JP2003171198A - 単結晶製造用坩堝 - Google Patents
単結晶製造用坩堝Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 高純度で緻密な単結晶を製造することがで
き、しかもインゴットを損傷すること無く、容易に取り
出すことができる単結晶製造坩堝を提供する。 【解決手段】 主にフッ化物系単結晶をチョクラルスキ
ー法又はブリッジマン法により製造する坩堝本体1を、
白金若しくは不純物の含有量の合計が100ppm以下で、残
りが白金からなる材料、又は白金を主成分とし、金、ロ
ジウム、イリジウムの内、少なくとも一種類を含有する
合金材料、又は白金を主成分とし、第二元素として金を
含有し、更に酸化ジルコニウムを含有する合金材料、又
は強化白金を主成分とし、ロジウムを含有する合金材
料、これらの材料を用いて形成することにより、高純度
で高い完全性或いは低欠陥密度であり、光学的特性に優
れたフッ化物系単結晶を歩留まりよく製造し得るように
した。
き、しかもインゴットを損傷すること無く、容易に取り
出すことができる単結晶製造坩堝を提供する。 【解決手段】 主にフッ化物系単結晶をチョクラルスキ
ー法又はブリッジマン法により製造する坩堝本体1を、
白金若しくは不純物の含有量の合計が100ppm以下で、残
りが白金からなる材料、又は白金を主成分とし、金、ロ
ジウム、イリジウムの内、少なくとも一種類を含有する
合金材料、又は白金を主成分とし、第二元素として金を
含有し、更に酸化ジルコニウムを含有する合金材料、又
は強化白金を主成分とし、ロジウムを含有する合金材
料、これらの材料を用いて形成することにより、高純度
で高い完全性或いは低欠陥密度であり、光学的特性に優
れたフッ化物系単結晶を歩留まりよく製造し得るように
した。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、単結晶を製造する
単結晶製造用坩堝に係り、特にはチョクラルスキー法
(引き上げ法)やブリッジマン法によって結晶を成長さ
せてフッ化物系単結晶を製造する坩堝に関する。
単結晶製造用坩堝に係り、特にはチョクラルスキー法
(引き上げ法)やブリッジマン法によって結晶を成長さ
せてフッ化物系単結晶を製造する坩堝に関する。
【0002】
【従来の技術】フッ化物系単結晶をチョクラルスキー法
やブリッジマン法により製造する際に使用されていた坩
堝は、主にカーボンやグラッシーカーボンなどの炭素系
材料により作られている。従来、坩堝が炭素系材料を用
いて作られていた理由として、第1に、フッ化物系単結
晶はカメラや望遠鏡等の光学レンズに使用されるもので
あるが、この光学レンズに求められる光学的特性などを
十分に備えたフッ化物系単結晶を製造することができ
る。第2に、炭素系材料は高温強度が高く、耐熱性や熱
伝導性に優れた特性を有する等の利点があり、高融点材
料の結晶育成に適している。
やブリッジマン法により製造する際に使用されていた坩
堝は、主にカーボンやグラッシーカーボンなどの炭素系
材料により作られている。従来、坩堝が炭素系材料を用
いて作られていた理由として、第1に、フッ化物系単結
晶はカメラや望遠鏡等の光学レンズに使用されるもので
あるが、この光学レンズに求められる光学的特性などを
十分に備えたフッ化物系単結晶を製造することができ
る。第2に、炭素系材料は高温強度が高く、耐熱性や熱
伝導性に優れた特性を有する等の利点があり、高融点材
料の結晶育成に適している。
【0003】因みに、チョクラルスキー法とは、結晶化
しようとする原料を坩堝に入れ、電気炉内にて原料を融
点以上に昇温し融解させ、この原料融液に棒状の種子結
晶の下端部を浸してゆっくり回転させながら引き上げる
ことにより、種子結晶の下端部から結晶を成長させる方
法である。また、ブリッジマン法とは、結晶化しようと
する原料を坩堝に入れ、電気炉内に温度勾配を形成した
状態で、種子結晶側を先端にして坩堝を高温側から低温
側に徐々に移動させることにより、種子結晶側より順次
に結晶を成長させる方法である。
しようとする原料を坩堝に入れ、電気炉内にて原料を融
点以上に昇温し融解させ、この原料融液に棒状の種子結
晶の下端部を浸してゆっくり回転させながら引き上げる
ことにより、種子結晶の下端部から結晶を成長させる方
法である。また、ブリッジマン法とは、結晶化しようと
する原料を坩堝に入れ、電気炉内に温度勾配を形成した
状態で、種子結晶側を先端にして坩堝を高温側から低温
側に徐々に移動させることにより、種子結晶側より順次
に結晶を成長させる方法である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年、フッ
化物系単結晶を用いての半導体用ステッパーなどが生産
されている。特に短波長光源に対応可能なステッパーな
どに用いられるフッ化物系単結晶には高い完全性を有す
る或いは低欠陥密度の高い光学的特性が要求される。こ
の様に高い完全性或いは低欠陥密度と、より高い光学的
特性が要求されるフッ化物系単結晶を、前述したカーボ
ンやグラッシーカーボンなどの炭素系材料より作られて
いる坩堝を用いて製造すると、焼成により作られている
従来の炭素系材料坩堝では、坩堝表面からカーボン微粉
末が剥離し易く、この剥離カーボン微粉末が融解された
フッ化物系単結晶の原料融液中に混入、浮遊し、結晶の
汚染を促進させて高純度化を妨げる要因となるばかり
か、結晶の完全性が劣化する要因となり、この種の単結
晶製造分野において大きな問題であった。
化物系単結晶を用いての半導体用ステッパーなどが生産
されている。特に短波長光源に対応可能なステッパーな
どに用いられるフッ化物系単結晶には高い完全性を有す
る或いは低欠陥密度の高い光学的特性が要求される。こ
の様に高い完全性或いは低欠陥密度と、より高い光学的
特性が要求されるフッ化物系単結晶を、前述したカーボ
ンやグラッシーカーボンなどの炭素系材料より作られて
いる坩堝を用いて製造すると、焼成により作られている
従来の炭素系材料坩堝では、坩堝表面からカーボン微粉
末が剥離し易く、この剥離カーボン微粉末が融解された
フッ化物系単結晶の原料融液中に混入、浮遊し、結晶の
汚染を促進させて高純度化を妨げる要因となるばかり
か、結晶の完全性が劣化する要因となり、この種の単結
晶製造分野において大きな問題であった。
【0005】また、フッ化物系単結晶を製造する場合に
は電気炉内を例えば1400〜1500℃の育成温度雰囲気中で
単結晶を成長させ、その後、自然冷却などによる冷却を
行なうものであるが、従来の炭素系材料坩堝は昇温、降
温を繰り返す炉内の温度変化による熱衝撃によって歪み
やクラックなどが発生し易く、短期間で破損するおそれ
があり、単結晶を製造するメーカー等から汚染が無い高
純度で、歩留まりよく生産できる坩堝の改善が望まれて
いた。
は電気炉内を例えば1400〜1500℃の育成温度雰囲気中で
単結晶を成長させ、その後、自然冷却などによる冷却を
行なうものであるが、従来の炭素系材料坩堝は昇温、降
温を繰り返す炉内の温度変化による熱衝撃によって歪み
やクラックなどが発生し易く、短期間で破損するおそれ
があり、単結晶を製造するメーカー等から汚染が無い高
純度で、歩留まりよく生産できる坩堝の改善が望まれて
いた。
【0006】本発明はこの様な従来事情に鑑み、長年に
亘り研究を重ねてきた結果、フッ化物系単結晶をチョク
ラルスキー法又はブリッジマン法を用いて製造する際、
原料融液の汚染が無く、高純度化が得られる材料として
白金系材料に着目し、本発明に至ったものであり、その
目的とする処は、高純度で高い完全性或いは低欠陥密度
の高い光学的特性に優れたフッ化系単結晶を製造するこ
とができる単結晶製造用坩堝とこの坩堝を用いた製造方
法を提供することにある。
亘り研究を重ねてきた結果、フッ化物系単結晶をチョク
ラルスキー法又はブリッジマン法を用いて製造する際、
原料融液の汚染が無く、高純度化が得られる材料として
白金系材料に着目し、本発明に至ったものであり、その
目的とする処は、高純度で高い完全性或いは低欠陥密度
の高い光学的特性に優れたフッ化系単結晶を製造するこ
とができる単結晶製造用坩堝とこの坩堝を用いた製造方
法を提供することにある。
【0007】
【課題を達成するための手段】課題を達成するために本
発明は、白金若しくは不純物の含有量の合計が100ppm以
下で残部が白金である白金材料を用いて形成した単結晶
製造用坩堝である。上記の不純物としては例えば銀、
銅、マグネシウム、パラジウム等の内、いずれか一種類
が挙げられる。
発明は、白金若しくは不純物の含有量の合計が100ppm以
下で残部が白金である白金材料を用いて形成した単結晶
製造用坩堝である。上記の不純物としては例えば銀、
銅、マグネシウム、パラジウム等の内、いずれか一種類
が挙げられる。
【0008】また、本発明は白金を主成分とし、金、ロ
ジウム、イリジウムの内、少なくとも一種類を含有する
白金合金材料を用いて形成した単結晶製造用坩堝であ
る。上記金の含有量としては0.1〜10wt%の範囲が好
ましい。又、ロジウムの含有量としては0.1〜30wt%
の範囲が好ましい。又、イリジウムの含有量としては0.
1〜20wt%の範囲が好ましい。
ジウム、イリジウムの内、少なくとも一種類を含有する
白金合金材料を用いて形成した単結晶製造用坩堝であ
る。上記金の含有量としては0.1〜10wt%の範囲が好
ましい。又、ロジウムの含有量としては0.1〜30wt%
の範囲が好ましい。又、イリジウムの含有量としては0.
