JP4273226B2 - 設置基準要素装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は部品の位置測定方法および位置測定装置に関し、特にレーザー装置、光軸調整装置、光計測装置など、光学部品の精密な配置が必要とされる光学装置において、光学部品を3次元的に精密に配置するための部品の位置測定方法および位置測定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、レーザー装置などの光学装置はブレッドボードや光学定盤(光学テーブル)の上に光学部品を精密に配置することにより組み立てられる。ブレッドボードは、光学部品を据え付けるための金属製の設置基板のことである。
【0003】
ブレッドボードには光学部品を取り付けるためにマトリクス状にねじ穴が刻まれていたり、マグネットによる着磁(固定)が可能となっていることが多い。ブレッドボードの表面は機械的に研磨されているが、10cmの距離で300μm程度の凹凸があり、更にねじ穴の加工が行われた場所の近くにはより大きな歪みが存在する。
【0004】
光学定盤とは、除震機能を有する大型のブレッドボードである。光学定盤はブレッドボード、除震部、保持部から成る。除震部はブレッドボードと保持部の間に存在し、厚いゴムを保持部の上に載せたゴム除震方式と、圧縮空気を用いた空気バネによる除震方式がある。保持部はブレッドボードを支える機能を持ち、鉄製の架台または脚から成る。
【0005】
光学定盤では一般に除震機能を向上するために、自重を重くして床に安定に設置される。高い除震性能を実現するために厚く重いブレッドボードが用いられる。その重量は300kg以上が通例であり、1000kg以上となることも多い。
【0006】
光学部品の精密な配置が必要とされるレーザー装置などの光学装置を組み立てる場合には、設計図に基づいてブレッドボード上に光学部品を配置して光学部品の土台を止め金具およびボルト等によってブレッドボードに固定し、その後各光学部品に備えられた3軸位置調整機構などを使用して調整を行う。
【0007】
【特許文献1】
特開平3−4251号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
現在の光学部品の組み立ては熟練者の手作業により行われている。そして、製造する光学装置に要求される精密度が向上するにつれ、また光学部品の部品点数が増大するにつれ、光学システムの組み上げ調整には時間がかかり、調整だけで何ヶ月も要する場合もある。一般には光学部品を配置した直後の初期位置誤差が小さいほど調整時間も短くなることが経験的に知られている。
【0009】
ところが、前記した従来の光学装置においては、ブレッドボード上に光学部品を配置した場合、ブレッドボードの表面の凹凸により、ブレッドボード上に設置された光学部品の位置(高さ)が300μm以上変化することになる。また、光学部品を固定する位置のブレッドボードの表面が傾斜していた場合には、ブレッドボード表面で正確に位置を計測して光学部品を配置しても、ブレッドボード表面から10〜20cm程度離れている光学部品の中心位置(光軸)は目標位置からかなりずれている可能性がある。
【0010】
一方、ブレッドボード上に構築される光学装置内のレーザービームの直径は、100μm以下であることが多く、最終的な許容誤差は10μm程度となる。従って、光学部品をブレッドボードの上に配置する場合、各光学部品上の光軸の位置のばらつきが300μm以上となると、調整に長い時間を要するという問題点があった。
【0011】
また、配置のばらつきは個々のブレッドボードの表面形状の変化によるものであり、ブレッドボードの位置や種類に依存する。従って、1つの装置の調整が完了しても、同じ装置を他のブレッドボード上に組み上げる場合には、また最初から調整を行う必要があり、調整完了した装置の調整結果データを生かすことができないという問題点もあった。
【0012】
本発明の目的は、前記のような従来技術の問題点を解決し、部品を3次元的に精密に配置するための部品の位置測定方法および位置測定装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の位置測定方法は、ブレッドボードの表面に凹凸が存在する中で、その影響を受けずに光学部品をブレッドボード上に精密に配置できる手法であり、仮想的な基準位置を設定して、複数の仮想基準位置により仮想的な基準平面と仮想的な座標空間を設定し、その仮想座標空間中に光学部品を設置する点に特徴がある。設置基準位置の設定には、設置基準要素装置(以下、設置基準要素と記す)と呼ばれる機械部品をブレッドボード上に配置する。
