JP2003170295A - 形鋼等におけるスリーブ管の位置決め装置とその位置決め方法 - Google Patents

形鋼等におけるスリーブ管の位置決め装置とその位置決め方法

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JP2003170295A
JP2003170295A JP2001371137A JP2001371137A JP2003170295A JP 2003170295 A JP2003170295 A JP 2003170295A JP 2001371137 A JP2001371137 A JP 2001371137A JP 2001371137 A JP2001371137 A JP 2001371137A JP 2003170295 A JP2003170295 A JP 2003170295A
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ruler
sleeve tube
shaped steel
sleeve
sleeve pipe
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JP2001371137A
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Isamu Suzuki
勇 鈴木
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SUZUKI ISAMU SHOTEN KK
SUZUKIISAMU SHOTEN KK
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SUZUKI ISAMU SHOTEN KK
SUZUKIISAMU SHOTEN KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 H形鋼等の孔にスリーブ管を正確な直角度と
溶接位置とを保持して挿通溶接できるようにしたスリー
ブ管の位置決め装置を提供する。 【解決手段】 スリーブ管3の位置決め装置100は、
水平定規部10と垂直定規部13とを一体形成した直角
定規体50を形成し、上記垂直定規部13に高さ調節可
能に嵌合する係合体15及びこの締結手段17を備え、
係合体15には、スリーブ管3の上縁に係合する載置面
とスリーブ管3の内周面3Aに係合する係合部15Aを
突出形成し、上記係合部にはスリーブ管の固着手段20
を備えたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建造物の梁部を形
成する形鋼等の壁面に、ガス管、電気配線、光ファイバ
ー等を挿通支持すべく、補助部材となるスリーブ管を水
平方向に挿通溶接させるために使用するスリーブ管の位
置決め装置とその位置決め方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、建造物の梁部を形成する形鋼
等の壁面に、ガス管、電気配線、光ファイバー等を挿通
支持すべく、補助部材のスリーブ管を水平方向に挿通溶
接させている。このスリーブ管の溶接作業は、例えば、
図10に示すようにして行われる。まず、作業台Sの上
に水平姿勢に載せたH形鋼1にあけた孔1Aに、スリー
ブ管3をワイヤーWで吊るか、又は、ジャッキJで持ち
上げて挿通し、その中央位置を孔位置に合わせた状態で
直角固定具(直角定規)Aをスリーブ管3の外周面に当
接させ、この直角固定具Aの上部とスリーブ管3上部と
を、適宜締付手段(例えば万力)Mにより固定させてい
る。この固定状態にて、スリーブ管3をH形鋼に仮溶接
した後、直角固定具Aを取り外して、本溶接が行われ
る。
【0003】しかし、上記従来の直角固定具による固定
方法は、スリーブ管3が吊り下げられたり、ジャッキJ
で持ち上げられ、且つ一つの直角固定具による固定であ
るから、図11に示すように、仮溶接時に起きる収縮の
ために、スリーブ管3が孔1Aの一方向に引っ張られて
