JP2003170205A - アルミニウム箔およびその製造方法 - Google Patents

アルミニウム箔およびその製造方法

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和宏 塩澤
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一郎 岡本
Yasuo Kobayashi
康夫 小林
Jun Umehara
潤 梅原
Masataka Hayashi
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 組成および製造条件を限定する必要がなく高
い汎用性を備え、ピンホールの発生を大幅に低減し、光
輝性に優れた厚さ7μm以下のアルミニウム箔およびそ
の製造方法を提供する。 【解決手段】 厚さが7μm以下のアルミニウム箔であ
って、ピンホールの個数が100個/m以下であり、
光の反射率が65%以上であることを特徴とするアルミ
ニウム箔。厚さが8〜16μmの仕上げ圧延前アルミニ
ウム箔であって、箔表面に圧延方向に沿って延びた多数
の畝状凸部を有し、該畝状凸部の90%以上は、高さが
0.05μm以上、長さが0.5mm以上であり、かつ
近接する畝状凸部の間隔が100μm以下である仕上げ
圧延前アルミニウム箔を仕上げ箔圧延することにより、
厚さ7μm以下のアルミニウム箔とすることを特徴とす
るアルミニウム箔の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、煙草包装用、食料
品包装用、化学包装用及び薬品包装用等に使用されるア
ルミニウム箔に関し、特に厚さ7μm以下でピンホール
の少ない極薄の光輝性に優れたアルミニウム箔およびそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、薄箔用のアルミニウム箔は、例え
ばJIS1N30等の純アルミニウム及び8079合金
又は8021合金等のアルミニウム合金が使用されてい
る。なお、本明細書では、純アルミニウム及びアルミニ
ウム合金を総称してアルミニウムという。アルミニウム
箔は、一般的に、アルミニウム鋳塊に均質化処理、熱間
圧延、冷間圧延、中間焼鈍、冷間圧延を施し0.3mm前
後の箔地とし、該アルミニウム箔地をさらに冷間で箔圧
延し、最後に仕上げ箔圧延と呼ばれる最終パスを施して
薄いアルミニウム箔としている。また、必要により最終
焼鈍することもある。
【0003】アルミニウム箔の製品は多種あるが、厚さ
7μm以下の薄箔は、フィルム等と貼り合わせて煙草包
装用、食料品包装用、化学包装用、ペーパーコンデンサ
ー等に使用されている。厚さが7μm以下の薄箔は、ピ
ンホールが発生し易く、箔に求められる光、気体及び液
体等に対する遮断性が低下することが知られている。
【0004】薄箔の場合、一般的には、アルミニウム箔
を1枚で仕上げ箔圧延すると箔厚を薄くするのが困難に
なってくる。そのため、10μm程度より薄い、たとえ
ば7μm以下に薄くする場合は、通常2枚の箔を重ねて
圧延するいわゆる合わせ箔圧延により行われることが多
い。仕上げ箔圧延により得られたアルミニウム箔は、1
枚で仕上げ箔圧延した場合は箔の両面がいずれもワーク
ロールと直接接触して箔圧延された面となり、合わせ箔
圧延した場合は箔の一方の面はワークロールと直接接触
して圧延された面となり、箔の他方の面はアルミニウム
箔同士が接した状態で圧延された面となる。
【0005】仕上げ箔圧延は、図4に模式的に示したよ
うに、一般的な板の圧延として説明される。符号1はワ
