JP2003170569A - インキ供給装置 - Google Patents

インキ供給装置

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JP2003170569A
JP2003170569A JP2001375184A JP2001375184A JP2003170569A JP 2003170569 A JP2003170569 A JP 2003170569A JP 2001375184 A JP2001375184 A JP 2001375184A JP 2001375184 A JP2001375184 A JP 2001375184A JP 2003170569 A JP2003170569 A JP 2003170569A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 【解決する手段】 インキ供給ロール2と、該ロールに
接触配備された絞りロール3と、両ロールの端面に跨っ
て押し当てられる堰部材4との間に形成したインキ溜ま
り部13にインキを溜め、両ロール2を回転させることに
より、インキ供給ロール2表面に付着したインキを版胴
9へ供給するインキ供給装置において、堰部材4のロー
ル2、3との摺接面にはロール端面外周縁との対応位置
にインキ戻し溝41、41を開設しており、該インキ戻し溝
41、42はインキ溜まり部(13)側が閉塞し、反対側が開口
しており、ロール2、3の堰部材4との摺接面に高粘性
潤滑剤を供給するための潤滑剤供給部7、7を具えてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する分野】本発明は、フレキソインキ等の速
乾性インキの供給装置及び該インキ供給装置を具えた段
ボール印刷機に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来の
速乾性インキを用いる段ボール印刷機は、インキの粘度
上昇を防止するためにインキを長い管路で循環させてお
り、インキの色替えの際に循環系に付着残留するインキ
を廃棄するために多量にインキの無駄及び、該インキを
洗い流すために多量の洗浄廃液が生じる問題があった。
そこで出願人は、以前に、周面に微細な凹凸を形成した
インキ供給ロールと該ロールに接触配備した周面弾性体
の絞りロールと、両ロールの端面間に跨って配備された
堰部材とによって囲まれる範囲をインキ溜まり部とし、
該インキ溜まり部に速乾性インキを溜め、インキ溜まり
部内のインキに流れを生じさせたり、インキ溜まり部周
辺を水の噴霧によってミスト状態に保つこと等により、
インキの粘度上昇を防止できる段ボール印刷機を提案し
た(特願2001−51303号)。
【0003】上記段ボール印刷機は、インキ溜まり部で
のインキの粘度上昇を防止するという当初の目的を達し
たが、下記の問題が残っていることが分かった。インキ
供給ロール及び絞りロールの両端面と堰部材との摺接面
間に染み出して該ロール端面に薄膜状に付着したインキ
は、インキ供給ロールの高速回転による堰部材との摩擦
熱によって乾燥固化する。そして該乾燥固化するインキ
膜厚は印刷機の稼働時間に比例して大きくなる。このイ
ンキの乾燥固化した膜がロール端面から細かく剥離して
滓が発生し、これが堰部材とロール端面との間に噛み込
んで、堰部材を急激に且つ不均一に摩耗させる。堰部材
のインキ供給ロール端面との摺接面が不均一に摩耗する
と、該ロール端面との間に隙間が生じてインキ漏れが生
じる。絞りロール側でも上記と同様の事態が生じるが、
絞りロールの表面はインキに対して濡れ性の良い弾性体
であるから、絞りロール端面と堰部材との摺接面間に染
み出すインキの量は、インキ供給ロール側に較べても少
なく、インキ供給ロール側ほどには大きな問題とはなら
ない。
【0004】出願人は、上記問題解決のために、堰部材
の表面に、ロール端面に付着したインキをインキ溜まり
