JP6398790B2 - 圧延クラッド薄板およびその製造方法 - Google Patents

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本発明は、圧延クラッド薄板とその製造方法に関し、具体的には、圧延接合された複数の硬質金属層からなる硬質多層金属板と例えばアルミニウム板等の他の金属板とを圧延法により接合した圧延クラッド薄板でありながら、硬質多層金属板の表面に凹凸模様を有し、さらにこれを研磨仕上げすることによって表面に複数の色調からなる斑状の模様を有する独特の意匠性を付与することが可能な圧延クラッド薄板とその製造方法に関する。
従来、温間または冷間の圧延法により接合されて製造される圧延クラッド薄板は、板状や帯状の平らな薄板を素材として圧延加工により製造される。このため、この圧延クラッド薄板の表面は均質である。このため、この圧延クラッド薄板を素材として加工された製品の表面も、単一金属からなる均一な外観を呈しており、意匠性に乏しいものとならざるを得なかった。
特許文献1には、熱間で圧延接合した例えば高炭素鋼とステンレス鋼などからなる複合3層鋼に対して、エンボスロールを用いた冷間圧延を施すことにより表面に凹凸模様を付与し、さらに刃部にはエンボス模様に応じた刃紋模様を付与する方法が開示されている。
しかしながら、特許文献1により開示された方法は、接合圧延後の再圧延が可能な組合せのみでしか実施できない。特許文献1により開示された方法により、特に、アルミニウム板と、圧延接合された複数の硬質金属層からなる硬質多層金属板とを積層した圧延クラッド薄板を製造しようとすると、接合圧延後に再圧延を施すことにより界面剥離を起こしてしまうため、接合した圧延クラッド薄板にエンボスロールを用いた冷間圧延を施すことができない。
この問題を解決するためには、予め少なくとも片面にエンボス加工を施した素材を用いて他の金属板と直接接合圧延する方法が考えられる。しかし、特許文献2にも記載されるように、エンボス加工により表面に突出部を有する金属板の裏面に他の金属板を積層してロール圧延により接合して圧延クラッド薄板を製造しようとすると、突出部が潰れてしまいエンボス模様が消失するため、表面がエンボス加工されたクラッド材をロール圧延により製造することは困難である。
特許文献2には、予めエンボス加工されたステンレス鋼または鉄からなる金属板を他の金属板とホットプレス法により接合するにあたり、エンボス面の側には凹凸が潰れないようにアルミニウムからなる緩衝用金属板を配置する方法が開示されている。
しかしながら、特許文献2により開示された方法は、ステンレス鋼または鉄からなる単一構造の金属板の表面に凹凸を付与するのである。このため、特許文献2には、硬質多層金属板を活用してその後に意匠性を付与することは開示も示唆も一切されていない。
また、特許文献2により開示された方法によるクラッド材の製造では、ホットプレス工程後に緩衝用金属板を取り外す工程が必要になるため、量産製造性が劣る。さらに、ホットプレス法により接合されたクラッド材は、圧延法により接合されたクラッド材に比べて接合強度が劣るため、過酷な成形加工が施されるような用途には適さない。
特公昭60―15340公報 特許第4171269号明細書
本発明は、圧延接合された複数の硬質金属層からなる硬質多層金属板と、例えばアルミニウム板等の他の金属板とを圧延法により接合した圧延クラッド薄板でありながら、硬質多層金属板の表面に凹凸模様を有し、さらにこれを研磨仕上げすることによって表面に複数の色調からなる斑状の模様を有する独特の意匠性を付与することが可能な圧延クラッド薄板とその製造方法を提供することを目的とする。
