JP2003171124A - ニ酸化チタン酸化セリウムコンポジット、その製造方法およびそれを含有する組成物 - Google Patents

ニ酸化チタン酸化セリウムコンポジット、その製造方法およびそれを含有する組成物

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 化粧料原料であって、長短両波紫外線を遮蔽
する能力を更に向上させ且つ光触媒活性作用を有さない
紫外線遮蔽剤として有用なニ酸化チタン酸化セリウムコ
ンポジットを提供する。 【解決手段】 ニ酸化チタン酸化セリウムコンポジット
において、380〜410nmにおける1nm間隔の吸
光度の累積値(累積吸光度)が20以上である事を特徴
とするニ酸化チタン酸化セリウムコンポジットを提供す
る。本発明のコンポジットは、二酸化チタンを原料とし
て、ニ酸化チタンの一部を酸に溶解させる酸処理工程、
酸処理ニ酸化チタンを酸化剤で処理する酸化処理工程お
よびセリウム化合物を投入し、液性をPH7以上に保っ
て熟成させ、酸化チタン表面に酸化セリウムを析出沈着
させる被覆工程を経て製造される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は長短両波紫外線遮蔽
能が高く且つ光触媒活性を有さない、無機系紫外線遮蔽
剤に好適なニ酸化チタン酸化セリウムコンポジット並び
にその製造方法に関する。また、本発明は前記ニ酸化チ
タン酸化セリウムコンポジットを含有する、化粧料等の
組成物に関する。
【0002】
【従来技術】紫外線(波長200〜400nm)は生体
のみならず種々の物質に対しても好ましくない影響を与
えることが近年広く知られるようになってきた。例え
ば、従来から、紫外線が塗装やプラスチックスを劣化さ
せる事は良く知られており、紫外線から目的物を防御す
るために、ベンゾフェノン系化合物、桂皮酸系化合物、
パラアミノ安息香酸系化合物等の有機系や微粒子二酸化
チタンや微粒子酸化亜鉛などの無機系の紫外線遮蔽剤が
用いられてきた。更に生体に対しては、最近、UVB領
域(280〜320nm)が皮膚に炎症を起こしたり、
シミや肌荒れの原因となり、UVA領域(320〜40
0nm)が肌のより深部の組織を変質させて皮膚のたる
みやシワの原因となる等、波長によってその影響の度合
いが異なる事なども詳細に知られるようになった。ごく
最近の研究ではUVA領域でも近紫外領域(400nm
付近)が光老化(日常の紫外線被爆による老化現象)に
深く関与している事なども取り沙汰されており、紫外線
防御に対する関心が一段と高くなった。この様な防御に
於いてもやはり有機系や無機系の紫外線遮蔽剤が同様に
使用されている。また一方、化学物質アレルギーに象徴
されるような環境問題もクローズアップされるようにな
った。この様な中で、有機系紫外線遮蔽剤は安全性の証
明が十分なされていない、他の物質と反応する、紫外線
を吸収して別物質に変化する等の問題点が多く、無機系
が注目を集めるようになった。この様な無機系紫外線遮
蔽剤の代表的な物としては微粒子ニ酸化チタン、微粒子
酸化亜鉛および微粒子酸化セリウム等があり、有機系に
比して、高い安定性と安全性を有するが、個々に次のよ
うな長所短所も有している。即ち、微粒子ニ酸化チタン
はUVB領域の遮蔽に優れているが、UVA領域を遮蔽
しない、微粒子酸化亜鉛及び微粒子酸化セリウムはUV
A、UVB領域を遮蔽するがUVB領域の遮蔽能が微粒
子ニ酸化チタンより劣り、UVA領域の遮蔽能もそれほ
ど強くなく、微粒子酸化亜鉛に比して微粒子酸化セリウ
ムの方が更に劣る等である。一方、ニ酸化チタンや酸化
亜鉛が紫外線に暴露された場合、紫外線のエネルギーを
吸収して励起状態になる際、大量の自由電子と正孔を発
生することは広く知られており、いわゆる光触媒として
多種多様な分野において利用されている。しかしなが
ら、塗料や化粧品分野等においてはこの自由電子や正孔
に由来して発生する活性酸素やフリーラジカルが塗膜を
破壊したり、製品中の配合成分を変質させる等深刻な問
題を生じている。加えて、特に化粧品等の皮膚外用組成
物においては活性酸素やフリーラジカルによる光毒性等
様々な皮膚に対する悪影響が懸念される。
【0003】ごく最近になって、前述の無機系紫外線遮
蔽剤の欠点を改良しようとする動きが各産業分野で見ら
れ、多くの提案がなされている。代表的提案として、紫
外線遮蔽能を上げようとする提案には、更に微粒子化し
て、製品中での存在確率をあげる、種々の金属を組み合
わせた複合酸化物によって、長短両波紫外線の遮蔽能力
を上げる等がある。しかしながら、前者の提案はその紫
外線遮蔽剤が本来持っている遮蔽能力を変化させるわけ
ではなく、場合によっては、微粒子化したために粉体の
表面活性を高めて、かえって分散性を悪くして、遮蔽効
率を落としたりしまうこともあり十分な改善には至って
いない。後者の提案は、単に複合化したのみでは、組み
合わせた金属の性質を平均化しただけに止まる危険が高
く、最悪の事態に至っては複合化前の長所すら失ってし
まう等、この提案も又万全とは言えない。また、光触媒