部に戻すためのインキ戻し溝(本発明でも採用し、詳細
は実施例で説明する)を開設したり、堰部材を良摺接性
金属材料で製作することを試みたが、芳しい結果は得ら
れなかった。本発明は、試行錯誤を繰り返し鋭意努力の
結果、ロール端面のインキ戻し溝と、ロール端面に潤滑
剤を供給して堰部材との摺接による発熱を抑えることを
組み合わせることにより、上記問題を解決できるインキ
供給装置及び段ボール印刷機を明らかにするものであ
る。
【0005】
【課題を解決する手段】本発明は、表面に微細な凹凸を
形成したインキ供給ロール(2)と、該ロールに接触離間
配備された絞り部材(3a)と、インキ供給ロール(2)と絞
り部材(3a)の両端面に跨って押し当てられる堰部材(4)
(4)とによってインキ溜まり部(13)を形成し、該インキ
溜まり部(13)にインキを溜め、インキ供給ロール(2)を
回転させることにより該ロール表面の余分のインキを絞
り部材(3a)によって絞り取り、インキ供給ロール(2)の
表面に付着したインキを直接或いは間接的に、版胴(9)
に装着した印版へ供給するインキ供給装置に於いて、堰
部材(4)のインキ供給ロール(2)との摺接面にはインキ
供給ロール(2)の端面外周縁との対応位置にインキ戻し
溝(41)を開設しており、該インキ戻し溝(41)のインキ溜
まり部(13)側端部はインキ溜まり部(13)上で閉じ、反対
側端部は堰部材(4)の端面に開口しており、インキ供給
ロール(2)の堰部材(4)との摺接面に潤滑剤を供給する
ための潤滑剤供給部(7)を具えていることを特徴とす
る。
【0006】本発明の段ボール印刷機は、上記インキ供
給装置を具えている。
【0007】
【作用及び効果】インキ供給ロール(2)の端面に供給さ
れた潤滑剤は、堰部材(4)に掻き落とされてロール端面
に潤滑剤の薄膜を形成する。インキ溜まり部(13)内のイ
ンキは、堰部材(4)とインキ供給ロール(2)との間に染
み込んで外部に洩れ出ようとする。しかし、堰部材(4)
はインキ供給ロール(2)の端面に押圧されており、且つ
インキ供給ロール(2)の端面には潤滑剤の薄膜が形成さ
れているから、インキが染み出る余地は殆どない。但
し、インキの染み出しを零とすることは出来ず、微量で
はあるがインキはインキ供給ロール(2)の端面に付着し
て外部へ持ち出される。
【0008】インキ供給ロール(2)の端面に薄膜状に付
着して持ち出されたインキは、該ロールの回転によって
生じる遠心力でロールの外周縁側へ移動する。これはイ
ンキとの濡れ性の悪い潤滑剤の薄膜上で行われるから、
インキの移動はスムーズである。又、潤滑剤の薄膜によ
ってロール端面と堰部材(4)との摩擦は軽減され、摩擦
による発熱を抑えると共に、堰部材(4)り摩耗を最小限
に抑えることができる。インキ供給ロール(2)の外周縁
に集まったインキは、堰部材(4)のインキ戻し溝(41)か
らインキ溜まり部(13)に戻される。
【0009】インキ供給ロール(2)の回転中は、上記動
作が繰り返され、従来の様に、ロール端面で乾燥固化し
たインキ滓が、堰部材(4)とロール端面に噛み込んで堰
部材(4)を不均一に摩耗させることを防止し、ロール端
面と堰部材(4)からのインキの漏れ出しを防止できる。
【0010】絞り部材(3a)として外周が弾性体である絞
りロール(3)を用いた場合、堰部材(4)の絞りロール
(3)との摺接面にも、上記同様のインキ戻し溝(42)を開
設し、絞りロール(3)の端面に潤滑剤を供給する滑剤供
給部(7)を設けることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】図8は、段ボール印刷機の概略を
示しており、公知の如く、1又は複数基並べた印刷ユニ
ットUの上流側に給紙装置(200)、下流側に罫線や不要
部の打抜きを行う装置(300)が接続されている。図6
は、印刷ユニットを示している。インキ供給装置(1)の
インキ供給ロール(2)表面に付着したインキを中間ロー
ラ(92)を介して間接的に版胴(9)に取り付けられた印版
