるエラストマー組成物の機
械特性が改善されない。20重量部を超えると、得られ
るエラストマー組成物の耐油性、耐熱変形性が悪化す
る。
【0059】(7)その他の成分 なお、本発明のエラストマー組成物は、上記の成分の他
に、さらに必要に応じて、各種のブロッキング防止剤、
無機充填剤、シール性改良剤、熱安定剤、酸化防止剤、
光安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、結晶核剤、着色剤等を
含有することも可能である。ここで、無機充填剤として
は炭酸カルシウム、タルク、シリカ、珪藻土、硫酸バリ
ウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、マイ
カ、クレー、酸化チタン、カーボンブラック、ガラス繊
維、中空ガラスバルーン、炭素繊維、チタン酸カルシウ
ム繊維、天然けい酸、合成けい酸(ホワイトカーボン)
等が挙げられる。これらのうち、炭酸カルシウム、タル
クが特に好ましい。無機充填剤は、上記の成分(a)〜
(f)の合計100重量部に対して、0〜30重量部が
好ましく、特に好ましくは5〜20重量部である。
【0060】酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ
−tert−p−ブチル−p−クレゾール、2,6−ジ
−tert−ブチルフェノール、2,4−ジメチル−6
−tert−ブチルフェノール、4,4−ジヒドロキシ
ジフェニル、トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5
−tert−ブチルフェニル)ブタン等のフェノール系
酸化防止剤、ホスファイト系酸化防止剤、チオエーテル
系酸化防止剤等が挙げられる。このうちフェノール系酸
化防止剤、ホスファイト系酸化防止剤が特に好ましい。
酸化防止剤は、上記の成分(a)〜(f)の合計100
重量部に対して、0〜3.0重量部が好ましく、特に好
ましくは0.1〜1.0重量部である。
【0061】2.熱可塑性エラストマー組成物の製造 本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、上記成分
(a)〜(c)、又は必要に応じて成分(d)〜(f)
等を加えて、各成分を同時にあるいは任意の順に加えて
溶融混練することにより製造することができる。
【0062】溶融混練の方法は、特に制限はなく、通常
公知の方法を使用し得る。例えば、単軸押出機、二軸押
出機、ロール、バンバリーミキサー又は各種のニーダー
等を使用し得る。例えば、適度なL/Dの二軸押出機、
バンバリーミキサー、加圧ニーダー等を用いることによ
り、上記操作を連続して行うこともできる。ここで、溶
融混練の温度は、好ましくは160〜220℃である。
【0063】3.複合成形体の製造 上記で得られた熱可塑性エラストマー組成物は、複合押
出成形、複合射出成形(インサート方式、コアバック方
式)等の成形方法により、複合成形体の製造に用いるこ
とができる。成形法の例示として詳しく述べると、押出
成形を行う場合は、内側と外側、あるいは上側と下側の
2層に分割された金型に、適当な樹脂および本発明の組
成物を押出して、複合成形品を得ることができる。さら
に、第1の金型に適当な樹脂を入れ、所望の形状に押出
成形した後、この全部または一部を覆うような構造の金
型に本発明の組成物を挿入し、押出成形し、複合成形品
を得ることもできる。本発明の組成物は、射出成形に特
に適している。
【0064】また、射出成形を行う場合は、第1の金型
内において、適当な樹脂を所望の形状のコアを射出成形
し、冷却後このコアを取り出し、第2の金型に入れ、続
いてこの樹脂上に本発明の組成物を射出し、複合成形品
を得ることができる。この場合、第1のコアの射出成形
と第2の射出成形の樹脂の種類を逆にすることも可能で
ある。また、2台の異なる射出成形機に適当な樹脂およ
び本発明の組成物をそれぞれ挿入し、一つの金型内に同
時あるいは時間差をつけて射出成形して複合成形品を得
ることもできる。
【0065】この他に、キャビティスライド成形方法
(1次成形終了後、型開きを行い、キャビティをスライ
ドさせ2次型で型閉めを行い、複合成形体を得る方法で
ある。キャビティスライド方式は水平方向と垂直方向と
の二通りがある。)、ストリッパプレート回転成形方法
(1次成形品をストリッパープレート(または中間プレ
ート)に残して、このプレートを回転させ、2次成形を
行い複合成形体を得る方法である。)がある。
【0066】ここで、本発明の熱可塑性エラストマー組
成物と複合成形の対象となる材料としては、金属、熱可
塑性樹脂が挙げられるが、特に、熱可塑性樹脂が好まし
い。熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂(例