活性を抑える提案としては二酸化チタンや酸化亜鉛の表
面をシリカ、アルミナ又は高分子物質等で被覆しする等
がある。これらの提案はこれらの被覆によって光触媒活
性を抑えることが出来たとしても、被覆された物質がも
ともと持っている紫外線遮蔽能力を変える事は出来ない
ばかりでなく、被覆する事によって、粒子をニ次粒子化
させて分散性を悪くする結果、製品中の存在効率を下げ
てしまう恐れすらある。従って、長短両波長を遮蔽する
能力を更に向上させ且つ光触媒活性作用を起こさない無
機系紫外線遮蔽剤として有用な素材の登場が待たれてい
た。
【0004】一方、酸化セリウムは酸化亜鉛に比して弱
いながらも長短両波紫外線を遮蔽する能力を持ち且つ光
触媒活性作用を持たない物質であること、更に微粒子ニ
酸化チタンの表面を酸化セリウムで被覆した被覆粉体が
UVB、UVA領域を遮蔽する効果があることは既に知
られていたが、380〜410nmにおける1nm間隔
の吸光度の累積値(累積吸光度)が20以上である事を
特徴とする、ニ酸化チタンの表面を酸化セリウムで被覆
してなるニ酸化チタン酸化セリウムコンポジットは全く
知られていなかったし、この様なニ酸化チタン酸化セリ
ウムコンポジットが長短両波紫外線を遮蔽する能力を更
に向上させ且つ光触媒活性を有さない、紫外線遮蔽剤と
して極めて有用な素材である事は知られていなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこの様な状況
を踏まえてなされたものであり、長短両波紫外線を遮蔽
する能力を更に向上させて、紫外線遮蔽剤として有用な
素材を提供する事を課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この様な状況に鑑みて、
本発明者らは長短両波紫外線を遮蔽する能力に優れる素
材を求めて、鋭意研究努力を重ねた結果、ニ酸化チタン
酸化セリウムコンポジットの一形態が長短両波長紫外線
を遮蔽する特性を有しており、この様なニ酸化チタン酸
化セリウムコンポジットを特徴づける物性が、380〜
410nmにおける1nm間隔の吸光度の累積値(累積
吸光度)が20以上である事を見いだして発明を完成さ
せた。更に、この様な形態の二酸化チタン酸化セリウム
コンポジットにおいては光触媒作用ももとのニ酸化チタ
ンに比して極めて低い副次的効果もあり、その意味でも
前記ニ酸化チタン酸化セリウムコンポジットが紫外線遮
蔽剤として有用な素材であることを見出し発明を更に発
展させた。即ち、本発明は以下に示す技術に関するもの
である。 (1) ニ酸化チタン酸化セリウムコンポジットにおい
て、380〜410nmにおける1nm間隔の吸光度の
累積値(累積吸光度)が20以上である事を特徴とする
ニ酸化チタン酸化セリウムコンポジット。 (2) コンポジットの形態がニ酸化チタンの表面に酸
化セリウムの被膜を有する形態であることを特徴とす
る、(1)に記載のニ酸化チタン酸化セリウムコンポジ
ット。 (3) 光触媒活性がニ酸化チタンに比して低いことを
特徴とする(1)又は(2)に記載の二酸化チタン酸化
セリウムコンポジット。 (4) 吸光度が、粉体がもはや光を透過しないほどの
厚さのサンプルを用いて、拡散反射光を集光できる分光
光度計で380〜410nmにおける1nm間隔の反射
率(R)を測定し、これを−LOG(R)とした値であ
る(1)〜(3)のいずれか1項に記載の二酸化チタン
酸化セリウムコンポジット。 (5) 平均径が1μm以下である(1)〜(4)のいず
れか1項に記載のニ酸化チタン酸化セリウムコンポジッ
ト。 (6) 紫外線遮蔽用であることを特徴とする、(1)
〜(5)何れか1項に記載の二酸化チタン酸化セリウム
コンポジット。 (7) ニ酸化チタンの一部を酸に溶解させる酸処理工
程、酸処理ニ酸化チタンを酸化剤で処理する酸化処理工
程およびセリウム化合物を投入し、液性をPH7以上に
保って熟成させ、酸化チタン表面に酸化セリウムを析出
沈着させる被覆工程を含むことを特徴とする、(1)〜
(6)何れか1項に記載のニ酸化チタン酸化セリウムコ
ンポジットの製造方法。 (8) ニ酸化チタンの酸処理工程において、酸が硫酸
である(7)の無機系紫外線遮蔽剤の製造方法。 (9) 酸化処理工程において酸化剤が過酸化水素であ
る(7)又は(8)に記載の二酸化チタン酸化セリウム
コンポジットの製造方法。 (10)被覆工程においてセリウム化合物のセリウムが
3価であることを特徴とする(7)〜(9) のい
ずれか1項に記載のニ酸化チタン酸化セリウムコンポジ
ットの製造方法。 (11)(1)〜(6)のいずれか1項に記載のニ酸化
チタン酸化セリウムコンポジットを含有するこ と
を特徴とする組成物。 (12)皮膚外用組成物であることを特徴とする(1
1)に記載の組成物。 (13)化粧料であることを特徴とする(11)又は
(12)のいずれか1項に記載の組成物。以下、本発明
について更に詳細に説明を加える。
【0007】
【発明の実施の形態】(1)本発明のニ酸化チタン酸化
セリウムコンポジット 本発明のニ酸化チタン酸化セリウムコンポジットは38