へ供給し、版胴(9)と受けローラ(91)との間を通過する
段ボールシートに印刷を施す。中間ローラ(92)を省略
し、インキ供給ロール(2)と版胴(9)上の印版を直接に
接触させて印版にインキ供給する構成を採用することも
できる。1基の印刷ユニットで1色の印刷が出来、多色
刷りの場合、色数に応じて印刷ユニットを増やして、全
印刷ユニットを同期運転させる。
【0012】(全体構成)図1、図2に示す如く、インキ
供給装置(1)は、金属又はセラミック表面に微細な凹凸
を形成したインキ供給ロール(2)と、該ロールの全長に
亘って摺接する絞り部材(3a)と、インキ供給ロール(2)
と絞り部材(3a)の端面に跨って配備された2つの堰部材
(4)(インキ供給ロール(2)の両端に夫々配備されてい
る)で囲まれた部分にインキ溜まり部(13)を形成してい
る。実施例の絞り部材(3a)は、外周面がゴム等の弾性体
で形成された絞りロール(3)である。
【0013】インキ供給ロール(2)の直径は絞りロール
(3)の直径よりも大きく、インキ供給ロール(2)の回転
中心の高さ位置は、絞りロール(3)の回転中心よりも少
し低い。インキ供給ロール(2)の端面には、外周寄りに
該ロールの回転中心と同心に周溝(21)が開設されてい
る。インキ供給ロール(2)及び絞りロール(3)は、回転
駆動装置(図示せず)に連繋され、インキ溜まり部(13)内
のインキを下方に絞り出す方向に互いに逆向きに回転す
る。絞りロール(3)は、必要に応じてインキ供給ロール
(2)から離間可能である。
【0014】インキ供給装置(1)には、インキ溜まり部
(13)にインキを供給するためのインキ供給ノズル、イン
キ溜まり部(13)のインキに流れを生じさせるためるの制
御装置、インキ溜まり部(13)周辺を水の噴霧によってミ
スト状態に保つ装置、ロール洗浄用洗浄液供給装置等が
配備されるが、本発明の要部ではないので、説明は省略
する。
【0015】(堰部材(4))堰部材(4)は、フッ素樹脂
等、摩擦係数が小さく耐熱性に優れた合成樹脂にて縦長
の略矩形体に形成され、両ロール(2)(3)の接触位置を
覆う様に配備される。堰部材(4)のインキ供給ロール
(2)及び絞りロール(3)との摺接面には、両ロールの外
周縁に対応してインキ戻し溝(41)(42)が開設されてい
る。
【0016】インキ供給ロール(2)側のインキ戻し溝(4
1)は、上部側面からインキ溜まり部(13)の底側へ向かっ
て斜め下向きに傾斜しており、該ロールの回転側(下向
き傾斜端)の溝先端はインキ溜まり部(13)上で閉じ、該
ロールの反回転側(上向き端部)の溝他端は堰部材(4)の
端面で開口している。絞りロール(3)のインキ戻し溝(4
2)も、インキ溜まり部(13)の底側へ斜め下向きに傾斜し
ており、該ロールの回転側(下向き傾斜端)の溝先端は閉
じ、該ロールの反回転側(上向き端部)の溝他端は堰部材
(4)の端面で開口している。インキ溜まり部(13)に入れ
るインキ量により、液面より上位置となることもあれ
ば、液面より下位置となることもある。上記インキ戻し
溝(41)(42)は、該溝の全長に亘って溝幅中にロール外周
縁を含む様に形成され、インキ戻し溝(41)(42)の閉塞側
端部の一部は、ロール(2)(3)の周面の外周縁より外側
に延びている。絞りロール(3)側のインキ戻し溝(42)
は、絞りロール(3)の表面弾性体層の厚みより少し広幅
に形成されている。
【0017】堰部材(4)のロール(2)(3)との摺接面に
は、上記インキ戻し溝(41)(42)の下方に凹み段部(43)(4
3)が形成され、堰部材(4)とロール(2)(3)との摺接面
積を小さくしている。
【0018】堰部材(4)には、インキと洗浄液を選択的
に回収する回収孔(44)がインキ溜まり部(13)の底位置に
対応して開設され、該回収孔(44)は堰部材(4)の上端に
開口している。回収孔(44)には、回収ノズル(100)がそ
の上端開口(44a)から挿入され、回収ノズル(100)に作用