【0014】
座標原点に相当する設置基準位置は、設置基準要素の内部に設定されている。設置基準位置を設置基準要素の内部に設定することにより、表面の傷や酸化や汚れの影響を直接受けることがなくなる。また、設置基準要素の接合部は、ブレッドボードの表面形状の凹凸の影響を受けないように、変形可能な柔軟な材料から成る。
【0015】
設置基準要素は連結部材により相互に連結されており、接合部を介してブレッドボード上に配置される。仮想的な設置基準平面と設置基準座標は、連結された基準位置要素に対して設定されており、ブレッドボードに対して設定されるものではない。そして、連結された基準位置要素に対して位置計測装置を取り付けることにより、光学部品を仮想座標中で精密に配置を行うことが可能となる。
【0016】
本発明の位置測定方法によれば、位置決め精度は、マイクロメータやノギスなどの汎用的で安価な機械式測定装置を用いることにより、10μmの精度を実現出来る。これは、光学定盤の表面の凹凸、300μmに対して30倍の精度となる。X,Y,Zの3軸方向に対して30倍の精度となることから、3次元的には27000倍の精度の向上が実現され、調整時間がそれだけ短縮される。
【0017】
光学部品の設置範囲については、設置基準要素に取り付けられた位置計測装置を用いることにより、2次の基準位置要素、3次の基準位置要素・・と新たに設定することが可能であり、これらの高次の設置基準要素を用いることにより、光学部品の精密な位置設定を可能とする範囲の拡張が可能となり、光学部品の配置領域の広さに対する制限が無くなる。
【0018】
本発明の位置測定方法を使用して調整した光学装置においては、調整済みの光学部品の位置を計測し、この位置データを他のブレッドボード上における同じ光学装置の組み立てに利用可能であり、装置の再現性が向上する。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明の位置測定装置の構成を示す平面図および側面図である。ブレッドボード10の四隅近傍には設置基準要素20が金具22およびボルトによってブレッドボード10に緩く固着されている。設置基準要素20は、詳細は後述するが、金属製で上下二箇所に溝(くびれ)のある円筒形状をしており、底面には後述する接合部21が固着されている。
【0020】
隣接する設置基準要素20の上平面の間にはそれぞれ直定規(ユニセイキ社製ストレートエッジNo.2306990)30、31が配置され、それぞれ固定具32によって設置基準要素20の上面と堅く固着されている。直定規30、31は四面の平行度が1/1000(精度A級とも言う。表面粗さが10μm以下であり、1mの長さでの表面凹凸が20μm以下であるもの)以下と精度が高く、かつ非常に剛性が高い基準ブロックである。なお、このような直定規は安価に市販されている。
【0021】
直定規30、31は設置基準要素20の上面と堅く固着されており、非常に剛性が高いので、本発明においては設置基準要素20および直定規30、31を組み合わせた基準位置構造物によって基準となる座標を規定する。
【0022】
なお、ブレッドボード10には設置基準要素20が金具22およびボルトによって緩く(直定規を乗せた程度では位置が変化しない程度に)固着されており、設置基準要素20の底面には厚さが1ミリメートル程度の弾力性のある接合部21が固着されているので、ブレッドボード10の凹凸については接合部21が変形することにより、設置基準要素20の変形やストレスが解消される。
【0023】
図2は、本発明の設置基準要素の構成を示す平面図および縦断面図である。設置基準要素20は、設置一次基準要素も設置二次基準要素も同じ形状であり、例えばアルミニウム等の金属製である。設置基準要素20の円柱の上部および下部の側面には位置計測装置を搭載するための溝が2箇所形成されている。円柱の上面40と下面、溝の上面と下面41、43の表面形状は、精密な切削加工により、凹凸が10μm以下の精度が実現されている。
【0024】
設置基準位置(座標原点)は、この設置一次基準要素の回転軸46上に設置されている。高さの基準位置(z=0)は、設置基準要素の上部溝の上面と下部溝の上面の中央に設定する。設置基準位置の設定において、設置基準要素の上面と下面を用いなかった理由は、これらの面はそれぞれ連結部と接合部において、他の部品と接合していることから、傷などが入り易いからである。傷などが入った場合には、設置基準位置の精度が劣化する。
【0025】
また、上部溝の下面と下部溝の下面を設置基準位置の設定に用いなかった理由は、設置基準要素に取り付ける位置計測装置が、これらの面に接触することから、傷などが入り易く、設置位置基準の精度が悪くなるからである。