0〜410nmにおける1nm間隔の吸光度の累積値
(累積吸光度)が20以上である物性を有する事を特徴
とする。この特徴を以下に詳述する。金属酸化物等の無
機系紫外線遮蔽剤の遮蔽効果は固体の紫外線吸収能によ
るもの又は/及び紫外線散乱能によるもの等諸説有る
が、紫外線遮蔽効果を有する物質が紫外線を吸収する物
質であることも事実である。固体の紫外線吸収能は、固
体がもはや光を透過しないほどの厚さのサンプルを用い
て、拡散反射を集光できる分光光度計で各波長ごとの反
射率(R)を測定し、その−LOG(R)(吸光度)で示す
ことができ、この値が高いほど紫外線を吸収すると評価
できる。従って、固体の紫外線遮蔽能を予測評価する一
つの方法としては固体の吸光度を求めて比較する方法が
提案でき、固体が励起化するエネルギーに相当する波長
以下を吸収するので、どの波長以下を吸収するかという
意味での波長の吸収端および/又は波長領域でどの程度
吸収されているかと言う意味での波長領域内での各波長
の吸光度の累積値もしくは平均値を用いて比較評価する
事が出来る。この様な評価法によって従来の固体紫外線
遮蔽剤を評価した場合、微粒子ニ酸化チタン(結晶型:
ルチル)、微粒子酸化亜鉛(600℃焼成品)、及び微
粒子酸化セリウム(第一酸化セリウム)の夫々の吸収端
は340nm、380nmおよび360nm付近にあ
り、ここから吸光度が急激に低下するので、いずれも3
80nm〜410nmの累積吸光度は10付近と極めて
低い。また従来の微粒子ニ酸化チタン表面を酸化セリウ
ムで被覆した被覆粉体では、微粒子ニ酸化チタンと酸化
セリウムの紫外線吸収特性が単に加算された結果とし
て、最高でもより長波長側に吸収端を有する酸化セリウ
ムの吸光特性が反映されることと成る。それ故、微粒子
ニ酸化チタン、微粒子酸化亜鉛及び微粒子酸化セリウム
等の無機系紫外線遮蔽剤のUVA領域での遮蔽能が弱い
のは、元々これらの物質の吸収端より長波長の吸光度が
低いからであるといえる。即ち、無機系紫外線遮蔽剤の
紫外線吸収端が従来の紫外線遮蔽剤よりも長波長側にあ
るか又は/及び380〜410nmの累積吸光度が高け
れば紫外線遮蔽能を向上させることが可能である。この
様な特性を有するニ酸化チタン酸化セリウムコンポジッ
トとしては、例えば、次のような形態のものが例示でき
る。ニ酸化チタンの表面を酸化セリウムで被覆した形態
であって、構成比はニ酸化チタン(TiO2として)1
モルに対して酸化セリウム(CeO2として)0.2モ
ル以下の割合であり、好ましくは0.1〜0.01モル
の割合であるが、これらのニ酸化チタンと酸化セリウム
の組成は、夫々TiOx(1.5<x≦2)とCeOx
(1.5<x≦2)とによって示される範疇である形態
である。即ち、本発明の二酸化チタン酸化セリウムコン
ポジットにおける、「二酸化チタン」、「酸化セリウ
ム」の語は、前記変域における不定比酸化物を含んで意
味するものである。更に、実質的に次ぎの様な形態的な
特徴を有する。(1)水酸化セリウムを含む、(2)3価の
セリウムを含むおよび(3)ニ酸化チタンと酸化セリウム
とが1部結合状態である。これらの要素の単独あるいは
累積効果として、紫外線の吸収端を第一酸化セリウムの
吸収端である360nmより長波長側にシフトし、38
0〜410nmにおける累積吸光度が20以上である。
以下この点を詳述すると(1)水酸化セリウムの紫外線吸
収端は酸化セリウムのそれよりかなり長波長側にあり、
これを含むことで酸化セリウムの吸収端を長波長側に移
行させる、(2)3価のセリウムを酸化することでCe3
+−O−Ce4+結合を形成させ、電荷移動をスムーズ
にするので紫外線吸収端を長波長側に移行させる、及び
(3)1部の酸化チタンと酸化セリウムが結合状態にある
ので、Ce3+−O−Ti4+結合を形成し、電荷移動
をスムーズにし、これもまた紫外線吸収端を長波長側に
移行させる。これらの要素の内どれか一つでも紫外線吸
収端を長波長側に移行させる事が出来るが、効果が累積
することでより長波長側に移行させることが出来る。こ
れらの要素の量的効果は特に問うものではなく、定性的
痕跡から多ければ多いほど効果は促進されるが、同時に
色調が黄色、茶褐色、暗色等になる、粒径が大きくなる
等変化するので、紫外線遮蔽剤としての他の効果、例え
ば色調、安定性、粒子径等との兼ね合いによって選択さ
れる。本発明に係わるニ酸化チタン酸化セリウムコンポ
ジットは酸化セリウムに亜鉛、マグネシウム、アルミニ
ウム、マンガン、クロム、鉄、カルシウム、ジルコニウ
ム、珪素、コバルト、ジルコニウム等の酸化物を1種又
は2種以上含むことが出来る。これらの酸化物は前出の
要素(1)乃至(3)のどれかを助長する範囲で用いら
れ、その使用は酸化物によって異なるが、酸化物換算で
酸化セリウム(CeO2として)の1モルあたり0.1
モル以下で用いる事が出来る。また、本発明に係わるニ
酸化チタン酸化セリウムコンポジットの粒径は紫外線遮
蔽効果を勘案すれば1μm以下が効果的であり、更に好
ましくは0.5〜0.01μmである。かかる二酸化チ
タン酸化セリウムコンポジットは長短両波長紫外線を遮