えば、低密度ポリエチレン樹脂、リニア低密度ポリエチ
レン樹脂、中密度ポリエチレン樹脂、高密度ポリエチレ
ン樹脂、ポリプロピレン樹脂(ブロック、ランダムおよ
びホモポリマーのいずれであってもよい)、アイオノマ
ー樹脂、ポリ−4−メチルペンテン−1樹脂等が含まれ
る)、ポリオレフィン系エラストマー(例えば、エチレ
ン・プロピレン共重合体ゴム、エチレン・ブテン共重合
体ゴム、エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体
ゴム等を主体としたエラストマー組成物)、スチレン系
樹脂(例えば、一般ポリスチレン樹脂、耐衝撃ポリスチ
レン樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アク
リロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、アクリ
ロニトリル−アクリルゴム−スチレン共重合体、アクリ
ロニトリル−エチレンプロピレンゴム−スチレン共重合
体、変性ポリフェニレンエーテル樹脂が含まれる)が挙
げられ、特に、ポリオレフィン系樹脂と複合成形を行っ
た場合その効果が高い。
【0067】本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、
多層射出成形性、多層押出成形性、耐熱変形性、耐油
性、耐傷付き性に優れるため、ドアトリム、クォータト
リム、ラゲッジサイドトリム、アームレスト、バックド
ア、インパネ、インパネセーフティパッド、オーバーヘ
ッドコンソール、シートバック、パッケージトレイ、パ
ーセルシェルフ、ダンパー、トランクボックスリッド、
ピラー、グリルガーニッシュ、エンジンアンダーカバ
ー、ルーフボックス等の自動車の内外装部材、窓枠パッ
キン、目地パッキン等の建築用部材、冷蔵庫ドアパッキ
ン、パンツプレス、エアコンパネル等の家電用部材、輸
液用ゴム栓、混注可能管等の医療用部材等の材料として
用いることができ、特に安価なオレフィン樹脂と多色成
形することで柔軟な感触を付与することができる。
【0068】
【実施例】本発明を以下の実施例、比較例によって具体
的に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定され
るものではない。なお、本発明で用いた物性の測定法及
び試料を以下に示す。
【0069】1.物性測定方法 (1)硬度:JIS K 6253に準拠し、試験片は
6.3mm厚プレスシートを用いた。
【0070】(2)引張強さ:JIS K 6251に
準拠し、試験片は1mm厚プレスシートを、ダンベルで
3号型に打抜いて使用した。引張速度は500mm/分
とした。(室温及び100℃で測定した。)
【0071】(3)100%伸び応力:JIS K 6
251に準拠し、試験片は1mm厚プレスシートを、ダ
ンベルで3号型に打抜いて使用した。引張速度は500
mm/分とした。
【0072】(4)破断伸び:JIS K 6251に
準拠し、試験片は1mm厚プレスシートを、ダンベルで
3号型に打抜いて使用した。引張速度は500mm/分
とした。
【0073】(5)圧縮永久歪み(CS%):JIS
K 6262に準拠し、試験片は6.3mm厚プレスシ
ート使用した。100℃×22時間、25%変形の条件
にて測定した。
【0074】(6)体積膨潤率(%):JIS K 6
258に準拠し、試験片は1mm厚プレスシート使用し
た。100℃×24時間、IRM#902浸漬後の膨潤
率を測定した。
【0075】(7)押出成形性:50mm×1mmのシ
ートを押出成形し、ドローダウン性、表面外観や形状を
観察し、次の基準で評価した。 ○:良い ×:悪い
【0076】(8)射出成形性:130mm×130m
m×2mmのシートを射出成形し、その外観を目視によ
り観察し、フローマーク、ヒケ発生の有無を次の基準で
評価した。 ○:良い ×:悪い
【0077】(9)熱融着性:被着体を芯材とした複合
成形体(幅25mm×長さ125mm×厚み5mmの短
冊状試験片)を用いて室温及び80℃にて、180度剥
離試験(引張速度200mm/min)を行い芯材/表
皮材の融着界面の剥離強度(kN/m)を測定した。な
お、被測定複合成形体の成形方法は、実施例の説明で述
べる。
【0078】2.実施例及び比較例において用いた試料 (1)SBSブロック共重合体成分(a−1):VEC
TOR2518(商標;DEXCO POLYMERS
社製)、溶液粘度(5%トルエン溶液、77°F、AS
TM D−21)75cps、スチレン含有量30重量
% (2)オレフィン共重合体ゴム成分(a−2):エチレ
ン−プロピレン共重合体(EPR:エスプレンWO74
1(住友化学工業株式会社製))エチレン含量73wt
%、エチレン−ブテン共重合体(EBR;エスプレンN
0441(住友化学工業株式会社製))エチレン含量7