【0026】
設置基準位置を、設置一次基準の表面に置かずに内部に設定する理由は、設置基準要素の表面形状の経時変化と、使用時には発生する傷や歪みなどの変形の効果を避けるためである。表面形状の経時変化としては、表面の酸化、腐食、埃の堆積等がある。
【0027】
表面の酸化や腐食に関しては、設置基準要素の表面に均一に作用した場合には、設置基準要素の2つの基準面の中点にすることにより、その影響を除去することが可能となる。実施例の設置基準要素の断面形状は円形であるが、断面形状が四角形などの多角形でも良い。この場合は、設置基準位置が多角柱の中心軸となる。
【0028】
設置基準要素と、ブレッドボードとの接合部は、弾性変形または塑性変形(凹凸が非常に多い場合は、塑性変形するものを用いると凹凸を埋める効果がある。弾性歪だけの場合は大きな凹凸のために大きな残留応力が発生する。)をする柔軟な材料で構成される。その厚さは、ブレッドボードの凹凸を補償するために十分な厚さが必要である。その材料は、有機(ポリマー)材料だけでなく、シリコン樹脂、アルミニウム、銅あるいはそれらの合金などの金属であっても良い。本実施例では、厚さ1mmのデルリンを用いた。デルリンは機械加工が容易な樹脂材料である。
【0029】
ブレッドボード上に設置基準要素を設置する場合には、まず、4つの設置基準要素20とストレートエッジ30、31とを固定具32によって接続、固定し、設置基準要素の端面が全て同一面内に収まるように基準位置構造物を組み立てる。そして、4つの設置基準要素20をブレッドボード上に設置する。このとき、ブレッドボードに傾斜やねじれがあっても、設置基準要素20の底面の接合部がその分だけ変形して、各設置基準要素20は同一平面内に収まっている。
【0030】
そこで、1つの設置基準要素20当たり3個以上の金具22およびボルトによって設置基準要素20を固着し、このボルトの締め付けトルクを全て同じトルクで位置が変化しない程度に緩く締め付ける。以上の取付方法によって、各設置基準要素20は同一平面内に収まった状態でブレッドボード10に固着される。そして、各設置基準要素20は接合部21の弾力性によって固定用金具22に押さえつけられているので、ストレートエッジを取り外しても設置基準要素20の位置は変わらない。
【0031】
図4は、本発明の位置測定装置に計測装置を装着した構成を示す平面図および側面図である。実施例においては、位置計測装置としてデジタルゲージ(ミツトヨ(登録商標)社製、型式VDS-75DC)50、52を2個で面内方向(x軸とy軸)の位置を計測し、デジマチックゲージ(ミツトヨ(登録商標)社製、型式ID-S112)55で高さ方向の位置を計測する。いずれの装置も位置精度は10μmである。
【0032】
x軸計測用デジタルゲージ50は、両端が任意に選択した1つの一次設置基準要素(図4においては例えば左下の設置基準要素)および任意に選択した他の二次設置基準要素(例えば右下)のそれぞれの溝の内面に当接するようにそれぞれの溝の下面に渡して配置する。x軸計測用デジタルゲージ50のカーソル51には位置(任意にリセットした位置からの距離)がデジタル表示されると共に、y軸計測用デジタルゲージ52の一端が直角に固着されている。
図4においては、上溝にゲージを配置した例を開示してあるが、ゲージを下溝に置いてもよく、例えばブレッドボード10に立てたポールの位置を上溝と下溝の双方の位置で測定することによってポールの傾斜角度が判明する。また、溝の位置や数は任意であり、使用する位置計測装置の形状や光学部品の高さ等に合わせて決定すればよい。
【0033】
平面内での位置決め精度の測定結果を図5に示す。ブレッドボード上に設置した測定用円柱のブレッドボードから10mmの高さと110mmの高さにおける位置測定の繰り返し位置決め精度の測定結果を表している。図中の「下x」とは、高さ10mmの位置におけるx方向の測定位置であり、図中の「下x」とは、高さ10mmの位置におけるx方向の測定位置であり、図中の「下y」とは、高さ10mmの位置におけるy方向の測定位置であり、図中の「上x」とは、高さ110mmの位置におけるx方向の測定位置であり、図中の「上x」とは、高さ110mmの位置におけるy方向の測定位置を示す。
縦軸は位置測定装置の相対的な位置測定値であり、横軸は測定回数を表す。測定後は、ノギスを測定用円柱から10cm以上離して、測定用円柱の位置測定を繰り返し行った。測定回数が5回以上の場合は、位置の繰り返し測定精度は10μm以下であり、測定装置の誤差以下となっており、設置基準要素を組み込んだ基準位置構造物の測定精度が、位置計測装置であるノギスの精度と一致していることから、本発明方式が有効な計測手法であることが示された。