する吸引力でインキ溜まり部(13)のインキ又は洗浄液の
回収が行われる。
【0019】堰部材(4)の上端にハンドル(45)が突設さ
れる。
【0020】(堰支持台(5))上記堰部材(4)は、印刷機
のフレームに配備した堰支持台(5)と両ロール(2)(3)
との間に上方から嵌め込み、上方へ引き抜き可能にセッ
トされる。縦長の厚板矩形の堰支持台(5)は、その上端
が取付けプレート(12)によってフレーム上のベース部(1
1)にネジ止め固定される。
【0021】堰支持台(5)の両側端面に堰部材(4)側に
突出す様に縦長のガイド板(47)(47)がネジ止め固定さ
れ、ガイド板(47)(47)間に堰部材(4)がガタつきなく上
下にスライド可能に嵌まっている。堰支持台(5)の下端
に、堰部材(4)の下方への脱落防止及び高さ方向の位置
決めを行なう受けブロック(52)が突設されている。堰支
持台(5)には、堰部材(4)側の表面の両側に縦溝(51)(5
1)が開設され、該縦溝(51)(51)に、堰部材(4)をロール
端面側へ押圧する板バネ(63)(63)がネジ止め固定され
る。板バネ(63)は上下2カ所に円弧状に膨らんだ湾曲部
(63a)を形成しており、該湾曲部(63a)が堰部材(4)の背
面を押圧する。
【0022】図4に示す如く、堰支持台(5)の背面にエ
アーシリンダ装置(6)を取り付け、ピストンロッド(61)
を堰支持台(5)の幅中心を貫通した孔(46)を貫通させ、
図4に示す如く、該ピストンロッド(61)の先端に押し板
(62)を固定する。シリンダ装置(6)の押圧力は前記板バ
ネ(63)の押圧力よりも強く設定されている。
【0023】(潤滑剤供給部(7))前記堰支持台(5)上の
ガイド板(47)(47)には、インキ供給ロール(2)と絞りロ
ール(3)の端面外周寄りにグリース等の高粘性潤滑剤を
供給する潤滑剤供給部(7)(7)が取り付けられる。潤滑
剤供給部(7)(7)は、相手ロール側の対向面に開口(72)
を形成した潤滑剤ポット(70)(71)であって、インキ供給
ロール(2)側の潤滑剤供給部(7)は、アーム(74)を介し
てガイド板(47)に固定され、インキ供給ロール(2)の回
転中心のほぼ真上に位置している。絞りロール(3)側の
潤滑剤ポット(71)は、絞りロール(3)の回転中心の真上
位置より少しインキ供給ロール(2)側に寄っている。潤
滑剤ポット(70)(71)の開口(72)は、図1に示す如く、イ
ンキ供給ロール(2)と絞りロール(3)の夫々の端面が堰
部材(4)に接する環状の摺接領域(3b)(斜線部分)の環状
幅をほぼカバーする大きさを有している。両潤滑剤ポッ
ト(70)(71)の開口面は、ロール(2)(3)端面に対して、
0.5mm程度離れている。潤滑剤ポット(70)(71)の上面
に潤滑剤供給孔(73)が開設され、前記潤滑剤が手動又は
自動供給される。
【0024】(スクレーパ(8))インキ供給ロール(2)側
の潤滑剤ポット(70)の開口(72)を挟む左右両面にスクレ
ーパ(8)(8)をネジ止め固定する。両スクレーパ(8)
(8)は、インキ供給ロール(2)の前記周溝(21)に嵌まる
突片(82)を有しており、スクレーパ(8)に設けられたロ
ール軸方向の長孔(83)によって、スクレーパ(8)とイン
キ供給ロール(2)の間が、インキ供給ロール(2)の周溝
(21)を含めて、全体に0.1mm程度の隙間が存する様に
調整される。後記の如く、インキ供給ロール(2)の端面
に膜状に付着したインキを遠心力でインキ供給ロール
(2)の外周縁側に移動させ、これをインキ戻し溝(41)(4
2)からインキ溜まり部(13)に戻すために、スクレーパ
(8)の上端は、インキ供給ロール(2)の外周縁より少し
内側に位置していることが望ましい。
【0025】絞りロール(3)側の潤滑剤ポット(71)の該
ロールの反回転側の側面にスクレーパ(81)がネジ止めさ
れ、該スクレーパ(81)も長孔(83)によって、絞りロール
(3)の端面に対して全体に0.1mm程度の隙間が存する
様に調整される。スクレーパ(81)の上端は絞りロール