ークロール(図では上下一対のうち上側のワークロール
のみを示す)、符号2はワークロール入側の箔、符号3
はワークロール出側の箔である。即ち、ワークロール入
側の箔2は上下にあるワークロール1、1で圧延されて
ワークロール出側の箔3となる。通常ワークロール1の
直径は200〜330mm程度のものが使用されている。
ワークロール入側から、厚さ8〜20μm程度の箔が、
一枚単独で、または二枚重ねて、ワークロール1、1間
に挿入される。ワークロール入側の箔2はワークロール
入口4で最初にワークロール1の圧延面と接し、圧延さ
れながらワークロール出口5でワークロール1から離れ
る。ワークロール出側の箔3の厚さは用途によって異な
るが典型的には7μm以下である。箔2がワークロール
1に接している長さの投影距離を接触長さ6と呼んでい
る。この接触長さ6は上述した通常の装置で2mm程度で
ある。
【0006】ここで、ワークロールの周速をV、ワーク
ロール入側の箔2の速度(入口速度)をV1、ワークロ
ール出側の箔3の速度(出口速度)をV2とすると、こ
れら3者の間には、V1<V<V2の関係がある。すな
わち、圧延中の箔速度は入口速度V1から出口速度V2
まで増加する過程でワークロール周速Vに等しくなる点
があり、この点は中立点7と呼ばれる。箔速度は接触長
さ6の領域内で増加して、中立点7でワークロール周速
に等しくなる。したがって、ワークロール入口4から中
立点までの箔8の速度は、ワークロール1の周速の方が
速く、その結果その部分の箔8の表面は、ワークロール
1との接触面で圧延方向の引張力を受ける。一方、中立
点7からワークロール出側5までの箔9の速度は、ワー
クロール1の周速の方が遅く、その結果その部分の箔9
の表面は、ワークロール1との接触面で圧延方向とは逆
の引き戻し力を受ける。
【0007】仕上げ箔圧延には、通常の圧延と同様に潤
滑剤として圧延油が用いられると共に、箔の圧延仕上げ
面の平面性を確保するために、ワークロール面を鏡面仕
上げしたワークロールが用いられる。
【0008】ワークロールと直接接触して圧延された箔
表面には、圧延油が巻き込まれてひび割れ状の窪みが発
生する。これはオイルピットと呼ばれ、圧延方向に対し
て直角に細長く延びた溝状の窪みであり、ワークロール
と箔の間に挟まれた圧延油が逃げ場を失い、箔面に押し
込まれるために生じて、中立点7よりワークロール入側
の箔部分8(図4)で発生しかつ成長すると本発明者は
考える。その際、圧延速度が速くなるほど圧延油の巻き
込まれる量が増加し、それに伴いオイルピット数が増加
する結果、光輝性が劣化する。
【0009】また、箔を2枚重ねて圧延した場合、アル
ミニウム箔同士が接していた面には多数の波状のうねり
が形成される。
【0010】図2に示すように、ピンホールHの発生の
原因は、仕上げ箔圧延の際における、図2(1)に示す
ワークロールとの直接接触面に形成されたオイルピット
P同士の連結、あるいは図2(2)に示すアルミニウム
箔同士の接触面に形成された波状うねりWと上記オイル
ピットPとの連結によると考えられる。
【0011】そこで、アルミニウム箔同士の接触面に形
成される波状うねりを低減させるべく、特開昭63−2
6322号公報には、Fe含有量の増加や均質化処理以
降の製造条件の調整により、Fe固溶量を減少させ、ア
ルミニウム箔の結晶粒を微細化することにより、箔圧延
時の箔の加工硬化を抑制しながら圧延する箔の圧延技術
が提案されている。
【0012】また、特開2000−54094号公報に
は、特定量のFe,Siを含有するAl溶湯を鋳造凝固
時の冷却速度、均質化処理温度、熱間圧延終了温度およ
び中間焼鈍の製造条件の調整により、金属間化合物粒子