次に、基準位置構造物を用いて光学定盤の表面形状を測定した結果を図6に示す。1辺30cmの正方形の領域の中で、300μm以上の凹凸があることが観測されている。更に、光学定盤上に、マグネットベースとxステージを介してベースプレートを取り付けた場合のベースプレーとの表面形状を図7に示す。5cmの距離で約300μmの傾きが観測された。これは、図6に示された光学定盤の凹凸に対して約6倍の凹凸に相当する。従って、光学定盤光学定盤に各種光学部品を設置する場合は、部品の不十分な平行度やその設置の方法により、5cmで300μm以上の傾きが発生する可能性が示された。
これらの実験結果から、現在、一般に使用されている光学要素を用いた場合は、光学系の精密調整においては、光学定盤やブレッドボードの表面形状や、ステージなどの光学要素の設置方法に依存し、その位置の変化は数100μm以上と、精密調整の調整範囲に大きく影響を及ぼしていることが明白となった。
本発明の位置測定方法によれば、位置決め精度は、マイクロメータやノギスなどの汎用的で安価な機械式測定装置を用いることにより、10μmの精度を実現出来る。これは、光学定盤の表面の凹凸、300μmに対して30倍の精度となる。X,Y,Zの3軸方向に対して30倍の精度となることから、3次元的には27000倍の精度の向上が実現され、調整時間がそれだけ短縮される。
【0034】
設置基準要素は例えば金属製であるので、温度によって形状が変化する。そこで、x、y軸方向の測定においては、デジタルゲージ50を図4に示すように設置基準要素20の溝の外側に設置した場合と、溝の内側に設置した場合の双方を測定し、平均を取ることにより設置基準要素の温度による形状変化の影響を除くことが可能である。また、z軸方向については、高さの異なる2つの溝から距離を測定して平均を取ることにより設置基準要素の温度による形状変化の影響を除くことが可能である。
y軸計測用デジタルゲージ52の他端は、y軸計測用デジタルゲージ52を支持するための剛性の高いガイド部材56の上に移動可能に乗っている。y軸計測用デジタルゲージ52のカーソル52にはやはり位置がデジタル表示されると共に、z軸計測用デジマチックゲージ55を搭載するためのガイド部材54が直角に固着されている。
【0035】
ブレッドボード10上には設計図に基づき光学部品が固着される。光学部品の基台72には、例えばマイクロメータを使用した3軸位置調整機構71が搭載され、その上部にミラー、レンズ等の光学部品70が搭載されている。基台72の底面には設置基準要素20と同様の弾力性のある接合部73が設けられており、3箇所以上を金具74およびボルトによってブレッドボード10に固定する。
【0036】
本発明の光学部品は上記のような構成により、ボルトの締め付けトルクを調整することによって垂直軸の方向を調節可能である。そして、本発明の測定方法においては、光学部品の上下2箇所の位置を測定することにより軸が垂直か否かが判明するので、光学部品が基準面と垂直になるように、部品を固定している金具74のボルトの締め付けトルクを調整する。軸が垂直でないとx軸あるいはy軸を調整するとz軸の位置まで変化してしまい、調整が困難となるが、垂直軸が一致していれば調整が容易となる。
【0037】
図3は、本発明の位置測定範囲の拡張方法を示す説明図である。図3において、ブレッドボード10上の下部の4つの設置基準要素80、81、82、83はすでに配置完了しており、これに2つの設置基準要素84、85を増設する場合について説明する。この場合には、4つの設置基準要素82、83、84、85のそれぞれに前記したように4本のストレートエッジを固定具によって固定することによって平面84を形成し、この基準平面に基づき、2つの設置基準要素84、85をブレッドボード10に固定することにより拡張が可能である。
【0038】
但し、この場合には、元の平面86と拡張した平面87との一致精度が、ストレートエッジと設置基準要素82、83の上面の接合に依存しており、高い精度は望めない。そこで、より高精度に拡張したい場合には、例えば3つの設置基準要素80、82、84および81、83、85にまたがる長いストレートエッジを使用し、6個の設置基準要素全てを固定具で連結することにより、より精度の高い拡張が可能である。
【0039】
なお、更に、上方、下方あるいは左右方向に拡張する場合には、拡張した基準面87をベースとして使用すればよいので、基準面の辺の長さの2倍の長さのストレートエッジがあれば基準面を高精度で無制限に拡張可能である。