1〜20wt%の範囲が好ましい。
【0009】また、本発明は白金を主成分とし、第二元
素として金を含有し、更に酸化ジルコニウムを含有する
合金材料を用いて形成した単結晶製造用坩堝である。上
記の金の含有量としては0.1〜10wt%の範囲が好まし
い。そして、この白金―金合金に含有する酸化ジルコニ
ウムの含有量としては0.001〜0.4wt%の範囲が好まし
い。
素として金を含有し、更に酸化ジルコニウムを含有する
合金材料を用いて形成した単結晶製造用坩堝である。上
記の金の含有量としては0.1〜10wt%の範囲が好まし
い。そして、この白金―金合金に含有する酸化ジルコニ
ウムの含有量としては0.001〜0.4wt%の範囲が好まし
い。
【0010】また、本発明は強化白金を主成分とし、ロ
ジウムを含有する強化白金合金材料を用いて形成した単
結晶製造用坩堝である。上記の強化白金としては特に限
定されるものではないが、例えば白金に酸化ジルコニウ
ムが含有された白金―酸化ジルコニウム合金、又はこの
合金に更に金が含有される白金―酸化ジルコニウム―金
合金等が一例として挙げられる。そして、この白金―酸
化ジルコニウム合金又は白金―酸化ジルコニウム―金合
金に含有するロジウムの含有量としては0.1〜30wt%
の範囲が好ましい。
ジウムを含有する強化白金合金材料を用いて形成した単
結晶製造用坩堝である。上記の強化白金としては特に限
定されるものではないが、例えば白金に酸化ジルコニウ
ムが含有された白金―酸化ジルコニウム合金、又はこの
合金に更に金が含有される白金―酸化ジルコニウム―金
合金等が一例として挙げられる。そして、この白金―酸
化ジルコニウム合金又は白金―酸化ジルコニウム―金合
金に含有するロジウムの含有量としては0.1〜30wt%
の範囲が好ましい。
【0011】而して、上記した本発明の単結晶製造用坩
堝を用いてチョクラルスキー法又はブリッジマン法によ
りフッ化物系単結晶を製造することにより、カーボン微
粉末の発生による原料融液の汚染がなくなり、しかも、
破損等なく単結晶材料を坩堝から容易に取り出すことが
できる。それにより、結晶の汚染がなく、高純度で高い
完全性或いは低欠陥密度の高い光学的特性に優れたフッ
化物系単結晶を歩留まり良く製造することが可能にな
る。
堝を用いてチョクラルスキー法又はブリッジマン法によ
りフッ化物系単結晶を製造することにより、カーボン微
粉末の発生による原料融液の汚染がなくなり、しかも、
破損等なく単結晶材料を坩堝から容易に取り出すことが
できる。それにより、結晶の汚染がなく、高純度で高い
完全性或いは低欠陥密度の高い光学的特性に優れたフッ
化物系単結晶を歩留まり良く製造することが可能にな
る。
【0012】また、本発明は白金若しくは不純物の含有
量の合計が100ppm以下で残部が白金である材料からなる
保護膜を、カーボン又はグラッシーカーボン製の坩堝本
体の少なくとも内面に設けた単結晶製造用坩堝である。
ここで、不純物としては前述したように例えば銀、銅、
マグネシウム、パラジウムの内、少なくとも一種類が挙
げられる。又、保護膜の膜厚としては100μm以上に設
定することが好ましい。
量の合計が100ppm以下で残部が白金である材料からなる
保護膜を、カーボン又はグラッシーカーボン製の坩堝本
体の少なくとも内面に設けた単結晶製造用坩堝である。
ここで、不純物としては前述したように例えば銀、銅、
マグネシウム、パラジウムの内、少なくとも一種類が挙
げられる。又、保護膜の膜厚としては100μm以上に設
定することが好ましい。
【0013】また、本発明は白金を主成分とし、金、ロ
ジウム、イリジウムの内、少なくとも一種類を含有する
白金合金材料からなる保護膜を、カーボン又はグラッシ
ーカーボン製の坩堝本体の少なくとも内面に設けた単結
晶製造用坩堝である。ここで、主成分の白金に含有する
金の含有量としては0.1〜10wt%の範囲が好ましい。
又、ロジウムの含有量としては0.1〜30wt%の範囲が
好ましい。又、イリジウムの含有量としては0.1〜20w
t%の範囲が好ましい。又、保護膜の膜厚としては100
μm以上に設定することが好ましい。
ジウム、イリジウムの内、少なくとも一種類を含有する
白金合金材料からなる保護膜を、カーボン又はグラッシ
ーカーボン製の坩堝本体の少なくとも内面に設けた単結
晶製造用坩堝である。ここで、主成分の白金に含有する
金の含有量としては0.1〜10wt%の範囲が好ましい。
又、ロジウムの含有量としては0.1〜30wt%の範囲が
好ましい。又、イリジウムの含有量としては0.1〜20w
t%の範囲が好ましい。又、保護膜の膜厚としては100
μm以上に設定することが好ましい。
【0014】また、本発明は白金を主成分とし、第二元
素として金を含有し、更に酸化ジルコニウムを含有する
白金合金材料からなる保護膜を、カーボン又はグラッシ
ーカーボン製の坩堝本体の少なくとも内面に設けた単結
晶製造用坩堝である。ここで、金の含有量としては0.1
〜10wt%の範囲が好ましい。そして、この白金―金合
金に含有する酸化ジルコニウムの含有量としては0.001
〜0.4wt%の範囲が好ましい。又、保護膜の膜厚とし
ては100μm以上に設定することが好ましい。
素として金を含有し、更に酸化ジルコニウムを含有する
白金合金材料からなる保護膜を、カーボン又はグラッシ
ーカーボン製の坩堝本体の少なくとも内面に設けた単結
晶製造用坩堝である。ここで、金の含有量としては0.1
〜10wt%の範囲が好ましい。そして、この白金―金合
金に含有する酸化ジルコニウムの含有量としては0.001
〜0.4wt%の範囲が好ましい。又、保護膜の膜厚とし
ては100μm以上に設定することが好ましい。
【0015】また、本発明は強化白金を主成分とし、ロ
ジウムを含有する白金合金材料からなる保護膜を、カー
ボン又はグラッシーカーボン製の坩堝本体の少なくとも
内面に設けた単結晶製造用坩堝である。ここで、上記の
強化白金としては前述したように、白金―酸化ジルコニ
ウム合金、又は白金―酸化ジルコニウム―金合金等が一
例として挙げられる。又、保護膜の膜厚としては100μ
m以上に設定することが好ましい。この白金―酸化ジル
コニウム合金又は白金―酸化ジルコニウム―金合金に含
有するロジウムの含有量としては0.1〜30wt%の範囲
が好ましい。
ジウムを含有する白金合金材料からなる保護膜を、カー
ボン又はグラッシーカーボン製の坩堝本体の少なくとも
内面に設けた単結晶製造用坩堝である。ここで、上記の
強化白金としては前述したように、白金―酸化ジルコニ
ウム合金、又は白金―酸化ジルコニウム―金合金等が一
例として挙げられる。又、保護膜の膜厚としては100μ
m以上に設定することが好ましい。この白金―酸化ジル
コニウム合金又は白金―酸化ジルコニウム―金合金に含
有するロジウムの含有量としては0.1〜30wt%の範囲
が好ましい。
【0016】而して、上記した本発明の単結晶製造用坩
堝を用いてチョクラルスキー法又はブリッジマン法によ
りフッ化物系単結晶を製造することにより、カーボン又
はグラッシーカーボン製坩堝の表面からのカーボン微粉
末の発生による原料融液の汚染がなくなり、しかも、破
損等なく単結晶材料を坩堝から容易に取り出すことがで
きる。それにより、結晶の汚染がなく、高純度で高い完
全性或いは低欠陥密度の高い光学的特性に優れたフッ化
物系単結晶を歩留まり良く製造することが可能になる。
堝を用いてチョクラルスキー法又はブリッジマン法によ
りフッ化物系単結晶を製造することにより、カーボン又
はグラッシーカーボン製坩堝の表面からのカーボン微粉
末の発生による原料融液の汚染がなくなり、しかも、破
損等なく単結晶材料を坩堝から容易に取り出すことがで
きる。それにより、結晶の汚染がなく、高純度で高い完
全性或いは低欠陥密度の高い光学的特性に優れたフッ化
物系単結晶を歩留まり良く製造することが可能になる。
【0017】また、本発明は高純度で且つ低膨張、尚且
つ熱伝導性に優れ、更にはガス及び白金に悪影響を及ぼ
す元素の拡散浸透が起り難いセラミックスを、カーボン
製又はグラッシーカーボン製坩堝本体の内面に設けた単
結晶製造用坩堝である。ここで、上記セラミックス材料
としてはパイロリティックボロンナイトライド等が一例
として挙げられる。
つ熱伝導性に優れ、更にはガス及び白金に悪影響を及ぼ
す元素の拡散浸透が起り難いセラミックスを、カーボン
製又はグラッシーカーボン製坩堝本体の内面に設けた単
結晶製造用坩堝である。ここで、上記セラミックス材料
としてはパイロリティックボロンナイトライド等が一例
として挙げられる。
【0018】また、本発明は高純度で且つ低膨張、尚且
つ熱伝導性に優れ、更にはガス及び白金に悪影響を及ぼ
す元素の拡散浸透が起り難いセラミックスを、カーボン
製又はグラッシーカーボン製坩堝本体の内面に設け、更
に、白金を主成分とし、金、ロジウム、イリジウム、酸
化ジルコニウムの内、少なくとも一種類を含有する合金
材料を、前記セラミックスの内面に設けた単結晶製造用
坩堝である。
つ熱伝導性に優れ、更にはガス及び白金に悪影響を及ぼ
す元素の拡散浸透が起り難いセラミックスを、カーボン
製又はグラッシーカーボン製坩堝本体の内面に設け、更
に、白金を主成分とし、金、ロジウム、イリジウム、酸
化ジルコニウムの内、少なくとも一種類を含有する合金
材料を、前記セラミックスの内面に設けた単結晶製造用