(3)の外周縁より突出しない。
【0026】然して、潤滑剤ポット(70)(71)からロール
(2)(3)の端面に供給された潤滑剤は、ロール(2)(3)
が回転すると堰部材(4)の側縁に掻き落とされて該端面
に潤滑剤の薄膜を形成する。潤滑剤ポット(70)(71)のロ
ール側開口(72)(72)は、ロール(2)(3)の堰部材(4)に
対する環状摺接領域(3b)の環状幅をほぼ覆うため、該環
状摺接領域(3b)に潤滑剤の薄膜を施すことができる。
【0027】インキ溜まり部(13)内のインキは、堰部材
(4)とロール(2)(3)の摺接面間に染み込んで外部に洩
れ出そうとするが、堰部材(4)はシリンダ装置(6)によ
ってロール(2)(3)に押圧されており、且つロール(2)
(3)の端面に潤滑剤の薄膜が形成されているから、イン
キが染み出る余地は殆どない。しかし、インキの染み出
を零とすることは出来ず、微量であるがインキはロール
(2)(3)の端面に付着して外部へ持ち出される。絞りロ
ール(3)は周面がインキとの濡れ性のよい弾性体で形成
されているため、インキが堰部材(4)との摺接面に染み
出す量は、インキ供給ロール(2)側に較べても微量であ
る。
【0028】ロール(2)(3)の回転で、該ロール端面に
薄膜状に付着して持ち出されたインキは、ロール回転に
よる遠心力でロールの外周縁側へ移動する。これは潤滑
剤の薄膜上で行われるから、インキの移動はスムーズで
ある。又、潤滑剤によってロール端面と堰部材(4)との
摩擦は軽減され、摩擦による発熱を抑えると共に、堰部
材(4)の摩耗を最小限に抑えることできる。ロール(2)
(3)の外周縁に集まったインキは、ロール(2)(3)の回
転により、インキ戻し溝(41)(42)に侵入し、インキ戻し
溝(41)(42)の閉塞端部側の溝縁で溝内へ掻き落とされ、
溝の下端露出部から滴下してインキ溜まり部(13)に戻さ
れる。
【0029】インキ供給ロール(2)側の潤滑剤ポット(7
0)上の2つのスクレーパ(8)(8)の内、該ロールの反回
転側のスクレーパ(8)と、絞りロール(3)側の潤滑剤ポ
ット(71)のスクレーパ(81)は、ロールの回転停止中等に
おいて、ロールの外周縁から端面にインキが垂れ落ちて
固化した場合、これを掻き落とす役割を成す。インキ供
給ロール(2)側の潤滑剤ポット(70)上の2つのスクレー
パ(8)(8)は、周溝(21)の潤滑剤ポット(70)との対応位
置に潤滑剤を溜める塞ぎ板(80)を兼用している。
【0030】上記の如く、絞りロール(3)側に較べてイ
ンキの漏れ出し量が多いインキ供給ロール(2)側は、該
インキ供給ロール(2)の端面外周寄りに周溝(21)を形成
して、前記の如く、該周溝(21)に侵入する突片(82)を有
するスクレーパ(8)(8)によって潤滑剤溜まりを形成す
るため、インキ供給ロール(2)の堰部材(4)との環状摺
接領域(3b)に対する潤滑剤の補給は十分になされ、該環
状摺接領域への潤滑剤の薄膜形成が途切れることは防止
される。
【0031】インキ供給ロール(2)の回転中は上記動作
が繰り返され、従来の様に、ロール端面で乾燥固化した
インキ滓が堰部材(4)とロール端面との間に噛み込ん
で、堰部材(4)を不均一に摩耗させることを防止して、
ロール端面と堰部材(4)からのインキの漏れ出しを防止
できる。
【0032】インキの色替えの際は、回収孔(44)の上端
開口(44a)に挿入した回収ノズル(100)の吸引力でインキ
溜まり部(13)内のインキを回収する。次に、ロール(2)
(3)を回転させつつ洗浄水でロールを洗浄し、インキ溜
まり部(13)に溜まった洗浄廃液を回収する。ロール(2)
(3)を洗浄後、インキ溜まり部(13)に新たなインキを供
給する。
【0033】メンテナンス等で堰部材(4)を外す必要が
生じた場合、インキ溜まり部(13)のインキを回収し、ロ
ールを洗浄した後、シリンダ装置(6)による堰部材(4)
の押圧を解除し、ハンドル(45)を持って堰部材(4)を上