0wt% (3)パーオキサイド分解型ポリプロピレン成分
(b):PP−BC8(商標;日本ポリケム株式会社
製)、結晶化度:Tm166℃、△Hm82mJ/m
g、MFR1.8g/10分 (4)非晶質ポリオレフィン(APE)成分(c):E
−1200(商標;Eastman Chemical
社製)、190℃における溶融粘度:20,000(m
Pa・s)のプロピレン−エチレン共重合体、プロピレ
ン含有量40〜60wt% (5)有機過酸化物成分(d):パーヘキサ25B(商
標;日本油脂株式会社製) (6)ゴム用軟化剤成分(e):DINA(商標;大日
本インキ化学工業株式会社製)、分子量398、比重
0.924、引火点232℃ (7)水添ブロック共重合体成分(f):セプトン40
77(商標;クラレ株式会社製)、スチレン含有量:3
0重量%、数平均分子量:260,000、重量平均分
子量:320,000、分子量分布:1.23、水素添
加率:90%以上 (8)炭酸カルシウム成分(g):NS400(商標;
三共精粉株式会社製) (9)ヒンダードフェノール/フォスファイト/ラクト
ン系複合酸化防止剤成分(h):HP2215(商標;
チバスペシャリティケミカルズ社製)
【0079】実施例1〜4、比較例1〜5 表1及び表2に示す量の各成分を用い、L/Dが47の
二軸押出機に投入して、混練温度180℃、スクリュー
回転数350rpmで溶融混練をして、ペレット化し
た。次に、得られたペレットを射出成形して試験片を作
成し、夫々の試験に供した。さらに、得られたエラスト
マー樹脂組成物を表皮材とし、条件1で成形した芯材の
被着体樹脂(ポリオレフィン系樹脂)成形体に以下の条
件2で熱融着させて複合成形体を得、その熱融着性を測
定した。評価結果を表1及び表2に示す。
【0080】なお、芯材の被着体樹脂(ポリオレフィン
系樹脂)成形体に使用した樹脂および熱可塑性エラスト
マーは、次のとおりである。 (i)ポリプロピレン樹脂:PP−BC8(商標;日本
ポリケム株式会社製)、結晶化度:Tm166℃、△H
m82mJ/mg、MFR1.8g/10分 (ii)ポリエチレン樹脂:YF30(商標;日本ポリ
ケム株式会社製)、結晶化度:Tm108℃、△Hm4
0mJ/mg、MFR1.1g/10分 (iii)TPO:ミラストマー8030N(商標;三
井化学株式会社製)、比重:0.89、硬さ:85A
【0081】また、芯材の被着体樹脂(ポリオレフィン
系樹脂)成形体の射出条件は、使用した樹脂メーカーの
推奨射出条件に準拠して成形した。概略的には、下記の
成形条件(条件1)にて行った。
【0082】射出成形機:日精樹脂工業社製FS−12
0 成形温度 180〜200℃ 金型温度 40℃ 射出速度 55mm/秒 射出圧力 1400kg/cm 保圧圧力 400kg/cm 射出時間 6秒 冷却時間 45秒 このようにして作成した樹脂板を金型内にインサートし
(なお、このとき図2にも示されているように、樹脂板
の一部に紙を両面テープで貼り付けておく)、上記のよ
うにして得られた本発明の組成物を下記の成形条件で射
出成形し、平面と大きさを図1に示し、断面を図2に示
すような試験片を作成した。図2において、2は本発明
の組成物であり、3は樹脂板であり、4は紙であり、A
は熱融着部分である。
【0083】なお、樹脂組成物の射出条件は、下記の成
形条件(条件2)で成形した。 射出成形機:日精樹脂工業社製FS−120 成形温度 200〜210℃ 射出温度 40℃ 射出速度 55mm/秒 射出圧力 1400kg/cm 保圧圧力 0kg/cm 射出時間 6秒 冷却時間 45秒 被着体毎に成形温度を変更した。又、保圧圧力は、剥離
試験に影響を与えるため、保圧圧力を無し(0kg/c
)とした。続いて、得られた試験片について180
度剥離強さを測定した。なお、測定は、図3のように本
発明の組成物2を折り曲げて樹脂板3と組成物2の両端
をそれぞれ矢印の方向に引張ることにより行った。
【0084】
【表1】
【0085】
【表2】
【0086】表1及び表2より明らかなように、実施例
1〜4は、本発明の熱可塑性エラストマー組成物であ
る。任意成分である成分(e)〜(h)の有無にかかわ
らず、いずれの熱可塑性エラストマー組成物も良好な性
状を示した。
【0087】また、実施例2〜4において、成分(d)
の一部又は全部をタフテックP JT−90C(旭化成
社製 スチレン−ブタジエン・ブチレン−スチレン共重
合体;SBBS、スチレン含有量30重量%、重量平均
分子量(Mw):110,000、数平均分子量(M
n):99,000、分子量分布:1.11、ブタジエ
ンブロックの水素添加率:75.1%、(1,2−ブタ
ジエンの水素添加率92.7%、1,4−ブタジエンの
水素添加率61.0%))に置換しても同様に良好な結
果が得られた。なお、上記水素添加率は後述するH−