坩堝である。
【0019】而して、上記した本発明の単結晶製造用坩
堝を用いてチョクラルスキー法又はブリッジマン法によ
りフッ化物系単結晶を製造することにより、カーボン又
はグラッシーカーボン製坩堝の表面からのカーボン微粉
末の発生による原料融液の汚染がなくなり、しかも、破
損等なく単結晶材料を坩堝から容易に取り出すことがで
きる。それにより、結晶の汚染がなく、高純度で高い完
全性或いは低欠陥密度の高い光学的特性に優れたフッ化
物系単結晶を歩留まり良く製造することが可能になる。
堝を用いてチョクラルスキー法又はブリッジマン法によ
りフッ化物系単結晶を製造することにより、カーボン又
はグラッシーカーボン製坩堝の表面からのカーボン微粉
末の発生による原料融液の汚染がなくなり、しかも、破
損等なく単結晶材料を坩堝から容易に取り出すことがで
きる。それにより、結晶の汚染がなく、高純度で高い完
全性或いは低欠陥密度の高い光学的特性に優れたフッ化
物系単結晶を歩留まり良く製造することが可能になる。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の実施の具体例を図面に基
づいて説明する。図1は、本発明の単結晶製造用坩堝の
実施形態の一例を示し、坩堝本体1は、白金(Pt)、
若しくは不純物の含有量の合計が100ppm以下で残りが白
金である白金材料を用いて形成する。ここで、不純物が
含有されている白金を用いて坩堝本体1を製作する場
合、含有されている不純物として特に限定されるもので
はないが、考えられる不純物としては例えば銀(A
g)、銅(Cu)、マグネシウム(Mg)、パラジウム
(Pd)等の内、少なくとも一種類の含有量の合計が10
0ppm以下の白金を選択することが好ましい。つまり、不
純物の含有量が少ない高純度の白金をできるだけ選択す
ることが好ましい。その理由は、前述の銀(Ag)、銅
(Cu)、マグネシウム(Mg)、パラジウム(Pd)
等の内、少なくとも一種類からなる不純物の含有量の合
計が100ppmを越える白金を選択すると、不純物が溶け出
し、溶液内に不純物として入り込む等の問題が発生して
しまうからである。従って、本発明では白金坩堝を、銀
(Ag)、銅(Cu)、マグネシウム(Mg)、パラジ
ウム(Pd)等の内、少なくとも一種類の不純物の含有
量の合計が100ppm以下の白金を選択し、この白金材料を
用いて形成することが好ましい。
づいて説明する。図1は、本発明の単結晶製造用坩堝の
実施形態の一例を示し、坩堝本体1は、白金(Pt)、
若しくは不純物の含有量の合計が100ppm以下で残りが白
金である白金材料を用いて形成する。ここで、不純物が
含有されている白金を用いて坩堝本体1を製作する場
合、含有されている不純物として特に限定されるもので
はないが、考えられる不純物としては例えば銀(A
g)、銅(Cu)、マグネシウム(Mg)、パラジウム
(Pd)等の内、少なくとも一種類の含有量の合計が10
0ppm以下の白金を選択することが好ましい。つまり、不
純物の含有量が少ない高純度の白金をできるだけ選択す
ることが好ましい。その理由は、前述の銀(Ag)、銅
(Cu)、マグネシウム(Mg)、パラジウム(Pd)
等の内、少なくとも一種類からなる不純物の含有量の合
計が100ppmを越える白金を選択すると、不純物が溶け出
し、溶液内に不純物として入り込む等の問題が発生して
しまうからである。従って、本発明では白金坩堝を、銀
(Ag)、銅(Cu)、マグネシウム(Mg)、パラジ
ウム(Pd)等の内、少なくとも一種類の不純物の含有
量の合計が100ppm以下の白金を選択し、この白金材料を
用いて形成することが好ましい。
【0021】また、本発明では坩堝本体1を、白金を主
成分とし、金(Au)、ロジウム(Rh)、イリジウム
(Ir)の内、少なくとも一種類を含有する白金合金材
料を用いて形成する。ここで、白金を主成分として選択
する理由は、単結晶の育成時に、坩堝本体1の内面から
カーボン微粉末が剥離することがなくなる。即ち、融解
された原料融液が汚染されることがなくなり、高純度で
高い完全性或いは低欠陥密度の結晶組織からなる単結晶
を製造することができるからである。また、加熱、冷却
による原料溶液の熱膨張によって成長する単結晶が坩堝
本体1に対して内側から圧迫し始めるが、白金材料が持
つ展延性により、単結晶の膨張に平行して坩堝本体1も
外側に膨らむこととなることから、坩堝本体1にクラッ
クが入ったり、破損する等の心配が完全になくなるから
である。
成分とし、金(Au)、ロジウム(Rh)、イリジウム
(Ir)の内、少なくとも一種類を含有する白金合金材
料を用いて形成する。ここで、白金を主成分として選択
する理由は、単結晶の育成時に、坩堝本体1の内面から
カーボン微粉末が剥離することがなくなる。即ち、融解
された原料融液が汚染されることがなくなり、高純度で
高い完全性或いは低欠陥密度の結晶組織からなる単結晶
を製造することができるからである。また、加熱、冷却
による原料溶液の熱膨張によって成長する単結晶が坩堝
本体1に対して内側から圧迫し始めるが、白金材料が持
つ展延性により、単結晶の膨張に平行して坩堝本体1も
外側に膨らむこととなることから、坩堝本体1にクラッ
クが入ったり、破損する等の心配が完全になくなるから
である。
【0022】次に、前述の白金合金材料の具体的な組成
について説明する。Pt−Au合金を坩堝本体1の材料
として用いる場合、主成分となる白金の濡れ性を低下さ
せながら、白金が有する展延性(加工性)の低下を抑え
る等を考慮すると、金の含有量を0.1〜10wt%の範囲
とする。より適した範囲は2.0〜8.0wt%であり、最適
な範囲は4.0〜6.0wt%である。また、Pt−Rh合金
を坩堝本体1の材料として用いる場合、ロジウムの含有
量を0.1〜30wt%の範囲とする。より適した範囲は5.0
〜25wt%であり、最適な範囲は10〜20wt%である。
また、Pt−Ir合金を坩堝本体1の材料として用いる
場合、イリジウムの含有量を0.1〜20wt%の範囲とす
る。より適した範囲は2.0〜15wt%であり、最適な範
囲は4.0〜12wt%である。
について説明する。Pt−Au合金を坩堝本体1の材料
として用いる場合、主成分となる白金の濡れ性を低下さ
せながら、白金が有する展延性(加工性)の低下を抑え
る等を考慮すると、金の含有量を0.1〜10wt%の範囲
とする。より適した範囲は2.0〜8.0wt%であり、最適
な範囲は4.0〜6.0wt%である。また、Pt−Rh合金
を坩堝本体1の材料として用いる場合、ロジウムの含有
量を0.1〜30wt%の範囲とする。より適した範囲は5.0
〜25wt%であり、最適な範囲は10〜20wt%である。
また、Pt−Ir合金を坩堝本体1の材料として用いる
場合、イリジウムの含有量を0.1〜20wt%の範囲とす
る。より適した範囲は2.0〜15wt%であり、最適な範
囲は4.0〜12wt%である。
【0023】尚、前述の白金合金材料としては前述の3
種の合金材料に限らず、主成分となる白金に、レニウ
ム、ルテニウムなどを含有させたPt−Re合金、Pt
−Ru合金等をも含むものである。
種の合金材料に限らず、主成分となる白金に、レニウ
ム、ルテニウムなどを含有させたPt−Re合金、Pt
−Ru合金等をも含むものである。
【0024】また、本発明では坩堝本体1を、白金(P
t)を主成分とし、第二元素として金(Au)を含有
し、更に酸化ジルコニウム(ZrO2)を含有する合金
材料を用いて形成する。ここで、Pt−Au合金に、Z
rO2を含有する理由としては、白金が有する展延性や
金が有する濡れ性等の特性に加えて、酸化ジルコニウム
の含有により、耐熱性や硬度を向上させることができ
る。これにより、結晶育成段階での圧力による坩堝の変
形を抑制する効果が期待できる。
t)を主成分とし、第二元素として金(Au)を含有
し、更に酸化ジルコニウム(ZrO2)を含有する合金
材料を用いて形成する。ここで、Pt−Au合金に、Z
rO2を含有する理由としては、白金が有する展延性や
金が有する濡れ性等の特性に加えて、酸化ジルコニウム
の含有により、耐熱性や硬度を向上させることができ
る。これにより、結晶育成段階での圧力による坩堝の変
形を抑制する効果が期待できる。
【0025】次に、前述の白金合金材料の具体的な組成
について説明する。ここで、主成分の白金に対する金の
含有量は前述した通り0.1〜10wt%の範囲とする。そ
して、このPt−Au合金に含有する酸化ジルコニウム
の含有量としては0.001〜0.4wt%の範囲とすることが
好ましく、より適した範囲は0.01〜0.3wt%であり、
最適な範囲は0.1〜0.2wt%である。
について説明する。ここで、主成分の白金に対する金の
含有量は前述した通り0.1〜10wt%の範囲とする。そ
して、このPt−Au合金に含有する酸化ジルコニウム
の含有量としては0.001〜0.4wt%の範囲とすることが
好ましく、より適した範囲は0.01〜0.3wt%であり、
最適な範囲は0.1〜0.2wt%である。
【0026】また、本発明では坩堝本体1を、強化白金
を主成分とし、ロジウム(Rh)を含有する強化白金合
金材料を用いて形成する。上記の強化白金としては特に
限定されるものではないが、例えば白金に酸化ジルコニ