のサイズおよび平均粒子間距離を制御した箔地とし、該
箔地を70〜110℃の温度範囲で箔圧延することによ
り、アルミニウム箔同士の接触面における大きな波状う
ねりの数を低減する技術が提案されている。
【0013】一方、ワークロールとの直接接触面におけ
るオイルピットの生成については、軽金属学会第70回
春期大会講演概要33,34,35に、圧下率や後方張
力といった箔圧延条件の影響が大きいことが示されてお
り、箔圧延条件を変えることでオイルピットの生成を制
御できることが示唆されている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
解決方法はいずれも組成や圧延方法を変えるものであっ
て、特定の組成および製造条件に限定する必要があり、
どのような組成、どのような製造方法にも適応できる汎
用性はない。その上、例えば6μmというような薄い箔
を製造するためには、圧延速度を高めて圧延油の巻き込
み量を増加させ、これにより油膜を形成して高圧下率を
実現することが必須である。このように圧延油の巻き込
み量を増加させると、意図に反してオイルピット数が増
加してしまい、結果的に光輝性を劣化させることが避け
られない。
【0015】そこで本発明は、組成および製造条件を限
定する必要がなく高い汎用性を備え、ピンホールの発生
を大幅に低減し、光輝性に優れた厚さ7μm以下のアル
ミニウム箔およびその製造方法を提供することを目的と
する。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、仕上げ箔
圧延のワークロールと、これに接触して圧延される箔表
面とに挟まれた圧延油の挙動を適切に制御すれば、組成
や圧延方法を変えることなくピンホールの少ないアルミ
ニウム箔が得られることを見いだして本発明を完成した
ものである。
【0017】即ち第1の発明は、厚さが7μm以下のア
ルミニウム箔であって、ピンホールの個数が100個/
以下であり、光の反射率が65%以上であることを
特徴とするアルミニウム箔である。反射率が高いことは
すなわち平滑性が高いことであり、塵埃等の残留が少な
いため各種の包装材に適する。
【0018】また、第2の発明は、厚さが8〜16μm
の仕上げ圧延前アルミニウム箔であって、箔表面に圧延
方向に沿って延びた多数の畝状凸部を有し、該畝状凸部
の90%以上は、高さが0.05μm以上、長さが0.
5mm以上であり、かつ近接する畝状凸部の間隔が10
0μm以下である仕上げ圧延前アルミニウム箔を仕上げ
箔圧延することにより、厚さ7μm以下のアルミニウム
箔とすることを特徴とするアルミニウム箔の製造方法で
ある。
【0019】第2発明の方法においては、仕上げ圧延前
の箔表面に畝状凸部を分散して設けたことにより、仕上
げ圧延時に箔表面の圧延油を分散させ、オイルピットの
発生原因となる圧延油溜の均一性を高めた状態で仕上げ
圧延することにより、オイルピットの数を少なく大きさ
を小さくして、ピンホールが少なく、光の反射率の高い
アルミニウム箔を得ることができる。なお、ここで90
%以上とは、測定したもののうち90%以上のものが、
規定値を満たすことを意味する。また、畝状凸部として
観測できる測定能力の限界値は、高さ0.01μm、長
さ0.1mmである。また、仕上げ圧延は、パス当たり
の圧下率の確保の観点から、1パスで行なうことが最も
望ましいが、複数パスで行なうことを特に制限するもの
ではない。
【0020】
【発明の実施の形態】図1に、本発明の製造方法に用い
る、畝状凸部Bを有し厚さが8〜16μmである仕上げ
圧延前のアルミニウム箔Fを示す。図1(1)は畝状凸部