しまう。このため、スリーブ管3は、H形鋼にあけた孔
1Aの中心位置から片側にズレたり、3´に示すスリー
ブ管のように、H形鋼1との直角度が失われて斜め姿勢
に歪んだ状態で仮溶接される。そして、このズレのまま
で、本溶接が行われてしまい、スリーブ管の溶接強度や
溶接精度を低下させるという問題を有している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
スリーブ管の固定方法における問題点に鑑みてなされた
もので、その主な目的とするところは、H形鋼等の壁面
にあけた孔にスリーブ管を正確な直角度と溶接位置とを
保持して仮溶接できるようにしたスリーブ管の位置決め
装置と、上記位置決め装置を使用したスリーブ管の位置
決め方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明における請求項1
の形鋼等におけるスリーブ管の位置決め装置は、形鋼等
の壁面に載置する水平定規部と垂直定規部とからなる直
角定規体を形成し、上記垂直定規部の垂直定規面側とな
る上部に、スリーブ管上縁に当接する載置面とスリーブ
管内周面に対面する係合部とを突出形成するとともに、
上記係合部に、上記垂直定規部をスリーブ管の外周面に
固定する固着手段を形成し、上記直角定規体の水平定規
部と上記載置面との高さを予めスリーブ管の振り分け高
さ寸法に形成したことを特徴とするものである。
【0006】また、請求項2の形鋼等におけるスリーブ
管の位置決め装置は、形鋼等の壁面に載置する水平定規
部と垂直定規部とからなる直角定規体を形成し、上記垂
直定規部の垂直定規面側となる上部に、スリーブ管上縁
に当接する載置面とスリーブ管内周面に対面する係合部
とを高さ調節可能に突出形成し、上記係合部に、上記垂
直定規部をスリーブ管の外周面に固定する固着手段を形
成したことを特徴とするものである。
【0007】また、請求項3の形鋼等におけるスリーブ
管の位置決め装置は、形鋼等の壁面に載置する水平定規
部と垂直定規部とからなる直角定規体を形成し、上記垂
直定規部に係合体を昇降可能で、且つ目盛により高さ調
節可能に形成するとともに締結手段で固定可能に取付
け、上記係合体における垂直定規部の垂直定規面側とな
る上部に、スリーブ管上縁に当接する載置面とスリーブ
管内周面に対面する係合部とを突出形成するとともに、
上記係合部に、上記垂直定規部をスリーブ管の外周面に
固定する固着手段を形成したことを特徴とするものであ
る。
【0008】また、請求項4の形鋼等におけるスリーブ
管の位置決め装置は、形鋼等の壁面に載置する水平定規
部と垂直定規部とからなる直角定規体を形成し、上記垂
直定規部を垂直支持部に昇降可能で、且つ目盛により高
さ調節可能に形成するとともに締結手段で固定可能に取
付け、上記垂直定規部の垂直定規面側となる上部に、ス
リーブ管上縁に当接する載置面とスリーブ管内周面に対
面する係合部を突出形成するとともに、この係合部に、
上記垂直定規部をスリーブ管の外周面に固定する固着手
段を形成したことを特徴とするものである。
【0009】また、請求項5の形鋼等におけるスリーブ
管の位置決め方法は、形鋼等の壁面に載置する水平定規
部と垂直定規部とからなる直角定規体を備え、上記垂直
定規部の垂直定規面側となる上部に、スリーブ管上縁に
当接する載置面とスリーブ管内周面に対面する係合部と
を備え、直角定規体の水平定規部と上記載置面との高さ
を予めスリーブ管の振り分け高さ寸法に形成した位置決
め装置を3個以上使用し、この位置決め装置を、その載
置面をスリーブ管の上縁に当接するとともに外周に割り
振り配置して固着手段で固定し、続いて、上記スリーブ
管を水平配置した形鋼等の壁面にあけた孔に垂直に挿通
して吊持させ、上記スリーブ管をスリーブ管の外周に割
り振り配置した3個以上の位置決め装置により、高さ位
置と直角度と孔中心位置とを位置決めすることを特徴と
するものである。
【0010】また、請求項6の形鋼等におけるスリーブ
管の位置決め方法は、形鋼等の壁面に載置する水平定規