ウムを0.16wt%含有されたPt−ZrO2合金、又は
このPt−ZrO2合金に更に金を5wt%含有させた
Pt−ZrO2−Au合金等が一例として挙げられる。
ここで、坩堝本体1を作る材料として強化白金合金を選
択した理由は、前述したように坩堝本体には結晶育成時
の熱膨張によって内側からの圧力により圧迫し始める
が、強化白金の硬度特性により、坩堝本体にクラックが
入ったり、破損がなくなるからである。又、育成したフ
ッ化物系単結晶を坩堝本体1から取り出す際の濡れ性に
より、単結晶材料を容易に取り出せる等からである。
を主成分とし、ロジウム(Rh)を含有する強化白金合
金材料を用いて形成する。上記の強化白金としては特に
限定されるものではないが、例えば白金に酸化ジルコニ
ウムを0.16wt%含有されたPt−ZrO2合金、又は
このPt−ZrO2合金に更に金を5wt%含有させた
Pt−ZrO2−Au合金等が一例として挙げられる。
ここで、坩堝本体1を作る材料として強化白金合金を選
択した理由は、前述したように坩堝本体には結晶育成時
の熱膨張によって内側からの圧力により圧迫し始める
が、強化白金の硬度特性により、坩堝本体にクラックが
入ったり、破損がなくなるからである。又、育成したフ
ッ化物系単結晶を坩堝本体1から取り出す際の濡れ性に
より、単結晶材料を容易に取り出せる等からである。
【0027】次に、前述の強化白金合金材料の具体的な
組成について説明する。育成した単結晶材料を坩堝から
取り出す際の濡れ性、そして単結晶製造坩堝を製作する
際の加工性、つまり白金が有する展延性(加工性)の低
下を抑える等を考慮すると、ロジウムの含有量としては
0.1〜30wt%の範囲が好ましく、より適した範囲は5.0
〜25wt%であり、最適な範囲は10〜20wt%である。
組成について説明する。育成した単結晶材料を坩堝から
取り出す際の濡れ性、そして単結晶製造坩堝を製作する
際の加工性、つまり白金が有する展延性(加工性)の低
下を抑える等を考慮すると、ロジウムの含有量としては
0.1〜30wt%の範囲が好ましく、より適した範囲は5.0
〜25wt%であり、最適な範囲は10〜20wt%である。
【0028】また、図2に示すように本発明ではカーボ
ン(以後、C)又はグラッシーカーボン(以後、GC)
製の坩堝本体2の少なくとも内面に、前述した白金材料
又は白金系合金材料からなる保護膜3を設けることによ
り、白金材料又は白金合金材料又は強化白金合金材料を
用いて形成した前述実施例詳述の坩堝本体1と同様にカ
ーボン微粉末の剥離発生による融解されたフッ化物系単
結晶の原料溶液の汚染防止と成長するフッ化物単結晶と
の濡れ性問題を解決する効果が得られるようにしてあ
る。又、本発明においては保護膜3の膜厚(t)を100
μm以上に設定することが必要である。その理由は、薄
くすることで保護膜3の強度が低下し、例えば結晶成長
後の因化した溶液の取り出しの際に保護膜が破損する。
或いは連続使用に耐えない等の問題が発生するからであ
る。尚、白金系合金の組成については前述した各実施例
詳述のものと基本的に同じであるので重複説明を省略す
る。
ン(以後、C)又はグラッシーカーボン(以後、GC)
製の坩堝本体2の少なくとも内面に、前述した白金材料
又は白金系合金材料からなる保護膜3を設けることによ
り、白金材料又は白金合金材料又は強化白金合金材料を
用いて形成した前述実施例詳述の坩堝本体1と同様にカ
ーボン微粉末の剥離発生による融解されたフッ化物系単
結晶の原料溶液の汚染防止と成長するフッ化物単結晶と
の濡れ性問題を解決する効果が得られるようにしてあ
る。又、本発明においては保護膜3の膜厚(t)を100
μm以上に設定することが必要である。その理由は、薄
くすることで保護膜3の強度が低下し、例えば結晶成長
後の因化した溶液の取り出しの際に保護膜が破損する。
或いは連続使用に耐えない等の問題が発生するからであ
る。尚、白金系合金の組成については前述した各実施例
詳述のものと基本的に同じであるので重複説明を省略す
る。
【0029】また、図3に示すように本発明ではC又は
GC製の坩堝本体2の内面に、セラミックからなる下地
保護膜4を設け、更にこの下地保護膜4の表面に、白金
を主成分とし、金(Au)、ロジウム(Rh)、イリジ
ウム(Ir)、酸化ジルコニウム(ZrO2)の内、少
なくとも一種類を含有する白金合金材料からなる保護膜
3-1を設ける。
GC製の坩堝本体2の内面に、セラミックからなる下地
保護膜4を設け、更にこの下地保護膜4の表面に、白金
を主成分とし、金(Au)、ロジウム(Rh)、イリジ
ウム(Ir)、酸化ジルコニウム(ZrO2)の内、少
なくとも一種類を含有する白金合金材料からなる保護膜
3-1を設ける。
【0030】保護下地膜4は、高純度で且つ低膨張、尚
且つ熱伝導性に優れ、更にはガス及び白金に悪影響を及
ぼす元素の拡散浸透が起り難いセラミックスからなり、
単結晶の育成雰囲気中において白金合金材料からなる保
護膜が、C又はGC製の坩堝本体2から発生するガスや
元素により侵食されないように該保護膜3-1を保護する
役目を成す。
且つ熱伝導性に優れ、更にはガス及び白金に悪影響を及
ぼす元素の拡散浸透が起り難いセラミックスからなり、
単結晶の育成雰囲気中において白金合金材料からなる保
護膜が、C又はGC製の坩堝本体2から発生するガスや
元素により侵食されないように該保護膜3-1を保護する
役目を成す。
【0031】尚、保護下地膜4を作るセラミックス材料
としては、99.9%以上の高純度、5.3×10-6/℃以下の
低熱膨張、0.1Cal/cm・sec・℃以上の高熱伝
導を満たすものが好ましい。この条件以外では、ガス及
び白金に悪影響を及ぼす元素の拡散浸透が起る。
としては、99.9%以上の高純度、5.3×10-6/℃以下の
低熱膨張、0.1Cal/cm・sec・℃以上の高熱伝
導を満たすものが好ましい。この条件以外では、ガス及
び白金に悪影響を及ぼす元素の拡散浸透が起る。
【0032】保護下地膜4の膜厚(t)としては特に限
定されるものではないが、例えば前述した実施例詳述の
保護膜3と同じ程度の100μm以上に設定することが好
ましい。また、保護膜3-1の膜厚(t)においても100μ
m以上に設定することが好ましい。
定されるものではないが、例えば前述した実施例詳述の
保護膜3と同じ程度の100μm以上に設定することが好
ましい。また、保護膜3-1の膜厚(t)においても100μ
m以上に設定することが好ましい。
【0033】次に、保護膜3-1を作る白金合金材料の組
成について説明するが、後述の組成範囲に限定されるも
のではない。例えばPt−Au合金を保護膜3-1の材料
として用いる場合、主成分となる白金の濡れ性を低下さ
せながら、白金が有する展延性(加工性)の低下を抑え
る等を考慮すると、金の含有量を0.1〜10wt%の範囲
とする。より適した範囲は2.0〜8.0wt%であり、最適
な範囲は4.0〜6.0wt%である。また、Pt−Rh合金
を保護膜3-1の材料として用いる場合、ロジウムの含有
量を0.1〜30wt%の範囲とする。より適した範囲は5.0
〜25wt%であり、最適な範囲は10〜20wt%である。
また、Pt−Ir合金を保護膜3-1の材料として用いる
場合、イリジウムの含有量を0.1〜20wt%の範囲とす
る。より適した範囲は2.0〜15wt%であり、最適な範
囲は4.0〜12wt%である。また、Pt−ZrO2合金を
保護膜3-1の材料として用いる場合、酸化ジルコニウム
の含有量を0.001〜0.4wt%の範囲とする。より適した
範囲は0.01〜0.3wt%であり、最適な範囲は0.1〜0.2
wt%である。
成について説明するが、後述の組成範囲に限定されるも
のではない。例えばPt−Au合金を保護膜3-1の材料
として用いる場合、主成分となる白金の濡れ性を低下さ
せながら、白金が有する展延性(加工性)の低下を抑え
る等を考慮すると、金の含有量を0.1〜10wt%の範囲
とする。より適した範囲は2.0〜8.0wt%であり、最適
な範囲は4.0〜6.0wt%である。また、Pt−Rh合金
を保護膜3-1の材料として用いる場合、ロジウムの含有
量を0.1〜30wt%の範囲とする。より適した範囲は5.0
〜25wt%であり、最適な範囲は10〜20wt%である。
また、Pt−Ir合金を保護膜3-1の材料として用いる
場合、イリジウムの含有量を0.1〜20wt%の範囲とす
る。より適した範囲は2.0〜15wt%であり、最適な範
囲は4.0〜12wt%である。また、Pt−ZrO2合金を
保護膜3-1の材料として用いる場合、酸化ジルコニウム
の含有量を0.001〜0.4wt%の範囲とする。より適した
範囲は0.01〜0.3wt%であり、最適な範囲は0.1〜0.2
wt%である。
【0034】而して、以上の如く構成した本実施例の単
結晶製造用坩堝によれば、チョクラルスキー法又はブリ
ッジマン法によるフッ化物系単結晶の育成中に、前述の
実施例詳述のように白金材料又は白金合金材料又は強化
白金合金材料を用いて形成した坩堝本体1と同様にカー
ボン微粉末の剥離発生による融解されたフッ化物系単結
晶の原料溶液の汚染防止と成長するフッ化物単結晶との
濡れ性問題を解決する効果が得られるようにしてある。
また、フッ化物系単結晶の育成時やその育成雰囲気にお
いてC又はGC製の坩堝本体2から発生するガスや元素