【0040】
以上、本発明の実施例を開示したが、本発明には下記のような変形例も考えられる。実施例においては、基準位置構造物をブレッドボード上に固着して位置の測定を行う例を開示したが、光学部品を精密に設置した後に、高価な位置計測装置とストレートエッジなどの部材を取り外し、他の精密光学システムの調整に使用することが出来る。
【0041】
設置基準要素は、機械加工により安価に作製出来るものであることから、設置基準要素のみをブレッドボードの上に残して置くことにより、ストレートエッジなどの部材を取り外した後であっても光学部品の配置の状態を計測することが可能となる。従って、精密な配置を必要とする光学システムが輸送または使用中に機能が低下したときに、初期状態の配置からの変化を精密に検証することが可能となる。その結果、機能低下の原因の究明と保守に関する費用と時間を大幅に短縮することが可能となる。
【0042】
本発明は、いうまでもなく、光学ユニットを用いる光学装置の全体、一部、あるいは複数の部分の何れにも適応可能であり、光学ユニットの規模を問わない。なお、実施例においては、光学装置に本発明を適用する例を開示したが、本発明の位置測定方式は位置を精密に測定する必要のある任意の装置に適用可能である。
【0043】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の位置測定方法においては、設置基準要素をブレッドボード上に正確に配置する。そして、基準位置要素に対して位置計測装置を取り付けることにより、光学部品を精密に配置を行うことが可能となる。従って、本発明の位置測定方法によれば、マイクロメータやノギスなどの汎用で安価な機械式測定装置を用いることにより、10μmの位置決め精度を実現出来る。これは、光学定盤の表面の凹凸、300μmに対して30倍の精度となり、3次元的には27000倍の精度の向上が実現され、調整時間がそれだけ短縮されるという効果がある。
【0044】
光学部品の設置範囲については、設置基準要素に取り付けられた位置計測装置を用いることにより、2次の基準位置要素、3次の基準位置要素・・と新たに設定することが可能であり、これらの高次の設置基準要素を用いることにより、光学部品の精密な位置設定を可能とする範囲の拡張が可能となり、光学部品の配置領域の広さに対する制限が無くなるという効果もある。
【0045】
本発明の位置測定方法を使用して調整した光学装置においては、調整済みの光学部品の位置を計測し、この位置データを他のブレッドボード上における同じ光学装置の組み立てに利用可能であり、装置の再現性が向上するという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の位置測定装置の構成を示す平面図および側面図である。
【図2】本発明の設置基準要素の構成を示す平面図および縦断面図である。
【図3】本発明の位置測定範囲の拡張方法を示す説明図である。
【図4】本発明の位置測定装置に計測装置を装着した構成を示す平面図および側面図である。
【図5】本発明の位置測定装置の平面内での位置決め精度の測定結果を示すグラフである。
【図6】基準位置構造物を用いて光学定盤の表面形状を測定した結果を示すグラフである。
【図7】基準位置構造物を用いてベースプレートの表面形状を測定した結果を示すグラフである。
【符号の説明】
10…ブレッドボード、20…設置基準要素、21…接合部、22…金具、30、31…ストレートエッジ、32…固定具、40…円柱の上面、41、43…溝の下面、46…回転軸、50、52…デジタルゲージ、51、53…カーソル、54…ガイド部材、55…デジマチックゲージ、56…ガイド部材

Claims (2)

  1. 形状が、基準面を形成するくびれを複数個備えた円筒形あるいは多角柱であり、
    上面に設けられた、固定具を用いて剛性の高い直定規を固着することにより他の設置基準要素の連結平面と連結するための連結平面と、
    前記連結平面と所定の位置関係にあり、位置測定手段による測定の基準となる基準面と、
    底面に装着され、柔軟性を持ち、かつ底面が固定用金具によって光学定盤に緩く固定される際に弾性変形または塑性変形をする物質からなる接合部と
    を備えたことを特徴とする設置基準要素装置。
  2. 前記接合部が有機ポリマー、シリコン樹脂あるいはアルミニウム、銅、またはその合金のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の設置基準要素装置。
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