部と垂直定規部とからなる直角定規体を備え、上記垂直
定規部の垂直定規面側となる上部に、スリーブ管上縁に
当接する載置面とスリーブ管内周面に対面する係合部と
を備え、直角定規体の水平定規部と上記載置面との高さ
をスリーブ管の振り分け高さ寸法に調節した位置決め装
置を3個以上使用し、この位置決め装置を、その載置面
をスリーブ管の上縁に当接するとともに外周に割り振り
配置して固着手段で固定し、続いて、上記スリーブ管を
水平配置した形鋼等の壁面にあけた孔に垂直に挿通して
吊持させ、上記スリーブ管をスリーブ管の外周に割り振
り配置した3個以上の位置決め装置により、高さ位置と
直角度と孔中心位置とを位置決めすることを特徴とする
ものである。
【0011】
【作用】本発明の請求項1の形鋼等におけるスリーブ管
の位置決め装置は、直角定規体の垂直定規部の上部にス
リーブ管の上縁に当接する載置面とスリーブ管内周面に
係合する係合部を備えるとともに、この係合部に固着手
段とを備えたものであり、この載置面がスリーブ管の高
さの半分に振り分けされた高さに設定されたものであ
る。まず、例えば3組の位置決め装置を使用し、その係
合体をスリーブ管の上縁周囲に適宜間隔に係合して固着
手段で固着される。次に、上記位置決め装置を取り付け
たスリーブ管は、水平配置した形鋼の壁面孔に垂直姿勢
で挿通され、外周3ヶ所に取り付けた位置決め装置によ
り、その振り分け中央位置をスリーブ管の壁面に合わせ
て自重で吊持される。これで、スリーブ管は、形鋼の孔
に挿通した上下に均等に振り分けされた吊持状態で、孔
との間でズレることなく保持されるので、この位置で仮
溶接される。
【0012】しかして、上記スリーブ管の位置決め装置
によれば、簡単且つ迅速にスリーブ管を形鋼の孔に三方
で垂直に自重で正確な振り分け寸法で保持できるととも
に、正確な直角姿勢で位置決めできる。
【0013】請求項2の形鋼等におけるスリーブ管の位
置決め装置は、直角定規体の垂直定規部の上部にスリー
ブ管の上縁に当接する載置面とスリーブ管内周面に係合
する係合部を備えるとともに、この係合部に固着手段を
備えたものであり、この載置面がスリーブ管の高さの半
分に振り分けされた高さに調節できるものである。この
調整は、例えば他のメジャー等を利用して行なうことが
できる。まず、3組の位置決め装置は、その係合体をス
リーブ管の上縁周囲に適宜間隔に係合して固着手段で固
着される。次に、上記3組の位置決め装置を取り付けた
スリーブ管は、水平配置した形鋼の壁面孔に垂直姿勢で
挿通され、外周3ヶ所に取り付けた位置決め装置によ
り、その振り分け中央位置をスリーブ管の壁面に合わせ
て自重で吊持される。これで、スリーブ管は、形鋼の孔
に挿通した上下に均等に振り分けした吊持状態で、孔と
の間でズレることなく保持されるので、この位置で仮溶
接される。
【0014】しかして、上記スリーブ管の位置決め装置
によれば、簡単且つ迅速にスリーブ管を形鋼の孔に三方
で垂直に自重で正確な振り分け寸法で保持できるととも
に、正確な直角姿勢で位置決めできる。
【0015】本発明の請求項3の形鋼等におけるスリー
ブ管の位置決め装置は、直角定規体の垂直定規部の上部
にスリーブ管の上縁に当接する載置面とスリーブ管内周
面に係合する係合部を備えるとともに、この係合部に固
着手段を備えたものであり、特に、上記垂直定規部に係
合体を目盛により高さ調節可能に嵌合するとともに締結
手段で固定可能に取付けたので、係合体に形成した載置
面がスリーブ管の高さの半分に振り分けされた高さに目
盛にて調節できるものである。まず、3組の位置決め装
置は、その係合体をスリーブ管の上縁周囲に適宜間隔に
係合して固着手段で固着される。次に、上記3組の位置
決め装置を取付けたスリーブ管は、水平配置した形鋼の
壁面孔に垂直姿勢で挿通され、外周3ヶ所に取り付けた
位置決め装置により、その振り分け中央位置をスリーブ
管の壁面に合わせて自重で吊持される。これで、スリー
ブ管は、形鋼の孔に挿通した上下に均等に振り分けした
吊持状態で、孔との間でズレることなく保持されるの
で、この位置で仮溶接される。