による保護膜3-1への侵食を、セラミックスからなる下
地保護膜4により保護し、更にはC又はGC材料の粉塵
の保護膜3-1への混入が抑止(制御)される効果が得ら
れるようにしてある。
結晶製造用坩堝によれば、チョクラルスキー法又はブリ
ッジマン法によるフッ化物系単結晶の育成中に、前述の
実施例詳述のように白金材料又は白金合金材料又は強化
白金合金材料を用いて形成した坩堝本体1と同様にカー
ボン微粉末の剥離発生による融解されたフッ化物系単結
晶の原料溶液の汚染防止と成長するフッ化物単結晶との
濡れ性問題を解決する効果が得られるようにしてある。
また、フッ化物系単結晶の育成時やその育成雰囲気にお
いてC又はGC製の坩堝本体2から発生するガスや元素
による保護膜3-1への侵食を、セラミックスからなる下
地保護膜4により保護し、更にはC又はGC材料の粉塵
の保護膜3-1への混入が抑止(制御)される効果が得ら
れるようにしてある。
【0035】因みに、本発明単結晶製造用坩堝により製
造するフッ化物系単結晶のフッ化物としては特に限定さ
れるものではないが、例えば、フッ化リチウム(Li
F)、フッ化リチウムカルシウムアルミニウム(LiC
aAlF6)、フッ化リチウムストロンチウムアルミニ
ウム(LiSrAlF6)、フッ化リチウムストロンチ
ウムガリウム(LiSrGaF6)、フッ化リチウムイ
ットリウム(LiYF4)、フッ化リチウムルテチウム
(LiLuF4)、フッ化カリウムマグネシウム(KM
gF3)、フッ化バリウムリチウム(BaLiF3)、フ
ッ化バリウムイットリウム(BaY2F8)、フッ化バリ
ウムイッテルビウム(BaYb2F8)、フッ化バリウム
マグネシウム(BaMgF4)、フッ化マグネシウム
(MgF2)、フッ化カルシウム(CaF2)等が挙げら
れる。又、これらのフッ化物に、更に0.1〜10wt%セ
リウム(Ce)、0.1〜30wt%ネオジム(Nd)、0.1
〜20wt%ツリウム(Tm)、0.1〜20wt%ホルミウム
(Ho)、0.1〜50wt%イッテルビウム(Yb)、0.1
〜50wt%エルビウム(Er)等が添加されているもの
等が挙げられる。
造するフッ化物系単結晶のフッ化物としては特に限定さ
れるものではないが、例えば、フッ化リチウム(Li
F)、フッ化リチウムカルシウムアルミニウム(LiC
aAlF6)、フッ化リチウムストロンチウムアルミニ
ウム(LiSrAlF6)、フッ化リチウムストロンチ
ウムガリウム(LiSrGaF6)、フッ化リチウムイ
ットリウム(LiYF4)、フッ化リチウムルテチウム
(LiLuF4)、フッ化カリウムマグネシウム(KM
gF3)、フッ化バリウムリチウム(BaLiF3)、フ
ッ化バリウムイットリウム(BaY2F8)、フッ化バリ
ウムイッテルビウム(BaYb2F8)、フッ化バリウム
マグネシウム(BaMgF4)、フッ化マグネシウム
(MgF2)、フッ化カルシウム(CaF2)等が挙げら
れる。又、これらのフッ化物に、更に0.1〜10wt%セ
リウム(Ce)、0.1〜30wt%ネオジム(Nd)、0.1
〜20wt%ツリウム(Tm)、0.1〜20wt%ホルミウム
(Ho)、0.1〜50wt%イッテルビウム(Yb)、0.1
〜50wt%エルビウム(Er)等が添加されているもの
等が挙げられる。
【0036】
【実施例】次に、実施例1〜8を挙げて本発明を更に具
体的に説明するが、本発明はこれらの実施例1〜8の限
定されるものではないことを初めに述べておく。
体的に説明するが、本発明はこれらの実施例1〜8の限
定されるものではないことを初めに述べておく。
【0037】まず、坩堝本体1を、Pt材料,Pt−5
wt%Au合金材料,Pt−20wt%Rh合金材料,P
t−10wt%Ir合金材料,Pt−5wt%Au−0.16
wt%ZrO2合金材料,Pt−0.25wt%ZrO2−10
wt%Rh合金材料、これらの各材料を用いて直径(L
1):200mm、高さ(L2):260mm、肉厚(t):2mmにて
夫々作製した単結晶製造用坩堝を準備した(図1参
照)。又、前述の寸法(直径(L1):200mm、高さ(L
2):260mm、肉厚(t):2mm)にて作製したC,GC
製の両坩堝本体2の内面に、前述組成からなる各材料を
用いて厚さ100μmの保護膜3を形成した単結晶製造用
坩堝を夫々準備した(図2参照)。
wt%Au合金材料,Pt−20wt%Rh合金材料,P
t−10wt%Ir合金材料,Pt−5wt%Au−0.16
wt%ZrO2合金材料,Pt−0.25wt%ZrO2−10
wt%Rh合金材料、これらの各材料を用いて直径(L
1):200mm、高さ(L2):260mm、肉厚(t):2mmにて
夫々作製した単結晶製造用坩堝を準備した(図1参
照)。又、前述の寸法(直径(L1):200mm、高さ(L
2):260mm、肉厚(t):2mm)にて作製したC,GC
製の両坩堝本体2の内面に、前述組成からなる各材料を
用いて厚さ100μmの保護膜3を形成した単結晶製造用
坩堝を夫々準備した(図2参照)。
【0038】
【比較例1】図示を省略しているが、前述の寸法(直
径:200mm、高さ:260mm、肉厚:5mm)にて作製したC
製とGC製の単結晶製造用坩堝を夫々準備した。
径:200mm、高さ:260mm、肉厚:5mm)にて作製したC
製とGC製の単結晶製造用坩堝を夫々準備した。
【0039】実施例1
前述構成の各坩堝を用いた下記の育成条件に基づくチョ
クラルスキー法又はブリッジマン法によりLiCaAl
F6単結晶を育成し、この単結晶に含まれるカーボン微
粉末を電子顕微鏡又は光学顕微鏡を用いて観察した。そ
の試験結果を表1に示す。尚、この表1において表記し
た(C/100μm)はカーボン(C)製坩堝の内面に膜
厚100μmの保護膜3を設けた本発明の単結晶製造用坩
堝である。 a.使用炉:電気炉 b.炉内加熱温度:820℃ c.到達真空度:10‐5torr d.結晶成長圧力:1.2気圧 e.成長速度:1mm/h
クラルスキー法又はブリッジマン法によりLiCaAl
F6単結晶を育成し、この単結晶に含まれるカーボン微
粉末を電子顕微鏡又は光学顕微鏡を用いて観察した。そ
の試験結果を表1に示す。尚、この表1において表記し
た(C/100μm)はカーボン(C)製坩堝の内面に膜
厚100μmの保護膜3を設けた本発明の単結晶製造用坩
堝である。 a.使用炉:電気炉 b.炉内加熱温度:820℃ c.到達真空度:10‐5torr d.結晶成長圧力:1.2気圧 e.成長速度:1mm/h
【0040】
【表1】
【0041】表1から明らかなように、従来のC製とG
C製の単結晶製造用坩堝を用いて育成したLiCaAl
F6単結晶には、坩堝材料と同じカーボン微粉末が発生
していることが確認された。そのため、結晶品質の低下
をもたらすと同時に融液内にも混入していることが容易
に予測できるため、結晶成長自体が困難になるのに対
し、本発明のPt材料,Pt−5wt%Au合金材料,
Pt−20wt%Rh合金材料,Pt−10wt%Ir合金
材料,Pt−5wt%Au−0.16wt%ZrO2合金材
料,Pt−0.25wt%ZrO2−10wt%Rh合金材
料、これらの材料からなる何れの単結晶製造用坩堝にお
いて育成したものと、当該材料からなる保護膜を内面に
設けた何れの単結晶製造用坩堝において育成したLiC
aAlF6単結晶には、坩堝材料と同じカーボン微粉末
は確認されなかった。従って、本発明の単結晶製造用坩
堝を用いることにより、単結晶の品質を低下させずに成
長させ育成することができる。
C製の単結晶製造用坩堝を用いて育成したLiCaAl
F6単結晶には、坩堝材料と同じカーボン微粉末が発生
していることが確認された。そのため、結晶品質の低下
をもたらすと同時に融液内にも混入していることが容易
に予測できるため、結晶成長自体が困難になるのに対
し、本発明のPt材料,Pt−5wt%Au合金材料,
Pt−20wt%Rh合金材料,Pt−10wt%Ir合金
材料,Pt−5wt%Au−0.16wt%ZrO2合金材
料,Pt−0.25wt%ZrO2−10wt%Rh合金材
料、これらの材料からなる何れの単結晶製造用坩堝にお
いて育成したものと、当該材料からなる保護膜を内面に
設けた何れの単結晶製造用坩堝において育成したLiC
aAlF6単結晶には、坩堝材料と同じカーボン微粉末
は確認されなかった。従って、本発明の単結晶製造用坩
堝を用いることにより、単結晶の品質を低下させずに成
長させ育成することができる。
【0042】実施例2
実施例1により得られたLiCaAlF6単結晶につい
て、赤外吸収測定装置(FTIR)を用いて単結晶中の
不純物の状態を調べた。その結果を表2に示す。尚、こ
の表2において表記した(C/100μm)はカーボン
(C)製坩堝の内面に膜厚100μmの保護膜3を設けた
本発明の単結晶製造用坩堝である。因みに、この赤外吸
収測定装置による不純物の測定は赤外線が3000〜4000cm
-1近辺において、水分、カーボンが反応してCOH、C
OOHが発生することにより、不純物吸収ピークとして
観察される。
て、赤外吸収測定装置(FTIR)を用いて単結晶中の
不純物の状態を調べた。その結果を表2に示す。尚、こ
の表2において表記した(C/100μm)はカーボン
(C)製坩堝の内面に膜厚100μmの保護膜3を設けた
本発明の単結晶製造用坩堝である。因みに、この赤外吸