蔽する性質を有し、且つ、二酸化チタンのみに対し、極
めて低い、実質的に無いと言える光触媒作用を有する。
【0008】(2)本発明のニ酸化チタン酸化セリウム
コンポジットの製造方法 本発明のニ酸化チタン酸化セリウムコンポジットの製造
方法は、ニ酸化チタンの一部を酸に溶解させる酸処理工
程、酸処理ニ酸化チタンを酸化剤で処理する酸化処理工
程およびセリウム化合物を投入し、液性をPH7以上に
保って熟成させ、ニ酸化チタン表面に酸化セリウムを析
出沈着させる被覆工程を含むことを特徴とする。以下こ
の特徴を詳述する。まず、二酸化チタンの一部を酸に溶
解させる酸処理工程において、この工程はニ酸化チタン
を酸溶液に浸漬して、ニ酸化チタンの1部を溶出させ
て、ニ酸化チタンの表面を新鮮化する工程であるが、用
いるニ酸化チタンの粒径は最終の紫外線遮蔽剤としての
ニ酸化チタン酸化セリウムコンポジットの粒径を考慮す
れば1μm以下が望ましく、また酸は硝酸、塩酸等の無
機酸であれば良いがニ酸化チタンの溶解度の大きい硫酸
が最も効率的である。ニ酸化チタンを無機酸に溶解する
時の酸溶液の酸濃度、ニ酸化チタンと酸溶液との割合、
溶解時間及び溶解温度はニ酸化チタンの溶解量に大きく
影響を与え、一般的には、酸濃度が高く、ニ酸化チタン
の酸溶液に対する割合が小さく、溶解温度が高く、溶解
時間が長いほどニ酸化チタンの溶出量は多い、しかしな
がら、ニ酸化チタンの溶出量が多いと元のニ酸化チタン
の粒子径が小さくなりすぎる、溶出したチタンと酸との
副生成物が出来る等、少なすぎると新鮮面が出ない等の
弊害がでるので、ニ酸化チタンの表面が新鮮化されるほ
どの条件設定が必要である。この様な条件は酸溶液への
ニ酸化チタンの溶出量が用いたニ酸化チタン量の10〜
0.1重量%、好ましくはは6〜1重量%に成る様に設
定される。また、その1部を溶出した後のニ酸化チタン
は十分中和洗浄される。次ぎに酸処理ニ酸化チタンを酸
化剤で処理する酸化処理工程であるが、ここで用いられ
る酸化剤は酸処理ニ酸化チタン上に付着した水酸化チタ
ンを溶解除去するためと次工程において3価のセリウム
を4価に酸化するために用いられ、この様な酸化剤とし
ては過酸化水素、次亜塩素酸、次亜塩素酸ナトリウム等
の過酸化物やオゾンがあるが、効果の点で過酸化水素が
もっとも好ましく用いられる。用いられる量は酸処理ニ
酸化チタンの量、最終紫外線遮蔽剤中の酸化セリウムと
ニ酸化チタンの比、酸化処理温度及び酸化処理時間によ
って異なるが、概ね過酸化水素量として酸処理ニ酸化チ
タン量の十倍乃至当量の範囲で用いられ、例えば酸化処
理温度を室温とし酸化反応時間を24時間とした時は酸
処理ニ酸化チタンの5倍前後が適量である。本発明に係
わる製造方法のセリウム化合物を投入し、液性をPH7
以上に保って熟成させ、ニ酸化チタン表面に酸化セリウ
ムを析出沈着させる被覆工程において用いられるセリウ
ム化合物は塩化セリウム、過塩素酸セリウム、硝酸セリ
ウム、酢酸セリウム等の水可溶塩やセリウムのアルコキ
シド等のアルコール可溶化合物でよく、これらの中で
は、最終二酸化チタン酸化セリウムコンポジットに3価
のセリウムイオンを含ませるために、3価のセリウム化
合物が望ましく用いられる、また用いられる量は最終ニ
酸化チタン酸化セリウムコンポジットにおける酸化セリ
ウムとニ酸化チタンとの組成比によって、適宜決定され
る。該被覆工程は、順序として、酸化処理工程を前工程
として連続して行われ、酸化剤の存在下でセリウム化合
物を投入して、ニ酸化チタンの表面に酸化セリウムを析
出沈積させ、更に引き続き、液性をPH7以上に保って
熟成を行う、この様な熟成はPH7以上で行う必要があ
り、PH8以上で行うことが更に好ましい。こうするこ
とによって最終ニ酸化チタン酸化セリウムコンポジット
中に水酸化セリウムやCe3+−O−Ce4+結合をよ
り多く含ませることが出来るばかりでなしに、酸化セリ
ウムの量をより効率的に、より均一に析出沈着させる事
が出来る。ちなみにPH7以下の酸性側で熟成した場合
でもニ酸化チタンの光触媒活性を抑制する効果は付与す
ることが出来る。該被覆工程においてはセリウム化合物
投入時に他の金属化合物等を添加できる。このような化
合物は亜鉛、マグネシウム、アルミニウム、マンガン、
クロム、鉄、カルシウム、ジルコニウム、珪素、コバル
ト、ジルコニウム等の水可溶塩およびアルコール可溶化
合物であり、1種又は2種以上添加することが出来る。
化合物の種類の選択及び添加量は最終二酸化チタン酸化
セリウムコンポジットの色調等によって異なるが、酸化
物換算で、概ね最終ニ酸化チタン酸化セリウムコンポジ
ット中の酸化セリウム(CeO2として)の1モルあた
り0.1モル以下で添加する事が出来る。
【0009】本発明のニ酸化チタン酸化セリウムコンポ
ジットの製造方法に於いては、液相中で得られた酸化セ
リウムで被覆されたニ酸化チタンをそのまま若しくは乾
燥させてニ酸化チタン酸化セリウムコンポジットとする
事ができるが、焼成する事も出来る。焼成によって、二
酸化チタンと酸化セリウムとの結合をより強化してCe
3+−O−Ti4+結合を多く含ませることができるば