【0016】しかして、上記スリーブ管の位置決め装置
によれば、簡単且つ迅速にスリーブ管を形鋼の孔に三方
で垂直に自重で正確な振り分け寸法で保持できるととも
に、正確な直角姿勢で位置決めできる。
【0017】請求項4の形鋼等におけるスリーブ管の位
置決め装置は、直角定規体の垂直定規部の上部にスリー
ブ管の上縁に当接する載置面とスリーブ管内周面に係合
する係合部を備えるとともに、この係合部に固着手段を
備えたものであり、特に、上記垂直定規部を垂直支持部
に垂直姿勢で、且つ目盛により高さ調節可能に形成する
とともに締結手段で固定可能に取付けたので、係合体に
形成した載置面がスリーブ管の高さの半分に振り分けさ
れた高さに目盛にて調節できるものである。まず、3組
の位置決め装置は、その係合体をスリーブ管の上縁周囲
に適宜間隔に係合して固着手段で固着される。次に、上
記3組の位置決め装置を取り付けたスリーブ管は、水平
配置した形鋼の壁面孔に垂直姿勢で挿通され、外周3ヶ
所に取り付けた位置決め装置により、その振り分け中央
位置をスリーブ管の壁面に合わせて自重で吊持される。
これで、スリーブ管は、形鋼の孔に挿通した上下に均等
に振り分けした吊持状態で、孔との間でズレることなく
保持されるので、この位置で仮溶接される。
【0018】しかして、上記スリーブ管の位置決め装置
によれば、簡単且つ迅速にスリーブ管を形鋼の孔に三方
で垂直に自重で正確な振り分け寸法で保持できるととも
に、正確な直角姿勢で位置決めできる。
【0019】請求項5の形鋼等におけるスリーブ管の位
置決め方法によると、上記位置決め装置を3組以上使用
して形鋼の孔へのスリーブ管の位置決めが行われる。ま
ず、直角定規体の水平定規部と上記載置面との高さを予
めスリーブ管の振り分け高さ寸法に形成した位置決め装
置を使用する。続いて、例えば3組の位置決め装置は、
その係合部をスリーブ管の上縁周囲に適宜間隔に係合し
て固着手段で固着される。次に、上記複数の位置決め装
置を取付けたスリーブ管は、水平配置した形鋼の壁面孔
に垂直姿勢で挿通され、外周3カ所に均等間隔で取付け
た位置決め装置により、その中腹部を形鋼の壁面孔に合
わせて自重で吊持される。これで、スリーブ管は、形鋼
の孔に挿通され上下に均等に振り分けされた自重による
吊持状態で保持されるので、この状態で形鋼の壁面孔と
の間を仮溶接される。尚、その後は上記3個の位置決め
装置がスリーブ管から外され、仮溶接されたスリーブ管
の外周と形鋼の壁面とが本溶接される。
【0020】しかして、上記スリーブ管の位置決め装置
を使用すれば、簡単且つ迅速にスリーブ管をその自重で
形鋼の孔にズレることなく正確な振り分け寸法のもとに
保持できるとともに、正確な直角姿勢で保持できる。こ
れにより、形鋼の孔へのスリーブ管の正確な位置決めが
なされた状態で、仮溶接が円滑に実行でき、スリーブ管
の溶接強度や溶接精度が確保できる。
【0021】請求項6の形鋼等におけるスリーブ管の位
置決め方法によると、上記位置決め装置を3組以上使用
して形鋼の孔へのスリーブ管の位置決めが行われる。ま
ず、直角定規体の水平定規部と上記載置面との高さをス
リーブ管の振り分け高さ寸法に調節した位置決め装置を
使用する。この調整は、垂直定規部にメモリを形成した
場合はこれを目印として行い、これがない場合は、他の
メジャー等を利用して行ってもよい。続いて、例えば3
組の位置決め装置は、その係合部をスリーブ管の上縁周
囲に適宜間隔に係合して固着手段で固着される。次に、
上記複数の位置決め装置を取付けたスリーブ管は、水平
配置した形鋼の壁面孔に垂直姿勢で挿通され、外周3カ
所に均等間隔で取付けた位置決め装置により、その中腹
部を形鋼の壁面孔に合わせて自重で吊持される。これ
で、スリーブ管は、形鋼の孔に挿通され上下に均等に振
り分けされた自重による吊持状態で保持されるので、こ
の状態で形鋼の壁面孔との間を仮溶接される。尚、その
後は上記3個の位置決め装置がスリーブ管から外され、
仮溶接されたスリーブ管の外周と形鋼の壁面とが本溶接
される。
【0022】しかして、上記スリーブ管の位置決め装置