収測定装置による不純物の測定は赤外線が3000〜4000cm
-1近辺において、水分、カーボンが反応してCOH、C
OOHが発生することにより、不純物吸収ピークとして
観察される。
【0043】
【表2】
【0044】表2から明らかなように、従来のC製とG
C製の単結晶製造用坩堝により製造された単結晶におい
ては不純物吸収ピークが観察されるのに対し、本発明の
Pt材料,Pt−5wt%Au合金材料,Pt−20wt
%Rh合金材料,Pt−10wt%Ir合金材料,Pt−
5wt%Au−0.16wt%ZrO2合金材料,Pt−0.2
5wt%ZrO2−10wt%Rh合金材料、これらの材料
からなる何れの単結晶製造用坩堝により育成された全て
のフッ化物系単結晶においては不純物吸収ピークが観察
されなかった。従って、本発明の単結晶製造用坩堝を用
いることにより不純物の無い、高純度で高い完全性或い
は低欠陥密度の高い光学的特性に優れたフッ化物系単結
晶を製造することができることが分かる。
C製の単結晶製造用坩堝により製造された単結晶におい
ては不純物吸収ピークが観察されるのに対し、本発明の
Pt材料,Pt−5wt%Au合金材料,Pt−20wt
%Rh合金材料,Pt−10wt%Ir合金材料,Pt−
5wt%Au−0.16wt%ZrO2合金材料,Pt−0.2
5wt%ZrO2−10wt%Rh合金材料、これらの材料
からなる何れの単結晶製造用坩堝により育成された全て
のフッ化物系単結晶においては不純物吸収ピークが観察
されなかった。従って、本発明の単結晶製造用坩堝を用
いることにより不純物の無い、高純度で高い完全性或い
は低欠陥密度の高い光学的特性に優れたフッ化物系単結
晶を製造することができることが分かる。
【0045】次に、前述の白金材料、白金合金材料、強
化白金合金材料の各材料組成範囲からなる本発明の単結
晶製造用坩堝(以後、坩堝と略す)について、各坩堝の
加工性(展延性)と育成されたLiCaAlF6単結晶
を各坩堝から取り出す時の濡れ性を複数回(10〜20回程
度)繰り返すことで検討して見た。その結果を表3及び
表4に示す。
化白金合金材料の各材料組成範囲からなる本発明の単結
晶製造用坩堝(以後、坩堝と略す)について、各坩堝の
加工性(展延性)と育成されたLiCaAlF6単結晶
を各坩堝から取り出す時の濡れ性を複数回(10〜20回程
度)繰り返すことで検討して見た。その結果を表3及び
表4に示す。
【0046】
【表3】
【0047】
【表4】
【0048】実施例3
まず、Pt−Au合金坩堝について検討してみたとこ
ろ、表3から分かるように、Auの含有量が0.01wt%
以下では効果が見られず、15wt%以上では合金の融点
が下がり、耐熱温度も低く、又、使用時においてPtと
Auとに分離が見られ、合金としての効果が得られな
い。そこで、Auの含有量を0.1〜10wt%の範囲に設
定したPt−Au合金坩堝の濡れ性を見ると、1.0〜2.0
wt%の範囲では2.0wt%における濡れ性がPt材料
単体に比べて多少上向き傾向になってきた。つまり、A
u含有による効果が多少見られることから、加工性が同
じであれば、Auの含有量の下限としては2.0wt%が
適する判断される。一方、加工性を見ると、Auの含有
量が8.0〜9.0wt%あたりから加工性が更に低下する傾
向にあることから、単結晶材料を坩堝から容易に取り出
すことができる濡れ性に問題がなければ、Auの含有量
の上限としては8.0wt%が適すると判断される。
ろ、表3から分かるように、Auの含有量が0.01wt%
以下では効果が見られず、15wt%以上では合金の融点
が下がり、耐熱温度も低く、又、使用時においてPtと
Auとに分離が見られ、合金としての効果が得られな
い。そこで、Auの含有量を0.1〜10wt%の範囲に設
定したPt−Au合金坩堝の濡れ性を見ると、1.0〜2.0
wt%の範囲では2.0wt%における濡れ性がPt材料
単体に比べて多少上向き傾向になってきた。つまり、A
u含有による効果が多少見られることから、加工性が同
じであれば、Auの含有量の下限としては2.0wt%が
適する判断される。一方、加工性を見ると、Auの含有
量が8.0〜9.0wt%あたりから加工性が更に低下する傾
向にあることから、単結晶材料を坩堝から容易に取り出
すことができる濡れ性に問題がなければ、Auの含有量
の上限としては8.0wt%が適すると判断される。
【0049】従って、表3から明らかなように、加工性
が同じで濡れ性に上向き傾向が見られる4.0wt%がA
uの最適な含有量の下限となり、そして、多少、濡れ性
が低下しても加工性に向上が見られる6.0wt%がAu
の最適な含有量の上限と判断される。
が同じで濡れ性に上向き傾向が見られる4.0wt%がA
uの最適な含有量の下限となり、そして、多少、濡れ性
が低下しても加工性に向上が見られる6.0wt%がAu
の最適な含有量の上限と判断される。
【0050】実施例4
次に、Pt−Rh合金坩堝について検討してみたとこ
ろ、表3から分かるように、Rhの含有量が0.01wt%
以下では効果が見られず、35wt%以上では加工性が低
下し始め、合金としての効果が得られない。そこで、R
hの含有量を0.1〜30wt%の範囲に設定したPt−R
h合金坩堝の濡れ性を見ると、1.0〜5.0wt%の範囲で
は濡れ性がPt材料単体に比べて多少上向き傾向になっ
てきた。つまり、Rh含有による効果が多少見られるこ
とから、加工性が同じであれば、Rhの含有量の下限と
しては5.0wt%が適すると判断される。又、このRh
は高価な材料(貴金属)であることから、30wt%と25
wt%との濡れ性、加工性において同じであるならば、
Rhの含有量の上限としては25wt%が適すると判断さ
れる。
ろ、表3から分かるように、Rhの含有量が0.01wt%
以下では効果が見られず、35wt%以上では加工性が低
下し始め、合金としての効果が得られない。そこで、R
hの含有量を0.1〜30wt%の範囲に設定したPt−R
h合金坩堝の濡れ性を見ると、1.0〜5.0wt%の範囲で
は濡れ性がPt材料単体に比べて多少上向き傾向になっ
てきた。つまり、Rh含有による効果が多少見られるこ
とから、加工性が同じであれば、Rhの含有量の下限と
しては5.0wt%が適すると判断される。又、このRh
は高価な材料(貴金属)であることから、30wt%と25
wt%との濡れ性、加工性において同じであるならば、
Rhの含有量の上限としては25wt%が適すると判断さ
れる。
【0051】従って、表3から分かるように、加工性が
同じで濡れ性に上向き傾向が見られる5.0〜10wt%の
範囲において10wt%がRhの最適な含有量の下限とな
る。そして、濡れ性、加工性が同じで高価なRhの含有
量を抑えることができる20wt%がRhの最適な含有量
の上限と判断される。
同じで濡れ性に上向き傾向が見られる5.0〜10wt%の
範囲において10wt%がRhの最適な含有量の下限とな
る。そして、濡れ性、加工性が同じで高価なRhの含有
量を抑えることができる20wt%がRhの最適な含有量
の上限と判断される。
【0052】実施例5
次に、Pt−Ir合金坩堝について検討してみたとこ
ろ、表3から分かるように、Irの含有量が0.01wt%
以下では効果が見られず、25wt%以上では加工性が大
幅に低下してしまって坩堝の作製が困難になる。そこ
で、Irの含有量を0.1〜20wt%の範囲に設定したP
t−Ir合金坩堝の濡れ性を見ると、1.0〜2.0wt%の
範囲では2.0wt%における濡れ性がPt材料単体に比
べて多少上向き傾向になってきた。つまり、Ir含有に
よる効果が多少見られることから、加工性が同じであれ
ば、Irの含有量の下限としては2.0wt%が適すると
判断される。一方、加工性を見ると、Irの含有量が20
wt%の場合と15wt%の場合では15wt%の方が加工
性が多少とも向上する傾向にあることから、濡れ性に問
題がなければ、Irの含有量の上限としては15wt%が
適すると判断される。
ろ、表3から分かるように、Irの含有量が0.01wt%
以下では効果が見られず、25wt%以上では加工性が大
幅に低下してしまって坩堝の作製が困難になる。そこ
で、Irの含有量を0.1〜20wt%の範囲に設定したP
t−Ir合金坩堝の濡れ性を見ると、1.0〜2.0wt%の
範囲では2.0wt%における濡れ性がPt材料単体に比
べて多少上向き傾向になってきた。つまり、Ir含有に
よる効果が多少見られることから、加工性が同じであれ
ば、Irの含有量の下限としては2.0wt%が適すると
判断される。一方、加工性を見ると、Irの含有量が20
wt%の場合と15wt%の場合では15wt%の方が加工
性が多少とも向上する傾向にあることから、濡れ性に問
題がなければ、Irの含有量の上限としては15wt%が
適すると判断される。
【0053】従って、表3から明らかなように、3.0〜
4.0の範囲では加工性が同じで濡れ性に多少上向き傾向
が見られる4.0wt%がIrの最適な含有量の下限とな
り、そして、12〜15wt%の範囲では多少、濡れ性が低
下しても加工性に向上が見られる12wt%がIrの最適
な含有量の上限と判断される。
4.0の範囲では加工性が同じで濡れ性に多少上向き傾向
が見られる4.0wt%がIrの最適な含有量の下限とな
り、そして、12〜15wt%の範囲では多少、濡れ性が低