本明細書において、「硬質多層金属板」とは、例えば、ステンレス鋼板/普通鋼板/ステンレス鋼板、ステンレス鋼板/銅板/ステンレス鋼板や、普通鋼板/ステンレス鋼板といった、圧延法により接合された複数の硬質金属板の積層体を意味する。
前述のとおり、予め表面にエンボス加工を施された金属板と他の金属板とを圧延法により接合して圧延クラッド薄板を製造するにあたり、素材に付与されたエンボス加工を損なわずに圧延クラッド薄板まで残存させることは、これまで困難であった。しかしながら、本発明者は上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、以下に列記の知見A〜Fを得た。
(A)圧延潤滑剤を用いた温間もしくは冷間の圧延法による接合において、予めエンボス加工により付与した凹凸が圧延加工により消失する理由は、
(a)材料が長手方向に展伸するために板厚減少分だけ凹凸深さが小さくなることに加え、
(b)板厚方向に付与される圧延圧力によって凸部が潰されること
であり、凹凸の消失は(b)項の圧延圧力により多く影響される。
(B)上記a,b項の効果は、凹部に静水圧力が作用しない場合を前提にしており、凹部に物質が充填・密閉されて静水圧力が作用する場合には、その凹部体積を減ずることなく、圧延後にも凹凸模様を残存させることができる。
(C)静水圧力による凹凸の保持効果は、例えばステンレス鋼板やアルミニウム合金板等の単一板の高速圧延において生じるオイルピット欠陥と同様の機構によると考えられることから、凹部に充填・密閉される物質として圧延潤滑剤を用いることが可能である。
(D)静水圧力による凹凸模様の保持効果を発揮するには、動粘度の高い物質からなる圧延潤滑剤を用いるとともに、圧延時のワークロールの接触孤長をエンボスのパターンの凹部長さよりも充分に長くすることが有効である。圧延時のワークロールの接触孤長Lをエンボスのパターンの凹部長さよりも長く制御するためには、エンボスのパターンを選定して凹部長さを短くする方法と、接合圧延時の圧下量(板厚変化)Δhを大きくする方法と、ワークロール半径Rを大きくする方法の3法を用いることができる。
(E)これらのうち圧下量Δhとワークロール半径Rは、圧延時の接触孤長Lを表わす式L=√(R・Δh)を用いて接触孤長Lとして評価できる。
(F)以上の知見A〜Eに基づき、エンボス加工による凹凸模様の深さを損じることなく圧延法による接合が可能な条件について種々実験を行った結果、圧延潤滑剤を用いた温間もしくは冷間の圧延接合においては、圧延潤滑剤の動粘度と圧延時のワークロール径を適切に選定すること、具体的には、圧延潤滑剤の使用温度における動粘度を80mm/sec以上,エンボスのパターンの凹部長さXと圧延時の接触孤長Lとの関係をL≧X×1.2と制御することによって、素材表面の凹凸の凹部に圧延潤滑剤を閉塞させることができ、これにより、エンボス加工による凹凸模様を損なうことなく、具体的には、圧延加工前後におけるエンボスの凹凸深さの変化を15%以内に抑制しながら、圧延クラッド薄板を製造可能であることを知見し、さらに検討を重ねて本発明を完成した。本発明は以下に列記の通りである。
(1)圧延法により接合された複数の硬質金属層からなる硬質多層金属板と他の金属板と を備え、該硬質多層金属板が露出する少なくとも片方の面に深さ5μm以上、望ましくは深さ5μm以上50μm以下の凹凸模様を有するとともに、意匠性クラッド薄板の素材として用いられることを特徴とする圧延クラッド薄板。
(2)圧延法により接合された複数の硬質金属層からなる硬質多層金属板と他の金属板とを備え、前記硬質多層金属板が露出する少なくとも片方の面に深さ5μm以上、望ましくは深さ5μm以上50μm以下の凹凸模様を有するとともに、前記片方の面の最表面から深さ100μmの間に厚さ2μm以上の前記硬質金属層からなる境界を少なくとも一つ有し、さらに、最表層の前記硬質金属層の厚みを超える深さの仕上げ研磨を行われた後の前記片方の面の表面が、前記複数の硬質金属層のうちの少なくとも1つが露出した複数の色調からなる斑状の模様を有することを特徴とする圧延クラッド薄板。