方へ引き出す。再び堰部材(4)を上方から堰支持台(5)
に嵌め込む際、堰部材(4)は板バネ(63)(63)によってロ
ール端面に押しつけられるから、安定した嵌め込みがで
きる。
【0034】尚、本発明の実施に際して、インキ供給ロ
ール(2)側に較べてインキの漏れ出し量の少ない絞りロ
ール(3)側では、上記の堰部材(4)のインキ戻し溝(42)
や潤滑剤供給部(7)の配備を採用することは、必ずしも
必要ではない。
【0035】図7は、インキ供給ロール(2)に対する絞
り部材(3a)の他の実施例を示しており、絞り部材(3a)は
インキ供給ロール(2)の全長に亘って先端縁が摺接する
絞り板(31)である。上記実施例の場合、堰部材(4)には
インキ供給ロール(2)との対応位置に前記同様にしてイ
ンキ戻し溝(41)が開設され、インキ供給ロール(2)に対
する高粘性潤滑剤供給部(7)も配備されている。
【0036】上記実施例の説明は本発明を説明するめた
めのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定
し、或いは該範囲を減縮する様に解すべきではない。本
発明の各部構成は、上記実施例に限らず、特許請求の範
囲に記載の技術的範囲内で、種々の変形が可能であるこ
とは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】堰部材と高粘性潤滑剤供給部の正面図である。
【図2】堰部材近傍の斜面図である。
【図3】同上の分解斜面図である。
【図4】堰部材がロール端面を押圧している状態の断面
図である。
【図5】インキ供給ロールに対する潤滑剤ポットとスク
レーパの関係を示す断面図である。
【図6】印刷ユニットの概略説明図である。
【図7】インキ供給装置の他の実施例の断面図である。
【図8】段ボール印刷機の概略説明図である。
【符号の説明】
(1) インキ供給装置 (2) インキ供給ロール (3) 絞りロール (4) 堰部材 (5) 堰支持台 (7) 潤滑剤供給部 (70) 潤滑剤ポット (8) スクレーパ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年12月14日(2001.12.
14)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正内容】
【0005】
【課題を解決する手段】本発明は、表面に微細な凹凸を
形成したインキ供給ロール(2)と、該ロールに接触離間
可能に配備された絞り部材(3a)と、インキ供給ロール
(2)と絞り部材(3a)の両端面に跨って押し当てられる堰
部材(4)(4)とによってインキ溜まり部(13)を形成し、
該インキ溜まり部(13)にインキを溜め、インキ供給ロー
ル(2)を回転させることにより該ロール表面の余分のイ
ンキを絞り部材(3a)によって絞り取り、インキ供給ロー
ル(2)の表面に付着したインキを直接或いは間接的に、
版胴(9)に装着した印版へ供給するインキ供給装置に於
いて、堰部材(4)のインキ供給ロール(2)との摺接面に
はインキ供給ロール(2)の端面外周縁との対応位置にイ
ンキ戻し溝(41)を開設しており、該インキ戻し溝(41)の
インキ溜まり部(13)側端部はインキ溜まり部(13)上で閉
じ、反対側端部は堰部材(4)の端面に開口しており、イ
ンキ供給ロール(2)の堰部材(4)との摺接面に潤滑剤を
供給するための潤滑剤供給部(7)を具えていることを特
徴とする。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】インキ供給ロール(2)の端面に薄膜状に付
着して持ち出されたインキは、該ロールの回転によって
生じる遠心力でロールの外周縁側へ移動する。これはイ
ンキとの濡れ性の悪い潤滑剤の薄膜上で行われるから、
インキの移動はスムーズである。又、潤滑剤の薄膜によ
ってロール端面と堰部材(4)との摩擦は軽減され、摩擦
による発熱を抑えると共に、堰部材(4)摩耗を最小限