を使用すれば、簡単且つ迅速にスリーブ管をその自重で
形鋼の孔にズレることなく正確な振り分け寸法のもとに
保持できるとともに、正確な直角姿勢で保持できる。こ
れにより、形鋼の孔へのスリーブ管の正確な位置決めが
なされた状態で、仮溶接が円滑に実行でき、スリーブ管
の溶接強度や溶接精度が確保できる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態を説明する。図1は本発明の第1実施形態である
形鋼等におけるスリーブ管の位置決め装置の斜視図であ
り、図2は位置決め装置をスリーブ管に固定しH形鋼へ
挿通した状態の斜視図を示し、図3〜図7は位置決め装
置の取付手順と仮溶接の作業を示す工程図である。
【0024】先ず、図1において、スリーブ管3に取付
けられる位置決め装置100の構成を説明する。上記位
置決め装置100は、形鋼1等の壁面に載置する水平定
規部10と垂直定規部13とからなる直角定規体50を
形成している。上記垂直定規部13には目盛Mを貼付け
ている。また、上記垂直定規部13には、係合体15が
高さ調節可能に嵌合されていて、2本のボルトB1によ
る締結手段17で任意位置に固定可能になっている。更
に、上記垂直定規部13の垂直定規面13A側に、スリ
ーブ管3の内周面3Aに係合する係合部15Aが上記係
合体15に突出形成されている。そして、係合部15A
をスリーブ管3の上縁3Bに当接する載置面15Bと、
垂直定規体13の垂直定規面13A側をスリーブ管の外
周3Cに固定する1本のボルトB2からなる固着手段2
0が備えられている。
【0025】しかして、上記位置決め装置100は、図
2に示すように、H形鋼1における壁面1Aに対し、垂
直定規部13を外周に密着させれば、水平定規部10は
垂直定規部13に対して直角で水平姿勢にできるように
なっている。そして、上記垂直定規部13に嵌合する係
合体15は、H形鋼1の板厚hを考慮してスリーブ管3
の半分の長さ寸法(H/2−h/2)に、その高さが目
盛Mで調節され、締結手段17により固定される。更
に、上記垂直定規部13の垂直定規面13A側には、ス
リーブ管3の外周3Cと対面する係合部15Aを、上記
係合体15から隙間Xが作られるように突出形成されて
いる。この係合部15Aは、スリーブ管の内周面3Aに
載置面15Bを介して隙間Xで係合され、固着手段20
によりスリーブ管3に垂直定規部13の垂直定規面13
A側が固定されるようになっている。
【0026】上記位置決め装置100は、図2に示すよ
うに、3組の位置決め装置100をスリーブ管3の上縁
外周に取付け、H形鋼1の孔1Aに挿通してスリーブ管
3を自重で吊持される。これにより、H形鋼1の孔1A
へ挿通するスリーブ管3は、正確な高さ位置と、正確な
直角度と、H形鋼の孔1Aの中心位置に保持できるよう
に構成されている。
【0027】本発明のスリーブ管の位置決め装置100
は、上記第1実施形態のように構成されており、この位
置決め装置100を3組以上、具体的には3組使用して
H形鋼1の孔1Aへのスリーブ管3の正確な位置決めと
仮溶接とを、下記の作業手順で実行する。
【0028】まず、図3に示すように、スリーブ管3
を、その中央位置Oで振り分けるに先立ち、上記位置決
め装置100の3組について、その垂直定規部13の目
盛Mで直角定規体50の水平定規部10と係合体15の
載置面15Bの高さを、H形鋼1の板厚hを考慮してス
リーブ管3の約半分の長さ寸法(H/2−h/2)に調
節して締結手段17で固定される。
【0029】そして、図4に示すように、3組の上記位
置決め装置100は、その係合体15に設けた係合部1
5Aの載置面15Bをスリーブ管3の上縁3Bの周囲に
三方へほぼ均等な間隔に係合し、垂直定規部13の垂直
定規面13A側をスリーブ管3の外周3Cに固着手段2
0で固着される。尚、三方へほぼ均等な間隔で取り付け
るのが好ましいが、厳密に取り付ける必要はなく、適宜
な間隔であればよい。
【0030】更に、図5に示すように、上記複数の位置
決め装置100を取付けたスリーブ管3は、水平配置し
たH形鋼1の壁面孔1Aに垂直姿勢で上方から挿通され