Bを有する箔Fの表面を示す平面図、図1(2)および(3)
は図1(1)の線A-Aにおける断面図であり、図1(2)は
箔Fが両面に畝状凸部Bを有する場合、図1(3)は箔F
が片面にのみ畝状凸部Bを有する場合である。仕上げ圧
延前アルミニウム箔Fは、図3に示すようにワークロー
ルRと直接接触して圧延された面に、圧延方向に沿って
長く延びた畝状凸部Bが多数存在する。この長い畝状凸
部BはワークロールRの溝状凹部Dによって形成される
ものである。
【0021】以下、本発明における仕上げ前アルミニウ
ム箔の箔厚さおよび箔表面の形状限定理由について説明
する。
【0022】〔畝状凸部を有する仕上げ圧延前アルミニ
ウム箔の厚さ:8〜16μm〕仕上げ圧延の圧下率はせ
いぜい60%程度であるので、仕上げ圧延により厚さ7
μm以下とするためには仕上げ圧延前アルミニウム箔の
厚さを16μm以下とする必要がある。しかし、仕上げ
圧延前アルミニウム箔の厚さが8μm未満であると、仕
上げ圧延による圧下率が不足して、畝状凸部が平坦にな
らず、65%以上の反射率を確保できない。なお、箔の
厚さとは、箔の両面に畝状凸部がある場合(図1(2))
は一方の面の畝状凸部の頂点と他方の面の畝状凸部の頂
点との間隔Tを言い、箔の片面のみに畝状凸部がある場
合(図1(3))は片面の畝状凸部の頂点と他方の面との
間隔Tを言う。
【0023】以下において、畝状凸部の高さ、長さ、間
隔について、測定限界以上のもののうち90%以上のも
のが各規定値を満たす必要がある。 〔畝状凸部Bの高さhBが0.05μm以上〕図3に示
すように、畝状凸部を有する仕上げ圧延前アルミニウム
箔Fにおいて、ワークロールRと直接接触して圧延され
た面に設ける圧延方向と平行な長い畝状の凸部Bは、ワ
ークロール面に設けられた長い溝状の凹部Dで形成され
る。前述したように、粗大なオイルピットの発生は、仕
上げ圧延における圧延油溜の大きさに関連するものと考
えられる。すなわち、大きな圧延油溜が生成しないよう
に、畝状凸部Bは仕上げ圧延時の圧延油を分散させる仕
切りとして機能する必要があり、そのために畝状凸部の
高さhBは0.05μm以上とする必要がある。高さh
Bが0.05μm未満であると圧延油の分散効果が不十
分になり、仕上げ圧延時に大きい圧延油溜が生成して粗
大なオイルピットが発生し易く、仕上げ圧延により得ら
れたアルミニウム箔(製品アルミニウム箔)に多数のピ
ンホールが発生することが避けられない。高さhBは、
0.1μm以上であることが望ましい。しかし、高さh
Bが高くなると仕上げ圧延により得られる製品アルミニ
ウム箔の光の乱反射が大きくなり、箔の光沢度が低下し
て箔の用途を限定するので、箔の光沢度からのみ判断す
れば、好ましくは1.0μm以下、順次0.5μm以
下、0.4μm以下、0.3μm以下である。
【0024】ところで畝状凸部の詳細を観察すれば、小
さな凸部即ち0.05μmに達しないものも若干数存在
するわけで、そのようなものを取り上げては本発明は成
り立たず、本発明の主旨から外れる。本発明を把握する
には大部分のものにおいてどの様になっているかが肝要
である。従って本発明では、大部分を90%以上のもの
と定め、上述した要件を例にとれば、測定できるものの
内90%以上のものが、その高さにおいて0.05μm
以上であることをいう。この考え方は本明細書全体に共
通する。
【0025】〔畝状凸部Bの長さが0.5mm以上〕畝状
凸部Bが連続して長いほど圧延油の分散が適切に行わ
れ、効果が期待できる。この効果が得られるのは畝状凸
部Bの長さが0.5mm以上である。好ましくは0.6mm
以上、順次0.7以上、0.8以上、0.9以上、1.