(3)前記他の金属は、アルミニウム板またはアルミニウム合金板である1項または2項に記載された圧延クラッド薄板。
(4)前記硬質多層金属板は、その表面に銅、ニッケル、錫、クロム、亜鉛またはアルミニウムの単一層もしくは複層からなるめっき処理層を有する2項または3項に記載された圧延クラッド薄板。
(5)予めエンボス圧延またはダル圧延によって深さ5μm以上、望ましくは深さ5μm以上50μm以下の凹凸模様を施された硬質多層金属板を、温間もしくは冷間での圧延法によって他の金属板と接合するに際し、使用温度における動粘度が80mm/sec以上のニート油もしくはエマルションタイプの圧延潤滑剤を用いるとともに、前記凹凸模様の凹部長さX(mm)と圧延時の接触孤長L(mm)とをL≧X×1.2の範囲に調整することを特徴とする1項から3項までのいずれか1項に記載された圧延クラッド薄板の製造方法。
ここで、「凹部長さX」は、前記圧延法による接合における圧延方向に対して平行に測定した凹部の距離であり、単一の閉じた凹部の最大値として求められる。ただし、凹凸模様のパターンがランダムな場合には30mm角の視野内での最大値とする。
本発明により、圧延法により接合された複数の硬質金属層からなる硬質多層金属板と、例えばアルミニウム板等の他の金属板とが積層されて圧延法により接合された圧延クラッド薄板であって、硬質多層金属板が露出する少なくとも片方の面に、深さ5μm以上、望ましくは深さ5μm以上50μm以下の凹凸模様を有し、さらにこれを研磨仕上げすることによって表面に複数の色調からなる斑状の模様を有する独特の意匠性を付与することが可能な圧延クラッド薄板が提供される。
1.本発明に係る圧延クラッド薄板
本発明に係る圧延クラッド薄板は、圧延法により接合された複数の硬質金属層からなる硬質多層金属板と、他の金属板とが圧延法により接合されて構成されている。そして、硬質多層金属板が露出する少なくとも片方の面には、深さ5μm以上、望ましくは深さ5μm以上50μm以下の凹凸模様が形成されている。
このように、本発明に係る圧延クラッド薄板は、少なくとも片側の表層に硬質多層金属板を配される。これは、硬質多層金属板の表面近傍に接合前に予め凹凸模様を形成しておき、接合後に行われる仕上げ研磨によりこの凹凸の一部もしくは全部を研磨除去することによって、複数の硬質金属層のうちの少なくとも1つが露出した複数の色調からなる斑状の模様を形成するためである。
硬質多層金属板としては、熱間での圧延法により接合された複数の硬質金属板を用いることができる。硬質多層金属板を構成する複数の硬質金属板としては、普通鋼板,高炭素鋼板,各種ステンレス鋼板,ニッケル金属板,鉄−ニッケル合金板,銅板,銅合金板,チタン板,チタン合金板等が例示される。
また、接合後に行われる仕上げ研磨により凹凸の一部もしくは全部を研磨除去することによって表面に斑状の模様を発現するには、硬質多層金属板の最表面から深さ100μmの間に、厚さ2μm以上の硬質金属層からなる境界を少なくとも一つ有する必要がある。
硬質多層金属板と接合する他の金属板は、元の硬質多層金属板を製造するための熱間接合圧延に供することができない低融点金属を用い、その代表例としてアルミニウム板もしくはアルミニウム合金板が例示される。ただし、温間もしくは冷間の圧延法により硬質多層金属板と接合できる金属板であれば如何なる金属板を用いてもよく、アルミニウム板もしくはアルミニウム合金板に限定されるものではない。