る。これにより、スリーブ管3は、外周3Cの3ヶ所に
位置決め装置100が均等間隔で取付けられた状態で、
その中腹部をH形鋼1の壁面孔1Aに合わせてスリーブ
管3の自重でズレることなく吊持される。
【0031】また、図6に示すように、スリーブ管3
は、H形鋼1の孔1Aに挿通した上下均等振り分けの吊
持状態が維持され、H形鋼の壁面孔との間を、溶接棒Y
で仮溶接Kされる。その仮溶接位置は、空間のある3カ
所である。
【0032】最後に、図7に示すように、上記3個の位
置決め装置100は、仮溶接されたスリーブ管3から外
され、溶接棒Yにより本溶接される。
【0033】上記スリーブ管の位置決め装置100によ
ると、3個の位置決め装置100を取り付けたスリーブ
管3は、水平配置したH形鋼1の壁面孔1Aに垂直姿勢
で挿通され、外周3カ所に取り付けた位置決め装置10
0により、その中腹部で吊持されている。これにより,
スリーブ管3は自重でズレることなく、H形鋼1の孔に
正確な振り分け寸法で保持されるとともに、正確な直角
姿勢で保持できる。しかして、スリーブ管は、H形鋼の
孔に挿通した上下均等振り分けの吊持状態で、孔との間
でズレることなく確実に仮溶接を実行できる。
【0034】更に、上記位置決め装置100を3個使用
してスリーブ管3をH形鋼1の孔1Aに正確な振り分け
寸法で保持し、正確な直角姿勢で保持することにより、
H形鋼の孔へのスリーブ管3の自重によるズレや溶接収
縮によるによる傾斜のない確実な仮溶接と、これに続く
本溶接とが円滑に実行でき、スリーブ管3の溶接強度や
溶接精度が確保できる。また、上記スリーブ管の位置決
め装置によると、長さの異なるスリーブ管3に対して載
置面15Bを高さ調節して合わせられるから、最低3個
あれば、あらゆる長さのスリーブ管3に適用できる。
【0035】本発明のスリーブ管の位置決め装置100
は、上記第1施形態に限定されない。例えば、図8に示
す第2実施形態のスリーブ管の位置決め装置200とし
ても良い。その直角定規体50の構成は、形鋼1等の壁
面に載置する水平定規部10に垂直支持部10Aを形成
し、この垂直支持部10Aに垂直定規部13を昇降可能
に取付けられている。そして、垂直定規部13は、目盛
Mにより高さ調節されてボルトB1による締結手段17
で固定可能になっている。更に、上記垂直定規部13の
垂直定規面13A側となる位置に、スリーブ管3の上縁
3Bに当接する載置面15Bとスリーブ管の内周面3A
に対面する係合部15Aを突出形成するとともに、この
係合部15Aに上記垂直定規部13をスリーブ管3の外
周面に固定する固着手段20を備えたものである。
【0036】上記第2実施形態の位置決め装置200
は、垂直定規部13を高さ調節できるように設計変更し
たものであり、この高さ調節する構成だけが上記第1実
施形態の位置決め装置100と異なるものであり、その
他の構成については基本的に同一であるからその説明を
省略する。この実施形態の場合も、上記の第1実施形態
の位置決め装置100と同様の作用効果が発揮される。
【0037】更に、本発明のスリーブ管の位置決め装置
は、図9に示す第3実施形態の位置決め装置300とし
ても良い。その構成は、形鋼1等の壁面に載置する水平
定規部10に垂直定規部13を垂直姿勢に一体形成した
直角定規体50とし、上記垂直定規部13の垂直定規面
13A側となる上部に、スリーブ管3の上縁3Bに当接
する載置面15Bとスリーブ管3の内周面3Aに対面す
る係合部15Aとを一体に突出形成したものである。上
記係合部15Aには、上記垂直定規部13をスリーブ管
3の外周面3Cに固定する固着手段20が備えられてい
る。上記直角定規体50の水平定規部10と上記載置面
15Bとの高さは予め形鋼1等の壁面に取り付けられる
スリーブ管3の振り分け高さ寸法に形成されているもの
であり、スリーブ管3の長さが異なる場合に対応して、
異なる高さのものを複数用意しておくものである。
【0038】上記第3実施形態の位置決め装置300
は、垂直定規部13の高さを一定としたものである。従