0以上であって、上限は限定されるものではない。
【0026】畝状凸部Bの幅は、仕上げ圧延時に圧延油
を分散させる仕切りとして機能する限り特に限定する必
要はない。ただし、畝状凸部Bの幅が広すぎると、その
上面において油溜が生成してしまい仕切り効果が低下す
るので、幅20μm程度を上限とする。
【0027】〔近接する畝状凸部Bの間隔dBが100
μm以下〕近接する畝状凸部Bの間隔dBとは、図3に
示すように相隣る畝状凸部Bの間隔dBを指す。間隔は
畝状凸部Bの長さに直角方向(図3の左右方向)に直線を
300μm引き、その間における畝状凸部の間隔を測定
する。この間隔が広過ぎると、この広い間隔の部位が従
来の箔圧延と同じ条件となって圧延油を好ましい状態に
分散できず、粗大なオイルピットを生じるので、間隔の
上限値を100μmとする。この凸部の間隔は狭い方が
よく順次90μm以下、80μm以下、70μm以下、
60μm以下、50μm以下、40μm以下、30μm
以下が好ましい。
【0028】本発明のアルミニウム箔の製造について
は、仕上げ箔圧延前の圧延に使用するワークロール面の
溝形状を除き従来の方法を採用できる。
【0029】箔面の長い畝状の凸部Bは、ワークロール
面にワークロールRの回転方向に平行方向の溝状の凹部
D(図3)を設け、そのワークロールRで仕上げ箔圧延
前のアルミニウム箔を圧延することで形成できる。ワー
クロール面の溝状の凹部Dは、砥石の粒子で削り取った
り或いはエッチングしたりすること等の手段で刻する事
ができる。
【0030】ワークロール面に設ける前記の溝状凹部D
の形状は、深さとして0.05mm以上とする。
【0031】箔面に設ける畝状の凸部Bの高さhBは、
ワークロール面に設けたこの溝状凹部Dの深さhDで決
まる。しかし凹部Dには圧延滓が付着し、また圧延油も
存在するので、凹部Dの深さhDが深くても凸部Bの高
さhBが低くなることがある。凹部Dの深さhDが深過
ぎると箔Fの凸部Bの高さhBが高くなって、仕上げ圧
延により良好な平坦性が得られず、製品アルミニウム箔
の光沢度が低下してその用途が限定されてしまう。
【0032】溝状凹部の長さは、箔面に設ける畝状凸部
Bの長さに対応する長さとすればよく、0.5mm以上
とする。箔面に設ける畝状凸部Bの高さと同様に、畝状
凸部Bの長さは、ロール面に設けた溝状凹部Dの長さで
決定される。
【0033】圧延中は溝状凹部に圧延滓が詰まり易いの
で、ブラシ等で圧延滓を取り除くとよい。
【0034】
【実施例】以下、本発明の実施例について比較例と共に
具体的に説明する。
【0035】下記の表1に示す組成を有し、各種寸法の
畝状凸部を設けた厚さ12.8μmの仕上げ圧延前アル
ミニウム箔を仕上げ合わせ箔圧延し、厚さ6μmの仕上
げ圧延箔(製品箔)を製作した。仕上げ合わせ箔圧延の
条件は、後方張力4〜5kgf/mm2、ワークロールの回転
周速度400〜500m/min および圧延油温度は55
〜60℃である。本発明例および比較例ともに、算術平
均粗さ(Ra)が0.025μmのワークロールを用い
た。
【0036】ワークロール面は、ワークロールを回転さ
せながら、砥石を用いて長い溝を刻した。
【0037】箔表面の畝状凸部の形状測定は、箔をレー
ザーテック製走査型レーザー顕微鏡1LM21Pによっ
て、凸部における高さおよび間隔を測定した。また、試
料をオリンパス製実体顕微鏡SZH−PTにより倍率3
0倍によって撮影した写真から凸部における長さを測定
した。箔面をランダムに10点測定した。寸法の測定
は、測定点視野内の全数を測定した。測定限界値は高さ
0.01μm、長さ0.1mmである。結果を表2に示
す。
【0038】暗室内で該6μmのアルミニウム箔に、3
000LUXの電球光を当て、光が透過したものを目視
で数えた。測定できたピンホールのサイズは、5μm以
上のものであった。更に、箔の光沢を評価するために、
入射角60°で反射率を測定した。結果を表2に示す。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】上記表2に示すように、試料番号1、2、
3の本発明例は、本発明の規定範囲内である表面形状の