下しても加工性に向上が見られる12wt%がIrの最適
な含有量の上限と判断される。
【0054】実施例6
次に、Pt−5.0wt%Au−ZrO2合金坩堝について
検討してみたところ、表4から分かるように、ZrO2
の含有量が0.0005wt%以下では効果が見られず、0.5
wt%以上では加工性が大幅に低下してしまって坩堝の
作製が困難になる。そこで、ZrO2の含有量を0.001〜
0.4wt%の範囲に設定したPt−Au合金坩堝の濡れ
性を見ると、0.005〜0.01wt%の範囲では0.01wt%
における濡れ性が多少上向き傾向にあり、加工性が同じ
であれば、ZrO2の含有量の下限としては0.01wt%
が適すると判断される。一方、加工性を見ると、ZrO
2の含有量が0.4wt%より0.3wt%の方が多少加工性
が上向き傾向にあることから、育成された単結晶材料を
坩堝から容易に取り出すことができる濡れ性に問題がな
ければ、ZrO2の含有量の上限としては0.3wt%が適
すると判断される。
検討してみたところ、表4から分かるように、ZrO2
の含有量が0.0005wt%以下では効果が見られず、0.5
wt%以上では加工性が大幅に低下してしまって坩堝の
作製が困難になる。そこで、ZrO2の含有量を0.001〜
0.4wt%の範囲に設定したPt−Au合金坩堝の濡れ
性を見ると、0.005〜0.01wt%の範囲では0.01wt%
における濡れ性が多少上向き傾向にあり、加工性が同じ
であれば、ZrO2の含有量の下限としては0.01wt%
が適すると判断される。一方、加工性を見ると、ZrO
2の含有量が0.4wt%より0.3wt%の方が多少加工性
が上向き傾向にあることから、育成された単結晶材料を
坩堝から容易に取り出すことができる濡れ性に問題がな
ければ、ZrO2の含有量の上限としては0.3wt%が適
すると判断される。
【0055】従って、表4から明らかなように、加工性
が同じで濡れ性に上向き傾向が見られる0.1wt%がZ
rO2の最適な含有量の下限となり、そして、多少、濡
れ性が低下しても加工性に向上が見られる0.2wt%が
Auの最適な含有量の上限と判断される。
が同じで濡れ性に上向き傾向が見られる0.1wt%がZ
rO2の最適な含有量の下限となり、そして、多少、濡
れ性が低下しても加工性に向上が見られる0.2wt%が
Auの最適な含有量の上限と判断される。
【0056】実施例7
次に、Pt−0.16wt%ZrO2−Rh合金坩堝につい
て検討してみたところ、表4から分かるように、Rhの
含有量が0.01wt%以下では効果が見られず、35wt%
以上では加工性が大幅に低下してしまって坩堝の作製が
困難になる。そこで、Rhの含有量を0.1〜30wt%の
範囲に設定したPt−Rh合金坩堝の濡れ性を見ると、
1.0〜5.0wt%の範囲では5.0wt%における濡れ性が
多少上向き傾向にあるために、加工性が同じであれば、
Rhの含有量の下限としては5.0wt%が適すると判断
される。又、このRhは前述したように高価な材料(貴
金属)であることから、30wt%と25wt%との濡れ
性、加工性において同じであるならば、Rhの含有量の
上限としては25wt%が適すると判断される。
て検討してみたところ、表4から分かるように、Rhの
含有量が0.01wt%以下では効果が見られず、35wt%
以上では加工性が大幅に低下してしまって坩堝の作製が
困難になる。そこで、Rhの含有量を0.1〜30wt%の
範囲に設定したPt−Rh合金坩堝の濡れ性を見ると、
1.0〜5.0wt%の範囲では5.0wt%における濡れ性が
多少上向き傾向にあるために、加工性が同じであれば、
Rhの含有量の下限としては5.0wt%が適すると判断
される。又、このRhは前述したように高価な材料(貴
金属)であることから、30wt%と25wt%との濡れ
性、加工性において同じであるならば、Rhの含有量の
上限としては25wt%が適すると判断される。
【0057】従って、表4から分かるように、加工性が
同じで濡れ性に上向き傾向が見られる5.0〜10wt%の
範囲において10wt%がRhの最適な含有量の下限とな
る。そして、濡れ性、加工性が同じで高価なRhの含有
量を抑えることができる20wt%がRhの最適な含有量
の上限と判断される。
同じで濡れ性に上向き傾向が見られる5.0〜10wt%の
範囲において10wt%がRhの最適な含有量の下限とな
る。そして、濡れ性、加工性が同じで高価なRhの含有
量を抑えることができる20wt%がRhの最適な含有量
の上限と判断される。
【0058】実施例8
次に、前述した実施例詳述の寸法(直径:200mm、高
さ:260mm、肉厚:5mm)にて作製したC製坩堝本体1
の内面にパイロリティックボロンナイトライド製下地保
護膜4を設け、この保護膜4表面にPt−Rh合金製保
護膜3-1を設けた本発明の単結晶製造用坩堝(以後、ナ
イトライド坩堝)を用いた下記の育成条件に基づくチョ
クラルスキー法又はブリッジマン法によりLiCaAl
F6単結晶を育成し、この時の保護膜3-1に与える影響に
ついて検討した。 a.使用炉:電気炉 b.炉内加熱温度:820℃ c.到達真空度:10‐5torr d.結晶成長圧力:1.2気圧 e.成長速度:1mm/h
さ:260mm、肉厚:5mm)にて作製したC製坩堝本体1
の内面にパイロリティックボロンナイトライド製下地保
護膜4を設け、この保護膜4表面にPt−Rh合金製保
護膜3-1を設けた本発明の単結晶製造用坩堝(以後、ナ
イトライド坩堝)を用いた下記の育成条件に基づくチョ
クラルスキー法又はブリッジマン法によりLiCaAl
F6単結晶を育成し、この時の保護膜3-1に与える影響に
ついて検討した。 a.使用炉:電気炉 b.炉内加熱温度:820℃ c.到達真空度:10‐5torr d.結晶成長圧力:1.2気圧 e.成長速度:1mm/h
【0059】
【比較例2】図示を省略しているが、C製とGC製坩堝
の内面にアルミナからなる下地保護膜を設け、この下地
保護膜の表面に前述したPt−Rh合金からなる保護膜
を設けた単結晶製造用坩堝(以後、アルミナ坩堝)を用
いた上記の育成条件に基づくチョクラルスキー法又はブ
リッジマン法によりLiCaAlF6単結晶を育成し、
この時の保護膜3-1に与える影響について検討した。
の内面にアルミナからなる下地保護膜を設け、この下地
保護膜の表面に前述したPt−Rh合金からなる保護膜
を設けた単結晶製造用坩堝(以後、アルミナ坩堝)を用
いた上記の育成条件に基づくチョクラルスキー法又はブ
リッジマン法によりLiCaAlF6単結晶を育成し、
この時の保護膜3-1に与える影響について検討した。
【0060】加熱を行なったとき、アルミナ坩堝の上下
及び円周方向の熱伝導性が、ナイトライド坩堝より悪
い。また、アルミナ坩堝は外側から加熱及び自然放冷等
を行なったとき、坩堝の内側に介在する単結晶材料への
熱の伝わりが、ナイトライド坩堝に比べて、伝わり難い
組み合わせであることが確認された。また、アルミナ
は、高純度でも5%程度、SiO2系が混じっており、これ
がフッ化物、特にフッ酸に容易にやられ、結果、板が粉
末状になって融液等に散乱してしまう。また、回数を重
ねて使用すると、水分、カーボンが反応して形成された
COH、COOHの影響を受けやすくなり、単結晶の品
質を低下させることが分った。
及び円周方向の熱伝導性が、ナイトライド坩堝より悪
い。また、アルミナ坩堝は外側から加熱及び自然放冷等
を行なったとき、坩堝の内側に介在する単結晶材料への
熱の伝わりが、ナイトライド坩堝に比べて、伝わり難い
組み合わせであることが確認された。また、アルミナ
は、高純度でも5%程度、SiO2系が混じっており、これ
がフッ化物、特にフッ酸に容易にやられ、結果、板が粉
末状になって融液等に散乱してしまう。また、回数を重
ねて使用すると、水分、カーボンが反応して形成された
COH、COOHの影響を受けやすくなり、単結晶の品
質を低下させることが分った。
【0061】また、単結晶育成雰囲気において、水分、
ガスにより、炭素系材料が炭素化合物を形成した際、ア
ルミナからなる下地保護膜に拡散浸透した後、Pt−R
h合金からなる保護膜が反応、侵食されることにより、
炭素系材料の粉塵混入の防止、そして、保護膜としての
濡れ性の向上等の効果が失われてしまうことが分った。
ガスにより、炭素系材料が炭素化合物を形成した際、ア
ルミナからなる下地保護膜に拡散浸透した後、Pt−R
h合金からなる保護膜が反応、侵食されることにより、
炭素系材料の粉塵混入の防止、そして、保護膜としての
濡れ性の向上等の効果が失われてしまうことが分った。
【0062】
【発明の効果】本発明では叙上の如く構成してなること
から下記の作用効果を奏する。チョクラルスキー法又は
ブリッジマン法によりフッ化物系単結晶を製造する単結
晶製造用坩堝を、白金材料又は白金合金材料又は強化白
金材料を用いて形成、或いはこれらの各材料からなる保
護膜をカーボン又はグラッシーカーボン製の坩堝本体の
少なくとも内面に設けて形成したことにより、カーボン
又はグラッシーカーボン製坩堝の表面からのカーボン微
粉末の発生による原料融液の汚染がなくなり、しかも、
育成された単結晶材料が坩堝内面に付着し難い濡れ性を
持って破損等なく単結晶材料を坩堝から容易に取り出す
ことができる。従って、本発明の単結晶製造用坩堝によ