かりでなしに、酸やアルカリに対する安定度を増すこと
も出来る。この様な焼成は焼成温度300〜1000℃
の範囲で行うことが出来るが、好ましくは400〜60
0℃である。
【0010】又、かくして得られた本発明のニ酸化チタ
ン酸化セリウムコンポジットはそのまま、紫外線遮蔽剤
などとして使用することもできるし、加えてこのものを
シリコーン処理、金属石鹸処理、パーフルオロカーボン
誘導体処理、シリカコーティング処理等の表面処理を施
して、紫外線遮蔽剤として使用することも可能である。
この様な本発明のニ酸化チタン酸化セリウムコンポジッ
トに、更に表面処理を加えたものも本発明のニ酸化チタ
ン酸化セリウムコンポジットの技術範囲に属する。
【0011】(3)本発明の組成物 本発明の組成物は、上記ニ酸化チタン酸化セリウムコン
ポジットを含有し、紫外線に被爆されるものとして好ま
しく使用されることを特徴とする。この様な組成物に於
いては、通常は、紫外線によって種々の不都合を生じる
が、本発明のニ酸化チタン酸化セリウムコンポジットを
紫外線遮蔽剤として含有することにより、この様な不都
合を防ぐことができる。この様な組成物としては、例え
ば、紫外線やフリーラジカルによる退色を防ぐ必要のあ
る、ペイント等の塗料類、紫外線による脆弱化を防ぐ必
要のあるプラスチック類、肌を紫外線やフリーラジカル
による炎症、老化、障害から守る必要のある化粧料、紫
外線から薬効成分の劣化を防ぐあるいはアトピー性皮膚
疾患等の肌から紫外線や光毒性の関与を軽減する必要の
ある皮膚外用医薬等の医薬組成物などが例示できる。こ
れらの内では、本発明のニ酸化チタン酸化セリウムコン
ポジットの安全性の高さから、化粧料乃至は医薬組成物
に用いるのが好ましく、化粧料としては粉体の多いメー
クアップ化粧料に、医薬組成物としては皮膚外用剤に適
用するのが特に好ましい。本発明のニ酸化チタン酸化セ
リウムコンポジットの好ましい含有量は、組成物が塗料
であれば、0.01〜20重量%、プラスチックであれ
ば0.01〜10重量%、化粧料であれば0.01〜1
0重量%、医薬品であれば0.01〜5重量%である。
【0012】本発明の組成物では、上記本発明のニ酸化
チタン酸化セリウムコンポジット以外に通常この様な組
成物で使用される任意成分を含有することができる。こ
の様な任意成分としては、例えば、塗料類であれば顔料
や染料等の着色剤、皮膜形成剤、分散剤、分散媒、可塑
剤等が、プラスチック類では、主成分であるプラスチッ
ク、可塑剤、着色剤等が、化粧料であれば、ワセリンや
マイクロクリスタリンワックス等のような炭化水素類、
ホホバ油やゲイロウ等のエステル類、牛脂、オリーブ油
等のトリグリセライド類、セタノール、オレイルアルコ
ール等の高級アルコール類、ステアリン酸、オレイン酸
等の脂肪酸、グリセリンや1,3−ブタンジオール等の
多価アルコール類、非イオン界面活性剤、アニオン界面
活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、エタノ
ール、カーボポール等の増粘剤、防腐剤、紫外線吸収
剤、抗酸化剤、色素、粉体類等が、医薬品であれば、賦
形剤、結合剤、被覆剤、滑沢剤、糖衣剤、崩壊剤、増量
剤、矯味矯臭剤、乳化・可溶化・分散剤、安定剤、pH
調整剤、等張剤等が好ましく例示できる。これらは通常
知られている方法に従って加工することにより製造でき
る。
【0013】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明について更に
詳細に説明を加えるが、本発明がこれら実施例にのみ限
定を受けるものではないことは言うまでもない。
【0014】<実施例1>製造例1 3.6モル/L硫酸水溶液200mlに7.2gのニ酸
化チタン(TiO2、結晶型:ルチル、平均粒径:0.
03μm)を加え、攪拌下2時間加熱還流した。冷後1
4%アンモニア水をPH10〜11に成るまでゆっくり
と加え、その後デカンテーション、濾過によって、濾液
がPH7に成るまで洗浄し、酸処理ニ酸化チタンを得、
この酸処理ニ酸化チタンを10%過酸化水素水300m
lに分散させて24時間攪拌した後0.1モル/Lの第
1塩化セリウム(CeCl3・7H2O)水溶液100
mlを1時間かけて滴下し、その後3時間攪拌を続け、
次ぎに14%アンモニア水を2時間かけて滴下し、PH
10とし、引き続き24時間熟成し、その後PH7に成
るまで水洗濾過を繰り返し、本発明のニ酸化チタン酸化
セリウムコンポジットを得た、この時の酸化セリウム
(CeO2換算)はニ酸化チタン(TiO2換算)1モ
ル対して0.13モルであった。
【0015】<実施例2>製造例2 製造例1で得られたものを昇温速度10℃/分、500
℃係留2時間で焼成し、焼成した本発明のニ酸化チタン
酸化セリウムコンポジットを得た。この時の酸化セリウ
ム(CeO2換算)はニ酸化チタン(TiO2換算)1
モル対して0.13モルであった。
【0016】<実施例3>製造例3 3.6モル/L硫酸水溶液200mlに7.2gのニ酸
化チタン(TiO2、結晶型:ルチル、平均粒径:0.