本発明に係る圧延クラッド薄板は、硬質多層金属板と他の金属板との圧延法による接合ままの硬質多層金属板の表面に凹凸が形成されており、接合後に行われる仕上げ研磨により凹凸の一部もしくは全部を研磨除去した後の表面に、複数の硬質金属層のうちの少なくとも1つが露出した複数の色調からなる斑状の模様を発現させることができる。
すなわち、接合に先だって硬質多層金属板に予めエンボス圧延やダル圧延によって深さ5μm以上の凹凸模様を施す理由は、圧延クラッド薄板の表面に、複数の硬質金属層のうちの少なくとも1つが露出した複数の色調からなる斑状の模様を形成するためである。
本発明に係る圧延クラッド薄板における硬質多層金属板は、その表面に、銅、ニッケル、錫、クロム、亜鉛またはアルミニウムの単一もしくは複層のめっき処理層を有することができる。すなわち、本発明に係る圧延クラッド薄板は、凹凸の付与された硬質多層金属層の外面に,さらに銅やニッケル,錫,クロム,亜鉛,アルミニウムの単一もしくは複層のめっき処理を施されてめっき処理層を有することによって、接合後に行われる仕上げ研磨により凹凸の一部もしくは全部を研磨除去した後の表面に、さらにバリエーションに富んだ色調の斑状の模様を現出することができ、さらに意匠性を付与することが可能となる。
2.本発明に係る製造方法
本発明では、エンボス圧延またはダル圧延によって深さ5μm以上、望ましくは深さ5μm以上50μm以下の凹凸模様を形成された硬質多層金属板を、温間もしくは冷間での圧延法によって他の金属板と接合するに際し、使用温度における動粘度が80mm/sec以上のニート油もしくはエマルションタイプの圧延潤滑剤を用いるとともに、凹凸模様の凹部長さX(mm)と圧延時の接触孤長L(mm)とをL≧X×1.2の範囲に調整する。
ここで、接触孤長Lは使用するワークロール半径R(mm)と接合時の圧下量Δh(mm)を用いてL=√(R・Δh)として算出される。
硬質多層金属板と他の金属板との圧延法による接合に際して、使用温度における動粘度が80mm/sec以上のニート油もしくはエマルションタイプの圧延潤滑剤を用いる理由は、接合の際に硬質多層金属板の表面に形成された凹凸模様の凹部に圧延潤滑剤を捕捉させ、かつ圧延ロールギャップ内に閉塞することによって、凹凸模様が圧延圧力によって潰されることを防ぐためである。圧延潤滑剤の動粘度が80mm/secより小さいと、圧延時のロールギャップを介して圧延潤滑剤が凹凸から浸み出してしまい、凹部への静水圧力を有効に付与することができない。
また、凹凸模様の凹部長さXと圧延時の接触孤長Lとを、L≧X×1.2の関係を満足するように調整する理由は、凹凸模様の凹部に圧延潤滑剤を閉じ込めるためである。凹部長さLがX×1.2よりも小さくなると、圧延時のロールギャップから凹部の一部がはみ出してしまい、その結果、圧延潤滑剤が凹部から浸み出してしまうために凹部への静水圧力を有効に付与することができなくなる。
本発明により、硬質多層金属板と他の金属板との圧延クラッド薄板を製造することにより、表面に複数の色調からなる斑状の模様を有し、独特の意匠性を呈する圧延圧延クラッド薄板を提供できる。
すなわち、予め片面にエンボス加工を施した硬質多層金属板を素材とし、これを温間圧延接合法により例えばアルミニウム板と接合することにより、圧延圧延クラッド薄板を製造し、硬質多層金属板の表面に残存した凹凸模様を仕上げ研磨して凹凸模様の一部または全部を除去することにより、複数の硬質金属層のうちの少なくとも1つが露出した複数の色調からなる斑状の模様を現出することができる。
さらには、この仕上げ研磨工程に先だって、クラッド板の硬質多層金属層の表面に銅めっきなどの処理を施したり、仕上げ研磨工程の後に酸液によるエッチング処理や電解、陽極酸化、大気酸化などの処理を施せば、さらにバリエーション豊かな意匠性の外観を得ることができる。またこの仕上げ研磨や発色処理は、例えば深絞り成形などの製品加工を行なった後に施してもよいことはいうまでもない.