に抑えることができる。インキ供給ロール(2)の外周縁
に集まったインキは、堰部材(4)のインキ戻し溝(41)か
らインキ溜まり部(13)に戻される。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】堰部材(4)には、インキと洗浄液を選択
的に回収する回収孔(44)がインキ溜まり部(13)の底位置
に対応して開設され、該回収孔(44)は堰部材(4)の上端
に開口している。回収孔(44)には、回収ノズル(100)が
その上端開口(44a)から挿入され、回収ノズル(100)に作
用する吸引力でインキ溜まり部(13)のインキ又は洗浄
液の回収が行われる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に微細な凹凸を形成したインキ供給
    ロール(2)と、該ロールに接触離間可能に配備された絞
    り部材(3a)と、インキ供給ロール(2)と絞り部材(3a)の
    両端面に跨って押し当てられる堰部材(4)(4)とによっ
    てインキ溜まり部(13)を形成し、該インキ溜まり部(13)
    にインキを溜め、インキ供給ロール(2)を回転させるこ
    とにより該ロール表面の余分のインキを絞り部材(3a)に
    よって絞り取り、インキ供給ロール(2)の表面に付着し
    たインキを直接或いは間接的に、版胴(9)に取り付けら
    れた印版へ供給するインキ供給装置に於いて、堰部材
    (4)のインキ供給ロール(2)との摺接面にはインキ供給
    ロール(2)の端面外周縁との対応位置にインキ戻し溝(4
    1)を開設しており、該インキ戻し溝(41)のインキ溜まり
    部(13)側端部はインキ溜まり部(13)上で閉じ、反対側端
    部は堰部材(4)の端面に開口しており、インキ供給ロー
    ル(2)の堰部材(4)との摺接面に潤滑剤を供給するため
    の潤滑剤供給部(7)を具えていることを特徴とするイン
    キ供給装置。
  2. 【請求項2】 絞り部材(3a)は表面が弾性体であるロー
    ル(3)であり、堰部材(4)の該絞りロール(3)との摺接
    面には絞りロール(3)の端面外周縁との対応位置にイン
    キ戻し溝(42)を開設しており、該インキ戻し溝(42)のイ
    ンキ溜まり部(13)側端部はインキ溜まり部(13)上で閉
    じ、反対側端部は堰部材(4)の端面に開口している請求
    項1に記載のインキ供給装置。
  3. 【請求項3】 インキ供給ロール(2)の端面に付着固化
    したインキを掻き落とすスクレーパ(8)が該ロール端面
    に対向して設けられている請求項1又は2に記載のイン
    キ供給装置。
  4. 【請求項4】 インキ供給ロール(2)の堰部材(4)との
    摺接面に、該インキ供給ロール(2)の回転中心と同心に
    周溝(21)が開設され、潤滑剤供給部(7)の近傍に該周溝
    (21)に侵入して潤滑剤供給部(7)から潤滑剤の流出を調
    節するスクレーパ(8)(8)を具えている請求項3に記載
    のインキ供給装置。
  5. 【請求項5】 堰部材(4)は上方へ抜き外し可能に堰支
    持台(5)に取り付けられている請求項1乃至4の何れか
    に記載のインキ供給装置。
  6. 【請求項6】 堰支持台(5)に、堰部材(4)をロール端
    面に押圧するエアーシリンダ装置(6)及び、堰部材(4)
    を該エアーシリンダ装置(6)よりも弱い力でロール端面
    に付勢する板バネ(63)が配備されている請求項1乃至5
    の何れかに記載のインキ供給装置。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6の何れかのインキ供給装
    置(1)を具えた段ボール印刷機。
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