1μm)を加え、攪拌下2時間加熱還流した。冷後14%
アンモニア水をPH10〜11に成るまでゆっくりと加
え、その後デカンテーション、濾過によって、濾液がP
H7に成るまで洗浄し、酸処理ニ酸化チタンを得た。こ
の酸処理ニ酸化チタンを10%過酸化水素水300ml
に分散させて24時間攪拌した後0.1モル/Lの第1
塩化セリウム(CeCl3・7H2O)水溶液100m
lを1時間かけて滴下し、その後3時間攪拌を続けた。
この懸濁液に14%アンモニア水を2時間かけて滴下
し、PH8とし、引き続き24時間攪拌を続け、PH7
に成るまで水洗濾過を繰り返し、乾燥後600℃係留2
時間で焼成し、本発明のニ酸化チタン酸化セリウムコン
ポジットを得た、この時の酸化セリウム(CeO2換
算)はニ酸化チタン(TiO2換算)1モル対して0.
1モルであった。
【0017】<実施例4>製造例4 3.6モル/L硫酸水溶液200mlに7.2gのニ酸
化チタン(TiO2、結晶型:ルチル、平均粒径:0.
03μm)を加え、攪拌下2時間加熱還流した。冷後1
4%アンモニア水をPH10〜11に成るまでゆっくり
と加え、その後デカンテーション、濾過によって、濾液
がPH7に成るまで洗浄し、酸処理ニ酸化チタンを得
た。この酸処理ニ酸化チタンを10%過酸化水素水30
0mlに分散させて24時間攪拌した後0.1モル/L
のセリウム−イソ−プロポキシド(Ce(O-ISO-C3H
7)3)エタノール溶液50mlを1時間かけて滴下し、
その後3時間攪拌を続けた。この懸濁液に14%アンモ
ニア水を2時間かけて滴下し、PH10とし、引き続き
24時間攪拌を続け、PH7に成るまで水洗濾過を繰り
返し、乾燥後500℃係留2時間で焼成し本発明の二酸
化チタン酸化セリウムコンポジットを得た、この時の酸
化セリウム(CeO2換算)は酸化チタン(TiO2換
算)1モル対して0.05モルであった。
【0018】<実施例5>製造例5 3.6モル/L硫酸水溶液200mlに7.2gのニ酸
化チタン(TiO2、結晶型:ルチル、平均粒径:0.
1μm)を加え、攪拌下2時間加熱還流した。冷後14%
アンモニア水をPH10〜11に成るまでゆっくりと加
え、その後デカンテーション、濾過によって、濾液がP
H7に成るまで洗浄し、酸処理ニ酸化チタンを得た。こ
の酸処理ニ酸化チタンを10%過酸化水素水300ml
に分散させて24時間攪拌した後0.1モル/Lの第1
塩化セリウム(CeCl3・7H2O)水溶液100m
lと0.02モル/Lの塩化第二鉄(FeCl3・6H
2O)水溶液50mlの混合溶液150mlを1時間か
けて滴下し、その後3時間攪拌を続けた。この懸濁液に
14%アンモニア水を2時間かけて滴下し、PH8と
し、引き続き24時間攪拌を続け、PH7に成るまで水
洗濾過を繰り返し、乾燥後400℃係留2時間で焼成
し、本発明のニ酸化チタン酸化セリウムコンポジットを
得た、この時の酸化セリウム(CeO2換算)はニ酸化
チタン(TiO2換算)1モル対して0.13モルであ
り、酸化鉄は酸化セリウム1モルに対して0.1モルで
あった。
【0019】<比較例1>3.6モル/L硫酸水溶液2
00mlに7.2gのニ酸化チタン(TiO2、結晶
型:ルチル、平均粒径:0.03μm)を加え、攪拌下
2時間加熱還流した。冷後14%アンモニア水をPH1
0〜11に成るまでゆっくりと加え、その後デカンテー
ション、濾過によって、濾液がPH7に成るまで洗浄
し、酸処理ニ酸化チタンを得、この酸処理ニ酸化チタン
を10%過酸化水素水300mlに分散させて24時間
攪拌した後0.1モル/Lの第1塩化セリウム(CeC
l3・7H2O)水溶液100mlを1時間かけて滴下
し、その後24時間攪拌を続け、その後PH7に成るま
で水洗濾過を繰り返し、乾燥後500℃係留2時間で焼
成し、比較例のニ酸化チタン酸化セリウムコンポジット
を得た、この時の酸化セリウム(CeO2換算)はニ酸
化チタン(TiO2換算)1モル対して0.08モルで
あった。
【0020】<実施例6>以下に示す方法によって、上
記製造例1〜5で製造した、本発明のニ酸化チタン酸化
セリウムコンポジット及び比較例1で製造した比較ニ酸
化チタン酸化セリウムコンポジットの紫外線吸収特性を
確認した。紫外線吸収特性は紫外線吸収能力について調
べた。これらの特性値は次に示す如く測定した。これら
の測定結果は表1に示す。これより本発明の二酸化チタ
ン酸化セリウムコンポジットは優れた紫外線吸収特性を
有していることがわかる。 (紫外線吸収能力評価法)光がもはや透過しないほどの
厚さに粉体をタブレット化して、このタブレットの28
0nm〜410nmの反射率を1nm間隔で測定する。
この反射率の−LOG値をとって吸光度とする。吸光度
を各波長に付いて加算し、累積吸光度を出す、B波吸光
度は280nm〜320nmの累積値であり、A波吸光
度は320nm〜400nmの累積値であり、近紫外波
吸光度は380nm〜410nmの累積値である。この
吸光度はニ酸化チタン酸化セリウムコンポジット1OO
%の反射率から求められており、そのニ酸化チタン酸化
セリウムコンポジットの紫外線吸収能力を示す。
【0021】
【表1】
【0022】<実施例7>上記製造例1〜5のニ酸化チ
タン酸化セリウムコンポジットについて、光触媒活性を