実施例として、SUS304Lと普通鋼とSUS304Lとを熱間での圧延法により接合した3層の硬質多層金属板と、アルミニウム薄板とを温間での圧延法により接合することにより、本発明に係る圧延クラッド薄鋼帯を試作した。
先ず、量産設備で熱間での圧延法(スラブ段階でSUS304L/SPCE/SUS304の多層構造のスラブを作成し、四方を溶接で固定し熱間圧延を行う方法)により接合したSUS304L/SPCE/SUS304Lの3層クラッドコイルを、熱延板焼鈍および酸洗,冷間圧延,仕上焼鈍および酸洗の工程で、板厚0.65mmの冷延コイルとした。
得られた冷延コイルをさらにエンボスパターンを付与したワークロールで冷間圧延することにより、片側表面のみをエンボス加工した板厚0.6mmの3層クラッドコイル(硬質多層金属板)を得た。
得られた3層クラッドコイルの断面を顕微鏡観察した結果、最表層にあたるSUS304Lと中間層であるSPCEとの境界位置は、表層から深さ60μmの位置に存在した。また、エンボス深さは39.5μmであった。
さらに、得られたクラッドコイルを脱脂洗浄すると同時に、エンボス面と反対側の面を砥粒ブラシで研磨処理することにより接合面を清浄化処理した。
実験用コイル圧延機の入側に配した2基の巻き出しリールに、洗浄処理後の厚さ0.6mmのクラッドコイルと、厚さ2.2mmのA1100純アルミニウムコイルとを設置して巻き出し、ライン中で各々300℃に加熱して重ね合わせつつ温間での圧延法により接合することにより接合サンプルを作成した。
この際の圧延ロールは、直径が120〜200mm(半径で60〜100mm)の通常の鍛鋼ロールであり、表面を#120砥石で研磨したものを用いた。また、圧延潤滑剤としては、40℃での動粘度が30〜210mm/secのものを用い、一部の潤滑剤については蒸留水で4.0質量%に希釈したエマルションタイプとして使用した。
各々の接合条件からL=√(R・Δh)の関係式を用いて接触孤長Lを求め、また得られたサンプルの断面観察により残存した凹凸深さを求めた。
また、得られたサンプルを仕上げ研磨して表面を60〜100μm除去した後に、300℃での大気酸化法にて発色させることにより、意匠性外観の実現有無を目視で判定した。複数の色調からなる斑状の模様を明瞭に確認できたものを合格とし、確認できなかったものを不合格とした。表1に実施した各々の試作条件と評価結果を示す。
Figure 0006398790
No.1〜17に示す実施例は、いずれも、本発明で規定する製造方法に従って製造したものであり、接合前後の凹凸深さ変化率がいずれも15%以内に収まり、また仕上げ研磨後の意匠性外観も良好であった。
なお、No.15〜17に示した実施例は、多層硬質金属板としてそれぞれ、SUS430/純Cu/純Ni/SUS430(No.15)、純Ti/純Cu/SPCE(No.16)、SPCE/純Ni/SPCE(No.17)を使用したものであり、さらに実施例17はクラッド接合後の表面にCuめっきを施した例である。
これに対し、No.18〜23に示す比較例は、圧延潤滑剤として動粘度が100mm/sec未満のニート油を用いた例であるが、L/Xの値が1.2を上回っているにもかかわらず、接合前後の凹凸深さ変化率がいずれも15%を超え、また仕上げ研磨後の意匠性外観としても明瞭な模様を得られなかった。
さらに、No.24〜26に示す比較例は、圧延条件としてL/Xの値が1.2を下回った例であるが、いずれも接合前後の凹凸深さ変化率がいずれも15%を超え、また仕上げ研磨後の意匠性外観としても明瞭な模様を得られなかった。

Claims (2)

  1. 圧延法により接合された普通鋼板、高炭素鋼板、ステンレス鋼板、ニッケル板、ニッケル合金板、チタン板およびチタン合金板から選択される複数の硬質金属層からなる硬質多層金属板と、アルミニウム板またはアルミニウム合金板からなる他の金属板とを備え、該硬質多層金属板が露出する少なくとも片方の面に深さ5μm以上50μm以下の凹凸模様を有するとともに、意匠性クラッド薄板の素材として用いられることを特徴とする圧延クラッド薄板。
  2. 予めエンボス圧延またはダル圧延によって深さ5μm以上の凹凸模様を施された硬質多層金属板を、温間もしくは冷間での圧延法によって他の金属板と接合するに際し、使用温度における動粘度が80mm2/sec以上のニート油もしくはエマルションタイプの圧延潤滑剤を用いるとともに、前記凹凸パターンの凹部長さX(mm)と圧延時の接触孤長L(mm)とをL≧X×1.2の範囲に調整することを特徴とする請求項1に記載された圧延クラッド薄板の製造方法。
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