って、この高さ寸法に合ったスリーブ管3において適用
できる。この構成が上記第1実施形態の位置決め装置1
00と異なるものであり、その他の構成については基本
的に同一であるからその説明を省略する。この実施形態
の場合も、上記の第1実施形態の位置決め装置100と
同様の作用効果が発揮される。
【0039】尚、本発明は上記の角実施形態のものに限
定されない。本発明のスリーブ管の位置決め装置100
及び200は、係合部15Aの高さ調節をねじ式として
も良い。このねじ式にすると、係合部15Aの高さが微
調節できる利点を有する。そして、上記位置決め装置1
00,200と基本的に同一の作用効果が発揮される。
また、係合部15Aを高さ調節可能に形成した場合、こ
の高さ調節は、他のメジャー等を使用して行うようにし
てもよい。
【0040】本発明のスリーブ管の位置決め装置は、上
記H形鋼1を使用した梁の場合に限らず、他の各種断面
形状の形鋼、例えばI形鋼を使用する場合等にも適用で
きる。また、形鋼の場合に限定されず、各種鋼材を使用
したパネル壁材にスリーブ管を挿通溶接するような場合
にも適用できる。この変更実施形態によるときも、上記
同一作用と同一効果が得られる。
【0041】
【発明の効果】本発明における請求項1のスリーブ管の
位置決め装置によると、3個以上の位置決め装置を外周
3カ所以上に取付けたスリーブ管は、水平配置した形鋼
の壁面孔に垂直姿勢で挿通され、その中腹部を自重でズ
レることなく吊持できる。これにより,スリーブ管は形
鋼の孔に正確な振り分け寸法で保持できるとともに、正
確な直角姿勢で位置決めできる。
【0042】請求項2〜4のスリーブ管の位置決め装置
によると、請求項1のスリーブ管の位置決め装置による
効果を奏するほか、長さの異なるスリーブ管に対して載
置面を高さ調節して合わせられるから、最低3個あれ
ば、あらゆる長さのスリーブ管に適用できる。
【0043】請求項5〜6の形鋼等におけるスリーブ管
の位置決め方法によると、3個以上の位置決め装置を使
用してスリーブ管をその自重でズレることなく、形鋼孔
に正確な振り分け寸法で保持し、正確な直角姿勢で保持
できるから、形鋼孔へのスリーブ管の位置決めと仮溶接
が迅速、且つ円滑に実行でき、スリーブ管の溶接強度や
溶接精度が確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示し、H形鋼における
スリーブ管の位置決め装置の斜視図である。
【図2】位置決め装置をスリーブ管に固定しH形鋼の孔
に挿通した斜視図である。
【図3】位置決め装置の操作手順を示す正面図である。
【図4】スリーブ管への位置決め装置の取付状態を示す
断面図である。
【図5】位置決め装置をスリーブ管に固定しH形鋼の孔
に挿通する斜視図である。
【図6】仮溶接作業を示す斜視図である。
【図7】本溶接作業を示す斜視図である。
【図8】第2実施形態を示し、H形鋼におけるスリーブ
管の位置決め装置の斜視図である。
【図9】第3実施形態を示し、H形鋼におけるスリーブ
管の位置決め装置の斜視図である。
【図10】従来例の直角固定具を示す断面図である。
【図11】従来例の直角固定具を示す平面図と断面図で
ある。
【符号の説明】
1 H形鋼 1A 孔 3 スリーブ管 3A 内周面 3B 上縁 3C 外周 10 水平定規部 13 垂直定規部 13A 垂直定規面 15 係合体 15A 係合部 15B 載置面 17 締結手段 20 固着手段 50 直角定規体 B1 ボルト B2 ボルト H/2 上下振り分け長さ h 壁面の厚さ K 仮溶接部 M 目盛 X 隙間 Y 溶接棒 100 位置決め装置 200 位置決め装置 300 位置決め装置

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 形鋼等の壁面に載置する水平定規部と垂
    直定規部とからなる直角定規体を形成し、上記垂直定規
    部の垂直定規面側となる上部に、スリーブ管上縁に当接
    する載置面とスリーブ管内周面に対面する係合部とを突
    出形成するとともに、上記係合部に、上記垂直定規部を