アルデヒドの気相光酸化反応によって評価した。その方
法は次の通りである。試料の一定量を反応容器中に入れ
て密閉した後0.6kPaまで減圧し、これにN2ガス
で薄めたアセトアルデヒド標準ガスを40kPaまで導
入後、さらに空気を導入して常圧に戻し、この状態で吸
着平衡に達したことを確認し、光照射を開始した。光照
射後15分毎に反応容器内のガスを採取し、ガスクロマ
トグラフィによりアセトアルデヒドの減少量を定量し
た。光源はキセノンランプ、280nm〜410nmの積算
値で500μWcm-2である。見かけの分解速度定数K
は分解量と時間の傾きから求め、粉体1gに対する値であ
る。これによれば本発明のニ酸化チタン酸化セリウムコ
ンポジットばかりでなしにニ酸化チタンの表面を酸化セ
リウムで被覆した粉体は光触媒活性を示さないことが分
かる。
【0023】
【表2】
【0024】<実施例8〜12>下記に示す処方に従っ
て、サンケア用のクリームを作成した。即ち、イ、ロ、
ハ、ニのそれぞれの成分を70℃に加熱し、イとロを混
合し、良く混練りし、これをハを加えて希釈し、ホを加
え、ディスパーで分散させ、これにニを徐々に加え乳化
し、撹拌冷却し、クリームを得た。 イ 70%マルチトース水溶液 5 重量部 グリセリン 3 重量部 1,3−ブタンジオール 5 重量部 メチルパラベン 0.2重量部 ロ トリグリセリンジイソステアレート 4 重量部 ソルビタンセスキオレート 0.5重量部 ハ 軽質イソパラフィン 10 重量部 流動パラフィン 10 重量部 パラジメチルアミノ安息香酸イソオクチル 5 重量部 ニ 水 51.6重量部 ヘパリン類似物質 0.1重量部 バクガコンのエッセンス 0.1重量部 エルヒビン 0.1重量部 コウキ抽出物BG 0.1重量部 プラセンターエキス 0.1重量部 グリコーゲン 0.1重量部 ローヤルゼリー 0.1重量部 ホ ニ酸化チタン酸化セリウムコンポジット* 5 重量部 *詳細は下記表3を参照
【0025】
【表3】
【0026】<実施例13>実施例8〜12、比較例
2、3のクリームを用いて、敏感肌の人を対象に、サン
ケア効果と刺激の発現の少なさを調べた。即ち、敏感肌
の人1群10名に8月のに2週間1日朝晩2回使用して
もらい、サンケア効果と刺激発現を、○:良い、△:普
通、×:悪いの基準でアンケートにより評価してもらっ
た。結果を表4に示す。これより、本発明の化粧料は、
サンケア用の化粧料として、又、敏感肌の人用の化粧料
として好適であることがわかる。
【0027】
【表4】
【0028】<実施例13〜19>下記に示す処方に従
って、本発明の組成物である化粧料を作成した。即ち、
イの成分をヘンシェルミキサーで混合し、0.7mm丸
穴スクリーン装着パルベライザーで粉砕した後、ヘンシ
ェルミキサーで混合しながらロをコーティングし、0.
5mmヘリングボーンスクリーン装着パルベライザーで
粉砕し、金皿に詰め加圧成形しファンデーションを得
た。これらの化粧料は何れも優れた紫外線防護効果を備
えていた。 イ ニ酸化チタン酸化セリウムコンポジット 10 重量部 シリコーン処理二酸化チタン 20 重量部 シリコーン処理ベンガラ 1 重量部 タルク 24 重量部 アルミニウムステアレート処理セリサイト 10 重量部 シリコーン処理マイカ 10 重量部 黄色酸化鉄 5 重量部 煙霧状シリカ 10 重量部 ロ オクタデシルオレート 3 重量部 スクワラン 2 重量部 ジメチコン 5 重量部 *詳細は下記表5を参照
【0029】
【表5】
【0030】<実施例18>下記処方に従って、ファン
デーションを作成した。即ち、イ、ロの成分をそれぞれ
80℃に加熱し、イにハを分散した後、ロを徐々に加え
乳化し、撹拌冷却しファンデーション(内容物)を得
た。これを中皿に充填し、容器にはめ込み日焼け防止化
粧料とした。これも優れた日焼け防止効果を有してい
た。 イ 3量体環状ジメチルポリシロキサン 26.5重量部 ネオペンチルグリコールジイソステアレート 3 重量部 アセチル化ラノリン 3 重量部 メタクリル酸変性メチルポリシロキサン 1 重量部 デカメチルシクロペンタンシロキサン 5 重量部 12−ヒドロキシステアリン酸 1.5重量部 トリグリセリンジイソステアレート 2 重量部 ブチルパラベン 0.1重量部 ロ 水 25 重量部 ラポナイトXLG 0.1重量部 ハ 二酸化チタン 18 重量部 製造例5のニ酸化チタン酸化セリウムコンポジット 5 重量部 タルク 7 重量部 黄色酸化鉄 2.1重量部 ベンガラ 0.7重量部
【0031】<実施例19>下記処方に従って、抗炎症
クリーム(皮膚外用医薬)を作成した。即ち、イ、ロの
成分をそれぞれ80℃に加熱し、イにハを分散した後、
ロを徐々に加え乳化し、抗炎症クリームを得た。このも
のは、光に対する安定性が優れていた。 イ 3量体環状ジメチルポリシロキサン 26.5重量部 ネオペンチルグリコールジイソステアレート 3 重量部 アセチル化ラノリン 3 重量部 メタクリル酸変性メチルポリシロキサン 1 重量部 デカメチルシクロペンタンシロキサン 5 重量部 12−ヒドロキシステアリン酸 1.5重量部 トリグリセリンジイソステアレート 2 重量部 ブチルパラベン 0.1重量部 ロ 水 51.8重量部 ラポナイトXLG 0.1重量部 ハ 球状メタクリル酸メチルポリマー(ジュリマーMB−1) 1 重量部 製造例2のニ酸化チタン酸化セリウムコンポジット 4 重量部 インドメタシン 1 重量部