仕上げ圧延前アルミニウム箔を仕上げ圧延して得られた
仕上げ圧延アルミニウム箔(製品箔)であり、ピンホー
ル数および光沢度がいずれも良好な値であり、良好なア
ルミニウム箔を得ることができた。
【0042】一方、試料番号4、5、6の比較例は、仕
上げ圧延前アルミニウム箔の表面形状が本発明の規定範
囲外であったため、いずれも仕上げ圧延アルミニウム箔
(製品箔)にピンホールが多発してしまい、良好なアル
ミニウム箔を得ることができなかった。
【0043】試料番号7の比較例は、仕上げ圧延前アル
ミニウム箔の表面に畝状凸部を設けず、製品箔厚さ6μ
mを達成するためにロール周速を上げて仕上げ圧延した
例である。箔とロールとの間に巻き込まれる圧延油量が
多く、得られた製品アルミニウム箔の光沢度が低かっ
た。
【0044】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、仕
上げ圧延前アルミニウム箔の表面に畝状凸部を形成する
ことにより、ピンホールの発生が少なく、光輝性に優れ
たアルミニウム箔を得ることができる。従って各種の箔
に使用でき、しかもさらに薄箔にできる等の効果を有す
る発明である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、箔面に畝状凸部を形成した本発明の仕
上げ圧延前アルミニウム箔の表面形状を模式的に示す
(1)平面図、(2)断面図および(3)断面図であ
る。
【図2】図2は、(1)表裏面のオイルピット同士が連
結してピンホールとなることを模式的に示す断面図およ
び(2)オイルピットと波状うねりが連結してピンホー
ルとなることを模式的に示す断面図である。
【図3】図3は、本発明による仕上げ圧延前アルミニウ
ム箔の畝状凸部およびその形成のためのワークロールの
溝状凹部を示す断面図である。
【図4】図4は、圧延中の箔とワークロールとの関係を
示す断面図である。
【符号の説明】
1…ワークロール 2…ワークロール入側の箔 3…ワークロール出側の箔 4…ワークロール入口 5…ワークロール出口 6…接触長さ 7…中立点 8…中立点より入側部分の箔 9…中立点より出側部分の箔 P…オイルピット W…波状うねり H…ピンホール R…ワークロール D…ワークロールRの溝状凹部 wD…溝状凹部Dの幅 hD…溝状凹部Dの深さ dD…溝状凹部Dの間隔 F…仕上げ圧延前アルミニウム箔 B…箔Fの畝状凸部 wB…畝状凸部Bの幅 hB…畝状凸部Bの高さ dB…畝状凸部Bの間隔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡本 一郎 静岡県庵原郡蒲原町蒲原1丁目34番1号 日本軽金属株式会社グループ技術センター 内 (72)発明者 小林 康夫 静岡県庵原郡蒲原町蒲原1丁目34番1号 株式会社日軽分析センター内 (72)発明者 梅原 潤 静岡県庵原郡蒲原町蒲原4984番地 東海ア ルミ箔株式会社内 (72)発明者 林 正高 静岡県庵原郡蒲原町蒲原4984番地 東海ア ルミ箔株式会社内 Fターム(参考) 4E002 AA08 AD13 BB01 BB09 BC02 BC03 BC08 CB03 4E016 AA02 DA13 DA19

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 厚さが7μm以下のアルミニウム箔であ
    って、ピンホールの個数が100個/m以下であり、
    光の反射率が65%以上であることを特徴とするアルミ
    ニウム箔。
  2. 【請求項2】 厚さが8〜16μmの仕上げ圧延前アル
    ミニウム箔であって、箔表面に圧延方向に沿って延びた
    多数の畝状凸部を有し、該畝状凸部の90%以上は、高
    さが0.05μm以上、長さが0.5mm以上であり、
    かつ近接する畝状凸部の間隔が100μm以下である仕
    上げ圧延前アルミニウム箔を仕上げ箔圧延することによ
    り、厚さ7μm以下のアルミニウム箔とすることを特徴
    とするアルミニウム箔の製造方法。
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