    スリーブ管の外周面に固定する固着手段を形成し、上記
    直角定規体の水平定規部と上記載置面との高さを予めス
    リーブ管の振り分け高さ寸法に形成したことを特徴とす
    る形鋼等におけるスリーブ管の位置決め装置。
  2. 【請求項2】 形鋼等の壁面に載置する水平定規部と垂
    直定規部とからなる直角定規体を形成し、上記垂直定規
    部の垂直定規面側となる上部に、スリーブ管上縁に当接
    する載置面とスリーブ管内周面に対面する係合部とを高
    さ調節可能に突出形成し、上記係合部に、上記垂直定規
    部をスリーブ管の外周面に固定する固着手段を形成した
    ことを特徴とする形鋼等におけるスリーブ管の位置決め
    装置。
  3. 【請求項3】 形鋼等の壁面に載置する水平定規部と垂
    直定規部とからなる直角定規体を形成し、上記垂直定規
    部に係合体を昇降可能で、且つ目盛により高さ調節可能
    に形成するとともに締結手段で固定可能に取付け、上記
    係合体における垂直定規部の垂直定規面側となる上部
    に、スリーブ管上縁に当接する載置面とスリーブ管内周
    面に対面する係合部とを突出形成するとともに、上記係
    合部に、上記垂直定規部をスリーブ管の外周面に固定す
    る固着手段を形成したことを特徴とする形鋼等における
    スリーブ管の位置決め装置。
  4. 【請求項4】 形鋼等の壁面に載置する水平定規部と垂
    直定規部とからなる直角定規体を形成し、上記垂直定規
    部を垂直支持部に昇降可能で、且つ目盛により高さ調節
    可能に形成するとともに締結手段で固定可能に取付け、
    上記垂直定規部の垂直定規面側となる上部に、スリーブ
    管上縁に当接する載置面とスリーブ管内周面に対面する
    係合部を突出形成するとともに、上記係合部に、上記垂
    直定規部をスリーブ管の外周面に固定する固着手段を形
    成したことを特徴とする形鋼等におけるスリーブ管の位
    置決め装置。
  5. 【請求項5】 形鋼等の壁面に載置する水平定規部と垂
    直定規部とからなる直角定規体を備え、上記垂直定規部
    の垂直定規面側となる上部に、スリーブ管上縁に当接す
    る載置面とスリーブ管内周面に対面する係合部とを備
    え、直角定規体の水平定規部と上記載置面との高さを予
    めスリーブ管の振り分け高さ寸法に形成した位置決め装
    置を3個以上使用し、この位置決め装置を、その載置面
    をスリーブ管の上縁に当接するとともに外周に割り振り
    配置して固着手段で固定し、続いて、上記スリーブ管を
    水平配置した形鋼等の壁面にあけた孔に垂直に挿通して
    吊持させ、上記スリーブ管をスリーブ管の外周に割り振
    り配置した3個以上の位置決め装置により、高さ位置と
    直角度と孔中心位置とを位置決めすることを特徴とする
    形鋼等におけるスリーブ管の位置決め方法。
  6. 【請求項6】 形鋼等の壁面に載置する水平定規部と垂
    直定規部とからなる直角定規体を備え、上記垂直定規部
    の垂直定規面側となる上部に、スリーブ管上縁に当接す
    る載置面とスリーブ管内周面に対面する係合部とを備
    え、直角定規体の水平定規部と上記載置面との高さをス
    リーブ管の振り分け高さ寸法に調節した位置決め装置を
    3個以上使用し、この位置決め装置を、その載置面をス
    リーブ管の上縁に当接するとともに外周に割り振り配置
    して固着手段で固定し、続いて、上記スリーブ管を水平
    配置した形鋼等の壁面にあけた孔に垂直に挿通して吊持
    させ、上記スリーブ管をスリーブ管の外周に割り振り配
    置した3個以上の位置決め装置により、高さ位置と直角
    度と孔中心位置とを位置決めすることを特徴とする形鋼
    等におけるスリーブ管の位置決め方法。
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