【0032】<実施例20>下記に示す処方に従って、
塗料を作成した。即ち、処方成分をダイノミルに仕込
み、分散させ、塗料を得た。このものは優れた耐光性を
有していた。 アクリル酸エステルポリマーエマルジョン 60 重量部 (固形分51重量%) ポリエチレングリコール6000 5 重量部 製造例4のニ酸化チタン酸化セリウムコンポジット 5 重量部 ベンガラ 30 重量部
【0033】<実施例21>下記に示す処方の成分を溶
融し、吹き出し成形してプラスチック容器を作成した。
この容器を年間被爆量の紫外線に曝した後に破壊テスト
をしたところ被爆なしの同組成容器と同じ値を示した。 ポリプロピレンビーズ 95 重量部 フタル酸ジオクチル 4 重量部 製造例3のニ酸化チタン酸化セリウムコンポジット 1 重量部
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、長短両波紫外線を遮蔽
する能力を更に向上させ且つ光触媒活性作用を有さない
紫外線遮蔽剤として有用なニ酸化チタン酸化セリウムコ
ンポジットを提供する事ができる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4C083 AA072 AA112 AB172 AB211 AB212 AB232 AB241 AB242 AB432 AB442 AC012 AC022 AC072 AC122 AC132 AC302 AC332 AC422 AC442 AC482 AD162 AD172 AD202 AD312 AD512 BB46 CC05 CC12 CC19 DD31 EE17 FF01 4G047 CA05 CB05 CB09 CC03 CD02 CD04

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ニ酸化チタン酸化セリウムコンポジット
    において、380〜410nmにおける1nm間隔の吸光
    度の累積値(累積吸光度)が20以上である事を特徴と
    するニ酸化チタン酸化セリウムコンポジット。
  2. 【請求項2】 コンポジットの形態がニ酸化チタンの表
    面に酸化セリウムの被膜を有する形態であることを特徴
    とする、請求項1に記載のニ酸化チタン酸化セリウムコ
    ンポジット。
  3. 【請求項3】 光触媒活性がニ酸化チタンに比して低い
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のニ酸化チタン
    酸化セリウムコンポジット。
  4. 【請求項4】 吸光度が、粉体がもはや光を透過しない
    ほどの厚さのサンプルを用いて、拡散反射光を集光でき
    る分光光度計で380〜410nmにおける1nm間隔
    の反射率(R)を測定し、これを−LOG(R)とした
    値である請求項1〜3のいずれか1項に記載のニ酸化チ
    タン酸化セリウムコンポジット。
  5. 【請求項5】 平均径が1μm以下である請求項1〜4の
    いずれか1項に記載の酸化チタン酸化セリウムコンポジ
    ット。
  6. 【請求項6】 紫外線遮蔽用であることを特徴とする、
    請求項1〜5何れか1項に記載のニ酸化チタン酸化セリ
    ウムコンポジット。
  7. 【請求項7】 ニ酸化チタンの一部を酸に溶解させる酸
    処理工程、酸処理ニ酸化チタンを酸化剤で処理する酸化
    処理工程およびセリウム化合物を投入し、液性をPH7
    以上に保って熟成させ、ニ酸化チタン表面に酸化セリウ
    ムを析出沈着させる被覆工程を含むことを特徴とする、
    請求項1〜6何れか1項に記載のニ酸化チタン酸化セリ
    ウムコンポジットの製造方法。
  8. 【請求項8】 ニ酸化チタンの酸処理工程において、酸
    が硫酸である請求項7のニ酸化チタン酸セリウムコンポ
    ジットの製造方法。
  9. 【請求項9】 酸化処理工程において酸化剤が過酸化水
    素である請求項7又は8に記載のニ酸化チタン酸化セリ
    ウムコンポジットの製造方法。
  10. 【請求項10】 被覆工程においてセリウム化合物のセ
    リウムが3価であることを特徴とする請求項7〜9のい
    ずれか1項に記載のニ酸化チタン酸化セリウムコンポジ
    ットの製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項1〜6のいずれか1項に記載の
    ニ酸化チタン酸化セリウムコンポジットを含有すること
    を特徴とする組成物。
  12. 【請求項12】 皮膚外用組成物であることを特徴とす
    る請求項11に記載の組成物。
  13. 【請求項13】 化粧料であることを特徴とする請求項
    11又は12のいずれか1項に記載の組成物。
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