NMR測定により測定した。
【0088】共役ジエンブロック部分の水素添加率測定
方法は、試料をNMRサンプル管(5mmφ)に採取
し、重水素化クロロホルムを添加後、充分に溶解し、核
磁気共鳴装置(NMR)日本電子製GSX−400型を
用い常温、400MHz、3029回の積算にてH−
NMR測定を行った。
【0089】一方、比較例1は成分(a−1)の配合量
を本発明の範囲外にしたものである。成分(a−1)が
少ないと耐熱変形性、耐油性、押出成形性が悪化する。
比較例2及び3は、成分(b)の配合量を本発明の範囲
外にしたものである。成分(b)が少ないと、成形性が
悪化し、熱融着性が低下する。成分(b)が多いと、押
出成形性が損なわれ、LDPE融着性が低下する。比較
例4及び5は、成分(c)の配合量を本発明の範囲外に
したものである。成分(c)が少ないと、80℃の融着
性が低下する。成分(c)が多いと、成形性が悪化し、
耐熱変形性と耐油性が低下する。
【0090】
【発明の効果】本発明の熱可塑性エラストマー組成物
は、多層射出成形性、多層押出成形性、耐熱変形性、耐
油性、耐傷付き性に優れるため、複合押出成形、複合射
出成形による複合成形体の成形に有効であり、自動車の
内外装部材、建築用部材、家電用部材等の材料として用
いることができ、特に安価なオレフィン樹脂と多色成形
することで柔軟な感触を付与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で用いた試験片を説明する平面図であ
る。
【図2】実施例で用いた試験片を説明する断面図であ
る。
【図3】実施例での熱融着試験を説明する図である。
【符号の説明】
2 本発明の組成物 3 樹脂板 4 紙 A 熱融着部分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F071 AA12X AA13 AA14 AA15X AA20X AA22X AA75 AA76 AB21 AC08 AC10 AC15 AE04 AE05 BB05 BC07 4J002 BB05X BB134 BB14Y BB144 BB15X BB154 BG015 BG045 BG055 BP01W EA067 EC017 EC047 ED017 ED037 EH037 EH047 EH137 EH147 EK006 EK036 EK046 EK056 EK066 EK086 EV287 EW047 FD010 FD025 FD027 FD070

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)(a−1)芳香族ビニル化合物を
    主体とする重合体ブロックAの少なくとも2個と、共役
    ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBの少なくと
    も1個とからなるブロック共重合体10〜99重量%と
    (a−2)オレフィン系共重合体ゴム90〜1重量%と
    を含有するエラストマー100重量部、(b)パーオキ
    サイド分解型オレフィン系樹脂3〜150重量部、及び
    (c)非晶質ポリオレフィン1〜80重量部を含有する
    ことを特徴とする熱可塑性エラストマー組成物。
  2. 【請求項2】 (d)有機過酸化物0.01〜0.8重
    量部を更に含む請求項1に記載の熱可塑性エラストマー
    組成物。
  3. 【請求項3】 (e)ゴム用軟化剤1〜50重量部を更
    に含む請求項1又は2に記載の熱可塑性エラストマー組
    成物。
  4. 【請求項4】 (f)芳香族ビニル化合物を主体とする
    重合体ブロックAの少なくとも2個と、共役ジエン化合
    物を主体とする重合体ブロックBの少なくとも1個とか
    らなるブロック共重合体を水素添加して得られる水添ブ
    ロック共重合体1〜20重量部を更に含む請求項1〜3
    のいずれか1項に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱
    可塑性エラストマー組成物を複合押出成形、複合射出成
    形(インサート方式、コアバック方式)加工してなる複
    合成形体の製造方法。
JP2002241405A 2001-09-12 2002-08-22 熱可塑性エラストマー組成物 Pending JP2003171527A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006052277A (ja) * 2004-08-10 2006-02-23 Jsr Corp 接着性熱可塑性エラストマー組成物とその複合成形品及び製造方法

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