れば、結晶の汚染がなく、高純度で高い完全性或いは低
欠陥密度のフッ化物系単結晶を歩留まり良く製造するこ
とが可能になる。
から下記の作用効果を奏する。チョクラルスキー法又は
ブリッジマン法によりフッ化物系単結晶を製造する単結
晶製造用坩堝を、白金材料又は白金合金材料又は強化白
金材料を用いて形成、或いはこれらの各材料からなる保
護膜をカーボン又はグラッシーカーボン製の坩堝本体の
少なくとも内面に設けて形成したことにより、カーボン
又はグラッシーカーボン製坩堝の表面からのカーボン微
粉末の発生による原料融液の汚染がなくなり、しかも、
育成された単結晶材料が坩堝内面に付着し難い濡れ性を
持って破損等なく単結晶材料を坩堝から容易に取り出す
ことができる。従って、本発明の単結晶製造用坩堝によ
れば、結晶の汚染がなく、高純度で高い完全性或いは低
欠陥密度のフッ化物系単結晶を歩留まり良く製造するこ
とが可能になる。
【0063】また、白金材料又は白金合金材料を用いて
形成した単結晶製造用坩堝においては加熱による熱膨張
によって成長する単結晶が坩堝本体に対して内側から圧
迫し始めるが、白金材料が持つ展延性により、単結晶の
膨張に平行して坩堝本体も外側に膨らむこととなること
から、坩堝本体にクラックが入ったり、破損する等の心
配が完全になくなる。
形成した単結晶製造用坩堝においては加熱による熱膨張
によって成長する単結晶が坩堝本体に対して内側から圧
迫し始めるが、白金材料が持つ展延性により、単結晶の
膨張に平行して坩堝本体も外側に膨らむこととなること
から、坩堝本体にクラックが入ったり、破損する等の心
配が完全になくなる。
【0064】また、強化白金合金材料を用いて形成した
単結晶製造用坩堝においては加熱による熱膨張によって
成長する単結晶が坩堝本体に対して内側から圧迫し始め
るが、強化白金の硬度特性により、坩堝本体にクラック
が入ったり、破損がなくなる。
単結晶製造用坩堝においては加熱による熱膨張によって
成長する単結晶が坩堝本体に対して内側から圧迫し始め
るが、強化白金の硬度特性により、坩堝本体にクラック
が入ったり、破損がなくなる。
【0065】また、高純度で且つ低膨張、尚且つ熱伝導
性に優れ、更にはガス及び白金に悪影響を及ぼす元素の
拡散浸透が起り難いセラミックスを、カーボン製又はグ
ラッシーカーボン製坩堝本体の内面に設け、或いは当該
セラミックスからなる保護下地膜をカーボン又はグラッ
シーカーボン製坩堝の内面に設けると共に、この保護下
地膜の内面に白金を主成分とし、金、ロジウム、イリジ
ウム、酸化ジルコニウムの内、少なくとも一種類を含有
する合金材料からなる保護膜を形成することにより、カ
ーボン又はグラッシーカーボン製坩堝の表面からのカー
ボン微粉末の発生による原料融液の汚染がなくなり、し
かも、育成された単結晶材料が坩堝内面に付着し難い濡
れ性を持って破損等なく単結晶材料を坩堝から容易に取
り出すことができる。更には坩堝と保護膜との間に介在
した保護下地膜が、保護膜に悪影響を及ぼすガス及び元
素の拡散浸透による侵食を抑止することで、保護膜とし
ての機能を長期に亘り継続的に維持し得る。従って、本
発明の単結晶製造用坩堝によれば、結晶の汚染がなく、
高純度で高い完全性或いは低欠陥密度のフッ化物系単結
晶を長期に亘り安定良く且つ歩留まり良く製造すること
が可能になる。
性に優れ、更にはガス及び白金に悪影響を及ぼす元素の
拡散浸透が起り難いセラミックスを、カーボン製又はグ
ラッシーカーボン製坩堝本体の内面に設け、或いは当該
セラミックスからなる保護下地膜をカーボン又はグラッ
シーカーボン製坩堝の内面に設けると共に、この保護下
地膜の内面に白金を主成分とし、金、ロジウム、イリジ
ウム、酸化ジルコニウムの内、少なくとも一種類を含有
する合金材料からなる保護膜を形成することにより、カ
ーボン又はグラッシーカーボン製坩堝の表面からのカー
ボン微粉末の発生による原料融液の汚染がなくなり、し
かも、育成された単結晶材料が坩堝内面に付着し難い濡
れ性を持って破損等なく単結晶材料を坩堝から容易に取
り出すことができる。更には坩堝と保護膜との間に介在
した保護下地膜が、保護膜に悪影響を及ぼすガス及び元
素の拡散浸透による侵食を抑止することで、保護膜とし
ての機能を長期に亘り継続的に維持し得る。従って、本
発明の単結晶製造用坩堝によれば、結晶の汚染がなく、
高純度で高い完全性或いは低欠陥密度のフッ化物系単結
晶を長期に亘り安定良く且つ歩留まり良く製造すること
が可能になる。
【図1】 本発明の単結晶製造坩堝の一例を示す縦断面
図
図
【図2】 本発明の単結晶製造坩堝の他の実施例を示す
縦断面図
縦断面図
【図3】 本発明の単結晶製造坩堝の他の実施例を示す
縦断面図
縦断面図
1,2:坩堝本体 3,3-1:保護膜
4:下地保護膜
フロントページの続き
(72)発明者 松本 康裕
東京都豊島区南大塚2丁目37番5号 株式
会社フルヤ金属内
Fターム(参考) 4G077 AA02 BE02 CD02 CF10 EG02
HA01 MA02 MB04 PD01
Claims (13)
- 【請求項1】 白金、若しくは不純物の含有量の合計が
100ppm以下で残部が白金である材料を用いて形成したこ
とを特徴とする単結晶製造用坩堝。 - 【請求項2】 白金を主成分とし、金、ロジウム、イリ
ジウムの内、少なくとも一種類を含有する合金材料を用
いて形成したことを特徴とする単結晶製造用坩堝。 - 【請求項3】 白金を主成分とし、第二元素として金を
含有し、更に酸化ジルコニウムを含有する合金材料を用
いて形成したことを特徴とする単結晶製造用坩堝。 - 【請求項4】 強化白金を主成分とし、ロジウムを含有
する合金材料を用いて形成したことを特徴とする単結晶
製造用坩堝。 - 【請求項5】 白金、若しくは不純物の含有量の合計が
100ppm以下で残部が白金である材料からなる保護膜を、
カーボン製又はグラッシーカーボン製坩堝本体の少なく
とも内面に設けたことを特徴とする単結晶製造用坩堝。 - 【請求項6】 白金を主成分とし、金、ロジウム、イリ
ジウムの内、少なくとも一種類を含有する合金材料から
なる保護膜を、カーボン製又はグラッシーカーボン製坩
堝本体の少なくとも内面に設けたことを特徴とする単結
晶製造用坩堝。 - 【請求項7】 白金を主成分とし、第二元素として金を
含有し、更に酸化ジルコニウムを含有する合金材料から
なる保護膜を、カーボン製又はグラッシーカーボン製坩
堝本体の少なくとも内面に設けたことを特徴とする単結
晶製造用坩堝。 - 【請求項8】 強化白金を主成分とし、ロジウムを含有
する合金材料からなる保護膜を、カーボン製又はグラッ
シーカーボン製坩堝本体の少なくとも内面に設けたこと
を特徴とする単結晶製造用坩堝。 - 【請求項9】 請求項5乃至8いずれか1項記載の保護
膜の膜厚が、100μm以上であることを特徴とする単結
晶製造用坩堝。 - 【請求項10】 高純度で且つ低膨張、尚且つ熱伝導性
に優れ、更にはガス及び白金に悪影響を及ぼす元素の拡
散浸透が起り難いセラミックスを、カーボン製又はグラ
ッシーカーボン製坩堝本体の内面に設けてなることを特
徴とする単結晶製造用坩堝。 - 【請求項11】 高純度で且つ低膨張、尚且つ熱伝導性
に優れ、更にはガス及び白金に悪影響を及ぼす元素の拡
散浸透が起り難いセラミックスを、カーボン製又はグラ
ッシーカーボン製坩堝本体の内面に設け、更に、白金を
主成分とし、金、ロジウム、イリジウム、酸化ジルコニ
ウムの内、少なくとも一種類を含有する合金材料を、前
記セラミックスの内面に設けてなることを特徴とする単
結晶製造用坩堝。 - 【請求項12】 請求項1乃至11いずれか1項記載にお
いて、フッ化物系単結晶を製造することを特徴とする単
結晶製造用坩堝。 - 【請求項13】 請求項12記載のフッ化物系単結晶を、
チョクラルスキー法又はブリッジマン法で製造すること
を特徴とする単結晶製造用坩堝。
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---|---|---|---|
JP2002283540A JP2003171198A (ja) | 2001-09-28 | 2002-09-27 | 単結晶製造用坩堝 |
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---|---|---|---|
JP2001-304066 | 2001-09-28 | ||
JP2001304066 | 2001-09-28 | ||
JP2002283540A JP2003171198A (ja) | 2001-09-28 | 2002-09-27 | 単結晶製造用坩堝 |
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---|---|
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Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005022949A (ja) * | 2003-07-03 | 2005-01-27 | Hitachi Chem Co Ltd | ルツボ |
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